JP2001289630A - 固体表面の評価判定方法及び固体表面の加工方法 - Google Patents

固体表面の評価判定方法及び固体表面の加工方法

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JP2001289630A
JP2001289630A JP2001005719A JP2001005719A JP2001289630A JP 2001289630 A JP2001289630 A JP 2001289630A JP 2001005719 A JP2001005719 A JP 2001005719A JP 2001005719 A JP2001005719 A JP 2001005719A JP 2001289630 A JP2001289630 A JP 2001289630A
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JP2001005719A
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Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Toshio Fukagai
俊夫 深貝
Katsuhiko Tani
克彦 谷
Junichi Yamazaki
純一 山崎
Chikayuki Iwata
周行 岩田
Yuka Miyamoto
由佳 宮本
Takuji Kato
拓司 加藤
Yoshio Watanabe
好夫 渡邉
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相対評価ではなく、測定条件が変更されても
評価判定を容易にすることができる普遍的な固体表面の
評価判定方法及び固体表面の加工方法を提供する。 【解決手段】 固体表面の断面曲線を水平方向にΔt
[μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
さx(t)[μm]のデータ群を測定する工程と、該デ
ータ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ変換
を行い、下式(数2)により導出したパワースペクトル
を計算する工程と、計算されたパワースペクトルを、特
定の基準値に対比させて固体表面の良否を判定する工程
を有することを特徴とする固体表面の評価判定方法。 【数1】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数2】 上記方法により得られた結果に基づき固体表面の加工条
件を変化させることを特徴とする固体表面の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体表面の評価判
定方法及び固体表面の加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固体表面の断面曲線を的確に判断するこ
とが多くの分野で求められている。例えば、その固体と
塗料等他の物質との接着性、あるいは他の物質との摩擦
特性、あるいは光学的、電気的、電気化学的特性等の特
性は固体表面の断面曲線により大きく変わる。特に、画
像形成等に用いられる感光体の基体あるいは基体に積層
した膜等の断面曲線は、形成される画像に多大な影響を
及ぼすことが知られている。
【0003】固体表面の断面曲線の判定方法としては、
例えばJISB0601に示されているような中心線平
均粗さ(Ra)、最大粗さ(Rmax)及び十点平均粗
さ(Rz)による判定がなされていた。ところが、それ
らのパラメータの値がほぼ同じであっても、特性に大き
な差が生じる場合があり、その時の断面曲線は明らかに
異なっていた。断面曲線の判定として、基準となる断面
曲線を設定しようとしても、断面曲線は一般に多数の波
が重畳されたものであり、水平方向に全く同じ形状の波
があるわけでないため、判定は極めて困難であった。ま
た、表面加工を行う場合、加工条件及び表面加工機の各
部品の磨耗状態、管理保守状態によっては加工された固
体表面の断面曲線の規則性が崩れる傾向にあり判定はさ
らに困難になってしまっていた。
【0004】固体表面の断面曲線を評価する方法とし
て、例えば特開平9−178470号公報には、測定物
の表面の断面曲線をフーリエ変換したスペクトルから固
体表面の判定を行う方法が開示されている。この判定方
法は断面曲線を、構成する複数の波に分解し、個々の波
の波長を知ることができるため、従来の判定方法に比べ
て判定がしやすくなる。また、特定の波の除去、あるい
は他の波の加算等による新たな解析を行うには便利であ
る。しかし、このスペクトルは多くの弱い波も表現され
るため、多数の波が出現し、判断があいまいになりやす
い。また、固体表面の特性は個々の波のパワー(パワ
ー)に相関していることの方が多いため、この判定方法
では判断を誤りやすい。
【0005】パワースペクトルは、個々の波のパワーを
示しているため、固体表面の断面曲線の評価をするには
最適である。特開平7−128037号公報には、処理
面の面波形をフーリエ変換して周波数とパワースペクト
ルとの周波数分析関係に変換し、周波数分析関係に基づ
き面粗さを評価する方法が開示されている。しかしなが
ら、特開平7−128037号公報には、パワースペク
トルを求めるための具体的な方法の開示がない。また、
周波数の表現においても単位の開示がないため各周波数
の波がどのような波長の波に相当するのか分からない。
固体表面の断面曲線の測定条件が一定であり、解析条件
も一定である場合の相対評価であればこれでも良いので
あるが、固体表面の断面曲線の測定条件あるいは解析条
件が少しでも異なれば評価、判定を行うことができなく
なってしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題を解決し、相対評価ではなく、固体表面の断面
曲線の測定条件が変更されても適切な評価判定を容易に
することができる普遍的な固体表面の評価判定方法及び
該評価判定方法を利用した固体表面の加工方法を提供す
ることをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、固体表面
の評価判定方法として相対評価ではなく、測定条件が変
更されても評価できるよう鋭意検討を重ねた結果、固体
表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の間隔で、N
個サンプリングした断面曲線の高さx(t)[μm]の
データ群に対し下式(数9)に従い離散的なフーリエ変
換を行い、下式(数10)により導出したパワースペク
トルを特定の基準に対比させることで、容易に固体表面
の良否をできることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【数9】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数10】
【0008】即ち、本発明によれば、以下の固体表面の
評価判定方法が提供される。 (1)固体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の
間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群を測定する工程と、該データ群に対
し下式(数11)に従い離散的なフーリエ変換を行い、
下式(数12)により導出したパワースペクトルを計算
する工程と、計算されたパワースペクトルを、特定の基
準値に対比させて固体表面の良否を判定する工程を有す
ることを特徴とする固体表面の評価判定方法。
【数11】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数12】 (2)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(1)の固体表面の評
価判定方法。 (3)固体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の
間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群を測定する工程と、該データ群に対
し下式(数13)に従い離散的なフーリエ変換を行い、
下式(数14)及び(数15)より導出したI(S)を
特定の敷居値に対比させて、その対比結果に基づき固体
表面の良否を判定する工程を有することを特徴とする固
体表面の評価判定方法。
【数13】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数14】
【数15】 (4)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(3)の固体表面の評
価判定方法。 (5)固体表面の断面曲線を水平方向にΔt[μm]の
間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高さx(t)
[μm]のデータ群を測定する工程と、該データ群に対
し下式(数16)に従い離散的なフーリエ変換を行い、
下式(数17)及び(数18)より導出したI’(S)
を特定の敷居値に対比させて、その対比結果に基づき固
体表面の良否を判定する工程を有することを特徴とする
固体表面の評価判定方法。
【数16】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である)
【数17】
【数18】 (ここで、a,bはN以下の整数でa≦bである) (6)Δtが0.01〜50.00μm、Nが2048
以上であることを特徴とする上記(5)の固体表面の評
価判定方法。 (7)該固体が、円筒状体である上記(1)〜(6)の
固体表面の評価判定方法。 (8)該固体が、ベルト状体である上記(1)〜(6)
の固体表面の評価判定方法。 (9)該固体が、平板状体である上記(1)〜(6)の
固体表面の評価判定方法。 (10)該固体が、感光体である上記(1)〜(9)の
固体表面の評価判定方法。 (11)評価判定対象の固体表面が、基体上に少なくと
も感光層を設けた感光体における該感光層の表面である
ことを特徴とする上記(1)〜(10)の固体表面の評
価判定方法。 (12)評価判定対象の固体表面が、基体上に少なくと
も感光層を設けた感光体における該感光層の基体側界面
であることを特徴とする上記(1)〜(10)の固体表
面の評価判定方法。 (13)評価判定対象の固体表面が、基体上に下引層を
介して感光層を設けた感光体における該下引層の表面で
あることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に
記載の固体表面の評価判定方法。 (14)評価判定対象の固体表面が、基体上に感光層を
設けた感光体における基体表面であることを特徴とする
上記(1)〜(10)の固体表面の評価判定方法。
【0009】また、本発明によれば、以下の固体表面の
加工方法が提供される。 (15)上記(1)〜(14)の固体表面の評価判定方
法による評価判定結果に基づいて、該固体の表面加工条
件を変化させることを特徴とする固体表面の加工方法。 (16)変化させる表面加工条件が、切削方法であるこ
とを特徴とする上記(15)の固体表面の加工方法。 (17)変化させる表面加工条件が、ブラスト方法であ
ることを特徴とする上記(15)の固体の表面加工方
法。 (18)変化させる表面加工条件が、陽極酸化方法であ
ることを特徴とする上記(15)の固体表面の加工方
法。 (19)変化させる表面加工条件が、メッキ方法である
