JP4965886B2 - ジスチリルアクリレート化合物及びこれを用いた電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

ジスチリルアクリレート化合物及びこれを用いた電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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本発明は、新規なジスチリルアクリレート化合物、及びジスチリルアクリレート化合物を用い、高耐久性を有し、かつ長期間にわたる高画質化を実現できる電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能を有し、様々な利点から、無機感光体に換わり複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。その理由としては、例えば(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、などが挙げられる。
最近、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化が切望されるようになってきている。この観点からみると、前記有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分としているため一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点がある。更に、高画質化の要求からトナーの小粒径化に伴いクリーニング性の向上を図るため、クリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下等の電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらし、現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となって、交換に至っている。
したがって有機感光体の高耐久化においては摩耗量の低減を図ることが不可欠であり、これが当該技術分野において最も解決が迫られている課題である。
前記有機感光体の感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(特許文献1参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(特許文献2参照)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(特許文献3参照)などが挙げられる。これらの技術の内、前記(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いため、重合開始剤、未反応残基等の不純物により残留電位が上昇して画像濃度の低下が発生し易い傾向がある。また、前記(2)の高分子型電荷輸送物質を用いると、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく高純度なものが得にくいため材料間の電気的特性が安定しにくく、更に塗工液が高粘度となる等の製造上の問題を起こす場合もある。また、前記(3)の無機フィラーを分散させると、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べて高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂の凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生し、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。
このように前記(1)〜(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
更に、前記(1)の耐摩耗性と耐傷性を改良するために多官能のアクリレートモノマー硬化物を含有させた感光層を有する感光体が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この提案では、感光層上の架橋表面層に多官能のアクリレートモノマー硬化物及び電荷輸送物質を含有させる旨の記載があるものの、具体的な記載はない。単に架橋表面層に低分子の電荷輸送物を含有させた場合には、上記硬化物との相溶性の問題があり、これによって、低分子電荷輸送物質の析出、白濁現象が起こり、機械強度も低下してしまうおそれがある。更に、この提案では、高分子バインダーを含有した状態でモノマーを反応させるため、硬化が充分に進行しないことや、硬化物とバインダー樹脂との相溶性の問題があり、硬化時に相分離による表面凹凸が生じて、クリーニング不良を引き起こす傾向がある。
これらに代わる感光層の耐摩耗性の向上技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送物質と、バインダー樹脂とからなる塗工液を用いて形成した電荷輸送層を設けることが提案されている(特許文献5参照)。このバインダー樹脂は、炭素−炭素二重結合を有し、電荷輸送物質に対して反応性を有するものと、炭素−炭素二重結合を有さず反応性を有しないものが含まれる。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合には、バインダー樹脂と、上記モノマーと電荷輸送物質との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、層分離から架橋時に表面凹凸が生じ、クリーニング不良を引き起こすことがある。また、バインダー樹脂がモノマーの硬化を妨げるほか、上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、このような2官能性モノマーでは官能基数が少なく充分な架橋密度が得られず、耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。更に、反応性を有するバインダー樹脂を使用した場合においても、上記モノマー及びバインダー樹脂に含有される官能基数の低さから、電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分なものとは言えないものである。
また、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層を有する感光体が提案されている(特許文献6参照)。しかし、この感光層は、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生して内部応力が高くなり、表面層の荒れや経時におけるクラックが発生しやすいという問題がある。
また、高い電荷輸送能を有する化合物として、ジスチリルトリフェニルアミン化合物(特許文献7参照)、及びトリスチリルトリフェニルアミン化合物(特許文献8参照)が知られている。しかし、これら化合物の例示では、スチリルにはフェニル基が置換されており、反応性基であるアクリル基の置換基は開示も示唆もない。
また、電荷輸送能を有する化合物として、ポリアリレンビニレン化合物が知られている(特許文献9参照)。しかし、このポリアリレンビニレン化合物は耐摩耗性が十分なものではない、また、電荷輸送能を有する化合物として、アリレンビニレン化合物が知られている(特許文献10参照)。しかし、このアリレンビニレン化合物は、分子量は大きくなるが高分子量とはいえず、機械的耐久性は充分満足できるものではない。
したがって先行技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋感光層を有する感光体、又はアリレンビニレン化合物を含有した感光体においても、現状では充分な総合特性を有しているとは言えず、更なる改良、開発が望まれているのが現状である。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開平4−37762号公報 特開平6−308749号公報 特開2004−133063号公報 特開2005−156797号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐摩耗性及び耐傷性が高く、かつ電気的特性が良好であり、全面にわたって均一な硬化による膜の平滑性に優れた架橋感光層を形成することができる新規なジスチリルアクリレート化合物、及び該ジスチリルアクリレート化合物を用いた高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現できる電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(1)で表されることを特徴とするジスチリルアクリレート化合物である。
