JP2015222410A - 電子写真装置 - Google Patents

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Kazunori Noguchi
和範 野口
石塚 由香
Yuka Ishizuka
由香 石塚
晃洋 丸山
Akihiro Maruyama
晃洋 丸山
藤井 淳史
Junji Fujii
淳史 藤井
奥田 篤
Atsushi Okuda
篤 奥田
延博 中村
Nobuhiro Nakamura
延博 中村
友紀 山本
Yuki Yamamoto
友紀 山本
和子 佐久間
Kazuko Sakuma
和子 佐久間
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【課題】 電位変動が抑制された電子写真装置を提供する。【解決手段】 電子写真感光体を有する電子写真感光体であって、電子写真感光体の1分あたりの回転数が60回転以上であり、電子写真感光体の下引き層が、式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真装置に関する。
現在、プロセスカートリッジや電子写真装置に搭載される電子写真感光体としては、有機光導電性物質(電荷発生物質)を含有する電子写真感光体がある。
電子写真感光体は、一般的に、支持体および支持体上に形成された感光層を有する。そして、支持体から感光層側への電荷注入を抑制し、黒ポチなどの画像欠陥の発生を抑えることを目的として、支持体と感光層との間には下引き層が設けられることが多い。
近年、電子写真感光体の電荷発生物質には、より高い感度を有するものが用いられている。そして、電荷発生物質が高感度化するのに伴い、電荷の発生量が多くなることにより電荷が感光層中に滞留しやすく、電位変動が大きくなりやすいという課題があった。具体的には、出力画像中、初期の画像と1000枚出力後の画像の色味が異なることが挙げられる。
このような電位変動を抑制(低減)する技術として、特許文献1には、下引き層にイミド化合物等の電子輸送物質を含有させる技術が開示されている。
さらに、電子写真装置として、印刷枚数を増やすために単位時間当たりの感光体の回転数の高速化が求められている。
特開2001−83726号公報
近年、電子写真画像の品質に対する要求は高まる一方である。さらに、印刷枚数を増やすために、単位時間当たりの感光体の回転数の高速化が求められており、上述の電位変動に対する許容範囲が格段に厳しくなってきている。
そして、本発明者らの検討の結果、特許文献1に開示された技術では、電位変動の抑制が十分に改善されていない場合があり、さらなる改善の必要があるものであった。
本発明の目的は、電位変動が抑制された電子写真装置を提供することにある。
本発明は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体、
該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、及び
該電子写真感光体が回転しながら、帯電された該電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、
を有する電子写真装置であって、
該電子写真感光体の1分あたりの回転数が60回転以上であり、
該下引き層が、下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする電子写真装置。
Figure 2015222410
(式(1)中、R101〜R106は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。該アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、O、S、NR201(R201は、水素原子または、アルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。R101〜R106の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。
該置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される基である。
該置換のアリール基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基およびハロゲン化アルキル基からなる群より選択される基である。)
Figure 2015222410
(式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR301(R301はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン化フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。γは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6の炭素原子の一つNR401で置き換わっていても良いアルキル基(R401はアルキル基)を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。)
本発明によれば、電位変動が抑制された電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。 研磨シートを用いた研磨機の一例を示す図である。 乾式ブラスト処理装置の一例を示す図である。 電子写真感光体の表面電位を測定する感光体試験機について説明する図である。
本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、電子写真感光体が回転しながら、帯電された該電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段を有する電子写真装置に関する。そして、電子写真感光体が、支持体、支持体上に形成された下引き層、および下引き層上に形成された感光層を有し、下引き層が、下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有する。さらに、電子写真感光体の1分あたりの回転数が60回転以上である。
Figure 2015222410
式(1)中、R101〜R106は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。該アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、O、S、NR201(R201は、水素原子または、アルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。R101〜R106の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。
該置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される基である。
該置換のアリール基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基およびハロゲン化アルキル基からなる群より選択される基である。
Figure 2015222410
