JP2001142238A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2001142238A
JP2001142238A JP32630199A JP32630199A JP2001142238A JP 2001142238 A JP2001142238 A JP 2001142238A JP 32630199 A JP32630199 A JP 32630199A JP 32630199 A JP32630199 A JP 32630199A JP 2001142238 A JP2001142238 A JP 2001142238A
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electrophotographic photoreceptor
photosensitive layer
photoreceptor
layer
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JP32630199A
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Akiteru Fujii
章照 藤井
Mamoru Rin
護 臨
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度かつ長寿命の電子写真感光体を得
る。 【解決手段】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生化
合物(フタロシアニン類など)、正孔輸送性化合物(ア
リールアミン系化合物など)、および電子輸送性化合物
(ペリレン系化合物など)を含む単層型感光層を有する
電子写真感光体おいて、該正孔輸送性化合物の、飽和カ
ロメル電極に対する酸化電位が0.90V以下であるこ
とを特徴とする正帯電型電子写真感光体。感光層の膜厚
は45μm以上が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用に有機
感光体に関し、より詳しくは、単層型の高感度正帯電用
電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真用感光体の感光層にはセ
レン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機系の光導電性
物質が広く用いられていた。しかしながら、セレン、硫
化カドミウムは毒物として回収が必要であり、セレンは
熱により結晶化するために耐熱性に劣り、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛は耐湿性に劣り、また酸化亜鉛は耐刷性が
ないなどの欠点を有している。近年では、有機系の光導
電性物質を電子写真用感光体の感光層に用いる研究が大
きく進展し、その特性も多くの点で無機感光体を凌ぐよ
うになり、複写機、プリンターに搭載される感光体の大
部分が有機系の感光体になるに至っている。有機系の光
導電性物質は無機系のものに比し、成膜が容易でかつ低
コストである、長波長光源に対する感度が得やすい、材
料の毒性が無い、感光層の組成選択の余地が大きい、種
類によっては透明な感光体を製造できる、可とう性を有
し、ベルト状に加工可能である、等の利点を有する。
【0003】有機系電子写真感光体においては、電荷キ
ャリアーの発生と移動の機能を別々の化合物に分担させ
る、いわゆる機能分離型の感光体が、材料選択の余地が
大きく、感光体の特性の制御がし易いことから、開発の
主流となっている。層構成の観点からは、電荷発生剤と
電荷輸送剤を同一の層中に有する単層型感光体と、別々
の層(電荷発生層と電荷輸送層)中に分離、積層する積
層型感光体が知られている。このうち積層型感光体は、
感光体設計上からは、 層ごとに機能の最適化が計りやす
く、特性の制御も容易なことから現行感光体の大部分は
このタイプになっている。このような積層型感光体のほ
とんどのものは、基体上に少なくとも電荷発生層、電荷
輸送層をこの順序で有している。該電荷輸送層において
は、好適な電子輸送材料がきわめて少ないのに対して、
正孔輸送材料は特性の良好な材料が数多く知られてい
る。そのため、このような正孔輸送材料を用いた積層型
感光体においては、帯電においては負帯電方式が採用さ
れる。このような負帯電方式において、負のコロナ放電
により感光体を帯電させる場合には発生するオゾンが環
境および感光体特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0004】それに対し、特開昭61−77054、同
61−188543、特開平2−228670、特公平
7−97223、同7−97225号公報記載のような
単層型の正帯電感光体を使用する際には、そのようなオ
ゾン発生が低減されることが一つの利点と考えられてお
り、電気特性面では負帯電の積層型感光体より劣るもの
が多いものの、一部実用化されている。このようなオゾ
ン発生に対する効果の他にも、単層型感光体は、塗布工
程が少なくなる、半導体レーザー光に対する干渉縞が生
じ難い、等の利点がある。以上のような利点に加え、感
