JP2004226801A - 有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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雅彦 倉地
Chigusa Yamane
千草 山根
Hirofumi Hayata
裕文 早田
Kageyuki Tomoyose
景之 友寄
Takeshi Shimoda
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Abstract

【課題】本発明の目的は、クリーニングブレードを用いてトナーを除去する電子写真方式の画像形成方法に用いられる有機感光体のクリーニング性を改善し、高温高湿環境及び低温低湿環境下で発生しやすい画像欠陥や画質劣化を防止し、高画質の有機感光体を提供することであり、該有機感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置を提供することである。
【解決手段】クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体、画像形成方法及び画像形成装置に関し、更に詳しくは、複写機やプリンターの分野で用いられる電子写真方式の画像形成に用いる有機感光体、画像形成方法、及び画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の画像形成方法に用いられる感光体には、有機光導電性物質を含有する有機感光体(以下感光体とも云う)が最も広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと等が他の感光体に対して有利な点であるが、機械的強度が弱く、多数枚の複写やプリント時に感光体表面の劣化や傷を発生させやすい。
【0003】
一般に、カールソン法の電子写真複写装置においては、感光体を一様に帯電させた後、露光によって画像様に電荷を消去して静電潜像を形成し、その静電潜像をトナーによって現像、可視化し、次いでそのトナーを紙等に転写、定着させる。
【0004】
しかしながら、感光体上のトナーは全てが転写されることはなく、一部のトナーは感光体に残留し、この状態で繰り返し画像形成した場合、残留トナーの影響で潜像形成が乱されるため汚れのない高画質な複写を得ることができない。このため、残留トナーの除去が必要となる。クリーニング手段にはファーブラシローラ、磁気ブラシローラまたはブレード(クリーニングブレードとも云う)等が代表的であるが、性能、構成等の点からブレードが主に用いられている。このときのブレード部材としては、板状のゴム弾性体が一般的である。
【0005】
このように、電子写真感光体の表面は、帯電器、現像器、転写手段、及びクリーニング器等により、電気的、機械的な外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性が要求される。
【0006】
ところで、電子写真方式の潜像画像形成方式は、ハロゲンランプを光源とするアナログ画像形成とLEDやレーザを光源とするデジタル方式の画像形成に大別される。最近はパソコンのハードコピー用のプリンターとして、また通常の複写機においても画像処理の容易さや複合機への展開の容易さからデジタル方式の画像形成方式が急激に主流となりつつある。
【0007】
ところで、デジタル方式の画像形成方法は従来のコピー主体の画像形成から、パソコン等の電子信号によるオリジナル画像を作製できることから、印刷並みの高画質が要求されてきている。その結果、有機感光体はその耐久性とは別に有機感光体の表面の変質や電子写真特性の温湿度環境変動による画像劣化の改善が新たな課題として発生している。
【0008】
即ち、ところで、市販の画像形成装置では、有機感光体の耐久性は、クリーニングブレード等の摺擦による摩耗による膜厚減少や傷の発生、或いは帯電能や感度等の電子写真特性の劣化により判断され、未使用の有機感光体と交換されるが、該有機感光体の耐久性とは別に、長時間の使用中に、有機感光体の表面の変質や電子写真特性の変動により、画像を劣化させる現象がみられる。
【0009】
これらの画像劣化の現象の1つが、ブラックスポットと呼ばれる苺状の模様を出現する画像欠陥がある。このブラックスポットは感光体の表面に異物が埋め込まれて、この部分で、部分的な帯電及び感度の変化により発生したものと考えられる。
【0010】
又、他の画像劣化の現象は白ヌケと呼ばれる画像欠陥がある。この白ヌケは反転現像のハーフトーン或いは黒べた画像に現像されない点状或いは線状の画像欠陥をいうが、この現象は有機感光体上への潜像形成時に、像露光部で電荷が消失しない微小部分が発生するためと思われ、前記ブラックスポットと同様に、感光体の表面に異物が付着して発生する現象と考えられる。
【0011】
これら、ブラックスポットや白ヌケの画像欠陥は有機感光体の表面への異物の付着により引き起こされ、有機感光体の表面が現像剤の成分や紙粉の成分と強固な付着をしやすいこと及びこれらの成分がクリーニングブレード等による感光体の摺擦で、十分に除去されず、むしろ埋め込まれている為に発生していると考えられる。
【0012】
又、高温高湿や低温低湿環境下での電子写真特性の変動が他の画像劣化の原因として挙げられる。例えば低温低湿下では、有機感光体の電荷輸送性が低下し、デジタル潜像のドット形状が太る傾向にあり、文字細り、或いは鮮鋭性の低下となって、電子写真画像の品質を低下させる現象がみられる。この現象を解決する為に、即ち、低温低湿下での電荷輸送性を改善する為に、有機感光体に多量の電荷輸送物質を含有させると、有機感光体の表面層である電荷輸送層の膜質を低下させ、高温高湿環境下で、ブラックスポットや白ヌケを増加させ、低温低湿での文字細りと高温高湿のブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥の改善を両立させることが出来ていない。更に多量の電荷輸送物質を含有させた有機感光体は電荷輸送層の膜質の劣化のためか、反転現像に特有の黒ポチも増加させやすい傾向にある。
【0013】
前記のような要求される様々な特性を満たすため、これまで種々の技術事項が検討されてきた。
【0014】
上記のような有機感光体の画像欠陥を解決するために、これまで種々の検討がなされてきた。例えば、ブラックスポットや白ヌケを改善する方法としては、感光体の表面層にフッ素系樹脂粒子を含有させ、感光体の表面エネルギーを小さくして、異物の付着を抑制する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、表面にフッ素系樹脂粒子を含有させると、画像ボケが起きやすく、膜強度も低下して、繰り返しの画像形成では、感光体の減耗が大きくなりやすい。
【0015】
又、黒ポチを防止するためには、表面処理を行った酸化チタンを含有させた中間層の技術も知られている。酸化鉄、酸化タングステンで表面処理された酸化チタン(特許文献2)、アミノ基含有カップリング剤で表面処理された酸化チタン(特許文献3)、有機ケイ素化合物で表面処理された酸化チタン(特許文献4)、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された酸化チタン(特許文献5)、金属酸化物、或いは有機化合物で表面処理された樹枝状酸化チタン(特許文献6)を用いた中間層を有する有機感光体が提案されている。しかしながら、中間層による改良だけでは、黒ポチの改善は不十分であり、感光層の膜質の改善を併せて検討する必要があると思われる。
【0016】
【特許文献1】
特開昭63−65449号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平4−303846号公報
【0018】
【特許文献3】
特開平9−96916号公報
【0019】
【特許文献4】
特開平9−258469号公報
【0020】
【特許文献5】
特開平8−328283号公報
【0021】
【特許文献6】
特開平11−344826号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、クリーニングブレードを用いてトナーを除去する電子写真方式の画像形成方法に用いられる有機感光体のクリーニング性を改善し、高温高湿環境で発生しやすいブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止し、且つ低温低湿環境下で発生しやすい文字細りやカブリの発生を防止し、高画質の電子写真画像を長期に亘り作製できる有機感光体を提供することである。又、該有機感光体を用いて高温高湿環境で発生しやすいブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止し、且つ低温低湿環境下で発生しやすい文字細りやカブリの発生を防止し、高画質の電子写真画像を長期に亘り作製できる画像形成方法、及び画像形成装置を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題解決のため鋭意努力した結果、電子写真方式の画像形成方法に用いられる有機感光体は、そのクリーニング性を改善するには、クリーニングブレードで摺擦されても、有機感光体の表面層がトナー成分や紙粉成分が埋め込まれない電荷輸送層で構成されることが必要であることを見いだし、本発明を完成した。即ち、有機感光体の表面層となる電荷輸送層中の電荷輸送物質に高分子量の化合物を用いることにより、有機感光体の電荷輸送層がクリーニングブレードで摺擦されても、トナー成分や紙粉成分が埋め込まれず、長期に亘り均一で清浄な表面層を確保でき、ブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止し、且つ低温低湿で発生しやすい文字細りを改善した高画質の電子写真画像を提供することができる。
【0024】
又、このような有機感光体に特定の振幅でスティックスリップ運動を繰り返すクリーニングブレードを適用して、有機感光体上の残留トナーを除去することにより、有機感光体の表面層を常に清浄に保ち、ブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止し、且つ低温低湿で発生しやすい文字細りを改善した高画質の電子写真画像を作製できる画像形成方法、画像形成装置を提供することができる。
【0025】
又、このような有機感光体上に、特定の形状係数等を有するトナーを用いてトナー画像を形成し、該トナー画像を記録材に転写した後、特定の振幅でスティックスリップ運動を繰り返すクリーニングブレードを適用して、有機感光体上の残留トナーを除去することにより、有機感光体の表面層を常に清浄に保ち、ブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止し、且つ低温低湿で発生しやすい文字細りを改善した高画質の電子写真画像を作製できる画像形成方法、画像形成装置を提供することができる。
【0026】
即ち、本発明の目的は以下の構成をとることにより達成される。
1.クリーニングブレードを有機感光体に対してカウンター方向で当接させ、且つ該クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
【0027】
2.導電性支持体と電荷発生層の間に中間層を有し、該中間層が無機微粒子(10〜500nm)を含有することを特徴とする前記1に記載の有機感光体。
【0028】
3.有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、該クリーニング工程では、クリーニングブレードを有機感光体に、カウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
