JP2002287395A - 電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体および電子写真装置

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JP2002287395A
JP2002287395A JP2001088464A JP2001088464A JP2002287395A JP 2002287395 A JP2002287395 A JP 2002287395A JP 2001088464 A JP2001088464 A JP 2001088464A JP 2001088464 A JP2001088464 A JP 2001088464A JP 2002287395 A JP2002287395 A JP 2002287395A
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electrophotographic
photosensitive member
titanium oxide
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Sayaka Fujita
さやか 藤田
Masanori Matsumoto
雅則 松本
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
Satoshi Katayama
聡 片山
Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Arihiko Kawahara
在彦 川原
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性支持体として安価なポートホール管を
用いた積層型の電子写真感光体、および、前記電子写真
感光体を使用した電子写真装置を提供する。 【解決手段】 積層型の感光層を有する電子写真感光体
1において、導電性支持体にはポートホール管(継ぎ目
あり管)2を用い、ポートホール管2と感光層4との間
には酸化チタンとポリアミド樹脂とを含有する下引き層
3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザー
プリンタなどの電子写真装置に使用される電子写真感光
体および該電子写真感光体を備える電子写真装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真装置に搭載される電子
写真感光体には、アルミニウムなどから成る円筒状の導
電性支持体が使用されている。また、特性安定性、低コ
スト性、易廃棄性などを実現するために該導電性支持体
の外表面に有機感光層を形成した有機感光体が広く用い
られている。
【0003】かかる有機感光体として、感光層が光導電
性機能を発揮するのに重要な要素である電荷発生機能と
電荷輸送機能とをそれぞれ別個の物質に分担させる感光
体が提案されており、かかる感光層には、単層型と積層
型とがある。ここで、単層型とは、感光層が単一の層か
ら成り、電荷発生物質と電荷輸送物質とがその単一層に
混ざり合って分散されている感光層を指し、積層型とは
感光層が複数の層から成り、電荷発生物質が電荷発生層
に、電荷輸送物質が電荷輸送層に各々分散されている感
光層を指す。
【0004】上述した円筒状の導電性支持体は、100
0(純アルミニウム)系、3000(Al−Mn)系、
5000(Al−Mg)系、6000(Al−Mg−S
i)系などのアルミニウムまたはアルミニウム合金が材
料として用いられ、それらを圧延、押出し加工などによ
り円筒形状(ドラム状またはシリンダー状)に成形する
ことで製造される。
【0005】具体的には、深絞り加工によってカップ
状に加工し、次いでカップ状の壁をしごき加工によって
伸ばすことで底つき円筒を製造する方法(DI法)、
衝撃押出し加工によってカップ状に加工し、次いでカッ
プ状の壁をしごき加工によって伸ばすことで底つき円筒
を製造する方法(II法)、押出し加工によって得ら
れた円筒をしごき加工によって伸ばし、薄肉円筒を製造
する方法(EI法)、押出し加工の後、さらに引抜き
加工を行って薄肉円筒を製造する方法(ED法)、上
記〜の方法で得られた円筒をさらに切削加工する方
法などが知られている。これらの中で、EI法、ED
法、およびEI法あるいはED法で得られた円筒にさら
に切削加工を施す方法では、これらの中間工程において
押出し加工が用いられている。
【0006】かかる押出し加工によって中空パイプ(円
筒)を製造する方式として、マンドレル方式およびポー
トホール方式が知られている。マンドレル方式は、押出
し機のステムの先端にマンドレルを取り付け、これを中
子として中空パイプを製造する方式であるが、中空パイ
プに偏肉が生じやすい点、薄肉化が困難な点などの欠点
を有する。一方、ポートホール方式は、金型の中で一旦
材料のメタル(金属)が分離された後再び合体して中空
パイプを製造する方式であり、中空パイプの偏肉の度合
および薄肉化についてはマンドレル方式よりも優れてい
る。しかし、一旦分離されたメタルが再び合体した跡
(継ぎ目、ウェルドライン)が残るという欠点を有す
る。このウェルドラインは、画像に筋状模様の欠陥を引
き起こす原因となる。
