JP4686419B2 - 電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、繰返し使用時の耐摩耗性が極めて高く、画像欠陥の少ない高画質画像を長期間に亘って形成することができる電子写真感光体(以下、「感光体」、「像担持体」、「静電潜像担持体」と称することもある)、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた情報処理システム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行うレーザープリンター及びデジタル複写機は、そのプリント品質、信頼性において向上が著しい。これらは高速化技術との融合によりフルカラー画像形成が可能なレーザープリンター及びデジタル複写機へと応用されてきている。このような背景から、要求される感光体の機能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが重要な課題となっている。
このような電子写真方式のレーザープリンター及びデジタル複写機等に使用される電子写真感光体としては、有機系の感光材料を用いた有機感光体(OPC)が、コスト、生産性、及び無公害性等の理由から一般に広く応用されている。有機感光体の層構成は単層構造と、機能分離型積層構造とに大別される。最初の実用化有機感光体であるPVK−TNF電荷移動錯体型感光体は単層型であった。一方、1968年に、林とRegensburgerにより各々独立してPVK/a−Se積層型感光体が報告された。その後、1977年Melzらにより、また、1978年Schlosserにより有機顔料分散層と有機低分子分散ポリマー層とを含む感光層が有機材料からなる積層型感光体が報告された。これら積層型感光体は光を吸収して電荷を発生する電荷発生層(CGL)と、該CGLで生成した電荷を注入、輸送し、表面電荷を中和する電荷輸送層(CTL)とからなり、機能分離型積層感光体とも呼ばれる。このような機能分離型積層感光体は、単層型感光体に比べて感度、耐久性が向上し、電荷発生物質(CGM)及び電荷輸送物質(CTM)を個別に分子設計できるため、材料選択の幅が増加するので、現在では有機感光体の主要な層構成となっている。
前記機能分離型積層感光体における静電潜像形成のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収されて電荷を生成する。そして、発生した電荷が電荷発生層と電荷輸送層との界面で電荷輸送層に注入され、電界によって電荷輸送層中を移動し、感光体の表面電荷を打ち消すことにより静電潜像を形成する。
また、有機感光体(OPC)は、繰り返し使用によって感光層の膜削れが大きくなり、このように感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度が劣化し、感光体表面のキズなどによる地汚れ、画像濃度低下や画質劣化が促進される。したがって、有機感光体の耐摩耗性の向上が大きな課題である。また近年では、画像形成装置の高速化あるいは小型化に伴う感光体の小径化によって、有機感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。
このため、有機感光体の耐摩耗性の向上を図る方法としては、感光層に潤滑性を付与したり、感光層を硬化させたり、感光層にフィラーを含有させる方法、低分子電荷輸送物質(CTM)のかわりに高分子電荷輸送物質を用いる方法などが知られている。また、近年、三次元架橋硬化膜を保護層として設ける方法が提案されている。例えば特許文献1には、アクリル硬化膜を保護層として設けた有機感光体が提案され、優れた耐摩耗性を実現している。
しかし、これらの方法により感光層の削れを抑えると、繰り返し使用時に、周辺環境に生じるオゾン、NOx、又はその他の酸化性物質が感光層表面に吸着し、最表面の低抵抗化を招き、画像流れ(画像ボケ、ドット解像度低下)等の問題を引き起こすことがある。この問題について、従来では、画像ボケ発生物質は感光層と共に少しずつ削りとられることにより、ある程度は回避されてきた。しかし、最近の更なる高解像及び高耐久化の要求に応えるには、新たな手段を開発することが望まれてきている。
そこで、画像ボケ発生物質の影響を軽減する方法として、例えば感光体にヒーターを搭載する方法があるが、装置の小型化や消費電力の低減に対して大きな障害となる。また、酸化防止剤等の添加剤を感光層に添加することも試みられているが、光導電性を有しない酸化防止剤等の感光層への多量添加は、低感度化、残留電位上昇等の電子写真特性に悪影響を与えてしまうという問題がある。
更に、画像ボケ(ドット解像度低下)の抑制方法として、例えば特定のアルキルアミン構造を有する第三級アミン化合物を添加する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この提案のような第三級アミン化合物を架橋硬化膜に添加すると、耐摩耗性の低下や均一成膜性の低下等の問題が生じる。
以上のように、高耐摩耗性を付与し、又は感光体周りのプロセス設計によって削れが少なくなった電子写真感光体は、その副作用として画像ボケの発生、解像度の低下等の画質への影響が避けられず、高耐久化と高画質化を両立させることは困難である。これは、画像ボケの発生を抑制するには抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低い方が適していることから、双方でトレードオフの関係になっていることが問題の解決を一層困難にしており、その速やかな解決が望まれているのが現状である。
特開平5−66598号公報 特開2004−102080号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐久性が向上し、長期にわたる繰り返し使用によっても解像度の低下がなく、地汚れ、フィルミング等の異常画像が発生せず、安定な画像形成を行うことが可能な電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> (A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物とを連鎖重合させてなる前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物とを連鎖重合させてなる前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、連鎖重合性官能基を分子内に1つ有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<6> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(1)及び(1’)のいずれかで表される化合物である前記<1>から<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
ただし、前記構造式(1)及び(1’)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、下記構造式(1−1)で表される基、及び下記構造式(1−2)で表される基のいずれかを表し、RとRとが互いに結合して、窒素原子を含む複素環を形成してもよく、該複素環は更に置換基により置換されていてもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表し、Rが芳香族炭化水素二価基であり、かつ該芳香族炭化水素二価基が窒素原子に直接結合する場合には、R及びRのいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基、又は下記構造式(1−2)で表される基である。Zは連鎖重合性官能基を表す。
ただし、前記構造式(1−1)及び(1−2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表す。
<7> (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、下記構造式(2)及び(2’)のいずれかで表される化合物である前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
ただし、前記構造式(2)及び(2’)中、R及びRは、上記構造式(1)及び(1’)と同じ意味を表す。Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基を表す。m及びnは、それぞれ0〜6の整数を表し、n=0の場合には、R及びRのいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基又は上記構造式(1−2)で表される基を表す。
<8> (A)成分の第三級アミン化合物が、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<9> (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(i)で表される化合物である前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
ただし、前記構造式(i)中、Ar〜Arは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキレン基、及び置換基を有していてもよいアリーレン基のいずれかを表す。R及びRは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。X〜Xは、酸素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた二価基を表す。Z〜Zは、連鎖重合性官能基を表す。m1及びm2は、それぞれ0〜4の整数を表す。n1〜n4は、それぞれ0〜5の整数を表し、少なくとも1つは1以上の整数である。
<10> (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(ii)で表される化合物である前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
ただし、前記構造式(ii)中、Ar〜Ar、R〜R、m1及びm2、並びにn1〜n4は、上記構造式(i)と同じ意味を表す。R10〜R13は、メチル基又は水素原子を表す。
<11> 硬化物を含有する層が、電子写真感光体の最表面層である前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<12> 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層が最表面層である前記<11>に記載の電子写真感光体である。
<13> 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記電荷輸送層が、最表面層である前記<11>に記載の電子写真感光体である。
<14> 保護層を有し、かつ該保護層が最表面層である前記<11>から<13>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<15> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを有する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<16> 露光器がデジタル方式の露光器である前記<15>に記載に画像形成装置である。
<17> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを用いる静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<18> デジタル方式の露光器によって感光体表面に静電潜像が形成される前記<17>に記載の画像形成方法である。
<19> 前記<1>から<14>のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有してなり、更に、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電器、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つを有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
本発明の電子写真感光体は、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有することにより、耐久性が向上し、長期にわたる繰り返し使用によっても解像度の低下がなく、地汚れ、フィルミング等の異常画像が発生せず、安定な画像形成を行うことができる。
ここで、本発明の電子写真感光体が、繰り返し使用による画像品質維持に極めて有効である理由については、現時点では明らかになっていないが、以下のように推測される。即ち、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物は、その化学構造内に含まれるアルキルアミノ基が塩基性の強い基であるため、画像ボケ(ドット解像度低下)の原因物質と考えられている酸化性ガスに対して中和効果を有すると考えられる。
また、前記(A)成分の第三級アミン化合物の化学構造内に含まれることがある芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、電荷輸送能の高い官能基である(「高橋ら、電子写真学会誌、25巻、3号、16頁、1986年」)。この芳香族炭化水素環基置換アミノ基は、他の電荷輸送物質と併用することにより高感度、及び繰り返し安定性等が増すことも知られている。この点について、例えば、特開2000−231204号公報には、感光体の酸掃去剤としてジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物が開示されている。この化合物は、繰り返し使用後の画像品質に対して有効なものであるが、電荷輸送能が低いため高感度、高速化要求には対応が難しく、添加量においても限界があった。
また、特開昭60−196768号公報、及び特許第2884353号公報等に開示されている、ジアルキルアミノ基を有するスチルベン化合物が、耐酸化性ガスによる画像ボケに対して効果があることが知られている(「伊丹ら、コニカテクニカルレポート、13巻、37頁、2000年」)。しかし、このスチルベン化合物は、電荷輸送サイトであるトリアリールアミン構造の共鳴部位に強いメゾメリー効果(+M効果)の置換基であるジアルキルアミノ基を有しているので、全体のイオン化ポテンシャル値が極めて小さくなる。そのため、スチルベン化合物を電荷輸送物質として単独で使用した感光層の帯電保持能は、初期から、更には繰り返し使用によって著しく悪くなり、実用化が非常に困難である。また他の電荷輸送物質と併用しても、上記スチルベン化合物のイオン化ポテンシャル値はそれらよりもかなり小さいため、スチルベン化合物が移動電荷のホールトラップサイトとなって、感度が著しく低く、かつ残留電位が大きな電子写真感光体となってしまう。
