JP5660460B2 - 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、商業印刷分野においてオンデマンド印刷可能な電子写真方式を採用する画像形成方法、画像形成装置、それらに用いられる電子写真感光体、画像形成装置用プロセスカートリッジに関する。
近年、オンデマンド印刷が容易なことからオフィス分野で広く普及していた電子写真方式の画像形成装置が商業印刷分野へ普及を始めている。商業印刷分野では、高速印刷、大量印刷、高画質、用紙対応性、印刷物の低コスト化がこれまで以上に求められている。
高速印刷、大量印刷、印刷物の低コスト化を達成するためには、電子写真の中心デバイスである電子写真感光体が長寿命である必要がある。感光体にはアモルファスシリコンを代表とする無機感光体と有機電荷発生材料及び有機電荷輸送材料からなる有機感光体が用いられているが、(I)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(II)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(III)材料の選択範囲の広さ、(IV)製造の容易さ、(V)低コスト、(VI)無毒性等から有機感光体が有利と考えられている。一方、有機感光体は、傷や摩耗に弱く、傷は画像欠陥に、摩耗は感度の劣化や帯電性の劣化や電荷リークを引き起こし画像濃度低下や地肌汚れ等の異常画像の原因となる。
この有機感光体の耐傷性、耐摩耗性を向上させる手段として、従来の有機感光体上に機械的に丈夫な保護層を形成した感光体が提案されている。例えば、特許文献1には、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層が提案されている。
また、特許文献2,3,4には、ラジカル重合性電荷輸送性化合物と3官能以上のラジカル重合性モノマーと光重合開始剤とを混合した組成物に紫外線を照射して架橋膜とした保護層を有する感光体が提案されている。
この感光体は、優れた耐傷性、耐摩耗性を有しており、環境安定性にも優れている為、ドラムヒーターを使用せずに安定した画像出力が可能である。
また、特許文献5には、上記架橋膜を保護層とする感光体の紫外線照射による電気特性低下を防止するために、前記架橋膜中に紫外線吸収剤を含有させ、感光体製造中の感光材料の劣化を防止することが提案されている。
これらの検討からラジカル重合性電荷輸送性化合物(特にアクリル基を有する電荷輸送性化合物)を単独又は他のアクリルモノマーと混合し、3次元架橋させた保護層を有する感光体が優れた耐傷性、耐摩耗性を有し、感光体としての電気特性も良好なものであり、多量に印刷する商業印刷に適したものであることがわかった。しかし、近頃の商業印刷分野では、従来以上に高画質が求められるようになり、その為に、感光体の印刷経時での電位変動や感光体面内の電位ムラを極力抑える必要がある。それらに対し、上記感光体は十分な特性を有していなかった。
その原因として、ラジカル反応により架橋密度の高い保護層を形成させるためには、光分解性のラジカル重合開始剤を含有させて光(特に紫外線)照射する方法や更にエネルギーの高い電子線や放射線を照射して直接アクリル基を励起して重合開始させる必要があるが、いずれにしても保護層中の電荷輸送性化合物が同時に励起されることでその一部が分解し、その分解物が感光体として重要な機能である電荷輸送機能を低下させていることが考えられる。
この様な問題に対し、例えば紫外線による分解抑制には上記特許文献5で提案されているように紫外線吸収剤を含有させる事が想起されるが、従来より知られた紫外線吸収剤の添加は電荷輸送機能に大きな副作用があり、感光体の電荷輸送機能を大きく低下させてしまうという問題や、ラジカル重合反応も同時に抑制してしまい十分な架橋密度を持った保護層形成ができなくなるという問題があり、実用化に至っていない。
また、色素の分解反応を抑制する添加剤として1重項酸素クエンチャー(例えばニッケルジチオラート錯体等)も知られているが、この様な材料を保護層中に添加すると感光体の光導電性が全く無くなるという弊害があり使用することができない。
この様に少なくともラジカル重合性電荷輸送性化合物を紫外線や電子線で硬化させ3次元架橋膜とした保護層を有する感光体の保護層に起因する問題を改良し、商業印刷分野で求められる高画質(印刷経時での画像濃度の安定性や画像面内の濃度安定性)に対応することができていなかった。
その為、より優れた電荷輸送性を有する保護層を有し、十分な耐傷性や耐摩耗性を有しながら従来よりも高画質な画像出力が可能な電子写真感光体及びそれを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジの開発が望まれていた。
本発明の課題は、従来の順層積層感光体上にラジカル重合性のホール輸送性化合物やラジカル重合性モノマーを紫外線や電子線を照射して3次元架橋させた保護層を形成した感光体(すなわち導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ラジカル重合により3次元架橋されたホール輸送性保護層を順に積層した感光体)において、該保護層の機械的強度を保ったままホール輸送性をさらに改良し、印刷枚数毎の感光体の電位変動や印刷物1枚における感光体面内の電位変動をより小さくすることで、印刷経時での画像濃度変動や印刷物の面内濃度ムラの少ない高画質な画像出力を可能にする電子写真感光体、及びそれを用いた高画質、高寿命でコストパフォーマンスに優れた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することである。
本発明者等は感光体の帯電性、光導電性等の基本機能への副作用が無く、ラジカル連鎖重合を阻害せず、それでいて架橋保護層形成時のホール輸送性化合物の分解を抑制でき、分解によって発生する電荷トラップ(ホール輸送性を低下させる原因)の発生を抑制できる添加剤について鋭意検討した結果、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を保護層に含有させることが有効であることが分かった。
すなわち、上記課題は、本発明の(1)〜(9)により解決される。
(1)導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ホール輸送性保護層が順に積層されており、該保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物を紫外線又は電子線を照射することで連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなる電子写真感光体であって、該保護層中に下記一般式(1)で表されるベンゾキノン化合物、又は下記一般式(2)で表されるジフェノキノン化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
Figure 0005660460
〔式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示し、R1〜R4のうち少なくとも1つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基である。〕
Figure 0005660460
〔式中、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示し、R5〜R8のうち少なくとも2つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基である。〕
(2)前記一般式(1)のベンゾキノン化合物又は一般式(2)のジフェノキノン化合物の含有量が、ラジカル重合性ホール輸送性化合物に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする(1)に記載の電子写真感光体。
(3)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性反応基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする(1)または(2)に記載の電子写真感光体。
(4)ホール輸送性保護層が、ラジカル重合性ホール輸送性化合物と共にホール輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5)ホール輸送性保護層が、少なくとも下記一般式(3)で表される1官能のラジカル重合性ホール輸送性化合物と、ホール輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなることを特徴とする(4)記載の電子写真感光体。
Figure 0005660460
[式中、R11、R12、R13、R14、R15は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13とR14は環を形成していてもよい。o、pは0〜5の整数を、q、r、sは0〜4の整数を表し、o、p、q、r、sが2以上の場合は異なっていてもよい。mは0または1の整数を表す。Xは単結合、またはアルキレン基、アルキレンオキシ基の2価基を表す。]
(6)前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
(7)前記(1)乃至(5)のいずれか1に記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
(8)電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
従来の順層積層感光体上にラジカル重合性のホール輸送性化合物やラジカル重合性モノマーを紫外線や電子線を照射して3次元架橋させた保護層を形成した感光体(すなわち導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ラジカル重合により3次元架橋されたホール輸送性保護層を順に積層した感光体)において、保護層に特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加することで、感光体の電気特性や機械的特性を劣化させることなく架橋膜形成時に生じるホール輸送性化合物の分解を抑制し、保護層の電荷トラップを低減し、従来よりもホール輸送性に優れた電子写真感光体の提供が可能になる。
この保護層のホール輸送性の改良により、印刷枚数毎の感光体の電位変動や印刷物1枚における感光体面内の電位変動をより小さくすることで、印刷経時での画像濃度変動や印刷物の面内濃度ムラの少ない高画質な画像出力が可能になる。
従って、商業印刷分野で強く求められている高画質で高寿命でコストパフォーマンスに優れた画像出力を可能にする電子写真感光体、画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジを提供できる。
本発明の電子写真感光体の断面図の一例である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 微小表面硬度計による弾性変位率の測定法を示す概略図である 荷重に対する塑性変位と弾性変位の関係を示す図である。 チタニルフタロシアニンのX線回折パターンを示す図である。
