JP2015028581A - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真方法、電子写真装置および電子写真用プロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真方法、電子写真装置および電子写真用プロセスカートリッジ Download PDF

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智大 平出
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洪国 李
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Yoshiaki Kawasaki
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Abstract

【課題】耐摩耗性及び耐傷性が高く安定であり、且つ電気的特性が良好であり、さらに、異常画像の原因となる傷が感光体表面に生じた場合であってもその傷を修復することで、長期間にわたり使用が可能な電子写真感光体の提供。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、電子写真感光体は、表面層がフラン誘導体及びマレイミド誘導体由来の架橋硬化物と、下記一般式(C)で表される構造を有する特定の融点である添加剤とを含有する。
Figure 2015028581

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真方法、電子写真装置および電子写真用プロセスカートリッジに関する。
近年、あらゆる業界において環境負荷低減の試みが活発に行われ、電子写真分野でもさまざまな部品で環境負荷低減活動が行われている。例えば、筐体に使用されるプラスチックを石油由来の材料から植物由来材料に変更することや、トナーの樹脂を植物由来材料に変更するなどの試みが行われている。
感光体分野においても長年、環境負荷低減活動が行われている。例えば、感光体の長寿命化による新規投入資源量の削減などが試みられている。感光体が寿命となる要因としては、長期の繰り返し使用における、クリーニングブレードや帯電ローラー等の接触部材との接触や、またキャリア、トナーあるいは紙との接触による感光層や、表面層の摩耗や局所的な傷の発生が挙げられる。
感光層や、表面層の摩耗対策としては、感光体最表層の機械的耐久性を向上させることにより表面の物理的損傷を防ぐ方法が一般的である。まず初めに耐摩耗性に優れるバインダー樹脂の検討が行われたが、必ずしも満足いくものではなかった。別の考え方として最表層に保護層を設けるという方法がある。
保護層を構成するバインダー樹脂中に硬度の大きな金属酸化物等のフィラーを含有させることで接触部材やトナー、キャリア、紙などとの摺擦が原因で起こる摩耗を低減することが可能となる(特許文献1)。
しかしながら十分な耐摩耗性を発現させるためにはフィラーを高濃度に添加する必要があり、その結果、露光後の電位上昇による画像濃度低下や高温高湿環境下における画像ボケ、画像流れ等画像上の不具合が発生する。
また、耐摩耗性を向上させる別の方法として架橋膜を用いた保護層を設けることが検討されてきた。熱、光もしくは電子線によって3次元架橋された架橋膜を最表層に設けることで、耐摩耗性が格段に改善された(特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
さらに耐摩耗性を向上させるために架橋膜にフィラーを含有させる検討も行われている(特許文献5)。
一方、感光体の最表層がクリーニングブレードや帯電ローラ等の接触部材との接触や、キャリア、トナーあるいは紙と接触することで局所的な傷が発生し、感光体が寿命となることがある。
傷の発生による寿命低下を改善する方法としては感光体最表層を非常に硬くすることが挙げられ、前述のようにフィラーを最表層に含有させることにより表面硬度を大きくすることが傷発生の低減に効果的である。
また、別の方法として、架橋反応により3次元の強固な膜を形成することで傷の発生を抑制することは可能である。
しかしながら、最表層を硬くする方法を用いても傷の発生をゼロにすることは不可能であり、またこれまで提案されてきた保護層では一度発生した傷は修復不可能であるため、画像形成に影響を及ぼす大きな傷が発生すると感光体を交換するしか方法がなく、傷ついた感光体は破棄するほか手段はなかった。
このような問題点に対して、発生した傷を修復し元通りにすることで長寿命化を達成する方法が提案されている。感光体の最表層に生じた傷を修復する方法としては、表面に弾力性を持たせて凹んだ状態をつくり、その状態から元通り復元する(物理的修復)方法と、感光体の最表層に修復材料を用いてキズを化学反応により分子構造から修復する方法(化学的修復)が既に知られている。
感光体の傷を物理的に修復する例として外力に対して反発することなくその衝撃を吸収する方法がある(特許文献6)。この方法は接触部材との接触による傷の発生を低減させることを目的としており、外見上は傷と視認される凹んだ状態をつくることで衝撃を緩和し、その後時間をかけて凹みを修復する。
しかしながら外力の衝撃を吸収しきれずに膜の一部が削り取られた場合、傷を修復することは不可能となる。
また、近接放電における樹脂分子鎖の切断による分子量低下、高分子鎖の絡み合い度低下等による表面層の膜厚の減少を防止するために、自己修復性樹脂を感光体の表面層に用いる方法が提案されている(特許文献7)。この方法は傷によって分子鎖が切れた場合であっても反応性置換基を有する自己修復性樹脂が重合反応によって架橋結合することで傷を修復する。
しかしながら前述のように表面層の膜の一部が削り取られた場合、削り取られた傷部を埋めることができず、自己修復機能を発揮することが不可能となる。また自己修復性樹脂は反応性のある置換基を有するため、感光層に含有させた場合、反応性置換基が電気特性に悪影響を与えてしまうことあること、さらに自己修復性樹脂は非架橋樹脂であることから十分な耐摩耗性を有していないといった問題があった。
また、化学反応(1つ以上)または重合を経て、亀裂またはその他の物理的欠陥を修復するポリマーをカプセルに内包させ、傷部のカプセルが破裂することで、修復する方法が提案されている(特許文献8)。反応によって傷を修復することは可能であるが、削り取られた傷に対しては十分な修復機能を持っておらず、また傷を修復できるのは一度だけであり、複数回の傷に対しては修復することはできないという問題があった。
また、ディールス・アルダー反応を利用して樹脂を合成することで、感光体リサイクルの際に硬化膜の除去をし易くすることが提案されている(特許文献9,10)。しかし、硬化膜を除去せずに感光体の再利用を可能にするものではない。
本発明の課題は、耐摩耗性及び耐傷性が高く安定であり、且つ電気的特性が良好であり、さらに、異常画像の原因となる傷が感光体表面に生じた場合であってもその傷を修復することで、長期間にわたり使用が可能な電子写真感光体を提供することである。
上記課題は、本発明の、下記(1)〜(13)によって解決される。
(1)「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体は、表面層が少なくともフラン誘導体及びマレイミド誘導体由来の架橋硬化物と、添加剤とを含有するものであり、前記添加剤は、下記一般式(C)で表される構造を有し、融点が60℃以上160℃以下であることを特徴とする電子写真感光体;
Figure 2015028581
(一般式(C)中、R、Rは各々独立して、−COR、−COOR、−ORを表し、RとRが結合して環を形成してもよい。Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5、6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、−COOR、(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表し、これらは互いに結合して環を形成してもよい。)」、
(2)「前記表面層の添加剤の含有量が10wt%以上30wt%以下であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真感光体」、
(3)「前記フラン誘導体は、電荷輸送構造を有するフラン誘導体を含むことを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載の電子写真感光体」、
(4)「前記電荷輸送構造は、トリアリールアミン構造であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(5)「前記マレイミド誘導体は、3個以上のマレイミド官能基を有するマレイミド誘導体を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(6)「前記フラン誘導体、前記マレイミド誘導体、及び一般式(C)で表される添加剤が、それぞれ分子量が250以上であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(7)「前記表面層は、金属酸化物フィラーを含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(8)「前記金属酸化物フィラーの平均1次粒径が0.15μm以上1.5μm以下であることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真感光体」、
(9)「前記表面層は、金属酸化物フィラーの含有量が1wt%以上30wt%以下であることを特徴とする前記第(7)項または第(8)項に記載の電子写真感光体」、
(10)「前記表面層は、一般式(D)で示される酸化防止剤を含むことを特徴とする前記第(1)項乃何至第(9)項のいずれかに記載の電子写真感光体;
Figure 2015028581

前記一般式(D)中、A及びBは、−CHX、または、−CHCHYを表し、互いに同一であっても、異なってもよい。X及びYは、それぞれ芳香族残基、シクロアルキル基、及びヘテロシクロアルキル基のいずれかを表し、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい」、
(11)「前記感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の電子写真感光体」、
(12)「前記感光層にフェノール系酸化防止剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真感光体」により解決される。
また、上記課題は、
