JP3820932B2 - 電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンターの分野において用いられる電子写真感光体(以後、単に感光体とも云う)、及び該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用の感光体はSe、ヒ素、ヒ素/Se合金、CdS、ZnO等の無機感光体から、公害や製造の容易性等の利点に優れる有機感光体に主体が移り、様々な材料を用いた有機感光体が開発されている。
【0003】
近年では電荷発生と電荷輸送の機能を異なる材料に担当させた機能分離型の感光体が主流となっており、なかでも電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層型の感光体が広く用いられている。
【0004】
また、電子写真プロセスに目を向けると潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザーを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の潜像画像形成方式が急激に主流となりつつある。
【0005】
デジタル方式の画像形成では、デジタル電気信号に変換された画像情報を感光体上に静電潜像として書き込む際の光源としてレーザー、特に半導体レーザーやLEDが用いられている。しかし、レーザー光による潜像画像形成には基体表面での反射による干渉縞の発生という特有の画像問題が知られている。
【0006】
また、デジタル方式の書き込みでは露光ビーム径が小さいので書き込み速度が遅くなる。そのため、露光部分の現像方法として反転現像との組み合わせが主に用いられているが、この反転現像を用いた画像形成方法の特有の問題として、本来白地部分として画像形成されるべき箇所に、トナーが付着してカブリ発生させる現象、即ち、感光体の局部的な欠陥による黒ポチの発生が知られている。
【0007】
これらの問題を解決するため、感光体中に中間層を用いる技術が開発されている。例えば、導電性支持体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する電子写真感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9−258469号の有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン等が挙げられる。
【0008】
しかし、これらの技術を用いても高温高湿や、低温低湿の厳しい環境下では、尚、黒ポチの発生防止が十分でなく、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られないといった問題が発生している。
【0009】
更に、特開平11−344826号には金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタンを用いた中間層を有する電子写真感光体が提案されている。しかし、この特許に開示された実施例の追試を行った結果では、尚、高温高湿や低温低湿での黒ポチ発生の防止効果が十分でない。
【0010】
一方、近年、省スペース等の観点から、オフィスで使用する複写機やプリンター等の電子写真装置を小型化することが求められている。通常、電子写真画像形成装置は電子写真感光体の周囲に帯電器、現像器、転写器、クリーニング装置及び除電器等が配設されている。このため、電子写真画像形成装置の大きさは、装置内部に組み込まれる電子写真感光体の直径に依存するところが大きい。即ち、電子写真画像形成装置を小型化するためにはその中心部に配置されている電子写真感光体を小径化させる必要が有り、小径の感光体の提案が要望されている。ところで、通常有機感光体の膜厚は少なくとも17μm以上あり、電子写真感光体の耐久性即ち寿命を長くする為、乾燥膜厚を厚くすることも試みられているが、膜厚を厚くすると、感光層中の内部応力が大きくなるため、支持体との接着性或いは中間層と感光層間の接着性が悪くなるという問題点がある。これらの接着性は、感光層の膜厚が厚くなるほど、また円筒状支持体の径が小さくなるほど低下する傾向にある。従って、電子写真感光体を単に小径化した場合には、繰り返し使用に伴い感光層の剥離が生じることとなる。特に直径が50mm以下の感光体においては、この傾向が著しい。
【0011】
接着性を改善する方法としては、従来、支持体表面を粗面化したり、感光層と支持体の間に接着層を設けたり、又感光層が電荷発生層と電荷輸送層の積層の場合は電荷発生層の接着性を上げる等の方法が知られているが、静電特性あるいは感光特性に悪影響を及ぼすなど弊害も多く、電子写真感光体の耐刷性を向上させるには至っていない。
【0012】
又、特開平3−179362号には下塗り層にセル構造(ベナードセル)を発生させ、粗面化する方法に言及しているが、コントロールできず画像欠陥の発生となる旨の記載がある。特開平8−248651号には下引き層の浸漬塗工に際してベナードセルが発生して、レベリング性の劣化がおき、電子写真性能が悪化する記載がある。総じてベナードセルの発生は好ましくないものとされ、減少させることが行われてきていた。
【0013】
これに対して、特開昭60−32056号及び特開昭60−252359号には積極的にベナードセルを有する導電層及び中間層の記載があるが、その目的はモアレ対策について検討されたものであり、黒ポチの発生との関連や、電子写真特性についての改善効果は全く言及されていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、円筒状の導電性支持体と中間層や、中間層と感光層の接着性を改良し、同時にクラックや黒ポチ等の画像欠陥を発生しない、且つ電位安定性が良好な電子写真感光体を提供することであり、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、N型半導性粒子添加の中間層を用い、中間層にベナードセルを形成させた電子写真感光体を用いる事により黒ポチ等の画像欠陥、画像濃度低下、カブリ、クラック等の発生が無く、長期にわたって良好な画像を得ることができることを見いだした。
【0016】
即ち、本発明の目的は以下の構成により達成される。
1.導電性支持体と感光層の間に中間層を有する電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さRzが0.2〜2.0μmであり、中間層がN型半導性粒子とバインダーを含有し、且つベナードセルが形成された絶縁層であることを特徴とする電子写真感光体。
【0017】
2.前記N型半導性粒子が複数回の表面処理を施されており、且つ最終表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とする前記1に記載の電子写真感光体。
【0018】
3.前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする前記2に記載の電子写真感光体。
【0019】
4.前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする前記2に記載の電子写真感光体。
【0020】
一般式(1) R−Si−(X)3
(Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を示す)
5.前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする前記4に記載の電子写真感光体。
【0021】
6.前記複数回の表面処理のうち少なくとも一回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選択される1種以上の化合物の表面処理であることを特徴とする前記2〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0022】
7.前記N型半導性粒子がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理を施されたことを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0023】
8.前記N型半導性粒子が数平均一次粒径10nm以上200nm以下の粒子であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0024】
9.前記N型半導性粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0025】
10.前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする前記9に記載の電子写真感光体。
【0026】
11.前記中間層のバインダーがポリアミド樹脂であることを特徴とする前記1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0027】
12.前記中間層の乾燥膜厚0.2〜15μmであることを特徴とする前記1〜11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0028】
13.前記中間層の表面粗さRmaxが0.2〜3.0μmであることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
【0029】
