JP2005164626A - 電子写真感光体、電子写真装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】 感光体表面層の傷、磨耗及びトナー融着等が発生しやすい厳しい条件下で繰り返し使用しても、このような感光体表面層の異常に起因する画像欠陥が発生せず、良好な電子写真特性を維持することができる電子写真感光体を提供する。
【解決手段】 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足する構成とする。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
【選択図】 なし
【解決手段】 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体において、電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足する構成とする。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真感光体、電子写真装置、及び該電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関する。
近年、安全性が高い、生産性に優れる、及び安価である等の利点から、有機光導電性物質を用いた電子写真感光体の研究開発が活発に行われ、これ迄に数多くの提案がされ、実用化されてきている。
しかし、ポリ−N−ビニルカルバゾールに代表される光導電性ポリマーと、2,4,7−トリニトロフルオレンなどから形成される電荷移動錯体とを主成分とする電子写真感光体は、感度、耐久性及び残留電位等の点で必ずしも満足できるものではなかった。
一方、電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ別々の物質に分担させた機能分離型電子写真感光体が、従来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著しい改善をもたらした。また、機能分離型感光体は、電荷発生物質と電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作製できるという利点を有している。
上記機能分離型電子感光体に用いられる電荷発生物質としては、種々のアゾ顔料、多環キノン顔料、フタロシアニン顔料、シアニン色素、スクエアリック酸染料及びピリリウム塩系色素等が知られている。また電荷輸送物質としては、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン化合物、等が知られている。
一方、近年、電子写真感光体を使用したプリンター、複写機及びファクシミリ等は多種多様な分野で使用されるようになり、より様々な環境においても常に安定した画像を提供することが更に要求されている。
電子写真感光体には、電気的および機械的外力が直接加えられるため、またそれに加えて近年の高画質化及び高速・高耐久化に伴って、有機電子写真感光体にも更なる機械的耐久性の向上が求められている。具体的には、摺擦による表面の磨耗や傷の発生、また、帯電時に発生するオゾンやNOx等の活性物質の付着による表面層の劣化等に対する耐久性が要求される。
また、電子写真感光体は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング及び除電等の工程に繰り返し供される。ここで、帯電及び露光により電子写真感光体上に形成された静電潜像はトナーといわれる微粒子状の現像剤によりトナー画像となる。このトナー画像は転写手段により紙等の転写材に転写されるが、すべてのトナーが転写されるわけではなく、一部が感光体上に残留する。
この感光体上に残留するトナーの量が多いと、転写材の画像は、さらに転写不良が生じるいわゆるボソ抜け状となり、画像の均一性に欠けるだけでなく、感光体へのトナーの融着やフィルミングの発生という問題が生じる場合がある。更には、クリーニングブレードが感光体表面にある程度の圧をもって当接しているため、感光体表面の傷、不均一な磨耗がいっそう増し、結果としてクリーニング性の悪化を引き起こし易い傾向にある。
従来、基体から最も離れた表面側に電荷輸送層が設けられている感光体において、電荷
輸送材と結着性樹脂の含有比率は膜の深さ方向でほぼ均一であり、電荷輸送層の深さ方向についての膜硬度の変化についてはほとんど着目・検討されていなかった。
輸送材と結着性樹脂の含有比率は膜の深さ方向でほぼ均一であり、電荷輸送層の深さ方向についての膜硬度の変化についてはほとんど着目・検討されていなかった。
ただ、電荷輸送層を表面層とし、それに接して基体側に電荷発生層が設けられている感光体の電荷輸送層において、電荷発生層と電荷輸送層での電荷の受け渡しを円滑にする目的で、電荷輸送物質と結着性樹脂の含有比率を膜の深さ方向で変える、言い換えれば膜の深さ方向で膜硬度の傾斜をつける方法が、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法においては、電荷輸送層中の電荷輸送物質濃度が支持体側から最も離れた側から近い側に向かって順次高くなっているため、繰り返し使用の初期においては高い表面層硬度を示し特に良好な電子写真特性を示すが、繰り返し使用すると感光体表面層の磨耗や傷が著しく発生しやすくなり、それに伴って画像不良が発生することがあった。
また、熱可塑性樹脂で構成される電荷輸送層上に、保護層として、熱可塑性樹脂で構成される第二の電荷輸送層を設ける構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
上記構成を有する電子写真感光体は、通常の条件下では繰り返し使用しても比較的良好な特性を維持することができるが、傷・磨耗・トナー融着が発生しやすい厳しい条件下での繰り返し使用においては、傷や磨耗に起因したわずかな画像不良が発生することがあった。
特開平06−095399号公報
特開平05−165229号公報
本発明は、感光体表面層の傷・磨耗・トナー融着等が発生しやすい厳しい条件下で繰り返し使用しても、このような感光体表面層の異常に起因する画像欠陥が発生せず、良好な電子写真特性を維持することができる電子写真感光体、電子写真装置、及びこのような電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、電子写真感光体表面におけるユニバーサル硬度に着目し、特定の深さに対するユニバーサル硬度を特定のものとすることにより、感光体表面層の傷・磨耗・トナー融着等が発生しやすい厳しい条件下で繰り返し使用しても、このような感光体表面層の異常に起因する画像欠陥が発生せず、良好な電子写真特性を有する電子写真感光体、電子写真装置及び該電子写真装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1)導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