(13)「導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体の製造方法であって、前記電子写真感光体は、表面層が少なくともフラン誘導体及びマレイミド誘導体由来の架橋硬化物と、添加剤とを含有するものであり、前記添加剤は、下記一般式(C)で表される構造を有し、融点が60℃以上160℃以下であり、架橋硬化物の架橋を解き、前記添加剤の融点以上の温度で再度架橋させることを特徴とする電子写真感光体の製造方法;
Figure 2015028581
(一般式(C)中、R、Rは各々独立して、−COR、−COOR、−ORを表し、RとRが結合して環を形成してもよい。Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5、6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、COOR、COOR(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表し、これらは互いに結合して環を形成してもよい。)」、
(14)「電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像を繰り返し行う電子写真方法において、前記電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真方法」、
(15)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段及び電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であって、前記電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装置」、
(16)「少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写真装置用プロセスカートリッジであって、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ」により解決される。
以下の詳細かつ具体的な説明から理解されるように、本発明によれば、耐摩耗性及び耐傷性が高く安定であり、且つ電気的特性が良好であり、さらに、異常画像の原因となる傷が感光体表面に生じた場合であってもその傷を修復することで、長期間にわたり使用が可能な電子写真感光体が提供される。
本発明の実施形態に係る積層構成の電子写真感光体の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る積層構成の電子写真感光体の別の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る積層構成の電子写真感光体の更に別の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る単層構成の電子写真感光体の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る単層構成の電子写真感光体の別の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体及び周辺部材の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電子写真感光体のプロセスカートリッジの一例を示す模式図である。 本発明で使用した合成例3のフラン誘導体(具体例A−7の化合物)の赤外吸収スペクトルである。 本発明で使用した合成例5のフラン誘導体(具体例A−23の化合物)の赤外吸収スペクトルである。
本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
導電性支持体上に感光層を有し、表面層が少なくともフラン誘導体及びマレイミド誘導体由来の架橋硬化物と、添加剤とを含有するものであり、前記添加剤が下記一般式(C)で表される構造を有し、融点が60℃以上160℃以下であることとで、耐摩耗性が高く、さらに傷が生じた場合であっても傷を修復することが可能である。
Figure 2015028581

(一般式(C)中、R、Rは各々独立して、−COR、−COOR、−ORを表し、RとRが結合して環を形成してもよい。Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5、6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、−COOR、(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表し、これらは互いに結合して環を形成してもよい。)
本発明の電子写真感光体が傷を修復できる理由としては以下の要因が挙げられる。
本発明の表面層は、ディールス・アルダー反応によるフラン誘導体とマレイミド誘導体が3次元架橋することで耐摩耗性を大幅に向上させることが可能となる。
そして、感光体表面に傷が生じた場合、レトロディールス・アルダー反応により架橋膜をフラン誘導体とマレイミド誘導体に分解し、再度架橋反応させることで傷を修復することが可能となる。このレトロディールス・アルダー反応が起こる温度領域において、フラン誘導体及びマレイミド誘導体と相溶性を有する添加剤が液体状態であることによって、傷部にこれらの材料が流れ込んで傷を埋め、再度架橋させることで傷の修復が可能となる。
(フラン誘導体)
本発明のフラン誘導体は、マレイミド誘導体と共にディールス・アルダー反応により架橋硬化物を形成するジエン材料あり、1分子中にフラン基を2個以上有する。
フラン誘導体は、電荷輸送機能を持たせるため、従来公知の低分子電荷輸送物質にフラン基を1分子当たり2個以上導入したものであることが好ましい。さらに、フラン基が3個以上有するフラン誘導体は、3次元網目構造形成し、耐摩耗性を向上させることができるため好ましく用いられる。
また、加熱処理時にフラン誘導体が揮発しないことが求められ、フラン誘導体の分子量は250以上であることが好ましい。
電荷輸送機能は、後述するマレイミド誘導体に持たせてもよいが、適用される感光体が負帯電型の積層感光体である場合、すなわち、低分子電荷輸送物質が電荷輸送(ホール輸送)性を示すトリアリールアミン構造を有する化合物が使用される場合は、構造的に電子供与性を示し、且つ反応性もよいことから、電荷輸送構造を有するフラン誘導体であることが好ましい。
電荷輸送構造を有するフラン誘導体としては、下記一般式(1)または、一般式(8)で表わされるフラン誘導体を挙げることができる。
Figure 2015028581

(一般式(1)中、Ar、Arは置換基を有してもよいアリール基を表し、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表す。)
Ar、Arにおいて置換基を有しても良いアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられ、また下記一般式(2)、一般式(3)で表される基も挙げることができる。
Figure 2015028581
Figure 2015028581
(一般式(3)中、R12は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基を表し、Xは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、及び以下の一般式(4)または一般式(5)で表わされる2価基を表す。)
Figure 2015028581
(一般式(4)中、aは1〜12の整数を表す。)
Figure 2015028581
(一般式(5)中R13は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアリール基を表し、bは1〜3の整数を表す。)
一般式(1)〜(5)の置換基としては、ハロゲン原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられる。
前記ハロゲン原子の具体例として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
また、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。
また、置換基を有しても良いアルコキシ基の置換基は、アルキル基であり、置換基を有しても良いアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
一般式(1)において、トリアリールアミン構造が嵩高く剛直であると架橋密度が低下することがあるため、Ar、Arのアリール基がフェニル基である下記一般式(6)であることが好ましく、さらにRがメチレンである下記一般式(7)であることが好ましい。
Figure 2015028581
(一般式(6)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を表し、R〜R11は各々独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
Figure 2015028581
(一般式(7)中、R〜R11は各々独立して、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。)
一般式(6)、一般式(7)の前記R〜R11は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基を表す。炭素数1〜6のアルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、フェニル基が挙げられる。
置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
また、アルコキシ基は、上記置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
また、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基等が挙げられる。 これらの置換基としては、ハロゲン原子や炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基は、上記記載と同様である。
Figure 2015028581
(一般式(8)中、Rは炭素数1〜6のアルキレン基、Xはメチレン基、−(CO)−、−(CO)NHCH−を表し、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有しても良いアルコキシ基、置換基を有しても良いアリール基、下記一般式(9)で表わされる基を表す。)
Figure 2015028581
(一般式(9)中R及びXは、一般式(8)と同じである。)
表1〜表7にフラン誘導体の具体例を示す。表中、特にA−2〜A−19は、前記一般式(1)、一般式(6)、一般式(7)で表されるフラン誘導体である。
