JP2649043B2 - 井戸ポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、吸水管を樹脂で製作する井戸ポンプ に関
する。

「従来の技術」 井戸ポンプは、ポンプ部分に吸水管と吐出管とを備え
ているが、いずれもパイプ状に形成されるものであり、
配管に接続されるようにフランジが取り付け可能に構成
されている。さらに、吸水管は、逆止弁が内装されるこ
とが多く、ポンプ側に逆止弁と他方の下端部分にフラン
ジを取り付け可能に構成するものである。

この様な複雑な構成になると、パイプ材を加工して構
成することが困難になり、鋳造品あるいは、樹脂の成形
品で構成されることが一般的である。そこで、吸水管が
鋳造品の場合は、加工に手間 を要するといった欠点を
伴うが、丈夫であるといった利点がある。

このため、加工の手間が少なくなる樹脂の成形品が望
まれるが、樹脂の場合、鋳造品に比較して強度が不足す
るといった問題を有している。

特に、配管が備えられることによって配管から受ける
外力がパイプ状に形成される吸水管に作用して変形ある
いは折れる等の破損に至ることがあった。

また、フランジ取付けけ部が変形するとフランジとの
間に介在されるパッキングの水密性が損われて揚水がで
きなくなることがあった。

「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであ
り、吸水管を樹脂で構成する際、配管から受ける外力に
十分対抗できるよう構成される井戸ポンプを提供するこ
とを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 本発明は、樹脂で吸水管を形成すると共に下端部をＬ
字状に曲げて垂直面で形成されるフランジ取付け部を設
け、このフランジ取付け部の背部を支持すると共に吸水
管の背部で連なる平面を有する支持板を備え、この支持
板にバカ孔を形成して前記フランジを取り付けるボルト
を貫通させてこのボルトを締結し、かつこの支持板を前
記ベースに固定したことによって問題点を解決してい
る。

「作用」 フランジ部に配管の重量などの外力が加わると、フラ
ンジ部は下方へ曲げられ、締着されているパッキンとフ
ランジ及びパッキンとフランジ取付部との接触面の上部
の隙間が大きくなる方向に力がかかる。

しかし、２個のＬ形をした支持板を重ね合わせ、一方
の支持板を上向きにしてフランジ取付部に締着すること
により、吸水管の背部で連なる平面部が梁（はり）と同
じ作用をする。つまり、支持板の前記箇所「く」の字形
に変形しようとすると、前記平面部に引張りの力が作用
し変形しにくくなる。

この様に、フランジ取付部と接している支持板の平面
部を補強することにより、この面が変形しなくなり、フ
ランジとパッキン及びパッキンとフランジ取付部との接
触面の上部の隙間ができなくなる。

そして、フランジ取付部は、ベースとの位置関係が部
品の公差によって個々に僅かながら異な るが、支持板
にバカ孔を形成してフランジ取り付け用のボルトを貫通
しているため、ベースと吸水 管との位置関係にずれを
生じても公差を吸収でき、吸水管に不要なストレスを生
じることなく組立ができる。

さらに、フランジ取付け部の背部が支持板によって補
強されるため、曲がることがなく、フランジとの間に介
在されるパッキング水密性が損なわれるといったことが
なくなる。

「実施例」 この様な本発明を図面に示された一実施例に基づいて
説明すると、第１図は、本発明の一実施例による井戸ポ
ンプの正面図であり、第２図は、その要部縦断面図であ
り、第３図（ａ）、（ｂ）は、それぞれ支持板の構成を
示す部品図である。

第１図において、井戸ポンプは、ベース１の上部に電
動機２によって駆動されるポンプ３が備えられており、
このポンプ３の上部に空気分離室４が備えられ、空気分
離室４から吐出管５が垂下されており、さらにポンプ３
から吸水管６が垂下されて設けられている。

吸水管６は、樹脂の成形品で構成されており、上部に
逆止弁７が備えられており、下端部は、フランジ８を備
えるためのＬ字状に形成されたフランジ取付け部９が備
えられている。

そして、フランジ取付け部９背部には、支持板10が備
えられており、支持板10は、フランジ ８、パッキング
11、およびフランジ取付け部９と共にボルト12が貫通さ
れてナット13で締付 けられている。

第２図において、井戸ポンプは、支持板10が上下に組
合せられる２枚の支持板10a、10bで構成されており、一
方の支持板10aがフランジ取付け部９の背部と共に吸水
管６の上背部を支持している。

そして、他方の支持板10bは、バカ孔14が形成されて
おり、ボルト12の貫通によって位置が固定されないよう
に構成されている。

さらに、他方の支持板10bは、ベース１に固定されて
おり、それぞれの支持板10a、10bは、フランジ取付け部
９の背部で２枚が重ねられており、ナット13によって締
付けられいる。

第３図において、一方の支持板10aと他方の支持板10b
は、それぞれ同じ形状に構成されており、Ｌ字状に構成
されると共に一方の面にバカ孔14とボルト19の貫通用の
孔15が備えられ、他方の面にベース１への取付け用の孔
16が形成されている そして、支持板10は、それぞれ鋼板を折曲げて製作し
たものであり、本実施例のようにＬ字状に形成されたも
のを２個製作して組合せるか、または、コの字形に形成
した支持板１枚で構成しても良い。

この様な構成において、井戸ポンプは、ベース１の上
でポンプ３を組み立て、吸水管６を垂下して設ける。

そして、吸水管６は、下端部でフランジ取付け部９の
背部が一方の支持板10aと他方の支持板10bとの組み合せ
で構成される支持板10によって支持される。

この様な支持板10は、フランジ８に配管が施されてそ
の重量を受けるとフランジ側へ曲がるように変形しよう
とする。しかしながら、支持板10aの折曲部の近傍の取
付孔で取り付けられているので折曲部がリブまたは梁と
同じ作用をして取付面強度が増し、曲がりにくくなって
る。また、支持板を１個より２個にして２個の支持板を
重ね合わせることにより、この箇所の厚みが増し変形し
にくくなり外力に対抗することができる。

また、この様な支持板10を組み立てる場合、吸水管６
とベース１との間に生じる公差は、支持板10のバカ孔14
によって吸収されるため、容易に組立ができる。そし
て、バカ孔14によって吸水管６の組み立てにより生じる
ストレスをなくすることができ、樹脂で吸水管６を構成
しても破損などの問題を解消することができる。

「発明の効果」 本発明によれば、吸水管を樹脂で構成することがで
き、配管による外力を受けても破損することがなく、安
心して使用できる井戸ポンプを構成することができる。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明の一実施例による井戸ポンプの正面図
であり、第２図は、その要部縦断面図であり、第３図
（ａ）、（ｂ）は、それぞれ支持板の構成を示す部品図
である。 １……ベース、２……電動機、３……ポンプ、４……空
気分離室、 ５……吐出管、６……吸水管、８……フランジ、９……
フランジ取付け部、 10、10a、10b……支持板、14……バカ孔

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースの上部にポンプを備え、このポンプ
   から吸水管を垂下して設け、この吸水管の下端部に地表
   面と水平に接続される配管に対応するフランジを備える
   井戸ポンプにおいて、樹脂で吸水管を形成すると共に下
   端部をＬ字状に曲げて垂直面で形成されるフランジ取付
   け部を設け、このフランジ取付け部の背部を支持すると
   共に吸水管の背部で連なる平面を有する支持板を備え、
   この支持板にバカ孔を形成して前記フランジを取り付け
   るボルトを貫通させてこのボルトを締結し、かつこの支
   持板を前記ベースに固定したことを特徴とする井戸ポン
   プ。