したがって、本発明においては、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物、好ましくは前記(A)成分の第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有する電子写真感光体が、高耐久性と高画質化の両立を可能とし、繰り返し使用に対しても高画質画像を安定に得られ、この本発明の電子写真感光体を用いることにより、繰り返し使用においても高画質画像を安定に得られる画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、耐久性が向上し、長期にわたる繰り返し使用によっても解像度の低下がなく、地汚れ、フィルミング等の異常画像が発生せず、安定な画像形成を行うことが可能な電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた長寿命かつ高性能な画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することができる。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
<硬化物を含有する層>
前記硬化物を含有する層は、少なくとも、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物、好ましくは前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる硬化物を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物−
前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物は、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合したものであり、該アルキル基は1つ〜3つ結合することができる。
ここで、前記アルキル基としては、炭素数1〜30が好ましく、1〜12がより好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ビニル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキセニル基などが挙げられる。
また、前記アルキル基としては、置換基で更に置換されていてもよく、アルキル基、芳香族炭化水素基、及びこれらを複数組み合わせたもののほか、例えば、下記構造式で表される基、アルキコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、シアノ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などで更に置換されたものが挙げられる。
ただし、前記構造式中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表す。なお、R、R、及びRの詳細については、後述する。
ここで、本発明において、前記連鎖重合とは、高分子体の生成反応を大きく連鎖重合と逐次重合に分けた場合の前者の重合反応形態を示し、例えばその形態が主にラジカル又はイオンなどの中間体を経由して反応が進行する不飽和重合、開環重合、異性化重合などを意味する。
前記不飽和重合とは、ラジカルやイオンなどによって不飽和基、例えばC=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどが重合する反応を意味する。
前記開環重合とは、炭素環や複素環からなる歪みを有した不安定な環状構造が触媒の作用等で活性化され、開環すると同時に重合を繰り返して鎖状高分子物を生成する反応のことを意味する。
本発明で用いられる連鎖重合性官能基としては、連鎖重合が可能な官能基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、不飽和重合が可能な官能基である不飽和重合性官能基、開環重合が可能な官能基である開環重合性官能基が好ましい。
前記不飽和重合性官能基は、C=C、C≡C、C=O、C=N、C≡Nなどのような不飽和基を少なくとも一つ以上有する官能基であれば特に限定されないが、C=Cを有するものが一般的であり、本発明に用いられる不飽和重合性官能基としてはC=Cを有するものが特に好ましい。
前記C=Cを有する不飽和重合性官能基としては、例えば、下記に示す(1)1−置換エチレン官能基、(2)1,1−置換エチレン官能基などが挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば下記構造式(3)で表される官能基が挙げられる。
CH=CH−X− ・・・構造式(3)
ただし、前記構造式(3)中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R14)−基(ただし、R14は、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基;ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す)、又は−S−基を表す。
これらの置換基としては、例えばビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基などが挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば下記構造式(4)で表される官能基が挙げられる。
CH=C(Y)−X− ・・・構造式(4)
ただし、前記構造式(4)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR15基(ただし、R15は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基;置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基;置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はCONR1617(ただし、R16及びR17は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基;置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい)、また、Xは上記構造式(3)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びXの少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、又は芳香族環である。
これらの置換基としては、例えばα−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基などが挙げられる。
これらX、X、及びYについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。これらの置換基の中では、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が重合特性などの点から特に好ましい。
前記連鎖重合性官能基としては、上述したように開環重合性官能基を用いることもできる。該開環重合性官能基としては、炭素環や複素環からなる歪みを有した不安定な環状構造を少なくとも1つ有する官能基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、基本的にはイオンが活性種として作用するものが大部分である。前記開環重合性官能基としては、例えば、環状カルボニル、オキシランなどが挙げられる。
前記(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物としては、下記構造式(1)及び(1’)のいずれかで表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(1)及び(1’)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、下記構造式(1−1)で表される基、及び下記構造式(1−2)で表される基のいずれかを表し、RとRとが互いに結合して、窒素原子を含む複素環を形成してもよく、該複素環は更に置換基により置換されていてもよい。Rは単結合、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表し、Rが芳香族炭化水素二価基であり、かつ該芳香族炭化水素二価基が窒素原子に直接結合する場合には、R及びRのいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基、又は下記構造式(1−2)で表される基である。Zは連鎖重合性官能基を表す。
ただし、前記構造式(1−1)及び(1−2)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表す。
前記構造式(1)及び(1’)におけるアルキル基としては、上述したアルキル基と同様である。
前記構造式(1)及び(1’)における芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、スチリル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における窒素原子を含む複素環としては、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、インドリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、オキソピリダジン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、シンノリン、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアジン、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、オキソオキサジアゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、2−オキソベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、プリン、2,5−ジオキソピロリジン、チアゾリジン、チオモルホリン、ホモピペリジン、ホモピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキソオキサゾリジン、オキサジアゾリン、オキシラン、オキソピペラジン、2−オキソピロリジン、ペルヒドロジアゼピン、ペルヒドロジアゾシン、ペルヒドロジアゾニン、オクタヒドロキノリン、ジヒドロインドリンなどが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、ビニレン基、エチニレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘキセニレン基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)における芳香族炭化水素二価基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニルジイル基、テルフェニルジイル基、クアテルフェニルジイル基、キンクフェニルジイル基、セキシフェニルジイル基、セプチフェニルジイル基、オクチフェニルジイル基、ノビフェニルジイル基、デシフェニルジイル基、ジフェニルメタンジイル、ジフェニルアセチレンジイル、ジフェニルエーテルジイル、ジフェニルスルフィドジイル、ジフェニルスルフォンジイル、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、スチルベンジイル基などが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)におけるZで表される連鎖重合性官能基としては、上記不飽和重合性官能基、開環重合性官能基などが挙げられる。
前記構造式(1−1)及び(1−2)におけるアルキル基、芳香族炭化水素基、アルキレン基、芳香族炭化水素二価基としては、上記構造式(1)及び(1’)と同様のものを用いることができる。
前記構造式(1)及び(1’)における、R、R及びR、並びに前記構造式(1−1)及び(1−2)におけるR、R及びRに導入できる置換基としては、上述したようなアルキル基、芳香族炭化水素基、及びこれらを複数組み合わせたもののほか、例えば、アルキコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、シアノ基、アルキルアミノ基、アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ハロゲン原子などで更に置換されたものが挙げられる。
前記構造式(1)及び(1’)で表される連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を用いることにより、均一な膜を有する感光体を作製することができる。その理由として、前記構造式(1)及び(1’)で表される第三級アミン化合物は連鎖重合性官能基が分子内に一つだけ存在するため、膜硬化時において連鎖重合反応がよりよい速度で進行するためであると推測される。また、前記構造式(1)及び(1’)で表される第三級アミン化合物を使用することによって、高解像度の画質が得られる感光体を作製することができる。その理由として、感光層表面を繰り返し使用し、周辺環境により生じるオゾンやNOx、その他の酸化性物質を捕捉及び掃去するために前記構造式(1)及び(1’)で表される第三級アミン化合物がより最適な構造であるためであると推測される。
ここで、前記構造式(1)で表される第三級アミン化合物は、例えば以下の方法により製造することができる。
まず、下記構造式(5)で表される第一級アミン化合物と下記構造式(6)及び(7)で表されるそれぞれのハロゲン化物を塩基性化合物の存在下、室温から170℃程度の温度において反応させることにより、下記構造式(8)で表される第三級アミン化合物が得られる。
ただし、前記構造式(5)中、Rは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、又はそれらを組み合わせた二価基を表す。
−X ・・・構造式(6)
−X ・・・構造式(7)
ただし、前記構造式(6)及び(7)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。また、RとRは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよく、その窒素原子を含む複素環基上には置換基を有していてもよい。Xはハロゲン原子を表す。
ただし、前記構造式(8)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。また、RとRは互いに結合し、窒素原子を含む複素環基を形成してもよく、その窒素原子を含む複素環基上には置換基を有していてもよい。Rは置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、又はそれらを組み合わせた二価基を表す。ただし、Rが芳香族炭化水素二価基を持ち、かつその芳香族炭化水素二価基が窒素原子に直接結合する場合には、RとRのいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基である。
次に、上記構造式(8)で表される第三級アミン化合物と、下記構造式(9)で表されるハロゲン化物とを塩基性化合物の存在下、マイナス(−)20℃〜90℃程度の温度において反応させることにより、前記構造式(1)で表される連鎖重合性三級アミン化合物が得られる。
Z−X ・・・構造式(9)
ただし、前記構造式(9)中、Zは連鎖重合性官能基を表す。また、Xはハロゲン原子を表す。
