JP6489432B2 - 感光体とそれを用いた画像形成方法および画像形成装置 - Google Patents
感光体とそれを用いた画像形成方法および画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
特許文献1では、導電性支持体上に中間層および感光層を有する電子写真感光体において、中間層が平均粒径の異なる二種の酸化チタン粒子とバインダー樹脂とを含有し、二種の酸化チタン粒子の各平均粒径(D1)、(D2)の比(D2/D1)を規定することにより、画像欠陥のない高画質な画像を与え、かつ耐久性に優れた電子写真感光体が提供されるとしている。
また、特許文献2では、電子写真感光体表面の凹凸形状を表面粗さ・輪郭形状測定機により測定して得た一次元データ配列を、ウェーブレット変換して高周波数成分から低周波数成分に至る6個の周波数成分に分離する多重解像度解析を行い、更に特定の方法で得られる6個の各周波数成分との合計12個の各周波数成分の個々の算術平均粗さについて特定の関係を有することにより、電子写真感光体に潤滑剤を必要なときに必要量だけを供給でき、クリーニング性の高安定化が図られ、高画質の画像が得られるとしている。
しかし、これら従来技術によっても近年の高画質化および高耐久化に対応できる中間層が得られていないのが現状である。
(1)導電性支持体上に中間層及び感光層を有する感光体であって、
前記中間層は金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含有し、
前記中間層の下記式(1)で定義される凹部面積率Smrが下記式(2)を満たし、
前記中間層の膜厚が4μm以上7μm以下であることを特徴とする感光体。
Smr=Scut/Sk (1)
0.4≦Smr≦0.6 (2)
(但し、式(1)中、Skは基準面積を示しScutは基準面積にて得られた3次元表面形状曲面を平均高さ面(全測定データの高さ値を平均した高さにて構成される面)にて切断して得られる断面積を示す)
本発明においては中間層についての「凹部面積率Smr」は下記式(1)で定義される。
Smr=Scut/Sk (1)
ここで、Skは基準面積を示し、Scutは基準面積にて得られた3次元表面形状曲面を平均高さ面(全測定データの高さ値を平均した高さにて構成される面)にて切断して得られる断面積を示す。
そして、本発明においては、前記凹部面積率Smrは下記式(2)を満たす。
0.2≦Smr≦0.6 (2)
地肌汚れをつくる個々のドットは直径50μm前後のものが多い。地肌汚れの程度が悪くなるにつれてこのドットサイズが大きくなる。中間層は一般に膜厚を厚くすることで電荷のリークを抑えている。そこで発明者等はドット形成をもたらす中間層膜厚の凹みや尖りを抑えることが有利と考えた。そして、電荷リークを抑えるには概して平坦化が有利であった。
このため、総合的な地汚れを抑制するには中間層を単純に平坦化しても有効とは言えず、凹凸周期を区別した形状制御が必要である。
中間層の適度な凹凸形状が感光体の表面形状に影響を及ぼし地肌汚れを抑制する。ここで表面の凹凸形状は精密な解析が必要であり、レーザー顕微鏡による解析が有効である。
前記中間層に含有される金属酸化物粒子(例えば、酸化チタン粒子)の平均一次粒子径は、0.18μm以上0.22μm以下であることが好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径を0.18μm以上0.22μm以下とすることにより、中間層の凹部面積率を0.2≦Smr≦0.6としやすく製造上においても有利となる。
なお、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は試薬または塗工膜中に分散される金属酸化物粒子を走査電子顕微鏡やコンフォーカル顕微鏡などにより観察される微粒子を直接観察することで計量される。平均一次粒子径の算出にはアメリカNIHから公開されるimageJに代表される画像解析ソフトウエアを利用することができる。
すなわち、T1およびT2の混合体の一方の金属酸化物粒子T2の平均一次粒子径(D2)を0.05μm<D2<0.10μmとすると、本発明の目指す中間層の表面形状の形成に有利である。
中間層の膜厚を4μm以上から7μm以下に設定すると、地肌汚れの抑制に有利な表面形状が形成しやすく、例えば、平均一次粒子径の異なる二種の酸化チタン粒子とバインダー樹脂を溶媒中に含む中間層用塗工液を用いて中間層を成膜する際に必要な乾燥時間も比較的短時間で十分である場合が多いほか、製造費の低コスト化に有利である。また、膜厚が4μm以上7μm以下の中間層は地肌汚れの抑制、残留電位の抑制、および感光体の帯電性の改良のバランスに優れ、画像形成装置の使用に当たり制約が少なく扱いやすい。
中間層は、金属酸化物粒子とバインダー樹脂を溶媒中に含む中間層用塗工液を用いて成膜することができる。金属酸化物粒子としては、前記したように平均一次粒子径の異なる二種類の混合体を用いるのが好ましい。本発明の特別な表面形状を持つ中間層の造形は中間層用塗工液を塗布した後に適度に乾かしつつ重ね塗りすることで実現することができる。その際、中間層用塗工液にシクロヘキサノンを混合すると造形しやすく有利であり、このような易造形性はシクロヘキサノンの沸点や粘度が作用していると想定される。また、中間層中に、シクロヘキサノンが100ppm以上1,000ppm以下の割合で含有されていると、感光体の表面形状、並びに感光層の表面形状の効果と相まって、感光体の耐久性(走行距離)によい効果をもたらす。