【0007】この画像欠陥は、ウェルドライン部の帯電
の不均一によるものと考えられている。ポートホール方
式により製造されたポートホール管は、継ぎ目部分のア
ルミニウムの成分が他の部分と異なるため、その継ぎ目
部分の仕事関数が他の部分の仕事関数と異なっている。
よって、ポートホール管と電荷発生物質との接触部分に
おいて、ポートホール管から電荷発生層へ電荷が注入さ
れやすくなり、電荷が保持されないために表面電位が低
下する。したがって、ポートホール管の継ぎ目に相当す
る部分が筋状の画像欠陥となって現れることになる。
【0008】そのため、かかる画像欠陥を防ぎ、ポート
ホール管を導電性支持体として用いるためには、ポート
ホール管と感光層との界面における電荷発生物質の濃度
を低く抑え、ポートホール管と電荷発生物質の接触面積
を減少させることによって、ポートホール管から電荷発
生層への電荷の注入を抑える必要がある。
【0009】従来技術として、ポートホール管を用いて
も、ウェルドラインが画像に現れず、かつ感度も従来と
比べ向上した単層型電子写真感光体が特開2000−2
50242号公報に開示されている。
【0010】かかる単層型電子写真感光体では、電荷発
生物質が感光層全体に均一に低濃度で分散されているた
め、ポートホール管と電荷発生物質との接触面積が小さ
くなっている。これによって、ポートホール管の継ぎ目
部分による電位の低下が無視できるほど小さくなり、結
果としてウェルドラインが画像に現れることがない。
【0011】しかし、電子写真感光体の高感度化が望ま
れる近年、単層型電子写真感光体の高感度化を達成する
ためには、感光層中の電荷発生物質の濃度を高くしなけ
ればならないが、電荷発生物質を高濃度にすると、電荷
発生物質と電荷輸送物質との間の距離が小さくなってし
まう。その結果、感光層の抵抗が下がってしまい、感光
層としての機能を果たさなくなる。このように、単層型
の感光層に含ませることができる電荷発生物質の量には
上限があるので、単層型電子写真感光体の高感度化は困
難である。
【0012】これに比べ積層型電子写真感光体は、電荷
発生物質と電荷輸送物質とが同じ層に存在しないため、
電荷発生物質の濃度を高くしても感光層全体の抵抗が下
がることはない。また、繰返し使用する場合において
も、最外層が、ある程度の強度と厚みを持つ電荷輸送層
であるため、かかる感光体は安定した性能を維持するこ
とができるなどの利点を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、積層型
電子写真感光体は、感度との兼ね合いで電荷発生物質を
電荷発生層に高濃度に分散させなければならないため、
導電性支持体と電荷発生物質の接触面積が大きくなり、
導電性支持体から電荷発生層への電荷の注入が生じやす
いという欠点も有している。そのため、ポートホール管
は安価であるにもかかわらず、その継ぎ目が画像欠陥の
原因となるために積層型電子写真感光体では使用されて
いないのが現状である。
【0014】本発明の目的は、導電性支持体として安価
なポートホール管を用いた積層型の電子写真感光体、お
よび、前記電子写真感光体を使用した電子写真装置を提
供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に少なくとも電荷発生層と電荷輸送層を含む積層型の
感光層を有する電子写真感光体において、前記導電性支
持体がポートホール管(継ぎ目あり管)であり、前記導
電性支持体と前記感光層との間には無機顔料を含有する
下引き層が設けられていることを特徴とする電子写真感
光体である。
【0016】本発明に従えば、前記ポートホール管と前
記感光層との間には下引き層が設けられているため、電
荷発生物質との接触部分において、ポートホール管から
電荷発生層へ電荷が注入されにくくなる。これによっ
て、感光層の表面電位が低下しないため、積層型電子写
真感光体において、導電性支持体としてポートホール管
を使用することができる。また、前記下引き層には無機
顔料を含むため、下引き層の抵抗が抑えられる。
【0017】また本発明は、前記下引き層に含有されて
いる無機顔料が酸化チタンであることを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、前記下引き層に含有され
ている無機顔料が酸化チタンであるので、下引き層の抵
抗がより抑えられる。
【0019】また本発明は、前記下引き層に含有されて
いる無機顔料と結着樹脂との重量比が無機顔料/結着樹
脂=50/50〜95/5であることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、前記下引き層に含有され
ている無機顔料と結着樹脂との重量比が無機顔料/結着
樹脂=50/50〜95/5であるので、高感度の積層
型電子写真感光体を作製するのに最適な下引き層用塗布
液を得ることができ、ポートホール管の継ぎ目が原因の
画像欠陥を確実に被覆できる下引き層を形成できる。
【0021】また本発明は、前記下引き層に含有されて
いる結着樹脂がアルコールに可溶のポリアミド樹脂であ
ることを特徴とする。
【0022】本発明に従えば、結着樹脂としてアルコー
ルに可溶のポリアミド樹脂を用いるので、下引き層とポ
ートホール管との接着性をより高めることができる。
【0023】また本発明は、前記下引き層の膜厚が0.
