JP2005017776A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】像担持体上からの残留異物の除去効率を高めることで安定したクリーニング特性を維持できる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体2表面に接触するクリーニング部材として上記像担持体からシート等の記録媒体への画像転写を終えた位置で像担持体2表面に残留する付着物を掻き取り可能な圧力で接触するクリーニングブレード9を備え、画像形成終了時に画像形成時とは逆の方向に移動後、停止される逆転動作を設定されている画像形成装置1において、クリーニングブレード9は、像担持体2が逆転動作を行う間、画像形成時に設定される定常圧から所定圧力に減圧され、逆転動作を終了して停止した際には減圧状態を維持されるとともに像担持体2が画像形成を開始する直前に像担持体2に対する接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧する構成であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】像担持体2表面に接触するクリーニング部材として上記像担持体からシート等の記録媒体への画像転写を終えた位置で像担持体2表面に残留する付着物を掻き取り可能な圧力で接触するクリーニングブレード9を備え、画像形成終了時に画像形成時とは逆の方向に移動後、停止される逆転動作を設定されている画像形成装置1において、クリーニングブレード9は、像担持体2が逆転動作を行う間、画像形成時に設定される定常圧から所定圧力に減圧され、逆転動作を終了して停止した際には減圧状態を維持されるとともに像担持体2が画像形成を開始する直前に像担持体2に対する接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧する構成であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物を除去するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写シートなどの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング工程に供される。 上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング工程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング工程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。特に、上述したトナーや紙粉あるいは添加剤に限らず、使用される現像剤中に含まれる材料として、二成分系現像剤を用いる場合には、キャリアとして用いられる材料が鉄粉であるために、これがクリーニングブレードと感光体表面との間に堆積すると感光体表面が傷つけられてしまい、結果として経時的に感光体表面の表面粗さが変化することになり、クリーニングブレードの接触状態が変化してクリーニング不良が発生しやすくなる。
【0006】
一方、クリーニングブレードは感光体表面に対して所定の当接圧力により圧接しているが、きわめて小さい接触面積で接触しているクリーニングブレードのエッジ部分ではかなりの強さの圧力が作用しており、これによって感光体表面に残留付着しているトナがー押圧されて薄層化するトナーフィルミングが発生することがある。つまり、クリーニングブレードのエッジ部分では、異物が挟み込まれたままで継続してクリーニングが行われると、その異物により感光体表面が傷つけられたりあるいは感光体表面にトナーが押圧接触されることによるトナーフィルミング、つまり、トナーの薄層が感光体表面に形成されてしまう現象が生じてしまい、感光体表面での光電特性、特に、帯電特性が悪化して画像品質を悪化させることになる。
【0007】
従来、クリーニングブレードを用いた場合の不具合を解消するための構成として、定期的にクリーニングブレードに対して弾性板を摺擦させることにより清掃してブレード端部に堆積している付着物を除去する構成(例えば、特許文献1,2)、ブレードの端部を摺擦するブラシを設けた構成(例えば、特許文献3)、クリーニングブレードの感光体に対する当接圧を減圧させた上で感光体を画像形成時とは逆方向に回転させてブレード端部に堆積している付着物を剥がすようにした構成(例えば、特許文献4)がある。
【0008】
【特許文献1】
実開平3−58668号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平5−323846号公報(段落「0027」欄)
【特許文献3】
特許第2759813号(第5頁右欄第28行乃至47行)
【特許文献4】
特開2000−15554号公報(段落「0030」欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の構成においては次のような問題がある。
クリーニングブレードに弾性板を摺擦させる構成では、感光体に対するクリーニングブレードの当接状態として、ブレードの厚さ方向の端面縁部のうちで、感光体の回転方向上流側に位置する端面縁部が感光体に当接する状態をいうトレーリング当接状態を採用した構成のクリーニング装置において可能な構成であり、これとは異なり、ブレードの厚さ方向の端面縁部のうちで感光体の回転方向下流側に位置する端面縁部が感光体に当接する状態をいうカウンタ当接状態を用いる構成のクリーニング装置では、弾性板が感光体表面と当接している端面縁部に行き届かにくいことが原因して十分な付着物の除去が行えない。
【0010】
ブラシによるブレード端部の清掃を行う構成では、上述したトレーリング当接状態においてもブラシ先端が感光体表面と端面縁部との間に行き届くことから付着物の除去が可能となる反面、ブレードの厚さに対してブラシの毛倒れが発生するとブラシの外径縮小によりブラシ先端が付着物に届きにくくなることが原因してクリーニング性能が悪化する虞がある。
さらに、逆転時でのクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除により両者間から異物を取り除く構成においては、逆転時にクリーニングブレードがそれまでと反対側に反り返るのを利用してブレードの端面縁部(エッジ)に挟み込まれて堆積している異物の挟み込みを解除することができる反面、正転復帰されると再度異物を挟み込める状態となり、逆転から正転に転じるだけあるいは逆転のみでは完全に異物の挟み込みを完全に解消することが難しいのが現状である。特に、クリーニングブレードの先端、つまり感光体表面側に位置する先端端面の縁部(エッジ)のうちで感光体の移動方向下流側に位置する縁部(エッジ)を感光体表面に当接させる場合(カウンタ当接状態)にはこの現象が顕著となることが本発明者の実験により確認されている。
【0011】
一方、感光体に付着しているトナーを除去する場合、感光体表面の摩擦係数が低いほど掃き落としやすくなることでトナーを除去しやすいことから摩擦係数が高いと除去効率が低くなる。特に、摩擦係数(μ)が0.2以上であるとクリーニング特性が悪化することが本発明者の実験により確認されている。
【0012】
摩擦係数はクリーニングブレードとの間で発生する摩擦エネルギーに影響し、摩擦エネルギーが高いと、トナーが感光体表面に融着する場合があり、これによりクリーニングブレードでの除去効率が低下する。特に、使用されるトナーが高解像度を達成される目的で小粒径である場合、トナーの熱容量が小さいことに起因して融着しやすくなる。この結果、感光体表面から除去されないトナーが生じることになる。
【0013】
感光体上で融着などによってクリーニングされないトナーはフィルミングと称される薄層化を生じる。フィルミングはクリーニングブレードで除去できなかったトナーが感光体表面に堆積する現象であり、感光体表面を対象として実施される帯電、現像、転写およびクリーニングという各工程での感光体表面での特性悪化が影響して正常に行うことができなくなるという不具合を招く。
【0014】
フィルミングは感光体表面の硬度に影響されており、表面硬度が低い場合にはブレードによる研磨作用で感光体表面が新たな面に更新されることで発生しにくいが、表面硬度が高く表面の摩耗が少ないアモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体や、少なくとも最表面に無機粒子を含む感光体等を用いた場合に表面研磨が難しいことによりフィルミングの解消が困難となる。
【0015】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特にクリーニング工程での問題に鑑み、像担持体上からの残留異物の除去効率を高めることで安定したクリーニング特性を維持できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、像担持体表面に接触するクリーニング部材として上記像担持体からシート等の記録媒体への画像転写を終えた位置で上記像担持体表面に残留する付着物を掻き取り可能な圧力で接触するクリーニングブレードを備え、画像形成終了時に画像形成時とは逆の方向に移動後、停止される逆転動作を設定されている画像形成装置において、上記クリーニングブレードは、上記像担持体が逆転動作を行う間、画像形成時に設定される定常圧から所定圧力に減圧され、逆転動作を終了して停止した際には減圧状態を維持されるとともに像担持体が画像形成を開始する直前に像担持体に対する接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧する構成であることを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記像担持体は、画像形成処理のために動作する前に一旦画像形成処理時での移動方向と逆方向に駆動されて停止させられた後、少なくとも1回の正方向移動および逆方向移動を行う構成とされていることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニング部材は、上記像担持体に対する圧力を減圧される過程で該像担持体から離間させる構成であることを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明に加えて、上記像担持体は、上記クリーニングブレードが減圧された状態を設定された後、逆方向への移動を開始する構成であることを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、上記像担持体に対する接触圧力を、該像担持体を駆動源とする構成により段階的に