前記(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物としては、下記構造式(2)及び(2’)のいずれかで表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記構造式(2)及び(2’)中、R及びRは、上記構造式(1)及び(1’)と同じ意味を表す。Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基を表す。m及びnは、それぞれ0〜6の整数を表し、n=0の場合には、R及びRのいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基又は上記構造式(1−2)で表される基を表す。
前記構造式(2)及び(2’)におけるArで表される芳香族炭化水素二価基、又はこれらの置換基としては、上記構造式(1)と同様なものを用いることができる。
前記構造式(2)及び(2’)で表される化合物を使用することにより、膜が更に平滑であり、電気的特性が更に良好な感光体を作製することができる。その理由としては、前記構造式(2)及び(2’)で表される化合物はアミン構造部位と連鎖重合性官能基との間に、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素骨格からなる二価基が存在しているためであると推測される。
また、前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物としては、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物が好適に挙げられる。このようなアルキル基が2つ以上(2つ又は3つ)結合した第三級アミン化合物を使用することにより、電気的特性が更に良好な感光体を作製することができる。その理由としては、アルキル基が1つのものよりも塩基性がより強くなるので、画像ボケの原因物質と考えられている酸化性ガスに対しての中和効果がより高くなるためであると推測される。
以下に、前記(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物の具体例を示す。なお、前記(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物はこれらに限定されるものではない。
前記(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物の前記硬化物全体における含有量は、その構造にもよるため一概に規定することはできないが、一般には1〜20質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、長期にわたる繰り返し使用時には画像ボケが発生しやすくなることがあり、20質量%を超えると、帯電保持能が長期の繰り返し使用により悪くなることがある。
−(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物−
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物を添加することによって、硬化物を含有する層を有する電子写真感光体の電子写真特性がより良好となる。前記(B)成分の化合物としては、従来公知の電荷輸送性構造体に連鎖重合性官能基が置換したものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物における連鎖重合性官能基としては、前記(A)成分の化合物と同様のものを用いることができる。
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物における電荷輸送性構造体の具体例としては以下のものが挙げられ、前記(B)成分は以下の構造体に連鎖重合性官能基が置換したものである。
例えば、ポリ−N−カルバゾール又はその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート又はその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物又はその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、又は下記構造式(10)で示される化合物が挙げられる。
ただし、前記構造式(10)中、Rはメチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基又は2−クロルエチル基を表し、Rはメチル基、エチル基、ベンジル基又はフェニル基を表し、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、又はニトロ基を表す。
前記構造式(10)で表される化合物としては、例えば9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、9−エチルカルバゾール−3−カルボアルデヒド1、1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(11)中、Arはナフタレン環、アントラセン環、ピレン環、又はそれらの置換体あるいはピリジン環、フラン環、チオフェン環を表し、Rはアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。
前記構造式(11)で表される化合物としては、例えば4−ジエチルアミノスチリル−β−カルボアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、4−メトキシナフタレン−1−カルボアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(12)中、Rはアルキル基、ベンジル基、フェニル基又はナフチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ジアラルキルアミノ基、又はジアリールアミノ基を表す。nは1〜4の整数を表し、nが2以上のときは、Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。Rは水素原子、又はメトキシ基を表す。
前記構造式(12)で表される化合物としては、例えば4−メトキシベンズアルデヒド1−メチル−1−フェニルヒドラゾン、2、4−ジメトキシベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド1、1−ジフェニルヒドラゾン、4−メトキシベンズアルデヒド1−(4−メトキシ)フェニルヒドラゾン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド1−ベンジル−1−フェニルヒドラゾン、4−ジベンジルアミノベンズアルデヒド1、1−ジフェニルヒドラゾンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(13)中、Rは炭素数1〜11のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は複素環基を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、クロルアルキル基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、また、RとRは互いに結合し窒素を含む複素環を形成していてもよい。Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
前記構造式(13)で表される化合物としては、例えば1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、2,2’−ジメチル−4,4’−ビス(ジエチルアミノ)−トリフェニルメタンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(14)中、Rは、水素原子、又はハロゲン原子を表す。Arは、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はカルバゾリル基を表す。
前記構造式(14)で表される化合物としては、例えば9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン、9−ブロム−10−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(15)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Arは、下記構造式(16)、又は下記構造式(17)を表す。
ただし、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基又はジアルキルアミノ基を表し、nは1又は2であって、nが2のときは、Rは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、R、Rは水素原子、炭素数1〜4の置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいベンジル基を表す。
前記構造式(15)で表される化合物としては、例えば9−(4−ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、3−(9−フルオレニリデン)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(18)中、Rはカルバゾリル基、ピリジル基、チエニル基、インドリル基、フリル基あるいはそれぞれ置換もしくは非置換のフェニル基、スチリル基、ナフチル基、又はアントリル基であって、これらの置換基がジアルキルアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、カルボキシ基又はそのエステル、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキルアミノ基、N−アルキル−N−アラルキルアミノ基、アミノ基、ニトロ基及びアセチルアミノ基からなる群から選ばれた基を表す。
前記構造式(18)で表される化合物としては、例えば1、2−ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ベンゼン、1、2−ビス(2、4−ジメトキシスチリル)ベンゼンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(19)中、Rは低級アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又はベンジル基を表し、R、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基あるいは低級アルキル基又はベンジル基で置換されたアミノ基を表し、nは1又は2の整数を表す。
前記構造式(19)で表される化合物としては、例えば3−スチリル−9−エチルカルバゾール、3−(4−メトキシスチリル)−9−エチルカルバゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(20)中、Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を表し、Rは水素原子、低級アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、また、Arは置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基を表す。
前記構造式(20)で表される化合物としては、例えば4−ジフェニルアミノスチルベン、4−ジベンジルアミノスチルベン、4−ジトリルアミノスチルベン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレン、1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ナフタレンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(21)中、nは0又は1の整数、Rは水素原子、アルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表し、Ar1は置換もしくは未置換のアリール基を表し、Rは置換アルキル基を含むアルキル基、あるいは置換基を有していてもよいアリール基を表す。Aは、下記構造式(22)で表される基、9−アントリル基、又は置換基を有していてもよいカルバゾリル基を表す。Rは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又は下記構造式(23)で表される基を表す。mが2以上の時にはRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、nが0の時、AとRは一緒になって環を形成してもよい。
ただし、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアリール基を示し、RとRとは環を形成してもよい。
前記構造式(21)で表される化合物としては、例えば4’−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベン、4’−ビス(4−メチルフェニル)アミノ−α−フェニルスチルベンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(24)中、R、R及びRは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はジアルキルアミノ基を表す。nは0又は1を表す。
前記構造式(24)で表される化合物としては、例えば1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(25)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換もしくは未置換のアルキル基、又は置換もしくは未置換のアリール基を表す。Aは置換アミノ基、置換もしくは未置換のアリール基、又はアリル基を表す。
前記構造式(25)で表される化合物としては、例えば2、5−ビス(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジメチルアミノフェニル)−5−(4−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(26)中、Xは水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表し、Rは置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Aは置換基を有していてもよいアミノ基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記構造式(26)で表される化合物としては、例えば2−N、N−ジフェニルアミノ−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフェニル)−5−(N−エチルカルバゾール−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(27)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。l、m、及びnは、それぞれ0〜4の整数を表す。
