JP2009014857A - トリアミン化合物を含有する電子写真感光体、およびそれを備える画像形成装置 - Google Patents

トリアミン化合物を含有する電子写真感光体、およびそれを備える画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】耐オゾン性に優れ、他の特性面への弊害の全く無い新規なトリアミン化合物、ならびに該化合物を用いた電子写真感光体、さらに該電子写真感光体を備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】導電性材料からなる導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層が、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造により構成されており、前記電荷輸送層が、特定のトリアミン化合物をさらに含むことを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、トリアミン化合物および該トリアミン化合物を含有する電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を備える画像形成装置に関する。
電子写真技術を用いて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(以下、電子写真装置と称する)は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などに多用されている。
電子写真装置では、以下のような電子写真プロセスを経て画像が形成される。
まず、装置に備わる電子写真感光体(以下、単に感光体とも称する)の感光層を帯電させた後、露光して静電潜像を形成する。
形成された静電潜像を現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を記録紙などの転写材上に転写して定着させて、転写材に所望の画像が形成される。
近年、電子写真技術は、複写機の分野に限らず、従来では銀塩写真技術が使われていた印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルムなどの分野においても利用されており、レーザ、発光ダイオード(Light Emitting Diode;略称LED)、陰極線管(Cathode Ray Tube;略称CRT)などを光源とする高速プリンタにも応用されている。電子写真技術の応用範囲の拡大に伴い、電子写真感光体に対する要求は、高度で幅広いものになりつつある。
電子写真感光体としては、従来から、セレン、酸化亜鉛または硫化カドミウムなどの無機光導電性材料を主成分とする感光層を備える無機感光体が広く用いられている。
無機感光体は、感光体としての基礎特性をある程度は備えているけれども、感光層の成膜が困難で、可塑性が悪く、製造原価が高いなどの欠点を有する。その上、無機光導電性材料は一般に毒性が強く、製造上および取扱い上、大きな制約がある。
このように無機光導電性材料およびそれを用いた無機感光体には多くの欠点があることから、有機光導電性材料の研究開発が進んでいる。
有機光導電性材料は、近年、幅広く研究開発され、電子写真感光体などの静電記録素子に利用されるだけでなく、センサ素子、有機エレクトロルミネセント(Electro Luminescent;略称EL)素子などに応用され始めている。
有機光導電性材料を用いた有機感光体は、感光層の成膜性がよく、可撓性も優れている上に、軽量で、透明性もよく、適当な増感方法によって広範囲の波長域に対して良好な感度を示す感光体を容易に設計できるなどの利点を有しているので、次第に電子写真感光体の主力として開発されてきている。
有機感光体は、初期には感度および耐久性に欠点を有していたが、これらの欠点は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の物質にそれぞれ分担させた機能分離型電子写真感光体の開発によって著しく改善されている。さらに、この機能分離型感光体は、有機感光体の有する前記の利点に加え、感光層を構成する材料の選択範囲が広く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に作製できるという利点も有している。
このような有機系感光体の構成としては:
− 電荷発生物質をバインダ樹脂に分散させた電荷発生層と、電荷輸送物質をバインダ樹脂に分散させた電荷輸送層とを、支持体上に順次積重ねた積層構造、
− 電荷発生物質および電荷輸送物質の双方をバインダ樹脂に分散させた単層構造、または
− 上記電荷輸送層と上記電荷発生層とを、支持体上に順次積層した逆二層型積層構造、
など、様々な構成が提案されている。
中でも感光層として電荷発生層上に電荷輸送層を積層した機能分離型の感光体は、電子写真特性および耐久性に優れ、材料選択の自由度の高さから感光体特性を様々に設計できることから、広く実用化されている。
これらの機能分離型感光体に用いられる電荷発生物質としては、フタロシアニン顔料、スクアリリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料、多環キノン顔料、シアニン色素、スクアリン酸染料、ピリリウム塩系色素などの多種の物質が検討され、耐光性が強く電荷発生能力の高い種々の材料が提案されている。
また、電荷輸送物質としては、ピラゾリン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルアミン化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物などの種々の化合物が知られている。
このように提案または検討されている構成を有する感光体には、高速化や耐久性と感度安定性等のさまざまな性能が求められている。
特に、最近のデジタル複写機およびレーザプリンタなどの反転現像方式の電子写真装置普及に伴い、感光体特性として高速化に対応する高感度化と、耐摩耗性および感度安定性の向上による耐久化=長寿命化との両立が、感光体に要求されている。加えて、レーザプリンタなどに用いる感光体には、より高い画像信頼性や繰返し安定性が要求される。
しかしながら、これらの有機系感光体は無機系感光体に比べて一般的に耐久性が低いことが1つの大きな欠点であるとされてきた。
耐久性としては感度、残留電位、帯電能、画像ボケなどの電子写真の特性の耐久性と、摺擦による感光体表面の摩耗や傷などの感光層の機械的耐久性に大別される。
電子写真感光体はシステムの中で繰返し使用され、その中に有って常に一定の安定した電子写真の特性が要求されるが、このような安定性、耐久性については、いずれの構成においても、いまだ十分なものが得られていないのが現状である。
すなわち、繰返し使用するに従って、電位の低下、残留電位の上昇および感度の変化などが生じ、コピー品質の低下が起きて使用に耐えなくなってしまう。
上記の、電子写真の特性の耐久性に関しては、コロナ放電により発生するオゾン、窒素酸化物(NOx)や光照射等により感光体表面層に含有される電荷輸送材料が劣化することが主原因であることが知られている。
すなわち、上記の酸化性のガスは、感光層中の材料を化学変化させることにより、例えば帯電電位の低下、残留電位の上昇、表面抵抗の低下による解像力の低下などをもたらし、その結果出力画像上に白抜けおよび黒帯等の画像ボケが発生して著しく画質を低下させ、感光体の寿命を短くする。
そこで、様々な骨格からなる多くの電荷輸送物質が数多く提案されており、上記耐久性の面ではかなり改善されつつあるが、いまだ十分とは言えないのが現状である。
また、上記のような現象に対して、コロナ帯電器の周りのガスを、効率よく排気したり、置換して感光体への直接的なガスの影響を避ける対策を盛り込む提案や、感光層に酸化防止剤、安定剤を添加し劣化を防ぐ提案もされている。
例えば特開昭62−105151号公報(特許文献1)に示される分子内にトリアジン環及びヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤の添加、特開昭63−18355号公報(特許文献2)には特定のヒンダードアミンの添加が記載されている。
また、特開昭63−4238号公報(特許文献3)、特開昭63−216055号公報(特許文献4)や特開平3−172852号公報(特許文献5)にはトリアルキルアミン、芳香族アミン、更に特開平5−158258号公報(特許文献6)にはアミンダイマーの添加についての記載があるが、上記の現象の解決には未だ十分とは言えない。
特開昭62−105151号公報 特開昭63−18355号公報 特開昭63−4238号公報 特開昭63−216055号公報 特開平3−172852号公報 特開平5−158258号公報
すなわち、このような従来の技術によって、未だに十分な耐オゾン性が達成されていない。また、酸化防止剤等の添加によって、感度や残留電位などの電子写真の特性を悪化させるといった、実用上の弊害も依然として残っているのが現状である。したがって、早急な耐オゾン性を向上し、かつ電子写真の特性面における弊害が全く無い新規な材料の提案がまたれている。
したがって、本発明は、耐オゾン性に優れ、かつ電子写真の特性面への弊害が全く無い電子写真感光体を提供するために好適な、新規なトリアミン化合物および該化合物を用いた電子写真感光体、ならびに該電子写真感光体を備える画像形成装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意努力研究を重ねた結果、意外にも、新規なトリアミン化合物が、耐オゾン性に優れていることを見出した。