変更可能であることを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードの接触圧力を変更する構成として、上記像担持体に接離可能な方向に変位可能なクリーニングブレード支持部に接触して上記像担持体に連動する偏心カムが用いられ、偏心カムとクリーニングブレード支持部との対向状態に応じてクリーニングブレードによる像担持体に対する接触圧力を変更する構成が用いられることを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の発明に加えて、上記像担持体に対するクリーニングブレードの接触圧力の変更は、画像形成時以外に実行されることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、上記像担持体の画像形成時以外の時に該像担持体からの駆動力が伝達されるクラッチを備え、該クラッチによる動作時期の設定により像担持体に対する接触圧力を変更できる構成を備えていることを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニング部材としてブラシが用いられ、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されていることを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明に加えて、上記像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明に加えて、上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項1乃至12のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体およびクリーニング部材に加えて、こら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記感光体およびクリーニング部材とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0030】
図1においてプリンタ1は、像担持体として潜像担持が可能なドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
【0031】
本実施形態における感光体ドラム2は、表面硬度が高く摩耗の少ないアモルファスシリコン(a−Si)あるいは最表面層に無機粒子を含有する構成を備えており、表面での摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0032】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7と対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0033】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触した状態でそれぞれ配置されている。
クリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向(移動方向)上流側入り口を封止する漏洩防止部材としてのシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0034】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されている。この場合にいう接触面圧は、感光体ドラム2に対して狙いとする食い込み量を確保したときにブラシに生じる反力に相当している。つまり、図5に示すように、平坦面の支持台上にブラシ(図5において基布と植毛部とを含む)を配置し、このブラシに対してこれに対向する平面が単位面積(1cm2)を有する棒材などで所定の食い込み量、この場合には1.5mm食い込ませた場合に生じるブラシの反力の大きさに相当している。
図5では、平面の面積が1.0cm2とされた棒材をブラシに押し当てた場合を対象としているが、より大きな面積の平面を押し当ててブラシに食い込ませ、その反力の大きさをその面積で除算して単位面積あたりでの反力の大きさを得るようにしても良い。これにより、感光体ドラム2の表面にブラシが接触すると、ファーブラシを用いた場合と違って、感光体表面での残留異物の掃き取りに必要な反力を確保できると共に、感光体表面の損傷を低減することができる。特に、ブラシを用いた残留異物の除去性が高められるとそれだけクリーニングブレードでの掻き取り負荷を軽減することができ、クリーニングブレードの押し付け作用によるフィルミングの発生が抑制できる。
【0035】
本実施形態では、画像形成終了後に再度画像形成を行うため、あるいはプリンタ1の始動時等のように感光体ドラム2が回転動作を開始する前に、一旦感光体ドラム2を動作させて停止させ、再度動作させた後、待機のために停止させるようになっている。以下、この回転制御の詳細について説明する。
【0036】
感光体ドラム2は、画像形成のために回転する前に画像形成処理時の移動方向(以下、これを正方向という)とは逆方向に移動し、少なくとも1回の正方向および逆方向移動を行うようになっている。つまり、感光体ドラム2が画像形成処理のための回転開始前に逆転した状態で停止するようになっている。例えば、感光体ドラム2を対象とした場合の移動が回転であるので、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−正転−逆転−停止という回転サイクルやこの回転サイクルを2回(画像形成終了−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止)あるいは3回(画像形成終了−逆転−正転−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止等のように複数回繰り返す行程が設定されている。
【0037】
さらに、本実施形態では、上述した感光体ドラム2の逆方向の回転、つまり逆転動作を行う間、クリーニングブレードの接触圧力を画像形成時での定常圧から所定圧力に減圧し、逆転動作が終了して停止した際には減圧状態が維持されるとともに感光体ドラム2が画像形成を開始するために正転を開始する直前にクリーニングブレードの接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧するようになっている。このクリーニングブレードの圧力設定に関しては後述する。
【0038】
感光体ドラム2の回転制御は、図3に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22などが接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部(図3ではドラム駆動部と表示してある)2Aおよびクリーニングブレード9の圧力調整に用いられる手段の駆動部(図3では、ブレード駆動部と示されている)2Bが接続されている。
【0039】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかにより感光体ドラムの回転開始時であるかどうかを判別する。
この判別処理を行う際には、画像形成回数が設定された場合を対象とすると、画像形成回数カウンタ22からの計数値に基づき画像形成終了時の判別を行うことで感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0040】
逆方向への移動の際の移動量は、クリーニングブレード9に対面している感光体ドラム2の表面がシール12を超えない量に設定され、本実施形態では、回転動作時間でいうと、40〜60msとされている。この回転動作時間では、周速にもよるが、概ね10〜15mm程度の移動量が得られる値とされ、この値とすることにより回転量が多くなった場合に発生するクリーニングブレード9の摩耗や欠けを防ぐようになっている。
【0041】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転することにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、感光体ドラム2表面のエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、図4(A)に示すように、正転時にクリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2との間に異物が挟み込まれていた状態から、図4(B)に示すように、エッジと感光体ドラム2とによる挟み込みが解除された状態となり、クリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれていた異物が両者間から離れて両者間から除去されることになる。
【0042】
待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。しかも、逆方向移動の際には、シール12を超えない移動量が設定されていることにより、感光体ドラム2表面のトナーを始めとする残留異物がシール12により摺擦されることがないので、残留異物の自重による落下や摺擦による剥落が生じないようにできる。
【0043】
一方、本実施形態におけるクリーニング装置7には、クリーニングローラ8と共に、感光体ドラム2から残留付着物を除去するために用いられているクリーニングブレード9にも特徴があり、特に、クリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時に接触圧力を減圧した状態に維持でき、しかも減圧された接触圧力が変更できるようになっている。
【0044】
図1において、感光体ドラム2に対するクリーニング行程を実行するクリーニング装置7には、クリーニングブラシ8とともに感光体ドラム2上の残留異物を除去するためのクリーニングブレード9が設けられており、図1に示す構成では、感光体ドラム2およびクリーニング装置7を含む画像形成処理に用いられる装置が、図1および図2において符号Pで示すように、画像形成装置に対して着脱可能に設けられているカートリッジ内に装備されている。
【0045】
図1においてクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の回転方向下流側の縁部を感光体ドラム2に対向させて、いわゆるカウンタ当接により感光体ドラム2上の残留付着物を掻き取る構成を備えている。
【0046】
