JP2018060061A - 電子写真感光体および画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018060061A
JP2018060061A JP2016197374A JP2016197374A JP2018060061A JP 2018060061 A JP2018060061 A JP 2018060061A JP 2016197374 A JP2016197374 A JP 2016197374A JP 2016197374 A JP2016197374 A JP 2016197374A JP 2018060061 A JP2018060061 A JP 2018060061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
photoreceptor
layer
radical polymerizable
metal oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016197374A
Other languages
English (en)
Inventor
俊行 藤田
Toshiyuki Fujita
俊行 藤田
麻理 上田
Mari Ueda
麻理 上田
治男 堀口
Haruo Horiguchi
治男 堀口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016197374A priority Critical patent/JP2018060061A/ja
Priority to US15/724,806 priority patent/US20180095404A1/en
Publication of JP2018060061A publication Critical patent/JP2018060061A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • G03G5/14795Macromolecular compounds characterised by their physical properties
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/75Details relating to xerographic drum, band or plate, e.g. replacing, testing
    • G03G15/751Details relating to xerographic drum, band or plate, e.g. replacing, testing relating to drum
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14704Cover layers comprising inorganic material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • G03G5/14717Macromolecular material obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/147Cover layers
    • G03G5/14708Cover layers comprising organic material
    • G03G5/14713Macromolecular material
    • G03G5/14791Macromolecular compounds characterised by their structure, e.g. block polymers, reticulated polymers, or by their chemical properties, e.g. by molecular weight or acidity
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G7/00Selection of materials for use in image-receiving members, i.e. for reversal by physical contact; Manufacture thereof
    • G03G7/0006Cover layers for image-receiving members; Strippable coversheets
    • G03G7/0013Inorganic components thereof

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】耐摩耗性およびクリーニング性の両方に優れる電子写真感光体、および、長期にわたり安定して高画質の画像を形成することが可能な画像形成装置、を提供する。【解決手段】本発明の電子写真感光体(感光体)は、導電性支持体と、その上に配置される感光層と、その上に配置される保護層とを有する。当該保護層は、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と、カンファーキノンまたはその誘導体とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている。上記感光体は、この感光体の転写残トナーを除去するためクリーニング装置を有する画像形成装置に搭載され、当該クリーニング装置は、感光体の表面に当接可能に配置されている、弾性を有するクリーニング部材を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体および画像形成装置に関する。
プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置は、所期の画像に対応する静電潜像を形成するための手段としての電子写真感光体(以下、単に「感光体」ともいう)を有している。当該感光体には、さらなる長寿命化が求められている。上記感光体には、導電性支持体と、この導電性支持体上に配置される感光層と、この感光層上に配置される保護層とを有し、上記保護層が、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と電荷輸送剤とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている感光体が知られている(例えば、特許文献1参照)。この感光体は、保護層を構成する樹脂層のモノマーとの反応性を上記金属酸化物微粒子に持たせることにより、保護層の耐摩耗性を向上させ、上記感光体の長寿命化を図っている。