式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR301(R301はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン化フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。γは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6の炭素原子の一つNR401で置き換わっていても良いアルキル基(R401はアルキル基)を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
また、式(1)で示される化合物において、R105及び106の少なくとも1つは、上記式(A)で示される1価の基であることが電位変動の抑制効果が大きい。
また、式(A)中に、α、β、およびγの少なくとも1つは前記置換基を有する基であり、前記置換基がヒドロキシ基であることが電位変動の抑制効果が大きい。
また式(1)で示される化合物は2種以上混合しても良い。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体、または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
支持体と、後述の下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで得られる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
一般的な電子写真感光体として、円筒状支持体上に感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
〔下引き層〕
支持体または導電層と、感光層との間に下引き層が設けられる。
下引き層には、上記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有する。
より好ましい化合物として、下記式(11)〜(68)で示される例示化合物が挙げられる。
Figure 2015222410
Figure 2015222410
Figure 2015222410
Figure 2015222410
Figure 2015222410
これらの例示化合物の中で、電位変動抑制の観点から、式(11)〜(15)で示される化合物が好ましい。
式(1)で示される構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、例えば、米国特許第4442193号公報、米国特許第4992349号公報、米国特許第5468583号公報、Chemistry of materials,Vol.19,No.11,2703−2705(2007)に記載の公知の合成方法を用いて合成することが可能である。
また、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)およびジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成する事が出来る。
式(1)で示される化合物には、重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基)を有する。式(1)の構造を有する誘導体にこれらの置換基を導入する方法としては、式(1)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法、前記重合性官能基または、重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えばナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。例えば、ナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法がある。また、ナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCO2を作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法がある。ナフチルイミド誘導体を合成する際の原料として、前記重合性官能基または、重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有するナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体又はモノアミン誘導体を用いる方法がある。
ナフチルイミド誘導体を合成する際の原料として、前記重合性官能基または、重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有するナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体又はモノアミン誘導体を用いる方法がある。
下引き層に式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有する場合、組成物には、さらに、架橋剤と樹脂を含有することが好ましい。
架橋剤について説明する。架橋剤としては、重合性官能基を有する電子輸送物質、及び重合性官能基を有する熱可塑性樹脂と重合又は架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
架橋剤中の官能基としては−NCO基(以下、イソシアネート基とも称する)、−NOR基、−SiOR基、アクリル基等が挙げられる。これらの中でも、電位変動の抑制の観点から、イソシアネート基が好ましい。
具体的には、イソシアネート基(−NCO基)又はブロックイソシアネート基(−NHCOX基、Xは保護基)を2〜6個有しているイソシアネート化合物が好ましい。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良いが、下記式(X1)〜(X7)のいずれかで示される基がより好ましい。
Figure 2015222410
具体的には、トリイソシアネートベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンとのアダクト体等の変性体各種が挙げられる。
本発明のイソシアネート化合物は、好ましくは、環状構造であることが電位変動抑制効果に優れる。より好ましくは、イソシアヌレート構造であり、下記に示される構造である。
Figure 2015222410
市販のイソシアネート化合物としては、例えば、住化バイエルウレタン(株)製、BL3175、BL3475、BL3575、旭化成ケミカルズ(株)製、TPA−B80E、TPA−B80X、SBN−70D、SBN−70Mなどを用いることができる。
樹脂としては、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。この熱可塑性樹脂としては、下記式(B)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。
Figure 2015222410
式(B)中、R11は水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、またはカルボキシル基を示す。