ただし、前記構造式(1)中、R、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びアルキル基のいずれかを表す。Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。a、b、c、d、及びeは、それぞれ1〜4の整数を表す。
<2> 最表面層が、少なくとも前記<1>に記載のジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
<3> 最表面層が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物を含有する前記<2>に記載の電子写真感光体である。
<4> 最表面層が、重合開始剤を含有する前記<2>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなり、
前記架橋表面層が、最表面層である前記<2>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> 前記<2>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<7> 前記<2>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<8> 前記<2>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段とを有してなり、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、耐摩耗性及び耐傷性が高く、かつ電気的特性が良好であり、全面にわたって均一な硬化による膜の平滑性に優れた架橋感光層を形成することができる新規なジスチリルアクリレート化合物、及び該ジスチリルアクリレート化合物を用いた高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現できる電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を使用した画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(ジスチリルアクリレート化合物)
本発明のジスチリルアクリレート化合物は、下記構造式(1)で表される。
前記構造式(1)においては、R、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、直鎖状あるいは分岐状の炭素数1〜4のアルキル基を表し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
は水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。
a、b、c、d、及びeは、それぞれ1〜4の整数を表す。
前記構造式(1)で表されるジスチリルアクリレート化合物は、高感度であり、重合性アクリレート基を有し反応性である。このようなジスチリルアクリレート化合物は、以下の反応スキームで合成される。即ち、ビルスマイヤー反応でジアルデヒドを導入し、ウィティヒ反応でジスチリル化、脱メチル化を行い、アクリル酸クロライドでアクリル化させるものである。
ただし、前記式中、Meはメチル基、tBuはt−ブチル基を表す。
以下に、前記構造式(1)で表されるジスチリルアクリレート化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。これらの化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、最表面層が、少なくとも本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有してなり、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物、重合開始剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記硬化物は、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物と、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物とを、重合開始剤の存在下で重合させてなるものが好ましい。
前記構造式(1)で表されるジスチリルアクリレート化合物の前記硬化物全体における含有量は、10〜80質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。前記含有量が10質量%未満であると、残留電位が上昇してしまうことがあり、80質量%を超えると、硬度が低下し、機械的強度が低下することがある。
−アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物−
前記アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物としては、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有する2官能、3官能、4官能、又は5官能以上のラジカル重合性モノマー、オリゴマー、又はポリマーが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記2官能のモノマー、オリゴマー、又はポリマーとしては、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記3官能のモノマー、オリゴマー、又はポリマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記4官能のモノマー、オリゴマー、又はポリマーとしては、例えばペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記5官能以上のモノマー、オリゴマー、又はポリマーとしては、例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物の含有量は、前記構造式(1)で表されるジスチリルアクリレート化合物1質量部に対し0.6〜1.2質量部が好ましい。前記含有量が0.6質量部未満であると、最表面層の強度が低下してしまうことがあり、1.2質量部を超えると、感度低下や残留電位上昇が生じることがある。
−重合開始剤−
前記構造式(1)で表されるジスチリルアクリレート化合物と、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物とをラジカル重合させるには、重合開始剤を含有させて硬化させることが好ましい。該重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれかが好適に用いられる。
前記熱重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルオキシ)−ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−(ジt−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジt−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジt−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッドn−ブチルエステル、2,2−ビス(4,4−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキシトリメチルアジペート等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキシルニトリル等のアゾ系化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどが挙げられる。
前記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどが挙げられる。
前記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
前記その他の光重合開始剤としては、例えばエチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。
また、光重合促進効果を有する化合物を単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。このような光重合促進効果を有する化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
