JP2004138632A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yuka Miyamoto
宮本 由佳
Toshiyuki Kahata
加幡 利幸
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Abstract

【課題】可干渉光による感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像の発生及び、放電破壊によるポチ画像の発生のない感光体を用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体と、可干渉光による書込み画像を感光体に照射する露光手段を有し、感光体と帯電器との間隔が100μm以下である、画像形成を行う画像形成装置において、感光体が基体上に少なくとも感光層を設けた感光体であって、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)及び(数3)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とする画像形成装置。
【数1】
Figure 2004138632

(ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
【数2】
Figure 2004138632

【数3】
Figure 2004138632

【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書き込み光にレーザー光のような可干渉光を用いる感光体、並びにそれを用いた画像形成装置及び画像形成装置カートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
書き込み光にレーザー等の可干渉光を用いた電子写真プロセスは、複写機、プリンター、FAX等のデジタル画像を形成する方法として広く用いられている。書き込み光に可干渉光を用いる電子写真プロセスでは、可干渉光の感光体層中での干渉により、画像に濃淡縞が生じてしまう問題があり、2nd=mλ(n:書き込み光の波長における電荷輸送層の屈折率、d:電荷輸送層の膜厚、λ:書き込み光の波長、m:整数)の関係を満たすとき光が強められて濃淡縞が発生することが知られている。即ち、例えばλ=780nm、n=2.0とすると、電荷輸送層の膜厚が0.195μm変動する毎に一組の濃淡縞が発生することになる。電荷輸送層の膜厚偏差を画像形成域全体について0.195μm以下とすることは経済性の面で大変困難であるため、種々の方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開昭57−165845号公報(特許文献1)では、a−Siを電荷発生層に用いた感光体において、アルミニウム基体上に光吸収層を設けて、アルミニウム基体での鏡面反射をなくすことにより、濃淡縞の発生を防ぐ感光体が開示されている。a−Siのように感光体の層構成がアルミニウム基体/電荷輸送層/電荷発生層のような感光体には大変有効であるが、多くの有機感光体で見られるようなアルミニウム基体/電荷発生層/電荷輸送層の構成の感光体では効果は少なかった。
【0004】
特開平7−295269号公報(特許文献2)では、アルミニウム基体/下引層/電荷発生層/電荷輸送層の層構成の感光体において、アルミニウム基体表面に光吸収層を設けて濃淡縞を防止する感光体が開示されているが、濃淡縞の発生を完全に抑えることができなかった。
【0005】
特公平7−27262号公報(特許文献3)には、円筒状基体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピークに副ピークを重畳された凸状形状である基体を用いた感光体と、前記主ピークの1周期の大きさより小さい径で可干渉光を露光するための光学系を備えた画像形成装置が開示されている。この画像形成装置は、より限定された一部の感光体については濃淡縞が解消される場合があるものの、円筒状基体の中心軸を含む面で切断した凸部の断面形状が主ピークに副ピークを重畳された凸状形状である基体を用いた感光体の中にも濃淡縞を発生させるものは多数あった。
【0006】
特開平10−301311号公報(特許文献4)には、波長が650nm以上の書き込み光に対して、濃淡縞が発生しないように、基体表面の断面曲線のRy(中心線平均粗さ)を書き込み光の波長の1/2以上にした感光体が開示されている。しかしながら、この感光体は、画像形成装置の解像度が低い場合、あるいは書き込み光のスポット径が比較的大きい場合は、濃淡縞を抑えられることが多いのであるが、画像形成装置の書き込み画像の解像度を高くするために、書き込み光のスポット径を小さくすると、濃淡縞が発生する場合が多々あった。Ryによる表面粗さの表現は、断面曲線を構成する多数の波が、同程度の振幅の波から構成される場合には有効であるが、多くの基体表面の断面曲線にはさまざまな振幅、多数の波長の数多くの波が重畳されている。しかし、Ryは振幅の大きな以外は殆ど相殺して算出されるため、微細な凹凸の大きさを表現するためのパラメータとしては適切でないものと思われる。
【0007】
従来から用いられている他の表面粗さのパラメータ(Rmax(最大表面粗さ)、Rz(10点平均粗さ)等)においても、濃淡縞を完全になくすための条件を定めることができず、特に、画像形成装置の書き込み画像の解像度が高くした場合には、濃淡縞の問題が発生することが多い。
【0008】
基体表面粗さだけでなく、中間層や感光体最表面の表面粗さを規定したものも開示されている。
特開2001−265014号公報(特許文献5)には、濃淡縞の感光層の基体側界面の断面曲線をフーリエ解析により規定した感光体が開示されている。フーリエ解析による断面曲線の規定は非常に適切であり、実際、この感光体は濃淡縞の発生をほぼ完全に抑制することが出来る。しかしながら、近年の環境問題に対する要求から、帯電時のオゾン、NOxなどの酸化性物質の発生が少ない感光体と帯電器との間隔が100μm以下に近接した帯電方式を用いた画像形成装置の場合は、放電破壊等によるポチ画像を発生する場合が多々あった。
【0009】
また、特開平6−138685号公報(特許文献6)には、導電性基体のRzを0.01〜0.5μmとし、かつ表面保護層のRzを0.2〜1.2μmとする感光体が開示されている。しかしながら、表面保護層は一般にホール移動度に劣るため、この感光体では、潜像画像の電位の上昇等の問題が生じやすく、また、帯電に伴うイオン種、酸化性あるいは還元性ガス、湿度等の影響によりボケ画像を引き起こしやすい。またRzについても濃淡縞を完全に抑制するための値を規定することはきわめて難しく、画像形成装置の書き込み光の解像度が高くなってくると濃淡縞等の異常画像が目立つようになる場合が多い。
【0010】
特開平7−13379号公報(特許文献7)には、モアレ等の濃淡縞を防止するため、中間層のRzを1.0μm以下、かつ表面保護層のRzを1.0μm以下とする感光体が開示されている。しかしながら、濃淡縞を防止するためには一定以上の表面粗さを設けることが有効であると思われるが、白点の画像欠陥を防止するための、それぞれの層の表面のRzの上限値は開示されているものの、モアレ等の濃淡縞を防止するために最低限必要なRzは開示されていない。
【0011】
特開平8−248663号公報(特許文献8)には、基体の表面粗さが0.01〜2.0μm、最外表面側の層の表面粗さが0.1〜0.5μmであり、最外表面側の層に平均粒径が0.05〜0.5μmの無機粒子が含有されている感光体が開示されているが、基体、最表面層の表面粗さがどのようなものかの規定はない。前述のように従来からの表面粗さのパラメータには、Rmax、Rz、Ryが知られているが、同一の固体表面を測定した断面曲線から得られる各パラメータの値は異なっており、測定長等の測定条件によっても大きく変化することは、一般によく知られていることである。基体の表面粗さ、表面保護層の表面粗さがJIS等にあるRzとしても、濃淡縞が発生する場合がかなりあり、濃淡縞を完全に防止できるものではなく、例え同一の表面粗さの感光体を用いても、画像形成装置の書き込み画像の解像度が変わると濃淡縞の発生状況が変わることが多かった。
【0012】
このように、濃淡縞の異常画像を確実に抑制する手段は残念ながら分からないものの、基体の表面を荒らしたり、感光体の表面を荒らすことによって、濃淡縞の発生をなくすことができる場合が多く、同じ感光体を用いても、画像形成装置の解像度、書き込み光の波長によって、濃淡縞の発生状況が変わるため、画像形成装置を変更する毎にトライアンドエラーにより感光体を設計しなおすことが実情であった。
【0013】
また、上述のように、感光体表面や導電性基体を荒らしすぎると放電破壊によるポチ画像を発生しやすくなるため、濃淡縞と放電破壊の双方を抑制する画像形成技術が求められていた。
【0014】
【特許文献1】
特開昭57−165845号公報
【特許文献2】
特開平7−295269号公報
【特許文献3】
特公平7−27262号公報
【特許文献4】
特開平10−301311号公報
【特許文献5】
特開2001−265014号公報
【特許文献6】
特開平6−138685号公報
【特許文献7】
特開平7−13379号公報
【特許文献8】
特開平8−248663号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、可干渉光による感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像の発生及び、放電破壊によるポチ画像の発生のない感光体、並びにそれを用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成装置用カートリッジを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、濃淡縞防止の原理について検討し、書き込み光がレーザー光等の可干渉光を用いた画像形成装置の場合には、濃淡縞を完全に消すことは非常に困難なため、逆に肉眼で認識できない非常に細かい濃淡縞を積極的に作れば結果として、全体としてみれば濃淡縞を目視で確認出来なくなると考えた。可干渉光の感光体層中での干渉は、感光層が前述の2nd=mλを満たす特定の厚みで発生する。そのため、感光体の基体あるいは基体側界面のどちらかに凹凸を設け、肉眼で認識できない微細な濃淡縞を積極的に設けることで、結果として濃淡縞を確認することが出来ないようにすることができる。
【0017】
しかし、感光体表面等に微細な凹凸を設けたさまざまな感光体のうち、濃淡縞が発生するものと発生しないものを、それぞれ従来のパラメータである、例えばRzで測定したところ、ほとんど差がなかったり、傾向が逆転してしまったり、濃淡縞に効果がある表面粗さの規定を行うことが出来なかった。
【0018】