14.電子写真感光体を回転させ、少なくとも帯電、露光、トナーを用いる現像、転写を繰り返す画像形成方法において、該電子写真感光体が前記1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体であり、前記トナーの形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0030】
15.前記トナーが、形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有することを特徴とする前記14に記載の画像形成方法。
【0031】
16.前記トナーが、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有することを特徴とする前記15に記載の画像形成方法。
【0032】
17.前記トナーが、角がないトナー粒子を50個数%以上含有することを特徴とする前記14〜16のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0033】
18.前記トナーの個数平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする前記14〜17のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0034】
19.前記トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする前記14〜18のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0035】
20.前記トナーが少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる着色粒子から得られることを特徴とする前記14〜19のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0036】
21.前記トナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる着色粒子から得られることを特徴とする前記14〜20のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0037】
22.前記トナーがスチレン−(メタ)アクリレート系樹脂であることを特徴とする前記14〜21のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0038】
23.前記14〜22のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
【0039】
24.前記1〜13のいずれか1項に記載の電子写真感光体と少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段及びクリーニング手段のいずれか1つとが一体に組み合わさっており、画像形成装置に出し入れ自由に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0040】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のベナードセルとは塗膜層を形成する際に、該塗膜層に発生する「ベナードセル(対流セル)現象」を意味し、前記中間層分散液による塗布層が乾燥、固化して中間層が形成される過程で、すなわち、中間層分散液の塗布層中に含まれている溶剤が蒸発して塗布層が固化する過程で、塗布層中の成分が塗布層に対して垂直方向に対流を起こし、これに表面張力が加わることによって発生する多角形または部分的に多角形の表面形状を云う。
【0041】
本発明者等は、塗膜層に発生する前述の「ベナードセル(対流セル)現象」を利用して、中間層を得るに当たり、N型半導性粒子とバインダーを含有する中間層の表面にベナードセルを形成させることにより、黒ポチを無くすることに成功した。ベナードセルは多角形または部分的に多角形の表面形状を意味し、好ましくは六角形の形状が含有されてなる層が好ましい。又、多角形の形状の内、六角形の占める割合が10〜100%(数ベース)が良く、好ましくは20〜100%が良い。又、ベナードセルの大きさは、最長部で測定して約10〜500μmであることが好ましい。
【0042】
本発明の中間層におけるベナードセルの大きさや深さ等のコントロールは、中間層分散液の粘度、表面張力や溶剤組成、種類、さらには、塗布量、膜厚、乾燥条件等を適宜選択することによって行なえる。特に中間層にN型半導性粒子として、比較的比重が小さくて表面処理をした粒子、例えば酸化チタン粒子を用いた場合、比較的容易に発生しやすい。
【0043】
また、中間層分散液として粘度7〜250mPa・sものを利用することもベナードセルを形成させるのに好ましい。この粘度範囲では塗布層中の溶媒蒸発に伴う分散液の対流が発生しやすい。一方、分散液の粘度が250mPa・sを超える高粘度のもの、あるいは7mPa・s未満の低粘度のものでは、塗布層中に含まれている溶剤が蒸発して塗布層が固化する過程での塗布層中の分散液の対流の発生が無いか、あるいは対流の程度が低過ぎるために、形成されない恐れがあるためである。
【0044】
さらに、本発明の中間層においては、乾燥膜厚を0.2〜15μmになるように塗布、乾燥することが必要である。乾燥膜厚は好ましくは0.3〜10μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。
【0045】
乾燥膜厚が0.2μm未満になると、塗布層中に含まれている溶剤が蒸発して塗布層が固化する過程で発生する塗布層中の各成分の対流の推進力となる塗布層の上下両表面の表面張力の差や浮力の差が顕著でなくなり、ベナードセルを表面に形成することが難しくなる。
【0046】
また、膜厚15μmより大きいと、塗布層の乾燥工程で、塗布層の表面の固化後においても、強制乾燥によって塗布層内部の溶剤の蒸発が進み、層に発泡やひび割れが生じ、表面が均一に形成し難くなる。
【0047】
本発明に用いられるN型半導性粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
【0048】
前記N型半導性粒子は、具体的には酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0049】
本発明に用いられるN型半導性粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上200nm以下の範囲が良く、好ましくは15〜150nmが好ましい。10nm未満では中間層にベナードセルが発生せず、中間層による黒ポチの発生の防止効果が小さい。一方、200nmより大きいとベナードセルの均一性が悪く、その結果、黒ポチも増加する。数平均一次粒径が前記範囲のN型半導性粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成されたベナードセルが形成された中間層は黒ポチ発生防止機能の他、環境特性が良好で、且つ耐クラッキング性を有する。
【0050】
前記N型半導性粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0051】
本発明に用いられるN型半導性粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
【0052】
本発明のN型半導性粒子に行われる表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理を行い、最後に反応性有機ケイ素化合物を用いた表面処理を行うことが好ましい。
【0053】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0054】
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0055】
また、該複数回の表面処理をアルミナ、シリカを用いて表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものが特に好ましい。
【0056】
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0057】
前記酸化チタン等のN型半導性粒子のアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導性粒子は以下の様に作製することができる。
【0058】
N型半導性粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0059】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子等のN型半導性粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0060】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0061】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0062】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0063】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電気性能を悪化させる結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0064】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0065】