式(B)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、アセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。上記式(B)で示される構造単位は、以下に示す特徴的な構造の中に有してもよいし、特徴的な構造以外に有してもよい。特徴的な構造を以下の(E−1)〜(E−5)に示す。(E−1)は、アセタール樹脂の構造単位である。(E−2)は、ポリオレフィン樹脂の構造単位である。(E−3)は、ポリエステル樹脂の構造単位である。(E−4)は、ポリエーテル樹脂の構造単位である。(E−5)は、ポリアミド樹脂の構造単位である。
Figure 2015222410
上記式中、R501〜R505は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す。R506〜R510は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキレン基、又は置換もしくは無置換のアリーレン基を示す。
上記式(B)で示される構造単位を有する熱可塑性樹脂の購入可能な樹脂としては、以下のものが挙げられる。日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、(株)クラレ製クラレポバールPVA−203などのようなポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製KW−1およびKW−3、BX−1、BM−1、KS−1、KS−3、KS−5Zなどのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド化合物系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製ラッカマイドなどのポリアミン、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオールが挙げられる。
本発明の下引き層は重合を促進する目的で触媒を含有してもよい。触媒として、例えば、ジブチルスズジラウレート、アミン触媒、金属石鹸などが挙げられる。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
重合の形態として、架橋基、式(1)で示される化合物、および式(B)で示される構造単位を有する樹脂が反応し、重合物(硬化物)が形成される。
本発明の下引き層は、式(1)で示される化合物を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を加熱乾燥させることによって下引き層を形成する。塗膜形成後これらの化合物が化学反応により重合(硬化)するが、その際に加熱をすることで化学反応が促進され、重合が促進される。
上記重合物の含有量は、電位変動の抑制という観点から、下引き層の全質量に対して50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
下引き層には、上記重合物以外にも、下引き層の成膜性や電気的特性を高めるために、有機微粒子、無機微粒子、レベリング剤などを含有してもよい。ただし、下引き層におけるそれらの含有量は、下引き層の全質量に対して50質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましい。
なお、支持体と上記下引き層との間や上記下引き層と感光層との間に、本発明に係る重合体を含有しない第2の下引き層などの別の層を設けてもよい。
本発明に係る化合物等の確認は、以下の方法によって行った。
・質量分析
質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用い、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で、分子量を測定した。得られたピークトップ値で確認した。
・NMR分析
1,1,2,2−テトラクロロエタン(d2)または、ジメチルスルホキシド(d6)中、120℃にてH−NMR、13C−NMR分析(FT−NMR:日本電子(株)製JNM−EX400型)により構造を確認した。
・GPC分析
東ソー(株)製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」で測定し、ポリスチレン換算で計算した。
また、イソシアネート化合物、樹脂、および電子輸送物質を含有する下引き層塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を加熱乾燥させることによって得られた下引き層を、シクロヘキサノンに浸漬し、浸漬前後の下引き層の重量を確認した。浸漬することで下引き層の成分の溶出が無く、硬化(重合)していること確認した。
・表面粗さ
接触式表面粗さ計(商品名:サーフコーダSE3500、小坂研究所(製))を測定器として用い、Rzjis(A)を確認した。測定長:2.5mm、測定速度:0.1mm/秒という条件で、測定箇所は長手方向で塗布上端部より30mm、185mm、340mmの各3点、円周方向4点で計12点の平均値をデータとした。
〔感光層〕
下引き層上には、感光層が設けられる。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、またはフタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、これらの中でも、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷輸送物質(正孔輸送物質)としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンなどが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーも挙げられる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層(正孔輸送層)に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、これらの重量平均分子量(Mw)は、10,000〜300,000の範囲であることが好ましい。
電荷輸送層において、電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10の範囲であることが好ましく、10/8〜6/10の範囲であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
〔表面層〕
感光層(電荷輸送層)上には、表面層(保護層)を設けても良い。
表面層は導電性粒子、正孔輸送物質または結着樹脂を含有しても良い。場合によっては潤滑剤などの添加剤をさらに含有させてもよい。また、表面層の結着樹脂自体に導電性や正孔輸送性を有させてもよい。また、表面層の機械的強度を高めるために、連鎖重合性官能基を有する化合物を重合させて得られる重合物を含有させてもよい。
連鎖重合性官能基を有する化合物としては、電荷輸送機能を有する化合物であることが電位変動の観点で好ましい。連鎖重合性官能基としては、例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アルコキシシリル基、エポキシ基などが挙げられる。連鎖重合性官能基を有する化合物を重合させる方法としては、熱、光、放射線(電子線など)が挙げられる。
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、表面層などの電子写真感光体を構成する各層を形成する方法としては、各層を構成する材料を溶剤に溶解および/または分散させて得られた塗布液を塗布して塗膜を形成する。その後、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成する方法が好ましい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置〕