光層の表面近傍で入射光のほとんどが吸収され、電荷が
発生するので、照射光の感光層中での拡散はほとんど無
視でき、さらに帯電後の表面電荷中和に至るまでの電荷
の移動距離が積層型感光体に比べ少ない点が挙げられ
る。このため、光および電荷キャリアの拡散による画像
ボケが起きづらく、高解像度が期待できるだけでなく、
感光層の膜厚をより厚くした場合にも、電荷および入射
光の拡散の度合いがさほど変わらず、解像度もあまり低
下しない。
【0005】一方、積層型感光体では、基体付近で電荷
発生が起きるため、電荷輸送層中での入射光および電荷
発生層より注入された電荷キャリアの拡散が厚膜になる
につれて増大し、実質45μm以上の感光層ではかなり
の画像ボケが生じ、高解像が要求される系での実用化は
困難であった。一方、本発明のような表面電荷発生型の
感光体においては、45μmあるいはそれ以上の膜厚を
有する感光体が可能である。45μm以上の厚膜感光体
は、耐磨耗性を考慮した場合に、削れによる膜減りのマ
ージンが大きく、より長寿命、即ち長期間、より多数回
の電子写真プロセスへの適用が可能である。その他に
も、電子写真学会誌、第31巻、第2号、149頁、1
992年に記載のように、厚膜化により感度が向上する
メリットがある。しかし、従来の単層型感光体は、使わ
れている材料、特に電荷輸送材料が限られたものであ
り、実用化はほとんどなされなかったのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑みなされたもので、高感度を有し、繰り返し使
用時の耐久性に優れた高寿命、高耐刷な正帯電用の単層
型電子写真感光体を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために鋭意研究を重ねた結果、導電性基体上に、
少なくとも電荷発生化合物、正孔輸送性化合物を含み、
膜厚が45μm以上である単層型感光層を有する電子写
真感光体おいて、該正孔輸送性化合物として、飽和カロ
メル電極に対する酸化電位が0.90V以下のものを用
いることにより上記課題が解決されることを見いだし
た。このようにして得られる電子写真感光体は高寿命、
高耐刷な感光体であり高解像度電子写真方式に最適であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の層構成を図1、2に記
す。基本となる感光層が導電性支持体上に直接形成され
た図1の構成と、導電性支持体と感光層との間に下引き
層を設けた図2の構成を取り得る。さらには必要に応じ
て、接着層、弾性層、表面保護層等を有していてもよい
ことは言うまでもない。以下、本発明の感光体の構成を
詳細に説明する。感光層は導電性支持体上に積層される
が、導電性支持体は、例えばアルミニウム、ステンレス
鋼、銅、ニッケル、亜鉛、インジウム、金、銀等の金属
材料、ポリエステル等のポリマー、紙、ガラス、等の絶
縁性基体の表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化
錫、酸化インジウム、導電性高分子等の導電性層を設け
たものが挙げられる。導電性支持体の表面は、画質に影
響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の酸化処理や薬品処理を行うことができる。電
極酸化などにより、金属酸化処理した金属ドラムなどが
該当する。形状は切削加工済みまたは無切削のドラム、
シート、ベルト、シームレスベルト等の任意の形状を取
ることができる。
【0009】電荷発生化合物としてはフタロシアニン化
合物が好ましい。フタロシアニン化合物は、負帯電積層
型感光体の、電荷発生層にも使用されるものの、負帯電
積層型感光体の電荷発生層の膜厚は通常1μm以下で、
膜中での電荷の滞留はほとんど問題にならないのに対し
て、本発明のような単層型感光体では、およそ50倍以
上の膜厚で用いられるので、それ自身が電荷の移動のト
ラップにならないことが必要である。また、負帯電積層
型感光体中の、電荷発生層の場合と異なり、本発明のよ
うな単層型感光体では、電荷発生材料がかなり希薄な濃
度領域で使用され、しかも周りを電荷輸送材料等が取り
囲む形になっているので、周りの材料と、電気物性面あ
るいは分散性、液安定性等の諸物性面を総合的に勘案し
て、より相性の良い材料を選択する必要がある。すなわ
ち、負帯電積層型感光体の電荷発生層として使用される
材料が必ずしもそのまま単層型感光体に使用できるだけ
でなく、単なる感度以外にも、たとえば帯電性、残留電
位、繰り返し安定性、膜中の分散性、塗布液の安定性等
を考慮する必要がある。
【0010】そのような条件に合致する化合物としてチ
タン、ガリウム、珪素のうち少なくともいずれか一つの
元素を中心金属として有する各種結晶型フタロシアニン
化合物が好適に使用できる。例えば、チタニルフタロシ
アニン(別称オキシチタニウムフタロシアニン)、中心
金属のチタンに水酸基を有する化合物を架橋させたフタ
ロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキ
シガリウムフタロシアニン、ヒドロキシ珪素フタロシア
ニン等の各種結晶型フタロシアニンが挙げられる。この
