JP5792429B2 - 有機感光層を有する電子写真感光体の中間層用塗工液、電子写真感光体および画像形成装置ならびに画像形成方法 - Google Patents
有機感光層を有する電子写真感光体の中間層用塗工液、電子写真感光体および画像形成装置ならびに画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
一方、有機光導電性材料は、無機光導電性材料に比べて、感度、耐久性および環境に対する安定性などの点で若干劣るものの、毒性、製造コスト、材料設計の自由度などの観点から、近年では広く用いられている。
現在では、導電性支持体上に、中間層と、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型(機能分離型)感光層とがこの順で積層された構成が主流となっている。
中間層は、導電性支持体上の欠陥被覆などによる感光層の接着性向上や成膜性(塗工性)改善、導電性支持体からの不要な電荷注入の阻止、それに伴う帯電性改善などの機能を有する。
中間層に用いられる樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼインなどの水溶性樹脂、共重合ナイロン樹脂などのアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シロキサン樹脂など三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂などが挙げられる。
そこで、耐溶剤性、環境安定性に優れた三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂が採用された。
そこで、イソシアネート基がオキシムなどのブロック剤で保護されたブロックイソシアネート化合物を用いる方法が報告され、有機溶剤を用いた塗工液のポットライフはかなり改善されている(例えば、特開2005-115351号公報(特許文献4)参照)。
針状の酸化チタン微粒子を用いると、残留電位の改善ができるという報告もあるが、膜内の酸化チタンの均一性に劣るため、局所的な欠陥による、黒ポチなどの画像欠陥が懸念される。
前記粒状酸化チタン微粒子が、前記ブロックイソシアネート化合物、前記ポリオール系樹脂および前記粒状酸化チタン微粒子の合計量に対して30〜90重量%の割合で含有され、
前記粒状酸化チタン微粒子が、20〜400nmの平均一次粒径を有することを特徴とする有機感光層を有する電子写真感光体の中間層用塗工液が提供される。
また、水酸基やアミド基などのイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有するポリオール系樹脂を用いることにより、イソシアネート化合物と容易に熱硬化反応させることができる。
さらに、本発明では、イソシアネート基が、樹脂中の活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比でブロックイソシアネート化合物中に存在することにより、緻密な硬化膜を形成することができ、感光体として優れた環境特性を実現することができる。
また、粒状酸化チタン微粒子は、針状の酸化チタン微粒子を使用する場合よりも、均一な膜を形成することが可能である。したがって、酸化チタンが均一に膜内に分布する膜を作製でき、局所的な欠陥を少なくできるため、特に高温高湿下での画像欠陥を少なくできる。
ブロックイソシアネート化合物は、水に溶解あるいは分散可能な水性イソシアネート化合物のイソシアネート基が、例えばオキシムなどのブロック剤で保護された化合物で、加熱により水酸基やアミド基などのイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有するポリオール系樹脂と付加反応を開始し、ブロック剤が外れて架橋反応が進む。すなわち、ブロックイソシアネート化合物は、樹脂の架橋剤となる。
これらの有機ポリイソシアネートの中でも、ヘキサメチレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートベースの有機ポリイソシアネートは、水との親和性を持たせやすく、そのため水への溶解・分散が容易で、また架橋密度を高めることも容易なことから特に好ましい。
これらのブロック剤の中でも、汎用性、製造の簡易さ、作業性の点から、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム系化合物およびε−カプロラクタムなどのラクタム系化合物は特に好ましい。
したがって、ブロックイソシアネート化合物は、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有するものが好ましい。
住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールBL5140、BL5235およびVPLS2310;
三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−700WB−820およびWB−920;
日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102
旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1238、X1248およびX1258
などが挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有するポリオール系樹脂における活性水素含有基は、イソシアネート基と高収率で反応可能な水酸基またはアミド基であるのが好ましい。
すなわち、硬化剤であるブロックイソシアネートと架橋構造を形成するための水酸基またはアミド基を有する(1つの官能基しか有さない場合には架橋構造とはならず、高分子量となる)ポリオール系樹脂やポリアミド系樹脂が好適である。また、これらポリオール系樹脂やポリアミド系樹脂の構造を制御することにより、良好に水に分散および溶解させることができ、さらにこれらの樹脂は基板との接着性が高く。感光体とした時の基板との接触不良による画像欠陥も効果的に防止できる。
日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−457およびAQD−473、旭硝子株式会社製、製品名:エクセノール420および720、三洋化成工業株式会社製、製品名:サンニックスGP−400、GP−700およびSP−750などのポリエーテルポリオール系樹脂;