図1に、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(転写残トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図1に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図1では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化している。そして、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。まず、本発明に係る電子輸送物質の合成例を示す。
(合成例1)
室温下、窒素気流下300ml3つ口フラスコに、1,4,5,8―ナフタレンテトラカルボン酸二無水物26.8部(100mmol)、ジメチルアセトアミド150部を入れた。これに、2−(4−アミノフェニル)エタノール6.9部(50mmol)とL―ロイシノール5.9部(50mmol)、ジメチルアセトアミド50部の混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、6時間加熱還流させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加えた後濾過を行い、濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)を用いて濃縮した。さらに、濃縮物を酢酸エチル/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、式(11)で示されるイミド化合物15.0部を得た。
(合成例2)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および2,6−ジイソプロピルアニリン4部、2−アミノ−1,3−プロパンジオール3部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。
溶液を調製後、10時間還流を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離した後、目的物を含有するフラクションを濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル/トルエン混合溶液で再結晶を行い、式(12)で示されるイミド化合物1.5部得た。
(合成例3)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール5.2部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。ジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチルで再結晶を行い、式(13)で示されるイミド化合物5.0部を得た。
(合成例4)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および4−ヘプチルアミン4部、2−アミノ−1,3−プロパンジオール3部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間加熱還流を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮した。その濃縮物を酢酸エチル/トルエン混合溶液で再結晶を行い、式(14)で示されるイミド化合物2.0部を得た。
(合成例5)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール2.6部、2−(2−アミノエチルチオ)エタノール2.7部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解させた。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮した。得られた濃縮物をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、式(15)で示されるイミド化合物2.5部を得た。
次に、以下のように電子写真感光体を製造し、評価した。
〔支持体例〕
アルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。長さおよび直径は表1に記載する。
Figure 2015222410
〔導電層作製例1〕
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子214部、
結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部、および、
溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μm)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製)を分散液に添加して撹拌して、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層1を形成した。
〔導電層作製例1〕
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子214部、
結着材料としてのフェノール樹脂(フェノール樹脂のモノマー/オリゴマー)(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60質量%)132部、
および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子(トスパール120)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(SH28PA)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層1を形成した。
〔導電層作製例2〕
金属酸化物粒子としてのリン(P)がドープされている酸化スズ(SnO)で被覆されている酸化チタン粒子(TiO)粒子207部、
結着材料としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325)144部、
および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
〔導電層作製例3〕
金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている硫酸バリウム微粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)200部、
酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製、平均粒径0.27μm)、
フェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325)166部、
および溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール100部を、直径0.8mmのガラスビーズ400部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:3時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。
この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して10質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着材料の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間145℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
〔下引き層作製例1〕
合成例1の式(11)で示される化合物8.5部、ブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ(株)製)15部、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業(株)製)0.97部、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(商品名:ヘキサン酸亜鉛(II)、三津和化学薬品(株)製)0.15部とを、1−メトキシ−2−プロパノール88部とテトラヒドロフラン88部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間170℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.6μmの下引き層1を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例2〕
下引き層作製例1において、触媒を2−エチルヘキサン酸亜鉛(商品名:ビス(2−エチルヘキサン酸)亜鉛・ミネラルスピリット溶液(Zn:15%)、和光純薬工業(株))に変更した。それ以外は下引き層作製例1と同様に下引き層2を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例3〕
下引き層作製例1において、式(11)で示される化合物8.5部を合成例2の式(12)で示される化合物8.0部に変更し、ブロックされたイソシアネート化合物15.7部に変更した以外は下引き層作製例3と同様に下引き層3を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例4〕
下引き層作製例3において、式(12)で示される化合物を合成例3の式(13)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例3と同様に下引き層4を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例5〕
下引き層作製例3において、式(12)で示される化合物を式(14)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例3と同様に下引き層5を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例6〕
下引き層作製例3において、式(12)で示される化合物を式(15)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例3と同様に下引き層6を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例7〕
下引き層作製例2において、式(11)で示される化合物8.5部を式(12)で示される化合物8.0部に変更し、ブロックされたイソシアネート化合物15.7部に変更した。それ以外は下引き層作製例2と同様に下引き層7を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例8〕
下引き層作製例7において、式(12)で示される化合物を式(13)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例7と同様に下引き層8を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例9〕
下引き層作製例7において、式(12)で示される化合物を式(14)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例7と同様に下引き層9を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例10〕
下引き層作製例7において式(12)で示される化合物を式(15)で示される化合物に変更した以外は下引き層作製例7と同様に下引き層10を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例11〕
下引き層作製例1において、ブロックされたイソシアネート化合物を商品名:SBN−70M、旭化成ケミカルズ(株)製に変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層11を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例12〕
下引き層作製例1において、ポリビニルアセタール樹脂を商品名:BX−5、積水化学工業(株)製に変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層12を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例13〕
下引き層作製例1において、ポリビニルアセタール樹脂を商品名:BM−5、積水化学工業(株)製に変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層13を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例14〕
下引き層作製例1において、ポリビニルアセタール樹脂を商品名:KS−1、積水化学工業(株)製に変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層14を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例15〕
下引き層作製例1において、式(11)で示される化合物を8.0部、ブロックされたイソシアネート化合物を15.7部に変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層15を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例16〕
下引き層作製例1において、膜厚を0.5μmに変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層16を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例17〕
下引き層作製例1において、膜厚を0.7μmに変更した以外は下引き層作製例1と同様に下引き層17を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例18〕
