JP5073331B2 - クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置、並びに、これを備える複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置及びプロセスカートリッジに関するものである。
この種の画像形成装置としては、電子写真方式のものやインクジェット方式のものなど種々のものが知られており、表面移動部材を備えているものが多い。例えば、電子写真方式の画像形成装置では、感光体ドラム等の潜像担持体(像担持体)、中間転写ベルト等の中間転写体(像担持体)、紙搬送ベルト等の記録材搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。また、インクジェット方式の画像形成装置では、紙搬送ベルト等の記録材搬送部材などの表面移動部材を備えたものが知られている。一般に、このような表面移動部材の表面に不要な付着物が付着すると種々の不具合を引き起こすことから、その付着物を表面移動部材の表面から除去するクリーニング手段が必要となる。このクリーニング手段としては、構成が簡単でかつ付着物の除去性能にも優れていることから、ポリウレタンゴム等の板状弾性部材からなる長尺なクリーニングブレードを表面移動部材の表面に押しつけて付着物を除去するブレード方式のものが広く利用されている。
ブレード方式のクリーニング装置としては、トレーリング方式を採用したもの(特許文献1など)とカウンタ方式を採用したもの(特許文献2など)とが知られている。なお、本明細書において「トレーリング方式」とは、クリーニングブレードを保持する保持部材の装置本体に対する支持部が、クリーニングブレードの当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向上流側に位置するものをいうものとする。また、「カウンタ方式」とは、クリーニングブレードを保持する保持部材の装置本体に対する支持部が、クリーニングブレードの当接辺が当接する表面移動部材の表面上の当接部分の法線よりも、表面移動部材表面移動方向下流側に位置するものをいうものとする。
一般に、カウンタ方式は、トレーリング方式よりも当接圧を高めることができるため、トレーリング方式に比べて除去性能が高いという利点がある。
詳しく説明すると、トレーリング方式の場合、当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけると、クリーニングブレードが大きく反ってしまって、クリーニングブレードの当接辺に対して表面移動部材表面移動方向上流側に位置するクリーニングブレードの上流側面が表面移動部材表面に当たってしまう腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレードと表面移動部材表面との当接面積が急激に増大するため、表面移動部材を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、除去性能が低下することになる。これに対し、カウンタ方式の場合、当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけても、摩擦力がクリーニングブレードの反りに抗して働くので、クリーニングブレードの反りが少ない。そのため、クリーニングブレードを大きな力で押しつけても腹当たり現象が生じにくく、小さい当接面積に対して大きな押しつけ力を付与することができる。よって、高い当接圧を実現でき、高い除去性能が得られる。
そのため、高い除去性能が求められる場合には、カウンタ方式のクリーニング装置が採用されることになる。特に、近年の電子写真方式の画像形成装置では、小粒径で球形をなしたトナー、特に重合トナーを用いることが多くなり、このようなトナーを除去するためには高い除去性能が必要となる。そのため、トレーリング方式のクリーニング装置では除去性能が不十分であり、カウンタ方式のクリーニング装置が採用されることが多い。
しかし、従来のカウンタ方式のクリーニング装置においては、高い除去性能を得ようとして当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけ過ぎると、クリーニング対象である感光体などの表面移動部材やクリーニングブレード自体が摩耗しすぎて表面移動部材やクリーニングブレードの寿命が短くなるという不具合があった。
特開昭60−198574号公報 特開2006−11375号公報
本出願人は、上記不具合を解決するために、特願2006−245041号公報(以下、「先願」という。)に記載のクリーニング装置を提案した。詳しく説明すると、表面移動部材幅方向に長尺なクリーニングブレードを表面移動部材の表面に押しつけた際に生じるクリーニングブレードの反りを反り規制部材によって規制している。これにより、クリーニングブレードの反りが規制されていないものに比べて、クリーニングブレードと表面移動部材の表面との間における表面移動部材表面移動方向の当接部長さ(以下「当接幅」という。)を短くすることができる。すなわち、クリーニングブレードの反りが規制されていない従来のカウンタ方式においては、クリーニングブレードの当接辺を表面移動部材の表面に押しつけることで、クリーニングブレードの反りとクリーニングブレード自体の変形とが生じる。当接幅は、クリーニングブレードの反りが大きいほど長くなり、また、クリーニングブレード自体の変形が大きいほど長くなる。先願においては、反り規制部材によりクリーニングブレードの反りが規制されていることから、当接幅は主としてクリーニングブレード自体の変形のみによって決まる。したがって、先願においては、クリーニングブレードの反りが規制されていない従来のカウンタ方式に比べて、当接幅を短くすることができる。そして、同じ当接圧であっても当接幅が短いほど表面移動部材やクリーニングブレードの摩耗が少なくなるので、先願に記載のクリーニング装置では、クリーニングブレードの反りが規制されていない従来のカウンタ方式に比べて、表面移動部材やクリーニングブレードの摩耗を抑制できる。
しかしながら、先願に記載のクリーニング装置では、画像形成装置本体内の環境変動により、表面移動部材が偏心して表面移動部材とクリーニングブレードとの位置関係がずれてしまうと、クリーニングブレードの長尺方向で表面移動部材とクリーニングブレードとの当接状態が適切に維持されなくなる恐れがある。極端に言えば、上記長尺方向で上記当接がなされない箇所ができてしまう。これは、特許文献1及び特許文献2に記載のクリーニング装置のように、クリーニングブレードの反りが規制されていない構成では、上記位置関係にずれが生じてもクリーニングブレードの反りが戻ることによって上記位置関係のずれを吸収し当接状態を維持することが可能であった。しかし、先願に記載のクリーニング装置のようにクリーニングブレードの反りを規制した構成では、クリーニングブレードが反れないため、上記位置関係のずれが生じても上記位置関係のずれを補正することが殆どできないためである。
よって、表面移動部材のクリーニング手段として先願に記載のクリーニング装置のようにクリーニングブレードの反りを規制した構成を採用する際には、クリーニング装置が上記位置関係のずれを吸収乃至補正するような構成を備えていないと、上記位置関係のずれによって上記当接部における上記当接状態を経時で維持することができなくなる。そのため、表面移動部材上でクリーニングが十分に行われない箇所が発生するといった問題が生じる。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、クリーニング対象である表面移動部材及びクリーニングブレードの摩耗を抑止しつつ高い除去性能が得られ、且つ、表面移動部材とクリーニングブレードとの当接状態を経時で維持できるクリーニング装置、並びに、これを備える画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、長尺な板状弾性部材と、該板状弾性部材を保持する保持部材と、該保持部材に設けられた被係合手段と、該被係合手段に係合する、装置本体に支持された係合手段とを備え、該板状弾性部材における長尺方向に延びる一辺が表面移動部材表面移動方向と直交するように該板状弾性部材を表面移動部材の表面に押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、上記板状弾性部材は、上記一辺を境に直交して隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも該一辺に対して直交する方向の長さが長いか同じものであり、該板状弾性部材における該上流側面の裏面に反り規制部材を設けて、該反り規制部材における該表面移動部材側の端部が、該板状弾性部材における該上流側面の裏面における該表面移動部材側の端部と実質的に同じか、これよりも該表面移動部材に近い側に位置するように該反り規制部材を配置することで、該上流側面が伸びかつ該上流側面の裏面が縮むような該板状弾性部材の反りを規制する反り規制手段を有し、該保持部材は該反り規制部材を介して該板状弾性部材を保持しており、該係合手段と該被係合手段とは、該表面移動部材と該板状弾性部材との位置関係にずれが生じても該保持部材が装置本体に対して変位して該表面移動部材と該板状弾性部材との当接状態が維持されるように自由度を持って係合するように構成されており、該係合手段は、該板状弾性部材が当接した部分の表面移動部材表面の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側であって、上記2つの面のうちの上記下流側面と略平行な方向に沿って上記一辺から離れた位置で装置本体に支持されることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の半径方向に自由度を持って係合することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項1記載のクリーニング装置において、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は上記法線と略平行な方向に長軸を有する長穴形状の軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の長軸方向に自由度を持って係合することを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記表面移動部材の表面に当接する上記板状弾性部材の部分を上記法線と略平行方向に沿って該表面移動部材の表面に向けて付勢し、該板状弾性部材から該表面移動部材の表面上に加えられる該法線と略平行方向の押し付け力を高める付勢手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項4記載のクリーニング装置において、上記付勢手段を、上記板状弾性部材の長尺方向に複数個設けることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、該クリーニング手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するクリーング手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持した、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを有しており、該プロセスカートリッジとして、請求項6記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項7又は8記載の画像形成装置において、上記像担持体は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3μm以上7μm以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いることを特徴とするものである。
本発明においては、板状弾性部材が当接した表面移動部材の表面における法線よりも表面移動部材表面移動方向下流側で係合手段及び被係合手段を介して装置本体に支持された保持部材が、板状弾性部材の反りを規制する反り規制部材を介して板状弾性部材を保持している。これにより、板状弾性部材の反りが規制されていないものに比べて、板状弾性部材と表面移動部材の表面との間における表面移動部材表面移動方向の当接部長さ(以下「当接幅」という。)を短くすることができる。すなわち、板状弾性部材の反りが規制されていない従来のカウンタ方式や従来のトレーリング方式においては、板状弾性部材の当接辺を表面移動部材の表面に押しつけることで、板状弾性部材の反りと板状弾性部材自体の変形とが生じる。当接幅は、板状弾性部材の反りが大きいほど長くなり、また、板状弾性部材自体の変形が大きいほど長くなる。本発明においては、反り規制部材により板状弾性部材の反りが規制されていることから、当接幅は主として板状弾性部材自体の変形のみによって決まる。したがって、本発明においては、板状弾性部材の反りが規制されていない従来のカウンタ方式や従来のトレーリング方式に比べて、当接幅を短くすることができる。そして、同じ当接圧であっても当接幅が短いほど表面移動部材や板状弾性部材の摩耗が少なくなるので、本発明によれば、板状弾性部材の反りが規制されていない従来のカウンタ方式や従来のトレーリング方式に比べて、表面移動部材や板状弾性部材の摩耗を抑制できる。
また、本発明においては、係合手段と被係合手段とが自由度を持って係合し、保持部材が装置本体に対して変位可能となっている。これにより、保持部材が装置本体に対して変位することによって、各部材の組み付け公差や環境変動による各部材間の位置関係のずれなどを補正し、表面移動部材と板状弾性部材との当接状態を維持することができる。したがって、板状弾性部材の長尺方向で当接むらが生じるのを抑制することができ、板状弾性部材と表面移動部材の表面との当接状態が経時で維持されるので、表面移動部材の表面上で良好にクリーニングできない箇所が出てしまうのを抑制することができる。
以上、本発明によれば、クリーニング対象である表面移動部材及び板状弾性部材の摩耗を抑止しつつ高い除去性能が得られ、且つ、表面移動部材と板状弾性部材との当接状態を経時で維持できるという優れた効果がある。
以下、本発明を、画像形成装置としてのプリンタ200に適用した一実施形態について説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ200の概略構成図である。このプリンタ200は、プロセスカートリッジ100、光書込ユニット1、給紙カセット10、給紙路20、転写搬送ユニット40、定着装置50、搬送ローラ対60,61、レジストローラ対62、排紙ローラ対63などを備えている。
[光書込ユニット]
上記光書込ユニット1は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、周知の技術により、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
[プロセスカートリッジ]
図3は、本プリンタ200に設けられるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
なお、各プロセスカートリッジの構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジの構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ100は、感光体101と、感光体101の周りに配置されたクリーニング装置30、現像装置80、除電装置91及び帯電装置110とを備えている。
クリーニング装置30は、感光体101の回転軸方向に長尺な板状弾性部材であるクリーニングブレード(以下、単に「ブレード」という。)31におけるその長尺方向に延びる一辺(当接辺)を感光体101の表面に押しつけて、感光体表面上の転写残トナー等の不要な付着物を除去する。本実施形態において、ブレード31の材料としては、他の弾性材料に比べて感光体101に対する摩耗性及び自身の耐摩耗性に優れていることからポリウレタンゴムを使用している。クリーニング装置30についての詳細な説明は後述する。
