JP2572854Y2 - マンホールポンプのガイドワイヤー調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、マンホール内でのポン
プの昇降を案内するガイドワイヤーの調整装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】マンホールに流入した水を揚水して送水
するためにマンホール内に設置されるポンプ（マンホー
ルポンプ）は、そのメンテナンスやその他の種々の必要
に応じてマンホールの底部から引き上げられたりマンホ
ールの底部に吊り下ろされたりする。この種のマンホー
ルポンプ設備において、ポンプの昇降を案内するための
ガイド部材にパイプ材を用いるものは知られていた。

【０００３】他方、この種のマンホールポンプ設備にお
いて、ポンプの昇降を案内するためのガイド部材とし
て、上記のパイプ材に代えてガイドワイヤーを用いるこ
とが試みられた。このものはガイドワイヤーをマンホー
ル内底部とマンホールの上部開口付近との間に張設する
という簡単な据付け作業を行うだけでガイド部材の設置
を行うことができ、パイプ材をガイド部材として用いる
場合に比べて据付け作業が簡略化され、また、価格的に
も安価になるなどの利点を有している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、ガイド部材
にガイドワイヤーを用いる場合、マンホール内でガイド
ワイヤーの下端部と上端部とを固定するためにどのよう
な構造を採用するかがガイドワイヤーの据付け作業性の
良否に大きく影響する。

【０００５】本考案は以上の状況の下でなされたもので
あり、ガイドワイヤーの上端部を固定するのに好適に用
いることのできるガイドワイヤー調整装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案によるマンホール
ポンプのガイドワイヤー調整装置は、マンホールの胴壁
コンクリート層の上端部とそのコンクリート層の上に配
置される蓋受け枠との間に、マンホール内に突出する取
付部材の基部が挾み込まれて固定され、この取付部材の
先端部に高さ位置可変にワイヤーホルダーが取り付けら
れ、このワイヤーホルダーに、マンホール内でのポンプ
の昇降を案内しかつ下端部がマンホール内底部に連結さ
れたガイドワイヤーの上端部が連結可能に構成されてい
るものである。

【０００７】

【作用】この構成であると、取付部材はその基部がマン
ホールの胴壁コンクリート層の上端部とそのコンクリー
ト層の上に配置される蓋受け枠との間に挾み込まれて固
定されるので、取付部材を短時間で容易に固定すること
が可能である。また、取付部材の先端部に取り付けられ
たワイヤーホルダーの高さ位置を変化させることによ
り、そのワイヤーホルダーに上端部が連結されるガイド
ワイヤーの長さが調整される。

【０００８】

【実施例】図１は本考案の実施例によるガイドワイヤー
調整装置Ａを用いてガイドワイヤー９を据え付けたマン
ホールの縦断正面図であり、１はマンホールの胴壁コン
クリート層、２はマンホール底部に設けられたインバー
ト、３は吐出曲管、４はポンプ（水中ポンプ）、５は揚
水管、６は逆止弁、７は吐出ヘッダー管、８は排水管、
１１は水の流入管であり、ポンプ４の吐出口が吐出曲管
３に接続されている。また、上記胴壁コンクリート層１
の上端部の上に鉄製の蓋受け枠１３が配置され、その蓋
受け枠１３にマンホール蓋１４が着脱される構成になっ
ている。

【０００９】このようなマンホールポンプ設備におい
て、流入管１１からマンホール内に流入した水は、イン
バート２の凹所２Ａに配置したポンプ４の吸込ベル４Ａ
から吸い込まれ、吐出口、吐出曲管３および揚水管５を
経て所定の高さに揚水され、その後、吐出ヘッダー管７
および排水管８を通して排水される。このマンホールポ
ンプ設備において、ポンプ４は２基が干渉しない位置に
設置されており、揚水ないし排水時には２基のポンプが
同時に、または別々に運転される。

【００１０】マンホールの上部開口１２の付近とマンホ
ール内底部たとえば上記インバート２との間に亘って２
基のポンプ４，４に各別にガイドワイヤー９，９が張設
されている。ガイドワイヤー９，９は各ポンプ４，４の
昇降を案内するために設けられている。