下引き層作製例16において、1−メトキシ−2−プロパノールをメタノールに変更し、かつ膜厚を0.4μmとした以外は下引き層作製例16と同様に下引き層18を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例19〕
下引き層作製例16において、1−メトキシ−2−プロパノールをエタノールに変更した以外は下引き層作製例16と同様に下引き層19を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例20〕
下引き層作製例16において、20分間170℃で加熱する前に3分間120℃で加熱する工程を入れた以外は下引き層作製例16と同様に下引き層20を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
〔下引き層作製例21〕
共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF30T、ナガセケムテックス(株)製)30部を、
メタノール500部およびブタノール250部の混合液に溶解し下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を20分間100℃で加熱し、膜厚が0.6μmの下引き層20を形成した。下引き層の膜厚及び組成を表2に示す。
Figure 2015222410
〔電荷発生層作製例1〕
CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン260部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。
次に、これに酢酸エチル240部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷輸送層作製例1〕
式(E−1)で示される電荷輸送物質9部、式(E−2)で示される電荷輸送物質1部、
樹脂として下記式(F−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂F1(商品名:ユーピロンZ400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)10部、
下記式(G)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂G1(重量平均分子量40,000)0.002部を、
ジメトキシメタン35部およびオルトキシレン45部混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
Figure 2015222410
Figure 2015222410
(式(G)中、0.95および0.05は2つの構造単位の共重合比である。)
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層1を形成した。
〔電荷輸送層作製例2〕
電荷輸送層作製例1において、ポリカーボネート樹脂F1およびポリカーボネート樹脂G1を下記式(C−1)で示される構造単位、下記式(C−2)で示される構造単位を5:5の比で含有するポリエステル樹脂C1(重量平均分子量120,000)10部、及び
下記式(F−1)で示される構造単位、下記式(F−2)で示される構造単位および、下記式(F−3)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂F2(重量平均分子量40,000)0.3部に変更した。それ以外は電荷輸送層作製例1と同様に、電荷輸送層2を形成した。なお、ポリカーボネート樹脂F2に対する、式(F−3)で示される末端構造と式(F−1)で示される構造単位の合計質量が30質量%である。
Figure 2015222410
Figure 2015222410
〔電荷輸送層作製例3〕
電荷輸送層作製例2において、式(E−2)で示される電荷輸送物質1部を下記式(E−3)で示される電荷輸送物質1部電荷輸送層作製例2と同様に電荷輸送層用塗布液を調製し、膜厚が26μmの電荷輸送層3を形成した。
〔電荷輸送層作製例4〕
電荷輸送層作製例2において、ポリカーボネート樹脂F2を含有しなかった以外は電荷輸送層作製例2と同様に電荷輸送層用塗布液を調製し、膜厚が26μmの電荷輸送層4を形成した。
Figure 2015222410
〔電荷輸送層作製例5〕
電荷輸送層作製例2において、式ポリエステル樹脂C1(重量平均分子量120,000)10部を、式(C−1)で示される構造単位、式(C−2)で示される構造単位、下記式(C−3)で示される構造単位、下記式(C−4)で示される構造単位を7:7:3:3の比で含有するポリエステル樹脂C2(重量平均分子量150,000)10部に変更し、
ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン25部、安息香酸メチル25部混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を作製し、膜厚が22μmの電荷輸送層6を形成した。
Figure 2015222410
Figure 2015222410
〔保護層作製例1〕
分散剤としてフッ素原子含有樹脂(商品名:GF−300、東亞合成(株)製)1.5部を、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(商品名:ゼオローラH、日本ゼオン(株)製)45部及び1−プロパノール45部の混合溶剤に溶解した。その後、四フッ化エチレン樹脂粉体(商品名:ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)30部を加えた液を、高圧分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、米Microfluidics(株)製)に通し、分散液を得た。
その後、下記式(F)で示される正孔輸送性化合物70部、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン30部および1−プロパノール30部を前記分散液に加え、ポリフロンフィルター(商品名:PF−040、アドバンテック東洋(株)製)で濾過を行い、保護層用塗布液を調製した。
Figure 2015222410
この保護層用塗布液を電荷輸送層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を5分間50℃で乾燥させた。乾燥後、窒素雰囲気下にて、加速電圧60KV、吸収線量8000Gyの条件で1.6秒間電子線を塗膜に照射した。その後、窒素雰囲気下にて、塗膜の温度が130℃になる条件で1分間加熱処理を行った。なお、電子線の照射から1分間の加熱処理までの酸素濃度は20ppmであった。
次に、大気中において、塗膜が110℃になる条件で1時間加熱処理を行い、膜厚5μmである保護層1を形成した。
〔保護層作製例2〕
保護層作製例1において、フッ素原子含有樹脂及び四フッ化エチレン樹脂粉体の量をそれぞれ、0.5部及び10部に変更した以外は保護層作製例1と同様に、保護層を形成し、その後、以下の方法に従い研磨を行った後、保護層2とした。
<研磨工程>
得られた保護層を、ラッピングシートを用いて研磨した。図2はラッピングシートを用いた研磨装置を上から見たときの模式図である。ラッピングシートは、研磨砥粒が結着樹脂に分散されたものが基材に塗布されたシートである。ラッピングシート10は2つの軸9にロールトゥロールで巻かれており、4本のガイドローラ11とバックアップローラ8を介していずれの方向にも巻き取ることができる。軸9には、巻き取りを行うためのモータと、シートが送られる方向と逆方向に、ラッピングシート10に張力が与えるためのモータ(不図示)が配置されている。