さらに、本発明者らは、上記のトリアミン化合物が、電子写真感光体に極めて有用であることを見出し、該トリアミン化合物を含む電子写真感光体を備える画像形成装置による電子写真の特性面において弊害が全くないことを見出し、本発明を提供完成するに至った。
しかるに、本発明によれば、導電性材料からなる導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層が、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造により構成されており、前記電荷輸送層が、次の、一般式(1):
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよいアリール、シクロアルキル、ヘテロ原子含有シクロアルキルまたは複素環基を示し、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよい直鎖状または分枝鎖状の低級アルキレン基を示し、Zは置換基を有してもよい芳香環の3価の基を示す)
で示されるトリアミン化合物(以下、トリアミン化合物(1)と称する)をさらに含むことを特徴とする電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記トリアミン化合物が、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が、互いに同一または異なって、次の式:
Figure 2009014857
で表されるアルキレン基からなる群から選択されるトリアミン化合物(以下、トリアミン化合物(2)と称する)である電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記トリアミン化合物が、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が、互いにメチレン基であり、次の副式(3):
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6およびZは、一般式(1)において定義したものと同義である)
で表されるトリアミン化合物(以下、トリアミン化合物(3)と称する)である電子写真感光体が提供される。
より具体的には、本発明によれば、前記輸送物質が、前記一般式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6がそれぞれフェニル基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9がそれぞれメチレン基であり、Zが1,3,6−ベンゼントリイル基であり、次の式(4):
Figure 2009014857
で示されるトリアミン化合物(以下、トリアミン化合物(4)と称する)である電子写真感光体が提供される。
本発明によるトリアミン化合物は、いずれも有機光導電性材料が含まれる感光層に含有される事で、耐オゾン性の効果に優れる感光体の提供を可能にし、しかも該感光体を備える画像形成装置による電子写真の特性面への弊害が全く無いので、有機光導電性材料と併用して用いる化合物として好適である。
したがって、本発明によるトリアミン化合物を、例えば、電子写真感光体の感光層に含有させることによって、耐オゾン性の効果があり、同時に耐久性および環境安定性にも優れる電子写真感光体の提供が可能となる。
また、本発明による電子写真感光体を備える画像形成装置による電子写真には、その特性面への弊害が全く見受けられないので、本発明による電子写真感光体は、高速の電子写真プロセスに用いられた場合であっても、その優れた耐オゾン性の効果により、高品質の画像を提供することができる。
具体的には、本発明によれば、導電性材料からなる導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層が、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記伝家輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造により構成されており、前記電荷輸送層が、上記トリアミン化合物(1)〜(4)のいずれか一つまたはこれらの化合物が組み合わされて含まれる電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記電荷輸送物質の重量Aと、請求項1〜3のいずれか一つに記載のトリアミン化合物の重量Bとの比率A/Bが、100/0.1以上100/20以下の範囲の割合で前記トリアミン化合物を含む電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記導電性支持体と前記感光層との間に、さらに中間層が設けられている電子写真感光体が提供される。
また、本発明によれば、前記電子写真感光体を備える画像形成装置が提供される。
より具体的には、本発明によれば、前記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
帯電された前記電子写真感光体を露光する露光手段と、
露光によって形成された静電潜像を現像する現像手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置が提供される。
また、本発明によれば、前記画像形成装置が、前記帯電手段として、接触帯電方式を備える画像形成装置が提供される。
さらに、本発明によれば、次の、一般式(1):
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよいアリール、シクロアルキル、ヘテロ原子含有シクロアルキルまたは複素環基を示し、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよい直鎖状または分枝鎖状の低級アルキレン基を示し、Zは置換基を有してもよい芳香環の3価の基を示す)
で示されるトリアミン化合物(1)が提供される。
具体的には、本発明によれば、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が互いに同一または異なって、次の式:
Figure 2009014857
で表されるアルキレン基からなる群から選択されるトリアミン化合物(2)が提供される。
より具体的には、本発明によれば、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が互いにメチレン基であり、次の副式(3):
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6およびZは、一般式(1)において定義したものと同義である)
で表されるトリアミン化合物(3)が提供される。
さらに具体的には、本発明によれば、前記一般式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6がそれぞれフェニル基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9がそれぞれメチレン基であり、Zが1,3,6−ベンゼントリイル基であり、次の式(4):
Figure 2009014857
で示されるトリアミン化合物(4)が提供される。
本発明によるトリアミン化合物において、化学物質としての分解または変質などの化学的安定性、原料入手の容易性、製造の容易性および収率の高さならびに製造コストなどを考慮すると、トリアミン化合物(1)の中でもトリアミン化合物(2)がより好ましく、トリアミン化合物(3)がさらに好ましく、トリアミン化合物(4)が特に好ましい。
前記一般式(1)または(3)においてAr1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6で示される置換基を有してもよいアリール基としては、フェニル、トリル、メトキシフェニル、4-ジエチルアミノフェニル、4-クロロフェニル、ナフチルなどの、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基またはハロゲン原子で置換されているアリール基が挙げられる。
これらの中でも、フェニル、トリル、メトキシフェニル、ナフチル基およびテトラヒドロナフチル基などが好ましい。
また、置換基を有してもよいシクロアルキル基としては、シクロへキシル、シクロペンチル、4,4-ジメチルシクロへキシルなどの、炭素数1〜4のアルキル基で置換されているシクロアルキル基およびヘテロ含有シクロアルキル基が挙げられる。
これらの中でも、シクロへキシル基が好ましい。
また、置換基を有してもよい複素環基としては、フリル、チエニル、フラニル、4-メチルフラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル基などの、炭素数1〜4のアルキル基で置換されているか、または縮合環を形成している複素環基が挙げられる。
これらの中でもフラニルおよびベンゾフラニル基などが好ましい。
前記一般式(1)において。Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9で示されている置換基を有してもよい直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、2,2-ジメチルトリメチレン基などの、炭素数1〜5のアルキレン基が挙げられる。
これらの中でもメチレン、エチレン基が好ましい。
また、上記の置換基としては、フッ素原子などのハロゲン原子が挙げられる。