特開2013−061625号公報
上記感光体では、使用環境やプロセス条件などの使用条件によっては、感光体の駆動トルクが徐々に高くなってしまうことがある。このように、従来の感光体には、所期のクリーニング性を長期間確保する点において、検討の余地が残されている。
本発明は、耐摩耗性およびクリーニング性の両方に優れる電子写真感光体を提供することを第1の課題とする。
また、本発明は、長期にわたり安定して高画質の画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することを第2の課題とする。
本発明は、上記第1の課題を解決するための一手段として、導電性支持体と、上記導電性支持体上に配置される感光層と、上記感光層上に配置される保護層とを有する電子写真感光体において、上記保護層は、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と、カンファーキノンまたはその誘導体とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている電子写真感光体、を提供する。
また、本発明は、上記第2の課題を解決するための一手段として、上記の電子写真感光体と、上記電子写真感光体の表面の転写残トナーを除去するためのクリーニング装置とを有し、上記クリーニング装置は、上記電子写真感光体の表面に当接する弾性部材を有する画像形成装置、を提供する。
本発明によれば、耐摩耗性およびクリーニング性の両方に優れる電子写真感光体を提供することができ、この電子写真感光体を用いることにより、電子写真方式の画像形成装置において、長期にわたり安定して高画質の画像を形成することができる。
本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の一実施の形態に係る電子写真感光体の層構成の一例を模式的に示す図である。
本発明の一実施の形態に係る電子写真感光体(感光体)は、導電性支持体と、上記導電性支持体上に配置される感光層と、上記感光層上に配置される保護層とを有する。上記感光体は、後述する保護層以外は、公知の感光体、例えば特許文献1に記載の有機感光体と同様に構成することが可能である。
上記導電性支持体は、上記感光層を支持可能で、かつ導電性を有する部材である。上記導電性支持体の例には、金属製のドラムまたはシート、ラミネートされた金属箔を有するプラスチックフィルム、蒸着された導電性物質の膜を有するプラスチックフィルム、導電性物質またはそれとバインダー樹脂とからなる塗料を塗布してなる導電層を有する金属部材やプラスチックフィルム、紙などが含まれる。上記金属の例には、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛およびステンレス鋼が含まれ、上記導電性物質の例には、上記金属、酸化インジウムおよび酸化スズが含まれる。
上記感光層は、後述する露光により所期の画像の静電潜像を上記感光体の表面に形成するための層である。当該感光層は、単層でもよいし、積層された複数の層で構成されていてもよい。上記感光層の例には、電荷輸送化合物と電荷発生化合物とを含有する単層、および、電荷輸送化合物を含有する電荷輸送層と、電荷発生化合物を含有する電荷発生層との積層物、が含まれる。
また、上記感光体は、本実施形態に係る効果が得られる範囲において、上記導電性支持体および上記感光層以外の他の構成をさらに含んでいてもよい。当該他の構成の例には、中間層が含まれる。当該中間層は、例えば、上記導電性支持体と上記感光層との間に配置される、バリア機能と接着機能とを有する層である。上記他の層も、公知の感光体、例えば特許文献1に記載の有機感光体、におけるそれと同様に構成することが可能である。
上記保護層は、上記感光体の表面を構成する層であり、表面層とも言われる。上記保護層は、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と、カンファーキノンまたはその誘導体とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている。たとえば、上記保護層は、ラジカル重合性モノマーのラジカル重合による重合物の層と、当該層中に分散して配置され、上記ラジカル重合性官能基のラジカル反応によって上記重合物と結合している金属酸化物微粒子と、当該層中に分散しているカンファーキノン類とを有する。
上記ラジカル重合性モノマーは、ラジカル重合性官能基を有する化合物である。上記ラジカル重合性モノマーは、一種でもそれ以上でもよく、また、複数の当該モノマーが結合してなるオリゴマーであってもよい。上記ラジカル重合性モノマーは、保護層の硬さの観点から、多官能であること、すなわち、二以上のラジカル重合性官能基を有すること、が好ましく、ラジカル重合性モノマーにおけるラジカル重合性官能基の数は、2〜6であることがより好ましい。
上記ラジカル重合性官能基は、ラジカル反応によって結合する官能基である。ラジカル重合性官能基は、一種でもそれ以上でもよい。ラジカル重合性官能基の例には、アクリロイル基およびメタクリロイル基が含まれる。
上記ラジカル重合性モノマーは、公知のラジカル重合性モノマーから適宜に選ぶことが可能である。上記ラジカル重合性モノマーの例には、以下の化合物が含まれる。下記式中、「R」はアクリロイル基を表し、「R’」はメタクリロイル基を表す。
Figure 2018060061
Figure 2018060061
上記金属酸化物微粒子は、本実施の形態における効果が得られる範囲において、公知の金属酸化物微粒子から適宜に選ぶことが可能である。たとえば、上記金属酸化物微粒子の金属酸化物は、例えば特許文献1に記載されている金属酸化物であってもよい。上記金属酸化物微粒子は、一種でもそれ以上でもよい。
上記金属酸化物の例には、シリカ(酸化ケイ素)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化ジルコニウム、酸化錫、チタニア(酸化チタン)、酸化ニオブ、酸化モリブデンおよび酸化バナジウムが含まれる。中でも、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。
