JP2016145974A - 円筒状の基体の塗膜除去方法および電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

円筒状の基体の塗膜除去方法および電子写真感光体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】浸漬塗布法による円筒状基体下方外周面の不要な塗膜を容易且つ正確に除去することが可能な塗膜除去方法を提供する。【解決手段】浸漬塗布法による円筒状基体下方外周面の不要な塗膜を除去する塗膜除去方法であって、溶剤が吐出される開口から基体の内部に溶剤を供給する溶剤供給工程、塗膜除去部材として基体の外周面の被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去部材を用い、基体の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで外周面塗膜除去部材を当接する外周面塗膜除去部材当接工程、および基体の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで外周面塗膜除去部材を当接させたまま、基体の内部に供給された後に基体の下端に流れた溶剤を、外周面の被除去部の塗膜と外周面塗膜除去部材の当接部に供給しながら、基体と外周面塗膜除去部材とを相対的に回転させて摺擦し、外周面の被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去工程を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、円筒状の基体の塗膜除去方法および電子写真感光体の製造方法に関する。
複写機、レーザービームプリンタなどに用いられる電子写真感光体は、例えば円筒状の基体上に導電層、下引き層、電荷発生層や電荷輸送層等が設けられている。このような電子写真感光体の製造方法として、基体上に電子写真感光体を構成する上記各層の塗布液(電子写真感光体用塗布液)の塗膜を形成し、これを加熱や硬化する方法がある。中でも、円筒状の基体を電子写真感光体用塗布液中に例えば基体の軸を鉛直方向にして浸漬し、その後引き上げることにより塗膜を形成する浸漬塗布法がその生産性の高さという点から広く採用されている。しかし、浸漬塗布法では基体下方外周面にも必然的に塗膜が形成される。
ここで、複写機やレーザービームプリンタでは、電子写真感光体と現像部材(現像スリーブなど)との間の距離を一定に保つための部材(コロ)を電子写真感光体に当接させる構成をとる場合がある。その場合、コロが当接する部分は、摺擦を受けるため、塗膜が存在すると、不均一に剥離されたり摩耗したりするという問題がある。したがって、その部分には塗膜が形成されていないことが必要である。
そこで、円筒状の基体に浸漬塗布法によって塗膜を形成する場合、塗膜形成後に基体下方外周面の不要な塗膜を除去する工程が必要である。
そのため、感光体下端部の塗膜を除去する装置が提案されている。例えば、特許文献1では、感光体下端部を塗膜を溶解する溶剤に浸漬させ、拭取り板を回転させて不要な塗膜を除去する装置が知られている。また、特許文献2では、円筒状基体下端内部に挿入した装置から溶剤を吐出し、ブラシで摺擦することで塗布膜を除去する装置が提案されている。
特開平11−212278号公報 特開2001−205178号公報
塗膜を除去するに際し、除去しない他の塗膜に影響を与えずに、基体下方外周面の除去したい塗膜を正確に除去することが望まれる。しかしながら、本発明者らの検討の結果、上記のような装置では、いまだ改善の余地があることがわかった。
本発明の目的は、浸漬塗布法による電子写真感光体用塗布液の塗膜が形成された円筒状の基体下方の外周面の不要な塗膜を、他の部分に形成されている塗膜に及ぼす影響が小さく、容易且つ正確に除去することが可能な円筒状の基体の塗膜除去方法および電子写真感光体の製造方法を提供することである。
本発明は、電子写真感光体用塗布液の塗膜が形成された円筒状の基体を鉛直方向に支持し、該基体の長手方向下方にある被除去部の塗膜を塗膜除去部材を用いて除去する円筒状の基体の塗膜除去方法であって、該方法が、
溶剤が吐出される開口から該基体の内部に該溶剤を供給する溶剤供給工程、
該塗膜除去部材として該基体の外周面の該被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去部材を用い、該基体の外周面の該被除去部の塗膜の上端から下端まで該外周面塗膜除去部材を当接する外周面塗膜除去部材当接工程、および
該基体の外周面の該被除去部の塗膜の上端から下端まで該外周面塗膜除去部材を当接させたまま、該基体の内部に供給された後に該基体の下端に流れた該溶剤を、外周面の該被除去部の塗膜と該外周面塗膜除去部材の当接部に供給しながら、該基体と該外周面塗膜除去部材とを相対的に回転させて摺擦し、外周面の該被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去工程
を有することを特徴とする円筒状の基体の塗膜除去方法である。
また、本発明は、円筒状の基体に浸漬塗布法により電子写真感光体用塗布液の塗膜を形成する電子写真感光体の製造方法において、
浸漬塗布法により該基体に電子写真感光体用塗布液の塗膜を形成後、上記の円筒状の基体の塗膜除去方法により該基体の長手方向下方にある塗膜を除去する工程を有する電子写真感光体の製造方法である。
本発明によれば、浸漬塗布法による塗膜が形成された円筒状の基体下方の外周面の不要な塗膜を、他の部分に形成されている塗膜に及ぼす影響が小さく、容易且つ正確に除去することが可能な塗膜除去方法を提供することが可能になる。また、該塗膜除去方法を用いて電子写真感光体を製造することにより、基体の不要な領域に層が設けられていない電子写真感光体を得ることが可能になる。
本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の全体の概略構成を示す断面図である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図2(a))および上面図(図2(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図3(a))および上面図(図3(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図4(a))図および上面図(図4(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図5(a))および上面図(図5(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図6(a))および上面図(図6(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図7(a))および上面図(図7(b))である。 本発明の塗膜除去方法に用いられる外周面塗膜除去部材の詳細な例を示す斜視図である。
本発明は、電子写真感光体用塗布液の塗膜が形成された円筒状の基体を鉛直方向に支持し、基体の長手方向下方にある被除去部の塗膜を塗膜除去部材を用いて除去する円筒状の基体の塗膜除去方法であり、以下の3つの工程を有することを特徴とする。