5μm〜5μmの範囲であることを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、前記下引き層の膜厚が
0.5μm〜5μmの範囲であるので、効果的にポート
ホール管から電荷発生層への電荷の注入を防止すること
ができる。
【0025】また本発明は、前記電子写真感光体を備
え、前記電子写真感光体を半導体レーザー光またはLE
D光で露光することを特徴とする電子写真装置である。
【0026】本発明に従えば、画像欠陥のない画像を出
力でき、繰返し使用時においても安定した品質の画像を
出力できる電子写真装置を提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態で
ある積層型電子写真感光体1の断面図である。電子写真
感光体1は、ポートホール管2、該ポートホール管2の
表面上に形成されている下引き層3および該下引き層3
の表面上に形成されている感光層4から成る。また、該
感光層4は、電荷発生物質5を含む電荷発生層6と、電
荷輸送物質7を含む電荷輸送層8との積層構造から成
る。
【0028】まず、ポートホール管2について説明す
る。ポートホール管2の材料としては、1000(純ア
ルミニウム)系、3000(Al−Mn)系、5000
(Al−Mg)系、6000(Al−Mg−Si)系な
どのアルミニウムまたはアルミニウム合金が用いられ
る。
【0029】これらの材料を用いたポートホール管2
は、押出し加工、引抜き加工(もしくは絞り加工)、切
断および外面切削加工の各工程によって製造される。か
かる各工程における加工の条件は、従来普通に行われて
いる範囲内の条件で行う。
【0030】押出し加工は、偏肉の度合および薄肉化に
優れているポートホール方式である。また、引抜き加工
は、高精度のポートホール管2を得るために行われる。
かかる引抜き加工の加工率(加工前の長さに対する加工
後の長さの比率)は、通常1.1〜1.4である。この
引抜き加工は、内径側にプラグ、外径側にダイと呼ばれ
る金型を設置し、内径と外径を同時に引き伸ばすことで
行われるが、この内側と外側の加工率のバランスが悪い
と残留応力の原因となる。
【0031】切断は、ポートホール管2を所定の長さに
揃えるために行われるが、切断によって生ずる端面の外
側端縁または内側端縁に、切断時に発生したバリが残る
ことがあり、これが以降の加工に障害となるおそれがあ
る。したがって、切断後に外面切削加工の工程として、
ポートホール管2の端面の外側および内側に、0.2m
m程度のC面取りを行う。
【0032】ポートホール管2の肉厚は、コストおよび
電子写真装置全体の軽量化の点から、好ましくは2mm
以下、より好ましくは1mm以下の範囲である。また、
偏肉は、上述した切削加工を行うためにも、好ましくは
0.05mm以下、より好ましくは0.03mm以下で
ある必要がある。
【0033】次に、下引き層3について説明する。下引
き層3は、ポートホール管2の継ぎ目部分とその他の部
分の仕事関数の差をなくし、ポートホール管2と電荷発
生物質5との接触部分において、ポートホール管2から
電荷発生層6への電荷の注入を防ぐために形成される。
この下引き層3を設けることにより、ポートホール管2
の継ぎ目部分が原因となる画像欠陥が生じなくなるとと
もに、ポートホール管2の表面にあるその他の欠陥の被
覆、感光層の帯電性の改善、ポートホール管2と感光層
4との接着性の向上なども達成できる。
【0034】下引き層3は、溶媒中に結着樹脂と無機顔
料とを混合した塗布液を、ポートホール管2へ塗布して
形成される。溶媒中に結着樹脂と無機顔料とを混合して
分散する方法としては、ボールミル、サンドグライン
ダ、ペイントシェーカー、超音波分散機などを使用する
方法が挙げられる。また、このように分散して調製され
た下引き層用塗布液をポートホール管2へ塗布する方法
としては、スプレー法、垂直型リング法、浸漬塗工法な
どが挙げられる。
【0035】下引き層3の膜厚は、好ましくは0.01
μm以上10μm以下、より好ましくは0.5μm以上
5μm以下の範囲である。下引き層3の膜厚を0.01
μm以上とするのは、0.01μmより薄くすると、ポ
ートホール管2の表面欠陥を充分に被覆することができ
ず、均一な表面性を得ることができなくなるからであ
り、ポートホール管2から電荷発生層6への電荷の注入
を効果的に防止できず、帯電性が低下するからである。
また、下引き層3の膜厚を10μm以下とするのは、1
0μmより厚くすると、成膜が困難となって、下引き層
3の機械的強度が低下するからであり、下引き層3の抵
抗も大きくなるので光照射時に生成した電荷の輸送が阻
害されて残留電位が上昇するからである。
【0036】下引き層3に含まれる無機顔料としては、
下引き層用塗布液への分散性が優れていること、分散し
た場合の該塗布液の安定性が優れていることなどを考慮
し、酸化チタンを用いる。
【0037】前記酸化チタンは、下引き層3の抵抗を下
げるために添加される。かかる酸化チタンを添加せずに
結着樹脂のみで下引き層3を形成させることもできる
が、結着樹脂のみで下引き層3を形成すると、ポートホ
ール管2の継ぎ目部分が原因となる画像欠陥などを被覆
するには膜厚が厚くなる。その結果、下引き層3自体の
抵抗が大きくなるので、繰返し使用時において残留電位
が上昇してしまう。これを改善するには下引き層3の膜
厚を薄くしなければならないが、下引き層3の膜厚を薄
くすると、逆にポートホール管2上に存在する欠陥を被
覆できなかったり、光源として用いるレーザー光とポー
トホール管2とが干渉して新たな画像欠陥(モアレ)を
引き起こしてしまうことになる。よって、酸化チタンを
下引き層3に含ませることによって、ある程度の膜厚を
有しながら最適の抵抗を有する下引き層3を形成させる
ことができる。
【0038】酸化チタンの形状は、粒状であってもよい
が、特に棒状、柱状および紡錘状などの細長い針状形状
であることが好ましい。粒状の酸化チタンを用いた下引
き層3と針状の酸化チタンを用いた下引き層3とを比較
すると、酸化チタンの含有率を同一とした場合、針状の
酸化チタンを用いた下引き層3の方が抵抗値は低くな
る。これは、粒状の酸化チタンに比べ針状の酸化チタン
