JP2014029501A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層体、積層体上に形成された正孔輸送層を有する電子写真感光体であって、積層体が、支持体、電子輸送層、および電荷発生層をこの順に有し、該積層体が下記式(2)および(4)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
|Vl2−Vl1|≦0.35 (2)
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.20 (4)
【選択図】図3
Description
該積層体が、支持体、該支持体上に形成された膜厚がd1(μm)である電子輸送層、該電子輸送層上に形成された膜厚がd2(μm)である電荷発生層を有し、
該積層体が下記式(2)および(4)を満たすことを特徴とする電子写真感光体に関する。
|Vl2−Vl1|≦0.35 (2)
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.20 (4)
(式(2)および(4)中、
Vl1は、
該電荷発生層の表面電位が下記式(1)で示されるVd1(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
露光してから0.20秒後の該電荷発生層の表面電位がVd1(V)に対して20%減衰するように強度を設定した光を表面電位がVd1(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から0.18秒後の表面電位を示す。
Vd1=−50×(d1+d2) (1)
Vl2は、
該電荷発生層の表面電位が上記式(1)で示されるVd1(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
該光を表面電位がVd1(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から後0.22秒後の表面電位を示す。
Vl3は、
該電荷発生層の表面電位が下記式(3)で示されるVd2(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
該光を表面電位がVd2(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から0.20秒後の表面電位を示す。
Vd2=−30×(d1+d2) (3))
図1中、101は判定用電子写真感光体(円筒状の積層体)であり、102は帯電装置のコロナ帯電器である。103はパルスレーザー光を発振する装置(像露光発振装置)であり、103Lはパルス光(像露光光)である。104Pはパルス光103Lを透過する透明プローブであり、104は透明プローブから積層体の電荷発生層の表面の表面電位を測定する電位計である。判定用電子写真感光体101は矢印方向に回転駆動され、透明プローブ104Pの位置で停止する。停止した時点から電位計104および透明プローブ104Pによって判定用電子写真感光体101の表面電位が測定される。その後、パルスレーザー光を発振する装置103から発振されたパルス光103Lが透明プローブ104Pを通して判定用電子写真感光体101に露光され、表面電位の時間変化が測定される。
図3(A)は、上記式(1)および(2)のVd1、Vl1、およびVl2を説明するための図であり、図3(B)は上記式(3)および(4)のVd2、Vl3を説明するための図である。
以下の帯電条件C1、C2および光Eは、電子写真感光体が上記式(1)〜(4)を満足するか否かを判定する前に決定する。
判定用電子写真感光体(積層体の電荷発生層)の表面を帯電する条件を以下ようにする。コロナ帯電器による帯電から1.00秒後の電荷発生層の表面の表面電位が下記式(1)で示されるVd1(V)となるように、コロナ帯電器に印加するグリッド電圧の値、放電ワイヤの電流の値を調整する。このグリッド電圧の値、放電ワイヤの電流の値を帯電条件C1とする。
Vd1=−50×(d1+d2) (1)
判定用電子写真感光体の表面を帯電する条件を以下のようにする。コロナ帯電器による帯電から1.00秒後の電荷発生層の表面の表面電位が下記式(3)で示されるVd2(V)となるように、コロナ帯電器に印加するグリッド電圧の値、放電ワイヤの電流の値を調整する。
Vd2=−30×(d1+d2) (3)
帯電条件C1によって、電荷発生層の表面電位を上記式(1)で示されるVd1(V)となるように電荷発生層の表面を帯電する。電荷発生層の表面を露光してから0.20秒後の電荷発生層の表面電位がVd1(V)に対して20%減衰するように光の強度をNDフィルターによって調整する。この強度を設定した光を光Eとする。
|Vl2−Vl1|≦0.35 (2)
上記式(3)に示すVd2(V)は、膜厚d1である電子輸送層と膜厚d2である電荷発生層との合計膜厚(μm)に対して、単位膜厚(μm)あたり−30Vになるよう電荷発生層の表面電位を設定することを意味する。
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.20 (4)
すなわち、電子写真感光体において、露光光(画像露光光)が当たった部分では、電荷発生層で発生した電荷(正孔、電子)のうち、正孔は正孔輸送層に注入し、電子が電子輸送層に注入し、支持体へ移動すると考えられている。しかしながら、電荷発生層で発生した電子が、次の帯電までに電子輸送層中を移動しきれないと、次の帯電時にもなお電子の移動が生じてしまう。これにより、電子輸送層の内部、電荷発生層と電子輸送層との界面に電子が滞留し、次の帯電時に、支持体から電子輸送層、電荷発生層へ正孔が注入されやすくなる。これらがポジゴーストが発生する原因と考えられる。
|Vl2−Vl1|≦ 0.28 (9)
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.16 (10)
次に、電子輸送層の構成について説明する。
電子輸送層は、電子輸送物質、または電子輸送物質の重合物を含有することが好ましい。さらには、重合性官能基を有する電子輸送物質、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂、および架橋剤との組成物を重合させて得られる重合物を含有することが好ましい。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物などが挙げられる。
電子輸送物質は、重合性官能基を有する電子輸送物質であることが好ましい。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、メトキシ基などが挙げられる。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR1002(R1002はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル基置換フェニレン基、ニトロ基置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキル基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR1003(R1003はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
電子輸送層用塗布液の塗膜を加熱乾燥させるときの加熱温度は、100〜200℃の温度であることが好ましい。
表中、A´は、Aと同様な構造式で表され、その1価の基の具体例をAおよびA´の欄に示す。
次に架橋剤について説明する。
架橋剤としては、重合性官能基を有する電子輸送物質、および重合性官能基を有する熱可塑性樹脂と重合または架橋する化合物を用いることができる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等を用いることができる。
次に重合性官能基を有する熱可塑性樹脂について説明する。重合性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(D)で示される構造単位をする熱可塑性樹脂が好ましい。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体、または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などの処理を施してもよい。
