JP2004264508A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成の複雑化を招くことなく感光体などの潜像担持体からの残留異物の除去以降率を高めてフィルミングの成長による画像劣化を防止できる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体2に接触して転写後の潜像担持体2上に残存する異物を除去可能なクリーニング部材として、上記潜像担持体から転写紙を分離した後の位置で上記異物を掻き取り可能な圧力により接触するクリーニングブレード9およびまたはクリーニングブラシ8を備え、上記潜像担持体2が画像形成終了時に画像形成時とは逆方向に回転してから停止した後、少なくとも1回、画像形成時の方向への回転および逆方向への回転を行う構成を備えた画像形成装置であって、上記クリーニングブレード9が用いられる場合は、上記潜像担持体2の逆方向への回転時に画像形成時での接触圧力である定常圧以下の接触圧力に減圧され、上記潜像担持体2の画像形成時の回転方向への回転時には減圧された接触圧力が定常圧に加圧されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】潜像担持体2に接触して転写後の潜像担持体2上に残存する異物を除去可能なクリーニング部材として、上記潜像担持体から転写紙を分離した後の位置で上記異物を掻き取り可能な圧力により接触するクリーニングブレード9およびまたはクリーニングブラシ8を備え、上記潜像担持体2が画像形成終了時に画像形成時とは逆方向に回転してから停止した後、少なくとも1回、画像形成時の方向への回転および逆方向への回転を行う構成を備えた画像形成装置であって、上記クリーニングブレード9が用いられる場合は、上記潜像担持体2の逆方向への回転時に画像形成時での接触圧力である定常圧以下の接触圧力に減圧され、上記潜像担持体2の画像形成時の回転方向への回転時には減圧された接触圧力が定常圧に加圧されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーニング装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物をクリーニングブレードを用いて除去する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写紙などの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング工程に供される。 上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング工程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング工程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。
【0006】
一方、感光体に付着しているトナーを除去する場合、感光体表面の摩擦係数が低いほどブレードによって感光体表面が研削されやすいことが原因して新たな面が露出することによりトナーを除去しやすいことから摩擦係数が高いと除去効率が低くなる。特に、摩擦係数(μ)が0.2以上であるとクリーニング特性が悪化することが本発明者の実験により確認されている。
【0007】
摩擦係数はクリーニングブレードとの間で発生する摩擦エネルギーに影響し、摩擦エネルギーが高いと、トナーが感光体表面に融着する場合があり、これによりクリーニングブレードでの除去効率が低下する。特に、使用されるトナーが高解像度を達成される目的で小粒径である場合、トナーの熱容量が小さいことに起因して融着しやすくなる。この結果、感光体表面から除去されないトナーが生じることになる。
【0008】
感光体上で融着などによってクリーニングされないトナーはフィルミングと称される薄層化を生じる。フィルミングはクリーニングブレードで除去できなかったトナーが感光体表面に堆積する現象であり、感光体表面を対象として実施される帯電、現像、転写およびクリーニングという各工程での感光体表面での特性悪化が影響して正常に行うことができなくなるという不具合を招く。
フィルミングは感光体表面の硬度に影響されており、表面硬度が低い場合にはブレードによる研磨作用で感光体表面が新たな面に更新されることで発生しにくいが、表面硬度が高く表面の摩耗が少ないアモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体や、少なくとも最表面に無機粒子を含む感光体等を用いた場合に表面研磨が難しいことによりフィルミングの解消が困難となる。
【0009】
フィルミングを防止するための構成として、クリーニングブレードを定期的に清掃するようにした構成が提案されており、その構成には、ブレードエッジに弾性板を圧接させてブレードエッジに堆積するトナーを始めとする異物を掻き落とすようにした構成(例えば、特許文献1,2)、クリーニングブレードをブラシにより清掃する構成(例えば、特許文献3)、感光体に対するクリーニングブレードの接触圧を減圧すると共に感光体を逆転させてトナーを始めとする異物を剥落させるようにした構成(例えば、特許文献4)がある。
【0010】
【特許文献1】
実開平3−58668号公報
【特許文献2】
特開平5−323846号公報
【特許文献3】
特許第2759813号
【特許文献4】
特開2000−155514号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献に示された構成では、構造の大型化や複雑化を招く虞があると共に、クリーニングブレードを用いた場合にはそのエッジに堆積しているトナーを完全に除去することが難しく、フィルミングを確実に解消することはできない。つまり、感光体の回転を切換る場合には、感光体の回転が変化することにより今までクリーニングブレードのエッジに堆積していたトナーなどの異物が感光体の移動によるエッジから離されるようになるが、画像形成時の回転方向に変化した場合には、感光体に付着したままエッジから遠ざかっていたトナー等の異物が再度エッジに溜まることになり、これによりフィルミングは解消されないままとなる。特に、表面硬度が高く摩耗の少ない感光体を対象とする場合には、感光体表面の研削などが利用できないことから上述したような不具合を解消することはできない。
クリーニングブレードが感光体表面に押し付けられている状態では、現像剤として二成分系現像剤を用いた場合、キャリアとして含まれている鉄粉がブレードに押し付けられたままであるとこの押しつけによる感光体表面への損傷が顕著となり、感光体表面の粗さを変化させて本来のクリーニング特性を得るための粗さと異なってしまい、これによりクリーニング不良による画像劣化を招く虞がある。
【0012】
