JP5972218B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真感光体の製造方法に関する。
現在、プロセスカートリッジや電子写真装置に用いられる電子写真感光体としては、有機光導電性物質を含有する電子写真感光体が主流である。電子写真感光体は、一般的に、支持体および支持体上に形成された感光層を有する。そして、支持体側から感光層側への電荷注入を抑制し、カブリなどの画像欠陥の発生を抑えることを目的として、支持体と感光層との間には下引き層が設けられていることが多い。
近年、電荷発生物質は、より高い感度を有するものが用いられている。しかしながら、電荷発生物質が高感度化するのに伴い、電荷の発生量が多くなることによって電荷が感光層中に滞留しやすく、ゴーストが発生しやすいという問題があった。具体的には、出力画像中、前回転時に光が照射された部分のみ濃度が濃くなる、いわゆるポジゴーストという現象が発生しやすい。
このようなゴースト現象を抑制(低減)する技術として、下引き層に電子輸送物質を含有させる技術が知られている。
特許文献1には、芳香族テトラカルボニルビスイミド骨格と架橋部位を持つ縮合ポリマー(電子輸送性物質)と、架橋剤との重合物を含有する下引き層が開示されている。また、特許文献1では、下引き層上に形成する感光層の形成時に電子輸送物質が溶出してしまわないようにするため、下引き層に電子輸送物質を用いる場合は、下引き層が感光層用塗布液の溶剤に対して難溶である硬化性材料を用いる技術が提案されている。
また、特許文献2および3には、下引き層に非加水分解性重合性官能基を有する電子輸送性物質の重合物を含有させることが開示されている。
特表2009−505156号公報 特開2003−330209号公報 特開2008−299344号公報
近年、電子写真画像の品質に対する要求は高まる一方であり、上述のポジゴーストに対する許容範囲が格段に厳しくなってきている。
そして、本発明者らの検討の結果、ポジゴーストの抑制(低減)、特に連続画像出力前後でのポジゴーストレベルの変動分に関して、特許文献1から3に開示された技術は、まだ改良の余地があるものであった。特許文献1から3で開示された技術は、下引き層中の同一の構造を有する成分同士が凝集して、ムラのある膜が形成されているため、初期から繰り返し使用を通してポジゴーストの低減が十分ではない場合があった。
本発明の目的は、ポジゴーストがより低減された電子写真感光体の製造方法を提供することにある
本発明は、支持体、下引き層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法であって、
該製造方法が、
(i)下記式(C1)で示される化合物、下記式(C1)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C2)で示される化合物、下記式(C2)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C3)で示される化合物、下記式(C3)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C4)で示される化合物、下記式(C4)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C5)で示される化合物、および下記式(C5)で示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種、
(ii)下記式(B)で示される構造単位を有する樹脂、および
(iii)ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質
を含む組成物を含有する下引き層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程と、
該塗膜を加熱乾燥させることによって、該組成物を重合させ、該下引き層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法に関する。
Figure 0005972218
式(C1)〜(C5)中、R11〜R16、R22〜R25、R31〜R34、R41〜R44、およびR51〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アシル基または−CH−ORを示される1価の基を示し、R11〜R16の少なくとも1つ、R22〜R25の少なくとも1つ、R31〜R34の少なくとも1つ、R41〜R44の少なくとも1つ、およびR51〜R54の少なくとも1つは、−CH−ORを示される1価の基である。Rは、水素原子または炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。R21は、アリール基、アルキル基置換アリール基、シクロアルキル基、またはアルキル基置換シクロアルキル基を示す。
Figure 0005972218
式(B)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基またはメトキシ基を示す。
本発明によれば、ポジゴーストがより低減された電子写真感光体の製造方法を提供することができる
本願の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図である。 ゴースト画像評価の際に用いるゴースト評価用印字を説明する図である。 1ドット桂馬パターン画像を説明する図である。 本願の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。
本願の下引き層を有する電子写真感光体がポジゴーストの低減を高いレベルで達成する効果を有する理由について、本発明者らは、以下のように推測している。
本願の重合物は、下記(i)、(ii)および(iii)が結合し、重合物が形成される。下引き層が、この重合物を含有することで、電子を輸送することができ、溶剤に溶けにくい下引き層を形成することができる。
(i)上記式(C1)で示される化合物、上記式(C1)で示される化合物のオリゴマー、上記式(C2)で示される化合物、上記式(C2)で示される化合物のオリゴマー、上記式(C3)で示される化合物、上記式(C3)で示される化合物のオリゴマー、上記式(C4)で示される化合物、上記式(C4)で示される化合物のオリゴマー、上記式(C5)で示される化合物、および上記式(C5)で示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種(便宜上、以下「アミン化合物」または「本発明のアミン化合物」とも総称する。)。
(ii)上記式(B)で示される繰り返し単位を有する樹脂。
(iii)ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質。
しかしながら、複数の構成材料(アミン化合物、電子輸送物質、樹脂)の組成物を重合させて得られた重合物を含有する下引き層は、同一の構造を有する構成材料同士が凝集し、ムラのある下引き層が形成されやすい。これにより、下引き層中、または下引き層と感光層との界面において、電子が滞留しやすくなり、ゴーストが発生しやすい。そこで、本発明のアミン化合物は、環状構造または尿素構造を有し、−CH−ORを示される1価の基を1つ以上有していることにより、アミン化合物同士が隣接せずに、適度に嵩高く大きな体積を有するという特徴をもつ。これにより、アミン化合物の官能基(−CH−OR)が樹脂と重合または架橋する際に、樹脂の分子鎖を押し退け、樹脂の分子鎖同士の凝集(偏在)を抑えるという作用があると考えられる。さらに、偏在が抑制された樹脂の分子鎖に結合しているアミン化合物に、電子輸送物質が結合している形となるため、電子輸送物質由来の部位も偏在することなく下引き層内に均一に存在することになる。これにより、アミン化合物、電子輸送物質、樹脂に由来する構造が均一に存在する重合物が得られ、電子の滞留が大幅に減少し、より高いレベルのゴースト抑制効果が得られると推測している。
本発明の電子写真感光体は、支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体である。この感光層は、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質(正孔輸送物質)を含有する電荷輸送層(正孔輸送層)とに分離した積層型(機能分離型)感光層であることが好ましい。さらに、電子写真特性の観点から、積層型感光層は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であることが好ましい。
図4の(a)および(b)は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す図である。図4の(a)および(b)中、101は支持体であり、102は下引き層であり、103は感光層であり、104は電荷発生層、105は電荷輸送層である。
一般的な電子写真感光体として、円筒状支持体上に感光層(電荷発生層、電荷輸送層)を形成してなる円筒状の電子写真感光体が広く用いられるが、ベルト状、シート状などの形状とすることも可能である。
〔下引き層〕
支持体または後述する導電層と、感光層との間に下引き層が設けられる。
下引き層には、上記(i)、上記(ii)、および上記(iii)を含む組成物の重合により得られる重合物を含有する。また、これら化合物を2種以上有していても良い。