本発明者らは、濃淡縞の発生しない感光体の表面状態を適切に規定することができるように、感光体表面の断面曲線を慎重に観察したところ、感光体表面の断面曲線は多数の波(波長、振幅の異なる多数の波)から構成されており、濃淡縞の発生状況には、感光体表面の断面曲線を構成する振幅の大きな波だけでなく、振幅の比較的小さな波も多大な影響を与えることを見出した。従来から用いられてきた表面粗さのパラメータ、例えばRyは、測定された断面曲線の最も高い山の高さと最も低い谷の高さの差であるため、微細な凹凸の情報を全く抽出することができない。Rzは断面曲線のうち、上位5点の山の高さの平均と下位5点の谷の高さの平均の差であり、断面曲線の平均的な凹凸を表すパラメータとしてしばしば用いられている。しかし、断面曲線を構成する波の数が非常に多くなると、上位5点の山、下位5点の谷では抽出する波の数が少なすぎ、やはり断面曲線を適切に表現することができない。本発明者らが注目した濃淡縞の発生しない感光体では、まさに、非常に多くの波を有するものがほとんどであるため、やはりRzでは断面曲線を適切に表現することができなかった。また、Raは、断面曲線が振幅の大きな波のみで構成される場合には、断面曲線の平均的な凹凸の大きさを適切に表すことができる。しかし、振幅の大きな波に重畳された微細な波は、Raの計算時に相殺され、Raに全く反映されない。従って、やはりRaでは断面曲線を適切に表現することができない。このように、従来からの表面粗さのパラメータは、振幅の大きな波に着目して断面曲線を表現しようとするものであって、振幅の小さな微細な波を全く考慮しておらず、濃淡縞の発生しない感光体の表面状態を適切に規定することができないものである。
本発明者らは、濃淡縞の発生しない感光体の表面状態を実現するためには、断面曲線を構成する全ての波の強さ(パワー)を規定すればよいことを見出し、本発明に至った。
【0019】
全体の波の強さが強いということは、感光体の表面全体が大きく変動していることを意味し、即ち十分にあれていることになり、発生する濃淡縞の間隔を十分狭くすることができ、濃淡縞画像は肉眼で判読することができなく出来る。
【0020】
しかし、感光体と帯電器との間隔が100μm以下に近接した帯電方式を用いた画像形成装置の場合は、あまり感光体表面や基体側界面の凹凸を設けすぎると、放電破壊等によるポチ画像を発生する場合があるため、放電破壊を起こさないためには出来るだけ荒さない方がよいことになる。
【0021】
そこで、本発明者らは、感光体表面及び感光層の基体側界面の双方に微細な凹凸を存在させ、双方を変動させてあげれば、充分に荒れることになることを見出し、濃淡縞と放電破壊の双方を抑制するための条件を検討した結果、帯電器と感光体とを100μm以下に近接した帯電方式を用いた場合には、画素内で確実に濃淡縞が発生できる範囲で、感光体表面及び感光層の基体側界面の粗さをできるだけ抑えれば、濃淡縞と放電破壊による異常画像を抑制することができることを見出し本発明に至った。
【0022】
即ち、本発明によれば、上記課題は下記の技術的手段により解決される。
(1)感光体と、可干渉光による書込み画像を感光体に照射する露光手段を有し、感光体と帯電器との間隔が100μm以下である、画像形成を行う画像形成装置において、感光体が基体上に少なくとも感光層を設けた感光体であって、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数7)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数8)及び(数9)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とする画像形成装置。
【数7】
Figure 2004138632
(ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
【数8】
Figure 2004138632
【数9】
Figure 2004138632
(2)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする前記(1)に記載の画像形成装置。
(3)感光体が、少なくとも導電性基体上に感光層を積層した感光体で、感光体表面に粒子が露出している感光体であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成装置。
(4)感光体の表面に露出する粒子の一次粒子径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする前記(3)に記載の画像形成装置。
(5)感光体の表面に露出する粒子が金属酸化物であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の画像形成装置。
(6)感光体の表面に露出する金属酸化物粒子が気相法により作製した酸化アルミニウムであることを特徴とする前記(5)に記載の画像形成装置。
(7)感光体の表面がポリカーボネート樹脂及び金属酸化物及び電荷輸送剤を含有することを特徴とする前記(3)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
(8)感光体の基体が、無切削ドラムあるいはベルトであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)感光体の基体が、平バイトにより切削したドラムであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)書き込み画像の解像度が1000dpi以上であることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)感光体表面に潤滑性物質を塗布しながら画像形成を行うことを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
(12)潤滑性物質がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする前記(11)に記載の画像形成装置。
(13)画像形成のための書き込み光の波長λ(μm)が700μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置。
(14)複数の画像形成のための書き込み光を同時に感光体に出力して画像形成を行うことを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の画像形成装置。
(15)多値方式による階調再現方式により書き込み画像を感光体に出力して画像形成を行うことを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の画像形成装置。
(16)感光体の電荷輸送層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(15)のいずれかに記載の画像形成装置。
(17)トナーの平均粒径が8μm以下であることを特徴とする請求項(1)〜(16)のいずれかに記載の画像形成装置。
(18)カラー画像形成可能であることを特徴とする前記(17)に記載の画像形成装置。
(19)感光体上に各色のトナー画像を形成後、中間転写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒体に中間転写ベルト上に積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことを特徴とする前記(18)に記載の画像形成装置。
(20)中間転写ベルトが弾性を有していることを特徴とする前記(19)に記載の画像形成装置。
(21)中間転写ベルト上に画像形成されうるトナー像の最大の厚みが30μm以上であることを特徴とする前記(20)に記載の画像形成装置。
(22)複数の感光体を有し、それぞれの感光体に、異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことを特徴とする前記(18)〜(21)のいずれかに記載の画像形成装置。
(23)前記(1)〜(22)のいずれかに記載の画像形成装置に使用される感光体であって、基体上に少なくとも感光層を設けてなり、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数10)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数11)及び(数12)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とする画像形成装置用感光体。
【数10】
Figure 2004138632
(ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
【数11】
Figure 2004138632
【数12】
Figure 2004138632
(24)前記(23)に記載の画像形成装置用感光体を用いた画像形成装置用カートリッジ。
前記(1)〜(7)においては、濃淡縞、ポチ画像の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能で、有害な酸化性物質の発生の少ない画像形成装置を提供することができる。
前記(8)〜(9)においては、安価な感光体基体を用いた感光体においても、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(10)〜(13)においては、高解像度の画像形成が可能でありながら濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(14)においては、画像形成速度が早い状態においても、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(15)においては、自然な画像形成が可能で、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(16)においては、高精細な画像形成が可能でありながら濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(17)においては、高精彩で、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(18)においては、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
前記(19)においては、出力媒体を選ばず、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
前記(20)においては、画像の欠け、チリの発生がなく、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
前記(21)においては、鮮明な画像形成が可能な画像形成装置を提供することができる。
前記(22)においては、高速な画像形成が可能で、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能なカラー画像形成装置を提供することができる。
前記(23)においては、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置用感光体を提供することができる。
前記(24)においては、濃淡縞の異常画像の発生させない高画質の画像形成が可能な画像形成装置用カートリッジを提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の画像形成装置は、感光体と、可干渉光による書込み画像を感光体に照射する露光手段を有し、感光体と帯電器との間隔が100μm以下であり、かつ、その感光体が、基体上に少なくとも感光層を設けた感光体であって、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数13)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数14)及び(数15)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とするものである。
【数13】
Figure 2004138632
(ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
【数14】
