JPH06175380A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH06175380A
JPH06175380A JP32633492A JP32633492A JPH06175380A JP H06175380 A JPH06175380 A JP H06175380A JP 32633492 A JP32633492 A JP 32633492A JP 32633492 A JP32633492 A JP 32633492A JP H06175380 A JPH06175380 A JP H06175380A
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electrophotographic
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JP32633492A
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English (en)
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Yoshihide Shimoda
嘉英 下田
Hiroshi Matsumoto
浩史 松本
Makoto Kurokawa
誠 黒川
Mitsuhiro Shinobu
充弘 忍
Masayuki Sakamoto
雅遊亀 坂元
Kazuyuki Arai
和幸 新居
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高感度で、温湿度に対する安定性に秀れ、か
つ帯電性が高く、繰り返し使用でも光感度の低下がほと
んど起こらず、さらに長期間の使用に際しても感光層の
剥離のない、機械的強度に優れた機能分離型電子写真用
感光体の提供 【構成】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層
を積層してなる機能分離型電子写真用感光体において、
該電荷発生層に酸化亜鉛微粒子を含有させる。また、該
導電性支持体と電荷発生層の間に、さらに必要に応じて
下引層を設けた機能分離型電子写真用感光体において、
該下引層及び電荷発生層の端部表面を該電荷輸送層によ
り被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性支持体上に電荷
発生層及び電荷輸送層を積層してなり、さらに必要に応
じて該導電性支持体と電荷発生層の間に、下引層を設け
た機能分離型電子写真用感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真技術において、電子写真
感光体の感光層には、無機物質であるセレン、硫化カド
ミウム、アモルファスシリコン、酸化亜鉛などが広く使
用されているが、近年有機物質の光導電性材料を電子写
真感光体として用いる研究が多く行われている。
【0003】ここで、電子写真感光体として必要とされ
る基本的な性質をあげると、 1)暗所においてコロナ放電による電荷の帯電性が高い
こと。
【0004】2)得られたコロナ放電による電荷が暗所
において減衰の少ないこと。
【0005】3)光照射によって電荷が速やかに散逸す
ること。
【0006】4)光の照射後の残留電荷が少ないこと。
【0007】5)繰り返し使用時による残留電位の増
加、初期電位の減下が少ないこと。
【0008】6)気温、湿度により電子写真特性の変化
が少ないこと等である。
【0009】従来の無機物質電子写真感光体であるセレ
ン、硫化カドミウムなどは、基本的な性質の面では感光
体としての条件を備えているが、製造上の問題、例えば
毒性が強い、皮膜性が困難である、可塑性が余りない、
製造コストが高いなどの欠点を有している。更に将来的
に見るならば、資源の枯渇により、生産に限りのあるこ
れら無機物質よりも、また、毒性による公害の面におい
ても有機物質の感光体の使用が望まれている。
【0010】近年、電子写真感光体において有機系の光
導電性材料は開発が進み、従来用いられてきた無機系の
光導電性材料よりも多く使用されるようになった。有機
系材料を用いた感光体は光感度、耐久性及び環境に対す
る安定性等に若干の問題はあるが、毒性、コスト、材料
設計の自由度等の点において無機系材料に比べ多くの利
点がある。
【0011】特に、近年光照射した時、電荷キャリアを
発生する物質を含む層(電荷発生層)と、該電荷発生層
が発生した電荷キャリアを受入れ、それを輸送する物質
を含む層(電荷輸送層)とからなる機能分離型電子写真
用感光体が提案され、優れた増感性と、材料選択の多様
性が示されてからは、多種多様な電荷発生物質及び電荷
輸送物質に関する研究が活発に行なわれてきた。この結
果、有機物質を用いた電子写真用感光体の光感度は、飛
躍的に向上し、現在では、無機物質を用いた電子写真用
感光体をしのぐものもいくつか提案されている。
【0012】さらに、帯電性改善、支持体からの不要な