下引き層の形成方法は、アミン化合物、樹脂、電子輸送物質の組成物を含有する下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を加熱乾燥させることによって、組成物を重合させ、下引き層を形成する。塗膜形成後これらの化合物が化学反応により重合(硬化)するが、その際に加熱することで化学反応が促進され、重合が促進される。
下引き層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
上記重合物の含有量は、ゴーストの抑制という観点から、下引き層の全質量に対して50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、80質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。
下引き層は、上記重合物以外にも、下引き層の成膜性や電気的特性を高めるために、他の樹脂、上記アミン化合物以外の架橋剤、有機粒子、無機粒子、レベリング剤、硬化促進のための触媒などを含有してもよい。ただし、下引き層におけるそれらの含有量は、下引き層の全質量に対して50質量%未満であることが好ましく、20質量%未満であることがより好ましい。
〔電荷輸送物質〕
次に、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質について説明する。上記電子輸送物質の具体的な例としては、以下の式(A1)〜(A9)のいずれかに示される化合物が挙げられる。
Figure 0005972218
式(A1)〜(A9)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、およびR901〜R908は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基または複素環を示し、R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、およびR901〜R908の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。該アルキル基中の炭素原子の1つは、O、S、NH、NR1001(R1001はアルキル基)で置き換わっていても良い。該置換アルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換アリール基または複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401およびZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。
Figure 0005972218
式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR19(R19はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
γは、水素原子、炭素数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示す。これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
上記式(A1)〜(A9)のいずれかで示される化合物(以下、化合物(A1)〜(A9とも称する)の分子量は、上記アミン化合物の分子量に近い方が、重合物を得る際に、化合物(A1)〜(A9)が均一に存在させやすい。従い、化合物(A1)〜(A9)の分子量と上記アミン化合物の分子量の比は0.5〜1.5の範囲が好ましく、0.8〜1.2の範囲がより好ましい。
また、化合物(A1)〜(A9)の重量平均分子量(Mw)は、150以上1000以下であると、重合物中の電荷輸送性化合物の凝集が抑制されて、下引き層の均一性が高まり、ポジゴーストの低減効果が得られるのでより好ましい。より好ましくは、190以上650以下である。
表1−1、表1−2、表1−3、表1−4、表1−5、表1−6に、上記式(A1)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表2−1、表2−2、表2−3に、上記式(A2)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表3−1、表3−2、表3−3に、上記式(A3)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表4−1、表4−2には、上記式(A4)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表5−1、表5−2に、上記式(A5)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表6に、上記式(A6)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
表7−1、表7−2、表7−3に、上記式(A7)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表8−1、表8−2、表8−3に、上記式(A8)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
表9−1、表9−2に、上記式(A9)で示される化合物の具体例を示す。表中、γが「−」である場合は、γは水素原子を示し、αまたはβの欄に表示する。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
(A1)の構造を有する誘導体(電子輸送物質の誘導体)は、例えば、米国特許第4442193号公報、米国特許第4992349号公報、米国特許第5468583号公報、Chemistry of materials,Vol.19,No.11,2703−2705(2007)に記載の公知の合成方法を用いて合成することが可能である。また、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)、およびジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なナフタレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成する事が出来る。
(A1)で示される化合物には、上記アミン化合物と硬化(重合)することが可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A1)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。(A1)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法。前記重合性官能基または重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法。後述の方法としては、例えばナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、ナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法。ナフチルイミド誘導体のハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。ナフチルイミド誘導体を合成する際の原料として、前記重合性官能基または、重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有するナフタレンテトラカルボン酸二無水物誘導体又はモノアミン誘導体を用いる方法がある。
(A2)の構造を有する誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。また、フェナントレン誘導体またはフェナントロリン誘導体を基に、Chem.Educator No.6,227−234(2001)、有機合成化学協会誌,vol.15,29−32(1957)、有機合成化学協会誌,vol.15,32−34(1957)に記載の合成方法で合成することもできる。マロノニトリルとの反応によりジシアノメチレン基を導入することもできる。
(A2)で示される化合物は、アミン化合物と重合することが可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A2)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。(A2)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法。重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えば、フェナントレンキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、フェナントレンキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法。フェナントレンキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A3)の構造を有する誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。また、フェナントレン誘導体またはフェナントロリン誘導体を基に、Bull.Chem.Soc.Jpn.,Vol.65,1006−1011(1992)に記載の合成方法で合成することもできる。マロノニトリルとの反応によりジシアノメチレン基を導入することもできる。