【0029】
4.有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーが形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有し、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
【0030】
5.有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーがトナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)との和(M)が70%以上であり、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
【0031】
6.有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーが角がないトナー粒子を50個数%以上含有し、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
【0032】
7.クリーニングブレードの自由長が6〜15mmであることを特徴とする前記3〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【0033】
8.前記3〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0034】
上記本発明の構成を取ることにより、電子写真感光体上に残留トナーをトナー成分や紙粉成分を感光体表面に埋め込ませないで、クリーニングブレードで除去することができ、高画質の電子写真画像を繰り返し形成することができる。
【0035】
以下、本発明について詳しく説明する。
図1は本発明の電子写真方式の画像形成方法を説明する構成概要図である。
【0036】
図1において10は矢印方向に回転する有機感光体ドラム(単に感光体ドラムとも云う)であり、11は前記感光体ドラムに一様な帯電を付与する帯電器であり、コロナ放電帯電器、ローラ帯電器、又は磁気ブラシ帯電器とされてもよい。12はアナログ像露光又はLED、LD等を用いたデジタル像露光であり、該像露光により感光体上に静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像工程で、一成分系又は二成分系現像剤、好ましくは二成分系現像剤であって体積平均3〜8.5μmの微粒子トナーを含有する現像剤を収納する現像器13により接触又は非接触で現像されて前記感光体上にトナー像が形成される。このトナー像はタイミングを合わせて搬送された記録材p上に、転写工程で、転写器(コロナ放電による転写器又はローラ転写器)14により静電転写される。次にトナー像を担持した記録材は分離電極15により分離され、搬送手段16により定着器17へと搬送、定着される。
【0037】
転写後に感光体表面は除電器18により除電された後、クリーニング工程で、クリーニングブレード19により前記感光体ドラム10に対してカウンター方向(クリーニングブレードと感光体の接触点に於ける接触角(図3のθ)が鋭角であること。)で当接してクリーニングされ、その後除電ランプ20により除電されて次の像形成に備えられる。
【0038】
前記クリーニングブレード19は本発明では25℃±0.2℃に於ける反発弾性が20以上75以下であるポリウレタンゴムから成り、図2のように感光体ドラム10にカウンター方向で当接され、該感光体ドラムの矢印方向への回転に伴い相互の摩擦係数に応じて点線19aに移動するが、前記ブレードの反発弾性により点線19bにスティックスリップし、該スティックスリップによりトナー19cが前記ドラム面上から除去されてクリーニングされる。
【0039】
次に図2のクリーニングの機構を説明する図を用いて説明する。
本発明ではクリーニングブレード(単に、ブレードとも云う)が、スティックスリップを行う時の、後記測定法に基づく振幅K1を10〜200μmの条件で振動させることを特徴とする。後記測定法では図2に示すようにブレード先端から約3mmの位置にセットされたピエゾセンサー30でブレード振動の加速度を読み取り、得られた加速度信号32を演算器31に入力して演算処理33してブレードの振幅(センサーセット位置のブレードの振幅)Kμmを出力する。このデーターとK1の10〜200μmとを比較してブレード条件の適、不適を判別し、不適の場合、ブレードの交換又はブレード当接荷重P(g/cm)、当接角θ°、自由長lmmその他を修正して、適性条件で画像形成を行うようにする。
【0040】
振幅K1の値は上記した要因の他に、感光体の線速、感光体の表面エネルギー等の要因があるが、感光体の線速が一定し、感光体の表面エネルギーもほぼ一定の場合は、硬度や反発弾性のブレード物性、ブレード当接荷重P(g/cm)、当接角θ°、自由長lmmを変化させて、振幅K1を調整することができる。
【0041】
又、振幅K1を小さくするには、ブレードとブレードを固定する板(多く、金属板が用いられる)の間に、ブレードの振動を吸収する部材(ダンパー部材)を置くことが好ましい。ダンパー部材としては、プラスチックシート、ゴムシート等の他に、ホットメルト接着剤でブレードと固定部材を接着させてもよい。特に、ダンパー効果が大きいホットメルト接着剤としては、ポリエステル系のホットメルト接着剤、ポリエステルポリアミド系のホットメルト接着剤が挙げられる。例えば、Goodyear社製のVRF5125、VAR5831、VMF400、Monsanto社製のMontac5500、Montac5550等が挙げられる。
【0042】
本発明において、クリーニングブレードの振幅が10μmより小さいと、振動のエネルギーが小さくなり、トナーが前記ブレードの下をすりぬけて、白ヌケや画像カブリが発生し、鮮鋭性が劣化する。
【0043】
又前記振幅が200μmより大きいと前記ブレードの振動のエネルギーが過大となり、ブラックスポットが発生し、鮮鋭性を低下させる。クリーニングブレードの振幅は20μm〜180μmがより好ましい。
【0044】
なお前記クリーニングブレードの振幅の測定は以下のようである。
小野測器社製加速度検出器NP−3210のセンサーをクリーニングブレードの中央(先端から3mmの所)に取り付け、感光体ドラムが一定回転になったときの振動を前記センサーにより10秒間読取り、該センサーからの出力データーを「ONO SOKKI CF6400 4チャンネルインテリジェントFFアナライザ」で演算処理して前記振動の振幅の平均値を得、これを前記ブレードの振幅とする。
【0045】
次に図3のクリーニングの機構を説明する図を用いて説明する。
本発明において前記クリーニングブレードの感光体への当接荷重P、当接角θの好ましい値としては、P=5〜40g/cm、θ=5〜35°である。
【0046】
又、前記クリーニングブレード自由長lは図3に示すように支持部材191の端部から変形前のブレードの先端点の長さを表す。該自由長の好ましい値としてはl=6〜15mm、である。前記クリーニングブレードの厚さは0.5〜10mmが好ましい。
【0047】
当接荷重Pはブレード19を感光体ドラム10に当接させたときの圧接力P′の法線方向ベクトル値である。
【0048】
又当接角θは感光体ドラムの当接点Aにおける接線Xと変形前のブレード(図面では点線で示した)とのなす角を表す。
【0049】
本発明では弾性体ゴムブレードの振動を10〜200μmの条件に制御して使用することによりブレードの反転もなく、クリーニング性が向上し、感光体層の摩耗も小さくなることが見出された。
【0050】
本発明の樹脂層をクリーニングする弾性体ゴムブレードの物性のうち硬度と反発弾性を同時にコントロールすることにより、より有効にブレードの反転を抑制できる。25±5℃に於けるブレードのJISA硬度が65よりも小さくなるとブレードの反転が起こり易くなり、80より大きくなるとクリーニング性能が低下する。また、反発弾性が75を超えるとブレードの反転がおこり易くなり、20以下だとクリーニング性能が低下する。これら硬度と反発弾性が同時に請求範囲を満たさないと効果が得られない。更に、好ましくは反発弾性は20以上40以下である。(JISA硬度及び反発弾性ともJISK6301の加硫ゴム物理試験方法に基づき測定する。反発弾性の数値は%を示す。)
上記クリーニングブレードの硬度と反発弾性をコントロールすることによって長期にわたってブレードの反転もなく安定なクリーニング性能を維持することが可能となった。その結果、減耗も少なくクリーニング性にも優れた高耐久電子写真画像形成方法を提供することができる。
【0051】
前記ブレードクリーニング方式に用いられる弾性体ゴムブレードの材質としてはウレタンゴム、シリコンゴム、フッソゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴム等が知られているが、これらの内、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点で特に好ましい。例えば、特開昭59−30574号に記載のポリカプロラクトンエステルとポリイソシアネートとを反応硬化せしめて得られるウレタンゴム等が好ましい。
【0052】
次に、本発明に用いられる有機感光体について詳細に説明する。
本発明の有機感光体は、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有することを特徴とする。
【0053】
クリーニングブレードを感光体に対してカウンター方向で当接させ、且つ該クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させて感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を繰り返して、多数枚の電子写真画像を形成する画像形成方法においては、表面層となる電荷輸送層に、分子量が550〜2000、好ましくは800〜1800の電荷輸送物質を用いることにより、クリーニングブレードによる残留トナーの除去時に発生しやすい、トナー成分や紙粉成分の感光体表面への埋め込みを防止でき、ブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を防止でき、併せて低温低湿かで発生しやすい文字細りを防止することができる。電荷輸送物質の分子量が550未満では、表面層の電荷輸送層にトナー成分や紙粉成分が感光体表面へ埋め込まれやすく、ブラックスポットや白ヌケ等の画像欠陥を発生しやすい。一方、電荷輸送物質の分子量が2000以上では、電荷輸送物質と電荷輸送層のバインダー樹脂との溶解性が悪くなりやすく、感度や帯電能の電子写真特性を劣化させやすい。
【0054】
又、前記分子量の電荷輸送物質は、電荷輸送層に低モル数、即ち電荷輸送層のバインダー樹脂の単位質量当たり、1.0×10−4(mol/g)〜1.0×10−3(mol/g)電荷輸送物質を含有させることにより、電荷輸送層の膜物性を低下させずに、しかも良好な電子写真特性を有する有機感光体を達成できる。更に、電荷輸送層のバインダー樹脂の単位質量当たり、2.0×10−4(mol/g)〜9.0×10−4(mol/g)電荷輸送物質を含有させることがより好ましい。即ち、電荷輸送層に、比較的大きい分子量の電荷輸送物質を、バインダー樹脂の単位質量当たり低モル数で用いることにより、バインダー樹脂と電荷輸送物質の絡み合いを強め、その結果、電荷輸送層の表面が汚染されにくい構造を得ることができる。
【0055】
本発明の分子量を有する電荷輸送物質としては、ビス(アリールエテニルフェニル)アニリン系化合物又はビス又はトリブタジエン系化合物が好ましい。