クリーニングブレード9は、これの支持部材をなすブラケット9Aを用いることにより感光体ドラム2に対して揺動可能に設けられており、支点軸9Bを境にしてブレード9側と異なる揺動端側には、クリーニングブレード9を揺動させて感光体ドラム2に対して接離させる駆動源としてのソレノイドなどの圧力調整手段100が設けられている。圧力調整手段100は、図3に示した駆動部)ブレード駆動部)2Bにより動作制御されるようになっている。
ブラケット9Aは、図示しない弾性付勢手段によりクリーニングブレード9を常時感光体ドラム2に対して所定の定常圧、この場合には、残留異物の掻き取りが行える圧力で接触する習性が付与されている。
【0047】
圧力調整手段100は、弾性付勢手段を利用して感光体ドラム2に接触しているクリーニングブレード9の圧力を減圧するための手段であり、作動時、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる向きにブラケット9Aを揺動させる。この場合の減圧量としては、掻き取りに必要な接触圧力よりも弱い圧力でクリーニングブレード9が感光体ドラム2に接触する圧力に設定されており、後述する感光体ドラム2の移動方向の切り換え形態に応じて減圧状態を維持できるようになっている。
【0048】
本実施形態では、画像形成終了後に感光体ドラム2が回転を停止する前後において、感光体ドラム2が画像形成時とは逆方向方向に回転した際に、圧力調整手段100が作動して減圧動作が実行される。これにより、クリーニングの際にクリーニングブレード9により感光体ドラム2の表面から掻き取られた残留異物がクリーニングブレード9からの接触圧力により拘束されて挟まれたままであっても、拘束状態が解除されてその残留異物除去されることになる。
【0049】
感光体ドラム2の逆転が終了すると、再度の画像形成のために感光体ドラム2が正転することになるが、正転を開始する直前に圧力調整手段100は初期状態に復帰することとなり、ここに、クリーニングブレード9が残留異物を掻き取り可能な圧力で感光体ドラム2に接触する。これにより、感光体ドラム2が逆転するときにクリーニングブレード9が減圧されるので、感光体ドラム2の表面での摩擦係数の設定により挟み込まれていた異物が感光体表面の移動に追随して移動することと相俟って、感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれたままの残留異物が除去される。
【0050】
次に、クリーニングブレード9の減圧方式について説明する。
クリーニングブレード9は、感光体ドラム2の逆転時に減圧される方式として、次の方式が選択される。
(A)画像形成終了時に行われる感光体ドラム2の逆転移動量により感光体ドラム2の周面が移動する過程で掻き取りに必要な圧力よりも弱い圧力に変更する。
(B)(A)に挙げた掻き取りに必要な圧力よりも弱い圧力として、クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させて圧力を作用させないようにする。
(C)逆転時での接触圧力を複数設定する。
(D)感光体ドラム2の逆転時に段階的に接触圧力を変更する。
【0051】
(A)および(B)に挙げた選択方式は、図1に示した圧力調整手段100としてソレノイドなどの励磁、非励磁という2形態の設定による2段階の圧力設定が用いられる。本実施形態では、圧力調整手段100として用いられるソレノイドの励磁状態では、クリーニングブレード9が感光体ドラム2に対して定常圧で接触する一方、非励時状態では、上述した定常圧よりも弱い圧力での接触若しくは感光体ドラム2の表面から離れる状態が設定できるようになっている。
【0052】
(C),(D)に挙げた方式に関しては、図6乃至図8に示すように、圧力調整手段(便宜上、図7において符号100’で示す)としてクリーニングブレード9の揺動ストロークを変化させることができるカム機構が用いられる。
【0053】
図6は、上述したカム機構を用いる場合のクリーニング装置7の構成を示す図であり、同図に示すクリーニング装置7には、図1に示したクリーニング装置7に装備されていた圧力調整手段100を設けない代わりに、図7および図8において説明するような、感光体ドラム2を駆動源とするカム機構100’が備えられている。
図6において、クリーニングブレード9のブラケット9Aは、図1に示した場合と同様に支点軸9Bを基準に揺動可能な構成であり、揺動端にはクリーニングブレード9および揺動端の最外端にはクリーニングブレード9を感光体ドラム2に向けて当接させる方向の揺動付勢を行うためのバネなどの付勢手段101が設けられている。
ブラケット9Aは、付勢手段101の付勢力を利用してクリーニングブレード9を感光体ドラム2に圧接させる加圧手段としての機能を有している。
【0054】
ブラケット9Aの揺動端側には、感光体ドラム2に対するクリーニングブレード9の接触圧力を減圧するための手段である偏心カム102が設けられており、偏心カム102は、感光体ドラム2を駆動源としている。つまり、偏心カム102は、感光体ドラム2の回転軸と自らの回転軸102Aとの間に設けてある減速ギヤ群などの伝達機構(図示されず)を介して感光体ドラム2の回転方向を基準として回転方向が設定されるようになっており、その回転方向に応じてブラケット9Aに対する接触対向状態を変化させることができる部材として用いられる。このため、偏心カム102の回転軸102Aは、図示しない一方向回転クラッチ(図示されず)を介して感光体ドラム2側の回転伝達が行われるようになっている。
【0055】
一方向回転クラッチは、感光体ドラム2が画像形成時での正方向の回転(正転)とは逆の方向への回転(逆転)時にのみ感光体ドラム2の回転を偏心カム102の回転軸102Aに伝達する機能を備えており、本実施形態では、図3に示したブレード駆動部2Bに接続されて動作時期を設定可能なロータリーソレノイドが用いられる。
【0056】
偏心カム102の回転軸102Aにはコイルバネ103が挿嵌されており、偏心カム102はコイルバネ103の習性により回転軸102Aに対して感光体ドラム2からの回転が伝達されない空転時には、図7に示すように、ブラケット9Aからカム外周面が離間する方向に付勢されており、このときにはクリーニングブレード9が、ブラケット9Aに対する付勢手段101からの付勢力により感光体ドラム2に圧接するようになっている。
【0057】
偏心カム102の回転軸102Aに感光体ドラム2からの回転が伝達されると、偏心カム102は、コイルバネ103の習性に抗して外周面をブラケット9Aに対向当接させる方向に回転し、これにより、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる方向にブラケット9Aを揺動させることができる。
【0058】
偏心カム102のカムプロフィールとしては、回転軸102Aに感光体ドラム2から回転が伝達された際に感光体ドラム2に対するクリーニングブレード9の圧力を画像形成時での接触圧力よりも一様に弱い圧力(減圧)あるいは段階的に減圧するとともに減圧状態を維持できるカムプロフィール、または、感光体ドラム2の表面から離れるストロークが得られるカムプロフィールが選択設定されている。
カムプロフィールに関しては、一様に弱い圧力を維持できるようにするとクリーニングブレード9を感光体ドラム2に接触させることにより残留異物の除去が可能であるものの、比較的短時間での逆転時に全ての残留異物を除去できない場合もある。そこで、除去できなかった残留異物の堆積量が画像形成回数の増加に比例することを前提として、その回数が増加するに従い、接触圧力を弱める度合いを大きくする。これにより、残留付着物の堆積が生じているような場合には、堆積量に応じてその堆積を解消する条件を設定することで残留付着物の堆積量に関係なく除去することができるようになる。
段階的な減圧状態を設定できるカムプロフィールとする理由は次の通りである。
ソレノイドなどによる2段階の接触圧力設定では、一様に弱められた状態から掻き取りに必要な圧力に復帰した場合、クリーニングブレード9が感光体ドラム2に対して急激な圧力変化を起こした状態で接触することになり、クリーニングブレード9に対する負荷の急変による変形などの機械的な不具合を生じる。そこで、掻き取りに必要な圧力に復帰する場合には、感光体ドラム2に対してソフトランディングを行わせることによりクリーニングブレード9の変形および感光体ドラム2表面への衝撃を防止するようになっている。しかも、接触圧力を弱める場合にも複数の圧力および段階的な圧力設定により、感光体ドラム2に対するクリーニング状態にあるクリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時開始時期から徐々に接触圧力を弱めるようにすると、掻き取られた残留異物の回収状態を急変させることなく、堆積している残留異物を徐々に除去することができる。これにより、回収された残留異物がその掻き取り状態を急に解消されてしまった場合に零れ落ちてしまうのを防ぎながら堆積した残留異物を除去することができるようになる。
クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離すことができるカムプロフィールとした場合には、クリーニングブレード9に作用していた異物への挟持圧力を解除することになり、ブレード縁部に挟み込まれていた異物が剥落できる状態を得ることができる。
【0059】
本実施形態は以上のような構成であるから、感光体ドラム2が画像形成処理を終了すると、上述した回転モードにより逆転後停止する。逆転時にはクリーニングブレード9が掻き取り可能な接触圧力よりも弱い圧力に減圧されており、これにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれている異物への挟持圧力が緩和若しくは解除されるので、クリーニングブレード9の先端に堆積している異物の除去が可能となる。従って、異物がクリーニングブレード9と感光体表面との間に挟み込まれたままとなることがないので、ブレード先端に堆積した異物の存在によってクリーニングブレード9をすり抜ける異物が発生するのも抑えることができるので、フィルミングの発生をなくすことができる。
【0060】
感光体ドラム2が画像形成のために正転を開始する際には、画像形成の直前にクリーニングブレード9が定常圧に加圧されることになるので、逆転時に清掃されたトナーなどを始めとする異物が再度ブレードの縁部に挟み込まれるようなことがなく、クリーニングブレード9による異物除去機能を維持することができることになる。
【0061】
一方、逆転時に実行される減圧処理は、一様な圧力への減圧、段階的な減圧あるいは圧力を作用させない状態のいずれかを選択できることにより画像形成時にブレードの縁部に挟み込んだ異物への挟持圧力の解放により異物の除去が容易となり、ブレード縁部に付着堆積している異物の除去がその付着堆積量に拘わらず確実に行えることになる。