【００１１】図２および図３は本考案の実施例によるガ
イドワイヤー調整装置Ａの取付状態を示し、図４は後述
する取付部材１５を示している。このガイドワイヤー調
整装置Ａは、取付部材１５と、ワイヤーホルダー１６
と、それら両者の連結機構１７とを備えている。図４に
示したように、取付部材１５は平面視形状が略長四角に
なっており、コーナ部に長孔１８，１８を有する基部１
９が、図２のように胴壁コンクリート層１の上端部と蓋
受け枠１３との間に挾み込まれて固定されている。図例
では基部１９と蓋受け枠１３との間に所定枚数のスペー
サ２０…を介在させ、しかもスペーサ２０の周囲にモル
タル層２１を装填してある。

【００１２】図２のように取付部材１５の先端部はマン
ホール内に突出しており、その先端部に連結機構１７を
介してワイヤーホルダー１６が取り付けられているので
ある。連結機構１７は、上記取付部材１５に設けられた
孔部２２に挿通されたボルト体２３と、このボルト体２
３のねじ込まれてボルト体２３の頭部２３ａと共働して
取付部材１５を挾み付けている固定用ナット２４と、ボ
ルト体２３にねじ込まれた支持ナット２５および締付ナ
ット２６とを有している。

【００１３】ワイヤーホルダー１６は、頂部と左右両側
部とにそれぞれ筒体２７ａ，２７ｂ，２７ｂを備えた板
状のホルダー本体２８と、ホルダー本体２８から突出さ
れたブラケット２９とを備えており、ブラケット２９に
形成されている孔部（不図示）が上記ボルト体２３に挿
通されて支持ナット２５により支持され、かつ締付ナッ
ト２６により締付け固定されている。

【００１４】この実施例において、ポンプ４は２基設置
されており、ガイドワイヤー９は２基のポンプ４，４に
対応して各別に張設されている。したがって、取付部材
１５の先端部には左右に振り分けて連結機構１７，１７
が取り付けられ、それぞれの連結機構１７，１７にワイ
ヤーホルダー１６，１６が取り付けられている。また、
それぞれの連結機構１７には２本のボルト体２３，２３
を用いてその吊下げ強度を高めてある。なお、上記取付
部材１５には給電ケーブルやポンプ吊り鎖１０などを引
っ掛けておくためのフック３１，３２や、補強材３３…
などが設けられている。さらに、上記ホルダー本体２８
にも補強材３４が設けられている。

【００１５】以上説明した構成であると、ガイドワイヤ
ー調整装置Ａはその取付部材１５の基部１９をマンホー
ルの胴壁コンクリート層１の上端部と鉄枠でなる蓋受け
枠１３との間に挾み込んで固定されているので、その固
定作業を容易に行うことができる。また、締付ナット２
６を緩めて支持ナット２５を右または左に回すことによ
りホルダー本体２８の高さ位置を変更すると、ホルダー
本体２８とマンホール内底部のインバート２との間隔が
増減される。このため、図２や図３のようにホルダー本
体２８の筒体２７ａ，２８ｂ，２８ｂに上端部が通され
たガイドワイヤー９の上端部から下端部（インバート側
に連結されている）までの長さを無段階調節することが
可能である。

【００１６】なお、図３において一点鎖線Ｃ−Ｃは中心
線を示している。

【００１７】

【考案の効果】本考案にのガイドワイヤー調整装置は、
それ自体のマンホールへの取り付けを短時間で容易に行
うことができるという効果のみならず、ガイドワイヤー
の据付け作業や長さ調整の作業を容易に行うことができ
るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例によるガイドワイヤー調整装置
を用いてガイドワイヤーを据え付けたマンホールの縦断
正面図である。

【図２】本考案の実施例によるガイドワイヤー調整装置
の取付状態を拡大して示す要部縦断側面図である。

【図３】本考案の実施例によるガイドワイヤー調整装置
の取付状態を拡大して示す要部縦断正面図である。

【図４】取付部材の平面図である。

【符号の説明】

Ａ ガイドワイヤー調整装置 １ 胴壁コンクリート層 ４ ポンプ ９ ガイドワイヤー １３ 蓋受け枠 １５ 取付部材 １６ ワイヤーホルダー １９ 取付部材の基部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 マンホールの胴壁コンクリート層の上端
   部とそのコンクリート層の上に配置される蓋受け枠との
   間に、マンホール内に突出する取付部材の基部が挾み込
   まれて固定され、この取付部材の先端部に高さ位置可変
   にワイヤーホルダーが取り付けられ、このワイヤーホル
   ダーに、マンホール内でのポンプの昇降を案内しかつ下
   端部がマンホール内底部に連結されたガイドワイヤーの
   上端部が連結可能に構成されているマンホールポンプの
   ガイドワイヤー調整装置。