1つ目は、溶剤が吐出される開口から基体の内部に溶剤を供給する溶剤供給工程である。
2つ目は、塗膜除去部材として基体の外周面の被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去部材を用い、基体の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで外周面塗膜除去部材を当接する外周面塗膜除去部材当接工程である。
そして、3つ目は、基体の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで外周面塗膜除去部材を当接させたまま、基体の内部に供給された後に基体の下端に流れた溶剤を、外周面の被除去部の塗膜と外周面塗膜除去部材の当接部に供給しながら、基体と外周面塗膜除去部材とを相対的に回転させて摺擦し、外周面の被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去工程である。
以下本発明について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置について図1を例にして説明する。図1は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の全体の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置は、塗膜が形成された円筒状の基体2を鉛直方向に支持する基体保持部材1を備えている。また該塗膜除去装置は、基体保持部材1によって支持された基体2の長手方向下方の外周面に形成された塗膜を除去する塗膜除去機構を備えている。
塗膜除去機構は支持台8を有し、支持台8は、基体2内に挿入可能に垂直に立設された軸部15と、外周面塗膜除去部材6aを保持する外周面塗膜除去部材用保持部材7を有している。回転モーター13により支持台8を回転させることで、軸部15の軸線回りに軸部15と外周面塗膜除去部材用保持部材7とを一体に回転可能となっている。
外周面塗膜除去部材用保持部材7には、ブレード状の外周面塗膜除去部材6aが取り付けられており、外周面塗膜除去部材6aは基体2の外周面に当接させることができる。基体2の外周面に外周面塗膜除去部材6aが当接した状態で、支持台8を回転させることで、外周面塗膜除去部材6aが基体2の外周面を摺擦して、基体外周面に存在している不要な塗膜を除去する機能を果たす。
軸部15は、内部に軸部15を貫通する溶剤供給流路4を有し、上端部には溶剤11が吐出される開口である溶剤供給口3を有している。溶剤11は溶剤供給タンク10より溶剤供給ポンプ12によって支持台8へ送られ、軸部15の内部に設けられた溶剤供給流路4を通って溶剤供給口3から吐出される。
また、溶剤供給口3から吐出された溶剤11を回収する溶剤回収タンク9が設けられ、溶剤回収タンク9で回収された使用済みの溶剤11は、必要に応じて精製等された後、溶剤供給タンク10に送られて、再利用される構成になっている。
本発明の塗膜除去方法について、一連の工程を図1の塗膜除去装置を例に説明する。
まず、浸漬塗布法により外周面に塗膜が形成された円筒状の基体2を、基体保持部材1によって鉛直方向に保持する。
次に、塗膜除去を実施する領域(「被除去部」とも記載する。)の上端が外周面塗膜除去部材6aの上端と同じ高さになる位置まで基体2を下降し、軸部15を挿入する(外周面塗膜除去部材当接工程)。このとき外周面塗膜除去部材6aの下端は基体2の下端と同じか、より下方に位置し、基体2の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで、外周面塗膜除去部材6aが当接する。
また、溶剤供給ポンプ12を作動させ溶剤供給口3から溶剤11を吐出させることにより、円筒状の基体2の内部に溶剤11を供給する(溶剤供給工程)。
そして、この状態で溶剤11を吐出させながら回転モーター13により支持台8を回転させることで、当接させた外周面塗膜除去部材6aを回転させ、不要な塗膜を摺擦し、除去を実施する(外周面塗膜除去工程)。所定の時間回転させた後、基体2を引き上げて、一連の塗膜除去工程が終了する。
本発明の塗膜除去方法では、溶剤供給工程で溶剤11は基体2の内部に吐出されて供給される。この溶剤11は、軸部15の上部の下方に向かって漸次径が大きくなるテーパ面を経由して基体2の内周面に伝わる。そして、基体2の内周面を流れ落ちて基体2の下端部に達し、基体2の下端部から外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がることで塗膜除去を実施する基体2の外周面に供給される。本発明の方法では、外周面塗膜除去部材6aで塗膜を摺擦しているときに当接部に溶剤11を供給できる。そのため、あらかじめ除去部材に一旦染み込ませた溶剤だけで塗膜を除去する方法などの、当接部に溶剤を供給しながら塗膜を除去する方法ではない方法に比べて、効率的な除去が可能となる。なお、特許文献2においては、基体の外周面の被除去部よりも短い塗膜除去部材を用いて昇降を繰り返して塗膜を除去している。従って、特許文献2は、本発明のように基体の外周面の被除去部の塗膜の上端から下端まで外周面塗膜除去部材を当接させたまま溶剤を当接部に供給しながら塗膜を除去する構成ではない。さらに、本発明の方法では除去する必要のない塗膜の部分にまで溶剤が飛び散りにくい。そのため、外周面塗膜除去部材に対してノズルなどで直接的に溶剤を供給する方法や、外周面塗膜除去部材や基体下端部を溶剤中に浸漬させながら摺擦する方法に比べて、溶剤の飛び散りが少ない正確な除去が可能となる。
なお、一連の剥離除去の工程において、溶剤11は、外周面塗膜除去工程において外周面塗膜除去部材6aを摺擦しているときに、常に吐出しても良いし断続的に吐出しても良い。また、基体2を所定位置に移動するために上下動させている時など外周面塗膜除去工程の前や後に、吐出していても良い。
また、溶剤供給口3は図1に示すように基体2内部に挿入して溶剤11を供給してもよいし、溶剤供給口3を基体2内部に挿入することなく、基体2外部から基体2内部に向けて溶剤を吐出して供給しても良い。溶剤供給口3を基体2内部に挿入して溶剤を供給する方が、溶剤供給量を増やしても基体2外周面に溶剤が飛び散らず好ましい。
基体2外部から基体2内部に向けて溶剤を吐出して供給する具体例を、図2を用いて説明する。図2は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図2(a))および上面図(図2(b))である。図1と同一部材には同じ符号を付し、これらの構成は図1と同様であり、その説明は省略する。図2に示す塗膜除去装置は溶剤供給ノズル14を有しており、溶剤供給ノズル14は支持台8に設けられている。そして、このような塗膜除去装置では、溶剤供給タンク10から溶剤供給ポンプ12によって送られた溶剤が、溶剤供給ノズル14の溶剤供給口3から吐出され、基体2の内部に溶剤11が供給される。なお、図2においては、外周面塗膜除去部材6bの基体2の長手方向の長さが被除去部の長さとほぼ同じであり、外周面塗膜除去部材6bの下端は基体2の下端と同じ高さに位置する。