【0062】
次に本発明の実施形態における変形例について説明する。
本例では、感光体ドラム2の回転制御において、減圧処理が終了した時点で逆転を行わせることを特徴としている。
図1あるいは図6に示した画像形成装置におけるクリーニング装置7では、感光体ドラム2の逆転時に定常圧から減圧することで挟み込まれていた異物を剥落させて除去するようになっているが、逆転過程での減圧はその圧力変化が不安定となり、結果として、回転している感光体ドラム2の表面が異物により摺擦されてダメージを受けることがある。そこで、本変形例では、減圧が終了した時点で初めて感光体ドラム2を逆転動作させて上述した不具合を解消できるようにしている。
【0063】
本例では、図3に示した制御部20においてブレード駆動部2Bを用いたクリーニングブレード9の減圧が終了したタイミングに合わせてドラム駆動部2Aを介した感光体ドラム2の逆転動作が開始されるようになっている。
【0064】
本例は以上のような構成であるので、制御部20で実施される動作手順を説明するためのフローチャートを示す図9により作用を説明すると次の通りである。
まず、図9(A)において逆転動作を行う回転制御の手順を説明すると、この手順では、画像形成(図9(A)ではコピーと示してある)が開始される(ST1)と、クリーニングブレード9が定常圧で感光体ドラム2に接触する(ST2)と共に、感光体ドラム2(図9では、便宜上、感光体と表示してある)が正転(ST3)することにより画像形成処理が実行される。画像形成処理が終了する(ST4)と、感光体ドラム2が停止し(ST5)、感光体の逆転動作が開始されると共にクリーニングブレード9が減圧される(ST6)。逆転した感光体ドラム2は減圧状態を維持されて(ST7)、次回の画像形成が開始されるまでの間、待機する(ST8)。
【0065】
一方、図9(B)は、本例での手順を示しており、同図において、符号ST1〜ST6で示す手順は図9(A)で示した場合と同様であり、感光体ドラム2が画像形成処理終了後に停止すると、クリーニングブレード9が減圧され、減圧状態を設定された後に感光体ドラム2が逆転動作を実行されて停止され、この状態で待機する(ST9〜ST11)。
【0066】
図9(C)は、画像形成処理終了後に感光体ドラム2が停止されるまでの手順において図9(A)、(B)に示した場合と同様とし、クリーニングブレード9が減圧された後、少なくとも1回のサイクルで感光体ドラム2の正転および逆転を繰り返す場合の手順を示している。
この場合には、符号ST12〜ST16に示すように、クリーニングブレード9が画像形成時と同様に定常圧により感光体ドラム2に接触した後、つまり、感光体ドラム2が画像形成時の正転を開始する直前にクリーニングブレード9が減圧状態から定常圧に加圧された時点で感光体ドラム2が正転して停止し、再度、クリーニングブレード9が減圧された後、感光体ドラム2が逆転して停止し、この状態で待機する。符号ST12〜ST15に示した手順は、少なくとも1回の場合を示しているので、2回以上繰り返すことも勿論可能である。このような手順により、図4に示した場合と同様に、クリーニングブレード9の縁部(エッジ)に挟まれていた異物が挟持圧力を解除されて除去されやすい状況の発生頻度を高めて異物の除去効率を向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、画像形成終了時に実施される逆転動作中にクリーニングブレードを減圧することにより、画像形成時でのブレードの当接状態から減圧完了時での当接状態へと推移する過程で逆転動作を行うことができ、ブレード端面において様々な状態で付着、堆積しているトナー塊や紙粉などの異物をその状態に関係なく除去することが可能となる。しかも、逆転動作終了時には減圧状態が維持されるので、無駄な圧力がブレードに作用しないのでブレードの永久歪みの発生を抑えて像担持体に対するクリーニングブレードの当接条件を経時に亘り安定した状態で維持することができる。さらに、画像形成時には減圧状態から定常圧に復帰させてから画像形成時に設定されている移動方向に像担持体を移動させるので、逆転時にブレード端部から除去することで清掃された紙粉などの異物が再びブレード端面と像担持体との当接部に挟み込まれるような事態を確実に防止することが可能となる。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、クリーニングブレードが像担持体に対する圧力を減圧される過程で像担持体から離間するので、ブレードの端部に堆積していた異物が離間した隙間から剥落しやすくなり、異物の除去効率を上げることが可能となる。
【0069】
請求項4記載の発明によれば、像担持体がクリーニングブレードの減圧設定後に画像形成時とは逆方向に移動する構成であるので、減圧途中での逆方向移動の開始がなく、これにより、逆方向移動中に減圧される場合と違って、ブレード先端での接触状態が不安定な状態とならないようにすることができる。この結果、不安定な状態の場合に像担持体表面に付着堆積している異物による像担持体表面へのダメージを与えることなく、像担持体の表面特性の悪化を防止することが可能となる。
【0070】
請求項5記載の発明によれば、像担持体に対するクリーニングブレードの接触圧力を像担持体を駆動源とする個性を用いて段階的に変更することができるので、特別な駆動源を用いることなく、像担持体とクリーニングブレードとの接触位置に付着堆積している異物の除去効率を最適化することが可能となる。
【0071】
請求項6記載の発明によれば、クリーニングブレードの接触圧力を変更する構成として、像担持体に連動する偏心カムおよび偏心カムによる操作される構成を用いることで像担持体の動作タイミングに合わせて所定の接触圧力を設定することができる。これにより、クリーニングブレードの接触圧力の設定構成を簡略化するとともに精度よく設定することが可能となる。
【0072】
請求項7および8記載の発明によれば、クリーニングブレードの圧力変更が画像形成に影響しないように設定して異物除去が可能となるとともに、その圧力変更を行う時期をクラッチにより設定することができるので、クリーニングブレード独自での圧力変更や圧力変更時期設定のための構成を必要としない分、構成の簡略化が可能となる。
【0073】
請求項9記載の発明によれば、クリーニング部材としてブラシが用いられる場合、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されているので、像担持体表面に残留する異物の掃き取りに必要な反力を得ることができると共に感光体表面への損傷をなくすことができる。しかも異物の掃き取りに必要な反力が得られることで異物の除去効率が高められることによりクリーニングブレードとの組み合わせ構成とした場合には、クリーニングブレードでの掻き取り負荷、つまり、像担持体表面に対する接触圧力を低減させてブレードの押しつけにより発生するフィルミングをなくすことが可能となる。
【0074】
請求項10記載の発明によれば、感光体の表面摩擦係数(μ)がμ=0.2以上とされているので、極端に摩擦係数を低くするような作業が必要ないので、潤滑剤の供給などの特別な摩擦係数低減構造を不要にしてコスト上昇を防止することが可能となる。
【0075】
請求項11および12記載の発明によれば、感光体としてその表面層がクリーニング部材により掻き取りにくい材質で構成され、特に、請求項11記載の発明では高硬度が得られるアモルファスシリコンまた請求項12記載の発明では無機粒子を含む材質とされることにより感光体の長寿命化、膜厚変化による特性変化の抑制さらには表面の損傷防止が可能となり、表面性が悪化した場合に発生する残留付着物の擦りつけによる堆積を防止できる。しかも、このようなクリーニング部材で削り取りにくい高硬度の材質を感光体に用いた場合でも、クリーニング部材としてブレードあるいはグブラシを用いるだけで像担持体上からの残留付着物の回収が可能となる。
【0076】
請求項13記載の発明によれば、感光体およびクリーニング装置さらには画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に感光体およびクリーニング装置と共に一つのカートリッジに装備されているので、作像部が複数接地されているような場合には各作像部毎に保守点検および交換が可能となり、装置全体の作像部を一括して保守点検あるいは交換する場合に比べてコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した実施形態に用いられるカートリッジの作用を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体ドラムの制御構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図3に示した制御構成による感光体ドラムとクリーニングブレードとの関係を説明するための図であり、(A)は正方向の移動時を、(B)は逆方向の移動時をそれぞれ示す。
【図5】ブラシの接触面圧の意味を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態における要部の変形例を説明するための模式図である。
【図7】図6に示した要部の構成を説明するための図である。
【図8】図7に示した要部の一態様を説明するための図である。
【図9】本発明の実施系他における変形例に関する作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
2B クリーニングブレードの駆動部
7 クリーニング装置
8 クリーニングローラ
9 クリーニングブレード
20 制御部
100,100’ 圧力調整手段
102 偏心カム
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物を除去するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写シートなどの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング工程に供される。 上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング工程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング工程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。特に、上述したトナーや紙粉あるいは添加剤に限らず、使用される現像剤中に含まれる材料として、二成分系現像剤を用いる場合には、キャリアとして用いられる材料が鉄粉であるために、これがクリーニングブレードと感光体表面との間に堆積すると感光体表面が傷つけられてしまい、結果として経時的に感光体表面の表面粗さが変化することになり、クリーニングブレードの接触状態が変化してクリーニング不良が発生しやすくなる。