なお、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が直鎖のアルキレン基である場合、すなわちメチレン基またはエチレン基の場合が、原材料が安価であり、また合成が容易であることから、より好ましい。
さらに、原材料のコスト、入手の容易性、合成の容易および合成の収率の観点から、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9がメチレン基である場合、すなわち一般式(3)の場合が特に好ましい。
一般式(1)または(3)においてZで示されている置換基を有してもよい芳香環の3価の基としては、1,3,5−ベンゼントリイル、1,2,5−ベンゼントリイル、1,4,6−ナフタレントリイル、1,3,6−フルオレントリイル基などが挙げられる。これらの中でも、1,3,5−ベンゼントリイル基がコストおよび反応性の観点から好ましい。
前記トリアミン化合物(1)〜(4)は、一般式(5):
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Y1およびY2は上記一般式(1)で定義したとおりである。)
で示される2級アミン化合物、
一般式(6):
Figure 2009014857
(式中、Ar3、Ar4、Y3およびY4は上記一般式(1)で定義したとおりである)
で示される2級アミン化合物、および、
一般式(7):
Figure 2009014857
(式中、Ar5、Ar6、Y5およびY6は上記で定義したとおりである。)
で示される2級アミン化合物と、一般式(8):
Figure 2009014857
(式中、Z、Y7、Y8およびY9は上記一般式(1)で定義したとおりであり、X1、X2およびX3はハロゲン原子を示す)
で示されるトリハロゲン化物とを、以下に示す合成スキーム
Figure 2009014857
(式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9およびZは、上記一般式(1)で定義したとおりであり、X1、X2およびX3は上記一般式(8)で定義したとおりである)
に従って、有機塩基の存在下に溶媒中で加熱撹拌することによって、簡便に、収率良く高純度で製造することができる。
上記一般式(8)において、X1、X2およびX3が示すハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子または臭素原子が、反応性および入手の容易性の観点から好ましい。
上記の反応に用いられる溶媒としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどの鎖状あるいは環状エーテル類、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。
上記の溶媒は、上記化合物(5)〜(8)および有機塩基に対して不活性で、かつこれらの化合物を溶解または分散できるものであれば特に制限されることなく、単独または混合溶媒として使用できる。
上記の有機塩基としては、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、1,4-ジアザビシクロウンデセン等の有機アミン化合物が挙げられる。
なお、溶媒の使用量は特に制限されず、反応基質の使用量、反応温度、反応時間などの反応条件に応じて、反応が円滑に進行する量を適宜選択できる。
反応温度としては、用いる化合物によっても異なるが、通常40℃〜溶媒の沸点の間の温度、さらには60〜120℃の範囲の温度が、反応時間の短縮、および高収率につながり好ましい。
また、化合物の活性度により、最初の化合物の混合時に発熱を伴う場合には、常法に従って、任意に冷却してから、反応に付しても良い。
なお、反応時間は、使用する化合物の種類により異なり、反応の進行度を常法によりモニターしながら決定されるが、通常、2〜24時間、さらには2〜8時間加熱下に撹拌すれば十分である。
反応終了後、反応混合物を冷却し、析出物をろ取し、乾燥後に、エタノール、メタノール、酢酸エチル等の単独あるいは混合溶剤系から再結晶を行う事により、簡便に、収率良く高純度で目的物を得る事が出来る。
ここで、2級アミン化合物(5)、(6)および(7)とトリハロゲン化物(8)との使用割合は特に制限されるものではないが、反応の効率性などを考慮すると、トリハロゲン化物(8)1当量に対して、対称性の化合物を得る場合、すなわち、2級アミン化合物(5)、(6)または(7)のいずれか一つのみを使用する場合には、2級アミン化合物を3.0〜3.5当量程度用いるのが好ましい。
また、非対称性の化合物を得る場合、すなわち、それぞれ異なる2級アミン化合物を使用する場合には、2級アミン化合物(5)〜(7)のそれぞれを1.0〜1.2当量程度、すなわち、使用する全2級アミン化合物として3.0〜3.6当量程度用いるのが好ましい。
更に、トリハロゲン化合物(8)と有機アミン塩基との使用割合は特に制限されるものではないが、反応の効率性などを考慮すると、トリハロゲン化合物(8)1当量に対して、有機アミン塩基を3.05〜7.0当量程度用いるのが好ましい。
本発明による、トリアミン化合物(1)〜(4)の具体例としては、例えば以下の表1に記載のものが挙げられる。
Figure 2009014857
Figure 2009014857
Figure 2009014857
Figure 2009014857
本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)は、いずれも耐オゾン性に優れている。したがって、本発明のトリアミン化合物(1)〜(4)のいずれか一つを単独でまたは組み合わせて電荷輸送層に含んだ電子写真感光体はシステムから発生するオゾン、窒素酸化物の影響を受けにくく、極めて高い耐久性を達成することが可能であり、該電子写真感光体を備える画像形成装置による電子写真は、繰返し使用しても安定した特性および画質を有し、優れた電子写真の特性を示す。
したがって、本発明による電子写真感光体は、本発明によるトリアミン化合物を感光層に含有するので、耐オゾン性の効果に優れ、感光体の長寿命化に伴う感光体休止メモリー現象面においても優れている。
なお、本発明で用いる用語「感光体休止メモリー現象」とは、基本的にはコロナ生成物による劣化現象の一つであるが、コピー終了後感光体の回転が停止した際に、コロナ帯電器の近傍に止つた部分の帯電能が低下し、正現像の場合だとその部分だけ画像濃度が下り、反転現像だと画像濃度が上る現象を意味する。
なお、上記の現象は長期間感光体を使用した後に発生し易く、近年感光体寿命が延びることにより重大な問題となつて来ている。
すなわち、本発明による電子写真感光体を備える画像形成装置は、種々の環境下において、画像欠陥のない高品質の画像を長期間にわたって安定して形成することができるという特徴を有する。
また、本発明による電子写真感光体は、高速の電子写真プロセスにおいても高品質の画像を提供することができるので、本発明による画像形成装置では画像形成速度の高速化が可能である。
以下、図面を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明に添付の図面は、本発明の一部を示すものであり、これら図面により本発明はなんら制限されるものではない。
図1〜図4は、本発明による他の実施形態である電子写真感光体(以後、単に「感光体」とも称する)の要部の構成を模式的に示す断面図である。
図1〜4に示す電子写真感光体15〜18は、感光層7が、電荷発生層3と電荷輸送層4とからなる積層型感光層(以後、「機能分離型感光層」とも称する)7であることを特徴とする積層型電子写真感光体(以後、「機能分離型電子写真感光体」とも称する)である。
図1に示す電子写真感光体15は、導電性支持体1と、導電性支持体1の表面に形成される電荷発生層3と、電荷発生層3の表面に形成される電荷輸送層4とを含む。
図2に示す電子写真感光体16は、導電性支持体1と、導電性支持体1の表面に形成される電荷発生層3と、電荷発生層3の表面に形成される電荷輸送層4と、電荷輸送層4の表面に形成される表面保護層5とを含む。
図3に示す電子写真感光体17は、導電性支持体1と、導電性支持体1の表面に形成される中間層6と、中間層6の表面に形成される電荷発生層3と、電荷発生層3の表面に形成される電荷輸送層4とを含む。
図4に示す電子写真感光体18は、導電性支持体1と、導電性支持体1の表面に形成される中間層6と、中間層6の表面に形成される電荷発生層3と、電荷発生層3の表面に形成される電荷輸送層4と、電荷輸送層4の表面に形成される表面保護層5とを含む。
図1〜4に示す電子写真感光体15〜18を構成する各層は、具体的には、次の通りである。
[導電性支持体]
導電性支持体1は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜鉛、ステンレス鋼、チタンなどの金属材料により構成される。また、これらの金属材料に限定されることなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレンなどの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどを用いることもできる。
導電性支持体1の形状は、図1〜4に示す感光体15〜18ではシート状であるけれども、これに限定されることなく、円筒状、円柱状、無端ベルト状などであってもよい。
導電性支持体1の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理を施してもよい。
乱反射処理は、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスにおいて本発明による電子写真感光体を用いる場合に特に有効である。すなわち、レーザを露光光源として用いる電子写真プロセスでは、レーザ光の波長が揃っているので、電子写真感光体の表面で反射されたレーザ光と電子写真感光体の内部で反射されたレーザ光とが干渉を起こし、この干渉による干渉縞が画像に現れて画像欠陥が発生することがある。