本発明の目的は、上記従来のクリーニング、特にフィルミングの発生に鑑み、構成の複雑化を招くことなく感光体などの潜像担持体からの残留異物の除去以降率を高めてフィルミングの成長による画像劣化を防止できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、潜像担持体に接触して転写後の潜像担持体上に残存する異物を除去可能なクリーニング部材として、上記潜像担持体から転写紙を分離した後の位置で上記異物を掻き取り可能な圧力により接触するクリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを備え、上記潜像担持体が画像形成終了時に画像形成時とは逆方向に回転してから停止した後、少なくとも1回、画像形成時の方向への回転および逆方向への回転を行う構成を備えた画像形成装置であって、上記クリーニングブレードが用いられる場合は、上記潜像担持体の逆方向への回転時に画像形成時での接触圧力である定常圧以下の接触圧力に減圧され、上記潜像担持体の画像形成時の回転方向への回転時には減圧された接触圧力が定常圧に加圧されることを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニング部材は、上記潜像担持体で実施される逆転・正転・逆転動作終了後、上記定常圧以下の接触圧力に減圧された状態を維持することを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、画像形成開始時、上記潜像担持体が画像形成時の回転方向に回転を開始するのに同期して接触圧力を定常圧となるように徐々に加圧されることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、接触圧力の減圧および加圧の過程で上記潜像担持体から離間されることを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニングブラシが用いられる場合には、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記潜像担持体に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されていることを特徴としている。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴としている。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴としている。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴としている。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体およびクリーニング部材に加えて、これら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記潜像担持体およびクリーニング手段とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0023】
図1においてプリンタ1は、潜像担持体としてドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
【0024】
本実施形態における感光体ドラム2は、表面硬度が高く摩耗の少ないアモルファスシリコン(a−Si)あるいは最表面層に無機粒子を含有する構成を備えており、表面での摩擦係数が0.2以上に設定されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0025】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7に対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0026】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニング部材の一つとしてクリーニングブラシ8がそして下流側にはクリーニング部材の他の一つとしてポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触されてそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向(移動方向)上流側入り口を封止する漏洩防止部材としてのシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0027】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されている。これにより、ファーブラシと違って、感光体表面への食い込み量を付着残留物の除去に必要な量に設定することができるので、残留付着物の除去性を高めてクリーニングブレードとの組み合わせ時にはクリーニングブレードでの掻き取り負荷の増加を抑えて押しつけによるフィルミングの発生を抑制することが可能にしている。
【0028】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触面圧が50g/cm2以上に設定されている。この場合にいう接触面圧は、感光体ドラム2に対して狙いとする食い込み量を確保したときにブラシに生じる反力に相当している。
つまり、図4に示すように、平坦面の支持台上にブラシ(図4において基布と植毛部とを含む)を配置し、このブラシに対してこれに対向する平面が単位面積(1cm2)を有する棒材などで所定の食い込み量、この場合には1.5mm食い込ませた場合に生じるブラシの反力の大きさに相当している。
図4では、平面の面積が1.5cm2とされた棒材をブラシに押し当てた場合を対象としているが、より大きな面積の平面を押し当ててブラシに食い込ませ、その反力の大きさをその面積で除算して単位面積あたりでの反力の大きさを得るようにしても良い。これにより、感光体ドラム2の表面にブラシが接触すると、ファーブラシを用いた場合と違って、感光体表面での残留異物の掃き取りに必要な反力を確保できると共に、感光体表面の損傷を低減することができる。特に、ブラシを用いた残留異物の除去性が高められるとそれだけクリーニングブレードでの掻き取り負荷を軽減することができ、クリーニングブレードの押し付け作用によるフィルミングの発生が抑制できる。
【0029】
本実施形態では、画像形成終了時に感光体ドラム2が画像形成時の回転方向(以下、これを正転という)と逆の方向(以下、これを逆転という)に回転させた後に停止し、さらに少なくとも1回、正転および逆転を繰り返して停止するようになっている。以下、この回転制御のための構成について説明する。
【0030】
感光体ドラム2は、画像形成終了時に逆転、停止、そして、正転および逆転の1サイクルを少なくとも1回行うようになっている。つまり、感光体ドラム2が画像形成処理のための回転開始前には、逆転した状態で停止するようになっている。
【0031】
画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−停止−正転−逆転−停止という回転サイクルやこの回転サイクルを2回(画像形成終了−逆転−停止−正転−逆転−正転−逆転−停止)あるいは3回(画像形成終了−逆転−停止−正転−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止)等のように複数回繰り返す行程が設定されている。
【0032】
感光体ドラム2の回転制御は、図3に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22が接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部(図3ではドラム駆動部と表示してある)2Aが接続されている。