うち、チタニルフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフ
タロシアニン、ヒドロキシ珪素フタロシアニンが好まし
く、CuKα線によるX線回折線のブラッグ角2θ(±
0.2゜)が9.5°、24.1°、27.3°にピー
クを示す結晶型のチタニルフタロシアニンがより好まし
い。感光層中におけるフタロシアニン化合物の含有量
は、少な過ぎると感度が低く、また感光層のより深い、
基体側まで光が侵入してしまい、そこで発生した電子が
排出されにくくなり、多すぎると帯電性の低下を招くた
め、バインダーポリマー100重量部に対して1.5重
量部以上20重量部以下、より好ましくは2重量部以
上、10重量部以下含まれることがが好ましい。
【0011】正孔輸送性化合物は、上記電荷発生材料が
光を吸収して電子と正孔の電荷分離を起した後に、正孔
を輸送する役割を担う。本発明においては、感光体は単
層で正帯電方式であるので、正孔は、表面近傍で発生
し、基体まで移動することになる。その際、膜厚が45
μm以上と従来品に比べ厚いので、通常の膜厚(20〜
30μm程度)の感光体に比べより長距離を電荷が移動
し、より多くのトラップサイトに出会う確率が高くなる
ことから、トラップサイトに捕獲されにくいことが必要
で、かつ電荷発生材料とエネルギー準位面で整合性がよ
り優れることが必要である。具体的には酸化電位が、該
電荷輸送材料をアセトニトリル等の有機溶剤中に溶解し
てサイクリックボルタメトリ等の方法により測定した場
合に、飽和カロメル電極に対する酸化電位が0.90V
以下であることが好ましく、0.85V以下であること
がより好ましい。
【0012】また、高速の電子写真プロセスを用いる系
では、正孔の移動度が高いものを使用することが望まし
い。具体的には、Time−of−Flight法等に
よる測定で、電界強度3×105 V/cmにおいて1×
105 cm2 /Vs以上であることが好ましい。上記移
動度に関しては、電界強度3×105 V/cmにおいて
1×105 cm2 /Vs以下であっても、上記酸化電位
が0.90V以下であれば、比較的低速の電子写真プロ
セスでなら使用することができる。好適な正孔輸送性化
合物料例としては、ピラゾリン誘導体、カルバゾール誘
導体、エナミン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾ
ン誘導体、スチルベン誘導体、アリールアミン誘導体、
ブタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾー
ル誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダ
ゾリジン誘導体、スチリル化合物、ベンゾチアゾール誘
導体、ベンズイミダゾール誘導体、アクリジン誘導体、
フェナジン誘導体等の低分子化合物が使用できる。この
うち、エナミン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン
誘導体、アリールアミン誘導体、ブタジエン誘導体、ス
チリル化合物が特に好ましい。以上の正孔輸送型電荷輸
送剤は1種、または2種以上を組み合わせて用いられ
る。
【0013】正孔輸送性化合物の含有量としては、特に
制限はないが、バインダーポリマー100重量部に対し
て通常は10重量部以上500重量部以下、好ましくは
30重量部以上150重量部以下、さらに好ましくは4
0重量部以上120重量部以下である。電子輸送性顔料
は、前記電荷発生材料が光を吸収して電子と正孔の電荷
分離を起した後に、電子を輸送する役割を担う。本発明
においては、感光体は単層で正帯電方式であるので、電
子は、表面近傍で発生し、表面まで移動し、表面電荷を
打ち消す役割を担っている。電子の移動距離としては必
ずしも長くないので、電子の移動度は必ずしも正孔輸送
剤量ほど高いことは必要ないものの、電子が感光層中に
残留したままだと続くプロセスにおいて帯電性の低下を
まねくので、十分電子の抜けが良いものを使用すること
が望ましい。また、バインダー樹脂に対して非相溶であ
る顔料が、相溶である化合物よりも耐ガス性および材料
選択の広さの観点から好ましく、例えばペリレン系化合
物、アゾ系化合物、チアピリリウム塩誘導体、ピリリウ
ム塩誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導
体、アントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、フ
ルオレノン誘導体等が挙げられる。このうち、ペリレン
系化合物が好適に用いられる。電子輸送性化合物の含有
量としては、少なすぎると電子輸送能が不足し、多すぎ
ると帯電性が低下するため、バインダーポリマー100
重量部に対して通常は0.1重量部以上50重量部以
下、好ましくは1重量部以上25重量部以下、さらに好
ましくは2重量部以上10重量部以下である。
【0014】感光層の膜形成に際してはバインダーポリ
マーが使用される。この場合、感光層は上記フタロシア
ニン化合物、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物およ
び各種添加剤とバインダーポリマーを溶剤に溶解あるい
