JP6408887B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置 - Google Patents
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Description
本発明者らの検討の結果、特許文献1〜4に記載された技術では、ポジゴーストの抑制(低減)、特に連続画像出力前後でのポジゴーストレベルの変動分に関して、まだ改良の余地があるものであった。
該下引き層が、下記(i)または(ii)を含有することを特徴とする電子写真感光体である:
(i)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物(硬化物)、
(ii)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の重合物(硬化物)
R1〜R3、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換の複素環基、主鎖の炭素数が1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基、または、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基を示す。
該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基を示す。
R1とR2は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P2を有さない。
R8とR9は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P15を有さない。
R10とR11は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P12を有さない。
R4〜R7、およびR12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。
R1が水素原子の場合、P1は有さない。R2が水素原子の場合、P2は有さない。R3が水素原子の場合、P3は有さない。R8が水素原子の場合、P14は有さない。R9が水素原子の場合、P15は有さない。R10が水素原子の場合、P11は有さない。R11が水素原子の場合、P12は有さない。
式(1)中、P1〜P3は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P1乃至P3の少なくとも一つは重合性官能基である。
式(2)中、P11、P12、P14、P15は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P11、P12、P14、P15の少なくとも一つは重合性官能基である。)である。
(i)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物(硬化物)。
(ii)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の重合物(硬化物)。
R1〜R3、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換の複素環基、主鎖の炭素数が1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基、または、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基を示す。
該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基を示す。
R1とR2は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P2を有さない。
R8とR9は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P15を有さない。
R10とR11は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P12を有さない。
R4〜R7、およびR12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。
R1が水素原子の場合、P1は有さない。R2が水素原子の場合、P2は有さない。R3が水素原子の場合、P3は有さない。R8が水素原子の場合、P14は有さない。R9が水素原子の場合、P15は有さない。R10が水素原子の場合、P11は有さない。R11が水素原子の場合、P12は有さない。
式(1)中、P1〜P3は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P1〜P3の少なくとも一つは重合性官能基である。
式(2)中、P11、P12、P14、P15は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P11、P12、P14、P15の少なくとも一つは重合性官能基である。
支持体としては、導電性を有するもの(導電性支持体)であることが好ましく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄などの金属またはこれら金属の合金の支持体を用いることができる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラスなどの絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金などの金属の薄膜、または酸化インジウム、酸化スズなどの導電性材料の薄膜を形成してなるものが挙げられる。
支持体の表面には、電気的特性の改善や、半導体レーザーなどコヒーレント光照射時に発生しやすい干渉縞の抑制のため、陽極酸化などの電気化学的な処理や、湿式ホーニング、ブラスト、切削などの処理を施してもよい。
電荷発生層と支持体との間に下引き層が設けられる。
本発明においては、支持体上に、重合性官能基を有する化合物の重合物を含有する下引き層が形成される。下引き層用塗布液の塗膜を成膜後、この化合物が硬化するが、その際に熱等のエネルギーを塗膜に印加することで硬化反応が促進される。
下引き層に含有しても良い架橋剤としては、下引き層に含まれる物質の架橋に関与可能ならばどのような化合物でも良い。一般的に購入可能な架橋剤として、以下に示すイソシアネート化合物、アミン化合物が挙げられる。しかしながら、本発明はこれらに限定されるわけではない。また、架橋剤は複数組み合わせて使用してもよい。
下引き層に含有しても良い樹脂としては、どのような樹脂でも良い。一般的に購入可能な樹脂としては、例えば、ポリエーテルポリオール樹脂、ポリエステルポリオール樹脂、ポリアクリルポリオール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、カルボキシル基含有樹脂、ポリアミン樹脂、ポリチオール樹脂が挙げられる。しかしながら、本発明はこれらに限定されるわけではない。また、樹脂は複数組み合わせて使用してもよい。
上記式(1)及び(2)は、重合性官能基を少なくとも2つ有することが好ましい。
下引き層上には、電荷発生物質および正孔輸送物質を含有する感光層が設けられる。
感光層には、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層と正孔輸送物質を含有する正孔輸送層をこの順に積層した積層型感光層と、電荷発生物質と正孔輸送物質を同一の層に含有させた単層型感光層がある。電荷発生層や正孔輸送層は、それぞれ複数設けてもよい。
図1に、本発明の電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
室温下、窒素気流下で300mlの3つ口フラスコに、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物26.8g(100mmol)、ジメチルアセトアミド150mlを入れた。これに、L−(+)−ロイシノール11.7g(100mmol)とジメチルアセトアミド25mlの混合物を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、100℃まで加熱した後、その温度下で6時間撹拌させた。反応終了後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に精製物を酢酸エチル/ヘキサンにより再結晶し、片側にのみブタノール構造が導入されたモノイミド体15.1gを得た。300mlの3つ口フラスコに、このモノイミド体7.3g(20mmol)と、2−ヒドラジノエタノール1.5g(20mmol)、ジメチルアセトアミド50mlを入れ、5時間加熱還流させた。加熱還流後、容器を冷却し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製した。更に精製物をトルエン/酢酸エチルにより再結晶し、例示化合物(E1)を2.11g得た。
長さ260.5mmおよび直径30mmのアルミニウムシリンダー(JIS−A3003、アルミニウム合金)を支持体(導電性支持体)とした。