(2)前記HU(1)とHU(d)(5≦d≦10)が、下記式(2)を満足すること
を特徴とする(1)の電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 50 (2)
(3)前記HU(1)が下記式(3)を満足することを特徴とする(1)又は(2)の電子写真感光体。
150 ≦ HU(1) ≦ 350 (3)
(4)前記電子写真感光体に接触配置された帯電用部材を有する帯電手段であって、前記電子写真感光体に前記帯電用部材から直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加し、放電によって前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置に用いられることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの電子写真感光体。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面に静電潜像を形成する像露光手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記電子写真感光体表面に形成されたトナー現像像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかの電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記トナー現像像が転写材に転写された後に前記電子写真感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
前記電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
(2)前記HU(1)とHU(d)(5≦d≦10)が、下記式(2)を満足すること
を特徴とする(1)の電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 50 (2)
(3)前記HU(1)が下記式(3)を満足することを特徴とする(1)又は(2)の電子写真感光体。
150 ≦ HU(1) ≦ 350 (3)
(4)前記電子写真感光体に接触配置された帯電用部材を有する帯電手段であって、前記電子写真感光体に前記帯電用部材から直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加し、放電によって前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置に用いられることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの電子写真感光体。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面に静電潜像を形成する像露光手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記電子写真感光体表面に形成されたトナー現像像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかの電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記トナー現像像が転写材に転写された後に前記電子写真感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明によれば、感光体表面層の傷・磨耗・トナー融着等が発生しやすい厳しい条件下で繰り返し使用しても、このような感光体表面層の異常に起因する画像欠陥が発生せず、良好な電子写真特性を有する電子写真感光体、電子写真装置、及びこれらの装置に着脱可能なプロセスカートリッジを提供することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の電子写真感光体(以下、単に「感光体」と表記することもある)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層とを有し、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体である。このような電子写真感光体は、電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足することを特徴とする。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
本発明の電子写真感光体(以下、単に「感光体」と表記することもある)は、導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層とを有し、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が最表面層である電子写真感光体である。このような電子写真感光体は、電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足することを特徴とする。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1)
上記HU(1)とHU(d)は下記式(2)を満足することが好ましい。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 50 (2)
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 50 (2)
また、HU(1)は下記式(3)を満足することが好ましく、下記式(3’)を満足することがより好ましい。
150 ≦ HU(1) ≦ 350 (3)
200 ≦ HU(1) ≦ 350 (3’)
150 ≦ HU(1) ≦ 350 (3)
200 ≦ HU(1) ≦ 350 (3’)
HU(1)及びHU(d)を上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満足する範囲とすることで、感光体表面の傷・磨耗・トナー融着等が発生しやすい厳しい条件下で繰り返し使用を行っても、このような傷・磨耗・トナー融着等が感光体表面に発生しにくく、長期にわたって高画質な画像を安定して形成することができる。