なお、クリーニング装置30には潤滑剤塗布装置70を設けてもよい。潤滑剤塗布装置70としては、例えば、図4に示すような、固形潤滑剤71と、固形潤滑剤71を支持及び付勢する潤滑剤支持部材である加圧バネ72と、固形潤滑剤71と感光体101との両方に接触して回転する潤滑剤塗布用のブラシローラ73とで構成されたものを利用できる。このような潤滑剤塗布装置70では、ブラシローラ73により固形潤滑剤71から削り取った粉末状の潤滑剤をブラシローラ73により感光体101の表面に塗布する。また、他の潤滑剤塗布方法としては、粉末状の潤滑剤の剤溜りを感光体表面に対向配置して感光体101に供給する方法などがある。
なお、図4では、潤滑材の塗布位置が、感光体101の表面移動方向に対して、ブレード31の上流側である。この場合、ブレード31によって除去されるトナーと共に潤滑材が除去されてしまい、感光体表面に均一に潤滑材の膜を形成することができないことがある。そのため、図5に示すように、ブレード31より感光体表面移動方向下流で帯電装置110よりも感光体表面移動方向上流で塗布するような構成にすることにより、トナー除去後の感光体表面に潤滑材を塗布することになるため、均一に塗布することが可能である。
なお、好ましくは、感光体表面に塗布された潤滑材を引き伸ばす為の引き伸ばし部材74を潤滑材塗布装置70の感光体表面移動方向下流に配置することが望ましい。この引き伸ばし部材74としては、ウレタンゴムブレードなどの板状弾性部材で形成された塗布ブレードを用いることができる。この塗布ブレードは、その先端部が感光体101の表面に当接する状態で塗布ブレードホルダに支持され、感光体101の表面に塗布された潤滑剤を均してその厚さを均一にするためのものである。なお、引き伸ばし部材74としては、ブレード状に限るものでは無く、弾性ローラなどを用いることができる。
また、潤滑材としてはステアリン酸亜鉛のようなラメラ結晶紛体を使用すると好適である。ラメラ結晶は両親媒性分子が自己組織化した層状構造を有しており、せん断力が加わると層間にそって結晶が割れて滑りやすい。この作用が低摩擦係数化に効果があると考えられる。その他にも、各種の脂肪酸塩、ワックス、シリコンオイル等他の物質を潤滑材として用いることも可能である。脂肪酸としてはウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンダデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、アラキドン酸、カプリル酸、カプリン酸、カプロン酸などが挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、銅、マグネシウム、アルミニウム、カルシウムなどの金属との塩が挙げられる。
帯電手段である帯電装置110は、像担持体である感光体101に対して、帯電バイアスが印加されながら回転駆動せしめられる回転帯電部材としての帯電ローラ111を所定の微小ギャップを介して対向させている。そして、この微小ギャプにて、帯電ローラ111から感光体101に向けて放電を発生させて、感光体101を一様帯電せしめる。帯電ローラ111を回転させるのは、放電直後のローラ表面を微小ギャップから退避させるとともに、放電していないローラ表面を微小ギャップに進入させることで、安定した放電を生じさせるためである。
帯電手段としては、従来より、コロナ放電を利用したコロナ帯電方式のものを採用するのが一般的であった。コロナ帯電方式は、チャージワイヤを被帯電体に近接して配設し、チャージワイヤに高電圧を印加することにより、チャージワイヤと被帯電体との間にコロナ放電を起こし、これによって被帯電体を帯電するものである。しかしながら、コロナ帯電方式の場合には、コロナ放電に伴いオゾンや窒素酸化物(NOx)などの放電生成物質が発生する。放電生成物質は、感光体方面に画像形成の際に悪影響を及ぼす硝酸又は硝酸塩の膜を形成する恐れがあるため、できればその発生を回避したいところである。そこで、近年では、コロナ帯電方式に代えて放電生成物質の発生が少なく、低電力で帯電ができる接触帯電方式又は近接帯電方式の開発が盛んに行われている。これらの方式は、ローラ、ブラシ、又はブレード等の帯電部材を感光体101等の被帯電体に接触又は近接して対向させ、帯電部材に電圧を印加することによって被帯電体の表面を帯電させるものである。この方式によれば、コロナ帯電方式に比して、放電生成物質の発生が少なく低電力化を実現することができるため有用性が高い。また、大掛かりな帯電装置110を必要としないため装置の小型化が可能であり、装置の小型化が望まれているニーズに合致する。
そこで、プリンタ200においては、非接触ローラ帯電方式を採用している。なお、帯電方式には、被帯電体に接触させたローラ等の帯電部材による交流印加放電によって被帯電体を帯電せしめる方法がある。この方法を適用する場合には、被帯電体表面と帯電部材との接触性を向上させ、かつ被帯電体に機械的ストレスを与えない板状弾性部材を用いることが好ましい。ただし、板状弾性部材を用いると、帯電ニップ幅が広くなり、これに起因して帯電ローラ側に保護物質が付着し易くなることがある。よって、被帯電体の高耐久化には非接触により帯電させる方が有利である。そこで、プリンタ200では、非接触型の帯電方式によって感光体101を一様帯電させるようになっている。
図6は、帯電装置110を感光体101とともに示す拡大構成図である。帯電装置110は、帯電部材としての帯電ローラ111、スペーサ112、スプリング115、電源116とを有している。帯電ローラ111には、軸部111aと帯電部としてのローラ部111bとがある。このうちローラ部111bは、感光体101に対向して感光体表面を帯電する機能を担っており、軸部111aの回転によって回動可能なように構成されている。ローラ部111bが感光体表面に対して微小な間隙で対向配置するよう帯電ローラに間隙保持部材であるスペーサ112が設けられている。このスペーサ112により、感光体表面のうち、画像が形成される画像形成領域101aに対向する部分は、感光体101と非接触となるよう配設されている。ローラ部111bの長手方向の寸法は、感光体101の画像形成領域よりも長く設定されており、感光体101の非画像形成領域101bにスペーサ112を当接せしめることにより、微小なギャップGを形成している。このスペーサ112を介して帯電ローラ111は、感光体表面に連れまわって回転するようになっている。微小ギャップGは、ローラ部111bと感光体101との最近接部が1〜100[μm]となるように構成されている。この最近接距離は、30〜65[μm]であることがさらに好ましい。本実施形態のプリンタ200では、50[μm]となるように配設した。
軸部111aには、帯電ローラ111を被帯電体へ向けて押圧するためのスプリング115が取り付けられている。これにより微小ギャップGを精度良く維持することが可能となる。軸部111aには、電源116が接続されており、感光体表面とローラ部111b表面との間の微小な空隙において、交流印加放電によって感光体表面を均一に帯電せしめる。プリンタ200では、直流成分であるDC電圧に交流成分であるAC電圧が重畳された交番電圧が軸部111aに印加されるようになっている。交番電圧を用いることにより、微小なギャップ変動に起因する帯電電位のバラツキなどの影響が抑制され、均一な帯電が可能となる。
ローラ部111bは、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、この芯金の外周面上に形成された抵抗調整層とから構成され、直径が10[mm]になっている。
ローラ部111bの表面は、例えばゴム部材などの既知の材料を用いることができるが、樹脂材料で構成することがより好ましい。ゴム部材を用いると、ゴムの吸水やたわみの発生により、感光体101との微小な間隙を維持することが困難となるからである。作像条件によってはローラ部111bの中央部のみが感光体表面に突発的に接触する可能性がある。このような局所的、突発的なローラ部111bの感光体101への接触による感光体表面層の乱れに対応することは困難である。従って、非接触帯電方式により感光体101を帯電する場合には、ローラ部111bと感光体101との微小間隙を均一に維持することができる硬質の材料を用いることがより好ましい。
ローラ部111b表面に用いる硬質な材料としては、例えば、次のようなものを用いることができる。即ち、抵抗調整層として、高分子型イオン導電剤が分散する熱可塑性樹脂組成物(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン及びその共重合体等)により形成し、抵抗調整層の表面を硬化剤により硬化皮膜処理されたものなどである。硬化皮膜処理は、例えば、イソシアネート含有化合物を含む処理溶液に抵抗調整層を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、抵抗調整層の表面に改めて硬化処理皮膜層を形成してもよい。
現像装置80は、感光体101の表面にトナーを供給して静電潜像を可視像化するものであり、現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ81と、現像剤収容部に収容された現像剤を攪拌する攪拌スクリュー82と、攪拌された現像剤を現像ローラ81に供給する供給スクリュー83とから主として構成されている。
以上のような構成を有するプロセスカートリッジ100は、サービスマンやユーザにより着脱・交換が可能となっている。また、プリンタ200から取り外した状態のプロセスカートリッジ100については、感光体101、帯電装置110、現像装置50、クリーニング装置30が、それぞれ単独で新しい装置との交換が可能に構成されている。なお、プロセスカートリッジ100は、クリーニング装置30で回収した転写残トナーを回収する廃トナータンクを備えていてもよい。この場合、更に、プロセスカートリッジ100において廃トナータンクが単独で着脱・交換が可能な構成とすれば利便性が向上する。
[給紙カセット]
先に示した図1において、プリンタ200本体の下部では、転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容する給紙カセット10が、プリンタ200本体に対して着脱可能に支持されている。給紙カセット10は、内部に収容している紙束の一番上の転写紙Pに当接させている給紙ローラ11を回転させることで、その転写紙Pを給紙路20に向けて送り出す。この給紙路30は、路中に所定の間隔で配設された複数の搬送ローラ対60,61と、搬送路20の末端付近に配設されたレジストローラ対62とを有している。そして、給紙カセット10から受け取った転写紙Pを、搬送ローラ対60,61によってレジストローラ対62に向けて搬送する。レジストローラ対62は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを後述する転写ニップにてトナー像に密着させ得るタイミングで、転写ニップに向けて送り出す。これにより、転写ニップでは、転写紙Pが搬送ベルト41の表面に保持されながら感光体101上のトナー像に密着する。
[転写搬送ユニット]
転写搬送ユニット40は、搬送ベルト41、駆動ローラ42、転写バイアスローラ43、ベルトクリーニング装置44などを有している。
搬送ベルト41は、ベルトループ内側から図示しないベース層、弾性層、表面層を有している。ベース層は、例えば伸びの少ないフッ素系樹脂や、伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料を含有せしめた層である。かかるベース層としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂材料をシームレス状に成型したものを使用することができる。これらの材料についてはそのまま用いたり、カーボンブラック等の導電材によって導電性を調整したりすることが可能である。表面層は、フッ素系樹脂など、表面エネルギーが低くてトナーと良好な離型性を発揮する材料からなる層で、ベース層に対してスプレーやディッピング等の方法によって積層されたものである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムなどの弾性材料からなる層で、ベルト全体にある程度の弾性を発揮させるために設けられている。
搬送ベルト41は、駆動ローラ42と転写バイアスローラ43とに掛け回されてテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ42の回転によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。転写バイアスローラ43は、搬送ベルト41のベース層側(内周面側)に接触するように配設され、図示しない電源から転写バイアスの印加を受ける。また、搬送ベルト41をそのベース層側から感光体101に向けて押圧して、反時計回りに無端移動する搬送ベルト41と、図中時計回りに回転する感光体101とが当接する転写ニップを形成する。転写ニップでは、上記転写バイアスの影響によって感光体101と転写バイアスローラ43との間に転写電界が形成される。
搬送ベルト41は、レジストローラ対31から転写紙Pが送り込まれてくる転写紙Pを、その上部張架面に保持する。そして、転写紙Pをその無端移動に伴って転写ニップ内に進入させる。転写ニップで感光体101に密着せしめられた転写紙Pには、上述の転写電界やニップ圧の影響によって感光体101上のトナー像が転写される。
このようにしてトナー像が転写された転写紙Pは、搬送ベルト41の無端移動に伴って転写ニップを出た後、定着装置50に受け渡される。転写紙Pを受け渡した後の搬送ベルト41の表面には、僅かながらトナーが付着している。このトナーは、駆動ローラ42との間には搬送ベルト41を挟み込むベルトクリーニング装置44によってクリーニングされる。なお、同図では、ベルトクリーニング装置44として、回転するファーブラシ44aによってトナーをベルトから掻き落とす方式のものを示したが、クリーニングブレードによって掻き落とす方式のものでもよい。
[定着装置]
定着装置50は、ハロゲンランプ等の発熱源をない方する定着ローラ51と、これに押圧せしめられる押圧ローラ52とを互いに順方向に回転させて定着ニップを形成している。そして、搬送ベルト41から受け取った転写紙Pをこの定着ニップに挟み込んで、加熱しながら加圧する。この加熱や加圧の影響により、トナーが軟化して転写紙Pにトナー像が定着せしめられる。定着装置50を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対60を経て機外へと排出か、あるいは、定着装置50の下方に配設された紙反転ユニットに送られる。
次に、本発明の特徴部分であるクリーニング装置30について詳しく説明する。
図1は、クリーニング装置30の主要部を感光体101の回転軸方向(Y方向)から見たときの説明図である。図7は、クリーニング装置30の主要部を示す斜視図である。
本実施形態において、クリーニング装置30は、ブレード31を保持する剛性材料で形成されたブレードホルダ32を備えている。ブレードホルダ32は、感光体101の回転軸方向に直交する断面に沿って切断したときの断面形状が略L字状であり、このL字の短手方向に伸びる短手部32Bの感光体表面移動方向上流側に向いた面にブレード31が固着されている。なお、ブレードホルダ32は図1に示すような1ピース構造に限られるものではなく、2ピース構造としても良い。また、固着の方法は、接着でもよいし、ホットメルトでもよいし、その他の方法でもよい。本実施形態において、ブレードホルダ32の短手部32Bは、ブレード31が反るのを規制する反り規制手段として機能する。
ブレードホルダ32は、上記L字の長手方向に伸びる長手部32Aを有している。この長手部32Aの感光体表面移動方向下流側の端部では、クリーニング装置30の枠体33に設けられた支軸34と長手部32Aに設けられた軸受け部35とが回動可能に係合しており、これによってブレードホルダ32は装置本体に対して回動可能に軸支されている。
本実施形態では、感光体101の表面上におけるブレード31の当接辺が当接する当接部分Pの法線Nよりも感光体表面移動方向下流側でクリーニング装置30の枠体33の支軸34に支持されたブレードホルダ32の長手部32Aにより、ブレード31が固着された短手部32Bを保持した構成となっている。すなわち、本実施形態のクリーニング装置30はカウンタ方式を採用し、ブレードホルダ32の長手部32Aは保持部材として機能する。