【0056】
本発明のビス(アリールエテニルフェニル)アニリン系化合物とはアニリンの窒素原子に同一化学構造のアリールエテニルフェニル基を2個有する化合物群を云うが、好ましくは下記一般式(1)で示される化合物である。
【0057】
【化1】
Figure 2004226801
【0058】
一般式(1)中、R、R、R、R、Rは各々水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基又はアルコキシ基である。Arは水素原子又は置換、無置換の芳香族基、Arは置換、無置換の芳香族基を示す。
【0059】
又、一般式(1)のAr、Arの置換、無置換の芳香族基が下記一般式(2)であることをが好ましい。
【0060】
【化2】
Figure 2004226801
【0061】
一般式(2)中、R〜R17は各々水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、アルコキシ基、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基である。
【0062】
以下に、本発明の好ましいビス(アリールエテニルフェニル)アニリン系化合物の例を挙げるが、本発明は下記の化合物例に限定されない。又、これらの化合物はいずれも立体異性体構造を持つことができる。
【0063】
【化3】
Figure 2004226801
【0064】
【化4】
Figure 2004226801
【0065】
【化5】
Figure 2004226801
【0066】
【化6】
Figure 2004226801
【0067】
【化7】
Figure 2004226801
【0068】
【化8】
Figure 2004226801
【0069】
【化9】
Figure 2004226801
【0070】
一方、ビス又はトリブタジエン系化合物とは窒素原子を介して、ブタジエン構造2個又は3個を対称的に有する化合物を意味し、下記一般式(3)、一般式(4)で示される化合物が好ましい。
【0071】
【化10】
Figure 2004226801
【0072】
一般式(3)中、R,R,R,R,R,Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。m2及びn2は0又は1を示す。
【0073】
【化11】
Figure 2004226801
【0074】
一般式(4)中、R〜R13はそれぞれ同一であっても異なってもよく、水素原子、低級アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子又は置換していてもよいアリール基を示し、m3及びn3は0又は1を示す。
【0075】
以下に、ビス又はトリブタジエン系化合物の電荷輸送物質の化合物例を挙げるが、本発明は下記の化合物例に限定されない。又、これらの化合物の合成法については特開平4−290852号、特開平9−244278号等に記載されている。
【0076】
【化12】
Figure 2004226801
【0077】
【化13】
Figure 2004226801
【0078】
【化14】
Figure 2004226801
【0079】
【化15】
Figure 2004226801
【0080】
【化16】
Figure 2004226801
【0081】
【化17】
Figure 2004226801
【0082】
【化18】
Figure 2004226801
【0083】
【化19】
Figure 2004226801
【0084】
【化20】
Figure 2004226801
【0085】
【化21】
Figure 2004226801
【0086】
次に、上記のような電荷輸送物質を用いた有機感光体の層構成について記載する。
【0087】
本発明の有機感光体とは電子写真感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能及び電荷輸送機能の少なくとも一方の機能を有機化合物に持たせて構成された電子写真感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質又は有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能を高分子錯体で構成した感光体等公知の有機電子写真感光体を全て含有する。
【0088】
以下に本発明に用いられる有機感光体の構成について記載する。
導電性支持体
感光体に用いられる導電性支持体としてはシート状、円筒状のどちらを用いても良いが、画像形成装置をコンパクトに設計するためには円筒状導電性支持体の方が好ましい。
【0089】
円筒状導電性支持体とは回転することによりエンドレスに画像を形成できるに必要な円筒状の支持体を意味し、真直度で0.1mm以下、振れ0.1mm以下の範囲にある導電性の支持体が好ましい。この真直度及び振れの範囲を超えると、良好な画像形成が困難になる。
【0090】
導電性の材料としてはアルミニウム、ニッケルなどの金属ドラム、又はアルミニウム、酸化錫、酸化インジュウムなどを蒸着したプラスチックドラム、又は導電性物質を塗布した紙・プラスチックドラムを使用することができる。導電性支持体としては常温で比抵抗10Ωcm以下が好ましい。
【0091】
本発明で用いられる導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものを用いても良い。アルマイト処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、シュウ酸、リン酸、硼酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も好ましい結果を与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は100〜200g/L、アルミニウムイオン濃度は1〜10g/L、液温は20℃前後、印加電圧は約20Vで行うのが好ましいが、これに限定されるものではない。又、陽極酸化被膜の平均膜厚は、通常20μm以下、特に10μm以下が好ましい。
【0092】
中間層
本発明においては導電性支持体と感光層の間に、バリヤー機能を備えた中間層を設けることもできる。
【0093】
本発明においては導電性支持体と前記感光層のとの接着性改良、或いは該支持体からの電荷注入を防止するために、該支持体と前記感光層の間に中間層(下引層も含む)を設けることもできる。該中間層の材料としては、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂が挙げられる。これら下引き樹脂の中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さくできる樹脂としてはポリアミド樹脂が好ましい。又、これら樹脂を用いた中間層の膜厚は0.01〜0.5μmが好ましい。
【0094】
又、本発明に好ましく用いられる中間層はシランカップリング剤、チタンカップリング剤等の有機金属化合物を熱硬化させた硬化性金属樹脂を用いた中間層が挙げられる。硬化性金属樹脂を用いた中間層の膜厚は、0.1〜2μmが好ましい。
【0095】
又、本発明に好ましく用いられる中間層は無機粒子をバインダー樹脂中に分散した中間層が挙げられる。無機粒子の平均粒径は0.01〜1μmが好ましい。特に、表面処理をしたN型半導性微粒子をバインダー中に分散した中間層が好ましい。例えばシリカ・アルミナ処理及びシラン化合物で表面処理した平均粒径が0.01〜1μmの酸化チタンをポリアミド樹脂中に分散した中間層が挙げられる。このような中間層の膜厚は、1〜20μmが好ましい。
【0096】
N型半導性微粒子とは、導電性キャリアを電子とする性質をもつ微粒子を示す。すなわち、導電性キャリアを電子とする性質とは、該N型半導性微粒子を絶縁性バインダーに含有させることにより、基体からのホール注入を効率的にブロックし、また、感光層からの電子に対してはブロッキング性を示さない性質を有するものをいう。
【0097】
ここで、N型半導性粒子の判別方法について説明する。
導電性支持体上に膜厚5μmの中間層(中間層を構成するバインダー樹脂中に粒子を50質量%分散させた分散液を用いて中間層を形成する)を形成する。該中間層に負極性に帯電させて、光減衰特性を評価する。又、正極性に帯電させて同様に光減衰特性を評価する。
【0098】
N型半導性粒子とは、上記評価で、負極性に帯電させた時の光減衰が正極性に帯電させた時の光減衰よりも大きい場合に、中間層に分散された粒子をN型半導性粒子という。
【0099】
前記N型半導性微粒子は、具体的には酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等の微粒子が挙げられるが、本発明では、特に酸化チタンが好ましく用いられる。
【0100】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の平均粒径は、数平均一次粒径において10nm以上500nm以下の範囲のものが好ましく、より好ましくは10nm〜200nm、特に好ましくは、15nm〜50nmである。
【0101】
数平均一次粒径の値が前記範囲内にあるN型半導性微粒子を用いた中間層は層内での分散を緻密なものとすることができ、十分な電位安定性、及び黒ポチ発生防止機能を有する。
【0102】
前記N型半導性微粒子の数平均一次粒径は、例えば酸化チタンの場合、透過型電子顕微鏡観察によって10000倍に拡大し、ランダムに100個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定される。
【0103】
本発明に用いられるN型半導性微粒子の形状は、樹枝状、針状および粒状等の形状があり、このような形状のN型半導性微粒子は、例えば酸化チタン粒子では、結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型及びアモルファス型等があるが、いずれの結晶型のものを用いてもよく、また2種以上の結晶型を混合して用いてもよい。その中でもルチル型のものが最も良い。
【0104】
N型半導性微粒子に行われる疎水化表面処理の1つは、複数回の表面処理を行い、かつ該複数回の表面処理の中で、最後の表面処理が反応性有機ケイ素化合物による表面処理を行うものである。また、該複数回の表面処理の中で、少なくとも1回の表面処理がアルミナ、シリカ、及びジルコニアから選ばれる少なくとも1種類以上の表面処理であり、最後に反応性有機ケイ素化合物の表面処理を行うことが好ましい。
【0105】
尚、アルミナ処理、シリカ処理、ジルコニア処理とはN型半導性微粒子表面にアルミナ、シリカ、或いはジルコニアを析出させる処理を云い、これらの表面に析出したアルミナ、シリカ、ジルコニアにはアルミナ、シリカ、ジルコニアの水和物も含まれる。又、反応性有機ケイ素化合物の表面処理とは、処理液に反応性有機ケイ素化合物を用いることを意味する。
【0106】
この様に、酸化チタン粒子の様なN型半導性微粒子の表面処理を少なくとも2回以上行うことにより、N型半導性微粒子表面が均一に表面被覆(処理)され、該表面処理されたN型半導性微粒子を中間層に用いると、中間層内における酸化チタン粒子等のN型半導性微粒子の分散性が良好で、かつ黒ポチ等の画像欠陥を発生させない良好な感光体を得ることができるのである。
【0107】
感光層