上記金属酸化物微粒子の粒径は、数平均一次粒径で、1〜300nmであることが好ましく、3〜100nmであることがより好ましく、5〜40nmであることがさらに好ましい。上記金属酸化物微粒子の数平均一次粒径は、例えば日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡により、10000倍の倍率での保護層の断面の拡大写真を撮影し、当該拡大写真をスキャナにより読み込み、当該拡大写真からランダムに抽出された300個の金属酸化物微粒子の像を自動画像処理解析装置LUZEX AP(株式会社ニレコ製)ソフトウエアバージョン Ver.1.32を使用して解析し、数平均一次粒径を算出することによって求められる。
上記金属酸化物微粒子は、保護層における金属酸化物微粒子の分散性の向上およびそれによる耐摩耗性の向上の観点から、表面処理剤によって表面処理されていることが好ましい。金属酸化物微粒子の表面処理は、金属酸化物微粒子の表面における当該表面処理剤の物理的な担持であってもよいし、化学的な結合であってもよい。表面処理された金属酸化物微粒子は、その表面に被覆層を有する。当該被覆層は、上記の物理的な担持による表面処理であれば表面処理剤そのもので構成され、上記の化学的な結合による表面処理であれば表面処理剤と金属酸化物の表面との化学的な反応生成物によって構成される。
上記金属酸化物微粒子は、上記の観点に加えて、保護層の硬度を高める観点から、ラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。ラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤を上記表面処理剤として用いることにより、金属酸化物微粒子の表面上の上記被覆層が保護層を構成するラジカル重合体ともラジカル反応によって化学的に結合するため、保護層をより強固にする観点から好ましい。
上記ラジカル重合性官能基を有するシランカップリング剤は、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するシランカップリング剤が好ましい。このようなシランカップリング剤の例には、以下の化合物が含まれる。
S−1:CH=CHSi(CH)(OCH
S−2:CH=CHSi(OCH
S−3:CH=CHSiCl
S−4:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
S−5:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−6:CH=CHCOO(CHSi(OC)(OCH
S−7:CH=CHCOO(CHSi(OCH
S−8:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−9:CH=CHCOO(CHSiCl
S−10:CH=CHCOO(CHSi(CH)Cl
S−11:CH=CHCOO(CHSiCl
S−12:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−13:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−14:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)(OCH
S−15:CH=C(CH)COO(CHSi(OCH
S−16:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−17:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−18:CH=C(CH)COO(CHSi(CH)Cl
S−19:CH=C(CH)COO(CHSiCl
S−20:CH=CHSi(C)(OCH
S−21:CH=C(CH)Si(OCH
S−22:CH=C(CH)Si(OC
S−23:CH=CHSi(OCH
S−24:CH=C(CH)Si(CH)(OCH
S−25:CH=CHSi(CH)Cl
S−26:CH=CHCOOSi(OCH
S−27:CH=CHCOOSi(OC
S−28:CH=C(CH)COOSi(OCH
S−29:CH=C(CH)COOSi(OC
S−30:CH=C(CH)COO(CHSi(OC
S−31:CH=CHCOO(CHSi(CH(OCH
S−32:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCOCH
S−33:CH=CHCOO(CHSi(CH)(ONHCH
S−34:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OC
S−35:CH=CHCOO(CHSi(C1021)(OCH
S−36:CH=CHCOO(CHSi(CH)(OCH
上記保護層における上記金属酸化物微粒子の含有量は、保護層の機械的強度の向上観点から、上記ラジカル重合性モノマーのラジカル重合による重合物(以下、「硬化樹脂」とも言う)100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、100質量部以上であることがさらに好ましい。また、上記含有量は、保護層の安定した電位保持性の観点から、上記硬化樹脂100質量部に対して、200質量部以下であることが好ましく、175質量部以下であることがより好ましく、150質量部以下であることがさらに好ましい。
上記カンファーキノンまたはその誘導体は、一種でもそれ以上でもよい。カンファーキノンの誘導体は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有し、かつ上記ラジカル重合性官能基のラジカル反応の開始剤として機能する範囲において、如何なる分子構造を有していてもよい。カンファーキノンの誘導体の例には、カンファーキノンの一位の炭素に結合するメチル基の代わりにカルボキシル基を有する化合物が含まれる。より具体的に、上記カンファーキノンまたはその誘導体の例には、カンファーキノン、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、および、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、が含まれる。
