JP2000347434A - 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置

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JP2000347434A
JP2000347434A JP11156649A JP15664999A JP2000347434A JP 2000347434 A JP2000347434 A JP 2000347434A JP 11156649 A JP11156649 A JP 11156649A JP 15664999 A JP15664999 A JP 15664999A JP 2000347434 A JP2000347434 A JP 2000347434A
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Shunkai Sako
春海 酒匂
Shinji Takagi
進司 高木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーナレスシステムにおいても、感光体表
面に傷や摩耗が生じ難く、耐刷性寿命の長い電子写真感
光体を提供し、かつ感光体表面の傷、摩耗による画像不
良を解消し、小型、軽量、低コストで高品質な画像が得
られる電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置
を提供することにある。 【解決手段】 電子写真感光体上に少なくとも、帯電工
程、静電潜像形成工程、現像工程及び転写工程を経て転
写材に画像を形成させる電子写真画像形成方法におい
て、前記電子写真感光体表面層が1×1010Ω・cm以
上の体積抵抗率を有し、かつ表面皮膜物性試験における
ユニバーサル硬さ値が200以上の感光体を複数個配置
し、前記転写工程で一つの転写材に対して各感光体毎に
転写が一回ずつ繰り返され、かつ一回目の転写による転
写材上の画像に二回目以降の感光体上の画像を同期させ
て順次重ね合わせ多重転写する電子写真画像形成方法及
び電子写真画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真画像形成方
法及び電子写真画像形成装置に関し、詳しくは複数の感
光体を用いる多重転写による電子写真画像形成方法及び
電子写真画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真による画像形成に用いら
れる電子写真感光体の材料としては、酸化亜鉛、セレ
ン、硫化カドニウム等の無機材料が知られている。有機
系のポリビニルカルバゾール、フタロシアニン、アゾ顔
料等は、高生産、無公害等の利点が注目され、電子写真
特性、耐久性等には劣る欠点はあるものの広く用いられ
るようになってきた。最近では、それらの欠点も改善さ
れた新規材料が開発されつつあり、特に電子写真特性は
無機系をしのぎつつある。
【0003】ところで、電子写真感光体の表面には、機
械的外力が直接に加えられるため、それらに対する耐久
性が要求される。例えば、トナー、紙及びクリーニング
部材等との接触による感光体表面の摩耗や傷が発生し易
く、それらに対する耐久性が要求される。
【0004】電子写真感光体に要求される上記のような
要求を満たすために、各種の保護層を設ける試みがなさ
れている。中でも、樹脂を主成分とする保護層は数多く
提案されている。例えば、特開昭57−30846号公
報には、樹脂と導電性金属酸化物粒子を含有する表面保
護層が提案されている。これらの表面保護層には、帯電
電荷を保持する体積抵抗率を有することが要求される。
その体積抵抗率は、1×1010Ω・cm未満では、帯電
電荷の保持ができず、それによる電荷の流れ、乱れが生
じるので高品質な画像が得られない。従って、表面層
は、1×1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有すること
が重要である。
【0005】しかし、表面層が1×1010Ω・cm以上
の体積抵抗率を有する場合、少なからず残留電位が生
じ、またこの残留電位は表面層の膜厚に依存するため、
繰り返し使用により表面層が摩耗すると、残留電位が低
下し、明部電位(VL)もそれにつれて低下するという
現象が発生する。
【0006】近年、カラー画像を忠実に再現できる電子
写真プロセスが要求され、いくつかの方式が提案されて
いる。その中でも図1に示すような、複数の感光体ドラ
ムと転写紙等の転写材を保持する転写部材とを同期させ
る構成とし、三種類の三原色、又はそれらに黒を加えた
四色の画像を、連続的に転写材上に重ねてカラー画像を
再現する複数ドラム多重転写方式を採用した装置が高速
プロセスとして一般的に知られている。
【0007】このようなプロセスにおける課題の一つと
して、複数の感光体の耐久劣化による画像の変動が挙げ
られる。すなわち、感光体表面が繰り返し使用で摺擦の
ために削れ、像露光透過率の向上や前述の通り残留電位
の低下等が起こり、明部電位(VL)の低下が生じる。
その結果、特に反転現像系では画像濃度の上昇となる。
【0008】カラー画像のように、特に忠実な画像再現
性を求められるものにおいては、この様な電位変動は致
命的であり、これを補うために感光体の電位特性をモニ
タリングしながら潜像条件や現像条件等の画像形成条件
にフィードバックさせて、結果的に画像を安定化する方
法も従来から取られているが、それではコストが高くな
り、低価格のカラー画像電子写真プロセスには不適切で
あった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用による画像の変動を防止し、安価で高速、高品
質なカラー画像が得られる電子写真画像形成方法及び電
子写真画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、電子写
真感光体上に少なくとも、像担持体の面を帯電する帯電
工程、その像担持体の帯電面に静電潜像を形成する静電
潜像形成工程、その静電潜像をトナー画像として現像す
る現像工程及びそのトナー画像を像担持体側から転写材
に転写させる転写工程を経て転写材に画像を形成させる
電子写真画像形成方法において、前記電子写真感光体表
面層が1×1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有し、か
つ表面皮膜物性試験におけるユニバーサル硬さ値(H
U)が200以上の感光体を複数個配置し、前記転写工
程で一つの転写材に対して各感光体毎に転写が一回ずつ
繰り返され、かつ一回目の転写による転写材上の画像に
二回目以降の感光体上の画像を同期させて順次重ね合わ
せ多重転写する電子写真画像形成方法が提供される。
【0011】また本発明に従って、上記電子写真感光体
上に少なくとも、像担持体の面を帯電する帯電手段、そ
の像担持体の帯電面に静電潜像を形成する静電潜像形成
手段、その静電潜像をトナー画像として現像する現像手
段及びそのトナー画像を像担持体側から転写材に転写さ
せる転写手段を経て転写材に画像を形成させる電子写真
画像形成装置が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0013】転写方式の画像形成装置は、一般に、感光
体側から転写材側へのトナー画像は実際上全てのトナー
が転写されるわけではなく、一部が残留する(転写残り
トナー)。転写残りトナーを感光体上から除去しない
と、繰り返しの作像プロセスにおいて汚れ等のない高品
質な画像を得ることができない。従って、感光体上から
転写残りトナーを除去すること(感光体クリーニング)
が必要となる。一般には、専用のクリーニング装置(ク
リーナー)を配設・具備させて感光体上から転写残りト
ナーを除去する方法が採用されている。
【0014】クリーニング装置によって感光体上から除
去されたトナーは、廃トナーとなるが、廃トナーは環境
保護等の観点からも発生しないことが望ましい。更に
は、前記のように、クリーニング部材との接触により感
光体表面の摩耗や傷の発生が生じるため、クリーニング
部材そのものが無い方が好ましい。
【0015】そこでクリーニング装置を無くして、転写
後の感光体上の転写残りトナーは感光体の帯電工程及び
/又は現像工程において帯電工程手段である帯電装置及
び/又は現像工程手段である現像装置に回収して(帯電
同時クリーニング、現像同時クリーニング)、再使用す
るクリーナーレスシステムの転写方式画像形成装置が開
発されている。
【0016】このようなクリーナーレスシステムの画像
形成装置は、エコロジー上有用であり、画像形成装置の