本発明の感光体の感光層構成は前記中間層上に電荷発生機能と電荷輸送機能を1つの層に持たせた単層構造の感光層構成でも良いが、より好ましくは感光層の機能を電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)に分離した構成をとるのがよい。機能を分離した構成を取ることにより繰り返し使用に伴う残留電位増加を小さく制御でき、その他の電子写真特性を目的に合わせて制御しやすい。負帯電用の感光体では中間層の上に電荷発生層(CGL)、その上に電荷輸送層(CTL)の構成を取ることが好ましい。正帯電用の感光体では前記層構成の順が負帯電用感光体の場合の逆となる。本発明の最も好ましい感光層構成は前記機能分離構造を有する負帯電感光体構成である。
【0108】
以下に機能分離負帯電感光体の感光層構成について説明する。
電荷発生層
電荷発生層には電荷発生物質(CGM)を含有する。その他の物質としては必要によりバインダー樹脂、その他添加剤を含有しても良い。
【0109】
電荷発生物質(CGM)としては公知の電荷発生物質(CGM)を用いることができる。例えばフタロシアニン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、アズレニウム顔料などを用いることができる。これらの中で繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできるCGMは複数の分子間で安定な凝集構造をとりうる結晶構造を有するものであり、具体的には特定の結晶構造を有するフタロシアニン顔料、ペリレン顔料のCGMが挙げられる。例えばCu−Kα線に対するブラッグ角2θが27.2°に最大ピークを有するチタニルフタロシアニン、同2θが12.4に最大ピークを有するベンズイミダゾールペリレン等のCGMは繰り返し使用に伴う劣化がほとんどなく、残留電位増加小さくすることができる。
【0110】
電荷発生層にCGMの分散媒としてバインダーを用いる場合、バインダーとしては公知の樹脂を用いることができるが、最も好ましい樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し20〜600質量部が好ましい。これらの樹脂を用いることにより、繰り返し使用に伴う残留電位増加を最も小さくできる。電荷発生層の膜厚は0.01μm〜2μmが好ましい。
【0111】
電荷輸送層
本発明で電荷輸送層とは、電荷発生物質等で発生した電荷キャリア(電子又はホール)を輸送する機能を有する層を意味する。
【0112】
本発明の電荷輸送層は分子量550〜2000の電荷輸送物質(CTM)を含有することを特徴とする。該電荷輸送層はCTMを分散し製膜するバインダー樹脂を含有する。その他の物質としては必要により酸化防止剤等の添加剤を含有しても良い。又、分子量が550未満又は2000より大きい電荷輸送物質を併用することも可能であるが、本発明外の分子量の電荷輸送物質は本発明内の電荷輸送物質の当モル未満で用いることが好ましい。
【0113】
電荷輸送物質(CTM)としては前記した電荷輸送物質の他に公知の電荷輸送物質を併用して用いることもできる。例えばトリフェニルアミン誘導体、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、ブタジエン化合物などを併用して、用いることができる。これら電荷輸送物質は通常、適当なバインダー樹脂中に溶解して層形成が行われる。
【0114】
電荷輸送層(CTL)に用いられる樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
【0115】
これらCTLのバインダーとして最も好ましいものはポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂はCTMの分散性、電子写真特性を良好にすることにおいて、最も好ましい。又電荷輸送層が表面層となる感光体の場合は、機械的摩耗に強いポリカーボネートが好ましく、このようなポリカーボネートとしては平均分子量が40,000〜25,000のポリカーボネートが好ましい。ここで平均分子量は数平均分子量、重量平均分子量、及び粘度平均分子量のいずれのものでもよい。バインダー樹脂と電荷輸送物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対し10〜200質量部が好ましい。又、電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好ましい。
【0116】
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。代表的には下記の化合物群が挙げられる。
【0117】
【化22】
Figure 2004226801
【0118】
【化23】
Figure 2004226801
【0119】
【化24】
Figure 2004226801
【0120】
【化25】
Figure 2004226801
【0121】
電荷輸送層は2層以上の層構成にしてもよい。この場合は表面の電荷輸送層が本発明の構成を満たせばよい。
【0122】
中間層、感光層、保護層等の層形成に用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ等が挙げられる。本発明はこれらに限定されるものではないが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられる。また、これらの溶媒は単独或いは2種以上の混合溶媒として用いることもできる。
【0123】
本発明の電子写真感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の上層側の塗布加工は下層の膜を極力溶解させないため、又、均一塗布加工を達成するためスプレー塗布又は円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例)塗布等の塗布加工方法を用いるのが好ましい。なお前記スプレー塗布については例えば特開平3−90250号及び特開平3−269238号公報に詳細に記載され、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0124】
次に、本発明の現像工程で用いられるトナーについて説明する。
本発明のトナー像の形成の為に用いられるトナーは、
▲1▼トナー粒子の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上、
▲2▼角がないトナー粒子の割合が50個数%以上、
▲3▼トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)との和(M)が70%以上。
【0125】
即ち、本発明の画像形成方法では、前記した有機感光体に加え、現像剤のトナーとして、上記▲1▼〜▲3▼の少なくとも1つ以上の条件を満たしたトナーを含有した現像剤を用いて本発明の有機感光体に適用することにより、有機感光体の表面の汚染や亀裂をより効果的に防止し、反転現像におけるブラックスポットや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、接触部材を用いても、良好な電子写真画像を得ることができる。
【0126】
即ち、トナー自体の形状分布を均一化することにより、感光体表面へのトナー成分の汚染防止が容易になり、接触帯電部材を用いたときの電荷リークをよりよく防止することができる。
【0127】
又、本発明者等は鋭意検討した結果、角がないトナー粒子ではその表面の平滑性により、その平滑な表面性により、感光体表面へのトナー成分の埋め込みが防止され、接触帯電部材を用いたときの電荷リークをよりよく防止することができる。
【0128】
又、トナー自体の粒度分布をシャープにすることにより、感光体表面へのトナー成分の汚染防止が容易になり、接触帯電部材を用いたときの電荷リークをよりよく防止することができる。
【0129】
本発明者等は、接触帯電部材を有する画像形成装置では、画像形成を繰り返した場合には、形が不揃いなトナー粒子、角となる部分を有するトナー粒子、粒径が特に大きい或いは小さいトナーが、感光体表面を汚染させやすく、その結果、感光体表面に小さな突起や亀裂を発生し、電荷リーク点を増大させやすい傾向ある。この理由については明確ではないが、トナー粒子の形が不揃いである場合には現像装置内部での攪拌等による機械的ストレスを受けやすく、過大なストレスが加わる部分が発生することによって、トナーが破壊され、有機感光体表面に付着し、接触帯電部材等と摩擦することにより、小さな突起や亀裂を発生しやすいと考えられる。
【0130】
又、上記▲1▼〜▲3▼の全ての条件を満たしたトナーと前記した有機感光体、即ち、分子量が550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を表面層として有する有機感光体と併用することにより、ブラックスポットや黒ポチの画像欠陥を顕著に改善し、鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。
【0131】
又、上記▲1▼〜▲3▼の条件以外に、下記の▲4▼、▲5▼の条件、形状係数のバラツキ、個数粒度分布のバラツキを小さくしたトナーを用いることが、より好ましい。
▲4▼トナー粒子の形状係数の変動係数が16%以下、
▲5▼トナー粒子の個数粒度分布における個数変動係数が27%以下、
以下、上記▲1▼〜▲5▼のトナーについて説明する。
【0132】
トナーの形状係数(=トナー粒子の形状係数)
トナー粒子の形状係数は、下記式により示されるものであり、トナー粒子の丸さの度合いを示す。
【0133】
形状係数=((最大径/2)×π)/投影面積
ここに、最大径とは、トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。また、投影面積とは、トナー粒子の平面上への投影像の面積をいう。
【0134】
本発明では、この形状係数は、走査型電子顕微鏡により2000倍にトナー粒子を拡大した写真を撮影し、ついでこの写真に基づいて「SCANNING IMAGE ANALYZER」(日本電子社製)を使用して写真画像の解析を行うことにより測定した。この際、100個のトナー粒子を使用して本発明の形状係数を上記算出式にて測定したものである。
【0135】
本発明のトナーは、この形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上含有するトナーであり、好ましくは、70個数%以上含有するトナーである。
【0136】
本発明では前記分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体上に形成された潜像をこの形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合を65個数%以上含有する現像剤により現像することにより、白ヌケや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、クリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像が得られる。
【0137】
この形状係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、トナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、トナーを溶解しない溶媒中に添加し旋回流を付与する方法等により、形状係数を1.2〜1.6にしたトナー粒子を調製し、これを通常のトナー中へ本発明の範囲内になるように添加して調製する方法がある。また、いわゆる重合法トナーを調製する段階で全体の形状を制御し、形状係数を1.2〜1.6に調製したトナー粒子を同様に通常のトナーへ添加して調製する方法がある。
【0138】
