JP2791688B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2791688B2 JP15282789A JP15282789A JP2791688B2 JP 2791688 B2 JP2791688 B2 JP 2791688B2 JP 15282789 A JP15282789 A JP 15282789A JP 15282789 A JP15282789 A JP 15282789A JP 2791688 B2 JP2791688 B2 JP 2791688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは感度・帯電
性等の電位特性に優れ、画質の改良された電子写真感光
体に関する。
[従来の技術] 近年、電子写真感光体は、複写機、プリンター等の市
場拡大に伴い、その用途も多方面にわたってきた。それ
らのニーズに答えるため、従来の無機光導電性材料の代
わりに有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の研究
が多数行なわれている。すなわち有機光導電性材料は、
合成物質及び合成条件の組合わせにより多種多様の材料
を得ることができるので、材料の選択範囲が広くなり、
電子写真プロセスにおいて要求される諸特性、例えば電
荷保持力、表面強度、感度及び反復使用時における安定
性等を向上又は改善させることができる。また有機光導
電性材料を用いた電子写真感光体は、生産性が良く環境
安全性も高いという利点もある。
また一般に、カールソンタイプの電子写真感光体は、
帯電−露光を繰り返した時に一定の画像濃度と地汚れの
ない画像を形成する上で、暗部電位と明部電位の安定性
が重要になっている。このため、感光性と導電層の間に
バリヤー層としての機能を有する中間層を設けることが
提案されている。この様なバリヤー層としての機能を有
する中間層は、同時に導電層および感光層に対して良好
な接着性を有していることが要求される。この接着不良
は、感光層の剥離を生じさせ、効果的な電荷注入を困難
にし感度を低下させる原因になる。
また、感光層を2層に分けて、キャリア発生層とキャ
リア輸送層を別々に構成した機能分離型の感光体が提案
されている。これはキャリア発生機能とキャリア輸送機
能を異なる物質に個別に分担させることができるため、
感度や帯電特性等電子写真特性間の特性のコントロール
が容易であり、感度が高く耐久性の大きい感光体が得ら
れることが期待されている。しかし、静電特性、画像特
性を向上させるために、キャリア発生層は一般に均一で
しかも極めて薄く、例えば0.5μm程度で、平滑に形成
されている必要がある。極薄層を安定して得るために
は、分散液自体の分散性及び分散安定性が重要な問題と
なってくる。また極めて薄い層であるので、基板表面の
ごくわずかな欠陥、汚れ、付着物または傷などがキャリ
ア発生層の膜厚均一性に影響を及ぼすことになり、キャ
リア発生層の膜厚が不均一であると、感光体に感度ムラ
を生ずる。そこでキャリア発生層の膜厚を出来るだけ均
一なものとすることが要求されている。この様なことか
ら、キャリア発生層と導電層の間にバリヤー層としての
機能と接着層としての機能を有する中間層を設けること
が提案されているが、キャリア発生層と導電層との接着
性が未だに十分なものになっていない。
そこで、接着性又は分散液の分散性・分散安定性を向
上させるため研究が多くなされてきた。例えば特開昭63
−266455号では、電荷発生層のバインダーとしてブチル
化メラミン樹脂及びシリコン樹脂が用いられているが、
中間層との接着性がまだ不十分で分散性、分散安定性も
好ましくない。特開昭58−30757号では、電荷発生層の
バインダーとしてポリビニルブチラールを、中間層のバ
インダーとしてポリアミドを使用することにより、接着
性は向上したが、感度低下、黒斑点発生による画質不良
が生じた。
特開昭60−19147号では、電荷発生層のバインダーと
してシリコン樹脂、電荷発生物質として無金属フタロシ
アニンを用いた感光体について報告されており、感度は
十分でたものの層間接着不良が生じた。また特開昭60−