【0033】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかのうちで、画像形成回数が設定された場合には画像形成終了時の判断を画像形成回数カウンタ22からの出力内容によって判別することにより感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0034】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転(逆転)することにより、感光体ドラム2の表面におけるエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、クリーニング装置7に設けられているクリーニングブラシ8とは別のクリーニング部材であるクリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、両部材間に挟み込まれていた状態から開放され、両部材間から除去されることになる。しかも、待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。
【0035】
一方、本実施形態におけるクリーニング装置7では、クリーニングローラ8と共に、感光体ドラム2から残留付着物を除去するために用いられているクリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時に画像形成時に付与されていた接触圧力である定常圧に対して接触圧力を減圧した状態を維持するようになっている。
【0036】
図1において、感光体ドラム2に対するクリーニング行程を実行するクリーニング装置7には、クリーニングブラシ8とともに感光体ドラム2上の残留付着物を除去するためのクリーニングブレード9が設けられており、図1で示す構成では、感光体ドラム2およびクリーニング装置7を含む画像形成処理に用いられる装置が、図1および図2において符号Pで示すように、画像形成装置に対して着脱可能に設けられているカートリッジ内に装備されている。
【0037】
図1においてクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の回転方向下流側の縁を感光体ドラム2に対向させて、いわゆるカウンタ当接により感光体ドラム2上の残留付着物を掻き取る構成を備えている。
クリーニングブレード9は、ブラケット9Aを介して感光体ドラム2に対して揺動可能に設けられており、揺動端支点9Bを基準としてブレード側と異なる揺動端側にはソレノイドなどの圧力調整手段100が設けられている。ブラケット9Aは、図示しない弾性付勢手段によりクリーニングブレード9を常時感光体ドラム2に対して所定圧力、この場合には、残留付着物の掻き取りが行える圧力により接触する習性が付与されている。
【0038】
圧力調整手段100は、弾性付勢手段により習性を利用して感光体ドラム2に接触しているクリーニングブレード9の圧力を減圧するための手段であり、作動時、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる向きにブラケット9Aを揺動させる。この場合の減圧量としては、画像形成時に設定される、掻き取りに必要な接触圧力である定常圧よりも弱い圧力でクリーニングブレード9が感光体ドラム2に接触する圧力に設定されており、後述する感光体ドラム2の移動方向の切り換え形態に応じて減圧状態を維持できるようになっている。
【0039】
圧力調整手段100は、クリーニングブレード9の圧力を減圧するだけでなく、定常圧への加圧時および定常圧以下に減圧する際にクリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させるようになっている。このため、圧力調整手段100は、減圧に必要なブラケット9Aの揺動ストロークに加えて、クリーニングブレード9のエッジを感光体ドラム2の表面に対して接離させることができるブラケット9Aの揺動ストロークも設定できるようになっている。これにより、定常圧への加圧時および定常圧以下に減圧する際にクリーニングブレード9のエッジが感光体ドラム2の表面から離されるので、エッジと感光体ドラム2の表面とに挟まれていた異物を除去できると共に、クリーニングブレード9のエッジに付着堆積した異物を感光体ドラム2の表面とエッジとの間の離間位置から滑落あるいは剥落させることができる。このため、圧力調整手段100としては、ストロークを複数段階に設定できる構成が用いられ、その一つにロータリーソレノイドで駆動されるカムが用いられる。
【0040】
カムを用いることにより、減圧状態から定常圧へと加圧する際にクリーニングブレード9の接触圧力が徐々に高まることになり、これにより接触圧力が高まる過程でクリーニングブラシ8あるいはクリーニングブレード9に堆積していた異物、特に現像剤として二成分系現像剤が用いられた場合に異物とした回収される鉄粉を用いたキャリアがクリーニングブラシ8あるいはクリーニングブレード9と感光体2の表面との間をスリ抜けることができるタイムラグが発生するのでクリーニングブラシ8やクリーニングブレード9が定常圧で感光体ドラム2に接触する際にキャリアによる感光体ドラム2の表面への押しつけが緩和されて感光体ドラム2の表面が傷つけられるのを防止することができる。
【0041】
感光体ドラム2の逆転が終了すると、再度の画像形成のために感光体ドラム2が正転することになり、この場合のタイミングに合わせてクリーニングブレード9は掻き取り可能な圧力、つまり定常圧で感光体ドラム2に接触する。これにより、感光体ドラム2の逆転が行われるときにクリーニングブレード9が減圧されるので、感光体ドラム2の表面での摩擦係数の設定と相俟って、感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれたままの残留付着物の除去が行えることになる。しかも、感光体ドラム2の回転方向の切換とクリーニングブレードの圧力設定とにより、画像形成時での定常圧から減圧されるまでに感光体ドラム2に対するエッジの接触角が変移し、さらには、感光体ドラム2の表面からクリーニングブレード9のエッジが離れることにより、その過程においてエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟まれていたトナーを始めとする異物は如何様な状態で挟まれていても接触状態の開放により除去されることになる。
【0042】
クリーニングブレード9は、感光体ドラム2の逆転時に減圧され、さらに感光体ドラム2の停止時には逆転状態を維持されており、画像形成のために感光体ドラム2が回転を開始する際には定常圧に設定されて感光体ドラム2の表面に当接するようになっており、感光体ドラム2が正転し始めたときには異物を掻き取れるようになっている。
【0043】
本実施形態は以上のような構成であるから、感光体ドラム2が画像形成処理を終了すると、上述した回転モードにより逆転後停止する。このとき、クリーニングブレード9は、掻き取り可能な接触圧力である定常圧よりも弱い圧力に減圧されており、これにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれている異物への挟持圧力が緩和若しくは解除されるので、クリーニングブレード9の先端に堆積している異物の除去が可能となる。しかも、定常圧から減圧される際には一旦クリーニングブレード9が感光体ドラム2の表面から離れるので、減圧あるいは加圧される過程でクリーニングブレード9に堆積している異物の除去も行えることになる。
従って、異物がクリーニングブレード9と感光体表面との間に挟み込まれたままとなることがないので、ブレード先端に堆積した異物の存在によってクリーニングブレード9をすり抜ける異物が発生するのも抑えることができるので、フィルミングの発生をなくすことができる。
【0044】