本発明の塗膜除去方法で使用する溶剤11としては、特に限定されないが塗膜を溶解または膨潤しうるものが望ましい。
溶剤11を外周面塗膜除去部材6a、6bと基体2の当接部の間をしみ上がらせるために、外周面塗膜除去部材6a、6bの当接位置として、外周面塗膜除去部材6a、6bの下端が基体2の下端とほぼ同じか、または、より下方に位置している必要がある。ただし、外周面塗膜除去部材6a、6bの下端が基体2下端よりわずかに上に位置していても、溶剤11が基体2外周面に回り込んでしみ上がることができれば本発明の効果は得られる。外周面塗膜除去部材6a、6bの下端が基体2の下端より下方に位置している方が、溶剤11が当接部をしみ上がりやすく塗膜除去が効率的になるので好ましい。
外周面塗膜除去部材の当接位置として、外周面塗膜除去部材の下端が基体の下端とほぼ同じである具体例を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図3(a))および上面図(図3(b))であり、図1と同一部材には同じ符号を付し、これらの構成は図1と同様であり、その説明は省略する。図3に示す塗膜除去装置は、外周面塗膜除去部材用保持部材7に保持された2つの外周面塗膜除去部材6bを有し、外周面塗膜除去部材6bは、基体2の長手方向の長さが被除去部の長さとほぼ同じであり、その下端は基体2の下端とほぼ同じ高さに位置する。
また、外周面塗膜除去部材の当接位置が、外周面塗膜除去部材の下端が基体の下端より下方に位置している具体例を、図4を用いて説明する。図4は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図4(a))および上面図(図4(b))であり、図3と同一部材には同じ符号を付し、これらの構成は図3と同様であり、その説明は省略する。図4に示す塗膜除去装置は、外周面塗膜除去部材用保持部材7に保持された2つの外周面塗膜除去部材6aを有し、外周面塗膜除去部材6aは、基体2の長手方向の長さが被除去部の長さよりも長く、その下端は基体2の下端よりも下方に位置する。
塗膜除去を行う位置まで基体2を下降するときには、基体2の外周面に外周面塗膜除去部材6a、6bが接触しないように外周面塗膜除去部材6a、6bを外側方向に移動させて退避させることが好ましい。そのため、外周面塗膜除去部材用保持部材7は、図示していない動作機構により基体2の半径方向の外側方向に外周面塗膜除去部材6a、6bが接触しない位置まで移動可能となっていると好ましい。
詳細な動作としては、基体2を下降して移動している間は、基体2外周面に外周面塗膜除去部材6a、6bが接触しないように、外周面塗膜除去部材用保持部材7を基体2の半径方向の外側方向に移動させて退避させる。次に、所定の位置まで基体2を下降し、移動を停止した後、外周面塗膜除去部材用保持部材7を基体2の半径方向の内側方向に移動し、外周面塗膜除去部材6a、6bを基体2の外周面に当接させ、支持台8を回転させて塗膜除去を行う。外周面塗膜除去部材用保持部材7を基体2の半径方向の外側方向に移動させずに基体2を下降させると、基体2が外周面塗膜除去部材6a、6bの上端部分に接触し押圧するため、外周面塗膜除去部材6a、6bの摩耗や変形が起こりやすくなり、塗膜を除去する境界が乱れやすくなる。
外周面塗膜除去部材6a、6bの材質は、耐摩耗性および耐溶剤性を考慮して選択できる。例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリイミド等の樹脂、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム等のゴムを使用することができる。
外周面塗膜除去部材6a、6bの形状としては、ブレード状、ブラシ状、不織布などの布状体など特に限定されず適宜選択可能である。当接部へ溶剤がしみ上がりやすいこと、連続使用時に汚れが塗膜除去部材に溜まりにくいこと、塗膜を除去する面と除去しない面の境界が乱れにくいなどの点からブレード状のものが好ましい。
外周面塗膜除去部材6a、6bの形状としては、外周面の当接部に基体2内部から溶剤11を供給するために、塗膜を除去する面と除去しない面の境界から基体2の下端までの基体母線方向長さに対して、ほぼ同じ長さかそれよりも長い形状である必要がある。
また、外周面塗膜除去部材6a、6bは、当接部への溶剤11のしみ上がり量が多くなるように、円筒状基体の円周方向に対しての当接幅が1mm以上となる厚みを有するものが好ましい。また、外周面塗膜除去部材は、当接幅が多くなるように基体の曲面に合わせて、当接部の形状に曲率をもたせてもよい。
また、外周面塗膜除去部材は、図8のように基体と当接する面に溝形状を有していてもよい。溝形状と基体とで空間を形成し、溶剤を該空間にしみ上がらせることで、しみ上がり量をより多くすることができ、効率的な塗膜除去が可能となる。
外周面塗膜除去部材6a、6bは、図2〜図4においては2つ設けたが、単数もしくは複数のいずれでも良い。
回転モーター13により支持台8を回転する速度は、適宜設定すればよい。回転速度が速いほど除去にかかる時間が短く済むが、あまりに早すぎると塗膜除去部材に負荷がかかりすぎて、塗膜除去部材が変形したり切れ目が入ったりする場合がある。
基体2上に浸漬塗布法を用いて複数の層が形成される場合には、本発明の塗膜除去方法は、必要に応じて、基体上に形成される各層のうち一部の層についてのみ実施してもよいし、全部の層について実施してもよい。また、複数の層について本発明の塗膜除去方法を行う場合は、各層の塗膜を形成するたびに塗膜を除去してもよいし、いくつかの乾燥塗膜を順次形成した後、一度に塗膜を除去してもよい。
基体2下方の内周面の塗膜を効率的に除去するために、塗膜除去部材として外周面塗膜除去部材6a、6bに追加して、内周面塗膜除去部材を用いても良い。
内周面塗膜除去部材を用いなくても、基体内部に供給される溶剤によって基体内部の塗膜(すなわち基体内周面の塗膜)の除去を行うことはできるが、内周面塗膜除去部材を設け、溶剤を供給しながら塗膜を摺擦する方が、精度よく短時間で除去できる。本発明の塗膜除去方法では外周面塗膜除去部材に供給される溶剤は基体内面を伝わって供給される。したがって、基体内面が汚れていると、汚れた溶剤が外周面に供給されることになる。そのため、内周面塗膜除去部材を設け、精度よく短時間で基体内面の塗膜を除去した方が外周面の塗膜の除去精度が良好になる。
内周面塗膜除去部材を設けた場合の例を図5および図6を用いて説明する。図5は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図5(a))および上面図(図5(b))である。図6は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図6(a))および上面図(図6(b))である。図5及び図6において、図4と同一部材には同じ符号を付し、これらの構成は図4と同様であり、その説明は省略する。