上記カンファーキノンまたはその誘導体は、そのものまたはそのヒドロキシルラジカルの反応生成物の形態で保護層に含有される。上記保護層における上記カンファーキノンまたはその誘導体の含有量は、ラジカル反応の十分な進行の観点から、上記硬化樹脂100質量部に対して、3質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましい。上記含有量は、保護層の所期の硬度を発現させる観点から、15質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。
上記保護層は、本実施の形態における効果を奏する範囲において、保護層の材料として、上記以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、三級アミン化合物および電荷輸送剤が含まれる。
上記三級アミン化合物は、上記カンファーキノンまたはその誘導体の存在下で上記ラジカル重合性官能基のラジカル反応を行う場合にラジカル反応の促進剤として機能する。上記三級アミン化合物は、一種でもそれ以上でもよい。当該三級アミン化合物は、当該三級アミン化合物の保護層におけるブリードを抑制する観点から、アクリロイル基およびメタクリロイル基などのラジカル重合性官能基を有することが好ましい。
上記三級アミン化合物の例には、共栄社化学株式会社製のライトエステルDE、および、日本化薬株式会社製のKAYACURE EPA(「KAYACURE」は同社の登録商標)が含まれる。
上記保護層における上記三級アミン化合物の含有量は、上記カンファーキノンまたはその誘導体の量に対して、前述の反応促進効果を得る観点から、20質量%以上であることが好ましく、さらに40質量%以上であることが好ましい。保護層の所期の電気特性を発現させる観点から、上記カンファーキノンまたはその誘導体の量に対して100質量%以下であることが好ましく、さらに80質量%以下であることがさらに好ましい。
上記電荷輸送剤は、一種でもそれ以上でもよい。電子写真感光体の感光層または電荷輸送層に含有される公知の電荷輸送物質から適宜に選ぶことが可能であり、例えば、特許文献1に記載されている化合物であってよい。上記保護層における上記電荷輸送剤の含有量は、感光体における所望の電気特性を実現する観点から、上記硬化樹脂100質量部に対して25質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましい。上記含有量は、保護層の所期の膜強度を発現させる観点から、75質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
上記保護層において、金属酸化物微粒子の金属酸化物は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)による断面観察および元素マッピングによって確認することができる。また、金属酸化物微粒子の含有量は、強熱減量によって求めることができる。保護層を構成する他の有機系の材料は、溶剤による抽出などの適宜な前処理を行い、赤外分光法(IR)、質量分析(MS)および核磁気共鳴(NMR)などの通常の機器分析によって特定することが可能である。
上記感光体は、上記保護層を構成する適当な材料を用いる以外は、公知の感光体と同様に製造することが可能である。たとえば、上記感光体は、上記導電性支持体上に感光層を形成する工程と、感光層上に上記保護層を形成する工程とを含む方法によって製造することが可能である。上記感光層は、当該感光層の材料塗料を上記導電性支持体に塗布して当該材料塗料の塗膜を形成し、固化または硬化させることによって形成することができる。
上記保護層は、前述の保護層の材料を上記の量で含有する組成物(保護層用塗料)の塗膜を感光層上に形成し、必要に応じて当該塗膜を乾燥させ、当該塗膜に活性光線を照射して硬化することによって形成することができる。上記保護層用塗料におけるラジカル重合性モノマーの含有量は、保護層における上記重合物のそれと実質的に同じであり、上記保護層用塗料におけるその他の材料成分の含有量は、保護層におけるそれらと実質的に同じである。
上記組成物は、必要に応じて、前述した保護層の材料以外の成分をさらに含有していてもよい。たとえば、上記組成物は、溶剤をさらに含有していてもよい。
上記溶剤は、一種でもそれ以上でもよく、有機系の材料に対する相溶性などの観点から、公知の溶剤の中から適宜に選択することが可能である。上記溶剤の例には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、sec−ブタノール、ベンジルアルコール、トルエン、キシレン、メチレンクロライド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ピリジンおよびジエチルアミンが含まれる。
上記保護層用塗料中の上記溶剤の含有量は、生産性などの観点から適宜に決めることができ、例えば、保護層用塗料中の溶剤以外の成分の濃度(固形分濃度)が25〜50質量%となる量とすることができる。
上記保護層用塗料の上記感光層への塗布は、公知の方法によって行うことが可能であり、そのような塗布方法の例には、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法および円形スライドホッパー法が含まれる。
上記活性光線は、例えば紫外線または電子線であり、使用のしやすさの観点から、紫外線であることがより好ましい。紫外線の光源は、紫外線を発生する光源から適宜に選択することができ、その例には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプおよびフラッシュ(パルス)キセノンが含まれる。活性光線の照射量は、例えば5〜500mW/cmであり、活性光線の照射条件は、光源の種類に応じて適宜に決めることが可能である。
上記感光体は、電子写真方式の画像形成装置における有機感光体として使用される。たとえば、上記画像形成装置は、上記感光体と、上記感光体の表面を帯電させるための帯電装置と、帯電した上記感光体の表面に光を照射して静電潜像を形成するための露光装置と、静電潜像が形成された上記感光体にトナーを供給してトナー像を形成するための現像装置と、上記感光体の表面の上記トナー像を記録媒体に転写するための転写装置と、上記トナー像が上記記録媒体に転写した後の上記感光体の表面に残留するトナーを除去するためのクリーニング装置とを有する。