また、本実施形態においては、支軸34はステンレス鋼の丸棒であり、この丸棒の直径であるΦ1が15±0.05[mm]である。従って、通常、支軸34と軸受け部35との係合でガタが生じないように軸受け部35の軸穴は直径であるΦ2は15.10±0.05[mm]となるが、本実施形態では、軸穴38の直径Φ2は15.60±0.05[mm]としている。これは、ブレード31、ブレードホルダ32及び軸受け部35等の寸法精度や、ブレードホルダ32とブレード31との取り付け精度や、クリーニング装置30と感光体101との位置精度のバラツキ等の公差を積み上げると、積み上げ公差は±0.5[mm]となるためであり、その公差分、軸受け部35の軸穴38の直径Φ2を支軸34の直径Φ1より大きくしている。つまり、本実施形態では、図8に示すように意図的に支軸34と軸受け部35との係合部にガタを持たせている。なお、支軸34及び軸受け部35の軸穴38の曲率は、同じでも構わないし、支軸34の曲率の方が軸受け部35の曲率よりも大きくなるようにしても構わない。
例えば、従来のように、支軸34と軸受け部35とを自由度を持たずに係合した場合、上述したような公差がある際には、ブレード31の長手方向で一方の軸受け部35側におけるブレード31と感光体101との距離と、他方の軸受け部35側におけるブレード31と感光体101との距離とが異なり、上記長手方向で感光体101とブレード31との当接状態が適切に維持されない、極端に言えば、上記長手方向で感光体101とブレード31とが当接しない箇所ができてしまう。そのため、本実施形態のように、支軸34と軸受け部35とを自由度を持って係合することにより、ブレード31が感光体101に圧接している状態では、上述した公差の分、両軸受け部35における支軸34と軸受け部35との係合は異なった位置(支持受け部半径方向で異なった位置)でなされる。このように、上記公差が生じても支軸と軸受け部35との係合位置が変化し、感光体101に対してブレード31を変位させることができるので、上記長手方向で感光体101とブレード31との当接状態を維持することができる。
また、軸受け部35の軸穴としては、図9に示すような上記法線方向に長軸を有する長穴39でも構わない。例えば、支軸34の直径Φ1が15±0.05[mm]である場合、長穴39の短軸の長さlは15.10±0.05[mm]とする。また、上述したように上記積み上げ公差が±0.5[mm]としたとき、長軸上で、支軸34が最上位にあるときの支軸34の中心と支軸34が最下位にあるときの支軸34の中心との間隔L1が、上記公差に+αした0.65±0.05[mm]となるように、長穴39の長軸は支軸34の径と上記間隔L1とから、15.65±0.05[mm]としている。なお、支軸34は感光体駆動時に上記当接部の接線方向と平行方向で長穴39の縁に接触した状態で係合している。これにより、感光体駆動時に支軸34が振動することを抑制することができる。
また、支軸34と軸受け部35とが長穴39の長軸方向に自由度を持って係合されるので、ブレード31が感光体101に圧接している状態では、上述した公差の分、両軸受け部35における支軸34と軸受け部35との係合は異なった位置(長穴39の長軸方向で異なった位置)でなされる。このように、上記公差が生じても支軸34と軸受け部35との係合位置が変化し、感光体101に対してブレード31を変位させることができるので、上記長手方向で感光体101とブレード31との当接状態を維持することができる。
なお、本実施形態においては、支軸34やブレードホルダ32に、高い剛性を有する剛体を用いており、支軸34やブレードホルダ32にねじれやひずみなどが生じにくくしている。これは、支軸34やブレードホルダ32にねじれやひずみが生じると、ブレード31と感光体101との間の位置精度が適切に保たれなくなる。そのため、部分的なブレードめくれや腹当たりなどが発生してしまい、クリーニング不良が生じたり、感光体101やブレード31が損傷してしまうからである。なお、本実施形態では支軸34としてステンレス鋼の丸棒を用いているが、他の鉄を主成分とする金属材料やチタニウムを主成分とする金属材料など、高い剛性を得ることができるものであれば用いることができる。
次に、図10に示すように、クリーニング装置30には、ブレード31により加えられる感光体101の表面上における当接部分Pの法線方向の押しつけ力を高める付勢手段としてスプリング36がブレード長手方向に設けられている。本実施形態のように支軸34と軸受け部35とが半径方向に自由度を持って係合した場合、例えば、上記係合部の一方で支軸34が軸受け部35の縁に接触せずに浮いた状態となったり、感光体駆動時に支軸34が振動するような状態となったりして、所定の圧力が付加できない恐れがある。そのため、スプリング36によってブレードホルダ32を介して上記法線方向にブレード31へ押しつけ力を付勢することによって、所定の圧力を付加することができる。なお、上述したような状態になったとしても、ブレード31やブレードホルダ32などの自重によって、十分所定の圧接力を付加することが可能な構成であれば、上述したような恐れが生じることを抑制できる。
また、本実施形態では、図10に示すようにスプリング36をブレード長手方向に9つ設けているが、当然ながらこれに限られるものではない。例えば、スプリング36をブレード長手方向両端にそれぞれ1つずつ設けても良いし、上記両端とブレード長手方向中央部とにそれぞれ1つずつ、つまり合計3つ設け、上記中央部のスプリング36が主に上記長手方向全体の加圧力を付与し、上記両端に設けられたスプリング36は、加圧力を付与するのに加えて上記長手方向の荷重バランスを調整するようにしても良い。また、圧接力を増大させる場合には、上記中央部のスプリング36を2つ以上にし全体で4つ以上のスプリング36を設けても良い。このように、ブレード長手方向に複数のスプリング36を設けることによって、ブレード長手方向に等分な圧力分布で、上記当接部分Pの法線方向にブレード31を感光体101へ押し付け力けることができる。
また、本実施形態では、図10に示すようにスプリング36の一端はブレードホルダ32の短手部32Bの端部に接続されており、他端は付勢力調整手段としての図示しない調整ネジ37を介してクリーニング装置30の枠体33に接続されている。この調整ネジ37は、の枠体33に設けられたネジ孔に係合している。調整ネジ37を使って押しつけ力を調整する場合、クリーニング装置30の枠体33の外部から切り欠き穴を介して調整棒を差し込み、調整ネジ37を回転させることでスプリング長を調整する。この押し付け力の調整については後で詳しく説明する。なお、調整ネジ37は必ずしも設ける必要なく、スプリング36の端部を直接枠体33に取り付けてもよい。
なお、各スプリング36は上記長手方向で等間隔に並べて設けても良いが、調整ネジ37のような付勢力調整手段を有しているならば、その付勢力調整手段によって押し付け力を調整することができるので、必ずしも各スプリングを等間隔に並べて設ける必要は無い。また、付勢力調整手段を設けない構成であっても、バネ定数が異なった複数のスプリング36を用いて、上記長手方向で圧接力が等分布となるような間隔で各スプリング36を上記長手方向に設けることにより、上記圧接力を上記長手方向で均一にすることができる。
次に、感光体101の表面に対するブレード31の押しつけ力の調整について説明する。
図11は、ブレード31の押しつけ力の測定装置を示す説明図である。この測定装置200は、実際には、市販のセンサ用コンディショナ「WGA−710B(共和電業製)」及び組み合わせられるロードセル「LMA−A−20N(共和電業製)」である。この測定装置200は、ロードセル201を3つ備えており、各ロードセル201は、半円筒形状のセル台202の上に、ブレード31の長尺方向中心点と、その中心点から長尺方向両端に向けて140[mm]離れた2地点の合計3箇所でそれぞれ固定されている。また、ロードセル201には、感光体101と同じ曲率半径の曲面を有する治具203が載せられる。この治具203は、ブレード31の長尺方向に沿って3つ並べて配置され、各治具203の底面中心に各ロードセル201にそれぞれセットされる。
ブレード31は、治具203との位置関係が感光体101との位置関係と同じ関係となるように、測定装置200にセットされる。
測定装置200を用いて感光体101の表面に対するブレード31の押しつけ力を調整する場合、上記プリンタ200においてクリーニング装置30が組み付けられた状態のプロセスカートリッジ100に、感光体101に代えて上記測定装置200を取り付ける。具体的には、感光体101の駆動軸を支持するための支持部を利用して、3つのロードセルが固定されたセル台202及び3つの治具203をプロセスカートリッジ100に取り付ける。このとき、クリーニング装置30のブレード31の当接辺とロードセル201とを結ぶ仮想線が治具の底面に対して垂直になるように、セットする。そして、各治具203を介して加えられた荷重を各ロードセル201で検出し、測定装置200に接続されたセンサ用コンディショナ204に表示される値を見ながら、調整ネジ37を調節してブレード31の押しつけ力を調整する。
なお、測定に際しては、事前に、規定の重りを各治具203の上に載せ、センサ用コンディショナ204に表示されるそれぞれの値が同じ値になるように設定したり、センサ用コンディショナ204に表示される値が治具203による荷重をキャンセルした値となるように設定したりする必要があることは言うまでもない。
ブレード31の押しつけ力がブレード長手方向において均一となるように荷重バランスを調整する場合、本実施形態では、センサ用コンディショナ204に表示される各ロードセル201の値のバラツキが±10[g]以内となるように、2つのスプリング36の調整ネジ37を回転して調節する。
ブレード31の押しつけ力を調整する場合、本来的にはブレード31と感光体101の表面との当接圧が目標とする値となるように調整すべきであるが、ブレード31と感光体101の表面との当接幅(ニップ幅)は測定が困難であることから、一般には、線圧が目標とする値となるように調整される。ここで、「線圧」とは、ブレード31と感光体101の表面との当接部に働く感光体回転軸方向の単位長さ当たりの力を意味する。具体的な線圧の求め方は、センサ用コンディショナ204に表示される各ロードセル201の値を合算した総荷重を、ブレード31の長尺方向長さT3で除算して得られる値を線圧[N/cm]とする。
本実施形態では、センサ用コンディショナ204に表示された値の合算値(総荷重)が26.0±0.29[N]となるように調整することで、線圧が従来のカウンタ方式において設定される線圧と同程度の線圧、具体的には約0.790[N/cm]となるようにした。ここで、ブレード31と感光体101の表面との当接幅は、上述したように、ブレード31の反りが大きいほど長くなり、また、ブレード31自体の変形が大きいほど長くなる。本実施形態のクリーニング装置30では、上述のようにブレードホルダ32の短手部32Bによってブレード31の反りが規制され、そのブレード31の反りは、ほとんど発生せず、従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置におけるブレード31の反りと比較すると無視できる程である。したがって、本実施形態のクリーニング装置30において、当接幅は主としてブレード31自体の感光体表面移動方向における弾性変形(圧縮変形)のみによって依存する。よって、本実施形態のクリーニング装置30では、従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置に比べて、その当接幅を短くすることができる。その結果、本実施形態によれば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置と比較して、感光体101及びブレード31の摩耗を抑制できる。
また、本実施形態のクリーニング装置30によれば、上述したように当接幅を短くできるので、従来のカウンタ方式のクリーニング装置と同程度の線圧でブレード31を押しつけても、その当接圧は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも高まる。逆に言えば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置と同程度の当接圧を得るときに必要となるブレード31の押しつけ力は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも小さくて済む。なお、本実施形態における当接幅は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置を用いた場合の当接幅に対してかなり短くなっていることが予測される。したがって、この予測に立てば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置における線圧よりもかなり小さな線圧でも、このクリーニング装置と同程度の当接圧を実現でき、同程度の除去性能を発揮し得るものと考えられる。この点も、感光体101及びブレード31の摩耗を抑制するのに効果的である。
また、本実施形態のクリーニング装置30によれば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも、当接圧を高めるのが容易である。したがって、従来のカウンタ方式のクリーニング装置であっても除去が困難だった小粒径で球形をなしたトナーに対しても、十分な除去性能を発揮し得る。
なお、スプリング36等の付勢手段は、必ずしも設ける必要はなく、ブレード31やブレードホルダ32などの自重で所望の当接圧を得るような構成にしても良い。また、装置本体に対するクリーニング装置30の取り付け位置、特に、ブレード31が配設される姿勢にもよるが、図12に示すように、スプリング36の変わりに錘29を上記長手方向に複数個配設したり、上記長手方向に長尺な錘を1つ以上配設したりして、上記長手方向で均一な当接圧を付勢するような構成でも構わない。
また、本実施形態のような付勢手段を設ければ、環境変動などによる感光体101の偏心などにより、枠体33と感光体101の表面との距離関係が変化しても、その変化に応じてブレードホルダ32が変位可能なので、枠体33と感光体101の表面との距離関係に高い精度が要求されないし、感光体101に対するブレード31の組み付け精度も高い精度が要求されない。
本実施形態において、ブレード31は、感光体回転軸方向(Y方向)に長尺な直方体形状の部材である。そして、図1に示すように、当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bにおける当接辺に対して直交する方向の長さT1,T2(図7参照)が、感光体表面移動方向下流側に位置する下流側面31bの長さT2よりも感光体表面移動方向上流側に位置する上流側面31aの長さT1の方が長く形成されている。なお、ブレード31の形状は、当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bを有する形状であって感光体回転軸方向にわたって感光体表面上の付着物を十分に除去し得るような形状であれば、このような直方体形状でなくても、あらゆる立体形状のものを利用できる。なお、ブレード31の各外周面は、必ずしも平面である必要はなく、湾曲面であってもよい。
ここで、感光体101が表面移動したときに圧縮変形する向きのブレード長さ(圧縮方向長さ)が短いほど、その弾性変形量は少なくなる。そして、ブレード31の圧縮方向長さは、およそブレード31の下流側面31bの感光体表面移動方向長さT2に相当する長さとなる。本実施形態のT2と、従来のカウンタ方式を採用するクリーニング装置のT2とを比較すると、本実施形態の方が従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも遙かに短い。したがって、弾性変形量だけ比較しても、本実施形態のクリーニング装置30は、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも少ない。このことからも、本実施形態のクリーニング装置30における当接幅が、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも短くなることがわかる。
