JP5626572B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
高速印刷、大量印刷、印刷物の低コスト化を達成するためには、電子写真の中心デバイスである電子写真感光体が長寿命である必要がある。感光体にはアモルファスシリコンを代表とする無機感光体と有機電荷発生材料及び有機電荷輸送材料からなる有機感光体が用いられているが、(I)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(II)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(III)材料の選択範囲の広さ、(IV)製造の容易さ、(V)低コスト、(VI)無毒性等から有機感光体が有利と考えられている。一方、有機感光体は、傷や摩耗に弱く、傷は画像欠陥に、摩耗は感度の劣化や帯電性の劣化や電荷リークを引き起こし画像濃度低下や地肌汚れ等の異常画像の原因となる。
この有機感光体の耐傷性、耐摩耗性を向上させる手段として、従来の有機感光体上に機械的に丈夫な保護層を形成した感光体が提案されている。例えば、特許文献1には、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層が提案されている。
この感光体は、優れた耐傷性、耐摩耗性を有しており、環境安定性にも優れているため、ドラムヒーターを使用せずに安定した画像出力が可能である。
また、特許文献5には、上記架橋膜を保護層とする感光体の紫外線照射による電気特性低下を防止するために、前記架橋膜中に紫外線吸収剤を含有させ、感光体製造中の感光材料の劣化を防止することが提案されている。
その原因として、ラジカル反応により架橋密度の高い保護層を形成させるためには、光分解性のラジカル重合開始剤を含有させて光(特に紫外線)照射する方法や更にエネルギーの高い電子線や放射線を照射して直接アクリル基を励起して重合開始させる必要があるが、いずれにしても保護層中の電荷輸送性化合物が同時に励起されることでその一部が分解し、その分解物が感光体として重要な機能である電荷輸送機能を低下させていることが考えられる。
また、色素の分解反応を抑制する添加剤として1重項酸素クエンチャー(例えばニッケルジチオラート錯体等)も知られているが、このような材料を保護層中に添加すると感光体の光導電性が全く無くなるという弊害があり使用することができない。
このように少なくともラジカル重合性電荷輸送性化合物を紫外線や電子線で硬化させ3次元架橋膜とした保護層を有する感光体の保護層に起因する問題を改良し、商業印刷分野で求められる高画質(印刷経時での画像濃度の安定性や画像面内の濃度安定性)に対応することができていなかった。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)〜(6)により解決される。
(1)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ホール輸送性保護層を順に積層し、該保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物を紫外線又は電子線を照射することで連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなる電子写真感光体において、該保護層中に下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
(3)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性反応基がアクリロイルオキシ基であることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の電子写真感光体。
(4)前記(1)項乃至(3)項のいずれか1に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
(5)前記(1)項乃至(3)項のいずれか1に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
(6)前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
この保護層の電荷輸送性の改良により印刷経時での電位変動や印刷物面内の電位変動をより小さくすることで印刷経時での画像濃度変動や印刷物の面内濃度ムラの少ない高画質な画像出力が可能になる。
従って、商業印刷分野で強く求められている高画質で高寿命でコストパフォーマンスに優れた画像出力を可能にする電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供できる。
従って光照射ムラが架橋密度ムラというより保護層中の電荷輸送性を担うラジカル重合性電荷輸送性化合物の光分解物生成量ムラにつながっていると推測された。従って、この光分解を抑制できれば電位均一性や電位保持性を劣化させる原因となる保護層中の電荷トラップの発生やムラを抑制できると考えられた。
このような電子写真感光体を用いることで画像濃度均一性に優れた高画質な画像出力が可能になる。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、ホール輸送層(37)とさらにホール輸送性保護層(39)が積層された順層積層構造の感光体である。この4層は必須構成であり、さらに、導電性支持体(31)と電荷発生層(35)の間に1層又は複数層の下引き層が挿入されていても良い。また、電荷発生層(35)とホール輸送層(37)とホール輸送性保護層(39)を合わせた層構成部分を感光層(33)と称する。
導電性支持体(31)としては、従来公知のものが使用される。
アルミニウム、ニッケル等の体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば良く、アルミドラム、アルミ蒸着フィルム、ニッケルベルト等が好ましく使用される。
商業印刷分野での高画質のためには、感光体の寸法精度が厳しく求められるために、引き抜き工法などで製造されたアルミドラムを切削、研磨加工して表面の平滑性や寸法精度を上げたものが好ましい。また、ニッケルベルトとしては、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルトを用いることができる。
電荷発生層(35)は、従来の有機電子写真感光体に用いられてきた電荷発生層がそのまま使用できる。すなわち、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。好ましい電荷発生物質としては、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料やアゾ顔料であり、金属フタロシアニンとしては、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が使用される。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
ホール輸送層には、ホール輸送物質をバインダー樹脂中に分散した従来公知の電荷輸送層がそのまま使用できる。
ホール輸送物質としては、従来公知の材料がそのまま使用できる。
例えば、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等が挙げられる。これらは、単独または混合して使用することができる。
ホール輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成されたホール輸送層上に、ホール輸送性保護層が形成される。
