JP2008233319A - クリーニング装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ブレードホルダ32は反り規制手段を介してブレード31を保持しており、支軸34と軸受け部35とはブレードホルダ32が装置本体に対して変位可能なように自由度を持って係合するように構成されており、支軸34は、ブレード31が当接した部分の感光体101の表面の法線よりも感光体表面移動方向下流側で装置本体に配設される。
【選択図】図1
Description
詳しく説明すると、トレーリング方式の場合、当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけると、クリーニングブレードが大きく反ってしまって、クリーニングブレードの当接辺に対して表面移動部材表面移動方向上流側に位置するクリーニングブレードの上流側面が表面移動部材表面に当たってしまう腹当たり現象が生じてしまう。腹当たり現象が生じると、クリーニングブレードと表面移動部材表面との当接面積が急激に増大するため、表面移動部材を大きな力で押しつけても逆に当接圧は小さくなり、除去性能が低下することになる。これに対し、カウンタ方式の場合、当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけても、摩擦力がクリーニングブレードの反りに抗して働くので、クリーニングブレードの反りが少ない。そのため、クリーニングブレードを大きな力で押しつけても腹当たり現象が生じにくく、小さい当接面積に対して大きな押しつけ力を付与することができる。よって、高い当接圧を実現でき、高い除去性能が得られる。
しかし、従来のカウンタ方式のクリーニング装置においては、高い除去性能を得ようとして当接圧を高めるべくクリーニングブレードを大きな力で押しつけ過ぎると、クリーニング対象である感光体などの表面移動部材やクリーニングブレード自体が摩耗しすぎて表面移動部材やクリーニングブレードの寿命が短くなるという不具合があった。
よって、表面移動部材のクリーニング手段として先願に記載のクリーニング装置のようにクリーニングブレードの反りを規制した構成を採用する際には、クリーニング装置が上記位置関係のずれを吸収乃至補正するような構成を備えていないと、上記位置関係のずれによって上記当接部における上記当接状態を経時で維持することができなくなる。そのため、表面移動部材上でクリーニングが十分に行われない箇所が発生するといった問題が生じる。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の半径方向に自由度を持って係合することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は上記法線と略平行な方向に長軸を有する長穴形状の軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の長軸方向に自由度を持って係合するることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3のクリーニング装置において、上記板状弾性部材は、上記一辺を境に直交して隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも該一辺に対して直交する方向の長さが長いか同じものであり、上記反り規制手段に該板状弾性部材における該上流側面の対向面を固着したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のクリーニング装置において、上記反り規制手段は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記板状弾性部材の上記上流側面の対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5のクリーニング装置において、上記板状弾性部材から上記表面移動部材の表面上に加えられる上記法線と略平行方向の押し付け力を高める付勢手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のクリーニング装置において、上記付勢手段を、上記板状弾性部材の長尺方向に複数個設けることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、該クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するクリー二ング手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持した、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを有しており、該プロセスカートリッジとして、請求項8のプロセスカートリッジを用いることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項9または10の画像形成装置において、上記像担持体は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項9、10または11の画像形成装置において、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3μm以上7μm以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いることを特徴とするものである。
また、本発明においては、係合手段と被係合手段とが自由度を持って係合し、保持部材が装置本体に対して変位可能となっている。これにより、保持部材が装置本体に対して変位することによって、各部材の組み付け公差や環境変動による各部材間の位置関係のずれなどを補正し、表面移動部材と板状弾性部材との当接状態を維持することができる。したがって、板状弾性部材の長尺方向で当接むらが生じるのを抑制することができ、板状弾性部材と表面移動部材の表面との当接状態が経時で維持されるので、表面移動部材の表面上で良好にクリーニングできない箇所が出てしまうのを抑制することができる。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係るプリンタ200の概略構成図である。このプリンタ200は、プロセスカートリッジ100、光書込ユニット1、給紙カセット10、給紙路20、転写搬送ユニット40、定着装置50、搬送ローラ対60,61、レジストローラ対62、排紙ローラ対63などを備えている。