の方が、酸化チタン同士の接触の機会が比較的多くなる
ので、下引き層3の抵抗を下げる効果をより発揮できる
からであると考えられる。よって、針状の酸化チタンを
用いれば、含有量を少なくしても、下引き層3の膜厚を
厚くできるため、繰返し使用時の残留電位の上昇を引き
起こさない程度の抵抗を有し、かつポートホール管2の
表面欠陥をより確実に被覆できる、表面平滑性の高い下
引き層3を得ることができる。
【0039】また、酸化チタンの含有量を少なくできる
ことによって、下引き層3の膜強度および下引き層3と
ポートホール管2との接着性を向上させることができ、
使用環境に対する特性の向上、特に低温低湿度下におけ
る残留電位の上昇を抑制することができる。さらに、粒
状の酸化チタンを使用した場合よりも長期間にわたる繰
返し使用による電気的特性および画像特性の劣化を低減
できるため、針状の酸化チタンを用いれば、より優れた
安定性を有する電子写真感光体1を得ることができる。
【0040】酸化チタンの表面は、カップリング剤など
によって予め表面処理を施されていてもよい。カップリ
ング剤によって表面処理することにより、酸化チタンが
凝集しにくくなり、ゲル化しにくい下引き層用塗布液を
調製できるため、該塗布液の分散性や保存安定性が向上
する。したがって、均質な下引き層3を得ることがで
き、下引き層3の作製にかかる製造コストの低減を図る
ことができる。
【0041】前記カップリング剤の添加量は、酸化チタ
ンの種類や形状によって適宜選ばれるが、好ましくは酸
化チタンの0.01重量%〜30重量%の範囲、より好
ましくは酸化チタンの0.1重量%〜20重量%の範囲
である。かかる範囲とするのは、添加量が酸化チタンの
0.01重量%よりも少なくなるとカップリング剤によ
る表面処理効果が得られないからである。また、添加量
を酸化チタンの30重量%より多くしても得られる表面
処理効果にほとんど変わりがないからである。
【0042】酸化チタンの結晶形状としては、アナター
ゼ型、ルチル型、アモルファス型などが挙げられるが、
いずれの結晶形状の酸化チタンを用いてもよい。また、
いずれか1つの結晶形状を有する酸化チタンに限定され
ず、異なった結晶形状を有する酸化チタンを複数混合し
て用いてもよい。
【0043】下引き層3に含まれる結着樹脂としては、
下引き層3の上に形成される感光層4に用いられる溶媒
に対して溶解および膨潤しないこと、ポートホール管2
との接着性に優れていること、適度な可撓性が得られる
こと、塗布液の分散安定性や保存安定性が優れているこ
となどを考慮し、ポリアミド樹脂を用いる。その中でも
アルコール可溶性のナイロンが好ましい。アルコール可
溶性のナイロンとしては、共重合ナイロン(6−ナイロ
ン、66−ナイロン、610−ナイロン、11−ナイロ
ン、12−ナイロンなどを共重合させたナイロン)、化
学的に変性させた変性ナイロン(N−アルコキシメチル
変性ナイロンおよびN−アルコキシエチル変性ナイロン
など)などが挙げられる。
【0044】酸化チタンとポリアミド樹脂との混合比
は、好ましくは酸化チタン/ポリアミド樹脂=50/5
0〜98/2、より好ましくは50/50〜95/5で
ある。酸化チタンとポリアミド樹脂との混合物を100
部とした場合に、ポリアミド樹脂を50部以下とするの
は、ポリアミド樹脂が50部よりも多いと、下引き層用
塗布液の増粘が生じたり、塗工性や繰返し特性が悪くな
るなどの問題が起こるからである。また、ポリアミド樹
脂を2部以上とするのは、ポリアミド樹脂が2部より少
ないと、酸化チタンが98部よりも多いことになり、下
引き層3の抵抗の低下による繰返し特性の悪化、分散性
の悪化などの問題が起こるからである。
【0045】溶媒に対する固形分の割合は、5%〜15
%が好ましい。5%以上とするのは、固形分の割合が5
%より小さいと、所定の膜厚を得るためのWet膜厚が
大きくなるので、生産性を考慮して沸点の低い溶媒を使
う必要があるが、逆に蒸発が速すぎてブラッシングが生
じるからである。また、15%以下とするのは、固形分
の割合が15%より大きいと、下引き層用塗布液が増粘
してしまい、長期にわたる前記塗布液の保存性が低下す
るからである。
【0046】なお無機顔料としては、酸化チタンの代わ
りに、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムなどを用い
てもよい。
【0047】また結着樹脂として、ポリアミド樹脂の代
わりに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン
樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアミ
ドなどを用いてもよいし、これらの樹脂の繰返し単位の
うちの2以上を含む共重合体を用いてもよい。また、カ
ゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセル
ロースなどを用いてもよい。
【0048】次に、電荷発生層6について説明する。電
荷発生層6は、適当な溶媒中に結着樹脂とともに電荷発
生物質5を粉砕・分散させた電荷発生層用塗布液を、下
引き層3の表面上に塗布して形成する。電荷発生層用塗
布液を調製する方法および該塗布液を下引き層3に塗布
して電荷発生層6を形成する方法には、上述した下引き
層3と同様の方法が挙げられる。また、真空蒸着法、ス
パッタリング、CVDなどの気相堆積法などによって電
荷発生層6を形成してもよい。
【0049】電荷発生層6の膜厚は、好ましくは0.0
5μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜1μmの
範囲である。
【0050】電荷発生物質としては、光を吸収して自由
電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料およ
び有機染料のいずれを用いてもよいが、本発明の実施の
形態では有機顔料、有機染料などの有機光導電性化合物
を用いる。
【0051】有機顔料としては、フタロシアニン系化合
物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多環キノン
系化合物、ペリレン系化合物などが挙げられる。かかる
