JP4345874B2 - 画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関し、更に詳しくは電子写真画像形成に用いられる画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル方式でモアレ、黒ポチを無くす為、微粒子添加の中間層が開発されてきた。例えば、導電性支持体と感光層の間に中間層を設け、該中間層には酸化チタン粒子を樹脂中に分散した構成を有する電子写真感光体が知られている。又、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。例えば、特開平4−303846号の酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン、特開平9−96916号のアミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン、特開平9−258469号の有機珪素化合物で表面処理された酸化チタン、特開平8−328283号のメチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン等が挙げられる。
【0003】
また高解像度を計るため粒径分布が有る範囲にあるトナーも検討されている。例えば重合トナーを用いた場合、予想以上の感光層の減耗が有り、15μm近辺の膜厚では、高温高湿や、低温低湿の厳しい環境下で尚、黒ポチの発生が起こり、或いは、繰り返し使用に伴う残留電位の上昇、露光部電位の上昇が起こり、画像濃度が十分得られなく、また下層との接着性の脆弱化に起因し、電子写真性能の悪化により、結局15μmの耐久は無いことになる。重合トナーの減耗量の大きいことは良く分かってはいないが、粒径の揃った粒子群が研ぎ澄まされた刃のように挙動し、感光層が削られることと、トナーの感光体への付着力が大きい為、厳しいクリーニング条件下で行わざるを得ない為と思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、N型半導体粒子添加の中間層との組み合わせで、膜厚減耗15μm以上の耐久を持ち、特に、高温高湿の環境特性下での黒ポチ、画像濃度低下、カブリ、クラック等の発生が無く、下層との接着性が良く、長期にわたって使用することが可能な画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成された。
【0006】
1.導電性支持体と感光層の間に中間層を有する電子写真感光体を回転させ、少なくとも帯電、露光、トナーによる現像、転写を繰り返す画像形成方法において、前記中間層は、N型半導体粒子として、数平均一次粒径が10nm以上150nm以下で、アルミナ、及びシリカによる、またはアルミナによる1次表面処理が施された後、反応性有機ケイ素化合物ないしジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)による2次表面処理が施された酸化チタン粒子、又はフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で処理された酸化チタン粒子とバインダーとしてポリアミド樹脂を含有し、前記感光層は、膜厚15〜40μmのポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層を有し、前記トナーは、形状係数の変動係数が16%以下であり、該形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有し、かつ個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であり、更に角がないトナー粒子を80個数%以上含有する、乳化重合会合法で調製された、個数平均粒径が3.6〜7.1μmのスチレン/アクリレート系共重合体のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
【0010】
2.前記酸化チタン粒子最終表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0011】
.前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする前記に記載の画像形成方法。
【0012】
.前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする前記に記載の画像形成方法。
【0013】
一般式(1) R−Si−(X)3
(式中、Rはアルキル基、アリール基を表し、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。)
.前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする前記に記載の画像形成方法。
【0022】
.前記トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0023】
.前記トナーが少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる着色粒子から得られることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0024】
.前記トナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる着色粒子から得られることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0026】
.電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、画像形成方法が前記1〜のいずれか1項に記載の画像形成方法であることを特徴とする画像形成装置。
【0027】
.電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成され、かつ前記1〜のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるプロセスカートリッジであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0028】
本発明を更に詳しく説明する。本発明の電子写真感光体(以下、単に感光体とも云う)は導電性支持体と感光層の間に設ける中間層に粒子を含有させることを特徴としている。
【0029】
本発明に用いられるN型半導体粒子の平均粒径は、数平均一次粒径で10nm以上200nm以下の範囲が良く、好ましくは15nm〜150nmが好ましい。10nm未満では黒ポチの発生の防止にならず、200nmより大きいと分散安定性が悪く、また黒ポチも増加する。数平均一次粒径が前記範囲の粒子を用いた中間層塗布液は分散安定性が良好で、且つこのような塗布液から形成された中間層は十分な黒ポチ発生防止機能の他、環境特性、耐クラッキング性を有する。
【0030】
N型半導体粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡観察によって1万倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によってフェレ方向平均径としての測定値である。
【0031】
中間層の粒子はN型半導体粒子であり、良好な分散性を達成するために表面処理を施すのが好ましい。中間層における粒子の含有率は、体積率にして10%から90%が好ましく、更には25%から75%が好ましい。
【0032】
又、酸化チタン粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状の酸化チタンは、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型およびアモルファス型などがあるが、いずれの形状、結晶型を用いてもよく、また2種以上の形状、結晶型を混合して用いても構わない。
【0033】
ここで、N型半導体粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導体粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
【0034】
前記N型半導体粒子の表面処理とは、N型半導体粒子表面を金属酸化物や、反応性有機ケイ素化合物、有機金属化合物等によって被覆することを意味する。本発明に用いられる特に好ましいN型半導体粒子の表面処理を以下に記載する。
【0035】
好ましいN型半導体粒子の表面処理の1つは、複数回の表面処理が行われ、且つ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴としている。
【0036】
又、好ましいN型半導体粒子の表面処理の他の1つは、メチルハイドロジェンポリシロキサンによる表面処理であることを特徴としている。
【0037】
又、好ましいN型半導体粒子の表面処理の他の1つは、フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴としている。
【0038】
上記3つのうちいずれか1つの表面処理を施されたN型半導体粒子を含有させて導電性支持体と感光層の間に中間層を設けることにより、残留電位や、帯電電位等の電子写真特性を劣化させることなく、黒ポチの発生を著しく抑制することができ、更に、レーザー露光によるモアレの発生も改善することができる。
【0039】
本発明のN型半導体粒子に行われる表面処理の1つは、複数回の表面処理を行うものであり、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ(Al23)、シリカ(SiO2)、及びジルコニア(ZrO2)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を用いて行われ、最後に反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。なお、これらの化合物は水和物を有するものも含まれる。
【0040】