この装置を用いて、以下に示す条件で保護層の研磨を行った。
ラッピングシート:品名:MAXIMA−GC−#2000
(日本レフライト工業株式会社製)
研磨砥粒:SiC(平均粒径:9μm)
基材:ポリエステルフィルム(厚さ:75μm)
ラッピングシート送り:B方向、400mm/min
ラッピングシートの張架力:1N/m2
バックアップローラ:材質:発泡ウレタン
アスカーC硬度:20°
電子写真感光体回転数:30rpm
電子写真感光体のバックアップローラへの侵入量:3mm
処理時間:12秒
以上のようにして、研磨された保護層2を得た。この感光体の研磨目の方向は、b方向である。また表面粗さRzjis(A)は、0.60μmであった。
〔保護層作製例3〕
保護層作製例2において、四フッ化エチレン樹脂粉体の量を3部に変更した以外は保護層作製例2と同様に、保護層を作製し、その後、以下の方法に従い租面化を行った後、保護層3とした。
<租面化工程>
乾式ブラスト装置を用いてブラスト処理を行った。粗面化処理の方法を図3に示す。その際、噴射ノズルのブラストノズル部分は内径7mm、圧縮エアのノズル径は3mmとしている。
研磨粒子としては、ガラスビーズ(1)(粒度規格:38〜45μm、JISR6002で測定した場合の50%径:43.9μm、鋭角:0.1%、泡:20.8%、双子:0.5%、偏平:0.3%)を使用した。ブラスト処理における圧縮エアの圧力は0.21MPaとした。噴射ノズルは、回転軸方向に沿って移動し、その速度は200mm/分とした。感光体の回転速度は60rpm、ノズルと感光体の距離は100mm、ノズルの延長線と感光体の接線あるいは回転軸のなす角度は共に90°、研磨粒子の供給量は200g/分とした。以上の条件で、上記の保護層表面が全面粗面化処理されるまでブラストを行った。
以上のようにして、粗面化された保護層3を得た。得られた表面粗さRzjis(A)は、0.60μmであった。
〔保護層作製例4〕
保護層作製例2において、フッ素原子含有樹脂及び四フッ化エチレン樹脂粉体を除き、分散をしなかった以外は保護層作製例2と同様に、保護層4を形成した。
(感光体作製例1〜26)
電子写真感光体を各層の作製例を組み合わせて、電子写真感光体とした。具体的には、感光体作製例1〜26により電子写真感光体を作製した。感光体作製例1〜26を表3に示す。
Figure 2015222410
〔評価例1〕
上記作製例で作製した、電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの環境下において、図4に示す。帯電ローラおよび露光器を有する感光体試験機に設置し、表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位評価の測定は、電位プローブ(model6000B−7C:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)、初期明部電位(Vl)、1分あたりの感光体の回転数を表4に示すようになるように印加電圧および画像露光の光量を設定した。除電光は露光の3倍の光量になるように設定した。表4中の帯電方式において、DCはローラに直流電圧を印加する方式、AC/DCはローラに直流電圧と交流電圧を重畳して印加する方式を示す。
図4に装置の概略を示す。(図4中、1は電子写真感光体、2は帯電ローラ、4は露光、6は露光(除電光)を示す。3は暗部電位測定用のプローブ、5は明部電位測定用のプローブを示す。)
〔評価例2〜10および参考評価例11〕
評価例1において、初期暗部電位(Vd)、初期明部電位(Vl)、1分あたりの感光体の回転数、帯電方式、除電光の有無を表4に示すように設定した以外は評価例1と同様に設定した。
Figure 2015222410
〔評価例12〕
電子写真感光体の直径および長さを調整し、作製例で作製した、電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの環境下において、ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:CP4525dn)の改造機に装着した。そして、表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位評価の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−500V、初期明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
上記、レーザービームプリンター(CP4525dn)の1分あたりの電子写真感光体回転数は147回転、感光体の直径は24mm、帯電方式はローラに直流電圧を印加する方式、潜像形成以外の除電光を帯電前に有する方式である。転写は中間転写ベルトを有する転写方式(ITB)を有している。また、現像方式は接触現像方式であり、評価に使用したトナーは懸濁重合トナーを用いている。
上記、レーザービームプリンター(CP4525dn)を用いて、A4サイズの普通紙で、10,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行った。
〔参考評価例13〕
電子写真感光体の直径および長さを調整し、作製例で作製した電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの環境下において、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機に装着して、表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位評価の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8)を装着し、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344)を使用して測定した。感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−500V、初期明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
上記、レーザービームプリンター(LBP−2510)の1分あたりの電子写真感光体回転数は58回転、感光体の直径は30mm、帯電方式はローラに直流電圧を印加する方式である。転写は紙搬送ベルト(ETB)方式を用いている。また、現像方式は接触現像方式であり、評価に使用したトナーは懸濁重合トナーを用いている。
上記、レーザービームプリンター(LBP−2510)を用いて、A4サイズの普通紙で、10,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行った。
〔参考評価例14〕