(A3)で示される化合物は、アミン化合物と重合することが可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A3)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。(A3)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法。重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えば、フェナントロリンキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、フェナントロリンキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法。フェナントロリンキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A4)の構造を有する誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。また、アセナフテンキノン誘導体を基にTetrahedron Letters,43(16),2991−2994(2002)、Tetrahedron Letters,44(10),2087−2091(2003)に記載の合成方法で合成することもできる。マロノニトリルとの反応により、ジシアノメチレン基を導入することもできる。
(A4)で示される化合物は、アミン化合物と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A4)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。(A4)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法。重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えば、アセナフテンキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、アセナフテンキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法。アセナフテンキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A5)の構造を有する誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。また、フルオレノン誘導体とマロノニトリルを用い、米国特許第4562132号公報に記載の合成方法を用いて合成することができる。また、フルオレノン誘導体およびアニリン誘導体を用い、特開平5−279582号公報、特開平7−70038号公報に記載の合成方法を用いて合成することもできる。
(A5)で示される化合物は、アミン化合物と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A5)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。(A5)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法。重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えば、フルオレノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、フルオレノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法。フルオレノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A6)の構造を有する誘導体は、例えばChemistry Letters,37(3),360−361(2008)、特開平9−151157号公報に記載の合成方法を用いて合成することが出来る。また、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。
(A6)で示される化合物は、アミン化合物と重合することが可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A6)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。ナフトキノン誘導体に重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。この方法は、例えば、ナフトキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、ナフトキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法る方法。ナフトキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A7)の構造を有する誘導体は、特開平1−206349号公報、PPCI/Japan Hard Copy’98 予稿集p.207(1998)に記載の合成方法を用いて合成することができる。また、東京化成工業(株)またはシグマアルドリッチジャパン(株)から購入可能なフェノール誘導体を原料として合成することができる。
(A7)で示される化合物は、アミン化合物と重合することが可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A7)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、以下の方法が挙げられる。重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。この方法としては、例えば、ジフェノキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、ジフェノキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法。ジフェノキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
(A8)の構造を有する誘導体は、例えば、Journal of the American chemical society,Vol.129,No.49,15259−78(2007)に記載の公知の合成方法を用いて合成することができる。また、東京化成工業(株)やシグマアルドリッチジャパン(株)やジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能なペリレンテトラカルボン酸二無水物とモノアミン誘導体との反応で合成する事が出来る。
(A8)で示される化合物は、アミン化合物と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A8)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、(A8)の構造を有する誘導体に直接重合性官能基を導入する方法、重合性官能基または重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有する構造を導入する方法がある。後述の方法としては、例えば、ペリレンイミド誘導体のハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用いる方法、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用いる方法がある。ペリレンイミド誘導体を合成する際の原料として、前記重合性官能基または重合性官能基の前駆体と成り得る官能基を有するペリレンテトラカルボン酸二無水物誘導体又はモノアミン誘導体を用いる方法がある。
(A9)の構造を有する誘導体は、例えば、東京化成工業(株)、シグマアルドリッチジャパン(株)またはジョンソン・マッセイ・ジャパン・インコーポレイテッド社から購入可能である。
(A9)で示される化合物は、アミン化合物と重合可能な重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有する。(A9)の構造を有する誘導体にこれらの重合性官能基を導入する方法としては、購入可能なアントラキノン誘導体に重合性官能基もしくは重合性官能基の前駆体となる官能基を有する構造を導入する方法がある。この方法としては、例えば、アントラキノンのハロゲン化物を元に、パラジウム触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アリール基を導入する方法がある。また、アントラキノンのハロゲン化物を元に、FeCl触媒と塩基を使用したクロスカップリング反応を用い、官能基含有アルキル基を導入する方法。アントラキノンのハロゲン化物を元に、リチオ化を経た後にエポキシ化合物やCOを作用させ、ヒドロキシアルキル基やカルボキシル基を導入する方法もある。
〔アミン化合物〕