小型化、軽量化、低コスト化等が可能となると同時に、
感光体の耐刷寿命向上も期待される。
【0017】本発明において、体積抵抗率の測定は、横
河ヒューレットパッカード(株)製PAメーター414
0Bを用いて、測定サンプルの櫛形電極の両端に100
V印加し、流れた電流値より求めたものである。体積抵
抗率の測定サンプルは、ギャップ180μm/長さ59
mmの櫛形電極をポリエチレンテレフタレート上に金蒸
着したものの上にバーコートにより感光体表面層のみを
厚さ3μm塗布したものを用いた。
【0018】また、本発明においてユニバーサル硬さ値
HUは、表面皮膜物性試験方法によって測定算出した数
値であって、硬さHと圧子の押し込み深さhとの関係を
示す曲線は変曲点を持たない場合のものである。
【0019】本発明における感光体表面層の表面皮膜物
性試験は、薄膜、硬化皮膜、有機皮膜等の硬度の解析が
可能であり、測定においては図6に示すように四角錐の
ダイヤモンド圧子で対面角度が136°に規定されてい
るダイヤモンド圧子62を使用し、アルミニウムシリン
ダー上に10μmの厚さに作成した表面層61に対し測
定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいったときの
荷重をかけた状態での押し込み深さを電気的に検出して
読み取り、硬さ値Hは試験荷重をその試験荷重で生じた
圧痕の表面積で除した比率で表示される(図8)。
【0020】また、ユニバーサル硬さ値HUは、設定最
大押し込み深さでの硬さ値で表される。各々、数値が高
いほど膜硬度が高いことを意味する。ただし、本発明に
おいては、表面皮膜物性試験における硬さHと圧子の押
し込み深さhとの関係を示す曲線において、押し込み深
さhで硬度の急激な変化を示す変曲点を持たないことが
条件で、図7に表されるような変曲点iをもつものは、
押し込み深さhの時点で皮膜が破壊、割れが生じたこと
を意味する。このように表面が割れる皮膜は、もろいた
め結果的に摩耗し易い。
【0021】
【実施例】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をよ
り詳細に説明する。
【0022】(実施例1)本発明における電子写真画像
形成装置の一例を図1に示す。Aはプリンター本体、B
はその上に搭載設置したイメージリーダー(画像読取装
置)であり、1は感光体ドラム、7は転写部材を示す。
【0023】感光体ドラムと転写部材とは、ギア、ベル
ト等で連動して駆動させてよいし、それぞれ独立した同
期する駆動系を採用することもできる。いずれにして
も、感光体ドラムと転写部材とは、一色目及び二色目以
降の各画像を転写時に重ねる必要があり、同期させるた
めの制御が行われる。
【0024】本発明のカラー画像形成装置における処理
工程は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、ク
リーニング工程及び除電工程をこの順に行うことを基本
とし、これらを各感光体ドラムで順次反復することによ
り色重ねを行いカラー画像が再現される。まず、コロト
ロン、スコロトロン等の帯電器3にて感光体表面に電荷
を与えた後、読み取り装置、またはコンピューター等の
情報処理装置、記憶装置、通信装置等から送られてくる
デジタル画像信号により制御されたレーザー、LED、
液晶シャッター等の光源からドット状に微小光像が感光
体上に照射される。前記光像は、感光体中に電荷のキャ
リアを発生させ、感光体に表面電荷を消去することによ
りドット状の微小な静電潜像を形成する。前記画像信号
は、シアン、マゼンタ、イエローの三色、又はそれらに
黒を加えた四色に色分解されており、それぞれの色に対
応した感光体に静電潜像が形成された後、それぞれの色
に対応した現像器にて順次色現像される。
【0025】現像剤により現像された像は、転写工程で
転写紙等の転写材に転写される。一枚の転写材に、三色
又は四色の像を多重転写するために、転写材は転写部材
7に表面に静電的又は機械的に固定される。また、多重
転写時に各色画像のずれがないように、各感光体ドラム
1と転写部材7の画像始点及び画像域は、少なくとも同
一画像の同一転写材への多重転写工程中には必ず同期し
て制御される。
【0026】以下に本発明のカラー画像形成方法をより
詳細に説明する。
【0027】(1)イメージリーダーB イメージリーダーBにおいて、10は固定の原稿台(ガ
ラス等の透明板)であり、この原稿台10の上面に原稿
Gを複写すべき面を下側にして載置し、その上に不図示
の原稿圧着板を被せてセットする。
【0028】9は、原稿照射用ランプ9a、短焦点レン
ズアレイ9b、CCDセンサー9c等を配設した画像読
取ユニットである。このユニット9は、コピー開始信号
が入力されると、原稿台10の下側において原稿台の左
辺側のホームポジションから右辺側に原稿台下面に沿っ
て往動駆動され、所定の往動終点に達すると復動駆動さ
れて始めのホームポジションに戻る。
【0029】ユニット9の往動駆動過程において、原稿
台10上の載置セット原稿Gの下向き画像面がユニット
9の原稿照射用ランプ9aにより左辺側から右辺側にか
けて順次に照明走査され、その照明走査光の原稿面反射
光が短焦点レンズアレイ9bによってCCDセンサー9
cに結像入射する。
【0030】CCDセンサー9cは、受光部、転送部、
出力部より構成されている。CCD受光部において光信
号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同
期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号
を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出
力する。このようにして得られたアナログ信号は、周知
の画像処理がなされてデジタル信号に変換されプリンタ
ー本体Aに送られる。すなわち、イメージリーダーBに
より原稿Gの画像情報が、時系列電気デジタル画素信号
(画像信号)として光電読取りされる。
【0031】(2)プリンター本体A a)1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光
体である。この感光体1は、中心支軸を中心に所定の周
速度(プロセススピード)をもって矢印の時計方向aに
回転駆動される。本例の感光体1は、直径60mmの感
光体であり、周速度100mm/secで回転駆動され
る。この感光体1については、後記(3)項で詳述す
る。
【0032】b)感光体1はその回転過程において、本
例ではコロナ帯電装置3によって所定の極性・電位に一
様に一次帯電処理される。本例では、ほぼ−700Vに
一様に一次帯電処理される。
【0033】c)そして回転感光体1の一様帯電面に対
して、レーザー露光手段(レーザースキャナー)2によ
り、イメージリーダーB側からプリンター本体A側に送
られた画像信号に対応して変調されたレーザー光Lによ
る走査露光がなされることで、回転感光体1面にはイメ
ージリーダーBにより光電読み取りされた原稿Gの画像
情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0034】レーザー露光手段2は、固体レーザー素子
2a、回転多面鏡(ポリゴンミラー)2b、f−θレン
ズ群2c、偏向ミラー2d等からなる。入力された画像
信号に基づき、発光信号発生器(不図示)により固体レ
ーザー素子2aが所定タイミングでON/OFF発光制
御される。固体レーザー素子2aから放射されたレーザ
ー光は、コリメーターレンズ系により略平行な光束に変
換され、高速回転する回転多面鏡2bにより走査される
と共にf−θレンズ群2c・偏向ミラー2dを介して感
光体1にスポット状に結像される。
【0035】この様なレーザー光走査により感光体1面
には画像一走査分の露光分布が形成され、更に感光体1
が回転することによる副走査で、回転感光体面上に画像
信号に応じた露光分布が得られる。すなわち、回転感光
体1の一様帯電面に画像信号に対応してON/OFF発
光制御される固体レーザー素子2aの光を、高速で回転
する回転多面鏡2bによって走査することにより、回転
感光体1面には走査露光パターンに対応した静電潜像が
順次に形成されていく。すなわち、回転感光体1面に
は、レーザー光が照射された露光部の電位が落ち(明部
電位)、照射されなかった非露光部の電位(暗部電位)
とのコントラストにより、露光パターンに対応した静電
潜像が形成されていく。
【0036】d)その回転感光体1面の形成静電潜像
が、現像装置4により順次にトナー画像として本例の場