図5に示す塗膜除去装置は2つの内周面塗膜除去部材5bを有する。また、図6に示す塗膜除去装置は2つの内周面塗膜除去部材5aを有する。内周面塗膜除去部材5a、5bは軸部15の側面に取り付けられており、軸部15と一緒に回転可能となっている。内周面塗膜除去部材5a、5bは、軸部15を基体2に挿入した時に、基体2の内周面に接触するようになっており、支持台8および軸部15を回転させることで基体2内面を摺擦して、基体2内周面に存在している不要な塗膜を除去する機能を果たす。したがって、内周面塗膜除去部材5a、5bを有する図5や図6に示す塗膜除去装置を用いて本発明の塗膜除去方法を行うと、基体2の内周面の被除去部の塗膜に内周面塗膜除去部材5a、5bを当接する工程(内周面塗膜除去部材当接工程)も行うことができる。また、基体2の内周面の被除去部の塗膜に内周面塗膜除去部材5a、5bを当接させたまま、基体2と内周面塗膜除去部材5a、5bとを相対的に回転させて摺擦し、内周面の被除去部の塗膜を除去する工程(内周面塗膜除去工程)も行うことができる。なお、図5や図6においては、外周面塗膜除去部材6aを有する支持台8に設けられた軸部15に内周面塗膜除去部材5a、5bが取り付けられているため、内周面塗膜除去工程は、外周面塗膜除去工程と同時に行われることになる。
内周面塗膜除去部材5a、5bを設ける場合は、図6に示すように、基体2と内周面塗膜除去部材5aの当接部と、基体2と外周面塗膜除去部材6aの当接部のそれぞれが、基体2の円周上の異なる位置に当接させることが好ましい。図5のようにそれぞれの当接部が円周上の同じ位置にある場合、図6のように異なる位置にある場合と比べて、外周面塗膜除去部材6aに供給される溶剤の量が減る。そのため、効率的に外周面の塗膜を除去する観点から、それぞれの当接部が円周上の異なる位置にあることが好ましい。
内周面塗膜除去部材5a、5bの材質は、耐摩耗性および耐溶剤性を考慮して選択できる。上記外周面塗膜除去部材と同様に、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリイミド等の樹脂、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ブチルゴム、フッ素系ゴム等のゴムを使用することができる。
内周面塗膜除去部材5a、5bの形状は、ブレード状、ブラシ状、不織布などの布状体など特に限定されず適宜選択可能である。連続使用時に汚れが塗膜除去部材に溜まりにくいことなどの点からブレード状のものが好ましい。
次に、上記塗膜除去方法を用いた本発明の電子写真感光体の製造方法について、説明する。
本発明の電子写真感光体の製造方法で製造される電子写真感光体は、円筒状の基体、及び基体上に形成され電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する。感光層は、基体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層してなるものでも、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含有させてなるものでもよい。基体上に感光層を直接設けると、感光層の剥がれが生じたり、基体の表面の欠陥(傷などの形状的欠陥)が画像にそのまま反映され、黒点状や白抜け状の画像欠陥が生じたりする場合がある。これらの問題を解消するために、下引き層を感光層と基体との間に有することが好ましい。
〔円筒状の基体〕
円筒状の基体としては、導電性を有するもの(導電性基体)が好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属又は合金製の基体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性基体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した基体、又は酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した基体が挙げられる。
円筒状の基体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などを施してもよい。
〔導電層(第一中間層)〕
基体と下引き層との間に、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液(第一中間層用塗布液)の塗膜を基体上に形成し、塗膜を乾燥させることで得られる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。
〔下引き層(第二中間層)〕
基体側からの感光層側への電荷注入を抑制し、カブリなどの画像欠陥の発生を抑制することを目的として、基体と感光層との間には下引き層が設けられている。
下引き層は、結着樹脂を含有する。上記電荷注入の抑制や、カブリの抑制の点から、さらに、金属酸化物粒子や、電子輸送物質を下引き層に含有させても良い。
結着樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
電子輸送物質を含有する下引き層の製造方法としては、例えば、まず重合性官能基を有する電子輸送物質、架橋剤及び熱可塑性樹脂、並びに場合によってはシリカ粒子を含有する下引き層用塗布液(第二中間層用塗布液)の塗膜を形成する。そして、この塗膜を加熱乾燥させることによって、重合性官能基を有する電子輸送物質、架橋剤を重合させ、下引き層を形成することができる。
電子輸送物質としては、例えば、キノン化合物、イミド化合物、ベンズイミダゾール化合物、シクロペンタジエニリデン化合物が挙げられる。重合性官能基としては、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシ基、メトキシ基が挙げられる。重合性官能基は、電子輸送を担う骨格構造に直接結合しても、側鎖(電子輸送を担う骨格構造に結合した置換基)中に存在してもよい。
架橋剤としては、重合性官能基を有する電子輸送物質や、熱可塑性樹脂と重合又は架橋する化合物が挙げられる。具体的には、山下晋三,金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に記載されている化合物等が挙げられる。
下引き層に用いる架橋剤は、好ましくは、イソシアネート化合物、アミン化合物である。イソシアネート基又はブロックイソシアネート基を2〜6個有しているイソシアネート化合物が好ましい。例えば、トリイソシアネートベンゼン、トリイソシアネートメチルベンゼン、トリフェニルメタントリイソシアネート、リジントリイソシアネートの他、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、メチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ノルボルナンジイソシアネート等のジイソシアネートのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトールとのアダクト変性体等が挙げられる。これらの中でもイソシアヌレート変性体とアダクト変性体がより好ましい。
ブロックイソシアネート基は、−NHCOX(Xは保護基)という構造を有する基である。Xは、イソシアネート基に導入可能な保護基であれば何れでも良い。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。