図1は、本発明の感光体の構成例を示す断面図であり、導電性支持体(21)上に、少なくとも本発明に示される金属酸化物粒子を含有する中間層(23)と感光層(25)を積層した構成をとっている。図1の構成において、感光層は電荷発生と電荷輸送との機能が分離されない単層型からなる。
図3は、本発明の感光体のさらに別の構成例を示す断面図であり、図2に示す構成の電荷輸送層(29)の上に保護層(31)を設けたものである。
アルミ素管についてはJIS3003系、JIS5000系、JIS6000系等のアルミニウム合金を、EI法、ED法、DI法、II法など一般的な方法により管状に成形を行なったもの、さらにはダイヤモンドバイト等による表面切削加工や研磨、陽極酸化処理等を行なったものを用いることができる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、2−ブタノン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
本発明の中間層に含有される金属酸化物粒子としては酸化チタン粒子が好ましく使用できる。以下では金属酸化物粒子として酸化チタン粒子を用いた場合を例にとって説明する。
また、酸化チタン粒子と樹脂の質量比は、酸化チタン粒子/樹脂=3/1〜8/1であることが好ましい。3/1未満であると中間層のキャリア輸送能が低下し残留電位が生じたり、光応答性が低下したりするようになる。8/1を超えると中間層中の空隙が増大し、中間層上に感光層を塗工した場合に気泡が生じるようになる。
塩素法は原料のチタンスラグを塩素により塩素化し四塩化チタンとし、これを分離・凝縮・精製後酸化し、生成した酸化チタンを粉砕・分級、必要に応じ表面処理し、濾過・洗浄・乾燥後、粉砕することで酸化チタンを製造する製造法である。粒径は、酸化生成した酸化チタンの一次粒径を小さくすることで得ることができる。
このために2種の酸化チタン粒子の粒径比を一定範囲内にすることが重要となる。本発明で規定する酸化チタン粒子の平均一次粒子径(前述のように、好ましくは0.18μm以上0.22μm以下)を逸脱する場合、すなわち平均一次粒子径が小さすぎる場合は、酸化チタン粒子の表面での活性が増加し、感光体としたときの静電的安定性が損なわれるようになる。また、平均一次粒子径が大きすぎる場合は、導電性基体に対する隠蔽力が低下し、モアレや異常画像に対する抑制力が低下する。
一般に酸化チタンはアナターゼとルチルという2つの結晶型を有し、この結晶型により比重、屈折率、硬度等の物性が変わる。ルチル、アナターゼ間での結晶型のコントロールは、酸化チタン作成時の焼結条件に依存し、マイルドな条件ではアナターゼ型となり、焼結温度を上げるにつれてルチル型に転移していく。したがって、焼結条件をコントロールすることでルチル化率をコントロールでき、本発明に例示するようなルチル化率10〜60%の酸化チタンを得ることができる。本発明で示されるルチル化率10%〜60%である酸化チタンが好ましい理由は明らかでないが、この範囲とすることで地肌汚れが改善されるようになる。特に酸化チタンのルチル化率は30〜60%であることが好ましい。
ルチル化率は粉末X線回折におけるそれぞれの結晶型に起因する干渉線の強度より求めることができる。
二種の金属酸化物粒子(酸化チタン粒子)T1および金属酸化物粒子(酸化チタン粒子T2)の混合体総量に対する金属酸化物粒子(酸化チタン粒子)T2の混合比率(質量比)は、0.2≦[T2/(T1+T2)]≦0.8であることが好ましい。
金属酸化物粒子(酸化チタン粒子)T2の混合比率が0.2より小さい場合は異常画像(特に黒ポチ・地肌汚れ)に対する抑制力が小さくなる、また、金属酸化物粒子(酸化チタン粒子)T2の混合比率が0.8より大きい場合は中間層での光散乱力が低下し、モアレ等が発生しやすくなる。
前述のように、中間層(23)の膜厚は1.0μm〜10μmが適当である。より好ましくは4μm以上から7μm以下が適当である。
結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100質量部に対し0〜500質量部、好ましくは10〜300質量部が適当である。
ここで用いられる溶剤としては、例えば、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられる。
電荷発生層(27)の膜厚は、0.01μm〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1μm〜2μmである。
適当な溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、アニソール、トルエン、モノクロルベンゼン、ジクロルエタン、塩化メチレン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、3,5−ジメチル−3′,5′−ジターシヤリーブチル−4,4′−ジフェノキノン、その他ベンゾキノン誘導体などの公知の電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は単独または2種以上の混合物として用いることができる。