合は反転現像されていく。現像装置4の構成について
は、後記(5)項で詳述する。
【0037】e)一方、給紙カセット5内に積載収納さ
れている転写材Pが、給紙ローラ5aにより一枚宛繰り
出されて給送され、レジストローラ5bにより所定の制
御タイミングにて感光体1と転写手段としての転写装置
7との接触ニップ部である転写部7eに給紙され、転写
材P面に感光体1面側のトナー画像が静電転写される。
【0038】本例における転写装置7はベルト転写装置
であり、無端状の転写ベルト7aを駆動ローラ7b及び
従動ローラ7c間に懸架し、矢印の反時計方向dに感光
体1の回転周速度と略同じ周速度で回動駆動させる。無
端状転写ベルト7aの内側には転写帯電ブレード7dを
備え、このブレード7dでベルト7aの上行側のベルト
部分の略中間部を感光体ドラム1面に接触させて転写部
(転写ニップ部)7eを形成させてある。
【0039】転写材Pが、ベルト7aの上行側ベルト部
分の上面に乗って転写部7eに搬送される。その搬送転
写材Pの先端が、各感光体の転写部7eに進入する時点
において、感光体に対応する転写帯電ブレード7dに転
写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアスが給電
されることで転写材Pの裏側からトナーと逆極性の帯電
がなされて感光体1上のトナー画像が順次に転写材Pの
上面に転写されていく。
【0040】転写部材7は、転写材を支持するために、
フィルム、メッシュ等を円筒状又はベルト状に張ったも
のが一般的である。フィルム、メッシュの材質として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリサルホン、ポリアリレート、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチ
レンオキシド、ポリスチレン、ポリアセタール等の各種
樹脂、及びこれらを含むポリマーアロイが用いられる。
また、フィルム、メッシュは金属、金属酸化物、カーボ
ン、導電性ポリマー等の導電材を含んでもよい。
【0041】f)転写ベルト7aは、転写部7eから定
着装置6への転写材Pの搬送手段を兼ねさせてあり、転
写部7eを通過した転写材Pは回転感光体1面から分離
されて転写ベルト7aで定着装置6へ搬送・導入され、
トナー画像の熱定着を受けてコピーもしくはプリントと
して排紙トレイ8に排出される。
【0042】g)本例のプリンター本体Aは、転写材P
に対するトナー画像転写後の回転感光体1面に残留して
いる転写残りトナーをクリーニング装置(クリーナー)
にて除去する。
【0043】(3)感光体1 本例で用いた感光体1は下記の要領で製造された、負帯
電極性のOPC感光体である。
【0044】 導電性酸化チタン 10重量部 (酸化スズコート、平均一次粒径0.4μm) フェノール樹脂前駆体(レゾール型) 10重量部 メタノール 10重量部 ブタノール 10重量部 をサンドミル分散した後に、外径60mm、長さ340
mmのアルミニウムシリンダーに浸漬塗布し、140℃
で硬化させることで、体積抵抗率5×109Ω・cm、
膜厚が20μmの導電層を設けた。
【0045】次に、下記構造式(1)で示されるメトキ
シメチル化ナイロン(メトキシメチル化度約30%)1
0重量部とイソプロパノール150重量部を混合溶解し
た後に、前記導電層上に浸漬塗布し、膜厚が1μmの下
引層を設けた。
【0046】
【化1】
【0047】次に、CuKαの特性X線回折におけるブ
ラック角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、
23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシ
チタニウムフタロシアニン(TiOPc)4重量部とポ
リビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水
化学製)2重量部及びシクロヘキサノン60重量部を1
mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分
散した後、エチルアセテート100重量部を加えて電荷
発生層用分散液を調整した。これを浸漬塗布し、膜厚が
0.3μmの電荷発生層を設けた。
【0048】次に、 トリフェニルアミン(下記構造式(2)) 10重量部 ポリカーボネート樹脂(ビスフェノールZ、分子量20000) 10重量部 モノクロルベンゼン 50重量部 ジクロロメタン 15重量部 を攪拌混合した後、前記電荷発生層上に浸漬塗布し、膜
厚が20μmの電荷輸送層を設けた。
【0049】
【化2】
【0050】次に、 アクリル系モノマー(下記構造式(3)) 20重量部 分散前の平均粒径が400Åの酸化スズ超微粒子 50重量部 ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末(平均粒径0.18μm) 20重量部 光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン 2重量部 エタノール 150重量部 をサンドミルにて66時間分散した。
【0051】
【化3】
【0052】この調合液を、先の電荷輸送層上に浸漬塗
布法により膜を形成し、高圧水銀灯にて320mW/c
2の光強度で、60秒間光硬化を行ない、その後12
0℃にて2時間熱風乾燥して表面層を得た。この時、得
られた表面層の膜厚は3μmであった。
【0053】このようにして得られた感光体1の表面体
積抵抗率は2×1012Ω・cmであり、皮膜物性試験に
おけるユニバーサル硬さ値HUは240であった。
【0054】(4)コロナ帯電器3 コロナ帯電器3は、本例ではスコロトロンタイプであ
る。このコロナ帯電器3の模式図を図2に示す。
【0055】111は直径60μmの表面を金115で
覆ったタングステン放電ワイヤー(帯電極)であり、図
面上では紙面に垂直になっている線状111の周りには
感光体側を除き三方を板状のステンレスシールド部材1
14が囲んでいる。112はグリット電極で、直径10
0μmのステンレスワイヤーを1mmの間隔で配置して
おり、これにより感光体1を均一に帯電する役割を有す
る。
【0056】この放電ワイヤー及びグリット電極には、
不図示の高圧電極及び帯電バイアス印加電極S1により
所定の帯電バイアスが印加される。本例では、放電ワイ
ヤーに直流電圧(DC):1KV、グリット電極に直流
電圧(DC):0.72kVを印加して、回転感光体1
面を−700Vに帯電させるようにした。
【0057】(5)現像装置4 一般的に静電潜像の現像方法は、次のような4種類に大
別される。 a.非磁性トナーについては、ブレード等でスリーブ上
にコーティングし、磁性トナーは磁気力によってコーテ
ィングして搬送して感光体に対して非接触状態で現像す
る方法(1成分非接触現像)。 b.上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体
に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像)。 c.トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したもの
を現像剤として用いて磁気力によって搬送して感光体に
対して接触状態で現像する方法(2成分接触現像)。 d.上記の2成分現像剤を非接触状態にして現像する方
法(2成分非接触現像)。 画像の高画質化や高安定性の面からcの2成分接触現像
法が多く用いられている。
【0058】本例における現像装置4は、2成分接触現
像装置(2成分磁気ブラシ現像装置)である。図3の模
型図において、41は矢示の反時計方向cに回転駆動さ
れる現像スリーブ、42は現像スリーブ41内に固定配
置されたマグネットローラ、43及び44は現像剤攪拌
スクリュー、45は現像剤Tを現像スリーブ41の表面
に薄層を形成するために配置された規制ブレード、46
は現像容器、47は補充用トナーホッパー部である。
【0059】現像スリーブ41は、少なくとも現像時に
おいては、感光体1に対し最近接領域が約500μmに
なるように配置され、現像スリーブ41の面に形成され
た現像剤Tの薄層が感光体1に対して接触する状態で現
像できるように設定されている。n2は、感光体1に対
する現像剤接触領域(現像領域、現像部位)である。
【0060】本例において用いた2成分現像剤Tは、ト
ナー粒子tと現像用磁性キャリアcとの混合物である。
本例では、トナー粒子tとして、懸濁重合法によって生
成された、平均粒径6μm、負帯電性の球形トナー(ネ
