JPH0962021A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JPH0962021A
JPH0962021A JP21703095A JP21703095A JPH0962021A JP H0962021 A JPH0962021 A JP H0962021A JP 21703095 A JP21703095 A JP 21703095A JP 21703095 A JP21703095 A JP 21703095A JP H0962021 A JPH0962021 A JP H0962021A
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JP
Japan
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undercoat layer
coating
titanium oxide
alcohol
resin
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Application number
JP21703095A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Kojima
義己 小島
Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Makoto Kurokawa
誠 黒川
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Sayaka Uesugi
さやか 上杉
Masaya Tsugoshi
正弥 津越
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下引層用塗布液の分散性、安定性が悪く、塗
布するとき塗布ムラが生じ、均一で良好な画質特性を実
現できない。 【解決手段】 導電性支持体上に下引層、電荷発生層、
電荷輸送層を順次積層してなる電子写真感光体におい
て、下引層を非導電性酸化チタン、ポリアミド樹脂、ポ
リビニルアセタール樹脂で構成し、下引層用塗布液とし
てメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、ノルマルプロピルアルコールよりなる低級
アルコール溶媒またはトリクレン、クロロホルム、1,
2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルプロパン、四塩
化炭素よりなる有機溶媒あるいはその混合溶媒により非
導電性酸化チタン、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタ
ール樹脂を混合、分散させて作製し、支持体上に塗布す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光層と導電性支
持体との間に中間層を有する電子写真感光体およびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真感光体において有機系の
光導電性材料は開発が進み、従来より用いられてきた無
機系の光導電性材料よりも多く使用されるようになっ
た。有機材料を用いた有機電子写真感光体は感度、耐久
性および環境に対する安定性等に若干の問題はあるが、
毒性、コスト、材料設計の自由度等の点において無機材
料に比べ多くの利点がある。
【0003】そこで、各社の精力的な検討の中から、種
々の増感方法が提案され、中でも光を照射したときに電
荷担体を発生する物質(以下、電荷発生物質と記す)を
含む層(以下、電荷発生層と記す)と、電荷発生層で発
生した電荷担体を受け入れ、それを輸送する物質(以
下、電荷輸送物質と記す)を主体とする層(以下、電荷
輸送層と記す)とからなる感光層が設けられた積層型の
電子写真感光体(機能分離型感光体)が優れた増感性を
示すことから、現在実用化されている有機感光体構成の
大部分を占めてきている。また、近年の耐久性向上から
今後感光体の主流として期待されている。
【0004】さらに、帯電性改善、支持体からの不要な
電荷注入の阻止、支持体上の欠陥の被覆、ピンホール発
生の防止、感光層の接着性の改善等のために下引層を設
けることで、耐久性も向上してきている。
【0005】一般に、下引層を設けた電子写真感光体
は、導電性支持体上に下引層、その上に順次電荷発生層
および電荷輸送層という構成になっており、これらの層
は、各層を構成するための有機光導電性材料等を結着性
樹脂と共に、溶媒に溶解または分散させて、塗布性を調