シリカ粒子としては、ゾルゲル法、水ガラス法などの湿式法や、気相法等の乾式法によって得られるシリカ粒子が挙げられる。また、添加時のシリカ粒子の形状は粉状であってもよいし、溶媒に分散されたスラリ状の状態で添加してもよい。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
〔電荷発生層〕
電荷発生層は、基体上、導電層上または下引き層上に設けられる。
電荷発生層は、電荷発生物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷発生層用塗布液の塗膜を形成し、塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
分散方法としては、たとえば、ホモジナイザー、超音波、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルを用いた方法が挙げられる。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、及びフタロシアニン顔料の少なくとも一方が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、以下のものが好ましい。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°にピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°及び27.3°にピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、以下のものが好ましい。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°及び28.1°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶。CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との質量比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
〔電荷輸送層〕
電荷輸送層は、電荷発生層上に設けられる。
電荷輸送層は、電荷輸送物質を結着樹脂および溶剤とともに分散して得られる電荷輸送層用塗布液の塗膜を乾燥することで形成することができる。
電荷輸送物質は、正孔輸送物質と電子輸送物質に大別される。正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミン、又は、これらの化合物から誘導される基を主鎖又は側鎖に有するポリマーが挙げられる。これらの中でもトリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、又はスチリル化合物が好ましい。
電荷輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂及びポリアリレート樹脂が好ましい。
電荷輸送層において、電荷輸送物質と結着樹脂との質量比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10が好ましく、10/8〜6/10がより好ましい。
電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤又は芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
このような電子写真感光体の製造方法は、電子写真感光体を構成する各層を形成するための電子写真感光体用塗布液(導電層用塗布液、下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液)に、円筒状の基体を浸漬塗布する。例えば、円筒状の基体を軸が鉛直方向になるように塗布液に浸漬し引き上げることにより、基体上に塗布液の塗膜を形成する。
塗膜を形成後、上記本発明の塗膜除去方法により、基体の長手方向下方に形成された不要な塗膜である被除去部の塗膜を除去する。
被除去部の塗膜を除去した後、残存する塗膜を加熱や硬化することにより、各層が形成される。
塗膜の除去は、浸漬塗布法により塗膜を1層形成する毎に行ってもよいし、いくつかの乾燥塗膜を順次形成した後、一度に除去するようにしてもよい。なお、本発明の電子写真感光体の製造方法においては、少なくとも1層の形成において本発明の塗膜除去方法を用いればよい。その他の層については、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などの浸漬塗布法以外の塗布方法で塗膜を形成した後に加熱や硬化することにより形成してもよく、また、蒸着等により形成してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されない。
評価は、アルミニウム製円筒状基体上に下記の実施例に示す組成から成る導電層用塗布液、下引き層用塗布液、電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液を浸漬塗布し、円筒状基体下方外周面の塗膜除去を実施し、基体外周面の塗膜の除去度合いを目視観察することで行った。
(実施例1)
長さ260.5mmおよび外径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を基体2(導電性基体)とした。
(下引き層用塗布液1の調製)
下記式(A11)で示される電子輸送物質10部、ブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ(株)製)13.5部、樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業(株)製)1.5部、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(商品名:ヘキサン酸亜鉛(II)、三津和化学薬品(株)製)0.05部を、1−メトキシ−2−プロパノール100部とテトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解し溶液を調製した。この溶液に添加剤として平均一次粒子径9−15nmの有機溶媒分散コロイダルシリカスラリー(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業(株)製)3.3部を加え1時間撹拌し、下引き層用塗布液1を調製した。
Figure 2016145974
この下引き層用塗布液1を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させた場合に得られる層の中央部の膜厚(厚さ)が0.5μmとなるようにした。その後、基体下方外周面の塗膜除去を、下記のようにして実施した。
