JP2016122170A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 長期間の繰り返し使用時に電子写真感光体の間隔保持部材と当接する領域における表面層の剥離が抑制された電子写真感光体を提供する。【解決手段】 電子写真感光体と間隔保持部材を有するプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体が、支持体、支持体上に設けられた下引き層、下引き層上に設けられた電荷発生層、及び電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する第一の領域と、支持体、支持体上に設けられた下引き層、及び下引き層の直上に設けられた電荷輸送層を有する第二の領域とを有し、下引き層が金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、電荷輸送層がポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、間隔保持部材が、電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真感光体、ならびに、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真感光体はプロセスカートリッジや電子写真装置に搭載されており、その周囲には帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段などを有している。電子写真装置は、これらの手段による工程を経て画像形成が行われるが、電子写真感光体は、これらの手段やその周辺部材との摺擦や当接圧を受けて、損傷や摩耗が発生しやすい。
近年、より高速で長寿命なプロセスカートリッジや電子写真装置が求められており、長期間における電子写真感光体の耐久性の向上が望まれている。高速化、長寿命化に伴い、電子写真感光体の電荷輸送層と当接する部材との摺擦や当接圧(当接力)による損傷、摩耗は大きくなり、電荷輸送層の耐久性の向上がより求められる。特に、帯電部材や現像剤担持体と電子写真感光体との間隔を保持(規制)する間隔保持部材からの当接圧(当接力)を受けることで生じる電子写真感光体への影響は大きく、長期間の繰り返し使用において電子写真感光体の電荷輸送層が剥離してしまうことがある。
電子写真感光体において、支持体から感光層への電荷の動きを制御し、支持体と感光層との間の接着力を高めるために、下引き層が設けられることが多い。しかし、下引き層を設けた場合においても、間隔保持部材が当接する電子写真感光体の領域(非画像形成領域)における感光層が剥離しやすいという問題がある。そこで、特許文献1では、感光層の端部が下引き層の端部より内側に形成させる技術が記載されている。
また、特許文献2では、金属酸化物粒子を含む下引き層を覆うように感光層を形成し、下引き層の表面の金属酸化物粒子が剥落することを抑制し、電子写真感光体の表面層の汚染を抑制する技術が記載されている。
特開昭59−184359号公報 特開2002−107986号公報
本発明者らが検討を行った結果、特許文献2に記載された技術を参照して、フェノール樹脂と金属酸化物粒子を含有する下引き層上に電荷輸送層を表面層として形成した場合では、表面層の剥離という問題が改善されていない場合があることがわかった。特に、間隔保持部材と当接する領域における電荷輸送層が剥離しやすい。さらに、低温低湿環境下における電荷輸送層の剥離がより発生しやすく、更なる改善の余地があることがわかった。
本発明の目的は、長期間の繰り返し使用時に電子写真感光体の間隔保持部材と当接する領域における表面層の剥離が抑制されたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することにある。また、本発明の別の目的は、上記目的を達成可能な電子写真感光体を提供することにある。
本発明は、電子写真装置本体に着脱可能に構成されたプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジが、
電子写真感光体、
該電子写真感光体を帯電する帯電部材、
該電子写真感光体に現像剤を供給する現像剤担持体、及び
該帯電部材または該現像剤担持体と、該電子写真感光体との間隔を保持する間隔保持部材を有し、
該電子写真感光体が、
支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と、
を有し、
該電荷輸送層が表面層であり、
該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、
該間隔保持部材が、該電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することを特徴とするプロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、電子写真感光体と、
該電子写真感光体を帯電する帯電部材、
該電子写真感光体に現像剤を供給する現像剤担持体、及び
該帯電部材または該現像剤担持体と、該電子写真感光体との間隔を保持する間隔保持部材とを有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体が、
支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と、
を有し、
該電荷輸送層が表面層であり、
該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、
該間隔保持部材が、該電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明は、電子写真感光体が、
支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と
を有し、
該電荷輸送層が表面層であり、
該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有することを特徴とする電子写真感光体に関する。
本発明によれば、長期間の繰り返し使用時に電子写真感光体の間隔保持部材と当接する領域における表面層の剥離が抑制されたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。また、本発明によれば、上記目的を達成可能な電子写真感光体を提供することができる。
電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。 電子写真感光体の層構成と間隔保持部材の位置関係の一例を示す図である。 電子写真装置の概略断面を示す図である。 プロセスカートリッジの概略断面を示す図である。
本発明の電子写真感光体は、2つの領域(部分)を有する。1つ目は、支持体、支持体上に設けられた下引き層、下引き層上に設けられた電荷発生層、及び電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する第一の領域である。すなわち、支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域である。2つ目は、支持体、支持体上に設けられた下引き層、及び下引き層の直上に設けられた電荷輸送層を有する第二の領域である。すなわち、支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域である。下引き層は、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有する。電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、電荷輸送層が表面層である。
プロセスカートリッジや電子写真装置において、上記支持体、支持体上に設けられた下引き層、及び下引き層の直上に設けられた電荷輸送層を有する部分が間隔保持部材と当接する領域にある。すなわち、間隔保持部材が、電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することである。間隔保持部材は、電子写真感光体の非画像形成領域において電子写真感光体と当接する。
ここで、支持体、支持体上に設けられた下引き層、下引き層上に設けられた電荷発生層、及び電荷発生層上に設けられた電荷輸送層を有する部分は、電子写真感光体の画像形成領域にある。また、支持体、支持体上に設けられた下引き層、及び下引き層の直上に設けられた電荷輸送層を有する部分は、電子写真感光体の非画像形成領域にある。つまり、電子写真感光体の第一の領域が、画像形成領域にあり、電子写真感光体の第二の領域が、非画像形成領域にある。
まず、電子写真感光体の画像形成領域及び非画像形成領域について説明する。電子写真感光体は、電子写真装置に装着されて画像形成が行われる際には、帯電、露光、現像、転写の、一連の電子写真プロセスを受ける。
一般的には、電子写真感光体に静電潜像を形成するため、画像形成のためのスキャナユニット(露光手段)のレーザービーム(像露光光)照射領域が、画像形成領域となる。そして、露光手段による像露光光が照射されない電子写真感光体の領域が、非画像形成領域となる。なお、画像形成条件を制御するため、画像濃度制御用の現像剤像(パッチ)を電子写真感光体に形成するために露光光を照射する場合がある。しかしながら、この露光光は画像形成のためではないので、上述の画像形成領域の特定に関与するものではない。
さらに、非画像形成領域には、帯電部材や現像剤担持体と電子写真感光体との間隔を一定に保持する間隔保持部材が当接する。特に、間隔保持部材からの当接圧(当接力)を受けることで生じる電子写真感光体への影響は大きく、表面層の剥離が生じやすい。
そこで、上記本発明の電子写真感光体が、長期間の繰り返し使用時に電子写真感光体の間隔保持部材が当接する領域における表面層の剥離が抑制される理由について、本発明者らは、以下のように推測している。
まず、本発明において、間隔保持部材が、電子写真感光体の第二の領域と当接する。第二の領域では、支持体上に設けられた下引き層の直上に電荷輸送層を設けており、電荷発生層を介在させていない。このことにより、露光光によって電荷が発生し、表面層の表面電位が変化することに起因して、表面層(電荷輸送層)が摩耗しやすくなることを抑制している。
