JP2008096664A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンおよびバインダー樹脂を含有し、これらの配合比(重量)が10/90〜99/1であり、針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタンと、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタンとを含有し、これらの配合比(重量)が90/10〜10/90である。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンおよびバインダー樹脂を含有し、これらの配合比(重量)が10/90〜99/1であり、針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタンと、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタンとを含有し、これらの配合比(重量)が90/10〜10/90である。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性支持体、下引き層および感光層からなる電子写真感光体の下引き層に関する。本発明の電子写真感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いられる。
光導電性の電子写真感光体(以下、「感光体」という)を用いた電子写真プロセスは、まず、感光体を暗所においてコロナ放電によりその表面を一様に帯電させた後、像露光を施して露光部の電荷を選択的に放電させて、非露光部に静電像(潜像)を形成させる。次いで、着色した荷電微粒子(トナー)を静電引力などで潜像に付着させて可視像とし、画像を形成することからなる。
このような一連のプロセスにおいて感光体に要求される基本的な特性が要求される。
1)暗所において適当な電位に一様に帯電させることができること
2)暗所において高い電荷保持能を有し、電荷の放電が少ないこと
3)光感度に優れており、光照射によって速やかに電荷を放電すること
また、感光体は次のような特性も要求される。
4)容易に感光体の表面を除電させることができること
5)残留電位が少ないこと
6)機械的強度があり可撓性にすぐれていること
7)安定性がある、すなわち繰り返し使用する場合に電気的特性、特に帯電性、光感度および残留電位などが変動しないこと
8)耐久性に優れていること、すなわち熱、光、水分(湿度)およびオゾンなどに対する耐性を有すること
1)暗所において適当な電位に一様に帯電させることができること
2)暗所において高い電荷保持能を有し、電荷の放電が少ないこと
3)光感度に優れており、光照射によって速やかに電荷を放電すること
また、感光体は次のような特性も要求される。
4)容易に感光体の表面を除電させることができること
5)残留電位が少ないこと
6)機械的強度があり可撓性にすぐれていること
7)安定性がある、すなわち繰り返し使用する場合に電気的特性、特に帯電性、光感度および残留電位などが変動しないこと
8)耐久性に優れていること、すなわち熱、光、水分(湿度)およびオゾンなどに対する耐性を有すること
現在、実用化されている感光体は、導電性支持体の上に直接、感光層が形成されているので、導電性支持体からのキャリア注入が生じ易く、表面電荷が微視的にみて消失もしくは減少して画像欠陥が発生し易い。このような画像欠陥を防止し、かつ導電性支持体表面の欠陥の被覆、帯電性の改善、感光層の接着性の向上および塗工性の改善などを目的として、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることが行われている。
従来、下引き層を構成する材料としては、各種樹脂や樹脂に酸化チタン粉末などの金属酸化物を含有するものなどが検討されている。
単一層で下引き層を形成する樹脂は、感光層用塗布液の溶剤に難溶であることが望ましく、一般にアルコール可溶性または水溶性の樹脂が使用される。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミドなどの樹脂材料やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂、さらに、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが知られ、これらのうちポリアミドが特に好ましいとされている(特開昭51−14132号公報:特許文献1、特開昭52−25638号公報:特許文献2)。しかし、ポリアミドなどの樹脂の単一層を下引き層とした感光体は、残留電位の蓄積が大きく、感度の低下や画像のカブリが発生するという欠点がある。このような傾向は、低温度の環境下で特に顕著になる。
単一層で下引き層を形成する樹脂は、感光層用塗布液の溶剤に難溶であることが望ましく、一般にアルコール可溶性または水溶性の樹脂が使用される。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミドなどの樹脂材料やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂、さらに、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが知られ、これらのうちポリアミドが特に好ましいとされている(特開昭51−14132号公報:特許文献1、特開昭52−25638号公報:特許文献2)。しかし、ポリアミドなどの樹脂の単一層を下引き層とした感光体は、残留電位の蓄積が大きく、感度の低下や画像のカブリが発生するという欠点がある。このような傾向は、低温度の環境下で特に顕著になる。
そこで、画像欠陥の発生を防止し、残留電位の蓄積量を減少させるために、表面未処理の酸化チタン粉末を含有する下引き層(特開昭56−52757号公報:特許文献3)、表面にアルミナなどを被覆して分散性を改善させた酸化チタン微粒子を含有する下引き層(特開昭59−93453号公報:特許文献4、特開平2−181158号公報:特許文献5)などが提案されている。また、酸化チタン粉末とバインダー樹脂とを混合したものを下引き層として用い、酸化チタンの使用割合を最適化して感光体の長寿命化を図る検討も行われている(特開昭63−234261号公報:特許文献6、特開昭63−298251号公報:特許文献7)。
上記の先行技術においては、酸化チタン粉末を含有する下引き層としては、酸化チタン粉末として粒状のものが用いられている。
上記の先行技術においては、酸化チタン粉末を含有する下引き層としては、酸化チタン粉末として粒状のものが用いられている。
下引き層に酸化チタン粉末を用いる場合、酸化チタン粉末の含有量が少なく、バインダー樹脂の含有量が多いと、下引き層の体積抵抗値が大きくなり、光照射時に生成したキャリアの輸送が抑制阻止され、残留電位が上昇し、画像にカブリが生じ易くなる。また、長期間の繰り返し使用により、残留電位の蓄積や温湿度の影響が大きくなり、特に低温度の環境でこの傾向が顕著になるなど、安定性にも問題があり、十分な特性が得られないという問題があった。
酸化チタン粉末の含有量を増加させると、上記の問題は軽減されるが、長期間の繰り返し使用により、残留電位の蓄積傾向が現れ、特に低湿度の環境でこの傾向が著しくなり、長期安定性と環境特性の問題は完全にはなくならない。また、酸化チタン粉末の含有量が増加し、バインダー樹脂の含有量がほとんどなくなると、下引き層の膜強度および下引き層と導電性支持体との接着性が低下し、長期間の繰り返し使用により、膜の破断などによる感度劣化や画像への影響が現れ、また急激に体積抵抗値が低下し帯電性が悪くなるという問題があった。