本実施形態における感光体ドラム2の回転制御およびクリーニングブレード9に対する圧力設定並びに接離制御により、感光体ドラム2の表面の同じ位置がエッジと常に対向している場合に発生する異物の挟み込みの継続が解消され、感光体ドラム2の表面に対するクリーニングブレード9の長手方向での均一接触が可能となる。この結果、感光体ドラム2が回転し始める際には、改めてクリーニングブレード9による異物の掻き取りが行われるので、エッジの当接位置を異物がすり抜けてしまうということがなくされてクリーニング効率を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、画像形成終了時に潜像担持体の逆転に対応してクリーニング部材が定常圧から減圧され、再度の画像形成時には減圧された接触圧力を定常圧に加圧することができるので、接触圧力の変化によりクリーニング部材の潜像担持体に対する接触角を含む接触状態を変化させることによりクリーニング部材と潜像担持体との間に挟み込まれていた異物を剥落あるいは滑落しやすくすることができるので、異物の除去効率を高めることが可能となる。しかも潜像担持体の表面に接触しているクリーニング部材の先端が潜像担持体の回転方向の切換により相反する方向になびくことができるので、クリーニングブレードに付着している異物の除去も可能となり、特別な清掃構造を用いなくてもクリーニング部材自体での挙動によりクリーニング部材に堆積した異物除去が可能となる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、潜像担持体の逆転時にはクリーニング部材が減圧された状態を維持されるので、潜像担持体が逆転した状態で停止した場合にはクリーニング部材が減圧された状態で潜像担持体に接触することができる。これにより、クリーニング部材の不可増加を抑制してクリーニング部材がクリーニングブレードを用いる場合にはブレードの変形歪みを低減して、いわゆる、経たりを少なくして異物の掻き取り時での接触状態が悪化するのを防止することが可能となる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体が画像形成を開始されるのに同期してクリーニング部材が定常圧となるように徐々に加圧されるので、クリーニング部材と潜像担持体表面との間を異物がスリ抜けることができる状態とすることができる。これにより、クリーニング部材と潜像担持体との間に挟まれて潜像担持体表面を傷つける虞のある異物をクリーニング部材による押しつけを緩和して放出されることにより定常圧に復帰した際にその異物の押しつけによる潜像担持体表面の損傷を防止することが可能となる。これにより、潜像担持体の寿命を延ばすことが可能となる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、クリーニング部材が定常圧への加圧および定常圧からの減圧に際して潜像担持体表面から離間することができるので、潜像担持体とクリーニング部材との間に挟み込まれていた異物を開放できると共にクリーニング部材に付着堆積していた異物も両者間で剥落あるいは滑落させることができる。これにより、クリーニング部材に堆積した異物の除去が特別な清掃固守団を用いることなく可能となり、クリーニング不良の発生を防止することが可能となる。
【0049】
請求項5記載の発明によれば、クリーニング部材としてブラシが用いられる場合、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されているので、感光体表面に対するループ部分の食い込み量を付着残留物の除去に必要な量に設定することができるので、残留付着物の除去性を高めてクリーニングブレードとの組み合わせ時にはクリーニングブレードでの掻き取り負荷の増加を抑えて押しつけによるフィルミングの発生を抑制することが可能となる。
【0050】
請求項6記載の発明によれば、感光体の表面摩擦係数(μ)がμ=0.2以上とされているので、極端に摩擦係数を低くするような作業が必要ないので、潤滑剤の供給などの特別な摩擦係数低減構造を不要にしてコスト上昇を防止することが可能となる。
【0051】
請求項7および8記載の発明によれば、感光体としてその表面層がクリーニング部材により掻き取りにくい材質で構成され、特に、請求項11記載の発明では高硬度が得られるアモルファスシリコンまた請求項12記載の発明では無機粒子を含む材質とされることにより感光体の長寿命化、膜厚変化による特性変化の抑制さらには表面の損傷防止が可能となり、表面性が悪化した場合に発生する残留付着物の擦りつけによる堆積を防止できる。しかも、このようなクリーニング部材で削り取りにくい高硬度の材質を感光体に用いた場合でも、クリーニング部材としてブレードあるいはグブラシを用いるだけで像担持体上からの残留付着物の回収が可能となる。
【0052】
請求項9記載の発明によれば、感光体およびクリーニング装置さらには画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に感光体およびクリーニング装置と共に一つのカートリッジに装備されているので、作像部が複数接地されているような場合には各作像部毎に保守点検および交換が可能となり、装置全体の作像部を一括して保守点検あるいは交換する場合に比べてコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した実施形態に用いられるカートリッジの作用を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体ドラムの制御構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図1に示した画像形成装置のクリーニング装置に用いられるクリーニング部材の一つであるクリーニングブラシの構成およびブラシの接触面圧の意味を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
7 クリーニング装置
8 クリーニングブラシ
9 クリーニングブレード
20 制御部
21 操作部
22 画像形成回数カウンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーニング装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物をクリーニングブレードを用いて除去する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写紙などの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング工程に供される。 上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング工程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング工程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。
【0006】
一方、感光体に付着しているトナーを除去する場合、感光体表面の摩擦係数が低いほどブレードによって感光体表面が研削されやすいことが原因して新たな面が露出することによりトナーを除去しやすいことから摩擦係数が高いと除去効率が低くなる。特に、摩擦係数(μ)が0.2以上であるとクリーニング特性が悪化することが本発明者の実験により確認されている。
【0007】