は分散して得られる塗布液を塗布、乾燥して得ることが
できる。バインダーポリマーとしては、例えばブタジエ
ン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、エ
チルビニルエーテル等のビニル化合物の重合体及び共重
合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、
部分変性ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリウレタン、セルロースエ
ーテル、フェノキシ樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂、
ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂等が挙げられる。こ
れらは適当な硬化剤等を用いて熱、光等により架橋させ
て用いる事もできる。これらのバインダーは単独で、ま
たは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0015】感光層中には必要に応じて電子吸引性化合
物を添加しても良い。電子吸引性化合物としては、テト
ラシアノキノジメタン、ジシアノキノメタン、ジシアノ
キノビニル基を有する芳香族エステル類等のシアノ化合
物;2,4,6−トリニトロフルオレノン等のニトロ化
合物;ペリレン等の縮合多環芳香族化合物;ジフェノキ
ノン誘導体;キノン類;アルデヒド類;ケトン類;エス
テル類;酸無水物;フタリド類;置換及び無置換サリチ
ル酸の金属錯体;置換及び無置換サリチル酸の金属塩;
芳香族カルボン酸の金属錯体;芳香族カルボン酸の金属
塩が挙げられる。好ましくは、シアノ化合物、ニトロ化
合物、縮合多環芳香族化合物、ジフェノキノン誘導体、
置換及び無置換サリチル酸の金属錯体、置換及び無置換
サリチル酸の金属塩;芳香族カルボン酸の金属錯体;芳
香族カルボン酸の金属塩を用いるのがよい。
【0016】更に、上記感光層は成膜性、可とう性、塗
布性機械的強度、製膜性、耐久性等を向上させるために
周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤を含有していてもよい。感光層の膜厚は通常45μm
以上、好ましくは50μm以上で使用される。本発明で
は、積層型感光体に比べ、感光層を厚くすることができ
る。感光層形成のための塗布液作製に際しては、フタロ
シアニン化合物、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合
物、バインダーポリマー等の組成物を別々に乾式、ある
いは適当な溶媒中で分散/溶解した後に混合する方法、
あるいは、組成物のうち2種以上を一緒に分散あるいは
溶解した後に混合する等の方法が適宜用いられる。分散
には通常ボールミル、超音波分散器、ペイントシェイカ
ー、アトライター、サンドグラインダ等を使用する。分
散、あるいは溶解に用いる溶媒としては、ブチルアミ
ン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノ
ールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジア
ミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム、1,2ージクロルエタ
ン、1,2ージクロルプロパン、1,1,2−トリクロ
ルエタン、1,1,1−トリクロルエタン、トリクロル
エチレン、テトラクロルエタン、ジクロルメタン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルグリ
コール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシ
ド、メチルセルソルブ、等が挙げられる。これらの分散
媒は、1種単独で使用してもよく、或いは2種以上を混
合溶媒として用いても良い。この塗布液をディッピング
法、スプレー法、バーコーター法、ブレード法、ロール
コーター法、ワイヤーバー塗工法、ナイフコーター塗工
法、等の塗布法により塗布後、乾燥する。このうち、4
5μm以上の厚膜塗布方法としてはスプレー法が好適に
用いられる。
【0017】本発明の感光体は必要に応じて、下引き
層、透明絶縁層、表面保護層等を有していてもよいこと
は言うまでもない。下引き層は通常、感光層と導電性支
持体の間に使用され、通常使用される公知のものが使用
できる。下引き層としては酸化チタン、酸化アルミニウ
ム、ジルコニア、酸化珪素などの無機微粒子、有機顔料
および架橋ポリマー等の有機微粒子、ポリアミド樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂、カゼイン、ポリウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、セルロース、ニトロセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなど
の樹脂等の成分を使用することができる。これらの微粒
子、樹脂は単独でまたは2種以上を混合してしようでき
る、厚さは、通常0.01〜50μm、好ましくは0.
