JP2004093869A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成の複雑化を招くことなくクリーニングブレードと感光体表面との間に挟み込まれた異物を完全に除去できる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写後の像担持体2に残存しているトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレード9により除去するクリーニング装置71を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体2が動作する前に一旦該潜像担持体2を駆動させて停止させ、再度動作させた後、待機のための停止状態を設定することを特徴とする。
【選択図】 図6
【解決手段】転写後の像担持体2に残存しているトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレード9により除去するクリーニング装置71を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体2が動作する前に一旦該潜像担持体2を駆動させて停止させ、再度動作させた後、待機のための停止状態を設定することを特徴とする。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーニング装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物をクリーニングブレードにより除去する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写紙などの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング行程に供される。
上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング行程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング行程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。
【0006】
一方、クリーニングブレードは感光体表面に対して所定の当接圧力により圧接しているが、きわめて小さい接触面積で接触しているクリーニングブレードのエッジ部分ではかなりの強さの圧力が作用しており、これによって次のような問題も生じる。
クリーニングブレードのエッジ部分では、異物が挟み込まれたままで継続してクリーニングが行われると、その異物により感光体表面が傷つけられてしまったりあるいは感光体表面にトナーが押圧接触されることによるトナーフィルミング、つまり、トナーの薄層が感光体表面に形成されてしまう現象が生じてしまい、感光体表面での光電特性、特に、帯電特性が悪化して画像品質を悪化させることになる。
【0007】
従来、クリーニングブレードの当接による不具合を解消するための構成として、画像形成工程が終了した時点で感光体が停止した際にクリーニングブレードの当接圧力を弱めたりあるいは当接を解除すると共に感光体を画像形成時とは逆方向に移動させる構成(特開2000−155514号公報、特許第3146032号)、感光体を画像形成終了後に逆転させた後、正転させて停止する構成(特開平7−175394号公報)がある。
【0008】
いずれの公報においても画像形成終了後に感光体を逆転させることによりクリーニングブレードのエッジに挟み込まれている異物への圧力が解除されることにより異物の除去を促進しようとする構成が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示されている構成には、次のような問題がある。
感光体の逆転時にクリーニングブレードの圧力を弱めたりあるいは当接を解除するようにした構成とした場合、圧力制御のための構成が必要となる。このため、逆転時に生起されるクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除のみの場合に比べて構成が複雑となることは否めない。特に、クリーニングブレードと感光体との間に挟み込まれている異物中のトナーは、クリーニングブレードと感光体との圧接により発生する摩擦熱の影響によって融着することもあり、クリーニングブレードを離して摩擦熱の影響を抑えるという構成がどうしても必要となる場合もあり、この点からしても、クリーニングブレードの接離動作を必須とした場合にはその構成が複雑化してしまう原因となる。
ちなみにトナーの融着に関しては、高解像度を得るために小粒径トナーが用いられ始めてきており、いわゆる熱容量が小さいことが原因して融着を起こしやすいトナーが多用されてきていること、さらには大量のコピーなどの作業を限られた電力を用いて行うことも省エネルギー化の一環として実用されてきていることからトナー自体は定着効率向上のために低融点のものが用いられることが多くなってきていることが理由となって融着を発生しやすい条件が揃いやすい状況となっている。このため、不用意に摩擦熱を高めるような構成とすることは望ましくないとされる傾向が強く、この点からしても接離機構や接離タイミング制御などの特別な構成が必要となってくる。
【0010】
一方、逆転時でのクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除により両者間から異物を取り除く構成においては、逆転時にクリーニングブレードがそれまでと反対側に反り返るのを利用してクリーニングエッジに挟み込まれて堆積している異物の挟み込みを解除することができる反面、正転復帰されると再度異物を挟み込める状態となり、逆転から正転に転じるだけあるいは逆転のみでは完全に異物の挟み込みを完全に解消することが難しいのが現状である。
【0011】