また、上記感光体は、静電潜像が形成された上記感光体の表面にトナーを供給して上記静電潜像に応じたトナー像を上記感光体の表面に形成し、上記トナー像を上記感光体の表面から記録媒体に転写し、上記感光体の表面に残留する上記トナーをクリーニング装置で除去する画像形成方法に適用される。当該画像形成方法は、例えば、上記の画像形成装置によって行われる。
図1は、上記感光体を有する画像形成装置の構成の一例を模式的に示す図である。図1に示す画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50および定着装置60を有する。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415を有する。
図2は、上記感光体の層構成の一例を模式的に示す図である。感光体413は、図2に示されるように、導電性支持体1、その上に配置されている中間層2、感光層3および保護層4を有している。感光層3は、電荷発生層5および電荷輸送層6を有している。
導電性支持体1は、例えばアルミニウム製の円筒体である。その周壁の厚さは、例えば0.1mmである。前述の中間層2から保護層4までの各種の層は、導電性支持体1の外周面上に配置されている。
中間層2は、例えば、バインダー樹脂とそれに分散されている導電性粒子とによって構成されている。中間層2の厚さは、例えば0.1〜15μmであり、より好ましくは0.3〜10μmである。
上記バインダー樹脂の例には、カゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリウレタンおよびゼラチンが含まれる。上記導電性粒子の例には、アルミナや酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマスなどの金属酸化物粒子、および、スズをドープした酸化インジウムやアンチモンをドープした酸化スズ、酸化ジルコニウムなどの超微粒子、が含まれる。中間層2は、例えば、上記導電性粒子が分散されている、上記バインダー樹脂の溶液へ導電性支持体1を浸漬する浸漬塗布法により作製される。
電荷発生層5は、例えば、バインダー樹脂とそれに分散されている電荷発生物質とによって構成されている。電荷発生層5の厚さは、例えば0.01〜5μmであり、より好ましくは0.05〜3μmである。
上記バインダー樹脂の例には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、これらの樹脂の内2つ以上を含む共重合体(例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体)、および、ポリ−ビニルカルバゾール、が含まれる。上記電荷発生物質の例には、スーダンレッドやダイアンブルーなどのアゾ原料、ピレンキノンやアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴやチオインジゴなどのインジゴ顔料、および、フタロシアニン顔料、が含まれる。電荷発生層5も、例えば、上記電荷発生物質が分散されている、上記バインダー樹脂の溶液に、中間層2が形成された導電性支持体1を浸漬する浸漬塗布法により作製される。
電荷輸送層6は、例えば、バインダー樹脂とそれに分散されている電荷輸送物質とによって構成されている。電荷輸送層6の厚さは、例えば5〜40μmであり、より好ましくは10〜30μmである。
上記バインダー樹脂の例には、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、および、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、が含まれる。上記電荷輸送物質の例には、前述した電荷輸送化合物の他、カルバゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾロン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレンおよびポリ−9−ビニルアントラセンが含まれる。電荷輸送層6も、例えば、上記電荷輸送物質および上記バインダー樹脂の溶液に、電荷発生層5が形成された導電性支持体1を浸漬する浸漬塗布法により作製される。
保護層4は、例えば、前述した保護層用塗料の塗膜における硬化(重合反応)によって一体的に構成された円筒状の薄膜である。保護層4の厚さは、例えば2〜15μmであり、より好ましくは4〜8μmである。保護層4も、例えば上記保護層用塗料に、電荷輸送層6が形成された導電性支持体1を浸漬する浸漬塗布法により作製される。
帯電装置414は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモータ)とを含む。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、例えば、後述の二成分現像剤が収容されている。
ドラムクリーニング装置415は、感光体413の表面に摺接するように配置されているドラムクリーニングブレードと、当該ブレードをその開口部に支持するクリーニング容器とを有する。クリーニングブレードは、クリーニング部材であり、例えば、弾性を有する板状の部材(ゴム製の板など)である。上記クリーニング部材は、感光体413の表面に当接可能に配置されている弾性部材であればよく、可撓性を有するブラシであってもよい。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、中間転写ベルト421を感光体413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト10と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト10に向けて押圧する加圧ローラー63と、を有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像読取部110は、給紙装置111およびスキャナ112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置100による画像の形成を説明する。
スキャナ112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