前記重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する化合物の総量100質量部に対し、0.5〜40質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。なお、前記熱重合開始剤の半減期温度は80℃以上が好ましい。前記半減期温度が80℃未満であると、塗工液の保存性が悪くなり、硬化することがある。
前記最表面層は、前記構造式(1)で表される化合物と、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物と、重合開始剤とを含有する最表面層用塗工液を塗布し、硬化することにより形成される。前記塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、その他の成分を溶解させて塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈される。なお、前記溶媒による希釈率は塗工液の溶解性、塗工法、目的とする厚みにより異なり、任意である。
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布は、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコート法などにより行うことができる。
前記塗工液には、更に必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能である。
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能であり、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーなどが挙げられる。該レベリング剤の使用量は、塗工液の総固形分に対し3質量%以下が好ましい。
前記塗工液を塗布した後、外部からエネルギーを与えて硬化させ、架橋表面層を形成するが、このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線が挙げられる。
前記熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素等の気体;蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側又は支持体側から加熱することによって行われる。前記加熱温度は80℃以上、170℃以下が好ましい。前記加熱温度が80℃未満であると、反応速度が遅く、完全に反応が終了しないことがあり、170℃を超えると、反応が不均一に進行して架橋表面層中に大きな歪みが発生することがある。なお、硬化反応を均一に進めるために、50℃未満の比較的低温で加熱した後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
前記光のエネルギーとしては、主に紫外光に発光波長を持つ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましい。前記照射光量が50mW/cm未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、1000mW/cmを超えると、反応の進行が不均一となり、架橋表面層の荒れが激しくなることがある。
前記放射線のエネルギーとしては、電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱と光のエネルギーを用いたものが有用である。
前記光硬化開始剤及び熱硬化開始剤を添加した系では、光エネルギー及び熱エネルギーのどちらを先に与えてもよく、また、高圧水銀灯などの光エネルギーを与えた時には被射物は高温になり、80℃以上になり、それで熱重合硬化が進行する。
本発明の電子写真感光体は、その層構成について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有する層が最表面層である。
前記最表面層としては、積層型感光体では電荷輸送層、又は架橋表面層などが挙げられる。単層型感光体では、感光層、又は架橋表面層などが好適に挙げられる。
これらの中でも、本発明のジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有する層が架橋表面層であると、硬化反応条件による制約が少なくなるので特に好ましい。
前記架橋表面層の厚みは、架橋表面層が用いられる感光体の層構造によって異なるため、層構造とともに後述する。
ここで、本発明の電子写真感光体の層構成について、図面に基づいて説明する。図1〜図4は、電子写真感光体の概略断面図である。
図1に示す態様においては、支持体1上に、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物、電荷発生物質、及び電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられている。
図2に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物、及び電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが、感光層として積層された構成をとっている。
図3に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられ、更に感光層表面に架橋表面層4が設けられている。この架橋表面層には、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物が含有される。
図4に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが感光層として積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に架橋表面層4が設けられている。この架橋表面層には、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物が含有される。
<支持体>
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
また、支持体上に導電性粉体を結着樹脂に分散させて塗工し、導電性層を形成したものについても、前記支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、又はアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、前記支持体として良好に用いることができる。
次に、感光層について説明する。該感光層は単層構造でも積層構造でもよいが、まず、積層構造の感光層から説明する。
<積層構造の感光層>
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン等が挙げられる。アモルファス−シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたもの、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン又はトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン又はナフトキノン系顔料、シアニン又はアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂としては、上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、(1)アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、又はアクリル樹脂などの高分子材料、(2)ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
前記(1)の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載されている電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、前記(2)の具体例としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
前記電荷発生層には、低分子電荷輸送物質を含有させることができる。前記低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられる。