Figure 2004138632
【数15】
Figure 2004138632
【0024】
上記式において、tは基準点から断面曲線のサンプリング点までの基準線方向の長さ位置である。断面曲線の高さx(t)は相対値であり、その基準値は例えば測定開始点の高さ、あるいは断面曲線のサンプリング長さの中央点における高さ等とすることが出来る。
【0025】
また、本明細書において「基準線方向」とは、凹凸がないとしたときの対象面(感光体の表面、感光層の基体側界面)と、該対象面の断面曲線を得るための切断面との交線の方向をいう。換言すれば、凹凸がないとしたときの感光体の表面を水平面に置いたときには、水平方向、つまり水平面内における1直線方向をいう。
【0026】
また、サンプリング方向は基本的には任意の方向とすることが出来るが、通常は画像形成のための書き込み光の主走査方向か副走査方向のいずれか一方が好ましく、例えばドラム状感光体の場合は図1に示すような主走査方向(長手方向)とすることが好ましい。また、感光体がベルトあるいはシートの場合には、図2に示すような感光体が移動する方向と直角の方向であることが好ましい。
【0027】
本発明の画像形成装置では、感光体表面のI(S)が5.0×10−3以下、感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下、感光体表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上とすることで、画像全体では肉眼で判別できるような濃淡縞を抑制することができ、放電破壊によるポチ画像を抑制することが出来る。感光体表面のI(S)及び感光層の基体側界面のI(S)は前述のように5.0×10−3以下、さらに好ましくは4.0×10−3以下、特に好ましくは3.0×10−3以下が好ましい。5.0×10−3より大きい場合は、濃淡縞は抑制できるが、放電破壊による黒ポチが発生しやすいため好ましくない。
【0028】
感光体表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和は、好ましくは3.0×10−3以上、さらに好ましくは3.5×10−3以上、特に好ましくは4.0×10−3以上である。I(S)の値が3.0×10−3未満では、表面全体の波のエネルギーが弱いため、濃淡縞の間隔が広がり、肉眼で認識されるようになり濃淡縞が目立ちやすくなり、異常画像として問題になることがある。
【0029】
感光体の表面の断面曲線の水平方向の長さをt[μm]としたとき、表面粗さx(t)[μm]は、不規則変動量であるが、どのような不規則変動も種々の周波数の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成して得られる。つまり、これはフーリエ変換により表現できる。
【数16】
Figure 2004138632
【数17】
Figure 2004138632
(上記式中kは波数[μm−1;1μmの長さ当たりの波の数]。フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x(t)に含まれる、波数k[すなわち波長で言うとλ=1/k[μm]の波の振幅]を表している。|X(k)|は、波数kの成分波のエネルギーを表している。)
【0030】
次に波数kとその成分波のエネルギー|X(k)|の分布関係(スペクトル)の考察を行う。
【数18】
Figure 2004138632
S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワースペクトルと定義する。
しかしながら実際は、断面曲線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳ではなく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。このため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分大きいTをとり、下式(数19)を計算すれば、実質的には、T→∞の極限をとったものと一致する。
【数19】
Figure 2004138632
【0031】
フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を用いるために以下のような変更がなされる。
【数20】
Figure 2004138632
(ここで、n,mは整数、ただし、Nは、表面粗さのサンプリング点数で、N=2の形で表される整数の必要がある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サンプリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係がある。)
【0032】
断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくなったり、存在すべき波を評価できなくなったりする。測定範囲Tは、Δt、Nの値により適切な値を選択する必要がある。本発明の画像形成装置に用いる感光体において、Δtは0.01〜50.00μm、好ましくは0.05〜40.00μm、より好ましくは0.10〜30.00μmである。サンプリング数Nが無限大であればΔtは小さいほど正確に断面曲線を再現できるため好ましいのであるが、Δtが0.01μm未満では、断面曲線を構成する全ての波をサンプリングできるように測定範囲Tを十分な大きさにするためには膨大な数のサンプリングが必要となり計算に負担がかかるため、結果的に測定範囲Tを小さくすることになってしまい、誤差が大きくなりやすい。Δtが50.00μmを超えると、感光体の特性に関係する多くの波を抽出することができなくなり、好ましくない。
サンプリング数Nは計算の負担を考えなければ、大きいほどよいが、実用的には、2048以上、好ましくは4096以上、より好ましくは8192以上であることが誤差を小さくできる上で好ましい。
【0033】
本発明者らは、本発明の画像形成装置に用いる感光体における感光体表面のサンプリング点数N及びΔtの各組み合わせについてそれぞれパワースペクトルを求め検討した結果、本発明の実施例に用いられているサンプリング間隔Δt=0.31[μm]のとき、N=4096では、パワースペクトルは十分に収束していることを確認した。
【0034】
具体的な離散的なフーリエ変換でのパワースペクトル導出には、以下の計算を行う。
【数21】
Figure 2004138632
【0035】
下記数(22)で表される値は、測定された断面曲線の全エネルギーを表している。しかしながら、この値は、測定条件により変化してしまう。そのため、Nで規格化したI(S)は不偏的なパラメータとして用いることが出来る。すなわちI(S)は、下式(数23)により算出することができる。
【数22】
Figure 2004138632
【数23】
Figure 2004138632
【0036】
この積分値もΔt=0.31[μm]のときは、N=4096ならば、数%誤差内に収束することが確認されている。
【0037】
別の見方をすれば、感光体の表面の表面粗さの測定値のサンプリング間隔(実空間)Δt[μm]、パワースペクトルのサンプリング間隔(逆空間)Δn=1/(N・Δt)[μm−1]となるが、これは、断面曲線の高さx(t)の定義域が、T=N・Δtの区間であることによるためで、逆空間でのΔn=1/(N・Δt)間隔のサンプル値のフーリエスペクトルにより、原信号x(t)が再現することを意味しており、ここで再現できる断面曲線の変動周期は、[シャノン(Shannon)のサンプリング定理によると]、2Δt程度である。現在考察している現象に関しては、この程度以上の変動周期の表面粗さが関与しており、Δt=0.31[μm]のサンプリング間隔で十分であるが、現象によってはさらに細かい周期の変動を考察対象とする必要がある。この時は、それに応じて、サンプリング間隔を短くすればよい。
【0038】
本発明における感光体の表面及び感光層の基体側界面の断面曲線の測定方法としては、光学的方法、電気的方法、電気化学的方法、物理的方法等、再現性がよく、測定精度が高く、簡便な方法であればどのような方法であっても良いが、光学的方法、物理的方法が簡便さの点で好ましく、中でも物理的方法で触針式による測定方法が、再現性、測定精度の点で最も好ましい。
【0039】
本発明の画像形成装置では、感光体と帯電器との距離を100μm以下、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは30μm以下とする。その下限は、接触している状態、すなわち0μmである。感光体と帯電器との距離が100μmを超えると、画像形成装置全体としてのオゾン、NOx等の酸化性物質の発生が激しく、環境を汚染するため、それらの酸化性物質を除去する装置を配置する必要がある。
【0040】
本発明の画像形成装置における感光体は、導電性基体上に少なくとも感光層を設けた感光体であり、必要により導電性基体と感光層の間に下引層を設けることができる。感光層は電荷発生層と電荷輸送層を順次積層した積層型であっても良いし、電荷発生層と電荷輸送層が一体となった単層形であっても良い。本発明の画像形成装置の感光体が単層型の場合、電荷輸送層の屈折率nは単層の屈折率を用いる。
【0041】
本発明の感光体の表面状態を抑制する方法としては、感光層表面を研磨剤、研磨紙(テープ)、研磨機(バフ研磨、サンドブラスト等)等による物理的加工、化学的、電気化学的粗面化、熱線照射、感光層を加熱し表面を粗面化した型への圧着、又は加熱した表面を粗面化した型を圧着する等の熱を利用した粗面化、感光体表面形成時の温湿度等の雰囲気を制御する方法、表面に粒子を含む層を形成し、感光体表面に粒子を露出させて感光体表面状態を制御する方法等が挙げられる。中でも機械加工、感光体表面に粒子を露出させる方法が、生産性、再現性の面で好ましく、特に感光体表面に粒子を露出させる方法が、表面は適度に荒れた理想的な表面状態を再現性よく実現することができる。また、画像形成において、感光体表面はクリーニングブレード等により削られ、表面状態が変化しやすい。感光体表面に粒子を露出させた感光体は、磨耗が少なく、作製したときの表面状態を比較的よく保持することができるため、画像形成を繰り返しても濃淡縞の異常画像で問題を起こすことが少ない。
【0042】
本発明の画像形成装置における感光体表面に粒子を露出させる粒子の粒径は0.01〜1.00μm、好ましくは0.05〜0.80μm、さらに好ましくは0.10〜0.60μmである。粒子の粒径が1.00μmを超えると、感光体表面が大きくうねり、ポチ欠陥や、画像のムラ、放電破壊を起こりうる可能性があるため好ましくない。また、粒径が0.01μm未満では適度な凹凸が感光体の表面に現れにくくなるため、濃淡縞を防止することができる表面状態を得ることが難しく、好ましくない。
【0043】
また、感光体の表面に含まれる粒子の屈折率は、電荷輸送層の屈折率の0.8〜1.2倍、好ましくは0.85〜1.15倍が好ましい。屈折率がこの範囲を外れると、書き込み光が粒子を通過するときの屈折が粒子のない領域での屈折と大きく異なってしまうため、書き込み画像の解像度が落ちやすく、好ましくない。
【0044】
感光体表面に含まれる粒子の例としては、書き込み光の吸収が少ない粒子であり、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、カーボネート樹脂等の有機高分子粒子及びこれら樹脂に電荷輸送機能を付与した樹脂粒子、金属酸化物粒子、ガラス、iカーボン、ダイヤモンドなどを例示することができるが、本発明の感光体の表面状態を適切に実現することができる酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化スズ、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の金属酸化物が好ましく、中でも屈折率が電荷輸送層に近く、化学的に安定な酸化アルミニウムが好ましく、特に感光体表面の強度を付与することができるα型酸化アルミニウムが最も好ましい。