従来の下引き層に用いられている酸化チタン粉末は、電子顕微鏡観察によると、粒子径が0.01〜1μmで、そのアスペクト比の平均値が1〜1.3であり、表面にやや凹凸はあるものの、ほぼ球形に近い形の粒状である(以下、単に「粒状」と呼ぶ)。このような粒状の酸化チタンが下引き層中に分散されると、粒子間の接触が点接触に近く、接触面積が小さいために、酸化チタン粉末の含有量がある一定量を超えなければ、下引き層の抵抗値は非常に高い値を示し、感光体特性、特に感度および残留電位が悪化するという問題があった。
本発明は、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備えた感光体において、下引き層に特定の針状酸化チタンを含有させることにより、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供できることを見出し、本発明を完成するに到った。
まず、本発明者らは、針状酸化チタンの形状が細長く、酸化チタン同士が接触し易く、接触面積が大きくなるため、粒状の酸化チタンと比較して、感光体の感度や残留電位などを向上させることができることに着目した。すなわち、針状酸化チタンのサイズが大きいほど、感度や残留電位などの電気特性が向上し、また光散乱し易くなるため、モアレと呼ばれる画像欠陥を防ぐことができる。しかし、下引き層の抵抗値が下がるため、下引き層が電荷ブロッキング層として機能せず、帯電性が悪化する。一方、サイズの小さい針状酸化チタンを用いると、下引き層の抵抗値が高くなり、下引き層が電荷ブロッキング層として機能するようになるが、感度や残留電位が悪化し、モアレによる画像欠陥も発生するようになる。
そこで、下引き層に2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを用いることを見出した。
まず、本発明者らは、針状酸化チタンの形状が細長く、酸化チタン同士が接触し易く、接触面積が大きくなるため、粒状の酸化チタンと比較して、感光体の感度や残留電位などを向上させることができることに着目した。すなわち、針状酸化チタンのサイズが大きいほど、感度や残留電位などの電気特性が向上し、また光散乱し易くなるため、モアレと呼ばれる画像欠陥を防ぐことができる。しかし、下引き層の抵抗値が下がるため、下引き層が電荷ブロッキング層として機能せず、帯電性が悪化する。一方、サイズの小さい針状酸化チタンを用いると、下引き層の抵抗値が高くなり、下引き層が電荷ブロッキング層として機能するようになるが、感度や残留電位が悪化し、モアレによる画像欠陥も発生するようになる。
そこで、下引き層に2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを用いることを見出した。
かくして、本発明によれば、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、前記下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、これらの配合比(重量)[P]/[R]が10/90〜99/1であり、前記針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、前記針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、前記針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有し、これらの配合比(重量)[A]/[B]が90/10〜10/90であることを特徴とする感光体が提供される。
本発明によれば、良好な帯電性を有し、残留電位が低く、繰り返し安定性と環境特性に優れ、モアレやかぶりなどの画像欠陥のない感光体を提供することができる。
針状酸化チタンは、その形状が細長く、酸化チタン同士が接触し易く、接触面積が大きくなるため、粒状の酸化チタンと比較して、感光体の感度や残留電位などを向上させる。
また、大針状酸化チタンは、感光体の感度や残留電位などの電気特性を向上させ、光散乱を容易にして、モアレによる画像欠陥を防ぐ。
さらに、小針状酸化チタンは、下引き層の抵抗値を高くして、下引き層を電荷ブロッキング層として機能させ、帯電性を安定させる。
このような作用が併合されて、本発明の優れた効果が得られる。
本発明の感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いることができる。
針状酸化チタンは、その形状が細長く、酸化チタン同士が接触し易く、接触面積が大きくなるため、粒状の酸化チタンと比較して、感光体の感度や残留電位などを向上させる。
また、大針状酸化チタンは、感光体の感度や残留電位などの電気特性を向上させ、光散乱を容易にして、モアレによる画像欠陥を防ぐ。
さらに、小針状酸化チタンは、下引き層の抵抗値を高くして、下引き層を電荷ブロッキング層として機能させ、帯電性を安定させる。
このような作用が併合されて、本発明の優れた効果が得られる。
本発明の感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いることができる。
本発明の感光体は、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、
前記下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、これらの配合比(重量)[P]/[R]が10/90〜99/1であり、
前記針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、
前記針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、
前記針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有し、これらの配合比(重量)[A]/[B]が90/10〜10/90である
ことを特徴とする。
すなわち、本発明の感光体は、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、下引き層の構成に特徴を有する。
前記下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、これらの配合比(重量)[P]/[R]が10/90〜99/1であり、
前記針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、
前記針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、
前記針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有し、これらの配合比(重量)[A]/[B]が90/10〜10/90である
ことを特徴とする。
すなわち、本発明の感光体は、導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、下引き層の構成に特徴を有する。
本発明の感光体の下引き層に含有される酸化チタンは、針状である。
「針状」とは、棒状、柱状および紡錘状などを含む細長い形状を意味し、通常、粒子の長軸の長さ[L]と短軸の長さ[S]の比[L]/[S]、すなわちアスペクト比が1.5以上のものを意味する。したがって、粒子は必ずしも極端に細長くなくてもよく、先端が鋭く尖っている必要もない。
酸化チタンの大きさは、重量沈降法や光透過式粒度分布測定法などの公知の方法で測定できるが、針状のアスペクト比は、直接電子顕微鏡で測定するのが好ましい。
「針状」とは、棒状、柱状および紡錘状などを含む細長い形状を意味し、通常、粒子の長軸の長さ[L]と短軸の長さ[S]の比[L]/[S]、すなわちアスペクト比が1.5以上のものを意味する。したがって、粒子は必ずしも極端に細長くなくてもよく、先端が鋭く尖っている必要もない。
酸化チタンの大きさは、重量沈降法や光透過式粒度分布測定法などの公知の方法で測定できるが、針状のアスペクト比は、直接電子顕微鏡で測定するのが好ましい。
本発明の針状酸化チタンは、そのアスペクト比の平均値が1.5〜300、好ましくは2〜10の範囲である。この範囲よりも大きくても針状としての効果は変わらないが、小さければ針状としての効果が得られ難くなる。