整し、この塗布液を導電性支持体の上に順次塗布、乾燥
させることにより製造される。
【0006】電子写真感光体の塗布方法としては、スプ
レー法、バーコート法、ロールコート法、ブレード法、
リング法、浸漬法等が挙げられる。特に浸漬塗布方法
は、感光体塗布液を満たした塗布槽に導電性支持体を浸
漬した後に、一定速度または逐次変化する速度で引き上
げることにより、感光層を形成する方法であるが、比較
的簡単で、生産性およびコストの点で優れているため、
電子写真感光体を製造する場合に多く利用されている。
【0007】したがって、下引層用の樹脂としては、電
荷発生層用塗布液の溶媒に難溶であることが望ましく、
一般にアルコールまたは水溶性の樹脂が使用され、中で
も、ポリアミド系樹脂が好ましいとされている(特開昭
51−114132号公報、同52−25638号公
報、同56−21129号公報)。また、残留電位の改
善のため酸化チタンおよび酸化すずを下引層中に含有さ
せることも提案されている(特開昭62−280864
号公報)。これらの下引層は、アルコール溶液または分
散液として下引層用塗布液を調製し、支持体上に塗布さ
せることにより形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ポリアミド
樹脂に酸化チタン微粒子を分散させた下引層の酸化チタ
ン微粒子に導電性処理を施したもの(粉体抵抗102Ω
cm以下[100kg/cm2圧粉体])を用いると帯
電電位が低下するため,導電性処理を施していない、非
導電性の酸化チタン微粒子を使用する必要がある。ま
た、湿度条件による下引層の抵抗変化を抑え、低湿条件
下における残留電位の上昇を防ぐためには、酸化チタン
微粒子の含有率を重量比で80%以上にしなければなら
ない。
【0009】このように、酸化チタン微粒子の含有率が
高くなると、酸化チタン微粒子のポリアミド樹脂に対す
る分散性、さらには下引層用塗布液の分散性とその安定
性が重要となり、これまでの単なるアルコール溶液また
はその分散液では、分散性やその安定性が悪く、電子写
真感光体の製造過程において下引層を塗布する時に、ど
うしても塗布ムラが生じ、均一で良好な画質特性が実現
できないという問題があった。
【0010】本発明は、上記に鑑み、高感度、長寿命で
良好な画質特性を有する電子写真感光体の提供を目的と
する。さらに、このような電子写真感光体を製造するた
めに塗布ムラをなくす製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、導電性支持体の上に、下引層、電荷発生層、電荷
輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体におい
て、下引層が非導電性酸化チタン、ポリアミド樹脂、お
よびポリビニルアセタール樹脂よりなるものである。
【0012】前記酸化チタンとしては、感光体電気特性
を確保するために非導電性酸化チタン微粒子を使用する
必要があり、酸化チタンの形状としては、針状のものが
優れており、そのアスペクト比は1.5〜300の範囲
が好ましく、より好ましくは2〜20がよい。そして、
酸化チタンの結晶型構造としてはルチル型とアナターゼ
型があるが、電気特性を確保するためにはルチル型がよ
い。また、酸化チタンの表面処理としては、アルミナ処
理、酸化すず処理、酸化ケイ素処理等があるが、電気特
性を確保し、塗布液の安定性を得るためには、表面処理
が施されていない酸化チタンが好ましい。なお、電気特
性とは、初期感光体特性(帯電性、感度、残留電位の総
合特性)およびライフ特性(エージング特性)である。
【0013】そして、酸化チタンの含有量としては、ポ
リアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂を含めた全体
重量に対して70wt%以上にするのが好ましい。さら
に、好ましくは80wt%以上がよい。この重量比以下
にすると、電気特性、特に低湿条件における残留電位が
上昇し、画像にカブリなどの問題を生じる。なお、含有
量の上限は99wt%であり、被膜性を保障するために
1wt%の樹脂成分が必要で、これがないと膜が形成で
きない。
【0014】前記ポリアミド樹脂としては、種々のナイ
ロン樹脂が考えられるが、常温における溶媒に対する溶
解性およびそれを用いて作られた溶液の液物性、液安定
性の観点から、アルコール可溶性共重合ナイロン(例え
ば、6−ナイロン、66−ナイロン、610−ナイロ
ン、11−ナイロン、12−ナイロン等を共重合させ、
結晶化度を落としアルコールに対する可溶性を上げたも