(a)主鎖および/または側鎖にカルバゾール環を有する重合体(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−183719号公報に記載の化合物など。)
(b)主鎖および/または側鎖にヒドラゾン構造を有する重合体(例えば、特開昭57−78402号公報、特開平3−50555号公報に記載の化合物など。)
(c)ポリシリレン重合体(例えば、特開昭63−285552号公報、特開平5−19497号公報、特開平5−70595号公報に記載の化合物など。)
(d)主鎖および/または側鎖に第3級アミン構造を有する重合体(例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−13061号公報、特開平1−19049号公報、特開平1−1728号公報、特開平1−105260号公報、特開平2−167335号公報、特開平5−66598号公報、特開平5−40350号公報に記載の化合物など。)
結着樹脂の使用量は、電荷輸送物質100質量部に対して0〜200質量部が適当である。
可塑剤としては、例えば、ハロゲン化パラフィン、ジメチルナフタレン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート等やポリエステル等の重合体および共重合体などが挙げられる。その使用量はバインダー樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄系化合物、燐系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ピリジン誘導体、ピペリジン誘導体、モルホリン誘導体等の酸化防止剤を使用でき、その使用量は結着樹脂100質量部に対して0〜5質量部程度が適当である。
また、ピリリウム系染料およびビスフェノールA型ポリカーボネートから形成される共晶錯体に、電荷輸送物質を添加した単層型の感光層も、適当な溶媒を用い、上記と同様な塗工法により形成することができる。
さらに単層型の感光層には、必要により可塑剤やレべリング剤、酸化防止剤などを添加することもできる。
このようにして形成される単層型の感光層の膜厚は、5〜50μm程度が適当である。
保護層に使用される材料としては、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂、ポリエステル等の樹脂が挙げられる。
また、以上の他に真空薄膜作成法にて形成したa−C、a−SiCなどの公知の材料も保護層(31)として用いることができる。
前記別の中間層は一般に樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としてはポリアミド、アルコール可溶性ナイロン樹脂、水溶性ブチラール樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記別の中間層の形成法としては、前述のごとく通常の塗布法を用いることができる。なお、膜厚は0.05〜2μmが適当である。
本発明の感光体の中間層についての凹部面積率Smrは下記式(1)で定義される。
Smr=Scut/Sk (1)
(Skは基準面積を示しScutは基準面積にて得られた3次元表面形状曲面を平均高さ面(全測定データの高さ値を平均した高さにて構成される面)にて切断して得られる断面積を示す)
そして、本発明においては前記凸部面積率Smrは下記式(2)を満たすことを特徴としている。
0.2≦Smr≦0.6 (2)
ここで本発明におけるScutとは、JIS B 0601−2001で定義される粗さ曲線の負荷長さRmr(50%)を面方向に拡張して得た値である。
・(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−8550、VK−8700
・(株)菱化システム製の表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機
・オリンパス(株)製の走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000
・レーザーテック(株)製のリアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130
・(株)キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK−9500、VK−9500GII、VK−9700
・(株)島津製作所のナノサーチ顕微鏡SFT−3500の如きバイオレットレーザー顕微鏡
・(株)キーエンス製のリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800、VE−8800、VE−9800
・日本電子(株)製のキャリースコープJCM−5100