次に、アミン化合物について説明する。アミン化合物は、下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物、下記式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される。
Figure 0005972218
式(C1)〜(C5)中、R11〜R16、R22〜R25、R31〜R34、R41〜R44、およびR51〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アシル基または−CH−ORを示される1価の基を示す。R11〜R16の少なくとも1つ、R22〜R25の少なくとも1つ、R31〜R34の少なくとも1つ、R41〜R44の少なくとも1つ、およびR51〜R54の少なくとも1つは、−CH−ORを示される1価の基である。Rは、水素原子または炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、iso−プロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基)などが、重合性の観点から好ましい。R21は、アリール基、アルキル基置換のアリール基、シクロアルキル基、またはアルキル基置換のシクロアルキル基を示す。
11〜R16の少なくとも3つ、R22〜R25の少なくとも3つ、R31〜R34の少なくとも3つ、R41〜R44の少なくとも3つ、およびR51〜R54の少なくとも3つは、−CH−ORを示される1価の基であることがより好ましい。
また、式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物のオリゴマー(多量体)を含有していても良い。上述の均一な重合物の膜を得る観点から、アミン化合物の全質量中、式(C1)〜(C5)のいずれかで示される化合物(単量体)を10質量%以上含有していることが好ましい。
上述の多量体の重合度は、2以上100以下であることが好ましい。また、上述の多量体および単量体は、2種以上混合して用いることもできる。
また、アミン化合物の分子量は、150以上1000以下であると、下引き層の均一性が高まり、ポジゴーストの低減効果が得られるのでより好ましい。より好ましくは、180以上560以下である。
上記式(C1)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、スーパーメラミNo.90(日本油脂社製)、スーパーベッカミン(R)TD−139−60、L−105−60、L127−60、L110−60、J−820−60、G−821−60(DIC社製)、ユーバン2020(三井化学)、スミテックスレジンM−3(住友化学工業)、ニカラックMW−30、MW−390、MX−750LM(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。上記式(C2)で示される化合物の一般的に購入可能なものは、例えば、スーパーベッカミン(R)L−148−55、13−535、L−145−60、TD−126(DIC社製)、ニカラックBL−60、BX−4000(日本カーバイド社製)が挙げられる。上記式(C3)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−280(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。上記式(C4)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−270(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。上記式(C5)で示される化合物の一般的に購入可能なものをしては、例えば、ニカラックMX−290(日本カーバイド社製)、などが挙げられる。
以下に、式(C1)の化合物の具体例を示す。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
以下に、式(C2)の化合物の具体例を示す。
Figure 0005972218
以下に、式(C3)の化合物の具体例を示す。
Figure 0005972218
以下に、式(C4)の化合物の具体例を示す。
Figure 0005972218
以下に、式(C5)の化合物の具体例を示す。
Figure 0005972218
〔樹脂〕
次に、式(B)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(以下樹脂Bとも称する)について説明する。樹脂Bは、例えばシグマアルドリッチジャパン(株)や東京化成工業(株)から購入可能な、重合性官能基(ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基)を有するモノマーを重合させることで得られる。
Figure 0005972218
式(B)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、またはメトキシ基を示す。
また、樹脂として、一般的に購入することも可能である。購入可能な樹脂としては、日本ポリウレタン工業(株)製AQD−457、AQD−473、三洋化成工業(株)製サンニックスGP−400、GP−700などのポリエーテルポリオール系樹脂、日立化成工業(株)製フタルキッドW2343、DIC(株)製ウォーターゾールS−118、CD−520、ベッコライトM−6402−50、M−6201−40IM、ハリマ化成(株)製ハリディップWH−1188、日本ユピカ社製ES3604、ES6538などのポリエステルポリオール系樹脂、DIC(株)製、バーノックWE−300、WE−304などのポリアクリルポリオール系樹脂、株式会社クラレ製クラレポバールPVA−203などのポリビニルアルコール系樹脂、積水化学工業(株)製BX−1、BM−1、KS−1、KS−5などのポリビニルアセタール系樹脂、ナガセケムテックス(株)製トレジンFS−350などのポリアミド系樹脂、日本触媒(株)製アクアリック、鉛市(株)製ファインレックスSG2000などのカルボキシル基含有樹脂、DIC(株)製ラッカマイドなどのポリアミン樹脂、東レ(株)製QE−340Mなどのポリチオール樹脂などが挙げられる。これらの中でもポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルポリオール系樹脂などが重合性、下引き層の均一性の観点からより好ましい。
樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は5000以上400000以下の範囲であることが好ましく、5000以上300000以下の範囲であることがより好ましい。その理由としては、上述のアミン化合物の重合性官能基(−CH−ORで示される1価の基)が樹脂Bと重合(架橋)した際に、樹脂Bの分子鎖同士の凝集が抑えられる。そして、樹脂の分子鎖同士の凝集が抑えられ、さらに上述のアミン化合物の偏在が抑制されるため、電子輸送物質部位も偏在することなく下引き層内に均一に存在することができるためであると考えられる。
樹脂中の重合性官能基の定量法は、以下の方法が挙げられる。水酸化カリウムを用いたカルボキシル基の滴定、亜硝酸ナトリウムを用いたアミノ基の滴定、無水酢酸と水酸化カリウムを用いたヒドロキシ基の滴定、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を用いたチオール基の滴定などが挙げられる。また、重合性官能基導入比率を変化させた試料のIRスペクトルから得られる検量線法が挙げられる。
続いて、以下に、樹脂Bの具体例を示す。
Figure 0005972218
上述のアミン化合物が有する官能基(−CH−ORを示される1価の基)と、樹脂の重合性官能基および電子輸送物質の重合性官能基を合計した官能基との比は、1:0.5〜1:3.0が、反応する官能基の割合が高くなるため好ましい。
本発明に係る化合物等の確認は、以下の方法によって行った。
・質量分析
質量分析計(MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex)を用い、加速電圧:20kV、モード:Reflector、分子量標準品:フラーレンC60の条件で、分子量を測定した。得られたピークトップ値で確認した。
・NMR分析
1,1,2,2−テトラクロロエタン(d2)または、ジメチルスルホキシド(d6)中、120℃にてH−NMR、13C−NMR分析(FT−NMR:日本電子(株)製JNM−EX400型)により構造を確認した。
・GPC分析
東ソー(株)製のゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」で測定し、ポリスチレン換算で計算した。
また、アミン化合物、樹脂B、および電子輸送物質を含有する下引き層用塗布液の塗膜をアルミシート上にマイヤーバーを用いて形成し、この塗膜を160℃40分間、加熱乾燥させ、下引き層を形成した。得られた下引き層を、シクロヘキサノン/酢酸エチル=1/1の混合溶剤に2分間浸漬し、160℃5分間で乾燥させた。浸漬前後の下引き層の重量を確認した。実施例においては、浸漬することで下引き層の成分の溶出が無いこと(重量差±2%以内)を確認する。
また、本発明の実施例において、アミン化合物、樹脂、および電子輸送物質を用いて下引き層を形成し、得られた下引き層を、シクロヘキサノン/酢酸エチルの混合溶剤に浸漬し、溶出前後の下引き層の重量を確認した。その結果、溶出が無く、硬化(重合)していることを確認した。
