JP5867455B2 - 有機感光体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式による画像形成装置に用いられる有機感光体の製造方法に関する。
現在、電子写真方式による複写機やプリンタなどの画像形成装置に搭載される感光体としては、負帯電型の積層構造を有する感光体が広範に使用されている。この負帯電型の積層構造を有する感光体においては、通常、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層上に電荷輸送層が形成されてなる感光層とが積層されている。このような負帯電型の積層構造を有する感光体においては、その表面が負に帯電された後、露光されると、電荷発生層において電荷が発生し、このうち負電荷(電子)は中間層を経て導電性支持体へ移動し、一方、正孔(ホール)は電荷輸送層を経て感光体表面へ移動し、当該表面の負電荷を打ち消して静電潜像が形成される。そのため、中間層には、電子輸送性を有すること(露光により電荷発生層で発生した電子を速やかに導電性支持体へ移動させること)および正孔ブロッキング性を有すること(導電性支持体から感光層への正孔の注入を抑制すること)が求められている。
近年、電子写真方式による複写機やプリンタなどの画像形成装置には、より一層の高画質化が要請されている。高画質化の要請としては、具体的には、ページ内またはページ間での濃度ムラを改善することなどが挙げられる。濃度ムラを改善するため、画像形成装置においては様々な対策が取られている。
濃度ムラの要因としては、中間層における電子輸送性不足が考えられる。従って、中間層の電子輸送性を高めることにより、濃度ムラに対する特性は改善される。例えば、特許文献1には、中間層中に金属酸化物微粒子を含有させることにより、中間層の電子輸送性を高めることが開示されている。
しかしながら、中間層の電子輸送性を単純に高めた場合、特に高感度の電荷発生物質を用いると、電荷発生層からの不整電子の注入を抑制することができず、ポチやカブリなどの画像欠陥が発生するという問題がある。
特開2005−134924号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、濃度ムラの発生が抑制されると共に、ポチやカブリなどの画像欠陥の発生が抑制される有機感光体の製造方法を提供することにある。
本発明の有機感光体の製造方法は、導電性支持体上に中間層が形成され、この中間層上に有機感光層が積層されてなる有機感光体を製造する方法であって、
溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる中間層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する工程を有し、
前記中間層形成用塗布液中には、前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記第1の金属酸化物微粒子および前記第2の金属酸化物微粒子が合計で200〜600質量部含有されており、
前記第1の金属酸化物微粒子および前記第2の金属酸化物微粒子の各々を用いて、下記の測定条件で下記のPe数評価液について、下記数式(1)で表わされるPe数を測定したとき、前記第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、前記第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上であることを特徴とする。
数式(1):Pe数=(6πμEHR)/kT
〔上記数式(1)中、μはPe数評価液2の粘度(Pa・s)、EはPe数評価液1のウェット膜を形成したときの液膜収縮速度(m/s)、HはPe数評価液1のウェット膜厚(m)、Rは金属酸化物微粒子の数平均一次粒径(m)、kはボルツマン定数(J/K)、Tは液温(K)を示す。〕
〔測定条件〕
Pe数評価液1:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ溶媒1700質量部中に中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、前記第1の金属酸化物微粒子または前記第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
Pe数評価液2:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ溶媒850質量部中に、中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、前記第1の金属酸化物微粒子または前記第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
液温:296K
ウェット膜厚:32×10-6
本発明の有機感光体の製造方法においては、前記第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が200以上であることが好ましい。
本発明の有機感光体の製造方法においては、前記第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が、それぞれ酸化チタンよりなることが好ましい。
本発明の有機感光体の製造方法においては、前記有機感光層が、電荷発生物質として、Y型チタニルフタロシアニン顔料、または、チタニルフタロシアニン顔料と2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料との混合物を含むことが好ましい。
本発明の有機感光体の製造方法によれば、溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる中間層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する工程を有し、特定の測定条件によって測定された、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上であることにより、濃度ムラの発生が抑制されると共に、ポチやカブリなどの画像欠陥の発生が抑制される有機感光体を製造することができる。
実施例における画質の評価に用いるチャートを示す図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔有機感光体の製造方法〕
本発明の有機感光体の製造方法は、導電性支持体上に中間層が形成され、この中間層上に有機感光層が積層されてなる有機感光体を製造する方法であって、溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる中間層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する工程を有し、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子の各々を用いて、下記の測定条件で下記のPe数評価液について、下記数式(1)で表わされるPe数を測定したとき、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上とされる。
本発明において、有機感光体とは、有機感光体の構成に必要不可欠な電荷発生機能および電荷輸送機能の少なくとも一方の機能が有機化合物によって発現される感光体を意味し、公知の有機電荷発生物質または有機電荷輸送物質から構成された感光体、電荷発生機能と電荷輸送機能とを高分子錯体で構成した感光体などを含むものである。
本発明の製造方法により得られる有機感光体においては、有機感光層は、露光によって電荷を発生させる機能と、発生させた電荷を感光体表面に輸送する機能とを有する。
有機感光層は、電荷発生機能と、電荷輸送機能とを同一の層で行う単層構造を有していてもよく、電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる層で行う積層構造を有していてもよい。
本発明の製造方法により得られる有機感光体としては、導電性支持体上に、中間層および有機感光層がこの順に積層されてなるものであれば特に限定されないが、繰り返し使用による残留電位の増加を抑制する有機感光体を得るためには、電荷発生層と電荷輸送層との積層構造を有するものが好ましい。
また、本発明の製造方法により得られる積層構造の有機感光体は、負帯電型の有機感光体とされる。この負帯電型の有機感光体においては、中間層の上に電荷発生層、その上に電荷輸送層を設ける構成をとり、正帯電型の有機感光体の場合においては、中間層の上に電荷輸送層、その上に電荷発生層を設ける構成をとる。
以下、積層構造を有する負帯電型の有機感光体を製造する方法について説明する。
本発明の製造方法により得られる有機感光体は、具体的には下記(1)の層構成が挙げられる。
(1)導電性支持体上に、中間層、並びに、有機感光層として電荷発生層および電荷輸送層がこの順に積層されてなる層構成。
また、本発明の製造方法により得られる有機感光体は、有機感光層上にさらに保護層が形成されていてもよい。
本発明の有機感光体の製造方法においては、上記(1)の層構成を有する有機感光体を製造する場合については、具体的には下記工程を有する。
工程(1):導電性支持体の外周面に中間層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、中間層を形成する工程。