本発明は、従来の積層感光体上に主としてラジカル重合性ホール輸送性化合物と多官能ラジカル重合性モノマーとの混合物を高エネルギー線照射でラジカル連鎖重合を開始させ3次元架橋膜とした保護層を有する感光体に関し、この保護層を3次元架橋膜として形成する際に保護層中に特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を含有させることで保護層(以下、「架橋保護層」とも言う)中に形成される電荷トラップ及びその発生ムラを抑制し、それによって生じる感光体経時での電位変動や感光体面内各箇所での光減衰電位にバラツキが生じることを防止し、連続印刷時の画像濃度の変化や画像面内での濃度ムラのない商業印刷に要求される高画質な画像形成を可能にしたものである。
商業印刷に要求される高画質な画像を形成できる感光体には、同じ光書き込みを行った場合にどの場所でも同じ電位になるような面内の電位均一性と印刷枚数経時での帯電及び露光電位が同じにになるような印刷枚数間電位保持性が要求され、架橋保護層の膜厚や均質性だけでなく保護層内部の電荷トラップの有無やそのムラを抑えることが必要である。
下層の構成材料等の架橋保護層への溶出等を防止し均一な塗布膜を形成しても、保護層の架橋反応を開始させるための高エネルギー線を照射するときに設備条件等により照射ムラが発生する。例えば、光重合開始剤を用いて紫外線照射する場合、紫外線照射装置のランプ境界領域や装置内の光反射により、感光体表面への紫外線照射ムラが生じ、架橋保護層の膜厚や均質性に影響を及ぼす。光照射ムラは、架橋保護層の架橋密度ムラにつながると予想され、光照射量を増大させて全体を完全架橋に近づけることでの架橋密度ムラ回避を試みたが、明瞭な効果はなかった。むしろ光照射の増大は感光体特性の劣化を引き起こした。従って光照射ムラが架橋密度ムラというより保護層中のホール輸送性を担うラジカル重合性ホール輸送性化合物の光分解物生成量ムラにつながっていると推測された。従って、この光分解を抑制できれば電位均一性や電位保持性を劣化させる原因となる保護層中の電荷トラップの発生やムラを抑制できると考えられた。
そこでこの光分解を防止し、且つ、紫外線等の高エネルギー線照射時に硬化重合反応を阻害しない添加剤を鋭意検討したところ、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の添加が有効であることを見出した。そのメカニズムの詳細は不明であるが、高エネルギー線によって励起状態となったラジカル重合性ホール輸送性化合物から特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノンへエネルギー移動することでラジカル重合性ホール輸送性化合物の励起状態が速やかに失活し、ラジカル重合性ホール輸送性化合物の励起状態からの分解反応を抑制できるためと推測した。
ここから判るように、本発明で用いられる特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物は電子輸送材として感光体に用いられることも知られているが、本発明での役割は電子輸送性を付与することではなく、ホール輸送を担うラジカル重合性ホール輸送性化合物の硬化反応時及び経時での分解を抑制するものである。
従って、添加量はそれらを加味して決定される。
さらに、本発明で用いられる特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物は、ラジカル重合性ホール輸送性化合物の酸化電位に比べて特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物の酸化電位は大きく、したがって保護層中にあってもホールトラップにはならず、ホール輸送能を低減させることがない利点がある。さらに、電子輸送性を付与することを目的としていないため少量の添加量でもその効果が発揮でき、重合反応に寄与しない化合物を多量に添加することによる機械的強度低下や、重合反応に必要な高エネルギー線の層内部への透過を妨げない利点もある。これらの点で特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物は、感光体としての基本的な電気特性や機械的特性を損なうことなく、紫外線照射等の高エネルギー線照射時におけるラジカル重合性ホール輸送性化合物の光分解を抑制し、保護層中の電荷トラップの発生を抑制できていると推測される。
保護層中の電荷トラップ生成が減少したことで、面内の紫外線照射ムラ等が有ってもその影響が少なくなり、感光体面内の電位均一性や経時での電位安定性が向上したと考えられる。
このような電子写真感光体を用いることで画像濃度均一性に優れた高画質な画像出力が可能になる。
以下、本発明の電子写真感光体をその層構造に従い説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、ホール輸送層(37)とさらにホール輸送性保護層(39)が積層された順層積層構造の感光体である。この4層は必須構成であり、さらに、導電性支持体(31)と電荷発生層(35)の間に1層又は複数層の下引き層が挿入されていても良い。また、電荷発生層(35)とホール輸送層(37)とホール輸送性保護層(39)を合わせた層構成部分を感光層(33)と称する。
<導電性支持体>
導電性支持体(31)としては、従来公知のものが使用される。
アルミニウム、ニッケル等の体積抵抗1010Ω・cm 以下の導電性を示すもので有れば良く、アルミドラム、アルミ蒸着フィルム、ニッケルベルト等が好ましく使用される。
商業印刷分野での高画質の為には、感光体の寸法精度が厳しく求められるために、引き抜き工法などで製造されたアルミドラムを切削、研磨加工して表面の平滑性や寸法精度を上げたものが好ましい。また、ニッケルベルトとしては、特公昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルトを用いることができる。
<電荷発生層>
電荷発生層(35)は、従来の有機電子写真感光体に用いられてきた電荷発生層がそのまま使用できる。すなわち、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。好ましい電荷発生物質としては、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料やアゾ顔料であり、金属フタロシアニンとしては、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン等が使用される。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層(35)の形成は、例えば、上述の電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
<ホール輸送層>
ホール輸送層には、ホール輸送物質をバインダー樹脂中に分散した従来公知の電荷輸送層がそのまま使用できる。
ホール輸送物質としては、従来公知の材料がそのまま使用できる。
例えば、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等が挙げられる。これらは、単独または混合して使用することができる。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。ホール輸送物質の量はバインダー樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。ホール輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、ホール輸送物質及びバインダー樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、形成には電荷発生層(35)と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。ホール輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。ホール輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。ホール輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。このようにして形成されたホール輸送層上に、ホール輸送性保護層が形成される。
<ホール輸送性保護層>
本発明の特徴は、ホール輸送性保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物が紫外線又は電子線等の高エネルギー線によりラジカル連鎖重合して形成された3次元架橋膜であり、該架橋膜中に特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物が含有されていることである。
本発明に必須の材料である特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物の製法を説明する。本発明の特定のベンゾキノン化合物は一般的な公知の合成法、例えばH. J. Richter, R. L. Dressler, J. Org. Chem., 27, 4066 (1962)、J. Cason, Org. React., 4, 305 (1948)などが利用でき、置換基を有するフェール誘導体やアニリン誘導体をクロム酸などの酸化剤を用いて酸化することにより得られる。
また、本発明の特定のジフェノキノン化合物は置換基を有するフェノールの酸化カップリングや置換基を有するビフェノールの酸化反応により得られ、具体的には特開平6−56735号公報、特開平6−194853号公報、特開平9−136858号公報などに記載の合成法に準じて製造される。
本発明で用いられる特定のベンゾキノン化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0005660460
式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示す。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
炭素数1〜6のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2−メチルプロピル基、n−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基などが挙げられ、アルキル基の置換基を有するものとしてはベンゼン環が置換したベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。
フェニル基の置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、2個以上の置換基を有していてもよい。
また、本発明の特定のベンゾキノン化合物は、R1〜R4のうち少なくとも1つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基であることが重要で、これにより本発明のホール輸送性保護層のトラップ低減効果が高く発揮される。
この理由としては、(I)特定のベンゾキノン化合物はホール輸送性保護層への相溶性が高く、保護層からの析出や結晶化が抑えられ、本発明の効果発揮に対して十分な添加量が確保される。結晶化が起こるとトナーの固着や保護層の局部的摩耗が生じ、地肌汚れや画像部の白抜けの原因となる。
また、(II)アルキル基、シクロへキシル基、又はフェニル基の導入により電子吸引性を弱める方向で制御でき、ラジカル重合性ホール輸送性化合物とのCT錯体形成を防止できる。CT錯体が形成すると、保護層のホール輸送性低下や低抵抗化が起こり、感光体の経時の電位変動が増加し、濃度変化や解像度低下などの画像品質の低下に繋がる。
本発明で用いられる特定のジフェノキノン化合物は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0005660460