ことを特徴とする上記(15)の固体表面の加工方法。 (20)変化させる表面加工条件が、塗布方法であるこ
とを特徴とする上記(15)の固体表面の加工方法。
【0010】さらに、本発明によれば、以下の固体物品
が提供される。 (21)上記(15)〜(20)の加工方法により表面
が加工されたものであることを特徴とする固体物品。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による固体表面の評価判定方法は、請求項1〜1
4(上記(1)〜(14))に示した通りのものであ
る。具体例を示しながら詳述する。
【0012】一例としてアルミニウムドラムの断面曲線
を図1、図2に示し、それぞれのパワースペクトル(Δ
t=0.31μm、N=4096)を図3、図4に示し
て具体的に説明を行う。Aは新品のダイヤモンドバイト
を用いた切削機で切削したものであり、Bは同一の切削
機でアルミニウムドラムを500本切削した後に切削し
たものである。
【0013】2本のアルミニウムドラムの断面曲線は明
らかに異なるが、従来から用いられてきた表面粗さのパ
ラメータRzはほとんど変わらない。しかし、パワース
ペクトルでは違いは一目瞭然であり、アルミニウムドラ
ムAは15/1270μm-1、即ち波長が84.7μm
の波が他の波長の波に比べてかなり強い。一方、アルミ
ニウムドラムBでは15/1270μm-1の波のほかに
も2/1270μm-1、即ち波長が635μmの波が存
在しているが、これらの波のパワーはアルミニウムドラ
ムAの84.7μmの波のパワーよりもかなり小さい。
このように、例えば、特定の波長の波が必要な(あるい
はあってはならない)部材であれば、パワースペクトル
グラフを作製することでその波が存在するどうか、また
その波のパワーがどの程度か簡単に知ることができるた
め、固体の良否を判定することは極めて容易である。ま
た、基準値から外れたりした場合は、即座に表面加工条
件(切削の場合はバイトの送り量、バイトの交換、回転
速度等)を変更し、基準値内にするようにすることで不
良品を出すことなく適切な表面加工を行うことができ
る。
【0014】多くの場合、表面加工は製品を作製する工
程の初期の処理段階であることが多い。そのため、表面
加工工程での固体表面の評価判定が不適切だと、製品が
完成したあとの最終検査工程で、表面加工不良が原因の
不具合点が発見されたのでは、表面加工不良が発生して
から不具合点が発見されるまでに生産された製品のほと
んどが不良となってしまう可能性が高い。本発明は、表
面加工工程での固体表面の評価判定を適切に行うことが
できるため、評価結果が不可の場合は、無駄な生産を続
けることなく、迅速に表面化好条件を適切な条件に変更
することにより、効率的に固体表面を常に最適な状態に
なるよう表面加工を行うことができる。
【0015】パワースペクトルの基準値としては、前述
の条件(必要な(あるいは不要な)波長の波の存在ある
いはその波のパワーの強さ)のほか、パワースペクトル
の形状あるいはパワースペクトルを加工した値等が用い
られる。塗料等との接着性、あるいは他の固体との摩擦
特性、あるいは光学的、電気的、電気化学的特性等の特
性は全ての波のパワーの緩和、即ち断面曲線の波のパワ
ーと関係するI(S)と相関がある場合が多い。特に、
可干渉光を書き込み光に用いた画像形成装置における感
光体においては、基体表面のI(S)と濃淡縞の異常画
像の発生状況には明確な相関関係がある。
【数19】
【0016】画像形成装置の画像形成プロセス、感光体
の構成により、敷居値であるI(S)の値は適宜選択さ
れるものであるが、I(S)が12.0×10-3以上で
あると濃淡縞の発生はほとんどなくすることができる。
【0017】固体表面の断面曲線の水平方向をt[μ
m]としたとき、表面粗さx(t)[μm]は、不規則
変動量であるが、どのような不規則変動も種々の周波数
の正弦波的変動を適当な位相と振幅で合成して得られ
る。つまり、これはフーリエ変換により表現できる。
【数20】
【数21】 (上記式中、kは波数[μm-1;1μmの長さ当たりの
波の数]。フーリエ成分X(k)は、不規則変動量x
(t)に含まれる、波数k[すなわち波長で言うとλ=
1/k[μm]]の波の振幅を表している。|X(k)
2は、波数kの成分波のエネルギーを表している。)
【0018】次に、波数kとその成分波のエネルギー|
X(k)|2の分布関係(スペクトル)の考察を行う。
【数22】 S(k)は、単位区間[1μm]当たりの断面曲線の波
数kの成分波の平均エネルギーであり、S(k)をパワ
ースペクトルと定義する。しかしながら実際は、断面曲
線の高さx(t)は、−∞<t<∞で定義できる訳では
なく、測定は断面曲線内の一部分−T/2≦t≦T/2
でなされる。ここでTは全測定区間の長さである。この
ため、T→∞の極限をとるのではなく、波長1/kに対
して巨視的物理量としての平均が意味を持つ程度に十分
大きいTをとり、下式(数23)を計算すれば、実質的
には、T→∞の極限をとったものと一致する。
【数23】
【0019】フーリエ変換も、離散的なフーリエ変換を
用いるために以下のような変換を行う。
【数24】 (ここで、n,mは整数、ただし、Nは表面粗さのサン
プリング点数で、N=2 pの形で表される整数の必要が
ある。Δt[μm]は、断面曲線の高さの測定点(サン
プリング)間隔であり、T/Δt=Nの関係がある。)
【0020】具体的な離散的なフーリエ変換でのパワー
スペクトル導出には、下式(数25)に従う計算を行
う。
【数25】
【0021】断面曲線の水平方向の測定範囲Tは短すぎ
ると変換に係る波の数が少なくなるため誤差が大きくな
るため適宜選択される必要がある。また、Δtが判定に
注目する波の波長よりも十分小さくないと、判定に注目
する波のパワーの誤差が大きくなりやすい。多くの場
合、Δtは0.01〜50.00μm、好ましくは0.