なお、本実施形態のように直方体形状のブレード31を用いる場合、各辺の長さT1,T2,T3の大小関係は、T3>T1≧T2を満たすように構成するのが好ましい。より好ましくは、T2は、1[mm]以上でT1の1/2以下とするのがよい。1[mm]以下にすると異音が発生し易くなる。なお、ブレード31の材質として、最近注目されている低反発弾性材料を用いたり、硬度の高い材料・材質等を選択したりすれば、その好適範囲が広がることも予想される。なお、本実施形態のブレード31における各辺の長さは、T1=12[mm]、T2=4[mm]、T3=325[mm]であるが、当然これに限られるものではない。
また、本実施形態のブレード31は、ポリウレタンゴムを素材とし、硬度がJIS−Aでおよそ75のものを使用している。もちろん、ブレード31の材質や硬度はこれに限らず、適宜選択される。
また、本実施形態のブレードホルダ32は、鉄を主成分とする金属材料で形成されたものを用いており、感光体101の回転駆動中に感光体101からブレード31が力を受けてもひずみを十分に抑制できる十分な剛性を備えている。なお、ブレードホルダ32として、チタニウムを主成分とする金属材料など高い剛性を有する金属材料で形成されたものを用いても良い。
本実施形態では、ブレード31を感光体101の表面に押しつけていない状態で、ブレード31の下流側面31bにおける感光体表面移動方向上流側部分と、感光体101の表面における当接部分Pの接線Nの表面移動方向下流側部分とのなす角(以下「当接角」という。)θが、約15[°]となる姿勢で、ブレード31を感光体101の表面に押しつけるように構成されている。なお、当接角θは、5[°]以上50[°]以下の範囲内で適宜設定される。当接角θが5[°]よりも小さく設定することは感光体周りの配置レイアウト上困難であり、当接角θが50[°]よりも大きく設定すると十分な除去性能が得られなくなる可能性が高くなるからである。なお、当接角θの更に好ましい範囲は7〜40°の範囲である。
本実施形態において、ブレード31は、図1に示すように、その上流側面31aの対向面全体がブレードホルダ32の長手部32Aに対して固着されている。本実施形態では、固着方法として、接着剤による接着方法を採用しているが、両面テープで固着する方法やホットメルト法などの他の固着方法を採用してもよい。このようにブレード31の上流側面31aの対向面全体がブレードホルダ32の長手部32Aに固着されており、かつ、上述したようにブレードホルダ32が十分な剛性を備えていることから、本実施形態では、ブレード31を感光体101の表面に押しつけた状態で感光体101を回転駆動しても、ブレード31の反りは実質的には発生しない。
このようにブレード31の反りは実質的には発生しないことにより、次のような効果が得られる。
すなわち、環境変動に対するロバスト性が向上する。詳しくは、ブレード31の自由長部分が長い場合のようにブレード31の反りが発生する構成においては、温湿度によってブレード31の反りによる力が変化する。例えば、高温高湿環境下でブレード31を反ったまま放置すると塑性変形してしまい、ヘタリという現象が起こる。こうなると、感光体101の表面に対するブレード31の当接圧が低下して、クリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態では、環境変動に対するロバスト性が向上する。
また、ブレード31の反りが発生するということは、ブレード31が反るだけの自由度をもっていることである。ブレード31の自由度が大きいと、カウンター方式の場合、ブレード31と感光体101との摩擦力が高まったときにブレードめくれという深刻な不具合を発生しやすい。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、ブレードめくれが防止される。
更に、感光体101の起動トルクを低減できる。詳しくは、上述しているように、ブレード31の反りが発生するということは、ブレード31が反るだけの自由度をもっているということである。感光体101の駆動開始時は摩擦力が大きいため、ブレード31の自由度が大きいと瞬間的に大きく変形してトルクが増大してしまう。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、感光体101の駆動開始時のトルク増大を低減することができる。
本実施形態において、感光体101の表面に近接する側の長手部32Aの端部すなわち短手部32Bと連結する長手部32Aの端部は、図1に示すように、ブレード31の上流側面31aの対向面(接着面)における下流側面31bとの境界辺と同じ位置となるようにしているが、長手部32Aの上記端部がブレード31の上記境界辺よりも感光体101の表面に近い位置まで延びるようにしても、ブレード31の実質的な反りは同様に発生しない。
また、長手部32Aの上記端部は、必ずしもブレード31の上記境界辺まで延びている必要はなく、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺には届かない位置までしか延びていなくてもよい。すなわち、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺よりも長手部32Aの上記端部の方が感光体表面から離れた構成としてもよい。この場合、長手部32Aの上記端部を上記境界辺よりも感光体表面からどの程度まで離すことが許容されるかは、ブレード31の硬度や、ブレード31と感光体101の表面との間の摩擦係数などによって決まってくる。その許容範囲は、例えば、線圧が0.790[N/cm]となるようにブレード31を感光体101の表面に押しつけたときの当接部における感光体表面移動方向長さ(当接幅)が、50[μm]以下となる範囲を判断の目安とすることができる。なお、長手部32Aの上記端部と上記境界辺との距離は、ブレード31の下流側面31bの長さT2の1/4程度までは許容されるものと推測される。更に確認すれば、T2の1/2〜同程度までは許容される可能性がある。
また、本実施形態では、ブレード31の接着面全体に接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32の長手部32Aに接着しているが、ブレード31の接着面の一部にだけ接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32の長手部32Aに接着するようにしてもよい。ただし、ブレードホルダ32の長手部32Aとブレード31における上流側面31aの対向面(接着面)とが互いに重なり合う領域のうち、少なくとも感光体101の表面に近接する側の端部領域については固着処理を施すことが望ましい。この端部領域においてブレードホルダ32の長手部32Aとブレード31とをきちんと固着しておけば、感光体101の回転駆動中にブレード31と感光体表面との間の摩擦力が何らかの要因で変化してもブレード31のバタツキを安定して防止することができる。これは、他の固着方法であっても同様である。
参考例
参考例において、実施形態で説明したことと同様のもの、例えば、カウンター方式を採用していることや、装置本体に設けられた支軸34とブレードホルダ32に設けられた軸受け部35とが自由度を持って係合されていることなど、については特筆するもの以外説明を省略し、本参考例における特徴部について説明する。
参考例では、ブレード31として図13、図14に示すような、当接辺を境に隣接する2つの面31a,31bにおける当接辺に対して直交する方向の長さT1,T2が、感光体表面移動方向上流側に位置する上流側面31aの長さT1よりも感光体表面移動方向上流側に位置する下流側面31bの長さT2を長く形成したものを用いている。なお、ブレード31の各辺の長さT1,T2,T3の大小関係は、T3>T2≧T1を満たすように構成するのが好ましい。より好ましくは、T1は、1[mm]以上でT2の1/2以下とするのがよい。1[mm]以下にすると異音が発生し易くなる。そして、このブレード31を、ブレードホルダ32の長手方向と平行で感光体表面移動方向下流側に向いた面に固着させている。固着の方法は、接着でもよいし、ホットメルトでもよいし、その他の方法でもよい。なお、本参考例においては、ブレード31を保持するブレードホルダ32がブレード31の反りを規制する反り規制手段としても機能している。
また、本参考例では、図13に示すように、感光体101の表面に近接する側のブレードホルダ32の端部は、ブレード31の下流側面31bの対向面(接着面)における上流側面31aとの境界辺と同じ位置となるようにしているが、上記端部がブレード31の上記境界辺よりも感光体101の表面に近い位置まで延びるようにしても、ブレード31の実質的な反りは同様に発生しない。
また、上記端部は、必ずしもブレード31の上記境界辺まで延びている必要はなく、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺には届かない位置までしか延びていなくてもよい。すなわち、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺よりも上記端部の方が感光体表面から離れた構成としてもよい。この場合、上記端部を上記境界辺よりも感光体表面からどの程度まで離すことが許容されるかは、ブレード31の硬度や、ブレード31と感光体101の表面との間の摩擦係数などによって決まってくる。その許容範囲は、例えば、線圧が0.790[N/cm]となるようにブレード31を感光体101の表面に押しつけたときの当接部における感光体表面移動方向長さ(当接幅)が、50[μm]以下となる範囲を判断の目安とすることができる。
また、本実施形態では、ブレード31の接着面全体に接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32に接着しているが、ブレード31の接着面の一部にだけ接着剤を塗ってブレード31をブレードホルダ32に接着するようにしてもよい。ただし、ブレードホルダ32とブレード31における下流側面31bの対向面(接着面)とが互いに重なり合う領域のうち、少なくとも感光体101の表面に近接する側の端部領域については固着処理を施すことが望ましい。この端部領域においてブレードホルダ32とブレード31とをきちんと固着しておけば、感光体101の回転駆動中にブレード31と感光体表面との間の摩擦力が何らかの要因で変化してもブレード31のバタツキを安定して防止することができる。これは、他の固着方法であっても同様である。
図15に示すように本参考例においても実施形態と同じく、ブレード31により加えられる感光体101の表面上における当接部分Pの法線方向の押しつけ力を高める付勢手段であるスプリング36をブレード長手方向に複数個設けることによって、実施形態で説明した同様の効果を得ることができる。また、当接圧を付勢する付勢手段としてはスプリング36に限るものではなく、図16に示すように、スプリング36の変わりに錘29を上記長手方向に複数個配設したり、上記長手方向に長尺な錘を1つ以上配設したりして、上記長手方向で均一な当接圧を付勢するような構成でも良い。なお、スプリング36や錘29等の付勢手段は、必ずしも設ける必要はなく、ブレード31やブレードホルダ32などの自重で所望の当接圧を得るような構成にしても良い。
次に、本実施形態及参考例で用いたブレード31の先端稜線部21を形成する角度θを、図17及び図18に示すように鈍角にした場合について説明する。ブレード31の先端角度を鈍角形状とすると、先端稜線部21が直角、つまりθ=90[°]のブレード31に比べて、より低線圧で高面圧を付加することができる。なお、鈍角は、95[°]から140[°]の範囲が好ましく、本変形例では、θ=115[°]としている。以下、ブレード31の先端稜線部21を形成する角度θについて、直角のものと鈍角のものとを比較しながら詳細に説明する。
実施形態及び参考例で用いたブレード31の先端稜線部21は、ブレード31の長手方向全幅において、ブレード31の上流側面31aと下流側面31bとが成す角が90[°]である。上記成す角が90°なのは一般に、ブレード31を作成する上で加工しやすいためである。図19に先端稜線部21が直角であるブレード31の概略図を示す。図19(a)はブレード31の全体図で、図19(b)はブレード31が像担持体である感光体101に当接する先端稜線部21の近傍である図19(a)中の領域Cの拡大図である。
先端稜線部21が直角で図中矢印D方向に表面移動する感光体101に当接すると、感光体101との摩擦力により矢印D方向に引っ張られ、図19(b)に示すように先端稜線部21でのめくれが大きくなってしまう。めくれが大きくなるとブレード31と感光体表面との矢印D方向の当接長さが長くなり、ブレード31と感光体表面とが当接する面積が広くなる。ブレード31から感光体101に対して所定の荷重がかかるように設定しても、ブレード31と感光体表面とが当接する面積が広いと、面圧が低下する。面圧が低いと当接部でのトナーのすり抜けを十分に防止することができず、クリーニング不良の原因となる。ここで面圧を高めるためにブレード31の感光体101に対する荷重を増加させると、感光体101が表面移動するトルクが大きくなり、駆動系への負担が大きくなるという問題が生じる。
そこで、ブレード31の先端稜線部21の角度を鈍角にすることにより改善する。図20に先端稜線部21が鈍角であるクリーニングブレードの概略図を示す。図20(a)はブレード31の全体図で、図20(b)は図20(a)中の領域Cの拡大図である。先端稜線部21が鈍角であると感光体101との摩擦力により矢印D方向に引っ張られても、直角である場合に比べて変形しにくく、図20(b)に示すように先端稜線部21でのめくれは小さくなる。めくれが小さくなるとブレード31と感光体表面との矢印D方向の当接長さが短くなり、ブレード31と感光体表面とが当接する面積も狭くなる。ブレード31と感光体表面とが当接する面積が狭いと、ブレード31から感光体101に対して先端稜線部21が直角の場合と同じ荷重がかかっていても、先端稜線部21が直角である場合に比べて面圧が高くなる。ブレード先端の形状により面圧を高くすることにより、感光体101に加える荷重に対して、効率よく当接部でのトナーのすり抜けを防止することができ、クリーニング不良の発生を防止することができる。
また、ブレード31の先端角度を鈍角とする場合、95[°]から140[°]の範囲が好ましい。先端角度が90[°]にあまり近い値であると、鈍角による接触面積の低減が発揮されない。また、ブレード31は初期当接角度が15[°]〜30[°]の間で設置して装置に組み込まれる。そのため、先端角度を140[°]、初期当接角を30[°]とした場合には、ブレード31の先端面と感光体表面とが形成する角度は10[°]となる。この角度が小さな値となると、ブレード端部と感光体101との間のくさび形の空隙にトナーが堆積し、実質的にブレード31と感光体101との接触面積が増えた状態となる。これにより、面圧が低下してしまい、その結果、クリーニング不良となることがある。
本実施形態では、ブレード31に用いる板状弾性部材として、温度23[℃]における反発弾性率(反発弾性係数JIS−K−6255)が30%以下であるものを用いている。かかるブレード31を用いる理由は2つある。1つ目の理由は、球形トナーを良好にクリーニングするためには、クリーニングブレード先端の振動が少ない方が良いからである。2つ目の理由は、ブレード31の磨耗に対して、反発弾性率が低い方が良いからである。よって、本実施形態では、ブレード31の摩耗を抑えつつ、ブレード先端の振動によるクリーニング性の悪化を抑えることができる。
従来、粉砕トナーをクリーニングする際には、ブレード31によって、ブレード先端に接触したトナーを跳ね飛ばすという作用があったため、反発弾性率が低い場合には、跳ね飛ばし効果が十分に働かないという問題があった。しかしながら、球形トナーの場合には、トナーを跳ね返す前に、ブレード31をすり抜けてしまうため、跳ね飛ばし効果は作用しない。むしろ、反発弾性が高く、ブレード先端が感光体101に対して微小振動し易い場合には、かえって球形トナーのすりぬけを助長してしまうことが分かっている。