また、本発明のN型半導体粒子に行われる表面処理の他の方法としては、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理に反応性有機チタン化合物や或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いて表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理が上記同様アルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を用いて行われ、最後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物による表面処理を行うものであることが好ましい。
【0041】
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導体粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導体粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導体粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導体粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0042】
また、該複数回の表面処理をアルミナ、シリカを用いて表面処理を行い、次いで反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものや、アルミナ、シリカを用いた表面処理の後に反応性有機チタン化合物或いは反応性有機ジルコニウム化合物を用いた表面処理を行うものが特に好ましい。
【0043】
なお、前述のアルミナ、シリカの処理は同時に行っても良いが、特にアルミナ処理を最初に行い、次いでシリカ処理を行うことが好ましい。また、アルミナとシリカの処理をそれぞれ行う場合のアルミナ及びシリカの処理量は、アルミナよりもシリカの多いものが好ましい。
【0044】
前記酸化チタン等のN型半導体粒子のアルミナ、シリカ、及びジルコニア等の金属酸化物による表面処理は湿式法で行うことができる。例えば、シリカ、又はアルミナの表面処理を行ったN型半導体粒子は以下の様に作製することができる。
【0045】
N型半導体粒子として酸化チタン粒子を用いる場合、酸化チタン粒子(数平均一次粒子径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩又は水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリ又は酸を添加して中和し、酸化チタン粒子の表面にシリカ、又はアルミナを析出させる。続いて濾過、洗浄、乾燥を行い目的の表面処理酸化チタンを得る。前記水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用した場合には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを用いたときは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリで中和することができる。
【0046】
なお、上記表面処理に用いられる金属酸化物の量は、前記表面処理時の仕込量にて酸化チタン粒子等のN型半導体粒子100質量部に対して、0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部の金属酸化物が用いられる。尚、前述のアルミナとシリカを用いた場合も例えば酸化チタン粒子の場合、酸化チタン粒子100質量部に対して各々1〜10質量部用いることが好ましく、アルミナよりもシリカの量が多いことが好ましい。
【0047】
上記の金属酸化物による表面処理の次に行われる反応性有機ケイ素化合物による表面処理は以下の様な湿式法で行うことが好ましい。
【0048】
即ち、有機溶剤や水に対して前記反応性有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させた液に前記金属酸化物で処理された酸化チタンを添加し、この液を数分から1時間程度撹拌する。そして場合によっては該液に加熱処理を施した後に、濾過等の工程を経た後乾燥し、表面を有機ケイ素化合物で被覆した酸化チタン粒子を得る。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散させた懸濁液に前記反応性有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0049】
尚、本発明において酸化チタン粒子表面が反応性有機ケイ素化合物により被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合することによって確認されるものである。
【0050】
前記表面処理に用いられる反応性有機ケイ素化合物の量は、前記表面処理時の仕込量にて前記金属酸化物で処理された酸化チタン100質量部に対し、反応性有機ケイ素化合物を0.1〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部が好ましい。表面処理量が上記範囲よりも少ないと表面処理効果が十分に付与されず、中間層内における酸化チタン粒子の分散性等が悪くなる。また、上記範囲を超えてしまうと電気性能を悪化させる結果残留電位上昇や帯電電位の低下を招いてしまう。
【0051】
本発明で用いられる反応性有機ケイ素化合物としては下記一般式(2)で表される化合物が挙げられるが、酸化チタン表面の水酸基等の反応性基と縮合反応をする化合物であれば、下記化合物に限定されない。
【0052】
一般式(2)
(R1n−Si−(X14-n
(式中、Siはケイ素原子、R1は該ケイ素原子に炭素が直接結合した形の有機基を表し、X1は加水分解性基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物において、R1で示されるケイ素に炭素が直接結合した形の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル等のアルキル基、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル、γ−メタアクリロキシプロピルの含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル等の含水酸基、ビニル、プロペニル等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル等の含アミノ基、γ−クロロプロピル、1,1,1−トリフロオロプロピル、ノナフルオロヘキシル、パーフルオロオクチルエチル等の含ハロゲン基、その他ニトロ、シアノ置換アルキル基を挙げられる。また、X1の加水分解性基としてはメトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ハロゲン基、アシルオキシ基が挙げられる。
【0053】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、単独でも良いし、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0054】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体的化合物で、nが2以上の場合、複数のR1は同一でも異なっていても良い。同様に、nが2以下の場合、複数のX1は同一でも異なっていても良い。又、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物を2種以上を用いるとき、R1及びX1はそれぞれの化合物間で同一でも良く、異なっていても良い。
【0055】
nが0の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
テトラクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、テトラメトキシシラン、フェノキシトリクロロシラン、テトラアセトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラアリロキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラキス(2−エチルブトキシ)シラン、テトラキス(2−エチルヘキシロキシ)シラン等が挙げられる。
【0056】
nが1の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
即ち、トリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、アリルトリクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、エチルトリメトキシシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、3、3、3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノエチルアミノメチルトリメトキシシラン、ベンジルトリクロロシラン、メチルトリアセトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−アリルチオプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリエトキシシラン、3−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビス(エチルメチルケトオキシム)メトキシメチルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0057】
nが2の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