しかしながら、導電性支持体1の表面に前記のような乱反射処理を施すことによって、この波長の揃ったレーザ光の干渉による画像欠陥を防止することができる。
[積層型感光層]
積層型感光層である感光層7は、電荷発生層3と電荷輸送層4とを含んで構成される積層体である。
[電荷発生層]
電荷発生層3は、電荷発生物質およびバインダ樹脂を含有する。
電荷発生物質は、光を吸収することにより電荷を発生する物質である。電荷発生物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、例えば、アゾ系顔料(モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなど)、スクアリリウム色素、ピリリウム塩類、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。
上記の電荷発生物質1種を単独または2種以上を組合せて使用することもできる。
これらの電荷発生物質の中でも、X型無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンが好ましく、オキソチタニウムフタロシアニンがさらに好ましい。
X型無金属フタロシアニンおよび金属フタロシアニン、特にオキソチタニウムフタロシアニンは、高い電荷発生効率と電荷注入効率とを有するので、光を吸収することによって多量の電荷を発生するとともに、発生した電荷を分子内に蓄積することなく、感光層7に含有される電荷輸送物質に電荷を効率よく注入できる。
上記の電荷発生物質は、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ナイトブルーおよびビクトリアブルーなどに代表されるトリフェニルメタン系染料、エリスロシン、ローダミンB、ローダミン3R、アクリジンオレンジおよびフラペオシンなどに代表されるアクリジン染料、メチレンブルーおよびメチレングリーンなどに代表されるチアジン染料、カプリブルーおよびメルドラブルーなどに代表されるオキサジン染料、シアニン染料、スチリル染料、ピリリウム塩染料またはチオピリリウム塩染料などの増感染料とさらに組合せて使用してもよい。
上記のバインダ樹脂としては電荷発生層のマトリックス樹脂として常用されるものを使用でき、例えばポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレートなどの熱可塑性樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらの中でも、ポリビニルブチラールが好ましい。また、上記のバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
電荷発生層3における電荷発生物質とバインダ樹脂との含有割合は特に制限されないが、好ましくは、電荷発生物質とバインダ樹脂との合計量の全量において、電荷発生物質を10〜99重量%含有し、残部をバインダ樹脂とすることができる。
電荷発生層3において、電荷発生物質の割合が10重量%未満では、感度が低下するおそれがあり、逆に電荷発生物質の割合が99重量%を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少するので、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像のかぶりが多く発生する。
電荷発生層3は、前記2種の必須成分のほかに、必要に応じて、電荷輸送材料、電子輸送材料、酸化防止剤、分散安定剤、増感剤などから選ばれる1種または2種以上のそれぞれ適量を含んでもよい。これによって、電位特性が向上するとともに、後述する電荷発生層形成用塗布液の安定性が高まり、電子写真感光体の繰返し使用時の疲労劣化を軽減し、耐久性を向上させることができる。
上記の電荷発生層3は、例えば電荷発生物質、バインダ樹脂および必要に応じて他の添加剤を適当な有機溶媒に溶解または分散して電荷発生層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体1または後述の中間層6の表面に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去することにより形成できる。具体的には、例えばバインダ樹脂を有機溶媒に溶解してなる樹脂溶液に電荷発生物質および必要に応じて他の添加剤を溶解または分散させることにより、電荷発生層形成用塗布液が調製される。
ここで用いられる有機溶媒としては、例えばテトラクロロプロパン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、イソホロン、メチルエチルケトン、アセトフェノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、安息香酸メチル、酢酸ブチルなどのエステル類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられる。
また、これらの溶剤を単独で用いるか、2種以上混合した混合溶剤を用いることもできる。
電荷発生物質などを樹脂溶液に溶解または分散させるに先立ち、電荷発生物質およびその他の添加剤を予備粉砕してもよい。
予備粉砕は、例えばボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて実施される。
電荷発生物質などの樹脂溶液への溶解または分散は、例えばペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて実施される。このとき、樹脂溶液、電荷発生物質などを収容する容器および分散機を構成する部材から、摩耗などによって不純物が発生し、塗布液中に混入しないように、分散条件を適宜選択するのが好ましい。
電荷発生層形成用塗布液の塗布方法としては、ロール塗布、スプレー塗布、ブレード塗布、リング塗布、浸漬塗布などが挙げられる。
電荷発生層3の膜厚は特に制限されないが、好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.1〜1μmである。
これは、電荷発生層の膜厚が0.05μm未満では、光吸収の効率が低下し、感度が低下するが、逆に電荷発生層の膜厚が5μmを超えると、電荷発生層内部での電荷輸送が電子写真感光体表面の電荷を消去する過程の律速段階となり、感度が低下するからである。
[電荷輸送層]
電荷輸送層4は、電荷発生物質で発生した電荷を受入れ輸送する能力を有する電荷輸送物質と、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)のいずれかと、バインダ樹脂とを含有する。さらに、電荷輸送層4は、必要に応じて、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)以外の材料として、酸化防止剤などの添加剤を含むことができる。
本発明によるトリアミン化合物としては、前記のトリアミン化合物(1)〜(4)から選択される1種または2種以上を使用できる。
電荷輸送物質として用いられる化合物としては、この分野で常用されるものを使用でき、例えばカルバゾール誘導体、ピレン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、多環芳香族化合物、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、トリアリールメタン誘導体、フェニレントリアミン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、ベンジジン誘導体、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマー(ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリ−9−ビニルアントラセンなど)、ポリシランなどが挙げられる。
バインダ樹脂は、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)との相溶性に優れるものが好適に用いられる。
そのような樹脂の具体例としては、例えばポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物などが挙げられる。
上記の樹脂の中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレートおよびポリフェニレンオキサイドは、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)との相溶性に特に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので、バインダ樹脂として好適に使用できる。また、ポリカーボネートは特に好適に使用できる。バインダ樹脂は上記のもののいずれかを単独でまたは2種以上を組合せて使用することもできる。
電荷輸送物質と本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)との使用割合は特に制限されないが、電荷輸送物質100重量部に対して、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)0.1〜20重量部を用いるのが好ましい。