日立化成工業株式会社製、製品名:フタルキッドW2343、DIC株式会社製、製品名:ウォーターゾールS−118、CD−520およびBCD−3040、ハリマ化成株式会社製、製品名:ハリディップWH−1188などのポリエステルポリオール系樹脂;
DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300、WE−304およびWE−306、亜細亜工業株式会社製、製品名:WAP−473−FDおよびWAP−548などのポリアクリルポリオール系樹脂;
積水化学工業株式会社製、製品名:エスレックK KW−1およびKW−3などのポリビニルアセタール系樹脂;
信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−50および65SH−400などの水溶性セルロースエーテルのようなセルロース;
ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350およびFS−500などの水溶性ナイロン(ポリアミド化合物系樹脂)
などが挙げられる。
このモル比(H/B)が0.5未満の場合または1.5を超える場合には、未反応の官能基が多く残存して、架橋密度が低くなり、形成された中間層を有する感光体の環境安定性が低下するおそれがある。
粒状酸化チタン微粒子としては、例えば、
石原産業株式会社製、製品名:TTO−55D(平均一次粒径:30〜50nm)、ST−21(平均一次粒径(X線により測定):70nm)、PT−401M(平均一次粒径:70nm)およびCR−EL(平均一次粒径:250nm)、
堺化学工業株式会社製、製品名:GTR100(平均一次粒径:260nm)、
昭和電工株式会社製、TS−043(平均一次粒径:30nm)、TS−01(平均一次粒径:90nm)、
テイカ株式会社製、製品名:MT−500SAS(平均一次粒径:35nm)およびJR−603(平均一次粒径:280nm)
などが挙げられる。
粒状酸化チタン微粒子の体積抵抗値は、プレス圧力100kg/cm2の圧粉体における体積抵抗値(以下「粉体抵抗値」ともいう)で105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の範囲の高抵抗であるのが好ましい。
粒状酸化チタン微粒子の粉体抵抗値が105Ω・cm未満では、中間層としての抵抗値が低下し、電荷ブロッキング層として機能しなくなることがある。例えば、アンチモンドープした酸化錫導電層などの導電処理を施した酸化チタンの粉体抵抗値は100〜101Ω・cmであり、これを用いた中間層は電気ブロッキング層として機能せず、感光体特性としての帯電性が悪化するので、使用することはできない。
また、粒状酸化チタン微粒子の粉体抵抗値が1010Ω・cmを超えると、樹脂の体積抵抗値と同等あるいはそれ以上になり、これを用いた中間層の抵抗値が高くなり過ぎて、光照射時に生成したキャリア輸送が抑制阻止され、残留電位が上昇するので好ましくない。
この割合が30重量%未満の場合、低温低湿環境下で連続印字した際の感光体の感度変化が大きくなり、画像濃度の変化が大きくなるおそれがある。また、この割合が90重量%を超える場合、中間層用塗工液の保存安定性が悪くなり、粒状酸化チタン微粒子が沈降するおそれがある。
金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛、酸化錫、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムなどが挙げられ、これらの中でも分散性、比抵抗の点で酸化亜鉛微粒子が特に好ましい。
消泡剤は、中間層用塗工液にごく微量添加することによって泡を抑えることを目的としている。
本発明の中間層用塗工液のように溶剤として水を使用し、また特に水溶性の樹脂を添加する場合には、調製時の分散や攪拌により発泡して分散や攪拌効率を低下させるだけでなく、塗布時に発泡して塗膜欠陥を引き起こすことがある。消泡剤はこれらの問題を抑制する。
消泡剤としては、例えば、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー444、470、485、PC(ポリエーテル系)、SNデフォーマー1311、1316(シリコーン系)、SNデフォーマー777、328、480、Hー2(オイルコンパウンド系)、日硝産業株式会社製、製品名:TSA750(オイルコンパウンド系)、TSA770(エマルション系)、東レ・ダウコーニング株式会社製:製品名:DK Q1−1247のようなシリコーン・エマルションなどが挙げられる。
消泡剤が0.05重量部を超える場合、感光体の電気特性を悪化させるおそれがあり、0.0005重量部未満の場合、有効な破泡効果が得られないおそれがある。
電子輸送物質としては、例えば、ペリレン系色素類、ジフェノキノンやナフトキノンの誘導体などのキノン類、テトラシアノエチレンやテレフタルマロンジニトリルなどのシアノ化合物、4−ニトロベンズアルデヒドなどのアルデヒド類、アントラキノンやアリザリンなどのアントラキノン類が挙げられる。
水性媒体は、水、水と低級アルコールなどの親水性有機溶剤との混合媒体を意味するが、本発明においては水のみが好ましい。
分散安定剤としては、例えば、株式会社三洋化成製、製品名:キャリボンL−400、エレスタットAP−130、サンスパールPS−8、PDN−173、イオネットS−85およびニューポールPE−61、サンノプコ株式会社製、製品名:ローマPWA−40、ノブコサントRFA、SNディスパーサント2060、5020、5029、5468、7347CおよびSNウェットP、日信化学工業株式会社製、製品名:サーフィノール104EおよびオルフィンPD−003、花王株式会社製、製品名:ポイズ520、530、ホモゲノールL 100、第一工業製薬株式会社製、シャロールAN−103P、AH−144P、ディスコートN−14、東邦化学工業株式会社製、製品名:ディブロジンA−100、ネオスコープ30などが挙げられる。
図1〜3は、本発明の感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1は、感光層が電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層(「機能分離型感光層」ともいう)である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図2は、感光層が電荷輸送層と電荷発生層とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層である積層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図3は、感光層が一層からなる単層型感光層である単層型感光体の要部の構成を示す模式断面図である。