本発明の感光体の下引き層は、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを含有する。
この2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンは、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有する。
大針状酸化チタン[A]は、短軸の長さが0.04〜0.2μmであり、かつ長軸の長さが0.2〜2μmであるのがより好ましい。
また、小針状酸化チタン[B]は、短軸の長さが0.01〜0.05μmであり、かつ長軸の長さが0.04〜0.2μmであるのがより好ましい。
この2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンは、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有する。
大針状酸化チタン[A]は、短軸の長さが0.04〜0.2μmであり、かつ長軸の長さが0.2〜2μmであるのがより好ましい。
また、小針状酸化チタン[B]は、短軸の長さが0.01〜0.05μmであり、かつ長軸の長さが0.04〜0.2μmであるのがより好ましい。
大針状酸化チタンが2種類[A1]および[A2]、小針状酸化チタンが1種類[B]の3種類となってもよく、逆に大針状酸化チタンが1種類[A]、小針状酸化チタンが2種類[B1]および[B2]の3種類となってもよい。
しかし、針状酸化チタンの大きさが上記の範囲内にない場合、表面被覆しても分散性および保存安定性に優れた下引き層用塗布液が得られ難い。
しかし、針状酸化チタンの大きさが上記の範囲内にない場合、表面被覆しても分散性および保存安定性に優れた下引き層用塗布液が得られ難い。
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]の配合比(重量)[A]/[B]は、90/10〜10/90、好ましくは70/30〜30/70の範囲である。
大針状酸化チタン[A]がこの範囲よりも多い比率で含有すれば、帯電性が悪化し、特に低温/低湿の環境下での繰り返し特性において劣化が顕著になり易い。一方、小針状酸化チタン[B]がこの範囲よりも多い比率で含有すれば、感度および残留電位が悪化し、モアレなどの画像不良も発生し易い。
大針状酸化チタン[A]がこの範囲よりも多い比率で含有すれば、帯電性が悪化し、特に低温/低湿の環境下での繰り返し特性において劣化が顕著になり易い。一方、小針状酸化チタン[B]がこの範囲よりも多い比率で含有すれば、感度および残留電位が悪化し、モアレなどの画像不良も発生し易い。
本発明の感光体の下引き層には2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタン[P]と共にバインダー樹脂[R]が含有されるが、これらの配合比(重量)[P]/[R]は、10/90〜99/1、好ましくは30/70〜80/20、より好ましくは45/55〜65/35の範囲である。
針状酸化チタン[P]が10/90よりも少ない比率で含有すれば、感度が低下し、下引き層中に電荷が蓄積されて残留電位が増大し易く、特に特に低温/低湿の環境下での繰り返し特性において劣化が顕著になり易い。針状酸化チタン[P]が99/1よりも多い比率で含有すれば、下引き層用塗布液の保存安定性が悪くなり、酸化チタン粒子が沈降し易くなる。
針状酸化チタン[P]が10/90よりも少ない比率で含有すれば、感度が低下し、下引き層中に電荷が蓄積されて残留電位が増大し易く、特に特に低温/低湿の環境下での繰り返し特性において劣化が顕著になり易い。針状酸化チタン[P]が99/1よりも多い比率で含有すれば、下引き層用塗布液の保存安定性が悪くなり、酸化チタン粒子が沈降し易くなる。
酸化チタンの結晶系には、主にアナターゼ型とルチル型の2種類があるが、本発明の針状酸化チタンはいずれの結晶系であってもよく、またそれらの混合であってもよい。
本発明において、針状酸化チタンは、高抵抗であるのが好ましく、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体で105〜1010Ω・cmの範囲の体積抵抗値を有する。以下、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値を「粉体抵抗値」と称する。
本発明において、針状酸化チタンは、高抵抗であるのが好ましく、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体で105〜1010Ω・cmの範囲の体積抵抗値を有する。以下、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値を「粉体抵抗値」と称する。
針状酸化チタンの粉体抵抗値が105Ω・cmより小さくなると、下引き層としての抵抗値が低下し、下引き層が電荷ブロッキング層として機能し難い。例えば、アンチモンドープした酸化錫導電層などの導電処理を施した酸化チタンの粉体抵抗値は、100〜101Ω・cmと非常に低く、これを用いた下引き層は電気ブロッキング層として機能せず、感光体特性としての帯電性が悪化するので、使用することはできない。また、針状酸化チタンの粉体抵抗値が1010Ω・cm以上に大きくなると、すなわちバインダー樹脂の体積抵抗値と同等あるいはそれ以上になると、下引き層としての抵抗値が高過ぎて、光照射時に生成したキャリアの輸送が抑制阻止され、残留電位が上昇し易い。
したがって、針状酸化チタンの粉体抵抗値が上記の範囲に維持される限り、針状酸化チタンの表面は、未処理であっても、分散性や表面平滑性を向上させるために、Al2O3、SiO2およびZnOから選択される材料で被覆処理が施されていてもよい。
したがって、針状酸化チタンの粉体抵抗値が上記の範囲に維持される限り、針状酸化チタンの表面は、未処理であっても、分散性や表面平滑性を向上させるために、Al2O3、SiO2およびZnOから選択される材料で被覆処理が施されていてもよい。
本発明において大針状酸化チタン[A]として用いることができる酸化チタンとしては、例えば、表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−100)、表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−200)および表面未処理のルチル型酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−110)などが挙げられる。
本発明において小針状酸化チタン[B]として用いることができる酸化チタンとしては、例えば、表面未処理のルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)、表面Al2O3被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60)、表面SiO2被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60S)、表面Al2O3、SiO2被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60A)および表面未処理のルチル型酸化チタン(テイカ株式会社製、型番:MT−150A)、などが挙げられる。
本発明において小針状酸化チタン[B]として用いることができる酸化チタンとしては、例えば、表面未処理のルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)、表面Al2O3被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60)、表面SiO2被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60S)、表面Al2O3、SiO2被覆処理されたルチル型酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60A)および表面未処理のルチル型酸化チタン(テイカ株式会社製、型番:MT−150A)、などが挙げられる。