工程(2):導電性支持体上に形成された中間層の外周面に電荷発生層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、電荷発生層を形成する工程。
工程(3):中間層上に形成された電荷発生層の外周面に電荷輸送層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、電荷輸送層を形成する工程。
本発明において、各塗布液の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンナーコート法、ビードコート法、ブレードコート法、ビームコート法、円形量規制型塗布法(スライドホッパー型塗布装置を用いた塗布方法)などが挙げられる。円形量規制型塗布法は、例えば特開昭58−189061号公報などに詳細に記載されている。
また、本発明において、各塗布膜の乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、熱乾燥による方法などが挙げられる。
〔工程(1):中間層形成工程〕
この工程(1)においては、具体的には、溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる分散液を調製する。その後、この分散液を一昼夜程度静置し、濾過して、中間層形成用塗布液を調製する。次いで、この中間層形成用塗布液を上記の方法で導電性支持体の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより、中間層を形成することができる。
(導電性支持体)
中間層形成用塗布液が塗布される導電性支持体としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラム状またはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウムおよび酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルムおよび紙などが挙げられる。
(金属酸化物微粒子)
この工程(1)において用いられる中間層形成用塗布液には、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が少なくとも含有、分散されている。
この2種の金属酸化物微粒子は、Pe数のより大きい値となる第1の金属酸化物微粒子と、Pe数のより小さい値となる第2の金属酸化物微粒子とから少なくとも構成される。そして、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上とされ、好ましくは3倍以上100倍以下、より好ましくは5倍以上50倍以下とされる。
中間層形成用塗布液には、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が少なくとも含有されており、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子以外の金属酸化物微粒子(以下、「他の金属酸化物微粒子」ともいう。)が含有されていてもよい。中間層形成用塗布液に他の金属酸化物微粒子が含有される場合は、当該他の金属酸化微粒子に係るPe数は、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数と第2の金属酸化物微粒子に係るPe数との間の値であっても、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数より大きい値であっても、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数より小さい値であってもよい。
本発明においては、中間層形成用塗布液に、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上となる第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が含有されることにより、バインダー樹脂と金属酸化物微粒子との配向性、すなわち第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子のバインダー樹脂中における位置関係が制御されて中間層が形成されると推測される。これにより、中間層が高い電子輸送性を維持しながらも、電荷発生層からの不整電子の注入を抑制することができ、濃度ムラを抑制できると共に、ポチおよびカブリなどの画像欠陥も抑制できると考えられる。
具体的には、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上となる第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子を含有させた中間層形成用塗布液を用いると、Pe数の相違により、Pe数のより大きい値となる第1の金属酸化物微粒子とPe数のより小さい値となる第2の金属酸化物微粒子とが偏在した状態で中間層が形成されると推測される。Pe数のより大きい値となる第1の金属酸化物微粒子が中間層内で薄い層を形成することにより、電荷発生層からの不整電子の注入や導電性支持体からの正孔の注入、および中間層内に注入された不整電子の移動を効果的に抑制でき、ポチおよびカブリなどの画像欠陥を抑制できると考えられる。さらに、電荷発生層中の電荷発生物質として特に高感度の電荷発生物質を使用した場合にも、熱励起など、露光以外の要因で発生したキャリアのリークが原因で生じるポチおよびカブリなどの画像欠陥を抑制できると考えられる。また、Pe数のより小さい値となる第2の金属酸化物微粒子が電子輸送性の維持に寄与するため、濃度ムラも効果的に抑制できると考えられる。
本発明においては、第1の金属酸化物微粒子と、第2の金属酸化物微粒子とは、両方が中間層形成用塗布液中に存在する状態で用いれば、本発明の効果を発現する中間層が形成されるため、互いの配合比には特に制限はないが、電荷発生層からの不整電子や導電性支持体からの正孔のブロッキング性に寄与する第1の金属酸化物微粒子は、薄層であっても十分に機能を発揮するため、中間層全体の電子輸送性に寄与する第2の金属酸化物微粒子よりも少ない方が好ましい。好ましくは、第1の金属酸化物微粒子と第2の金属酸化物微粒子との配合比は、第1の金属酸化物微粒子:第2の金属酸化物微粒子(体積比)が、1:0.8〜1:2.3であり、より好ましくは1:1.0〜1:1.7である。
本発明において、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数および第2の金属酸化物微粒子に係るPe数は、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子の各々を用いて、下記の測定条件で下記のPe数評価液について、下記数式(1)で表わされるPe数を測定したときの値である。
ここで、Pe数(ペクレ数)とは、粒子のブラウン運動と乾燥に伴い液膜が収縮することにより発生する流動の比を表わす無次元数である。
数式(1):Pe数=(6πμEHR)/kT
〔上記数式(1)中、μはPe数評価液2の粘度(Pa・s)、EはPe数評価液1のウェット膜を形成したときの液膜収縮速度(m/s)、HはPe数評価液1のウェット膜厚(m)、Rは金属酸化物微粒子の数平均一次粒径(m)、kはボルツマン定数(J/K)、Tは液温(K)を示す。〕
〔測定条件〕
Pe数評価液1:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ記溶媒1700質量部中に中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、前記第1の金属酸化物微粒子または前記第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
Pe数評価液2:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ溶媒850質量部中に、中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子または第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
液温:296K
ウェット膜厚:32×10-6
以上のように、上記数式(1)で表わされるPe数において、粘度(μ)は上記Pe数評価液2を用いて測定し、それ以外のパラメータは上記Pe数評価液1を用いて測定される。
各パラメータの測定方法を以下具体的に説明する。
まず、液膜収縮速度(E)については、バインダー樹脂100質量部を溶媒1700質量部に加えて20℃で撹拌混合する。この溶液に、第1の金属酸化物微粒子または第2の金属酸化物微粒子を260質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させ、Pe数評価液1を調製する。このPe数評価液1について、液温(T)を296K(23℃)とし、Pe数評価液1のウェット膜厚(H)を32μmとなるように形成したときの、塗布直後のウェット膜厚(H)から乾燥膜厚を引いた値を、乾燥に要した時間で割ることにより算出する。ここで、ウェット膜の塗布対象面を、アルミ蒸着シート「メタルミーTS(#75)」(東レフィルム加工株式会社製)とし、23℃の室温下で、ワイヤーバー(R.D.Specialities,U.S.A ROD No.14)を用いて膜厚が32μmとなるように形成する。なお、乾燥に要した時間とは、乾燥中の塗膜の質量を10秒間毎に計測し、10秒間あたりの質量減少率が1%以下となった時までの時間とする。具体的には、質量減少率(%)=[1−{(n+10)秒間乾燥後の塗膜の重量/n秒間乾燥後の塗膜の重量}]×100が1%以下となる時間とする。乾燥膜厚とは、乾燥に要した時間経過時の塗膜の膜厚を、膜厚計「DIAL GAUGE STAND TYPE SIS−3」(PEACOCK社製)で測定した時の値とする。乾燥条件としては、23℃の室温下とする。