図1および2の積層型感光層はいずれであってもよいが、図1の積層型感光層が好ましい。
図2の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層4と電荷発生物質を含有する電荷発生層3とがこの順で積層された逆二層型の積層型感光層5がこの順で形成されている。
図3の感光体は、導電性支持体1の表面に、中間層2と、電荷発生物質と電荷輸送物質とを含有する単層型感光層5’がこの順で形成されている。
導電性支持体は、感光体の電極としての役割を果たすとともに、他の各層の支持部材としても機能する。
導電性支持体の構成材料は、当該分野で用いられる材料であれば特に限定されない。
具体的には、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、真鍮、亜鉛、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、モリブデン、バナジウム、インジウム、チタン、金、白金などの金属および合金材料:ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポリスチレン、セルロース、ポリ乳酸などの高分子材料、硬質紙、ガラスなどからなる基体表面に金属箔をラミネートしたもの、金属材料または合金材料を蒸着したもの、導電性高分子、酸化スズ、酸化インジウム、カーボンブラックなどの導電性化合物の層を蒸着もしくは塗布したものなどが挙げられる。
導電性支持体の表面には、必要に応じて、画質に影響のない範囲内で、陽極酸化皮膜処理、薬品、熱水などによる表面処理、着色処理、表面を粗面化するなどの乱反射処理が施されていてもよい。
中間層は、単層型感光層または積層型感光層の帯電性の低下を抑制し、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷の減少を抑え、かぶりなどの画像欠陥の発生を防止する、特に反転現像プロセスによる画像形成の際に、白地部分にトナーからなる微小な黒点が形成される黒ポチと呼ばれる画像かぶりの発生を防止する機能を有する。
中間層用塗工液の塗布方法は、シートの場合にはベーカーアプリケーター法、バーコーター法(例えば、ワイヤーバーコーター法)、キャスティング法、スピンコート法、ロール法、ブレード法、ビード法、カーテン法など、ドラムの場合にはスプレー法、垂直リング法、浸漬塗工法などが挙げられる。
塗布方法は、塗工液の物性や生産性などを考慮して最適な方法を選択すればよく、浸漬塗布法、ブレードコーター法およびスプレー法が特に好ましい。
熱硬化は、熱風乾燥炉および遠赤外線乾燥炉などの公知の装置を用いて行うことができ、その条件は、用いるブロックイソシアネート化合物や樹脂の種類、配合割合などにより適宜設定すればよく、通常、温度110〜150℃、好ましくは130〜150℃で、時間10分間〜1時間程度である。
例えば、導電性の無機酸化物微粒子を含有する膜厚2〜20μmの第1中間層(導電層)と無機酸化物微粒子を含有しない膜厚0.2〜1μmの第2中間層(絶縁層)との組み合わせ、無機酸化物微粒子を含有しない膜厚0.2〜1μmの第1中間層(絶縁層またはブロックング層)と電性の無機酸化物微粒子を含有する膜厚3〜10μmの第2中間層(モアレ防止層)と組み合わせなどが挙げられる。
積層型感光層5は、電荷発生層3と電荷輸送層4とからなる。このように電荷発生機能と電荷輸送機能とを別々の層に担わせることにより、各層を構成する最適な材料を独立して選択することができる。
以下の説明では、電荷発生層と電荷輸送層とがこの順で積層された積層型感光層(図1)について説明するが、逆二層型の積層型感光層(図2)の場合には積層順が異なるだけで基本的に同様である。
電荷発生層は、照射された光を吸収することにより電荷を発生する電荷発生能を有する電荷発生物質を主成分とし、任意に公知の添加剤およびバインダ樹脂(結合剤)を含有する。
具体的には、アゾ系顔料(カルバゾール骨格、スチリルスチルベン骨格、トリフェニルアミン骨格、ジベンゾチオフェン骨格、オキサジアゾール骨格、フルオレノン骨格、ビススチルベン骨格、ジスチリルオキサジアゾール骨格またはジスチリルカルバゾール骨格を有する、モノアゾ系顔料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料など)、ペリレン系顔料(ペリレンイミド、ペリレン酸無水物など)、多環キノン系顔料(キナクリドン、アントラキノン、ピレンキノンなど)、フタロシアニン系顔料(金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ハロゲン化無金属フタロシアニンなど)、インジゴ系顔料(インジゴ、チオインジゴなど)、スクアリリウム色素、アズレニウム色素、チオピリリウム色素、ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などの有機顔料または染料、さらにセレン、非晶質シリコンなどの無機材料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの電荷発生物質の中でも、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ぺリレン系顔料は高感度を有することから特に好ましい。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール:BHT)のようなヒンダードフェノールなどのフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミンなどのアミン系酸化防止剤、ビタミンE、ハイドロキノン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機硫黄系化合物、有機燐系化合物などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の添加量が0.1重量部未満であると、塗工液の安定性の向上および感光体の耐久性の向上に充分な効果が得られないおそれがある。また、酸化防止剤の添加量が40重量部を超えると、感光体特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