本発明の特徴は、ホール輸送性保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物が高エネルギー線によりラジカル連鎖重合して形成された3次元架橋膜であり、該架橋膜中に特定のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物が含有されていることである。
以下に一般式(1)で表されるテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例を示すがこれらに限定されるわけではなく、前記公報に記載の化合物等が適用できる。
前述のようにこれらナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、ホール輸送性を示さないため、保護層中に過剰に添加するとホール輸送性化合物を希釈することになり電荷輸送特性を低下させて感度劣化等を引き起こす。また、過剰添加はラジカル重合による架橋密度も低下させることになるため、保護層の機械的強度を弱め、耐摩耗性が悪くなる。
従って、効果のある範囲でできるだけ少量添加することが望ましい。添加量を変えた実験により保護層中のラジカル重合性ホール輸送性化合物に対し0.5〜10重量%の範囲で添加するのが電荷トラップの発生を抑制する効果が明確に見られ、保護層への副作用が少ない点でより好ましい。
本発明のホール輸送性保護層は、主にラジカル重合性ホール輸送性化合物を重合させて3次元架橋させたものであるが、3次元架橋させるためには以下の条件がある。
(1)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性官能基数が1個の場合は、ラジカル重合性官能基を一分子中に2個以上有する多官能ラジカル重合性モノマーと混合して重合する。
(2)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性官能基数が2個以上の場合は、ラジカル重合性ホール輸送性化合物を単独で重合させることができ、又、ラジカル重合性官能基を一分子中に1個以上有するラジカル重合性モノマーと混合して重合する。
すなわち、1官能のラジカル重合性ホール輸送性化合物と3官能以上のラジカル重合性モノマーと光重合開始剤と前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を適当な溶媒に溶解させ、ホール輸送層上に塗布した後、紫外線を照射して架橋反応させることにより最適なホール輸送性保護層を形成できる。
かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて上述のように溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ(登録商標)、エチルセロソルブ(登録商標)、セロソルブアセテート(登録商標)などのセロソルブ系などが挙げられる。
これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
例えば、特開2004−212959公報の表3〜表86には数多くの化合物例が記載されており本願でも使用できる。特にラジカル重合性基としては前述したアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらの重合性基がホール輸送性構造と炭素数2以上より好ましくは3以上のアルキレン鎖をかいして結合しているものが特に好ましい。これにより2官能以上のラジカル重合性ホール輸送性化合物の欠点として前述した歪みの発生を緩和することができる。
電子線照射は、光重合開始剤を添加する必要がなく、ラジカル重合性ホール輸送性化合物単独あるいはラジカル重合性モノマーとの混合物を適当な溶媒に溶解させ、ホール輸送層上に塗布した後に、照射することで3次元架橋膜を形成できる。これらの架橋条件については上記特開2004−212959公報にも記載されており、公知技術をそのまま使用することができる。例えば、電子線の加速電圧は250kV以下、照射線量は1Mrad〜20Mradの範囲が好ましく、照射時の酸素濃度を10000ppm以下とするのが好ましい。
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層(33)との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al2O3を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は1〜15μmが適当である。
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、ホール輸送層、ホール輸送性保護層、電荷発生層、下引き層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。添加する酸化防止剤は、従来公知の材料を使用することができ、下記のものが挙げられる。
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置とは、耐摩耗性及び耐傷性が非常に高く、且つクラックや膜剥がれが生じにくい架橋型電荷輸送層を表面に有する積層型感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンタ、LEDプリンタ、液晶プリンタ及びレーザ製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
本発明の弾性変位率τeは、ダイヤモンド圧子を用いた微小表面硬度計の負荷−除荷試験により測定される。図4に示すように、圧子がサンプルに接触した点(a)から一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位(b)で一定時間静止し、更に一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位(c)とする。このとき、得られる押し込み深さと荷重の曲線が図5のように記録され、最大変位(b)と塑性変位(c)弾性変位率τeは以下の式で算出される。
本発明では、ダイナミック微小表面硬度計DUH−201(島津製作所製)、三角すい圧子(115゜)を用いているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でもよい。弾性変位率τeの標準偏差はサンプル上の任意の10箇所について弾性変位率τeを測定し、この10個の値より算出した。測定においては本発明の架橋表面層を有する感光体をアルミニウムシリンダー上に作製し、これを適宜切断して用いた。弾性変位率τeは基板のバネ特性の影響を受けるため、基板としては剛直な金属版、スライドガラスなどが適当である。更に、架橋表面層の下層(例えば、電荷輸送層、電荷発生層など)の硬度や弾性の要素も影響するため、これらの影響を減らすように最大変位が架橋表面層膜厚の1/10になるように規定加重を調整した。架橋表面層のみを単独で基板上に作製すると、下層成分の混入、下層との接着性が変わり、必ずしも感光体の表面架橋層を正確に再現できないため、好ましくない。
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 50部
(CR−EL:石原産業社製、平均一次粒径0.25μm)
・メチルエチルケトン 50部
・下記合成のチタニルフタロシアニン 1.5部
・ポリビニルブチラール樹脂 0.5部
(XYHL、UCC製)
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