上記方法の中では重合法トナーが製造方法として簡便である点と、粉砕トナーに比較して表面の均一性に優れる点等で好ましい。該重合法トナー(重合トナーとも云う)とはトナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要により、その後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要により、その後に行われる粒子同士の融着工程を経て得られるトナーを意味する。
【0139】
重合トナーは原料モノマーを水系で均一に分散した後に重合させトナーを製造することから、トナーの粒度分布、及び形状が均一なトナーが得られる。
【0140】
トナーの形状係数の変動係数(=トナー粒子の形状係数の変動係数)
本発明のトナー粒子の「形状係数の変動係数」は下記式から算出される。
【0141】
変動係数=〔S/K〕×100(%)
〔式中、Sは100個のトナー粒子の形状係数の標準偏差を示し、Kは形状係数の平均値を示す。〕
本発明のトナーは、この形状係数の変動係数が16%以下であり、好ましくは14%以下である。
【0142】
本発明では前記分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体上に形成された潜像をこの形状係数の変動係数が16%以下であるトナーを用いた現像剤により現像することにより、白ヌケや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、クリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像が得られる。
【0143】
このトナーの形状係数および形状係数の変動係数を、極めてロットのバラツキなく均一に制御するために、本発明のトナーを構成する樹脂粒子(重合体粒子)を調製(重合)、当該樹脂粒子を融着、形状制御させる工程において、形成されつつあるトナー粒子(着色粒子)の特性をモニタリングしながら適正な工程終了時期を決めてもよい。
【0144】
モニタリングするとは、インラインに測定装置を組み込みその測定結果に基づいて、工程条件の制御をするという意味である。すなわち、形状などの測定をインラインに組み込んで、例えば樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーでは、融着などの工程で逐次サンプリングを実施しながら形状や粒径を測定し、所望の形状になった時点で反応を停止する。
【0145】
モニタリング方法としては、特に限定されるものではないが、フロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子社製)を使用することができる。本装置は試料液を通過させつつリアルタイムで画像処理を行うことで形状をモニタリングできるため好適である。すなわち、反応場よりポンプなどを使用し、常時モニターし、形状などを測定することを行い、所望の形状などになった時点で反応を停止するものである。
【0146】
トナーの個数変動係数(=トナー粒子の個数変動係数)
本発明のトナー粒子の個数粒度分布および個数変動係数はコールターカウンターTA−あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)で測定されるものである。本発明においてはコールターマルチサイザーを用い、粒度分布を出力するインターフェース(日科機製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーにおいて使用するアパーチャーとしては100μmのものを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。個数粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、個数平均粒径とは、個数粒度分布におけるメジアン径を表すものである。トナー粒子の「個数粒度分布における個数変動係数」は下記式から算出される。
【0147】
個数変動係数=〔S/Dn〕×100(%)
〔式中、Sは個数粒度分布における標準偏差を示し、Dは個数平均粒径(μm)を示す。〕
本発明のトナー粒子の個数変動係数は27%以下であり、好ましくは25%以下である。
【0148】
本発明では前記分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体上に形成された潜像をトナー粒子の個数変動係数は27%以下であるトナーを用いた現像剤により現像することにより、白ヌケや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、クリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像が得られる。
【0149】
本発明のトナーにおける個数変動係数を制御する方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を風力により分級する方法も使用できるが、個数変動係数をより小さくするためには液中での分級が効果的である。この液中で分級する方法としては、遠心分離機を用い、回転数を制御してトナー粒子径の違いにより生じる沈降速度差に応じてトナー粒子を分別回収し調製する方法がある。
【0150】
特に懸濁重合法によりトナーを製造する場合、個数粒度分布における個数変動係数を27%以下とするためには分級操作が必須である。懸濁重合法では、重合前に重合性単量体を水系媒体中にトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させることが必要である。すなわち、重合性単量体の大きな油滴に対して、ホモミキサーやホモジナイザーなどによる機械的な剪断を繰り返して、トナー粒子程度の大きさまで油滴を小さくすることとなるが、このような機械的な剪断による方法では、得られる油滴の個数粒度分布は広いものとなり、従って、これを重合してなるトナーの粒度分布も広いものとなる。このために分級操作が必須となる。
【0151】
角がないトナー粒子の割合
本発明のトナーを構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが必要とされ、この割合が70個数%以上であることが好ましい。
【0152】
本発明のトナーを構成するトナー粒子中、角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であることが好ましく、更に好ましくは70個数%以上とされる。
【0153】
本発明では前記分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体上に形成された潜像を角がないトナー粒子の割合は50個数%以上であるトナーを用いた現像剤により現像することにより、白ヌケや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、クリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像が得られる。
【0154】
ここに、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図4(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図4(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0155】
角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0156】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、形状係数を制御する方法として前述したように、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
【0157】
また、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0158】
トナー粒子の粒径
本発明のトナーの粒径は、個数平均粒径で3.0〜8.5μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、後に詳述するトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0159】
個数平均粒径が3.0〜8.5μmであることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0160】
本発明のトナーは、トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおいて、最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)との和(M)が70%以上であるトナーである。
【0161】
本発明では前記分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する有機感光体上に形成された潜像を相対度数(m)と相対度数(m)との和(M)が70%以上であるトナーを用いた現像剤により現像することにより、白ヌケや黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止し、クリーニング性が向上し、鮮鋭性の良好な電子写真画像が得られる。
【0162】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D:個々のトナー粒子の粒径)を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76・・・)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作製されたものである。
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0163】
トナーの製造方法
本発明のトナーは、少なくとも重合性単量体を水系媒体中で重合せしめて得られる重合トナーであることが好ましく、また、少なくとも樹脂粒子を水系媒体中で会合させて得られる重合トナーであることが好ましい。以下、本発明の重合トナー(以後、単にトナーとも云う)を製造する方法について詳細に説明する。
【0164】
本発明の重合トナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中(水系媒体中)にて単量体を乳化重合して微粒の重合体粒子(樹脂粒子)を調製し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して当該樹脂粒子を会合する方法で製造することができる。ここで「会合」とは、前記樹脂粒子が複数個融着することをいい、当該樹脂粒子と他の粒子(例えば着色剤粒子)とが融着する場合も含むものとする。
【0165】
尚、本発明で重合トナーとは、トナー用バインダーの樹脂の生成とトナー形状がバインダー樹脂の原料モノマーの重合と、必要によりその後の化学的処理により形成されるトナーを意味する。より具体的には懸濁重合、乳化重合等の重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるトナーを意味する。
【0166】
本発明の重合トナーを製造する方法の一例を示せば、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、攪拌機構が後述の攪拌翼である反応装置(攪拌装置)へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