レベリング剤としては、例えばシリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
可塑剤としては、例えばフタル酸エステルなどの二塩基酸エステル、脂肪酸エステル、リン酸エステル、塩素化パラフィンおよびエポキシ型可塑剤などが挙げられる。
乾式法としては、例えば、電荷発生物質を導電性支持体の表面に真空蒸着する方法が挙げられる。
湿式法としては、例えば、電荷発生物質、必要に応じて添加剤およびバインダ樹脂を適当な有機溶剤に溶解または分散して電荷発生層用塗工液を調製し、この塗工液を導電性支持体上に形成された中間層表面に塗布し、次いで乾燥して有機溶剤を除去する方法が挙げられる。
具体的には、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリアミド、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル、ポリアクリルアミド、ポリフェニレンオキサイドなどの熱可塑性樹脂;フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマールなどの熱硬化性樹脂、これらの樹脂の部分架橋物、これらの樹脂に含まれる構成単位のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂などの絶縁性樹脂)などが挙げられる。これらのバインダ樹脂は1種を単独でまたは2種以上を組み合せて使用することができる。
電荷発生物質が10重量%未満であると、感光体の感度が低下するおそれがある。
一方、電荷発生物質が99重量%を超えると、電荷発生層の膜強度が低下するだけでなく、電荷発生物質の分散性が低下して粗大粒子が増大することがある。そのため、露光によって消去されるべき部分以外の表面電荷が減少し、画像欠陥、特に白地にトナーが付着し微小な黒点が形成される黒ぽちと呼ばれる画像のかぶりが多くなるおそれがある。
予備粉砕は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル、超音波分散機などの一般的な粉砕機を用いて行うことができる。
構成物質の樹脂溶液への溶解または分散は、例えば、ペイントシェーカ、ボールミル、サンドミルなどの一般的な分散機を用いて行うことができる。このとき、容器および分散機を構成する部材から摩耗などによって不純物が発生し、塗工液中に混入しないように、分散条件を適宜設定するのが好ましい。
乾燥温度が50℃未満では、乾燥時間が長くなることがある。また、乾燥温度が140℃を超えると、感光体の繰返し使用時の電気的特性が悪化して、得られる画像が劣化するおそれがある。
電荷輸送層は、電荷発生物質で発生した電荷を受け入れ、それを輸送する能力を有する電荷輸送物質と、バインダ樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
具体的には、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、ピラゾリン誘導体、フェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体、トリフェニルアミン系化合物、テトラフェニルジアミン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スチルベン系化合物、3−メチル−2−ベンゾチアゾリン環を有するアジン化合物などの電子供与性物質;
が挙げられる。これらの電荷輸送物質は1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
比率E/Bが10/25未満であると、電荷輸送物質に対するバインダ樹脂の相対量比が高くなり、十分な感度が得られないおそれがある。
一方、比率E/Bが10/12を超えると、電荷輸送層の耐刷性や感光体の耐久性が低下するおそれがある。
これらの樹脂の中でも、ポリカーボネートを主成分とする樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリスチレン樹脂は、光化学的に安定で、電荷輸送物質との相溶性に優れ、さらに体積抵抗値が1013Ω以上であって電気絶縁性に優れ、かつ成膜性、電位特性などにも優れるので好ましい。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
単層型感光層は、電荷発生物質と、電荷輸送物質と、バインダ樹脂(結合剤)とを主成分として含有する。
単層型感光層は、本発明の効果を阻害しない範囲内で必要に応じて、電荷発生層に含まれるものと同様の添加剤を適量含有していてもよい。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層および電荷輸送層の形成に準ずる。
本発明の感光体は、積層型感光層5および単層型感光層5’の表面に保護層(図示せず)を有していてもよい。
保護層は、感光層の摩耗性の改善やオゾン、窒素酸化物などによる化学的悪影響の防止の機能を有する。
その他の工程およびその条件は、電荷発生層の形成に準ずる。
図4は、本発明の画像形成装置の構成を示す模式側面図である。
図4の画像形成装置20は、本発明の感光体21(例えば、図1〜3の感光体のいずれか1つ)と、帯電手段(帯電器)24と、露光手段28と、現像手段(現像器)25と、転写手段(転写器)26と、クリーニング手段(クリーナ)27と、定着手段(定着器)31と、除電手段(図示せず、クリーニング手段27に併設される)を含んで構成される。図番30は記録媒体としての転写紙(「記録紙」ともいう)を示す。
まず、感光体21が駆動手段によって矢符23方向に回転駆動されると、露光手段28による光28aの結像点よりも感光体21の回転方向上流側に設けられる帯電器24によって、感光体21の表面が正または負の所定電位に均一に帯電される。
導電性支持体として、直径30mm×長さ300mm×厚さ0.8mmのアルミニウム製の円筒型導電性支持体を用いて、図1の感光体を作製した。
まず、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3)6.3重量部と、ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248)9.6重量部と、粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA)12重量部と、消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777)0.02重量部を、水72重量部に加え、ペイントシェーカを用いて6時間分散処理して中間層用塗工液(全量1kg)を調製した。