上記光書込ユニット1は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、周知の技術により、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザー光を照射する。
図3は、本プリンタ200に設けられるプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
なお、各プロセスカートリッジの構成はほぼ同様であるので、以下の説明では色分け用の添え字Y、C、M、Bkを省略して、プロセスカートリッジの構成及び動作について説明する。
プロセスカートリッジ100は、感光体101と、感光体101の周りに配置されたクリーニング装置30、現像装置80、除電装置91及び帯電装置110とを備えている。
先に示した図1において、プリンタ200本体の下部では、転写紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容する給紙カセット10が、プリンタ200本体に対して着脱可能に支持されている。給紙カセット10は、内部に収容している紙束の一番上の転写紙Pに当接させている給紙ローラ11を回転させることで、その転写紙Pを給紙路20に向けて送り出す。この給紙路30は、路中に所定の間隔で配設された複数の搬送ローラ対60,61と、搬送路20の末端付近に配設されたレジストローラ対62とを有している。そして、給紙カセット10から受け取った転写紙Pを、搬送ローラ対60,61によってレジストローラ対62に向けて搬送する。レジストローラ対62は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pを後述する転写ニップにてトナー像に密着させ得るタイミングで、転写ニップに向けて送り出す。これにより、転写ニップでは、転写紙Pが搬送ベルト41の表面に保持されながら感光体101上のトナー像に密着する。
転写搬送ユニット40は、搬送ベルト41、駆動ローラ42、転写バイアスローラ43、ベルトクリーニング装置44などを有している。
定着装置50は、ハロゲンランプ等の発熱源をない方する定着ローラ51と、これに押圧せしめられる押圧ローラ52とを互いに順方向に回転させて定着ニップを形成している。そして、搬送ベルト41から受け取った転写紙Pをこの定着ニップに挟み込んで、加熱しながら加圧する。この加熱や加圧の影響により、トナーが軟化して転写紙Pにトナー像が定着せしめられる。定着装置50を通過した転写紙Pは、排紙ローラ対60を経て機外へと排出か、あるいは、定着装置50の下方に配設された紙反転ユニットに送られる。
図1は、クリーニング装置30の主要部を感光体101の回転軸方向(Y方向)から見たときの説明図である。図7は、クリーニング装置30の主要部を示す斜視図である。
図11は、ブレード31の押しつけ力の測定装置を示す説明図である。この測定装置200は、実際には、市販のセンサ用コンディショナ「WGA−710B(共和電業製)」及び組み合わせられるロードセル「LMA−A−20N(共和電業製)」である。この測定装置200は、ロードセル201を3つ備えており、各ロードセル201は、半円筒形状のセル台202の上に、ブレード31の長尺方向中心点と、その中心点から長尺方向両端に向けて140[mm]離れた2地点の合計3箇所でそれぞれ固定されている。また、ロードセル201には、感光体101と同じ曲率半径の曲面を有する治具203が載せられる。この治具203は、ブレード31の長尺方向に沿って3つ並べて配置され、各治具203の底面中心に各ロードセル201にそれぞれセットされる。
ブレード31は、治具203との位置関係が感光体101との位置関係と同じ関係となるように、測定装置200にセットされる。
なお、測定に際しては、事前に、規定の重りを各治具203の上に載せ、センサ用コンディショナ204に表示されるそれぞれの値が同じ値になるように設定したり、センサ用コンディショナ204に表示される値が治具203による荷重をキャンセルした値となるように設定したりする必要があることは言うまでもない。
また、本実施形態のクリーニング装置30によれば、従来のカウンタ方式のクリーニング装置よりも、当接圧を高めるのが容易である。したがって、従来のカウンタ方式のクリーニング装置であっても除去が困難だった小粒径で球形をなしたトナーに対しても、十分な除去性能を発揮し得る。
また、本実施形態のブレード31は、ポリウレタンゴムを素材とし、硬度がJIS−Aでおよそ75のものを使用している。もちろん、ブレード31の材質や硬度はこれに限らず、適宜選択される。
また、本実施形態のブレードホルダ32は、鉄を主成分とする金属材料で形成されたものを用いており、感光体101の回転駆動中に感光体101からブレード31が力を受けてもひずみを十分に抑制できる十分な剛性を備えている。なお、ブレードホルダ32として、チタニウムを主成分とする金属材料など高い剛性を有する金属材料で形成されたものを用いても良い。
すなわち、環境変動に対するロバスト性が向上する。詳しくは、ブレード31の自由長部分が長い場合のようにブレード31の反りが発生する構成においては、温湿度によってブレード31の反りによる力が変化する。例えば、高温高湿環境下でブレード31を反ったまま放置すると塑性変形してしまい、ヘタリという現象が起こる。こうなると、感光体101の表面に対するブレード31の当接圧が低下して、クリーニング性が低下し、クリーニング不良が発生するおそれがある。したがって、ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態では、環境変動に対するロバスト性が向上する。
また、ブレード31の反りが発生するということは、ブレード31が反るだけの自由度をもっていることである。ブレード31の自由度が大きいと、カウンター方式の場合、ブレード31と感光体101との摩擦力が高まったときにブレードめくれという深刻な不具合を発生しやすい。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、ブレードめくれが防止される。