例えば、電子写真感光体に接触配置された帯電用部材を有し、電子写真感光体に帯電用部材から直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加し、放電によって上記帯電体の表面を帯電させる、いわゆる接触帯電方式を用いた帯電手段は、他の帯電方式を用いたものより感光体表面の傷、磨耗及びトナー融着等が発生しやすい。しかし、本発明の電子写真感光体は、このような接触帯電方式を用いた帯電手段を有する電子写真装置に用いた場合にも、感光体表面の傷・磨耗・トナー融着等の発生を著しく低減することができ、好ましい。また、高印字率の画像を連続して形成する際においても、感光体表面の傷、磨耗及びトナー融着等が発生しやすいが、本発明の電子写真感光体は、このような場合にも、感光体表面の傷・磨耗・トナー融着等の発生を著しく低減することができ、好ましい。
上記HU(1)とHU(d)が、5≦d≦10の場合において、(HU(d)−HU(1))/(d−1)<18であると、18≦(HU(d)−HU(1))/(d−1)≦50を満足するときと比較して、電子写真装置の繰り返し使用において感光体表面に発生する傷や感光体表面の磨耗量がより多くなり、特に傷・磨耗・トナー融着等が発生しやすい厳しい条件下においては、傷の悪化や磨耗量の増加が顕著となりそれらに起因した画像不良が発生することがある。
また、HU(1)とHU(d)が、5≦d≦10の場合において、(HU(d)−HU(1))/(d−1)>70であると、電子写真装置の繰り返し使用において急激な感光体表面層膜硬度の上昇が見られ、感光体表面の磨耗量が急激に少なくなることによるトナー融着やクリーニングブレードのめくれといった問題が生じ、画像不良が生じることがある。
本発明における押し込み試験、いわゆる表面皮膜物性試験は、ドイツ・フィッシャー社製硬度計フィッシャースコープH100Vを用い、23℃55%RHの環境下で行う。当試験は、薄膜、硬化皮膜、有機皮膜等の硬度の解析が可能であり、下地はガラスプレート、Al板、Alシリンダー等で特に限定されるものではない。測定においては、形状が四角錐で対面角度が136°に規定されているダイヤモンド圧子を使用し、設定荷重を段階的にかけて皮膜に押し込んでいったときの、荷重をかけた状態での押し込み深さを電気的に検出して読み取り、硬さ値Hは試験荷をその試験荷重により生じた圧痕の表面積で除した比率で表示される。また、ユニバーサル硬さ値HUは設定最大押し込み深さでの硬さ値で表される。即ち、ユニバーサル硬さ値HUは下記式(4)で表すことができる。
HU = 最大試験荷重(N)/最大試験荷重下での圧痕表面積(mm2)
= F/(26.43×h2) [N/mm2] (4)
(F:最大試験荷重(N)、h:最大試験荷重下での押し込み深さ(mm))
= F/(26.43×h2) [N/mm2] (4)
(F:最大試験荷重(N)、h:最大試験荷重下での押し込み深さ(mm))
上記硬度計で測定したときの押し込み深さとかけた荷重との関係の一例を図1に示す。点Aが測定開始点である。A→Bが圧子の押し込みに対応する曲線であり、点Bは最大設定押し込み深さに到達したときの点である。図1は3μmの深さまで達している例であるが、本発明においては最大設定押し込み深さを1μm及びdμm(但し、5≦d≦10)に設定する。B→Cの曲線が、圧子を押し込んだ後の「戻り」に対応する曲線である。点Dは点Bから横軸に引いた垂線と横軸との交点である。この図において、点Bでの試験荷重Fと押し込み深さhの値から、ユニバーサル硬度HUが求められる。
次に本発明の電子写真感光体について詳しく説明する。
本発明における電子写真感光体の層構成は、少なくとも、導電性支持体と、この導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層し、且つこの電荷輸
送層を最表面とする構成である。
本発明における電子写真感光体の層構成は、少なくとも、導電性支持体と、この導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層し、且つこの電荷輸
送層を最表面とする構成である。
本発明の感光体に用いられる導電性支持体は、アルミニウムやSUS等の導電体からなる円筒状のドラムや、円筒状に成型されたプラスティック上に金属膜を形成してなるもの等が好適に用いられる。
本発明では、導電性支持体上に必要に応じて接着機能及びバリアー機能を有する下引き層を設けることができる。下引き層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。下引き層の膜厚は0.05〜2μmが好ましく、特には0.3〜1μmが好ましい。
本発明において、電荷発生層に用いられる電荷発生物質は従来電子写真感光体に用いられている公知のものを用いることができ、特に限定されないが、好ましい電荷発生物質としては、例えば以下のような物質が挙げられる。これらの電荷発生物質は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(1)モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ系顔料
(2)インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系顔料
(3)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系化合物
(4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料
(5)アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン系顔料
(6)スクアリリウム色素
(7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン、非晶質シリコンなどの無機物質
(2)インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ系顔料
(3)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系化合物
(4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン系顔料
(5)アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン系顔料
(6)スクアリリウム色素
(7)ピリリウム塩、チオピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン、非晶質シリコンなどの無機物質
電荷発生物質を含有する層、即ち電荷発生層は前記のような電荷発生物質を適当な結着剤に分散し、これを導電性支持体上に塗工することにより形成することができる。また、導電性支持体上に蒸着、スパッタ、CVDなどの乾式法で薄膜を形成することによっても形成することができる。