本発明は、下引き層が結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有することで、下引き層と電荷輸送層との密着性を高めていると考えている。
まず、下引き層にウレタン樹脂が含有している場合について説明する。電荷輸送層の結着樹脂であるポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂は、極性の高い酸素原子を含むカーボネート基やエステル基を有する。一方、下引き層中のウレタン樹脂は、極性の高い窒素原子と酸素原子を含むウレタン結合を有する。極性の高い官能基を有する下引き層と電荷輸送層同士が接触することで、下引き層と電荷輸送層の極性の高い官能基同士の間に強い水素結合が生じていると推測している。これにより、電荷輸送層と下引き層との接着力が強くなったと考えている。
また、ウレタン樹脂は、ウレタン結合の凝集エネルギーが8.74kcal/mol(JOURNAL OF POLYMER SCIENCE,16,323−343(1955)より引用)と非常に高い。このことから、下引き層中でウレタン樹脂が、ハードセグメントとソフトセグメントに分かれ、電荷輸送層に加わる応力を緩和する効果が高いと考えている。
続いて、下引き層にアミノ樹脂が含有している場合について説明する。アミノ樹脂は、メラミン誘導体やベンゾグアナミン誘導体などのトリアジン環を有するトリアジン化合物を有する樹脂を指す。電荷輸送層の結着樹脂であるポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂は、極性の高い酸素原子を含むカーボネート基やエステル基を有する。一方、下引き層中のアミノ樹脂は、極性の高い窒素原子を含むトリアジン環を有する。極性の高い官能基を有する樹脂を含有する下引き層と電荷輸送層同士が接触することで、下引き層と電荷輸送層の極性の高い官能基同士の間に強い水素結合が生じていると推測している。これにより、電荷輸送層と下引き層との接着力が強くなったと考えている。
また、アミノ樹脂は、架橋を担うトリアジン環の凝集エネルギーが17.0kcal/mol(HSPiPより得られるハンセンの溶解度パラメータから計算)と非常に高い。このことから、下引き層中でアミノ樹脂が、ハードセグメントとソフトセグメントに分かれ、電荷輸送層に加わる応力を緩和する効果が高いと考えている。
次に、下引き層にポリアミド樹脂が含有している場合について説明する。ポリアミド樹脂は、アミド結合を有する樹脂を指す。電荷輸送層の結着樹脂であるポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂は、極性の高い酸素原子を含むカーボネート基やエステル基を有する。一方、下引き層中のポリアミド樹脂は、極性の高い窒素原子と酸素樹脂を含むアミド結合を有する。極性の高い官能基を有する樹脂を含有する下引き層と電荷輸送層同士が接触することで、下引き層と電荷輸送層の極性の高い官能基同士の間に強い水素結合が生じていると推測している。これにより、電荷輸送層と下引き層との接着力が強くなったと考えている。
またポリアミド樹脂はアミド結合の凝集エネルギーが8.50kcal/mol(JOURNAL OF POLYMER SCIENCE, 16, 323−343(1955)より引用)と非常に高い。このことから、下引き層中でポリアミド樹脂が、ハードセグメントとソフトセグメントに分かれ、電荷輸送層に加わる応力を緩和する効果が高いと考えている。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、金などの金属または合金で形成されている支持体を用いることができる。また、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、クロム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体が挙げられる。また、絶縁支持体上に酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛などの導電性材料の薄膜や、銀ナノワイヤーを加えた導電性インクの薄膜を形成した支持体が挙げられる。支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
〔下引き層〕
支持体上には、下引き層が設けられる。下引き層は、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有する。
上記ウレタン樹脂は、イソシアネート基、もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、ヒドロキシ基を有する有機化合物を含む組成物の重合物である。本発明の下引き層は、下引き層を形成する時に縮合重合によりウレタン結合を形成し、ウレタン樹脂とすることが好ましい。
上記イソシアネート化合物は、イソシアネート基またはブロックイソシアネート基を2〜6個有しているイソシアネート化合物が好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネートなどのジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールとのアダクト変性体が挙げられる。これらの中でも、イソシアヌレート変性体がより好ましい。イソシアネート化合物の分子量は、200〜1,300が好ましい。
上記ヒドロキシ基を有する有機化合物は、ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂として、例えば、ポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂などのポリオレフィン樹脂、ポリエステルポリオール樹脂などのポリオール樹脂などが挙げられる。ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂の水酸基価は、イソシアネート化合物との縮合重合反応の確率を上げ、また、均一なウレタン樹脂を形成するために、50mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましい。水酸基価を有する熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、5,000〜400,000の範囲であることが好ましい。
ヒドロキシ基を有する有機化合物は、上記熱可塑性樹脂の他にも、下引き層の電気特性を向上させる目的で、ヒドロキシ基を有する電荷輸送物質などを含有させてもよい。下引き層用塗布液を調製する上で、イソシアネート化合物とヒドロキシ基を有する有機化合物は、それぞれNCO基とOH基の反応mol比率が等しくなる(1.0倍になる)ように調合するのが好ましい。一方、電気特性を向上させたり、支持体や下層、上層との接着力をより高めたりする目的で、反応mol比率を変えてもよい。
上記アミノ樹脂は、メラミン誘導体やベンゾグアナミン誘導体などのトリアジン環を有するトリアジン化合物と、ヒドロキシ基を有する有機化合物を含む組成物の重合物であることが好ましい。トリアジン化合物は、アルキロール基、もしくはアルキルエーテル化されたアルキロール基を有するトリアジン化合物が好ましい。本発明の下引き層は、下引き層を形成する時に縮合重合によりエーテル結合を形成し、アミノ樹脂とすることが好ましい。
上記トリアジン化合物は、アルキロール基またはアルキルエーテル化されたアルキロール基を2〜6個有しているトリアジン環を有するアミノ化合物が好ましい。例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミンなどのメラミン誘導体、テトラメトキシメチロールベンゾグアナミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメチロールシクロヘキシルグアナミンなどのグアナミン誘導体が挙げられる。これらの中でも、メラミン誘導体がより好ましい。トリアジン化合物の分子量は、150〜1,000が好ましく、180〜560がより好ましい。
ヒドロキシ基を有する有機化合物については、ウレタン樹脂で述べたことと同様である。
上記ポリアミド樹脂は、ジアミンとジカルボン酸の縮合重合やカプロラクタムの開環重合によりアミド結合を形成し、ポリアミド樹脂とすることが好ましい。
ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナイロン610、N−メトキシメチル化6ナイロン、N−メトキシメチル化12ナイロンに代表されるN−アルコキシアルキル化ナイロン、及びナイロン6−66−610−12の4元ナイロン共重合体に代表されるナイロン共重合体、尿素樹脂など、従来公知のものを用いることができる。
<金属酸化物粒子>
次に、金属酸化物粒子について説明する。金属酸化物粒子としては、例えば、酸化亜鉛、鉛白、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの粒子が挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズの粒子が好ましい。
金属酸化物粒子の平均一次粒径は、黒点の発生を抑制する観点から、30〜500nmであることが好ましい。
また、下引き層用塗布液を調製する上で、金属酸化物粒子の分散性を向上させるなどの目的で、金属酸化物粒子をシランカップリング剤等で表面処理を行ってもよい。さらに、下引き層の抵抗を制御するなどの目的で、金属酸化物に別の金属または金属酸化物をドープしてもよい。下引き層の膜厚は、0.5〜40μmであることが好ましいが、5〜35μmであることがより好ましい。
下引き層は、下引き層の成膜性や電気特性を向上させるために、有機粒子やレベリング剤などの添加剤を含有してもよい。ただし、下引き層における添加剤の含有率は、下引き層の全質量に対して20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
下引き層は、機能を分離するなどの目的で、2層以上設けてもよい。この場合、下引き層の少なくとも一層は金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有する。第二の領域にある一番上層の下引き層は、金属酸化物粒子と、ウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれか樹脂を含有する。
〔電荷発生層〕