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581

Figure 2015028581
Figure 2015028581
本発明のフラン誘導体は従来公知の方法で得られる。
例えば、一般式(1)、一般式(6)、一般式(7)で表わされるフラン誘導体は、触媒とするアゾジカルボン酸エステルとトリフェニルホスフィンの存在下、アルコール体とジフェノール誘導体とを脱水縮合させる下記の合成方法により合成することができる。
Figure 2015028581
前記ジフェノール誘導体は、従来公知の化合物であり、例えば、特許公報第3540099号記載の方法等により合成することができる。
前記アゾジカルボン酸エステルはとしては、1、1’−(アゾカルボニル)ジピペリジン、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル、アゾジカルボン酸ジベンジル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、アゾジカルボン酸ジメチルなどが挙げられる。
また、前記トリフェニルホスフィンとしては、4−(ジメチルアミノ)フェニルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、ジエチルフェニルホスフィン、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、フェノキシジフェニル、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−n−ヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどが挙げられる。
前記アゾジカルボン酸エステル及びトリフェニルホスフィンは、いずれも市販品を使用できる。
前記フラン誘導体を合成する際の溶媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタン、クロロホルム及びトルエンなどが挙げられる。
反応温度は−5℃から溶媒の沸点の範囲で実施可能であり、0℃から室温の範囲が好ましい。さらに、反応は窒素、アルゴン等の不活性ガス気流下に実施することが好ましい。反応時間は通常1時間から24時間で完結する。
また、例示化合物A−15〜A−18では、フルフリルアルコールから誘導されるアルコキシドとハロゲン化アルキル含有トリフェニルアミン化合物とのWilliamson反応によりエーテル結合によりフラン基を導入できる。
Figure 2015028581
また、本発明のフラン誘導体は、酸クロライドとアルコールとのエステル化による結合や、イソシアネートとアルコールの付加縮合反応によってもフラン基の導入が可能である。
Figure 2015028581
Figure 2015028581
(マレイミド誘導体)
本発明のマレイミド誘導体は、フラン誘導体と共にディールス・アルダー反応により架橋硬化物を形成するジエノフィル材料あり、1分子中にマレイミド基を2個以上有するものである。3個以上のマレイミド官能基を有するマレイミド誘導体であると、3次元網目構造形成し、耐摩耗性を向上させることができ好ましい。
また、加熱処理時に揮発しないことが求められ、マレイミド誘導体及び添加剤の分子量は250以上であることが好ましい。
マレイミド誘導体は、バインダー樹脂にレイミド基を複数導入したものや、マレイミド構造を2個以上有するモノマーを使用することができる。
本発明のマレイミド誘導体の例を表8に示す。
Figure 2015028581
本発明のマレイミド誘導体は、従来公知の方法で合成することができ、例えば、例示化合物B−1は、以下に示すように、ジアミノ体と無水マレイン酸とを酸触媒下でイミド化することで得ることができる。
Figure 2015028581

前記フラン誘導体とマレイミド誘導体は、官能基当量比で0.8:1.2〜1.2:0.8で配合することが好ましい。また、フラン誘導体とマレイミド誘導体とが架橋した構造体は表面層において50wt%以上包含されていることが好ましく、さらに60wt%以上であることがさらに好ましい。50wt%未満であると十分な耐摩耗性が得られなくなることがある。
表面層を形成する架橋硬化物は、前記フラン誘導体と前記マレイミド誘導体とのディールス・アルダー反応により形成される。
ディールス・アルダー反応の加熱温度は、正反応は反応を十分に進行させるためにも、また、残留溶媒を防ぐためにも60℃〜100℃が好ましい。
本発明の表面層は、逆ディールス・アルダー反応によりフラン誘導体とマレイミド誘導体に解離する。架橋硬化物が解離した際にフラン誘導体とマレイミド誘導体と相溶性を有する添加剤を含有することで、前記材料がキズ部位に流れ、キズを埋めて修復する効果をもたらす。
逆ディールス・アルダー反応は、感光層組成物の材料劣化やそれに起因する電気特性悪化を防ぐためにも比較的低温である130℃〜160℃が好ましい。
したがって、添加剤は、前記温度範囲内で液体であることが必要であり、一方、電子写真感光体の使用温度範囲(−5℃〜50℃)においては、安定性や耐摩耗性を発揮するために固体状態であることが好ましく、添加剤の融点は60℃以上160℃以下である。さらに、正反応時に液体であると、再度のフラン誘導体とマレイミド誘導体との反応性向上に寄与することから、100℃以下であることがさらに好ましい。
また、加熱処理時に添加剤が揮発しないことが求められ、添加剤の分子量は250以上であることが好ましい。
前記添加剤は、一般式(C)で表される構造を有するものであり、前記フラン誘導体及び前記マレイミド誘導体と相溶性を有し、架橋硬化物内においては架橋構造を形成する分子鎖間に微分散されて固定され、架橋硬化物の耐摩耗性を低下させることがない。一方、架橋硬化物の逆ディールス・アルダー反応の際には融解し、前記フラン誘導体及び前記マレイミド誘導体に流動性を付与するものである。
Figure 2015028581
(一般式(C)中、R、Rは各々独立して、−COR、−COOR、−ORを表し、RとRが結合して環を形成してもよい。Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5、6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、COOR、(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表し、これらは互いに結合して環を形成してもよい。)
前記一般式(C)で表される構造を有する添加剤は、下記一般式(10)で表わされるものであることが好ましい。
Figure 2015028581
(一般式(10)中、R、Rは各々独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロペンチル基、置換基を有してもよいシクロへキシル基を表し、R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、COOR(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表す。)
中でも、前記一般式(10)のR〜Rは水素原子であることが好ましく、また、R、Rは、シクロへキシル基であることが好ましい。
表9に、本発明で用いる添加剤の例を示す。
Figure 2015028581
前記添加剤の表面層中の含有量は、10wt%以上30wt%以下であることが好ましく、10wt%以上20wt%以下であることがより好ましい。10wt%未満では充分流動化せずにキズ修復機能が低下することがあり、30wt%を超えると表面層の耐摩耗性が低下することがある。
本発明の電子写真感光体の表面層には、特性を損なわない範囲で必要に応じて、金属酸化物フィラー、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
(金属酸化物フィラー)
本発明の表面層には、金属酸化物フィラーを含有することができる。金属酸化物フィラーを含有することで、耐摩耗性耐傷性をさらに向上させることができる。
前記金属酸化物フィラーとしては、酸化チタン、アルミナ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ケイ素からなる無機微粒子が挙げられる。
保護層に添加されるこれらの金属酸化物フィラーの量は、重量基準で通常は、1wt%以上30wt%であることが好ましく、5wt%以上15wt%以下であることが好ましい。
金属酸化物フィラーの量が1%未満では、摩耗が大きく、耐久性に劣ることがある。30%を越えると、傷部への保護層材料の流動性が阻害されると同時に露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので望ましくない。
金属酸化物フィラーの粒径は、平均1次粒径として0.15μm以上〜1.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以上1.0μm以下であることがより好ましい。
粒径が0.15μm未満では耐摩耗性が充分でない場合があり、また、粒径が1.5μmを越えると傷部への保護層材料の流動性が阻害されるため好ましくない。
なお、本発明における金属酸化物フィラーの平均粒径とは、特別な記載のない限り体積平均粒径である。平均粒径は、超遠心式自動粒度分布測定装置:CAPA−700(堀場製作所製)により求めたものであり、累積分布の50%に相当する粒子径(Median径)として算出されたものである。
(分散剤)
さらに表面層には、金属酸化物フィラーの分散性を向上させるために分散助剤を添加することができる。
添加される分散助剤は塗料等に使用されるもの(例えば、変性エポキシ樹脂縮合物、不飽和ポリカルボン酸低分子量ポリマー等)が適宜利用でき、その量は重量基準で通常は、含有する金属酸化物フィラーの量に対して0.5〜4wt%、好ましくは、1〜2wt%である。
表面層の塗工溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種以上併用してもよい。
これら金属酸化物フィラー材料は、適当な分散機を用いることにより分散できる。また、保護層の透過率の点から使用する金属酸化物フィラーは1次粒子レベルまで分散され、凝集体が少ない方が好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の表面層は酸化防止剤を含有することができ、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等、従来公知の酸化防止剤を使用できるが、下記一般式(D)で表される酸化防止剤は、本発明で用いるフラン誘導体、マレイミド誘導体及び一般式(C)で表される構造を有する添加剤と親和性が高く、傷の修復を阻害しないため好ましく使用できる。
Figure 2015028581