本発明の感光体の下引き層に含有されるバインダー樹脂としては、単一層で下引き層を形成する樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミドなどの樹脂材料やこれらの繰り返し単位のうち2種以上を含む共重合体樹脂、さらに、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどが挙げられ、これらの中でもポリアミドが特に好ましい。
バインダー樹脂は、下引き層の上に感光体層を形成する際に用いられる溶剤に対して溶解や膨潤などが起こらないことや、導電性支持体との接着性に優れ、可撓性を有することなどの特性が要求され、これらの条件にはポリアミドが適合する。
ポリアミド系樹脂の中でも、アルコール可溶性のポリアミドが好ましい。具体的には、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロンやN−アルコキシメチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させたタイプなどが挙げられる。
ポリアミド系樹脂の中でも、アルコール可溶性のポリアミドが好ましい。具体的には、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロンやN−アルコキシメチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的に変性させたタイプなどが挙げられる。
本発明において下引き層のバインダー樹脂として用いることができる樹脂としては、例えば、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM8000)、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM4000)、N−メトキシメチル化ナイロン樹脂(帝国化学産業株式会社製、型番:EF−30T、F−30、MF−30)などが挙げられる。
下引き層の形成方法としては、結着性樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法が挙げられる。具体的には、上記のポリアミドと針状酸化チタンを低級アルコールと有機溶剤の混合溶剤、好ましくは共沸組成溶剤中に分散し作製した下引き層用塗布液を導電性支持体上に塗布し乾燥することにより、下引き層を形成する。
上記の低級アルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールおよびn−ブチルアルコールなどが挙げられ、これら中でもメタノールが特に好ましい。
低級アルコールに有機溶剤を混合することにより、分散性が改善され、塗布液の経時変化によるゲル化という問題点が解決される。このような有機溶剤としては、例えば、環状エーテルなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
上記の低級アルコールとしては、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールおよびn−ブチルアルコールなどが挙げられ、これら中でもメタノールが特に好ましい。
低級アルコールに有機溶剤を混合することにより、分散性が改善され、塗布液の経時変化によるゲル化という問題点が解決される。このような有機溶剤としては、例えば、環状エーテルなどが挙げられる。
下引き層の膜厚は、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
下引き層用塗布液の分散方法としては、ペイントシェーカー、ボールミル、サンドミル、アトライター、振動ミルおよび超音波分散機などを用いた公知の方法が挙げられる。
また、下引き層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。
図1は本発明において用いることができる浸漬塗布装置の概略模式図であり、このような浸漬塗布装置を用いた浸漬法は、塗布液を満たした塗布槽に、導電性支持体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引き上げることにより塗布膜を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性およびコストの点で優れているために感光体を製造する場合に多く利用されている。装置については、実施例で詳しく説明する。
また、下引き層用塗布液の塗布方法としては、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法、浸漬法などの公知の方法が挙げられる。
図1は本発明において用いることができる浸漬塗布装置の概略模式図であり、このような浸漬塗布装置を用いた浸漬法は、塗布液を満たした塗布槽に、導電性支持体を浸漬した後、一定速度または逐次変化する速度で引き上げることにより塗布膜を形成する方法であり、比較的簡単で、生産性およびコストの点で優れているために感光体を製造する場合に多く利用されている。装置については、実施例で詳しく説明する。
導電性支持体としては、通常、この分野で用いられるものが用いられ、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレスおよびチタンなどの金属製ドラムおよびシート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンおよびポリスチレンなどの高分子材料や硬質紙上に金属箔ラミネートや金属蒸着処理を施したドラム、シートおよびシームレスベルトなどが挙げられる。
下引き層の上に形成される感光層の構造としては、電荷発生層と電荷輸送層との2層からなる機能分離型、およびこれらが分離されずに単一層で形成される単層型があるが、本発明の感光体はいずれであってもよい。
図2は機能分離型の感光体の概略断面図であり、この感光体は、導電性支持体1上に下引き層2が形成され、その上に電荷発生物質30を含む電荷発生層3および電荷輸送物質40を含む電荷輸送層4とからなる感光層5が積層された構造を有する。
以下、機能分離型の感光体について説明する。
図2は機能分離型の感光体の概略断面図であり、この感光体は、導電性支持体1上に下引き層2が形成され、その上に電荷発生物質30を含む電荷発生層3および電荷輸送物質40を含む電荷輸送層4とからなる感光層5が積層された構造を有する。
以下、機能分離型の感光体について説明する。
機能分離型の感光体では、下引き層上に電荷発生層が形成される。
電荷発生層に含有される電荷発生物質としては、当該分野で公知の化合物を用いることができる。例えば、クロロダイアンブルーなどのビスアゾ系化合物、ジブロモアンサンスロンなどの多環キノン系化合物、ペリレン系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化合物、アズレニウム塩系化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層に含有される電荷発生物質としては、当該分野で公知の化合物を用いることができる。例えば、クロロダイアンブルーなどのビスアゾ系化合物、ジブロモアンサンスロンなどの多環キノン系化合物、ペリレン系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化合物、アズレニウム塩系化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層の形成方法としては、真空蒸着で直接化合物を形成する方法および結着性樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法があるが、一般に後者の方法が好ましい。塗布による形成の場合、例えば、結着性樹脂溶液中への電荷発生物質の混合分散方法および塗布方法としては、下引き層と同様の方法が挙げられる。