更に、感光体101の起動トルクを低減できる。詳しくは、上述しているように、ブレード31の反りが発生するということは、ブレード31が反るだけの自由度をもっているということである。感光体101の駆動開始時は摩擦力が大きいため、ブレード31の自由度が大きいと瞬間的に大きく変形してトルクが増大してしまう。ブレード31の反りは実質的には発生しない本実施形態によれば、感光体101の駆動開始時のトルク増大を低減することができる。
また、長手部32Aの上記端部は、必ずしもブレード31の上記境界辺まで延びている必要はなく、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺には届かない位置までしか延びていなくてもよい。すなわち、ブレード31の反りを実質的に規制できれば、上記境界辺よりも長手部32Aの上記端部の方が感光体表面から離れた構成としてもよい。この場合、長手部32Aの上記端部を上記境界辺よりも感光体表面からどの程度まで離すことが許容されるかは、ブレード31の硬度や、ブレード31と感光体101の表面との間の摩擦係数などによって決まってくる。その許容範囲は、例えば、線圧が0.790[N/cm]となるようにブレード31を感光体101の表面に押しつけたときの当接部における感光体表面移動方向長さ(当接幅)が、50[μm]以下となる範囲を判断の目安とすることができる。なお、長手部32Aの上記端部と上記境界辺との距離は、ブレード31の下流側面31bの長さT2の1/4程度までは許容されるものと推測される。更に確認すれば、T2の1/2〜同程度までは許容される可能性がある。
本構成例において、構成例1で説明したことと同様のもの、例えば、カウンター方式を採用していることや、装置本体に設けられた支軸34とブレードホルダ32に設けられた軸受け部35とが自由度を持って係合されていることなど、については特筆するもの以外説明を省略し、本構成例における特徴部について説明する。
本実施形態のクリーニング装置30によれば、高い除去性能を実現し得ることから、平均円形度が0.940以上、更に0.960以上0.998以下のトナーを除去する用途にも実用化できる。更には平均円形度が0.96以上0.998以下のトナーを除去することが本発明の効果を十分に発揮できる。
しかし、トナーの平均円形度が0.93未満では、忠実な現像、転写率の高い転写ができなくなる。これは、トナーが不定形では、トナー表面の帯電が不均一であり、また、重心と帯電の中心がずれるために電界に対して忠実な移動が困難になるためである。
まず、電解水溶液100〜150[mL]中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を、0.1〜5[mL]加える。ここで、電解液とは、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%NaCl水溶液を調製したもので、ISOTON R−II型(コールターサイエンティフィックジャパン社製)を使用した。これに更に測定試料を2〜20[mg]加え、電解液中に懸濁させて、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行った。上記測定装置により、アパーチャーとして100[μm]アパーチャーを用いて、上記試料中のトナー粒子の体積及び個数をチャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個数分布とを算出する。
図22(a)及び(b)は、トナーの形状を模式的に表した図であり、同図(a)は形状係数SF−1を説明するための説明図であり、同図(b)は形状係数SF−2を説明するための説明図である。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・(1)
また、形状係数SF−2は、トナー形状での凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)・・・(2)
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
2価アルコール(DIO)として好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280[℃]に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアネート類及び上記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン及び脂肪族ジアミンなどが挙げられる。
3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ナフトールイエローS、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄鉛、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、リソールファストスカーレットG、ベンジジンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ファストスカイブルー、インジゴ、群青、紺青、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、クロムグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15[wt%]、好ましくは3〜10[wt%]である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
離型剤としては、融点が50〜120[℃]の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に働く。このようなワックス成分としては、ロウ類及びワックス類として、カルナバワックス、綿ロウ等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。