前記一般式(D)中、A及びBは、−CHX、または、−CHCHYを表し、互いに同一であっても、異なってもよい。X及びYは、それぞれ芳香族残基、シクロアルキル基、及びヘテロシクロアルキル基のいずれかを表し、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。
上記一般式(D)で表される酸化防止剤のうち、特に下記式(D1)〜(D5)で表わされる酸化防止剤は、初期感度が高く、耐オゾン性および耐NOxが高く、安定した性能を示す電子写真感光体が提供でき、好ましく使用できる。
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581
Figure 2015028581
表面層中の前記一般式(D)で表わされる酸化防止剤の含有量は、電荷移動剤1.0重量部に対し、0.01〜0.30重量部とすることが好ましい。
酸化防止剤の含有量が0.01重量部より少ないと、耐オゾン性、耐NOx性が低下することがあり、画像濃度の変化が大きくなるなどの弊害が発生することがある。
また、含有量が0.30重量部を超えると残留電位が上昇するなど電気特性が悪化することがある。
前記一般式(D)で表される酸化防止剤と併用できる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤が好ましく使用でき、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2.6−ジ−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2.4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2.6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2.2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4.4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4.4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1.1.3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1.3.5−トリメチル−2.4.6−トリス(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3.5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等を挙げることができ、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
(紫外線吸収剤)
本発明における表面層は、前記一般式(D)で表される酸化防止剤とベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を合わせて使用することにより、耐久性の向上に更に寄与する。
前記紫外線吸収剤としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3.5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3.5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。
本発明の表面層に添加される紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に電荷移動剤100重量部対して3〜20重量部であることが好ましい。
表面層の形成法としては、スプレー法等通常の塗布法が採用され、保護層の厚さは、0.5〜15μm、好ましくは3〜10μm程度が適当である。
次に、本発明の感光体の構成について、図面を参照して以下に説明する。
本発明の感光体は、図1に示すように、導電性支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層3と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層4が積層された構成をなしている。
また、本発明の感光体は、図2に示すように、図1の層構造に加えて、導電性支持体1と電荷発生層3との間に、下引き層2、あるいは中間層2を形成してもよい。
また、本発明の感光体は、図3に示すように、図2の層構造に加えて、電荷輸送層4の上に保護層5を形成してもよい。
さらに、本発明の感光体は、図4に示すように、導電性支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を含む単層の感光層6を有した単層型感光体の態様をなしてもよく、図5に示すように、さらに保護層5を形成してもよい。
<導電性支持体>
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
また、(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体として良好に用いることができる。
<感光層>
次に、感光層について説明する。
積層構成の感光層は、少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層が順次積層されることによって構成されている。
<電荷発生層>
電荷発生層は、電荷発生物質を主成分とする層である。電荷発生物質としては、特に限定はなく、フタロシアニンやアゾなど公知の材料を用いることができる。
必要に応じて電荷発生層に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
バインダー樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。また、電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
前記電荷発生層は、電荷発生物質を必要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの公知の分散方法を用いて分散し、これを導電性支持体上、もしくは下引き層や中間層上に塗布し、乾燥することにより形成される。バインダー樹脂の添加は、電荷発生物質の分散前、あるいは分散後のどちらでも構わない。
前記電荷発生層の形成に用いられる前記溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等の一般に用いられる有機溶剤が挙げられるが、これらの中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
前記電荷発生層の形成用塗工液は、電荷発生物質、溶媒及びバインダー樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
上記塗工液を用いて電荷発生層を塗工する方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の公知の方法を用いることができる。
塗工後には、オーブン等で加熱乾燥される。本発明における電荷発生層の乾燥温度としては、50℃以上160℃以下が好ましい。
<電荷輸送層>
次に電荷輸送層について説明する。
電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を溶剤に溶解又は分散した塗工液を、塗布、乾燥することにより形成される。また、電荷輸送層の塗工液には、必要に応じて、単独又は2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑剤等の添加剤を添加してもよい。
電荷輸送物質としては、ポリ(N−ビニルカルバゾール)及びその誘導体、ポリ(γ−カルバゾリルエチルグルタメート)及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、アミノビフェニル誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、エナミン誘導体等の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は、単独又は2種以上混合して用いられる。
電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂100重量部に対して、通常、20〜300重量部であり、40〜150重量部が好ましい。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
塗工溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン等が挙げられ、2種以上併用してもよい。電荷輸送層の膜厚は、解像度や応答性の点から、10〜50μmであることが好ましく、15〜35μmがさらに好ましい。
塗工する方法としては、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、ノズルコート法、スピナーコート法、リングコート法等の公知の方法を用いることができるが、電荷輸送層は膜厚をある程度厚く塗る必要があるため、粘性の高い液で浸漬塗工法に塗工することが好ましい。
塗工後の電荷輸送層は、オーブン等で加熱乾燥される。乾燥温度は塗工液に含有される溶媒によっても異なるが、80〜160℃あることが好ましく、110〜140℃がより好ましい。また、乾燥時間は、10分以上であることが好ましく、20分以上がさらに好ましい。
<単層>
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。
単層構成の感光層は、積層構成の感光層で述べた電荷発生物質、電荷輸送物質をバインダー樹脂中に分散乃至溶解させ、電荷発生機能、及び電荷輸送機能を一つの層で実現した感光体である。
前記電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質の双方が含有されることが好ましい。
感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質及びバインダー樹脂をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン等の溶剤に溶解ないし分散し、これを浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどの従来公知の方法を用いて塗工して形成できる。
また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
単層の感光層に用いられる電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、有機溶剤及び各種添加剤等に関しては、前述の電荷発生層及び電荷輸送層に含有されるいずれの材料をも使用することが可能である。