下引き層上には、電荷発生層が設けられる。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料またはフタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、特に、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.05〜5μmであることが好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
〔電荷輸送層〕
電荷輸送層に用いられる電荷輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンなどが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーも挙げられる。
本発明の電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、ポリカーボネート樹脂とポリエステル樹脂である。電荷輸送層には、別個の樹脂を複数ブレンドして用いてもよいし、共重合体として用いてもよく、さらにこれらを組み合わせてもよい。結着樹脂の重量平均分子量は、10,000〜300,000の範囲であることが好ましい。
以下に、ポリカーボネート樹脂が有する構造単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016122170
以下に、ポリエステル樹脂が有する構造単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2016122170
電荷輸送層において、電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10の範囲であることが好ましく、10/8〜6/10の範囲であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送層は、電荷輸送層の機械的強度や成膜性、電気特性の向上を目的として、有機粒子やレベリング剤、酸化防止剤などの添加剤を含有してもよい。ただし、電荷輸送層における添加剤の含有率は、電荷輸送層の全質量に対して30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層は電子写真プロセスにおいて画像形成に必要な層であるので、画像形成領域において電荷発生層は下引き層と電荷輸送層の間に設けられている。また、非画像形成領域にも電荷発生層を形成させる場合は、非画像形成領域のうち画像形成領域側にのみ電荷発生層が形成されることが好ましい。
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層などの電子写真感光体を構成する各層を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。各層を構成する材料を溶剤に溶解及び/または分散させて得られた塗布液を塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥及び/または硬化させることによって形成する方法が好ましい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法、リング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性及び生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
下引き層上に設けられる電荷発生層の塗膜形成を行う際に、塗布位置を調整する、マスキングを行う、塗布領域をシルボン紙で拭きとる、などの工程を経ることで、下引き層の直上に設けられた電荷輸送層を有してなる部分を設けることができる。すなわち、上記工程によって、電荷発生層の形成領域を制御することで、電子写真感光体の第二の領域を形成している。
図1は、支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する部分(第一の領域)の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図1中、101は支持体、102は下引き層、103は電荷発生層、104は電荷輸送層である。
図2は、支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する部分(第二の領域)の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図2中、101は支持体、102は下引き層、104は電荷輸送層である。
図3は、電子写真感光体の層構成と、間隔保持部材の位置関係の一例を示す図である。図3中、電子写真感光体は、支持体101上に、下引き層102、電荷発生層103、及び電荷輸送層104がこの順に形成されている第一の領域と、支持体101上に、下引き層102、及び電荷輸送層104がこの順に形成されている第二の領域とを有する。そして、電子写真感光体の第二の領域の表面が、間隔保持部材110a、110bと当接する。
一般的な電子写真感光体として、円筒状支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
〔プロセスカートリッジ及び電子写真装置〕
本発明の電子写真装置の全体構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態における電子写真装置100の概略断面を示す図である。
電子写真装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。図4では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
なお、本発明の電子写真装置では、第1〜第4の画像形成部の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
電子写真装置100は、鉛直方向と交差する方向に並設された4個の電子写真感光体9(9Y、9M、9C、9K)を有する。電子写真感光体9は、図示矢印G方向に回転する。電子写真感光体9の周囲には帯電ローラ10(10Y、10M、10C、10K)及びスキャナユニット(露光装置)11が配置されている。
ここで、電子写真感光体9は、トナー像を担持する像担持体である。帯電ローラ10は、電子写真感光体9の表面を均一に帯電する帯電手段である。そして、スキャナユニット(露光装置)11は、画像情報に基づきレーザーを照射して電子写真感光体9上に静電潜像を形成する露光手段である。また、電子写真感光体9の周囲には、現像ユニット12及びクリーニングブレード14(14Y、14M、14C、14K)が配置されている。
ここで、現像ユニット12(12Y、12M、12C、12K)は、静電潜像をトナー像として現像する現像手段である。また、クリーニングブレード14は、転写後の電子写真感光体9の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段である。更に、4個の電子写真感光体9に対向して、電子写真感光体9上のトナー像を転写材1に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト28が配置されている。
本発明の電子写真装置では、電子写真感光体9と、帯電ローラ10、現像ユニット12及びクリーニングブレード14とが、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ8(8Y、8M、8C、8K)を形成している。プロセスカートリッジ8は、電子写真装置本体に設けられた不図示の装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、電子写真装置100に着脱可能に構成されている。
図4では、各色用のプロセスカートリッジ8は全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ8内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。中間転写ベルト28は、上記4個の電子写真感光体9に当接し、図示矢印H方向に回転する。
中間転写ベルト28は、複数の支持部材(駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53)に掛け渡されている。中間転写ベルト28の内周面側には、各電子写真感光体9に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ13(13Y、13M、13C、13K)が並設されている。また、中間転写ベルト28の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ32が配置されている。
画像形成時には、電子写真感光体9の表面が帯電ローラ10によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット11から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した電子写真感光体9の表面が走査露光され、電子写真感光体9上に画像情報に対応した静電潜像が形成される。次いで、電子写真感光体9上に形成された静電潜像は、現像ユニット12によってトナー像として現像される。電子写真感光体9上に担持されたトナー像は、一次転写ローラ13によって中間転写ベルト28上に転写(一次転写)される。
フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト28上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。その後、中間転写ベルト28の移動と同期して転写材1が二次転写部へと搬送される。そして、転写材1を介して中間転写ベルト28に当接している二次転写ローラ32の作用によって、中間転写ベルト28上の4色トナー像は、一括して転写材1上に二次転写される。
トナー像が転写された転写材1は、定着手段としての定着装置15に搬送される。定着装置15において転写材1に熱及び圧力を加えられることで、転写材1にトナー像が定着される。また、一次転写工程後に電子写真感光体9上に残留した一次転写残トナーは、クリーニングブレード14によって除去され、除去トナー室14c(14cY、14cM、14cC、14cK)に回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト28上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置38によって除去される。