【0167】
なお、本発明でいうところの「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0168】
また、本発明の重合トナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、攪拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する溶媒を加えてもよい。
【0169】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0170】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0171】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0172】
これら重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることができる。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどの過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤などを挙げることができる。
【0173】
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0174】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることができる。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することができる。
【0175】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0176】
前記樹脂粒子を水系媒体中で会合させる際に使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0177】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0178】
本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0179】
凝集剤と共に使用される「水に対して無限溶解する溶媒」としては、形成される樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
【0180】
この水に対して無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0181】
なお、粒子形状を均一化させるためには、着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいからであると考えられる。
【0182】
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0183】
本発明のトナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理する事により強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いる事ができる。
【0184】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いる事ができ、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0185】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とする方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0186】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0187】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0188】
なお、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0189】
本発明のトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することができる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0190】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり攪拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0191】
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0192】
いわゆる重合性単量体中に着色剤などのトナー構成成分を分散あるいは溶解したものを水系媒体中に懸濁し、ついで重合せしめてトナーを得る懸濁重合法トナーでは、重合反応を行う反応容器中での媒体の流れを制御することによりトナー粒子の形状を制御することができる。すなわち、形状係数が1.2以上の形状を有するトナー粒子を多く形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを乱流とし、重合が進行して懸濁状態で水系媒体中に存在している油滴が次第に高分子化することで油滴が柔らかい粒子となった時点で、粒子の衝突を行うことで粒子の合一を促進させ、形状が不定形となった粒子が得られる。また、形状係数が1.2より小さいほぼ球形のトナー粒子を形成させる場合には、反応容器中での媒体の流れを層流として、粒子の衝突を避けることによりほぼ球形の粒子が得られる。この方法により、トナー形状の分布を本発明の範囲内に制御できるものである。
【0193】
次に、重合トナーの製造に好ましく用いられる反応装置について説明する。図5および図6は、それぞれ、重合トナー反応装置の一例を示す斜視図および断面図である。図5および図6に示す反応装置において、熱交換用のジャケット1jを外周部に装着した縦型円筒状の攪拌槽2j内の中心部に回転軸3jを垂設し、該回転軸3jに攪拌槽2jの底面に近接させて配設された下段の攪拌翼40jと、より上段に配設された攪拌翼50jとが設けられている。上段の攪拌翼50jは、下段に位置する攪拌翼40jに対して回転方向に先行した交差角αをもって配設されている。本発明のトナーを製造する場合において、交差角αは90度(°)未満であることが好ましい。この交差角αの下限は特に限定されるものでは無いが、5°程度以上であることが好ましく、更に、好ましくは10°以上である。なお、三段構成の攪拌翼を設ける場合には、それぞれ隣接している攪拌翼間で交差角αが90度未満であることが好ましい。
【0194】
このような構成とすることで、上段に配設されている攪拌翼50jによりまず媒体が攪拌され、下側への流れが形成される。ついで、下段に配設された攪拌翼40jにより、上段の攪拌翼50jで形成された流れがさらに下方へ加速されるとともにこの攪拌翼50j自体でも下方への流れが別途形成され、全体として流れが加速されて進行するものと推定される。この結果、乱流として形成された大きなズリ応力を有する流域が形成されるために、得られるトナー粒子の形状を制御できるものと推定される。
【0195】
なお、図5および図6中、矢印は回転方向を示し、7jは上部材料投入口、8jは下部材料投入口、9jは攪拌を有効にするための乱流形成部材である。
【0196】
ここにおいて攪拌翼の形状については、特に限定はないが、方形板状のもの、翼の一部に切り欠きのあるもの、中央部に一つ以上の中孔部分、いわゆるスリットがあるものなどを使用することができる。これらの具体例を図7に記載する。図7(a)に示す攪拌翼5aは中孔部のないもの、同図(b)に示す攪拌翼5bは中央に大きな中孔部6bがあるもの、同図(c)に示す攪拌翼5cは横長の中孔部6c(スリット)があるもの、同図(d)に示す攪拌翼5dは縦長の中孔部6d(スリット)があるものである。また、三段構成の攪拌翼を設ける場合において、上段の攪拌翼に形成される中孔部と、下段の攪拌翼に形成される中孔部とは異なるものであっても、同一のものであってもよい。
【0197】
なお、上記の構成を有する上段と下段の攪拌翼の間隙は特に限定されるものでは無いが、少なくとも攪拌翼の間に間隙を有していることが好ましい。この理由としては明確では無いが、その間隙を通じて媒体の流れが形成されるため、攪拌効率が向上するものと考えられる。但し、間隙としては、静置状態での液面高さに対して0.5〜50%の幅、好ましくは1〜30%の幅である。
【0198】
さらに、攪拌翼の大きさは特に限定されるものでは無いが、全攪拌翼の高さの総和が静置状態での液面高さの50%〜100%、好ましくは60%〜95%である。
【0199】
一方、樹脂粒子を水系媒体中で会合あるいは融着させる重合法トナーでは、融着段階での反応容器内の媒体の流れおよび温度分布を制御することで、さらには融着後の形状制御工程において加熱温度、攪拌回転数、時間を制御することで、トナー全体の形状分布および形状を任意に変化させることができる。
【0200】
すなわち、樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーでは、反応装置内の流れを層流とし、内部の温度分布を均一化することができる攪拌翼および攪拌槽を使用して、融着工程および形状制御工程での温度、回転数、時間を制御することにより、所期の形状係数および均一な形状分布を有するトナーを形成することができる。この理由は、層流を形成させた場で融着させると、凝集および融着が進行している粒子(会合あるいは凝集粒子)に強いストレスが加わらず、かつ流れが加速された層流においては攪拌槽内の温度分布が均一である結果、融着粒子の形状分布が均一になるからであると推定される。さらに、その後の形状制御工程での加熱、攪拌により融着粒子は徐々に球形化し、トナー粒子の形状を任意に制御できる。
【0201】
樹脂粒子を会合あるいは融着させる重合法トナーを製造する際に使用される攪拌槽としては、前述の懸濁重合法と同様のものが使用できる。この場合、攪拌槽内には乱流を形成させるような邪魔板等の障害物を設けないことが必要である。
【0202】
この攪拌翼の形状についても、層流を形成させ、乱流を形成させないものであれば特に限定されないが、図7(c)に示した方形板状のもの等、連続した面により形成されるものが好ましく、曲面を有していてもよい。
【0203】
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合等が考えられ、いずれも好適に使用することができるが、本発明ではキャリアと混合して使用する二成分現像剤として使用することが好ましい。
【0204】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザプリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るものであるが、更には電子写真技術を応用したディスプレイ、記録、軽印刷、製版、ファクシミリ等の装置にも広く適用し得るものである。
【0205】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0206】
下記のごとくして、感光体を作製した。
感光体1の作製
Figure 2004226801