バインダー樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げたバインダー樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。バインダー樹脂100質量部に対する電荷発生物質の量は、5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
また、電荷輸送物質の量は、0〜190質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。また、感光層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
<下引き層>
本発明の感光体においては、導電性支持体と感光層の間に、下引き層を設けることができる。
下引き層は、一般に、樹脂を主成分とするが、このような樹脂は、その上に溶剤を用いて感光層を塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対する耐溶剤性が高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、イソシアネート、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
また、下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等のために、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、前述の電荷発生層や電荷輸送層と同様に、溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。さらに、下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
<画像形成装置>
図6は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体10は、図6中の矢印の方向に回転し、感光体10の周りには、帯電部材11、画像露光部材12、現像部材13、転写部材16、クリーニング部材17、除電部材18等が配置される。クリーニング部材17や除電部材18が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。
帯電部材11により、感光体10の表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材12により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材13により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ14により転写部位に送られた転写紙15に、転写部材により、トナー像が転写される。
このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材17によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材18により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図6に示すように、感光体10はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
帯電部材11、転写部材16には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
また、画像露光部材12、除電部材18等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体10に光が照射される。但し、除電工程における感光体10への露光は、感光体10に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体10に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
感光体表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このような異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、それらが感光体に付着することによって、異常画像が発生しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。
したがって、上記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であることが高画質化の点からより好ましい。
現像部材13により、感光体10上に現像されたトナーは、転写紙15に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体10上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材17により、感光体10から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。
本発明の感光体は、高光感度ならびに高安定化を実現したことから小径感光体に適用できる。したがって、上記の感光体がより有効に用いられる画像形成装置あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム方式の画像形成装置に極めて有効に使用される。上記タンデム方式の画像形成装置は、フルカラー印刷に必要とされるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及びそれらを保持する現像部を配置し、更にそれらに対応した少なくとも4本の感光体を具備することによって、従来のフルカラー印刷が可能な画像形成装置に比べ極めて高速なフルカラー印刷を可能としている。
図7は、本発明のタンデム方式のフルカラー電子写真装置を説明するための概略図であり、下記するような変形例も本発明の範疇に属するものである。
図7において、感光体(10C,10M,10Y,10K)は、ドラム状の感光体10であり、これらの感光体(10C,10M,10Y,10K)は、図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部材(11C,11M,11Y,11K)、現像部材(13C,13M,13Y,13K)、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)が配置されている。
この帯電部材(11C,11M,11Y,11K)と、現像部材(13C,13M,13Y,13K)との間の感光体(10C,10M,10Y,10K)の表面に、図示しない露光部材からのレーザー光(12C,12M,12Y,12K)が照射され、感光体に静電潜像が形成されるようになっている。
そして、このような感光体(10C,10M,10Y,10K)を中心とした4つの画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)が、中間転写ベルト(19)に沿って並置されている。
中間転写ベルト19は、各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)の現像部材(13C,13M,13Y,13K)と、クリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)との間で感光体(10C,10M,10Y,10K)に当接しており、中間転写ベルト19の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写部材(16C,16M,16Y,16K)が配置されている。各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)は現像装置内部のトナーの色が異なることであり、その他は全て同様の構成となっている。
図7に示す構成のカラー電子写真装置において、画像形成動作は次のようにして行なわれる。まず、各画像形成ユニット(20C、20M、20Y、20K)において、感光体(10C,10M,10Y,10K)が、感光体と連れ周り方向に回転する帯電部材(11C,11M,11Y,11K)により帯電され、次に、露光部(図示せず)でレーザー光(12C,12M,12Y,12K)により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
次に現像部材(13C,13M,13Y,13K)により潜像を現像してトナー像が形成される。現像部材(13C,13M,13Y,13K)は、それぞれC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)のトナーで現像を行なう現像部材で、4つの感光体(10C,10M,10Y,10K)上で作られた各色のトナー像は中間転写ベルト19上で重ねられる。
転写紙15は給紙コロ21によりトレイから送り出され、一対のレジストローラ22で一旦停止し、上記感光体上への画像形成とタイミングを合わせて転写部材23に送られる。中間転写ベルト19上に保持されたトナー像は転写部材23に印加された転写バイアスと転写ベルト19との電位差から形成される電界により、転写紙15上に転写される。
転写紙上に転写されたトナー像は、搬送されて、定着ユニット24により転写紙上にトナーが定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体(10C,10M,10Y,10K)上に残った残留トナーは、それぞれのユニットに設けられたクリーニング部材(17C,17M,17Y,17K)で回収される。
図7に示したような、中間転写方式は、フルカラー印刷が可能な画像形成装置に特に有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。
中間転写方式で用いる中間転写体には、ドラム状やベルト状など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明においては従来公知である中間転写体のいずれも使用することが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化に対し有効かつ有用である。
なお、図7の例では画像形成要素は中間転写ベルトの走行方向上流側から下流側に向けて、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(ブラック)の色の順で並んでいるが、この順番に限るものではなく、色順は任意に設定されるものである。