有機顔料の中で好ましいのはフタロシアニン系化合物で
あり、その中でも特に良好な感度特性、帯電特性、およ
び繰返し特性が得られるのは、チタニルフタロシアニン
化合物である。有機染料としては、チアピリリウム塩、
スクアリリウム塩などが挙げられる。
【0052】無機顔料としては、セレンおよびその合
金、ヒ素−セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、アモル
ファスシリコンおよびその他の無機光導電性物質が挙げ
られる。
【0053】電荷発生層6の結着樹脂としては、ポリア
リレート、ポリビニルブチラ−ル、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノ
キシ、エポキシ、シリコーン、ポリアクリレートなどが
挙げられる。
【0054】電荷発生層6に用いられる溶媒としては、
イソプロピルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘ
キサン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチル
ケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラ
ン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジク
ロロメタン、ジクロロエタン、モノクロルベンゼン、エ
チレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる
が、これら以外の溶媒でもよく、アルコール系、ケトン
系、アミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、
塩素化炭化水素系、芳香族系のいずれの系の溶媒を用い
てもよい。かかる溶媒の中でも、電荷発生物質5の粉砕
およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、および
ポットライフによる特性低下を考慮した場合、顔料同士
で結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−
ジメトキシエタン、メチルエチルケトンおよびテトラヒ
ドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。また、
上述した溶媒を単独で用いてもよいし、2種以上を混合
して用いてもよい。
【0055】次に、電荷輸送層8について説明する。電
荷輸送層8は、適当な溶媒中に結着樹脂とともに電荷輸
送物質7を溶解または分散させた電荷輸送層用塗布液
を、電荷発生層6の表面上に塗布して形成される。
【0056】電荷輸送層用塗布液の調製方法としては、
一種または数種の電荷輸送物質7および結着樹脂を計量
し、所定量の溶媒に同時に溶解させて調製する方法でも
よいが、まず結着樹脂を溶媒中に溶解させた後に電荷輸
送物質7を加えて溶解させる方法が好ましい。後者の方
法によれば、結着樹脂に対する電荷輸送物質7の分子分
散性が向上され、電荷輸送層8中での潜在的かつ局所的
な電荷輸送物質7の結晶化が抑制される。よって、繰返
し使用時の電位安定性、良好な画像特性などを有する初
期感度の向上した電子写真感光体1が得られる。
【0057】前記塗布液を電荷発生層6に塗布して電荷
輸送層8を形成する方法としては、上述した下引き層3
と同様の方法が挙げられるが、生産性やコスト面を考慮
すると浸漬塗工法が好ましい。
【0058】電荷輸送層8の膜厚は、10μm〜50μ
mであり、好ましくは10μm〜35μmの範囲であ
る。
【0059】電荷輸送層8に用いられる結着樹脂および
溶媒としては、上述した電荷発生層6と同様のものが用
いられる。結着樹脂の量としては、電荷輸送物質7の1
00重量部に対して50〜300重量部、好ましくは1
00〜200重量部である。
【0060】また電荷輸送層8には必要に応じて、酸化
防止剤、可塑剤、レベリング剤を添加してもよい。レベ
リング剤としては、シリコンオイル類、側鎖にパーフル
オロアルキル基を有するポリマー、オリゴマーなどが使
用できる。レベリング剤の使用量としては、結着樹脂1
00重量部に対し1重量部以下が好ましい。
【0061】以下に本発明を実施例により説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0062】(実施例1)JIS3003合金をポート
ホール方式による押出し加工および引抜き加工を施すこ
とで薄肉円筒を形成し、該薄肉円筒を切断して、外径3
0.0mmφ、内径29.0mmφ、長さ326.3m
m、偏肉0.03mmのポートホール管を作製した。
【0063】次に、下記成分の混合液をペイントシェー
カーで10時間分散処理して下引き層用塗布液を調製し
た。この塗布液を、上述したように作製したポートホー
ル管の外表面上に、膜厚1μmとなるように浸漬塗工法
で成膜し、下引き層を形成した。
【0064】 [下引き層用塗布液] 酸化チタン(Al2O3、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%) (TTO−MI−1:石原産業製) 3重量部 アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000:東レ製) 3重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0065】次に、下記成分の混合液をボールミルによ
り72時間分散し、電荷発生層用塗布液を調整した。こ
の塗布液を前記下引き層の表面上に膜厚が0.2μmと
なるように浸漬塗工法により成膜し、電荷発生層を形成
した。
【0066】 [電荷発生層用塗布液] ブチラール樹脂(S−LEC BL−2:積水化成製) 10重量部 ジメトキシエタン 1400重量部 下記構造式(I)の化合物であるチタニルフタロシアニン 15重量部
【0067】次に、下記成分の混合液を、攪拌・溶解し
て電荷輸送層用塗布液を調製した。この塗布液を前記電
荷発生層の表面上に膜厚が20μmとなるように浸漬塗
工法により成膜し、120℃、1時間乾燥して、電荷輸