ジメチルジクロロシラン、ジメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、クロロメチルジエトキシシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、3−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシメチルシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−(3−シアノプロピルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−2−ピペリジノエチルシラン、ジブトキシジメチルシラン、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、3−(3−アセトキシプロピルチオ)プロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン等が挙げられる。
【0058】
nが3の化合物例としては下記の化合物が挙げられる。
トリメチルクロロシラン、メトキシトリメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、メトキシジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3−クロロプロピルメトキシジメチルシラン、メトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン等が挙げられる。
【0059】
また、一般式(2)で表される有機ケイ素化合物は、好ましくは下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物が用いられる。
【0060】
一般式(1)
R−Si−(X)3
式中、Rはアルキル基、アリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。
【0061】
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物においては、更に好ましくはRが炭素数4から8までのアルキル基である有機ケイ素化合物が好ましく、具体的な好ましい化合物例としては、トリメトキシn−ブチルシラン、トリメトキシi−ブチルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシランが挙げられる。
【0062】
又、最後の表面処理に用いる好ましい反応性有機ケイ素化合物としてはハイドロジェンポリシロキサン化合物が挙げられる。該ハイドロジェンポリシロキサン化合物の分子量は1000〜20000のものが一般に入手しやすく、又、黒ポチ発生防止機能も良好である。特にメチルハイドロジェンポリシロキサンを最後の表面処理に用いると良好な効果が得られる。
【0063】
本発明の酸化チタンの表面処理の他の1つはフッ素原子を有する有機ケイ素化合物により表面処理を施された酸化チタン粒子である。該フッ素原子を有する有機ケイ素化合物による表面処理は、前記した湿式法で行うのが好ましい。
【0064】
即ち、有機溶剤や水に対して前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を溶解または懸濁させ、この中に未処理の酸化チタンを添加し、このような溶液を数分から1時間程度撹拌して混合し、場合によっては加熱処理を施した後に、濾過などの工程を経て乾燥し、酸化チタン表面をフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で被覆する。なお、有機溶剤や水に対して酸化チタンを分散した懸濁液に前記フッ素原子を有する有機ケイ素化合物を添加しても構わない。
【0065】
尚、前記酸化チタン表面がフッ素原子を有する有機ケイ素化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析装置を用いて複合的に確認することができる。
【0066】
本発明に用いられるフッ素原子を有する有機ケイ素化合物としては、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、ジメトキシメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシラン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等が挙げられる。
【0067】
なお、本発明では、上記のN型半導体粒子に最後に行われる表面処理を反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物を用いて行われるものも含まれるが、具体的な表面処理方法は、上記反応性有機ケイ素化合物による表面処理方法に準ずる方法によって行われるものである。
【0068】
また、前記N型半導体粒子表面が反応性有機チタン化合物や反応性有機ジルコニウム化合物によって被覆されていることは、光電子分光法(ESCA)、オージェ電子分光法(Auger)、2次イオン質量分析法(SIMS)や拡散反射FI−IR等の表面分析手法を複合的に用いることにより高精度に確認されるものである。
【0069】
前記N型半導体粒子の表面処理に用いられる具体的な反応性有機チタン化合物としては、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン等の金属アルコキシド化合物やジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(ラクテート)、ジブトキシチタニウムビス(オクチレングリコレート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(トリエタノールアミナート)等の金属キレート化合物が挙げられる。また、反応性有機ジルコニウム化合物としては、テトラブトキシジルコニウムやブトキシジルコニウムトリ(アセチルアセテート)等の金属アルコキシド化合物や金属キレート化合物が挙げられる。
【0070】
次に、前記表面処理が施された酸化チタン粒子等のN型半導体粒子(以下、表面処理N型半導体粒子ともいう。また、特に、表面処理が施された酸化チタン粒子を表面処理酸化チタンとも云う)を用いた中間層の構成について説明する。
【0071】
本発明の中間層は、前記複数回の表面処理を行って得られた表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導体粒子をバインダー樹脂とともに溶媒中に分散させた液を導電性支持体上に塗布することにより作製される。
【0072】
本発明の中間層は導電性支持体と感光層の間に設けられ、該導電性支持体と感光層との良好な接着性、感光層から導電性支持体への良好な電子注入、移動性、及び該支持体からの正孔注入を防止するバリア機能を有する。該中間層のバインダー樹脂としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂やメラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の熱硬化性樹脂やこれらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これらバインダー樹脂の中でポリアミド樹脂が特に好ましく、特には共重合、メトキシメチロール化等のアルコール可溶性ポリアミドが好ましい。前記バインダー樹脂中に分散される本発明の表面処理N型半導体粒子の量は、例えば表面処理酸化チタンの場合では、該バインダー樹脂100質量部に対し、10〜10,000質量部、好ましくは50〜1,000質量部である。該表面処理酸化チタンをこの範囲で用いることにより、該酸化チタンの分散性を良好に保つことができ、黒ポチの発生しない、良好な中間層を形成することができる。
【0073】
本発明の中間層の膜厚は0.5〜15μmが好ましい。膜厚を前記範囲で用いることにより、黒ポチの発生しない、電子写真特性の良好な中間層を形成できる。
【0074】
本発明の中間層を形成するために作製する中間層塗布液は前記表面処理酸化チタン等の表面処理N型半導体粒子、バインダー樹脂、分散溶媒等から構成されるが、分散溶媒としては他の感光層の作製に用いられる溶媒と同様なものが適宜用いられる。
【0075】
即ち、本発明の中間層、感光層、その他樹脂層の形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。
【0076】
中間層塗布液溶媒としては、これらに限定されるものではないが、メタノール、エタノール、ブタノール、1−プロパノール、イソプロパノール等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0077】
また、中間層塗布溶媒としては、中間層塗布時の乾燥ムラの発生を防止するために高い樹脂溶解性を有するメタノールと直鎖アルコールとの混合溶媒を用いることが好ましく、好ましい溶媒の比率は、体積比でメタノール1に対して直鎖アルコールを0.05〜0.6の比率で混合したものがよい。この様に塗布溶媒を混合溶媒とすることで溶媒の蒸発速度が適切に保たれ、塗布時の乾燥ムラに伴う画像欠陥の発生を抑えることができる。
【0078】
中間層塗布液の作製に用いられる表面処理酸化チタンの分散手段としてはサンドミル、ボールミル、超音波分散等いずれの分散手段を用いても良い。
【0079】
前記中間層を含め、本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0080】
以下に本発明に好ましく用いられる感光体の構成について記載する。本発明の感光体の感光層構成は下記導電性支持体上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのが好ましい。
【0081】
《導電性支持体》
本発明の電子写真感光体の導電性支持体としては、
1)アルミニウム、ステンレス等の金属板や円筒管
2)紙或いはプラスチックフィルム等の支持体上に、アルミニウム、パラジウム及び金等の金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けた物
3)紙或いはプラスチックフィルム等の支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム及び酸化錫等の導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けた物等が挙げられる。好ましくはアルミニウムの円筒管