合成は、特開2004−83859号公報記載の方法に準じた。即ち、1、3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
・ビスフェノールZ ポリカーボネート樹脂 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造のホール輸送材(HTM−1) 10部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
・酸化防止剤 BHT 0.2部
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−1) 10部
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.1の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー(1) 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・多官能ラジカル重合性モノマー(2) 5部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−4) 10部
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ製)
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.9の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295,化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−5) 10部
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.6の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー(1) 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・多官能ラジカル重合性モノマー(2) 5部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA−60、日本化薬製)
分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−6) 10部
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ製)
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.10の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 4部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−7) 6部
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ製)
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.13の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
・アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
・メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業製)
・酸化チタン 50部
・メチルエチルケトン 50部
・下記構造式のビスアゾ顔料(CGM−1) 2.5部
・ポリビニルブチラール樹脂 0.5部
(XYHL、UCC製)
・シクロヘキサノン 200部
・メチルエチルケトン 80部
・ビスフェノールZ ポリカーボネート樹脂 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・前記構造のホール輸送材(HTM−1) 10部
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
・酸化防止剤 BHT 0.2部
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・前記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−2) 10部
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.14の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・下記構造のラジカル重合性ホール輸送性化合物(RHTM−8) 20部
・ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物 0.5部
前記具体例化合物NO.15の化合物
・テトラヒドロフラン 100部
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例2においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例3においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例4においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例5においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例6においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例7においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例8においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例9においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を用いない他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の代わりに下記構造の紫外線吸収剤(UV−1)を添加した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の代わりに下記構造の紫外線吸収剤(UV−2)を添加した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の代わりに下記構造の電子移動剤(ETM−1)を添加した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の代わりに下記構造の電子移動剤(ETM−2)を添加した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
実施例1においてナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の代わりに下記構造の1重項酸素クエンチャー(Q−1)を添加した他は同様にして電子写真感光体を作製した。
保護層中に生じた電荷トラップは、ホールの移動を遅くしたり停止させたりするために感光体の感度低下や残留電位の上昇を引き起こす。同一電位に負帯電させた感光体に光照射すると電荷発生層で生じたホールがホール輸送層及びホール輸送性保護層を移動して感光体表面に到達し、表面電位は消失していく。