前記構造式(27)で表されるベンジジン化合物としては、例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン、3,3’−ジメチル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(28)中、R、R及びRは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、メチレンジオキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは水素原子、アルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、又はハロゲン原子を表す。ただし、R、R、R及びRはすべて水素原子である場合は除く。また、k、l、m及びnは1、2、3又は4の整数であり、それぞれが2、3又は4の整数の時は、前記R、R、R及びRは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
前記構造式(28)で表されるビフェニリルアミン化合物としては、例えば4’−メトキシ−N,N−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メチル−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、4’−メトキシ−N,N−ビス(4−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミン、N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4−アミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(29)中、Arは置換基を有していてもよい炭素数18以下の縮合多環式炭化水素基を表す。R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。nは1又は2の整数を表す。
前記構造式(29)で表されるトリアリールアミン化合物としては、例えばN,N−ジフェニル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−ピレン−1−アミン、N,N−ジ−p−トリル−1−ナフチルアミン、N,N−ジ(p−トリル)−1−フェナントリルアミン、9,9−ジメチル−2−(ジ−p−トリルアミノ)フルオレン、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N,N’N’−テトラキス(3−メチルフェニル)−m−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(30)中、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、Aは、下記構造式(31)で表される基である。
ただし、前記構造式(31)中、Ar’は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表し、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
前記構造式(30)で表されるジオレフィン芳香族化合物としては、例えば1,4−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ベンゼン、1,4−ビス[4−ジ(p−トリル)アミノスチリル]ベンゼンなどが挙げられる。
ただし、前記構造式(32)中、Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。nは0又は1であり、mは1又は2であって、n=0、m=1の場合、ArとRは一緒になって環を形成してもよい。
前記構造式(32)で表されるスチリルピレン化合物としては、例えば1−(4−ジフェニルアミノスチリル)ピレン、1−(N,N−ジ−p−トリル−4−アミノスチリル)ピレンなどが挙げられる。
なお、その他の電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−インデノ4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。更に下記構造式(33)、(34)、(35)、又は(36)で表される電子輸送物質を好適に使用することができる。
ただし、前記構造式(33)中、R、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(34)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(35)中、R、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
ただし、前記構造式(36)中、Rは置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表す。Rは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は−O−R(ただし、Rは、置換基を有してもよいアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を示す)を表す。
以上に示した前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物における電荷輸送性構造体の具体例の中でも、上記構造式(21)で表される構造体、上記構造式(27)で表される構造体、上記構造式(28)で表される構造体が電気特性の点から更に好ましい。
また、前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物としては、下記構造式(i)で表される化合物及び下記構造式(ii)で表される化合物のいずれかが、電気特性の点から特に好ましい。
ただし、前記構造式(i)中、Ar〜Arは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキレン基、及び置換基を有していてもよいアリーレン基のいずれかを表す。R及びRは、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。X〜Xは、酸素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた二価基を表す。Z〜Zは、連鎖重合性官能基を表す。m1及びm2は、それぞれ0〜4の整数を表す。n1〜n4は、それぞれ0〜5の整数を表し、少なくとも1つは1以上の整数である。
ただし、前記構造式(ii)中、Ar〜Ar、R〜R、m1及びm2、並びにn1〜n4は、上記構造式(i)と同じ意味を表す。R10〜R13は、メチル基又は水素原子を表す。
なお、前記構造式(i)及び(ii)において、アルキレン基、アルキル基、アリーレン基、及び連鎖重合性官能基としては、上記構造式(1)と同様なものを用いることができる。
以下に、前記構造式(i)及び(ii)で表される化合物の具体例を示す。なお、前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物は、これらに限定されるものではない。
また、前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物としては、例えば特開2005−227761号公報、特開2004−212959号公報、特開2004−258346号公報、特開2001−175016号公報に記載の電荷輸送性構造を有する連鎖重合性化合物なども挙げられる。
前記(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物の前記硬化物における含有量は、20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。前記含有量が20質量%未満であると、(B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物の電子写真特性に対する効果が少なくなり、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れることがある。一方、前記含有量が80質量%を超えると、(B)成分以外の成分の含有量が低下し、例えば架橋結合密度の低下を招き、高い耐摩耗性が発揮されないなどの影響が出ることがある。
−(C)成分の三官能以上の連鎖重合性化合物−
前記(C)成分の三官能以上の連鎖重合性化合物としては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基を有する電子吸引性芳香族環等の電子輸送構造(又は電子輸送構造を示す基)を有しておらず、かつ連鎖重合性官能基を3個以上有するモノマーを意味する。
前記(C)成分の化合物における連鎖重合性官能基としては、前記(A)成分の第三級アミン化合物について記載したものと同様のものを用いることができる。
前記(C)成分の三官能以上の連鎖重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレートトリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以下、「EO変性」と称することもある)トリアクリレート、トリメチロールプロパプロピレンオキシ変性(以下、「PO変性」と称することもある)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以下、「ECH変性」と称することもある)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、前記(C)成分の化合物を添加することにより、前記硬化物を含有する層の三次元架橋結合密度がより高くなる。このことにより、耐摩耗性が更に優れる感光体を得ることが可能となる。前記(C)成分としては、前記硬化物を含有する層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が好ましい。また、この割合が250より大きい場合、保護層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。
前記(C)成分の化合物を含有する割合は、使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なり、一概に規定することはできないが、硬化物組成物全量に対し20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。実質的には、塗工液固形分中の(C)成分の割合に依存する。(C)成分が20質量%未満では(C)成分を添加する効果が少なく、また、80質量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。両特性及び効果のバランスを考慮すると30〜70質量%の範囲が最も好ましい。
−(D)成分の光重合開始剤−
前記(D)成分の光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤又はケタール系光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどが挙げられる。
前記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどが挙げられる。
前記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
前記その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有する化合物を単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
本発明において前記(D)成分を添加することにより、前記硬化物を形成する際の連鎖重合反応が膜全体により均一に進行する。このことにより、表面粗度がより小さい感光体を得ることができる。
前記(D)成分の光重合開始剤の含有量は、連鎖重合性を有する化合物の総量に対し、0.5〜40質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、硬化物を有する層の形成が不均一となり、局所的に耐摩耗性が低下することがあり、40質量%を超えると、電気特性の劣化が現れることがある。
−硬化物を含有する層の形成方法−
前記硬化物を含有する層の形成方法について説明する。
本発明で使用される硬化物は、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を含む塗工液を作製し、その塗工液を感光体表面に塗工した後、光照射を行い、重合させることで形成される。
塗工液は必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする厚みにより変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。塗工液を作製する場合は、前記(A)、(B)、(C)、及び(D)成分のいずれかが液体である場合には、これに他の成分を溶解して塗布することも可能である。
塗工液には、前記(A)、(B)、(C)、及び(D)成分以外に塗工時の粘度調整、保護層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で一官能及び二官能の連鎖重合性モノマー及び連鎖重合性オリゴマーを併用することができる。これらの連鎖重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用でき、例えば一官能のラジカルモノマー、二官能の連鎖重合性モノマー、機能性モノマー、連鎖重合性オリゴマーなどが挙げられる。
前記一官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
前記二官能の連鎖重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート等のフッ素原子を置換したもの;特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー;アクリレート、メタクリレートなどが挙げられる。
前記連鎖重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
なお、一官能及び二官能の連鎖重合性モノマーや連鎖重合性オリゴマーを多量に含有させると硬化物の三次元架橋結合密度が実質的に低下し、特性の低下を招くことがある。このため、これらのモノマーやオリゴマーの含有量は、前記(C)成分に対し50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
更に、前記塗工液には、必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能である。
前記可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能であり、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。