〔支持体〕
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属または合金製の支持体を用いることができる。ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜を形成した支持体、または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成した支持体が挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング処理、ブラスト処理、切削処理などの処理を施してもよい。
支持体と、後述の下引き層との間には、導電層を設けてもよい。導電層は、導電性粒子を樹脂に分散させた導電層用塗布液の塗膜を支持体上に形成し、乾燥させることで得られる。導電性粒子としては、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラックや、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀のような金属粉や、導電性酸化スズ、ITOのような金属酸化物粉体が挙げられる。
また、樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂およびアルキッド樹脂が挙げられる。
導電層用塗布液の溶剤としては、例えば、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤および芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより好ましい。
〔感光層〕
下引き層上には、感光層が設けられる。
電荷発生物質としては、アゾ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体、イソビオラントロン誘導体、インジゴ誘導体、チオインジゴ誘導体、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、ビスベンズイミダゾール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、またはフタロシアニン顔料が好ましい。フタロシアニン顔料の中でも、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが好ましい。
感光層が積層型感光層である場合、電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体および共重合体や、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
電荷発生層において、電荷発生物質と結着樹脂との比率(電荷発生物質/結着樹脂)は、10/1〜1/10の範囲であることが好ましく、5/1〜1/5の範囲であることがより好ましい。電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましい。
正孔輸送物質としては、例えば、多環芳香族化合物、複素環化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ベンジジン化合物、トリアリールアミン化合物、トリフェニルアミンなどが挙げられる。また、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖に有するポリマーも挙げられる。
感光層が積層型感光層である場合、電荷輸送層(正孔輸送層)に用いられる結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリスチレン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂が好ましい。また、これらの重量平均分子量(Mw)は、10,000〜300,000の範囲であることが好ましい。
電荷輸送層において、正孔輸送物質と結着樹脂との比率(正孔輸送物質/結着樹脂)は、10/5〜5/10の範囲であることが好ましく、10/8〜6/10の範囲であることがより好ましい。電荷輸送層の膜厚は、5μm以上40μm以下であることが好ましい。電荷輸送層用塗布液に用いられる溶剤は、アルコール系溶剤、スルホキシド系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤または芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。
なお、支持体と上記下引き層との間や上記下引き層と感光層との間に、本発明に係る重合体を含有しない第2の下引き層などの別の層を設けてもよい。
また、感光層(電荷輸送層)上には、導電性粒子または電荷輸送物質と結着樹脂とを含有する保護層(表面保護層)を設けてもよい。保護層には、潤滑剤などの添加剤をさらに含有させてもよい。また、保護層の結着樹脂自体に導電性や電荷輸送性を有させてもよく、その場合、保護層には、当該樹脂以外の導電性粒子や電荷輸送物質を含有させなくてもよい。また、保護層の結着樹脂は、熱可塑性樹脂でもよいし、熱、光、放射線(電子線など)などにより重合させてなる硬化性樹脂であってもよい。
下引き層、電荷発生層、電荷輸送層などの各層を形成する方法としては、各層を構成する材料を溶剤に溶解および/または分散させて得られた塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥および/または硬化させることによって形成する方法が好ましい。塗布液を塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法、スピンコーティング法などが挙げられる。これらの中でも、効率性および生産性の観点から、浸漬塗布法が好ましい。
〔プロセスカートリッジおよび電子写真装置〕
図1に、電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
図1において、1は円筒状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。回転駆動される電子写真感光体1の表面(周面)は、帯電手段3(一次帯電手段:帯電ローラーなど)により、正または負の所定電位に均一に帯電される。次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)からの露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の表面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、次いで現像手段5の現像剤に含まれるトナーにより現像されてトナー像となる。次いで、電子写真感光体1の表面に形成担持されているトナー像が、転写手段(転写ローラーなど)6からの転写バイアスによって、転写材(紙など)Pに順次転写されていく。なお、転写材Pは、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送される。
トナー像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の表面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。次いで、前露光手段(不図示)からの前露光光(不図示)により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、図2に示すように、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6、クリーニング手段7などの要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に支持し、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下、実施例により、本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。まず、本発明に係る電子輸送物質の合成例を示す。
(合成例1)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製)5.4部および2−メチル6−エチルアニリン(東京化成工業(株)製)4部、2−アミノ1−ブタノール3部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A101を1.0部得た。
(合成例2)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、東京化成工業(株)製ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株))製5.4部、および2−アミノ酪酸(東京化成工業(株))5部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A128を4.6部得た。
(合成例3)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部および2,6ジエチルアニリン(東京化成工業(株)製)4.5部、4−アミノベンゼンチオール4部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A114を1.3部得た。