12646号では、溶媒との相溶性の異なる樹脂を用いてお
り、分散液の分散性、分散安定性は良くなったが、黒ポ
チ等の画質不良が生じ、層間接着性に問題があった。
[発明が解決しようとする課題] このように、1つの特性を満足する感光体は数多く報
告されているが、需要者の多くが待ち望んでいるこれら
すべての機能を同時に満たすような感光体はまだ得られ
ていないのが現状である。
本発明の目的は、層間接着性に優れ、感度・帯電性等
の電位特性及び分散性・分散安定性にも優れており、か
つ黒斑点発生等の画質不良を生じない電子写真感光体を
提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の上記目的は、導電性支持体上に少なくとも中
間層、キャリア発生層及びキャリア輸送層を積層して成
る電子写真感光体において、前記キャリア発生層が少な
くとも有機系顔料、ポリビニルブチラール及び体積抵抗
1012Ωcm以上の樹脂を含有し、かつ前記体積抵抗1012Ω
cm以上の樹脂をキャリア発生層のバインダーに対して65
〜95重量%含有することを特徴とする電子写真感光体に
よって達成される。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の電子写真感光体を構成するキャリア発生層に
は、バインダーとして体積抵抗1012Ωcm以上の樹脂が含
有されている。
上記体積抵抗1012Ωcm以上の樹脂としては、例えばポ
リカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル・スチレンコポリマー、脂
肪酸セルロースエステル又はシリコーン樹脂等が挙げら
れる。これらは公知の方法により簡単に合成できるが、
市販品として、例えばシリコン樹脂「KR5240」(信越化
学社製)、ポリエステル「バイロン−200」(東洋紡社
製)、脂肪酸セルロースエステル「L−2」(ダイセル
化学工業社製)及びポリカーボネート「パンライトL−
1250」(帝人社製)等で簡単に入手することができる。
ただし体積抵抗値は次の方法で求めた。
(体積抵抗値測定法) 測定試料は金蒸着したセラミック基板上に所定濃度の
樹脂溶剤からなる塗工液をスピンコート法にて塗布し、
乾燥膜厚2〜3μm程度の膜を形成し、さらにその上に
蒸着金電極を設けたサンドイッチ構造とした。この試料
をクライオスタット等の容器に入れ、静電しゃへいした
後、両電極間に一定の電圧V1を印加し、放置後、一定電
流I1を求めた。この測定を数点の電圧について行ない、
このV−I特性の傾きから体積抵抗値を求めた。
前記体積抵抗1012Ωcm以上の樹脂はキャリア発生層の
バインダー中65〜95重量%含有されており、特に80〜90
重量%含有されていることが好ましい。
前記キャリア発生層にはバインダーとして前記体積抵
抗1012Ωcm以上の樹脂と共にポリビニルブチラールが含
有される。
本発明で用いるポリビニルブチラール樹脂は、ポリ酢
酸ビニルを原料とし、まず加水分解によりポリビニルア
ルコールを作り、それにブチルアルデヒドを反応させて
得られる。そのため、ポリビニルブチラール樹脂にはブ
チラール基が反応した部分と未反応の水酸基およびアセ
チル基があり、化学式は次のようになり、分子量は約3
0,000〜270,000の範囲内にあるものが好ましい。
それぞれの比は、アセチル基が5モル%以下、ブチラ
ール基は60〜81モル%、水酸基がその残りとなってい
る。
ポリビニルブチラール樹脂は、公知の方法により簡単
に合成できるが、ポリビニルブチラールB−72A(モン
サント社製)等の市販品を入手することもできる。
使用されるポリビニルブチラール樹脂の量は、キャリ
ア発生層バインダー中5〜35重量%であることが好まし
く、10〜20重量%であることが特に好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂には、接着性が良好、無色
透明、多くの有機溶剤に可溶、無害等の利点がある。
本発明において、キャリア発生層に含有されるキャリ
ア発生物質としてはアゾ系顔料、ペリレン系顔料、多環
キノン系顔料、インジゴイド系顔料又はフタロシアニン