また、黒色のみの原稿を作成する際には、黒色以外の画像形成要素(20C,20M,20Y)が停止するような機構を設けることは本発明に特に有効に利用できる。本発明は、耐摩耗性に優れ、かつ、異常画像の原因となる感光体に生じたキズを修復することができる特徴を有する本発明に係る電子写真感光体を用いることで、信頼性の高い画像形成方法及び画像形成装置を実現できる。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。プロセスカートリッジの一例を図8に示す。
画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体10を内蔵し、他に、帯電手段11、現像手段13、転写手段16、クリーニング手段17、除電手段(図示せず)の少なくとも一つを一体に具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図8に例示される装置による画像形成プロセスについて示すと、感光体10は、回転しながら、帯電手段11による帯電、露光手段(図示せず)露光12により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段13で現像されてトナー像となり、該トナー像は転写手段16により、転写紙15に転写され、プリントアウトされる。
次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段17によりクリーニングされ、再び以上の操作を繰り返すものである。本発明に係る電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段のうち少なくとも一つとを一体に具備し、画像形成装置に対して脱着可能な画像形成装置用プロセスカートリッジとして、好ましく用いることができるものである。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<合成例1>
(具体例A−1の化合物の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に。下記構造式で表されるジエノフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール4.12g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン10.62g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1‘−(アゾカルボニル)ジピペリジン13.25g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。
Figure 2015028581
その後、ろ過してエバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(具体例A−7)4.21gを得た。
<合成例2>
(トリアリールアミン構造を有するジエン、具体例A−3の化合物の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に。下記構造式で表されるジエノフェノール誘導体10g、下記構造式で表されるフラン化合物4.48g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン9.61g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1‘−(アゾカルボニル)ジピペリジン11.98g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。
Figure 2015028581
Figure 2015028581
その後、ろ過してエバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(具体例A−3)2.61gを得た。
<合成例3>
(トリアリールアミン構造を有するジエン、具体例A−7の化合物)の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、下記構造式で表されるジエノフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール4.06g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン10.05g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1、1’−(アゾカルボニル)ジピペリジン12.53g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。
Figure 2015028581

その後、ろ過して、エバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(具体例A−7の化合物)4.53gを得た。
元素分析結果を以下に示す。なお、表10中の%は、質量%である。
Figure 2015028581
また、赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図9 に示す。
<合成例4>
(トリアリールアミン構造を有するジエン、具体例A−15の化合物の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に。下記構造式で表されるジエノフェノール誘導体10g、フルフリルアルコール3.73g(東京化成品製)、トリブチルホスフィン9.61g(東京化成品製)、脱水ジクロロメタン200mlを入れ、窒素気流下、1,1‘−(アゾカルボニル)ジピペリジン11.98g(東京化成品製)を溶かしたジクロロメタン溶液30mlを3℃でゆっくり滴下し、さらに同温度で10時間反応を行った。
Figure 2015028581
その後、ろ過してエバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の黄色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った後、淡黄色粉体のフラン誘導体(具体例A−15)4.43gを得た。
<合成例5>
(トリアリールアミン構造を有するジエン、具体例A−23の化合物の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、下記構造式で表わされるトリメチロール体3.00g、2−フランカルボン酸3.30g(東京化成品社製)、トリブチルホスフィン5.97g(東京化成品社製)、脱水テトラヒドロフラン100mlを入れ、窒素気流下、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン7.44g(東京化成品社製)を溶かしたテトラヒドロフラン溶液30mlを1℃でゆっくり滴下し、さらに還流下で48時間反応を行なった。
Figure 2015028581

その後、ろ過して、エバポレーターにより反応溶媒を除き、粗収物の白色粉体を得、さらにシリカゲルによりカラム精製を行なった後、白色粉体のフラン誘導体(具体例A−23)1.12gを得た。
具体例A−23の化合物の 赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を図10に示す。
<合成例6>
(トリスマレイミド(具体例B−2の化合物)の合成)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、トリス(2−アミノエチル)アミン4.88g(東京化成品製)、エキソ−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物20g(東京化成品製)、DMF50mlを入れ、窒素気流下、75℃で2時間撹拌した。その後、無水酢酸40ml(東京化成品製)、トリエチルアミン2ml、二酢酸ニッケル(II)・4水和物(東京化成品製)0.2gを加え、同温で5時間撹拌した。その後、水を加えて、エバポレーターにより反応溶媒を除き、さらにシリカゲルによりカラム精製を行った。その後、さらに加熱ろ過を行い、再結晶を行った後、淡黄色粉体の(具体例B−2の化合物)1.12gを得た。
BUCHI社製の融点測定装置B−510を用い、以下の方法で淡黄色粉体の融点測定を行った。
<融点測定方法>
ガラス毛細管に微粉砕した固体試料を入れて、それをシリコーンオイル中に浸漬し、加温させながら目視で融点を測定した。
淡黄色粉体の融点は114.0℃であり、具体例B−2の化合物であることを確認した。
[実施例1]
−下引き層の形成−
φ60mmの表面研磨したアルミニウム基体上に、下記組成の下引き層塗工液を浸漬塗工により成膜し、130℃で30分乾燥・硬化させて、厚みが3.5μmの下引き層を形成した。
〔下引き層塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン粒子・・・50質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
−電荷発生層の形成−
次に、前記下引き層上に、下記組成のチタニルフタロシアニン顔料を含む電荷発生層塗工液を浸漬塗工により成膜し、加熱乾燥させて、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
〔電荷発生層塗工液の組成〕
・チタニルフタロシアニン顔料・・・1.5質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
−電荷輸送層の形成−
次に、前記電荷発生層上に、下記組成の電荷輸送層塗工液を浸漬塗工により成膜し、加熱乾燥させて、厚み20.0μmの電荷輸送層を形成した。
〔電荷輸送層塗工液の組成〕
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート・・・10質量部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質・・・10質量部
Figure 2015028581
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
−保護層の形成−
次に、前記電荷輸送層上に、下記組成の保護層塗工液をボールミルにて2時間分散して調整して、浸漬塗工により成膜し、80℃で30分間加熱し、架橋反応させ、乾燥して、厚み8.0μmの保護層を形成して電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・2−tert−ブチルアントラキノン(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・下記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
Figure 2015028581