【0045】
酸化アルミニウムは僅かの不純物で着色し、書き込み光を吸収したり、硬度が低下することがあるので、純度は3N以上、好ましくは4N以上、より好ましくは5N以上とするとよい。
【0046】
感光体表面への粒子の付与の方法としては、乾式法、湿式法いずれの方法も例示できるが、量産性にすぐれ、感光体の表面状態の制御が容易にできる湿式法が好ましく、感光体表面に粒子を含有する樹脂溶液を浸漬塗工法、リングコート法、ロールコート法、ダイコート法、ブレードコート法、スプレーコート法等により塗工液を塗布し、溶剤を除去することにより形成することができるが、特にスプレーコート法による塗布では、塗工液が液滴となって感光体表面に付着し、膜形成していくため、感光体表面を本発明の状態にする目的では大変好ましい。
【0047】
粒子を含有する樹脂溶液は、十分な強度と成膜性を有するものであれば特に制限はないが、潜像画像の電位上昇を防止するため、成膜した膜がホール移動度を有するものが好ましく、より好ましくは後述の電荷輸送層を形成する塗工液に粒子を含有させたものを塗工液として用いることが好ましい。
【0048】
粒子を含有する樹脂溶液において、金属酸化物粒子等は樹脂溶液に比べて比重が大きいことが多いため、増粘剤、チキソ剤を用いることが好ましい。また、樹脂溶液が電荷輸送材料を有している場合には、弱酸等のアクセプター材料を微量添加することで、溶液のチキソ性の付与、粒子の分散性を向上し、ホール移動度を向上させることにより潜像電位の上昇を防止することができる。
【0049】
また、以下に示すようないわゆるポリマードナーは耐摩耗性が高く、かつホール移動を持つため、これらポリマードナーを用いることが好ましい。
【0050】
【表1】
Figure 2004138632
【0051】
本発明の画像形成装置における感光層の基体側界面は、感光体が下引層を有する場合、感光層を形成することにより下引層の膨潤あるいは溶解が生じない限り、下引層表面の断面曲線を代用することができる。また、感光体が下引層を有しない場合には、感光層を形成することにより基体の膨潤あるいは溶解が生じない限り、基体表面の断面曲線を代用することができる。
【0052】
本発明の画像形成装置における感光体の電荷輸送層の屈折率nは電荷輸送層に用いられる材料及び電荷輸送層の作製方法により変化するだけではなく、書き込み光の波長によっても値は異なるため注意が必要であるが、本発明の感光体におけるnは1.2〜3.0、好ましくは1.3〜2.5、さらに好ましくは1.4〜2.2である。nが1.2以下ではシャープな静電潜像を得ることが難しく、3.0以上では感光体の感度が低くなる傾向にあり好ましくない。
【0053】
本発明の画像形成装置における書き込み光は1本の出力であっても、複数の出力であってもかまわないが、画像形成の速度が速く、複数の出力であることが好ましい。特に書き込み光が複数の出力の場合は、各書き込み光のスポットの端が互いに重なることが多いため、本発明の画像形成装置のように感光体表面を適切な状態にしておかないと、濃淡縞の異常画像が発生してしまう。
【0054】
本発明の画像形成装置における感光体の導電性基体としては、銅、アルミニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等の金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム状あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸化錫、酸化インジウム等をプラスチックフィルム等に真空蒸着、無電解メッキ等によって付着させたベルトを例示することができる。
【0055】
前述のように感光体の導電性基体表面を研磨剤、あるいは切削機で荒らしたものにおいても本発明の画像形成装置では濃淡縞の異常画像を発生させることはないが、特に製造コストが低く抑えることのできる無切削管やベルト、平バイトを用いて作製した切削管などは、導電性基体表面の凹凸がほとんどないあるいは小さい場合があり、濃淡縞の問題が生じやすかったが、本発明の画像形成装置では、感光体に起因した濃淡縞を発生することがない。
【0056】
本発明の画像形成装置における感光体の下引層としては樹脂、あるいは白色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性基体表面を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好ましい。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂、これらの中の一種あるいは多種の混合物を例示することができる。
【0057】
本発明の画像形成装置における感光体に用いる電荷発生剤としては、例えば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系染料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料を使用することができ、電荷発生剤は一種あるいは多種を、結着樹脂を用いて電荷輸送層を形成する。
【0058】
本発明の画像形成装置における感光体に用いる電荷輸送材料としては、例えば、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テトラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフェニルメタン誘導体等の一種あるいは多種を混合して使用することができる。
【0059】
上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であり、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは多種の結着樹脂の混合物を挙げることができるが、特にこれらのものに限定されるものではない。
【0060】
本発明の画像形成装置は、書き込み光の干渉による濃淡縞の異常画像を形成しないため、複写機、プリンター、FAX等の画像形成装置に用いることができる。
本発明の画像形成装置に感光体を搭載する場合、感光体を単に一部品として組み込むことも可能であるが、感光体と帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在とした、所謂プロセスカートリッジとして用いることが、作像手段の保守、交換が容易に行うことができるため大変好ましい。
【0061】
画像形成を繰り返しても、組み付け時の感光体表面の状態を維持する方法としては、前述のように感光体表面に粒子を露出させたり、感光体表面に保護層を設けて、感光体の耐磨耗性を向上させる方法、クリーナーレスシステムのようなクリーニングブレードを用いない画像形成方法、潤滑性物質を感光体表面に塗布しながら画像形成を行う方法が例示でき、特に感光体表面に粒子を露出させる方法、潤滑性物質を感光体表面に塗布しながら画像形成を行う方法及びこれらを組み合わせて用いる方法が画像形成を繰り返しても感光体表面の表面状態を良好な状態に維持し、高画質の画像形成が可能であり好ましい。
【0062】
また、画像形成を繰り返して感光体表面が変化しても、感光体表面の断面曲線のI(S)が本発明の範囲内に維持する方法としては、例えばブレード、ブラシ等により感光体表面を強制的研摩し、感光体表面状態を調整する方法が例示することができる。
【0063】
潤滑性物質を感光体表面に塗布しながら画像形成を行う方法における潤滑性物質としては、書き込み光の吸収が少なく、画像形成に支障のないよう微粉末あるいは膜状になりやすい物質であり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、高級脂肪酸のアルカリ金属以外の、亜鉛やアルミニウムなどの金属塩からなる金属石鹸、オイル類を例示することができるが、金属石鹸が感光体の表面状態を維持する上で好ましく、中でもステアリン酸亜鉛は感光体表面に微粉末として膜状に塗布することが比較的容易なため、感光体の表面状態を維持することが容易で最も好ましい。
【0064】
次に図面を用いて本発明の画像形成装置を詳しく説明する。
図3は、潤滑性物質として固形潤滑剤のステアリン酸亜鉛を用いた本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すものである。まず、この画像形成装置の概略的な構成について説明する。図3において、感光体13は、矢印方向に回転駆動されながら、その表面が帯電器16により一様に帯電される。次いで、この感光体13は、その回転方向の該帯電器16の下流側部位の露光部において、図示しない露光手段により画像光23を照射される。これにより、該画像光23が照射された部位の感光体表面の電荷が消失して、該感光体13の表面に、該画像光に対応した静電潜像が形成される。
【0065】
上記露光部の下流部位には、現像手段としての現像器19が配設されており、該現像器19内には、現像剤としてのトナーが収容されている。該トナーは、アジテータ18により撹拌混合されて所定の極性に摩擦帯電された後、現像ローラ17によって、該現像ローラ17と感光体13とのニップ部(現像領域)に搬送される。この現像領域に搬送されたトナーは、図示しない現像バイアス印加手段により該現像領域に形成された現像電界によって、該現像ローラ17の表面から感光体13の表面側に移動されて該感光体表面に付着し、該感光体表面に形成された静電潜像をトナー像化(可視像化)する。
【0066】
このようにして感光体13上に形成されたトナー像は、上記現像器19の下流側の、該感光体13に対して近接して配設された転写手段としての転写搬送ベルト20と該感光体13とのニップ部(転写部)により、図示しない給紙手段により該転写部に給紙された転写体としての転写紙上に転写される。そして、このトナー像が転写された転写紙は、該転写搬送ベルト20の回転方向下流側に配設された定着手段としての定着ローラ22により、該トナー像を定着された後、図示しない排紙手段により装置本体外の排紙トレイ上に排出される。
【0067】
一方、上記転写部において該転写紙上に転写されずに、該感光体13上に残留したトナー(残留トナー)は、上記転写部の感光体回転方向下流側に配設されたクリーニング手段としてのクリーニング装置10のクリーニングブラシ11及びクリーニングブレード14により、感光体13上から除去される。また、この残留トナーのクリーニング後の感光体13上に残留した残留電荷は、除電ランプ等からなる除電器21によって除去される。
【0068】
ところで、このような構成の画像形成装置においては、上記クリーニング装置10のクリーニングブラシ11を、感光体13の表面にステアリン酸亜鉛を付与するためのステアリン酸亜鉛付与手段として利用することが、該ステアリン酸亜鉛付与手段の設置に伴う装置の大型化やコストアップを回避する上で効果的である。そこで、本実施形態に係る画像形成装置では、下図に示すように、上記クリーニング装置10のクリーニングブラシ11に、ステアリン酸亜鉛の固形潤滑剤12を当接配置し、該クリーニング装置10のクリーニングブラシ11を用いて、該感光体13の表面に該ステアリン酸亜鉛を塗布するように構成した。この図3に示す例では、上記クリーニングブラシ11に該固形潤滑剤12を直接当接させた構成としたが、この固形潤滑剤12のステアリン酸亜鉛を感光体表面に塗布する構成としては、図4に示すように、上記クリーニングブラシ11に当接配置された塗布ローラ15の周面に、該固形潤滑剤12を当接配置し、該塗布ローラ15を介して、該クリーニングブラシ11にステアリン酸亜鉛を供給するように構成してもよい。