本発明の目的は、上記従来のクリーニング装置における問題、特にクリーニングブレードを用いた場合の問題に鑑み、構成の複雑化を招くことなくクリーニングブレードと感光体表面との間に挟み込まれた異物を完全に除去できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、転写後の像担持体に残存しているトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体が動作する前に一旦該潜像担持体を駆動させて停止させ、再度動作させた後、待機のための停止状態を設定することを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させて待機のための停止状態を設定されることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させる行程と上記画像形成処理時と同じ方向に回転させる行程とを組み合わせた回転サイクルを設定し、該回転サイクル終了後、上記逆方向に回転させて待機のために停止状態を設定することを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2および3記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、画像形成のために上記潜像担持体の動作する前の移動量として、上記クリーニングブレードの摩耗および欠けが発生しない摩擦関係が得られる量が設定されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記クリーニング装置に有するクリーニングブレードは、上記潜像担持体の駆動状態に関係なく該潜像担持体表面に当接して設けられていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0018】
図1においてプリンタ1は、潜像担持体としてドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0019】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7に対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0020】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触されてそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向上流側入り口を封止するシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0021】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されたファーブラシを有する構成が用いられている。
【0022】
クリーニング装置7の構成としては、図1に示した構成に代えて、図2に示す構成とすることも可能である。図2に示すクリーニング装置7は、常時接触するクリーニングブレードに代えて感光体ドラム2から離間できる構成を備えた点が図1に示す構成と異なる。つまり、クリーニングブレード9は、プリンタの不動部(図示されず)に設けられた支軸9Aによって揺動可能に支持されているブラケット9Bの揺動端に取り付けられており、ブラケット9Bは、クリーニングブレード9と反対側の揺動端に掛け止められたバネなどの弾性体9Cの付勢によりクリーニングブレード9のエッジを感光体ドラム2に向けて圧接させるようになっている。
【0023】
クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させる場合には、弾性体9Cの付勢に抗してブラケット9Bを揺動させる。このようなクリーニングブレード9の離間動作は、例えば、感光体ドラム2の交換時や保守点検時において感光体ドラム2の挿脱作業の邪魔にならないようにするために行われる。
【0024】
図2に示したクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の表面で局部的な接触が継続されることを防ぐために長手方向に往復動できるようになっており、そのための構成が図3に示されている。
図3において、クリーニングブレード9の長手方向一端に取り付けられているブラケット9Bにはカムフォロワ9B1が設けられており、カムフォロワ9B1は、感光体ドラム2の軸方向に凹凸部を形成された接離カム15に対向当接している。
接離カム15は接離ギヤ16と一体化されており、接離ギヤ16が感光体ドラム2の駆動系に装備されているギヤ群の一つに噛み合うことで連動しながら回転できるようになっている。このような構成においては、感光体ドラム2の回転に連動して接離ギヤ16が回転すると接離カム15に当接しているカムフォロワ9A1が感光体ドラム2の軸方向に往復動し、クリーニングブレード9が感光体ドラム2の軸方向に変位する。このような往復動により感光体ドラム2の表面において同じ位置でクリーニングブレード9が当接するのを避けて感光体ドラム2の軸方向での異物の掻き取り効率を高めるようになっている。
【0025】
以上のような構成の画像形成装置においては、クリーニングブレードのエッジと感光体ドラム2の表面との間に異物が溜まってしまうのを防止するために感光体ドラム2の回転制御が実行されるようになっている。
本実施形態では、画像形成終了後に再度画像形成を行うためあるいはプリンタ1の始動時等のように感光体ドラム2が回転動作を開始する前に、一旦感光体ドラム2を動作させて停止させ、再度動作させた後、待機のために停止させるようになっている。以下、この回転制御の詳細について説明する。
【0026】