系顔料等の有機系顔料が挙げられるが、金属フタロシア
ニン及び無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔
料が用いられることが特に好ましい。
上記金属フタロシアニンとしては、中心に銅を含有す
るもの(特公昭52−1667号、特開昭55−60958号、同57
−20741号等)、アルミニウム、チタニウム、バナジウ
ム、インジウム等を中心とするもの(特開昭53−89433
号、同57−148745号、同63−218768号、同64−17066号
等)が挙げられ、高感度化の点からY型オキシチタニウ
ムフタロシアニンが好ましい。
又、無金属フタロシアニンとしては、X型無金属フタ
ロシアニン(特公昭49−4338号)、τ型無金属フタロシ
アニン(特開昭58−182639号)及びα,β,ε型フタロ
シアニン等が挙げられ、感度、電位安定性の点からτ型
が好ましい。
キャリア発生層においてキャリア発生物質の含有量比
は、キャリア発生物質/キャリア発生層中のバインダー
が1/5〜3/1であることが好ましく、1/3〜3/1であると更
に好ましい。
キャリア発生物質の含有量比が…現れ易くなる。但
し、キャリア発生物質の割合があまり小さいと、光感度
等が低下してしまう。
キャリア発生層は、適当な溶媒にキャリア発生物質と
して前記有機系顔料、バインダーとして前記ポリビニル
ブチラール樹脂及び前記体積抵抗1012Ωcm以上の樹脂を
加えて、混合溶解した溶液を例えばディップ塗布、スプ
レー塗布、ブレード塗布、ロール塗布等によって中間層
上に塗布することにより得られる。この時用いられる溶
媒としては、メタノール、イソプロパノール、メチルエ
チルケトン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、酢酸ブチル、メチルイソブチ
ルケトン、トルエン、キシレン等の単独、もしくは混合
溶剤等が挙げられるが、中間層を形成する時に用いられ
る溶媒と異なったものであることが好ましい。
キャリア発生層の膜厚は0.1μm以上とすることが好
ましく、0.2〜5μmの範囲内とすることがより好まし
い。
本発明においては、前述したキャリア発生物質と共
に、他のキャリア発生物質の一種又は二種以上を併用す
ることも可能である。
併用できるキャリア発生物質としては、アントラキノ
ン顔料、ペリレン顔料、スクアリック酸メチン顔料、シ
アニン色素、アズレニウム化合物等が挙げられる。
本発明の感光体は例えば第1図に示す構成からなって
いる。
この感光体においては、導電性支持体(基体)1上
に、上記した中間層7を介してキャリア発生層6が設け
られ、このキャリア発生層6上にキャリア輸送層4が設
けられている。8は感光層を示す。従って、キャリア発
生層6と支持体上1との間に中間層7が設けられている
ので、第5図に示す支持体側からの不均一なホールの注
入を効果的に阻止する一方、光照射時には支持体側へ光
キャリアである電子を効率よく輸送することができる。
尚、本発明の感光体は、第4図のように、キャリア発
生層6とキャリア輸送層4とを上下逆にした層構成(正
帯電用)としてもよい。
又、本発明の感光体において、耐刷性向上等のため感
光体表面に保護層(保護膜)を形成してもよく、例えば
合成樹脂被膜をコーティングしてもよい。
本発明において、導電性支持体と電荷発生層との間に
は中間層が設けられる。中間層に含有されるバインダー
としては、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアル
コール、エポキシ、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、カゼイン、メチルセルロ
ース、ニトロセルロース又はフェノール樹脂等が挙げら
れる。
これらバインダーの1種又は2種以上をメタノール、
エタノール又はブタノール等のアルコール溶液、若しく
はトルエン等の溶媒に溶かした溶液を浸漬コーティング
法、ロールコーティング法、スプレーコーティング法、
ワイヤーバーコーティング法、ビードコーティング法又
はカーテンコーティング法等のコーティング法を用いて
基体上に塗工することによって得られる。その膜厚は0.