前記キャスティング法としては、前記無機系又は有機系電荷発生物質、必要に応じてバインダー樹脂を、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。更に必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。前記塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷発生層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層であり、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。前記架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合には、該電荷輸送層(架橋表面層)の厚みは、10〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。前記厚みが10μm未満であると、充分な帯電電位が維持できないことがあり、30μmを超えると、硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなることがある。
また、前記架橋表面層が電荷輸送層の表面部分に形成され、電荷輸送層が積層構造である場合には、電荷輸送層の下層部分は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解乃至分散し、これを電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成し、この上に本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質、又は高分子電荷輸送物質を用いることができる。前記高分子電荷輸送物質を用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
前記結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。ただし、高分子電荷輸送物質を用いる場合には、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
前記電荷輸送層の下層部分の塗工に用いられる溶媒としては、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解できるものが好適である。これらの溶剤は1種単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、前記電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。なお、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記電荷輸送層の下層部分に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が好ましい。
前記電荷輸送層の下層部分に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜1質量部程度が好ましい。
前記電荷輸送層の下層部分の厚みは、5〜40μmが好ましく、10〜30μmより好ましい。
前記架橋表面層が電荷輸送層の表面部分である場合には、前記架橋表面層の作製方法で記載したように、前記電荷輸送層の下層部分上に前記最表面層用塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、熱や光の外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、最表面層としての架橋表面層の厚みは、1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、厚みムラによって耐久性がバラツクことがあり、20μmを超えると、電荷輸送層全体の厚みが厚くなり、電荷の拡散から画像の再現性が低下することがある。
<単層構造の感光層>
単層構造の感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層であり、本発明の前記ジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。
前記単層構造の感光層(架橋表面層)の厚みは、10〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。前記厚みが10μm未満であると、充分な帯電電位が維持できないことがあり、30μmを超えると、硬化時の体積収縮により導電性基体又は下引き層との剥離が生じやすくなることがある。
また、前記架橋表面層が単層構造の感光層の表面部分である場合、感光層の下層部分は電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶媒に溶解乃至分散し、これを塗布し、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。
前記電荷発生物質の分散方法としては、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層、及び電荷輸送層と同様なものが使用できる。前記結着樹脂としては、前記電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、前記高分子電荷輸送物質も使用可能であり、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。
前記電荷発生物質の含有量は前記結着樹脂100質量部に対し5〜40質量部が好ましい。前記電荷輸送物質の含有量は前記結着樹脂100質量部に対し5〜190質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
前記感光層の下層部分の厚みは、5〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。
前記架橋表面層が単層構造の感光層の表面部分である場合には、前記感光層の下層部分上に前記最表面層用塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、熱と光の外部エネルギーにより硬化し、最表面層としての架橋表面層を形成する。
前記架橋表面層の厚みは、1〜20μmが好ましく、2〜10μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、厚みムラによって耐久性のバラツキが生じることがある。
−中間層−
本発明の電子写真感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合には、架橋表面層と下側感光層との間に中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下側感光層と架橋表面層との接着性を向上させることも可能である。
前記中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、例えばポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。前記中間層の形成法としては、一般に用いられる塗工法が採用される。
前記中間層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.05〜2μmが好ましい。
−下引き層−
本発明の電子写真感光体においては、支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。該下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが好ましい。前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。また、前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等を図るため、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加することができる。
前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものなども良好に使用できる。
前記下引き層は、上述した感光層と同様に適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0〜5μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記感光層、前記架橋表面層、前記電荷輸送層、前記電荷発生層、前記下引き層、前記中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類、などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、などが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