【0069】
ここで、この画像形成装置では、ステアリン酸亜鉛を主成分とする材料を溶融し、冷却固化させたものを固形潤滑剤12として用いた。この固形潤滑剤12は、クリーニングブラシ11のブラシ繊維によって約1μm程度のステアリン酸亜鉛の微粒子として削り取られ、該ブラシ繊維から感光体表面に塗布される。その後、該固形潤滑剤12の微粒子は、クリーニングブレード14の感光体13への当接圧力によって感光体表面に比較的強固に付着する。また、現像効率を考慮すると、感光体13上のステアリン酸亜鉛の塗布量は必要最小限にすることが望ましい。そこで、この画像形成装置では、ソレノイドなどを用いた接離機構(図示せず)によって、上記クリーニングブラシ11に対して上記固形潤滑剤12を接離可能に構成した。また、上記ブラシローラ11としては、炭素含有アクリル繊維による360デニール/24フィラメント、5万本/inch、毛足長さ5ミリ程度の直毛ブラシを用いた。このクリーニングブラシ11として、ブラシ繊維がループ状に形成されたループブラシを用いると、該ブラシ繊維による上記固形潤滑剤12の削り量が多くなり、感光体表面へのステアリン酸亜鉛の塗布量が過多になってしまうためあまり好ましくない。また、該直毛ブラシからなるクリーニングブラシ11の植毛密度や繊維の太さなどは、感光体13の線速、径、材質、及び上記固形潤滑剤12の材料などにより、該感光体13へのステアリン酸亜鉛の供給量が最適となるように決定される。
図3における点線で囲んだ部分は、前述のプロセスカートリッジを示し、感光体、帯電手段、現像手段、潤滑剤塗布手段、クリーニング手段が一体となっている。これにより、作像手段の保守、交換が容易に行うことができる。
【0070】
本発明の画像形成装置に用いるトナーとしては、忠実で、高画質な画像形成を行う上では、平均粒子径が8μm以下、好ましくは7μm以下、さらに好ましくは1〜6.5μmである。トナーの平均粒子径が8μm以下であると、非常に高画質な画像形成が可能であるが、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成装置では、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の画像形成装置を用いた画像形成装置ではほとんど起きることはない。
【0071】
本発明の画像形成装置は、単色及び、多色、カラー画像形成いずれにおいても、濃淡縞の発生のない、高品質な画像形成が可能である。一般に、カラー画像は、単色の画像形成よりもより書き込み画像に忠実な画像形成を要求されることが多く、それぞれの色を重ね合わせて画像形成が行われるため、濃淡縞が発生する場合、感光体固有の情報が書き込み画像に重畳されて画像形成されるため、大変問題になりやすい。しかし、本発明の画像形成装置は、カラー画像形成においても、高品質の画像形成が可能である。
【0072】
本発明の画像形成装置における、カラー画像形成方法としては、複数の色のトナー像を感光体上に形成後、順次出力媒体(多くの場合紙)へ転写し画像形成を行う方法、あるいは複数の色のトナー像を感光体上に形成後、中間転写体上に各色のトナー像を順次積層し、積層しされたトナー像を出力媒体へ転写し画像形成を行う方法いずれも可能であるが、画像濃度が高い場合の画像品質の向上、色ずれの防止、転写効率の向上、出力媒体への柔軟な対応が可能な中間転写体を経由した画像形成、特に中間転写体として中間転写ベルトを経由した画像形成が形成される画像品質が高く好ましい。
【0073】
中間転写ベルトは、従来から弗素系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂等が使用されてきていたが、近年ベルトの全層や、ベルトの一部を弾性部材にした弾性ベルトが使用されてきている。
【0074】
樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写は以下の課題がある。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。
トナー層は一次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受け、トナー同士の凝集力が高くなる。トナー同士の凝集力が高くなると文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。
樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
【0075】
また、最近はフルカラー画像を様々な用紙、例えば和紙や意図的に凹凸を付けや用紙に画像を形成したいという要求が高くなってきている。しかし、平滑性の悪い用紙は転写時にトナーと空隙が発生しやすく、転写抜けが発生しやすくなる。密着性を高めるために二次転写部の転写圧を高めると、トナー層の凝縮力を高めることになり、上述したような文字の中抜けを発生させることになる。
【0076】
弾性ベルトは次の狙いで使用される。弾性ベルトは樹脂ベルトより硬度が低いため、転写部でトナー層、平滑性の悪い用紙に対応して変形する。つまり、局部的な凹凸に追従して弾性ベルトは変形するため、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ文字の中抜けの無い、平面性の悪い用紙に対しても均一性の優れた転写画像を得ることが出来る。
特に、中間転写ベルト上に形成されるトナー像の最大厚みが30μmを超えるような場合では、従来の弾性のない中間転写ベルトでは画像の中抜けの問題が生じやすかったが、弾性ベルトを用いた中間転写ベルトでは、そのような問題はほとんど発生することなく、高画質の画像形成が可能となる。
【0077】
弾性ベルトの樹脂としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE、PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0078】
また、弾性ベルトに使用される弾性材ゴム、エラストマーとしては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
【0079】
必要に応じて中間転写体に添加される抵抗値調節用導電剤に特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物が使用される。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
【0080】
中間転写体の表層材料に制限はないが、転写ベルト表面へのトナーの付着力を小さくして二次転写性を高めるものが要求される。たとえばポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、たとえばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上又は粒径を異ならせたものを分散させ使用することができる。
またフッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
【0081】
ベルトの製造方法は限定されるものではない。回転する円筒形の型に材料を流し込みベルトを形成する遠心成型法、表層の薄い膜を形成させるスプレー塗工法、円筒形の型を材料の溶液の中に浸けて引き上げるディッピング法、内型、外型の中に注入する注型法、円筒形の型にコンパウンドを巻き付け、加硫研磨を行う方法があるがこれに限定されるものではなく、複数の製法を組み合わせてベルトを製造することができるのは当然である。
【0082】
弾性ベルトとして伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特に製法に関わるものではない。
【0083】
伸びを防止する芯体層を構成する材料は、例えば、綿、絹などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フェノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維などの無機繊維、鉄繊維、銅繊維などの金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い織布状あるいは糸状のものができる。もちろん上記材料に限定されるものではない。
【0084】
糸は1本又は複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。
【0085】
一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり当然導電処理を施すこともできる。
芯体層を設ける製造方法は特に限定されるものではない、例えば筒状に織った織布を金型等に被せ、その上に被覆層を設ける方法、筒状に織った織布を液状ゴム等に浸漬して芯体層の片面あるいは両面に被覆層を設ける方法、糸を金型等に任意のピッチで螺旋状に巻き付け、その上に被覆層を設ける方法等を挙げることができる。
【0086】
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。又、伸縮量が大きくなることから画像に伸びちじみが大きくなること等から厚すぎることは好ましくない(およそ1mm以上)。
【0087】
弾性層の硬度の適正範囲は10≦HS≦65゜(JIS−A)である。ベルトの層厚によって最適硬度の調整は必要となる。硬度10゜(JIS−A)より下のものは寸法精度良く成形する事が非常に困難である。これは成型時に収縮・膨張を受け易い事に起因する。また柔らかくする場合には基材へオイル成分を含有させる事が一般的な方法であるが、加圧状態で連続作動させるとオイル成分が滲みだして来るという欠点を有している。これにより中間転写体表面に接触する感光体を汚染し横帯状ムラを発生させる事が分かった。
【0088】
このために表層を設けているが、完全に浸みだし防止効果を与えるためには表層は耐久品質等要求品質の高いものになり、材料の選定、特性等の確保が困難になってくる。これに対して硬度65゜(JIS−A)を超えるものは硬度が上がった分精度良く成形できるのと、オイル含有量を含まない、又は少なく抑えることが可能となるので、感光体に対する汚染性は低減可能であるが、文字の中抜け等転写性改善の効果が得られなくなり、ローラへの張架が困難となる。
【0089】
本発明のカラー画像形成においては、単一の感光体上に順次異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体へ順次積層する方法、あるいは複数の感光体上にそれぞれ異なる色のトナー像を形成後、出力媒体あるいは中間転写体への転写を行う方法が例示できるが、画像形成の高速化への高いニーズに対応して複数の感光体を用いることが好ましく、特に、高品質の画像形成を行う上では、複数の感光体に、それぞれ異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことできるタンデム型間接転写方式が大変好ましい。
【0090】
タンデム型の画像形成装置では、複数の感光体に各色のトナー画像を形成させるため、用いる感光体の表面の断面曲線のI(S)を本発明の範囲内としなければ、特定の色の濃淡縞が発生し、不自然な画像となるため、注意が必要である。
【0091】
図5は、タンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