ガトナー)を用いた。また、磁性キャリアcとして、飽
和磁化が205emu/cm3の平均粒径35μmの磁
性キャリアを用いた。そして、上記の外添トナーと磁性
キャリアcを重量比6:94で混合したものを現像剤T
として用いた。
【0061】現像スリーブ41は、現像領域n2におい
て感光体1の回転方向に対して順方向である矢示の反時
計方向cに所定の周速度で回転駆動される。その回転に
伴い、マグネットローラ42のS2極で現像容器46内
の現像剤Tが現像スリーブ41面に汲み上げられて搬送
され、その搬送される過程において、現像スリーブ41
に対して垂直に配置された規制ブレード45によって層
厚が規制され、現像スリーブ41上に現像剤Tの薄層が
形成される。薄層として形成された現像剤が、搬送極N
1で現像極S1に対応の現像領域n2に搬送されてくると
磁気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成さ
れた現像剤T中のトナーtによって、回転感光体1面の
静電潜像が現像領域n2においてトナー画像として現像
される。本例においては、静電潜像は反転現像される。
【0062】現像領域n2を通過した現像スリーブ41
上の現像剤薄層は、引き続く現像スリーブ41の回転に
伴い現像容器46内に入り、N3極・N2極の反発磁界に
よって現像スリーブ41上から離脱して現像容器46内
の現像剤の溜りに戻される。
【0063】現像スリーブ41には、電源S2から直流
電圧及び交流電圧が印加される。本例では、 直流電圧:−480V 交番電圧:Vpp=1500V、Vf=3000Hz が印加されている。
【0064】一般に2成分現像法においては、交番電圧
を印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、
逆にかぶりが発生し易くなるという危険も生じる。この
ため、通常、現像装置4に印加する直流電圧と感光体1
の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶりを
防止することを実現している。より具体的には、感光体
1の露光部の電位と非露光部の電位との間の電位のバイ
アス電圧を印加する。
【0065】このかぶり防止のための電位差をかぶり取
り電位(Vback)と呼ぶが、この電位差によって回
転感光体1面の現像時に感光体1面の非画像領域(非露
光部)にトナーが付着するのを防止する。
【0066】現像容器46内の現像剤Tのトナー濃度を
検知する不図示のセンサーによりトナー濃度が監視され
ており、現像剤T内のトナーtが潜像の現像に消費され
ていくことでトナー濃度が所定の濃度レベルよりも低下
すると、補充用トナーホッパー部47から現像容器46
内にトナー補充がなされる。このトナー補充動作により
現像剤Tのトナー濃度が常に所定のレベルに維持管理さ
れる。
【0067】(6)クリーニング装置 本例のプリンターAは、転写材Pに対するトナー画像転
写後の回転感光体1面に残留している転写残りトナーを
クリーニング装置(クリーナー)にて除去する。
【0068】本例では、加熱溶解したウレタンプレポリ
マーに硬化剤である1,4−ブタンジオールとトリメチ
ロールプロパンを混合し、予め板金を装着した金型に注
型し加熱硬化させ切断して作製した、幅10mm、全長
340mm、先端部厚み1.2mmのポリウレタン製ク
リーニングブレードを用いた。このクリーニングブレー
ドの断面図を図4(a)に示す。ただし、図中の51は
板金である。クリーニングブレードの感光体に対する線
圧は20g/cm2とし、図4(b)に示したように感
光体1の回転方向に対してカウンター方向に当接させ
た。
【0069】(7)感光体の耐刷性と画像特性 上記(6)のように、クリーニング装置によって感光体
表面を摺擦するシステムにおいては、通常、感光体表面
の削れが生じる。感光体表面は、電荷保持のために、1
×1010Ω・cm以上の体積抵抗率を有することが好ま
しいが、そのために生じる残留電位は、感光体表面の削
れと共に減少するので、それにつれて明部電位(VL
も下がり、結果として、特に反転現像系では画像濃度の
上昇となる。この様な電位変動が30Vを越えると、カ
ラー画像のように、特に忠実な画像再現性を求められる
ものにおいては、致命的である。
【0070】そこで本実施例では、感光体表面層の体積
抵抗率1×1010Ω・cm以上であり、かつ表面皮膜物
性試験におけるユニバーサル硬さ値HUが200以上
(ただし、硬さHと圧子の押し込み深さhとの関係を示
す曲線は変曲点を持たない)である感光体を複数個配置
することで、感光体の摩耗を抑え、画像濃度変動等の発
生を防止したものである。
【0071】本実施例1では、画像評価用装置として改
造したキヤノン(株)製複写機CLC−1000にて、
感光体1を10万枚の耐刷試験を行った。ただし、感光
体の削れによる電位変動を補正する手段を用いていな
い。
【0072】その結果、感光体1の削れ量は10万枚で
1.8μmであり、それによるVL変動は20Vであっ
た。すなわち、感光体1は上記表面特性を満足してお
り、事実、10万枚の耐刷試験において常に良好な画像
が得られた。
【0073】(実施例2)実施例1の装置において、用
いる感光体1を下記のものに変更し、その他の装置構成
は実施例1の装置と同じにした。実施例2で使用の感光
体2は、アルミニウムシリンダー、導電層、下引層、電
荷発生層、電荷輸送層までの作成は実施例1と同じであ
り、表面層についてはポリテトラフルオロエチレン樹脂
微粉末(平均粒径0.18μm)を30重量部に変更し
た以外は、感光体1と同様の要領にて作成した。
【0074】このようにして得られた感光体2の表面の
体積抵抗率は2×1012Ω・cmであり、また皮膜物性
試験におけるユニバーサル硬さ値HUは210であっ
た。この感光体2も、実施例1と同様に画像評価装置に
て10万枚の耐刷試験を行った。その結果、感光体2の
削れ量は10万枚で2.1μm、それによるVL変動は
25Vであり、10万枚の耐刷試験において、常に良好
な画像が得られた。
【0075】(実施例3)実施例1の装置において、用
いる感光体1を下記のものに変更し、その他の装置構成
は実施例1の装置と同じにした。実施例3で使用の感光
体3は、アルミニウムシリンダー、導電層、下引層、電
荷発生層、電荷輸送層までの作成は実施例1と同じであ
り、表面層についてはポリテトラフルオロエチレン樹脂
微粉末(平均粒径0.18μm)を10重量部に変更し
た以外は、感光体1と同様の要領にて作成した。
【0076】このようにして得られた感光体3の表面の
体積抵抗率は2×1012Ω・cmであり、また皮膜物性
試験におけるユニバーサル硬さ値HUは290であっ
た。この感光体3も、実施例1と同様に画像評価装置に
て10万枚の耐刷試験を行った。その結果、感光体3の
削れ量は10万枚で1.5μm、それによるVL変動は
10Vであり、10万枚の耐刷試験において、常に良好
な画像が得られた。
【0077】(実施例4)実施例1の装置において、用
いる感光体1を下記のものに変更し、その他の装置構成
は実施例1の装置と同じにした。実施例4で使用の感光
体4は、アルミニウムシリンダー、導電層、下引層、電
荷発生層、電荷輸送層までの作成は実施例1と同じであ
り、表面層については下記のように変更した以外は感光
体1と同様の要領にて作成した。
【0078】 アクリル系モノマー 15重量部 ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末(平均粒径0.18μm) 10重量部 光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン 0.8重量部
【0079】このようにして得られた感光体4の表面の
体積抵抗率は3×1010Ω・cmであり、また皮膜物性
試験におけるユニバーサル硬さ値HUは240であっ
た。この感光体4も、実施例1と同様に画像評価装置に
て10万枚の耐刷試験を行った。その結果、感光体3の
削れ量は10万枚で2.0μm、それによるVL変動は
10Vであり、10万枚の耐刷試験において、常に良好
な画像が得られた。
【0080】(比較例1)実施例1の装置において、用
いる感光体1を下記のものに変更し、その他の装置構成
は実施例1の装置と同じにした。比較例1で使用の感光
体5は、アルミニウムシリンダー、導電層、下引層、電
荷発生層、電荷輸送層までの作成は実施例1と同じであ
り、表面層についてはポリテトラフルオロエチレン樹脂
微粉末(平均粒径0.18μm)を50重量部に変更し
た以外は、感光体1と同様の要領にて作成した。
【0081】このようにして得られた感光体5の表面の