一般式(2)
(R)n−Si−(X)4-n
(式中、Siはケイ素原子、Rは該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、Xは加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、Rで示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、Xの加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0066】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0067】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のXは同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R及びXはそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0068】
nが0の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0069】
nが1の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0070】
nが2の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0071】
nが3の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプトプロピルメチルメチルシラン等が挙げられる。
【0072】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0073】
一般式(1)
R−Si−X3
式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。
【0074】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までのアルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げられる。
【0075】
又、最後の表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはポリシロキサン化合物が挙げられる。該ポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。
【0076】
特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0077】
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理、前記した湿式法で行うのが好ましい。
【0078】
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0079】
尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認することができる。
【0080】
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0081】
次に、前記表面処理が施された酸化チタン粒子等のN型半導性粒子(以下、表面処理N型半導性粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中間層の構成について説明する。
【0082】
本発明の中間層は、前記複数回の表面処理を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導性粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布することにより作製される。
【0083】
本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設けられ、該導電性支持体と感光層のとの接着性改良、及び該支持体からの電荷注入を防止するバリア機能を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のアルコール可溶性ポリアミドが好ましい。
【0084】
前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理N型半導性粒子の量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチの発生しない、良好な中間層を形成することができる。
【0085】
又、本発明の中間層は実質的に絶縁層である。ここで絶縁層とは、体積抵抗が1×108〜1015Ω・cmである。又、本発明の中間層の体積抵抗は好ましくは1×109〜1014Ω・cm、更に好ましくは、2×109〜1×1013Ω・cmが良い。体積抵抗は下記のようにして測定できる。
【0086】
測定条件;JIS:C2318−1975に準ずる。
測定器:三菱油化社製Hiresta IP
測定条件:測定プローブ HRS
印加電圧:500V
測定環境:20±2℃、65±5RH%
体積抵抗が1×108未満では中間層の電荷ブロッキング性が低下し、黒ポチの発生が増大し、電子写真感光体の電位保持性も劣化し、良好な画質が得られない。一方1015Ω・cmより大きいと繰り返し画像形成で残留電位が増大しやすく、良好な画質が得られない。
【0087】
本発明の中間層の表面粗さはRmaxで0.20〜3.00μmが好ましい。更に、0.20〜2.00μmが好ましい。上記Rmaxが0.2μm未満では電荷発生層と中間層の接着性が弱くなり、3.0μmより大きいと電荷の局所的な集中が発生し、黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。
【0088】
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導性粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0089】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0090】
中間層塗布液溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0091】
また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比でメタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0092】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0093】
前記中間層を含め、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0094】
次に、中間層以外の本発明に好ましく用いられる感光体の構成について記載する。
【0095】
本発明の感光体としてはセレンやアモルファスシリコン等を用いた無機感光体にも適用できるが、本発明の目的からは有機電子写真感光体(有機感光体とも云う)に本発明の中間層、表面層を適用することが好ましい。
【0096】
本発明において、有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0097】
有機感光体の層構成は、特に限定はないが、電荷発生層、電荷輸送層、或いは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生と電荷輸送の機能を同一層に有する層)等の感光層とその上に表面層を塗設した構成をとるのが好ましい。又、本発明の表面層は保護層の機能と電荷輸送の機能を有しているので電荷輸送層の代わりに用いてもよい。
【0098】
以下に本発明に好ましく用いられる具体的な感光体の構成について記載する。
導電性支持体
本発明の感光体に用いられる導電性支持体としては円筒状導電性支持体が用いられる。
【0099】
本発明の円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0100】
本発明の感光体に用いる円筒状導電性支持体としては直径が10〜300mmのものが好ましいが、本発明の効果が顕著に現れ、支持体と中間層等の接着性が改善され、同時に黒ポチの発生が防止される等の効果が著しいものは、直径10〜50mmの小径の円筒状導電性支持体を用いた感光体である。
【0101】
本発明の導電性支持体はその表面粗さRzが0.2〜2.0μmである。Rzが0.2μm未満では接着性の改善効果が小さく、2.0μmを超えると黒ポチ等の画像欠陥が発生しやすい。Rzの最も好ましい範囲は0.3〜1.8μmである。
【0102】