なお、電子写真装置100は、所望の単独、またはいくつか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色、またはマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
間隔保持部材は、帯電部材や現像剤担持体などの電子写真感光体に近接して配置される部材と電子写真感光体との間隔を一定に保持する部材である。例えば、帯電方式が接触注入帯電の場合に用いる帯電ブラシで感光体表面の摺擦を行うために感光体との間隔を一定に保持する間隔保持部材が挙げられる。また、非接触帯電の場合に用いる帯電ローラで感光体に均一に帯電を行うための外形振れ精度を高める間隔保持部材が挙げられる。また、現像方式が接触現像の場合に用いる現像ローラと感光体との当接圧(当接力)を調節することで感光体への現像剤の供給を制御する間隔保持部材や、非接触現像の場合に用いる現像スリーブと感光体との間隔を一定に保持する間隔保持部材が挙げられる。
間隔保持部材として、一定の厚さを有する円筒状の部材などが用いられる。間隔保持部材の材質としては、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)などのポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂、ポリオキシメチレン(POM)などのアセタール樹脂が挙げられる。また、ポリイソプレンゴム(天然ゴム)、ポリウレタンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどのゴムが挙げられる。他にも、アルミニウム、鉄、銅、チタンまたはこれらを主成分とする合金など、弾性を有する金属が挙げられる。
<プロセスカートリッジ>
次に、図5を用いて、本発明の電子写真装置100に装着されるプロセスカートリッジ8の全体構成について説明する。図5は、電子写真感光体9と現像ローラ22が当接した状態におけるプロセスカートリッジ8の概略断面図である。
プロセスカートリッジ8は、電子写真感光体9などを備えたクリーニング枠体5と、現像ローラ22などを備えた現像ユニット12とを有する。クリーニング枠体5は、クリーニング枠体5内の各種要素を支持する枠体としての第一枠体(以下、クリーニング枠体)5を有する。クリーニング枠体5には、図示しない軸受を介して電子写真感光体9が図示矢印G方向に、回転可能に取り付けられている。クリーニング枠体5の電子写真感光体9には、電子写真装置本体に設けられたスキャナユニットより発せられたレーザー光Lが照射される。
また、クリーニング枠体5には、電子写真感光体9の周面上に接触するように、帯電ローラ10、クリーニングブレード14が配置されている。クリーニングブレード14によって電子写真感光体9の表面から除去された転写残トナーは、除去トナー室14c内に落下するように構成されている。また、クリーニング枠体5には、帯電ローラ軸受33が、帯電ローラ10の回転中心と電子写真感光体9の回転中心とを通る線に沿って、取り付けられている。
ここで、帯電ローラ軸受33は、図示矢印I方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ10の回転軸10aは、帯電ローラ軸受33に回転可能に取り付けられている。そして、帯電ローラ軸受33は、付勢手段としての帯電ローラ加圧バネ34により電子写真感光体9に向かって付勢される。
一方、現像ユニット12は、現像ユニット12内の各種要素を支持する現像枠体18を有する。現像ユニット12には、電子写真感光体9と接触して図示矢印D方向(反時計方向)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ22が設けられている。現像ローラ22は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において、現像軸受(不図示)を介して、回転可能に現像枠体18に支持されている。ここで、現像軸受は、現像枠体18の両側部にそれぞれ取り付けられている。
現像ユニット12は、現像剤収納室(以下、トナー収納室)18aと、現像ローラ22が配設された現像室18bと、を有する。トナー収納室18aと現像室18bを分離する隔壁には、開口18cが設けられている。プロセスカートリッジ8を出荷する際、開口18cの現像室18b側の面には、トナー収納室18a内のトナーがプロセスカートリッジ8の外部に飛散するのを防止する現像剤シール部材36が配設される。
現像剤シール部材36は、プロセスカートリッジ8を電子写真装置100に装着後、プロセスカートリッジ8の駆動列(不図示)を介し、長手方向に引っ張られる。そして、開口18cが開封される。現像室18bには、現像ローラ22に接触して矢印E方向に回転する現像剤供給部材としてのトナー供給ローラ23と現像ローラ22のトナー層を規制するための現像剤規制部材としての現像ブレード24が配置されている。また、現像枠体18のトナー収納室18aには、収容されたトナーを撹拌するとともに前記トナー供給ローラ23へトナーを搬送するための撹拌部材26が設けられている。
そして現像ユニット12は、軸受部材19R、19Lに設けられた、穴19Ra、19Laに嵌合する嵌合軸25(25R、25L)を中心にしてクリーニング枠体5に回動自在に結合されている。また、現像ユニット12は、加圧バネ37により付勢されている。そのため、プロセスカートリッジ8の画像形成時においては、現像ユニット12は嵌合軸25を中心に矢印F方向に回転し、電子写真感光体9と現像ローラ22は当接する。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
(実施例1)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(平均一次粒径:50nm、比表面積:19m/g、テイカ(株)製)100部をトルエン500部に撹拌しながら混合した。これに表面処理剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌しながら混合した。その後、トルエンを減圧留去して、3時間120℃で乾燥させることによって、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子75部、
下記式(3)で示されるブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物16部、
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBM−1、積水化学工業(株)製)9部、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)1部を、
メチルエチルケトン60部と1−ブタノール60部の混合溶剤に加えて分散液を調製した。
Figure 2016122170
この分散液に、平均粒径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて23℃雰囲気下、回転数1,500rpmで3時間分散処理した。分散処理後、得られた分散液に架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:SSX−103、平均粒径:3μm、積水化学工業(株)製)5部と、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)0.01部を添加して攪拌することで、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間170℃で加熱、重合させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部(鉛直方向上端部)から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、下引き層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmの領域で、下引き層を形成しなかった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する結晶系のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部及びシクロヘキサノン260部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル240部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から15mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から15mmの領域は、電荷発生層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から15mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から15mmの領域で、電荷発生層を形成しなかった。
次に、電荷輸送物質として下記式(4)で示されるアミン化合物7部と、
上記式(1−6)で示される構造単位を有し重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂10部を、
ジメトキシメタン30部とクロロベンゼン70部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、電荷輸送層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から3mmの領域で、電荷輸送層を形成しなかった。
Figure 2016122170