上記結着剤としては広範囲な結着性樹脂から選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ポリスルホン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で又は共重合体ポリマーとして1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
電荷発生層中に含有する樹脂は、80質量%以下、好ましくは40質量%以下が好ましい。また電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmをもつ薄膜層とすることが好ましい。また、電荷発生層には種々の増感剤を添加してもよい。
電荷輸送物質を含有する層、すなわち電荷輸送層は、電荷輸送物質と熱可塑性を有する適当な結着剤(熱可塑性樹脂)とを組み合わせて形成することができる。熱可塑性を有する結着剤としては、優れた耐磨耗性や電気特性を有するポリカーボネート樹脂やポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送物質としては、1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせてもよい。本
発明に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。
発明に用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。
結着剤と電荷輸送物質との配合割合は、結着剤100質量部あたり電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましい。電荷輸送層は、上記電荷発生層に接して形成されているため電荷発生層と電気的に接続されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷キャリアを受け取るとともに、これらの電荷キャリアを表面まで輸送できる機能を有している。この電荷輸送層は電荷キャリアを輪送できる限界があるので、必要以上に膜厚を厚くすることができず、また本発明におけるユニバーサル硬度HU(1)及びHU(d)が上記式(1)を満足するには、電荷輸送層の膜厚は10.5〜14.5μmとすることが好ましい。
このような電荷輸送層を形成する際は、適当な有機溶媒を用い、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などのコーティング法を用いて行うことができる。
また、電荷輸送層を浸漬塗布した後の乾燥温度、乾燥時間を適宜選択することにより、本発明のような膜の表面近傍と内部で硬度が異なる電荷輸送層を形成することが可能である。更に、電子写真感光体から表面層である電荷輸送層を取り除いた時の、表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度が700以上となるように、導電性支持体、電荷発生層及び必要に応じて下引き層などの材料及び材質をそれぞれ選択することが好ましい。なお、このユニバーサル硬度の測定は上記した方法と同様に行う。
即ち、具体的には、電荷輸送層の膜厚を上記範囲にし、電荷輸送層の形成時の浸漬塗布後の乾燥条件を適宜選択し、更に電荷輸送層を取り除いた時の電子写真感光体表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度を上記範囲に調整することで、HU(1)及びHU(d)が上記式(1)(好ましくは上記式(2))を満足する本発明の電子写真感光体を得ることができる。
また、本発明に用いられる電荷輸送層の好ましい態様として、例えば、重量平均分子量が20000以上のポリカーボネート樹脂やアリレート樹脂と上記例示した電荷輸送材料を1:3〜3:1の質量比率で混合し、80℃以上で乾燥することにより、上記式(3)を満足するHUを有する電荷輸送層を得ることができる。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の電子写真感光体は、電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面に静電潜像を形成する像露光手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記電子写真感光体表面に形成されたトナー現像像を転写材上に転写する転写手段を有する電子写真装置に好ましく用いられる。
特に、本発明の感光体は、繰り返し使用によっても、その表面に傷、磨耗及びトナー融着が発生しにくい。このため、傷・磨耗及びトナー融着を発生しやすい帯電手段、即ち電子写真感光体に接触配置された帯電用部材を有し、電子写真感光体に帯電用部材から直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加し、放電によって上記帯電体の表面を帯電させる、いわゆる接触帯電方式を用いた帯電手段を有する電子写真装置に用いた場合にも、感光体表面の傷・磨耗・トナー融着等の発生を著しく低減することができ、好ましい。
図2は、本発明の電子写真感光体を好適に用いることができる電子写真装置の構成の一例を示す模式的断面図である。以下に、本発明の電子写真感光体を用いた本発明の電子写真装置についてより具体的に説明する。
図2の電子写真装置は、本発明の電子写真感光体1を有し、この電子写真感光体1の周りに、電子写真感光体1表面を帯電させる帯電手段7、帯電された電子写真感光体1表面に露光光Lを照射することにより静電潜像を形成する不図示の像露光手段、静電潜像をトナーにより現像してトナー現像像を形成する現像手段4、トナー現像像を転写材9に転写する転写手段、転写後に電子写真感光体1表面に残留した転写残りトナーを除去するクリーニング手段6を、この順に有している。また、電子写真装置は、更に転写材に転写されたトナー現像像を該転写材に定着させる像定着手段8を有している。
上記電子写真装置において、ドラム型の本発明の電子写真感光体1は軸1aを中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動する。該電子写真感光体1は、電圧印加された帯電手段としての直接帯電部材10によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで露光部にて不図示の露光手段により露光光L(スリット露光或いはレーザービーム走査露光等)を受ける。これにより電子写真感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段4でトナー現像され、そのトナー現像像が転写手段23により不図示の給紙部から電子写真感光体1と転写手段23との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送された転写材9の面に順次転写されていく。像転写を受けた転写材9は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けて印刷物(コピー、プリント)として機外ヘプリントアウトされる。像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段6にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化されて繰り返して像形成に使用される。本実施形態においては必要に応じて前露光手段7等の除電手段を用いてもよい。