4)アルマイト乃至は封孔処理をしたアルマイト基体等を挙げることができる。
【0082】
《電荷発生層》
本発明の電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂を含有し、電荷発生物質をバインダー樹脂溶液中に分散、塗布して形成する。
【0083】
電荷発生物質は、公知のフタロシアニン化合物であり、好ましくはチタニルフタロシアニン化合物及びヒドロキシガリウムフタロシアニン化合物である。更にはチタニルフタロシアニンのY型、A型(β型)等、Cu−Kα特性X線(波長1.54Å)に対するブラッグ角2θの主要ピークが特徴的なチタニルフタロシアニン化合物が良い。これらオキシチタニルフタロシアニンについては特開平10−69107号公報に記載されている。又、これらの電荷発生物質は単独で使用しても、2種以上例えばY型とA型を混合して使用しても良く、多環キノン例えばペリレン顔料と混合して用いても良い。
【0084】
電荷発生層のバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることが出来、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)及びポリ−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0085】
電荷発生層の形成は、バインダー樹脂を溶剤で溶解した溶液中に分散機を用いて電荷発生物質を分散して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
【0086】
電荷発生層に使用するバインダー樹脂を溶解し塗布するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等を挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0087】
電荷発生物質の分散手段としては、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー及びホモミキサー等が使用出来るがこれらに限定されるものではない。
【0088】
電荷発生層を形成する塗布機としては浸漬塗布機、リングコーター等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0089】
バインダー樹脂に対する電荷発生物質の混合割合は、バインダー樹脂100部に対して電荷発生物質1〜600部が好ましく、さらに好ましくは50〜500部である。電荷発生層の膜厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは0.01〜5μmである。
【0090】
《電荷輸送層》
本発明の電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有し、電荷輸送物質をバインダー樹脂溶液中に溶解、塗布して形成される。
【0091】
電荷輸送物質は、特願2000−360998号明細書の一般式で挙げられる電荷輸送物質の他、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン及びポリ−9−ビニルアントラセン等を2種以上混合して使用してもよい。
【0092】
電荷輸送層用のバインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることが出来、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられるが、ポリカーボネートが好ましい。更にはBPA、BPZ、ジメチルBPA、BPA−ジメチルBPA共重合体等がクラック、対摩耗性帯電特性の点で好ましい。
【0093】
電荷輸送層の形成は、バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解して塗布液を調製し、塗布液を塗布機で一定の膜厚に塗布し、塗布膜を乾燥して作製することが好ましい。
【0094】
上記バインダー樹脂と電荷輸送物質を溶解するための溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン及びジエチルアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0095】
バインダー樹脂に対する電荷輸送物質の混合割合は、バインダー樹脂100部に対して電荷輸送物質10〜500部が好ましく、さらに好ましくは20〜100部である。
【0096】
電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性及び混合割合等により異なるが好ましくは10〜100μmで、さらに好ましくは15〜40μmである。電荷輸送層中にはAO剤(酸化防止剤)、EA剤(電子受容物質)、安定剤等を添加しても良い。AO剤については特願平11−200135号、EA剤は特開昭50−137543号、同58−76483号等の記載のものが良い。
【0097】
《保護層》
耐久性をアップする為に、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。保護層バインダー樹脂は、公知の樹脂を用いることが出来、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂及びスチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂等が挙げられる。特開平9−190004号、同10−95787号、特開2000−171990号に記載のシロキサン系樹脂も良い。
《トナー》
本発明者等は、鋭意検討した結果、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することで上記問題を解決することができることを見出した。すなわち、トナー自体の形状の分布を均一化することにより、転写時の帯電量分布を狭くすることができ、画像欠陥の発生を防止することができ、画質を向上できる。
【0098】
又、本発明者等が更に検討した結果、角がないトナー粒子ではその表面の平滑性により、過度な帯電性の蓄積が無いことから、形状のバラツキが多少大きくても、同様の効果を発揮することを見出した。すなわち、角がないトナー粒子が50個数%以上であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することで本発明の課題を解決することができることを見出した。
【0099】
さらに、本発明者等の検討の結果、特定の形状についてその形状を揃えた場合にも、トナーの帯電性を均一化することができ、同様の効果を発揮することを見出した。すなわち、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用することで本発明の課題を解決することができることを見出した。
【0100】
このトナーの帯電量分布について検討した結果、トナーの帯電量分布をきわめてシャープなものとするためには、トナー粒子の粒径のバラツキを小さく制御すると共に、形状のバラツキも小さく制御する必要があることが判明した。トナーの帯電量分布をきわめてシャープにすることで、トナー帯電量を低く設定した場合にも、長期にわたって安定した帯電性を得、高画質の向上保持が可能となる。
【0101】
以上の観点より検討を加えた結果、形状係数の変動係数が16%以下であり、個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であるトナーを使用することで、文字チリや色ズレの発生のない、高画質な画像を長期にわたって形成することができることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
【0102】
又、本発明者等は、個々のトナー粒子の微小な形状に着目して検討を行った結果、現像装置内部において、トナー粒子の角部分の形状が変化して丸くなり、その部分が汚染を発生させていることが判明した。この理由については明確ではないが、角部分にはストレスが加わりやすく、トナーの帯電性を変化させると推定した。更に、摩擦帯電によってトナー粒子に電荷を付与する場合には、特に角となる部分では電荷が集中しやすくなり、トナー粒子の帯電が不均一になりやすいと推定される。
【0103】
即ち、角がないトナー粒子を50個数%以上とし、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下に制御することによっても、文字チリや色ズレの発生のない、高画質な画像を長期にわたって形成することができることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
【0104】
さらに又、トナーを特定の形状としてその形状を揃えた場合にも、帯電量分布がシャープとなることが判明した。即ち、形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であり、形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを使用することでも、文字チリや色ズレの発生のない、高画質な画像を長期にわたって形成することができることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
【0105】
本発明のトナーの形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0106】
形状係数=((最大径/2)2×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0107】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0108】
本発明においては、この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることが好ましく、より好ましくは、70個数%以上である。さらに好ましくは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上とすることであり、より好ましくは、70個数%以上である。