以上のようにして、支持体上に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造した。なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から245.5mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より245.5mmの位置から257.5mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise600 M603、非接触現像方式、プリント速度:A4縦60枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体は、HP LaserJet Enterprise600 M603用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、4mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は30Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mmの位置から支持体の一端側より240.5mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より240.5mmの位置から260.5mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の第二領域の表面に、間隔保持部材が当接することを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、50,000枚の画像形成を行った。50,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表1に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例2)
実施例1のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−1)で示される構造単位と、上記式(1−5)で示される構造単位を6/4の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表1に示す。
(実施例3)
実施例1のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−3)で示される構造単位と、上記式(1−7)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が70,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表1に示す。
(実施例4)
実施例1のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−1)で示される構造単位と、上記式(2−2)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表1に示す。
(実施例5)
実施例1のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−5)で示される構造単位を有し重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に評価を行った。結果を、表1に示す。
(実施例6〜10)
実施例1〜5の電子写真感光体の第二の領域に当接する間隔保持部材の当接力を10Nとした以外はそれぞれ実施例1〜5と同様に接着力の評価を行った。結果を、表1に示す。
(実施例11〜20)
実施例1〜10で用いた下引き層用塗布液のシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例1〜10と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例1と同様に接着力の評価を行った。結果を、表1に示す。
Figure 2016122170
(実施例21〜25)
実施例1〜5の支持体(アルミニウムシリンダー)を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した以外はそれぞれ実施例1〜5と同様に電子写真感光体を製造した。
なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から246.6mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より246.6mmの位置から258.6mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise 500 Color M551、接触現像方式、プリント速度:A4縦30枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体をHP LaserJet Enterprise 500 Color M551用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、2mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は10Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mm位置から支持体の一端側より241.6mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より241.6mmの位置から261.6mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の第二領域の表面に、間隔保持部材が当接することを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、25,000枚の画像形成を行った。25,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。
接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表2に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例26〜30)
実施例21〜25の電子写真感光体の第二の領域に当接する間隔保持部材の当接力を3Nとした以外はそれぞれ実施例21〜25と同様に接着力の評価を行った。結果を、表2に示す。
(実施例31〜40)
実施例21〜30で用いた下引き層用塗布液のシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例21〜30と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表2に示す。
Figure 2016122170
(実施例41、42)
実施例1、21で用いた下引き層用塗布液の上記式(3)で示されるブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物16部を、上記式(3)で示されるブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含む溶液(商品名:スミジュールBL3175、固形分75%、住化バイエルウレタン(株)製)21.3部に変更した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表3に示す。
Figure 2016122170
(実施例101)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸化亜鉛粒子(平均一次粒径:50nm、比表面積:19m/g、テイカ(株)製)100部をトルエン500部に撹拌しながら混合した。これに表面処理剤としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(商品名:KBM602、信越化学(株)製)1.25部を添加し、2時間攪拌しながら混合した。その後、トルエンを減圧留去して、3時間120℃で乾燥させることによって、シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を得た。
シランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子50部、
下記式(5)で示されるメチロール基がブチルエーテル化された基を有するトリアジン化合物を含む溶液(商品名:J−820−60、固形分60%、DIC(株)製)50部、
アルキッド樹脂(商品名:M−6405−50、固形分50%、DIC(株)製)20部、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成工業(株)製)1部を、
メチルエチルケトン60部と1−ブタノール60部の混合溶剤に加えて分散液を調製した。
Figure 2016122170
この分散液に、平均粒径1.0mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて23℃雰囲気化、回転数1,500rpmで3時間分散処理した。分散処理後、得られた分散液に架橋ポリメタクリル酸メチル粒子(商品名:SSX−103、平均粒径:3μm)5部と、シリコーンオイル(商品名:SH28PA)0.01部を添加して攪拌することで、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間170℃で加熱、重合させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部(鉛直方向上端部)から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、下引き層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmの領域で、下引き層を形成しなかった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する結晶系のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1)5部、及びシクロヘキサノン260部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル240部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から15mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から15mmの領域は、電荷発生層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から15mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から15mmの領域で、電荷発生層を形成しなかった。