また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10−3〜2[μm]であることが好ましく、特に5×10−3〜0.5[μm]であることが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20〜500[m2/g]であることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5[wt%]であることが好ましく、特に0.01〜2.0[wt%]であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。中でも、流動性付与剤としては、疎水性シリカ微粒子と疎水性酸化チタン微粒子を併用するのが好ましい。
次に、トナーの製造方法について詳細する。ここでは、好ましい方法について示すが、これに限られることではない。
着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100[℃]未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素などを単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。水系媒体は、水単独でも良いし、メタノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体や、アルキルトリメチルアンモニム塩などの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤等が挙げられる。また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。
樹脂微粒子は、既述の物質を用いることができる。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピルなどが使用できる。
上記洗浄、脱溶剤の工程前後いずれかにおいて、乳化分散液を一定温度で一定時間放置し、生成したトナー粒子を熟成させる工程を設けることができる。これにより、所望の粒径を有するトナー粒子を作製できる。熟成工程の温度は25〜50[℃]が好ましく、時間は10分間〜23時間が好ましい。
帯電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。
二成分現像剤としての磁性キャリアとしては、粒子径20〜200[μm]程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。
これらの導電粉は、平均粒子径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒子径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
なお、各実施例のトナーは以下のごとく作製されるが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、「部」は重量部を示す。
(樹脂微粒子エマルションの合成)
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75[℃]まで昇温し、4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75[℃]で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液微粒子分散液1を得た。微粒子分散液1をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110[nm]であった。微粒子分散液1の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂微粒子の形状は球形状であった。該樹脂分のTgは58[℃]であり、重量平均分子量は13万であった。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを水相1とする。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を入れ、常圧下230[℃]で7時間重縮合し、さらに10〜15[mmHg]の減圧下で5時間反応して低分子ポリエステル1を得た。低分子ポリエステル1は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3800、Tg43[℃]、酸価4であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230[℃]で7時間反応し、さらに10〜15[mmHg]の減圧で5時間反応した中間体ポリエステル1を得た。中間体ポリエステル1は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54[℃]、酸価0.5、水酸基価52であった。次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル1を410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100[℃]で5時間反応し、プレポリマー1を得た。プレポリマー1の遊離イソシアネート重量%は、1.53[%]であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50[℃]で4時間半反応を行い、ケチミン化合物1を得た。ケチミン化合物1のアミン価は417であった。
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部(DBP吸油量=42[ml]/100[mg]、pH=9.5)、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130[℃]で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、マスターバッチ1を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま5時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で25分間混合し、乳化スラリー1を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー1を投入し、30[℃]で7時間脱溶剤した後、45[℃]で7時間熟成を行い、分散スラリー1を得た。
100部の分散スラリー1を減圧濾過した後、