結着性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂やこれらの繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
結着性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂やこれらの繰り返し単位のうち2つ以上を含む共重合体樹脂、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、これらの樹脂を溶解させる溶剤としては、例えば、塩化メチレン、2塩化エタンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmの範囲が好ましく、0.1〜1μm範囲がより好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmの範囲が好ましく、0.1〜1μm範囲がより好ましい。
次いで、電荷発生層上に電荷輸送層が形成される。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、オキサジアゾール系化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送液の形成方法としては、結着性樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法があり、その塗布方法としては、例えば、下引き層と同様の方法が挙げられる。結着性樹脂および樹脂を溶解させる溶剤としては、電荷発生層と同様のものが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
電荷輸送層に含有される電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、オキサジアゾール系化合物などが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
電荷輸送液の形成方法としては、結着性樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法があり、その塗布方法としては、例えば、下引き層と同様の方法が挙げられる。結着性樹脂および樹脂を溶解させる溶剤としては、電荷発生層と同様のものが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
単層型の感光体では、感光層が電荷発生物質と電荷輸送物質とを含む。
感光層の構成材料および形成方法は、下引き層および機能分離型の感光体の感光層と同様である。
この場合の感光層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
感光層の構成材料および形成方法は、下引き層および機能分離型の感光体の感光層と同様である。
この場合の感光層の膜厚は、5〜50μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲がより好ましい。
単層型(単層構造)、機能分離型(積層構造)のいずれの場合も、感光層は、下引き層が導電性支持体からのキャリア注入に対して障壁となり、かつ高感度、高耐久性を有するために、負帯電用の感光層が好ましい。
感光体の感度の向上、残留電位や繰り返し使用時の疲労低減などを目的として、感光層に少なくとも1種類以上の電子受容性物質を添加してもよい。電子受容性物質としては。例えば、パラベンゾキノン、クロラニル、テトラクロロ1,2−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、メチル1,4−ベンゾキノン、α−ナフトキノン、β−ナフトキノンなどのキノン系化合物、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、P−ニトロベンゾフェノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2−ニトロフルオレノンなどのニトロ化合物、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、4−(P−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジアノビニルベンゼン、4−(m−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジシアノビニルベンゼンなどのシアノ化合物などが挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系化合物や、Cl,CN,NO2などの電子吸引性の置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
また、感光層には、安息香酸、スチルベン化合物やその誘導体、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物およびその誘導体などの含窒素化合物類などのような紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有させてもよい。
感光体の感度の向上、残留電位や繰り返し使用時の疲労低減などを目的として、感光層に少なくとも1種類以上の電子受容性物質を添加してもよい。電子受容性物質としては。例えば、パラベンゾキノン、クロラニル、テトラクロロ1,2−ベンゾキノン、ハイドロキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、メチル1,4−ベンゾキノン、α−ナフトキノン、β−ナフトキノンなどのキノン系化合物、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、1,3,6,8−テトラニトロカルバゾール、P−ニトロベンゾフェノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2−ニトロフルオレノンなどのニトロ化合物、テトラシアノエチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン、4−(P−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジアノビニルベンゼン、4−(m−ニトロベンゾイルオキシ)−2’,2’ジシアノビニルベンゼンなどのシアノ化合物などが挙げられる。これらの中でも、フルオレノン系、キノン系化合物や、Cl,CN,NO2などの電子吸引性の置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
また、感光層には、安息香酸、スチルベン化合物やその誘導体、トリアゾール化合物、イミダゾール化合物、オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物およびその誘導体などの含窒素化合物類などのような紫外線吸収剤や酸化防止剤を含有させてもよい。
さらに、感光層には、必要に応じて感光層表面を保護するために保護層を設けてもよい。表面保護層には、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂が用いられ、この保護層は、上記のような紫外線防止剤、酸化防止剤、金属酸化物などの無機材料、有機金属化合物および電子受容性材料などを含んでいてもよい。
また、感光層および表面保護層には、必要に応じて二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、フタル酸エステルおよび塩素化パラフィンなどの可塑剤を混合して、加工性および可撓性を付与するような機械的物性の改良を施してもよく、シリコン樹脂などのレベリング剤を添加してもよい。