前記塗工液を塗布後、場合によっては乾燥工程を入れ、光照射により硬化を行う。光照射としては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、連鎖重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上、2,000mW/cm以下が好ましい。前記照射光量が50mW/cm未満であると、硬化反応に時間を要することがあり、2000mW/cmを超えると、反応の進行が不均一となり、保護層表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。また、急激な架橋により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。また、光照射時に窒素置換をして酸素による重合阻害を防止してもよい。また、光照射は、連続して行ってもよく、間欠的に複数回に分けて照射してもよい。
光照射の類似手段として電子線照射を用いることもできる。しかし、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから光のエネルギーを用いたものが好ましい。電子線照射の場合は、光重合開始剤を使用しなくてもよい。
光照射により硬化させた後、80〜150℃でアニールを行い、電子写真感光体として使用される。アニール時間は、1分間〜60分間程度である。
本発明の電子写真感光体は、その層構成について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記硬化物を含有する層が最表面層であることが好ましい。
前記最表面層としては、積層型感光体では電荷輸送層、又は保護層などが挙げられる。単層型感光体では、感光層、又は保護層などが好適に挙げられる。
これらの中でも、前記硬化物を含有する層が保護層であると、硬化反応条件による制約が少なくなるので特に好ましい。
前記保護層の厚みは、1〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましい。前記厚みが20μmを超えると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなったり、連鎖重合が深部で起こりにくくなり架橋密度の高い膜を形成することができにくくなったりする。また、連鎖重合反応がラジカルにより進行する場合、酸素阻害を受けやすく、大気に接した表面では酸素によるラジカルトラップの影響で架橋が進みにくくなり、膜が不均一になりやすい。この影響が顕著に現れるのは保護層の厚みが1μm未満であり、耐摩耗性の低下や不均一な摩耗が起こりやすい。これらの理由から、前記保護層の厚みは1μm以上であることが好ましい。また、繰り返しの使用において摩耗による厚み減少は、局部的な帯電性や感度変動を起しやすく、長寿命化の観点から保護層の厚みを3μm以上にすることがより好ましい。
ここで、本発明の電子写真感光体の層構成について、図面に基づいて説明する。図1〜図4は、電子写真感光体の概略断面図である。
図1に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられている。
図2に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが、感光層として積層された構成をとっている。
図3に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質と電荷輸送物質を主成分とする感光層3が設けられ、更に感光層表面に保護層4が設けられている。
図4に示す態様においては、支持体1上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層5と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層7とが感光層として積層された構成をとっており、更に電荷輸送層上に保護層4が設けられている。
−支持体−
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の支持体として良好に用いることができる。
次に、感光層について説明する。本発明の感光層は、(A)成分を有効成分として含有する。該感光層は単層でも積層でもよいが、まず、電荷発生層と電荷輸送層が積層されて感光層を構成する場合から説明する。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン等が挙げられる。アモルファス−シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂としては、上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、(1)アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂などの高分子材料、(2)ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
前記(1)の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、前記(2)の具体例としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、前記電荷発生層には、低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
前記低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前記電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられる。
前記キャスティング法としては、前記無機系もしくは有機系電荷発生物質、必要に応じてバインダー樹脂を、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷発生層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送物質を含んでなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質、などが挙げられる。
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、前記高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも、例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、などに記載の化合物が挙げられる。
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には、例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記電荷輸送層は、これらの電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成できる。前記電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
前記電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、電荷輸送層の形成には電荷発生層35と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、前記結着樹脂100質量部に対して0〜30質量部程度が適当である。
前記レベリング剤としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0〜1質量部程度が適当である。
前記電荷輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
次に、感光層が単層構成の場合について述べる。上述した電荷発生物質を結着樹脂中に分散した感光体が使用できる。感光層は、電荷発生物質と電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
結着樹脂としては、先に電荷輸送層で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げた結着樹脂を混合して用いてもよい。先に挙げた高分子電荷輸送物質も良好に使用できる。前記結着樹脂100質量部に対する電荷発生物質の含有量は5〜40質量部が好ましい。電荷輸送物質の含有量は0〜190質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましい。
前記感光層は、電荷発生物質、結着樹脂を電荷輸送物質とともにテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等の溶媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して形成できる。
前記単層構成の感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜35μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、電荷輸送層と保護層の間、又は感光層と保護層の間に、保護層への電荷輸送層成分混入を抑える又は両層間の接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。
前記中間層としては保護層塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが適しており、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、前記中間層の厚みは0.05〜2μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。該下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。該樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、前記下引き層には、モアレ防止、残留電位の低減等を図るため、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物の微粉末顔料を添加することができる。
前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0〜5μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記感光層、前記保護層、前記電荷輸送層、前記電荷発生層、前記下引き層、前記中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類、などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、などが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
なお、これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01〜10質量%が好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えばクリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いることができる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記電子写真感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッター光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、微細なものが好ましく、トナーの体積平均粒径は3〜10μmが好ましく、トナーの平均円形度は0.90〜0.99が好ましい。
前記現像器は、通常乾式現像方式が用いられる。また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、トナー乃至現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像がトナーにより現像されて該電子写真感光体の表面にトナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該トナーとしては、普通に用いられるものを使用することができる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、本発明の画像形成装置の一の態様について、図5を参照しながら説明する。
図5は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、後に示すような変形例も本発明の範疇に属するものである。
電子写真感光体201は、支持体上に、電荷発生層、電荷輸送層、及び保護層をこの順に含む感光層を有してなる。この電子写真感光体201はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。なお、図5中204は、イレーサである。
電子写真感光体201を平均的に帯電させる帯電手段としては、帯電チャージャ203が用いられる。この帯電チャージャとしては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
本発明では、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解する様な帯電手段を用いた場合に特に有効である。ここで、接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。また、近接帯電方式とは、例えば、帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
次に、均一に帯電された感光体201上に静電潜像を形成するために画像露光部205が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体201上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット206が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体201上で可視化されたトナー像を記録媒体209上に転写するために転写チャージャ210が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ207を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、記録媒体209を感光体201より分離する手段として分離チャージャ211、分離爪212が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ211としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体201上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ214、クリーニングブレード215が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ213を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ202、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図6を参照しながら説明する。図6に示す画像形成装置100は、前記電子写真感光体としての感光体ドラム10(以下、「感光体10」と称することがある)と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3つのローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3つのローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終転写材としての転写紙95に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体10と接触している。