一方、反発弾性が低い方が、ブレード31の磨耗に対して、有利であることが分かっている。すなわち、繰り返しの作像過程において、ブレード31は、感光体101との摺擦によって、徐々に磨耗していく。我々は、ブレード31の磨耗の発生メカニズムは、ブレード31自身のスティックスリップ運動の結果、ブレード31を構成する高分子(例えばポリウレタンゴム)が引裂かれ、疲労破壊する結果、磨耗が発生すると考えている。このような場合には、ブレード先端部が引き千切れ、そこからクリーニング不良が発生する。一方、反発弾性を低くした場合には、ブレード31自身のスティックスリップ運動が抑制される為に、繰り返しの作像工程を経た後でも、ブレード先端部分の累積振動回数が高反発弾性ブレードに比べて少ないため、疲労破壊も抑制される。その結果として、繰り返しの作像工程を経ても、ブレード31の磨耗が進行せず、長期にわたってクリーニング性能が維持されることになる。
また、本実施形態のプリンタ200では、球形トナーをクリーニングするために必要な当接圧力を得ると、感光体101の表面を摩耗させ易くなる。そこで、本実施形態においては、直径30[mm]のドラム状導電性支持体上に感光層等を設けた、負帯電性の有機感光体を用いている。
図21は、感光体101の断面図である。基層としての導電性支持体150上には、絶縁層である下引き層151が設けられている。そして、その上に感光層としての電荷発生層(CGL)152、電荷輸送層(CTL)153が設けられている。さらにその上に表面保護層(FR)154が積層されている。
導電性支持体としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すものを用いることができる。例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したものがある。あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、導電性支持体150として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生層には公知の電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表として、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクアリック酸系染料、他のフタロシアニン系顔料、ナフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩系染料等が挙げられ、これらは有用に用いられる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体上、あるいは下引き層上に塗布し、乾燥することにより形成される。
電荷発生層には、必要に応じて結着樹脂中に上記電荷発生物質を分散させることができる。用いることができる結着樹脂の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
電荷発生層は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜5[μm]程度が適当であり、好ましくは0.1〜2[μm]である。
電荷輸送層は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は解像度・応答性の点から、25[μm]以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)に異なるが、5[μm]以上が好ましい。
溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを導電性支持体150上ないし下引き層151上に塗布、乾燥することによって形成できる。電荷輸送物質を含有させずに、電荷発生物質と結着樹脂とから構成してもよい。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。もちろん、先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。結着樹脂100重量部に対する電荷発生物質の量は5〜40重量部が好ましく、電荷輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに50〜150重量部であればより好ましい。
感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。感光層の膜厚は、5〜25[μm]程度が適当である。
下引き層151は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。また、これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
この他、下引き層151には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層151の膜厚は0〜5[μm]が適当である。
表面保護層154は、例えば耐磨耗性を向上させるためにアモルファスシリコンで表面コートしたものや、電荷輸送層のさらに表面にアルミナや酸化スズ等を分散させたものを採用することができる。
感光体101の構成はこれまで説明した構成に限定されるものではない。導電性支持体150の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層のみを設けた1層構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とが積層された構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層を設ける。そして、その上に更に保護層を設けた構成や、導電性支持体の上に電荷発生物質を主成分とする電荷発生層と電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層とを積層し、その電荷輸送層の上に保護層を設けた構成でもよい。また、導電性支持体の上に電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層と電荷発生物質を主成分とする電荷発生層とを積層し、その電荷発生層の上に保護層を設けた構成でもよい。
表面保護層154のバインダー構成として、架橋構造のものを使用している。架橋構造の形成に関しては、1分子内に複数個の架橋性官能基を有する反応性モノマーを使用し、光や熱エネルギーを用いて架橋反応を起こさせ、3次元の網目構造を形成する。この網目構造がバインダー樹脂として機能し、高い耐摩耗性を発揮する。
電気的な安定性、耐刷性、寿命の観点から、上述の反応性モノマーとして、全部もしくは一部に電荷輸送能を有するモノマーを使用すること非常に有効である。このようなモノマーを使用することにより、網目構造中に電荷輸送部位が形成され、保護層としての機能を十分に発現することが可能となる。
電荷輸送能を有する反応性モノマーとしては、同一分子中に電荷輸送性成分と加水分解性の置換基を有する珪素原子とを少なくとも1つずつ以上含有する化合物がある。また、同一分子中に電荷輸送性成分とヒドロキシル基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とカルボキシル基とを含有する化合物もある。さらに、同一分子中に電荷輸送性成分とエポキシ基とを含有する化合物、同一分子中に電荷輸送性成分とイソシアネート基とを含有する化合物等が挙げられる。これら反応性基を有する電荷輸送性材料は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。さらに好ましくは、電荷輸送能を有するモノマーとして、電気的・化学的安定性が高いこと、キャリアの移動度が速いこと等から、トリアリールアミン構造を有する反応性モノマーが有効に使用される。
これ以外に塗工時の粘度調整、架橋型電荷輸送層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能の重合性モノマー及び重合性オリゴマーを併用することができる。これらの重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
熱または光を用いて正孔輸送性化合物の重合または架橋を行うが、熱により重合反応を行う際には、熱エネルギーのみで重合反応が進行する場合と重合開始剤が必要となる場合がある。より低い温度で効率よく反応を進行させるためには、開始剤を添加することが好ましい。
光により重合させる場合は、光として紫外線を用いることが好ましいが、光エネルギーのみで反応が進行することはごく稀であり、一般には光重合開始剤が併用される。この場合の重合開始剤とは、主には波長400nm以下の紫外線を吸収してラジカルやイオン等の活性種を生成し、重合を開始させるものである。なお、本発明においては、上述した熱及び光重合開始剤を併用することも可能である。
このように形成した網目構造を有する電荷輸送層は、耐摩耗性が高い反面、架橋反応時に体積収縮が大きく、あまり厚膜化するとクラックなどを生じる場合がある。このような場合には、保護層を積層構造として、下層(感光層側)には低分子分散ポリマーの保護層を使用し、上層(表面側)に架橋構造を有する保護層を形成しても良い。
以上のような表面保護層を設けた感光体101については、例えば、保護層塗工液、膜厚、作成条件を次に説明するように工夫する点の他は、周知の方法と同様にして製造することができる。即ち、まず、メチルトリメトキシシラン182重量部、ジヒドロキシメチルトリフェニルアミン40重量部、2−プロパノール225重量部、2%酢酸106重量部、及び、アルミニウムトリスアセチルアセトナート1重量部を混合して表面保護層用の塗布液を得る。この塗布液を、電荷輸送層の上に塗布して乾燥させた後、110[℃]の環境下で1時間の加熱硬化処理して、膜厚3[μm]の表面保護層を形成する。
また、例えば、保護層塗工液、膜厚、作成条件を次に説明するように工夫する点の他は、周知の方法と同様にしてもよい。即ち、化1で化学構造式を示した正孔輸送性化合物30重量部、及び化2で化学構造式を示したアクリルモノマーと光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)との混合物0.6重量部を、モノクロロベンゼン50重量部/ジクロロメタン50重量部の混合溶媒中に溶解して、表面保護層用塗料得る。この塗料をスプレーコーティング法により電荷輸送層上に塗布し、メタルハライドランプを用いて500[mW/cm2]の光強度で30秒間硬化させることによって膜厚5μmの表面保護層を形成する。
Figure 0005073331
Figure 0005073331
次に、本実施形態のプリンタ200において使用されるトナーについて説明する。
本実施形態のクリーニング装置30によれば、高い除去性能を実現し得ることから、平均円形度が0.940以上、更に0.960以上0.998以下のトナーを除去する用途にも実用化できる。更には平均円形度が0.96以上0.998以下のトナーを除去することが本発明の効果を十分に発揮できる。
上記のような平均円形度をもつトナーは、乾式粉砕で製造されるトナーであれば熱的又は機械的に球形化処理することで得られる。熱的な球形化処理としては、例えば、アトマイザーなどに熱気流とともにトナー粒子を噴霧するものが挙げられる。また、機械的な球形化処理としては、ボールミル等の混合機に比重の軽いガラス等の混合媒体とともに投入して攪拌するものが挙げられる。ただし、熱的ま球形化処理では凝集して粒径の大きいトナー粒子が生成され、機械的な球形化処理では微粉が発生するため、再度の分級工程が必要になる。また、水系溶媒中で製造されるトナーでは、溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、形状を制御することができる。
トナーの円形度とは、光学的に粒子を検知して投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000(シスメックス社製)」を用いて測定を行う。所定の容器に予め不純固定物を除いた水100〜150[mL]を入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5[mL]を加え、更に測定試料0.1〜9.5[g]程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散濃度を3000〜10000[個/μL]にしてトナーの形状及び分布を測定する。円形度は、円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)で定義され、トナーが真球に近いほど「1」に近い値となる。
円形度の高いトナーは、キャリア又は現像ローラ51の表面において電気力線の影響を受けやすく、静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像される。したがって、微小な潜像ドットを再現する際には緻密で均一なトナー配置をとりやすいために細線再現性が高くなる。また、円形度の高いトナーは、その表面は滑らかで適度な流動性をもつために電気力線の影響を受けやすく電気力線に沿って忠実に転移しやすいために転写率も高くなり、高品位の画像を得ることができる。さらに、一次転写ローラ161で中間転写ベルト162を圧接することで一次転写ニップを形成するとともに、一次転写ローラ161にトナー像と逆極性の転写電圧を印加することにより転写電界を形成し、これらの作用により感光体101上の各トナー像を中間転写ベルト162上に一次転写させる際にも、円形度の高いトナーは均一に中間転写ベルト162に接触し、トナーの接触面積が一様になることで転写率の向上に寄与する。
しかし、トナーの平均円形度が0.93未満では、忠実な現像、転写率の高い転写ができなくなる。これは、トナーが不定形では、トナー表面の帯電が不均一であり、また、重心と帯電の中心がずれるために電界に対して忠実な移動が困難になるためである。
また、トナーの体積平均粒径は、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも7[μm]以下のトナーを用いることが良い。しかし、粒径が小さくなると現像特性が低下するために、小さくとも3[μm]以上が好ましい。さらに、3[μm]未満では、キャリア又は現像ローラ51の表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおけるキャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり、かぶり等の異常画像を形成するため好ましくない。本実施形態のクリーニング装置30では、体積平均粒径が2[μm]以上であれば、十分な除去性能を発揮でき、特に体積平均粒径が3[μm]以上であればより好適な除去性能を発揮できる。なお、体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dnとの比は、1.0〜1.4程度であることがこの好ましい。
トナーの体積平均粒径は、次のようにして測定したものである。
まず、電解水溶液100〜150[mL]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5[mL]加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II型(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20[mg]加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。上記測定装置により、アパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用いて、上記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。
チャンネルとしては、2.00〜2.52[μm];2.52〜3.17[μm];3.1 7〜4.00[μm];4.00〜5.04[μm];5.04〜6.35[μm];6.35〜8.00[μm];8.00〜10.08[μm];10.08〜12.70[μm];12.70〜16.00[μm];16.00〜20.20[μm];20.20〜25.40[μm];25.40〜32.00[μm];32.00〜40.30[μm]の13チャンネルを用いた。