摩擦係数はクリーニングブレードとの間で発生する摩擦エネルギーに影響し、摩擦エネルギーが高いと、トナーが感光体表面に融着する場合があり、これによりクリーニングブレードでの除去効率が低下する。特に、使用されるトナーが高解像度を達成される目的で小粒径である場合、トナーの熱容量が小さいことに起因して融着しやすくなる。この結果、感光体表面から除去されないトナーが生じることになる。
【0008】
感光体上で融着などによってクリーニングされないトナーはフィルミングと称される薄層化を生じる。フィルミングはクリーニングブレードで除去できなかったトナーが感光体表面に堆積する現象であり、感光体表面を対象として実施される帯電、現像、転写およびクリーニングという各工程での感光体表面での特性悪化が影響して正常に行うことができなくなるという不具合を招く。
フィルミングは感光体表面の硬度に影響されており、表面硬度が低い場合にはブレードによる研磨作用で感光体表面が新たな面に更新されることで発生しにくいが、表面硬度が高く表面の摩耗が少ないアモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体や、少なくとも最表面に無機粒子を含む感光体等を用いた場合に表面研磨が難しいことによりフィルミングの解消が困難となる。
【0009】
フィルミングを防止するための構成として、クリーニングブレードを定期的に清掃するようにした構成が提案されており、その構成には、ブレードエッジに弾性板を圧接させてブレードエッジに堆積するトナーを始めとする異物を掻き落とすようにした構成(例えば、特許文献1,2)、クリーニングブレードをブラシにより清掃する構成(例えば、特許文献3)、感光体に対するクリーニングブレードの接触圧を減圧すると共に感光体を逆転させてトナーを始めとする異物を剥落させるようにした構成(例えば、特許文献4)がある。
【0010】
【特許文献1】
実開平3−58668号公報
【特許文献2】
特開平5−323846号公報
【特許文献3】
特許第2759813号
【特許文献4】
特開2000−155514号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献に示された構成では、構造の大型化や複雑化を招く虞があると共に、クリーニングブレードを用いた場合にはそのエッジに堆積しているトナーを完全に除去することが難しく、フィルミングを確実に解消することはできない。つまり、感光体の回転を切換る場合には、感光体の回転が変化することにより今までクリーニングブレードのエッジに堆積していたトナーなどの異物が感光体の移動によるエッジから離されるようになるが、画像形成時の回転方向に変化した場合には、感光体に付着したままエッジから遠ざかっていたトナー等の異物が再度エッジに溜まることになり、これによりフィルミングは解消されないままとなる。特に、表面硬度が高く摩耗の少ない感光体を対象とする場合には、感光体表面の研削などが利用できないことから上述したような不具合を解消することはできない。
クリーニングブレードが感光体表面に押し付けられている状態では、現像剤として二成分系現像剤を用いた場合、キャリアとして含まれている鉄粉がブレードに押し付けられたままであるとこの押しつけによる感光体表面への損傷が顕著となり、感光体表面の粗さを変化させて本来のクリーニング特性を得るための粗さと異なってしまい、これによりクリーニング不良による画像劣化を招く虞がある。
【0012】
本発明の目的は、上記従来のクリーニング、特にフィルミングの発生に鑑み、構成の複雑化を招くことなく感光体などの潜像担持体からの残留異物の除去以降率を高めてフィルミングの成長による画像劣化を防止できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、潜像担持体に接触して転写後の潜像担持体上に残存する異物を除去可能なクリーニング部材として、上記潜像担持体から転写紙を分離した後の位置で上記異物を掻き取り可能な圧力により接触するクリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを備え、上記潜像担持体が画像形成終了時に画像形成時とは逆方向に回転してから停止した後、少なくとも1回、画像形成時の方向への回転および逆方向への回転を行う構成を備えた画像形成装置であって、上記クリーニングブレードが用いられる場合は、上記潜像担持体の逆方向への回転時に画像形成時での接触圧力である定常圧以下の接触圧力に減圧され、上記潜像担持体の画像形成時の回転方向への回転時には減圧された接触圧力が定常圧に加圧されることを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニング部材は、上記潜像担持体で実施される逆転・正転・逆転動作終了後、上記定常圧以下の接触圧力に減圧された状態を維持することを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、画像形成開始時、上記潜像担持体が画像形成時の回転方向に回転を開始するのに同期して接触圧力を定常圧となるように徐々に加圧されることを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の発明に加えて、上記クリーニングブレードは、接触圧力の減圧および加圧の過程で上記潜像担持体から離間されることを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明に加えて、上記クリーニングブラシが用いられる場合には、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記潜像担持体に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されていることを特徴としている。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴としている。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴としている。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の発明に加えて、上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴としている。
【0021】
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のうちの一つに記載の発明に加えて、上記潜像担持体およびクリーニング部材に加えて、これら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記潜像担持体およびクリーニング手段とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0023】
図1においてプリンタ1は、潜像担持体としてドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
【0024】