感光体ドラム2は、画像形成のために回転する前に画像形成処理時の回転方向(以下、これを正転方向という)とは逆方向に回転し、この逆転を少なくとも2回以上繰り返した後、画像形成を待機するために停止されるようになっている。つまり、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−停止−逆転−停止の行程が設定されている(以下、この回転制御を第1番目の回転制御という)。
【0027】
第1番目の回転制御は、図4に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22が接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部2Aが接続されている。
【0028】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかのうちで、画像形成回数が設定された場合には画像形成終了時の判断を画像形成回数カウンタ22からの出力内容によって判別して感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0029】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転することにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、感光体ドラム2の表面におけるエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、図5(A)に示すように、正転時にクリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2との間に挟み込まれていた状態から、図5(B)に示すように、エッジと感光体ドラム2とによる挟み込みが解除された状態となり、クリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれていた異物が両者間から離れて両者間から除去されることになる。しかも、待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。
【0030】
次に本発明の別の実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した第1番目の回転制御に対して正転動作を加えた回転サイクルを設定することに特徴がある。
第2番目の回転制御は、図4に示した制御部20を用いて行われる制御であり、第1番目の回転制御が開始される時期と同様な開始条件とされ、逆転、停止,正転、停止という回転サイクルを設定し、この回転サイクルが終了すると逆転した後、待機のために停止するという行程が設定されている。つまり、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成終了−停止−逆転−停止−正転−停止−逆転−停止の行程が設定されている。
【0031】
第1,第2番目の回転制御においては、逆転および正転の際の感光体ドラム2の移動量として、回転動作時間でいうと、40〜60msとされている。この回転動作時間では、周速にもよるが、概ね10〜15mm程度の移動量が得られる値とされ、この値とすることにより回転量が多くなった場合に発生するクリーニングブレード9の摩耗や欠けを防ぐようになっている。
【0032】
さらに回転制御の条件として、回転切り換え時に設定されている停止時間および正逆転時間の関係があり、図6に示すように、停止時間は300ms、正転あるいは逆転時間はそれぞれ40msとされている。停止、逆転および正転時間は、モータの駆動開始のためのタイムラグおよびクリーニングエッジの位置から感光体ドラム2が離れる移動量を規定するためのものであり、上記各時間設定により、特に逆転時間の設定により、感光体ドラム2は周速にもよるが、クリーニングエッジとの接触位置から概ね10〜20mm程度、離すことができる移動量が得られる値に相当している。
【0033】
本実施形態は以上のような構成であるから、画像形成終了時あるいは装置の始動時などにおいて感光体ドラム2に対する画像形成が開始されるに際して感光体ドラム2が停止状態から逆転を開始し、所定時間移動した後、停止し、再度逆転若しくは正転後に逆転して待機のために停止する。
【0034】
画像形成時に感光体ドラム2が正転した際にクリーニングブレード9のエッジとの間に挟み込まれていた異物は感光体ドラム2の逆転によりエッジが当接している位置から遠ざかる。特に、感光体ドラム2の動作開始前に一旦逆転して停止した後、再度逆転させ(第1番目の回転制御)、あるいは逆転して停止した後、正転させて停止させた後、再度逆転させて(第2番目の回転制御)、待機のために停止するようになっているので、感光体ドラム2が回転し始める段階ではそれまでエッジと対向していた感光体ドラム2の表面がエッジから離れた位置を始発位置として移動することになる。
このような回転制御により、感光体ドラム2の表面の同じ位置がエッジと常に対向している場合に発生する異物の挟み込みの継続が解消され、感光体ドラム2の表面に対するクリーニングブレード9の長手方向での均一接触が可能となる。この結果、感光体ドラム2が回転し始める際には、改めてクリーニングブレード9による異物の掻き取りが行われるので、エッジの当接位置を異物がすり抜けてしまうということがなくされてクリーニング効率を高めることができる。
【0035】
本発明者は、本実施形態における感光体ドラム2に対する第1,第2番目の回転制御を行った場合と従来実施されていた、逆転後に正転させて停止する場合とをクリーニング不良が発生するまでの画像形成回数について比較したところ、表1に示す結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】
表1からも明らかなように、本実施形態による回転制御、つまり第1,第2番目の回転制御では、従来の逆転後の正転を行った状態で停止する場合に比べてクリーニング不良が発生するまでの画像形成回数を増やすことができた。なお、表1において「K」は1000枚を意味している。