なお、中間層の表面形状の解析は中間層単独膜を直接測定してもよいし、中間層の上に感光層を積層したものは感光層を剥離し、析出した中間層を必要に応じて洗浄した後、断面曲線を測定することで解析することが可能である。
前述のように、本発明の画像形成方法は、感光体に帯電を施す帯電工程と、帯電した感光体の表面に静電潜像を書き込む露光工程と、感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、トナー像を形成する現像工程と、感光体表面のトナー像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上のトナー像を定着させる定着工程とを有し、必要により他の工程を有することができる。
転写手段には、一般に上記の帯電器が使用できるが、図に示されるように転写チャージャと分離チャージャを併用したものや転写ローラが効果的である。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
かかる光源等は、図4に示される工程の他に光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体に光が照射される。図4中、符号4はイレーサ、符号8はレジストローラ、符号12は分離爪を示す。
プロセスカートリッジとは、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1つの装置(部品)である。すなわち、プロセスカートリッジは、感光体と、感光体上の静電潜像をトナーにより現像する現像手段とを一体に備え、画像形成装置本体に着脱可能に構成することができる。
まず、帯電手段である帯電装置(102)により、感光体が帯電される。感光体が帯電された後、露光手段である露光装置から露光(103)を受け、露光された部分で、電荷が発生し、感光体表面に静電潜像が形成される。感光体表面に静電潜像を形成した後、現像手段である現像装置(104)を介して現像剤と接触し、トナー像を形成する。感光体表面に形成されたトナー像は、転写手段である転写装置(106)により紙などの被転写体(105)へ転写され、定着手段である定着装置(109)を通過してハードコピーとなる。
感光体(101)上の残留トナーはクリーニングブレード(107)により除去され、残留電荷は除電ランプ(108)で除かれて、次の電子写真サイクルに移る。この装置においては、被転写体(105)、転写装置(106)、除電手段である除電ランプ(108)、定着装置(109)はカートリッジ部分には含まれていない。
肉厚3mm、長さ970mm、外径Φ80mmのアルミニウムドラムに、下記組成の中間層塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次塗布乾燥することにより、5μmの中間層、1μmの電荷発生層、30μmの電荷輸送層を形成した。
下記組成分からなる混合物をボールミルで72時間分散し、中間層用塗工液を作成した。
〔中間層用塗工液の組成分〕
・酸化チタン粒子T1 : 120質量部
(純度:99.7%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm)
・酸化チタン粒子T2 : 30質量部
(純度:99.8%、アナターゼ型、平均一次粒子径0.40μm)
・アルキッド樹脂: 84質量部
(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)DIC社製)
・メラミン樹脂 : 47質量部
(スーパーベッカミンG−821−60(固形分60%)、DIC社製)
・メチルエチルケトン: 1330質量部
・シクロヘキサノン : 570質量部
得られた中間層用塗工液を直径φ80mm、長さ970mmの切削アルミニウム素管上にスプレー塗布し、150℃で35分間乾燥して膜厚5μmの中間層を形成した。
下記組成分からなるミルベースをボールミルにて72時間分散を行なった。
〔ミルベースの組成分〕
・下記構造式(X)に示す非対称ジスアゾ顔料: 10質量部
・ポリビニルブチラール(Butvar−B90): 3質量部
・シクロヘキサノン: 150質量部
得られた電荷発生層用塗工液を前記中間層上に塗布し、膜厚1μmの電荷発生層を形成した。
下記組成分を溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した
〔電荷輸送層用塗工液の組成分〕
・下記構造式(Y)に示す化合物: 7質量部
・シリコーンオイル(KF−50:信越化学工業社製): 0.002質量部
・酸化防止剤(SumilizerTPS:住友化学社製): 0.08質量部
・下記構造式(Z)に示す化合物: 0.5質量部
・テトラヒドロフラン: 90質量部
・シクロヘキサノン: 160質量部
実施例1における中間層の溶媒を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
メチルエチルケトン:1330質量部(実施例1)を1620質量部に変更
シクロヘキサノン:570質量部(実施例1)を280質量部に変更
実施例1における中間層の溶媒を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