05〜40.00μm、より好ましくは0.10〜3
0.00μmである。Δtが0.01μm未満では測定
範囲Tを十分な大きさにするためには膨大な数のサンプ
リングが必要となり計算に負担がかかるため、結果的に
測定範囲Tを小さくすることになってしまうため、誤差
が大きくなりやすい。Δtが50.00μmを超える
と、固体表面の各特性に関係する波長の小さな波を抽出
することができなくなり、適切な固体表面の判定が難し
くなる。
【0022】サンプリング数Nは計算の負担を考えなけ
れば、大きいほどよいが、実用的には、2048以上、
好ましくは4096以上、より好ましくは8192以上
であることが誤差を小さくする上で好ましい。
【0023】本発明者らは感光体の基体の断面曲線につ
いてサンプリング点数N=4096、サンプリング間隔
Δt=0.31[μm]のとき、パワースペクトルは十
分に収束していることを確認している。
【0024】さらに、下式(数26)により算出したI
(S)は、固体表面の変動の大きさを表す新たなパラメ
ータとして、固体表面の評価判定方法として極めて有力
なものである。
【数26】
【0025】この固体表面の変動の大きさを表す新たな
パラメータI(S)も本発明者らは感光体の基体の断面
曲線についてΔt=0.31[μm]のときは、N=4
096ならば、数%誤差内に収束することを確認してい
る。
【0026】別の見方をすれば、固体の表面粗さの測定
値のサンプリング間隔(実空間)Δt[μm]、パワー
スペクトルのサンプリング間隔(逆空間)Δn=1/
(N・Δt)[μm-1]となるが、これは、断面曲線の
高さx(t)の定義域が、T=N・Δtの区間であるこ
とによるためで、逆空間でのΔn=1/(N・Δt)間
隔のサンプル値のフーリエスペクトルにより、原信号x
(t)が再現することを意味しており、ここで再現でき
る断面曲線の変動周期は、[シャノン(Shanno
n)のサンプリング定理によると]、2Δt程度であ
る。現在考察している現象に関しては、この程度以上の
変動周期の表面粗さが関与しており、Δt=0.31
[μm]のサンプリング間隔で十分であるが、現象によ
ってはさらに細かい周期の変動を考察対象とする必要が
ある。この時は、それに応じて、サンプリング間隔を短
くすればよい。
【0027】ここでは、I(S)は、断面曲線を構成す
る全ての波長の波について行ったが、特定の領域の波長
の波が特性と相関があると分かっている場合には、パワ
ースペクトルの積分範囲を必要とする波長の領域のみと
して評価判定を行うこともできる。即ち、N・Δt/b
〜N・Δt/a[μm](ここで、a,bはa≦bを満
たすN以下の整数)の波を注目する場合、下式(数2
7)により算出したI’(S)を固体表面の評価判定方
法のためのパラメータとして用いることができる。a、
bの値の設定の仕方は、例えば、Δt=1μm、N=4
096でサンプリングした断面曲線の中で、100〜2
00μmの波に注目するとすると、aは1×4096/
200=20.48から20とし、bは1×4096/
100=40.96から41とするようにして行う。
【数27】
【0028】本発明の固体表面の判定方法は、前述の切
削、ブラスト、研磨、陽極酸化及び、メッキ、塗布等の
他あらゆる表面加工の場合に対しても適用可能であり、
極めて明快に判定することができる。
【0029】本発明において、固体表面の断面曲線を測
定する方法としては、再現性、測定精度を考慮して適宜
選択されるものであるが、例えば、物理的、光学的、電
気的、電気化学的手段等により測定することができ、特
に触芯式の物理的手段、光学的手段が再現性、測定精度
の点で好ましい。
【0030】本発明の固体表面の判定方法は固体の形状
が平板状、円筒状、ブロック状等どのような形状のもの
においても簡便で適切な評価判定が可能であるが、特に
円筒状基体の表面の評価判定においては、円筒状基体の
中心軸を含有した面で切断した基体表面の断面曲線の一
方向のみの評価判定なため、適用が容易であり、評価判
定は、迅速にかつ確実に評価判定を行うことができる。
そのため判定結果を表面加工工程にフィードバックし、
適切な加工方法を変化させることが極めて容易となる。
【0031】また、本発明の固体表面の判定方法は、前
述のようにあらゆる固体表面に適応可能であるが、特に
微妙な表面状態が画像に大きく影響する感光体の感光層
表面、感光層の基体側界面、基体表面、下引層等の評価
に極めて有効である。
【0032】本発明の固体表面の評価判定に特に威力を
発揮する感光体としては、基体上に少なくとも電荷発生
物質及び電荷輸送物質を含有した感光層を設けた構成で
あり、必要により下引層、保護層を設けることもでき
る。本発明の感光体は、電荷発生層と電荷輸送層を別々
に積層した積層型、電荷発生物質と電荷輸送物質が混合
されている単層型を例示することができる。
【0033】感光体の基体としては、銅、アルミニウム
ニウム、金、銀、白金、鉄、パラジウム、ニッケル等の
金属あるいはこれら金属を主成分とする合金をドラム状
あるいはベルト状に形成したものや、上記の金属、酸化
錫、酸化インジウム等をプラスチックフィルム等に真空
蒸着、無電解メッキ、貼りあわせ等によって付着させた
ベルトあるいはシートを例示することができる。本発明
で評価対象となる感光体基体表面は、感光層との接着性
を向上させるために下引層の積層、陽極酸化皮膜形成、
切削、ブラスト、ホーニング等により表面加工を施され
ていることが好ましい。また前述のように、濃淡縞の異
常画像を抑制するためには基体表面は十分荒れているこ
とが好ましく、基体の組成、作成条件等を制御したり、
物理的、電気化学的等の方法により荒らすことが好まし
い。中でも切削、ブラスト、ホーニング等の物理的加工
方法が荒らす効果が高く好ましい。
【0034】感光体の下引層としては樹脂、あるいは白
色顔料と樹脂を主成分としたもの、及び導電性基体表面
を化学的あるいは電気化学的に酸化させた酸化金属膜等
が例示できるが、白色顔料と樹脂を主成分とするものが
好ましい。白色顔料としては、酸化チタン、酸化アルミ
ニウムニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸
化物が挙げられ、中でも導電性基体からの電荷の注入防
止性が優れる酸化チタンを含有させることが最も好まし
い。下引層に用いる樹脂としてはポリアミド、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑
性樹脂、アクリル、フェノール、メラミン、アルキッ
ド、不飽和ポリエステル、エポキシ等熱の硬化性樹脂、
これらの中の一種あるいは複数種の混合物を例示するこ
とができる。
【0035】感光体に用いる電荷発生剤としては、例え
ば、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔
料、テトラキスアゾ顔料、トリアリールメタン系染料、
チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系染
料、シアニン系色素、スチリル系色素、ビリリウム系染
料、キナクリドン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系
顔料、多環キノン系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔
料、インダスロン系顔料、スクアリリウム系顔料、フタ
ロシアニン系顔料等の有機系顔料及び染料や、セレン、
セレン−ヒ素、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化
亜鉛、酸化チタン、アモルファスシリコン等の無機材料
を使用することができ、電荷発生剤は一種あるいは複数
種を用いることができる。
【0036】電荷輸送材料としては、例えば、アントラ
セン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、テト
ラゾール誘導体、メタロセン誘導体、フェノチアジン誘
導体、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル
化合物、スチリルヒドラゾン化合物、エナミン化合物、
ブタジエン化合物、ジスチリル化合物、オキサゾール化
合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物、イ
ミダゾール化合物、トリフェニルアミン誘導体、フェニ
レンジアミン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリフ
ェニルメタン誘導体等の一種あるいは複数種を混合して
使用することができる。
【0037】上記電荷発生層、電荷輸送層の感光層を形
成するのに使用する結着樹脂としては、電気絶縁性であ
り、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂及び光導電性樹脂等を使用することができ、適
当な結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、
(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスル
ホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシア
ネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化
性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾ
ール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の
光導電性樹脂など一種の結着樹脂あるいは複数種と結着
樹脂の混合を挙げることができるが、特に、これらのも
のに限定されるものではない。
【0038】本発明の固体表面の判定方法は、感光体の
基体表面の評価判定、下引層等の各層の表面を評価判定
の場合にも本発明は極めて威力を発揮する。そのため、
本発明の製造方法により、生産性の高い感光体の製造が
可能となり、かつ製造した感光体は、従来より問題とな
っていた書き込み光による濃淡縞異常画像等の問題を起
こすことなく極めて高品質の画像形成が可能である。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0040】実施例1 アルミニウムドラムの表面を新品のダイヤモンドバイト
を用いた切削機により切削して、直径90mm、長さ3
52mm、厚さ2mmのアルミニウムドラムを同一切削
条件で4本作製した。このアルミニウムドラム表面を表
面粗さ計サーフコム1400Aにて測定したところ、い
ずれも図5のような断面曲線を有していた。この断面曲
線からΔt=0.31μmで、N=4096個サンプリ
ングし、離散的なフーリエ変換を行い、図6に示すパワ
ースペクトルグラフを作成した。I(S)を計算したと
ころ33.5×10-3であった。アルミニウムドラムの
表面のI(S)の規格は12.0×10-3以上としてい
たため、これらのアルミニウムドラムは全て合格であっ
た。
【0041】次に、アクリル樹脂(アクリディックA−
460−60(大日本インキ化学工業製))15重量
部、メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−6
0(大日本インキ化学工業製))10重量部をメチルエ
チルケトン80重量部に溶解し、これに酸化チタン粉末
(TM−1(富士チタン工業製))90重量部加え、ボ
ールミルで12時間分散し、下引層塗布液を作製した。
切削により表面を粗面化したアルミニウムドラムを上記
下引層塗工液に浸漬した後、速度一定で垂直に引き上げ
て塗工した。アルミニウムドラムの方向を維持したま
ま、乾燥室に移動させ140℃で20分乾燥し、厚さ
3.5μmの下引層をアルミニウムドラム上に形成し
た。この下引層表面を表面粗さ計サーフコム1400A
にて測定したところ、図7のような断面曲線を有してい
た。この断面曲線からΔt=0.31μmで、N =4
096個サンプリングし、離散的なフーリエ変換を行
い、図8に示すパワースペクトルを作成した。I(S)
を計算したところ22.7×10-3であった。アルミニ
ウムドラム上に形成した下引層のI(S)の規格は6.