【0109】
この形状係数が1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子が65個数%以上であることにより、過度に帯電したトナーの蓄積が無く、現像ゴースト等の問題も発生しにくくなる。さらに、トナー粒子が破砕しにくくなってトナーの帯電性が安定する。
【0110】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えばトナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6にしたトナーを調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調整する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.0〜1.6、または1.2〜1.6に調整したトナーを調製する方法がある。
【0111】
上記方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。
【0112】
本発明のトナーの形状係数の変動係数は下記式から算出される。
変動係数=〔S/K〕×100(%)
式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差、Kは形状係数の平均値を示す。
【0113】
この形状係数の変動係数は16%以下であり、好ましくは14%以下である。形状係数の変動係数が16%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、画質が向上する。
【0114】
この形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御する為に、樹脂粒子(重合体粒子)を重合、融着、形状制御させる工程で、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0115】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0116】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0117】
本発明のトナーの個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−IIあるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。
【0118】
トナーの個数粒度分布における個数変動係数は下記式から算出される。
個数変動係数=(S/Dn)×100(%)
式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dnは個数平均粒径(μm)を示す。
【0119】
本発明のトナーの個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。個数変動係数が27%以下であることにより、転写されたトナー層の空隙が減少して定着性が向上し、オフセットが発生しにくくなる。また、帯電量分布がシャープとなり、転写効率が高くなって画質が向上する。
【0120】
本発明の個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0121】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0122】
本発明の角がないトナー粒子とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有さないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図1(a)、(b)、(c)に示すように、トナー粒子の長径をL、L/10を半径Rとする円で、トナー粒子周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、全く円がトナーの外側に実質的にはみださない場合を角がないトナー粒子という。実質的にはみ出さない場合とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下をいう。また、トナー粒子の長径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。
【0123】
角がないトナーの測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0124】
本発明のトナーにおいて、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であり、好ましくは70個数%以上である。角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であることにより、現像剤搬送部材などとのストレスにより微細な粒子の発生などがおこりにくくなり、いわゆる現像剤搬送部材表面に対する付着性の過度なトナーの存在を防止することができるとともに、現像剤搬送部材に対する汚染を抑制することができ、帯電量もシャープにすることができる。また、摩耗、破断しやすいトナー粒子および電荷の集中する部分を有するトナー粒子が減少することとなり、帯電量分布がシャープとなって、帯電性も安定し、良好な画質を長期にわたって形成できる。
【0125】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0126】
又、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0127】
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0128】
個数平均粒径が3〜8μmであることにより、定着工程において、現像剤搬送部材に対する付着性の過度なトナーや付着力の低いトナー等の存在を少なくすることができ、現像性を長期に亘って安定化することができるとともに、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0129】
本発明のトナーとしては、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるトナーであることが好ましい。相対度数(m1)と相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることにより、トナー粒子の粒度分布の分散が狭くなるので、当該トナーを画像形成工程に用いることにより選択現像の発生を確実に抑制することができる。
【0130】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)(上記階級において、例えば0.23〜0.46は0.23以上、0.46未満を意味する)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0131】
測定条件
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0132】
次に、本発明に係わる数値について、従来知られているトナーの数値を説明する。この数値は製造方法により異なるものである。
【0133】
粉砕法トナーの場合、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度である。このものの形状係数の変動係数は20%程度である。また、粉砕法では破砕を繰り返しながら粒径を小さくするために、トナー粒子に角部分が多くなり、角がないトナー粒子の割合は30個数%以下である。従って、形状を揃えて、角部分がなく、丸みのあるトナーを得ようとする場合には、形状係数を制御する方法として前記した様に熱等により球形化する処理が必要となる。また、個数粒度分布における個数変動係数は、粉砕後の分級操作が1回である場合には、30%程度であり、個数変動係数を27%以下とするためには、さらに分級操作を繰り返す必要がある。
【0134】
懸濁重合法によるトナーの場合、従来は層流中において重合されるため、ほぼ真球状のトナー粒子が得られ、例えば特開昭56−130762号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合が20個数%程度となり、また形状係数の変動係数も18%程度となり、更に角がないトナー粒子の割合も85個数%程度となる。また、個数粒度分布における個数変動係数を制御する方法に前記した様に、重合性単量体の大きな油滴に対して、機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくするため、油滴径の分布は広くなり、従って得られるトナーの粒度分布は広く、個数変動係数は32%程度と大きいものであり、個数変動係数を小さくするためには上記公報記載の技術に基づいてトナーを作製するのであれば分級操作が必要である。
【0135】
樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、例えば特開昭63−186253号公報に記載されたトナーでは、形状係数が1.2〜1.6であるトナー粒子の割合は60個数%程度であり、また形状係数の変動係数は18%程度であり、更に角がないトナー粒子の割合も44個数%程度である。さらに、トナーの粒度分布は広く、個数変動係数は30%であり、個数変動係数を小さくするためには分級操作が必要である。
【0136】
本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する方法で製造することができる。会合の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することをいう。
【0137】
尚、本発明における水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0138】
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0139】
本発明のトナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。
【0140】
樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0141】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0142】
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0143】
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0144】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0145】
乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0146】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0147】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0148】
使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0149】
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0150】
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
【0151】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0152】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とする方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0153】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0154】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0155】
いわゆる重合性単量体中に着色剤などのトナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制御することによりトナー粒子の形状を制御することができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さい球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることにより球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0156】
懸濁重合法においては、特定の攪拌翼を使用することで、乱流を形成することができ、形状を容易に制御することができる。
【0157】
一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
【0158】
樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、本発明の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。
【0159】
又、本発明のトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することができる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0160】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。
【0161】
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0162】
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式をあげることができる。特に、接触加熱方式として、熱圧定着方式、さらには熱ローラー定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式をあげることができる。
【0163】
図4は本発明の画像形成方法の一例としての画像形成装置の断面図である。
図4に於いて50は像担持体である感光体ドラム(感光体)で、有機感光層をドラム上に塗布し、その上に本発明の表面層を塗設した感光体で、接地されて時計方向に駆動回転される。52はスコロトロンの帯電器(帯電手段)で、感光体ドラム50周面に対し一様な帯電をコロナ放電によって与えられる。この帯電器52による帯電に先だって、前画像形成での感光体の履歴をなくすために発光ダイオード等を用いた帯電前露光部51による露光を行って感光体周面の除電をしてもよい。
【0164】
感光体への一様帯電の後、像露光器(像露光手段)53により画像信号に基づいた像露光が行われる。この図の像露光器53は図示しないレーザーダイオードを露光光源とする。回転するポリゴンミラー531、fθレンズ等を経て反射ミラー532により光路を曲げられた光により感光体ドラム上の走査がなされ、静電潜像が形成される。
【0165】
ここで本発明の反転現像とは帯電器52により、感光体表面を一様に帯電し、像露光が行われた領域、即ち感光体の露光部電位(露光部領域)を現像手段により、顕像化する画像形成方法である。一方未露光部電位は現像スリーブ541に印加される現像バイアス電位により現像されない。
【0166】
その静電潜像は次いで現像器(現像手段)54で現像される。感光体ドラム50周縁にはトナーとキャリアとから成る現像剤を内蔵した現像器54が設けられていて、マグネットを内蔵し現像剤を保持して回転する現像スリーブ541によって現像が行われる。現像器54内部は現像剤攪拌搬送部材544、543、搬送量規制部材542等から構成されており、現像剤は攪拌、搬送されて現像スリーブに供給されるが、その供給量は該搬送量規制部材542により制御される。該現像剤の搬送量は適用される電子写真感光体の線速及び現像剤比重によっても異なるが、一般的には20〜200mg/cm2の範囲である。
【0167】
現像剤は、例えばフェライトをコアとしてそのまわりに絶縁性樹脂をコーティングしたキャリアと、前述のスチレンアクリル系樹脂を主材料としてカーボンブラック等の着色剤と荷電制御剤と本発明の低分子量ポリオレフィンからなる着色粒子に、シリカ、酸化チタン等を外添したトナーとからなるもので、現像剤は搬送量規制部材によって層厚を規制されて現像域へと搬送され、現像が行われる。この時通常は感光体ドラム50と現像スリーブ541の間に直流バイアス、必要に応じて交流バイアス電圧をかけて現像が行われる。また、現像剤は感光体に対して接触あるいは非接触の状態で現像される。感光体の電位測定は電位センサー547を図4のように現像位置上部に設けて行う。
【0168】
記録紙Pは画像形成後、転写のタイミングの整った時点で給紙ローラー57の回転作動により転写域へと給紙される。
【0169】
転写域においてはトナーと逆極性の電荷を付与する転写電極(転写手段)58により感光体上のトナーが給紙された記録紙Pに転写される。
【0170】
次いで記録紙Pは分離電極(分離手段)59によって除電がなされ、感光体ドラム50の周面より分離して定着装置(定着手段)60に搬送され、熱ローラー601と圧着ローラー602の加熱、加圧によってトナーを溶着したのち排紙ローラー61を介して装置外部に排出される。なお前記の転写電極58及び分離電極59は記録紙Pの通過後感光体ドラム50の周面より退避離間して次なるトナー像の形成に備える。
【0171】
一方記録紙Pを分離した後の感光体ドラム50は、クリーニング器(クリーニング手段)62のブレード621の圧接により残留トナーを除去・清掃し、再び帯電前露光部51による除電と帯電器52による帯電を受けて次なる画像形成のプロセスに入る。
【0172】
尚、70は感光体、帯電器、転写器、分離器及びクリーニング器が一体化されている着脱可能なプロセスカートリッジである。
【0173】
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は電子写真複写機、レーザープリンター、LEDプリンター及び液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適応するが、更に、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリ等の装置にも幅広く適用することができる。
【0174】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
【0175】
実施例1
(トナー1:乳化重合会合法の例)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0Lを入れ攪拌溶解する。この溶液に、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0176】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0Lからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0177】
本発明で好ましく使用することのできる撹拌翼を備えた撹拌槽について図を用いて説明する。図2は撹拌翼を備えた撹拌槽の一例である。撹拌槽の外周部に熱交換用のジャケット1を装着した縦型円筒状の撹拌槽2内の中心部に回転軸3を垂設し、該回転軸3に撹拌槽2の底面に近接させて配設された下段の撹拌翼4と、より上段に配設された撹拌翼5がある。上段の撹拌翼5は、下段に位置する撹拌翼4に対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明においては交差角αは90度(°)未満であることが好ましい。この交差角の下限は特に限定されるものでは無いが、5度程度以上、好ましくは10度以上あれば特によい。
【0178】
この構成とすることで、上段に配設されている攪拌翼によりまず媒体が攪拌され、下側への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌翼により、上段の攪拌翼で形成された流れがさらに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速されて進行するものと推定される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるために、トナーの形状を制御できるものと推定される。