電荷輸送物質100重量部に対する本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)の使用量が0.1重量部未満であると、耐オゾン効果がきわめて小さいことがある。
一方、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)の使用量が20重量部を超えると、電荷輸送物質に対する相対量比が高くなり、感度が低下するなどの現象を呈することがある。
また、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)以外の酸化防止剤などの添加剤を併用する事も可能で、以下に記載するように感光層形成用塗布液としての安定性を高め、液寿命を延長させるとともに、該塗布液で製造した電子写真感光体も、酸化性不純物が軽減されるので耐久性が向上する。
上記の酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン誘導体などが挙げられる。
酸化防止剤の使用量は特に制限されないが、好ましくは、電荷輸送物質100重量部に対して0.1〜10重量部である。
酸化防止剤の使用量が0.1重量部未満では、後述する感光層形成用塗布液の安定性および電子写真感光体の耐久性の向上効果が不充分になり、また、10重量部を超えると、電子写真感光体の電気特性に悪影響を及ぼす。
電荷輸送層4は、例えば適当な有機溶媒に電荷輸送材料、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)およびバインダ樹脂、ならびに必要に応じて本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)以外の、酸化防止剤などを溶解または分散させて電荷輸送層形成用塗布液を調製し、この電荷輸送層形成用塗布液を電荷発生層3の表面に塗布し、乾燥により有機溶媒を除去して形成できる。
ここで用いられる有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、ジフェニルメタン、ジメトキシベンゼン、ジクロルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジメトキシメチルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン類、安息香酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、ジフェニルスルフィドなどの含イオウ溶剤、ヘキサフロオロイソプロパノールなどのフッ素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤が挙げられ、これら溶媒のうち1種を単独で、または2種以上の混合溶媒として使用することもできるが、さらに、これら溶媒の1種または2種以上の混液に、アルコール類、アセトニトリルまたはメチルエチルケトンを加えた混合溶媒を使用することもできる。
電荷輸送層形成用塗布液の電荷発生層3の表面への塗布方法としては特に制限はなく、例えば浸漬塗布、ロール塗布、インクジェット塗布などが挙げられる。また、乾燥は、塗布液中に含まれる有機溶媒を除去し、かつ均一な表面を有する電荷輸送層4を形成できる温度を適宜選択して実施すればよい。
電荷輸送層4の膜厚は特に制限されないけれども、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜40μmである。
これは、電荷輸送層の膜厚が5μm未満では、電子写真感光体表面の帯電保持能が低下するおそれがあるが、逆に電荷輸送層の膜厚が50μmを超えると、電子写真感光体の解像度が低下するおそれがあるからである。
[表面保護層]
表面保護層5は、電子写真感光体の耐久性を向上させる機能を有する。表面保護層5は、電荷輸送物質とバインダ樹脂とを含有する。
表面保護層5は、例えば、適当な有機溶媒に電荷輸送物質およびバインダ樹脂などを溶解または分散させて表面保護層形成用塗布液を調製し、この表面保護層形成用塗布液を感光層7の表面に塗布し、乾燥により有機溶媒を除去して形成できる。
ここで用いられる有機溶媒としては、感光層7の形成に用いられる有機溶媒と同様のものを使用できる。
表面保護層5の膜厚は特に制限されないけれども、好ましくは0.5〜10μm、さらに好ましくは1〜5μmである。
表面保護層5の膜厚が0.5μm未満では、電子写真感光体表面の耐擦過性が劣り、耐久性も不充分である。10μmを超えると、電子写真感光体の解像度が低下する。
[中間層]
中間層6は、導電性支持体1から感光層7への電荷の注入を防止する機能を有する。その結果、感光層7の帯電性の低下が抑制され、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少が抑えられ、かぶりなどの画像欠陥の発生が防止される。
特に、反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりが発生するのが防止される。また、中間層6で導電性支持体1表面を被覆することにより、導電性支持体1表面の欠陥である凹凸の度合を軽減して表面を均一化し、感光層7の成膜性を高め、導電性支持体1と感光層7との密着性を向上させることができる。
中間層6は、例えば、樹脂材料を適当な溶媒に溶解させた中間層形成用塗布液を調製し、この塗布液を導電性支持体1の表面に塗布し、加熱により該塗布液中の溶媒を除去することによって形成できる。
樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリビニルブチラール、ポリアミド、ポリアリレートなどの熱可塑性樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂、これらの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルアルコール、エチルセルロースなどの天然高分子材料などが挙げられる。
樹脂材料を溶解または分散させる溶媒としては、例えば水、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、メチルカルビトール、ブチルカルビトールなどのグライム類、これらの溶媒を2種以上混合した混合溶媒などが挙げられる。
さらに、中間層形成用塗布液には、金属酸化物粒子を添加してもよい。
金属酸化物粒子の添加により中間層6の体積抵抗値を容易に調節でき、導電性支持体1から感光層7への電荷注入をさらに抑制できるとともに、各種環境下において電子写真感光体の電気特性を維持できる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化スズなどが挙げられる。
金属酸化物微粒子を中間層形成用塗布液中に分散させるには、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの、一般的な粒子分散装置を使用できる。
樹脂材料と金属酸化物粒子とを含む中間層形成用塗布液における、樹脂材料と金属酸化物粒子との合計含有量をC、溶剤の含有量をDとするとき、両者の比率(C/D)は、好ましくは1/99〜40/60(=0.01〜0.67、重量比)であり、さらに好ましくは2/98〜30/70(=0.02〜0.43、重量比)である。
また、樹脂材料含有量(E)と金属酸化物粒子含有量(F)との比率(E/F)は、好ましくは1/99〜90/10(=0.01〜9.0、重量比)であり、さらに好ましくは5/95〜70/30(=0.05〜2.33、重量比)である。
中間層6の膜厚は特に制限されないけれども、好ましくは0.01〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
膜厚が0.01μm未満では、中間層6として実質的に機能しなくなり、導電性支持体1の欠陥を被覆して均一な表面が得られず、また導電性支持体1から感光層7に対する電荷の注入を防止できなくなるので、感光層7の帯電性の低下が生じる。膜厚が20μmを超えると、中間層6の均一な形成が難しく、また電子写真感光体の感度も低下する。
なお、導電性支持体1の表面にアルマイトを含む層(アルマイト層)を形成し、中間層6とすることもできる。
図5は、本発明によるさらに他の実施形態である画像形成装置20の構成を簡略化して示す側面配置図である。画像形成装置20は、前記した図1〜4に示す電子写真感光体15〜18のいずれかから構成される本発明による電子写真感光体21を備えることを特徴とする。
図5を参照して、本発明による実施の他の形態である画像形成装置20について説明する。なお、本発明による画像形成装置は、以下の記載内容に限定されるものではない。
画像形成装置20は、本発明による電子写真感光体21であって、不図示の装置本体に回転自在に支持される電子写真感光体21と、帯電器24と、露光手段28と、現像器25と、転写器26と、クリーナ27と、定着器31とを含んで構成される。
電子写真感光体21は、不図示の駆動手段によって回転軸線22まわりに矢符23方向に回転駆動される。
駆動手段は、たとえば電動機と減速歯車とを含んで構成され、その駆動力を電子写真感光体21の芯体を構成する導電性支持体に伝えることによって、電子写真感光体21を所定の周速度で回転駆動させる。
帯電器24、露光手段28、現像器25、転写器26およびクリーナ27は、この順序で、電子写真感光体21の外周面に沿って、矢符23で示される電子写真感光体21の回転方向上流側から下流側に向って設けられる。
帯電器24は、電子写真感光体21の外周面を所定の電位に帯電させる帯電手段である。本実施の形態では、帯電器24は、接触式の帯電ローラ24aと、帯電ローラ24aに電圧を印加するバイアス電源24bとによって実現される。帯電手段としてはチャージャーワイヤも使用できるが、感光体表面の高い耐摩耗性が要求される帯電ローラにおいて、本発明による表面保護層が形成された電子写真感光体は耐久性向上により大きな効果を発揮する。