【0038】
一方、第1,第2番目の回転制御に際しての感光体ドラム2の回転動作時間に関して、比較した結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2において、上述したような回転動作時間を40〜60msとした場合にこれ以外の回転動作時間よりも良好な結果が得られた。回転動作時間を長くした場合にはこれ以下の時間と比較して結果が良くない理由は、回転量の増加に比例してクリーニングブレード9のエッジの摩耗や掛けが発生しやすくなる摩擦関係となることが挙げられ、この点を考慮して、上述した回転動作時間を設定することになる。また、表2に示す結果が得られる条件として、60msの回転動作時間を設定した場合には、逆転時にエッジと感光体ドラム2の表面との間に溜まったトナーが感光体ドラム2の近傍に設けられている濃度センサ13上に零れるという新たな不具合が見受けられたことからも上述した回転動作時間のうちで、最も好ましい値としては、40msであることが実験により確認された。
【0041】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、画像形成のために潜像担持体が動作する前、つまり画像形成処理が終了して次の画像形成処理が再開される前および始動時などにおいて潜像担持体として用いられる感光体が動作する前に、一旦感光体を動作させて停止させた後、再度動作させ、特に請求項2記載の発明では、この動作として画像形成処理とは逆方向に少なくとも2回転させて待機のために停止するようにしているので、画像形成時とは逆方向に回転する機会、つまりクリーニングブレードのエッジに対向する感光体の表面をエッジから遠ざける機会を増やすことができ、クリーニングブレードと感光体表面との間に挟み込まれていた異物を除去しやすくすることが可能となる。しかも、待機のために停止する際には逆転した状態で停止するのでクリーニングブレードのエッジが当接していた潜像担持体の表面をそのエッジから遠ざかる位置に位置決めすることができるので、異物が挟み込まれたままとなることを防止できる。
【0042】
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体を少なくとも2回転以上画像形成時とは逆方向に回転させる行程と画像形成時と同じ方向に回転させる行程とを組み合わせた回転サイクルを設定し、該回転サイクル終了後、画像形成時とは逆方向に回転させて待機のために潜像担持体を停止するようになっているので、正転と逆転との組み合わせにより、逆転時での異物挟持圧力解放と正転時での異物の掻き取りとを併せ実行することができる。これにより、逆転した際には画像形成時に掻き取って挟み込まれた状態にある異物を掻き取り位置から遠ざけてクリーニングブレードの均一接触状態を回復させ、未だ掻き取られていない異物を正転により掻き取ってその異物を逆転により除去することができるので、逆転のみの場合と違って潜像担持体上に残存している異物の除去が可能となる。特に大量の画像形成時での残存異物の除去に有効となる。
【0043】
請求項4および5記載の発明によれば、潜像担持体の駆動状態に関係なく当接しているクリーニングブレードを用いた場合の潜像担持体の移動量として、クリーニングブレードの摩耗や欠けが生じない摩擦関係が得られる量とされているので、異物除去効率の低下を防止してクリーニングブレードを接離させない状態で異物の除去ができる。これにより、クリーニングブレードの接離のための特別な構成等を必要とすることなく簡単な構成によって異物除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられるクリーニング装置に関する変形例を示す図である。
【図3】図2に示した変形例を対象としたクリーニングブレードの支持構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる感光体の回転制御機構を説明するためのブロック図である。
【図5】図4に示した回転制御機構により回転制御が行われた場合の作用を説明するための図である。
【図6】図4に示した回転制御機構による感光体ドラムの回転時間に関するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
7 クリーニング装置
9 クリーニングブレード
20 制御部
21 操作部
22 画像形成回数カウンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーニング装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、潜像担持体上に残留する現像剤に含まれるトナーや紙粉等の異物をクリーニングブレードにより除去する構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタや複写機あるいはファクシミリ装置などの電子写真プロセスを用いる画像形成装置においては、像担持体をなす感光体に対して帯電工程、画像書き込み工程が実行されることにより感光体上に静電潜像が形成され、その静電潜像が現像工程においてトナーを用いて可視像処理される。
トナーにより可視像処理されたトナー像は転写紙などの記録媒体に対して転写工程により静電転写され、転写されたトナーが定着工程において定着されて複写物とされる。
【0003】
転写工程において感光体上から転写紙に転写されるトナー像は、転写されたトナーの全てが転写紙に転写されることが画像再現性において有利となるが、実際にはトナーの一部が未転写のまま感光体上に残留することもある。
【0004】
転写後の感光体は、新たな潜像形成に先立ち、残留する電荷と共に感光体表面に付着しているトナーや紙粉あるいはロジンやMg,Al,さらにはKやNa等の転写紙に含まれている添加剤を除去するクリーニング行程に供される。