(合成例4)
トルエン100部およびエタノール50部の混合溶媒へ、アルドリッチ社製4−(ヒドロキシメチル)フェニルボロン酸2.8部およびシグマアルドリッチジャパン(株)社製フェナントレンキノンから窒素雰囲気下でChem. Educator No.6, 227−234 (2001)に記載の合成方法で合成した3,6−ジブロモ−9,10−フェナントレンジオン7.4部を加え、20%炭酸ナトリウム水溶液100部を滴下した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を0.55部添加した後、2時間還流させた。反応後有機相をクロロホルムで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、化合物A216を3.2部得た。
(合成例5)
3−アミノフェニルボロン酸1水和物2.8部およびフェナントロリンキノン(シグマアルドリッチジャパン(株)社製)を窒素雰囲気下で、合成例4と同様に2,7−ジブロモ−9,10−フェナントロリンキノン7.4部を合成した。トルエン100質量部およびエタノール50質量部の混合溶媒に、2,7−ジブロモ−9,10−フェナントロリンキノン7.4部を加えた。さらに、20%炭酸ナトリウム水溶液100部を滴下した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を0.55部添加した後、2時間還流させた。反応後、有機相をクロロホルムで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥を行った。溶媒を減圧下で除去した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製を行い、化合物A316を2.2部得た。
(合成例6)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ペリレンテトラカルボン酸二無水物(東京化成工業(株)製)7.4部および2,6ジエチルアニリン(東京化成工業(株)製)4部、2−アミノフェニルエタノール4部を加え、室温で1時間撹拌し、溶液を調製した。溶液を調製後、8時間還流を行い、析出物を濾別し、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A803を5.0部得た。
(合成例7)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール5.2部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。ジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチルで再結晶を行い、化合物A157を5.0部得た。
(合成例8)
ジメチルアセトアミド200部に、窒素雰囲気下で、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物5.4部およびロイシノール2.6部、2−(2−アミノエチルチオ)エタノール2.7部を加え、室温で1時間撹拌後、7時間還流を行った。得られた黒褐色溶液からジメチルアセトアミドを減圧蒸留で除いた後、酢酸エチル/トルエン混合溶液に溶解した。
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒酢酸エチル/トルエン)で分離後、目的物を含有するフラクションを濃縮し、得られた結晶をトルエン/ヘキサン混合溶液で再結晶を行い、化合物A177を2.5部得た。
次に、電子写真感光体の作製および評価について示す。
(実施例1)
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
次に、酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子50部、フェノール樹脂40部、メトキシプロパノール50部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、3時間分散処理することによって、導電層用塗布液(分散液)を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が28μmの導電層を形成した。酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子は、粉体抵抗率:120Ω・cm、酸化スズの被覆率:40%であり、フェノール樹脂は、商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製、樹脂固形分:60%のものを用いた。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.31μmであった。
次に、化合物(A−101)5部、アミン化合物(C1−3)3.5部、樹脂(B1)3.4部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。
次に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する。)10部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部およびシクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、1.5時間分散処理した。次に、これに酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式(15)で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)8部、および、ポリエステル樹脂(H)10部を、ジメトキシメタン40部およびo−キシレン60部の混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。この電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの電荷(正孔)輸送層を形成した。ポリエステル樹脂Hは、下記式(16−1)で示される繰り返し構造単位と、下記式(16−2)で示される繰り返し構造単位を5/5の割合で有し、重量平均分子量(Mw)が100000である。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
このようにして、支持体上に導電層、下引き層、電荷発生層および電荷輸送層を有する電子写真感光体を製造した。
(評価)
製造した電子写真感光体を、23℃、50%RHの環境下にて、キヤノン(株)製のレーザービームプリンター(商品名:LBP−2510)の改造機(前露光OFF、一次帯電:ローラー接触DC帯電、プロセススピード120mm/秒、レーザー露光。)に装着して、表面電位の測定および出力画像の評価を行った。詳しくは以下のとおりである。
(表面電位の測定)
表面電位の測定は、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジを改造し、現像位置に電位プローブ(model6000B−8:トレック・ジャパン(株)製)を装着した。さらに、電子写真感光体の中央部の電位を表面電位計(model344:トレック・ジャパン(株)製)を使用して測定した。ドラムの表面電位は、暗部電位(Vd)が−600V、明部電位(Vl)が−200Vになるよう、画像露光の光量を設定した。
(ポジゴーストの評価)
続いて、上記レーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、製造した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。まず、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
次に、A4サイズの普通紙で、3,000枚のフルカラー画像(各色印字率1%の文字画像)の出力を行い、その後、ベタ白画像1枚、ゴースト評価用画像5枚、ベタ黒画像1枚、ゴースト評価用画像5枚の順に連続して画像出力を行った。
ゴースト評価用画像は、図2に示すように、画像の先頭部に「白画像」中に四角の「ベタ画像」を出した後、図3に示す「1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像」を作成したものである。なお、図2中、「ゴースト」部は、「ベタ画像」に起因するゴーストが出現し得る部分である。
ポジゴーストの評価は、1ドット桂馬パターンのハーフトーン画像の画像濃度と、ゴースト部の画像濃度との濃度差を測定することで行った。分光濃度計(商品名:X−Rite504/508、X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト評価用画像中で濃度差を10点測定した。この操作をゴースト評価用画像10枚すべてで行い、合計100点の平均を算出し、初期画像出力時のマクベス濃度差(初期)を評価した。次に、3,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差の差(変化分)を算出して、マクベス濃度差の変動分を求めた。マクベス濃度差が小さいほど、ポジゴーストが抑制されたことを意味する。そして3,000枚の出力後のマクベス濃度差と初期画像出力時のマクベス濃度差との差が小さい程、ポジゴーストの変動変化が小さい事を意味する。結果を表11に示す。