の)、アルコール可溶性変性ナイロン(例えば、ナイロ
ンをアルコキシメチル化やアルコキシエチル化し、アル
コールに対する可溶性を上げた変性タイプ)、あるいは
それらのうち少なくとも2種類以上を混合したものを用
いることが好ましい。具体的商品名としては、例えば前
者として「CM4000」、「CM8000」(東レ
製)、後者として「F−30」、「MF−30」、「E
F−30T」(帝国化学産業製)等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】ポリアミド樹脂、特にアルコール可溶性変
性ナイロンの平均重合度としては、下引層の被膜性およ
び塗布液の安定性の観点から50〜500が良好であ
り、さらには90〜200がよい。平均重合度が90以
下になると被膜性能が低下していき、50以下になると
悪くなる。200以上になると、塗布液の粘度が高くな
り、塗布しにくくなり、500以上になると、ポットラ
イフとしての安定性が悪くなる。なお、塗布液安定性と
は、分散性および寿命安定性であり、下塗り液は分散液
であるため、初期的にはゲル化や液分離等をせず、良好
な分散性が要求される。また、生産には長期間使用する
ので、分散性が通常数カ月の間安定していることが必要
であり、寿命安定性が要求される。
【0016】前記ポリビニルアセタール樹脂としては、
ポリビニルブチラール樹脂とポリビニルホルマール樹脂
があるが、塗膜の塗布性、特に塗布欠陥の低減および寿
命も含めた塗布液の安定性の観点からポリビニルブチラ
ール樹脂が好ましい。
【0017】ポリビニルアセタール樹脂の平均重合度と
しては、塗膜の塗布性、塗布液の安定性の観点から30
0〜2000が好ましく、さらには700〜1000が
好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の含有量として
は、塗膜の塗布性、塗布液の安定性(寿命も含む)およ
び電気特性の観点から酸化チタンおよびポリアミド樹脂
を含めた固定分重量に対して0.05〜20wt%が好
ましく、さらには0.1〜10wt%が良好である。
0.1wt%以下になるとタレ、風乾ムラといった塗布
性が低下していき、0.05wt%以下になると悪くな
る。10wt%以上では、初期の残留電位が高く、ライ
フにおいても上昇し、20wt%以上になるとカブリを
生じる。
【0018】上記の如く構成された下引層を塗布法を用
いて作製する製造方法において,使用される塗布液の溶
媒としては、ポリアミド樹脂とポリビニルアセタール樹
脂との混合樹脂中への酸化チタンの分散性を良好にする
ため、およびその分散液の寿命も含めた安定性を確保す
るために、メチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ノルマルアルコールよりなる低級
アルコール、またはトリクレン、クロロホルム、1,2
−ジクロルエタン、1,2−ジクロルプロパン、四塩化
炭素よりなる有機溶媒が好ましい。あるいは前記低級ア
ルコールと有機溶媒の混合溶媒でもよい。この場合、そ
の混合比率は全溶媒に対する低級アルコールの重量比と
して20〜50wt%が好ましい。20wt%以下にな
ると、塗布液の分散安定性が悪くなり、風乾ムラが出や
すくなる。50wt%以上になると、風乾ムラが出やす
くなるとともにタレが生じやすくなる。
【0019】このように、電子写真感光体の下引層の製
造過程において、下引層用塗布液の溶媒として前記低級
アルコール、前記有機溶媒、前記低級アルコールと有機
溶媒の混合溶媒のいづれか1つを用い、非導電性酸化チ
タン、ポリアミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂と混
合することにより、分散性および寿命も含む分散安定性
に優れた塗布液を調製できる。
【0020】そして、この塗布液を導電性支持体上に塗
布、乾燥することによって、非導電性酸化チタン、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂で構成された下
引層が作製される。したがって、下引層に対して、初期
および繰り返し時の帯電特性の安定化、および塗膜欠陥
の低減等の塗布性の安定化が図れ、これによって良好な
画像特性および電気特性を有する高感度かつ長寿命な電
子写真感光体が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真感光体は、図1
の如く、導電性支持体1上に下引層2、電荷発生層3、
電荷輸送層4をこの順に塗布法により積層してなる。
【0022】前記導電性支持体1としては、基体自体が