送層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0068】 [電荷輸送層用塗布液] 下記構造式(II)の電荷輸送物質 100重量部 下記構造式(III)で示されるZ型ポリカーボネート樹脂 (Z200:三菱エンジニアリングプラスチックス製) 150重量部 シリコンオイル 0.02重量部 THF 1000重量部
【0069】
【化1】
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】上記方法で作製された積層型電子写真感光
体について、デジタル複写機(シャープ社製:AR−N
200)によりハーフトーン画像による画像評価と繰返
し特性の評価を行ったところ、画像欠陥のない画像が得
られ、また繰返し特性においても残留電位の上昇や帯電
電位の低下などは全く見られず、良好な電子写真特性を
示した。
【0073】(実施例2)下記成分で下引き層用塗布液
を調製すること以外は、実施例1と同様にして電子写真
感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0074】 [下引き層用塗布液] 酸化チタン(Al2O3、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%) (TTO−MI−1:石原産業製) 9.5重量部 アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000:東レ製) 0.5重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0075】評価の結果、ハーフトーン画像にも欠陥は
なく、繰返し特性においても残留電位の上昇や帯電電位
の低下などは全く見られず、良好な電子写真特性を示し
た。
【0076】(比較例1)下記成分で下引き層用塗布液
を調製し、その塗布液を用いて膜厚1.0μmの下引き
層を形成させること以外は、実施例1と同様にして電子
写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0077】 [下引き層用塗布液] アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000:東レ製) 6重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0078】評価の結果、ハーフトーン画像では、ポー
トホール管の継ぎ目にあたる部分にウェルドラインは現
れなかったが、繰返し特性の評価において著しい残留電
位の上昇が見られた。
【0079】(比較例2)比較例1と同様の下引き層用
塗布液を用いて、膜厚0.3μmの下引き層を形成させ
ること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を
作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0080】評価の結果、ハーフトーン画像にはウェル
ドラインが画像欠陥として現れ、その他にも露光光源に
よる干渉(モアレ)が発生し、画像上に欠陥となって現
れた。
【0081】(比較例3)下引き層を設けないこと以外
は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、実施例
1と同様の評価を行った。
【0082】評価の結果、ハーフトーン画像では、ポー
トホール管の継ぎ目にあたる部分にウェルドラインが画
像欠陥として現れ、その他にも露光光源による干渉が発
生し画像上に欠陥となって現れた。また、導電性支持体
上に存在した洗浄時に受けた微小なキズも画像欠陥とし
て画像上に現れた。繰返し特性の評価においても著しい
残留電位の上昇が見られた。
【0083】(比較例4)以下に示すように、酸化チタ
ンの代わりに酸化亜鉛を用いて下引き層用塗布液を調製
したこと以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0084】 [下引き層用塗布液] 酸化亜鉛 (SC−18:堺化学製) 3重量部 アルコール可溶性ナイロン樹脂(CM−8000:東レ製) 3重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0085】評価の結果、ハーフトーン画像にはウェル
ドラインは現れなかったが、繰返し使用における暗減衰
が大きくなり、結果として帯電電位の低下が見られた。
また、この塗布液は保存安定性が悪く、調製して3日目
にはゲル化が見られた。
【0086】(比較例5)以下の成分で下引き層用塗布
液を調製すること以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0087】 [下引き層用塗布液] 酸化チタン(Al2O3、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%) (TTO−MI−1:石原産業製) 4重量部 アルコール可溶性ナイロン樹脂 (CM−8000:東レ製) 6重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0088】評価の結果、ハーフトーン画像にはウェル
ドラインは現れなかったが、繰返し特性において残留電
位の上昇が生じた。
【0089】(比較例6)以下の成分で下引き層用塗布
液を調製すること以外は、実施例1と同様にして電子写
真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0090】 [下引き層用塗布液] 酸化チタン(Al2O3、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%) (TTO−MI−1:石原産業製) 9.9重量部 アルコール可溶性ナイロン樹脂 (CM−8000:東レ製) 0.1重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部 この下引き層用塗布液では、均一な下引き層を形成する
ことができなかった。
【0091】(比較例7)以下に示すように、結着樹脂