上述した添加剤は、転写紙だけではなく、トナーにおいても母体となる樹脂成分の他に帯電特性や定着性さらには流動性などを始めとするトナーに要求される各種特性を満足させるために含有されており、トナーや紙粉だけでなくこれら添加剤も感光体表面に付着することになる。
従来、クリーニング行程では感光体表面に圧接するポリウレタンなどの弾性を有した部材からなるクリーニングブレードを設け、このクリーニングブレードのエッジを所定の当接圧力により感光体表面に圧接させてトナーや紙粉あるいは上述した添加剤を掻き取るようになっている。
【0005】
しかし、上述したクリーニングブレードによるクリーニング行程が繰り返されると、感光体表面とこれに圧接しているクリーニングブレードとの間に紙粉などの異物が挟み込まれて堆積する傾向が発生し、感光体表面に対するクリーニングブレードの圧接状態が変化して十分なクリーニング効果を維持することができなくなる虞がある。上記両者の間に挟み込まれるものとしては、紙粉だけでなく、トナーの塊などもあり、これら挟み込まれたものが増加していくとブレードにより掻き取られるべきトナーが両者の間に生じる隙間を通過してしまい、クリーニング効率が低下して感光体の地肌汚れなどにより異常画像を発生する原因となる。ちなみにトナーの塊が挟み込まれた場合には塊の両脇から感光体表面に残存する未転写トナーがすり抜けてしまい、クリーニングされないまま残ることになる。
【0006】
一方、クリーニングブレードは感光体表面に対して所定の当接圧力により圧接しているが、きわめて小さい接触面積で接触しているクリーニングブレードのエッジ部分ではかなりの強さの圧力が作用しており、これによって次のような問題も生じる。
クリーニングブレードのエッジ部分では、異物が挟み込まれたままで継続してクリーニングが行われると、その異物により感光体表面が傷つけられてしまったりあるいは感光体表面にトナーが押圧接触されることによるトナーフィルミング、つまり、トナーの薄層が感光体表面に形成されてしまう現象が生じてしまい、感光体表面での光電特性、特に、帯電特性が悪化して画像品質を悪化させることになる。
【0007】
従来、クリーニングブレードの当接による不具合を解消するための構成として、画像形成工程が終了した時点で感光体が停止した際にクリーニングブレードの当接圧力を弱めたりあるいは当接を解除すると共に感光体を画像形成時とは逆方向に移動させる構成(特開2000−155514号公報、特許第3146032号)、感光体を画像形成終了後に逆転させた後、正転させて停止する構成(特開平7−175394号公報)がある。
【0008】
いずれの公報においても画像形成終了後に感光体を逆転させることによりクリーニングブレードのエッジに挟み込まれている異物への圧力が解除されることにより異物の除去を促進しようとする構成が用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示されている構成には、次のような問題がある。
感光体の逆転時にクリーニングブレードの圧力を弱めたりあるいは当接を解除するようにした構成とした場合、圧力制御のための構成が必要となる。このため、逆転時に生起されるクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除のみの場合に比べて構成が複雑となることは否めない。特に、クリーニングブレードと感光体との間に挟み込まれている異物中のトナーは、クリーニングブレードと感光体との圧接により発生する摩擦熱の影響によって融着することもあり、クリーニングブレードを離して摩擦熱の影響を抑えるという構成がどうしても必要となる場合もあり、この点からしても、クリーニングブレードの接離動作を必須とした場合にはその構成が複雑化してしまう原因となる。
ちなみにトナーの融着に関しては、高解像度を得るために小粒径トナーが用いられ始めてきており、いわゆる熱容量が小さいことが原因して融着を起こしやすいトナーが多用されてきていること、さらには大量のコピーなどの作業を限られた電力を用いて行うことも省エネルギー化の一環として実用されてきていることからトナー自体は定着効率向上のために低融点のものが用いられることが多くなってきていることが理由となって融着を発生しやすい条件が揃いやすい状況となっている。このため、不用意に摩擦熱を高めるような構成とすることは望ましくないとされる傾向が強く、この点からしても接離機構や接離タイミング制御などの特別な構成が必要となってくる。
【0010】
一方、逆転時でのクリーニングブレードと感光体との間の異物挟持圧力解除により両者間から異物を取り除く構成においては、逆転時にクリーニングブレードがそれまでと反対側に反り返るのを利用してクリーニングエッジに挟み込まれて堆積している異物の挟み込みを解除することができる反面、正転復帰されると再度異物を挟み込める状態となり、逆転から正転に転じるだけあるいは逆転のみでは完全に異物の挟み込みを完全に解消することが難しいのが現状である。
【0011】
本発明の目的は、上記従来のクリーニング装置における問題、特にクリーニングブレードを用いた場合の問題に鑑み、構成の複雑化を招くことなくクリーニングブレードと感光体表面との間に挟み込まれた異物を完全に除去できる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、転写後の像担持体に残存しているトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体が動作する前に一旦該潜像担持体を駆動させて停止させ、再度動作させた後、待機のための停止状態を設定することを特徴としている。
【0013】