式中、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示す。
ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、置換又は無置換のフェニル基としては、上記ベンゾキノン化合物と同じものが有効に用いられる。
また、本発明の特定のジフェノキノン化合物は、R5〜R8のうち少なくとも2つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基であることが重要で、この理由も上記ベンゾキノン化合物と同様であるが、ジフェノキノン化合物の方が分子の平面性が高く結晶化しやすいため、2個以上の置換基が必要である。
以下に本発明に用いられる特定のベンゾキノン化合物の具体例を表1に示すが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0005660460
Figure 0005660460
Figure 0005660460
Figure 0005660460
以下に本発明に用いられる特定のジフェノキノン化合物の具体例を表2に示すが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0005660460
Figure 0005660460
Figure 0005660460
Figure 0005660460
Figure 0005660460
これら特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物は、ホール輸送性保護層中に0.1〜20重量%の割合で添加される。少なすぎる場合は、面内電位変動量を低減する効果が見られなくなり、多すぎると感光体の感度特性が悪くなる。
前述のようにこれら特定のベンゾキノン化合物及び特定のジフェノキノン化合物は、ホール輸送性を示さないため、保護層中に過剰に添加するとホール輸送性化合物を希釈することになりホール輸送特性を低下させて感度劣化等を引き起こす。また、過剰添加はラジカル重合による架橋密度も低下させることになるため、保護層の機械的強度を弱め、耐摩耗性が悪くなる。従って、効果の有る範囲でできるだけ少量添加することが望ましい。添加量を変えた実験により保護層中のラジカル重合性ホール輸送性化合物に対し0.5〜10重量%の範囲で添加するのが電荷トラップの発生を抑制する効果が明確に見られ、保護層への副作用が少ない点でより好ましい。
次に、ホール輸送性保護層を形成する方法及び特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物以外の組成物について説明する。
本発明におけるホール輸送性保護層は、主にラジカル重合性ホール輸送性化合物を重合させて3次元架橋させたものであるが、3次元架橋させるためには以下の条件がある。
(1)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性官能基数が1個の場合は、ラジカル重合性官能基を一分子中に2個以上有する多官能ラジカル重合性モノマーと混合して重合する。
(2)ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性官能基数が2個以上の場合は、ラジカル重合性ホール輸送性化合物を単独で重合させることができ、又、ラジカル重合性官能基を一分子中に1個以上有するラジカル重合性モノマーと混合して重合することもできる。
以上の条件でラジカル連鎖重合させることで3次元架橋膜を形成できる。ラジカル重合性官能基を一つしか持たない化合物でラジカル重合反応させても線状ポリマーにしかならず、分子鎖同士の絡み合いで不溶化したとしても本発明の耐摩耗性に優れる架橋膜とはならず不適当である。
また、上記(1)においては、ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性官能基数が1個の場合は、ラジカル重合性官能基を一分子中に3個以上有する多官能ラジカル重合性モノマーと混合して重合するのがさらに好ましい。これは、保護層のホール輸送性を高めるためにはラジカル重合性ホール輸送性化合物の組成比を高める必要があり、その様な組成比で機械的強度に優れる架橋密度の高い膜にするには混合される多官能ラジカル重合性モノマーの官能基数が多い方が有利となるからである。
また、本発明においてホール輸送性保護層の形成には紫外線又は電子線等の高エネルギー線を照射することで重合を開始させ、架橋膜を形成させる。これは熱重合開始剤等を用いて加熱により重合反応させるよりも架橋密度の高い硬くて弾性仕事率の大きな膜が形成できるためで、本発明の保護層耐摩耗性確保のために必要な条件である。しかるに熱に比べて照射エネルギーが高いためにホール輸送性構造の励起が生じるが、本発明においては特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加することによりホール輸送性化合物の分解を抑制することができる。また、通常、このような高エネルギー線照射による材料の分解を防ぐために、窒素ガス下で酸素濃度を下げたり、照射時の温度上昇を防ぐために冷却したりするが、本発明でもその様な条件下で架橋させることができる。
また、従来の検討でラジカル重合性ホール輸送性化合物には官能基数が1個のものを使用し、これに3官能以上のラジカル重合性モノマーを混合し、光重合開始剤を加えて紫外線照射によりラジカル反応を開始させて重合硬化させ、3次元架橋膜とした系が、ホール輸送性に優れ耐摩耗性にも優れたホール輸送性保護層を形成できることが知られており、本発明においてもこの系を最も好ましい系として適用できる。
すなわち、1官能のラジカル重合性ホール輸送性化合物と3官能以上のラジカル重合性モノマーと光重合開始剤と前記特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を適当な溶媒に溶解させ、ホール輸送層上に塗布した後、紫外線を照射して架橋反応させることにより最適なホール輸送性保護層を形成できる。
かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて上述のように溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。この溶媒と塗工法の組み合わせの中でも、下層のホール輸送層の成分をできるだけホール輸送性保護層に混入さない点、両層界面の接着性を確保する点、これら両者を満足するためには溶媒としてテトラヒドロフランを用いスプレーコート法での塗工が最も好ましい。
紫外線照射は、高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できる。照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋保護層の凹凸や電気特性の劣化が激しくなる。
ここで、ラジカル重合性ホール輸送性化合物、3官能以上のラジカル重合性モノマー、光重合開始剤、塗工溶媒、塗工方法、乾燥方法、紫外線照射条件等は、例えば、特開2005−266513号公報、特開2004−302452号公報や特許第4145820号公報に記載されるラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性化合物、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー及び2官能のラジカル重合性モノマー、光重合開始剤が本発明のラジカル重合性ホール輸送性化合物、多官能ラジカル重合性モノマー、光重合開始剤に対応して使用でき、それら先願資料に記載の塗工溶媒、塗工方法、乾燥方法、紫外線照射条件がそのまま適用できる。
すなわち、本発明に用いられるラジカル重合性ホール輸送性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造を有し、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。1分子中のラジカル重合性官能基の数は、1個以上複数個でも良いが、架橋保護層の内部応力を抑え平滑な表面性を得やすいため、また良好な電気特性を持続させるためには、ラジカル重合性官能基が1個である方が好ましい。ホール輸送性化合物が2個以上ラジカル重合性官能基を有する場合、嵩高い正孔輸送性化合物が複数の結合で架橋結合中に固定されるためによる大きな歪みからその余裕度が低下する場合があり、電荷輸送性構造や官能基数から凹凸やクラック、剥離が起こる場合がある。また、この大きな歪みはホール輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こりやすくなる。ラジカル重合性ホール輸送性化合物のホール輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が高移動度性から好適である。
ラジカル重合性ホール輸送性化合物として特に有効な化合物は下記一般式(3)の構造のものであり、ホール輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと組み合わせて用いることにより、良好なホール輸送性と高い機械的強度を有し、露光部電位が低く安定に維持でき且つ耐摩耗性に優れたホール輸送性保護層を提供できる。
Figure 0005660460
式中、R11、R12、R13、R14、R15は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13とR14は環を形成していてもよい。この炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基などが挙げられる。R13とR14が形成する環状構造としては、フルオレン環などが挙げられる。
o、pは0〜5の整数、q、r、sは0〜4の整数を表し、o、p、q、r、sが2以上の場合は異なっていてもよい。mは0または1の整数を表す。
Xは単結合、またはアルキレン基、アルキレンオキシ基の2価基を表す。このアルキレン2価基としては、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、2,2−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基などの炭素数1〜6個の直鎖状又は分岐状アルキレン基が挙げられる。
また、このアルキレンオキシ2価基としは、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、開環したカプロラクトン基などを表し、これらアルキレンオキシ2価基が2〜4回繰り返された2価の連結基も有効である。
本発明に用いられるラジカル重合性ホール輸送性化合物は、架橋保護層のホール輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋保護層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%になるように塗工液成分の含有量を調整する。この成分が20重量%未満では架橋保護層のホール輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えるとホール輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる多官能ラジカル重合性モノマーとは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどのホール輸送性構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