【0179】
ここにおいて撹拌翼の形状については、特に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるものなどを使用することができる。これらの例を図3に記載する。図3中(a)は撹拌翼に中孔部のないもの、(b)は中央に大きな中孔部6があるもの、(c)は横長の中孔部6があるもの、(d)は縦長の中孔部6があるものである。又、これらは上段と下段で中孔部6が異なるものを用いても、同一のものを用いても良い。
【0180】
尚、図2中、矢印は回転方向を、7は上部材料投入口を8は下部材料投入口を表す。
【0181】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた100LのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始する。攪拌翼の構成は図2の構成とした。この攪拌翼の角度及び全体の大きさについては別表に示した。次いで、イオン交換水44.0Lを加える。
【0182】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを滴下しながら投入する。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポールフィルターで濾過し、これを「ラテックス▲1▼−A」とする。
【0183】
なお、ラテックス▲1▼−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、質量平均粒径は120nmであった。
【0184】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0Lに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0185】
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0Lに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
【0186】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100LのGL反応釜(攪拌翼の構成は図3(a))に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、攪拌を開始する。次いで、イオン交換水44.0Lを投入する。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加する。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下する。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止する。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックス▲1▼−B」とした。
【0187】
なお、ラテックス▲1▼−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、質量平均粒径は110nmであった。
【0188】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0Lに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0189】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00Lに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100LのSUS反応釜(攪拌翼の構成は図3(a))に、上記で作製したラテックス▲1▼−A=20.0kgとラテックス▲1▼−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪拌する。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加する。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させる。次に純水2.1Lを添加して粒径成長を停止する。
【0190】
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5Lの反応容器(攪拌翼の構成は図2)に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御した。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止する。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液▲1▼とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液▲1▼よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。
【0191】
この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法によるトナー1を得た。
【0192】
前記塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表1に示すトナー1−1〜1−5を得た。組成はスチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸=0.758/0.162/0.080モル%であり、樹脂のTgは約57℃、SP値は10.04であった。
【0193】
(トナー2:乳化重合会合法の例)
トナー1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表1に示すトナー2−1を得た。組成はトナー1のスチレン/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸=0.758/0.162/0.080モル%から、スチレン/n−ブチルアクリレート/n−ブチルメタクリレート=0.87/0.035/0.095モル%に変更した。樹脂のTgは67℃、SP値は9.84であった。
【0194】
(トナー3:乳化重合会合法の例)
トナー1と同様に、塩析/融着段階および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調整して、表1に示すトナー3−1〜3−2を得た。組成は、スチレン/n−ブチルアクリレート/n−ブチルメタクリレート=0.67/0.03/0.30モル%にした。SP値は9.46であった。
【0195】
(現像剤の製造)
トナー1−1〜3−2の各々と、スチレン−メタクリレート共重合体で被覆した45μmフェライトキャリアとを、各々19.8g及びキャリア200.2gの割合で混合することにより、評価用の現像剤を製造した。
【0196】
【表1】
Figure 0004345874
【0197】
実施例2
以下のようにして各本発明例、比較例の中間層分散液を作製した。なお、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0198】
(中間層分散液1の作製)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製) 1部
酸化チタンSMT500SAS(テイカ社製;表面処理は、シリカ処理、
アルミナ処理、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理)3.0部
メタノール 10部
分散機としてサンドミルで分散時間を10時間、バッチ式にて分散して、中間層分散液1を作製した。
【0199】
(中間層分散液2〜7の作製)
酸化チタン及びその表面処理と粒径、バインダー樹脂、酸化チタン/バインダー樹脂質量比及び溶剤、また分散時間を10〜20時間の範囲で変え、表2に示す様にした以外は、中間層分散液1と同様に中間層分散液2〜6を作製した。
【0200】
(中間層分散液8の作製)
ポリアミド樹脂CM8000(東レ社製)1部をメタノール7部、1−プロパノール3部の混合溶媒中に加えて溶解し、中間層分散液8(比較例)を作製した。
【0201】
(中間層分散液9の作製)
酸化チタンの代わりにシリカ(アエロジルR805、テグサ社)を分散した以外は中間層分散液1と同様にして、中間層分散液9(比較例)を作製した。
【0202】
感光体1
下記中間層分散塗布液1を調製し、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚2μmの中間層を形成した。
【0203】
〈中間層(UCL)塗布液〉
中間層分散液1を同じ混合溶媒にて二倍に希釈し、一夜静置後に濾過(フィルター;日本ポール社製リジメッシュフィルター公称濾過精度:5ミクロン、圧力;4.9033Pa)した。
【0204】
下記塗布液を混合し、サンドミルを用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0205】
〈電荷発生層(CGL)塗布液〉
Y型オキシチタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折の最大ピーク角度が2θで27.3) 20g
ポリビニルブチラール(#6000−C、電気化学工業社製) 10g
酢酸t−ブチル 700g
4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン 300g
下記塗布液を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製した。
【0206】
〈電荷輸送層(CTL)塗布液〉
電荷輸送剤(化合物A) 75g
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)100g