イ) 濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000[rpm]で10分間)した後濾過した。
ロ) イ)の濾過ケーキに1%塩酸をpH3.5〜4.5になるように制御して加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000[rpm]で15分間)した後、濾過した。
ハ) ロ)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12000[rpm]で10分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
ニ) 濾過ケーキ1を循風乾燥機にて40[℃]で40時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子1を得た。その後、トナー母体粒子1100部に疎水性シリカ1.5部と疎水化酸化チタン0.5部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合後、目開き35μmメッシュで篩い、トナー1を得た。得られたトナー1の物性は下記の表1に示す。
トナー2において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー2を得た。
得られたトナー2の物性を上記表1に示す。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30:三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱することで系内温度75[℃]まで昇温し、1時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75[℃]で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である微粒子分散液2を得た。微粒子分散液2を粒度分布測定装置(LA−920:シスメックス社製)で測定した体積平均粒径は、40[nm]であった。微粒子分散液2の一部を乾燥して樹脂分を単離した。樹脂微粒子の形状は球形状であった。該樹脂分のTgは56[℃]であり、重量平均分子量は12万であった。
トナー3において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー3を得た。
得られたトナー3の物性を上記表1に示す。
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で10分間混合し、乳化スラリー2を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー2を投入し、30[℃]で6時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー2を得た。
トナー4において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー4を得た。
得られたトナー4の物性を上記表1に示す。
顔料・ワックス分散液1を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で40分間混合し、乳化スラリー3を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー3を投入し、30[℃]で8時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー3を得た。
トナー5において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー5を得た。
得られたトナー5の物性を上記表1に示す。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバ/ライスワックス(重量比5:5)130部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し、原料溶解液2を得た。
1324部の原料溶解液2を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、10パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで5パスし、顔料・ワックス分散液2を得た。顔料・ワックス分散液2の固形分濃度は50[%]であった。
トナー6において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー6を得た。
得られたトナー6の物性を上記表1に示す。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバ/ライスワックス(重量比3:7)ワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、0.8時間混合し、原料溶解液3を得た。
1324部の原料溶解液3を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、5パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで3パスし、顔料・ワックス分散液3を得た。顔料・ワックス分散液3の固形分濃度は50[%]であった。
トナー7において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー7を得た。
得られたトナー7の物性を上記表1に示す。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230[℃]で7時間反応し、さらに10〜15[mmHg]の減圧下で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180[℃]、常圧で3時間反応し、低分子ポリエステル2を得た。低分子ポリエステル2は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3100、Tg43[℃]、酸価25であった。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル2を378部、カルナバワックス100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま5時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し、原料溶解液4を得た。