01〜10μmである。
【0018】本感光体に表面保護層を設ける場合、保護
層の厚みは0.01〜20μmが可能であり、好ましく
は0.1〜10μmである。保護層には前記のバインダ
ーを用いることができるが、前記の電荷発生剤、電荷輸
送剤、添加剤、金属、金属酸化物などの導電材料、滑剤
等を含有しても良い。本発明の電子写真感光体を使用す
るのにあたって、帯電器はコロトロン、スコロトロンな
どのコロナ帯電器、帯電ローラー、帯電プラシ等の接触
帯電器などが用いられる。露光はハロゲンランプ、蛍光
灯、レーザー(半導体、He−Ne)、LED、感光体
内部露光方式等が用いられるが、デジタル式電子写真方
式として、レーザー、LED、光シャッターアレイ等を
用いることが好ましい。現像行程はカスケード現像、一
成分絶縁トナー現像、一成分導電トナー現像、二成分磁
気ブラシ現像などの乾式現像方式や湿式現像方式などが
用いられる。転写行程はコロナ転写、ローラー転写、ベ
ルト転写などの静電転写法、圧力転写法、粘着転写法が
用いられる。定着は熱ローラ定着、フラッシュ定着、オ
ーブン定着、圧力定着などが用いられる。クリーニング
にはブラシクリーナー、磁気ブラシクリーナー、静電ブ
ラシクリーナー、磁気ローラークリーナー、ブレードク
リーナー、などが用いられる。上記のようにして得られ
た本発明の電子写真感光体は、従来の感光体に比べ、高
感度でかつ高耐刷であり、より高速かつ高寿命の要求さ
れる複写機、プリンター、ファックス、製版機等の電子
写真分野に好適である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。しかしながら、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。なお、下記記載中、「部」は「重量部」
を表す。
【0020】(実施例1)図3に示すCuKα線による
粉末X線回折パターンを有するオキシチタニウムフタロ
シアニン3部および下記構造式のペリレン顔料8部をト
ルエン180部に加え、サンドグラインダーにより分散
した。一方、下記表1中の正孔輸送材料1を70重量
部、ポリカーボネート樹脂100部をトルエン420部
に溶解し、これに上記の2種の分散液を、ホモジナイザ
ーにより均一になるように混合した。このように調整し
た塗布液を、支持体として、アルミニウム蒸着層を有す
る膜厚75μmのポリエステルフィルム上に、乾燥膜厚
が58〜59μmになるように塗布し、単層型の電子写
真感光体を得た。
【0021】
【化1】
【0022】(実施例2、3)正孔輸送材料を表1中の
化合物1に代えて化合物2、3を使用した以外はすべて
実施例1と同様の方法で電子写真感光体を得た。 (比較例1、2)実施例1において正孔輸送材料を表1
中の化合物1に代えて化合物4、5を使用した以外はす
べて実施例1と同様の方法で電子写真感光体体を得た。 (参考例1、2)実施例1、2において膜厚を29μm
にした以外は全て同じ方法で電子写真感光体を得た。
【0023】<感光体の評価>電子写真学会測定標準に
従って作製された測定装置(続電子写真技術の基礎と応
用、電子写真学会編、コロナ社、404−405頁記
載)を使用し、上記感光体をアルミニウム製ドラムに貼
り付けて円筒状にし、アルミニウム製ドラムと感光体の
アルミニウム基体との導通を取り、帯電、露光、電位測
定、除電のサイクルによる電気特性評価試験を行った。
その再、初期表面電位を700Vとし、露光は780n
m、除電は660nmの単色光とした。評価項目として
は、表面電位が700Vから350Vに半減するのに要
した露光量(半減露光量、E1/2 )、および780nm
の光を1.4μJ/cm2 照射した時点の表面電位(V
L)を測定した。VL測定に際しては、露光−電位測定
に要する時間について100msおよび200msの2
点で行った。結果を表2に示す。100msでのVL値
が低ければ高速プロセスにも対応できることを示し、1
00msではVL値が高くても200msで小さけれ
ば、およそ中速〜低速プロセスでなら使用できることを
示す。一方、200msでもVL値が小さくならない場
合、使用した正孔輸送材料は本発明の50μm以上の厚
膜感光体には不適当であることを示す。
【0024】(実施例4)支持体として、アルミニウム
製ドラム(直径30mm、長さ247mm)を使用し、
実施例1記載の方法と同様に塗布液を調整し、浸せき塗
布により膜厚50μmの電子写真感光体ドラムを作製し
た。このドラムをブラザー工業製レーザープリンターH
L−1040に装填し、印刷テストを行ったところ、画
像ボケ等の無い良好な画像が得られ、しかも一枚間欠モ
ードで1万枚印刷後も膜削れは5μ程度と初期膜厚の1
0%程度と小さく、画像にほとんど変化は見られなかっ
た。
【0025】(実施例5)図3に示すCuKα線による
粉末X線回折パターンを有するオキシチタニウムフタロ
シアニン3部および実施例1記載の構造式のペリレン顔
料8部をキシレン154部に加え、サンドグラインダー
により分散した後、キシレン55部で希釈し、分散液を
得た。一方、下記表1中の正孔輸送材料1を40重量
部、ポリカーボネート樹脂100部をキシレン2020
部に溶解し、これに上記の分散液を、ホモジナイザーに
より均一になるように混合して塗布液を作製した。この
塗布液を、スプレー塗布法により、アルミニウム製ドラ