メチルエチルケトン:1330質量部(実施例1)を1720質量部に変更
シクロヘキサノン:570質量部(実施例1)を180質量部に変更
実施例1における酸化チタン粒子T2を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
酸化チタン粒子T2(純度:99.8%、アナターゼ型、平均一次粒子径0.40μm)30質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T2(純度:99.99%、ルチル化率90.1%、平均一次粒子径0.13μm)30質量部に変更
実施例1における酸化チタン粒子T2を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
酸化チタン粒子T2(純度:99.8%、アナターゼ型、平均一次粒子径0.4μm)30質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T2(純度:99.99%、ルチル化率46.7%、平均一次粒子径0.07μm)30質量部に変更
実施例1における酸化チタン粒子T1と酸化チタン粒子T2を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
酸化チタン粒子T1(純度:99.7%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm)120質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T1(純度:99.1%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm)85質量部に変更
酸化チタン粒子T2(純度:99.8%、アナターゼ型、平均一次粒子径0.4μm):30質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T2(純度:99.99%、ルチル化率46.7%、平均一次粒子径0.07μm)65質量部に変更
実施例1における酸化チタン粒子T1と酸化チタン粒子T2を下記の通り変更した以外は実施例1と同様にして感光体を得た。
酸化チタン粒子T1(純度:99.7%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm)120質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T1(純度:99.1%、ルチル化率99.1%、平均一次粒子径0.25μm)130質量部に変更
酸化チタン粒子T2(純度:99.8%、アナターゼ型、平均一次粒子径0.4μm)30質量部(実施例1)を酸化チタン粒子T2(純度:99.8%、アナターゼ化率80%、平均一次粒子径0.036μm)20質量部に変更
実施例4における中間層の膜厚5μmを変更し、膜厚3.5μmとなるようにスプレー塗工を調整して行った以外は実施例4と同様にして感光体を得た。
実施例4における中間層の膜厚5μmを変更し、膜厚4μmとなるようにスプレー塗工を調整して行った以外は実施例4と同様にして感光体を得た。
実施例4における中間層の膜厚5μmを変更し、膜厚7μmとなるようにスプレー塗工を調整して行った以外は実施例3と同様にして感光体を得た。
実施例4における中間層の膜厚5μmを変更し、膜厚10μmとなるようにスプレー塗工を調整して行った以外は実施例4と同様にして感光体を得た。
実施例4の中間層における溶媒を下記の通り変更した以外は実施例4と同様にして感光体を得た。
メチルエチルケトン:1330質量部(実施例1)を570質量部に変更
シクロヘキサノン:570質量部(実施例1)を1330質量部に変更
実施例4の中間層における溶媒を下記の通り変更した以外は実施例4と同様にして感光体を得た。
メチルエチルケトン:1330質量部(実施例1)を1900質量部に変更
シクロヘキサノン:570質量部(実施例1)を0質量部に変更
実施例4の中間層における溶媒を下記の通り変更し、更に塗工方法をスプレー方式からディッピング方式に変更した。
メチルエチルケトン:1330質量部(実施例1)を500質量部に変更
シクロヘキサノン:570質量部(実施例1)を0質量部に変更
実施例1〜実施例10および比較例1〜比較例4で作成した感光体およびこれを用いた画像形成装置について下記(1)と(2)の試験を行った。なお、感光体中のシクロヘキサン含有率を下記(3)の条件で測定した。評価結果を下記表2に示す。
感光体の中間層の凹凸形状はコンフォーカル顕微鏡(レーザーテック社製)を用い、ドラム周方向任意一点についてドラム端部から194mm毎に観察した。データ解析を実施し中間層表面の凹部のSmrを算出した。また、測定パラメータは以下の様に定めた。
基準面積(Sk)=100μm2
カットオフ値(λs)=0.25μm
カットオフ値(λc)=0.08μm
