JP5972218B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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該製造方法が、
(i)下記式(C1)で示される化合物、下記式(C1)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C2)で示される化合物、下記式(C2)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C3)で示される化合物、下記式(C3)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C4)で示される化合物、下記式(C4)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C5)で示される化合物、および下記式(C5)で示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種、
(ii)下記式(B)で示される構造単位を有する樹脂、および
(iii)ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質
を含む組成物を含有する下引き層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程と、
該塗膜を加熱乾燥させることによって、該組成物を重合させ、該下引き層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
支持体または後述する導電層と、感光層との間に下引き層が設けられる。
次に、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質について説明する。上記電子輸送物質の具体的な例としては、以下の式(A1)〜(A9)のいずれかに示される化合物が挙げられる。
次に、アミン化合物について説明する。アミン化合物は、下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物、下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される。
次に、式(B)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(以下樹脂Bとも称する)について説明する。樹脂Bは、例えばシグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有するモノマーを重合させることで得られる。
質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用い、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で、分子量を測定した。得られたピークトップ値で確認した。
1,1,2,2−テトラクロロエタン(d2)または、ジメチルスルホキシド(d6)中、120℃にて1H−NMR、13C−NMR分析(FT−NMR:日本電子(株)製JNM−EX400型)により構造を確認した。
東ソー(株)製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」で測定し、ポリスチレン換算で計算した。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体、または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
下引き層上には、感光層が設けられる。
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製)5.4部および2−メチル6−エチルアニリン(東京化成工業(株)製)4部、2−アミノ1−ブタノール3部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A101を1.0部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、東京化成工業(株)製ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株))製5.4部、および2−アミノ酪酸(東京化成工業(株))5部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A128を4.6部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および2,6ジエチルアニリン(東京化成工業(株)製)4.5部、4−アミノベンゼンチオール4部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A114を1.3部得た。
トルエン100部およびエタノール50部の混合溶媒へ、アルドリッチ社製4−(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸2.8部およびシグマアルドリッチジャパン(株)社製フェナントレンキノンから窒素雰囲気下でChem. Educator No.6, 227−234 (2001)に記載の合成方法で合成した3,6−ジブロモ−9,10−フェナントレンジオン7.4部を加え、20%炭酸ナトリウム水溶液100部を滴下した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を0.55部添加した後、2時間還流させた。反応後有機相をクロロホルムで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、化合物A216を3.2部得た。
3−アミノフェニルボロン酸1水和物2.8部およびフェナントロリンキノン(シグマアルドリッチジャパン(株)社製)を窒素雰囲気下で、合成例4と同様に2,7−ジブロモ−9,10−フェナントロリンキノン7.4部を合成した。トルエン100質量部およびエタノール50質量部の混合溶媒に、2,7−ジブロモ−9,10−フェナントロリンキノン7.4部を加えた。さらに、20%炭酸ナトリウム水溶液100部を滴下した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を0.55部添加した後、2時間還流させた。反応後、有機相をクロロホルムで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、化合物A316を2.2部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ペリレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製)7.4部および2,6ジエチルアニリン(東京化成工業(株)製)4部、2−アミノフェニルエタノール4部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A803を5.0部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール5.2部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。ジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A157を5.0部得た。
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール2.6部、2−(2−アミノエチルチオ)エタノール2.7部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
製造した電子写真感光体を、23℃、50%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(前露光OFF、一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード120mm/秒、レーザー露光。)に装着して、表面電位の測定および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
表面電位の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。ドラムの表面電位は、暗部電位(Vd)が−600V、明部電位(Vl)が−200Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
実施例1において、電子輸送物質(化合物A)、式(B)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(樹脂B)、アミン化合物(化合物C)の種類と含有量を表11〜13に示すように変更した以外は、実施例1と電子写真感光体を製造した。この電子写真感光体を実施例1と同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表11〜13に示す。
実施例1において、導電層用塗布液、下引き層用塗布液および電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
実施例151において、電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例151と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
実施例152の電荷輸送層用塗布液の調製において、ポリカーボネート樹脂I10部の代わりに、ポリエステル樹脂H10部とした以外は実施例152と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
実施例151〜153において、導電層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例151〜153と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
実施例151において、電子輸送物質の種類と含有量を表14に示すように変更した以外は、実施例151と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
実施例1において、樹脂Bを含有せず、電子輸送物質(化合物A)、アミン化合物(化合物C)の種類と含有量を表15に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表15に示す。
電子輸送物質として下記式(Y−1)で示される化合物に変更し、アミン化合物と樹脂Bの種類と含有量を表15に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表15に示す。
下記式で示されるブロック共重合体(特表2009−505156号公報に記載の共重合体)、ブロックイソシアネート化合物、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いて下引き層を作成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。この電子写真感光体を実施例1と同様に評価を行った。マクベス濃度の初期は0.03、マクベス濃度の変化分は0.05だった。
Claims (7)
- 支持体、下引き層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
(i)下記式(C1)で示される化合物、下記式(C1)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C2)で示される化合物、下記式(C2)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C3)で示される化合物、下記式(C3)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C4)で示される化合物、下記式(C4)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C5)で示される化合物、および下記式(C5)で示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種、
(ii)下記式(B)で示される構造単位を有する樹脂、および
(iii)ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質
を含む組成物を含有する下引き層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程と、
該塗膜を加熱乾燥させることによって、該組成物を重合させ、該下引き層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
(式(C1)〜(C5)中、R11〜R16、R22〜R25、R31〜R34、R41〜R44、およびR51〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アシル基または−CH2−OR1を示される1価の基を示し、R11〜R16の少なくとも1つ、R22〜R25の少なくとも1つ、R31〜R34の少なくとも1つ、R41〜R44の少なくとも1つ、およびR51〜R54の少なくとも1つは、−CH2−OR1を示される1価の基である。R1は、水素原子または炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。R21は、アリール基、アルキル基置換のアリール基、シクロアルキル基、またはアルキル基置換のシクロアルキル基を示す。)
(式(B)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Y1は、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。W1は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基またはメトキシ基を示す。) - 前記電子輸送物質が、下記式(A1)で示される化合物、下記式(A2)で示される化合物、下記式(A3)で示される化合物、下記式(A4)で示される化合物、下記式(A5)で示される化合物、下記式(A6)で示される化合物、下記式(A7)で示される化合物、下記式(A8)で示される化合物および下記式(A9)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
(式(A1)〜(A9)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、およびR901〜R908は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基または複素環を示し、R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、およびR901〜R908の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。該アルキル基の炭素原子の1つは、O、S、NH、NR1001(R1001はアルキル基)で置き換わっても良い。該置換アルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換アリール基または複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401およびZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。)
(式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR19(R19はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。) - 前記電子輸送物質の分子量が150以上1000以下である請求項1または2記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記式(B)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上400000以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記式(B)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上300000以下である請求項4に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記(i)が、
前記式(C1)〜(C5)のいずれかで示され、かつ分子量が150以上1000以下である化合物である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。 - 前記(i)が、
前記式(C1)〜(C5)のいずれかで示され、かつ、前記式(C1)〜(C5)中のR11〜R16の少なくとも3つ、R22〜R25の少なくとも3つ、R31〜R34の少なくとも3つ、R41〜R44の少なくとも3つ、およびR51〜R54の少なくとも3つが、−CH2−OR1を示される1価の基である化合物である請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法。
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