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、粒状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
得られた中間層用塗工液を塗布槽に満たし、導電性支持体を浸漬した後引き上げ、得られた塗膜を温度150℃で30分間乾燥・硬化させて、膜厚1.0μmの中間層を形成した。
以上のようにして、実施例1の感光体を作製した。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒径:20nm、石原産業株式会社製、製品名:ST21):12重量部
樹脂としての、ポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3)6.3重量部、
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248)9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒径:30nm、昭和電工株式会社製、製品名:TS-043):12重量部
樹脂としての、ポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):6.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例4の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒径:250nm、石原産業株式会社製、製品名:CR−EL):12重量部
樹脂としての、ポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3:6.3重量部
ブロックイソシアネート化合物((固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例5の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):12重量部
樹脂としての、ポリエーテルポリオール(固形分:35%、OH価:60、日本ポリウレタン工業株式会社製、製品名:AQD−473):14.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:42%、NCO含有率:7.5%、日本ポリウレタン工業株式会社製、開発品名:BWD−102):7.1重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:67重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例6の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒径:90nm、昭和電工株式会社製、製品名:TS-01):12重量部
樹脂としての、水性ポリアクリルポリオール(固形分:45%、OH価:80、DIC株式会社製、製品名:バーノックWE−300):8.4重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:40%、NCO含有率:5.4%、三井化学ポリウレタン株式会社製、製品名:タケネートWB−920):10.5重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:69重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例7の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒径:30〜50nm、石原産業株式会社製、製品名:TTO−55D):12重量部
樹脂としての、水溶性セルロース(OH価:360、信越化学工業株式会社製、製品名:メトローズ65SH−50):0.9重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:37.5%、NCO含有率:3.7%、住化バイエルウレタン株式会社製、製品名:バイヒジュールVPLS2310):18.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:68重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例8の感光体を作製した。
粒状酸化チタン微粒子(平均一次粒子径:280nm、テイカ株式会社製、製品名:JR−603):12重量部
樹脂としての、水溶性ナイロン(固形分:20%、NH含有率:10%、ナガセケムテックス株式会社製、製品名:トレジンFS−350):6.0重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:39.5%、NCO含有率:4.4%、住化バイエルウレタン株式会社製、開発品名:BL−5140):17.2重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:65重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例9の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):8重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):9.4重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):14.5重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:68重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して4/6の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例10の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):16重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):3.1重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):4.