電荷注入の阻止、支持体上の欠陥の被覆、ピンホール発
生の防止、感光層の接着性の改善等のために下引層を設
けることで、耐久性も向上してきている。
【0013】しかしながら、多くの利点を有する有機物
質からなる電子写真用感光体においても、その耐久性は
無機物質からなる電子写真用感光体(a−Si,As2
Se2 )と比較して未だ、十分な特性を満足するものは
得られておらず、更なる高耐久性が要求されている。
【0014】また、静電特性の向上に伴い、有機感光体
も、より高速かつ長寿命である複写機への搭載が期待さ
れている。ここで、問題となるのが、感光層の剥離等の
機械的強度である。特に現像部における、ドラム−現像
スリーブ間を位置決めするための現像カラーローラーや
クリーニング部におけるクリーニングブレード等との摩
擦接触により、感光層端部にかかる機械的応力は高速な
複写機になるほど大きくなり、感光層端部からの感光層
の剥離が生じる。
【0015】感光層の剥離問題については、各層の接着
性と各層端部の位置関係が重要とされており、導電性支
持体上に下引層、電荷発生層、電荷輸送層を、各層端部
が下層ほど外側に位置する様に設けた感光体(特開昭5
9−184359)(図5参照)等が提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、下引層
や電荷発生層の各々には、電子写真用感光体の静電特性
向上のため、各種機能性粉末や電荷発生物質がバインダ
樹脂に対して多量に含まれることから、下引層及び電荷
発生層は、接着性の向上が困難で剥離しやすいものとな
っている。
【0017】従って、従来の方式では、有機感光体の機
械的強度の向上は困難であり、長期間にわたる感光体の
使用期間内において、感光層の剥離を防止できない。
【0018】本発明の目的は、高感度でかつ高耐久性を
有する電子写真用感光体を提供することにある。特に本
発明は、温湿度に対する安定性に秀れ、かつ帯電性が高
く、繰り返し使用でも光感度の低下がほとんど起こらな
い感光体を提供することにある。
【0019】本発明の第二の目的は、高速複写機におけ
る長期間の使用に際しても、感光層の剥離のない、機械
的強度に優れた電子写真用感光体を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の観
点から高感度及び高耐久性の電子写真用感光体について
鋭意研究を行った結果、酸化亜鉛微粒子を電荷発生層中
に含有させることにより、繰り返し使用による感光体の
光感度の低下防止に有効であることを見出し、本発明に
到った。
【0021】また、有機感光体の機械的強度向上につい
ても、鋭意検討を行った結果、導電性支持体上に電荷発
生層、電荷輸送層、必要に応じて該導電性支持体と電荷
発生層との間に下引層を設けた積層型電子写真用感光体
において、該下引層及び電荷発生層の端部表面を該電荷
輸送層により被覆させることにより、前記問題が解決さ
れることを見出した。
【0022】本発明に用いる酸化亜鉛の組成はZnOで
あり、その結晶系としては六方晶系ウルツ鉱型でもアモ
ルファス(非晶質)であってもかまわない。また、電荷
発生物質、バインダーおよび溶媒との相性を考え、親水
性又は疎水性の表面被膜をつけたり各種処理を施されて
いる酸化亜鉛も含まれる。粒子径については、成膜性、
分散性および画質への影響を検討した結果平均粒径が1
μm以下、好ましくは0.2μm以下にするのが望まし
い。酸化亜鉛微粒子の添加量は、電荷発生物質に対し、
1重量%から100重量%の範囲であることが好まし
く、1重量%以下では、添加効果が現われず、100重
量%以上では、光感度や帯電性等の電子写真特性の劣化
が著しい。
【0023】電荷発生層への添加方法としては、酸化亜
鉛微粒子と、電荷発生物質、必要に応じてバインダー樹
脂を、溶媒中で分散させる方法等があり、得られた分散
液を塗布し乾燥させることにより本発明による電荷発生
層が得られる。
【0024】電荷輸送層は、下引層や電荷発生層とは異
なり、高分子電荷輸送材料や、低分子電荷輸送材料をバ
インダ樹脂中に分子分散させた系が一般的であり、バイ
ンダ樹脂の含有率も下引層、電荷発生層より高く、導電
性支持体との接着性が最も優れている。
【0025】従って、導電性支持体との接着性が最も優
れた電荷輸送層により、端部を被覆することで感光層の
剥離を防止することができる。
【0026】図1〜3は、本発明による電子写真用感光
体における感光層端部の各層の位置関係を模式図にて示
したものである。すなわち、下引層及び電荷発生層の端
部表面を電荷輸送層で被覆し、導電性支持体と接着性の
優れた端部とすることで感光層の剥離を防止している。
【0027】電荷発生層の作成方法としては、真空蒸着
で直接電荷発生物質を成膜する方法及び電荷発生物質を
バインダ樹脂溶液中に分散し塗布して成膜する方法があ
るが一般に後者の方法が好ましく電荷発生層の膜厚は、
0.05〜5μmで好ましくは0.1〜1μmである。
塗布による作製の場合バインダ樹脂溶液中への電荷発生