請求項2記載の発明は、転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させて待機のための停止状態を設定されることを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明は、転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させる行程と上記画像形成処理時と同じ方向に回転させる行程とを組み合わせた回転サイクルを設定し、該回転サイクル終了後、上記逆方向に回転させて待機のために停止状態を設定することを特徴としている。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項2および3記載の発明に加えて、上記潜像担持体は、画像形成のために上記潜像担持体の動作する前の移動量として、上記クリーニングブレードの摩耗および欠けが発生しない摩擦関係が得られる量が設定されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記クリーニング装置に有するクリーニングブレードは、上記潜像担持体の駆動状態に関係なく該潜像担持体表面に当接して設けられていることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態を説明するための実施例による画像形成装置を示す模式図であり、同図に示す画像形成装置には、潜像担持体にクリーニングブレードを当接させてトナーや紙粉などの異物を掻き取ることができるクリーニング装置が備えられている。また、同図に示す画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
【0018】
図1においてプリンタ1は、潜像担持体としてドラムが用いられる感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
【0019】
転写後の感光体ドラム2は、クリーニング装置7に対面することにより残留するトナーや紙粉および種々の添加物等の残留物が除去されると共に残留電荷も除去されたうえで帯電装置3による一様帯電が行われて再度の画像形成処理に備えられる。
【0020】
図1においてクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはポリウレタンン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と常時接触されてそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向上流側入り口を封止するシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを、また符号14は感光体ドラム2から転写紙を分離するための分離爪をそれぞれ示している。
【0021】
クリーニングブラシ8は、回転可能なローラ表面に植毛されたファーブラシを有する構成が用いられている。
【0022】
クリーニング装置7の構成としては、図1に示した構成に代えて、図2に示す構成とすることも可能である。図2に示すクリーニング装置7は、常時接触するクリーニングブレードに代えて感光体ドラム2から離間できる構成を備えた点が図1に示す構成と異なる。つまり、クリーニングブレード9は、プリンタの不動部(図示されず)に設けられた支軸9Aによって揺動可能に支持されているブラケット9Bの揺動端に取り付けられており、ブラケット9Bは、クリーニングブレード9と反対側の揺動端に掛け止められたバネなどの弾性体9Cの付勢によりクリーニングブレード9のエッジを感光体ドラム2に向けて圧接させるようになっている。
【0023】
クリーニングブレード9を感光体ドラム2から離間させる場合には、弾性体9Cの付勢に抗してブラケット9Bを揺動させる。このようなクリーニングブレード9の離間動作は、例えば、感光体ドラム2の交換時や保守点検時において感光体ドラム2の挿脱作業の邪魔にならないようにするために行われる。
【0024】
図2に示したクリーニングブレード9は、感光体ドラム2の表面で局部的な接触が継続されることを防ぐために長手方向に往復動できるようになっており、そのための構成が図3に示されている。
図3において、クリーニングブレード9の長手方向一端に取り付けられているブラケット9Bにはカムフォロワ9B1が設けられており、カムフォロワ9B1は、感光体ドラム2の軸方向に凹凸部を形成された接離カム15に対向当接している。
接離カム15は接離ギヤ16と一体化されており、接離ギヤ16が感光体ドラム2の駆動系に装備されているギヤ群の一つに噛み合うことで連動しながら回転できるようになっている。このような構成においては、感光体ドラム2の回転に連動して接離ギヤ16が回転すると接離カム15に当接しているカムフォロワ9A1が感光体ドラム2の軸方向に往復動し、クリーニングブレード9が感光体ドラム2の軸方向に変位する。このような往復動により感光体ドラム2の表面において同じ位置でクリーニングブレード9が当接するのを避けて感光体ドラム2の軸方向での異物の掻き取り効率を高めるようになっている。
【0025】
以上のような構成の画像形成装置においては、クリーニングブレードのエッジと感光体ドラム2の表面との間に異物が溜まってしまうのを防止するために感光体ドラム2の回転制御が実行されるようになっている。
本実施形態では、画像形成終了後に再度画像形成を行うためあるいはプリンタ1の始動時等のように感光体ドラム2が回転動作を開始する前に、一旦感光体ドラム2を動作させて停止させ、再度動作させた後、待機のために停止させるようになっている。以下、この回転制御の詳細について説明する。
【0026】
感光体ドラム2は、画像形成のために回転する前に画像形成処理時の回転方向(以下、これを正転方向という)とは逆方向に回転し、この逆転を少なくとも2回以上繰り返した後、画像形成を待機するために停止されるようになっている。つまり、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成処理終了−逆転−停止−逆転−停止の行程が設定されている(以下、この回転制御を第1番目の回転制御という)。
【0027】