としてPMMAを用いること以外は、実施例1と同様に
して電子写真感光体を作製し、実施例1と同様の評価を
行った。
【0092】 [下引き層用塗布液] 酸化チタン(Al2O3、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型 チタン成分85%) (TTO−MI−1:石原産業製) 3重量部 PMMA(Mw 30000) 3重量部 メタノール 35重量部 1,3−ジオキソラン 65重量部
【0093】評価の結果、ハーフトーン画像にウェルド
ラインは現れなかったが、繰返し特性において若干の残
留電位の上昇が見られた。また、この塗布液の保存安定
性は悪く、塗布液の調製後3日目でゲル化が見られた。
【0094】(比較例8)下引き層の膜厚を0.4μm
にすること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光
体を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0095】評価の結果、ハーフトーン画像では、ポー
トホール管の継ぎ目にあたる部分にウェルドラインが画
像欠陥として現れた。また、繰返し特性の評価におい
て、帯電性の低下が大きかった。
【0096】(比較例9)下引き層の膜厚を10μmに
すること以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0097】下引き層を形成する際に、Wet膜厚が大
きくなり、結果として下引き層のタレが生じた。また評
価の結果、ハーフトーン画像では、下引き層のタレが画
像欠陥となって現れ、繰返し特性の評価においても、著
しい残留電位の上昇が見られた。
【0098】(実施例3)実施例1の樹枝状の酸化チタ
ンの代わりに、粒状の酸化チタンを用いる以外は、実施
例1と同様にして電子写真感光体を作製し、実施例1と
同様の評価を行った。
【0099】評価の結果、ハーフトーン画像にウェルド
ラインは現れなかったが、繰返し特性において残留電位
の上昇が見られた。
【0100】(実施例4)実施例1の表面処理済の酸化
チタンの代わりに、表面未処理の酸化チタンを用いる以
外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、
実施例1と同様の評価を行った。
【0101】評価の結果、ハーフトーン画像にウェルド
ラインは現れなかったが、この酸化チタンを用いた下引
き層用塗布液は分散性が悪く、電子写真感光体作製時に
塗布ムラが生じた。この塗布ムラは、ハーフトーン画像
にも現れた。
【0102】(実施例5)実施例1のルチル型の酸化チ
タンの代わりに、アナターゼ型の酸化チタンを用いる以
外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、
実施例1と同様の評価を行った。
【0103】評価の結果、ハーフトーン画像にウェルド
ラインは現れなかったが、この酸化チタンを用いた下引
き層用塗布液は分散性が悪く、電子写真感光体作製時に
塗布ムラが生じた。この塗布ムラは、ハーフトーン画像
にも現れた。また、この塗布液は調整後2日目でゲル化
が見られた。
【0104】以上の実施例および比較例の評価結果を表
1に示す。ここで、V0は、電子写真感光体を帯電後、
全く光を照射していない状態での該電子写真感光体の表
面電位(帯電電位)を示しており、VLは、電子写真感
光体を帯電後、光照射した後の該電子写真感光体の表面
電位(残留電位)を示す。また、VHは、光量を、帯電
電位および残留電位を測定したときの光量の半分程度に
設定して光照射した後の電子写真感光体の表面電位を示
す。
【0105】
【表1】
【0106】なお上述した電子写真感光体1の電荷発生
層6に、上記顔料および染料の他に、化学増感剤とし
て、シアノ化合物(テトラシアノエチレン、7,7,
8,8−テトラシアノキノジメタンなど)、キノン類
(アントラキノン、p−ベンゾキノンなど)、ニトロ化
合物(2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,
5,7−テトラニトロフルオレノンなど)などの電子受
容性材料を添加してもよく、光学増感剤として、キサン
テン系色素、チアジン色素トリフェニルメタン系色素な
どの色素を添加してもよい。
【0107】図2は、本発明の電子写真感光体1を備え
た電子写真装置30を示す構成図である。該電子写真装
置30には、円筒状の本発明の電子写真感光体1が回転
可能に配置され、そのまわりに帯電装置31、露光装置
32、現像装置33、転写装置34、定着装置35およ
びクリーニング装置36が備えられる。
【0108】電子写真感光体1は、帯電装置31によっ
て表面が一様な電位となるように帯電され、露光装置3
2によって半導体レーザー光が照射され、該照射部分で
帯電している電荷が減少して静電潜像が形成される。こ
の静電潜像は現像装置33によって粉末状の現像剤であ
るトナーを付着させることで現像され、電子写真感光体
1上にトナー像が形成される。形成されたトナー像は搬
送されてきた所定の記録紙に転写装置34によって転写
され、定着装置35によって定着され、記録紙上に画像
が形成される。転写後の感光体1の上に残存する現像剤
は、クリーニング装置36によって清掃および除電さ
れ、帯電装置31による帯電以降の工程が繰返される。
なお、露光装置32によって、半導体レーザー光の代わ
りにLED(発光ダイオード)光を照射して、電子写真
感光体1上に静電潜像を形成してもよい。
【0109】電子写真装置30における電子写真感光体
1の潜像形成過程を具体的に説明すると、以下のように
なる。感光層4を備えた電子写真感光体1の表面を帯電
装置31において負に帯電した後、露光装置32により
電荷発生層6に対して電荷発生物質が吸収する波長を有
する光を照射すると、電荷発生層6中に電子、正孔の電
荷が発生する。それらのうち、正孔は電荷輸送層8に含
まれる電荷輸送物質7によって電子写真感光体1の表面
に移動され、該表面の負電荷を中和する。一方、電荷発
生層6中の電子は、正電荷が誘起された円筒状ポートホ
ール管2の側に移動し、正電荷を中和することで潜像を
形成する。
【0110】電子写真装置30によれば、画像欠陥を生