感光体413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、感光体413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411では、ポリゴンモータのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体413の外周面に照射される。こうして感光体413の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから感光体413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体413の表面の静電潜像が可視化され、感光体413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。なお、「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態を言う。
感光体413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。転写後に感光体413の表面に残存する転写残トナーは、感光体413の表面に摺接するドラムクリーニングブレードによって掻き取られ、上記クリーニング容器に収容される。こうして、感光体413表面の転写残トナーは、ドラムクリーニング装置415によって除去される。
感光体413は、金属酸化物微粒子を含有し、ラジカル重合による一体的な重合物により構成される保護層4を有する。このため、保護層4の摩耗が抑制され、その結果、感光体413は、長期にわたってその所期の性能を発現する。
また、感光体413は、その回転トルクが長期にわたって安定している。その理由は、以下のように考えられる。
一般に、感光体の保護層が金属酸化物微粒子を含有する場合、当該保護層の弾性は、保護層を熱硬化性樹脂のみで構成した場合に比べて大きくなり、保護層中の低分子成分、例えば、重合過程で分解した重合開始剤の副生成物など、がブリードアウトしやすく、このため、保護層とクリーニングブレードとの摩擦力が大きくなりやすい。また、金属酸化物微粒子を含有している保護層を光ラジカル重合によって構成する場合では、保護層内部におけるラジカル重合性モノマーの重合反応の不均一さ(硬化ムラ)が大きくなる傾向にある。このため、上記副生成物や未反応の上記モノマーなどの低分子成分が上記感光体からブリードアウトし、上記摩擦量が経時的に大きくなるとともに上記感光体の回転トルクも経時的に上昇し、クリーニング不良が発生することがある。
一方、本実施の形態における感光体413の保護層4は、カンファーキノンまたはその誘導体を含有する。このカンファーキノンまたはその誘導体は、保護層4を構成する重合物を生成するラジカル重合性モノマーの光重合開始剤として作用する。
まず、カンファーキノンまたはその誘導体は、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有しており、その剛直な構造から、他の構造の光重合開始剤を含有する場合に比べて保護層4の弾性が低くなり、その結果、上記回転トルクが低くなったと考えている。
また、カンファーキノンまたはその誘導体は、他の光重合開始剤、例えば分裂型の重合開始剤に比べて、重合開始前後の構造変化が小さい。このため、保護層4からブリードアウトしにくいことも考えられる。
また、カンファーキノンまたはその誘導体は、可視光領域に吸収を有する光重合開始剤である。このため、金属酸化物微粒子による光の散乱の影響を受けにくい。このため、上記ラジカル重合性モノマーの重合反応(硬化)の均一性が高まったためと思われる。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体413に圧接することにより、感光体413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体ごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421および二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正および搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
定着装置60は、発熱ベルト10と加圧ローラー63とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。こうしてトナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
なお、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、中間転写ベルト421の表面に摺接されるベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426によって除去される。
前述したように、保護層4の耐摩耗性が高く、また、感光体413の回転トルクの上昇が抑制されるために当該回転トルクが長期にわたって安定している。このため、感光体413が長期にわたって安定してクリーニングされ、その結果、画像形成装置100は、クリーニング不良による画像欠陥が生じない高画質の画像を長期にわたって作製することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る感光体は、導電性支持体と、上記導電性支持体上に配置される感光層と、上記感光層上に配置される保護層とを有し、当該保護層は、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と、カンファーキノンまたはその誘導体とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている。よって、上記感光体は、耐摩耗性およびクリーニング性の両方に優れる。
上記組成物が三級アミン化合物をさらに含有することは、保護層の機械的強度を高める観点からより一層効果的である。
また、上記保護層が電荷輸送剤をさらに含有することは、感光体の電気特性を高める観点からより一層効果的である。
また、本実施の形態に係る画像形成装置は、上記の感光体と、この感光体の表面の転写残トナーを除去するためのクリーニング装置とを有し、上記クリーニング装置は、上記感光体の表面に当接する弾性部材を有する。よって、上記画像形成装置は、長期にわたり安定して高画質の画像を形成することができる。
[各種材料の準備]
本発明における「カンファーキノンまたはその誘導体」として、以下に示す化合物CQ−1〜CQ−4を用意した。
CQ−1:カンファーキノン