0×10-3以上としていたため合格であった。
【0042】次に、ブチラール樹脂(エスレックBLS
(積水化学製))15重量部をシクロヘキサノン150
重量部に溶解し、これに下記構造式(化1)のトリスア
ゾ顔料10重量部を加えてボールミルで48時間分散し
た。
【化1】 さらにシクロヘキサノン210重量部を加え、3時間分
散を行った。これを固形分が1.5重量%になるように
攪拌しながらシクロヘキサノンで希釈した。こうして得
られた電荷発生層用塗工液に、下引層を形成したアルミ
ニウムドラムを浸漬し、120℃、20分間下引層と同
様に乾燥を行い、約0.2μmの電荷発生層を形成し
た。さらに下記構造式(化2)の電荷輸送材料6重量
部、ポリカーボネート樹脂(パンライトK−1300
(帝人化成製))10重量部、シリコーンオイル(KF
−50(信越化学工業製))0.002重量部を90重
量部の塩化メチレンに溶解した。
【化2】 こうして得られて電荷輸送層塗工液に、下引層/電荷発
生層を形成したアルミニウムドラムを浸漬し、120
℃、20分間下引層と同様に乾燥を行い、電荷発生層上
に厚さ約23μmの電荷輸送層を形成し、感光体を作製
した。上記で作製した感光体を、書き込み光の波長が7
80nm、書き込み画像の解像度が400dpiのim
agio color 2800(リコー製)に搭載し
た。全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したとこ
ろ、均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は認められ
なかった。また、カラーの風景写真をカラーコピーした
ところ、高品質の画像が得られた。
【0043】比較例1 実施例1で用いた切削機でダイヤモンドバイトを交換す
ることなく、アルミニウムドラムを501本切削した。
実施例1と同様にして501本目に切削したアルミニウ
ムドラム表面の断面曲線(図9)を測定した。さらに、
実施例1と同様にアルミニウムドラム表面の断面曲線の
パワースペクトルグラフ(図10)を作成し、I(S)
を計算したところ10.8×10-3であった。アルミニ
ウムドラムのI(S)の規格は実施例1と同じであるの
で不可であるが、継続して感光体を作製した。下引層の
断面曲線(図11)について実施例1と同様に下引層の
断面曲線のパワースペクトル(図12)のI(S)を計
算したところ5.3×10-3であった。下引層のI
(S)の規格は実施例1と同じであるので不可である
が、継続して感光体を作製した。実施例1と同様に全面
均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像端
部付近に濃淡の乱れが生じているように見えた。実施例
1と同じカラーの風景写真をカラーコピーしたところ、
凝視すると画像端部付近が僅かに濃淡の乱れが生じてい
るように見えた。
【0044】実施例2 実施例1において、imagio color 280
0(リコー製)を改造し、書き込み画像の解像度を10
00dpiとしたこと以外は実施例1と同様に全面均一
の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、均一な画像
が得られ、濃淡縞の異常画像は発生しなかった。また、
実施例1と同じカラーの風景写真をカラーコピーしたと
ころ、高品質の画像が得られた。
【0045】比較例2 比較例1で作製した感光体を用いたこと以外は実施例2
と同様に白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像
端部付近に帯状の4組の薄い濃淡縞が認められ、また、
約280mmの間隔で、木目状の薄い濃淡縞が認められ
た。実施例1と同じカラーの風景写真をコピーしたとこ