図6に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図7を参照しながら説明する。図7に示す画像形成装置100は、図6に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図6に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図7においては、図6におけるものと同じものは同符号で示した。
本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図8を参照しながら説明する。図8に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。前記タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図8中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、前記タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、前記タンデム画像形成装置を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各画像情報は、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、前記タンデム画像形成装置における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図9に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M及びシアン用感光体10C)と、該感光体を一様に帯電させる帯電器160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記感光体を露光(図9中、L)し、該感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光器と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー像を形成する現像器61と、該トナー像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、感光体クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記電子写真感光体と、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、トナー乃至現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、各種画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、上述した本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図10に示すように、感光体316を内蔵し、帯電手段317、露光手段319、現像手段320、クリーニング手段318、転写手段(不図示)、除電手段(不図示)を含み、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
次に、図10に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体316は、矢印方向に回転しながら、帯電手段317による帯電、露光手段319による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段320でトナー現像され、該トナー現像は転写手段(不図示)により、記録媒体に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段318によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明の画像形成装置としては、前記電子写真感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。また、帯電器、像露光器、現像器、転写分離器、及びクリーニング器から選択される少なくとも1つを電子写真感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、画像形成装置本体に着脱可能な単一ユニットとし、画像形成装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱可能な構成としてもよい。
本発明の画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
−例示化合物No.21の合成−
(1)p−ジエチルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール9.6g(70mmol)、炭酸カリウム38.7g(280mmol)、及びモノクロロベンゼン100mlを四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、120℃で加熱撹拌した。ここへヨウ化エチル32.8g(210mmol)を5時間かけて滴下し、滴下終了後、更に5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで希釈し、3回水洗した。このジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(2/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ジエチルアミノフェネチルアルコール12.1g(収率:89質量%)を合成した。
(2)p−ジエチルアミノフェネチルアクリレートの合成
p−ジエチルアミノフェネチルアルコール5.43g(28.1mmol)、トリエチルアミン6.26g(61.8mmol)、及び脱水テトラヒドロフラン30mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、氷冷下で撹拌した。ここへアクリル酸クロライド5.09g(56.2mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に5時間撹拌した。反応液を水100ml中に注ぎ、これをトルエンで抽出し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(9/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.21のp−ジエチルアミノフェネチルアクリレート3.17g(収率:46質量%)を合成した。
(製造例2)
−例示化合物No.22の合成−
(1)p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール9.6g(70mmol)、炭酸カリウム38.7g(280mmol)、及び脱水トルエン50mlを四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、100℃で加熱撹拌した。ここへヨウ化エチル10.9g(70mmol)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、更に1時間加熱撹拌した。ここへ塩化ベンジル10.9g(70mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、5回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(10/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコール6.69g(収率:37質量%)を合成した。
(2)p−ベンジルエチルアミノフェネチルアクリレートの合成
p−ベンジルエチルアミノフェネチルアルコール6.64g(26mmol)、トリエチルアミン5.79g(57.2mmol)、脱水テトラヒドロフラン50mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、氷冷下で撹拌した。ここへアクリル酸クロライド4.70g(52mmol)を30分間かけて滴下し、滴下終了後、更に3時間撹拌した。反応液を水100ml中に注ぎ、これをトルエンで抽出し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(5/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.22のp−ベンジルエチルアミノフェネチルアクリレート3.21g(収率:40質量%)を合成した。
(製造例3)
−例示化合物No.23の合成−
(1)p−ジベンジルアミノフェネチルアルコールの合成
p−アミノフェネチルアルコール5.49g(40mmol)、炭酸カリウム21.1g(160mmol)、及び塩化ベンジル20.3g(160mmol)を四ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、135℃で7時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(7/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ジベンジルアミノフェネチルアルコール11.0g(収率:87質量%)を合成した。
(2)p−ジベンジルアミノフェネチルアクリレートの合成
p−ジベンジルアミノフェネチルアルコール10.5g(33mmol)、アクリル酸9.51g(132mmol)、p−トルエンスルホン酸0.56g(3.3mmol)、及び脱水トルエン30mlを三ツ口フラスコ内に投入し、アルゴン雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。ここへジシクロヘキシルカルボジイミド3.8g(18.2mmol)、4−ピロリジノピリジン2.5g(16.5mmol)を加え、5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、トルエンで希釈し、3回水洗した。このトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、下記構造式で表される例示化合物No.23のp−ジベンジルアミノフェネチルアクリレート4.05g(収率:33質量%)を合成した。
参考例1)
−電子写真感光体No.1の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、下記組成の電荷発生層用塗工液、及び下記組成の電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み18μmの電荷輸送層をそれぞれ形成した。
〔下引き層用塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
〔電荷発生層用塗工液の組成〕
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・下記構造式(i)で表されるビスアゾ顔料・・・2.4質量部
〔電荷輸送層用塗工液の組成〕
・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
・下記構造式(ii)で表される低分子電荷輸送物質・・・7質量部
次に、得られた電荷輸送層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm、照射時間:240秒の条件で光照射を行い硬化させた。更に130℃で20分間乾燥し、厚み5.0μmの保護層を形成した。以上により、電子写真感光体No.1を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・62質量部
(実施例2)
−電子写真感光体No.2の作製−
参考例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.2を作製した。
(実施例3)
−電子写真感光体No.3の作製−
参考例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.3を作製した。
(実施例4)
−電子写真感光体No.4の作製−
参考例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.4を作製した。
(実施例5)
−電子写真感光体No.5の作製−
参考例1において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.5を作製した。
参考例6)
−電子写真感光体No.6の作製−
参考例1において、保護層用塗工液を下記組成の保護層用塗工液に代えた以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体No.6を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・10質量部
・(C)成分としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=三官能、分子量/官能基数=99)・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・119質量部
(実施例7)
−電子写真感光体No.7の作製−
参考例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例6と同様にして、電子写真感光体No.7を作製した。
(実施例8)
−電子写真感光体No.8の作製−
参考例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例6と同様にして、電子写真感光体No.8を作製した。
(実施例9)
−電子写真感光体No.9の作製−
参考例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例6と同様にして、電子写真感光体No.9を作製した。
(実施例10)
−電子写真感光体No.10の作製−
参考例6において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例6と同様にして、電子写真感光体No.10を作製した。
参考例11)
−電子写真感光体No.11の作製−
参考例1において、保護層用塗工液を下記組成の保護層用塗工液に代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.11を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・10質量部