塗膜除去装置として、図2に示すように外周面塗膜除去部材6bを二つ設け、溶剤供給ノズル14で基体2外部から溶剤を基体の内部へ供給する装置を使用した。外周面塗膜除去部材6bは、エチレンプロピレンジエンゴム製の長さ15mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のゴムブレードを使用した。
まず、外周面塗膜除去部材6bを基体2が下降した際に触れないように半径方向の外側方向に退避した。次に下引き層用塗布液1を浸漬塗布した基体2を鉛直方向に支持し、下降させた。
基体2の下端から15mmまでの領域に外周面塗膜除去部材6bが当接するように、基体2の下端から15mmの位置に外周面塗膜除去部材6bの上端がそろう位置で基体2の下降を停止した。そして、外側方向に退避していた外周面塗膜除去部材6bを半径方向の内側方向に移動させ、外周面塗膜除去部材6bを基体2の外周面に当接させた。このとき、外周面塗膜除去部材6bの下端と基体2下端の位置はそろっていた。溶剤供給ノズル14から溶剤11を基体内周面に向けて吐出しながら、外周面塗膜除去部材6bを30秒間、40rpmの速度で回転させて摺擦し、塗膜の除去を実施した。溶剤11はシクロヘキサノンを使用した。
これを繰り返して、合計20本の基体について、下引き層用塗布液の浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行った。また、回転時間を40秒、60秒に変更した以外は同様にして、それぞれ20本の基体について、浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を実施した。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6bと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6bで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の下端から15mm位置までの塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。除去度合いは以下のようにランク付けした。実施例1においては、除去する必要のない塗膜の部分まで溶剤が飛び散る液ハネが若干観察された。
A:塗膜の拭き残しは確認できす、非常に良好である。
B:塗膜の拭き残しはほとんど確認できず、良好である。
C:塗膜の拭き残しが見られる。
(実施例2)
(下引き層用塗布液2の調製)
下記式(A12)で示される電子輸送物質10部、ブロックされたイソシアネート化合物(商品名:SBN−70D、旭化成ケミカルズ(株)製)13.5部、樹脂として、ポリビニルアセタール樹脂(商品名:KS−5Z、積水化学工業(株)製)1.5部、触媒としてヘキサン酸亜鉛(II)(商品名:ヘキサン酸亜鉛(II)、三津和化学薬品(株)製)0.05部を、1−メトキシ−2−プロパノール100部とテトラヒドロフラン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液2を調製した。
Figure 2016145974
この下引き層用塗布液2を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させた場合に得られる層の中央部の膜厚が0.5μmとなるようにした。その後、基体2下方外周面の塗膜除去を、下記のようにして実施した。
塗膜除去装置として、図3に示すように外周面塗膜除去部材6bを二つ設け、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給する装置を使用した。外周面塗膜除去部材6bは、エチレンプロピレンジエンゴム製の長さ15mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のゴムブレードを使用した。
このように図3に示す塗膜除去装置を用いた以外は塗膜除去方法は実施例1と同様に行い、同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6bと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6bで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。
(実施例3)
塗膜除去装置として、図4に示すように外周面塗膜除去部材6aを二つ設け、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給する装置を使用した。外周面塗膜除去部材6aは、エチレンプロピレンジエンゴム製の長さ20mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のゴムブレードを使用した。
まず、外周面塗膜除去部材6aを基体2が下降した際に触れないように半径方向の外側方向に退避した。次に、下引き層用塗布液1の代わりに下引き層用塗布液2を用いた以外は実施例1と同様にして塗布液を浸漬塗布して塗膜を形成した基体2を、鉛直方向に支持し、下降させた。
基体2の下端から15mmまでの領域に外周面塗膜除去部材6aが当接するように、基体2の下端から15mmの位置に外周面塗膜除去部材6aの上端がそろう位置で基体2の下降を停止した。そして、外側方向に退避していた外周面塗膜除去部材6aを内側方向に移動させ、外周面塗膜除去部材6aを基体2に当接させた。このとき、外周面塗膜除去部材6aの下端5mm部分が基体2下端から下方に伸びていた。軸部15の上端にある溶剤供給口3から溶剤11を吐出しながら、外周面塗膜除去部材6aを30秒間、40rpmの速度で回転させて摺擦し、塗膜の除去を実施した。溶剤11としてシクロヘキサノンを使用した。
これを繰り返して、合計20本の基体について、下引き層用塗布液2の浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行った。また、回転時間を40秒、60秒に変更した以外は同様にして、それぞれ20本の基体について、浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を実施した。なお、塗膜の除去において、溶剤は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。
(実施例4)
塗膜除去装置として、図5に示すように外周面塗膜除去部材6aと内周面塗膜除去部材5bをそれぞれ二つ設け、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給する装置を使用した。また、図5(b)に示すように、外周面塗膜除去部材6aと内周面塗膜除去部材5bの基体2との当接部は、円周方向の同じ位置であった。外周面塗膜除去部材6aは、エチレンプロピレンジエンゴム製の長さ20mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のゴムブレードを使用した。
このように図5に示す塗膜除去装置を用いた以外は実施例1と同様にして浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行い、実施例1と同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。