上記成分を混合溶解して中間層塗布液を調製した。この塗布液を直径80mm、長さ360mmの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成した。
Figure 2004226801
上記成分を混合し、サンドミルを用いて10時間分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を前記中間層の上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。チタニルフタロシアニンのCu−Kα特性X線回折スペクトルを測定した結果、ブラッグ角2θの最大ピークが27.2°に認められた。
〈電荷輸送層〉
電荷輸送物質(CTM):例示化合物T65(分子量:947) 150g
バインダー:ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 300g
酸化防止剤(サノールLS2626:三共社製) 1.7g
テトラヒドロフラン(沸点:64.5℃) 2200g
上記成分を混合溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、100℃40分間乾燥して、膜厚25μmの電荷輸送層を形成し感光体1を作製した。
【0207】
感光体2〜14の作製
感光体1において、中間層の無機粒子の種類、電荷輸送層の電荷輸送物質及びその量、溶媒、乾燥条件を変えて、感光体2〜14を作製した。
【0208】
【表1】
Figure 2004226801
【0209】
表1中、Hはシリカ・アルミナ処理及びメチルハイドロジェンポリシロキサン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)
Iはシリカ・アルミナ処理及びオクチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)
Jはシリカ・ジルコニア処理及びメチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化チタン(数平均粒径35nm)
Kはシリカ・アルミナ処理及びオクチルトリメトキシシラン処理の表面処理をした酸化亜鉛(数平均粒径180nm)
又、表1中の電荷輸送物質T70、T71は下記の化合物を示す。
【0210】
【化26】
Figure 2004226801
【0211】
現像剤の作製
トナー及び現像剤の作製
(トナー製造例1:乳化重合会合法の例)
n−ドデシル硫酸ナトリウム0.90kgと純水10.0リットルを入れ攪拌溶解した。この溶液に、リーガル330R(キャボット社製カーボンブラック)1.20kgを徐々に加え、1時間よく攪拌した後に、サンドグラインダー(媒体型分散機)を用いて、20時間連続分散した。このものを「着色剤分散液1」とする。
【0212】
また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「アニオン界面活性剤溶液A」とする。
【0213】
ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgとイオン交換水4.0リットルとからなる溶液を「ノニオン界面活性剤溶液B」とする。
【0214】
過硫酸カリウム223.8gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液C」とする。
【0215】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた容積100リットルのGL(グラスライニング)反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度=29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液A」全量と「ノニオン界面活性剤溶液B」全量とを入れ、攪拌を開始した。次いで、イオン交換水44.0リットルを加えた。
【0216】
加熱を開始し、液温度が75℃になったところで、「開始剤溶液C」全量を滴下して加えた。その後、液温度を75℃±1℃に制御しながら、スチレン12.1kgとアクリル酸n−ブチル2.88kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン548gとを滴下しながら投入した。滴下終了後、液温度を80℃±1℃に上げて、6時間加熱攪拌を行った。ついで、液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止し、ポールフィルターで濾過してラテックスを得た。これを「ラテックス−A」とする。
【0217】
なお、ラテックス−A中の樹脂粒子のガラス転移温度は57℃、軟化点は121℃、分子量分布は、重量平均分子量=1.27万、重量平均粒径は120nmであった。
【0218】
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.055kgをイオン交換純水4.0リットルに溶解した溶液を「アニオン界面活性剤溶液D」とする。
【0219】
また、ノニルフェノールポリエチレンオキサイド10モル付加物0.014kgをイオン交換水4.0リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液E」とする。
【0220】
過硫酸カリウム(関東化学社製)200.7gをイオン交換水12.0リットルに溶解した溶液を「開始剤溶液F」とする。
【0221】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、櫛形バッフルを付けた100リットルのGL反応釜に、WAXエマルジョン(数平均分子量3000のポリプロピレンエマルジョン:数平均一次粒子径=120nm/固形分濃度 29.9%)3.41kgと「アニオン界面活性剤溶液D」全量と「ノニオン界面活性剤溶液E」全量とを入れ、攪拌を開始した。
【0222】
次いで、イオン交換水44.0リットルを投入した。加熱を開始し、液温度が70℃になったところで、「開始剤溶液F」を添加した。ついで、スチレン11.0kgとアクリル酸n−ブチル4.00kgとメタクリル酸1.04kgとt−ドデシルメルカプタン9.02gとをあらかじめ混合した溶液を滴下した。滴下終了後、液温度を72℃±2℃に制御して、6時間加熱攪拌を行った。さらに、液温度を80℃±2℃に上げて、12時間加熱攪拌を行った。液温度を40℃以下に冷却し攪拌を停止した。ポールフィルターで濾過し、この濾液を「ラテックス−B」とする。
【0223】
なお、ラテックス−B中の樹脂粒子のガラス転移温度は58℃、軟化点は132℃、分子量分布は、重量平均分子量=24.5万、重量平均粒径は110nmであった。
【0224】
塩析剤としての塩化ナトリウム5.36kgをイオン交換水20.0リットルに溶解した溶液を「塩化ナトリウム溶液G」とする。
【0225】
フッ素系ノニオン界面活性剤1.00gをイオン交換水1.00リットルに溶解した溶液を「ノニオン界面活性剤溶液H」とする。
【0226】
温度センサー、冷却管、窒素導入装置、粒径および形状のモニタリング装置を付けた100リットルのSUS反応釜(図5に示した構成の反応装置、交差角αは25°)に、上記で作製したラテックス−A=20.0kgとラテックス−B=5.2kgと着色剤分散液1=0.4kgとイオン交換水20.0kgとを入れ攪拌した。ついで、40℃に加温し、塩化ナトリウム溶液G、イソプロパノール(関東化学社製)6.00kg、ノニオン界面活性剤溶液Hをこの順に添加した。その後、10分間放置した後に、昇温を開始し、液温度85℃まで60分で昇温し、85±2℃にて0.5〜3時間加熱攪拌して塩析/融着させながら粒径成長させた(塩析/融着工程)。次に純水2.1リットルを添加して粒径成長を停止させ、融着粒子分散液を作製した。
【0227】
温度センサー、冷却管、粒径および形状のモニタリング装置を付けた5リットルの反応容器(図5に示した構成の反応装置、交差角αは20°)に、上記で作製した融着粒子分散液5.0kgを入れ、液温度85℃±2℃にて、0.5〜15時間加熱攪拌して形状制御した(形状制御工程)。その後、40℃以下に冷却し攪拌を停止した。次に遠心分離機を用いて、遠心沈降法により液中にて分級を行い、目開き45μmの篩いで濾過し、この濾液を会合液とする。ついで、ヌッチェを用いて、会合液よりウェットケーキ状の非球形状粒子を濾取した。その後、イオン交換水により洗浄した。この非球形状粒子をフラッシュジェットドライヤーを用いて吸気温度60℃にて乾燥させ、ついで流動層乾燥機を用いて60℃の温度で乾燥させた。得られた着色粒子の100質量部に、シリカ微粒子1質量部をヘンシェルミキサーにて外添混合して乳化重合会合法によるトナーを得た。
【0228】
前記塩析/融着工程および形状制御工程のモニタリングにおいて、攪拌回転数、および加熱時間を制御することにより、形状および形状係数の変動係数を制御し、さらに液中分級により、粒径および粒度分布の変動係数を任意に調製して、表3に示す形状特性および粒度分布特性を有するトナー粒子からなるトナー1〜10を得た。
【0229】
【表2】
Figure 2004226801
【0230】
〔現像剤の製造〕
トナー1〜10の各々10質量部と、スチレン−メタクリレート共重合体で被覆した45μmフェライトキャリア100質量部とを混合することにより、評価用の現像剤1〜10を製造した。
【0231】
評価1(現像剤を固定した評価)
感光体1〜14、及び自由長、硬度、反発弾性の異なるウレタンゴムからなるクリーニングブレード(クリーニングブレードの振幅を変化させるため)を、表3の組み合わせのように変化させ(クリーニングブレードと固定部材はGoodyear社製VRF5125のホットメルト接着剤を用いて接着させた)、コニカ社製デジタル複写機Konica7050改造機(反転現像プロセスを用いている)に装着し、高温高湿(30℃80%RH)の環境下と低温低湿(10℃20%RH)の環境下で、それぞれ評価項目を変えて評価した。
【0232】
評価条件
感光体の線速:280mm/sec
露光条件
露光部電位目標:−50〜−150Vにする露光量に設定。
【0233】
露光ビーム:ドット密度800dpi(dpiとは2.54cm当たりのドット数)の像露光を行った。レーザビームスポット面積:0.8×10−9、レーザは780nmの半導体レーザを使用
クリーニングブレードの感光体への当接角度:20°、当接荷重:20(g/cm)になるように調整した。
【0234】
評価項目及び評価方法
評価は、高温高湿(30℃80%RH)の環境下で、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4で1枚間欠モードにて5万枚の複写を行い、1000枚毎にハーフトーン、ベタ白画像、ベタ黒画像を複写し、ブラックスポット、白ヌケ、黒ポチを評価した。
【0235】
ブラックスポット
ハーフトーン画像に、周期性が感光体の周期と一致し、ブラックスポット(苺状のスポット画像)がA4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0236】
◎:0.4mm以上のブラックスポットの発生頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上のブラックスポットの発生頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上のブラックスポットの発生頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
白ヌケ