・(C)成分としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=三官能、分子量/官能基数=99)・・・10質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・124質量部
(実施例12)
−電子写真感光体No.12の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.12を作製した。
(実施例13)
−電子写真感光体No.13の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.13を作製した。
(実施例14)
−電子写真感光体No.14の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.14を作製した。
(実施例15)
−電子写真感光体No.15の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.15を作製した。
参考例16)
−電子写真感光体No.16の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液を塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
〔下引き層用塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
次に、得られた下引き層上に下記組成の感光層用塗工液を塗布し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm、照射時間:240秒の条件で光照射を行い硬化させた。更に130℃で20分間乾燥し、厚み33μmの感光層を形成した。以上により、電子写真感光体No.16を作製した。
〔感光層用塗工液の組成〕
・X型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue8120B、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・2質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・30質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・18質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・2質量部
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・5質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・50質量部
・(C)成分としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=三官能、分子量/官能基数=99)・・・50質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・5質量部
・テトラヒドロフラン・・・648質量部
(実施例17)
−電子写真感光体No.17の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例16と同様にして、電子写真感光体No.17を作製した。
(実施例18)
−電子写真感光体No.18の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例16と同様にして、電子写真感光体No.18を作製した。
(実施例19)
−電子写真感光体No.19の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例16と同様にして、電子写真感光体No.19を作製した。
(実施例20)
−電子写真感光体No.20の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例16と同様にして、電子写真感光体No.20を作製した。
参考例21)
−電子写真感光体No.21の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び下記組成の電荷発生層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み0.2μmの電荷発生層をそれぞれ形成した。
〔下引き層用塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
〔電荷発生層用塗工液の組成〕
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
・下記構造式(i)で表されるビスアゾ顔料・・・2.4質量部
次に、得られた電荷発生層上に下記組成の電荷輸送層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm、照射時間:240秒の条件で光照射を行い硬化させた。更に130℃で20分間乾燥し、厚み23μmの電荷輸送層を形成した。以上により、電子写真感光体No.21を作製した。
〔電荷輸送層用塗工液の組成〕
・下記構造式(ii)で表される低分子電荷輸送物質・・・7質量部
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・10質量部
・(C)成分としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=三官能、分子量/官能基数=99)・・・10質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・116質量部
(実施例22)
−電子写真感光体No.22の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例21と同様にして、電子写真感光体No.22を作製した。
(実施例23)
−電子写真感光体No.23の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例21と同様にして、電子写真感光体No.23を作製した。
(実施例24)
−電子写真感光体No.24の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例21と同様にして、電子写真感光体No.24を作製した。
(実施例25)
−電子写真感光体No.25の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例21と同様にして、電子写真感光体No.25を作製した。
参考例26)
−電子写真感光体No.26の作製−
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、及び下記組成の感光層用塗工液を順次、塗布し、乾燥することにより、厚み3.5μmの下引き層、及び厚み28μmの感光層をそれぞれ形成した。
〔下引き層用塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
〔感光層用塗工液の組成〕
・X型無金属フタロシアニン(Fastogen Blue8120B、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・2質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・30質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・18質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質・・・2質量部
・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)・・・50質量部
・テトラヒドロフラン・・・500質量部
次に、得られた感光層上に下記組成の保護層用塗工液をスプレー塗工し、20分間自然乾燥した後、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:110mm、照射強度:750mW/cm、照射時間:240秒の条件で光照射を行い硬化させた。更に130℃で20分間乾燥し、厚み5.0μmの保護層を形成した。以上により、電子写真感光体No.26を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(iii)で表される化合物・・・10質量部
・(C)成分としてのトリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量=296、官能基数=三官能、分子量/官能基数=99)・・・10質量部
・(D)成分としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・124質量部
(実施例27)
−電子写真感光体No.27の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例26と同様にして、電子写真感光体No.27を作製した。
(実施例28)
−電子写真感光体No.28の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例26と同様にして、電子写真感光体No.28を作製した。
(実施例29)
−電子写真感光体No.29の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例26と同様にして、電子写真感光体No.29を作製した。
(実施例30)
−電子写真感光体No.30の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例26と同様にして、電子写真感光体No.30を作製した。
参考例31)
−電子写真感光体No.31の作製−
参考例11において、(B)成分の上記構造式(iii)で表される化合物を下記構造式(iv)で表される化合物に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.31を作製した。
(実施例32)
−電子写真感光体No.32の作製−
参考例31において、(A)成分の例示化合物No.12を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例31と同様にして、電子写真感光体No.32を作製した。
(実施例33)
−電子写真感光体No.33の作製−
参考例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例31と同様にして、電子写真感光体No.33を作製した。
(実施例34)
−電子写真感光体No.34の作製−
参考例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例31と同様にして、電子写真感光体No.34を作製した。
(実施例35)
−電子写真感光体No.35の作製−
参考例31において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例31と同様にして、電子写真感光体No.35を作製した。
参考例36)
−電子写真感光体No.36の作製−
参考例1において、保護層用塗工液を下記組成のものに代えた以外は、参考例1と同様にして、電子写真感光体No.36を作製した。
〔保護層用塗工液の組成〕
・(A)成分としての下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.54)・・・1質量部
・(B)成分としての下記構造式(vi)で表される化合物・・・10質量部
・ジエチレングリコール・・・2質量部
・(CSAsF・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
参考例37)
−電子写真感光体No.37の作製−
参考例11において、(B)成分の上記構造式(iii)で表される化合物を下記構造式で表される連鎖重合性電荷輸送性化合物(例示化合物No.67)に代えた以外は、参考例11と同様にして、電子写真感光体No.37を作製した。
(実施例38)
−電子写真感光体No.38の作製−
参考例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.21)に代えた以外は、参考例37と同様にして、電子写真感光体No.38を作製した。
(実施例39)
−電子写真感光体No.39の作製−
参考例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.22)に代えた以外は、参考例37と同様にして、電子写真感光体No.39を作製した。
(実施例40)
−電子写真感光体No.40の作製−
参考例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.23)に代えた以外は、参考例37と同様にして、電子写真感光体No.40を作製した。
(実施例41)
−電子写真感光体No.41の作製−
参考例37において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式で表される連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.26)に代えた以外は、参考例37と同様にして、電子写真感光体No.41を作製した。
(比較例1)
−比較電子写真感光体No.1の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、保護層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を119質量部に代えた以外は、参考例11と同様にして、比較電子写真感光体No.1を作製した。
(比較例2)
−比較電子写真感光体No.2の作製−
参考例11において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、参考例11と同様にして、比較電子写真感光体No.2を作製した。
(比較例3)
−比較電子写真感光体No.3の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、感光層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を628質量部に代えた以外は、参考例16と同様にして、比較電子写真感光体No.3を作製した。
(比較例4)
−比較電子写真感光体No.4の作製−
参考例16において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、参考例16と同様にして、比較電子写真感光体No.4を作製した。
(比較例5)
−比較電子写真感光体No.5の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、電荷輸送層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を112質量部に代えた以外は、参考例21と同様にして、比較電子写真感光体No.5を作製した。
(比較例6)
−比較電子写真感光体No.6の作製−
参考例21において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、参考例21と同様にして、比較電子写真感光体No.6を作製した。
(比較例7)