(実施例5)
塗膜除去装置として、図6に示すように外周面塗膜除去部材6aと内周面塗膜除去部材5aをそれぞれ二つ設け、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給する装置を使用した。また、図6(b)に示すように、外周面塗膜除去部材6aと内周面塗膜除去部材5aの基体2との当接部は、円周方向の異なる位置であった。外周面塗膜除去部材6aは、エチレンプロピレンジエンゴム製の長さ20mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のゴムブレードを使用した。
このように図6に示す塗膜除去装置を用いた以外は実施例1と同様にして浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行い、実施例1と同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。
(実施例6)
塗膜除去装置として、図7に示す塗膜除去装置を用いた。図7は、本発明の塗膜除去方法に用いられる塗膜除去装置の除去部の近傍の概略構成を示す断面図(図7(a))および上面図(図7(b))である。図6と同一部材には同じ符号を付し、これらの構成は図6と同様であり、その説明は省略する。図7に示す塗膜除去装置には、外周面塗膜除去部材用保持部材7に取り付けられた外周面塗膜除去部材6cと軸部15に取り付けられた内周面塗膜除去部材5aがそれぞれ2つ設けられている。また、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給する装置である。上面図である図7(b)に示すように、外周面塗膜除去部材6cと内周面塗膜除去部材5aの基体2との当接部は、円周方向の異なる位置であった。外周面塗膜除去部材6cは、長さ20mm、幅10mm、厚さ3mm(当接部の幅3mm)のブラシを使用した。
このように図7に示す塗膜除去装置を用いた以外は実施例1と同様にして浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行い、実施例1と同様に評価を行った。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。外周面の除去を実施した領域(被除去部)と除去を実施しない領域との境界がブラシにより乱されていた。
(実施例7)
外周面塗膜除去部材6aの形状を変更した以外は実施例5と同様にして浸漬塗布法による塗膜の形成と塗膜の除去を行い、実施例5と同様に評価を行った。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表1に示す。外周面塗膜除去部材6aの形状としては、図8に示す形状のエチレンプロピレンジエンゴム製のゴムブレードを使用した。ゴムブレード全体の寸法は、厚さ4.5mm、幅8mm、長さ20mmで、二つの溝形状の寸法は、厚さ0.5mm、幅1.5mmであった。また、外周面塗膜除去部材6aと基体2との当接位置関係は、溝形状を有する面が基体と当接し、二つの溝形状とも基体とで空間を形成するように当接した。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aの溝形状と基体とで形成された空間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は空間内に溜まっていた。
Figure 2016145974
(実施例8)
(導電層用塗布液の調製)
酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子(粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%)50部、フェノール樹脂(プライオーフェンJ−325、DIC(株)製、樹脂固形分:60%)40部、溶剤(分散媒)としてのメトキシプロパノール50部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させた場合に得られる層の中央部の膜厚が20μmとなるようにした。その後、基体2下方外周面の塗膜除去を実施した。
塗膜除去方法は、溶剤11としてメトキシプロパノールを用い、除去時間を30秒と60秒で実施した以外は実施例5と同様に行い、同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表2に示す。
(実施例9)
導電層用塗布液を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、内周面の塗膜除去のみを行った。内周面のみの塗膜除去は、図6に示す塗膜除去装置を用いて、支持台8を回転させずに、軸部15の上端にある溶剤供給口3で基体2内部から溶剤11を供給し、この溶剤11を基体2の内周面に接触させることのみにより行った。内周面の塗膜除去後、30分間150℃で乾燥・熱硬化し、中央部の膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に下引き層用塗布液1を、導電層上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させた場合に得られる層の中央部の膜厚が0.5μmとなるようにした。その後、基体下方外周面の塗膜除去を実施した。
塗膜除去方法は、除去時間を30秒と60秒で実施した以外は実施例5と同様に行い、同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の下引き層用塗布液1の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表2に示す。
(実施例10)
導電層用塗布液を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、実施例9と同様の方法で内周面の塗膜除去のみを行った。30分間150℃で乾燥・熱硬化し、中央部の膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に下引き層用塗布液1を、導電層上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、導電層の形成時と同様の方法で内周面の塗膜除去のみを行った。40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させ、中央部の膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
(電荷発生層用塗布液の調製)
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°にピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)を用意した。このヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を、上記下引き層上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を95℃で10分間乾燥させた場合に得られる層の中央部の膜厚が0.18μmとなるようにした。その後、基体下方外周面の塗膜除去を実施した。