【0006】
一方、クリーニングブレードは感光体表面に対して所定の当接圧力により圧接しているが、きわめて小さい接触面積で接触しているクリーニングブレードのエッジ部分ではかなりの強さの圧力が作用しており、これによって感光体表面に残留付着しているトナがー押圧されて薄層化するトナーフィルミングが発生することがある。つまり、クリーニングブレードのエッジ部分では、異物が挟み込まれたままで継続してクリーニングが行われると、その異物により感光体表面が傷つけられたりあるいは感光体表面にトナーが押圧接触されることによるトナーフィルミング、つまり、トナーの薄層が感光体表面に形成されてしまう現象が生じてしまい、感光体表面での光電特性、特に、帯電特性が悪化して画像品質を悪化させることになる。
【0007】
従来、クリーニングブレードを用いた場合の不具合を解消するための構成として、定期的にクリーニングブレードに対して弾性板を摺擦させることにより清掃してブレード端部に堆積している付着物を除去する構成(例えば、特許文献1,2)、ブレードの端部を摺擦するブラシを設けた構成(例えば、特許文献3)、クリーニングブレードの感光体に対する当接圧を減圧させた上で感光体を画像形成時とは逆方向に回転させてブレード端部に堆積している付着物を剥がすようにした構成(例えば、特許文献4)がある。
【0008】
【特許文献1】
実開平3−58668号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平5−323846号公報(段落「0027」欄)
【特許文献3】
特許第2759813号(第5頁右欄第28行乃至47行)
【特許文献4】
特開2000−15554号公報(段落「0030」欄)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の構成においては次のような問題がある。
クリーニングブレードに弾性板を摺擦させる構成では、感光体に対するクリーニングブレードの当接状態として、ブレードの厚さ方向の端面縁部のうちで、感光体の回転方向上流側に位置する端面縁部が感光体に当接する状態をいうトレーリング当接状態を採用した構成のクリーニング装置において可能な構成であり、これとは異なり、ブレードの厚さ方向の端面縁部のうちで感光体の回転方向下流側に位置する端面縁部が感光体に当接する状態をいうカウンタ当接状態を用いる構成のクリーニング装置では、弾性板が感光体表面と当接している端面縁部に行き届かにくいことが原因して十分な付着物の除去が行えない。
【0010】
ブラシによるブレード端部の清掃を行う構成では、上述したトレーリング当接状態においてもブラシ先端が感光体表面と端面縁部との間に行き届くことから付着物の除去が可能となる反面、ブレードの厚さに対してブラシの毛倒れが発生するとブラシの外径縮小によりブラシ先端が付着物に届きにくくなることが原因してクリーニング性能が悪化する虞がある。
さらに、逆転時でのクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除により両者間から異物を取り除く構成においては、逆転時にクリーニングブレードがそれまでと反対側に反り返るのを利用してブレードの端面縁部(エッジ)に挟み込まれて堆積している異物の挟み込みを解除することができる反面、正転復帰されると再度異物を挟み込める状態となり、逆転から正転に転じるだけあるいは逆転のみでは完全に異物の挟み込みを完全に解消することが難しいのが現状である。特に、クリーニングブレードの先端、つまり感光体表面側に位置する先端端面の縁部(エッジ)のうちで感光体の移動方向下流側に位置する縁部(エッジ)を感光体表面に当接させる場合(カウンタ当接状態)にはこの現象が顕著となることが本発明者の実験により確認されている。
【0011】
一方、感光体に付着しているトナーを除去する場合、感光体表面の摩擦係数が低いほど掃き落としやすくなることでトナーを除去しやすいことから摩擦係数が高いと除去効率が低くなる。特に、摩擦係数(μ)が0.2以上であるとクリーニング特性が悪化することが本発明者の実験により確認されている。
【0012】
摩擦係数はクリーニングブレードとの間で発生する摩擦エネルギーに影響し、摩擦エネルギーが高いと、トナーが感光体表面に融着する場合があり、これによりクリーニングブレードでの除去効率が低下する。特に、使用されるトナーが高解像度を達成される目的で小粒径である場合、トナーの熱容量が小さいことに起因して融着しやすくなる。この結果、感光体表面から除去されないトナーが生じることになる。
【0013】
感光体上で融着などによってクリーニングされないトナーはフィルミングと称される薄層化を生じる。フィルミングはクリーニングブレードで除去できなかったトナーが感光体表面に堆積する現象であり、感光体表面を対象として実施される帯電、現像、転写およびクリーニングという各工程での感光体表面での特性悪化が影響して正常に行うことができなくなるという不具合を招く。
【0014】
フィルミングは感光体表面の硬度に影響されており、表面硬度が低い場合にはブレードによる研磨作用で感光体表面が新たな面に更新されることで発生しにくいが、表面硬度が高く表面の摩耗が少ないアモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体や、少なくとも最表面に無機粒子を含む感光体等を用いた場合に表面研磨が難しいことによりフィルミングの解消が困難となる。
【0015】
本発明の目的は、上記従来の画像形成装置、特にクリーニング工程での問題に鑑み、像担持体上からの残留異物の除去効率を高めることで安定したクリーニング特性を維持できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、像担持体表面に接触するクリーニング部材として上記像担持体からシート等の記録媒体への画像転写を終えた位置で上記像担持体表面に残留する付着物を掻き取り可能な圧力で接触するクリーニングブレードを備え、画像形成終了時に画像形成時とは逆の方向に移動後、停止される逆転動作を設定されている画像形成装置において、上記クリーニングブレードは、上記像担持体が逆転動作を行う間、画像形成時に設定される定常圧から所定圧力に減圧され、逆転動作を終了して停止した際には減圧状態を維持されるとともに像担持体が画像形成を開始する直前に像担持体に対する接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧する構成であることを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記像担持体は、画像形成処理のために動作する前に一旦画像形成処理時での移動方向と逆方向に駆動されて停止させられた後、少なくとも1回の正方向移動および逆方向移動を行う構成とされていることを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニング部材は、上記像担持体に対する圧力を減圧される過程で該像担持体から離間させる構成であることを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明に加えて、上記像担持体は、上記クリーニングブレードが減圧された状態を設定された後、逆方向への移動を開始する構成であることを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、上記像担持体に対する接触圧力を、該像担持体を駆動源とする構成により段階的に変更可能であることを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードの接触圧力を変更する構成として、上記像担持体に接離可能な方向に変位可能なクリーニングブレード支持部に接触して上記像担持体に連動する偏心カムが用いられ、偏心カムとクリーニングブレード支持部との対向状態に応じてクリーニングブレードによる像担持体に対する接触圧力を変更する構成が用いられることを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の発明に加えて、上記像担持体に対するクリーニングブレードの接触圧力の変更は、画像形成時以外に実行されることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項6または7記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、上記像担持体の画像形成時以外の時に該像担持体からの駆動力が伝達されるクラッチを備え、該クラッチによる動作時期の設定により像担持体に対する接触圧力を変更できる構成を備えていることを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニング部材としてブラシが用いられ、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されていることを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明に加えて、上記像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明に加えて、上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項1乃至12のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体およびクリーニング部材に加えて、こら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記感光体およびクリーニング部材とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0030】
図1においてプリンタ1は、像担持体として潜像担持が可能なドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
【0031】
本実施形態における感光体ドラム2は、表面硬度が高く摩耗の少ないアモルファスシリコン(a−Si)あるいは最表面層に無機粒子を含有する構成を備えており、表面での摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0032】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7と対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0033】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触した状態でそれぞれ配置されている。
クリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向(移動方向)上流側入り口を封止する漏洩防止部材としてのシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0034】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されている。この場合にいう接触面圧は、感光体ドラム2に対して狙いとする食い込み量を確保したときにブラシに生じる反力に相当している。つまり、図5に示すように、平坦面の支持台上にブラシ(図5において基布と植毛部とを含む)を配置し、このブラシに対してこれに対向する平面が単位面積(1cm2)を有する棒材などで所定の食い込み量、この場合には1.5mm食い込ませた場合に生じるブラシの反力の大きさに相当している。
図5では、平面の面積が1.0cm2とされた棒材をブラシに押し当てた場合を対象としているが、より大きな面積の平面を押し当ててブラシに食い込ませ、その反力の大きさをその面積で除算して単位面積あたりでの反力の大きさを得るようにしても良い。これにより、感光体ドラム2の表面にブラシが接触すると、ファーブラシを用いた場合と違って、感光体表面での残留異物の掃き取りに必要な反力を確保できると共に、感光体表面の損傷を低減することができる。特に、ブラシを用いた残留異物の除去性が高められるとそれだけクリーニングブレードでの掻き取り負荷を軽減することができ、クリーニングブレードの押し付け作用によるフィルミングの発生が抑制できる。
【0035】
本実施形態では、画像形成終了後に再度画像形成を行うため、あるいはプリンタ1の始動時等のように感光体ドラム2が回転動作を開始する前に、一旦感光体ドラム2を動作させて停止させ、再度動作させた後、待機のために停止させるようになっている。以下、この回転制御の詳細について説明する。
【0036】
感光体ドラム2は、画像形成のために回転する前に画像形成処理時の移動方向(以下、これを正方向という)とは逆方向に移動し、少なくとも1回の正方向および逆方向移動を行うようになっている。つまり、感光体ドラム2が画像形成処理のための回転開始前に逆転した状態で停止するようになっている。例えば、感光体ドラム2を対象とした場合の移動が回転であるので、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−正転−逆転−停止という回転サイクルやこの回転サイクルを2回(画像形成終了−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止)あるいは3回(画像形成終了−逆転−正転−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止等のように複数回繰り返す行程が設定されている。
【0037】
さらに、本実施形態では、上述した感光体ドラム2の逆方向の回転、つまり逆転動作を行う間、クリーニングブレードの接触圧力を画像形成時での定常圧から所定圧力に減圧し、逆転動作が終了して停止した際には減圧状態が維持されるとともに感光体ドラム2が画像形成を開始するために正転を開始する直前にクリーニングブレードの接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧するようになっている。このクリーニングブレードの圧力設定に関しては後述する。
【0038】
感光体ドラム2の回転制御は、図3に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22などが接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部(図3ではドラム駆動部と表示してある)2Aおよびクリーニングブレード9の圧力調整に用いられる手段の駆動部(図3では、ブレード駆動部と示されている)2Bが接続されている。
【0039】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかにより感光体ドラムの回転開始時であるかどうかを判別する。
この判別処理を行う際には、画像形成回数が設定された場合を対象とすると、画像形成回数カウンタ22からの計数値に基づき画像形成終了時の判別を行うことで感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0040】
逆方向への移動の際の移動量は、クリーニングブレード9に対面している感光体ドラム2の表面がシール12を超えない量に設定され、本実施形態では、回転動作時間でいうと、40〜60msとされている。この回転動作時間では、周速にもよるが、概ね10〜15mm程度の移動量が得られる値とされ、この値とすることにより回転量が多くなった場合に発生するクリーニングブレード9の摩耗や欠けを防ぐようになっている。
【0041】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転することにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、感光体ドラム2表面のエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、図4(A)に示すように、正転時にクリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2との間に異物が挟み込まれていた状態から、図4(B)に示すように、エッジと感光体ドラム2とによる挟み込みが解除された状態となり、クリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれていた異物が両者間から離れて両者間から除去されることになる。
【0042】
待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。しかも、逆方向移動の際には、シール12を超えない移動量が設定されていることにより、感光体ドラム2表面のトナーを始めとする残留異物がシール12により摺擦されることがないので、残留異物の自重による落下や摺擦による剥落が生じないようにできる。
【0043】
一方、本実施形態におけるクリーニング装置7には、クリーニングローラ8と共に、感光体ドラム2から残留付着物を除去するために用いられているクリーニングブレード9にも特徴があり、特に、クリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時に接触圧力を減圧した状態に維持でき、しかも減圧された接触圧力が変更できるようになっている。
【0044】
図1において、感光体ドラム2に対するクリーニング行程を実行するクリーニング装置7には、クリーニングブラシ8とともに感光体ドラム2上の残留異物を除去するためのクリーニングブレード9が設けられており、図1に示す構成では、感光体ドラム2およびクリーニング装置7を含む画像形成処理に用いられる装置が、図1および図2において符号Pで示すように、画像形成装置に対して着脱可能に設けられているカートリッジ内に装備されている。
【0045】
図1においてクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の回転方向下流側の縁部を感光体ドラム2に対向させて、いわゆるカウンタ当接により感光体ドラム2上の残留付着物を掻き取る構成を備えている。
【0046】
クリーニングブレード9は、これの支持部材をなすブラケット9Aを用いることにより感光体ドラム2に対して揺動可能に設けられており、支点軸9Bを境にしてブレード9側と異なる揺動端側には、クリーニングブレード9を揺動させて感光体ドラム2に対して接離させる駆動源としてのソレノイドなどの圧力調整手段100が設けられている。圧力調整手段100は、図3に示した駆動部)ブレード駆動部)2Bにより動作制御されるようになっている。
ブラケット9Aは、図示しない弾性付勢手段によりクリーニングブレード9を常時感光体ドラム2に対して所定の定常圧、この場合には、残留異物の掻き取りが行える圧力で接触する習性が付与されている。
【0047】
圧力調整手段100は、弾性付勢手段を利用して感光体ドラム2に接触しているクリーニングブレード9の圧力を減圧するための手段であり、作動時、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる向きにブラケット9Aを揺動させる。この場合の減圧量としては、掻き取りに必要な接触圧力よりも弱い圧力でクリーニングブレード9が感光体ドラム2に接触する圧力に設定されており、後述する感光体ドラム2の移動方向の切り換え形態に応じて減圧状態を維持できるようになっている。
【0048】
本実施形態では、画像形成終了後に感光体ドラム2が回転を停止する前後において、感光体ドラム2が画像形成時とは逆方向方向に回転した際に、圧力調整手段100が作動して減圧動作が実行される。これにより、クリーニングの際にクリーニングブレード9により感光体ドラム2の表面から掻き取られた残留異物がクリーニングブレード9からの接触圧力により拘束されて挟まれたままであっても、拘束状態が解除されてその残留異物除去されることになる。
【0049】
感光体ドラム2の逆転が終了すると、再度の画像形成のために感光体ドラム2が正転することになるが、正転を開始する直前に圧力調整手段100は初期状態に復帰することとなり、ここに、クリーニングブレード9が残留異物を掻き取り可能な圧力で感光体ドラム2に接触する。これにより、感光体ドラム2が逆転するときにクリーニングブレード9が減圧されるので、感光体ドラム2の表面での摩擦係数の設定により挟み込まれていた異物が感光体表面の移動に追随して移動することと相俟って、感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれたままの残留異物が除去される。
【0050】
次に、クリーニングブレード9の減圧方式について説明する。
クリーニングブレード9は、感光体ドラム2の逆転時に減圧される方式として、次の方式が選択される。
(A)画像形成終了時に行われる感光体ドラム2の逆転移動量により感光体ドラム2の周面が移動する過程で掻き取りに必要な圧力よりも弱い圧力に変更する。
(B)(A)に挙げた掻き取りに必要な圧力よりも弱い圧力として、クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させて圧力を作用させないようにする。