1324部の原料溶解液4を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル2の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで3パスし、顔料・ワックス分散液4を得た。顔料・ワックス分散液4の固形分濃度は50[%]であった。
顔料・ワックス分散液4を749部、プレポリマー1を115部、ケチミン化合物1を2.9部、容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5000[rpm]で2分間混合した後、容器に水相1を1200部加え、TKホモミキサーで、回転数13000[rpm]で40分間混合し、乳化スラリー4を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、乳化スラリー4を投入し、30[℃]で8時間脱溶剤した後、45[℃]で5時間熟成を行い、分散スラリー4を得た。
トナー8において、以下の条件に変更した以外はトナー1と同様にしてトナー8を得た。
得られたトナー8の物性を上記表1に示す。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、低分子ポリエステル1を378部、カルナバワックスワックス380部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80[℃]に昇温し、80[℃]のまま4時間保持した後、1時間で30[℃]に冷却した。次いで、容器にマスターバッチ1を500部、酢酸エチル500部を仕込み、2時間混合し、原料溶解液5を得た。
1324部の原料溶解液5を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1[kg/hr]、ディスク周速度6[m/秒]、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、7パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、低分子ポリエステル1の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで4パスし、顔料・ワックス分散液5を得た。顔料・ワックス分散液5の固形分濃度は50[%]であった。
以下に、本発明のクリーニング装置30におけるクリーニング性向上、トルク低減効果を示す。なお、評価方法としては、特願2006−245041号公報に記載の画像形成装置において、クリーニング装置を以下の3種類に交換することによって比較を行った。
◎:実使用可能。バタツキ等の異音なし。すり抜けのトナーも無い。あっても下記「○レベル」のようにテープ転写し、白紙に貼ることにより、テープの汚れ度合いを肉眼で判別する方法では観測することができない。
○:実使用は可能なレベル。異音なし。スジの発生も無い又は弱いスジがある程度。すり抜けるトナーの発生が認められる。
△:実使用不可の可能性あり。異音の兆候が感じられる。幅が1[mm]以下のスジがA4横サイズの画像上に1〜10本程度発生。
×:実使用不可。異音や感光体の損傷の前兆(おそれ)が感じられる。全面スジ発生。
また、本実施形態によれば、上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸穴38を有する軸受け部35であり、支軸34と軸受け部35とは軸受け部35の半径方向に自由度を持って係合している。つまり、軸受け部35の軸穴38を、支軸34の径より部材精度や取り付け位置精度のバラツキや感光体101への均一な圧接力を確保した時の支軸側の位置ズレ分などを吸収出来る程度の大きさをもったバカ穴形状としているので、感光体101の接線方向及び法線方向のどの位置に対してのズレにも対応することができる。
また、本実施形態によれば、上記係合手段は支軸34であり、上記被係合手段は上記当接部の法線方向と略平行な方向に長軸を有する長穴39を有する軸受け部35であり、支軸34と軸受け部35とは軸受け部35の長軸方向に自由度を持って係合している。つまり、軸受け部35の軸穴を上記法線方向と平行な長穴形状とし、支軸34の径より、部材精度や取り付け位置精度のバラツキや感光体101への均一な圧接力を確保した時の支軸側の位置ズレ分などを、すべて上記法線方向と平行な方向での位置ズレ量として吸収できる程度の長さをもった長穴形状としている。これにより、上記当接部の接線方向及び法線方向のどの位置に対してのズレにも対応できる。また、上記接線方向に対して支軸は常に長穴39の縁(壁)に位置しているので、感光体101の駆動により支軸34が移動(振動)するのも抑制できる。
また、本実施形態の構成例1においては、ブレード31は、上記一辺に対して直交する方向に上記一辺を境に隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が、上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも、上記一辺に対して直交する方向の長さが長いものであり、上記一辺に対して直交する方向に上記上流面が伸びて上記上流側面の対向面が縮むようなブレード31の反りを規制する上記反り規制手段を、ブレード31における上記上流側面の対向面に固着し、ブレードホルダ32により上記反り規制手段を介してブレード31を保持している。従来のカウンタ方式は、当接辺を境に隣接する板状弾性部材の上流側面及び下流側面のうち、当接辺に対して直交する方向の長さが、下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が短い。これに対し、構成例1では、その逆で、当接辺に対して直交する方向の長さが、下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が長い。