導電性支持体の表面粗さを上記範囲に加工するには、切削工具などで支持体表面を削り粗面化する方法や、微細な粒子を支持体表面に衝突させることによる、サンドブラスト加工の方法、特開平4−204538号に記載の氷粒子洗浄装置による加工の方法、特開平9−236937号に記載のホーニング加工の方法がある。また、陽極酸化法やアルマイト処理法、バフ加工法、あるいは、特開平4−233546号に記載のレーザー溶発法による方法、特開平8−1502号に記載の研磨テープによる方法や、特開平8−1510号に記載のローラバニシング加工の方法等が挙げられる。しかし、支持体の表面を荒らす方法としてはこれらに限定されるものではない。
【0103】
表面粗さRz、Rmaxの定義と測定法
本発明のRz、RmaxはJISB0601−1982に記載の基準長0.25mmの値を意味する。即ち、Rzは基準長0.25mmの距離間で上位から5つの山頂の平均高さと、下位から5つの谷底の平均低さとの差である。一方Rmaxは最大山頂線と最大谷底線の差である。
【0104】
後述の実施例では、上記Rz、及びRmaxを表面粗さ計(小坂研究所社製 Surfcorder SE−30H)で測定した。但し、誤差範囲内で同一の結果を生じる測定器であれば、他の測定器を用いても良い。
【0105】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗103Ωcm以下が好ましい。
【0106】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0107】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた前記した中間層を設ける。
【0108】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0109】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0110】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる立体、電位構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0111】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0112】
電荷輸送層
電荷輸送層には電荷輸送物質(CTM)及びCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。
【0113】
電荷輸送物質(CTM)としては公知の電荷輸送物質(CTM)を用いることができる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCTMは高移動度で、且つ組み合わされるCGMとのイオン化ポテンシャル差が0.5(eV)以下の特性を有するものであり、好ましくは0.25(eV)以下である。
【0114】
CGM、CTMのイオン化ポテンシャルは表面分析装置AC−1(理研計器社製)で測定される。
【0115】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0116】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0117】
表面層
感光体の表面層として、前記した本発明のシロキサン系樹脂層を設けることにより、本発明の最も好ましい層構成を有する感光体を得ることができる。
【0118】
上記では本発明の最も好ましい感光体の層構成を例示したが、本発明では上記以外の感光体層構成でも良い。
【0119】
次に本発明に用いられるトナーについて記載する。
トナーは個々のトナー粒子の粒度分布、及び形状が比較的均一な重合トナーが好ましい。ここで、重合トナーとはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状が、バインダー樹脂の原料モノマーの重合及びその後の化学的処理により形成されて得られるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と必要により該重合反応後に行われる粒子同志の融着工程を経て得られるトナーを意味する。
【0120】
本発明の画像形成方法に用いられる重合トナーとしては特定の形状を有するトナーが好ましい。以下、本発明に好ましく用いることのできる重合トナーについて記載する。
【0121】
ドット画像を現像するデジタル画像形成方法では、画像の鮮鋭性を高め、良好な画像を得るためには、現像に形状係数や粒度分布の変動が小さいトナーを用いることが好ましい。即ち、これらの変動が小さいトナーの方が微細なドット画像を正確に再現でき、且つ黒ポチ等の画像欠陥の原因となるフィルミングを発生させにくい。
【0122】
以上の観点より検討を加えた結果、トナーの形状係数の変動係数が16%以下であり、且つトナーの個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することにより、クリーニング性、細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成することができることを見出した。
【0123】
本発明に適用される好ましい重合トナーとしては、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用することである。このような重合トナーを使用しても本発明では、優れたクリーニング性能を発揮することを見出した。
【0124】
また、角がないトナー粒子を50個数%以上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下に制御したものを使用することにより、クリーニング性、細線再現性に優れ、高品位な画質を長期にわたって形成することができる。
【0125】
本発明のトナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0126】
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0127】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0128】
本発明の好ましい重合トナーとしては、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることであり、より好ましくは、70個数%以上である。
【0129】
この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などでの摩擦帯電性がより均一となり、過度に帯電したトナーの蓄積が無く、現像剤搬送部材表面よりトナーがより交換しやすくなるために、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなって帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定する。
【0130】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調製する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調製したトナーを同様に通常のトナーへ添加して調製する方法がある。
【0131】
本発明に好ましく用いられる重合トナーの形状係数の変動係数は下記式から算出される。
【0132】
変動係数=〔S/K〕×100(%)
〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕
この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0133】
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0134】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0135】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0136】
トナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。
【0137】
トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式から算出される。
個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%)
〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。〕
トナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。
【0138】
個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0139】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0140】
角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、すなわち、図1(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図1(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0141】
角がないトナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0142】