ベタ黒画像に、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる白ヌケが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0237】
◎:0.4mm以上の白ヌケ頻度:全ての複写画像が5個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の白ヌケ頻度:6個/A4以上、20個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の白ヌケ頻度:21個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
黒ポチ
ベタ白画像に、周期性が感光体の周期と一致し、目視できる黒ポチが、A4サイズ当たり何個あるかで判定した。
【0238】
◎:0.4mm以上の黒ポチ頻度:全ての複写画像が3個/A4以下(良好)
○:0.4mm以上の黒ポチ頻度:4個/A4以上、10個/A4以下が1枚以上発生(実用上問題なし)
×:0.4mm以上の黒ポチ頻度:11個/A4以上が1枚以上発生(実用上問題有り)
クラック
上記デジタル複写機Konica7050を30℃、80%RHの環境下で、感光体を搭載したまま、電源をoffにし、2日間放置した。感光体周辺の部材はこの間動作を停止しているだけの状態、即ち、クリーニングブレード、クリーニングローラ、現像剤搬送体等の部材は、感光体に当接したままにした。その後、感光体の表面を観察し、クラックの発生の有無を観察した。又、画像評価も行い、クラック発生に伴う筋状の画像欠陥の発生の有無も評価した。
【0239】
◎:100本の感光体を評価し、クラックの発生も、筋状の画像欠陥の発生もなし
◯:100本の感光体を評価し、微細なクラックの発生はあるが、筋状の画像欠陥の発生はない
×:100本の感光体を評価し、クラックの発生と筋状の画像欠陥の発生が見られる
文字細り、カブリ、画像濃度の評価
低温低湿(10℃20%RH)の環境下で、画素率が7%の文字画像、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像をA4で1枚間欠モードにて5万枚の複写を行い、1万枚毎に、線画像、ベタ白画像、ベタ黒画像を複写し、文字細り、カブリ、画像濃度を評価した。カブリ、画像濃度はマクベス社製RD−918を使用し反射濃度で測定した。
【0240】
文字細り
0.1mm、0.2mm幅の線画像が印刷されたオリジナル画像を複写し、評価した。
【0241】
◎:複写画像の線幅がオリジナル画像の線幅の75%以上で再現されている:良好
○:複写画像の線幅がオリジナル画像の線幅の40%〜74%で再現されている:実用上問題ないレベル
×:複写画像の線幅がオリジナル画像の線幅の39%以下、又は線幅が切断されている:実用上問題となるレベル
カブリ
◎:カブリの発生なし
○:相対濃度(複写していないA4紙の濃度を0.00とする)で、0.01未満のカブリの発生が時々ある:実用上問題ないレベル
×:相対濃度で、0.02以上のカブリの発生がある:実用上問題となるレベル
画像濃度
相対濃度(複写していないA4紙の濃度を0.00とする)で評価した
◎:1.2以上:良好
○:1.2未満〜0.8:実用上問題ないレベル
×:0.8未満:実用上問題となるレベル
鮮鋭性
画像の鮮鋭性は、低温低湿(10℃20%RH)、高温高湿(30℃80%RH)の両環境において画像を出し、文字潰れで評価した。3ポイント、5ポイントの文字画像を形成し、下記の判断基準で評価した。
【0242】
◎:3ポイント、5ポイントとも明瞭であり、容易に判読可能
○:3ポイントは一部判読不能、5ポイントは明瞭であり、容易に判読可能
×:3ポイントは殆ど判読不能、5ポイントも一部あるいは全部が判読不能
【0243】
【表3】
Figure 2004226801
【0244】
表3中、Aは硬度70°、反発弾性60のウレタンゴムブレード
Bは硬度70°、反発弾性28のウレタンゴムブレード
Cは硬度67°、反発弾性52のウレタンゴムブレード
Dは硬度65°、反発弾性45のウレタンゴムブレード
Eは硬度77°、反発弾性56のウレタンゴムブレード
Fは硬度70°、反発弾性19のウレタンゴムブレード
Gは硬度70°、反発弾性77のウレタンゴムブレード
表3より、本発明の分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体とクリーニングブレードを有機感光体に対してカウンター方向で当接させ、且つ該クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させた組み合わせでは(組み合わせNo.1〜3、6〜16)、ブラックスポット、白ヌケ、黒ポチ、クラック等の画像欠陥が防止され、文字細り、カブリ、画像濃度の評価も良好であり、鮮鋭性が良好な電子写真画像を得ることができる。特に分子量が800〜1800の範囲にあり、クリーニングブレードの振幅が20〜180μmの範囲にある組み合わせ(組み合わせNo.1、3、6〜9、13、14)は他の組み合わせNo.に比し、良好な評価を達成している。一方、クリーニングブレードの振幅が8μmの組み合わせNo.4では、白ヌケ、カブリが発生し、鮮鋭性が劣化し、クリーニングブレードの振幅が220μmの組み合わせNo.5では、ブラックスポットが発生し、鮮鋭性が劣化している。又、分子量が533の電荷輸送物質を用いた感光体の組み合わせNo.17では、ブラックスポット、白ヌケ及び文字細りの評価が低下しており、鮮鋭性が劣化しており、分子量が2366の電荷輸送物質を用いた感光体の組み合わせNo.18では、電荷輸送物質の分散性が悪く、白ヌケ、クラック、文字細り、カブリの評価が低下し、鮮鋭性が劣化している。
【0245】
評価2(現像剤を変化させた評価)
感光体1、クリーニングブレードAの自由長(クリーニングブレードの振幅を変化させるため)、及び現像剤(トナーNo.)を、表4のように組み合わせ(組み合わせNo.21〜29)、コニカ社製デジタル複写機Konica7050改造機(反転現像プロセスを用いている)に装着し、評価1と同様の評価方法及び評価基準で評価した。
【0246】
【表4】
Figure 2004226801
【0247】
表4より、本発明の感光体を用い、クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させた場合でも、トナーの形状係数、個数基準の粒度分布や角がないトナー粒子の含有率により、本発明の効果に影響を与えることを示している。即ち、下記の条件を多く満たしたトナーを用いた場合に、改善効果が大きいことが見出される。又、下記▲1▼〜▲3▼の条件を1つも満たしていない組み合わせNo.29はブラックスポット、白ヌケの発生が多く、鮮鋭性が劣化している。
▲1▼トナー粒子の形状係数が1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子の割合が65個数%以上、
▲2▼角がないトナー粒子の割合が50個数%以上、
▲3▼トナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)との和(M)が70%以上。
【0248】
【発明の効果】
本発明の有機感光体、画像形成方法、画像形成装置を用いることにより、残留トナーの除去に、ブレードクリーニング方式を採用する画像形成方法において、高温高湿環境で発生しやすいブラックスポット、白ヌケ等の画像欠陥と低温低湿環境で発生しやすい文字細り等を解決し、鮮鋭性が良好な電子写真画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真画像形成方法を説明する構成概要図。
【図2】クリーニングの機構を説明する図。
【図3】クリーニングの機構を説明する図。
【図4】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【図5】重合トナー反応装置の一例を示す斜視図である。
【図6】重合トナー反応装置の一例を示す断面図である。
【図7】攪拌翼の形状の具体例を示す概略図である。
【符号の説明】
10 有機感光体ドラム
11 帯電器
12 像露光
13 現像器
14 転写器
15 分離電極
16 搬送手段
18 除電器
19 クリーニングブレード
20 除電ランプ
30 ピエゾセンサー
31 演算器
p 記録材
θ 当接角
l 自由長
P 当接荷重

Claims (8)

  1. クリーニングブレードを有機感光体に対してカウンター方向で当接させ、且つ該クリーニングブレードを振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法に用いる有機感光体において、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有することを特徴とする有機感光体。
  2. 導電性支持体と電荷発生層の間に中間層を有し、該中間層が無機微粒子(10〜500nm)を含有することを特徴とする請求項1に記載の有機感光体。
  3. 有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、該クリーニング工程では、クリーニングブレードを有機感光体に、カウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
  4. 有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーが形状係数1.2〜1.6の範囲にあるトナー粒子を65個数%以上含有し、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
  5. 有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーがトナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)と、前記最頻階級の次に頻度の高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m)との和(M)が70%以上であり、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
  6. 有機感光体に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像工程と、有機感光体上に形成されたトナー像を記録材に転写する転写工程と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング工程を有する画像形成方法において、該有機感光体が、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の積層構造を有し、該電荷輸送層が分子量550〜2000の電荷輸送物質を含有する有機感光体であり、前記現像工程のトナーが角がないトナー粒子を50個数%以上含有し、該有機感光体にクリーニングブレードをカウンター方向で当接させ、該クリーニングブレードを、振幅10〜200μmに振動させて有機感光体上に残留するトナーを除去することを特徴とする画像形成方法。
  7. クリーニングブレードの自由長が6〜15mmであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 請求項3〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法を用いて電子写真画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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