前記多官能ラジカル重合性モノマーとしては、架橋保護層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋保護層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記モノマー中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、保護層に用いられるホール輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋保護層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%になるように、塗工液固形分中の含有量を調整する。モノマー成分が20重量%未満では架橋保護層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%を超えるとホール輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤としては、光により容易にラジカルを発生させる重合開始剤であれば特に限定されないが、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。これらの重合開始剤は一種又は二種以上を混合して用いてもよい。その含有量は塗工液固形分中のラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは0.5〜10重量部である。
本発明の架橋保護層は、塗工時の粘度調整、架橋保護層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
さらにラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性基の官能基数が2個以上の場合について詳述する。基本構造は前述したようにトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの従来から知られている芳香族3級アミン構造を有するホール(正孔)輸送性構造を有し、ラジカル重合性基を分子内に2個以上有するものである。例えば、特開2004−212959公報の表3〜表86には数多くの化合物例が記載されており本発明でも使用できる。特にラジカル重合性基としては前述したアクリロイルオキシ基やメタクリロイルオキシ基が好ましく、これらの重合性基がホール輸送性構造と炭素数2以上より好ましくは3以上のアルキレン鎖をかいして結合しているものが特に好ましい。これにより2官能以上のラジカル重合性ホール輸送性化合物の欠点として前述した歪みの発生を緩和することができる。
本発明に用いられる1官能及び2官能以上のラジカル重合性ホール輸送性化合物の具体例を表3に示すが、これらに限定されるわけではない。
Figure 0005660460
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次に電子線照射による架橋膜の作製方法について記す。
電子線照射は、光重合開始剤を添加する必要が無く、ラジカル重合性ホール輸送性化合物単独あるいはラジカル重合性モノマーとの混合物を適当な溶媒に溶解させ、ホール輸送層上に塗布した後に、照射することで3次元架橋膜を形成できる。これらの架橋条件については上記特開2004−212959公報にも記載されており、公知技術をそのまま使用することができる。例えば、電子線の加速電圧は250kV以下、照射線量は1Mrad〜20Mradの範囲が好ましく、照射時の酸素濃度を10000ppm以下とするのが好ましい。
本発明のホール輸送性保護層の膜厚は、要求される感光体の寿命により調整されるものであるが、ホール輸送性保護層の膜厚を厚くすると長寿命化できる代わりに露光部電位が高くなり、反対に膜厚を薄くすると露光部電位が低くできるが膜削れが律速となり短寿命となってしまう。本発明では特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加することにより露光部電位が低く抑えられ、厚膜化への余裕度が向上している。本発明のホール輸送性保護層の膜厚は、好ましくは1μm以上15μm以下、更に好ましくは2μm以上10μm以下で用いられる。
<下引き層>
本発明の感光体においては、導電性支持体(31)と感光層(33)との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は1〜15μmが適当である。
<各層への酸化防止剤の添加について>
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、ホール輸送層、ホール輸送性保護層、電荷発生層、下引き層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。添加する酸化防止剤は、従来公知の材料を使用することができ、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
<画像形成方法及び装置について>
次に図面に基づいて本発明の画像形成方法ならびに画像形成装置を詳しく説明する。
図2は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図2中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。クリーニング部材(17)や除電部材(18)が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図2に示すように、感光体(10)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。したがって、上記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明は、商業印刷分野においてオンデマンド印刷可能な電子写真方式に有用な電子写真感光体を提供できる。オンデマンド印刷において高画質のカラー画像を高速に出力する画像形成装置あるいはその方式として、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図3は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図3において、感光体((10Y(イエロー)),(10M(マゼンタ)),(10C(シアン)),(10K(ブラック))は、ドラム状の感光体(10)であり、これらの感光体(10Y,10M,10C,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11Y,11M,11C,11K)、現像部材(13Y,13M,13C,13K)、クリーニング部材(17Y,17M,17C,17K)が配置されている。
この帯電部材(11Y,11M,11C,11K)と、現像部材(13Y,13M,13C,13K)との間の感光体(10)の外側より、図示しない露光部材からのレーザー光(12Y,12M,12C,12K)が照射され、感光体(10Y,10M,10C,10K)に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10Y,10M,10C,10K)を中心とした4つの画像形成要素(20Y、20M、20C、20K)が、転写材搬送手段である転写搬送ベルト(25)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(19)は、各画像形成ユニット(20Y、20M、20C、20K)の現像部材(13Y,13M,13C,13K)と、クリーニング部材(17Y,17M,17C,17K)との間で感光体(10Y,10M,10C,10K)に当接しており、転写搬送ベルト(19)の感光体(10)側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写部材(16Y,16M,16C,16K)が配置されている。各画像形成要素(20Y、20M、20C、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図3に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成要素(20Y、20M、20C、20K)において、感光体(10Y,10M,10C,10K)が、感光体10と連れ周り方向に回転する帯電部材(11Y,11M,11C,11K)により帯電され、次に、感光体(10)の外側に配置された露光部(図示せず)でレーザー光(12Y,12M,12C,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像部材(13Y,13M,13C,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(13Y,13M,13C,13K)は、それぞれY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(10Y,10M,10C,10K)上で作られた各色のトナー像は転写ベルト(19)上で重ねられる。
転写紙(15)は給紙コロ(21)によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ(22)で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材(23)に送られる。転写ベルト(19)上に保持されたトナー像は転写部材(23)に印加された転写バイアスと転写ベルト(19)との電位差から形成される電界により、転写紙(15)上に転写される。転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着部材(24)により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10Y,10M,10C,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17Y,17M,17C,17K)で回収される。
図3に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図3の例では画像形成要素は転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20Y,20M,20C)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図4に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体(101)を内蔵し、他に帯電手段(102)、現像手段(104)、転写手段(106)、クリーニング手段(107)、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図4に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体(101)は、矢印方向に回転しながら、帯電手段(102)による帯電、露光手段(103)による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段(104)でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(106)により、転写体(105)に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段(107)によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