露光手段28は、たとえば半導体レーザなどを光源として備え、光源から出力されるレーザビームなどの光28aを、電子写真感光体21の帯電器24と現像器25との間に照射することによって、帯電された電子写真感光体21の外周面に対して画像情報に応じた露光を施す。光28aは、主走査方向である電子写真感光体21の回転軸線22の延びる方向に繰返し走査され、これに伴って電子写真感光体21の表面に静電潜像が順次形成される。
現像器25は、露光によって電子写真感光体21の表面に形成される静電潜像を、現像剤によって現像する現像手段であり、電子写真感光体21を臨んで設けられ、電子写真感光体21の外周面にトナーを供給する現像ローラ25aと、現像ローラ25aを電子写真感光体21の回転軸線22と平行な回転軸線まわりに回転可能に支持するとともにその内部空間にトナーを含む現像剤を収容するケーシング25bとを備える。
転写器26は、現像によって電子写真感光体21の外周面に形成される可視像であるトナー像を、図示しない搬送手段によって矢符29方向から電子写真感光体21と転写器26との間に供給される記録媒体である転写紙30上に転写させる転写手段である。
転写器26は、例えば帯電手段を備え、転写紙30にトナーと逆極性の電荷を与えることによってトナー像を転写紙30上に転写させる非接触式の転写手段である。
クリーナ27は、転写器26による転写動作後に電子写真感光体21の外周面に残留するトナーを除去し回収する清掃手段であり、電子写真感光体21の外周面に残留するトナーを剥離させるクリーニングブレード27aと、クリーニングブレード27aによって剥離されたトナーを収容する回収用ケーシング27bとを備える。また、このクリーナ27は、図示しない除電ランプと共に設けられる。
また、画像形成装置20には、電子写真感光体21と転写器26との間を通過した転写紙30が搬送される下流側に、転写された画像を定着させる定着手段である定着器31が設けられる。定着器31は、図示しない加熱手段を有する加熱ローラ31aと、加熱ローラ31aに対向して設けられ、加熱ローラ31aに押圧されて当接部を形成する加圧ローラ31bとを備える。
この画像形成装置20による画像形成動作は、次のようにして行われる。まず、電子写真感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28による光28aの結像点よりも電子写真感光体21の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、電子写真感光体21の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
次いで、露光手段28から、電子写真感光体21の表面に対して画像情報に応じた光28aが照射される。電子写真感光体21は、この露光によって、光28aが照射された部分の表面電荷が除去され、光28aが照射された部分の表面電位と光28aが照射されなかった部分の表面電位とに差異が生じ、静電潜像が形成される。
露光手段28による光28aの結像点よりも電子写真感光体21の回転方向下流側に設けられる現像器25から、静電潜像の形成された電子写真感光体21の表面にトナーが供給されて静電潜像が現像され、トナー像が形成される。
電子写真感光体21に対する露光と同期して、電子写真感光体21と転写器26との間に、転写紙30が供給される。転写器26によって、供給された転写紙30にトナーと逆極性の電荷が与えられ、電子写真感光体21の表面に形成されたトナー像が、転写紙30上に転写される。
トナー像の転写された転写紙30は、搬送手段によって定着器31に搬送され、定着器31の加熱ローラ31aと加圧ローラ31bとの当接部を通過する際に加熱および加圧され、トナー像が転写紙30に定着されて堅牢な画像となる。このようにして画像が形成された転写紙30は、搬送手段によって画像形成装置20の外部へ排紙される。
一方、転写器26によるトナー像の転写後も電子写真感光体21の表面上に残留するトナーは、クリーナ27によって電子写真感光体21の表面から剥離されて回収される。このようにしてトナーが除去された電子写真感光体21の表面の電荷は、除電ランプからの光によって除去され、電子写真感光体21の表面上の静電潜像が消失する。その後、電子写真感光体21はさらに回転駆動され、再度帯電から始まる一連の動作が繰返されて連続的に画像が形成される。
本発明による画像形成装置20は、本発明によるトリアミン化合物(1)〜(4)のいずれかが、均一に分散された感光層を有する電子写真感光体21を備えるので、黒点などの画像欠陥のない高品質の画像を形成することができる。
以下に製造例、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の製造例または実施例で得られた化合物の化学構造、分子量および元素分析は、以下の装置および条件で測定した。
− 核磁気共鳴装置:NMR(ブルッカーバイオスピン社製DPX-200)
サンプル調整 約4mg試料/0.4m(CDCl3
測定モード 1H(通常)、13C(通常、DEPT-135)
− 分子量測定装置:LC−MS(サーモクエスト社製、フィネガン LCQ Deca
マススペクトロメーターシステム)。
LCカラム GL-Sciences Inertsil ODS-3 2.1×100mm
カラム温度 40℃
溶離液 メタノール:水=90:10
サンプル注入量 5μl
検出器 UV 254nmおよびMS ESI
− 元素分析装置:パーキン エールマー社製、Elemental Analysis 2400
サンプル量: 約2mgを精秤
ガス流量(ml/分):He=1.5、O2=1.1、N2=4.3
燃焼管温度設定:925℃
還元管温度設定:640℃
なお、元素分析は、差動熱伝導度法による炭素(C)、水素(H)および窒素(N)同時定量法に分析した。
製造例1
例示化合物No.1(トリアミン化合物(4))の製造
下記反応行程式に従って、例示化合物No.1(トリアミン化合物(4))を製造した。
Figure 2009014857
無水1,4-ジオキサン80ml中に1,3,5-トリクロロメチルベンゼン2.00g(1.0当量)とジベンジルアミン5.56g(3.15当量)を加え、アイスバスにて氷冷下に冷却する。この溶液中に、N, N-ジイソプロピルエチルアミン3.81g(3.3当量)を徐々に加える。その後、徐々に加熱して反応温度を100〜110℃まで上げ、100〜110℃を保つように加熱しながら4時間撹拌した。反応終了後、この反応溶液を放冷し、生じた沈殿を濾取し、充分に水洗した後、エタノールと酢酸エチルとの混合溶剤(エタノール:酢酸エチル=8:2〜7:3)で再結晶を行うことによって、白色粉末状化合物5.3gを得た。
得られた白色粉末状化合物の1Hおよび13C−NMRスペクトルを測定した。
1H-NMRスペクトル(δ(ppm))(通常)において:3.5(s、12H)、3.7(s、6H)、6.9〜7.9(m、33H)にシグナルが観測された。
13C-NMRスペクトル(δ(ppm))(通常、DEPT-135)において:58.2(CH2、シグナル強度6)、68.1(CH2、シグナル強度3)、127.3(CH、シグナル強度6)、128.7(CH、シグナル強度12)、129.1(CH、シグナル強度12)、130.1(CH、シグナル強度3)、138.4(C、シグナル強度3)、140.2(C、シグナル強度6)にシグナルが観測された。
また、上記白色粉末状化合物の分子量(測定装置:LC−MS)を測定したところ、例示化合物1(計算値:705.41)にプロトンが付加した分子イオン[M+H]+に相当するピークが706.3に観測された。
さらに、白色粉末状化合物の元素分析値は以下のとおりであった。
<例示化合物1の元素分析値>
理論値 C:86.77%、H:7.28%、N:5.95%
実測値 C:86.29%、H:6.93%、N:5.61%
以上、NMR、LC−MSおよび元素分析等の分析結果から、得られた白色粉末状化合物が、例示化合物1のトリアミン化合物(4)であることが判った(収率:84.0%)。また、LC−MS測定時のHPLCの分析結果から、得られた例示化合物1の純度は99.2%であった。
製造例2〜8
例示化合物2、3、8、13、23、35および37の合成
製造例1において、一般式(4)、(5)および(6)で表される2級アミン化合物、一般式(7)で表されるトリハロゲン化合物として、以下の表2に示す各化合物をそれぞれ用い、製造例1と全く同様に操作して、例示化合物2、3、8、13、23、35および37をそれぞれ製造した。なお、表2には、例示化合物No.1の原料化合物も併せて示す。
Figure 2009014857
また、上記の製造例1〜8で得られた各例示化合物の構造式と併せて、それらの元素分析値と分子量の計算値およびLC-MSによる実測値[M+H]を、それぞれ以下の表3に示す。
Figure 2009014857
Figure 2009014857
実施例1
以下のようにして、製造例1で製造した例示化合物1(本発明によるトリアミン化合物(4))を電荷輸送層に含有させた電子写真感光体を作製した。導電性支持体には、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(略称PET)フィルムの表面にアルミニウムを蒸着したもの(以後、「アルミニウム蒸着PETフィルム」と称す)を用いた。