第1番目の回転制御は、図4に示す制御部20により実施されるようになっており、制御部20は、本実施形態と関連する構成として、入力側に操作部21,画像形成回数カウンタ22が接続され、出力部には感光体ドラム2の駆動部2Aが接続されている。
【0028】
制御部20では、操作部21において設定された画像形成回数の設定あるいは図示しないが始動スイッチの操作のいずれかのうちで、画像形成回数が設定された場合には画像形成終了時の判断を画像形成回数カウンタ22からの出力内容によって判別して感光体ドラム2の回転制御を実行し、始動スイッチが投入されてプリンタ1の初期処理が開始された場合にはその処理時での感光体ドラム2の回転停止が行われた際に感光体ドラム2の回転制御を実行するようになっている。
【0029】
感光体ドラム2が少なくとも2回、画像形成時とは逆方向に回転することにより、クリーニングブレード9と感光体ドラム2との間に挟み込まれていた異物は、感光体ドラム2の表面におけるエッジとの対向位置が遠ざかるとともに両部材間での挟持圧力が解放されることになるので、図5(A)に示すように、正転時にクリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2との間に挟み込まれていた状態から、図5(B)に示すように、エッジと感光体ドラム2とによる挟み込みが解除された状態となり、クリーニングブレード9のエッジと感光体ドラム2の表面との間に挟み込まれていた異物が両者間から離れて両者間から除去されることになる。しかも、待機のための停止状態は、逆転状態であるので、クリーニングブレード9のエッジが正転時とは逆向きに反り返っており、エッジが画像形成時のような異物を挟み込む状態となっていないことになり、これによっても異物の除去性を維持することができる。
【0030】
次に本発明の別の実施形態について説明する。
本実施形態は、上述した第1番目の回転制御に対して正転動作を加えた回転サイクルを設定することに特徴がある。
第2番目の回転制御は、図4に示した制御部20を用いて行われる制御であり、第1番目の回転制御が開始される時期と同様な開始条件とされ、逆転、停止,正転、停止という回転サイクルを設定し、この回転サイクルが終了すると逆転した後、待機のために停止するという行程が設定されている。つまり、画像形成処理が終了した場合でいうと、画像形成終了−停止−逆転−停止−正転−停止−逆転−停止の行程が設定されている。
【0031】
第1,第2番目の回転制御においては、逆転および正転の際の感光体ドラム2の移動量として、回転動作時間でいうと、40〜60msとされている。この回転動作時間では、周速にもよるが、概ね10〜15mm程度の移動量が得られる値とされ、この値とすることにより回転量が多くなった場合に発生するクリーニングブレード9の摩耗や欠けを防ぐようになっている。
【0032】
さらに回転制御の条件として、回転切り換え時に設定されている停止時間および正逆転時間の関係があり、図6に示すように、停止時間は300ms、正転あるいは逆転時間はそれぞれ40msとされている。停止、逆転および正転時間は、モータの駆動開始のためのタイムラグおよびクリーニングエッジの位置から感光体ドラム2が離れる移動量を規定するためのものであり、上記各時間設定により、特に逆転時間の設定により、感光体ドラム2は周速にもよるが、クリーニングエッジとの接触位置から概ね10〜20mm程度、離すことができる移動量が得られる値に相当している。
【0033】
本実施形態は以上のような構成であるから、画像形成終了時あるいは装置の始動時などにおいて感光体ドラム2に対する画像形成が開始されるに際して感光体ドラム2が停止状態から逆転を開始し、所定時間移動した後、停止し、再度逆転若しくは正転後に逆転して待機のために停止する。
【0034】
画像形成時に感光体ドラム2が正転した際にクリーニングブレード9のエッジとの間に挟み込まれていた異物は感光体ドラム2の逆転によりエッジが当接している位置から遠ざかる。特に、感光体ドラム2の動作開始前に一旦逆転して停止した後、再度逆転させ(第1番目の回転制御)、あるいは逆転して停止した後、正転させて停止させた後、再度逆転させて(第2番目の回転制御)、待機のために停止するようになっているので、感光体ドラム2が回転し始める段階ではそれまでエッジと対向していた感光体ドラム2の表面がエッジから離れた位置を始発位置として移動することになる。
このような回転制御により、感光体ドラム2の表面の同じ位置がエッジと常に対向している場合に発生する異物の挟み込みの継続が解消され、感光体ドラム2の表面に対するクリーニングブレード9の長手方向での均一接触が可能となる。この結果、感光体ドラム2が回転し始める際には、改めてクリーニングブレード9による異物の掻き取りが行われるので、エッジの当接位置を異物がすり抜けてしまうということがなくされてクリーニング効率を高めることができる。
【0035】
本発明者は、本実施形態における感光体ドラム2に対する第1,第2番目の回転制御を行った場合と従来実施されていた、逆転後に正転させて停止する場合とをクリーニング不良が発生するまでの画像形成回数について比較したところ、表1に示す結果を得た。
【0036】
【表1】
【0037】
表1からも明らかなように、本実施形態による回転制御、つまり第1,第2番目の回転制御では、従来の逆転後の正転を行った状態で停止する場合に比べてクリーニング不良が発生するまでの画像形成回数を増やすことができた。なお、表1において「K」は1000枚を意味している。
【0038】
一方、第1,第2番目の回転制御に際しての感光体ドラム2の回転動作時間に関して、比較した結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2において、上述したような回転動作時間を40〜60msとした場合にこれ以外の回転動作時間よりも良好な結果が得られた。回転動作時間を長くした場合にはこれ以下の時間と比較して結果が良くない理由は、回転量の増加に比例してクリーニングブレード9のエッジの摩耗や掛けが発生しやすくなる摩擦関係となることが挙げられ、この点を考慮して、上述した回転動作時間を設定することになる。また、表2に示す結果が得られる条件として、60msの回転動作時間を設定した場合には、逆転時にエッジと感光体ドラム2の表面との間に溜まったトナーが感光体ドラム2の近傍に設けられている濃度センサ13上に零れるという新たな不具合が見受けられたことからも上述した回転動作時間のうちで、最も好ましい値としては、40msであることが実験により確認された。