次に、電荷輸送物質として上記式(4)で示されるアミン化合物7部と、
上記式(1−6)で示される構造単位を有し重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂10部を、
ジメトキシメタン30部とクロロベンゼン70部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、電荷輸送層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から3mmの領域で、電荷輸送層を形成しなかった。
以上のようにして、支持体上に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造した。なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から245.5mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より245.5mmの位置から257.5mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise600 M603、非接触現像方式、プリント速度:A4縦60枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体は、HP LaserJet Enterprise600 M603用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、4mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は30Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mmの位置から支持体の一端側より240.5mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より240.5mmの位置から260.5mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の第二領域の表面に、間隔保持部材が当接することを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、50,000枚の画像形成を行った。50,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表4に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例102)
実施例101のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−1)で示される構造単位と、上記式(1−5)で示される構造単位を6/4の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例101と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
(実施例103)
実施例101のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−3)で示される構造単位と、上記式(1−7)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が70,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例101と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
(実施例104)
実施例101のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−1)で示される構造単位と、上記式(2−2)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例101と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
(実施例105)
実施例101のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−5)で示される構造単位を有し重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例101と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
(実施例106〜110)
実施例101〜105の電子写真感光体の第二の領域に当接する間隔保持部材の当接力を10Nとした以外はそれぞれ実施例101〜105と同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
(実施例111〜120)
実施例101〜110で用いた下引き層用塗布液のシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例101〜110と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例101と同様に接着力の評価を行った。結果を、表4に示す。
Figure 2016122170
(実施例121〜125)
実施例101〜105の支持体(アルミニウムシリンダー)を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した以外はそれぞれ実施例101〜105と同様に電子写真感光体を製造した。
なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から246.6mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より246.6mmの位置から258.6mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise 500 Color M551、接触現像方式、プリント速度:A4縦30枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体をHP LaserJet Enterprise 500 Color M551用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、2mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は10Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mm位置から支持体の一端側より241.6mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より241.6mmの位置から261.6mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の間隔保持部材の当接領域において、電子写真感光体は、支持体上に下引き層、下引き層の直上に電荷輸送層を有する部分があることを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、25,000枚の画像形成を行った。25,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表5に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例126〜130)
実施例121〜125の電子写真感光体の第二の領域に当接する間隔保持部材の当接力を3Nとした以外はそれぞれ実施例121〜125と同様に接着力の評価を行った。結果を、表5に示す。
(実施例131〜140)
実施例121〜130のシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例121〜130と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例121と同様に接着力の評価を行った。結果を、表5に示す。
Figure 2016122170
(実施例201)
長さ260.5mm、直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、ε−カプロラクタム/ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/デカメチレンジカルボン酸/オクタデカメチレンジカルボン酸の組成モル比率が、60%/15%/5%/15%/5%からなる共重合ポリアミド、
酸化亜鉛粒子(平均一次粒径:50nm、比表面積:19m/g、テイカ(株)製)13.5部を、
メタノールとブタノールとの混合溶剤に分散して下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を温度140℃で20分間乾燥して、膜厚30μmの下引き層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部(鉛直方向上端部)から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、下引き層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部(鉛直方向下端部)から3mmの領域で、下引き層を形成しなかった。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°にピークを有する結晶系のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、及びシクロヘキサノン260部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル240部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間80℃で乾燥させることによって、膜厚が0.20μmの電荷発生層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から15mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から15mmの領域は、電荷発生層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から15mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から15mmの領域で、電荷発生層を形成しなかった。