本実施形態における感光体ドラム2は、表面硬度が高く摩耗の少ないアモルファスシリコン(a−Si)あるいは最表面層に無機粒子を含有する構成を備えており、表面での摩擦係数が0.2以上に設定されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0025】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7に対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0026】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニング部材の一つとしてクリーニングブラシ8がそして下流側にはクリーニング部材の他の一つとしてポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触されてそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向(移動方向)上流側入り口を封止する漏洩防止部材としてのシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0027】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されている。これにより、ファーブラシと違って、感光体表面への食い込み量を付着残留物の除去に必要な量に設定することができるので、残留付着物の除去性を高めてクリーニングブレードとの組み合わせ時にはクリーニングブレードでの掻き取り負荷の増加を抑えて押しつけによるフィルミングの発生を抑制することが可能にしている。
【0028】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されてループ状の先端形状とされたブラシ構造とされ、感光体ドラム2に対する接触面圧が50g/cm2以上に設定されている。この場合にいう接触面圧は、感光体ドラム2に対して狙いとする食い込み量を確保したときにブラシに生じる反力に相当している。
つまり、図4に示すように、平坦面の支持台上にブラシ(図4において基布と植毛部とを含む)を配置し、このブラシに対してこれに対向する平面が単位面積(1cm2)を有する棒材などで所定の食い込み量、この場合には1.5mm食い込ませた場合に生じるブラシの反力の大きさに相当している。
図4では、平面の面積が1.5cm2とされた棒材をブラシに押し当てた場合を対象としているが、より大きな面積の平面を押し当ててブラシに食い込ませ、その反力の大きさをその面積で除算して単位面積あたりでの反力の大きさを得るようにしても良い。これにより、感光体ドラム2の表面にブラシが接触すると、ファーブラシを用いた場合と違って、感光体表面での残留異物の掃き取りに必要な反力を確保できると共に、感光体表面の損傷を低減することができる。特に、ブラシを用いた残留異物の除去性が高められるとそれだけクリーニングブレードでの掻き取り負荷を軽減することができ、クリーニングブレードの押し付け作用によるフィルミングの発生が抑制できる。
【0029】
本実施形態では、画像形成終了時に感光体ドラム2が画像形成時の回転方向(以下、これを正転という)と逆の方向(以下、これを逆転という)に回転させた後に停止し、さらに少なくとも1回、正転および逆転を繰り返して停止するようになっている。以下、この回転制御のための構成について説明する。
【0030】
感光体ドラム2は、画像形成終了時に逆転、停止、そして、正転および逆転の1サイクルを少なくとも1回行うようになっている。つまり、感光体ドラム2が画像形成処理のための回転開始前には、逆転した状態で停止するようになっている。
【0031】
画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−停止−正転−逆転−停止という回転サイクルやこの回転サイクルを2回(画像形成終了−逆転−停止−正転−逆転−正転−逆転−停止)あるいは3回(画像形成終了−逆転−停止−正転−逆転−正転−逆転−正転−逆転−停止)等のように複数回繰り返す行程が設定されている。
【0032】
感光体ドラム2の回転制御は、図3に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22が接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部(図3ではドラム駆動部と表示してある)2Aが接続されている。
【0033】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかのうちで、画像形成回数が設定された場合には画像形成終了時の判断を画像形成回数カウンタ22からの出力内容によって判別することにより感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0034】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転(逆転)することにより、感光体ドラム2の表面におけるエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、クリーニング装置7に設けられているクリーニングブラシ8とは別のクリーニング部材であるクリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、両部材間に挟み込まれていた状態から開放され、両部材間から除去されることになる。しかも、待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。
【0035】
一方、本実施形態におけるクリーニング装置7では、クリーニングローラ8と共に、感光体ドラム2から残留付着物を除去するために用いられているクリーニングブレード9が感光体ドラム2の逆転時に画像形成時に付与されていた接触圧力である定常圧に対して接触圧力を減圧した状態を維持するようになっている。
【0036】
図1において、感光体ドラム2に対するクリーニング行程を実行するクリーニング装置7には、クリーニングブラシ8とともに感光体ドラム2上の残留付着物を除去するためのクリーニングブレード9が設けられており、図1で示す構成では、感光体ドラム2およびクリーニング装置7を含む画像形成処理に用いられる装置が、図1および図2において符号Pで示すように、画像形成装置に対して着脱可能に設けられているカートリッジ内に装備されている。
【0037】
図1においてクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の回転方向下流側の縁を感光体ドラム2に対向させて、いわゆるカウンタ当接により感光体ドラム2上の残留付着物を掻き取る構成を備えている。
クリーニングブレード9は、ブラケット9Aを介して感光体ドラム2に対して揺動可能に設けられており、揺動端支点9Bを基準としてブレード側と異なる揺動端側にはソレノイドなどの圧力調整手段100が設けられている。ブラケット9Aは、図示しない弾性付勢手段によりクリーニングブレード9を常時感光体ドラム2に対して所定圧力、この場合には、残留付着物の掻き取りが行える圧力により接触する習性が付与されている。
【0038】
圧力調整手段100は、弾性付勢手段により習性を利用して感光体ドラム2に接触しているクリーニングブレード9の圧力を減圧するための手段であり、作動時、クリーニングブレード9が感光体ドラム2から離れる向きにブラケット9Aを揺動させる。この場合の減圧量としては、画像形成時に設定される、掻き取りに必要な接触圧力である定常圧よりも弱い圧力でクリーニングブレード9が感光体ドラム2に接触する圧力に設定されており、後述する感光体ドラム2の移動方向の切り換え形態に応じて減圧状態を維持できるようになっている。
【0039】