本発明のトナーにおいて、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止することができるとともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制することができ、帯電量もシャープにすることができる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0143】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0144】
また、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0145】
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0146】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現像性を長期に亘り安定化することができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0147】
本発明に好ましく用いられる重合トナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。
【0148】
相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0149】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0150】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0151】
形状係数を制御する方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0152】
本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0153】
なお、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0154】
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することでトナーを調製する。
【0155】
また、本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0156】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0157】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0158】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0159】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0160】
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0161】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0162】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0163】
使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0164】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学17、601(1960)高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0165】
凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0166】
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0167】
この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0168】
なお、形状を均一化させるためには、着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特にはかられやすいものと考えられる。
【0169】
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0170】
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
【0171】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0172】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とする方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0173】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0174】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0175】
なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0176】
いわゆる重合性単量体中に着色剤などのトナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制御することによりトナー粒子の形状を制御することができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることにより球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0177】
以下、本発明に好ましく用いられる重合トナーの反応装置について記載する。まず、重合トナーの製造に好ましく用いられる反応装置について説明する。図2および図3は、それぞれ、重合トナー反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図2および図3に示す反応装置において、熱交換用のジャケット1を外周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に攪拌槽2の底面に近接させて配設された下段の攪拌翼40と、より上段に配設された攪拌翼50とが設けられている。上段の攪拌翼50は、下段に位置する攪拌翼40に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明のトナーを製造する場合において、交差角αは90度(°)未満であることが好ましい。この交差角αの下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上であることが好ましく、更に、好ましくは10°以上である。なお、三段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接している攪拌翼間で交差角αが90度未満であることが好ましい。
【0178】
このような構成とすることで、上段に配設されている攪拌翼50によりまず媒体が攪拌され、下側への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌翼40により、上段の攪拌翼50で形成された流れがさらに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速されて進行するものと推定される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるために、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推定される。
【0179】
なお、図2および図3中、矢印は回転方向を示し、7は上部材料投入口、8は下部材料投入口、9は攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0180】
ここにおいて攪拌翼の形状については、特に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるものなどを使用することができる。これらの具体例を図4に記載する。図4(a)に示す攪拌翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるもの、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるものであっても、同一のものであってもよい。
【0181】
なお、上記の構成を有する上段と下段の攪拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくとも攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考えられる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅である。
【0182】
さらに、攪拌翼の大きさは特に限定されるものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95%である。