支持体と、後述の下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで得られる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
下引き層(電子輸送層)上には、電荷発生層が設けられる。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、およびフタロシアニン顔料の少なくとも一方が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
電荷発生層上には正孔輸送層が形成される。
正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンが挙げられる。または、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーが挙げられる。これらの中でもトリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、またはスチリル化合物が好ましい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂が好ましい。また、これらの分子量としては、重量平均分子量(Mw)=10,000〜300,000の範囲が好ましい。
正孔輸送層において、正孔輸送物質と結着樹脂との比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10が好ましく、10/8〜6/10がより好ましい。
正孔輸送層の膜厚は、3μm以上40μm以下であることが好ましい。電子輸送層との膜厚との観点から、より好ましくは5μm以上16μm以下である。正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
また、正孔輸送層上に表面保護層を形成してもよい。表面保護層は、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する。また、表面保護層は、潤滑剤などの添加剤をさらに含有してもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該樹脂以外の導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)などにより重合させてなる硬化性樹脂であってもよい。
上記各層を形成する方法としては、各層を構成する材料を溶剤に溶解および/または分散させて得られた塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成する方法が好ましい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
図6に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図6において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図6に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
上記の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを選択して容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成する。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図6では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%。)50部、フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%。)40部、溶剤(分散媒)としてのメトキシプロパノール50部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液(分散液)を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱重合させることによって、膜厚が16μmの導電層を形成した。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.31μmであった。
電子輸送物質、架橋剤および樹脂の全質量に対する電子輸送物質の含有量は33質量%であった。
上記、判定用の電子写真感光体をジメトキシメタン40部およびクロロベンゼン60部の混合溶剤に5分間浸漬させ、正孔輸送層を剥離した。その後、10分100℃で乾燥させることによって、支持体、電子輸送層、および電荷発生層をこの順に有する積層体を作製し、判定用感光体とした。FTIR−ATR法を用いて表面に正孔輸送層がないことを確認した。
次に、判定用電子写真感光体を温度25℃、湿度50%RH環境下に24時間放置した後、上述の判定方法を用いて、上述のとおり、Vd1(式1)、Vd2(式2)を算出し、Vl1,Vl2,Vl3の測定を行った。そして、|Vl2−Vl1|および|(Vd2−Vl3)/Vd2|を算出した。測定結果を表11に示した。
ポジゴーストおよび電位変動評価用の電子写真感光体を、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)を改造した装置に装着し、以下のプロセス条件を設定した。そして、表面電位の評価(電位変動)および出力画像(ゴースト)の評価を行った。改造としては、プロセススピードを200mm/sに変更し、暗部電位が−700Vになるようにし、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにした。詳しくは以下のとおりである。
温度23℃、湿度50%RHの環境下にて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを以下のように改造した。現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、ポジゴーストおよび電位変動評価用の電子写真感光体を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。電子写真感光体の表面電位は、暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるよう、露光光量を設定した。
次いで、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、上述の電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト評価用画像は図7(A)に示すように、画像の先頭部に「白画像」中に四角の「ベタ画像」を出した後、図7(B)に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作成したものである。なお、図7(A)中、「ゴースト」部は、「ベタ画像」に起因するゴーストが出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出した。結果を表11に示す。ゴースト部の濃度が大きいほど、ポジゴーストが強く生じていることになる。マクベス濃度差が小さいほど、ポジゴーストが抑制されたことを意味する。ゴースト画像濃度差(マクベス濃度差)が0.05以上であると見た目に明らかな差があるレベルであり、0.05未満であれば見た目に明らかな差はないレベルであった。
温度23℃、湿度5%RHの環境下にて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを以下のように改造した。現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着し、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。また、暗部電位(Vd)が−700V、明部電位(Vl)が−200Vになるよう、露光光量を設定した。その状態(現像機の部分に電位プローブがある状態)で上記露光光量において連続1000枚繰り返し使用を行った。連続1000枚繰り返し使用後のVd、Vlを表11に示した。