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:76重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して8/2の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例11の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):9.5重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):8.7重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:70重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して0.6のモル比で、針状酸化チタン微粒(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例14の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):5重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):10重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:73重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.3のモル比で、針状酸化チタン微粒(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例15の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):13重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):7.8重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:68重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して0.4のモル比で、針状酸化チタン微粒(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして実施例16の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):4.1重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):10.2重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:74重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.6のモル比で、針状酸化チタン微粒(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液(水系、硬化なし)を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):6重量部
樹脂としての、ポリビニルアセタール(固形分:20%、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):20重量部
水:64重量部
中間層用塗工液(有機溶剤系、硬化なし)を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):6重量部
樹脂としての、共重合ナイロン(東レ株式会社製、製品名:アミランCM8000):4重量部
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の感光体を作製した。
針状酸化チタン微粒子(短軸長0.05〜0.1μm、長軸長3〜6μm、平均アスペクト比30〜120、石原産業株式会社製、製品名:FTL−100):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):6.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):4重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):13重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):19重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:64重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して2/8の重量比(P/R)であった。
下記成分を用いたこと以外は、実施例1と同様にして中間層用塗工液を調製したが、分散して間もなく酸化チタンが沈降を開始し、感光体を作製することができなかった。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:35nm、テイカ株式会社製、製品名:MT-500SA):19重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):0.78重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):1.2重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:79重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して9.5/0.5の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例6の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:450nm、富士チタン工業株式会社製、製品名:TA-500):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):6.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