酸化チタン(商品名:タイベークTTO55A、石原産業株式会社製)7重量部および共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ株式会社製)13重量部を、メチルアルコール159重量部と1,3−ジオキソラン106重量部との混合溶剤に加え、ペイントシェーカにて8時間分散処理し、中間層形成用塗布液100gを調製した。この中間層形成用塗布液を、導電性支持体であるアルミニウム蒸着PETフィルムのアルミニウム表面にアプリケータによって塗布し、自然乾燥して膜厚1μmの中間層を形成した。
次いで、X型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue 8120、大日本インキ社製)1重量部およびブチラール樹脂(商品名:#6000−C、電気化学工業株式会社製)1重量部を、メチルエチルケトン98重量部に混合し、ペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層形成用塗布液50gを調製した。この電荷発生層形成用塗布液を、前記の中間層と同様の方法で、先に設けた中間層表面に塗布し、自然乾燥して膜厚0.4μmの電荷発生層を形成した。
次いで、製造例1で製造したトリアミン化合物(4)2.5重量部、下記構造式(9):
Figure 2009014857
で示される電荷輸送材料100重量部およびポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンZ400、三菱ガス化学株式会社製)180重量部を混合し、トルエンを溶剤として固形分10重量%の電荷輸送層形成用塗布液10gを調製した。この電荷輸送層形成用塗布液を、前記の中間層と同様の方法で、先に設けた電荷発生層表面に、それぞれ膜厚が15μmと28μmになるように、2種類の膜厚が異なる電荷輸送層を形成した。このようにして、前記の図3に示す電子写真感光体17と同様に、導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例2
本発明によるトリアミン化合物(4)(例示化合物1)に代えて例示化合物2を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例3
本発明によるトリアミン化合物(4)(例示化合物1)に代えて例示化合物8を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例4
本発明によるトリアミン化合物(4)(例示化合物1)に代えて例示化合物23を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例5
電荷輸送材料として下記構造式(10):
Figure 2009014857
で示される化合物を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例6
電荷輸送材料として下記構造式(11):
Figure 2009014857
で示される化合物を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例7
本発明によるトリアミン化合物(4)(例示化合物1)0.1重量部を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
実施例8
本発明によるトリアミン化合物(4)(例示化合物1)20重量部を用いた以外は実施例1と全く同様にして導電性支持体に中間層、電荷発生層および電荷輸送層が順次積層された積層構造を有する本発明による積層型電子写真感光体を作製した。
比較例1
本発明によるトリアミン化合物を用い無い事以外は実施例1と同様にして、積層型電子写真感光体を作製した。
比較例2
本発明によるトリアミン化合物を用い無い事以外は実施例5と同様にして、積層型電子写真感光体を作製した。
比較例3
本発明によるトリアミン化合物を用い無い事以外は実施例6と同様にして、積層型電子写真感光体を作製した。
比較例4
本発明によるトリアミン化合物の代りにヒドロキシエチルジベンジルアミン(特開平3−172852号公報記載化合物)を用いた以外は実施例1と同様にして、積層型電子写真感光体を作製した。
以上のようにして作製した実施例1〜8および比較例1〜4の各感光体について、以下のようにして(a)耐オゾンガス性および(b)電気特性の安定性を評価し、さらに(c)感光体性能の総合判定を行なった。
(a)耐オゾンガス性
〔評価装置による評価〕
実施例1〜8および比較例1〜4の各評価装置評価用感光体(電荷輸送層の層厚:15μm)を試験用複写機にそれぞれ搭載し、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N:Normal Temperature/Normal Humidity)環境下において、帯電直後の感光体の表面電位V1(V)および帯電から3秒間経過後の感光体の表面電位V2(V)を測定した。試験用複写機には、感光体の帯電手段としてコロナ放電帯電器を備える市販の複写機AR−F330(商品名、シャープ株式会社製)の内部に、画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(商品名:CATE751、ジェンテック社製)を設けたものを用いた。測定された帯電直後の表面電位V1(V)および帯電から3秒間経過後の表面電位V2(V)を下記式(I)に代入し、電荷保持率DD(%)を算出し、これを初期電荷保持率DD0とした。
Figure 2009014857
次いで、オゾン発生・制御装置(商品名:OES−10A、ダイレック株式会社製)を用い、各感光体をオゾン濃度が約7.5ppm(ダイレック株式会社製のオゾン濃度計MODEL1200(商品名)にて確認)に調整された密閉された容器中で20時間オゾンに曝露した。オゾンへの曝露後、各感光体を温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N)環境下に2時間放置した後、オゾン曝露前と同様にして電荷保持率DD(%)を求め、これをオゾン曝露後の電荷保持率DD02とした。
オゾン曝露前の電荷保持率すなわち初期電荷保持率DD0からオゾン曝露後の電荷保持率DD02を差引いた値を、電荷保持率変化量ΔDD(=DD0−DD02)として求め、耐オゾンガス性の評価指標とした。
〔実機による評価〕
実施例1〜8および比較例1〜4の各実機評価用感光体(電荷輸送層の層厚:28μm)を、感光体の帯電手段としてコロナ放電帯電器を備える市販の複写機AR−F330(商品名、シャープ株式会社製)にそれぞれ搭載し、温度25℃、相対湿度50%の常温/常湿(N/N)環境下において、所定のパターンのテスト画像を記録用紙5万枚に実写させた。5万枚の実写が終了した時点から1時間複写機の動作を停止させた後、記録用紙にハーフトーン画像を複写させ、これを第1評価用画像とした。次いで、再び温度25℃、相対湿度50%のN/N環境下において所定のパターンのテスト画像を記録用紙5万枚に実写させ、5万枚の実写が終了した時点から1時間複写機の動作を停止させた後、記録用紙にハーフトーン画像を複写させ、これを第2評価用画像とした。
形成された第1評価用画像および第2評価用画像をそれぞれ目視によって観察し、複写機の動作停止時にコロナ放電帯電器に近接して配置されていた感光体の部位からトナー像が転写された部分に相当する記録用紙の部位の画質を、白抜けおよび黒帯などの画像欠陥の発生度合によって判定し、耐オゾンガス性の評価指標とした。画質の判定基準は以下のようである。
◎:優。第1評価用画像および第2評価用画像のいずれにも画像欠陥が全く発生していない。
○:良。第1評価用画像および第2評価用画像のいずれか一方または両方に若干の画像欠陥が発生しているけれども、無視できる程度である。
△:可。第1評価用画像および第2評価用画像のいずれか一方または両方に若干の画像欠陥が発生しているけれども、実使用上問題がない程度である。
×:不可。第1評価用画像および第2評価用画像のいずれか一方または両方に多数の画像欠陥が発生し、実使用不可。
上記の電荷保持率変化量ΔDDの値と画質の判定結果とを合わせて、感光体の耐オゾンガス性を評価した。耐オゾンガス性の評価基準は以下のようである。
◎:優良。ΔDDが3.0%未満かつ画質が優(◎)。
○:良好。ΔDDが3.0%以上7.0%未満かつ画質が優(◎)、またはΔDDが7.0%未満かつ画質が良(○)。
△:実使用上問題なし。ΔDDが7.0%未満かつ画質が可(△)。
×:不良。ΔDDが7.0%以上、または画質が不可(×)。
(b)電気特性の安定性
実施例1〜8および比較例1〜4の各実機評価用感光体(電荷輸送層の層厚:28μm)を試験用複写機にそれぞれ搭載し、温度5℃、相対湿度20%の低温/低湿(L/L:Low Temperature/Low Humidity)環境下および温度35℃、相対湿度85%の高温/高湿(H/H:High Temperature/High Humidity)環境下のそれぞれの環境下において、以下のようにして電気特性の安定性を評価した。試験用複写機には、感光体の帯電手段としてコロナ放電帯電器を備える市販の複写機AR−F330(商品名、シャープ株式会社製)の内部に、画像形成過程における感光体の表面電位を測定できるように表面電位計(商品名:CATE751、ジェンテック社製)を設けたものを用いた。なお、複写機AR−F330は、感光体表面を負に帯電して電子写真プロセスを行なう負帯電型の画像形成装置である。
実施例1〜8および比較例1〜4の各感光体が搭載された試験用複写機を用い、帯電器による帯電動作直後の感光体の表面電位を帯電電位V0(V)として測定し、これを初期の帯電電位V01とした。またレーザ光によって露光を施した直後の感光体の表面電位を残留電位Vr(V)として測定し、これを初期の残留電位Vr1とした。