物質の混合分散の方法としては、ボールミル、サンドミ
ル、アトライター、振動ミル、超音波分散機等がある。
塗布手段としては、スプレー法、バーコート法、ロール
コート法、ブレード法、リング法、浸漬法等があげられ
る。
【0028】ここで用いられる電荷発生物質としては各
種金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲ
ン化無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔
料、ペリレンイミド、ペリレン酸無水物等のペリレン系
顔料、クロロダイアンブルー等のビスアゾ系顔料、トリ
スアゾ系顔料等のアゾ系顔料、その他キナクリドン系顔
料、アントラキノン系顔料、アズレニウム系顔料、さら
にはメチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナ
イトブルー、ビクトリアブルー等で代表されるトリフェ
ニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ロー
ダミン3R、アクリジンオレンジ、フラペオシン等に代
表されるアクリジン染料、メチレンブルー、メチレング
リーン等に代表されるチアジン染料、カプリブルー、メ
ルドラブルー等に代表されるオキサジン染料、その他シ
アニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料、チオピ
リリウム塩染料などがある。これらは、単独、又は、必
要に応じて2種以上混合して用いてもよい。
【0029】また、バインダー樹脂としては、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキッド樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル
樹脂、フェノキシ樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリアミド樹
脂等が好ましい。これらは、単独又は、2種以上混合し
て用いてもよい。
【0030】これらの樹脂を溶解させる溶剤としては、
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非
プロトン性極性溶媒等を用いることができる。
【0031】電荷輸送層は、電荷発生層と電気的に接続
されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された
電荷キャリアを輸送できる機能を有している。かかる電
荷輸送層の材料としては、一般に電子を輸送する物質と
ホールを輸送する物質に分類されるが、本発明の感光層
には両者とも使用することができ、またその混合物をも
使用することができる。電子を輸送する物質としては、
ニトロ基やシアノ基等を電子吸引性基を有する物質、例
えば、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン等の
ニトロ化フルオレノンやトリニトロトルエン等が挙げら
れる。また、ホールを輸送する物質としては、電子供与
性の物質、例えば、カルバゾール、オキサゾール、チア
ゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、ピラゾリン
等の複素環化合物や、アニリン誘導体、アリールアミン
誘導体、ヒドラゾン誘導体等の低分子の電荷輸送物質
や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−
N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニ
ルアントラセン等の高分子の電荷輸送物質を用いること
ができる。しかし、本発明に用いられる電荷輸送物質
は、これらに限定されるものではない。また、電荷輸送
物質は単独又は二種以上を混合して用いてもよい。な
お、低分子電荷輸送物質を用いるときは、適当なバイン
ダー樹脂を選択することによって被膜形成することがで
きるが、成膜性のある高分子電荷輸送物質も使用でき
る。また、上記の高分子電荷輸送物質をバインダー樹脂
中に混合してもよい。ここで用いられるバインダー樹脂
としては、前記電荷発生層に使用したものと同じでよ
い。
【0032】電荷輸送層用塗布液の作製は、バインダ樹
脂溶液中へ電荷輸送物質を溶解して作製する。該電荷輸
送層の塗布方法としては、電荷発生層と同様の方法が用
いられる。
【0033】下引層としては、ポリアミド樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン
樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノキシ樹脂等のバイ
ンダ樹脂中に、必要に応じて各種機能性粉末や顔料等が
分散されて形成される。
【0034】下引層の膜厚は、0.01〜10μm、好
ましくは0.05〜5μmの範囲に設定する。該下引層
用塗布液の分散方法並びに塗布方法としては、電荷発生