じさせず、繰返し使用時においても安定した、高感度の
電子写真特性を有する写真感光体電子写真感光体1を備
えるので、画像欠陥がなく、繰返し使用時にも安定した
品質の画像を出力できる。
【0111】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポートホ
ール管と感光層との間には下引き層が設けられているた
め、電荷発生物質との接触部分において、ポートホール
管から電荷発生層へ電荷が注入されにくくなる。よっ
て、積層型電子写真感光体において、導電性支持体とし
てポートホール管を使用することができる。また、前記
下引き層には無機顔料を含むため、下引き層の抵抗が抑
えられる。よって、下引き層の膜厚をある程度厚くでき
るため、ポートホール管上の欠陥を確実に被覆すること
ができる。以上のことから、ポートホール管を用いても
画像欠陥を生じさせず、繰返し使用時においても安定し
た、高感度の電子写真特性を有する積層型電子写真感光
体を提供できる。
【0112】また本発明によれば、前記下引き層に含有
されている無機顔料が酸化チタンであるので、下引き層
の抵抗がより抑えられ、下引き層の膜厚を厚くできるた
め、ポートホール管表面の欠陥をより確実に被覆するこ
とができる。よって、ポートホール管を用いても画像欠
陥を生じさせず、繰返し使用時においても安定した、高
感度の電子写真特性を有する積層型電子写真感光体を提
供できる。
【0113】また本発明によれば、前記下引き層の無機
顔料と結着樹脂との重量比が無機顔料/結着樹脂=50
/50〜95/5であるので、最適な下引き層用塗布液
を得ることができ、ポートホール管の継ぎ目が原因の画
像欠陥を確実に被覆できる下引き層を形成できる。よっ
て、ポートホール管を用いても画像欠陥を生じさせず、
繰返し使用時においても安定した、高感度の電子写真特
性を有する積層型電子写真感光体を提供できる。
【0114】また本発明によれば、前記下引き層の結着
樹脂がアルコールに可溶のポリアミド樹脂であるので、
ポートホール管との接着性に優れ、適度な可撓性を有す
る下引き層が得られる。よって、ポートホール管を用い
ても画像欠陥を生じさせず、繰返し使用時においても安
定した、高感度の電子写真特性を有する積層型電子写真
感光体を提供できる。
【0115】また本発明によれば、前記下引き層の膜厚
が0.5μm〜5μmの範囲であるので、効果的にポー
トホール管の継ぎ目部分の欠陥を被覆できる。よって、
ポートホール管を用いても画像欠陥を生じさせず、繰返
し使用時においても安定した、高感度の電子写真特性を
有する積層型電子写真感光体を提供できる。
【0116】また本発明によれば、前記電子写真感光体
を備え、前記電子写真感光体を半導体レーザー光または
LED光で露光するので、画像欠陥のない画像を出力で
き、繰返し使用時においても安定した品質の画像を出力
できる電子写真装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である積層型電子写真感
光体1の断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体1が搭載された電子写
真装置30を示す図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体 2 ポートホール管 3 下引き層 4 感光層 5 電荷発生物質 6 電荷発生層 7 電荷輸送物質 8 電荷輸送層 30 電子写真装置 31 帯電装置 32 露光装置 33 現像装置 34 転写装置 35 定着装置 36 クリーニング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥山 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 片山 聡 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 坂元 雅遊亀 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 川原 在彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA43 AA44 AA54 BB28 CA29 FB07 FB08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層
    と電荷輸送層を含む積層型の感光層を有する電子写真感
    光体において、 前記導電性支持体がポートホール管(継ぎ目あり管)で
    あり、前記導電性支持体と前記感光層との間には無機顔
    料を含有する下引き層が設けられていることを特徴とす
    る電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記下引き層に含有されている無機顔料
    が酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の電
    子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記下引き層は無機顔料と結着樹脂とを
    含有しており、 その重量比が無機顔料/結着樹脂=50/50〜95/
    5であることを特徴とする請求項1または2記載の電子
    写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記下引き層は無機顔料と結着樹脂とを
    含有しており、 該結着樹脂がアルコールに可溶のポリアミド樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記下引き層の膜厚が0.5μm〜5μ
    mの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写
    真感光体を備え、前記電子写真感光体を半導体レーザー
    光またはLED光で露光することを特徴とする電子写真
    装置。
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