また、粘度(μ)については、バインダー樹脂100質量部を溶媒850質量部に加えて20℃で撹拌混合する。この溶液に、第1の金属酸化物微粒子または第2の金属酸化物微粒子を260質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させ、Pe数評価液2を調製する。このPe数評価液2について、液温(T)を296K(23℃)とし、B型粘度計「型式:BL」(東京計器社製)を用いて粘度(μ)を測定する。
さらに、数平均一次粒径(R)は、金属酸化物微粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)画像を倍率100000倍で観察し、100個の粒子を一次粒子としてランダムに選択し、これらの一次粒子の水平方向フェレ径を画像解析により測定し、それらの平均値を「数平均一次粒径」として求めるものとする。
本発明において、Pe数を算出するための各パラメータは、乾燥過程での金属酸化物微粒子の流動挙動を観察するため、高固形分濃度で観察することが望ましい。また、中間層での金属酸化物微粒子の挙動を評価するため、実際の中間層形成用塗布液と同じ溶媒およびバインダー樹脂を用いるものとする。
第1の金属酸化物微粒子に係るPe数は、200以上50,000以下であることが好ましく、より好ましくは300以上5,000以下である。また、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数は、20以上500以下であることが好ましく、より好ましくは50以上300以下である。
第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物微粒子、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの微粒子を用いることができる。第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛よりなるものが好ましく、ルチル型酸化チタンがさらに好ましい。
第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは10〜40nmである。
第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子の数平均一次粒径が上記の範囲内であることにより、中間層形成用塗布液中の分散性が良好となり、形成される中間層に十分な電子輸送性が得られるため、黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生を十分に抑制でき、かつ、濃度ムラの発生を十分に抑制できる。
第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子に係るPe数は、金属酸化物微粒子を表面処理剤によって表面処理することにより制御することができる。具体的には、金属酸化物微粒子の種類、表面処理剤の種類、表面処理剤の使用量、表面処理の条件などによって、Pe数を制御することができる。典型的には、表面処理剤の種類および表面処理剤の使用量を適宜選択することによりPe数を比較的大きく変化させることができ、表面処理の条件を調整することによりさらに所望のPe数に近づけることができる。
表面処理剤としては、例えば、無機系化合物、有機系化合物が挙げられる。このような表面処理剤は、単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
無機系化合物としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニアやそれらの水和物などが挙げられる。このうち、金属酸化物微粒子に係るPe数を制御しやすいことから、特にアルミナ、シリカ、アルミナおよびシリカの組み合わせが好ましい。これらは、単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、無機系化合物による表面処理を施した金属酸化物微粒子は、シリカ、アルミナ処理を施した酸化チタンなどの市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製)、STT−30A、STT−65S−S(チタン工業社製)、TAF−500T、TAF−1500T(富士チタン工業社製)、MT−100S、MT−100T、MT−500SA(テイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
有機系化合物としては、例えば、反応性有機ケイ素化合物、有機チタン化合物などが挙げられる。
反応性有機ケイ素化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、n‐ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシブチルメチルジメトキシシランなどのアルコキシシラン;ヘキサメチルジシラザン、およびメチルハイドロジェンポリシロキサンなどのポリシロキサン化合物などが挙げられる。このうち、金属酸化物微粒子に係るPe数を制御しやすいことから、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルハイドロジェンポリシロキサンが好ましい。
有機チタン化合物としては、例えば、アルコキシチタン(すなわち、チタンアルコキシド)、チタンポリマー、チタンアシレート、チタンキレート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどが挙げられる。このうち、金属酸化物微粒子に係るPe数を制御しやすいことから、チタンアシレート、チタンキレートが好ましい。
有機系化合物よりなる表面処理剤による表面処理方法は、特に限定されず、公知の方法により行うことができ、例えば、湿式処理、乾式処理などを採用することができる。
有機系化合物よりなる表面処理剤の乾式処理による表面処理方法としては、例えば、表面処理されていない金属酸化物微粒子(以下、「未処理金属酸化物微粒子」ともいう。)を撹拌などによりクラウド状に分散させたものに、アルコールなどで溶解した表面処理剤溶液を噴霧するか或いは気化した表面処理剤を接触させて付着させる方法が挙げられる。
また、有機系化合物よりなる表面処理剤の湿式処理による表面処理方法としては、例えば、表面処理剤を水または有機溶媒に分散させた溶液に、未処理金属酸化物微粒子を添加して混合・撹拌する、または、未処理金属酸化物微粒子を溶液中に分散させ、その中に表面処理剤を滴下して付着させ、その後、得られた溶液をろ過、乾燥し、得られた金属酸化物微粒子をアニール処理(焼き付け)する方法が挙げられる。なお、湿式処理においては、ビーズミルなどによって湿式解砕処理を行ってもよい。
上記湿式処理における混合・撹拌時の温度は、30〜150℃程度であることが好ましく、40〜60℃がより好ましい。混合・撹拌時間は、0.5〜10時間であることが好ましく、1〜5時間がより好ましい。アニール処理温度は、例えば100〜220℃、好ましくは110〜150℃とすることができる。アニール処理時間は0.5〜10時間が好ましく、より好ましくは1〜5時間である。湿式解砕処理を行う場合の処理温度は20〜50℃が好ましく、より好ましくは30〜40℃である。湿式解砕処理の時間は、好ましくは10〜120分間が好ましく、より好ましくは30〜70分間である。
上記湿式処理による表面処理方法においては、表面処理剤の使用量は、目的とするPe数および表面処理剤の種類によって異なるため一概に規定することはできず、適宜選択して表面処理することが好ましい。例えば、表面処理剤の使用量は、反応性有機ケイ素化合物の場合には、未処理金属酸化物微粒子100質量部に対して0.1〜20質量部、より好ましくは1〜15質量部であり、また、有機チタン化合物の場合には、未処理金属酸化物粒子100質量部に対して0.1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。
溶媒の添加量は、未処理金属酸化物粒子100質量部に対して100〜600質量部、より好ましくは200〜500質量部である。
無機系化合物よりなる表面処理剤による表面処理方法は、特に限定されず、公知の方法により行うことができ、例えば湿式処理を採用することができる。
例えば、金属酸化物微粒子(酸化チタン,数平均一次粒径:50nm)を50〜350g/Lの濃度で水中に分散させて水性スラリーとし、これに水溶性のケイ酸塩または水溶性のアルミニウム化合物を添加する。その後、アルカリまたは酸を添加して中和し、酸化チタンの表面にシリカまたはアルミナを析出させる。その後、濾過、洗浄、乾燥を行う。水溶性のケイ酸塩としてケイ酸ナトリウムを使用する場合には、硫酸、硝酸、塩酸などの酸で中和することができる。一方、水溶性のアルミニウム化合物として硫酸アルミニウムを使用する場合には、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリで中和することができる。