また、トナーは、上述した平均円形度を満たすもののうち、形状係数SF−1が100以上160以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上160以下の範囲にあるものが好ましい。
図22(a)及び(b)は、トナーの形状を模式的に表した図であり、同図(a)は形状係数SF−1を説明するための説明図であり、同図(b)は形状係数SF−2を説明するための説明図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)・・・(1)
また、形状係数SF−2は、トナー形状での凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100π/4)・・・(2)
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとの接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力が弱くなり、その結果流動性が高くなり、また、トナーと感光体101との吸着力が弱くなって、転写率が高くなり、感光体101表面の残留トナーをクリーニングしやすくなる。SF−1とSF−2が大きくなると、形状が不定型になり、トナーの帯電量分布が広くなり、現像が潜像に対して忠実でなくなり、また、転写でも転写電界に忠実でなくなり画像品位が低下する。このため、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
以上のような略球形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーが好ましい。従来の粉砕型トナーの製法では、円形度、平均粒径、形状係数SF−1、SF−2のどの値と比較しても製造できないか、製造コストや歩留まりの点で重合法で得られたトナーが優位である。しかし、重合法で得られたトナーの中でも、懸濁重合法や乳化重合法等で得られたトナー形状は円形度、形状係数SF−1、SF−2において、真の球形トナーを得ることが難しい。特に、溶解懸濁法で得られたトナーは球形でもあるが、規則性のない不定形トナーである為画像品質等の点で満足できる品質が得られていない。
次に、上述の窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させて得られるトナーの構成材料及び好適な製造方法について詳細する。
(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
2価アルコール(DIO)として好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアネート類及び上記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40[wt%]、好ましくは1〜30[wt%]、さらに好ましくは2〜20[wt%]である。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン及び脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140[℃]にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140[℃]にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤、ケトン類、エステル類などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(例えば、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたケチミン化合物などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、上記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65[℃]、好ましくは45〜60[℃]である。
(着色剤)
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ナフトールイエローS、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄鉛、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、リソールファストスカーレットG、ベンジジンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ファストスカイブルー、インジゴ、群青、紺青、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、クロムグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15[wt%]、好ましくは3〜10[wt%]である。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造、またはマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体、あるいはこれらとビニル化合物との共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。
(離型剤)
離型剤としては、融点が50〜120[℃]の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に働く。このようなワックス成分としては、ロウ類及びワックス類として、カルナバワックス、綿ロウ等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
(外添剤)
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2[μm]であることが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20〜500[m/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[wt%]であることが好ましく、特に0.01〜2.0[wt%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、トナーの製造方法について詳細する。ここでは、好ましい方法について示すが、これに限られることではない。
着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素などを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、メタノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体や、アルキルトリメチルアンモニム塩などの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
樹脂微粒子は、既述の物質を用いることができる。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピルなどが使用できる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20[μm]にするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000[rpm]、好ましくは5000〜20000[rpm]である。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150[℃](加圧下)、好ましくは40〜98[℃]である。
乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150[℃]、好ましくは40〜98[℃]である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで略球形のトナー母体粒子が作製できる。ここで例えば真球形から紡錘状等の形状を制御することができる。更に、表面のモフォロジーも滑らかなものから、例えば梅干し形状等に制御することもできる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
上記洗浄、脱溶剤の工程前後いずれかにおいて、乳化分散液を一定温度で一定時間放置し、生成したトナー粒子を熟成させる工程を設けることができる。これにより、所望の粒径を有するトナー粒子を作製できる。熟成工程の温度は25〜50[℃]が好ましく、時間は10分間〜23時間が好ましい。
上記で得られたトナー母体粒子に、帯電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。
本実施形態のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いるが、キャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは非磁性トナーとしても用いることができる。
二成分現像剤としての磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。
これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
本実施形態においては、芯材として平均粒径50[μm]程度の球形フェライト粒子を採用し、コート材構成材料にはアミノシラン系カップリング剤とシリコーン樹脂をトルエンに分散させ、この分散液と芯材を流動床内に回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、この分散液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250[℃]、2時間焼成し、シリコン樹脂により0.5[μm]の平均厚さでコーティングされたキャリア粒子を作製した。このキャリア100重量部に対し、以下の実施例に示すトナー7重量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、初期現像剤とした。
以下、トナーの実施例について説明する。
なお、各実施例のトナーは以下のごとく作製されるが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、「部」は重量部を示す。
〔トナー1〕
(樹脂微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75[℃]まで昇温し、4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75[℃]で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液微粒子分散液1を得た。微粒子分散液1をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110[nm]であった。微粒子分散液1の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂微粒子の形状は球形状であった。該樹脂分のTgは58[℃]であり、重量平均分子量は13万であった。
(水相の調整)
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相1とする。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を入れ、常圧下230[℃]で7時間重縮合し、さらに10〜15[mmHg]の減圧下で5時間反応して低分子ポリエステル1を得た。低分子ポリエステル1は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3800、Tg43[℃]、酸価4であった。
(中間体ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230[℃]で7時間反応し、さらに10〜15[mmHg]の減圧で5時間反応した中間体ポリエステル1を得た。中間体ポリエステル1は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54[℃]、酸価0.5、水酸基価52であった。次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル1を410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100[℃]で5時間反応し、プレポリマー1を得た。プレポリマー1の遊離イソシアネート重量%は、1.53[%]であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50[℃]で4時間半反応を行い、ケチミン化合物1を得た。ケチミン化合物1のアミン価は417であった。
(マスターバッチの合成)
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部(DBP吸油量=42[ml]/100[mg]、pH=9.5)、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130[℃]で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ1を得た。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま5時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。
次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し、原料溶解液1を得た。1324部の原料溶解液1を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、顔料・ワックス分散液1を得た。顔料・ワックス分散液1の固形分濃度は50[%]であった。
(乳化〜脱溶剤)
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で25分間混合し、乳化スラリー1を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー1を投入し、30[℃]で7時間脱溶剤した後、45[℃]で7時間熟成を行い、分散スラリー1を得た。
(洗浄〜乾燥)
100部の分散スラリー1を減圧濾過した後、
イ) 濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000[rpm]で10分間)した後濾過した。
ロ) イ)の濾過ケーキに1%塩酸をpH3.5〜4.5になるように制御して加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000[rpm]で15分間)した後、濾過した。
ハ) ロ)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000[rpm]で10分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
ニ) 濾過ケーキ1を循風乾燥機にて40[℃]で40時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子1を得た。その後、トナー母体粒子1100部に疎水性シリカ1.5部と疎水化酸化チタン0.5部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合後、目開き35μmメッシュで篩い、トナー1を得た。得られたトナー1の物性は下記の表1に示す。
Figure 0005073331
〔トナー2〕
トナー2において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー2を得た。
得られたトナー2の物性を上記表1に示す。