電子写真感光体の直径および長さを調整し、作製例で作製した電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの環境下において、ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LJP1005)の改造機に装着した。そして、表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位評価の測定は、上記レーザービームプリンターのプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8)を装着し、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344)を使用して測定した。感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−500V、初期明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
上記、レーザービームプリンター(LJP1005)の1分あたりの電子写真感光体回転数は53回転、感光体の直径は24mm、帯電方式はローラに直流電圧を印加する方式である。転写は転写ローラ方式を用いている。また、現像方式はジャンピング現像方式であり、評価に使用したトナーは懸濁重合トナーを用いている。
上記、レーザービームプリンター(LJP1005)を用いて、A4サイズの普通紙で、10,000枚の横線画像(印字率1%の文字画像)の出力を行った。
〔評価例15〕
電子写真感光体の直径および長さを調整し、作製例で作製した電子写真感光体を温度15℃、湿度10%RHの環境下において、ヒューレットパッカード(株)製のレーザービームプリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise 600 Printer M602dn)の改造機に装着した。そして、表面電位の測定を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位評価の測定は、上記レーザービームプリンターのプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8)を装着し、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344)を使用して測定した。感光体の表面電位は、初期暗部電位(Vd)が−500V、初期明部電位(Vl)が−100Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
上記、レーザービームプリンター(HP LaserJet Enterprise 600 Printer M602dn)の1分あたりの電子写真感光体回転数は210回転、感光体の直径は30mmである。帯電方式はローラに直流電圧と交流電圧を重畳して印加する方式である。転写は転写ローラ方式を用いている。また、現像方式はジャンピング現像方式であり、評価に使用したトナーは粉砕トナーを用いている。
上記、レーザービームプリンター(HP LaserJet Enterprise 600 Printer M602dn)を用いて、A4サイズの普通紙で、10,000枚の横線画像(印字率1%の文字画像)の出力を行った。
〔実施例1〜68、参考例1〜6および比較例1〜15〕
上記、感光体作製例および評価例にしたがって、10,000枚画像形成前後(評価例1〜10および参考評価例11は10,000回転前後)の明部電位差を測定した。耐久後の明部電位(Vlt)と初期の明部電位(Vl)の差分を評価した。結果を表5に示す。
ΔVl=|10,000枚画像形成後明部電位(Vlt)−初期明部電位(Vl)|
Figure 2015222410
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段

Claims (5)

  1. 支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体、
    該電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、及び
    該電子写真感光体が回転しながら、帯電された該電子写真感光体の表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、
    を有する電子写真装置であって、
    該電子写真感光体の1分あたりの回転数が60回転以上であり、
    該下引き層が、下記式(1)で示される化合物を含む組成物の重合物を含有することを特徴とする電子写真装置。
    Figure 2015222410

    (式(1)中、R101〜R106は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換の複素環基を示す。該アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、O、S、NR201(R201は、水素原子または、アルキル基を示す。)で置き換わっていても良い。R101〜R106の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。
    該置換のアルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基およびハロゲン原子からなる群より選択される基である。
    該置換のアリール基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基およびハロゲン化アルキル基からなる群より選択される基である。)
    Figure 2015222410

    (式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
    αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR301(R301はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
    βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン化フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
    γは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6の炭素原子の一つNR401で置き換わっていても良いアルキル基(R401はアルキル基)を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。)
  2. 前記電子写真装置が、さらに、電子写真感光体の表面の電荷を除去するための除電手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記帯電手段が、直流電圧と交流電圧を重畳して印加することによって前記電子写真感光体の表面を帯電することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真装置。
  4. 前記式(1)中、R105及び106の少なくとも1つは、前記式(A)で示される1価の基である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真装置。
  5. 前記式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは前記置換基を有する基であり、前記置換基がヒドロキシ基である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真装置。
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