上記湿式処理による表面処理方法においては、無機系化合物よりなる表面処理剤の使用量は、例えば金属酸化物微粒子(酸化チタン)に対して無機系化合物が1〜20質量%が好ましい。
表面処理剤の使用量がそれぞれ上記の下限値以上であれば、未処理金属酸化物粒子に対して十分な表面処理を行えるため、不整電子ブロッキング性を維持することができ、黒ポチやカブリなどの画像欠陥の発生を十分に抑制することができる。一方、表面処理剤の使用量がそれぞれ上記の上限値以下であれば、表面処理剤同士が反応することにより、金属酸化物微粒子の表面に均一な被膜が付着されず、リークが発生しやすくなることを防止できる。
(バインダー樹脂)
工程(1)において用いられるバインダー樹脂としては、例えば、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ゼラチンなどが挙げられる。なかでも、後述する電荷発生層を形成するための電荷発生層形成用塗布液を中間層上に塗布する際に、当該中間層が溶解することを抑制する観点などから、ポリアミド樹脂が好ましい。また、上記の表面処理された金属酸化物微粒子はアルコール系溶媒に分散させることが好適であるため、メトキシメチロール化ポリアミド樹脂などのアルコール可溶性ポリアミド樹脂がより好ましい。
(溶媒)
工程(1)において用いられる溶媒としては、金属酸化物微粒子を良好に分散し、かつ、バインダー樹脂を溶解するものが好ましい。具体的には、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール等の炭素数2〜4のアルコール類が、バインダー樹脂として好ましいとされるポリアミド樹脂に対して良好な溶解性と塗布性能を発現させることから好ましい。
また、工程(1)においては、保存性、金属酸化物微粒子の分散性を向上するために、溶媒と共に助溶媒を用いることが好ましく、併用可能な助溶媒としては、例えば、メタノール、ベンジルアルコール、トルエン、メチレンクロライド、シクロヘキサノン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
中間層形成用塗布液中のバインダー樹脂濃度は、中間層の膜厚や塗布方法に合わせて適宜選択することができる。好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して、溶媒100〜3000質量部、より好ましくは500〜2000質量部である。
また、中間層形成用塗布液中の金属酸化物粒子濃度は、バインダー樹脂100質量部に対して、合計で200〜600質量部が好ましく、より好ましくは250〜500質量部である。
なお、この中間層形成用塗布液中の成分比が、形成された中間層中の成分比となる。
金属酸化物微粒子の分散手段としては、超音波分散機、ビーズミル、ボールミル、サンドグラインダー、ホモミキサーなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
中間層形成用塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
中間層形成用塗布液の塗布膜の乾燥方法は、溶媒の種類や形成する膜厚に応じて公知の乾燥方法を適宜選択することができ、特に熱乾燥が好ましい。
乾燥条件としては、温度は、例えば100〜150℃であり、時間は、例えば10〜60分間である。
工程(1)において形成される中間層の層厚は、0.5〜25μmであることが好ましく、より好ましくは1〜7μmである。
中間層の膜厚が0.5μm以上であれば、導電性支持体表面全体を確実に被覆することができ、導電性支持体からの正孔の注入を十分にブロックすることができ、黒ポチやカブリなど画像欠陥の発生を十分に抑制することができる。一方、中間層の膜厚が25μm以下であれば、電気的抵抗が小さく、十分な電子輸送性が得られることにより、濃度ムラの発生を十分に抑制することができる。
〔工程(2):電荷発生層形成工程〕
この工程(2)においては、例えば、電荷発生物質を、適宜の溶媒で溶解したバインダー樹脂中に添加、分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この電荷発生層形成用塗布液を工程(1)により形成された中間層の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより電荷発生層を形成することができる。このようにして形成された電荷発生層は、電荷発生物質とバインダー樹脂とを含有する。
なお、電荷発生物質および電荷輸送物質を含む単層の有機感光層を形成する場合にも、電荷発生層の形成と同様の方法で有機感光層を形成することができる。
(バインダー樹脂)
工程(2)において用いられるバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、並びにこれらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体樹脂(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂)、ポリ−ビニルカルバゾール樹脂などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが好ましい。
バインダー樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はないが、10000〜150000であることが好ましく、より好ましくは15000〜100000である。
(溶媒)
工程(2)において用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの溶媒は、単独で使用しても、二種以上を組み合わせて使用してもよい。より好ましくは、メチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンである。
(電荷発生物質)
工程(2)において用いられる電荷発生物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、スーダンレッド、ダイアンブルーなどのアゾ顔料;ピレンキノン、アントアントロンなどのキノン顔料;キノシアニン顔料;ペリレン顔料;インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料;フタロシアニン顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷発生物質は、上記の中から露光光源の発振波長に対する感度に応じて選択されればよいが、デジタル複写機における露光光源の発振波長に対する感度を高めるためには、フタロシアニン顔料が好ましい。
フタロシアニン顔料としては、露光光源の発振波長、例えば波長780nmに対する感度を高めるためには、Y型チタニルフタロシアニン顔料、または、チタニルフタロシアニン顔料とブタンジオール付加チタニルフタロシアニン顔料、特に2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニン顔料との混合物を用いることが好ましい。これらのフタロシアニン顔料は、高感度電荷発生物質と称されるものである。
Y型チタニルフタロシアニンは、Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°において最大回折ピークを有するものである。
ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンとしては、例えば、2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンが挙げられる。この2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンの構造を模式的に示すと、下記式(A)の通りである。
Figure 0005867455
2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、ブタンジオールの付加比率によって異なる結晶型をとりうる。良好な感度を得るためには、チタニルフタロシアニン1モルに対してブタンジオール化合物を1モル以下となるように反応させて得られる結晶型のものが好ましい。そのような結晶型を有する2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、粉末X線回折スペクトルにおいて、少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)8.3°において、特徴的なピークを有する。この2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、8.3°以外にも、24.7°、25.1°、26.5°にピークがみられる。
ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、単独で含まれてもよいが、非付加のチタニルフタロシアニンと共に含まれてもよい。
電荷発生物質としては、2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンと、非付加のチタニルフタロシアニンとの混合物を用いることもできる。この混合物を含む有機感光層(電荷発生層)を備えた電子写真感光体の相対反射スペクトルから換算して得られる、当該有機感光層の波長780nmにおける吸光度Abs(780)と波長700nmにおける吸光度Abs(700)との吸光度比(Abs(780)/Abs(700))が0.8〜1.1であることが好ましい。