ろ、画像端部付近に薄い帯状の異常画像が観測され、さ
らに全面均一の白黒ハーフトーン画像で木目状の濃淡縞
が認められたのとほぼ同じ高さの場所の色合いが部分的
にやや不自然であった。
【0046】実施例3 実施例2で用いたダイヤモンドバイトと同じ型の新品の
ダイヤモンドバイトを用い、実施例2と同じ大きさのア
ルミニウムドラムの切削を行った。切削の完了したアル
ミニウムドラムは直ちに実施例1と同様に断面曲線を測
定し、I(S)を計算した。アルミニウムドラムのI
(S)の規格を12.0×10-3以上として、規格外に
なったら切削を中止し、ダイヤモンドバイトの交換を行
うこととした。実施例2と同じように下引層、電荷発生
層、電荷輸送層を積層して1000本の感光体の連続生
産を行った。連続生産ではアルミニウムドラム387本
目及び819本目にアルミニウムドラムのI(S)が1
2.0×10-3未満となったため、ダイヤモンドバイト
の交換を2回行った。生産された感光体を50本毎、2
0のロットに分類し、各ロットの中から、無作為に感光
体を1本選定し、実施例3と同様の画像形成装置を作製
して、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力して濃淡
縞の異常画像の有無を評価した。その結果、20ロット
全て濃淡縞の異常画像はなかった。
【0047】比較例3 実施例3で、最初に用いたダイヤモンドバイト(387
本目にアルミニウムドラムがI(S)の規格外となり交
換したバイト)で20本のアルミニウムドラムを切削
し、全てのアルミニウムドラムのI(S)を測定した。
切削2本目が12.7×10-3となった以外、19本の
アルミニウムドラムのI(S)はいずれも0.040未
満であった。これら20本のアルミニウムドラムを用い
て実施例4と同様に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を
積層して20本の感光体を作製した。実施例4と同様に
作製した20本の感光体を用いて画像形成装置を作製し
て、全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力して濃淡縞
の異常画像の有無を評価したところ、15台の画像形成
装置の画像に濃淡縞の異常画像が確認された。特に7本
目以降に切削したアルミニウムドラムを用いて作製した
感光体を用いた画像形成装置では全て明瞭な濃淡縞が確
認された。
【0048】実施例4 実施例2で、アルミニウムドラムの切削の生産性を高め
るため、切削機のアルミニウムドラムの回転数及びバイ
トの送り速度を1.2、1.4、1.6倍とし、実施例
2と同様にアルミニウムドラムを切削した。アルミニウ
ムドラムの断面曲線を測定し、パワースペクトルグラフ
を作成した。423μm以上の波長の波のパワー(S)
の規格を7以下としていたところ、アルミニウムドラム
の回転数及びバイトの送り速度を1.1、1.2、1.
5倍で423μm以上の波長の波のパワーはそれぞれ、
3.4、5.6、10.9となった。アルミニウムドラ
ムの回転数及びバイトの送り速度を実施例2に比べて
1.2倍向上させてアルミニウムドラムを作製し、実施
例2と同様の感光体を50本作製し、実施例2と同様に
全面均一の白黒ハーフトーン画像を出力したところ、い
ずれも均一な画像が得られ、濃淡縞の異常画像は発生し
なかった。一方、アルミニウムドラムの回転数及びバイ
トの送り速度を1.5倍で作製したアルミニウムドラム
で作製した感光体を用い、実施例2と同様に全面均一の
白黒ハーフトーン画像を出力したところ、画像全面に縦
スジの以上画像が発生してしまった。
【0049】実施例5 実施例4において、引続きアルミニウムドラムを510
本切削し、50本目、500本目のアルミニウムドラム
の断面曲線を測定しRzを求めたところ、それぞれ0.