CQ−2:7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、
CQ−3:7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、
CQ−4:7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル
また、本発明における「電荷輸送剤」として、以下に示す化合物CTM−1、CTM−2を用意した。
Figure 2018060061
さらに、本発明における「三級アミン化合物」として、以下に示す化合物A−1、A−2を用意した。A−1は、共栄社化学株式会社製の「ライトエステルDE」であり、A−2は、日本化薬株式会社製の「KAYACURE EPA」である。
Figure 2018060061
[実施例1]
[導電性支持体の準備]
導電性支持体として、アルミニウム製のドラム(円筒)状の支持体(外径60mm)を用意した。
[中間層の作製]
中間層用バインダー樹脂であるポリアミド樹脂100質量部を、エタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(体積比45/20/35)の混合溶媒1700質量部に加えて、20℃で撹拌混合し、溶液Aを得た。この溶液Aに、酸化チタン粒子「SMT500SAS」(テイカ株式会社製)160質量部および酸化チタン粒子「SMT150MK」(テイカ株式会社製)120質量部を添加し、ビーズミルにより、ミル滞留時間5時間として分散させた。
そして、得られた分散液を一昼夜静置した後、ろ過することにより、中間層形成用塗布液を得た。ろ過は、ろ過フィルターとして、公称濾過精度が5μmのリジメッシュフィルタ(日本ポール株式会社製)を用いて、50kPaの圧力下で行った。このようにして得られた中間層形成用塗布液を、洗浄した上記導電性支持体の外周面に浸漬塗布法で塗布し、120℃で30分間乾燥することにより、乾燥膜厚2μmの中間層を作製した。
[電荷発生層の作製]
下記成分を下記の量で、分散機としてサンドミル分散機を用いて分散することにより、電荷発生層形成用塗布液を調製した。
γ−チタニルフタロシアニン 20質量部
ポリビニルブチラール 10質量部
メチルエチルケトン 700質量部
シクロヘキサノン 300質量部
上記「γ−チタニルフタロシアニン」は、電荷発生物質であり、Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルでブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料である。上記「ポリビニルブチラール」は、電荷発生層用バインダー樹脂であり、積水化学工業株式会社製の「BX−1」である。上記「メチルエチルケトン」および「シクロヘキサノン」は、ともに溶剤である。
上記中間層の上に、この電荷発生層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を作製した。
[電荷輸送層の作製]
下記成分を下記の量で混合して溶解し、電荷輸送層形成用塗布液を調製した。
電荷輸送物質 225質量部
ポリカーボネート樹脂 300質量部
テトラヒドロフラン 1600質量部
トルエン 400質量部
ジブチルヒドロキシトルエン 6質量部
シリコーンオイル 1質量部
上記「電荷輸送物質」は、4,4’−ジメチル−4’’−(β−フェニルスチリル)トリフェニルアミンである。上記「ポリカーボネート樹脂」は、電荷輸送層用バインダー樹脂であり、三菱ガス化学株式会社製の「Z300」である。上記「テトラヒドロフラン」および「トルエン」は、ともに溶剤である。上記「ジブチルヒドロキシトルエン」は、酸化防止剤である。上記シリコーンオイルは、信越化学株式会社製の「KF−96」である。
上記電荷発生層上に、この電荷輸送層形成用塗布液を浸漬塗布法により塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を120℃で70分間乾燥し、層厚20μmの電荷輸送層を作製した。
以上のようにして、上記導電性支持体の外周面に、上記中間層、上記電荷発生層および上記電荷輸送層をこの順で有する感光層を有する感光体前駆体を作製した。
[保護層の作製]
下記成分を下記の量で混合撹拌して十分に溶解、分散し、保護層用塗料1を調製した。
重合性化合物M1 100質量部
表面処理金属酸化物微粒子1 68質量部
CQ−1 7.5質量部
2−ブタノール 230質量部
テトラヒドロフラン 12質量部
上記「重合性化合物M1」は、ラジカル重合性モノマーであり、当該モノマーとして例示した化合物群中の式M1で表される化合物である。上記「表面処理金属酸化物微粒子1」は、前述した表面処理剤として例示したシランカップリング剤群中の式S−15で表されるシランカップリング剤によって表面処理されたシリカ粒子である。この「シリカ粒子」は、日本アエロジル株式会社製の「Aerosil 130」(平均粒径:20nm)である。上記「CQ−1」は、前述したように「カンファーキノンまたはその誘導体」に該当し、重合開始剤である。上記「2−ブタノール」および「テトラヒドロフラン」は、ともに溶剤である。
上記保護層用塗料1を上記感光体前駆体における電荷輸送層上に円形スライドホッパー塗布機を用いて塗布し、キセノンランプを用いて紫外線を16mW/cmの照度で1分間照射した後、80℃で70分間乾燥することにより、膜厚1μmの保護層1を作製した。こうして、感光体1を作製した。
[実施例2]
表面処理金属酸化物微粒子1の量を54質量部とし、CQ−1の量を8質量部とし、さらに44質量部の電荷輸送剤CTM−1を添加した以外は保護層用塗料1と同様にして、保護層用塗料2を調製した。そして、保護層用塗料1の代わりに保護層用塗料2を用いた以外は実施例1と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層2を作製した。こうして、感光体2を作製した。
[実施例3]
表面処理金属酸化物微粒子1の量を39質量部とし、CQ−1の量を6質量部とし、さらに1.4質量部の三級アミンA−1を添加した以外は保護層用塗料1と同様にして、保護層用塗料3を調製した。そして、保護層用塗料1の代わりに保護層用塗料3を用いた以外は実施例1と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚1μmの保護層3を作製した。こうして、感光体3を作製した。