層と同様の方法が用いられる。
【0035】以上に示した電荷発生層と、電荷輸送層、
さらに必要に応じて下引層の分散・溶解液を、導電性支
持体上に塗布し乾燥させることにより、本発明の電子写
真用感光体が得られる。
【0036】上記導電性支持体としては、基体自体が導
電性を有するもの、例えば、アルミニウム、アルミニウ
ム合金、銅、亜鉛、ステンレス、ニッケル、クロム、チ
タン等は勿論、その他に、アルミニウム、アルミニウム
合金、酸化インジウム、酸化錫等を真空蒸着法により被
膜形成した層を有するプラスチック、導電性粒子をプラ
スチックや紙等に含浸させた基体、もしくは導電性ポリ
マーを有するプラスチック等を用いることができる。そ
れらの形状としては、ドラム状、シームレスベルト状の
ものなどが使用できる。
【0037】塗布溶剤としては、ベンゼン、トルエン、
キシレン、モノクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素、
ジオキサン、ジメトキシメチルエーテル、ジメチルホル
ムアミドなどの溶剤の単独又は2種以上の混合溶剤、ま
たは必要に応じてアルコール類、アセトニトリル、メチ
ルエチルケトンなどの溶剤をさらに使用することができ
る。
【0038】更に本発明の電子写真用感光体の感光層
は、感度の向上、繰返し使用時の残留電位の上昇や疲労
を抑える等の目的のために、一種もしくは二種以上の電
子受容性物質や色素を含有してもよい。
【0039】ここで用いられる電子受容性物質として
は、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル
酸、4−クロルナフタル酸無水物等の酸無水物、テトラ
シアノエチレン、テレフタルマロンジニトリル等のシア
ノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒド等のアルデヒド
類、アントラキノン、1−ニトロアントラキノン等のア
ントラキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン等の多
環もしくは複素環ニトロ化合物を化学増感剤として用い
ることができる。
【0040】色素としては、例えば、キサンテン系色
素、チアジン色素、トリフェニルメタン色素やキノリン
系顔料、フタロシアニン顔料等の有機光導電性化合物を
光学増感剤として用いることができる。
【0041】更に本発明の電子写真用感光体の感光層
は、成形性、可撓性、機械的強度を向上させるために、
周知の可塑剤を含有してもよい。可塑剤としては、二塩
基酸エステル、脂肪酸エステル、燐酸エステル、フタル
酸エステルや塩素化パラフィン、エポキシ型可塑剤等が
挙げられる。また、必要に応じてレベリング剤、酸化防
止や紫外線吸収剤等を含有してもよい。
【0042】以下、本発明を実施例により、更に具体的
に説明するが、本発明は、これらにより、なんら限定さ
れるものではない。
【0043】
【実施例】実施例1 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μm)を
導電性支持体とし、その上に、下記構造式(I)
【0044】
【化1】
【0045】で示されるビスアゾ顔料1重量部、平均粒
径0.01〜0.02μmのアモルファス酸化亜鉛微粒
子0.25重量部、ポリビニルブチラール樹脂(日信化
学工業社製;エスレックB)1重量部及びTHF98重
量部を、直径1.5mmのガラスビーズと一緒にペイン
トシェイカー(レッドデビル社製)にて、2時間分散を
行い、ベーカーアプリケーターにより塗布、乾燥した。
乾燥後の膜厚は、0.2μmであった。
【0046】この電荷発生層の上に、下記構造式(I
I)
【0047】
【化2】
【0048】で示されるヒドラゾン系化合物1重量部、
ポリアリレート樹脂1重量部及び塩化メチレン8重量部
を混合し、撹拌溶解した液を、ベーカーアプリケーター
により塗布し、加熱乾燥を行い、膜厚20μmの電荷輸
送層を作成した。
【0049】このようにして作成した積層電子写真感光
体を静電記録紙試験装置(川口電気製;SP−428)
により電子写真特性を評価した。
【0050】測定条件は、加電圧:−6kV、スタティ
ック:No.3であり白色光照射(照射光:51ux)
による−700Vから−100Vに減衰させるに要する
露光量E100 (ルックス・秒)及び初期電位V0 (−ボ
ルト)を測定し、その値を表1に示した。更に同装置を
用いて、加電−除電(除電光:白色光で40ルックスで
1秒照射)を1サイクルとして10万回同様の操作を行
った後の初期電位V0(−ボルト)及びE100 (ルック
ス・秒)を測定し、V0 及びE100 の変化を調べ、表1
に示した。
【0051】実施例2 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛微粒子の含有
量を0.1重量部とした以外は、実施例1と同様にして
電子写真用感光体を作成し、測定を行った結果を表1に
示した。