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例2]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・ベンゼン−1、2、4−トリカルボン酸メチル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例3]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジフェニル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例4]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例5]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−1の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例6]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−23の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例7]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−15の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.1質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例8]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−3の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・10.8質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・6.2質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例9]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・7.7質量部
・7、8−ベンゾフラボン(東京化成品製)・・・5.5質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例10]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例11]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA02:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.2μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例12]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA04:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.4
μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化
学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例13]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA05:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.5μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例14]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA07:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.7μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例15]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA1:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径1.0μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例16]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA2:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径2.0μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例17]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1
μm)・・・0.3質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化
学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例18]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・0.4質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例19]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・2.0質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例20]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・13.4質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例21]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA01:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・15.4質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例22]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・酸化チタン(CR97:石原産業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例23]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・酸化スズ(NanoTek:シーアイ化成株式会社製、平均1次粒径0.021μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例24]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・酸化亜鉛(23−K:ハクスイテック株式会社製、平均1次粒径0.2μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例25]
実施例4において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例4と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成品製)・・・5.6質量部
・酸化ケイ素(KMPX100:信越化学工業株式会社製、平均1次粒径0.1μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例26]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D2で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例27]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D3で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例28]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D4で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例29]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D5で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例30]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D1で表される酸化防止剤・・・0.15質量部
・下記構造式Fで3表される酸化防止剤・・・0.15質量部
Figure 2015028581

・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例31]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式Fで表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例32]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・下記構造式Gで表される酸化防止剤・・・0.3質量部
Figure 2015028581
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例33]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・下記構造式Hで表される酸化防止剤・・・0.3質量部
Figure 2015028581
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[実施例34]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・フタル酸ジシクロヘキシル(東京化成製)・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・下記構造式Iで表される酸化防止剤・・・0.3質量部
Figure 2015028581