吸光度比(Abs(780)/Abs(700))は、以下のようにして求めることができる。
(1)まず、アルミニウム支持体上に、2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンと、非付加のチタニルフタロシアニンとの混合物を含む感光層を形成した感光体試料を準備する。そして、この感光体試料の相対反射光の吸収スペクトルを測定する。反射光の吸収スペクトルは、光学式膜厚測定装置「Solid Lambda Thickness」(スペクトラコープ社製)を用いて測定することができる。
すなわち、まず各波長におけるアルミニウム支持体の反射強度をベースラインとして測定する。次いで、各波長における感光体試料の反射強度を測定する。そして、各波長における感光体試料の反射強度を、各波長におけるアルミニウム支持体の反射強度で割って得られる値を「相対反射率(Rλ)」とする。それにより、相対反射スペクトルを得る。
(2)次いで、得られた感光体試料の相対反射スペクトルを、下記数式(2)により吸光度スペクトルに換算する。
数式(2):Absλ=−log(Rλ
〔数式(2)中、Rλは、波長λにおける感光体試料の反射強度を、波長λにおけるアルミニウム支持体の反射強度で割って得られる相対反射率を示す。〕
(3)次いで、干渉縞による凹凸を除去するために、上記(2)で換算した吸光度スペクトルデータを、波長領域765〜795nmおよび波長領域685〜715nmのそれぞれにおいて、二次の多項式に近似する。
(4)そして、近似した二次の多項式における、波長780nmにおける吸光度Abs(780)と、波長700nmにおける吸光度Abs(700)とを求める。それにより、吸光度比(Abs(780)/Abs(700))を算出する。
ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンは、これを含む有機感光層(電荷発生層)を備えた有機感光体の相対反射スペクトルから換算して得られる、当該有機感光層の波長780nmにおける吸光度Abs(780)と波長700nmにおける吸光度Abs(700)との吸光度比(Abs(780)/Abs(700))が0.8〜1.1であることが好ましい。ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを含む有機感光層の吸光度比(Abs(780)/Abs(700))が上記範囲内である場合においては、適切な分散シェアによって顔料結晶が安定化しやすく、光感度や、繰り返し露光による画像特性が安定する。
ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンを含む有機感光層の吸光度比は、前述と同様にして測定することができる。
電荷発生層形成用塗布液中のバインダー樹脂濃度は、塗布に適した粘度となるように適宜選択できるが、好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して、溶媒が100〜5000質量部であり、より好ましくは1000〜4000質量部である。
電荷発生層形成用塗布液中の電荷発生物質濃度は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部であることが好ましく、より好ましくは50〜500質量部である。
電荷発生物質の添加量が上記の範囲内であることにより、形成される電荷発生層が、露光により十分な電荷を発生させるものとなり、有機感光層(電荷発生層)が十分な感度を有するものとすることができ、かつ、繰り返し使用に伴う残留電位の増加を防止できる。
なお、この電荷発生層形成用塗布液中の成分比が、形成された電荷発生層中の成分比となる。
電荷発生物質の分散手段としては、上記した中間層の金属酸化物微粒子の分散手段と同様の方法が採用できる。
また、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。塗布方法も、上記した方法を採用することができる。
工程(2)において形成される電荷発生層の層厚は、電荷発生物質の特性、バインダー樹脂の特性および添加割合などにより異なるが、0.01〜5μmであることが好ましく、より好ましくは0.05〜3μmである。
〔工程(3):電荷輸送層形成工程〕
この工程(3)においては、例えば、電荷輸送物質を、適宜の溶媒で溶解したバインダー樹脂中に添加して電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を工程(2)により形成された電荷発生層の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥することにより電荷輸送層を形成することができる。このようにして形成された電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂とを含有する。


(バインダー樹脂)
工程(3)において用いられるバインダー樹脂としては、公知の樹脂を用いることができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂などが挙げられる。これらは、単独でも、二種以上を用いてもよい。なかでも、吸水率が低く、電荷輸送物質を良好に分散させることができることから、ポリカーボネート樹脂が好ましい。
(溶媒)
工程(3)において用いられる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、1,2−ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジン、ジエチルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(電荷輸送物質)
工程(3)において用いられる電荷輸送物質としては、例えば、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセン、トリフェニルアミン誘導体などが挙げられる。これらの電荷輸送物質は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて酸化防止剤、電子導電剤、安定剤などが含有されていてもよい。酸化防止剤については特願平11−200135号に記載のものが挙げられ、電子導電剤については特開昭50−137543号、同58−76483号などに記載のものが挙げられる。
電荷輸送層形成用塗布液中のバインダー樹脂濃度は、上記の塗布方法に適した粘度となるように適宜選択できる。好ましくは、バインダー樹脂100質量部に対して溶媒が100〜1000質量部、より好ましくは400〜800質量部である。
電荷輸送層形成用塗布液中の電荷輸送物質濃度は、バインダー樹脂100質量部に対して、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは60〜90質量部である。
電荷輸送物質の分散手段としては、上記した中間層の金属酸化物微粒子の分散手段と同様の方法が採用できる。
また、電荷輸送層形成用塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。
工程(3)において形成される電荷輸送層の層厚は、電荷輸送物質の特性、バインダー樹脂の特性および混合割合などにより異なるが、5〜40μmであることが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
〔保護層形成工程〕
本発明の製造方法により得られる有機感光体は、上記有機感光層上にさらに保護層を有していてもよい。保護層は、有機感光体を外部環境や衝撃から保護する役割を担っている。保護層が形成される場合には、当該保護層は、無機粒子およびバインダー樹脂により構成されることが好ましく、必要に応じて酸化防止剤や滑剤などの他の成分が含有されていてもよい。
保護層の形成方法としては、例えば、無機粒子およびバインダー樹脂を適宜の溶媒に溶解または分散して保護層形成用塗布液を調製し、この保護層形成用塗布液を有機感光層の外周面に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する方法が挙げられる。
保護層形成工程において用いられる無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウム等の粒子を好ましく用いることができる。特に表面を疎水化した疎水性シリカや疎水性アルミナ、疎水性ジルコニア、微粉末焼結シリカなどが好ましい。
無機粒子の数平均一次粒径は、1〜300nmであることが好ましく、より好ましくは5〜100nmである。
本発明において、無機粒子の数平均一次粒径は、透過型電子顕微鏡によって10000倍に拡大し、ランダムに300個の粒子を一次粒子として観察し、画像解析によりフェレ径の数平均径として測定値を算出して得られた値である。
保護層形成工程において用いられるバインダー樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