体積抵抗率は2×1012Ω・cmであり、また皮膜物性
試験におけるユニバーサル硬さ値HUは190であっ
た。この感光体5も、実施例1と同様に画像評価装置に
て10万枚の耐刷試験を行った。その結果、感光体5の
削れ量は10万枚で3.2μm、それによるVL変動は
40Vであり、耐刷試験8万枚あたりから、画像濃度の
著しい上昇による階調性の悪化等の画像不良が起こり始
めた。
【0082】(比較例2)実施例1の装置において、用
いる感光体1を下記のものに変更し、その他の装置構成
は実施例1の装置と同じにした。比較例2で使用の感光
体6は、アルミニウムシリンダー、導電層、下引層、電
荷発生層、電荷輸送層までの作成は実施例1と同じであ
り、表面層については下記のように変更した以外は、感
光体1と同様の要領にて作成した。
【0083】 アクリル系モノマー 10重量部 ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粉末(平均粒径0.18μm) 5重量部 光重合開始剤として2−メチルチオキサンソン 0.5重量部
【0084】このようにして得られた感光体6の表面の
体積抵抗率は7×109Ω・cmであり、また皮膜物性
試験におけるユニバーサル硬さ値HUは240であっ
た。この感光体6も、実施例1と同様に画像評価装置に
て耐刷試験を行おうとしたが、耐刷初期から画像の乱れ
が生じており、試験に耐え得る画像再現性ではなかった
ので試験を中止した。これは、感光体表面の体積抵抗率
が低いために潜像電荷の流れが生じたものと推察され
る。
【0085】(実施例5及び6)本実施例においては、
帯電プロセスにコロナ帯電を用いている。しかし、一般
にこの方法ではコロナ発生時にオゾンやNOx等のコロ
ナ生成物により感光体表面を変質させ画像ボケや劣化を
進行させたり、ワイヤーの汚れが画像品質に影響し、画
像白抜けや黒スジを生じる等の問題がある。
【0086】また、コロナ帯電では電力的にも感光体に
向かう電流がその5〜30%にすぎず、殆とがシールド
板に流れ、帯電手段としては効率の悪いものであった。
更に、コロナ帯電による電子写真プロセスを繰り返すこ
とによりオゾン濃度が増加してしまい、快適な使用環境
を提供する上で問題となっていた。
【0087】このような問題点を補うために、コロナ放
電器を利用しないで接触帯電させる方法が、例えば、特
開昭57−178267号公報、特開昭56−1043
51号公報、特開昭58−40566号公報、特開昭5
8−139156号公報、特開昭58−150975号
公報等に開示されている。具体的には、感光体表面に1
〜2kV程度の直流電圧を外部より印加した導電性弾性
ローラ等の帯電用部材を接触させることにより感光体表
面を所定の電位に帯電させるものである。
【0088】しかしながら、直接帯電方式はコロナ帯電
方式に比べて、帯電の不均性及び電圧を直接印加するこ
とによる感光体の放電絶縁破壊が発生するので不利であ
る。帯電の不均一性により、被帯電面の移動方向に対し
て直角な方向に、長さ2〜200mm、幅0.5mm以
下程度のスジ状の帯電ムラを生じてしまうもので、正現
像方式の場合に起こる白スジ(ベタ黒又はハーフトーン
画像に白いスジが現れる現象)、又は反転現像方式の場
合に起こる黒スジと言った画像欠陥となる。
【0089】このような問題点を解決して帯電の均一性
を向上させるために、直流電圧に交流電圧を重畳して帯
電部材に印加する方法が提案されている(特開昭63−
149668号公報)。この帯電方法は、直流電圧(V
DC)に交流電圧(VAC)を重畳することによって脈動電
圧を印加して均一な帯電を行うものである。
【0090】この場合、帯電の均一性を保持して、正現
像方式における白ポチ、反転現像方式における黒ポチ、
カブリと言った画像欠陥を防ぐためには、重畳する交流
電圧が、パッシェンの法則に従う放電開始電圧Vthの
2倍以上のピーク間電位差(Vp-p)を持っていること
が必要である。
【0091】しかしながら、画像欠陥を防ぐために、重
畳する交流電圧を上げていくと、脈流電圧の最大印加電
圧によって、感光体内部のわずかな欠陥部位において放
電絶縁破壊が起こってしまう。特に、感光体が絶縁耐圧
の低い有機光導電体の場合には、この絶縁破壊が著し
い。この場合、正現像方式においては接触部分の長手方
向にわたって画像が白ヌケし、反転現像方式においては
黒スジが発生してしまう。更に、ピンホールがある場
合、そこの部位が導通路となって電流がリークして帯電
部材に印加された電圧が降下してしまうという問題点が
あった。また更に、微小空隙における放電であるため、
感光体に与えるダメージが大きく、感光体の削れ量が大
きく、耐久性が劣るという問題点があった。
【0092】これらの問題点を解決するために、電荷を
感光体上に直接注入して帯電を行えるプロセスが採用さ
れつつある。更に、電荷の直接注入のプロセスにおいて
も、AC電圧を重畳することによりDC電圧のみの印加
の場合より帯電が更に安定することが知られている。電
荷を感光体上に直接注入する帯電が支配的な場合と放電
が支配的な帯電との大きな違いは、前記式(2)で示す
ようにACのピーク間電圧(Vp-p)が放電開始電圧
(Vth)の2倍より小さいにも関わらず、前記式
(3)及び(4)が成り立つことである。本実施例で
は、このような注入帯電プロセスにおいても本発明の優
位性があることを示す。
【0093】(8)磁気ブラシ帯電器3’ 接触帯電部材である磁気ブラシ帯電器3’は、本例の場
合はスリーブ回転タイプである。
【0094】この磁気ブラシ帯電器3’は、図5の模型
図のように、固定のマグネットローラ3’aと、このマ
グネットローラ3’aに同心に回転自由に外嵌させて設
けた外径16mmのアルミニウム等の非磁性スリーブ
3’bと、スリーブの外周面に内部のマグネットローラ
3’aの磁力でブラシ状に付着保持させた帯電用磁性粒
子(磁性キャリア)の磁気ブラシ部3’c等からなる、
感光体1の母線方向に長い横長部材である。
【0095】磁気ブラシ部3’cを所定の接触幅をもっ
て感光体1面に接触させてある。その接触部n1が、帯
電領域(帯電部位)である。本例では、磁気ブラシ部
3’cを感光体1に接触させて形成させる帯電領域n1
をその幅が約6mmになるように調整した。
【0096】非磁性スリーブ3’bは、上記したように
不図示の駆動系により矢示の時計方向b、すなわち磁気
ブラシ部3’cの感光体1との接触部である帯電部n1
において、感光体1の回転方向に対してカウンター方向
に所定の周速度をもって回転駆動される。本例において
は、感光体1の回転周速度100mm/secに対して
非磁性スリーブ3’bを150mm/secで回転駆動
させている。この非磁性スリーブ3’bの回転駆動に伴
い、非磁性スリーブ3’bの外周面に磁気拘束されて保
持されている磁気ブラシ部3’cも非磁性スリーブ3’
bと共に非磁性スリーブ3’bと同じ方向に回転して帯
電領域n1において感光体1面を摺擦する。
【0097】非磁性スリーブ3’bには、帯電バイアス
印加電源S1により所定の帯電バイアスが印加される。
本例では非磁性スリーブ3’bに、 直流電圧(DC):−700V、 交番電圧(AC、Vpp):振幅Vpp 0.7kV を重畳した振動電圧を帯電バイアスとして印加して(A
Cバイアス印加方式)、回転感光体1面を−700Vに
接触帯電させるようにした。感光体1と磁気ブラシ帯電
器3’の相対回転速度については、速いほど帯電均一性
が良好になる傾向にある。
【0098】磁気ブラシ部3’cを構成させる帯電用磁
性粒子としては、樹脂中に磁性材料としてマグネタイト
を分散し、導電化及び抵抗調整のためにカーボンブラッ
クを分散して形成した樹脂キャリア、あるいはフェライ
ト等のマグネタイト単体表面を酸化、還元処理して抵抗
調整を行ったもの、あるいはフェライト等のマグネタイ
ト単体表面を樹脂でコーティングし抵抗調整を行ったも
の等が用いられ得る。
【0099】また、その磁性粒子としては、 平均粒径が10〜100μm、 飽和磁化が20〜250emu/cm3、 抵抗が1×102〜1×1010Ω・cm の範囲のものが好ましく、感光体1にピンホールのよう
な絶縁欠陥が存在することを考慮すると、抵抗1×10
6Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。
【0100】帯電性能を良くするには、できるだけ抵抗
の小さいものを用いる方がよいので、本実施例において
は、 平均粒径:25μm 飽和磁化:200emu/cm3 抵抗 :5×106Ω・cm の磁性粒子を用いた。
【0101】ここで、帯電用磁性粒子の抵抗値は、底面
積が228mm2の金属セルに磁性粒子を2g入れた