69μm、0.68μmとほとんど差が無かった。それ
ぞれのアルミニウムドラムのI(S)を測定したとこ
ろ、それぞれ19.5×10-3、10.9×10-3であ
った。アルミニウムドラムのI(S)の規格を12.0
×10-3以上としていたため、50本目のアルミニウム
ドラムは合格、500本目のアルミニウムドラムは不合
格であった。50本目、500本目のアルミニウムドラ
ムを用いて実施例2と同様に全面均一の白黒ハーフトー
ン画像を出力したところ、50本目では均一な画像が得
られたが、500本目では木目状の濃淡縞画像が発生し
てしまった。
【0050】
【発明の効果】請求項1〜14の発明によれば、前記構
成を採用したので、相対評価ではなく、固体表面の断面
曲線の測定条件が変更されても適切な評価判定を容易に
かつ的確に行うことができる普遍的な固体表面の評価判
定方法を提供することができる。また、請求項15〜2
0の発明によれば、迅速に最適な固体表面の加工条件を
求め、所望の固体表面の加工を行うことができる。さら
に、請求項21の発明によれば、所望の固体表面の加工
を施された固体物品の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウムドラムの断面曲線の一例を示す図
である。
【図2】アルミニウムドラムの断面曲線の一例を示す図
である。
【図3】図1の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図4】図2の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図5】実施例1のアルミニウムドラム表面の断面曲線
を示す図である。
【図6】図5の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図7】実施例1の下引層表面の断面曲線を示す図であ
る。
【図8】図7の断面曲線から求めたパワースペクトルを
示す図である。
【図9】比較例1のアルミニウムドラム表面の断面曲線
を示す図である。
【図10】図9の断面曲線から求めたパワースペクトル
を示す図である。
【図11】比較例1の下引層の断面曲線を示す図であ
る。
【図12】図11の断面曲線から求めたパワースペクト
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷 克彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山崎 純一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 岩田 周行 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 宮本 由佳 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 加藤 拓司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邉 好夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体表面の断面曲線を水平方向にΔt
    [μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
    さx(t)[μm]のデータ群を測定する工程と、 該データ群に対し下式(数1)に従い離散的なフーリエ
    変換を行い、下式(数2)により導出したパワースペク
    トルを計算する工程と、 計算されたパワースペクトルを、特定の基準値に対比さ
    せて固体表面の良否を判定する工程を有することを特徴
    とする固体表面の評価判定方法。 【数1】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数2】
  2. 【請求項2】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項1に記載の
    固体表面の評価判定方法。
  3. 【請求項3】 固体表面の断面曲線を水平方向にΔt
    [μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
    さx(t)[μm]のデータ群を測定する工程と、 該データ群に対し下式(数3)に従い離散的なフーリエ
    変換を行い、下式(数4)及び(数5)より導出したI
    (S)を特定の敷居値に対比させて、その対比結果に基
    づき固体表面の良否を判定する工程を有することを特徴
    とする固体表面の評価判定方法。 【数3】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数4】 【数5】
  4. 【請求項4】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項3に記載の
    固体表面の評価判定方法。
  5. 【請求項5】 固体表面の断面曲線を水平方向にΔt
    [μm]の間隔で、N個サンプリングした断面曲線の高
    さx(t)[μm]のデータ群を測定する工程と、 該データ群に対し下式(数6)に従い離散的なフーリエ
    変換を行い、下式(数7)及び(数8)より導出した
    I’(S)を特定の敷居値に対比させて、その対比結果
    に基づき固体表面の良否を判定する工程を有することを
    特徴とする固体表面の評価判定方法。 【数6】 (ここで、n,mは整数、N=2p、pは整数である) 【数7】 【数8】 (ここで、a,bはN以下の整数でa≦bである)
  6. 【請求項6】 Δtが0.01〜50.00μm、Nが
    2048以上であることを特徴とする請求項5に記載の
    固体表面の評価判定方法。
  7. 【請求項7】 該固体が、円筒状体である請求項1〜6
    のいずれか一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  8. 【請求項8】 該固体が、ベルト状体である請求項1〜
    6のいずれか一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  9. 【請求項9】 該固体が、平板状体である請求項1〜6
    のいずれか一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  10. 【請求項10】 該固体が、感光体である請求項1〜9
    のいずれか一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  11. 【請求項11】 評価判定対象の固体表面が、基体上に
    少なくとも感光層を設けた感光体における該感光層の表
    面であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一
    項に記載の固体表面の評価判定方法。
  12. 【請求項12】 評価判定対象の固体表面が、基体上に
    少なくとも感光層を設けた感光体における該感光層の基
    体側界面であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れか一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  13. 【請求項13】 評価判定対象の固体表面が、基体上に
    下引層を介して感光層を設けた感光体における該下引層
    の表面であることを特徴とする請求項1〜10のいずれ
    か一項に記載の固体表面の評価判定方法。
  14. 【請求項14】 評価判定対象の固体表面が、基体上に
    感光層を設けた感光体における基体表面であることを特
    徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の固体表面
    の評価判定方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一項に記載
    の方法による評価判定結果に基づいて、該固体の表面加
    工条件を変化させることを特徴とする固体表面の加工方
    法。
  16. 【請求項16】 変化させる表面加工条件が、切削方法
    であることを特徴とする請求項15に記載の固体表面の
    加工方法。
  17. 【請求項17】 変化させる表面加工条件が、ブラスト
    方法であることを特徴とする請求項15に記載の固体の
    表面加工方法。
  18. 【請求項18】 変化させる表面加工条件が、陽極酸化
    方法であることを特徴とする請求項15に記載の固体表
    面の加工方法。
  19. 【請求項19】 変化させる表面加工条件が、メッキ方
    法であることを特徴とする請求項15に記載の固体表面
    の加工方法。
  20. 【請求項20】 変化させる表面加工条件が、塗布方法
    であることを特徴とする請求項15に記載の固体表面の
    加工方法。
  21. 【請求項21】 請求項15〜20のいずれか一項に記
    載の加工方法により表面が加工されたものであることを
    特徴とする固体物品。
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