電子輸送層の膜厚を0.53μmから0.38μm(実施例2)、0.25μm(実施例3)、0.20μm(実施例4)、0.15μm(実施例5)に変更した以外は実施例1と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送物質(A101)4部、イソシアネート化合物(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))5.5部、樹脂(D1)0.3部、触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.61μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.61μmから0.52μm(実施例7)、0.40μm(実施例8)、0.26μm(実施例9)に変更した以外は実施例6と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送物質(A−101)5部、アミン化合物(C1−3)2.3部、樹脂(D1)3.3部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.51μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.51μmから0.45μm(実施例11)、0.34μm(実施例12)に変更した以外は実施例10と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
電子輸送物質(A−101)5部、アミン化合物(C1−3)1.75部、樹脂(D1)2.0部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.70μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.70μmから0.58μm(実施例14)、0.50μm(実施例15)、0.35μm(実施例16)に変更した以外は実施例13と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
実施例9の電子輸送物質を(A−101)から表11に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例9と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11に示す。
実施例16の電子輸送物質を(A−101)から表11、12に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例16と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表11、12に示す。
実施例9の架橋剤(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))を表12に示す架橋剤に変更した以外は実施例9と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
実施例16の架橋剤(C1−3)を表12に示す架橋剤に変更した以外は実施例16と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A−101)4部、アミン化合物(C1−9)4部、樹脂(D1)1.5部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.2部を、ジメチルアセトアミドジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.35μmの電子輸送層を形成した。
実施例56の架橋剤(C1−9)を表12に示す架橋剤に変更した以外は実施例56と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表12に示す。
実施例9の樹脂(D1)を表12に示す樹脂に変更した以外は実施例9と同様にして電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A−124)6部、アミン化合物(C1−3)2.1部、樹脂(D1)1.2部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミドジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.45μmの電子輸送層を形成した。
実施例63の電子輸送物質を(A−124)から表12に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例63と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A−125)6部、アミン化合物(C1−3)2.1部、樹脂(D1)0.5部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.49μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A−125)6.5部、アミン化合物(C1−3)2.1部、樹脂(D1)0.4部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.49μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.49μmから0.72μmに変更した以外は実施例66と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A101)3.6部、イソシアネート化合物(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))7部、樹脂(D1)1.3部、触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.32μmの電子輸送層を形成した。
電荷発生層の膜厚を0.15μmから0.12μmに変更した以外は実施例1と同様にし電子写真感光体を作成し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電荷発生層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
CuKαのX線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2゜)の9.0゜、14.2゜、23.9゜及び27.1゜に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン10部を用い、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学社製)を、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒に溶解し5質量%溶液としたものを166部用意した。この溶液と、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒を150部、それぞれ共に1mmφガラスビーズ400部を用いてサンドミル装置で4時間分散した後、シクロヘキサノン:水=97:3の混合溶媒を210部及びシクロヘキサノン260部を加えて電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を電子輸送層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を80℃で10分間乾燥して膜厚0.20μmの電荷発生層を形成した。
電荷発生層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
下記構造式(17)で表されるビスアゾ顔料の20部と、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学社製)10部とを、テトラヒドロフランの150部とともに混合分散させて、電荷発生層用塗布液を調製した。そしてこの塗布液を、導電性基材としてのアルミニウム素管上に、ディップコート法にて塗布し、110℃で30分間、加熱乾燥して、膜厚0.30μmの電荷発生層を形成した。
実施例1のトリアリールアミン化合物(正孔輸送物質)から下記構造式(18)で示されるベンジジン化合物(正孔輸送物質)に変更して正孔輸送層を形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