1〜5μmが一般的で、好ましくは0.5〜3μmである。
使用されるバインダー量は溶媒に対して1〜5重量%で
あることが好ましい。
キャリア輸送層は、キャリア輸送物質を単独であるい
はバインダ樹脂と共に、適当な溶媒又は分散媒に溶解、
分散せしめたものを塗布、乾燥して形成することができ
る。用いられる溶媒又は分散媒としては、n−ブチルア
ミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジ
アミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等を挙げること
ができる。
本発明で使用可能なキャリア輸送物質としては、特に
制限はないが、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、
ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベ
ンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キ
ナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導
体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリ
アリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、ス
チルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ
−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等
から選ばれた一種又は二種以上である。
かかるキャリア輸送物質の具体的化合物例は、特開昭
63−50851号に記載されている。
本発明に用いられるキャリア輸送物質としては、光照
射時発生するホールの支持体側への輸送能力が優れてい
る外、電荷発生物質との組合せに好適なものが好ましく
用いられる。
かかるキャリア輸送物質として好ましいものは、下記
一般式[VII]又は[VIII]で表わされるスチリル化合
物が挙げられる。
一般式[VII]: (但し、この一般式中、 R11、R12:置換若しくは未置換のアルキル基、アリール
基を表し、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、
置換アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基を用
いる。
Ar5、Ar6:置換若しくは未置換のアリール基を表し、置
換基としてはアルキル基、アルコキシ基、置換アミノ
基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基を用いる。
R13、R14:置換若しくは未置換のアリール基、水素原子
を表し、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、
置換アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基を用
いる。) 上記一般式[VII]で表わされる化合物は、例えば特
開昭58−65440号、同58−198425号、同58−198043号、
同60−93445号、同60−98437号等に記載されている。
一般式[VIII]: (但し、この一般式中、 R15:置換若しくは未置換のアリール基、 R16:水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは未置換の
アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、
水酸基、 R17:置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは
未置換の複素環基を表す。) 上記化合物は例えば特開昭57−148750号に記載されて
いる。
又、キャリア輸送物質として次の一般式[IX]又は
[XI]のヒドラゾン化合物も使用可能である。
一般式[IX]: (但し、この一般式中、 R18及びR19:それぞれ水素原子又はハロゲン原子、 R20及びR21:それぞれ置換若しくは未置換のアリール
基、 Ar7:置換若しくは未置換のアリーレン基を表す。) 上記化合物は例えば特開昭57−72148号に記載されて
いる。
一般式[XI]: (但し、この一般式中、 R34:置換若しくは未置換のアリール基又は置換若しく
は未置換の複素環基、 R35:水素原子、置換若しくは未置換のアラルキル基又
は置換若しくは未置換のアリール基、 Q:水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アミノ
基、アルコキシ基又はシアノ基、 s:0又は1の整数を表す。) 又、キャリア輸送物質として、次の一般式[XII]の
ピラゾリン化合物も使用可能である。
上記化合物は例えば特開昭58−134642号、同58−1663
54号等に記載されている。
その他有用なキャリア輸送物質としては、例えば特開
昭57−64244号、同59−15252号、同57−67940号、同55
−2285号、同57−195254号、同56−4148号等に記載のも
のが挙げられる。
キャリア輸送層の膜厚は10μm以上であることが好ま