後、6.6kg/cm2で加重し、100Vの電圧を印
加して測定している。
【0102】本実施例5及び6では、実施例1の装置に
おいて、用いるコロナ帯電器3を上記の磁気ブラシ帯電
器3’に変更し、その他の装置構成は実施例1の装置と
同じにした。
【0103】実施例5では感光体1、実施例6では感光
体2を用い、上記の様に磁気ブラシ帯電器に変更した画
像評価装置にて10万枚の耐刷試験を行った。
【0104】その結果、実施例5の感光体1の削れ量は
2.0μm、それによるVL変動は25Vであり、10
万枚の耐刷試験において常に良好な画像が得られた。ま
た、実施例6の感光体2の削れ量は2.3μm、それに
よるVL変動は30Vであり、10万枚の耐刷試験にお
いて常に良好な画像が得られた。
【0105】(比較例3)実施例5において、用いる感
光体1を感光体5に変更し、その他の装置構成は実施例
5の装置と同じにし、実施例5と同様の10万枚の耐刷
試験を行った。その結果、感光体5の削れ量は10万枚
で3.5μm、それによるVL変動は50Vであり、耐
刷試験7万枚あたりから画像濃度の著しい上昇による階
調性の悪化等の画像不良が起こり始めた。
【0106】(実施例7及び8)本実施例は、感光体上
に残留する転写残りトナーを除去するために専用のクリ
ーニング装置(クリーナー)を配設・具備させている。
【0107】このクリーニング装置によって感光体上か
ら除去されたトナーは廃トナーとなるが、廃トナーは環
境保護等の面からも発生しないことが望ましい。そこで
クリーニング装置を使用しないで、転写後の感光体上の
転写残りトナーを感光体の帯電工程及び/又は現像工程
において、帯電工程手段である帯電装置及び/又は現像
工程手段である現像装置に回収させ(帯電同時クリーニ
ング、現像同時クリーニング)、再用する、クリーナー
レスシステムの転写方式画像形成装置も出現している。
このようなクリーナーレスシステムの画像形成装置は、
エコロジー上有益であると共に、画像形成装置の小型
化、軽量化、低コスト化等ならびに感光体の耐刷性向上
が可能となる。
【0108】感光体の帯電工程手段として接触帯電装置
を用いたクリーナーレスシステムの画像形成装置では、
感光体上の転写残りトナーは接触帯電部材と感光体との
接触部(帯電領域)に持ち運ばれて、接触帯電部材に付
着・混入することで接触帯電部材に一時的に回収される
(帯電同時クリーニング)。
【0109】接触帯電部材に回収されたトナーは、帯電
極性が整えられて逐次接触帯電部材から感光体上に電気
的に吐き出される。接触帯電部材から感光体上に吐き出
されたトナーは、現像工程手段としての現像装置と感光
体との対向部である現像領域に持ち運ばれて現像装置に
回収され(現像同時クリーニング)、再使用される。
【0110】現像同時クリーニングでは、感光体上の転
写残りトナーは、次工程以降の感光体現像時にかぶり取
りバイアス(現像装置の現像部材に印加する直流成分の
感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差V
back)によって回収される。
【0111】接触帯電部材から感光体上への逐次吐き出
しトナーは、通常、量的には少量で、均一散布状態の極
く薄い層状態であり、次の像露光工程に実質的に悪影響
を及ぼすことはない。また、転写残りトナーパターンに
起因するゴースト像の発生も防止される。
【0112】転写材に対するトナー画像転写後の感光体
上の転写残りトナーは、転写時の剥離放電等により、帯
電極性が反転してしまうことが多く、このように、極性
が反転した状態のトナーは、現像装置にて現像と同時に
回収を行うことは困難である。しかし、接触帯電部材
は、そのような帯電極性が反転したトナーを含むトナー
を取り込んで正規帯電トナー化して逐次、感光体上に吐
き出し、現像装置での転写残りトナーの現像同時回収が
可能である。
【0113】本実施例では、このような接触帯電クリー
ナーレスシステムにおいては特に本発明の優位性がある
ことを示す。
【0114】(9)クリーナーレスシステム 本例のプリンターA’は、転写材Pに対するトナー画像
転写後の回転感光体1面に残留している転写残りトナー
を除去する専用のクリーニング装置(クリーナー)を具
備させず、現像装置4に感光体1面に残留した転写残り
トナーを回収するクリーニング手段を兼ねさせたクリー
ナーレスシステムの装置である。
【0115】1.転写材Pに対するトナー画像転写後の
回転感光体1面に残留した転写残りトナーは、引き続く
感光体1の回転により感光体1と磁気ブラシ帯電器3’
の磁気ブラシ部3’cとの接触部である帯電領域n1に
持ち運ばれる。
【0116】2.この帯電領域n1において、感光体1
面は磁気ブラシ帯電器3’の磁気ブラシ部3’cで摺擦
されることで、帯電領域n1に運ばれた転写残りトナー
は感光体1面上を攪乱・移動して転写残り時のパターン
が掻き崩されると共に、磁気ブラシ部3’cに付着・混
入して磁気ブラシ帯電器3’に一時的に回収される。
【0117】3.磁気ブラシ帯電器3’の磁気ブラシ部
3’cに付着・混入した転写残りトナーは、磁気ブラシ
部3’cを構成している帯電用磁性粒子との摩擦帯電に
よって、帯電極性が反転しているトナーも含めて正規帯
電極性(本例では負極性)に再帯電される。すなわち、
正規帯電トナー化される。
【0118】4.そして、その正規帯電トナー化された
磁気ブラシ部3’c中のトナーは、磁気ブラシ帯電器
3’に印加の帯電バイアスによる電気的反発力で感光体
1上に吐き出される。
【0119】5.このようにして正規帯電トナー化され
て磁気ブラシ帯電器3’の磁気ブラシ部3’cから感光
体1上に吐き出されたトナーは、引き続く感光体1の回
転により感光体1と現像装置4の現像スリーブ41との
対向部である現像領域n2に運ばれ、現像装置4により
かぶり取り電位Vbackで回収される(現像同時クリ
ーニング)。
【0120】通常、接触帯電部材としての磁気ブラシ帯
電器3’から感光体1上へ逐次に吐き出されるトナー
は、量的には少量で、均一散布状態の極く薄い層状態で
あり、次の像露光工程に実質的に悪影響を及ぼすことは
ない。また、転写残りトナーパターンに起因するゴース
ト像の発生も防止される。
【0121】実施例7及び8では、実施例5の装置にお
いてクリーニング装置を具備させず、クリーナレスシス
テムに変更し、その他の装置構成は実施例5の装置と同
じとした。
【0122】実施例7では感光体1、実施例8では感光
体2を用い、上記の様にクリーナレスシステムに変更し
た画像評価装置にて20万枚の耐刷試験を行った。
【0123】その結果、実施例7の感光体1の削れ量は
20万枚で2.0μm、それによるVL変動は25Vで
あり、20万枚の耐刷試験において常に良好な画像が得
られた。また、実施例8の感光体2の削れ量は20万枚
で2.4μm、それによるV L変動は30Vであり、2
0万枚の耐刷試験において常に良好な画像が得られた。
【0124】(比較例4)実施例7において、用いる感
光体1を感光体5に変更し、その他の装置構成は実施例
7の装置と同じにし、実施例7と同様の20万枚の耐刷
試験を行った。その結果、感光体5の削れ量は20万枚
で3.6μm、それによるVL変動は50Vであり、耐
刷試験12万枚あたりから画像濃度の著しい上昇による
階調性の悪化等の画像不良が起こり始めた。
【0125】
【表1】
【0126】以下、本発明に用いる電子写真感光体の構
成について説明する。
【0127】a)本発明に用いられる感光層は、単層又
は積層構造を有する。積層構造の場合、光キャリアを生
成する電荷発生層と、キャリアが移動する電荷輸送層と
が積層される。表面層を形成するのは、電荷発生層又は
電荷輸送層どちらの場合もある。
【0128】電荷発生材料や電荷輸送材料は20〜80
重量%含有し、より好ましくは30〜70重量%であ
る。積層感光体においては、電荷発生層の膜厚は0.0
01〜6μm、より好ましくは0.01〜2μmであ
る。電荷発生材料の量は10〜100重量%、より好ま
しくは40〜100重量%である。電荷輸送層の膜厚は
5〜100μm、より好ましくは10〜60μmであ
る。電荷輸送材料の量は20〜80重量%、より好まし
くは30〜70重量%である。また、単層感光層は5〜
100μmの厚さが可能であり、より好ましくは10〜
60μmである。
【0129】b)本発明に用いられる電荷発生材料とし
ては、例えば、フタロシアニン顔料、多環キノン顔料、
アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン
顔料、アズレニウム塩染料、スクアリリウム染料、シア
ニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサ
ンテン色素、キノンイミン色素、トリフェニルメタン色
素、スチリル色素、セレン、セレン−テルル、アモルフ
ァスシリコン、硬化カドミニウム等が挙げられる。
【0130】c)本発明に用いられる電荷輸送材料とし
ては、例えば、ピレン化合物、カルバゾール化合物、ヒ
ドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、
ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物、
トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリ
ル化合物、スチルベン化合物等が挙げられる。
【0131】d)本発明に用いられる電子写真感光体
は、感光層の上に保護層を積層してもよい。保護層の膜
厚は0.01〜20μmが可能であり、より好ましくは
0.1〜10μmである。保護層には前述した電荷発生
材料又は電荷輸送材料や、金属及びその酸化物、窒化
物、塩、合金、更にはカーボン等の導電材料等を含有し
てもよい。
【0132】保護層に用いるバインダー樹脂としては、
例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレー
ト、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエ
ーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリ
ル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられ
る。更に、反応性のエポキシ、(メタ)アクリルモノマ
ーやオリゴマーも混合後硬化して用いることが可能であ
る。
【0133】e)本発明に用いられる電子写真感光体
は、トナーとの離型性を高めるために、例えばフッ素系
樹脂粉体をその表面層に均一に分散させる場合もある。
【0134】フッ素系樹脂粉体の具体例としては、テト
ラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリ
フルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ
化ビニリデン、フッ化ビニル、パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル等の重合体、及びそれらの共重合体が用い
られる。
【0135】フッ素系樹脂粉体の粒径は0.01〜5μ
mの範囲で使用可能であり、その分子量は3000〜5
000000の範囲で使用可能である。フッ素系樹脂粉
体は、バインダー樹脂と共に感光層組成物として分散さ
れる。分散の方法としては、サンドミル、ボールミル、
ロールミル、ホモジナイザー、ナノマイザー、ペイント
シェイカー、超音波等が使用される。分散時には、補助
的にフッ素系の界面活性剤、グラフトポリマー、カップ
リング剤等を用いてもさしつかえない。
【0136】フッ素系樹脂粉体の含有量は、感光体の最
表面層において4〜70重量%が好ましく、更に好まし
くは10〜55重量%である。4重量%未満では表面エ
ネルギーの低下が不十分であり、70重量%を越えると
表面層の膜強度低下を引き起こす。
【0137】フッ素系樹脂粉体を分散するバインダー樹
脂としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、ポ
リアリレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタ
ジエン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポ
リアリルエーテル、ポリアセタール、フェノール樹脂、
アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア
樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂等
が挙げられる。更に、反応性のエポキシ、(メタ)アク
リルモノマーやオリゴマーも混合後硬化して用いること
が可能である。
【0138】f)本発明に用いられる電子写真感光体に
用いられる導電性支持体は、鉄、銅、ニッケル、アルミ
ニウム、チタン、スズ、アンチモン、インジウム、鉛、
亜鉛、金、銀等の金属や合金、あるいはそれらの酸化物
やカーボン、導電性樹脂等が使用可能である。形状は円
筒形、ベルト状やシート状のものがある。また、前記導
電性材料は、成型加工される場合もあるが、塗料として
塗布したり、蒸着してもよい。
【0139】g)導電性支持体と感光層との間に、下引
層を設けてもよい。下引層は主にバインダー樹脂からな
るが、前記導電性材料やアクセプターを含有してもよ
い。下引層を形成するバインダー樹脂としては、例え
ば、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアリレート、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリカー
ボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリイミド、
ポリアミドイミド、ポリサルホン、ポリアリルエーテ
ル、ポリアセタール、フェノール樹脂、アクリル樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、アリル樹
脂、アルキッド樹脂、ブチラール樹脂等が挙げられる。
【0140】h)本発明に用いられる電子写真感光体の
製造法は、蒸着、塗布等の方法が用いられる。塗布に
は、例えば、バーコーター、ナイフコーター、ロールコ
ーター、アトライター、スプレー、浸漬塗布、静電塗
布、粉体塗布等が用いられる。
【0141】<その他> 1)本発明は、前述の実施例の形態に限られるものでは
ない。
【0142】2)静電潜像の現像方法としては、実施例
においては、2成分接触現像法について述べたが、他の
現像方法でもよい。好ましくは、現像剤が感光体に対し
て接触状態で現像する、1成分接触現像や2成分接触現
像がより現像時の同時回収効果を高めるのに効果があ
る。
【0143】3)接触帯電部材としての磁気ブラシ帯電
器3’はマグネットローラ3’a−固定、非磁性スリー
ブ3’b−回転の所謂スリーブ回転タイプの帯電器を使
用したが、この帯電器構成に限られるものではない。例
えば、同構成でマグネットローラ3’aが回転する系や
マグネットローラ3’aのみの構成でマグネットローラ
自体が回転する系であってもローラ表面を導電性処理を
すること等により使用可能である。接触帯電部材は、磁
気ブラシ帯電器3’でなくともよい。
【0144】4)接触帯電部材に対する一次帯電交番電
圧成分の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等が適
宜使用可能である。例えば、直流電源を周期的にON,
OFFすることによって形成された矩形波の電圧を含
む。現像装置に印加する現像バイアスに交流バイアス成
分を含ませる場合のその交流バイアスについても上記と
同様である。
【0145】5)像担持体は、静電記録誘電体等であっ
てもよい。この場合は、誘電体面を所定の極性・電位に
一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電
手段で選択的に除電して目的の画像情報に対応した静電
潜像を書き込み形成する。
【0146】6)像担持体1、帯電手段3、現像装置4
等の任意のプロセス機器を画像形成装置本体に対して一
括して着脱交換自在のプロセスカートリッジ着脱式の装
置構成のものにすることもできる。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の感光体を用い多重転写工程を有する画像形成方法
又は画像形成装置において、繰り返し使用による画像の
変動を防止し、安価で高速、高品質な画像が得られる電
子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供す
ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の画像形成装置の概略構成模式図であ
る。
【図2】コロナ帯電器部分の拡大横断面模型図である。
【図3】現像装置部分の拡大横断面模型図である。
【図4】クリーニングブレード部分の拡大横断面模型図
である。
【図5】磁気ブラシ帯電器部分の拡大横断面模型図であ