圧力調整手段100は、クリーニングブレード9の圧力を減圧するだけでなく、定常圧への加圧時および定常圧以下に減圧する際にクリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させるようになっている。このため、圧力調整手段100は、減圧に必要なブラケット9Aの揺動ストロークに加えて、クリーニングブレード9のエッジを感光体ドラム2の表面に対して接離させることができるブラケット9Aの揺動ストロークも設定できるようになっている。これにより、定常圧への加圧時および定常圧以下に減圧する際にクリーニングブレード9のエッジが感光体ドラム2の表面から離されるので、エッジと感光体ドラム2の表面とに挟まれていた異物を除去できると共に、クリーニングブレード9のエッジに付着堆積した異物を感光体ドラム2の表面とエッジとの間の離間位置から滑落あるいは剥落させることができる。このため、圧力調整手段100としては、ストロークを複数段階に設定できる構成が用いられ、その一つにロータリーソレノイドで駆動されるカムが用いられる。
【0040】
カムを用いることにより、減圧状態から定常圧へと加圧する際にクリーニングブレード9の接触圧力が徐々に高まることになり、これにより接触圧力が高まる過程でクリーニングブラシ8あるいはクリーニングブレード9に堆積していた異物、特に現像剤として二成分系現像剤が用いられた場合に異物とした回収される鉄粉を用いたキャリアがクリーニングブラシ8あるいはクリーニングブレード9と感光体2の表面との間をスリ抜けることができるタイムラグが発生するのでクリーニングブラシ8やクリーニングブレード9が定常圧で感光体ドラム2に接触する際にキャリアによる感光体ドラム2の表面への押しつけが緩和されて感光体ドラム2の表面が傷つけられるのを防止することができる。
【0041】
感光体ドラム2の逆転が終了すると、再度の画像形成のために感光体ドラム2が正転することになり、この場合のタイミングに合わせてクリーニングブレード9は掻き取り可能な圧力、つまり定常圧で感光体ドラム2に接触する。これにより、感光体ドラム2の逆転が行われるときにクリーニングブレード9が減圧されるので、感光体ドラム2の表面での摩擦係数の設定と相俟って、感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれたままの残留付着物の除去が行えることになる。しかも、感光体ドラム2の回転方向の切換とクリーニングブレードの圧力設定とにより、画像形成時での定常圧から減圧されるまでに感光体ドラム2に対するエッジの接触角が変移し、さらには、感光体ドラム2の表面からクリーニングブレード9のエッジが離れることにより、その過程においてエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟まれていたトナーを始めとする異物は如何様な状態で挟まれていても接触状態の開放により除去されることになる。
【0042】
クリーニングブレード9は、感光体ドラム2の逆転時に減圧され、さらに感光体ドラム2の停止時には逆転状態を維持されており、画像形成のために感光体ドラム2が回転を開始する際には定常圧に設定されて感光体ドラム2の表面に当接するようになっており、感光体ドラム2が正転し始めたときには異物を掻き取れるようになっている。
【0043】
本実施形態は以上のような構成であるから、感光体ドラム2が画像形成処理を終了すると、上述した回転モードにより逆転後停止する。このとき、クリーニングブレード9は、掻き取り可能な接触圧力である定常圧よりも弱い圧力に減圧されており、これにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれている異物への挟持圧力が緩和若しくは解除されるので、クリーニングブレード9の先端に堆積している異物の除去が可能となる。しかも、定常圧から減圧される際には一旦クリーニングブレード9が感光体ドラム2の表面から離れるので、減圧あるいは加圧される過程でクリーニングブレード9に堆積している異物の除去も行えることになる。
従って、異物がクリーニングブレード9と感光体表面との間に挟み込まれたままとなることがないので、ブレード先端に堆積した異物の存在によってクリーニングブレード9をすり抜ける異物が発生するのも抑えることができるので、フィルミングの発生をなくすことができる。
【0044】
本実施形態における感光体ドラム2の回転制御およびクリーニングブレード9に対する圧力設定並びに接離制御により、感光体ドラム2の表面の同じ位置がエッジと常に対向している場合に発生する異物の挟み込みの継続が解消され、感光体ドラム2の表面に対するクリーニングブレード9の長手方向での均一接触が可能となる。この結果、感光体ドラム2が回転し始める際には、改めてクリーニングブレード9による異物の掻き取りが行われるので、エッジの当接位置を異物がすり抜けてしまうということがなくされてクリーニング効率を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、画像形成終了時に潜像担持体の逆転に対応してクリーニング部材が定常圧から減圧され、再度の画像形成時には減圧された接触圧力を定常圧に加圧することができるので、接触圧力の変化によりクリーニング部材の潜像担持体に対する接触角を含む接触状態を変化させることによりクリーニング部材と潜像担持体との間に挟み込まれていた異物を剥落あるいは滑落しやすくすることができるので、異物の除去効率を高めることが可能となる。しかも潜像担持体の表面に接触しているクリーニング部材の先端が潜像担持体の回転方向の切換により相反する方向になびくことができるので、クリーニングブレードに付着している異物の除去も可能となり、特別な清掃構造を用いなくてもクリーニング部材自体での挙動によりクリーニング部材に堆積した異物除去が可能となる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、潜像担持体の逆転時にはクリーニング部材が減圧された状態を維持されるので、潜像担持体が逆転した状態で停止した場合にはクリーニング部材が減圧された状態で潜像担持体に接触することができる。これにより、クリーニング部材の不可増加を抑制してクリーニング部材がクリーニングブレードを用いる場合にはブレードの変形歪みを低減して、いわゆる、経たりを少なくして異物の掻き取り時での接触状態が悪化するのを防止することが可能となる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体が画像形成を開始されるのに同期してクリーニング部材が定常圧となるように徐々に加圧されるので、クリーニング部材と潜像担持体表面との間を異物がスリ抜けることができる状態とすることができる。これにより、クリーニング部材と潜像担持体との間に挟まれて潜像担持体表面を傷つける虞のある異物をクリーニング部材による押しつけを緩和して放出されることにより定常圧に復帰した際にその異物の押しつけによる潜像担持体表面の損傷を防止することが可能となる。これにより、潜像担持体の寿命を延ばすことが可能となる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、クリーニング部材が定常圧への加圧および定常圧からの減圧に際して潜像担持体表面から離間することができるので、潜像担持体とクリーニング部材との間に挟み込まれていた異物を開放できると共にクリーニング部材に付着堆積していた異物も両者間で剥落あるいは滑落させることができる。これにより、クリーニング部材に堆積した異物の除去が特別な清掃固守団を用いることなく可能となり、クリーニング不良の発生を防止することが可能となる。