【0183】
一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
【0184】
すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御できる。
【0185】
樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーを製造する際に使用される攪拌槽としては、前述の懸濁重合法と同様のものが使用できる。この場合、攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設けないことが必要である。
【0186】
この攪拌翼の形状についても、層流を形成させ、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、図4(c)に示した方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0187】
また、本発明に用いられるトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することができる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0188】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0189】
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0190】
本発明に用いられるトナーには外添剤としては脂肪酸金属塩が添加されてもよい。脂肪酸及びその金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。本発明においては、ステアリン酸亜鉛が特に好ましい。
《現像剤》
本発明に用いられるトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤でもよいが、好ましくは二成分現像剤である。
【0191】
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤として前記トナーをそのまま用いる方法もあるが、通常はトナー粒子中に0.1〜5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤として用いる。その含有方法としては、着色剤と同様にして非球形粒子中に含有させるのが普通である。
【0192】
又、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。
【0193】
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0194】
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0195】
二成分現像剤を調製するためには、トナーとキャリアとを混合して調製される。現像剤に対するトナー濃度としては2〜10質量%に混合して使用される。
【0196】
本発明に係わる現像方法は、特に限定されない。感光体表面と現像剤層とが現像領域で接触した状態で現像が行われる接触現像方法であっても、感光体と現像剤層とが現像領域で非接触の状態に保たれ、交番電界等の作用により感光体表面と現像剤層間の間隙をトナーを飛翔させて現像する非接触現像方法であってもよい。
【0197】
図5は本発明の画像形成方法の一例としての画像形成装置の断面図である。
図5に於いて50Pは像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の表面層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50P周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0198】
感光体への一様帯電の後、像露光器(像露光手段)53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0199】
ここで本発明の反転現像とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像手段により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0200】
その静電潜像は次いで現像器(現像手段)54で現像される。感光体ドラム50P周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0201】
現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50Pと現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図5のように現像位置上部に設けて行う。
【0202】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0203】
転写域においてはトナーと逆極性の電荷を付与する転写電極(転写手段)58により感光体上のトナーが給紙された記録紙Pに転写される。
【0204】
次いで記録紙Pは分離電極(分離手段)59によって除電がなされ、感光体ドラム50Pの周面より分離して定着装置(定着手段)60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50Pの周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0205】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50Pは、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0206】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0207】
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0208】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0209】
以下のようにして各実施例、比較例の中間層分散液を作製した。
中間層分散液1の作製
Figure 0003820932
をサンドミル分散機で分散時間を10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液1を作製した。
【0210】
中間層分散液2〜7の作製
酸化チタン及びその表面処理と粒径、及び溶剤を表1に示す様に変えた以外は、中間層分散液1と同様に中間層分散液2〜7を作製した。
【0211】
中間層分散液8の作製(比較例)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1部をメタノール7部、1−プロパノール3部の混合溶媒中に加えて溶解し、中間層分散液8を作製した。
【0212】
中間層分散液9の作製(比較例)
酸化チタン粒子の代わりにシリカ粒子(アエロジルR805、テグサ社:N型半導性粒子ではない)を用いた以外は中間層分散液1と同様にして、中間層分散液9を作製した。
【0213】
【表1】
Figure 0003820932
【0214】
尚、表1中、一次処理欄に記載のものは一次処理後の酸化チタン粒子表面に析出した物質であり、二次処理欄に記載のものは二次処理時に用いた物質を示す。
【0215】
感光体1〜10の作製
下記中間層塗布液1を調製し、洗浄済みの表面粗さを表2記載のように変化させた円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚も表2記載のように変化させて中間層1〜10を形成した。本発明では乾燥条件を低温乾燥で緩慢に行い、ベナードセルが安定に生じ易いように制御した。乾燥条件は60℃、10分の後、40℃、30分の乾燥を行った。
【0216】
乾燥後の各中間層の体積抵抗は前記測定条件下で1×1010〜3×1011Ω・cmの範囲であった。
〈中間層(UCL)塗布液1〉
中間層分散液1を同じ混合溶媒を用いて2倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5μm、圧力;5×104Pa)した。
【0217】
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記各中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層1〜10を形成した。
【0218】
Figure 0003820932
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層1〜10の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚24μmの電荷輸送層を形成し感光体1〜10を作製した。
【0219】
Figure 0003820932
感光体11〜18の作製
上記感光体4の作製において、中間層塗布液1の中間層分散液1を中間層分散液2〜9に変更し、中間層塗布液2〜9を作製し、この中間層塗布液2〜9を用いて中間層2〜9を形成した他は感光体4(基体表面粗さRz:1.0μm)の作製と同様にして、それぞれ感光体11〜18を作製した。乾燥条件は感光体1の作製条件と同じである。