本発明の感光体は、反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に好適に用いることができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例および比較例では、図2に示される機能分離型の感光体を作製し、得られた感光体を評価したが、これに限定されず、単層型の構造を用いても同様の効果が得られる。
図2は、本発明の一実施形態である機能分離型の感光体の概略断面図である。この感光体は、導電性支持体1上に下引き層2が形成され、その上に電荷発生物質30を含む電荷発生層3および電荷輸送物質40を含む電荷輸送層4とからなる感光層5が積層された構造である。
実施例および比較例では、図2に示される機能分離型の感光体を作製し、得られた感光体を評価したが、これに限定されず、単層型の構造を用いても同様の効果が得られる。
図2は、本発明の一実施形態である機能分離型の感光体の概略断面図である。この感光体は、導電性支持体1上に下引き層2が形成され、その上に電荷発生物質30を含む電荷発生層3および電荷輸送物質40を含む電荷輸送層4とからなる感光層5が積層された構造である。
(実施例1)
大針状酸化チタン[A]として、表面処理なし、粉体抵抗値約3×105Ω・cm、長軸長さL=1.68μm、短軸長さS=0.13μm、アスペクト比13の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−100)4.5重量部、小針状酸化チタン[B]として、表面処理なし、粉体抵抗値約9×105Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)4.5重量部およびバインダー樹脂として、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM8000)9.0重量部を、メチルアルコール108重量部と1,3−ジオキソラン72重量部の混合溶剤に加えて混合し、ペイントシェーカーにて8時間分散させ、下引き層用塗布液を調製した。
大針状酸化チタン[A]として、表面処理なし、粉体抵抗値約3×105Ω・cm、長軸長さL=1.68μm、短軸長さS=0.13μm、アスペクト比13の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−100)4.5重量部、小針状酸化チタン[B]として、表面処理なし、粉体抵抗値約9×105Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60N)4.5重量部およびバインダー樹脂として、共重合ナイロン樹脂(東レ株式会社製、型番:CM8000)9.0重量部を、メチルアルコール108重量部と1,3−ジオキソラン72重量部の混合溶剤に加えて混合し、ペイントシェーカーにて8時間分散させ、下引き層用塗布液を調製した。
次に、図1に示す浸漬塗布装置を用いて、得られた下引き層用塗布液15に、導電性支持体1としての直径65mm、長さ348mmのアルミニウム製のドラム状導電性支持体11を浸漬し、ドラム状導電性支持体11の表面に下引き層用塗布液15を塗布して、下引き層2とした。
図1は、感光体を製造するために用いる浸漬塗布装置の一例であり、ドラム状導電性支持体11、ドラム状導電性支持体装着具12、モーター13、塗布槽14、下引き層用塗布液15、ポンプ16、攪拌槽17および攪拌棒18からなる。
図1は、感光体を製造するために用いる浸漬塗布装置の一例であり、ドラム状導電性支持体11、ドラム状導電性支持体装着具12、モーター13、塗布槽14、下引き層用塗布液15、ポンプ16、攪拌槽17および攪拌棒18からなる。
次に、電荷発生物質30として、Cu−Kα特性X線(波長:1.54Å)によるX線回折スペクトルが少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)27.2°に明確な回折ピークを示す結晶型のオキソチタニルフタロシアニン結晶2重量部と、ブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製:エスレックBM−2)1重量部と、メチルエチルケトン97重量部とを混合し、ペイントシェーカーにて分散して電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布液を、下引き層2の場合と同様の浸漬塗布法にて前述の下引き層2上に塗布し、自然乾燥して層厚0.4μmの電荷発生層3を得た。
次に、電荷輸送物質40として、下記の化合物1を5.0重量部、バインダー樹脂として、ポリカーボネート樹脂(TS2050:帝人化成株式会社製)8.0重量部を混合し、テトラヒドロフラン47重量部を溶剤とし、電荷輸送層用塗布液を調製した。次いで、図1の浸漬塗布装置を用いて、得られた電荷輸送層用塗布液に、ドラム状導電性支持体11を浸漬し、電荷発生層3上に電荷輸送層用塗布液を塗布した。次いで、塗布膜を120℃の熱風で1時間乾燥させて乾燥膜厚24μmの電荷輸送層4を得、図2に示す機能分離型の感光体を完成させた。
このようにして作製した感光体を市販のデジタル複写機(AR-5130:シャープ社製)を改造した実験機に搭載して、現像部での感光体表面電位、具体的には帯電性をみるために露光プロセスを除いた暗中での感光体表面電位V0と、感度をみるために露光時の黒地部分の感光体表面電位VLとを測定した。これら感光体特性を初期および30000万回繰り返し後(30000枚耐刷後)について、それぞれ5℃/20%RHの低温/低湿(以下「L/L」と略す)、25℃/60%RHの常温/常湿(以下「N/N」と略す)、35℃/85%RHの高温/高湿(以下「H/H」と略す)の環境下で測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例2)
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約6×105Ω・cm、長軸長さL=2.86μm、短軸長さS=0.21μm、アスペクト比14の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−200)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約6×105Ω・cm、長軸長さL=2.86μm、短軸長さS=0.21μm、アスペクト比14の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−200)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例3)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約7×105Ω・cm、長軸長さL=0.1μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比10の酸化チタン(テイカ株式会社製、型番:MT−150A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約7×105Ω・cm、長軸長さL=0.1μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比10の酸化チタン(テイカ株式会社製、型番:MT−150A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例4)