保護層に滑剤が含有される場合においては、滑剤としては、例えば、樹脂微粉末(例えば、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂など)、金属酸化物微粉末(例えば、酸化チタン、酸化アルミ、酸化スズなど)、固体潤滑剤(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、シリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイルなど)、フッ素系樹脂粉体(例えば、四フッ化エチレン樹脂粉体、三フッ化塩化エチレン樹脂粉体、六フッ化エチレンプロピレン樹脂粉体、フッ化ビニル樹脂粉体、フッ化ビニリデン樹脂粉体、フッ化二塩化エチレン樹脂粉体及びそれらの共重合体など)、ポリオレフィン系樹脂粉体(例えば、ポリエチレン樹脂粉体、ポリプロピレン樹脂粉体、ポリブテン樹脂粉体、ポリヘキセン樹脂粉体などのホモポリマー樹脂粉体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体などのコポリマー樹脂粉体、これらとヘキセンなどの三元共重合体、更にこれらの熱変成物のようなポリオレフィン系樹脂粉体など)などが挙げられる。
保護層形成工程により形成される保護層の層厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜5μmである。
〔画像形成装置〕
本発明の製造方法により得られる有機感光体は、モノクロの画像形成装置やフルカラーの画像形成装置など電子写真方式の公知の種々の画像形成装置において用いることができる。
本発明に係る有機感光体が用いられる画像形成装置は、例えば、有機感光体上に均一な帯電電位を付与する帯電手段と、均一な帯電電位が付与された有機感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像に顕像化する現像手段と、トナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段と、有機感光体上に残留したトナーを除去するクリーニング手段とを有するものである。
上記の画像形成装置において、露光手段としては、発振波長が使用する電荷発生物質の最大吸光度の5割以上の範囲の半導体レーザーまたは発光ダイオードであることが好ましい。例えば、電荷発生物質として、2,3−ブタンジオール付加チタニルフタロシアニンと非付加のチタニルフタロシアニンとの混合物を用いる場合には、650〜800nmであることが好ましい。これらの露光手段を用いて、書込みの主査方向の露光ドット径を10〜100μmに絞り込み、感光体上にデジタル露光を行うことで、600dpi(dpi:2.54cm当たりのドット数)〜2400dpiあるいはそれ以上の高解像度の電子写真画像を形成しうる。
露光ドット径とは、露光ビームの強度がピーク強度の1/e2 以上の領域の、主走査方向の露光ビームの長さ(Ld:長さが最大位置で測定する)を示す。
〔トナー〕
本発明の製造方法により得られる有機感光体上に形成される静電潜像は、現像によりトナー像として顕像化される。この現像に用いられるトナーとしては、粉砕トナーでも、重合トナーでもよいが、安定した粒度分布を得られる観点から、重合法で製造される重合トナーが好ましい。
重合トナーとは、バインダー樹脂(以下、「トナー用バインダー樹脂」ともいう。)の生成とトナー形状とが、トナー用バインダー樹脂の原料モノマーの重合反応および必要によりその後の化学的処理により形成されるものをいい、具体的には、懸濁重合、乳化重合などの重合反応と、必要によりその後に行われる粒子同士の融着工程を経て形成されるものをいう。
トナーを構成するトナー粒子の粒径は、体積平均粒径(Dv50)で2〜9μmであることが好ましく、より好ましくは3〜7μmである。
トナー粒子の粒径が上記範囲であることにより、形成される画像の解像度を高くすることができる。さらに、小粒径のトナー粒子でありながら、微細な粒径のトナー粒子の存在量を少なくすることができ、長期間にわたってドット画像の再現性が改善され、鮮鋭性の良好な、安定した画像を形成することができる。
トナー粒子の体積平均粒径(Dv50)は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。
〔現像剤〕
本発明に係るトナーは、一成分現像剤でも二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合においては、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合においては、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。
キャリアを構成する磁性粒子の粒径は、体積平均粒径(Dv50)で15〜100μmであることが好ましく、より好ましくは25〜80μmである。
本発明において、磁性粒子の体積平均粒径(Dv50)は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
キャリアは、磁性粒子がさらに樹脂により被覆された樹脂被覆型のもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型のものであることが好ましい。樹脂被覆型キャリアを構成するための被覆用樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための分散用樹脂としては、特に限定されるものではなく公知のものを用いることができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
本発明の有機感光体の製造方法によれば、溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる中間層形成用塗布液を塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する工程を有し、特定の測定条件によって測定された、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上であることにより、濃度ムラの発生が抑制されると共に、ポチやカブリなどの画像欠陥の発生が抑制される有機感光体を製造することができ、高感度の電荷発生物質を用いた有機感光層が形成された場合であっても、同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔Pe数の測定〕
この実施例においては、数式(1)で表わされるPe数は以下の通り測定した。
バインダー樹脂として下記式(1)で表わされるポリアミド樹脂100質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比45/20/35)の混合溶媒1700質量部に加えて20℃で撹拌混合した。この溶液に、金属酸化物微粒子260質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させ、Pe数評価液1を調製した。
このPe数評価液1について、液温(T)を296Kとし、ウェット膜厚が32μmとなるように形成したときの、塗布直後のウェット膜厚(H)から乾燥膜厚を引いた値を、乾燥に要した時間で割ることにより、液膜収縮速度(E)を算出した。
また、バインダー樹脂として下記式(1)で表わされるポリアミド樹脂100質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比45/20/35)の混合溶媒850質量部に加えて20℃で撹拌混合した。この溶液に、金属酸化物微粒子260質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させ、Pe数評価液2を調製した。
このPe数評価液2について、液温(T)を296Kとし、B型粘度計「型式:BL」(東京計器社製)を用いて粘度(μ)を測定した。
さらに、数平均一次粒径(R)は、金属酸化物微粒子のTEM(透過型電子顕微鏡)画像を倍率100000倍で観察し、100個の粒子を一次粒子としてランダムに選択し、これらの一次粒子の水平方向フェレ径を画像解析により測定し、それらの平均値を「数平均一次粒径」として求めた。
Figure 0005867455
〔表面処理済み金属酸化物微粒子1の作製〕
ルチル型酸化チタンにシリカ、アルミナ処理を施した無機処理酸化チタン「MT−500SA」(テイカ(株)製)500質量部と、メチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)25質量部と、トルエン1500質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間25分間、温度35℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、数平均一次粒径が35nm、アスペクト比が1.3の表面処理済み金属酸化物微粒子〔1〕を得た。この金属酸化物微粒子〔1〕に係るPe数は115であった。
〔表面処理済み金属酸化物微粒子2の作製〕
ルチル型酸化チタン500質量部をトルエン2000質量部と撹拌混合し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン「KBM−503」(信越化学工業(株)製)60質量部を添加し、50℃で3時間撹拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、130℃で3時間焼き付けを行った。それにより、数平均一次粒径が15nm、アスペクト比が5.0の表面処理済み金属酸化物微粒子〔2〕を得た。この金属酸化物微粒子〔2〕に係るPe数は614であった。