表面電位が消失していくにつれて感光層にかかる電界が小さくなるため次第にホール移動性は遅くなり、もはや表面電位が下がらなくなる。この時の電位を飽和電位と定義する。今、ホール輸送性保護層中に電荷トラップが生じているとその分表面電位が下がらなくなるため、飽和電位は高くなる。そこで、飽和電位を調べることで電荷トラップの生成が抑制されているかどうか評価した。
この結果から添加されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物が電荷トラップの生成を抑制していることが判る。
本発明で用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、ホール輸送性及びラジカル反応性を有していない。従って、含有量が多くなるとホール輸送性低下や機械的強度低下を引き起こすと予想され、含有量が少ないと電荷トラップ生成の抑制効果が小さくなると予想される。従って、含有量に適当な範囲があると予想される。
これを確かめるために添加量を変えた電子写真感光体の前記飽和電位と機械的強度の指標となる弾性変位率τeを測定した。
実施例10〜15及び比較例4で得られた電子写真感光体を用い、上記と同様にして求めた飽和電位と、前記微小表面硬度計による弾性変位率の測定方法により求めた弾性変位率τeを表4に示す。
無添加の比較例と比較すると添加量が0.5%未満ではほとんど飽和電位が変わらなくなり電荷トラップ抑制効果は見られなくなる。一方、添加量が10%以上ではもはや飽和電位は下がらなくなっており過剰であることがわかる。
弾性変位率は添加量が増えるに従い低下傾向を見せる。ラジカル反応性を有しない添加物の存在は、架橋密度の低下につながっていることを示す。しかしながら添加量が10%までは40%以上の弾性変位率を有しており保護層を有しない感光体に比べて十分な機械的強度を有していることが判る。しかしながら、添加量が10%を超えると弾性変位率は40%未満となってしまい、保護層として十分な強度とは言えなくなる。
これらより保護層としての機械的強度を有しながら電荷トラップの少ない電荷輸送性に優れた感光体を提供するにはナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の添加量がラジカル重合性ホール輸送性化合物に対して0.5重量%〜10重量%の範囲で添加されるのが適切であることが判る。
特定のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を添加することで保護層の電荷トラップ生成を低減できることがわかったが、実際の画像出力時にどの様に効果があるかどうか評価した。
実施例1〜9及び比較例1〜9で作製した電子写真感光体をリコー製デジタルフルカラー複合機MP C7500 SPのプロセスカートリッジに着装し、本体に取り付けて600×600dpiの解像度でリコーマイリサイクルペーパーGPのA4用紙を用い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各中間調帯模様のテストパターンの連続500枚の画像出力を毎分60枚の印刷速度で行った。1〜5枚目及び495〜500枚目のブラック画像を並べ、画像濃度の面内ムラをそれぞれ目視でランク評価した。また、1枚目と500枚目の中間調帯模様部(1by1ドットブラック画像部)の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、印刷開始時と終了時の画像濃度変化を見た。
画像濃度は、5箇所測定しその平均を求めた。
ランク5:ムラが見られない
ランク4:ほとんどムラが見られない
ランク3:一部の画像で僅かなムラが見られる
ランク2:画像全てに僅かなムラが見られる
ランク1:画像全てにムラが明瞭に見られる
その結果を表5に記す。
この傾向が先の飽和電位値の大小ではなく、添加剤の有無に従って見えることから、保護層中の電荷トラップの存在量が画像出力時の経時での濃度変化や面内濃度ムラに寄与していることを示している。
従って、特定のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を添加することで電荷トラップの生成を抑制できる本願の電子写真感光体は、より高画質で安定性の求められる商業印刷分野の画像出力方法、画像出力装置、それに用いられる画像出力装置用プロセスカートリッジの提供に有効なものであることが判る。
本発明のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の重要な機能は、紫外線や電子線等の高エネルギー線照射時のラジカル重合性ホール輸送性化合物の分解を抑制させることである。同様の機能を有するとして知られている紫外線吸収剤を添加した場合との相違を評価する。
また、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は電子輸送材料としてよく知られている材料である。同様の機能を有するとして知られている電子輸送材を添加した場合との相違も評価する。
また、色素材料の光褪色防止に効果がある1重項酸素クエンチャーを添加した場合との相違も評価する。
比較例10〜14で得られた感光体について前記と同様にして飽和電位を求めた。その結果を表6に示す。
これらのことから本発明で使用されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の効果は一般的なものではないことが判る。
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 第一の電荷輸送層
39 第二の電荷輸送層
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
Claims (6)
- 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ホール輸送性保護層を順に積層し、該保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物を紫外線又は電子線を照射することで連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなる電子写真感光体において、該保護層中に下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
- ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の含有量がラジカル重合性ホール輸送性化合物の0.5〜10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性反応基がアクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子写真感光体。
- 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
- 前記請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
- 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段および除電手段よりなる群から選ばれた少なくとも一つの手段を有するものであって、画像形成装置本体に着脱可能としたことを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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