次いで、所定のパターンのテスト画像を記録用紙30万枚に連続して複写させた後、初期と同様にして帯電電位V0および残留電位Vrを測定し、これらを繰返し使用後の帯電電位V02および繰返し使用後の残留電位Vr2とした。初期の帯電電位V01と繰返し使用後の帯電電位V02との差の絶対値を、帯電電位変化量ΔV0(=|V01−V02|)として求めた。また初期の残留電位Vr1と繰返し使用後の残留電位Vr2との差の絶対値を、残留電位変化量ΔVr(=|Vr1−Vr2|)として求めた。帯電電位変化量ΔV0および残留電位変化量ΔVrを評価指標として、電気特性の安定性を評価した。
L/L環境下における電気特性の安定性の評価基準は以下のようである。
◎:優良。ΔV0が35V以下かつΔVrが55V以下。
○:良好。ΔV0が35V以下かつΔVrが55Vを超え80V以下、またはΔV0が35Vを超え75V以下かつΔVrが55V以下。
△:実使用上問題なし。ΔV0が35Vを超え75V以下かつΔVrが55Vを超え80V以下。
×:不良。ΔV0が75Vを超える、またはΔVrが80Vを超える。
H/H環境下における電気特性の安定性の評価基準は以下のようである。
◎:優良。ΔV0が15V以下かつΔVrが105V以下。
○:良好。ΔV0が15V以下かつΔVrが105Vを超え125V以下、またはΔV0が15Vを超え30V以下かつΔVrが105V以下。
△:実使用上問題なし。ΔV0が15Vを超え30V以下かつΔVrが105Vを超え125V以下。
×:不良。ΔV0が30Vを超える、またはΔVrが125Vを超える。
また、L/L環境下における評価結果とH/H環境下における評価結果とを合わせて、電気特性の安定性の総合評価を行なった。電気特性の安定性の総合評価の評価基準は以下のようである。
◎:優良。L/L環境下およびH/H環境下がいずれも優良(◎)。
○:良好。L/L環境下およびH/H環境下のいずれかが良好(○)かつ他方が優良(◎)または良好(○)。
△:実使用上問題なし。L/L環境下およびH/H環境下のいずれかが実使用上問題なし(△)かつ他方が不良(×)でない。
×:不良。L/L環境下およびH/H環境下のいずれか一方または両方が不良(×)。
(c)感光体性能の総合判定
耐オゾンガス性の評価結果と電気特性の安定性の総合評価結果とを合わせて、感光体性能の総合判定を行なった。総合判定の判定基準は以下のようである。
◎:優良。耐オゾンガス性および電気特性の安定性がいずれも優良(◎)。
○:良好。耐オゾンガス性および電気特性の安定性のいずれかが良好(○)かつ他方が優良(◎)または良好(○)。
△:実使用上問題なし。耐オゾンガス性および電気特性の安定性のいずれかが実使用上問題なし(△)かつ他方が不良(×)でない。
×:不良。耐オゾンガス性および電気特性の安定性のいずれか一方または両方が不良(×)。
以上の評価結果を表4に示す。
Figure 2009014857
実施例1〜8と比較例1〜3との比較から、本発明によるトリアミンが添加された実施例1〜8の感光体は、添加されていない比較例1〜3の感光体に比べ、耐オゾンガス性および電気特性の安定性に優れ、繰返し使用されても良好な電気特性を示すことが判った。
また、異る骨格を有する電荷輸送材料に対しても、一様な性能を示し、各種電荷輸送材料に対しての適用範囲が広いことも判った。
さらに、実施例7および8から、本発明によるトリアミンの添加量は電荷輸送材料100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内であれば良好な効果を示す事が判った。
実施例1と比較例4との比較から、本発明と同様な目的で提案されている公知のアミン系のものは画質にまで及んで評価を実施した場合に効果の違いが明白に現れており、本発明のトリアミン系化合物を用いた実施例1の感光体の方が優れている。
以上のように、一般式(1)で表されるトリアミン化合物を含有させることによって、帯電性および応答性などの電気特性に優れるとともに、耐オゾンガス性に優れ、繰返し使用されても前述の良好な電気特性が低下しない特性安定性に優れる電子写真感光体を得ることができた。
本発明の他の実施形態である積層型電子写真感光体15の要部の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態である積層型電子写真感光体16の要部の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態である積層型電子写真感光体17の要部の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の他の実施形態である積層型電子写真感光体18の要部の構成を模式的に示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態である画像形成装置20の構成を簡略化して示す側面配置図である。
符号の説明
1 導電性支持体
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 表面保護層
6 中間層
7 感光層
11〜18、21 電子写真感光体
20 画像形成装置
24 帯電器
25 現像器
26 転写器
27 クリーナ
28 露光手段
30 転写紙
31 定着器

Claims (9)

  1. 導電性材料からなる導電性支持体と、前記導電性支持体上に設けられ、電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層とを有する電子写真感光体において、前記感光層が、前記電荷発生物質を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送物質を含有する電荷輸送層との積層構造により構成されており、前記電荷輸送層が、次の、一般式(1):
    Figure 2009014857
    (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよいアリール、シクロアルキル、ヘテロ原子含有シクロアルキルまたは複素環基を示し、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9は、互いに同一または異なって、それぞれ置換基を有してもよい直鎖状または分枝鎖状の低級アルキレン基を示し、Zは置換基を有してもよい芳香環の3価の基を示す)
    で示されるトリアミン化合物をさらに含むことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記トリアミン化合物が、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が、互いに同一または異なって、次の式:
    Figure 2009014857
    で表されるアルキレン基からなる群から選択されるトリアミン化合物である請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記トリアミン化合物が、前記一般式(1)において、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9が、互いにメチレン基であり、次の副式(3):
    Figure 2009014857
    (式中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6およびZは、一般式(1)において定義したものと同義である)
    で表されるトリアミン化合物である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記輸送物質が、前記一般式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6がそれぞれフェニル基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9がそれぞれメチレン基であり、Zが1,3,6−ベンゼントリイル基であり、次の式(4):
    Figure 2009014857
    で示されるトリアミン化合物である請求項1〜3のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷輸送層が、前記電荷輸送物質の重量Aと、前記トリアミン化合物の重量Bとの比率A/Bが、100/0.1以上100/20以下の範囲の割合で前記トリアミン化合物を含む請求項1〜4のいずれか一つに記載の電子写真感光体。
  6. 前記導電性支持体と前記感光層との間に、さらに中間層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    帯電された前記電子写真感光体に対して露光を施す露光手段と、
    露光によって形成される静電潜像を現像する現像手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記帯電手段が、接触帯電方式のものである請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記一般式(1)において、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5およびAr6がいずれもフェニル基であり、Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8およびY9がいずれもメチレン基であり、Zが1,3,6-ベンゼントリイル基であり、次の式(4):
    Figure 2009014857
    で表されるトリアミン化合物。
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