【0220】
これら中間層2〜9の体積抵抗は、前記測定条件下で0.5×1010〜6×1010Ω・cmの範囲であった。
【0221】
上記各中間層の内容については、ベナードセルの発生評価も含めて、表2に記載した。
【0222】
評価1(中間層の評価)
また、上記中間層の表面を倍率200倍の走査型電子顕微鏡で観察し、図6に示されるような形状の凹状部、すなわち、多数の多角形が前後左右に形成されている(ベナードセル構造)ことを確認し、下記のような判定を行った。尚、図6のaは亀甲形状の凹状部、bはスポット状の凹部を示す。
【0223】
◎:最長部長さが20〜200μmの多角形の凹部が中間層表面層の50%以上に生成
○:最長部長さが20〜200μmの多角形の凹部が中間層表面層の10〜49%生成
×:最長部長さが20〜200μmの多角形の凹部が中間層表面層の10%未満生成
××:最長部長さが20〜200μmの多角形の凹部が中間層表面層に全く生成せず
評価結果を表2に示す。
【0224】
【表2】
Figure 0003820932
【0225】
トナー1−1〜1−5の作製(乳化重合会合法の例)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0226】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0227】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始する。攪拌翼の構成は図4(c)の構成とした。次いで、イオン交換水44.0Lを加える。
【0228】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス▲1▼−A」とする。
【0229】
なお、ラテックス▲1▼−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、質量平均粒径は120nmであった。
【0230】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0231】
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
【0232】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのGL反応釜(攪拌翼の構成は図4(c))に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度 29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックス▲1▼−B」とした。
【0233】
なお、ラテックス▲1▼−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、質量平均粒径は110nmであった。
【0234】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0235】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
【0236】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100LのSUS反応釜(攪拌翼の構成は図4(c))に、上記で作製したラテックス▲1▼−A=20.0kgとラテックス▲1▼−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる(塩析/融着段階)。次に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止する。
【0237】
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5Lの反応容器(攪拌翼の構成は図4(c))に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御した(形状制御工程)。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液▲1▼とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液▲1▼よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0238】
この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法によるトナーを得た。
【0239】
尚、前記塩析/融着段階および形状制御工程において、攪拌翼の回転数、および液温の加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表3に示すトナー1−1〜1−5を得た。組成はスチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸=0.758/0.162/0.080モル%であり、樹脂のTgは約57℃であった。
【0240】
トナー2−1の作製(乳化重合会合法の例)
トナー1−1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表3に示すトナー2−1を得た。又、樹脂組成はトナー1−1のスチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸=0.758/0.162/0.080モル%から、スチレン/n−ブチルアクリレート/n−ブチルメタクリレート=0.87/0.035/0.095モル%に変更した。樹脂のTgは67℃であった。
【0241】
トナー3−1〜3−2(乳化重合会合法の例)
トナー1−1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表3に示すトナー3−1〜3−2を得た。樹脂組成は、スチレン/n−ブチルアクリレート/n−ブチルメタクリレート=0.67/0.03/0.30モル%にした。
【0242】
【表3】
Figure 0003820932
【0243】
現像剤の作製
トナー1−1〜3−2の各々と、スチレン−メタクリレート共重合体で被覆した45μmフェライトキャリアとを、各々トナー19.8g及びキャリア200.2gの割合で混合することにより、それぞれのトナーに対応して現像剤1−1〜3−2の現像剤8種を作製した。
【0244】
評価2(画像評価)
Konica7050(コニカ社製レーザーデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている)に感光体1〜18を装着し、反転現像で評価した。帯電条件及びクリーニング条件の画像形成条件は下記のように設定した。又、評価に使用した感光体、トナーの組み合わせ(No.1〜20)は表4に記載した。
【0245】
帯電条件
帯電器;初期帯電電位を−650V
現像条件
DCバイアス ;約−500V
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像スリーブ径;40mm
転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA
クリーニング条件
弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線圧):15g/cm
評価項目
上記のように表4に記載した感光体、現像剤の組み合わせで(No.1〜20)、感光体及びトナーを装着し、30℃、80%RH環境下において、10万枚のコピー実写を行い、下記の評価項目の評価を行った。
【0246】
コピーは画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4でのコピーを行い、ベタ白画像、ベタ黒画像、細線画像を評価した。
【0247】
各評価項目の判定基準は、下記に示す通りである。
クラック評価
中間層まで塗布したサンプルの表面を観察、クラック発生の有無を見た。その後感光体を作製し、前記環境条件で10万枚コピーの実写を行い、下記の評価基準で評価した。
【0248】
◎:中間層にクラックの発生がない、又は画像に出ない微細なクラックの発生、問題なし
○:中間層に軽微に画像に出るクラックが発生、実用上問題なし
×:中間層でのクラックが拡大成長し、画像上に発生、実用上問題あり
接着性評価
10万枚コピー後、感光体の膜剥がれを評価した。評価基準を以下に示す。
【0249】
◎:膜剥がれなし
○:端部に軽微な膜剥がれがあるが、画像部にはない。実用上問題なし
×:画像部に膜剥がれが発生している。実用上問題有り
カブリ:ベタ白画像濃度で判定
カブリについては、10万枚コピー後各画像の濃度をマクベス社製RD−918を使用し絶対反射濃度の測定を行った。残留電位の上昇が大きくなると画像濃度は低下し、帯電電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。又帯電電位の均一性が低下すると画像ムラが大きくなる。
【0250】
◎:ベタ白画像濃度が0.005未満(良好)
○:ベタ白画像濃度が0.005以上0.01未満(実用上問題なし)
×:0.01以上(実用上問題あり)
鮮鋭性:細線画像で判定
鮮鋭性は10万枚コピー後、世代コピーを作製し、5世代目のコピー画像で判別出来る1mm当たりの細線の本数を目視で判定した。
【0251】
◎:6本/mm以上(良好)