【0052】実施例3 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛微粒子の含有
量を0.5重量部とした以外は、実施例1と同様にして
電子写真用感光体を作成し、測定を行った結果を表1に
示した。
【0053】実施例4 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛微粒子の代り
に、六方晶系酸化亜鉛微粒子(平均粒径0.1〜0.2
μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真
用感光体を作成し、測定を行った結果を表1に示した。
【0054】比較例1 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛を用いなかっ
た以外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を作成
し、測定を行った結果を表1に示した。
【0055】比較例2 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛の添加量を2
重量部に増加させた以外は実施例1と同様にして電子写
真用感光体を作成し、測定を行った結果を表1に示し
た。
【0056】
【表1】
【0057】実施例5 実施例1において、前記構造式(I)で示されたアゾ顔
料の代りに下記構造式(III)
【0058】
【化3】
【0059】で示された多環キノン系顔料を用いた以外
は実施例1と同様にして電子写真用感光体を作成した。
それらの電子写真特性を、実施例1と同様に測定を行っ
た結果を表2に示した。
【0060】実施例6 実施例1において、前記構造式(I)で示されたアゾ顔
料の代りに下記構造式(IV)
【0061】
【化4】
【0062】で示されたフタロシアニン系顔料を用いた
以外は実施例1と同様にして電子写真用感光体を作成し
た。それらの電子写真特性を、実施例1と同様に測定を
行った結果を表2に示した。
【0063】比較例3 実施例5において、アモルファス酸化亜鉛を用いなかっ
た以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を作成
し、測定を行った結果を表2に示した。
【0064】比較例4 実施例6において、アモルファス酸化亜鉛を用いなかっ
た以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作成
し、測定を行った結果を表2に示した。
【0065】比較例5 実施例1において、アモルファス酸化亜鉛微粒子の平均
粒子径を1μm〜2μmとした以外は、実施例1と同様
にして、電子写真用感光体を作成したが、酸化亜鉛微粒
子の分散性が非常に悪く、表面性の粗い電荷発生層とな
ってしまったために、実際の複写機に取り付けて画質評
価を行ったところ粗さの目立った画像となっていた。
【0066】
【表2】
【0067】表1,2に示した結果より本発明による電
子写真用感光体は繰り返し使用による感度低下がほとん
どなく、極めて耐久性にすぐれていることが判明した。
【0068】実施例7 メチルアルコール28.7重量部と1,2−ジクロルエ
タン53.3重量部の共沸組成混合溶媒にメトキシメチ
ル化ナイロン樹脂(帝国化学:トレジンEF−30T)
0.9重量部と非導電性酸化チタン(石原産業:TTO
−55A)17.1重量部とを混合したものをペイント
シェーカーにて8時間分散し下引層用塗布液を作製し
た。このようにして作製した塗布液を1mmt×80m
mφ×348mmのアルミニウム製ドラム状基板上に、
図7に示した浸漬塗布装置にてコーティングし110℃
の乾燥温度で10分間熱風乾燥を行い乾燥膜厚1.5μ
mの下引層を設けた。その上に、メチルイソブチルケト
ン97重量部に下記構造式(V)のビスアゾ系顔料[ク
ロルダイアンブルー]1.5重量部とブチラール樹脂
(ユニオンカーバイト社製)1.5重量部を混合したも
のをペイントシェーカーで8時間分散し作製した電荷発
生層用塗布液を前記浸漬塗布装置にてコーティングし9
0℃の乾燥温度で10分の熱風乾燥を行い乾燥膜厚が
0.8μmの電荷発生層を設けた。さらにその上にジク
ロルメタン8重量部に下記構造式(VII)のヒドラゾ
ン系化合物[4,−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
N,N−ジフェニルヒドラゾン]1重量部とポリカーボ
ネイト樹脂(三菱ガス化学社製ユーピロン)1重量部を
混合したものをマグネティクスタラーにて撹拌溶解し、
作製した電荷輸送用塗布液を前記浸漬塗布装置にてコー
ティングし80℃の乾燥温度で1時間の熱風乾燥を行い
乾燥膜厚が35μmの電荷輸送層を設け機能分離型電子
写真感光体を作製した。なお、感光層端部における位置
関係は、図2に示した構造とした。
【0069】
【化5】
【0070】
【化6】
【0071】このようにして作製した電子写真用感光体
を、実際の複写機SF−9400に搭載して、12万枚