本発明は、耐摩耗性や耐傷性が優れ、且つ面内及び繰り返しの電位安定性が非常に高い積層型感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段の少なくとも一つを一体化した画像形成装置用プロセスカートリッジを提供するものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
本発明の測定方法の詳細について記述する。
<微小表面硬度計による弾性変位率の測定>
本発明の弾性変位率τeは、ダイヤモンド圧子を用いた微小表面硬度計の負荷−除荷試験により測定される。図5に示すように、圧子がサンプルに接触した点(a)から一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位(b)で一定時間静止し、更に一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位(c)とする。このとき、得られる押し込み深さと荷重の曲線が図6のように記録され、最大変位(b)と塑性変位(c)弾性変位率τeは以下の式で算出される。
Figure 0005660460
かかる弾性変位率測定は、一定温湿度下で行われ、本発明で弾性変位率とは、温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で、負荷速度0.3mN/秒、停止時間5秒、除荷速度0.3mN/秒(負荷速度と同じ)で行なわれた上記試験の測定値を示す。
本発明では、ダイナミック微小表面硬度計DUH−201(島津製作所製)、三角すい圧子(115゜)を用いているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でもよい。弾性変位率τeはサンプル上の任意の9箇所について測定し、最大、最小から2個ずつを削除し残りの5個の値を平均した。測定においては本発明の架橋保護層を有する感光体をアルミニウムシリンダー上に作製し、これを適宜切断して用いた。弾性変位率τeは基板のバネ特性の影響を受けるため、基板としては剛直な金属版、スライドガラスなどが適当である。更に、ホール輸送性保護層の下層(例えば、ホール輸送層、電荷発生層など)の硬度や弾性の要素も影響するため、これらの影響を減らすように最大変位が架橋保護層膜厚の1/10になるように規定加重を調整した。架橋保護層のみを単独で基板上に作製すると、下層成分の混入、下層との接着性が変わり、必ずしも感光体の表面架橋層を正確に再現できないため、好ましくない。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて重量部を表わす。
[実施例1]
φ60mmの表面研磨したアルミニウムシリンダー上に、下記に示すように下引き層、電荷発生層、ホール輸送層を順次浸漬塗布、乾燥することにより形成した。次いで、このホール輸送層上に下記のようにしてホール輸送性保護層用塗工液をスプレー塗工、自然乾燥した後、紫外線照射、乾燥して本発明の電子写真感光体を作製した。
《下引き層》
下記組成の全ての材料を混合し、アルミナボールで48時間ボールミル分散した。この分散液を500メッシュのステンレスメッシュで濾過し、塗工液を作製した。この塗工液を浸漬塗布し、130℃で20分乾燥することにより、3.5μmの下引き層を設けた。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 33.6部
(ベッコライトM−6401―50―S、固形分50%、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 18.7部
(スーパーベッカミンG−821−60、固形分60%、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 84部
(CR−EL:石原産業社製、平均粒径:0.25μm)
メチルエチルケトン 100部
上記組成で、無機顔料とバインダー樹脂の容積比は、1/1である。
アルキッド樹脂とメラミン樹脂の比は、6/4重量比である。
《電荷発生層》
(チタニルフタロシアニン結晶の合成)
合成は、特開2004−83859号公報記載の方法に準じた。即ち、1、3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後、析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、次にメタノールで数回洗浄し、更に80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過し、次いで、洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0μS/cm)により水洗いを繰り返し(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.6μS/cmであった)、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキ(水ペースト)を得た。
得られたこのウェットケーキ(水ペースト)40部をテトラヒドロフラン200部に投入し、室温下でホモミキサー(ケニス、MARKIIfモデル)により強烈に撹拌(2000rpm)し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキを得た。これを減圧下(5mmHg)、70℃で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶8.5部を得た。前記ウェットケーキの固形分濃度は、15質量%であった。結晶変換溶媒は、前記ウェットケーキに対する質量比で33倍の量を用いた。なお、合成例1の原材料には、ハロゲン含有化合物を使用していない。得られたチタニルフタロシアニン粉末を、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、CuKα線(波長1.542Å)に対するブラッグ角2θが27.2±0.2°に最大ピークと最低角7.3±0.2°にピークを有し、更に9.4±0.2°、9.6±0.2°、24.0±0.2°に主要なピークを有し、かつ7.3°のピークと9.4°のピークの間にピークを有さず、更に26.3°にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図7に示す。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧:50kV
電流:30mA
走査速度:2°/分
走査範囲:3°〜40°
時定数:2秒
〔電荷発生層用塗工液〕
上記のように合成したチタニルフタロシアニン結晶を用い、下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
・上記合成チタニルフタロシアニン結晶 ・・・48部
・ポリビニルブチラール(積水化学株式会社製、BX−1) ・・・32部
・2−ブタノン ・・・720部
市販のビーズミル分散機(VMA−GETZMANN GMBH製、DISPERMAT SL、ローターの直径は50mm、分散室容量は125ml)に直径0.5mmのジルコニアボールを用いた。
先ずポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン溶液を循環タンクに投入し、循環を行い、樹脂液が循環系に満たされ、循環タンクに戻ってくるのを確認した。
次いで、顔料を循環タンクに全て投入し、循環タンクで撹拌を行った後、ローター回転数3000r.p.m.にて300分間循環分散を行った。
分散終了後、ビーズミル分散機よりミルベースを払い出し、更に2060部の2−ブタノンを投入し、希釈と同時に分散機に残ったミルベースをすべて払い出し、分散液を作製した。
この分散液を電荷発生層用塗工液に用い、前記下引き層上に浸漬塗工を行い、90℃で20分乾燥することにより、0.2μmの電荷発生層を設けた。
《ホール輸送層》
下記ポリカーボネート樹脂、ホール輸送物質、シリコーンオイル、酸化防止剤をテトラヒドロフランに溶解し、ホール輸送層塗工液を調整した。この塗工液を用い、前記電荷発生層を上に浸漬塗工を行い、135℃で20分乾燥することにより、22μmのホール輸送層を設けた。
[ホール輸送層用塗工液]
・ビスフェノールZ ポリカーボネート樹脂 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
・下記構造のホール輸送物質(HTM−1) 10部
(HTM−1構造式)
Figure 0005660460
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
・酸化防止剤 BHT 0.2部
・テトラヒドロフラン 100部
《ホール輸送性保護層》
ホール輸送性保護層用塗工液は、下記組成の多官能ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性ホール輸送性化合物、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物、光重合開始剤をテトラヒドロフランに溶解し、調合した。前記下引き層、電荷発生層、ホール輸送層を順次形成したアルミシリンダー上に、このホール輸送性保護層用塗工液をスプレー塗工し、20分自然乾燥した後、下記条件で光硬化した。
光硬化条件は、アルミシリンダーを回転し内側から30℃の温水で冷却しながら、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:180秒光照射した。光照射を行っている間、窒素ガスで置換し雰囲気の酸素濃度を1%以下に保った。光照射終了後、更に塗工溶媒を除去するために130℃で30分乾燥を加え、4μmのホール輸送性保護層を設けた。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−17の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−4の化合物(東京化成工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
[実施例2]
実施例1において、ホール輸送層用塗工液のホール輸送物質を下記構造のホール輸送物質(HTM−2)10部に変え、ホール輸送性保護層用塗工液の処方を以下のように変えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
(HTM−2構造式)
Figure 0005660460
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー(1) 5部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・多官能ラジカル重合性モノマー(2) 5部
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA−120、日本化薬製)
分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−3の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−13の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