次に、電荷輸送物質として上記式(4)で示されるアミン化合物7部と、
上記式(1−6)で示される構造単位を有し重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂10部を、
ジメトキシメタン30部とクロロベンゼン70部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を60分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの電荷輸送層を形成した。
この塗膜形成の際、支持体を引上げ開始側端部から3mmを除いて塗布液に浸漬した後に、支持体を塗布液から相対的に引き上げて浸漬塗布を行うことで、引上げ開始側端部から3mmの領域は、電荷輸送層を形成しなかった。また、支持体を塗布液から引き上げた後、塗布液が乾燥するまでの間に、支持体の外周面に塗布された塗膜に対して、引上げ終了側端部から3mmまでの領域は、溶剤を含浸させたシルボン紙で拭き取り、塗膜を剥離した。これにより、引上げ終了側端部から3mmの領域で、電荷輸送層を形成しなかった。
以上のようにして、支持体上に下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造した。なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から245.5mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より245.5mmの位置から257.5mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise600 M603、非接触現像方式、プリント速度:A4縦60枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体は、HP LaserJet Enterprise600 M603用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、4mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は30Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mmの位置から支持体の一端側より240.5mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より240.5mmの位置から260.5mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の非画像形成領域及び間隔保持部材の当接領域において、電子写真感光体は、電子写真感光体の第二領域の表面に、間隔保持部材が当接することを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、50,000枚の画像形成を行った。50,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表6に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例202)
実施例201のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−1)で示される構造単位と、上記式(1−5)で示される構造単位を6/4の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が50,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例201と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
(実施例203)
実施例201のポリカーボネート樹脂を、上記式(1−3)で示される構造単位と、上記式(1−7)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が70,000であるポリカーボネート樹脂に変更した。それ以外は実施例201と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
(実施例204)
実施例201のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−1)で示される構造単位と、上記式(2−2)で示される構造単位を5/5の割合(mol比率)で有し、重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例201と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
(実施例205)
実施例201のポリカーボネート樹脂を、上記式(2−5)で示される構造単位を有し重量平均分子量が100,000であるポリエステル樹脂に変更した。それ以外は実施例201と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
(実施例206〜210)
実施例201〜205の電子写真感光体の第二の領域の表面に当接する間隔保持部材の当接力を10Nとした以外はそれぞれ実施例201〜205と同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
(実施例211〜220)
実施例201〜210で用いたシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例201〜210と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例201と同様に接着力の評価を行った。結果を、表6に示す。
Figure 2016122170
(実施例221〜225)
実施例201〜205の支持体(アルミニウムシリンダー)を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した以外はそれぞれ実施例201〜205と同様に電子写真感光体を製造した。
なお、電子写真感光体の第一の領域は、支持体の一端側より15mmの位置から246.6mmの位置までの領域となる。電子写真感光体の第二の領域は、支持体の一端側より3mmの位置から15mmの位置までの領域及び支持体の一端側より246.6mmの位置から258.6mmの位置までの領域となる。
(接着力の評価)
評価機としてヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise 500 Color M551、接触現像方式、プリント速度:A4縦30枚/分)を改造し、接着力の評価を行った。製造した電子写真感光体をHP LaserJet Enterprise 500 Color M551用のプロセスカートリッジに装着した。電子写真感光体と現像剤担持体の間隔を保持するために、支持体の一端側及び他端側から約9mm位置を中心として、2mm幅の回転できる円筒状でPOM素材の間隔保持部材を当接させた。当接力は10Nとした。カートリッジに装着した電子写真感光体に対して、画像形成領域は、支持体の一端側より20mm位置から支持体の一端側より241.6mmの位置までの領域となるようにした。したがって、非画像形成領域は、支持体の一端側より0mmの位置から20mmの位置までの領域及び支持体の一端側より241.6mmの位置から261.6mmの位置までの領域となる。そして、電子写真感光体の第二の領域の表面は、間隔保持部材と当接することを確認した。
接着力の評価は次のように行なった。温度15℃、湿度10%RHの環境下にて、A4サイズの普通紙で印字比率1%の画像を、2枚画像形成するごとに停止する間欠モードにより、25,000枚の画像形成を行った。25,000枚の画像形成終了後、第二の領域における電子写真感光体の表面層(電荷輸送層)と下引き層との接着状態を確認した。接着状態はカートリッジから電子写真感光体を傷付けないよう取り外し、目視により電荷輸送層の剥離状態を評価した。目視基準は以下の通りである。結果を、表7に示す。
A:膜に変化はなく、良好
B:膜に軽微な感光層の浮きがみられる
C:膜に感光層の浮きがはっきりとみられるが、剥がれには至らない
D:膜の剥がれが見られる
(実施例226〜230)
実施例221〜225の電子写真感光体の第二の領域の表面に当接する間隔保持部材の当接力を3Nとした以外はそれぞれ実施例221〜225と同様に接着力の評価を行った。結果を、表7に示す。
(実施例231〜240)
実施例221〜230で用いたシランカップリング剤で表面処理された酸化亜鉛粒子を、γ−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン粒子に変更した。それ以外はそれぞれ実施例221〜230と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例221と同様に接着力の評価を行った。結果を、表7に示す。
Figure 2016122170
(比較例1)
実施例1で用いた下引き層用塗布液を、以下のように調製した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表8に示す。
酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子160部、
フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325、樹脂固形分:60質量%、大日本インキ化学工業(株)製)100部を、1−メトキシ−2−プロパノール50部に加えて分散液を調製した。この分散液に、平均粒径0.8mmのガラスビーズを用いて縦型サンドミルにて18℃雰囲気下で4.5時間分散処理した。分散処理後、得られた分散液にシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)22部とシリコーンオイル(商品名:SH28PA)0.002部を添加して攪拌することで、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、塗膜を30分間150℃で加熱、重合させることによって、膜厚が30μmの下引き層を形成した。
(比較例2)
実施例4で用いた下引き層用塗布液を比較例1に記載の下引き層用塗布液に変更した以外は、実施例4と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表8に示す。
(比較例3)
実施例6で用いた下引き層用塗布液を、比較例1に記載の下引き層用塗布液に変更した以外は実施例6と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表8に示す。
(比較例4)
実施例9で用いた下引き層用塗布液を、比較例1に記載の下引き層用塗布液に変更した以外は、実施例9と同様に電子写真感光体を製造し、同様に接着力の評価を行った。結果を、表8に示す。
Figure 2016122170
(比較例5)
比較例1の支持体を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した。それ以外は比較例1と同様に電子写真感光体を製造し、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表9に示す。
(比較例6)
比較例2の支持体を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した。それ以外は比較例2と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表9に示す。
(比較例7)
比較例3の支持体を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した。それ以外は比較例3と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表9に示す。
(比較例8)
比較例4の支持体を、長さ261.6mm、直径24mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)に変更した。それ以外は比較例4と同様に電子写真感光体を製造した。そして、実施例21と同様に接着力の評価を行った。結果を、表9に示す。
Figure 2016122170
次に、電子写真感光体単独での接着力を評価するために、実施例1〜5、11〜15、101〜105、111〜115、201〜205、211〜215と比較例1、2に対し、クロスカット試験を行った。クロスカット試験は、接着力の評価とは別個に電子写真感光体を製造し、電子写真感光体の第二の領域を用いて評価を行った。
(クロスカット試験)
クロスカット試験は、JIS K5600−5−6に基づいて行った。ただし、評価は温度15℃、湿度10%RHの環境下に48時間以上静置した後、クロスカット試験を行った。カットには単一切り込み工具を用い、刃を塗膜に対して約60°に立てた状態で手動で行った。製造した電子写真感光体の塗膜の膜厚は約50μmであるので、カットの間隔は1mmとした。
クロスカット試験は、電子写真感光体製造時の引上げ開始端部と終了端部の第二の領域のそれぞれについて行い、25マス中何マス剥がれたかをその平均値を用いて評価した。結果を、表10に示す。
Figure 2016122170
101 支持体
102 下引き層
103 電荷発生層
104 電荷輸送層
110a、110b 間隔保持部材
8 プロセスカートリッジ
22 現像剤担持体
10 帯電部材

Claims (17)

  1. 電子写真装置本体に着脱可能に構成されたプロセスカートリッジであって、該プロセスカートリッジが、
    電子写真感光体、
    該電子写真感光体を帯電する帯電部材、
    該電子写真感光体に現像剤を供給する現像剤担持体、及び
    該帯電部材または該現像剤担持体と、該電子写真感光体との間隔を保持する間隔保持部材を有し、
    該電子写真感光体が、
    支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
    支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と、
    を有し、
    該電荷輸送層が表面層であり、
    該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
    該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、
    該間隔保持部材が、該電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 前記電子写真感光体の第一の領域が、前記電子写真感光体の画像形成領域にあり、
    前記電子写真感光体の第二の領域が、前記電子写真感光体の非画像形成領域にある請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
  3. 前記電子写真感光体の第一の領域が、さらに、前記電子写真感光体の非画像形成領域の画像形成領域側にある請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
  4. 前記下引き層の結着樹脂が、ウレタン樹脂である請求項1から3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  5. 前記ウレタン樹脂が、イソシアネート化合物と、ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂とを含む組成物の重合物である請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
  6. 前記下引き層の結着樹脂が、アミノ樹脂である請求項1から3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  7. 前記アミノ樹脂が、トリアジン化合物と、ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂とを含む組成物の重合物である請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 前記下引き層の結着樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項1から3のいずれか1項に記載のプロセスカートリッジ。
  9. 電子写真感光体と、
    該電子写真感光体を帯電する帯電部材、
    該電子写真感光体に現像剤を供給する現像剤担持体、及び
    該帯電部材または該現像剤担持体と、該電子写真感光体との間隔を保持する間隔保持部材とを有する電子写真装置であって、
    該電子写真感光体が、
    支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
    支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と、
    を有し、
    該電荷輸送層が表面層であり、
    該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
    該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有し、
    該間隔保持部材が、該電子写真感光体の第二の領域の表面と当接することを特徴とする電子写真装置。
  10. 前記電子写真感光体の第一の領域が、前記電子写真感光体の画像形成領域にあり、
    前記電子写真感光体の第二の領域が、前記電子写真感光体の非画像形成領域にある請求項9に記載の電子写真装置。
  11. 前記電子写真感光体の第一の領域が、さらに、前記電子写真感光体の非画像形成領域の画像形成領域側にある請求項10に記載の電子写真装置。
  12. 前記下引き層の結着樹脂が、ウレタン樹脂である請求項9から11のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  13. 前記ウレタン樹脂が、イソシアネート化合物と、ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂とを含む組成物の重合物である請求項12に記載の電子写真装置。
  14. 前記下引き層の結着樹脂が、アミノ樹脂である請求項9から11のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  15. 前記アミノ樹脂が、トリアジン化合物と、ヒドロキシ基を有する熱可塑性樹脂とを含む組成物の重合物である請求項14に記載の電子写真装置。
  16. 前記下引き層の結着樹脂が、ポリアミド樹脂である請求項9から11のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  17. 電子写真感光体が、
    支持体上に下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有する第一の領域と、
    支持体上に下引き層、及び電荷輸送層をこの順に有する第二の領域と
    を有し、
    該電荷輸送層が表面層であり、
    該下引き層が、金属酸化物粒子と、結着樹脂としてウレタン樹脂、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂のいずれかを含有し、
    該電荷輸送層が、ポリカーボネート樹脂及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも一方と、電荷輸送物質とを含有することを特徴とする電子写真感光体。
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