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100[A1]2.25重量部とFTL−200[A2]2.25重量部とを用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100[A1]2.25重量部とFTL−200[A2]2.25重量部とを用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(実施例5)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60[B1]2.25重量部とMT−150A[B2]2.25重量部とを用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60[B1]2.25重量部とMT−150A[B2]2.25重量部とを用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例1)
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約9×105Ω・cm、長軸長さL=5.15μm、短軸長さS=0.27μm、アスペクト比19の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−300)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約9×105Ω・cm、長軸長さL=5.15μm、短軸長さS=0.27μm、アスペクト比19の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−300)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例2)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約5×106Ω・cm、長軸長さL=0.02μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比2の酸化チタン(試作品A、テイカ株式会社製、型番:MT−100S(ラウリン酸Al処理)の表面未処理品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約5×106Ω・cm、長軸長さL=0.02μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比2の酸化チタン(試作品A、テイカ株式会社製、型番:MT−100S(ラウリン酸Al処理)の表面未処理品)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
(比較例3)
粒状酸化チタン[B]として、STR−60の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約5×105Ω・cm、粒径0.03μmの酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55N)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
粒状酸化チタン[B]として、STR−60の代わりに、表面処理なし、粉体抵抗値約5×105Ω・cm、粒径0.03μmの酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:TTO−55N)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表1に、得られた結果を表2に示す。
表1および表2の結果から、本発明の数値範囲にある、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを含む実施例1〜5の感光体は、良好な感光体特性を示し、各環境において優れた繰り返し安定性を有することがわかる。一方、本発明の数値範囲より大きな針状酸化チタンを用いた比較例1の感光体は、3万回繰り返し後の感光体表面電位V0が悪化し、本発明の数値範囲より小さな針状酸化チタンを用いた比較例2の感光体および粒状の酸化チタンを用いた比較例3の感光体は、初期の感光体表面電位VLが悪化し、また3万回繰り返し後の感光体表面電位VLはさらに悪化することがわかる。
(実施例6〜9)
大針状酸化チタン[A]としてのFTL−100と小針状酸化チタン[B]としてのSTR−60N[B]との配合比[A]/[B]を70/30、30/70、90/10および10/90とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
大針状酸化チタン[A]としてのFTL−100と小針状酸化チタン[B]としてのSTR−60N[B]との配合比[A]/[B]を70/30、30/70、90/10および10/90とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
(比較例4、5)
大針状酸化チタン[A]としてのFTL−100と小針状酸化チタン[B]としてのSTR−60N[B]との配合比[A]/[B]を95/5および5/95とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
大針状酸化チタン[A]としてのFTL−100と小針状酸化チタン[B]としてのSTR−60N[B]との配合比[A]/[B]を95/5および5/95とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
(実施例10〜13)
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を35/65、70/30、10/90および99/1とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を35/65、70/30、10/90および99/1とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
(比較例6)
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を5/95とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を5/95とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
(比較例7)
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を100/0とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製しようとしたが、下引き層が成膜できなかった。
大針状酸化チタン[A]と小針状酸化チタン[B]との合計量[A]+[B]と、バインダー樹脂としてのCM8000との配合比[P]/[R]を100/0とすること以外は、実施例1と同様にして感光体を作製しようとしたが、下引き層が成膜できなかった。
(比較例8)
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面SnO2(SBドープ)導電処理、粉体抵抗値約1×101Ω・cm、長軸長さL=1.68μm、短軸長さS=0.13μm、アスペクト比13の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−1000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
大針状酸化チタン[A]として、FTL−100の代わりに、表面SnO2(SBドープ)導電処理、粉体抵抗値約1×101Ω・cm、長軸長さL=1.68μm、短軸長さS=0.13μm、アスペクト比13の酸化チタン(石原産業株式会社製、型番:FTL−1000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表3に、得られた結果を表4に示す。