[実施例3]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液の処方を以下のように変えたこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート
(SR−295,化薬サートマー製)
分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−26の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.1部
前記具体例BQ−5の化合物(東京化成工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[実施例4]
実施例1において、ホール輸送性保護層用塗工液の処方を以下のように変えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−12の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−2の化合物(東京化成工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[実施例5]
実施例1において、ホール輸送性保護層用塗工液を以下の様に変えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−19の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−20の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[実施例6]
実施例1において、ホール輸送性保護層用塗工液を以下のように変えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 8部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
分子量:536、官能基数:5.5官能、分子量/官能基数=97
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 12部
前記具体例AD−8の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.1部
前記具体例BQ−8の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[実施例7]
実施例1と同様にして、φ60mmのアルミシリンダー上に下引き層3.5μmを形成し、この下引き層上に下記電荷発生層用塗工液を浸漬塗布、130℃で20分乾燥し電荷発生を形成した。なお、電荷発生層の膜厚は、655nmにおける電荷発生層の透過率が20%になるように調整した。電荷発生層の透過率は、下記組成の電荷発生層塗工液を、ポリエチレンテレフタレートフィルムを巻き付けたアルミシリンダーに感光体作製と同じ条件で塗工を行い、電荷発生層を塗工していないポリエチレンテレフタレートフィルムを比較対照とし、市販の分光光度計(島津:UV−3100)にて、655nmの透過率を評価した。この電荷発生層上に、実施例1と同様にしてホール輸送層25μmを形成した。次いで、このホール輸送層上に下記のようにしてホール輸送性保護層用塗工液をスプレー塗工、乾燥した後、電子線照射によりホール輸送性保護層5μmを設け、本発明の電子写真感光体を作製した。
〔電荷発生層用塗工液〕
下記組成の処方にて、ボールミル分散機に直径10mmのPSZボールを用い、ポリビニルブチラールを溶解した溶媒および下記構造のビスアゾ顔料を投入し、回転数85r.p.m.にて7日間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作製した。
・下記構造のビスアゾ顔料(CGM−1) 5部
Figure 0005660460
・ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 2部
・シクロヘキサノン 250部
・2−ブタノン 100部
《ホール輸送性保護層》
ホール輸送性保護層用塗工液は、下記組成の多官能ラジカル重合性モノマー、ラジカル重合性ホール輸送性化合物、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物をテトラヒドロフランに溶解し、調合した。前記下引き層、電荷発生層、ホール輸送層を順次形成したアルミシリンダー上に、このホール輸送性保護層用塗工液をスプレー塗工し、50℃で10分乾燥した後、下記条件で電子線硬化した。
電子線硬化条件は、アルミシリンダーを回転し内側から30℃の温水で冷却しながら、加速電圧150KV、照射線量5Mradの条件で電子線照射し、輸送性保護層を形成した。電子線照射を行っている間、窒素ガスで置換し雰囲気の酸素濃度を1%以下に保った。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 使用しない
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 20部
前記具体例AD−35の化合物
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−9の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
[実施例8]
実施例7において、ホール輸送性保護層用塗工液を以下のように変えたこと以外は実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(KAYARAD TMPTA、日本化薬製)
分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−2の化合物
・特定のベンゾキノン化合物 0.5部
前記具体例BQ−9の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
[実施例9]
実施例1において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−5の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−5の化合物は、2,6−ジ−t−ブチルフェノールと2,6−ジメチルフェノールの酸化カップリングより合成した。
[実施例10]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−15の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−15の化合物は、2−フェニルフェノールと2,6−ジシクロヘキシルフェノールの酸化カップリングより合成した。
[実施例11]
実施例3において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−2の化合物 0.1部に変えたこと以外は実施例3と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−2の化合物は、2,6−ジ−t−ブチルフェノールとフェノールの酸化カップリングより合成した。
[実施例12]
実施例4において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−19の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−2の化合物は、2,6−ジイソプロピルフェノールと2−t−ブチル−6−フェニルフェノールの酸化カップリングより合成した。
[実施例13]
実施例5において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−14の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例5と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−14の化合物は、2,6−ジ−t−ブチルフェノールと2−クロル−6−t−ブチルフェノールの酸化カップリングより合成した。
[実施例14]
実施例6において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−1の化合物 0.1部に変えたこと以外は実施例6と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−1の化合物は、2−t−ブチルフェノール同士の酸化カップリングより合成した。
[実施例15]
実施例7において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−6の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−6の化合物は、2,6−ジ−t−ブチルフェノール同士の酸化カップリングより合成した。
[実施例16]
実施例8において、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物 前記具体例DQ−6の化合物 0.5部に変えたこと以外は実施例8と同様にして電子写真感光体を作製した。DQ−6の化合物は、2,6−ジ−t−ブチルフェノール同士の酸化カップリングより合成した。
[実施例17]
実施例1において、ホール輸送性保護層用塗工液を以下のように変えた以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.3重量%に当たる。
〔ホール輸送性保護層用塗工液〕
・多官能ラジカル重合性モノマー 10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(KAYARAD DPHA、日本化薬製)
分子量:536、官能基数:5.5官能、分子量/官能基数=97
・ラジカル重合性ホール輸送性化合物 10部
前記具体例AD−17の化合物
・光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・
スペシャルティ・ケミカルズ製)
・特定のベンゾキノン化合物 0.03部
前記具体例BQ−9の化合物(和光純薬工業製)
・テトラヒドロフラン 100部
・1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
[実施例18]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量を0.05部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.5重量%に当たる。
[実施例19]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量を0.1部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し1重量%に当たる。
[実施例20]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量を0.5部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し5重量%に当たる。
[実施例21]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量を1部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し10重量%に当たる。