ム(直径78mm、長さ350mm)上に、感光層の膜
厚が45μmとなるように塗布し、感光体ドラムを作製
した。この感光体ドラムを三田工業製DC−4090に
搭載し、画像試験を行ったところ、画像ボケ等の無い良
好な画像が得られた。
【0026】(比較例5)膜厚を24μmにした以外は
全て実施例4と同様に感光体ドラムを作製し、画像試験
を行ったところ、一枚間欠モード1万枚印刷時で膜削れ
は約5μと、初期膜厚の21%程度有り、画像には、線
太りや像濃化が見られた。また、感光体寿命も、実施例
4に比べ、半分以下であると推定された。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、高
感度で繰り返し安定性に優れ、耐刷性に優れ、高寿命の
正帯電用の単層型電子写真感光体が提供される。本発明
の電子写真感光体はデジタル式電子写真複写機やレーザ
ープリンター、ファックスに効果的に使用されるが、さ
らに電子写真技術を利用した各種製版システム、軽印刷
機等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の概略断面図である。
【図2】本発明の電子写真感光体の別の態様の概略断面
図である。
【図3】実施例1に使用したオキシチタニウムフタロシ
アニンのCuKα線による粉末X線回折図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体、 2 感光層、 3 下引き層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、少なくとも電荷発生化
    合物、正孔輸送性化合物及び電子輸送性顔料を含む単層
    型感光層を有する電子写真感光体おいて、該正孔輸送性
    化合物の、飽和カロメル電極に対する酸化電位が0.9
    0V以下であることを特徴とする正帯電型電子写真感光
    体。
  2. 【請求項2】 感光層の正孔移動度が電界強度3×10
    5 V/cmにおいて1×105 cm2 /Vs以上である
    請求項1に記載の正帯電型電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光層の膜厚が45μm以上であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の正帯電型電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】 電子輸送性顔料が、ペリレン系化合物、
    アゾ系化合物、チアピリリウム塩誘導体、ピリリウム塩
    誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、ア
    ントラキノン誘導体、ジフェノキノン誘導体およびフル
    オレノン誘導体から選ばれる1種または2種以上の混合
    物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の正帯電電型子写真感光体
  5. 【請求項5】 電子輸送性顔料がペリレン系化合物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 電荷発生化合物がフタロシアニン系化合
    物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 フタロシアニン系化合物が、CuKα線
    によるX線回折図のブラッグ角2θ(±0.2゜)が
    9.5°、24.1°、27.3°にピークを示す結晶
    型のチタニルフタロシアニンである請求項6に記載の電
    子写真感光体。
  8. 【請求項8】 電荷発生化合物が、バインダーポリマー
    100重量部に対して1.5重量部以上20重量部以下
    含有する請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真感光
    体。
  9. 【請求項9】 スプレー塗布方式により感光層が作製す
    ることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電
    子写真感光体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003140369A (ja) * 2001-08-21 2003-05-14 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真感光体
JP2004093799A (ja) * 2002-08-30 2004-03-25 Canon Inc 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
KR100811393B1 (ko) * 2001-12-04 2008-03-07 주식회사 하이닉스반도체 패턴 붕괴 개선용 포토레지스트 첨가제 및 이를 함유하는포토레지스트 조성물
JP2011257457A (ja) * 2010-06-04 2011-12-22 Kyocera Mita Corp 正帯電単層型電子写真感光体、及び画像形成装置

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