(樹脂微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱することで系内温度75[℃]まで昇温し、1時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75[℃]で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である微粒子分散液2を得た。微粒子分散液2を粒度分布測定装置(LA−920:シスメックス社製)で測定した体積平均粒径は、40[nm]であった。微粒子分散液2の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂微粒子の形状は球形状であった。該樹脂分のTgは56[℃]であり、重量平均分子量は12万であった。
〔トナー3〕
トナー3において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー3を得た。
得られたトナー3の物性を上記表1に示す。
(乳化〜脱溶剤)
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で10分間混合し、乳化スラリー2を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー2を投入し、30[℃]で6時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー2を得た。
〔トナー4〕
トナー4において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー4を得た。
得られたトナー4の物性を上記表1に示す。
(乳化〜脱溶剤)
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で40分間混合し、乳化スラリー3を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー3を投入し、30[℃]で8時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー3を得た。
〔トナー5〕
トナー5において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー5を得た。
得られたトナー5の物性を上記表1に示す。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバ/ライスワックス(重量比5:5)130部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し、原料溶解液2を得た。
1324部の原料溶解液2を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、10パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで5パスし、顔料・ワックス分散液2を得た。顔料・ワックス分散液2の固形分濃度は50[%]であった。
〔トナー6〕
トナー6において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー6を得た。
得られたトナー6の物性を上記表1に示す。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバ/ライスワックス(重量比3:7)ワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、0.8時間混合し、原料溶解液3を得た。
1324部の原料溶解液3を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで3パスし、顔料・ワックス分散液3を得た。顔料・ワックス分散液3の固形分濃度は50[%]であった。
〔トナー7〕
トナー7において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー7を得た。
得られたトナー7の物性を上記表1に示す。
(低分子ポリエステルの合成)
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230[℃]で7時間反応し、さらに10〜15[mmHg]の減圧下で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180[℃]、常圧で3時間反応し、低分子ポリエステル2を得た。低分子ポリエステル2は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3100、Tg43[℃]、酸価25であった。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル2を378部、カルナバワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま5時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し、原料溶解液4を得た。
1324部の原料溶解液4を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル2の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで3パスし、顔料・ワックス分散液4を得た。顔料・ワックス分散液4の固形分濃度は50[%]であった。
(乳化〜脱溶剤)
顔料・ワックス分散液4を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で40分間混合し、乳化スラリー4を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー4を投入し、30[℃]で8時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー4を得た。
〔トナー8〕
トナー8において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー8を得た。
得られたトナー8の物性を上記表1に示す。
(油相の作製)
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバワックスワックス380部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し、原料溶解液5を得た。
1324部の原料溶解液5を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、7パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで4パスし、顔料・ワックス分散液5を得た。顔料・ワックス分散液5の固形分濃度は50[%]であった。
[実験例]
以下に、本発明のクリーニング装置30におけるクリーニング性向上、トルク低減効果を示す。なお、評価方法としては、特願2006−245041号公報に記載の画像形成装置において、クリーニング装置を以下の3種類に交換することによって比較を行った。
ここで、比較に用いた3種類のクリーニング装置について説明する。まず、従来構成Aのクリーニング装置としては、ブレード31が図23に示すように自由長を持つ形状で、ブレードの厚さt1=2[mm]、自由長t4=7[mm]である。次に従来構成Bのクリーニング装置としては、ブレードの厚さt2=2[mm]のブレード31が図24に示すように自由長が0[mm]となるようにブレードホルダ32に保持されている。そして、本発明のクリーニング装置30としては、ブレードの厚さt2=2[mm]のブレード31が自由長0[mm]でブレードホルダ32に保持されている点など従来構成Bのクリーニング装置と同じであるが、図24に示すように支軸34と支軸受け部35とをわざとガタをもたせて係合させている点が異なる。
クリーニング性の評価は、トナーとして平均円形度0.98、平均粒径4[μm]のトナーを用い、A4版の画像面積率5[%]パターンを連続プリントし、スタート時、5000枚時、10000枚時それぞれでの除去性能(クリーニング性能)を評価した。但し、視覚的な総合評価で「×」と評価された時点で、そのトナーでの初期的ランニングテストは終了した。また、クリーニング性能の評価時には、画像面積率75[%]パターンを100枚連続プリントした後のクリーニング装置通過後の感光体上のトナーをプリンタックCテープ(日東電工製)で転写し、そのテープを白紙に貼り付けた後、マクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランク濃度との差が0.005未満のものを「◎」とし、0.005〜0.010のものを「○」とし、0.011〜0.02のものを「△」とし、0.02を超えるものを「×」として評価した。
また、視覚的な総合評価を下記のごとく行った。
◎:実使用可能。バタツキ等の異音なし。すり抜けのトナーも無い。あっても下記「○レベル」のようにテープ転写し、白紙に貼ることにより、テープの汚れ度合いを肉眼で判別する方法では観測することができない。
○:実使用は可能なレベル。異音なし。スジの発生も無い又は弱いスジがある程度。すり抜けるトナーの発生が認められる。
△:実使用不可の可能性あり。異音の兆候が感じられる。幅が1[mm]以下のスジがA4横サイズの画像上に1〜10本程度発生。
×:実使用不可。異音や感光体の損傷の前兆(おそれ)が感じられる。全面スジ発生。
表2は、上記評価方法によって、従来構成A、従来構成B及び本発明の構成のクリーニング装置について、線圧を変化させた場合のクリーニング性を示している。
Figure 0005073331
表2からわかるように従来構成Aでは、スタート時点でクリーニング性が得られない。また、線圧を上げてもクリーニング性が得られない。これは従来構成Aのクリーニング装置ではブレード31が十分な自由長を有しているため加圧してもブレードが腹当りとなり接触面積が増えるため圧力が低下し、球形トナーをクリーニングするために必要な高面圧を付加できないからである。
一方、自由長ゼロでブレード先端に加圧機構を設けている、従来構成B及び本発明の構成のクリーニング装置においては、線圧[20g/cm]から「○」以上のレベルのクリーニング性が得られている。しかし、従来構成Bと本発明の構成とを比較すると、本発明の構成では線圧20[g/cm]からスタート時及び5000枚時において完全なクリーニング性「◎」が得られているのに対して、従来構成Bでは完全なクリーニング性「◎」を得るためには、線圧50[g/cm]程度まで加圧力を上げる必要がある。
なお、従来構成B及び本発明の構成のクリーニング装置は、従来構成Aのクリーニング装置に比べてブレード先端に圧力を集中させることが可能であるが、その反面、ブレード取り付け部品精度や取り付け位置精度のバラツキを吸収することが困難な構成となっている。そのため、従来構成に比べると個々の部品精度、ブレードの取り付け位置精度のバラツキ、感光体101の取り付け位置及び偏芯等の影響を吸収しにくく、感光体101への均一な圧接力を確保するのが難しくなる。
しかしながら、本発明の構成のクリーニング装置30では感光体101への均一な圧接力を確保したときの支軸側の位置ズレ分を吸収できる程度に支軸34と支持受け部35とがガタを有して係合しているので、所定の圧接力を感光体軸方向に対して均一に保つことができ、その結果、線圧20[g/cm]から良好なクリーニング性を得ることが可能となっている。
一方、従来構成Bのクリーニング装置の場合には、上記バラツキの積み上げ分がブレード31と感光体101との圧接力の不均一さをもたらしており、その不均一さを打ち消すためにより高い線圧を付加しなければならない。したがって、支軸34と軸受け部35とをガタを持たせて係合した本発明の構成のクリーニング装置30では、より低い線圧で球形トナーをクリーニングすることができる。そのため、球形トナークリーニング時に発生する感光体駆動トルクも低減することが可能となる。
以上、本実施形態によれば、長尺な板状弾性部材であるブレード31と、ブレード31を保持する保持部材であるブレードホルダ32と、ブレードホルダ32に設けられた被係合手段である軸受け部35と、軸受け部35と係合する、装置本体に支持された係合手段である支軸34と、ブレード31における長尺方向に延びる一辺が感光体表面移動方向と直交するようにブレード31を感光体101に押しつけて、感光体101の表面上の付着物を除去するクリーニング装置30において、ブレード31を感光体101の表面に押しつけることによって生じるブレード31の反りを規制する反り規制手段を有し、ブレードホルダ32は上記反り規制手段を介してブレード31を保持しており、支軸34と軸受け部35とはブレードホルダ32が装置本体に対して変位可能なように自由度を持って係合するように構成されており、支軸34は、ブレード31が当接した部分の感光体101の表面の法線よりも感光体表面移動方向下流側で装置本体に配設される。これにより、上述したように、ブレード31の反りを規制しない構成である従来のカウンタ方式を用いたクリーニング装置の場合と同程度の当接圧を維持しつつも、感光体表面に対するブレード31の当接幅を短くできるので、感光体101及びブレード31の摩耗を抑制したり、ブレード31のバタツキを抑制しつつ、小粒径・球形トナーを用いた際でも良好に感光体101の表面をクリーニングすることができる。また、反りを規制したブレード31の反りを規制した構成である場合、上記先願に記載のクリーニング装置では、各部材の組み付けや経時で感光体101の偏心などによる公差によって、ブレード31が感光体101の表面に対してブレード31の長手方向で当接状態を維持できなくなり、感光体101の表面上で良好にクリーニングされない箇所が出てしまう恐れがあった。しかし、本実施形態においては、上記支持部で支軸34と軸受け部35とが自由度を持って係合しブレードホルダ32が装置本体に対して変位可能となっているので、上記公差を補正して上記長手方向におけるブレード31と感光体101との当接状態を経時で維持することができる。よって、感光体101の表面上で良好にクリーニングできない箇所が出てしまうのを抑制することができる。また、ブレード31から感光体101の表面に付勢する所定の圧接力を、上記長手方向で均一に付勢することができる。
また、本実施形態によれば、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸穴38を有する軸受け部35であり、支軸34と軸受け部35とは軸受け部35の半径方向に自由度を持って係合している。つまり、軸受け部35の軸穴38を、支軸34の径より部材精度や取り付け位置精度のバラツキや感光体101への均一な圧接力を確保した時の支軸側の位置ズレ分などを吸収出来る程度の大きさをもったバカ穴形状としているので、感光体101の接線方向及び法線方向のどの位置に対してのズレにも対応することができる。
また、本実施形態によれば、上記係合手段は支軸34であり、上記被係合手段は上記当接部の法線方向と略平行な方向に長軸を有する長穴39を有する軸受け部35であり、支軸34と軸受け部35とは軸受け部35の長軸方向に自由度を持って係合している。つまり、軸受け部35の軸穴を上記法線方向と平行な長穴形状とし、支軸34の径より、部材精度や取り付け位置精度のバラツキや感光体101への均一な圧接力を確保した時の支軸側の位置ズレ分などを、すべて上記法線方向と平行な方向での位置ズレ量として吸収できる程度の長さをもった長穴形状としている。これにより、上記当接部の接線方向及び法線方向のどの位置に対してのズレにも対応できる。また、上記接線方向に対して支軸は常に長穴39の縁(壁)に位置しているので、感光体101の駆動により支軸34が移動(振動)するのも抑制できる。