しい。
感光層全体の膜厚は10〜40μmの範囲内とするのが好
ましく、15〜30μmの範囲内とすると更に好ましい。こ
の膜厚が上記範囲よりも小さいと、薄いために帯電電位
が小さくなり、耐刷性も低下する傾向がある。
又、膜厚が上記範囲よりも大きいと、かえって残留電
位は上昇する上に、上記したキャリア発生層が厚すぎる
場合と同様の現象が発生して、十分な輸送能が得がたく
なる傾向が現れ、このため繰返し使用時には残留電位の
上昇が起こり易くなる。
又、キャリア輸送層において、キャリア輸送物質は、
バインダ物質との相溶性に優れたものが好ましい。
これにより、バインダ物質に対する量を多くしても濁
り不透明化を生ずることがないので、バインダ物質との
混合割合を非常に広くとることができ、又、相溶性が優
れていることからキャリア発生層が均一、かつ安定であ
り、結果的に感度、帯電特性がより良好となり、更に高
感度で鮮明な画像を形成できる感光体をうることができ
る。ただし使用されるキャリア輸送物質の量はキャリア
輸送層のバインダーに対して40〜70重量%であることが
好ましい。
更に、特に反復転写式電子写真に用いたとき、疲労劣
化を生ずることが少ないという作用効果を奏することが
できる。
キャリア輸送層、キャリア発生層中に酸化防止剤を含
有せしめることができる。これにより放電で発生するオ
ゾンの影響を抑制でき、繰返し使用時の残留電位上昇や
帯電電位の低下を防止できる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダ
ードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカ
ン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノ
ン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物
等が挙げられる。
これらの具体的化合物としては、特開昭63−14153
号、同63−18355号、同63−44662号、同63−50848号、
同63−50849号、同63−58455号、同63−71856号、同63
−71857号及び同63−146046号に記載がある。
感光層中に高分子有機半導体を含有せしめることもで
きる。こうした高分子有機半導体のうちポリ−N−ビニ
ルカルバゾール又はその誘導体が効果が大であり、好ま
しく用いられる。かかるポリ−N−ビニルカルバゾール
誘導体とは、その繰返し単位における全部又は一部のカ
ルバゾール環が種々の置換基、例えばアルキル基、ニト
ロ基、アミノ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子によっ
て置換されたものである。又、感光層内に感度の向上、
残留電位ないし反復使用時の疲労低減等を目的として、
少なくとも一種の電子受容性物質を含有せしめることが
できる。
本発明の感光体に使用可能な電子受容性物質として
は、例えば、無水琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無
水マレイン酸、無水フタル酸、テトラクロル無水フタル
酸、テトラブロム無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル
酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無
水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアミキ
ノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベン
ゼン、1,3,5−トリニトロベンゼン、パラニトロベンゾ
ニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、
クロラニル、ブルマニル、2−メチルナフトキノン、ジ
クロロジシアノパラベンゾキノン、アントラキノン、ジ
ニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、9−
フルオレニリデン[ジシアノメチレンマロノジニトリ
ル]、ポリニトロ−9−フルオレニリデン−[ジシアノ
メチレンマロノジニトリル]、ピクリン酸、o−ニトロ
安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香
酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、
3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸、そ
の他の電子親和力の大きい化合物の一種又は二種以上挙
げることができる。
これらのうち、フルオレノン系、キノン系や、Cl,CN,
NO2等の電子吸引性の置換基のあるベンゼン誘導体が特
によい。
又更に表面改質剤としてシリコーンオイル、弗素系界
面活性剤を存在させてもよい。又、耐久性向上剤として
アンモニウム化合物が含有されていてもよい。更に紫外
線吸収剤を用いてもよい。
好ましい紫外線吸収剤としては、安息香酸、スチルベ
ン化合物等及びその誘導体、トリアゾール化合物、イミ
ダゾール化合物、トリアジン化合物、クマリン化合物、
オキサジアゾール化合物、チアゾール化合物及びその誘
導体等の含窒素化合物類が用いられる。