[実施例22]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量を1.5部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し15重量%に当たる。
[実施例23]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を0.03部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定の特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.3重量%に当たる。
[実施例24]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を0.05部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.5重量%に当たる。
[実施例25]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を0.1部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し1重量%に当たる。
[実施例26]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を0.5部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し5重量%に当たる。
[実施例27]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を1部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し10重量%に当たる。
[実施例28]
実施例17において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物を特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)とし、添加量を1.5部とした以外は実施例17と同様にして電子写真感光体を作製した。特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し15重量%に当たる。
[実施例29]
実施例18において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例18と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.5重量%に当たる。
[実施例30]
実施例20において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例20と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し5重量%に当たる。
[実施例31]
実施例21において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例21と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のベンゾキノン化合物(前記具体例BQ−9の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し10重量%に当たる。
[実施例32]
実施例24において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例24と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し0.5重量%に当たる。
[実施例33]
実施例26において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例26と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し5重量%に当たる。
[実施例34]
実施例27において、φ30mmのアルミシリンダーを用いた以外は実施例27と同様にして電子写真感光体を作製した。この時特定のジフェノキノン化合物(前記具体例DQ−19の化合物)の添加量はラジカル重合性ホール輸送性化合物(前記具体例AD−17の化合物)に対し10重量%に当たる。
[比較例1〜9]
実施例1〜8及び実施例17のそれぞれにおいて、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を用いないこと以外は実施例1〜8及び実施例17のそれぞれと同様にして電子写真感光体を作製した。この比較例1〜9の感光体は実施例9〜16及び実施例23のそれぞれにおいて、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のジフェノキノン化合物を用いない感光体にも対応した比較例でもある。
[比較例10]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の紫外線吸収剤(UV−1)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(UV−1の構造)
Figure 0005660460
[比較例11]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の紫外線吸収剤(UV−2)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(UV−2の構造)
Figure 0005660460
[比較例12]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の電子移動剤(ETM−1)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(ETM−1の構造)
Figure 0005660460
[比較例13]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の電子移動剤(ETM−2)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(ETM−2の構造)
Figure 0005660460
[比較例14]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の1重項酸素クエンチャー(Q−1)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(Q−1の構造)
Figure 0005660460
[比較例15]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の置換基を有さないベンゾキノン化合物(NBQ)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(NBQの構造)
Figure 0005660460
[比較例16]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の電子吸引性が非常に強いベンゾキノン化合物(DDQ)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(DDQの構造)
Figure 0005660460
[比較例17]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造の置換基を有さないジフェノキノン化合物(NDQ−1)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(NDQ−1の構造)
Figure 0005660460
[比較例18]
実施例2において、ホール輸送性保護層用塗工液における特定のベンゾキノン化合物の変わりに下記構造のアルキル基を1個置換するジフェノキノン化合物(NDQ−2)0.5部を添加したこと以外は実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
(NDQ−2の構造)
Figure 0005660460
[比較例19]
実施例29において、φ30mmのアルミシリンダーを用い、ホール輸送性保護層用塗工液の特定のベンゾキノン化合物を用いないこと以外は実施例29と同様にして電子写真感光体を作製した。
[比較例20]
実施例1において、φ30mmのアルミシリンダーを用い、ホール輸送層の厚みを26μmにし、ホール輸送性保護層を設けない以外は実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
<特定ベンゾキノン化合物又は特定ジフェノキノン化合物の添加による電荷トラップ生成の抑制効果>
保護層中に生じた電荷トラップは、ホールの移動を遅くしたり停止させたりするために感光体の感度低下や残留電位の上昇を引き起こす。同一電位に負帯電させた感光体に光照射すると電荷発生層で生じたホールがホール輸送層及びホール輸送性保護層を移動して感光体表面に到達し、表面電位は消失していく。
表面電位が消失していくにつれて感光層にかかる電界が小さくなるため次第にホール移動性は遅くなり、もはや表面電位が下がらなくなる。この時の電位を飽和電位と定義する。今、ホール輸送性保護層中に電荷トラップが生じているとその分表面電位が下がらなくなるため、飽和電位は高くなる。そこで、飽和電位を調べることで電荷トラップの生成が抑制されているかどうか評価した。
実施例1〜16で得られた電子写真感光体、及びそれらに対応させて特定のベンゾキノン化合物や特定のジフェノキノン化合物を無添加とした比較例1〜8で得られた電子写真感光体を、線速160mm/secで回転させながらスコロトロン帯電器により−800Vに帯電させ、655nmの半導体レーザー(アパーチャー70×80μm、解像度400dpi)で照射し、照射から80msec後の感光体表面電位を測定した。この測定において照射光量を次第に大きくしながら測定するとある光量以上でもはや表面電位が下がらなくなる。評価試験では、飽和するのに十分な光量1μJ/cm2を照射した時の表面電位を飽和電位として計測した。その結果を表4に示す。
Figure 0005660460
以上のように種々の感光体構成において、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加した感光体は、対応するそれらの無添加の感光体に比べ飽和電位が全て小さくなっている。
この結果から添加された特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物が電荷トラップの生成を抑制していることが判る。
<特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物における添加量の影響>
本発明で用いられる特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物は、ホール輸送性及びラジカル反応性を有していない。従って、含有量が多くなるとホール輸送性低下や機械的強度低下を引き起こすと予想され、含有量が少ないと電荷トラップ生成の抑制効果が小さくなると予想される。従って、含有量に適当な範囲があると考え、これを確かめるために添加量を変えた電子写真感光体の前記飽和電位と機械的強度の指標となる弾性変位率τeを測定した。
実施例17〜23及び比較例9で得られた電子写真感光体を用い、上記と同様にして求めた飽和電位と、前記微小表面硬度計による弾性変位率の測定方法により求めた弾性変位率τeを表5に示す。