なお、これら化合物は、通常、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01〜10質量%が好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えばクリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いることができる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記電子写真感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッター光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なものが好ましく、トナーの体積平均粒径は3〜10μmが好ましく、トナーの平均円形度は0.90〜0.99が好ましい。
前記現像器は、通常乾式現像方式が用いられる。また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、トナー乃至現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像がトナーにより現像されて該電子写真感光体の表面にトナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該トナーとしては、普通に用いられるものを使用することができる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明の画像形成装置の一の態様について、図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体201は、支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に含む感光層を有してなる。この感光体201はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。なお、図5中204は、イレーサである。
感光体201を平均的に帯電させる帯電手段としては、帯電チャージャ203が用いられる。この帯電チャージャとしては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
本発明では、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解する様な帯電手段を用いた場合に特に有効である。ここで、接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。また、近接帯電方式とは、例えば、帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
次に、均一に帯電された感光体201上に静電潜像を形成するために画像露光部205が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体201上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット206が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナーで現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体201上で可視化されたトナー像を記録媒体209上に転写するために転写チャージャ210が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ207を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、記録媒体209を感光体201より分離する手段として分離チャージャ211、分離爪212が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ211としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体201上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ214、クリーニングブレード215が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ213を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ202、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図6を参照しながら説明する。図6に示す画像形成装置100は、前記電子写真感光体としての感光体ドラム10(以下、「感光体10」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3つのローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3つのローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図6に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図7を参照しながら説明する。図7に示す画像形成装置100は、図6に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図6に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図7においては、図6におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図8を参照しながら説明する。図8に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。前記タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図8中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、及びブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、前記タンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図9に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器60と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図9中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図10に示すように、感光体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。図10中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
前記感光体101としては、上記画像形成装置と同様なものを用いることができる。前記帯電手段102には、任意の帯電部材が用いられる。
次に、図10に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、耐摩耗性が高く、耐傷性が高く、かつ電気的特性が良好である本発明の前記電子写真感光体を用いているので、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−N,N−(4,4’−ジフォルミルジフェニル)−p−アニソールの合成−
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)11.53g(0.03585×4.4モル)、トルエン30mlを四径フラスコに取り、攪拌し0〜5℃に冷却してオキシ塩化リン24.2g(0.03585×4.4モル)を30分間で滴下した。次いで、N,N−ジフェニル−p−アニソール9.87g(0.03585モル)のトルエン50ml溶液を20分間で滴下し、その中に塩化亜鉛4.88g(0.03585モル)を加え20℃で1時間、80℃で50時間反応した。反応後、水200ml中に注ぎ、20質量%水酸化ナトリウム水溶液で弱アルカリ性としてトルエン200mlで2回抽出して、得られた抽出液を200ml水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水して、減圧下、トルエンを除き、シリカゲル(ワコー純薬株式会社製、C−200)とトルエン:酢酸エチル=4:1(体積比)でカラムクロマトグラフィーしてジフォルミル体7.03gを得た。得られたジフォルミル体の融点(m.p.)は105.5〜106℃であった。
−ビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−アニソールの合成−
上記ジフォルミル体5g(0.015モル)、ベンジルホスホン酸ジエチル(東京化成品)8.2g(0.03×1.2モル)、脱水DMF40mlを四径フラスコに取り、攪拌し、25〜28℃でtert−ブチルオキシカリウムを30分間で加えた。その後、室温で2時間、40℃で2時間反応した、反応液を水200ml中に注ぎ、酢酸で酸性として析出物を濾別して、水200mlで洗浄後、乾燥して、シリカゲルとトルエンでカラムクロマトグラフィーし、シクロヘキサン及びエタノールにより再結晶してスチリル体を得た(収量5.29g)。得られた化合物の融点(m.p.)は174〜175.5℃であった。
−ビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−ヒドロキシアニリンの合成−
得られたビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−アニソール27.15g(0.0566モル)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)150mlに溶解し、エタンチオールナトリウム塩13.3g(0.0566×2.8モル)を加え125〜130℃で5時間反応し、冷却後、水300mlに注ぎ、塩酸で酸性にして得られた固体を水200mlで2回洗浄後乾燥した。これをシリガゲルとトルエン:酢酸エチル=10:1(v/v)でカラムクロマトグラフィーにより精製して目的物を得た(収量24g)。得られた化合物の融点(m.p.)は227〜229℃であった。得られた化合物のIRスペクトルを図11に示す。
−ビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−アクリロイルオキシアニリンの合成−
得られたビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−ヒドロキシアニリン24.8g(0.053モル)をテトラヒドロフラン160mlに溶解し、水酸化ナトリウム4.3g(0.053×2モル)/水26.5mlの溶液を加え、3℃に冷却後アクリル酸クロライド9.6g(0.053×2モル)を50分間で滴下、2時間反応後400mlの水に注ぎ、析出物をトルエンで抽出し、水200mlで2回洗浄後、硫酸マグネシウムで脱水した。その後、トルエンを減圧下留去して、シリカゲルとトルエンでカラムクロマト精製して、下記構造式で表される目的物23gを得た。得られたジスチリルアクリレート化合物の融点(m.p.)は75〜77℃であり、得られた化合物のIRスペクトルを図12に示す。
(実施例2)
−電子写真感光体の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、及び電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み18μmの電荷輸送層を形成した。
次に、得られた電荷輸送層上に、下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm、照射時間:30秒間の条件で光照射を行い、130℃で20分間加熱を加え、厚み4μmの表面架橋層を設けた。以上により、実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔下引き層用塗工液〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
〔電荷発生層用塗工液〕
・下記構造式(I)で表されるビスアゾ顔料・・・2.5質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・下記構造式(II)で表される低分子電荷輸送物質(D−1)・・・7質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
〔架橋表面層用塗工液〕
・トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)・・・1質量部
・下記構造式で表されるジスチリルアクリレート化合物(例示化合物No.1)・・・1質量部
・光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・0.2質量部
・テトラヒドロフラン・・・10質量部
(実施例3)
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、架橋表面層用塗工液中の例示化合物No.1を、下記構造式で表される例示化合物をNo.2に代えた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例4)
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、架橋表面層用塗工液中の例示化合物No.1を、下記構造式で表される例示化合物No.3に代えた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例1)
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、架橋表面層用塗工液中の例示化合物No.1を、下記構造式で表される化合物に代えた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、架橋表面層用塗工液中の例示化合物No.1を、下記構造式で表される化合物に代えた以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例3)
−電子写真感光体の作製−
実施例2において、直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層を設け、及び厚み22μmの電荷輸送層を設け、架橋表面層は設けない以外は、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製した。
<感光体の外観>
次に、得られた各電子写真感光体について、目視により架橋表面層の外観を観察した。結果を表1に示す。
<硬度の測定>
各電子写真感光体について、微小硬度計(フィシャー・インストルメンツ社製、H−100)を用いて、圧子としてビッカース圧子を用い、9.8mNの力で30秒間押し込み、5秒間保持し、9.8mNの力で30秒間押し込み、その際のマルテンス硬度、及び変形回復率を測定した。結果を表2に示す。
<通紙試験>
次に、実施例2〜4及び比較例1、3の各電子写真感光体について、A4サイズ1万枚の通紙試験を実施した。
まず、前記各感光体をプロセスカートリッジに装着し、該プロセスカートリッジを露光光源として655nmの半導体レーザーを用いた画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo 270)改造機に搭載して、初期暗部電位を−700Vに設定した。その後、通紙試験を開始し、1万枚複写後の膜厚減少量の測定を行った。結果を表2に示す。なお、初期から画像不良が著しい感光体は通紙試験を中止した。
膜厚減少量は、渦電流膜厚計(フィシャー・インストルメンツ社製、フィシャースコープMMS)で膜厚を計測することで求めた。結果を表3に示す。
(実施例5)
−電子写真感光体の作製−
直径100mmアルミニウムシリンダー上に、下記組成の中間層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの中間層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み20μmの電荷輸送層を形成した。更に、電荷輸送層の上に、下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー法で塗工して、光硬化装置で光硬化させた。その後、150℃で30分間乾燥させて、厚み7μmの架橋表面層を設けた。以上により、実施例5の電子写真感光体を作製した。
〔中間層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して、中間層用途工液を調製した。
・アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン(CREL、石原産業株式会社製)・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・200質量部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記組成をボールミルで24時間分散して、電荷発生層用塗工液を調製した。