【0092】
複写装置本体100には、中央に、無端ベルト状の中間転写体10を設ける。そして、図5に示すとおり、図示例では3つの支持ローラ14・15・16に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。
この図示例では、3つのなかで第2の支持ローラ15の左に、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17を設ける。
また、3つのなかで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡した中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの4つの画像形成手段18を横に並べて配置してタンデム画像形成装置20を構成する。
そのタンデム画像形成装置20の上には、図5に示すように、さらに露光装置21を設ける。
【0093】
一方、中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、二次転写装置22を備える。二次転写装置22は、図示例では、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成し、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写体10上の画像をシートに転写する。
二次転写装置22の横には、シート上の転写画像を定着する定着装置25を設ける。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てて構成する。
【0094】
上述した二次転写装置22には、画像転写後のシートをこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えてなる。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、このような二次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、シートの両面に画像を記録すべくシートを反転するシート反転装置28を備える。
【0095】
さて、いまこのカラー電子写真装置を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする。又は、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33及び第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0096】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14・15・16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写体10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
【0097】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
又は、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写体10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
【0098】
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。又は、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
【0099】
一方、画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0100】
ここで、レジストローラ49は一般的には接地されて使用されることが多いが、シートの紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
一般的に中間転写方式は紙粉が感光体にまで移動しづらいため、紙粉転写を考慮する必要が少なくアースになっていても良い。
また、印加電圧として、DCバイアスが印加されているが、これはシートをより均一帯電させるためDCオフセット成分を持ったAC電圧でも良い。
このようにバイアスを印加したレジストローラ49を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写体10からシートへの転写では、レジストローラ49に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。
【0101】
さて、上述したタンデム画像形成装置20において、個々の画像形成手段18は、詳しくは、例えば図6に示すように、ドラム状の感光体40のまわりに、帯電装置60、現像装置61、一次転写装置62、感光体クリーニング装置63、除電装置64などを備えてなる。
【0102】
本発明の画像形成装置の解像度は、制限されるものではないが、特に1000dpi以上、さらには1200dpi以上の高解像度のときにおいても優れた画像品質の画像形成が可能である。このような高解像度の書き込み画像では、感光体固有の情報も書き込み画像に重畳されて画像形成されやすいため、従来の感光体を用いた画像形成装置では、濃淡縞による異常画像が極めて起こりやすかったが、本発明の画像形成装置を用いた画像形成装置ではほとんど起きることはない。
【0103】
本発明の画像形成装置の書き込み光の波長は特に制限はないが、700nm以下、好ましくは675nm以下、特に好ましくは370〜600nmの高解像の書き込み画像を実現することができる短波長の書き込み光に対しても濃淡縞の異常画像を発生させることなく、本発明の画像形成装置は高解像度、高精細な画像品質の優れた画像形成が可能となる。
【0104】
本発明の画像形成装置の書き込み画像の階調再現方法としては、特に制限はないが、多値方式による階調再現方法においては、画素の濃度が多段階に設定されるため、従来の感光体を用いた画像形成装置では濃淡縞が目立ちやすく、特にパルス幅変調、パワー変調あるいはパルス幅変調とパワー変調を組み合わせた場合、その傾向が極めて高かった。しかし、本発明の画像形成装置を用いた画像形成装置では、多値方式による階調再現方法であっても、濃淡縞が発生することはない。
【0105】
本発明の画像形成装置の帯電時の感光体表面の電界強度は、1.8×10V/cm以上、好ましくは2.0×10V/cm以上、特に好ましくは、2.2×10V/cm〜4.0×10V/cmである。電界強度が低すぎると画質な画像形成が出来ず、高すぎると放電破壊等が起こりやすい。
【0106】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、これら実施例によって本発明は限定されるものではない。
【0107】
[実施例1〜2、比較例1]
アルミニウムドラムの表面を平バイトにより切削して、直径90mm、長さ352mm、厚さ2.5mmのアルミニウムドラムを3本作成した。
アクリル樹脂(アクリディックA−460−60(大日本インキ化学工業製))15重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエチルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボールミルで150時間分散し、下引層塗布液を作製した。アルミニウムドラムを上記下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま、乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ2.0μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。
感光体中心付近の下引層の断面曲線を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ1.3×10−3であった。
次にブチラール樹脂(エスレックBLS(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、これに下記構造式のトリスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで60時間分散した。
【化1】
Figure 2004138632
更にシクロヘキサノン210重量部を加え、5時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重量部の塩化メチレンに溶解した。
【化2】
Figure 2004138632
こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成した。
でき上がった感光体の表面を、ラッピングテープ(富士写真フィルム(株)製C−2000)により、15、30秒間ラッピングし、感光体を作製した。また、ラッピングを行わなかった感光体を比較例1とした。
作製した感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めた。その結果を表2に示す。
書き込み光の波長が780nm、書き込み画像の解像度が400dpiで、書き込み光のスポット径が70μm、パルス幅変調とパワー変調を組み合わせて12階調再現方式で、帯電器を直径12mmの導電性ゴムローラーに改造したimagio color 2800(リコー製)に作製した感光体を搭載した。全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した結果を表2に示す。
【0108】
【表2】
Figure 2004138632
【0109】
[実施例3、比較例2]
次に、実施例2、比較例1において、imagio color 2800を改造し、書き込み画像の解像度を600dpiにしたこと以外は実施例1、比較例1と同様にし、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力した。結果を表3に示す。
【0110】
【表3】
Figure 2004138632
【0111】
[実施例4]
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業製))3重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60(大日本インキ化学工業製))2重量部をメチルエチルケトン100重量部に溶解し、これに酸化チタン(CR−EL(石原産業製))20重量部加え、ボールミルで200時間分散し、下引層塗布液を作製した。
直径30mm、長さ340mm、厚さ約0.75mmのアルミニウム無切削管を上記下引層塗布液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま、乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ5.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。
感光体中心付近の下引層表面を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ1.1×10−3であった。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC製))2重量部を、メチルエチルケトン200重量部に溶解し、これに下記構造式(化3)のビスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで340時間分散した。