この導電層用塗布液における酸素欠損型酸化スズが被覆されている酸化チタン粒子の平均粒径を、(株)堀場製作所製の粒度分布計(商品名:CAPA700)を用い、テトラヒドロフランを分散媒とし、回転数5000rpmにて遠心沈降法で測定した。その結果、平均粒径は0.30μmであった。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を30分間160℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が18μmの導電層を形成した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を40分間160℃で加熱し、溶媒を蒸発させるとともに、硬化させることによって、膜厚が1.5μmの下引き層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を、下引き層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を10分間95℃で乾燥させることによって、膜厚が0.15μmの電荷発生層を形成した。
この正孔輸送層用塗布液を、電荷発生層上に浸漬塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を40分間120℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの正孔輸送層を形成した。
上記改造したレーザービームプリンターのシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、そのプロセスカートリッジをシアンのプロセスカートリッジのステーションに装着し、画像を出力した。
ゴースト評価用画像は図2に示すように、画像の先頭部の白画像21中に四角のベタ画像22を出力した後、図3に示す1ドット桂馬パターン画像23のハーフトーン画像を作成したものである。
例示化合物(E1)2部と例示化合物(E2)2部を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表6に示す。
表6に示すように例示化合物、架橋剤、樹脂の種類及び質量部を変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表6に示す。
表6に示すように例示化合物の種類を変更し、樹脂を用いず、イソシアネート化合物を下記式(5)で示されるアクリル系架橋剤(A−TMPT:新中村工業社製)を用い、触媒としてのジオクチルスズラウレートの代わりにAIBNを用いた以外は、実施例1と同様に下引き層用塗布液を調製した。さらに、下引き層用塗布液の塗膜を形成し、この塗膜を窒素気流下で加熱した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表6に示す。
上記式(3)で示されるアミン化合物(正孔輸送物質)を、下記式(9)で示される化合物4部と下記式(10)で示される化合物4部に変更した以外は、実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表6に示す。
下記式(6)で示される化合物4部とポリカーボネートZ型樹脂(三菱瓦斯化学社製、ユーピロンZ400)4.8部とジメチルアセトアミド100部とテトラヒドロフラン100部を用いて下引き層用塗布液を調製した。それ以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様にゴーストの評価を行った。結果を表6に示す。
*2 BX−1:積水化学工業社製ポリビニルアセタール樹脂 エスレック
*3 BL3575:住化バイエル社製イソシアネート系架橋剤(固形分60%)デスモジュール
*4 BM−1:積水化学工業社製ポリビニルアセタール樹脂 エスレック
*5 BL−1:積水化学工業社製ポリビニルアセタール樹脂 エスレック
*6 J821−60:DIC社製ブチル化メラミン系架橋剤(固形分60%)スーパーベッカミン
*7 A−TMPT:新中村工業社製トリメチロールプロパントリアクリレート
*8 Z400:三菱瓦斯化学社製Z型ポリカーボネート ユーピロン
Claims (15)
- 支持体、該支持体上に形成された下引き層、および該下引き層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であって、
該下引き層が、下記(i)または(ii)を含有することを特徴とする電子写真感光体:
(i)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の重合物、
(ii)下記式(1)で示される化合物、および下記式(2)で示される化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含む組成物の重合物
R1〜R3、R8〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアリーレン基、置換若しくは無置換の複素環基、主鎖の炭素数が1〜6の置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを酸素原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基、または、置換若しくは無置換のアルキレン基の主鎖中のCH2の1つを硫黄原子に置き換えて導かれる主鎖の炭素数が1〜6の2価の基を示す。
該置換のアルキレン基の置換基は、炭素数1〜6のアルキル基、ベンジル基、アルコシキカルボニル基、またはフェニル基を示す。
R1とR2は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P2を有さない。
R8とR9は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P15を有さない。
R10とR11は、互いに結合して置換若しくは無置換の複素環を形成しても良く、該複素環を形成する場合は、P12を有さない。
R4〜R7、およびR12〜R15は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。
R1が水素原子の場合、P1は有さない。R2が水素原子の場合、P2は有さない。R3が水素原子の場合、P3は有さない。R8が水素原子の場合、P14は有さない。R9が水素原子の場合、P15は有さない。R10が水素原子の場合、P11は有さない。R11が水素原子の場合、P12は有さない。
式(1)中、P1〜P3は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P1〜P3の少なくとも一つは重合性官能基である。
式(2)中、P11、P12、P14、P15は、それぞれ独立に、水素原子または重合性官能基を示し、P11、P12、P14、P15の少なくとも一つは重合性官能基である。)。 - 前記重合性官能基が活性水素基である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記活性水素基が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基、およびチオール基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記活性水素基が、ヒドロキシ基、およびカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項3に記載の電子写真感光体。
- 前記(ii)の前記組成物が、さらに架橋剤を含有する請求項1から4のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記架橋剤は、
イソシアネート基もしくはブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、または、
N−メチロール基もしくはアルキルエーテル化されたN−メチロール基を有するアミン化合物
である請求項5に記載の電子写真感光体。 - 前記式(1)で示される化合物及び/又は前記式(2)で示される化合物と前記架橋剤との質量比が100:50以上100:250以下である請求項5または6に記載の電子写真感光体。
- 前記(ii)の前記組成物が、さらに重合性官能基を有する樹脂を含有する請求項5から7のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性官能基を有する樹脂の重合性官能基は、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、カルボキシル基またはメトキシ基である請求項8に記載の電子写真感光体。
- 前記重合性官能基が不飽和炭化水素基である請求項1に記載の電子写真感光体。
- 前記不飽和炭化水素基が、アクリロイルオキシ基、およびメタクリロイルオキシ基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項10に記載の電子写真感光体。
- 前記式(1)または(2)で示される化合物の重合性官能基の数が2つ以上である請求項1から12のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1から13のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1から13のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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