必要に応じて設けられる保護層のバインダとしては、
体積抵抗108Ω・cm以上、好ましくは1010Ω・cm以上、
より好ましくは1013Ω・cm以上の透明樹脂が用いられ
る。
又前記バインダは光又は熱により硬化する樹脂を用い
てもよく、かかる光又は熱により硬化する樹脂として
は、例えば熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹
脂、メラミン樹脂、光硬化性珪皮酸樹脂等又はこれらの
共重合もしくは縮合樹脂があり、その他電子写真材料に
供される光又は熱硬化性樹脂の全てが利用される。
又前記保護層中には加工性及び物性の改良(亀裂防
止、柔軟性付与等)を目的として必要により熱可塑性樹
脂を50wt%未満含有せしめることができる。かかる熱可
塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、アクリル樹
脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂又はこれらの
共重合樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子
有機半導体、その他電子写真材料に供される熱可塑性樹
脂の全てが利用される。
尚、導電性支持体は金属板、金属ドラム又は導電性ポ
リマー、酸化インジウム等の導電性化合物若しくはアル
ミニウム、パラジウム、金等の金属より成る導電性薄層
を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により、紙、プラス
チックフィルム等の基体に設けて成るものが用いられ
る。
次に、本発明の感光体を用いる記録装置の一例を第2
図に示す。第3図は電子写真法における反転現像のフロ
ーチャートである。
第2図の装置において、23は上述した有機光導電性物
質の感光層8と中間層7を有し、矢印方向に回転するド
ラム状の感光体、22は感光体23の表面を一様帯電する帯
電器、24は画像露光、15は現像器である。20は感光体23
上にトナー像が形成された画像を記録体Pに転写し易く
するために必要に応じて設けられる転写前露光ランプ、
21は転写器、19は分離用コロナ放電器、12は記録体Pに
転写されたトナー像を定着させる定着器である。13は除
電ランプと除電用コロナ放電器の一方又は両者の組合せ
からなる除電器、14は感光体23の画像を転写した後の表
面の残留トナーを除去するためのクリーニングブレード
やファーブラシを有するクリーニング装置である。
像露光を半導体レーザで行う場合、第2図の記録装置
のようにドラム状の感光体23を用いるものにあっては、
像露光24は、レーザビームスキャナによるものが好まし
い。
又、感光体がベルト状のように平面状態をとり得る記
録装置にあっては、像露光をフラッシュ露光とすること
もできる。
以上のような記録装置によって、第3図に示したよう
な方法を実施することができる。
第3図は、像露光部が背景部よりも低電位の静電像と
なる静電像形成法によって静電像が形成され、現像が静
電像に背景部電位と同極性に帯電するトナーが付着する
ことによって行われる、反転現像の例を示している。即
ち、最初に、除電器13で除電され、クリーニング装置14
でクリーニングされて、電位が0となっている初期状態
の感光体23の表面に、帯電器22によって一様に帯電を施
し、その帯電面に像露光24を投影して静電像部の電位が
略0となる像露光を行い、得られた静電像を現像器15
(トナーT)によって現像する。
尚、この画像方法は、ハロゲンランプ、タングステン
ランプ、LED(発光ダイオード)、ヘリウム−ネオン、
アルゴン、ヘリウム−カドミウム等の気体レーザ、半導
体レーザ等の各種光源に対し適用できる。
本発明の画像形成方法は、電子写真複写機、プリンタ
等の多種多様の用途を有するものである。
[実施例] 以下、本発明を実施例について更に詳細に説明する
が、これにより本発明は限定されるものではなく、種々
の変形した他の実施例も勿論含むものである。
実施例1〜8,比較例1〜4 まず、下記のようにして実施例1〜8の感光体1〜8
及び比較例1〜4の感光体1〜4を製造した。各感光体
の製造手順は次の通り共通である。
まず、以下に示す樹脂60gをトルエン2000mlに加え
て、50℃に加熱しながら完全に溶解し、中間層用塗布液
を調製した。
・エルバックス4260(三井デュポンケミカル社製)エチ
レン−酢酸ビニル−メタクリル酸共重合体 酢酸ビニル分含有量 28wt%,MFR6g/10min 直径80mm、長さ355mm、肉厚1mmの表面を鏡面加工した
アルミニウムシリンダを前述の中間層用塗布液に浸漬
し、引き上げ速度(塗布速度)300mm/minの速度にてデ
ィップ塗布を行った。塗布後、40℃、30分間乾燥を行
い、0.5μmの膜厚の中間層を設けた。ここで用いられ
た中間層用塗布液は0.6μmのフィルタでろ過したもの
を用いた。
次にバインダーとしてポリビニルブチラールエスレッ
クBM−S(積水化学社製)及び第1表に示すバインダー
40gを第1表に示す溶媒に溶かした溶液2000mlに第1表
に示すCGMを加え、サンドグラインダにて4時間分散さ
せ、電荷発生層用塗布液を調製した。
この液に、上記の中間層を有するシリンダを浸漬し、
720mm/minの塗布速度で引き上げてディップ塗布を行
い、0.5μmの膜厚のキャリア発生層(CGL)を得た。
更に、第1表に示すキャリア輸送物質(CTM)200gと