・オキソチニウムフタロシアニン顔料・・・2質量部
・ポリビニルブチラール(UCC社製、XYHL)・・・0.2質量部
・テトラヒドロフラン・・・50質量部
〔電荷輸送層用塗工液〕
下記組成を溶解して、電荷輸送層用塗工液を調製した。
・ポリスチレン(MW1C、東洋スチレン株式会社製)・・・12質量部
・テトラヒドロフラン(THF)・・・90質量部
・1質量%シリコーンオイル(KF50、信越シリコーン株式会社製)ジクロルメタン溶液・・・1質量部
〔架橋表面層用塗工液〕
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR−295、日本化薬株式会社製)・・・0.75質量部
・ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(SR−355、日本化薬株式会社製)・・・0.25質量部
・下記構造式で表されるジスチリルアクリレート化合物(例示化合物No.1)・・・1質量部
・光重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・0.2質量部
・テトラヒドロフラン・・・10質量部
(比較例4)
−電子写真感光体の作製−
実施例5において、中間層、及び電荷発生層を設けた上に、電荷輸送層用塗工液中のバインダー樹脂としてのポリスチレンを、Zポリカーボネート樹脂(TS2050、帝人化成株式会社製)に変え、厚み27μmの電荷輸送層を形成し、架橋表面層を設けなかった以外は、実施例5と同様にして、感光体を作製した。
この比較例4の感光体は架橋表面層がなく、最表面層となる電荷輸送層のバインダー樹脂がポリスチレンであると機械的強度がなく、耐久試験には適さないため、強靱なZポリカーボネート樹脂を用いたものである。
次に、作製した実施例5及び比較例4の感光体を図5に示す画像形成装置(株式会社リコー製、imagio Neo 1050Pro)に装着して100万枚の通紙試験を行った。結果を表4に示す。
(実施例6)
<電子写真感光体の作製>
−分散液1の調製−
直径9cmボールミルポット中に、下記構造式で表される電荷発生物質2.2質量部、及びシクロヘキサノン40質量部を仕込み、直径10mmのジルコニアメディアを用いて48時間ボールミルした。その後、シクロヘキサノン50質量部を加え、ミルベースを調製した。
−塗工液1の調製−
・テトラヒドロフラン(THF)・・・66質量部
・下記構造式で表されるアリール−Z(1:1共重合)ポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量=3万、帝人化成株式会社製)・・・3質量部
・下記構造式で表されるジスチリルアクリレート化合物・・・6質量部
・トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製)・・・3質量部
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(イルガキュア184、チバスペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・0.5質量部
・シリコーンオイル(KF50、信越化学工業株式会社製)・・・0.01質量部
次に、得られた分散液1を12質量部と、塗工液1を20質量部とを混合攪拌して、感光層塗工液を調製した。
次に、直径30mmアルミニウムシリンダー上にポリアミド樹脂(CM8000、東レ株式会社製)1質量部、メタノール22質量部、及びn−ブタノール10質量部からなる溶液を5mm/secで浸漬塗工し、100℃で10分間乾燥して、厚み0.3μmの下引き層を形成した。
次に、下引き層上に上記感光層塗工液をリング塗工にて、単層感光体を形成し、実施例2と同様にして、光照射し、加熱乾燥して、厚み20μmの感光層を設けた。以上により、実施例6の単層型感光体を作製した。
得られた実施例6の感光体を実施例2で使用した画像形成装置(imagio Neo270)の帯電極性を+700Vに設定し、また転写手段での極性も正にし、トナー極性は負にして、1,000枚の通紙試験を行った。その結果、得られた画像は鮮明であり、感光体の表面は傷などの損傷は認められなかった。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、耐久性が向上し、長期にわたる繰り返し使用においても安定な画像形成を行うことが可能であり、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1は、本発明の単層型の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の単層型の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の積層型の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の積層型の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の一例を示す概略説明図である。 図8は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図9は、図8に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 図10は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図11は、実施例1で合成したビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−ヒドロキシアニリンのIRスペクトルを示すグラフである。 図12は、実施例1で合成したビス−N,N−(4−スチリル−フェニル)−p−アクリロイルオキシアニリンのIRスペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1 支持体
3 感光層
4 架橋表面層
5 電荷発生層
7 電荷輸送層
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 画像形成装置本体
200 給紙テーブル
201 感光体
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 イレーサ
205 画像露光部
206 現像ユニット
207 転写前チャージャ
208 レジストローラ
209 記録媒体
210 転写チャージャ
211 分離チャージャ
212 分離爪
213 クリーニング前チャージャ
214 ファーブラシ
215 クリーニングブレード
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (8)

  1. 下記構造式(1)で表されることを特徴とするジスチリルアクリレート化合物。
    ただし、前記構造式(1)中、R、R、R、R、及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、及びアルキル基のいずれかを表す。Rは水素原子、及びメチル基のいずれかを表す。a、b、c、d、及びeは、それぞれ1〜4の整数を表す。
  2. 最表面層が、少なくとも請求項1に記載のジスチリルアクリレート化合物を重合させた硬化物を含有することを特徴とする電子写真感光体。
  3. 最表面層が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかを有するラジカル重合性化合物を含有する請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 最表面層が重合開始剤を含有する請求項2から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなり、
    前記架橋表面層が最表面層である請求項2から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. 請求項2から5のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項2から5のいずれかに記載の電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項2から5のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも1つの手段とを有してなり、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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