導電性をもつもの、例えば、アルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、ニッケル、チタン等
を用いることができ、その他にアルミニウム、アルミニ
ウム合金、酸化インジウム、酸化すず等を蒸着または塗
布したプラスチックや紙、あるいは導電性粒子を含有し
たプラスチックや紙、さらに導電性ポリマーを含有する
プラスチック等を用いることができ、それらの形状とし
ては、ドラム状、シームレスベルト状のものなどが使用
できる。
【0023】前記下引層2は、非導電性酸化チタン、ポ
リアミド樹脂、およびポリビニルアセタール樹脂よりな
り、下引層2の膜厚は、0.01〜10μm、好ましく
は0.05〜5μmの範囲に設定する。そして、非導電
性酸化チタン、ポリアミド樹脂、およびポリビニルアセ
タール樹脂を溶媒としてのメチルアルコール、エチルア
ルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルアルコー
ルよりなる低級アルコール、またはトリクレン、クロロ
ホルム、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルプ
ロパン、四塩化炭素よりなる有機溶媒あるいは前記低級
アルコールと有機溶媒の混合溶媒のいづれかに混合して
分散させて、下引層用塗布液が調整される。この塗布液
の分散方法としては、ダイノーミル、ボールミル、サン
ドミル、アトライター、振動ミル、超音波分散機等があ
る。
【0024】また、塗布手段としては、スプレー法、バ
ーコート法、ロールコート法、ブレード法、リング法、
浸漬法等の一般的な方法が適用できる。特に、浸漬法に
よる塗布手段は、比較的簡単で、生産性およびコストの
点で優れているため、電子写真感光体を製造する場合に
多用されている。図2は浸漬塗布装置の一例を示してお
り、塗布液5を満たした塗布槽6に導電性支持体1を浸
漬した後に、一定速度または逐次変化する速度で引き上
げることにより、下引層2を形成する。なお、図中、7
は補給用塗布槽、8はポンプ、9は支持体1を上下動さ
せるためのモータ、10はねじ棒である。
【0025】下引層2の上には、電荷発生層3が形成さ
れるが、電荷発生層3に使用される電荷発生材料として
は、クロロダイアンブルー等のビスアゾ系化合物、ジブ
ロモアンサンスロン等の多環キノン系化合物、ペリレン
系化合物、キナクリドン系化合物、フタロシアニン系化
合物、アズレニウム塩系化合物等が知られている。
【0026】電荷発生層3の作製方法としては、真空蒸
着で直接化合物を成膜する方法あるいは結着性樹脂溶液
中に電荷発生材料を分散し、塗布して成膜する方法があ
るが、一般に後者の方法が好ましく、電荷発生層3の膜
厚は、0.05〜5μmで好ましくは0.1〜1μmで
ある。塗布による作製の場合、結着性樹脂溶液中への電
荷発生材料の混合分散の方法、並びに塗布方法としては
前記下引層2と同様の方法が用いられる。また、結着性
樹脂溶液用の結着性樹脂としては、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカボ
ネート樹脂、フェノキシ樹脂等があり、これらの樹脂を
溶解させる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等を用い
ることができる。
【0027】電荷発生層3の上に設けられる電荷輸送層
4の電荷輸送物質としては、ヒドラゾン系化合物、ピラ
ゾリン系化合物、トリフェニルアミン系化合物、トリフ
ェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、オキサジ
アゾール系化合物等が使用可能であり、電荷輸送層用塗
布液の作製は、結着性樹脂溶液中へ電荷輸送物質を溶解
して作製する。電荷輸送層4の塗布方法としては、前記
下引層2と同様の方法が用いられる。
【0028】さらに、電子写真感光体の電荷発生層3お
よび電荷輸送層4からなる感光層は、感度の向上、繰り
返し使用時の残留電位の上昇や疲労を抑える等の目的の
ために、1種もしくは2種以上の電子受容性物質や色素
を含有してもよい。
【0029】ここで用いられる電子受容性物質として
は、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、4−クロルナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラ
シアノエチレン、テレフタルマロンジニトリル等のシア
ノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド
類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノン等のア
ントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等の多
環もしくは複素環ニトロ化合物を化学増感剤として用い
ることができる。
【0030】色素としては、例えば、キサンテン系色
素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素やキノリン
系顔料、銅フタロシアニン顔料等の有機光導電性化合物
を光学増感剤として用いることができる。
【0031】さらに、感光層は、成形性、可撓性、機械
的強度を向上させるために、周知の可塑剤を含有しても
よい。可塑剤としては、二塩基酸エステル、脂肪酸エス
テル、燐酸エステル、フタル酸エステルや塩素化パラフ
ィン、エポキシ型可塑剤等が挙げられる。また、必要に
応じてレベリング剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等を含
有してもよい。
【0032】
【実施例】
(実施例1)メチルアルコール28.7重量部(溶媒混
合比率35wt%)と1,2−ジクロルエタン53.3
重量部(溶媒混合比率65wt%)の混合溶媒に共重合
ナイロン樹脂(東レ製;CM8000)0.72重量部
(固形分重量比率4wt%)、ポリビニルブチラール樹
脂(デンカ製;#3000K、平均重合度約800)
0.18重量部(固形分重量比率1wt%)と非導電性
針状酸化チタン(堺化学製;STR−60N 表面処理
なし)17.1重量部(固形分重量比率95wt%)と
を混合したものをペイントシェーカーにて8時間分散
し、下引層用塗布液を作製した。このようにして作製し
た塗布液を1mmt×80mmφ×340mmのアルミ
ニウム製ドラム状支持体上に、図2に示した浸漬塗布装
置にてコーティグし、110℃の乾燥温度で10分間熱
風乾燥を行い、乾燥膜厚1.5μmの下引層を設けた。
その上に、メチルイソブチルケトン97重量部に下記構
造式(1)のビスアゾ系顔料(クロルダイアンブルー)
1.5重量部とブチラール樹脂(ユニオンカーバイト社
製)1.5重量部を混合したものをペイントシェーカー
で8時間分散し、作製した電荷発生層用塗布液を前記浸
漬塗布装置にてコーティグし、90℃の乾燥温度で10
分の熱風乾燥を行い、乾燥膜厚が0.8μmの電荷発生
層を設けた。さらにその上にジクロルメタン8重量部に
下記構造式(2)のヒドラゾン系化合物(4,−ジエチ
ルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラ
ゾン)1重量部とポリカーボネイト樹脂(三菱ガス化学
社製;ユーピロン)1重量部を混合したものをマグネテ
ィクスタラーにて撹拌溶解し、作製した電荷輸送層用塗
布液を前記浸漬塗布装置にてコーティグし,80℃の乾
燥温度で1時間の熱風乾燥を行い,乾燥膜厚が20μm
の電荷輸送層を設け,機能分離型電子写真感光体を作製
した。
【0033】
【化1】
【0034】
【化2】
【0035】このようにして作製した電子写真感光体を
実際の複写機(シャープ製;SF−8100)に搭載し
て画像特性の評価を行った。その結果、感光体電気特
性、塗布液安定性、塗布性、画像特性すべてについて良
好であった。
【0036】(実施例2)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)14.4重量部(固
形分重量比率80wt%)、アルコール可溶性変性ナイ
ロンであるメトキシメチル化ナイロン(帝国化学製;M
F−30、平均重合度約130)1.8重量部(固形分
重量比率10wt%)、ポリビニルブチラール樹脂(デ
ンカ製;#4000−2、平均重合度約1000)1.
8重量部(固形分重量比率10wt%)、溶媒としてエ
タノール41重量部(溶媒混合比率50wt%)、1,
2−ジクロロプロパン41重量部(溶媒混合比率50w
t%)を用いた以外は実施例1と全く同様に作製、評価
した。その結果、感光体電気特性、塗布液安定性、塗布
性、画像特性すべてについて実用上問題はなかった。
【0037】(実施例3)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)16.2重量部(固
形分重量比率90wt%)、共重合ナイロン(東レ製;
CM−4000)1.782重量部(固形分重量比率
9.9wt%)、ポリビニルブチラール樹脂(デンカ
製;#3000−2、平均重合度約700)0.018
重量部(固形分重量比率0.1wt%)、溶媒としてイ
ソプロピルアルコール16.4重量部(溶媒混合比率2