Figure 0005660460
表5から飽和電位は特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の添加量にある範囲で依存している。
無添加の比較例9と比較すると添加量が0.5重量%未満ではほとんど飽和電位が変わらなくなり電荷トラップ抑制効果は見られなくなる。一方、添加量が10重量%を超えるともはや飽和電位は下がらなくなっており過剰であることがわかる。
弾性変位率は添加量が増えるに従い低下傾向を見せる。ラジカル反応性を有しない添加物の存在は、架橋密度の低下につながっていることを示す。しかしながら添加量が10重量%までは44%以上の弾性変位率を有しており十分な機械的強度を有していることが判る。しかしながら、添加量が10重量%を超えると弾性変位率は大きく低下し、保護層として十分な強度とは言えなくなる。
これらより保護層としての機械的強度を有しながら電荷トラップの少ないホール輸送性に優れた感光体を提供するには特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の添加量がラジカル重合性ホール輸送性化合物に対して0.5重量%〜10重量%の範囲で添加されるのが適切であることが判る。
<連続画像出力時の機内電位変化及び面内濃度ムラへの影響>
特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加することで保護層の電荷トラップ生成を低減できることがわかったが、実際の画像出力時にどの様に効果が有るかを評価した。
実施例1〜16及び比較例1〜8で作製した電子写真感光体をリコー製デジタルフルカラー複合機imagio MP C7500 SPのプロセスカートリッジに着装し、本体に取り付けて600×600dpiの解像度でリコーマイリサイクルペーパーGPのA4用紙を用い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各中間調帯模様のテストパターンを毎分60枚の印刷速度で連続500枚の画像出力した。1〜5枚目及び496〜500枚目のブラック画像を並べ、画像濃度の面内ムラをそれぞれ目視でランク評価した。また、1枚目と500枚目の中間調帯模様部(1by1ドットのブラック画像部)の画像濃度をマクベス濃度計により測定し、印刷開始時と終了時の画像濃度変化を見た。
画像濃度は、5箇所測定しその平均を求めた。
(面内ムラ ランクレベル)
ランク5:ムラが見られない
ランク4:ほとんどムラが見られない
ランク3:一部の画像で僅かなムラが見られる
ランク2:画像全てに僅かなムラが見られる
ランク1:画像全てにムラが明瞭に見られる
その結果を表6に記す。
Figure 0005660460
以上のように、本発明の電子写真感光体は、比較例1〜8の電子写真感光体と比べて画像濃度の面内のムラが小さく、高画質な画像出力が可能になっている。また、この特性が大量高速画像出力の後にも維持されている。また、1枚目と500枚目の中間調画像部の濃度変化が明らかに小さくなっており、経時で安定した画像出力が可能になっていることが判る。
この傾向が先の飽和電位値の大小ではなく、添加剤の有無に従って見えることから、保護層中の電荷トラップの存在量が画像出力時の経時での濃度変化や面内濃度ムラに寄与していることを示している。
従って、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物を添加することで電荷トラップの生成を抑制できる本発明の電子写真感光体は、より高画質で安定性の求められる商業印刷分野の画像出力方法、画像出力装置、それに用いられる画像出力装置用プロセスカートリッジの提供に有効なものであることが判る。
<他の添加剤種との比較>
本発明に用いられる特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の重要な機能は、ラジカル重合性ホール輸送性化合物の紫外線や電子線などに代表される高エネルギー線を照射した時の分解を抑制させることである。同様の機能を有するとして知られている紫外線吸収剤を添加した場合との相違を評価する。
また、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物は電子輸送材料としてよく知られている材料である。同様の機能を有するとして知られている電子輸送材を添加した場合、また色素材料の光褪色防止に効果がある1重項酸素クエンチャーを添加した場合、更に置換基を有さず硬化樹脂との相溶性が悪いベンゾキノン化合物やジフェノキノン化合物を添加した場合についても相違も評価する。
比較例10〜18で得られた感光体について前記と同様にして飽和電位を求めた。
その結果を表7に示す。
Figure 0005660460
以上のように他の化合物を添加した場合は、実施例2や実施例10に比べ飽和電位が顕著に高いことだけではなく、無添加系の比較例2と比べてむしろ大きくなるものもあり、ホール輸送性への副作用が大きいことが判る。
また、置換基を有さないベンゾキノン化合物やジフェノキノン化合物を用いた比較例15、17、18は、ベンゾキノン化合物やジフェノキノン化合物の結晶析出がみられ、感光体表面の凹凸が非常に大きく、出力画像にスジ状のクリーニング不良が観測された。
また、特定置換基により電子吸引性が非常に高いベンゾキノンを用いた比較例16は、ホール輸送性ラジカル重合性化合物とベンゾキノンが電荷移動錯体を形成し、その吸収から硬化不良が生じホール輸送性保護層に粘着性が観測された。
これらの事から本発明で使用される特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の効果は特有なものであることが判る。
<感光体の耐摩耗性の評価>
実施例29〜34、比較例19〜20の感光体を電子写真装置用プロセスカートリッジに装着し、リコー製imagio Neo 271にて5万枚の複写を実施した。まず、初期暗部電位を−850Vに設定し、画像面積6%の文字チャートを用い5万枚の複写試験を行い、初期と5万枚複写後終了時の全層膜厚を1cm間隔で測定し、その差から摩耗量を算出した。膜厚測定には渦電流式膜厚計FISCHERSCOPE MMS(Fischer製)用いた。その結果を表8に示す。
Figure 0005660460
以上のように、比較例19のホール輸送性保護層へかかる化合物を添加しない感光体に比べ、特定のベンゾキノン化合物又は特定のジフェノキノン化合物の添加量に伴い感光体の摩耗量は僅かに増加するが、比較例20のホール輸送性保護層を設けない感光体に比べ非常に高い耐摩耗性を有し、高画質で高耐久な長寿命感光体が提供できる。
10、10Y、10M、10C、10K 感光体
11、11Y、11M、11C、11K 帯電部材
12、12Y、12M、12C、13K 画像露光部材
13、13Y、13M、13C、13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16、16Y、16M、16C、16K 転写部材
17、17Y、17M、17C、17K クリーニング部材
18 除電部材
20Y、20M、20C、20K 画像形成要素
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材(二次転写部材)
24 定着部材
31 導電性支持体
33 感光層
35 電荷発生層
37 ホール輸送層
39 ホール輸送性保護層
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニングブレード
特開2000−66425号公報 特開2006−113321号公報 特許第4145820号公報 特開2004−302451号公報 特開2004−302452号公報

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に少なくとも電荷発生層、ホール輸送層、ホール輸送性保護層が順に積層されており、該保護層が少なくともラジカル重合性ホール輸送性化合物を紫外線又は電子線を照射することで連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなる電子写真感光体であって、該保護層中に下記一般式(1)で表されるベンゾキノン化合物、又は下記一般式(2)で表されるジフェノキノン化合物を含有させたことを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 0005660460
    〔式中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示し、R1〜R4のうち少なくとも1つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基である。〕
    Figure 0005660460
    〔式中、R5、R6、R7、R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換の炭素数1〜6のアルキル基、シクロへキシル基、置換又は無置換のフェニル基を示し、R5〜R8のうち少なくとも2つは上記アルキル基、シクロへキシル基又はフェニル基である。〕
  2. 前記一般式(1)のベンゾキノン化合物又は一般式(2)のジフェノキノン化合物の含有量が、ラジカル重合性ホール輸送性化合物に対して0.5〜10重量%であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. ラジカル重合性ホール輸送性化合物のラジカル重合性反応基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. ホール輸送性保護層が、ラジカル重合性ホール輸送性化合物と共にホール輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーを連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. ホール輸送性保護層が、少なくとも下記一般式(3)で表される1官能のラジカル重合性ホール輸送性化合物と、ホール輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとを連鎖重合させて得られる3次元架橋膜からなることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光体。
    Figure 0005660460
    [式中、R11、R12、R13、R14、R15は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R13とR14は環を形成していてもよい。o、pは0〜5の整数を、q、r、sは0〜4の整数を表し、o、p、q、r、sが2以上の場合は異なっていてもよい。mは0または1の整数を表す。Xは単結合、またはアルキレン基、アルキレンオキシ基の2価基を表す。]
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体を用いて、少なくとも帯電、画像露光、現像、転写を繰り返し行なうことを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段を有し、画像形成装置本体に着脱可能であるプロセスカートリッジにおいて、前記電子写真感光体が、請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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