コピーテストを行い、感光層端部における膜剥離の有無
を調べた。その結果を表3に示す。
【0072】実施例8 実施例7において感光層端部における各層の位置関係を
図3に示した構造とした以外は実施例7と同様にして電
子写真用感光体を作製し、同様の評価を行った結果を表
3に示す。
【0073】実施例9 実施例7において下引層を設けず、各層の位置関係を図
1に示した構造とした以外は、実施例7と同様にして電
子写真用感光体を作製し、同様の評価を行った結果を表
3に示す。
【0074】比較例6 実施例7において感光層端部における各層の位置関係を
図5に示した構造とした以外は、実施例7と同様にして
電子写真用感光体を作製し、同様の評価を行った結果を
表3に示す。
【0075】比較例7 実施例7において感光層端部における各層の位置関係を
図6に示した構造とした以外は、実施例7と同様にして
電子写真用感光体を作製し、同様の評価を行った結果を
表3に示す。
【0076】比較例8 実施例7において、下引層を設けず感光層端部における
各層の位置関係を図4に示した構造とした以外は、実施
例7と同様にして電子写真用感光体を作製し、同様の評
価を行った結果を表3に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
【発明の効果】本発明において、酸化亜鉛微粒子を電荷
発生層に含有させることにより、機能分離型電子写真用
感光体の成膜性、膜強度、画質や電子写真特性に、なん
ら悪影響を与えることなく、繰り返し使用したときの光
感度の劣化を防止することが可能となり、高感度かつ高
耐久性を実現した電子写真用感光体が得られた。
【0079】本発明による電子写真用感光体は、機械的
強度に優れ、感光層端部からの膜剥離が生じないため、
高速・長寿命複写機への搭載が可能であり、有機感光体
の長寿命化が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷発生層の端部表面を電荷輸送層で被覆し
た、本発明の感光層端部の模式図である。
【図2】下引層の端部表面を電荷発生層で被覆し、さら
に、電荷発生層の端部表面を電荷輸送層で被覆した、本
発明の感光層端部の模式図である。
【図3】下引層及び電荷発生層の端部表面を電荷輸送層
で被覆した、本発明の感光層端部の別の模式図である。
【図4】電荷発生層の端部表面を電荷輸送層で被覆しな
い、従来の感光層端部の模式図である。
【図5】下引層及び電荷発生層の端部表面を電荷輸送層
で被覆しない、従来の感光層端部の模式図である。
【図6】下引層の端部表面を電荷発生層で被覆し、電荷
発生層の端部表面を電荷輸送層で被覆しない、従来の感
光層端部の別の模式図である。
【図7】積層型電子写真用感光体の作成に使用する浸漬
塗布装置の模式図である。
【符号の説明】
a 電荷輸送層 b 電荷発生層 c 下引層 d,1 導電性支持体 2 昇降機 4 塗布槽 5 塗布液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 忍 充弘 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 坂元 雅遊亀 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 新居 和幸 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 竜廣 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸
    送層を積層してなる機能分離型電子写真用感光体におい
    て、該電荷発生層に酸化亜鉛微粒子を含有させることを
    特徴とする電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 前記酸化亜鉛微粒子の平均粒径が1μm
    以下であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 前記酸化亜鉛微粒子の含有量が、電荷発
    生物質に対し、1重量%から100重量%であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子写真用感光
    体。
  4. 【請求項4】 導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸
    送層を積層してなり、必要に応じて該導電性支持体と電
    荷発生層の間に、下引層を設けた機能分離型電子写真用
    感光体において、該下引層及び電荷発生層の端部表面が
    該電荷輸送層により被覆されていることを特徴とする電
    子写真用感光体。
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Cited By (3)

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