表3および表4の結果から、本発明の数値範囲にある、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを配合比[A]/[B]=90/10〜10/90で含む実施例6〜9の感光体は、良好な感光体特性を示し、各環境において優れた繰り返し安定性を有することがわかる。一方、配合比[A]/[B]が本発明の数値範囲より大きな比較例4の感光体は、3万回繰り返し後の感光体表面電位V0が悪化し、配合比[A]/[B]が本発明の数値範囲より小さな比較例5の感光体は、初期の感光体表面電位VLが悪化し、また3万回繰り返し後の感光体表面電位VLはさらに悪化することがわかる。比較例5の感光体は、モアレが発生した。
また、本発明の数値範囲にある、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタンを含み、針状酸化チタンとバインダー樹脂とを配合比[P]/[R]=10/90〜99/1で含む実施例11〜13の感光体は、良好な感光体特性を示し、各環境において優れた繰り返し安定性を有することがわかる。一方、配合比[P]/[R]が本発明の数値範囲より小さな比較例6の感光体は、初期の感光体表面電位VLが悪化し、また3万回繰り返し後の感光体表面電位VLはさらに悪化し、配合比[P]/[R]が本発明の数値範囲より大きな比較例7の感光体は、成膜が困難になることがわかる。さらに、表面に導電処理を施した針状酸化チタンを用いた比較例8の感光体は、初期の感光体表面電位V0が低下し、3万回繰り返し後の感光体表面電位VLが顕著に悪化することがわかる。比較例8の感光体は、帯電しなくなった。
(実施例14)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面Al2O3被覆処理、粉体抵抗値約1.2×107Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面Al2O3被覆処理、粉体抵抗値約1.2×107Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
(実施例15)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面SiO2被覆処理、粉体抵抗値約3.1×105Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面SiO2被覆処理、粉体抵抗値約3.1×105Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60S)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
(実施例16)
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面Al2O3、SiO2被覆処理、粉体抵抗値約3.5×106Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
小針状酸化チタン[B]として、STR−60Nの代わりに、表面Al2O3、SiO2被覆処理、粉体抵抗値約3.5×106Ω・cm、長軸長さL=0.05μm、短軸長さS=0.01μm、アスペクト比5の酸化チタン(堺化学工業株式会社製、型番:STR−60A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
大針状酸化チタン[A]、小針状酸化チタン[B]およびバインダー樹脂の種類、寸法、物性および配合比を表5に、得られた結果を表6に示す。
表3および表4の結果から、Al2O3および/またはSiO2で表面被覆処理を施した針状酸化チタンを用いた実施例14〜16)の感光体は、良好な感光体特性を示し、各環境において優れた繰り返し安定性を有することがわかる。
(比較例9)
バインダー樹脂として、CM8000の代わりに、ブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、型番:3000K)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
バインダー樹脂として、CM8000の代わりに、ブチラール樹脂(電気化学工業株式会社製、型番:3000K)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして感光体を作製し、感光体特性を測定した。
比較例9の感光体は、電荷発生層用塗布液の浸漬塗布時に、電荷発生層用塗布液の溶剤に下引き層が溶解し、電荷発生層の塗布膜にタレやムラが発生した。そして、これらの塗布ムラに起因する画像ムラが生じた。特に、いずれの環境下においても2万回繰返し後に画像ムラがに現れた。
1 導電性支持体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 感光層
11 ドラム状導電性支持体
12 ドラム状導電性支持体装着具
13 モーター
14 塗布槽
15 下引き層用塗布液
16 ポンプ
17 攪拌槽
18 攪拌棒
30 電荷発生物質
40 電荷輸送物質
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 感光層
11 ドラム状導電性支持体
12 ドラム状導電性支持体装着具
13 モーター
14 塗布槽
15 下引き層用塗布液
16 ポンプ
17 攪拌槽
18 攪拌棒
30 電荷発生物質
40 電荷輸送物質
Claims (4)
- 導電性支持体上に順次形成された下引き層と感光層とを備え、
前記下引き層が、2種類以上の異なる大きさの針状酸化チタン[P]およびバインダー樹脂[R]を含有し、これらの配合比(重量)[P]/[R]が10/90〜99/1であり、
前記針状酸化チタンのアスペクト比の平均値が1.5〜300であり、
前記針状酸化チタンのプレス圧力100kg/cm2の圧粉体での体積抵抗値が105〜1010Ω・cmであり、
前記針状酸化チタンが、短軸の長さが0.03〜0.25μmであり、かつ長軸の長さ0.1〜5μmである大針状酸化チタン[A]と、短軸の長さが0.01〜0.06μmであり、かつ長軸の長さが0.03〜0.3μmである小針状酸化チタン[B]とを含有し、これらの配合比(重量)[A]/[B]が90/10〜10/90である
ことを特徴とする電子写真感光体。 - 前記針状酸化チタンの表面が、未処理であるか、またはAl2O3、SiO2およびZnOから選択される材料で被覆処理が施されてなる請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記バインダー樹脂が、アルコール可溶性のポリアミドである請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 反転現像プロセスによる画像を形成する画像形成装置に用いられる請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
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US20140038094A1 (en) * | 2012-08-06 | 2014-02-06 | Konica Minolta, Inc. | Electrophotographic photoconductor and image forming apparatus |
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JP2015004720A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-01-08 | コニカミノルタ株式会社 | 有機感光体の製造方法 |
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-
2006
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