塩化メチレン 750g
【0207】
【化1】
Figure 0004345874
【0208】
感光体2〜9
感光体1で用いた中間層分散液1の代わりにそれぞれ表2に示す中間層分散液2〜9を使用した他は感光体1と同様にして、それぞれ感光体2〜9を作製した。
【0209】
【表2】
Figure 0004345874
【0210】
感光体10
陽極酸化封孔処理された円筒状アルミニウム基体を基体として用いた以外、感光体1と同様にして感光体10を作製した。
【0211】
評価
Konica7050(コニカ社製レーザーデジタル複写機:感光体と帯電器、現像器、クリーニング装置及び除電器とが一体となったカートリッジを備えている)に得られた感光体1〜10を装着し、以下の帯電条件及びクリーニング条件に設定した。組み合わせして使用した感光体、トナーは表3に記載した。
【0212】
帯電条件
帯電器;初期帯電電位を−650V
現像条件
DCバイアス ;−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離);600μm
現像剤層規制 ;磁性H−Cut方式
現像剤層厚 ;700μm
現像スリーブ径;40mm
転写極;コロナ帯電方式、転写ダミー電流値:45μA
クリーニング条件
弾性体ゴムブレード;自由長:9mm、厚さ:2mm、硬度:70°、反発弾性:35、感光体当接圧(線圧):15g/cm
(実写画像評価)
上記感光体及びトナーを装着し、30℃、80%RH環境下において、感光層膜厚が15μmになるまで、A4紙を用い印字率10%のコピー実写を行い、コピー画像のカブリ、鮮鋭性、画像ムラ、黒ポチ等について以下の評価基準にて目視で画像評価を行った。
【0213】
評価は画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4での複写を行い、ベタ白画像、ベタ黒画像、細線画像を評価した。
【0214】
クラックテストにつては、中間層まで塗布したサンプルの表面を観察、クラック発生の有無を見た。これより感光体を形成し、各種クラックグレードのサンプルを得、5000コピーの実写を行い、画像に出ないクラック等を換算、選別して評価した。
【0215】
カブリについては、各画像の濃度はマクベス社製RD−918を使用し絶対反射濃度の測定を行った。残留電位の上昇が大きくなると画像濃度は低下し、帯電電位の低下が大きくなるとカブリが発生する。又帯電電位の均一性が低下すると画像ムラが大きくなる。
【0216】
一方鮮鋭性は5世代目のコピー画像で判別出来る1mm当たりの細線の本数を目視で判定した。
【0217】
黒ポチについては、長径が0.4mm以上の黒ポチがA4紙当たり何個あるかで判定した。尚、黒ポチ長径はビデオプリンター付き顕微鏡等で測定できる。
【0218】
評価基準
各評価の判定基準は、下記に示す通りである。得られた結果を表3に示す。
【0219】
クラック
1・・・画像に出ないクラックのままで、実用上問題なし
2・・・軽微に画像に出るクラックでかろうじて実用OK
3・・・クラック拡大成長し、画像上に発生、実用不可。
【0220】
カブリ:ベタ白画像濃度で判定
◎・・・0.005以下(良好)
○・・・0.005より大で0.01未満(実用上問題ないレベル)
×・・・0.01以上(実用上問題あり)。
【0221】
鮮鋭性:細線画像で判定
◎・・・8本/mm以上(良好)
○・・・6本/mm以上7本/mm以下(実用上問題ないレベル)
×・・・5本/mm以下(実用上問題あり)。
【0222】
画像ムラ:ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定
◎・・・0.05以下(良好)
○・・・0.05より大で0.1未満(実用上問題ないレベル)
×・・・0.1以上(実用上問題あり)。
【0223】
黒ポチ
◎・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下
○・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、19個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題ないレベル)
×・・・0.4mm以上の黒ポチ頻度:20個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題あり)
【0224】
【表3】
Figure 0004345874
【0225】
表3から、本発明の感光体と本発明のトナーを組み合わせた実験No.1〜8は、膜厚減耗15μm以上の耐久を持ち、特に、高温高湿の環境特性下での黒ポチ、画像濃度低下、カブリ、クラック等の発生が無く、下層との接着性が良く、長期にわたって使用することが可能である。一方、本発明外の感光体と本発明のトナーを組み合わせた実験No.9及び10と本発明の感光体と本発明外のトナーを組み合わせた実験No.11及び12は表3で示すように、劣悪な結果しか示さない。
【0226】
【発明の効果】
N型半導体粒子添加の中間層との組み合わせで、膜厚減耗15μm以上の耐久を持ち、特に、高温高湿の環境特性下での黒ポチ、画像濃度低下、カブリ、クラック等の発生が無く、下層との接着性が良く、長期にわたって使用することが可能な画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】角のないトナー粒子を説明する概略図である。
【図2】本発明の撹拌翼を備えた撹拌槽の一例の斜視図である。
【図3】撹拌翼の形状の概要図である。
【図4】本発明の画像形成方法の一例としての画像形成装置の断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換用のジャケット
2 撹拌槽
3 回転軸
4 下段の撹拌翼
5 上段の撹拌翼
6 中孔部
7 上部材料投入口
8 下部材料投入口
50 感光体ドラム(又は感光体)
51 帯電前露光部
52 帯電器
53 像露光器
54 現像器
541 現像スリーブ
543,544 現像剤攪拌搬送部材
547 電位センサー
57 給紙ローラー
58 転写電極
59 分離電極(分離器)
60 定着装置
61 排紙ローラー
62 クリーニング器
70 プロセスカートリッジ

Claims (10)

  1. 導電性支持体と感光層の間に中間層を有する電子写真感光体を回転させ、少なくとも帯電、露光、トナーによる現像、転写を繰り返す画像形成方法において、前記中間層は、N型半導体粒子として、数平均一次粒径が10nm以上150nm以下で、アルミナ、及びシリカによる、またはアルミナによる1次表面処理が施された後、反応性有機ケイ素化合物ないしジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセテート)による2次表面処理が施された酸化チタン粒子、又はフッ素原子を有する有機ケイ素化合物で処理された酸化チタン粒子とバインダーとしてポリアミド樹脂を含有し、前記感光層は、膜厚15〜40μmのポリカーボネート樹脂を含有する電荷輸送層を有し、前記トナーは形状係数の変動係数が16%以下であり、該形状係数1.0〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有し、かつ個数粒度分布における個数変動係数が27%以下であり、更に角がないトナー粒子を80個数%以上含有する、乳化重合会合法で調製された、個数平均粒径が3.6〜7.1μmのスチレン/アクリレート系共重合体のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記酸化チタン粒子の最終表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記反応性有機ケイ素化合物がメチルハイドロジェンポリシロキサンであることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記反応性有機ケイ素化合物が下記一般式(1)で示される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
    一般式(1) R−Si−(X)
    (式中、Rはアルキル基、アリール基を表し、Xはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン基を表す。)
  5. 前記一般式(1)のRが炭素数4から8までのアルキル基であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
  6. 前記トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記トナーが少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる着色粒子から得られることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記トナーが少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる着色粒子から得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置において、画像形成方法が請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法であることを特徴とする画像形成装置
  10. 電子写真感光体の周辺に、少なくとも帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を有し、繰り返し画像形成を行う画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジが、電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段の少なくとも1つを一体として有しており、該画像形成装置に出し入れ可能に構成され、かつ請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法に用いられるプロセスカートリッジであることを特徴とするプロセスカートリッジ
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