0wt%)、トリクレン65.6重量部(溶媒混合比率
80wt%)を用いた以外は実施例1と全く同様に作
製、評価した。その結果、感光体電気特性、塗布液安定
性、塗布性、画像特性すべてについて実用上問題はなか
った。
【0038】(実施例4)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)17.1重量部(固
形分重量比率95wt%)、メトキシメチル化ナイロン
(帝国化学製;F−30、平均重合度約100)0.3
6重量部(固形分重量比率2wt%)、ポリビニルブチ
ラール樹脂(デンカ製;#4000−1、平均重合度約
920)0.54重量部(固形分重量比率3wt%)、
溶媒としてノルマルプロピルアルコール28.7重量部
(溶媒混合比率35wt%)、クロロホルム53.3重
量部(溶媒混合比率65wt%)を用いた以外は実施例
1と全く同様に作製、評価した。その結果、感光体電気
特性、塗布液安定性、塗布性、画像特性すべてについて
実用上問題はなかった。
【0039】(実施例5)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)17.1重量部(固
形分重量比率95wt%)、メトキシメチル化ナイロン
(帝国化学製;EF−30T、平均重合度約150)
0.72重量部(固形分重量比率4wt%)、ポリビニ
ルブチラール樹脂(デンカ製;#3000−4、平均重
合度約830)0.18重量部(固形分重量比率1wt
%)、溶媒としてメタノール28.7重量部(溶媒混合
比率35wt%)、四塩化炭素53.3重量部(溶媒混
合比率65wt%)を用いた以外は実施例1と全く同様
に作製、評価した。その結果、感光体電気特性、塗布液
安定性、塗布性、画像特性すべてについて実用上問題は
なかった。
【0040】(比較例1)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)の代わりに、非導電
性粒状酸化チタン(石原産業製;TTO−55N)を用
いた以外は実施例1と全く同様に作製、評価した。その
結果、塗布液の寿命安定性が悪く、塗布ムラが生じ、電
気特性でもライフ特性が悪化し、均一な画像が得られな
かった。
【0041】(比較例2)実施例1において、表面処理
の施されていない非導電性針状酸化チタン(STR−6
0N)の代わりに、SnO2により導電性処理が表面に
施された針状酸化チタン(石原産業製;FTL−10
0、粉体抵抗101Ωcm)を用いた以外は実施例1と
全く同様に作製、評価した。その結果、感光体電気特
性、塗布液安定性、塗布性、画像特性すべてについて悪
かった。
【0042】(比較例3)実施例1において、ポリアミ
ド樹脂として共重合ナイロン(CM−8000)の代わ
りに、アルコールに対する可溶性の低い6−ナイロンを
用いた以外は実施例1と全く同様に作製、評価した。そ
の結果、感光体電気特性、塗布液安定性、塗布性、画像
特性すべてについて悪かった。
【0043】(比較例4)実施例1において、ポリビニ
ルブチラール樹脂(#3000K)の代わりに、#60
00−C(デンカ製;平均重合度約2400)を用いた
以外は実施例1と全く同様に作製、評価した。その結
果、ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度が高いと、
塗布性、画像特性が悪かった。また、塗布液の寿命安定
性も悪かった。
【0044】(比較例5)実施例1において、ポリビニ
ルブチラール樹脂(#3000K)の代わりに、#20
00−L(デンカ製;平均重合度約300)を用いた以
外は実施例1と全く同様に作製、評価した。その結果、
ポリビニルブチラール樹脂の平均重合度が低いと、塗布
性、画像特性が悪かった。
【0045】(比較例6)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)17.1重量部(固
形分重量比率95wt%)、共重合ナイロン樹脂(CM
−8000)0.8928重量部(固形分重量比率4.
96wt%)、ポリビニルブチラール樹脂(#3000
K)0.0072重量部(固形分重量比率0.04wt
%)を用いた以外は実施例1と全く同様に作製、評価し
た。その結果、ポリビニルブチラール樹脂の固形分に対
する重量比率が低いと、塗布性、画像特性が悪かった。
【0046】(比較例7)実施例1において、非導電性
針状酸化チタン(STR−60N)12.6重量部(固
形分重量比率70wt%)、共重合ナイロン樹脂(CM
−8000)0.9重量部(固形分重量比率5wt
%)、ポリビニルブチラール樹脂(#3000K)4.