−比較電子写真感光体No.7の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を加えず、保護層用塗工液に用いるテトラヒドロフランの使用量を119質量部に代えた以外は、参考例26と同様にして、比較電子写真感光体No.7を作製した。
(比較例8)
−比較電子写真感光体No.8の作製−
参考例26において、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物(例示化合物No.12)を、下記構造式(v)で表される化合物(特開2004−102080号公報に記載の第三級アミン化合物)に代えた以外は、参考例26と同様にして、比較電子写真感光体No.8を作製した。
<画像形成及び評価>
以上のようにして作製した実施例2〜5、7〜10、12〜15、17〜20、22〜25、27〜30、32〜35、及び38〜41、参考例1、6、11、16、21、26、31、36、及び37、並びに比較例1〜8の各電子写真感光体を、プロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザー(LD)を用いたデジタル方式の画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MF2200)改造機にて暗部電位800(−V)に設定した後、連続してトータル10万枚印刷相当の繰り返し試験を行った。
−画像品質評価及び明部電位変化量−
初期画像及び10万枚繰り返し試験後の画像について、目視観察により画像品質の評価を行った。結果を表1及び表2に示す。
また、初期及び繰り返し試験後の明部電位を測定し、その変化量を計算した。結果を表1及び表2に示す。
−感光体の表面粗さ−
10万枚繰り返し試験後の感光体の表面粗さについて、触針式表面粗さ計〔(Surfcom、東京精密株式会社製)、東京精密株式会社製ピックアップE−DT−S02A取り付け〕により、うねりパラメーターSm(JIS−1982規格、凹凸間平均長さ)を測定した。結果を表1及び表2に示す。なお、うねりパラメーターSmは大きな値であるほど感光体表面が平滑であることを示し、具体的にはSmが400μm以上の状態であることが好ましい。
−画像ボケ(ドット解像度低下)−
10万枚繰り返し試験後の画像ボケ(ドット解像度低下)について、600dpi×600dpiの画素密度で画像濃度が5%のドット画像を連続10枚プリントアウトし、そのドット形状を実体顕微鏡で観察して、輪郭のシャープネスを以下の基準で5段階(5が優れ、1が劣る)に分けて評価した。結果を表1及び表2に示す。
〔ドット画像評価基準〕
5:輪郭が明瞭で、良好である
4:輪郭のぼやけが極めてごく僅かに観察されるが、良好である
3:輪郭のぼやけがごく僅かに観察されるが実質的に良好である
2:輪郭のぼやけが観察され、画像の種類によっては問題となる
1:ドット画像の判別できない
表1及び表2の結果から、実施例2〜5、7〜10、12〜15、17〜20、22〜25、27〜30、32〜35、及び38〜41は、比較例1〜8に比べて、10万枚印刷後においても画像品質は良好で画像ボケ(ドット解像度低下)の評価結果も良好であり、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物の添加により解像度低下が大幅に抑制されることが確認できた。
これに対し、比較例1では、耐摩耗性は優れるが、10万枚印刷後では画像濃度低下や著しいドット解像度の低下が生じた。なお、比較例3、5、及び7においても、比較例1と同様の結果を示した。
また、比較例2では、10万枚印刷後、繰り返し使用による解像度低下は小さいものの、摩耗は保護層の下の電荷輸送層までに及んでおり、繰り返し使用時における耐摩耗性が非常に低かった。このため、暗部電位低下によるものと思われる地肌汚れが発生した。なお、比較例4、6、及び8においても比較例2と同様の結果を示した。
また、実施例1〜15、実施例2〜35、及び実施例3〜41では、10万枚印刷後の膜厚減少量は小さく、表面粗さのうねりパラメーターSmは大きくなっている。ここで、Smは大きな値であるほど平滑であることを示し、具体的にはSmが400μm以上の状態であることが好ましい。このことから、本発明の(A)、(B)、(C)、及び(D)成分からなる混合物を連鎖重合させて得られる硬化物を含有する電子写真感光体は、耐摩耗性に優れ、表面粗度のより小さい平滑な感光体であることが確認できた。
また、実施例3〜41より、(B)成分の前記例示化合物No.67で表される連鎖重合性電荷輸送性化合物を使用したとき、10万枚印刷後においても、画像品質や画像ボケ(ドット解像度低下)の評価結果において、特に良好な結果を示すことが確認できた。
(実施例42〜46及び比較例9)
参考例11、実施例12〜15及び比較例1で作製した電子写真感光体(感光体No.11〜15及び比較感光体No.1)について、50ppmの窒素酸化物(NOx)ガス濃度に調整されたデシケータ中に4日間放置し、放置前後における画像評価を実施例2〜5、7〜10、12〜15、17〜20、22〜25、27〜30、32〜35、及び38〜41と同様にして行った。結果を表3に示す。
表3の結果から、実施例4〜46では、(A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を含有することによって、酸化性ガスに対する耐性、即ち、画像ボケ(ドット解像度低下)抑止効果が大幅に向上することが認められた。
これらに対し、(A)成分の連鎖重合性第三級アミン化合物を含まない比較例9は、初期画像品質は良好であるが、酸化性ガスにより著しい解像度の低下が起こることが認められた。
また、表3の結果から、(A)成分として、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ結合した第三級アミン化合物を使用したとき(実施例43〜45)には、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基がただ1つ結合した第三級アミン化合物を使用したとき(実施例46)に比べて、画像ボケ(ドット解像度低下)の評価結果が良好となる傾向が認められた。即ち、(A)成分として、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物を使用することにより、電気的特性が更に良好な感光体を作製することができることが確認できた。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、耐久性が向上し、長期にわたる繰り返し使用によっても解像度の低下がなく、地汚れ、フィルミング等の異常画像が発生せず、安定な画像形成を行うことが可能であり、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く使用できる。
図1は、本発明の単層型の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の単層型の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明の積層型の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図4は、本発明の積層型の電子写真感光体の層構成の他の一例を示す概略断面図である。 図5は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図7は、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の一例を示す概略説明図である。 図8は、本発明の画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図9は、図8に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。 図10は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 支持体
3 感光層
4 保護層
5 電荷発生層
7 電荷輸送層
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
71 クリーニングブレード
72 支持部材
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 画像形成装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
201 感光体
202 除電ランプ
203 帯電チャージャ
204 イレーサ
205 画像露光部
206 現像ユニット
207 転写前チャージャ
208 レジストローラ
209 記録媒体
210 転写チャージャ
211 分離チャージャ
212 分離爪
213 クリーニング前チャージャ
214 ファーブラシ
215 クリーニングブレード
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)

Claims (17)

  1. (A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物を連鎖重合させてなる硬化物を含有する層を有し、
    前記(A)成分の第三級アミン化合物が、下記構造式(2)及び(2’)のいずれかで表されることを特徴とする電子写真感光体。
    ただし、前記構造式(2)及び(2’)中、R 及びR は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、下記構造式(1−1)で表される基、及び下記構造式(1−2)で表される基のいずれかを表し、R とR とが互いに結合して、窒素原子を含む複素環を形成してもよく、該複素環は更に置換基により置換されていてもよい。R は、水素原子及びメチル基のいずれかを表す。Arは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基を表す。m及びnは、それぞれ0〜6の整数を表し、n=0の場合には、R 及びR のいずれか一方は置換基を有していてもよいアルキル基又は下記構造式(1−2)で表される基を表す。
    ただし、前記構造式(1−1)及び(1−2)中、R 及びR は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキル基、及び置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基のいずれかを表す。R は、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素二価基、及びこれらを組み合わせた二価基のいずれかを表す。
  2. 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物とを連鎖重合させてなる請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物とを連鎖重合させてなる請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  4. 硬化物が、(A)連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物と、(B)連鎖重合性電荷輸送性化合物と、(C)三官能以上の連鎖重合性化合物と、(D)光重合開始剤とを連鎖重合させてなる請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. (A)成分の連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が少なくとも1つ結合した第三級アミン化合物が、連鎖重合性官能基を分子内に1つ有する請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体。
  6. (A)成分の第三級アミン化合物が、連鎖重合性基を分子内に有し、かつアミン構造を構成する窒素原子にアルキル基が2つ以上結合した第三級アミン化合物である請求項1から5のいずれかに記載の電子写真感光体。
  7. (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(i)で表される化合物である請求項1から6のいずれかに記載の電子写真感光体。
    ただし、前記構造式(i)中、Ar 〜Ar は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換基を有していてもよいアルキレン基、及び置換基を有していてもよいアリーレン基のいずれかを表す。R 及びR は、アルキル基、アルコキシ基、及びハロゲン原子のいずれかを表す。X 〜X は、酸素原子、硫黄原子、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、又はこれらを組み合わせた二価基を表す。Z 〜Z は、連鎖重合性官能基を表す。m1及びm2は、それぞれ0〜4の整数を表す。n1〜n4は、それぞれ0〜5の整数を表し、少なくとも1つは1以上の整数である。
  8. (B)成分の連鎖重合性電荷輸送性化合物が、下記構造式(ii)で表される化合物である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真感光体。
    ただし、前記構造式(ii)中、Ar 〜Ar 、R 〜R 、m1及びm2、並びにn1〜n4は、上記構造式(i)と同じ意味を表す。R 10 〜R 13 は、メチル基又は水素原子を表す。
  9. 硬化物を含有する層が、電子写真感光体の最表面層である請求項1から8のいずれかに記載の電子写真感光体。
  10. 支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層が最表面層である請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 支持体と、該支持体上に少なくとも電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記電荷輸送層が、最表面層である請求項9に記載の電子写真感光体。
  12. 保護層を有し、かつ該保護層が最表面層である請求項9から11のいずれかに記載の電子写真感光体。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを有する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 露光器がデジタル方式の露光器である請求項13に記載に画像形成装置。
  15. 請求項1から12のいずれかに記載の電子写真感光体表面を帯電する帯電器と該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器とを用いる静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  16. デジタル方式の露光器によって感光体表面に静電潜像が形成される請求項15に記載の画像形成方法。
  17. 請求項1から12のいずれかに記載の電子写真感光体を少なくとも有してなり、更に、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電器、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光器、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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