(実施例2〜150)
実施例1において、電子輸送物質(化合物A)、式(B)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(樹脂B)、アミン化合物(化合物C)の種類と含有量を表11〜13に示すように変更した以外は、実施例1と電子写真感光体を製造した。この電子写真感光体を実施例1と同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表11〜13に示す。
(実施例151)
実施例1において、導電層用塗布液、下引き層用塗布液および電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
導電層用塗布液の調整を以下のように変更した。金属酸化物粒子としての酸素欠損型酸化スズ(SnO)が被覆されている酸化チタン(TiO)粒子214部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325。)132部、および、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して10質量%になるように、表面粗し付与材としてのシリコーン樹脂粒子を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、レベリング剤としてのシリコーンオイルを分散液に添加した。この分散液を撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
次に、下引き層用塗布液の調整を以下のように変更した。化合物(A157)5部、メラミン化合物(C1−3)3.5部、樹脂(B25)3.4部、触媒としてのドデシルベンゼンスルホン酸0.1部を、ジメチアセトアミド100部とメチルエチルケトン100部の混合溶媒に溶解し、下引き層用塗布液を調製した。この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、硬化(重合)させることによって、膜厚が0.5μmの下引き層を形成した。シリコーン樹脂粒子は、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ(株)製のトスパール120、平均粒径2μmを用いた。シリコーンオイルは、東レ・ダウコーニング(株)製のSH28PAを用いた。
次に電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した。式(15)で示される構造を有する電荷輸送物質9部、下記式(18)で示される構造を有する電荷輸送物質1部、ポリエステル樹脂F(重量平均分子量90,000。下記式(24)で示される繰り返し構造単位、下記式(26)で示される繰り返し構造単位と式(25)で示される繰り返し構造を7:3の比で有する。)3部、および、ポリエステル樹脂H(重量平均分子量120,000)7部を、ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン50部の混合溶剤に溶解させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。なお、ポリエステル樹脂Fにおける、下記式(24)で示される繰り返し構造単位の含有量が10質量%であり、下記式(25)、(26)で示される繰り返し構造単位の含有量が90質量%であった。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。形成された電荷輸送層には電荷輸送物質とポリエステル樹脂Hを含むマトリックス中にポリエステル樹脂Fを含むドメイン構造が含有されていることが確認された。
(実施例152)
実施例151において、電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例151と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
電荷輸送層用塗布液の調製を以下のように変更した。式(15)で示される構造を有する電荷輸送物質9部、式(18)で示される構造を有する電荷輸送物質1部、ポリカーボネート樹脂I(重量平均分子量70,000。下記式(29)で示される繰り返し構造単位を有する。)10部、および、ポリカーボネート樹脂J(重量平均分子量40,000。式(29)で示される繰り返し構造単位、下記式(30)で示される繰り返し構造単位、および、末端の少なくともいずれか一方に下記式(31)で示される構造を有する。)0.3部を、ジメトキシメタン30部およびオルトキシレン50部混合溶剤に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。なお、ポリカーボネート樹脂Jにおける、下記式(30)と(31)で示される構造の合計質量が30質量%であった。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が16μmの電荷輸送層を形成した。
Figure 0005972218
(実施例153)
実施例152の電荷輸送層用塗布液の調製において、ポリカーボネート樹脂I10部の代わりに、ポリエステル樹脂H10部とした以外は実施例152と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
(実施例154〜156)
実施例151〜153において、導電層用塗布液の調製を以下のように変更した以外は、実施例151〜153と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
導電層用塗布液の調製を以下のように変更した。金属酸化物粒子としてのリン(P)がドープされている酸化スズ(SnO)で被覆されている酸化チタン(TiO)粒子207部、結着樹脂としてのフェノール樹脂(商品名:プライオーフェンJ−325。)144部、および、1−メトキシ−2−プロパノール98部を、直径0.8mmのガラスビーズ450部を用いたサンドミルに入れ、回転数:2000rpm、分散処理時間:4.5時間、冷却水の設定温度:18℃の条件で分散処理を行い、分散液を得た。この分散液からメッシュ(目開き:150μm)でガラスビーズを取り除いた。
ガラスビーズを取り除いた後の分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して15質量%になるように、シリコーン樹脂粒子(商品名:トスパール120)を分散液に添加した。また、分散液中の金属酸化物粒子と結着樹脂の合計質量に対して0.01質量%になるように、シリコーンオイル(商品名:SH28PA)を分散液に添加した。この分散液を撹拌することによって、導電層用塗布液を調製した。この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間150℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が30μmの導電層を形成した。
(実施例157,158)
実施例151において、電子輸送物質の種類と含有量を表14に示すように変更した以外は、実施例151と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表14に示す。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
Figure 0005972218
(比較例1〜8)
実施例1において、樹脂Bを含有せず、電子輸送物質(化合物A)、アミン化合物(化合物C)の種類と含有量を表15に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表15に示す。
(比較例9〜13)
電子輸送物質として下記式(Y−1)で示される化合物に変更し、アミン化合物と樹脂Bの種類と含有量を表15に示すように変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造し、同様にポジゴーストの評価を行った。結果を表15に示す。
Figure 0005972218
(比較例14)
下記式で示されるブロック共重合体(特表2009−505156号公報に記載の共重合体)、ブロックイソシアネート化合物、および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を用いて下引き層を作成した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を製造した。この電子写真感光体を実施例1と同様に評価を行った。マクベス濃度の初期は0.03、マクベス濃度の変化分は0.05だった。
Figure 0005972218
Figure 0005972218