る。
【図6】実施例における表面皮膜物性試験の測定方法を
示す図である。
【図7】表面層に対する表面皮膜物性試験における硬さ
Hと圧子の押し込み深さhとの関係曲線で、変曲点iを
有する曲線例を説明する図である。
【図8】表面層に対する表面皮膜物性試験における硬さ
Hと圧子の押し込み深さhとの関係曲線で、変曲点iを
生じない曲線の例を説明する図である。
【符号の説明】
A プリンター本体 B イメージリーダー 1 感光体ドラム(像担持体) 2 レーザー露光手段 3 一次帯電器 5 給紙カセット 6 定着装置 7 転写装置 8 排紙トレイ P 転写材 H 表面層の硬さ h 圧子の押し込み深さ O 原点 i H−h曲線における変曲点
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 15/16 15/16 15/08 507B Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 DD03 2H030 AA06 AB02 AC08 AD02 BB23 BB43 2H032 BA01 BA03 BA09 CA01 CA12 CA13 2H068 AA03 AA05 AA06 AA08 BB06 BB31 BB59 CA37 FC15 2H077 AA37 AD36 DA10 DB02 DB08 EA01 FA19 GA12 GA17

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体上に少なくとも、像担持
    体の面を帯電する帯電工程、その像担持体の帯電面に静
    電潜像を形成する静電潜像形成工程、その静電潜像をト
    ナー画像として現像する現像工程及びそのトナー画像を
    像担持体側から転写材に転写させる転写工程を経て転写
    材に画像を形成させる電子写真画像形成方法において、
    前記電子写真感光体表面層が1×1010Ω・cm以上の
    体積抵抗率を有し、かつ表面皮膜物性試験におけるユニ
    バーサル硬さ値(HU)が200以上の感光体を複数個
    配置し、前記転写工程で一つの転写材に対して各感光体
    毎に転写が一回ずつ繰り返され、かつ一回目の転写によ
    る転写材上の画像に二回目以降の感光体上の画像を同期
    させて順次重ね合わせ多重転写することを特徴とする電
    子写真画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記帯電工程が接触帯電によって行われ
    る請求項1に記載の電子写真画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記帯電工程に用いられる帯電用部材か
    ら前記感光体に直流電圧Vdc(V)のみを印加するこ
    とにより感光体表面を帯電させ、かつ該帯電用部材から
    感光体へ印加される直流電圧Vdc(V)と前記感光体
    暗電位Vd(V)との関係式が下記式(1)を満足する
    請求項1又は2に記載の電子写真画像形成方法。 |Vdc−Vd|≦200(V) …(1)
  4. 【請求項4】 前記帯電工程に用いられる帯電用部材か
    ら前記感光体に直流電圧Vdc(V)に交番電圧Vac
    (V)のピーク間電圧Vpp(V)が下記式(2)を満
    足し、 Vpp<2Vth …(2) ∴Vth(放電開始電圧V)=√(7737.7×D)
    +312+6.2×D D=L(感光層の膜厚μm)/K(感光層の比誘電率) 更に、印加電圧Vdc、Vpp(V)と感光体暗電位V
    d(V)との関係が下記式(3)及び(4)を満足する
    請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真画像形成方
    法。 |Vdc−Vd|≦200(V) …(3) |Vd|>|Vpp/2|+|Vdc|−|Vth| …(4)
  5. 【請求項5】 前記現像工程において反転現像を行う請
    求項1〜4のいずれかに記載の電子写真画像形成方法。
  6. 【請求項6】 転写材へのトナー画像転写後の像担持体
    面上の転写残りトナーを前記帯電工程、現像工程の一方
    又は両方において回収させる請求項1〜5のいずれかに
    記載の電子写真画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記静電潜像形成工程が露光工程である
    請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体上に少なくとも、像担持
    体の面を帯電する帯電手段、その像担持体の帯電面に静
    電潜像を形成する静電潜像形成手段、その静電潜像をト
    ナー画像として現像する現像手段及びそのトナー画像を
    像担持体側から転写材に転写させる転写手段を経て転写
    材に画像を形成させる電子写真画像形成装置において、
    前記電子写真感光体表面層が1×1010Ω・cm以上の
    体積抵抗率を有し、かつ表面皮膜物性試験におけるユニ
    バーサル硬さ値(HU)が200以上の感光体を複数個
    配置し、前記転写手段で一つの転写材に対して各感光体
    毎に転写が一回ずつ繰り返され、かつ一回目の転写によ
    る転写材上の画像に二回目以降の感光体上の画像を同期
    させて順次重ね合わせ多重転写することを特徴とする電
    子写真画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記帯電手段が接触帯電によって行われ
    る請求項8に記載の電子写真画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記帯電手段に用いられる帯電用部材
    から前記感光体に直流電圧Vdc(V)のみを印加する
    ことにより感光体表面を帯電させ、かつ該帯電用部材か
    ら感光体へ印加される直流電圧Vdc(V)と前記感光
    体暗電位Vd(V)との関係式が下記式(1)を満足す
    る請求項8又は9に記載の電子写真画像形成装置。 |Vdc−Vd|≦200(V) …(1)
  11. 【請求項11】 前記帯電手段に用いられる帯電用部材
    から前記感光体に直流電圧Vdc(V)に交番電圧Va
    c(V)のピーク間電圧Vpp(V)が下記式(2)を
    満足し、 Vpp<2Vth …(2) ∴Vth(放電開始電圧V)=√(7737.7×D)
    +312+6.2×D D=L(感光層の膜厚μm)/K(感光層の比誘電率) 更に、印加電圧Vdc、Vpp(V)と感光体暗電位V
    d(V)との関係が下記式(3)及び(4)を満足する
    請求項8〜10のいずれかに記載の電子写真画像形成装
    置。 |Vdc−Vd|≦200(V) …(3) |Vd|>|Vpp/2|+|Vdc|−|Vth| …(4)
  12. 【請求項12】 前記現像手段において反転現像を行う
    請求項8〜11のいずれかに記載の電子写真画像形成装
    置。
  13. 【請求項13】 転写材へのトナー画像転写後の像担持
    体面上の転写残りトナーを前記帯電手段、現像手段の一
    方又は両方において回収させる請求項8〜12のいずれ
    かに記載の電子写真画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記静電潜像形成手段が露光手段であ
    る請求項8〜13のいずれかに記載の電子写真画像形成
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002268311A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成装置
JP2009288308A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Canon Inc 画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002268311A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成装置
JP2009288308A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Canon Inc 画像形成装置

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