〔表面処理済み金属酸化物粒子3の作製〕
ルチル型酸化チタンにシリカ、アルミナ処理を施した無機処理酸化チタン「MT−100SA」(テイカ(株)製)500質量部と、MHPS25質量部と、トルエン1300質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間40分間、温度35℃の条件で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、数平均一次粒径が15nm、アスペクト比が3.5の表面処理済み金属酸化物微粒子〔3〕を得た。この金属酸化物微粒子〔3〕に係るPe数は328であった。
〔表面処理済み金属酸化物微粒子4の作製〕
ルチル型酸化チタン100質量部をトルエン500質量部と撹拌混合し、チタンキレートとしてチタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)「TC−200」((株)マツモト交商製)5.5質量部を添加し、80℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、180℃で3時間焼き付けを行い、チタンキレート表面処理酸化チタンを得た。上記、金属酸化物粒子を500質量部に、メチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)を30質量部、トルエン1500質量部に撹拌混合し、ビーズミルによりミル滞留時間25分間、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留によりトルエンを分離し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粉体を、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕し、チタンキレートおよびMHPSにより表面処理を施した金属酸化物微粒子〔4〕を得た。この金属酸化物微粒子〔4〕に係る数平均一次粒径は35nm、アスペクト比は1.2、Pe数は153であった。
〔表面処理済み金属酸化物微粒子5の作製〕
アナタース型酸化チタン500質量部をトルエン1500質量部と撹拌混合し、チタンアシレート「オルガチックスTPHS」(マツモトファインケミカル社製)50質量部を添加し、50℃で2時間撹拌した。その後、トルエンを減圧蒸留にて留去し、120℃で2時間焼き付けを行った。上記、金属酸化物粒子を500質量部、メチルハイドロジェンポリシロキサン(MHPS)を30質量部、トルエン1500質量部に撹拌混合し、ビーズミルによりミル滞留時間25分間、温度35±5℃で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得たスラリーは、ニーダーを用いて減圧蒸留によりトルエンを分離し、120℃で2時間表面処理剤の焼付け処理を行った。焼付け処理後の粉体を、室温まで冷却した後、ピンミルを用いて粉砕し、チタンアシレートおよびMHPSにより表面処理を施した金属酸化物微粒子〔5〕を得た。この金属酸化物微粒子〔5〕に係る数平均一次粒径は25nm、アスペクト比は1.1、Pe数は137であった。
〔表面処理済み金属酸化物微粒子6の作製〕
酸化亜鉛にシリカ処理を施した無機処理酸化亜鉛(堺化学社製)500質量部と、MHPS40質量部と、トルエン1800質量部とを撹拌混合した後、ビーズミルによりミル滞留時間60分間、温度35℃の条件で湿式解砕処理を行った。湿式解砕処理して得られたスラリーから、減圧蒸留によりトルエンを分離除去した。得られた乾燥物に、120℃で2時間、MHPSの焼き付けを行った。その後、ピンミルにより粉砕し、表面処理済み金属酸化物微粒子〔6〕を得た。この金属酸化物微粒子〔6〕に係る数平均一次粒径は20nm、アスペクト比は1.4、Pe数は109であった。
〔表面処理済み金属酸化物微粒子7の作製〕
表面処理済み金属酸化物粒子3の作製において、MHPSの添加量を10質量部に変更した以外は同様にして、表面処理済み金属酸化物微粒子〔7〕を得た。この金属酸化物微粒子〔7〕に係る数平均一次粒径は15nm、アスペクト比は3.5、Pe数は573であった。
<有機感光体1の製造例:実施例1>
以下の手順により、導電性支持体上に、中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次形成された「有機感光体〔1〕」を作製した。
(1)導電性支持体の作製
長さ362±0.2mmのアルミニウム合金製素管をNC施盤に装着し、ダイヤモンド焼結バイトにて、外径59.95±0.04mm、表面のRzjisが1.2±0.2μmになるように切削加工を行い、導電性支持体〔1〕を作製した。
(2)中間層の形成
バインダー樹脂として上記式(1)のポリアミド樹脂100質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比45/20/35)の混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で撹拌混合した。この溶液に、金属酸化物微粒子〔2〕を200質量部、金属酸化物微粒子〔1〕を150質量部添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた。そして、この溶液を一昼夜静置した後、ろ過することにより、中間層形成用塗布液を調製した。ろ過は、ろ過フィルタとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、導電性支持体〔1〕を洗浄した後の外周に浸漬塗布法で塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を120℃で30分間乾燥して、層厚2μmの中間層〔1〕を形成した。
(3)電荷発生層の形成
(3−1)電荷発生物質の合成
1,3−ジイミノイソインドリンとチタニウムテトラ−n−ブトキシドとから粗チタニルフタロシアニンを合成した。得られた粗チタニルフタロシアニンを硫酸に溶解させた溶液を、水に注入して結晶を析出させた。この溶液を濾過した後、得られた結晶を水で十分に洗浄して、ウエットペースト品を得た。次いで、ウエットペースト品を冷凍庫にて凍結させ、再度解凍した後、濾過および乾燥して、無定型チタニルフタロシアニンを得た。
得られた無定型チタニルフタロシアニンと、(2R,3R)−2,3−ブタンジオールとを、無定型チタニルフタロシアニンに対する(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの当量比が0.6となるように、オルトジクロロベンゼン(ODB)中にて混合した。得られた混合物を、60〜70℃で6時間加熱撹拌した。得られた溶液を一夜静置した後、メタノールをさらに添加して結晶を析出させた。この溶液を濾過した後、得られた結晶をメタノールで洗浄して、(2R,3R)−2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニンを含む電荷発生物質〔1〕を得た。
電荷発生物質〔1〕のX線回折スペクトルを測定した結果、8.3°、24.7°、25.1°、26.5°にピークが確認された。得られた電荷発生物質〔1〕は、チタニルフタロシアニンと(2R,3R)−2,3−ブタンジオールの1:1付加体と、チタニルフタロシアニン(非付加体)との混合物であると推定した。
得られた感光体の、相対反射スペクトルを、光学式膜厚測定装置Solid Lambda Thickness(スペクトラコープ社製)を用いて以下の手順で測定した。
(1)まず、各波長におけるアルミニウム支持体の反射強度をベースラインとして測定した。次いで、各波長における感光体試料の反射強度を測定した。そして、各波長における感光体試料の反射強度を、アルミニウム支持体の反射強度で割って得られる値を「相対反射率(Rλ)」として、相対反射スペクトルを得た。
(2)得られた感光体試料の相対反射スペクトルを、下記数式(2)により吸光度スペクトルに換算した。
数式(2):Absλ=−log(Rλ
〔数式(2)中、Rλは、波長λにおける感光体試料の反射強度を、波長λにおけるアルミニウム支持体の反射強度で割って得られる相対反射率を示す。〕
(3)次いで、干渉縞による凹凸を除去するために、上記(2)で換算した吸光度スペクトルデータを、波長領域765〜795nmおよび波長領域685〜715nmのそれぞれにおいて、二次の多項式に近似した。
(4)近似した二次の多項式における、波長780nmにおける吸光度Abs(780)と、波長700nmにおける吸光度Abs(700)とを求め、吸光度比(Abs(780)/Abs(700))を算出した。得られた吸光度比(Abs(780)/Abs(700))は0.99であった。
(3−2)電荷発生層の形成
下記成分を混合し、循環式超音波ホモジナイザー「RUS−600TCVP」(株式会社日本精機製作所製、19.5kHz,600W)にて循環流量40L/Hで0.5時間分散して電荷発生層形成用塗布液〔1〕を調製した。
上記電荷発生物質〔1〕 24質量部
ポリビニルブチラール樹脂「エスレックBL−1」(積水化学社製) 12質量部
溶媒:メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=4/1(V/V) 400質量部
上記中間層〔1〕の上に、この電荷発生層形成用塗布液〔1〕を浸漬塗布法によりで塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を乾燥させて、層厚0.3μmの電荷発生層〔1〕を形成した。