【0041】
【発明の効果】
請求項1および2記載の発明によれば、画像形成のために潜像担持体が動作する前、つまり画像形成処理が終了して次の画像形成処理が再開される前および始動時などにおいて潜像担持体として用いられる感光体が動作する前に、一旦感光体を動作させて停止させた後、再度動作させ、特に請求項2記載の発明では、この動作として画像形成処理とは逆方向に少なくとも2回転させて待機のために停止するようにしているので、画像形成時とは逆方向に回転する機会、つまりクリーニングブレードのエッジに対向する感光体の表面をエッジから遠ざける機会を増やすことができ、クリーニングブレードと感光体表面との間に挟み込まれていた異物を除去しやすくすることが可能となる。しかも、待機のために停止する際には逆転した状態で停止するのでクリーニングブレードのエッジが当接していた潜像担持体の表面をそのエッジから遠ざかる位置に位置決めすることができるので、異物が挟み込まれたままとなることを防止できる。
【0042】
請求項3記載の発明によれば、潜像担持体を少なくとも2回転以上画像形成時とは逆方向に回転させる行程と画像形成時と同じ方向に回転させる行程とを組み合わせた回転サイクルを設定し、該回転サイクル終了後、画像形成時とは逆方向に回転させて待機のために潜像担持体を停止するようになっているので、正転と逆転との組み合わせにより、逆転時での異物挟持圧力解放と正転時での異物の掻き取りとを併せ実行することができる。これにより、逆転した際には画像形成時に掻き取って挟み込まれた状態にある異物を掻き取り位置から遠ざけてクリーニングブレードの均一接触状態を回復させ、未だ掻き取られていない異物を正転により掻き取ってその異物を逆転により除去することができるので、逆転のみの場合と違って潜像担持体上に残存している異物の除去が可能となる。特に大量の画像形成時での残存異物の除去に有効となる。
【0043】
請求項4および5記載の発明によれば、潜像担持体の駆動状態に関係なく当接しているクリーニングブレードを用いた場合の潜像担持体の移動量として、クリーニングブレードの摩耗や欠けが生じない摩擦関係が得られる量とされているので、異物除去効率の低下を防止してクリーニングブレードを接離させない状態で異物の除去ができる。これにより、クリーニングブレードの接離のための特別な構成等を必要とすることなく簡単な構成によって異物除去が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられるクリーニング装置に関する変形例を示す図である。
【図3】図2に示した変形例を対象としたクリーニングブレードの支持構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像形成装置に用いられる感光体の回転制御機構を説明するためのブロック図である。
【図5】図4に示した回転制御機構により回転制御が行われた場合の作用を説明するための図である。
【図6】図4に示した回転制御機構による感光体ドラムの回転時間に関するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタ
2 感光体ドラム
2A 感光体ドラムの駆動部
7 クリーニング装置
9 クリーニングブレード
20 制御部
21 操作部
22 画像形成回数カウンタ
Claims (5)
- 転写後の像担持体に残存しているトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、
画像形成処理のために上記潜像担持体が動作する前に一旦該潜像担持体を駆動させて停止させ、再度動作させた後、待機のための停止状態を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、
上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、画像形成のために潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させて待機のための停止状態を設定されることを特徴とする画像形成装置。 - 転写後の像担持体に残存するトナーや紙粉などの異物をクリーニングブレードにより除去するクリーニング装置を備えた画像形成装置において、
上記潜像担持体は回転可能な感光体で構成され、画像形成のために潜像担持体が動作する前に、該潜像担持体が駆動されて画像形成処理を実行する前に該潜像担持体を少なくとも2回以上上記画像形成処理時とは逆方向に回転させる行程と上記画像形成処理時と同じ方向に回転させる行程とを組み合わせた回転サイクルを設定し、該回転サイクル終了後、上記逆方向に回転させて待機のために停止状態を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2および3記載の画像形成装置において、
上記潜像担持体は、画像形成のために上記潜像担持体の動作する前の移動量として、上記クリーニングブレードの摩耗および欠けが発生しない摩擦関係が得られる量が設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
上記クリーニング装置に有するクリーニングブレードは、上記潜像担持体の駆動状態に関係なく該潜像担持体表面に当接して設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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