【化3】
Figure 2004138632
さらにシクロヘキサノン200重量部を加え、1時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに下記構造式(化4)の電荷輸送材料1重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.04重量部を8重量部のテトラヒドロフランに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成した。
【化4】
Figure 2004138632
次に前述の電荷輸送材料3重量部、純度4N、平均粒径0.3μm及び平均粒径0.1μmの酸化アルミニウムを1:1で混合したものを3重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート4重量部をシクロヘキサノン55重量部に溶解し、50時間分散し、さらにテトラヒドロフランを固形分が5%になるように希釈し追加分散した。この溶液を電荷輸送層上にスプレーコート法により塗工して、145℃で20分間乾燥して厚さ約3.3μmの最表面層を形成した。
作製した感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ2.9×10−3であった。
この作製した感光体を、書き込み光の波長が655nm、書き込み画像の解像度が600dpi、書き込み光のスポット径を60μm、感光体に帯電ローラを接触させて帯電させるように改造したimagio MF2200(リコー製)に搭載して画像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な白黒ハーフトーン画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。次に白色の画像を形成したところ、異常のない白色の画像が得られた。
【0112】
[比較例3]
実施例4において、1.5Rのバイトによりアルミニウムドラムを切削して作成した直径30mm、長さ340mm、厚さ約0.75mmのアルミニウムドラムを用いる以外は実施例4と同様に画像形成装置を作成した。
実施例4と同様に感光体中心付近の下引層を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ8.9×10−3であった。
また、感光体中心付近の感光体表面を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定距離5mmで感光体の断面曲線を測定した。測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ3.6×10−3であった。
実施例4と同様に全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な白黒ハーフトーン画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。次に白色の画像を形成したところ、画像全面に、約0.1μmの黒ポチが見られた。
【0113】
[比較例4、5]
実施例4において、最表面層を形成する塗工液中の酸化アルミニウムの平均粒径を0.3μmの代わりに1.1μmのものを使用したこと以外は、実施例4と同様に感光体を作製した。
また、最表面層を形成する塗工液中に酸化アルミニウムを添加しないものを作製した。
これらの下引層表面、感光体表面について、実施例4と同様に断面曲線を測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めた。
作製した感光体を用いて、実施例4と同様に画像形成装置を作製し、全面均一の白黒ハーフトーン画像、白色画像を出力した。結果を表4に示す。
【0114】
【表4】
Figure 2004138632
【0115】
[実施例5]
実施例4において、画像形成を600000枚行った後、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な白黒ハーフトーン画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められなかった。
感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=2500/8192μmの間隔で、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ4.6×10−3であった。
【0116】
[実施例6]
下記組成の混合物をボールミルポットに取りφ10mmアルミナボールを使用し20時間ボールミリングした。
Figure 2004138632
このミリング液にシクロヘキサノン(関東化学製)105.0重量部を加えさらに12時間ボールミリングして下引き層用塗布液を作製した。この塗布液を周長290.3mm、厚さ30μmのニッケルシームレスベルト(ビッカース硬度480〜510、純度99.2%以上)上にスプレー塗布し、135゜Cで25分間乾燥して、膜厚4.0μmの下引き層を形成した。
感光体中心付近の下引層表面を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=5000/8192μmの間隔で、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ3.8×10−3であった。
続いて下記の化I(リコー製)の電荷発生物質1.5重量部、化II(リコー製)の電荷発生物質1.5重量部、ポリビニルブチラール樹脂1.0部(エスレックBLS;積水化学製)、シクロヘキサノン(関東化学製)80.0重量部からなる混合物をボールミルポットに取りφ10mm瑪瑙ボールを使用し200時間ボールミリングした後、さらにシクロヘキサノン78.4部とメチルエチルケトン237.6重量部を加え電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液をスプレー塗布により下引層上に塗布後130℃で20分間乾燥し、厚さ0.12μmの電荷発生層を形成した。
次に下記組成の電荷輸送層塗工液を調整し、この塗布液をスプレーコート法により電荷発生層上にスプレー塗布し、140℃で30分間乾燥し、厚さ25μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 2004138632
この感光体ベルトを幅367mmに切断した。
【表5】
Figure 2004138632
次に、前述の電荷輸送材料(化III)2重量部、純度4N、平均粒径0.3μmの酸化アルミニウム3重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート4重量部、ポリマードナー(前述の化合物A)1重量部をシクロヘキサノン50重量部に溶解し、35時間分散し、さらにテトラヒドロフランを固形分が5%になるように希釈し追加分散した。この溶液を電荷輸送層上にスプレーコート法により塗工して、145℃で20分間乾燥して厚さ約3.5μmの最表面層を形成した。
感光体基体の端部から5mmの両側縁内面に、厚さ0.8mm、ゴム硬度70のウレタンゴムシート(DUS216−70A シーダム製)にアクリレート系粘着剤を設けた寄り止めガイドを貼り付け固定し、感光体を作製した。
感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=5000/8192μmの間隔で、N=8192個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ2.9×10−3であった。
作製した感光体を書き込み光の波長が655nm、書き込み画像の解像度が600dpiで、感光体と帯電ローラとの距離を20μmに固定して改造した画像形成装置(IPSiO Color 5000(リコー製)改造機)に搭載し、白黒ハーフトーン画像を出力した。
カラーの風景写真をスキャナで取り込み、カラーの画像形成を行ったところ、高画質の画像を得ることができた。
【0117】
[実施例7]
実施例6において、書き込み画像の解像度を1200dpiとする以外は実施例6と同様に画像形成装置を作製し、均一な白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一で高画質な画像が得られた。
画像形成を150000枚行った後、均一な白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一で高画質な画像が得られた。そのときの感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ3.5×10−3であった。
【0118】
[実施例8]
アルミニウムドラムの表面を平バイト及び2.5RのRバイトにより切削して、直径60mm、長さ352mm、厚さ2.0mmのアルミニウムドラムを4本作成した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL(大日本インキ化学工業製))3重量部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンG821−60(大日本インキ化学工業製))2重量部をメチルエチルケトン100重量部に溶解し、これに酸化チタン(CR−EL(石原産業製))20重量部加え、ボールミルで200時間分散し、下引層塗布液を作製した。
アルミニウムドラムを上記下引層塗布液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げて塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したまま乾燥室に移動させ、140℃で20分乾燥し、厚さ3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成した。
感光体中心付近の下引層表面を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=1250/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ2.8×10−3であった。
次にポリビニルブチラール樹脂(XYHL(UCC製))2重量部を、メチルエチルケトン200重量部に溶解し、これに下記構造式(化5)のビスアゾ顔料10重量部を加えてボールミルで340時間分散した。
【化5】
Figure 2004138632
さらにシクロヘキサノン200重量部を加え、1時間分散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成した。
さらに下記構造式(化6)の電荷輸送材料1重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート1重量部、シリコーンオイル(KF−50(信越化学工業製))0.04重量部を8重量部のテトラヒドロフランに溶解した。こうして得られた電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬塗工し、120℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上に厚さ約10.5μmの電荷輸送層を形成した。
【化6】
Figure 2004138632