なお、上記本発明の電子写真装置に用いられるトナーとしては従来公知の任意のものを用いることができ、特に限定されない。即ち、本発明におけるトナーは、磁性トナーであっても非磁性トナーであってもよく、またトナーのみからなる一成分現像剤として用いても、キャリアと混合して二成分現像剤として用いてもよく、目的とされる電子写真装置の構成に応じて適宜選択すればよい。
また、本発明においては帯電手段7、現像手段4及びクリーニング手段6から選ばれる少なくとも一つの手段を電子写真感光体1と組み合わせて、電子写真装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとして電子写真装置に装着したものであってもよい。図2においては、電子写真感光体1、帯電手段7、現像手段4及びクリーニング手段6からなるプロセスカートリッジ20を構成している。
以下、具体的実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
〈実施例1〉
6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5部をメタノール70部とブタノール25部を混合溶媒に溶解した溶液を、導電性支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm)上に浸漬塗布、乾燥して、膜厚1μmの下引き層(電荷注入阻止層)を形成した。
〈実施例1〉
6−66−610−12四元系ポリアミド共重合体5部をメタノール70部とブタノール25部を混合溶媒に溶解した溶液を、導電性支持体としてのアルミニウムシリンダー(直径30mm)上に浸漬塗布、乾燥して、膜厚1μmの下引き層(電荷注入阻止層)を形成した。
次に、CuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するTiOPc4部とポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート
100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で下引き層上に塗布し、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬法で下引き層上に塗布し、膜厚が0.3μmの電荷発生層を形成した。
次に、電荷輸送層を形成するために、下記式で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂(Mw=101000)10部と、
下記式で表されるアミン化合物9部
とを、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン50部の混合溶媒中に溶解して調製した電荷輸送層用塗料を用いて、前記電荷発生層上にこの塗料を浸漬法で塗布し、85℃で1時間乾燥し、膜厚が12μmの電荷輸送層を形成し、感光体1を作製した。
得られた感光体1のユニバーサル硬度に関する物性を表1に示す。この表1に示すとおり、感光体1の電荷輸送層に対して押し込み深さを1μm、5μm及び10μmとしたときのユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ255、345、560であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、押し込み深さdが5≦d≦10の範囲における
A = (HU(d)−HU(1))/(d−1)
の最小値は22.5(d=5のとき)、最大値は33.9(d=10のとき)であった。
A = (HU(d)−HU(1))/(d−1)
の最小値は22.5(d=5のとき)、最大値は33.9(d=10のとき)であった。
感光体1を評価する電子写真装置として、図2に示すヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4000」(プロセススピード94.2mm/秒)を用いた。この装置に関しての説明は上述した通りである。ただし、上記電子写真装置においては前露光手段7は搭載されていない。本実施例においては、感光体1を用い、感光体暗部電位が−500Vになるよう直流印加電圧を設定した。トナーは、ヒューレットパッカード製カートリッジ「EP−52」に搭載されているトナーと同じものを用いた。
本機を温湿度23℃55%RHの環境に設置し、トナーを補給しつつ、A4サイズ紙に面積比率4%印字の文字パターンで連続10,000枚の連続画出し試験を行い、初期の画像と10,000枚画出し耐久試験後の画像評価(べた白、べた黒、ハーフトーン)を行い、結果を下記の評価基準に従って分類した。
(画像評価)
◎:画像不良なく鮮明
○:画像不良なし
△:若干の画像不良発生
×:画像不良発生
◎:画像不良なく鮮明
○:画像不良なし
△:若干の画像不良発生
×:画像不良発生
また、耐久試験前後において、感光体の表面粗さ(Rz)を測定した。なお、表面粗さの測定は、JIS B 0601(1994)に準じ、小坂研究所表面粗さ計サーフコーダーSE3500を用い、カットオフを0.8mm、測定長さを2.5mmで行い、10点平均粗さRzを求めた。評価結果を表2に示す。
〈実施例2〉
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を14μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体2を作製した。感光体2の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ250、330、545であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は20.0(d=5)、最大値は32.8(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を14μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体2を作製した。感光体2の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ250、330、545であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は20.0(d=5)、最大値は32.8(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例3〉