○:4本/mm以上5本/mm以下(実用上問題ないレベル)
×:3本/mm以下(実用上問題あり)
画像ムラ:10万枚コピー後、オリジナル画像で0.4の濃度のハーフトーン画像を0.4の濃度にコピー、コピー画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎:ΔHDが0.05以下(良好)
○:ΔHDが0.05より大で0.1未満(実用上問題なし)
×:ΔHDが0.1以上(実用上問題あり)
黒ポチ
黒ポチについては、10万枚コピー後、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデオプリンター付き顕微鏡等で測定できる。
【0252】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、19個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:20個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題あり)
評価結果を表4に示す。
【0253】
【表4】
Figure 0003820932
【0254】
表2及び表4より本発明の中間層にN型半導性粒子を含有し、ベナードセルを形成させた中間層を有する本発明の感光体2〜7(組み合わせNo.ではNo.2〜No.7)及び9〜16(組み合わせNo.ではNo.9〜No.16)を用いた場合は、中間層の接着性が良好で、且つクラックの発生が抑制され、画像評価においても良好な特性を示しているのに対し、本発明外のバインダーのみから形成された中間層を用いた感光体18(組み合わせNo.18)ではベナードセルが形成されず、その結果黒ポチ、画像ムラの発生が多く、鮮鋭性も低下している。一方、中間層はN型半導性粒子を有していても、基体の表面粗さRzが2.5μmの感光体8(組み合わせNo.8)では黒ポチの発生が著しく、中間層の膜厚が薄く、ベナードセルが発生していない感光体1(組み合わせNo.1)では接着性が悪く、カブリや黒ポチの発生も著しい。シリカ粒子(非半導性粒子)を用いた中間層の感光体18(組み合わせNo.18)でも、ベナードセルの発生は弱く、中間層でのクラックの発生が多く、黒ポチの発生が多い。又、感光体とトナーの組み合わせでは、本発明の感光体を用いても、トナーの形状係数の変動係数が16%より大きい組み合わせ(組み合わせNo.19)、及び個数粒度分布の個数変動係数が27%より大きい組み合わせ(組み合わせNo.20)では若干鮮鋭性が低下している。
【0255】
【発明の効果】
導電性支持体の表面粗さRzが0.2〜2.0μmであり、且つN型半導性粒子を含有し、ベナードセルを形成した中間層を有する本発明の感光体は支持体と中間層、或いは感光層との接着性を向上させ、反転現像に特有の黒ポチ発生の改善効果が著しく、且つ鮮鋭性が良好な電子写真画像を提供する。又、この感光体と形状係数、粒度分布の変動が小さいトナーと組み合わせた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを用いることにより、良好な電子写真画像を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図2】重合トナー反応装置の一例を示す斜視図である。
【図3】重合トナー反応装置の一例を示す断面図である。
【図4】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法の一例としての画像形成装置の断面図である。
【図6】多数の多角形が前後左右に形成されている(ベナードセル構造)図である。
【符号の説明】
50P 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543,544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (24)

  1. 導電性支持体と感光層の間に中間層を有する電子写真感光体において、前記導電性支持体の表面粗さRzが0.2〜2.0μmであり、中間層がN型半導性粒子とバインダーを含有し、且つベナードセルが形成された絶縁層であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記N型半導性粒子が複数回の表面処理を施されており、且つ最終表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
    一般式(1) R−Si−(X)3
    (Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を示す)
  5. 前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記複数回の表面処理のうち少なくとも一回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選択される1種以上の化合物の表面処理であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記N型半導性粒子がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理を施されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記N型半導性粒子が数平均一次粒径10nm以上200nm以下の粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  9. 前記N型半導性粒子が金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  10. 前記金属酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 前記中間層のバインダーがポリアミド樹脂であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  12. 前記中間層の乾燥膜厚0.2〜15μmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  13. 前記中間層の表面粗さRmaxが0.2〜3.0μmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
  14. 電子写真感光体を回転させ、少なくとも帯電、露光、トナーを用いる現像、転写を繰り返す画像形成方法において、該電子写真感光体が請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体であり、前記トナーの形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
  15. 前記トナーが、形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有することを特徴とする請求項14に記載の画像形成方法。
  16. 前記トナーが、形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有することを特徴とする請求項15に記載の画像形成方法。
  17. 前記トナーが、角がないトナー粒子を50個数%以上含有することを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  18. 前記トナーの個数平均粒径が3〜8μmであることを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  19. 前記トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項14〜18のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  20. 前記トナーが少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる着色粒子から得られることを特徴とする請求項14〜19のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  21. 前記トナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる着色粒子から得られることを特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  22. 前記トナーがスチレン−(メタ)アクリレート系樹脂であることを特徴とする請求項14〜21のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  23. 請求項14〜22のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いることを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の電子写真感光体と少なくとも帯電手段、像露光手段、現像手段及びクリーニング手段のいずれか1つとが一体に組み合わさっており、画像形成装置に出し入れ自由に構成されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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