また、本実施形態においては、ブレード31は、上記一辺に対して直交する方向に上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、上記一辺に対して直交する方向の長さが長いものであり、上記一辺に対して直交する方向に上記上流面が伸びて上記上流側面の対向面が縮むようなブレード31の反りを規制する上記反り規制手段を、ブレード31における上記上流側面の対向面に固着し、ブレードホルダ32により上記反り規制手段を介してブレード31を保持している。従来のカウンタ方式は、当接辺を境に隣接する板状弾性部材の上流側面及び下流側面のうち、当接辺に対して直交する方向の長さが、下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が短い。これに対し、実施形態では、その逆で、当接辺に対して直交する方向の長さが、下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が長い。言い換えると、実施形態では、一般的な従来のトレーリング方式のように、当接辺に対して直交する方向の長さが下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が長くなるようにブレード31を配置するが、そのブレード31を保持するブレードホルダ32の装置本体に対する支持部が、感光体101の表面上における当接部分の法線よりも感光体表面移動方向下流側に位置している。また、従来のカウンタ方式と同様に、感光体101との摩擦力によりブレード31が受ける力の少なくとも一部をブレードホルダ32を介して装置本体の支持部で真っ直ぐ受けることができる。よって、上記特許文献1に記載のクリーニング装置のようにトレーリング方式でバックアップ部材を備えたものに比べて、その構成が簡素であり、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、上記反り規制手段は、感光体101の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記上流側面31aの対向面における上記下流側面31bとの境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されている。また、参考例において上記反り規制手段は、感光体101の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記下流側面31bの対向面における上記上流側面31aとの境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されている。これにより、ブレード31の自由長が無くなるので、ブレード31の反りを有効に規制できる。
また、本実施形態によれば、ブレード31により加えられる感光体101の表面上における上記当接部の法線方向の押し付け力を高める付勢手段であるスプリング36または錘29を有している。つまり、ブレードホルダ32を上記当接部の法線方向から加圧するように、上記当接部の法線上にブレードホルダ背面端部にスプリング36や錘29などを設けている。これにより、ブレード31の上記一辺にロスを生じることなく加圧力を付勢することができるので、上記支持部にガタ(自由度)を持たせても、上記長手方向で圧接力を均一に付勢することができる。
また、本実施形態によれば、スプリング36や錘29などを、感光体表面移動方向に対して直交する方向つまり上記長手方向で同一線上に複数個設けることで、上記当接部の上記長手方向で所望の等分布荷重を得るため調整を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、感光体101上に形成した画像を最終的に記録材に転移させるプリンタ200などの画像形成装置での本体に着脱自在に構成され、少なくとも、感光体101と、感光体101上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段である本発明のクリーニング装置30とを一体に支持したプロセスカートリッジを用いることにより、上述したような効果に加え、装置本体への組み付けの際にブレード31と感光体101との位置精度を良好に保つことができ、また、感光体101と一体でクリーニング装置30も交換可能となっているので、ユーザでも容易に位置精度を保ったまま交換できるなど、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、感光体101上に形成した画像を最終的に記録材に転移させるプリンタ200などの画像形成装置において、本発明のクリーニング装置30を個別にまたは上記プロセスカートリッジとして装置本体に設けることにより、上述したような効果を得ることができるので、感光体101を良好にクリーニングでき、高画質の画像を形成することができる。
また、本実施形態によれば、感光体101は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられているため、感光体101の耐摩耗性が向上し、小粒径・球形トナーをクリーニングするために大きな圧接力でブレード31を感光体表面に当接させても、感光体101が摩耗するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3[μm]以上7[μm]以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いている。このような形状のトナーを用いたとしても、本発明のクリーニング装置30を用いることにより、上述した効果が得られるので、クリーニング性能を良好に維持することができる。また、上記形状のトナーを用いることで、画像の高画質化が達成できる。
なお、上述した実施形態においては、感光体101用のクリーニング装置30を例に挙げて説明したが、本発明は、本実施形態のプリンタ200だけでなく、あらゆる画像形成装置における表面移動部材用のクリーニング装置として利用可能である。したがって、例えば、一つの感光体101と複数(例えば4色)の現像装置とを有し、各現像装置を順次回転させることで各色のトナー像を感光体101に作像し、そのトナー像を最終的に転写紙へ転写して画像形成を行う画像形成装置にも適用できるし、モノクロ用の画像形成装置にも適用できる。また、プリンタ200に限らず、複写機、ファクシミリあるいは複数の機能を有する複合機などのクリーニング装置として利用可能である。なお、画像形成装置は、電子写真方式でもインクジェット方式でも他の方式でも、要は、表面に付着した付着物を除去することが必要となる表面移動部材を備えた画像形成装置であれば、その表面移動部材用のクリーニング装置として適用可能である。また、除去する付着物が、トナー、紙紛、金属粉等のあらゆる粉体のほか、現像液などの液体であっても、本発明は同様に適用できる。
また、本発明は、感光体101用のクリーニング装置30だけでなく、感光体101以外の表面移動部材、例えば中間転写ベルト162の表面に付着した転写残トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。また、感光体101や中間転写ベルトのような像担持体に限らず、表面に記録材を担持してこれを搬送する記録材搬送部材の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。そのほか、本発明は、表面に付着した付着物を除去することが必要となるあらゆる表面移動部材用のクリーニング装置に適用できる。もちろん、その表面移動部材は、ドラム状のものであってもベルト状のものであってもよく、表面が移動する部材であればどのようなものであってもよい。ただし、ベルト状の表面移動部材用のクリーニング装置の場合、そのベルトを支持する支持ローラとブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するのが一般的であるが、ベルト内周面側に平板部材等のバックアップ部材を配置し、そのバックアップ部材とブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するようにしてもよい。また、本実施形態のようにクリーニング対象が感光体101の場合、その感光体101は、有機感光体でも、非晶質シリコン系感光体101でも、有機感光体表面に架橋構造を有するバインダー樹脂からなる保護層が設けられた感光体101でもよく、あらゆる感光体101に対するクリーニング装置30として本発明は適用可能である。クリーニング対象が中間転写ベルト162の場合、その中間転写ベルトは、耐熱性・伸縮性を考慮したポリイミド系の中間転写ベルトでも、ポリエチレン系材料を用いた中間転写ベルトでも、フッ素系・ゴム系の中間転写ベルトでも、よく、あらゆる中間転写ベルトに対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。
なお、ここで説明した様々な応用例においては、上記実施形態で説明した感光体101用のクリーニング装置30の構成をほとんどそのまま利用でき又はその応用例に応じて適宜修正したものを利用できる。
本発明の特徴部であるクリーニング装置の概略構成図。 本実施形態に係るプリンタの概略構成図。 プリセスカートリッジの概略構成図。 クリーニング装置よりも感光体回転方向上流側に潤滑剤塗布装置を設けた場合のプロセスカートリッジの概略構成図。 クリーニング装置よりも感光体回転方向下流側に潤滑剤塗布装置を設けた場合のプロセスカートリッジの概略構成図。 プロセスカートリッジにおける帯電装置を感光体とともに示した概略構成図。 クリーニング装置の主要部を示す斜視図。 軸受け部の軸穴をバカ穴にした場合の支持部近傍の拡大図。 軸受け部の軸穴を長穴にした場合の支持部近傍の拡大図。 ブレード長手方向に複数のスプリングを設けたクリーニング装置の概略構成図。 ブレードの押しつけ力の測定装置を示す説明図。 ブレード長手方向に錘を配設したクリーニング装置の概略構成図。 参考例におけるクリーニング装置の概略構成図。 参考例のクリーニング装置の主要部を示す斜視図。 ブレード長手方向に複数のスプリングを設けたクリーニング装置の概略構成図。 ブレード長手方向に錘を配設したクリーニング装置の概略構成図。 実施形態におけるブレードの先端稜線部を形成する角度θを鈍角にしたクリーニング装置の概略構成図。 参考例におけるブレードの先端稜線部を形成する角度θを鈍角にしたクリーニング装置の概略構成図。 (a)先端稜線部が直角であるブレードの全体図。(b)ブレードが感光体に当接する先端稜線部の近傍である領域Cの拡大図である。 (a)先端稜線部が鈍角であるブレードの全体図。(b)ブレードが感光体に当接する先端稜線部の近傍である領域Cの拡大図である。 感光体の断面を示す模式図。 (a)トナーの形状係数SF−1の計算に用いるパラメータの説明図。(b)トナーの形状係数SF−2の計算に用いるパラメータの説明図。 実験に用いた従来構成Aのクリーニング装置の概略構成図。 実験に用いた従来構成Bのクリーニング装置の概略構成図。 実験に用いた本発明の構成のクリーニング装置の概略構成図。
符号の説明
1 書込ユニット
10 給紙カセット
20 給紙路
29 錘
30 クリーニング装置
31 ブレード
32 ブレードホルダ
32A 長手部
32B 短手部
33 枠体
34 支軸
35 軸受け部
37 調整ネジ
38 軸穴
39 長穴
40 転写搬送ユニット
50 定着装置
60 搬送ローラ対
61 搬送ローラ対
62 レジストローラ対
63 排紙ローラ対
70 潤滑剤塗布装置
71 固形潤滑剤
72 加圧バネ
73 ブラシローラ
74 引き伸ばし部材
80 現像装置
91 除電装置
100 プロセスカートリッジ
101 感光体
110 帯電装置

Claims (10)

  1. 長尺な板状弾性部材と、
    該板状弾性部材を保持する保持部材と、
    該保持部材に設けられた被係合手段と、
    該被係合手段に係合する、装置本体に支持された係合手段とを備え
    該板状弾性部材における長尺方向に延びる一辺が表面移動部材表面移動方向と直交するように該板状弾性部材を表面移動部材の表面に押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、
    上記板状弾性部材は、上記一辺を境に直交して隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも該一辺に対して直交する方向の長さが長いか同じものであり、
    該板状弾性部材における該上流側面の裏面に反り規制部材を設けて、該反り規制部材における該表面移動部材側の端部が、該板状弾性部材における該上流側面の裏面における該表面移動部材側の端部と実質的に同じか、これよりも該表面移動部材に近い側に位置するように該反り規制部材を配置することで、該上流側面が伸びかつ該上流側面の裏面が縮むような該板状弾性部材の反りを規制する反り規制手段を有し、
    該保持部材は該反り規制部材を介して該板状弾性部材を保持しており、
    該係合手段と該被係合手段とは、該表面移動部材と該板状弾性部材との位置関係にずれが生じても該保持部材が装置本体に対して変位して該表面移動部材と該板状弾性部材との当接状態が維持されるように自由度を持って係合するように構成されており、
    該係合手段は、該板状弾性部材が当接した部分の表面移動部材表面の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側であって、上記2つの面のうちの上記下流側面と略平行な方向に沿って上記一辺から離れた位置で装置本体に支持されることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 請求項1記載のクリーニング装置において、
    上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の半径方向に自由度を持って係合することを特徴とするクリーニング装置。
  3. 請求項1記載のクリーニング装置において、
    上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は上記法線と略平行な方向に長軸を有する長穴形状の軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の長軸方向に自由度を持って係合することを特徴とするクリーニング装置。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
    上記表面移動部材の表面に当接する上記板状弾性部材の部分を上記法線と略平行方向に沿って該表面移動部材の表面に向けて付勢し、該板状弾性部材から該表面移動部材の表面上に加えられる該法線と略平行方向の押し付け力を高める付勢手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
  5. 請求項4記載のクリーニング装置において、
    上記付勢手段を、上記板状弾性部材の長尺方向に複数個設けることを特徴とするクリーニング装置。
  6. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
    該クリーニング手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
    該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するクリーング手段として、請求項1乃至のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  8. 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
    少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持した、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを有しており、
    該プロセスカートリッジとして、請求項6記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項7又は8記載の画像形成装置において、
    上記像担持体は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3μm以上7μm以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
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