(C)逆転時での接触圧力を複数設定する。
(D)感光体ドラム2の逆転時に段階的に接触圧力を変更する。
【0051】
(A)および(B)に挙げた選択方式は、図1に示した圧力調整手段100としてソレノイドなどの励磁、非励磁という2形態の設定による2段階の圧力設定が用いられる。本実施形態では、圧力調整手段100として用いられるソレノイドの励磁状態では、クリーニングブレード9が感光体ドラム2に対して定常圧で接触する一方、非励時状態では、上述した定常圧よりも弱い圧力での接触若しくは感光体ドラム2の表面から離れる状態が設定できるようになっている。
【0052】
(C),(D)に挙げた方式に関しては、図6乃至図8に示すように、圧力調整手段(便宜上、図7において符号100’で示す)としてクリーニングブレード9の揺動ストロークを変化させることができるカム機構が用いられる。
【0053】
図6は、上述したカム機構を用いる場合のクリーニング装置7の構成を示す図であり、同図に示すクリーニング装置7には、図1に示したクリーニング装置7に装備されていた圧力調整手段100を設けない代わりに、図7および図8において説明するような、感光体ドラム2を駆動源とするカム機構100’が備えられている。
図6において、クリーニングブレード9のブラケット9Aは、図1に示した場合と同様に支点軸9Bを基準に揺動可能な構成であり、揺動端にはクリーニングブレード9および揺動端の最外端にはクリーニングブレード9を感光体ドラム2に向けて当接させる方向の揺動付勢を行うためのバネなどの付勢手段101が設けられている。
ブラケット9Aは、付勢手段101の付勢力を利用してクリーニングブレード9を感光体ドラム2に圧接させる加圧手段としての機能を有している。
【0054】
ブラケット9Aの揺動端側には、感光体ドラム2に対するクリーニングブレード9の接触圧力を減圧するための手段である偏心カム102が設けられており、偏心カム102は、感光体ドラム2を駆動源としている。つまり、偏心カム102は、感光体ドラム2の回転軸と自らの回転軸102Aとの間に設けてある減速ギヤ群などの伝達機構(図示されず)を介して感光体ドラム2の回転方向を基準として回転方向が設定されるようになっており、その回転方向に応じてブラケット9Aに対する接触対向状態を変化させることができる部材として用いられる。このため、偏心カム102の回転軸102Aは、図示しない一方向回転クラッチ(図示されず)を介して感光体ドラム2側の回転伝達が行われるようになっている。
【0055】
一方向回転クラッチは、感光体ドラム2が画像形成時での正方向の回転(正転)とは逆の方向への回転(逆転)時にのみ感光体ドラム2の回転を偏心カム102の回転軸102Aに伝達する機能を備えており、本実施形態では、図3に示したブレード駆動部2Bに接続されて動作時期を設定可能なロータリーソレノイドが用いられる。
【0056】
偏心カム102の回転軸102Aにはコイルバネ103が挿嵌されており、偏心カム102はコイルバネ103の習性により回転軸102Aに対して感光体ドラム2からの回転が伝達されない空転時には、図7に示すように、ブラケット9Aからカム外周面が離間する方向に付勢されており、このときにはクリーニングブレード9が、ブラケット9Aに対する付勢手段101からの付勢力により感光体ドラム2に圧接するようになっている。
【0057】
偏心カム102の回転軸102Aに感光体ドラム2からの回転が伝達されると、偏心カム102は、コイルバネ103の習性に抗して外周面をブラケット9Aに対向当接させる方向に回転し、これにより、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる方向にブラケット9Aを揺動させることができる。
【0058】
偏心カム102のカムプロフィールとしては、回転軸102Aに感光体ドラム2から回転が伝達された際に感光体ドラム2に対するクリーニングブレード9の圧力を画像形成時での接触圧力よりも一様に弱い圧力(減圧)あるいは段階的に減圧するとともに減圧状態を維持できるカムプロフィール、または、感光体ドラム2の表面から離れるストロークが得られるカムプロフィールが選択設定されている。
カムプロフィールに関しては、一様に弱い圧力を維持できるようにするとクリーニングブレード9を感光体ドラム2に接触させることにより残留異物の除去が可能であるものの、比較的短時間での逆転時に全ての残留異物を除去できない場合もある。そこで、除去できなかった残留異物の堆積量が画像形成回数の増加に比例することを前提として、その回数が増加するに従い、接触圧力を弱める度合いを大きくする。これにより、残留付着物の堆積が生じているような場合には、堆積量に応じてその堆積を解消する条件を設定することで残留付着物の堆積量に関係なく除去することができるようになる。
段階的な減圧状態を設定できるカムプロフィールとする理由は次の通りである。
ソレノイドなどによる2段階の接触圧力設定では、一様に弱められた状態から掻き取りに必要な圧力に復帰した場合、クリーニングブレード9が感光体ドラム2に対して急激な圧力変化を起こした状態で接触することになり、クリーニングブレード9に対する負荷の急変による変形などの機械的な不具合を生じる。そこで、掻き取りに必要な圧力に復帰する場合には、感光体ドラム2に対してソフトランディングを行わせることによりクリーニングブレード9の変形および感光体ドラム2表面への衝撃を防止するようになっている。しかも、接触圧力を弱める場合にも複数の圧力および段階的な圧力設定により、感光体ドラム2に対するクリーニング状態にあるクリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時開始時期から徐々に接触圧力を弱めるようにすると、掻き取られた残留異物の回収状態を急変させることなく、堆積している残留異物を徐々に除去することができる。これにより、回収された残留異物がその掻き取り状態を急に解消されてしまった場合に零れ落ちてしまうのを防ぎながら堆積した残留異物を除去することができるようになる。
クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離すことができるカムプロフィールとした場合には、クリーニングブレード9に作用していた異物への挟持圧力を解除することになり、ブレード縁部に挟み込まれていた異物が剥落できる状態を得ることができる。
【0059】
本実施形態は以上のような構成であるから、感光体ドラム2が画像形成処理を終了すると、上述した回転モードにより逆転後停止する。逆転時にはクリーニングブレード9が掻き取り可能な接触圧力よりも弱い圧力に減圧されており、これにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれている異物への挟持圧力が緩和若しくは解除されるので、クリーニングブレード9の先端に堆積している異物の除去が可能となる。従って、異物がクリーニングブレード9と感光体表面との間に挟み込まれたままとなることがないので、ブレード先端に堆積した異物の存在によってクリーニングブレード9をすり抜ける異物が発生するのも抑えることができるので、フィルミングの発生をなくすことができる。
【0060】
感光体ドラム2が画像形成のために正転を開始する際には、画像形成の直前にクリーニングブレード9が定常圧に加圧されることになるので、逆転時に清掃されたトナーなどを始めとする異物が再度ブレードの縁部に挟み込まれるようなことがなく、クリーニングブレード9による異物除去機能を維持することができることになる。
【0061】
一方、逆転時に実行される減圧処理は、一様な圧力への減圧、段階的な減圧あるいは圧力を作用させない状態のいずれかを選択できることにより画像形成時にブレードの縁部に挟み込んだ異物への挟持圧力の解放により異物の除去が容易となり、ブレード縁部に付着堆積している異物の除去がその付着堆積量に拘わらず確実に行えることになる。
【0062】
次に本発明の実施形態における変形例について説明する。
本例では、感光体ドラム2の回転制御において、減圧処理が終了した時点で逆転を行わせることを特徴としている。
図1あるいは図6に示した画像形成装置におけるクリーニング装置7では、感光体ドラム2の逆転時に定常圧から減圧することで挟み込まれていた異物を剥落させて除去するようになっているが、逆転過程での減圧はその圧力変化が不安定となり、結果として、回転している感光体ドラム2の表面が異物により摺擦されてダメージを受けることがある。そこで、本変形例では、減圧が終了した時点で初めて感光体ドラム2を逆転動作させて上述した不具合を解消できるようにしている。
【0063】
本例では、図3に示した制御部20においてブレード駆動部2Bを用いたクリーニングブレード9の減圧が終了したタイミングに合わせてドラム駆動部2Aを介した感光体ドラム2の逆転動作が開始されるようになっている。
【0064】
本例は以上のような構成であるので、制御部20で実施される動作手順を説明するためのフローチャートを示す図9により作用を説明すると次の通りである。
まず、図9(A)において逆転動作を行う回転制御の手順を説明すると、この手順では、画像形成(図9(A)ではコピーと示してある)が開始される(ST1)と、クリーニングブレード9が定常圧で感光体ドラム2に接触する(ST2)と共に、感光体ドラム2(図9では、便宜上、感光体と表示してある)が正転(ST3)することにより画像形成処理が実行される。画像形成処理が終了する(ST4)と、感光体ドラム2が停止し(ST5)、感光体の逆転動作が開始されると共にクリーニングブレード9が減圧される(ST6)。逆転した感光体ドラム2は減圧状態を維持されて(ST7)、次回の画像形成が開始されるまでの間、待機する(ST8)。
【0065】
一方、図9(B)は、本例での手順を示しており、同図において、符号ST1〜ST6で示す手順は図9(A)で示した場合と同様であり、感光体ドラム2が画像形成処理終了後に停止すると、クリーニングブレード9が減圧され、減圧状態を設定された後に感光体ドラム2が逆転動作を実行されて停止され、この状態で待機する(ST9〜ST11)。
【0066】
図9(C)は、画像形成処理終了後に感光体ドラム2が停止されるまでの手順において図9(A)、(B)に示した場合と同様とし、クリーニングブレード9が減圧された後、少なくとも1回のサイクルで感光体ドラム2の正転および逆転を繰り返す場合の手順を示している。