【0049】
請求項5記載の発明によれば、クリーニング部材としてブラシが用いられる場合、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記像担持体に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されているので、感光体表面に対するループ部分の食い込み量を付着残留物の除去に必要な量に設定することができるので、残留付着物の除去性を高めてクリーニングブレードとの組み合わせ時にはクリーニングブレードでの掻き取り負荷の増加を抑えて押しつけによるフィルミングの発生を抑制することが可能となる。
【0050】
請求項6記載の発明によれば、感光体の表面摩擦係数(μ)がμ=0.2以上とされているので、極端に摩擦係数を低くするような作業が必要ないので、潤滑剤の供給などの特別な摩擦係数低減構造を不要にしてコスト上昇を防止することが可能となる。
【0051】
請求項7および8記載の発明によれば、感光体としてその表面層がクリーニング部材により掻き取りにくい材質で構成され、特に、請求項11記載の発明では高硬度が得られるアモルファスシリコンまた請求項12記載の発明では無機粒子を含む材質とされることにより感光体の長寿命化、膜厚変化による特性変化の抑制さらには表面の損傷防止が可能となり、表面性が悪化した場合に発生する残留付着物の擦りつけによる堆積を防止できる。しかも、このようなクリーニング部材で削り取りにくい高硬度の材質を感光体に用いた場合でも、クリーニング部材としてブレードあるいはグブラシを用いるだけで像担持体上からの残留付着物の回収が可能となる。
【0052】
請求項9記載の発明によれば、感光体およびクリーニング装置さらには画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に感光体およびクリーニング装置と共に一つのカートリッジに装備されているので、作像部が複数接地されているような場合には各作像部毎に保守点検および交換が可能となり、装置全体の作像部を一括して保守点検あるいは交換する場合に比べてコスト上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】図1に示した実施形態に用いられるカートリッジの作用を説明するための斜視図である。
【図3】図1に示した画像形成装置に用いられる感光体ドラムの制御構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図1に示した画像形成装置のクリーニング装置に用いられるクリーニング部材の一つであるクリーニングブラシの構成およびブラシの接触面圧の意味を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
7 クリーニング装置
8 クリーニングブラシ
9 クリーニングブレード
20 制御部
21 操作部
22 画像形成回数カウンタ
Claims (9)
- 潜像担持体に接触して転写後の潜像担持体上に残存する異物を除去可能なクリーニング部材として、上記潜像担持体から転写紙を分離した後の位置で上記異物を掻き取り可能な圧力により接触するクリーニングブレードおよびまたはクリーニングブラシを備え、上記潜像担持体が画像形成終了時に画像形成時とは逆方向に回転してから停止した後、少なくとも1回、画像形成時の方向への回転および逆方向への回転を行う構成を備えた画像形成装置であって、
上記クリーニングブレードが用いられる場合は、上記潜像担持体の逆方向への回転時に画像形成時での接触圧力である定常圧以下の接触圧力に減圧され、上記潜像担持体の画像形成時の回転方向への回転時には減圧された接触圧力が定常圧に加圧されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記クリーニング部材は、上記潜像担持体で実施される逆転・正転・逆転動作終了後、上記定常圧以下の接触圧力に減圧された状態を維持することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブレードは、画像形成開始時、上記潜像担持体が画像形成時の回転方向に回転を開始するのに同期して接触圧力を定常圧となるように徐々に加圧されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブレードは、接触圧力の減圧および加圧の過程で上記潜像担持体から離間されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
上記クリーニングブラシが用いられる場合には、該ブラシは、先端がループ状に形成され、上記潜像担持体に対する接触圧力が50g/cm2以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記潜像担持体は、その表面の摩擦係数(μ)が0.2以上に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記潜像担持体は、アモルファスシリコンが用いられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体は、少なくとも最表面層に無機粒子を含有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至8のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記潜像担持体およびクリーニング部材に加えて、これら以外の画像形成処理に係る装置の少なくとも一つが選択的に上記潜像担持体およびクリーニング手段とともに一つのカートリッジに装備されていることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003053964A JP2004264508A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 画像形成装置 |
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JP2003053964A JP2004264508A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 画像形成装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006195103A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Canon Inc | 画像形成装置 |
US7738807B2 (en) * | 2006-06-12 | 2010-06-15 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Control for cleaning image carrier surface in image forming device |
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-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003053964A patent/JP2004264508A/ja active Pending
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