塗膜除去方法は、実施例9の下引き層用塗布液1の塗膜の除去と同様に行い、同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の電荷発生層用塗布液の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表2に示す。
(実施例11)
導電層用塗布液を上記アルミニウム製の円筒状の基体2上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、実施例9と同様の方法で内周面の塗膜除去のみを行った。30分間150℃で乾燥・熱硬化し、中央部の膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に下引き層用塗布液1を、導電層上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、導電層の形成時と同様の方法で内周面の塗膜除去のみを行った。40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させ、中央部の膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、塗膜を形成した。その後、外周面の塗膜除去を実施せず、導電層の形成時と同様の方法で内周面の塗膜除去のみを行った。95℃で10分間乾燥させ、中央部の膜厚が0.18μmの電荷発生層を形成した。
(電荷輸送層用塗布液の調製)
次に、下記式(CTM−1)で示される化合物5部、下記式(CTM−2)で示される化合物5部、下記式(B1−1)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂10部を、モノクロロベンゼン50部に溶解させ、電荷輸送層用塗布液を調製した。
この電荷輸送層用塗布液を、上記電荷発生層上に浸漬塗布して、塗膜を形成した。なお、塗膜の膜厚は、塗膜を120℃で30分間乾燥させた場合に得られる層の中央部の膜厚が15μmとなるようにした。その後、基体下方外周面の塗膜除去を実施した。
Figure 2016145974
Figure 2016145974
塗膜除去方法は、溶剤11としてモノクロロベンゼンを用い、除去時間を30秒と60秒で実施した以外は実施例5と同様に行い、同様に評価を行った。なお、塗膜の除去において、溶剤11は外周面塗膜除去部材6aと基体2の当接部の間をしみ上がり、外周面塗膜除去部材6aで摺擦して塗膜を除去しているときに常に、溶剤11は当接部に供給されていた。基体外周面の電荷輸送層用塗布液の塗膜の除去度合いの目視による確認結果を表2に示す。
Figure 2016145974
1:基体保持部材
2:基体
3:溶剤供給口
4:溶剤供給流路
5a:内周面塗膜除去部材
5b:内周面塗膜除去部材
6a:外周面塗膜除去部材
6b:外周面塗膜除去部材
6c:外周面塗膜除去部材(ブラシ)
7:外周面塗膜除去部材用保持部材
8:支持台
9:溶剤回収タンク
10:溶剤供給タンク
11:溶剤
12:溶剤供給ポンプ
13:回転モーター
14:溶剤供給ノズル
15:軸部

Claims (9)

  1. 電子写真感光体用塗布液の塗膜が形成された円筒状の基体を鉛直方向に支持し、該基体の長手方向下方にある被除去部の塗膜を塗膜除去部材を用いて除去する円筒状の基体の塗膜除去方法であって、該方法が、
    溶剤が吐出される開口から該基体の内部に該溶剤を供給する溶剤供給工程、
    該塗膜除去部材として該基体の外周面の該被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去部材を用い、該基体の外周面の該被除去部の塗膜の上端から下端まで該外周面塗膜除去部材を当接する外周面塗膜除去部材当接工程、および
    該基体の外周面の該被除去部の塗膜の上端から下端まで該外周面塗膜除去部材を当接させたまま、該基体の内部に供給された後に該基体の下端に流れた該溶剤を、外周面の該被除去部の塗膜と該外周面塗膜除去部材の当接部に供給しながら、該基体と該外周面塗膜除去部材とを相対的に回転させて摺擦し、外周面の該被除去部の塗膜を除去する外周面塗膜除去工程
    を有することを特徴とする円筒状の基体の塗膜除去方法。
  2. 該溶剤供給工程において、該基体の内部に、該溶剤が吐出される該開口を挿入し、該基体の内部に該溶剤を供給することを特徴とする請求項1に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法。
  3. 該外周面塗膜除去部材当接工程および該外周面塗膜除去工程において、該基体の外周面の該被除去部の塗膜の上端から下端まで該外周面塗膜除去部材を当接する際に、該外周面塗膜除去部材の下端が該基体の下端より下方に位置するように該塗膜除去部材を当接することを特徴とする請求項1または2に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法。
  4. 該塗膜除去部材として、該外周面塗膜除去部材と、
    該基体の内周面の該被除去部の塗膜を除去する内周面塗膜除去部材を用い、
    該基体の内周面の該被除去部の塗膜に該内周面塗膜除去部材を当接する内周面塗膜除去部材当接工程、および
    該基体の内周面の該被除去部の塗膜に該内周面塗膜除去部材を当接させたまま、該基体と該内周面塗膜除去部材とを相対的に回転させて摺擦し、内周面の該被除去部の塗膜を除去する内周面塗膜除去工程
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法。
  5. 該基体と該外周面塗膜除去部材の当接部と、該基体と該内周面塗膜除去部材の当接部が、該基体の円周上の同じ位置に重ならないように該外周面塗膜除去部材および該内周面塗膜除去部材を該基体に当接させることを特徴とする請求項4に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法。
  6. 該外周面塗膜除去部材として、ブレード状の該外周面塗膜除去部材を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法。
  7. 円筒状の基体に浸漬塗布法により電子写真感光体用塗布液の塗膜を形成する電子写真感光体の製造方法において、
    浸漬塗布法により該基体に電子写真感光体用塗布液の塗膜を形成後、請求項1〜6のいずれか1項に記載の円筒状の基体の塗膜除去方法により該基体の長手方向下方にある塗膜を除去する工程を有する電子写真感光体の製造方法。
  8. 前記電子写真感光体用塗布液が下引き層用塗布液である請求項7に記載の電子写真感光体の製造方法。
  9. 前記下引き層用塗布液が、重合性官能基を有する電子輸送物質、架橋剤、及び熱可塑性樹脂を含有する請求項8に記載の電子写真感光体の製造方法。
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