言い換えると、構成例1では、一般的な従来のトレーリング方式のように、当接辺に対して直交する方向の長さが下流側面の長さよりも上流側面の長さの方が長くなるようにブレード31を配置するが、そのブレード31を保持するブレードホルダ32の装置本体に対する支持部が、感光体101の表面上における当接部分の法線よりも感光体表面移動方向下流側に位置している。また、従来のカウンタ方式と同様に、感光体101との摩擦力によりブレード31が受ける力の少なくとも一部をブレードホルダ32を介して装置本体の支持部で真っ直ぐ受けることができる。よって、上記特許文献1に記載のクリーニング装置のようにトレーリング方式でバックアップ部材を備えたものに比べて、その構成が簡素であり、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、構成例1において上記反り規制手段は、感光体101の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記上流側面31aの対向面における上記下流側面31bとの境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されている。また、構成例2において上記反り規制手段は、感光体101の表面に近接する側の端部が、ブレード31の上記下流側面31bの対向面における上記上流側面31aとの境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されている。これにより、ブレード31の自由長が無くなるので、ブレード31の反りを有効に規制できる。
また、本実施形態によれば、ブレード31により加えられる感光体101の表面上における上記当接部の法線方向の押し付け力を高める付勢手段であるスプリング36または錘29を有している。つまり、ブレードホルダ32を上記当接部の法線方向から加圧するように、上記当接部の法線上にブレードホルダ背面端部にスプリング36や錘29などを設けている。これにより、ブレード31の上記一辺にロスを生じることなく加圧力を付勢することができるので、上記支持部にガタ(自由度)を持たせても、上記長手方向で圧接力を均一に付勢することができる。
また、本実施形態によれば、スプリング36や錘29などを、感光体表面移動方向に対して直交する方向つまり上記長手方向で同一線上に複数個設けることで、上記当接部の上記長手方向で所望の等分布荷重を得るため調整を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、感光体101上に形成した画像を最終的に記録材に転移させるプリンタ200などの画像形成装置での本体に着脱自在に構成され、少なくとも、感光体101と、感光体101上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段である本発明のクリーニング装置30とを一体に支持したプロセスカートリッジを用いることにより、上述したような効果に加え、装置本体への組み付けの際にブレード31と感光体101との位置精度を良好に保つことができ、また、感光体101と一体でクリーニング装置30も交換可能となっているので、ユーザでも容易に位置精度を保ったまま交換できるなど、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、本実施形態によれば、感光体101上に形成した画像を最終的に記録材に転移させるプリンタ200などの画像形成装置において、本発明のクリーニング装置30を個別にまたは上記プロセスカートリッジとして装置本体に設けることにより、上述したような効果を得ることができるので、感光体101を良好にクリーニングでき、高画質の画像を形成することができる。
また、本実施形態によれば、感光体101は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられているため、感光体101の耐摩耗性が向上し、小粒径・球形トナーをクリーニングするために大きな圧接力でブレード31を感光体表面に当接させても、感光体101が摩耗するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3[μm]以上7[μm]以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いている。このような形状のトナーを用いたとしても、本発明のクリーニング装置30を用いることにより、上述した効果が得られるので、クリーニング性能を良好に維持することができる。また、上記形状のトナーを用いることで、画像の高画質化が達成できる。
また、本発明は、感光体101用のクリーニング装置30だけでなく、感光体101以外の表面移動部材、例えば中間転写ベルト162の表面に付着した転写残トナー等の付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。また、感光体101や中間転写ベルトのような像担持体に限らず、表面に記録材を担持してこれを搬送する記録材搬送部材の表面に付着したトナーや紙粉などの付着物を除去するためのクリーニング装置にも適用できる。そのほか、本発明は、表面に付着した付着物を除去することが必要となるあらゆる表面移動部材用のクリーニング装置に適用できる。もちろん、その表面移動部材は、ドラム状のものであってもベルト状のものであってもよく、表面が移動する部材であればどのようなものであってもよい。ただし、ベルト状の表面移動部材用のクリーニング装置の場合、そのベルトを支持する支持ローラとブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するのが一般的であるが、ベルト内周面側に平板部材等のバックアップ部材を配置し、そのバックアップ部材とブレードとの間にベルトを挟み込むようにクリーニング装置を配置するようにしてもよい。また、本実施形態のようにクリーニング対象が感光体101の場合、その感光体101は、有機感光体でも、非晶質シリコン系感光体101でも、有機感光体表面に架橋構造を有するバインダー樹脂からなる保護層が設けられた感光体101でもよく、あらゆる感光体101に対するクリーニング装置30として本発明は適用可能である。クリーニング対象が中間転写ベルト162の場合、その中間転写ベルトは、耐熱性・伸縮性を考慮したポリイミド系の中間転写ベルトでも、ポリエチレン系材料を用いた中間転写ベルトでも、フッ素系・ゴム系の中間転写ベルトでも、よく、あらゆる中間転写ベルトに対するクリーニング装置として本発明は適用可能である。