ポリカーボネート樹脂「ユーピロンZ−200」(三菱ガ
ス化学社製)400gとを1,2−ジクロルエタン2000mlに溶
解し、得られた溶液に、前記中間層及びキャリア発生層
を塗布したシリンダを浸漬し、90mm/minの引き上げ速度
(塗布速度)で引き上げてディップ塗布を行い、85℃で
1時間乾燥して、20μmの膜厚を有するキャリア輸送層
(CTL)を形成して本発明に係る感光体1〜8及び比較
例の感光体1〜4を作成した。
次いで各感光体について測定を行なった。
ただし、電荷発生層用塗布液の分散性、分散安定性の
測定は以下の方法により行なった。即ち、分散性につい
ては、電荷発生物質及びバインダーを溶媒に分散後、各
分散液をアルミニウム蒸着シート上にワイヤーバーを用
いて塗布し、その膜の均一性を目視により判断した。ま
た、分散安定性については、分散後、分散液を1週間静
置した時の沈降の程度及び0.6μmのフィルターでろ過
した時の目づまりの程度により評価した。それらの評価
基準を下記に示す。
本発明に係る感光体1〜8及び比較例の感光体1〜4
のそれぞれを「U−Bix1550」(コニカ社製)(半導体
レーザ光源搭載)改造機に搭載し、VHが−700±10
[V]になるようにグリッド電圧を調節し、0.7mWの照
射時の露光面の電位をVLとし、現像バイアス−600
[V]で反転現像を行い、複写画像の白地分の黒斑点を
評価した(−V11 5000,−VL 5000はそれぞれ5000回コピ
ー後の電位)。
尚、黒斑点の評価は、画像解析装置「オムニコン300
形」(島津製作所社製)を用いて黒斑点の粒径と個数を
測定し、φ(径)0.05mm以上の黒斑点が1cm2当たり何
個あるかにより判定した。黒斑点評価の判定基準は、下
記表に示す通りである。
尚、黒斑点判定の結果が◎、○であれば実用になる
が、△は実用に適さないことがあり、×である場合は実
用に適さない。
中間層と感光層の接着性については、基盤目試験によ
り評価した。すなわち、隣り合う隙間どうしの間隔が1m
mのカッターガイドを用い、カッターで導電性支持体ま
で縦横に11本平行に傷をつけ、100個のます目(基盤
目)を形成する。その上に幅24mmのセロテープをはりつ
けた後、一端から引剥がす。その時に剥離したます目の
数をかぞえて、100個中で残ったます目の数で表示し
た。
接着性の目安として100/100であれば接着性良好、0/1
00であれば不良とみなす。
第1表に実施例及び比較例の評価結果を示す。
この結果から明らかなように、本発明に基づいて中間
層を設けることによって、帯電、感度、繰返しの電位安
定性等の電子写真特性を良好に保持しながら、黒斑点の
ない(即ち、中間層の均質性)優れた感光体を得ること
ができた。
[発明の効果] 以上詳しく説明したように、本発明により、電荷発生
層用塗布液の分散性・分散安定性に優れ、また層間接着
性、電位特性にも優れており、かつ黒斑点発生等の画質
不良を生じない電子写真感光体を提供することができ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図、第4図及び第5図はそれぞれ電子写真感光体の
層構成の断面図であり、第2図は本発明の電子写真感光
体を用いる記録装置の一例であり、第3図は電子写真法
における反転現像のフローチャートである。 1…導電性支持体(基体) 4…電荷輸送層、6…電荷発生層 7…中間層、8…感光層 15…現像器、19…コロナ放電器 20…露光ランプ、21…転写器 22…帯電器、23…感光体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/05 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも中間層、キャ
    リア発生層及びキャリア輸送層を積層して成る電子写真
    感光体において、前記キャリア発生層が少なくとも有機
    系顔料、ポリビニルブチラール及び体積抵抗1012Ωcm以
    上の樹脂を含有し、かつ前記体積抵抗1012Ωcm以上の樹
    脂をキャリア発生層のバインダーに対して65〜95重量%
    含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】前記体積抵抗1012Ωcm以上の樹脂が、少な
    くともシリコン樹脂、ポリエステル、脂肪酸セルロース
    エステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステ
    ル及びメタクリル酸エステル・スチレンコポリマーから
    選ばれるうちの1つであることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】前記有機系顔料がフタロシアニン系顔料で
    あり、キャリア発生層におけるキャリア発生物質とバイ
    ンダーとの重量比が1/5〜3/1であることを特徴とする請
    求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】前記フタロシアニン系顔料がτ型無金属フ
    タロシアニン及び/又はX型無金属フタロシアニン及び
    /又はY型チタニルフタロシアニンであることを特徴と
    する請求項3記載の電子写真感光体。
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