実施例と比較例1〜8との比較により、特開2003−330209号公報および、特開2008−299344号公報に開示された構成では、本願の効果(繰り返し使用時のポジゴーストの変動の低減効果。)が十分に得られない場合があることが分かる。これは、樹脂Bが存在しない為、アミン化合物同士の結合が多く進行した結果、電子輸送物質の下引き層中の偏在を引き起こし、繰り返し使用により電子が滞留し易くなっていると思われる。また、実施例と比較例14との比較により、特表2009−505156号公報に開示された構成でも、繰り返し使用時のポジゴーストの変動の低減に十分な効果が得られない場合があることが分かる。これは電子輸送物質がポリマーであるため、ブロックイソシアネート化合物と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との硬化膜を形成しても下引き層中に成分の凝集がおき、繰り返し使用により電子が滞留し易くなっていると思われる。実施例と比較例9〜13との比較により、樹脂Bと電子輸送物質とが結合せず、溶剤に溶解後、分散した状態では、初期のポジゴーストおよび繰り返し使用時のポジゴーストの変動の低減に十分な効果が得られないことが分かる。下引き層上に電荷発生層を形成する際に、電子輸送物質が上層(電荷発生層)に移行したため、下引き層中の電子輸送物質が減少し、上層に電子輸送物質が混入することで電子の滞留が生じているためであると思われる。

Claims (7)

  1. 支持体、下引き層、および感光層をこの順に有する電子写真感光体の製造方法であって、
    該製造方法が、
    (i)下記式(C1)で示される化合物、下記式(C1)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C2)で示される化合物、下記式(C2)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C3)で示される化合物、下記式(C3)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C4)で示される化合物、下記式(C4)で示される化合物のオリゴマー、下記式(C5)で示される化合物、および下記式(C5)で示される化合物のオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種、
    (ii)下記式(B)で示される構造単位を有する樹脂、および
    (iii)ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1つの置換基を有する電子輸送物質
    を含む組成物を含有する下引き層用塗布液を用いて塗膜を形成する工程と、
    該塗膜を加熱乾燥させることによって、該組成物を重合させ、該下引き層を形成する工程を有することを特徴とする電子写真感光体の製造方法
    Figure 0005972218

    (式(C1)〜(C5)中、R11〜R16、R22〜R25、R31〜R34、R41〜R44、およびR51〜R54は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、アシル基または−CH−ORを示される1価の基を示し、R11〜R16の少なくとも1つ、R22〜R25の少なくとも1つ、R31〜R34の少なくとも1つ、R41〜R44の少なくとも1つ、およびR51〜R54の少なくとも1つは、−CH−ORを示される1価の基である。Rは、水素原子または炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。R21は、アリール基、アルキル基置換のアリール基、シクロアルキル基、またはアルキル基置換のシクロアルキル基を示す。)
    Figure 0005972218

    (式(B)中、R61は、水素原子またはアルキル基を示す。Yは、単結合、アルキレン基またはフェニレン基を示す。Wは、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基またはメトキシ基を示す。)
  2. 前記電子輸送物質が、下記式(A1)で示される化合物、下記式(A2)で示される化合物、下記式(A3)で示される化合物、下記式(A4)で示される化合物、下記式(A5)で示される化合物、下記式(A6)で示される化合物、下記式(A7)で示される化合物、下記式(A8)で示される化合物および下記式(A9)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法
    Figure 0005972218

    (式(A1)〜(A9)中、R101〜R106、R201〜R210、R301〜R308、R401〜R408、R501〜R510、R601〜R606、R701〜R708、R801〜R810、およびR901〜R908は、それぞれ独立に、下記式(A)で示される1価の基、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基または複素環を示し、R101〜R106の少なくとも1つ、R201〜R210の少なくとも1つ、R301〜R308の少なくとも1つ、R401〜R408の少なくとも1つ、R501〜R510の少なくとも1つ、R601〜R606の少なくとも1つ、R701〜R708の少なくとも1つ、R801〜R810の少なくとも1つ、およびR901〜R908の少なくとも1つは、下記式(A)で示される1価の基である。該アルキル基の炭素原子の1つは、O、S、NH、NR1001(R1001はアルキル基)で置き換わっても良い。該置換アルキル基の置換基は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、カルボニル基である。該置換アリール基または複素環基の置換基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基、カルボニル基である。Z201、Z301、Z401およびZ501は、それぞれ独立に、炭素原子、窒素原子、または酸素原子を示す。Z201が酸素原子である場合はR209およびR210は存在せず、Z201が窒素原子である場合はR210は存在しない。Z301が酸素原子である場合はR307およびR308は存在せず、Z301が窒素原子である場合はR308は存在しない。Z401が酸素原子である場合はR407およびR408は存在せず、Z401が窒素原子である場合はR408は存在しない。Z501が酸素原子である場合はR509およびR510は存在せず、Z501が窒素原子である場合はR510は存在しない。)
    Figure 0005972218

    (式(A)中、α、β、およびγの少なくとも1つは置換基を有する基であり、該置換基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。lおよびmは、それぞれ独立に、0または1であり、lとmの和は、0以上2以下である。
    αは、主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基、ベンジル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、アルコシキカルボニル基で置換された主鎖の原子数1〜6のアルキレン基、またはフェニル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキレン基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。該アルキレン基の主鎖中の炭素原子の1つは、OまたはSまたはNHまたはNR19(R19はアルキル基である。)で置き換わっていても良い。
    βは、フェニレン基、炭素数1〜6のアルキル置換フェニレン基、ニトロ置換フェニレン基、ハロゲン基置換フェニレン基、またはアルコキシ基置換フェニレン基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。
    γは、水素原子、主鎖の原子数が1〜6のアルキル基、または炭素数1〜6のアルキル基で置換された主鎖の原子数が1〜6のアルキル基を示し、これらの基は、置換基として、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基およびメトキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の基を有しても良い。)
  3. 前記電子輸送物質の分子量が150以上1000以下である請求項1または2記載の電子写真感光体の製造方法
  4. 前記式(B)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上400000以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法
  5. 前記式(B)で示される構造単位を有する樹脂の重量平均分子量が5000以上300000以下である請求項4に記載の電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記(i)が、
    前記式(C1)〜(C5)のいずれかで示され、かつ分子量が150以上1000以下である化合物である請求項1から5のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法
  7. 前記(i)が、
    前記式(C1)〜(C5)のいずれかで示され、かつ、前記式(C1)〜(C5)中のR11〜R16の少なくとも3つ、R22〜R25の少なくとも3つ、R31〜R34の少なくとも3つ、R41〜R44の少なくとも3つ、およびR51〜R54の少なくとも3つが、−CH−ORを示される1価の基である化合物である請求項1から6のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法
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