5重量部(固形分重量比率25wt%)を用いた以外は
実施例1と全く同様に作製、評価した。その結果、ポリ
ビニルブチラール樹脂の固形分に対する重量比率が高い
と、電気特性が悪かった。
【0047】(比較例8)実施例1において、溶媒とし
て、メチルアルコール53.3重量部(溶媒混合比率6
5wt%)、1,2ジクロルエタン28.7重量部(溶
媒混合比率35wt%)を用いた以外は実施例1と全く
同様に作製、評価した。その結果、低級アルコールの混
合溶媒に対する混合比率が高いと、塗布液安定性が悪
く、塗布したときにタレが出やすく、均一な画像が得ら
れなかった。
【0048】(比較例9)実施例1において、溶媒とし
て、メチルアルコール8.2重量部(溶媒混合比率10
wt%)、1,2ジクロルエタン73.8重量部(溶媒
混合比率90wt%)を用いた以外は実施例1と全く同
様に作製、評価した。その結果、低級アルコールの混合
溶媒に対する混合比率が低いと、塗布液安定性が悪く、
塗布ムラが出やすく、均一な画像が得られなかった。
【0049】以上の実施例および比較例の結果を表1に
示す。この表から明らかなように、下引層として本発明
による構成および製造方法をとることにより、分散性、
安定性、塗布性に優れた塗布液が作製され、それによっ
て電気特性、画像特性に優れた電子写真感光体が得られ
る。
【0050】
【表1】
【0051】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、導電性支持体上に下引層、電荷発生層、電荷輸
送層を順次積層してなる電子写真感光体において、下引
層を非導電性酸化チタン、ポリアミド樹脂、ポリビニル
アセタール樹脂で構成しているので、電子写真感光体と
して初期および繰り返し使用時に安定した帯電特性を得
ることができ、また塗布ムラといった塗膜欠陥を低減で
きる良好な塗布液を得ることができる。したがって、均
一で良好な画質特性を実現でき、しかも高感度、長寿命
な電子写真感光体を提供することが可能となる。
【0053】また、下引層用塗布液の溶媒を低級アルコ
ール、有機溶媒あるいはその混合溶媒としているので、
分散性、液安定性、塗布性に優れた塗布液を作製するこ
とができる。これによって、良好な電気特性および画像
特性を有する高感度かつ長寿命な電子写真感光体を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の構造を示す断面図
【図2】浸漬塗布装置の概略構成図
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 下引層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 竜廣 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 上杉 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 津越 正弥 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下引層、電荷発生層、
    電荷輸送層をこの順に積層してなる電子写真感光体にお
    いて、前記下引層が非導電性酸化チタン、ポリアミド樹
    脂、およびポリビニルアセタール樹脂よりなることを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 下引層を構成する非導電性酸化チタンが
    針状結晶からなることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 下引層を構成する非導電性酸化チタンの
    含有量がポリアミド樹脂およびポリビニルアセタール樹
    脂を含めた固形分重量に対して80wt%以上とされた
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 下引層を構成するポリアミド樹脂がアル
    コール可溶性共重合ナイロンまたはアルコール可溶性変
    性ナイロンであることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
  5. 【請求項5】 下引層を構成するポリビニルアセタール
    樹脂がポリビニルブチラール樹脂であることを特徴とす
    る請求項1記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5記載の電子写真感光体
    の下引層を塗布法により作製する製造方法において、下
    引層用塗布液の溶媒は、メチルアルコール、エチルアル
    コール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルア
    ルコールよりなる群から選ばれた低級アルコールあるい
    はトリクレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタ
    ン、1,2−ジクロルプロパン、四塩化炭素よりなる群
    から選ばれた有機溶媒または前記低級アルコールと有機
    溶媒の混合溶媒を含有することを特徴とする電子写真感
    光体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007256465A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体及び該感光体を用いた画像形成装置
US7534538B2 (en) 2004-09-08 2009-05-19 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for intermediate layer in electrophotographic photoconductor, electrophotographic photoconductor utilizing the same, image forming apparatus and process cartridge for image forming apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7534538B2 (en) 2004-09-08 2009-05-19 Ricoh Company, Ltd. Coating liquid for intermediate layer in electrophotographic photoconductor, electrophotographic photoconductor utilizing the same, image forming apparatus and process cartridge for image forming apparatus
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