次に前述の電荷輸送材料3重量部、純度4N、平均粒径0.3μmの酸化アルミニウム3重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート4重量部をシクロヘキサノン50重量部に溶解し、24時間分散し、さらにテトラヒドロフランを固形分が5%になるように希釈し追加分散した。この溶液を電荷輸送層上にスプレーコート法により塗工して、145℃で20分間乾燥して厚さ約3.2μmの最表面層を形成した。同様にして、計4本感光体を作製した。
作製した感光体中心付近の場所を、表面粗さ計(サーフコム1400A)にて測定し、測定した断面曲線を、基準線方向にΔt=2500/4096μmの間隔で、N=4096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行い、パワースペクトルを算出し、I(S)を求めたところ4.2×10−3であった。
これらの作製した感光体を、書き込み光の波長が655nm、書き込み光のスポット径を48μm、書き込み画像の解像度を1200dpi、トナーの平均粒子径を7μm、感光体と帯電ローラとの間隔は20μmと固定した、図5の画像形成装置(リコー製)に搭載して画像形成装置を作製した。
中間転写ベルトは、弾性のほとんどない、PVDF系ゴムを用いた。
各トナー色で均一なハーフトーン画像を出力したところ、全て均一な画像が得られた。
カラーのアニメセルをコピーしたところ、凝視しなければほとんど判別不能であるが、画像濃度の高い部分の周辺を拡大鏡で拡大すると、画像の一部がかけている部分が存在したが、実使用上は問題のない画像形成が可能であった。
なお、このアニメセルのコピーで、中間転写ベルト上に形成されるトナー像の厚みの最大値は34μmであり、前述の画像が一部かけている部分は、トナー像の厚みが30μm以上の場所で多かった。
【0119】
[実施例9]
ポリフッ化ビニリデン(PVDF)100重量部に対してカーボンブラック18重量部、分散剤3重量部、トルエン400重量部を均一に分散させた分散液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温にて乾燥をさせ、75μmのPVDFの均一な膜を形成した。75μmの膜が形成されている型を繰り返し上記条件で溶液に円筒形の型を浸け、10mm/secで静かに引き上げ、室温乾燥させ、150μmのPVDFベルトを形成した。ポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、カーボンブラック20重量部、分散剤3重量部、MEK500重量部を均一分散させた分散液に上記150μmPVDFが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い、狙いの150μmのウレタンポリマー層を形成させた。
さらに表層用にポリウレタンプレポリマー100重量部、硬化剤(イソシアネート)3重量部、PTFE微粉末粉体50重量部、分散剤4重量部、MEK500重量部を均一分散させた。
上記150μmのウレタンプレポリマーが形成されている円筒形型を浸け、30mm/secで引き上げを行い、自然乾燥を行った。乾燥後繰り返しを行い、5μmのPTFEが均一に分散されたウレタンポリマーの表層を形成させた。室温で乾燥後130℃、2時間の架橋を行い、樹脂層;150μm、弾性層;150μm、表層;5μmの3層構成転写ベルトを得た。
この弾性中間転写ベルトを用いる以外は実施例8と同様にして画像形成装置を作製し、実施例8で用いたアニメセル画をコピーしたところ、画像濃度の高い部分の周辺を拡大鏡で拡大しても、画像欠陥が全く見つからず、極めて高画質の画像が得られた。
【0120】
【発明の効果】
本発明によれば、前記構成を採用したので、可干渉光による感光体中での多重反射により発生する濃淡縞画像の発生及び、放電破壊によるポチ画像の発生のない感光体、並びにそれを用いた高品質な画像形成が可能な画像形成装置及び画像形成装置用カートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドラム状感光体の場合の好ましいサンプリング方向の説明図である。
【図2】ベルト状あるいはシート状感光体の場合の好ましいサンプリング方向の説明図である。
【図3】本発明による画像形成装置の一構成例を示す図である。
【図4】潤滑性物質を感光体表面に塗布しながら画像形成を行う画像形成装置の別例を示す図である。
【図5】タンデム型間接転写方式のカラー画像形成装置を示す図である。
【図6】図5のタンデム型画像形成装置における個々の画像形成手段の構成例を示す図である。
【符号の説明】
(図3、図4)
10 クリーニング装置
11 クリーニングブラシ
12 固形潤滑剤
13 感光体
14 クリーニングブレード
15 塗布ローラ
16 帯電器
17 現像ローラ
18 アジテータ
19 現像器
20 転写搬送ベルト
21 除電器
22 定着ローラ
23 画像光
(図5、図6)
10 中間転写体
14、15、16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 帯電器
20 タンデム画像形成装置
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 感光体
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路
47 搬送ローラ
48 給紙路
49 レジストローラ
50 給紙ローラ
51 手差しトレイ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排紙トレイ
59 レジストローラ
60 帯電装置
61 現像装置
62 一次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (24)

  1. 感光体と、可干渉光による書込み画像を感光体に照射する露光手段を有し、感光体と帯電器との間隔が100μm以下である、画像形成を行う画像形成装置において、感光体が基体上に少なくとも感光層を設けた感光体であって、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数2)及び(数3)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 2004138632
    (ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
    Figure 2004138632
    Figure 2004138632
  2. Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 感光体が、少なくとも導電性基体上に感光層を積層した感光体で、感光体表面に粒子が露出している感光体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 感光体の表面に露出する粒子の一次粒子径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 感光体の表面に露出する粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
  6. 感光体の表面に露出する金属酸化物粒子が気相法により作製した酸化アルミニウムであることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 感光体の表面がポリカーボネート樹脂及び金属酸化物及び電荷輸送剤を含有することを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 感光体の基体が、無切削ドラムあるいはベルトであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 感光体の基体が、平バイトにより切削したドラムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 書き込み画像の解像度が1000dpi以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 感光体表面に潤滑性物質を塗布しながら画像形成を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 潤滑性物質がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 画像形成のための書き込み光の波長λ(μm)が700μm以下であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 複数の画像形成のための書き込み光を同時に感光体に出力して画像形成を行うことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 多値方式による階調再現方式により書き込み画像を感光体に出力して画像形成を行うことを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 感光体の電荷輸送層の膜厚が15μm以下であることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. トナーの平均粒径が8μm以下であることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. カラー画像形成可能であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 感光体上に各色のトナー画像を形成後、中間転写ベルト上に各色のトナーを転写し、出力媒体に中間転写ベルト上に積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 中間転写ベルトが弾性を有していることを特徴とする請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 中間転写ベルト上に画像形成されうるトナー像の最大の厚みが30μm以上であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 複数の感光体を有し、それぞれの感光体に、異なる色のトナー画像を形成し、弾性を有する中間転写ベルトに各色のトナー画像を順次積層した後、出力媒体へ積層されたトナーを二次転写することにより、画像形成を行うことを特徴とする請求項18〜21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の画像形成装置に使用される感光体であって、基体上に少なくとも感光層を設けてなり、感光体の表面、感光層の基体側界面の断面曲線を基準線方向にΔt[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]のデータ群に対し下式(数4)に従い離散的なフーリエ変換を行い、下式(数5)及び(数6)により導出した感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)が5.0×10−3以下であり、かつ感光体の表面のI(S)と感光層の基体側界面のI(S)の和が3.0×10−3以上であることを特徴とする画像形成装置用感光体。
    Figure 2004138632
    (ここで、n,mは整数、N=2、pは整数である)
    Figure 2004138632
    Figure 2004138632
  24. 請求項23に記載の画像形成装置用感光体を用いた画像形成装置用カートリッジ。
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