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を11.5μmに変更し、電荷輸送層の製造時の乾燥温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体3を作製した。感光体3の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ240、355、700であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は28.8(d=5)、最大値は51.1(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を11.5μmに変更し、電荷輸送層の製造時の乾燥温度を80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体3を作製した。感光体3の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ240、355、700であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は28.8(d=5)、最大値は51.1(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例4〉
実施例1において、電荷輸送層の製造の際に用いたアミン化合物の使用量を7部に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体4を作製した。感光体4の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ275、365、585であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は22.5(d=5)、最大値は34.4(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の製造の際に用いたアミン化合物の使用量を7部に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体4を作製した。感光体4の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ275、365、585であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は22.5(d=5)、最大値は34.4(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈実施例5〉
実施例1において、電荷輸送層の製造の際に用いたポリアリレート樹脂の代わりに、下記式で表されるポリカーボネート樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体5を作製した。
実施例1において、電荷輸送層の製造の際に用いたポリアリレート樹脂の代わりに、下記式で表されるポリカーボネート樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして感光体5を作製した。
感光体5の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ230、315、525であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は21.3(d=5)、最大値は32.8(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈比較例1〉
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体6を作製した。感光体2の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ250、245、265であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加しなかったが、その範囲でのHUの最小値は245であった。また、前述のAの最小値は−1.3(d=5とd=6近辺)、最大値は1.7(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体6を作製した。感光体2の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ250、245、265であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加しなかったが、その範囲でのHUの最小値は245であった。また、前述のAの最小値は−1.3(d=5とd=6近辺)、最大値は1.7(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈比較例2〉
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を18μmに変更し、電荷輸送層の製造時の乾燥温度を120℃に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体7を作製した。感光体7の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ265、330、510であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述の式Aの最小値は16.3(d=5)、最大値は27.2(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を18μmに変更し、電荷輸送層の製造時の乾燥温度を120℃に変更した以外は、実施例1と同様にして感光体7を作製した。感光体7の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ265、330、510であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述の式Aの最小値は16.3(d=5)、最大値は27.2(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈比較例3〉