中間層は後述する耐久試験終了後、感光体をドラム周方向任意一点についてドラム端部から194mm毎に20mm×20mmの矩形状に感光層をカッターで剥離し、露出される中間層に対して断面曲線を測定した。中間層に付着する電荷発生層はメタノールで拭きとった。中間層の断面曲線は塗工直後に単独膜を測定した場合と感光層を塗布後、感光層を剥離して計測した場合で有意な違いは認められなかった。
以上の通り作製した感光体をリコー社製imagio MP W7140に搭載し、25℃55%RH環境下で画像濃度が6%となるテキスト画像パターンを連続プリントした。試験開始時の感光体の帯電電位は−800Vとなるよう帯電器のグリッドバイアスで調整した。プリント用紙はNBSリコーMyPaper:841mm×200mを用い、A1サイズ全面に現像した。トナーと現像剤は純正品を使用した。地肌汚れを5段階に分けて、地肌汚れが市場実績から許容されなくなるレベルまでプリントを行った。そこで、地肌汚れ耐久性の評価は試験が可能だった感光体走行距離の長さで評価した。
感光体はAl支持体ごと適当な大きさに切り出し測定試料とした。塗膜質量は切り出した試料から、Al支持体の質量を差し引いたものとした。感光体に含まれるシクロヘキサノンはガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)法〔装置:島津製作所社製QP−2010、カラム:Ultra ALLOY−5 L=30m I.D=0.25mm Film=0.25μm〕により分析した。
一方、中間層の表面形状において0.2≦Smr≦0.6の範囲を満たさない比較例1乃至比較例4の場合には、いずれも地肌汚れが発生し、耐久性も悪い(走行距離は10km)。
21 導電性支持体
23 中間層
25 感光層
27 電荷発生層
29 電荷輸送層
31 保護層
<図4の符号について>
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 被転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
<図5の符号について>
101 感光体
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 被転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
108 除電ランプ
109 定着装置
Claims (8)
- 導電性支持体上に中間層及び感光層を有する感光体であって、
前記中間層は金属酸化物粒子とバインダー樹脂とを含有し、
前記中間層の下記式(1)で定義される凹部面積率Smrが下記式(2)を満たし、
前記中間層の膜厚が4μm以上7μm以下であることを特徴とする感光体。
Smr=Scut/Sk (1)
0.4≦Smr≦0.6 (2)
(但し、式(1)中、Skは基準面積を示しScutは基準面積にて得られた3次元表面形状曲面を平均高さ面(全測定データの高さ値を平均した高さにて構成される面)にて切断して得られる断面積を示す。) - 前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1に記載の感光体。
- 前記中間層に含有される金属酸化物粒子の平均一次粒子径が0.18μm以上0.22μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光体。
- 前記中間層に含有される金属酸化物粒子が、平均一次粒子径の異なる二種の金属酸化物粒子T1および金属酸化物粒子T2の混合体からなり、かつ一方の金属酸化物粒子T2の平均一次粒子径(D2)が0.05μm<D2<0.10μmであることを特徴とする請求項3に記載の感光体。
- 前記金属酸化物粒子として、ルチル化率が30%〜60%である酸化チタン粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の感光体。
- 前記感光体中に、シクロヘキサノンが10ppm以上100ppm以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の感光体。
- 感光体に帯電を施す帯電工程と、
帯電した感光体の表面に静電潜像を書き込む露光工程と、
感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給して現像し、トナー像を形成する現像工程と、
感光体表面のトナー像を被転写体に転写する転写工程と、
被転写体上のトナー像を定着させる定着工程と、
を有する画像形成方法であって、
前記感光体が、請求項1乃至6のいずれかに記載の感光体であることを特徴とする画像形成方法。 - 潜像を担持する感光体と、
感光体表面に帯電を施す帯電手段と、
帯電した該感光体の表面に静電潜像を書き込む露光手段と、
感光体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し現像する現像手段と、
感光体潜像担持体表面に現像されたトナー像を被転写体に転写する転写手段と、
被転写体上のトナー像を定着させる定着手段と、
を備える画像形成装置であって、
前記感光体が、請求項1乃至6のいずれかに記載の感光体であることを特徴とする画像形成装置。
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