実施例1のトリアリールアミン化合物(正孔輸送物質)から下記構造式(19)で示されるスチリル化合物(正孔輸送物質)に変更して正孔輸送層を形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
正孔輸送層の膜厚を15μmから10μm(実施例75)、25μm(実施例76)に変更した以外は実施例1と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO2)が被覆されている酸化チタン(TiO2)粒子214部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325。)132部、および、溶剤としての1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れた。回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子を分散液に添加した。このシリコーン樹脂は、商品名:トスパール120、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製、平均粒径2μmである。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング(株)製。)を分散液に添加して撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、実施例1と同様に膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
実施例1と同様に評価した。結果を表13に示す。
正孔輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例78の正孔輸送層用塗布液において、ポリカーボネート樹脂G(重量平均分子量70,000)10部を、ポリエステル樹脂F(重量平均分子量120,000)10部に変更した以外は実施例78と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表13に示す。
導電層を以下のように形成した以外は実施例77と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表13に示す。
実施例77の電子輸送物質を(A157)から表13に示す電子輸送物質に変更した以外は実施例77と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表13に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。判定法を実施した結果、図4(B)に示すように露光後Vd1の20%まで減衰することができなかった。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A101)2.4部、イソシアネート化合物(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))4.2部、樹脂(D1)5.4部、触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.53μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。 電子輸送物質(A101)3.2部、イソシアネート化合物(B1:保護基(H1)=5.1:2.2(質量比))5.0部、樹脂(D1)4.2部、触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.05部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.53μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.53μmから0.40μm(比較例3)、0.32μm(比較例4)に変更した以外は比較例2と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層の膜厚を0.53μmから0.78μm(比較例5)、1.03μm(比較例6)、1.25μm(比較例7)、1.48μm(比較例8)に変更した以外は実施例1と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A225)4部、ヘキサメチレンジイソシアネート3部、樹脂(D1)4.0部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A124)5部、2,4−トルエンジイソシアネート2.5部、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(商品名:マルカリンカー、丸善石油化学社製)2.5質量部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.40μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表12に示す。
電子輸送物質(A124)7.0部、2,4−トルエンジイソシアネート2.0部、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)(商品名:マルカリンカー、丸善石油化学社製)1.0部を、ジメチルアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.40μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。判定法を実施した結果、図4(B)に示すように露光後Vd1の20%まで減衰することができなかった。結果を表14に示す。
電子輸送物質(A922)5部、イソシアネート化合物(スミジュール3173、住友バイエルンウレタン社製)13.5部、ブチラール樹脂(BM−1、積水化学社製)10部、触媒としてのジオクチルスズラウリレート0.005質量部を、メチルエチルケトン120質量部の溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間170℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表13に示す。
電子輸送物質(A101)5部、メラミン樹脂(ユーバン20HS:三井化学製)2.4部を、THF(テトラヒドロフラン)を50部とメトキシプロパノール50部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を60分間150℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を1.00μmから0.50μmに変更した以外は比較例12と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
電子輸送層のメラミン樹脂(ユーバン20HS:三井化学製)をフェノール樹脂(プライオーフエンJ325:大日本インキ化学製)に変更した以外は比較例12と同様に電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
下記式(20‐1)および(20‐2)で示される構造を有する2種類の化合物の混合物10部に、N−メチル−2−ピロリドン30部とシクロヘキサノン60部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で加熱し、重合させることによって、下記式(20−3)で示される構造単位を有し、膜厚が0.20μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層の膜厚を0.20μmから0.30μm(比較例17)、0.60μm(比較例18)に変更した以外は比較例16と同様にし電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
下記式(21)で示される電子輸送物質10部をトルエン60部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を加速電圧150kV、照射線量10Mradの条件で電子線を照射し重合させることによって、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