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体8を作製した。感光体8の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ270、390、990であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述の式Aの最小値は30.0(d
=5)、最大値は80.0(d=10)であった。
実施例1において、電荷輸送層の膜厚を10μmに変更した以外は、実施例1と同様にして感光体8を作製した。感光体8の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ270、390、990であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述の式Aの最小値は30.0(d
=5)、最大値は80.0(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
〈比較例4〉
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して導電層用塗料を調製した。導電性支持体としてのアルミニウムシリンダー(φ30mm)上に、導電層用塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粉体50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メチルセロソルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、平均分子量3,000)0.002部を1mmφガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して導電層用塗料を調製した。導電性支持体としてのアルミニウムシリンダー(φ30mm)上に、導電層用塗料を浸漬塗布し、140℃で30分間乾燥させ、膜厚20μmの導電層を形成した。
上記導電層上に、実施例1と同様にして下引き層、電荷発生層、電荷輸送層を順次形成して感光体9を作製した。感光体9の電荷輸送層に対するユニバーサル硬度HU(1)、HU(5)、HU(10)はそれぞれ240、232、340であり、押し込み深さ5μmから10μmまでHUの値は単調増加した。また、前述のAの最小値は−2.0(d=5)、最大値は11.1(d=10)であった。
この感光体2を、前記の画像形成装置に装着し、連続10,000枚の通紙耐久試験を行い、実施例1と同様に画像評価を行った。結果を表2に示す。
1 電子写真感光体
1a 軸
4 現像手段
6 クリーニング手段
7 帯電手段
8 像定着手段
9 転写手段
10 接触帯電部材(帯電手段)
20 プロセスカートリッジ
23 接触帯電転写部材(転写手段)
L 露光光
1a 軸
4 現像手段
6 クリーニング手段
7 帯電手段
8 像定着手段
9 転写手段
10 接触帯電部材(帯電手段)
20 プロセスカートリッジ
23 接触帯電転写部材(転写手段)
L 露光光
Claims (6)
- 導電性支持体と、該導電性支持体上に形成された、電荷発生物質を含む電荷発生層と、該電荷発生層上に形成された、熱可塑性樹脂及び電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを有し、該電荷輸送層が表面層である電子写真感光体であって、
前記電荷輸送層表面から1μmの押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(1)とし、表面からdμm(但し、5≦d≦10)の押し込み深さにおけるユニバーサル硬度をHU(d)としたときに、HU(1)とHU(d)が下記式(1)を満足することを特徴とする電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 70 (1) - 前記HU(1)とHU(d)(5≦d≦10)が、下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
18 ≦ (HU(d)−HU(1))/(d−1) ≦ 50 (2) - 前記HU(1)が下記式(3)を満足することを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
150 ≦ HU(1) ≦ 350 (3) - 前記電子写真感光体に接触配置された帯電用部材を有する帯電手段であって、前記電子写真感光体に前記帯電用部材から直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加し、放電によって前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段を有する電子写真装置に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、該帯電手段によって帯電された電子写真感光体表面に静電潜像を形成する像露光手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記電子写真感光体表面に形成されたトナー現像像を転写材上に転写する転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体表面に形成された静電潜像をトナーによって現像してトナー現像像を形成する現像手段、及び前記トナー現像像が転写材に転写された後に前記電子写真感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱可能に装着されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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Cited By (2)
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US7638248B2 (en) | 2005-11-07 | 2009-12-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Electrophotographic photoconductor |
CN108628113A (zh) * | 2017-03-17 | 2018-10-09 | 柯尼卡美能达株式会社 | 图像形成装置和电子照片感光体 |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003399523A patent/JP2005164626A/ja not_active Withdrawn
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