なお、ここで説明した様々な応用例においては、上記実施形態で説明した感光体101用のクリーニング装置30の構成をほとんどそのまま利用でき又はその応用例に応じて適宜修正したものを利用できる。
10 給紙カセット
20 給紙路
29 錘
30 クリーニング装置
31 ブレード
32 ブレードホルダ
32A 長手部
32B 短手部
33 枠体
34 支軸
35 軸受け部
37 調整ネジ
38 軸穴
39 長穴
40 転写搬送ユニット
50 定着装置
60 搬送ローラ対
61 搬送ローラ対
62 レジストローラ対
63 排紙ローラ対
70 潤滑剤塗布装置
71 固形潤滑剤
72 加圧バネ
73 ブラシローラ
74 引き伸ばし部材
80 現像装置
91 除電装置
100 プロセスカートリッジ
101 感光体
110 帯電装置
Claims (12)
- 長尺な板状弾性部材と、
該板状弾性部材を保持する保持部材と、
該保持部材に設けられた被係合手段と、
該被係合手段に係合する、装置本体に支持された係合手段と、
該板状弾性部材における長尺方向に延びる一辺が表面移動部材表面移動方向と直交するように該板状弾性部材を表面移動部材の表面にに押しつけて、該表面移動部材の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、
該板状弾性部材を該表面移動部材の表面に押しつけることによって生じる該板状弾性部材の反りを規制する反り規制手段を有し、
該保持部材は該反り規制手段を介して該板状弾性部材を保持しており、
該係合手段と該被係合手段とは該保持部材が装置本体に対して変位可能なように自由度を持って係合するように構成されており、該係合手段は、該板状弾性部材が当接した部分の表面移動部材表面の法線よりも該表面移動部材の表面移動方向下流側で装置本体に配設されることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1のクリーニング装置において、
上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は円形状に開口した軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の半径方向に自由度を持って係合することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1のクリーニング装置において、
上記係合手段は支軸であり、上記被係合手段は上記法線と略平行な方向に長軸を有する長穴形状の軸受け部であり、該支軸と該軸受け部とは該軸受け部の長軸方向に自由度を持って係合するることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2または3のクリーニング装置において、
上記板状弾性部材は、上記一辺を境に直交して隣接する2つの面のうち、上記表面移動方向上流側に位置する上流側面の方が上記表面移動部材の表面移動方向下流側に位置する下流側面よりも該一辺に対して直交する方向の長さが長いか同じものであり、
上記反り規制手段に該板状弾性部材における該上流側面の対向面を固着したことを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項4のクリーニング装置において、
上記反り規制手段は、上記表面移動部材の表面に近接する側の端部が、上記板状弾性部材の上記上流側面の対向面における上記下流側面との境界辺と同じ位置または略同じ位置となるように構成されることを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項1、2、3、4または5のクリーニング装置において、
上記板状弾性部材から上記表面移動部材の表面上に加えられる上記法線と略平行方向の押し付け力を高める付勢手段を有することを特徴とするクリーニング装置。 - 請求項6のクリーニング装置において、
上記付勢手段を、上記板状弾性部材の長尺方向に複数個設けることを特徴とするクリーニング装置。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置の本体に着脱自在に構成され、少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持したプロセスカートリッジにおいて、
該クリーニング手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7のクリーニング装置を用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するクリー二ング手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 表面移動部材である像担持体上に形成した画像を最終的に記録材に転移させる画像形成装置において、
少なくとも、該像担持体と該像担持体上に付着した不要な付着物を除去するためのクリーニング手段とを一体に支持した、装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジを有しており、
該プロセスカートリッジとして、請求項8のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9または10の画像形成装置において、
上記像担持体は、架橋構造を有するバインダー樹脂の構造中に、電荷輸送部位を有する保護層が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項9、10または11の画像形成装置において、
上記画像を構成するトナーとして、平均円形度が0.93以上であること、体積平均粒径が3μm以上7μm以下であること、体積平均粒径と個数平均粒径との比が1.00以上1.40以下であること、形状係数SF−1及びSF−2がそれぞれ100以上180以下であること、長軸と短軸との比が0.5以上1.0以下であること、厚さと短軸との比が0.7以上1.0以下であること、長軸≧短軸≧厚さの関係を満足すること、のいずれか1つ以上を満たすトナーを用いることを特徴とする画像形成装置。
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