(4)電荷輸送層の形成
下記成分を混合して電荷輸送層形成用塗布液を調製した。この電荷輸送層形成用塗布液を、前述と同様の浸漬塗布法により電荷発生層〔1〕上に塗布して塗布膜を形成した後、塗布膜を乾燥させて、層厚25μmの電荷輸送層〔1〕を形成した。これにより有機感光体〔1〕を製造した。
電荷輸送物質:下記式(CTM−1) 225質量部
ポリカーボネート樹脂「Z300」(三菱ガス化学社製) 300質量部
酸化防止剤「Irganox1010」(日本チバガイギー社製) 6質量部
溶媒:テトラヒドロフラン/トルエン混合液(体積比;3/1) 2000質量部
レベリング剤:シリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製) 1質量部
Figure 0005867455
<有機感光体2〜4、6〜9の製造例:実施例2〜4および6、比較例1〜3>
有機感光体1の製造例において、中間層形成用塗布液に添加する金属酸化物微粒子の種類および添加量を下記表1に従って変更したことの他は同様にして有機感光体〔2〕〜〔4〕、〔6〕〜〔9〕を製造した。
<有機感光体5の製造例:実施例5>
有機感光体4の製造例において、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を以下の電荷発生層形成用塗布液〔2〕に変更した以外は同様にして、有機感光体〔5〕を製造した。
<有機感光体10の製造例:比較例4>
有機感光体9の製造例において、電荷発生層形成用塗布液〔1〕を以下の電荷発生層形成用塗布液〔2〕に変更した以外は同様にして、有機感光体〔10〕を製造した。
(電荷発生層形成用塗布液2の調製)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて15時間分散し、電荷発生層形成用塗布液〔2〕を調製した。
電荷発生物質:Y型チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルでブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシアニン顔料) 20質量部
ポリビニルブチラール樹脂「BM−1」(積水化学(株)製) 10質量部
溶媒:メチルエチルケトン 700質量部
溶媒:シクロヘキサノン 300質量部
Figure 0005867455
以上のようにして得られた有機感光体〔1〕〜〔10〕をフルカラー画像形成装置「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製;780nmの半導体レーザーの露光・反転現像・中間転写体のタンデム方式カラー複合機)に搭載し、温度23℃、湿度50%RHの環境下にて、画像比率6%の文字画像をA4横送りで30万枚プリントを行う耐刷を行い、耐刷前後の表面電位およびカブリと、耐刷後の濃度ムラの評価を行った。結果を表2に示す。
(1)有機感光体の表面電位
有機感光体を、それぞれ電気特性測定装置にセットし、感光体の表面電位を測定した。表面電位の測定は、温度10℃、湿度15%RH環境下にて、有機感光体を130rpmで回転させながら、グリッド電圧−800V、露光量0.5μJ/cm2 の条件で、帯電と露光を繰り返し、感光体1回転目(初期)の露光後の電位Viaと65回転目(30秒間後)の露光後の電位Vibを、それぞれ測定し、その電位差(ΔVi=|Vib−Via|)を求めた。ΔViの評価は、以下の基準に基づいて行なった。
A:耐刷前後ともΔViが20V以下
B:耐刷前はΔViが20V以下、耐刷後は20V超30V以下
C:耐刷前はΔViが20V超30V以下、または、耐刷前は20V以下、かつ、耐刷後は30V超(NG)
D:耐刷前からΔViが30V超(NG)
(2)画質
(2−1)濃度ムラ
有機感光体を画像形成装置のブラック(BK)の画像形成ユニットの位置に配置し、転写電流を10μA毎に20μAから100μAまで変化させて、図1で示されるチャートを出力した。画像支持体としては「PODグロスコート(A3サイズ、100g/m2 )」(王子製紙(株)製)を用いた。形成された画像を目視で観察し、以下の基準で評価した。
A:転写電流60μA以上でも、濃度ムラが全くみられない
B:転写電流60μA以上でわずかに濃度ムラがみられるが、実用上問題ないレベル
C:転写電流40〜50μAでわずかに濃度ムラがみられるが、実用上問題ないレベル(ただし、高画質の画像を形成する際には問題となるレベル)(NG)
D:転写電流40μA未満でも濃度ムラが明確にみられ、実用上問題となるレベル(NG)
(2−2)カブリ(官能評価)
有機感光体を画像形成装置のブラック(BK)の画像形成ユニットの位置に配置した。白紙の画像支持体「PODグロスコート(A3サイズ、100g/m2 )」(王子製紙(株)製)を準備し、この画像支持体をブラックの位置まで搬送し、グリッド電圧−800V、現像バイアス−650Vの条件で、無地画像(白ベタ画像)を形成した。そして、得られた画像支持体上のカブリの有無を評価した。
A:カブリなし
B:拡大すると僅かにカブリがみられるが、実用上問題ないレベル
C:目視で僅かにカブリがみられ、実用上問題となるレベル(NG)
D:カブリが目立つ(NG)
Figure 0005867455
表2に示されるように、中間層形成用塗布液に、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上となる第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子を用いた実施例1〜6においては、高感度の電荷発生物質を用いる場合であっても、得られる有機感光体において、表面電位のΔViが耐刷前は20V以下、耐刷後も30V以下と低く、かつ濃度ムラとカブリの発生を共に抑制することができたことが確認された。
一方、第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、第2の金属酸化物微粒子に係るPe数が2倍未満の値となるものを用いた比較例1〜4とにおいては、得られる有機感光体において、濃度ムラとカブリの発生を両立することができないことが確認された。

Claims (4)

  1. 導電性支持体上に中間層が形成され、この中間層上に有機感光層が積層されてなる有機感光体を製造する方法であって、
    溶媒中にバインダー樹脂が溶解されていると共に、第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が分散されてなる中間層形成用塗布液を導電性支持体上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を乾燥する工程を有し、
    前記中間層形成用塗布液中には、前記バインダー樹脂100質量部に対して、前記第1の金属酸化物微粒子および前記第2の金属酸化物微粒子が合計で200〜600質量部含有されており、
    前記第1の金属酸化物微粒子および前記第2の金属酸化物微粒子の各々を用いて、下記の測定条件で下記のPe数評価液について、下記数式(1)で表わされるPe数を測定したとき、前記第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が、前記第2の金属酸化物微粒子に係るPe数の2倍以上であることを特徴とする有機感光体の製造方法。
    数式(1):Pe数=(6πμEHR)/kT
    〔上記数式(1)中、μはPe数評価液2の粘度(Pa・s)、EはPe数評価液1のウェット膜を形成したときの液膜収縮速度(m/s)、HはPe数評価液1のウェット膜厚(m)、Rは金属酸化物微粒子の数平均一次粒径(m)、kはボルツマン定数(J/K)、Tは液温(K)を示す。〕
    〔測定条件〕
    Pe数評価液1:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ溶媒1700質量部中に中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、前記第1の金属酸化物微粒子または前記第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
    Pe数評価液2:中間層形成用塗布液に用いる溶媒と同じ溶媒850質量部中に、中間層形成用塗布液に用いるバインダー樹脂と同じバインダー樹脂100質量部が溶解されていると共に、前記第1の金属酸化物微粒子または前記第2の金属酸化物微粒子260質量部が分散されてなるもの
    液温:296K
    ウェット膜厚:32×10-6
  2. 前記第1の金属酸化物微粒子に係るPe数が200以上であることを特徴とする請求項1に記載の有機感光体の製造方法。
  3. 前記第1の金属酸化物微粒子および第2の金属酸化物微粒子が、それぞれ酸化チタンよりなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の有機感光体の製造方法。
  4. 前記有機感光層が、電荷発生物質として、Y型チタニルフタロシアニン顔料、または、チタニルフタロシアニン顔料と2,3−ブタンジオール付加体チタニルフタロシアニン顔料との混合物を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の有機感光体の製造方法。
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