この場合には、符号ST12〜ST16に示すように、クリーニングブレード9が画像形成時と同様に定常圧により感光体ドラム2に接触した後、つまり、感光体ドラム2が画像形成時の正転を開始する直前にクリーニングブレード9が減圧状態から定常圧に加圧された時点で感光体ドラム2が正転して停止し、再度、クリーニングブレード9が減圧された後、感光体ドラム2が逆転して停止し、この状態で待機する。符号ST12〜ST15に示した手順は、少なくとも1回の場合を示しているので、2回以上繰り返すことも勿論可能である。このような手順により、図4に示した場合と同様に、クリーニングブレード9の縁部(エッジ)に挟まれていた異物が挟持圧力を解除されて除去されやすい状況の発生頻度を高めて異物の除去効率を向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、画像形成終了時に実施される逆転動作中にクリーニングブレードを減圧することにより、画像形成時でのブレードの当接状態から減圧完了時での当接状態へと推移する過程で逆転動作を行うことができ、ブレード端面において様々な状態で付着、堆積しているトナー塊や紙粉などの異物をその状態に関係なく除去することが可能となる。しかも、逆転動作終了時には減圧状態が維持されるので、無駄な圧力がブレードに作用しないのでブレードの永久歪みの発生を抑えて像担持体に対するクリーニングブレードの当接条件を経時に亘り安定した状態で維持することができる。さらに、画像形成時には減圧状態から定常圧に復帰させてから画像形成時に設定されている移動方向に像担持体を移動させるので、逆転時にブレード端部から除去することで清掃された紙粉などの異物が再びブレード端面と像担持体との当接部に挟み込まれるような事態を確実に防止することが可能となる。
【0068】
請求項3記載の発明によれば、クリーニングブレードが像担持体に対する圧力を減圧される過程で像担持体から離間するので、ブレードの端部に堆積していた異物が離間した隙間から剥落しやすくなり、異物の除去効率を上げることが可能となる。
【0069】
請求項4記載の発明によれば、像担持体がクリーニングブレードの減圧設定後に画像形成時とは逆方向に移動する構成であるので、減圧途中での逆方向移動の開始がなく、これにより、逆方向移動中に減圧される場合と違って、ブレード先端での接触状態が不安定な状態とならないようにすることができる。この結果、不安定な状態の場合に像担持体表面に付着堆積している異物による像担持体表面へのダメージを与えることなく、像担持体の表面特性の悪化を防止することが可能となる。
【0070】
請求項5記載の発明によれば、像担持体に対するクリーニングブレードの接触圧力を像担持体を駆動源とする個性を用いて段階的に変更することができるので、特別な駆動源を用いることなく、像担持体とクリーニングブレードとの接触位置に付着堆積している異物の除去効率を最適化することが可能となる。
【0071】
請求項6記載の発明によれば、クリーニングブレードの接触圧力を変更する構成として、像担持体に連動する偏心カムおよび偏心カムによる操作される構成を用いることで像担持体の動作タイミングに合わせて所定の接触圧力を設定することができる。これにより、クリーニングブレードの接触圧力の設定構成を簡略化するとともに精度よく設定することが可能となる。
【0072】
請求項7および8記載の発明によれば、クリーニングブレードの圧力変更が画像形成に影響しないように設定して異物除去が可能となるとともに、その圧力変更を行う時期をクラッチにより設定することができるので、クリーニングブレード独自での圧力変更や圧力変更時期設定のための構成を必要としない分、構成の簡略化が可能となる。
【0073】
請求項9記載の発明によれば、クリーニング部材としてブラシが用いられる場合、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されているので、像担持体表面に残留する異物の掃き取りに必要な反力を得ることができると共に感光体表面への損傷をなくすことができる。しかも異物の掃き取りに必要な反力が得られることで異物の除去効率が高められることによりクリーニングブレードとの組み合わせ構成とした場合には、クリーニングブレードでの掻き取り負荷、つまり、像担持体表面に対する接触圧力を低減させてブレードの押しつけにより発生するフィルミングをなくすことが可能となる。
【0074】
請求項10記載の発明によれば、感光体の表面摩擦係数(μ)がμ=0.2以上とされているので、極端に摩擦係数を低くするような作業が必要ないので、潤滑剤の供給などの特別な摩擦係数低減構造を不要にしてコスト上昇を防止することが可能となる。
【0075】
請求項11および12記載の発明によれば、感光体としてその表面層がクリーニング部材により掻き取りにくい材質で構成され、特に、請求項11記載の発明では高硬度が得られるアモルファスシリコンまた請求項12記載の発明では無機粒子を含む材質とされることにより感光体の長寿命化、膜厚変化による特性変化の抑制さらには表面の損傷防止が可能となり、表面性が悪化した場合に発生する残留付着物の擦りつけによる堆積を防止できる。しかも、このようなクリーニング部材で削り取りにくい高硬度の材質を感光体に用いた場合でも、クリーニング部材としてブレードあるいはグブラシを用いるだけで像担持体上からの残留付着物の回収が可能となる。
【0076】
請求項13記載の発明によれば、感光体およびクリーニング装置さらには画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に感光体およびクリーニング装置と共に一つのカートリッジに装備されているので、作像部が複数接地されているような場合には各作像部毎に保守点検および交換が可能となり、装置全体の作像部を一括して保守点検あるいは交換する場合に比べてコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した実施形態に用いられるカートリッジの作用を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体ドラムの制御構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図3に示した制御構成による感光体ドラムとクリーニングブレードとの関係を説明するための図であり、(A)は正方向の移動時を、(B)は逆方向の移動時をそれぞれ示す。
【図5】ブラシの接触面圧の意味を説明するための模式図である。
【図6】本発明の実施形態における要部の変形例を説明するための模式図である。
【図7】図6に示した要部の構成を説明するための図である。
【図8】図7に示した要部の一態様を説明するための図である。
【図9】本発明の実施系他における変形例に関する作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
2B クリーニングブレードの駆動部
7 クリーニング装置
8 クリーニングローラ
9 クリーニングブレード
20 制御部
100,100’ 圧力調整手段
102 偏心カム
Claims (13)
- 像担持体表面に接触するクリーニング部材として上記像担持体からシート等の記録媒体への画像転写を終えた位置で上記像担持体表面に残留する付着物を掻き取り可能な圧力で接触するクリーニングブレードを備え、画像形成終了時に画像形成時とは逆の方向に移動後、停止される逆転動作を設定されている画像形成装置において、
上記クリーニングブレードは、上記像担持体が逆転動作を行う間、画像形成時に設定される定常圧から所定圧力に減圧され、逆転動作を終了して停止した際には減圧状態を維持されるとともに像担持体が画像形成を開始する直前に像担持体に対する接触圧力を減圧状態から定常圧に加圧する構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、画像形成処理のために動作する前に一旦画像形成処理時での移動方向と逆方向に駆動されて停止させられた後、少なくとも1回の正方向移動および逆方向移動を行う構成とされていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記クリーニング部材は、上記像担持体に対する圧力を減圧される過程で該像担持体から離間させる構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、上記クリーニングブレードが減圧された状態を設定された後、逆方向への移動を開始する構成であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブレードは、上記像担持体に対する接触圧力を、該像担持体を駆動源とする構成により段階的に変更可能であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブレードの接触圧力を変更する構成として、上記像担持体に接離可能な方向に変位可能なクリーニングブレード支持部に接触して上記像担持体に連動する偏心カムが用いられ、偏心カムとクリーニングブレード支持部との対向状態に応じてクリーニングブレードによる像担持体に対する接触圧力を変更する構成が用いられることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5または6記載の画像形成装置において、
上記像担持体に対するクリーニングブレードの接触圧力の変更は、画像形成時以外に実行されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6または7記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブレードは、上記像担持体の画像形成時以外の時に該像担持体からの駆動力が伝達されるクラッチを備え、該クラッチによる動作時期の設定により像担持体に対する接触圧力を変更できる構成を備えていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記クリーニング部材としてブラシが用いられ、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触面圧が50gf/cm2以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至9のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項10記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至12のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体およびクリーニング部材に加えて、こら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記感光体およびクリーニング部材とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴とする画像形成装置。
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