中間層用塗工液を下記成分で調製したこと以外は、実施例1と同様にして比較例7の感光体を作製した。
粒状酸化チタン(平均一次粒径:7nm、石原産業株式会社製、製品名:ST01):12重量部
樹脂としての、水性ポリオールのポリビニルアセタール(固形分:20%、OH価:570、積水化学工業株式会社製、製品名:KW−3):6.3重量部
ブロックイソシアネート化合物(固形分:70%、NCO含有率:7.9%、旭化成ケミカルズ株式会社製、開発品名:X1248):9.6重量部
消泡剤(ポリエーテル系抑泡剤、サンノプコ株式会社製、製品名:SNデフォーマー777):0.02重量部
水:72重量部
ブロックイソシアネート化合物のイソシアネート基は、樹脂の活性水素含有基に対して1.0のモル比で、針状酸化チタン微粒子(P)は、架橋樹脂(ブロックイソシアネート化合物および樹脂の合計:R)に対して6/4の重量比(P/R)であった。
実施例1〜14および比較例1〜7において用いた材料および重量比P/Rを表1に示す。
(1)感光体の電気特性および環境安定性
実施例1〜14および比較例1〜7において得られた感光体を、画像形成工程における現像部での感光体の表面電位を測定できるように現像器の代わりに表面電位計(トレック・ジャパン株式会社製、型式:model344)を設けた、試験用デジタル複写機(シャープ株式会社製、型式:MX−C381)にそれぞれ搭載し、各感光体の電気特性および環境安定性を評価した。
まず、帯電性を見るために、温度5℃、相対湿度10%の低温/低湿(L/L)環境下において、露光プロセスを除いた暗中で露光を行った時の黒地部分の表面電位VL(V)を、1枚目および2000枚目のコピー直後について測定し、それらの差を電位変動ΔVL1-2000(V)として求めた。また、同様にして温度25℃、相対湿度5%の常温/低湿(N/L)環境下および温度25℃、相対湿度35%の常温/高湿(N/H)環境下において、1枚目のコピー直後の表面電位VL(V)を測定し、両環境のVLの差を電位変動ΔVL(V)として求めた。この電位変動ΔVLが小さい程、環境安定性(環境特性)に優れると評価できる。
得られた結果を表2に示す。
実施例1〜14および比較例1〜7において得られた感光体について、温度35℃、相対湿度85%の高温/高湿(H/H)環境下で画像欠陥の評価を行った。
具体的には、A3版のコピー用紙に無地画像を5枚プリントし、黒ポチ発生の周期性と感光体の周期とが一致しかつ目視できる(直径0.4mm以上)黒ポチが、ハードコピー1枚当たり何個あるかを計数し、下記の評価基準で評価した。
(評価基準)
◎:全てのハードコピーで、黒ポチの発生頻度が3個/枚以下で良好
○:全てのハードコピーで、黒ポチの発生頻度が4個/枚以上、10個/枚以下が1枚以上発生するが実用上問題なし
×:全てのハードコピーで、黒ポチの発生頻度が11個/枚以上が1枚以上発生し実用上問題あり
得られた結果を表2に示す。
なお、比較例5では、中間層用塗工液中の酸化チタン微粒子が沈降し、それを用いた感光体が作製できなかったことから、上記(1)および(2)について評価しなかった。
(1)本発明の感光体(実施例1〜14)は、中間層用塗工液の溶剤として水を用いているにもかかわらず、現在の感光体で多く用いられているポリアミド系のバインダ樹脂を用いた有機溶剤系の感光体(比較例2)と比較して、電気特性、環境安定性および画像特性の全てにおいて同等以上の性能を有している。特に、環境安定性においては、実施例1〜14の感光体については、比較例2よりも良好である。
一方、樹脂に対するブロックイソシアネート化合物の量が1.5のモル比より多い場合、すなわち樹脂中のOH基に対するNCO基が多い場合には、環境特性はそれほど低下しないが、疲労特性が低下する(モル比1.6の実施例14参照)。これは、過剰に存在するイソシアネート基が水分と反応し電気特性に影響を及ぼすような不純物が生成したためと考えられる。
2 中間層(下引き層)
3 電荷発生層
4 電荷輸送層
5 積層型感光層
5’ 単層型感光層
22 回転軸線
23、29 矢符
24 帯電手段(帯電器)
24a 帯電ローラ
24b バイアス電源
25 現像手段(現像器)
25a 現像ローラ
25b ケーシング
26 転写手段(転写器)
27 クリーニング手段(クリーナ)
27a クリーニングブレード
27b 回収用ケーシング
28 露光手段
28a 光
30 記録媒体(転写紙または記録紙)
31 定着手段(定着器)
31a 加熱ローラ
31b 加圧ローラ
Claims (6)
- 導電性支持体と感光層との間に積層される中間層用の塗工液が、ブロックイソシアネート化合物と、前記ブロックイソシアネート化合物中のイソシアネート基と反応可能な活性水素含有基を有するポリオール系樹脂と、粒状酸化チタン微粒子と、媒体として水のみを含み、
前記粒状酸化チタン微粒子が、前記ブロックイソシアネート化合物、前記ポリオール系樹脂および前記粒状酸化チタン微粒子の合計量に対して30〜90重量%の割合で含有され、
前記粒状酸化チタン微粒子が、20〜400nmの平均一次粒径を有することを特徴とする有機感光層を有する電子写真感光体の中間層用塗工液。 - 前記粒状酸化チタン微粒子が、20〜100nmの平均一次粒径を有する請求項1に記載の中間層用塗工液。
- 前記活性水素含有基が、水酸基またはアミド基である請求項1または2に記載の中間層用塗工液。
- 前記ブロックイソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートをオキシム系またはラクタム系のブロック剤でブロック化した構造を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の中間層用塗工液。
- 前記ポリオール系樹脂が、ポリエーテルポリオール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂、ポリアクリルポリオール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロースおよびポリアミド系樹脂から選択される樹脂である請求項1〜4のいずれか1つに記載の中間層用塗工液。
- 前記ブロックイソシアネート化合物が、前記ポリオール系樹脂中の前記活性水素含有基に対して0.5以上1.5以下のモル比で前記イソシアネート基を有する割合で含有される請求項1〜5のいずれか1つに記載の中間層用塗工液。
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