・前記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[比較例1]
実施例1と同様に、電荷輸送層液まで形成した後、以下のように、下記組成の保護層塗工液をスプレーで塗工した。アルミニウム基体とUV硬化ランプの距離を120mmとしてUV硬化を施した。
この位置でのUV硬化ランプ照度は600mW/cm(紫外線積算光量計UIT−150、ウシオ社製による測定値)であった。また、UV硬化は30秒間の露光と120秒間の休止を繰り返し、通算7分間露光した。UV硬化後、130℃にて30分加熱乾燥させて、4μmの保護層を設け電子写真感光体を得た。
〔保護層塗工液の組成〕
・下記構造の架橋型電荷輸送物質
Figure 2015028581
(分子量/官能基数)=419.53
トリメチロールプロパントアクリレート(KAYARAD TMPTA,日本化薬製)・・・60質量部
・アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサンとプロポキシ変性−2−ネオペンチルグリコールジアクリレート混合物(BYK−UV3570、ビックケミー社製)・・・0.1質量部
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)・・・5質量部
・両末端メタクリロイル変性ジメチルポリシロキサン(X−22−164C、信越化学工業社製)
・アクリル・シリコン共重合体 1次粒径0.2μm(シャリーヌR−170S、日信化学社製)・・・13.0質量部
・テトラヒドロフラン・・・400質量部
[比較例2]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[比較例3]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・1,8−ナフタレンジカルボン酸メチル・・・5.6質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[比較例4]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・ビス(2−ナフチル)ケトン・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
[比較例5]
実施例1において、保護層塗工液の組成を以下のように変えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔保護層塗工液の組成〕
・具体例A−7の化合物・・・20.0質量部
・具体例B−2の化合物・・・8.0質量部
・1,8−ナフタレンジカルボン酸メチル・・・5.6質量部
・αアルミナ(スミコランダムAA03:住友化学工業株式会社製、平均1次粒径0.3μm)・・・8.6質量部
・前記式D5で表される酸化防止剤・・・0.3質量部
・下記構造式Eで表される紫外線吸収剤・・・0.3質量部
・テトラヒドロフラン・・・160質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
実施例1〜34、比較例1〜5の内容を表11にまとめて示す。
Figure 2015028581
得られた各電子写真感光体について、以下のように評価した。
<キズ修復性評価(実施例1〜34、比較例1〜5)>
レスカ製超薄膜スクラッチ試験機CSR−2000を用いて、スタイラス径5μm、スクラッチ速度10μm/s、励振レベル50μm、設定加重10mN、設定荷重時間300sの設定により、キズ幅50μm、キズ深さ5μmの最表層の膜を削りとったキズをつけた感光体を140℃の乾燥機に5分間入れた後、80℃の乾燥機に30分間入れ、表面粗さ計を用いてキズ断面を測定した。
加熱処理前後のキズ深さ変化率(修復率)を、表面粗さ計を用いて評価を行い、50%以上を「○」、20%以上50%未満を「△」、20%未満を「×」とした。その結果を表12に示す。
<感光体特性評価(実施例1〜34、比較例1〜5)>
感光体を140℃の乾燥機に5分間入れた後、80℃の乾燥機に30分間入れ、フィッシャーインストルメンツ製表面皮膜物性試験機フィッシャースコープH100を用いて、加熱処理前後のユニバーサル硬度及び弾性仕事率の評価を行った。その結果を表12に示す。
また、川口電気製作所製静電複写試験装置SP8100型を用いて、暗所で−6kVのコロナ放電を20秒間行って帯電させた後、感光体の表面電位Vm(V)を測定し、さらに20秒間暗所に放置した後、表面電位V0(V)を測定し、暗減衰率V0/Vm(−)を算出した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が5.3luxになるように照射して30秒後の表面電位V30(V)を測定した。加熱処理後も同様に評価を行った。その結果を表12に示す。
<実機通紙試験(実施例1〜34、比較例1〜5)>
感光体ドラム(φ60mm)をリコー製デジタルフルカラー複合機MP 7500 SPのプロセスカートリッジに着装し、本体に取り付けて600×600dpiの画素密度でリコーマイリサイクルペーパーGPのA4用紙を用い、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各中間調帯模様のテストパターンの毎分60枚の印刷速度で1万枚の印刷を行った。1万枚目の印刷結果の画像が綺麗に得られたものを「○」とし、部分的に異常画像が見られるものを「△」、画像として著しく悪いものを「×」とした。その結果を表12に示す。
さらに、オゾン暴露試験及びNOx暴露試験を行い、初期と暴露後の画像濃度差(マクベス濃度計で測定)ΔIDを比較した。
結果を表12に表す。
オゾン暴露試験は、オゾン暴露試験装置(ダイレック社製)によりオゾン濃度5ppmで5日間暴露した。
NOx暴露試験は、NOx暴露試験装置(ダイレック社製)でNO濃度40ppm、NO濃度10ppmで4日間暴露した。
ΔID=初期ID−暴露試験後ID
Figure 2015028581
以上の結果より、表面層が少なくともフラン誘導体とマレイミド誘導体及び一般式(C)で表される構造を有する融点が160℃以下の添加剤を反応させて架橋させた硬化物を有する電子写真感光体において、表面層が金属酸化物フィラーを含有することでキズ修復効果を低減させることなく、耐摩耗性が格段に向上した感光体の提供が可能となる。
1、導電性支持体1
2、下引き層(中間層)
3、電荷発生層3
4、電荷輸送層4
5、保護層
6、単層の感光層
10、10Y、10M、10C、10K 電子写真感光体
11、11Y、11M、11C、11K 帯電部材
12、12Y、12M、12C、13K 画像露光部材
13、13Y、13M、13C、13K 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16、16Y、16M、16C、16K 転写部材
17、17Y、17M、17C、17K クリーニング部材
18 除電部材
20Y、20M、20C、20K 画像形成ユニット
21 給紙コロ
22 レジストローラ
23 転写部材(二次転写部材)
24 定着ユニット
特開昭57−30864号公報 特許4145820号公報 特許4266859号公報 特許4491261号公報 特開2008−261971号公報 特開2009−98411号公報 特開2006−243506号公報 特開2009−211070号公報 特開2011−79813号公報 特開2011−170069号公報

Claims (10)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、前記電子写真感光体は、表面層が少なくともフラン誘導体及びマレイミド誘導体由来の架橋硬化物と、添加剤とを含有するものであり、前記添加剤は、下記一般式(C)で表される構造を有し、融点が60℃以上160℃以下であることを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2015028581
    (一般式(C)中、R、Rは各々独立して、−COR、−COOR、−ORを表し、RとRが結合して環を形成してもよい。Rは、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数5または6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基を表す。R〜Rは各々独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数1〜6のアルコキシ基、−COOR、(R=炭素数1〜6のアルキル基)を表し、これらは互いに結合して環を形成してもよい。)
  2. 前記表面層の添加剤の含有量が10wt%以上30wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記フラン誘導体は、電荷輸送構造を有するフラン誘導体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送構造は、トリアリールアミン構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 前記マレイミド誘導体は、3個以上のマレイミド官能基を有するマレイミド誘導体を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 前記フラン誘導体、前記マレイミド誘導体、及び一般式(C)で表される添加剤が、それぞれ分子量が250以上であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記表面層は、金属酸化物フィラーを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真感光体。
  8. 前記金属酸化物フィラーの平均1次粒径が0.15μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項7記載の電子写真感光体。
  9. 前記表面層は、金属酸化物フィラーの含有量が1wt%以上30wt%以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子写真感光体。
  10. 前記表面層は、下記一般式(D)で示される酸化防止剤を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の電子写真感光体。
    Figure 2015028581
    (前記一般式(D)中、A及びBは、−CHX、または、−CHCHYを表し、互いに同一であっても、異なってもよい。X及びYは、それぞれ芳香族残基、シクロアルキル基、及びヘテロシクロアルキル基のいずれかを表し、これらは置換基によりさらに置換されていてもよい。)
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