上記式(19)で示される電子輸送物質5部と、トリメチロールプロパントリアクリレート(カヤラッドTMPTA:日本化薬(株)製)5部、AIBN(2,2−アゾビスイソブチロニトリル)0.1部をテトラヒドロフラン(THF)190部に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で加熱し、重合させることによって、膜厚が0.80μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
上記式(19)で示される電子輸送物質5部と、下記式(22)で示される化合物5部をトルエン60部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を加速電圧150kV、照射線量10Mradの条件で電子線を照射し重合させることによって、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
下記構造で示されるブロック共重合体、ブロックイソシアネート化合物、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とを用いて電子輸送層(下引き層)を形成(特表2009−505156号公報の実施例1の構成)し、0.32μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
電子輸送物質(A101)5部、ポリカーボネート樹脂(Z200:三菱ガス化学社製)5部を、ジメチルアセトアミド50質量部とクロロベンゼン50質量部の混合溶媒に溶解し、電子輸送層用塗布液を調製した。この電子輸送用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間120℃で加熱し、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。判定法を実施した結果、図4(A)に示すようにVd1に帯電することができなかった。結果を表14に示す。
樹脂(D1)5部をメチルエチルケトン200部の混合溶媒に溶解した液に下記構造式(23)の電子輸送物質(顔料)5部を加え、サンドミルにて3時間分散処理を行い、電子輸送層塗布液を調製した。この電子輸送層液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で加熱し、膜厚が1.50μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
特開2004−093801号公報の実施例1に記載の電子輸送物質の重合体を溶媒に溶解させた電子輸送層用塗布液を用いて、電子輸送層(下引き層)を形成し、膜厚が2.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。結果を表14に示す。
特許4594444号公報の実施例1に記載の電子輸送物質を含有する共重合体の粒子を用いて電子輸送層(下引き層)を形成し、膜厚が1.00μmの電子輸送層を形成した。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。判定法を実施した結果、図4(A)に示すようにVd1に帯電することができなかった。結果を表14に示す。
シランカップリング剤表面処理を施した酸化亜鉛顔料、アリザリン(A922)、ブロックイソシアネート化合物およびブチラール樹脂を用いて電子輸送層(下引き層)を形成(特開2006−030698号公報の実施例1に記載の構成)した。電子輸送層の膜厚は、25μmである。
電子輸送層を以下のように形成した以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を製造し、同様に評価した。判定法を実施した結果、図4(A)に示すようにVd1に帯電することができなかった。結果を表14に示す。
102 帯電装置(コロナ帯電器)
103 像露光発振装置
103L 像露光光(レーザー光)
104 電位計
104L 透明プローブ
201 判定用電子写真感光体
202 帯電装置(コロナ帯電器)
203 像露光発振装置
203L 像露光光(レーザー光)
204 電位計
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
21 支持体
22 電子輸送層
24 電荷発生層
25 正孔輸送層
Claims (11)
- 積層体、該積層体上に形成された正孔輸送層を有する電子写真感光体であって、
該積層体が、支持体、該支持体上に形成された膜厚がd1(μm)である電子輸送層、該電子輸送層上に形成された膜厚がd2(μm)である電荷発生層を有し、
該積層体が下記式(2)および(4)を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
|Vl2−Vl1|≦0.35 (2)
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.20 (4)
(式(2)および(4)中、
Vl1は、
該電荷発生層の表面電位が下記式(1)で示されるVd1(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
露光してから0.20秒後の該電荷発生層の表面電位がVd1(V)に対して20%減衰するように強度を設定した光を表面電位がVd1(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から0.18秒後の表面電位を示す。
Vd1=−50×(d1+d2) (1)
Vl2は、
該電荷発生層の表面電位が上記式(1)で示されるVd1(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
該光を表面電位がVd1(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から0.22秒後の表面電位を示す。
Vl3は、
該電荷発生層の表面電位が下記式(3)で示されるVd2(V)となるように該電荷発生層の表面を帯電し、
該光を表面電位がVd2(V)に帯電した該電荷発生層に露光し、露光から0.20秒後の表面電位を示す。
Vd2=−30×(d1+d2) (3) - 前記電子輸送層の膜厚d1が0.2μm以上0.7μm以下である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記式(2)中、|Vl2−Vl1|が、下記式(9)を満たす請求項1または2に記載の電子写真感光体。
|Vl2−Vl1|≦ 0.28 (9) - 前記式(4)中、|(Vd2−Vl3)/Vd2|が、下記式(10)を満たす請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
0.10≦|(Vd2−Vl3)/Vd2|≦0.16 (10) - 前記電子輸送層が、重合性官能基を有する電子輸送物質、重合性官能基を有する熱可塑性樹脂、および架橋剤との組成物を重合させて得られる重合物を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋剤が、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、または−CH2−OR1(R1はアルキル基を示す)で示される1価の基を3〜6個有する請求項5に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性官能基を有する電子輸送物質の含有量が、前記組成物の全質量に対して30質量%以上70%質量以下である請求項5または6に記載の電子写真感光体。
- 前記電荷発生層が、フタロシアニン顔料およびアゾ顔料からなる群より選択される少なくとも1種の電荷発生物質を含有する請求項1から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記正孔輸送層が、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物およびスチリル化合物からなる群より選択される少なくとも1種の電荷輸送物質を含有する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジ。
- 請求項1から9のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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