[実施例4]
表面処理金属酸化物微粒子1の代わりに表面処理金属酸化物微粒子2を用いた以外は保護層用塗料3と同様にして、保護層用塗料4を調製した。そして、保護層用塗料3の代わりに保護層用塗料4を用いた以外は実施例3と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層4を作製した。こうして、感光体4を作製した。
上記「表面処理金属酸化物微粒子2」は、式S−15で表されるシランカップリング剤によって表面処理された酸化スズ粒子である。この「酸化スズ粒子」は、CIKナノテック株式会社製の「ナノテックSnO」(平均粒径:21nm、「ナノテック」は同社の登録商標)である。
[実施例5]
CTM−1の量を43.5質量部とし、2.0質量部の三級アミンA−1をさらに添加した以外は保護層用塗料2と同様にして保護層用塗料5を調製した。そして、保護層用塗料2の代わりに保護層用塗料5を用いた以外は実施例1と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層5を作製した。こうして、感光体5を作製した。
[実施例6]
CTM−1の代わりにCTM−2を用いた以外は保護層用塗料5と同様にして、保護層用塗料6を調製した。そして、保護層用塗料5の代わりに保護層用塗料6を用いた以外は実施例5と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層6を作製した。こうして、感光体6を作製した。
[実施例7〜10]
保護層用塗料1の代わりに保護層用塗料7〜10のそれぞれを用いた以外は実施例1と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚1μmの保護層7〜10のそれぞれを作製した。こうして、感光体7〜10のそれぞれを作製した。
保護層用塗料7は、重合性化合物M1の代わりに重合性化合物M2を用い、表面処理金属酸化物微粒子1の代わりに表面処理金属酸化物微粒子3を用いた以外は保護層用塗料1と同様にして調製されている。上記「重合性化合物M2」は、ラジカル重合性モノマーであり、当該モノマーとして例示した化合物群中の式M2で表される化合物である。上記「表面処理金属酸化物微粒子3」は、前述した表面処理剤として例示したシランカップリング剤群中の式S−7で表されるシランカップリング剤によって表面処理された上記シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製の「Aerosil 130」(平均粒径:20nm))である。
保護層用塗料8、9は、それぞれ、CQ−1の代わりにCQ−2、CQ−3のそれぞれを用いた以外は保護層用塗料1と同様にして調製されている。保護層用塗料10は、表面処理金属酸化物微粒子1の代わりに表面処理金属酸化物微粒子4を用い、CQ−1の代わりにCQ−4を用いた以外は保護層用塗料1と同様にして調製されている。上記「表面処理金属酸化物微粒子4」は、式S−15で表されるシランカップリング剤によって表面処理されたアルミナ粒子である。この「アルミナ粒子」は、CIKナノテック株式会社製の「ナノテックAl」(平均粒径:30nm、「ナノテック」は同社の登録商標)である。なお、上記「CQ−2」、「CQ−3」および「CQ−4」は、いずれも、前述したように「カンファーキノンまたはその誘導体」に該当し、重合開始剤である。
[実施例11]
CTM−1の代わりにCTM−2を用いた以外は保護層用塗料2と同様にして、保護層用塗料11を調製した。そして、保護層用塗料2の代わりに保護層用塗料11を用いた以外は実施例2と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層11を作製した。こうして、感光体11を作製した。
[実施例12]
三級アミンA−1の代わりに三級アミンA−2を用いた以外は保護層用塗料3と同様にして、保護層用塗料12を調製した。そして、保護層用塗料3の代わりに保護層用塗料12を用いた以外は実施例3と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚1μmの保護層12を作製した。こうして、感光体12を作製した。
[実施例13]
CQ−1の代わりにCQ−2を用い、CTM−1の代わりにCTM−2を用い、三級アミンA−1の代わりに三級アミンA−2を用いた以外は保護層用塗料5と同様にして、保護層用塗料13を調製した。そして、保護層用塗料5の代わりに保護層用塗料13を用いた以外は実施例5と同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚3μmの保護層15を作製した。こうして、感光体15を作製した。
[比較例1〜4]
保護層用塗料1の代わりに保護層用塗料14〜17のそれぞれを用いた以外は実施例1、2、3および5のそれぞれと同様にして、上記感光体前駆体における電荷輸送層上に膜厚1μmまたは3μmの保護層14〜17のそれぞれを作製した。こうして、感光体14〜17のそれぞれを作製した。
保護層用塗料14は、CQ−1の代わりにIrgacure184を用いた以外は保護層用塗料1と同様にして調製されている。保護層用塗料15は、CQ−1の代わりにIrgacure127を用いた以外は保護層用塗料2と同様にして調製されている。保護層用塗料16は、CQ−1の代わりにIrgacure379を用いた以外は保護層用塗料3と同様にして調製されている。保護層用塗料17は、CQ−1の代わりにIrgacure369を用いた以外は保護層用塗料5と同様にして調製されている。上記「Irgacure184」、「Irgacure127」、「Irgacure379」および「Irgacure369」は、いずれも、BASF社製(「IRGACURE」は同社の登録商標)であり、カンファーキノンまたはその誘導体に該当しない重合開始剤である。
感光体1〜17の保護層の材料および膜厚を表1に示す。
Figure 2018060061
[評価]
感光体1〜感光体17のそれぞれを、基本的に図1の構成を有するコニカミノルタ株式会社製「bizhub PRESS C1070」(「bizhub」は同社の登録商標)に搭載し、23℃、50%RH環境で、片面での画像面積比率6%の文字画像を500,000枚の普通紙に、A4横送りの両面印刷にて連続でプリントする耐久試験を実施した。
(1)クリーニング性
上記耐久試験中および耐久試験後に、出力画像を観察し、下記の基準にて評価した。
A:50万枚までトナーすり抜けがなく、全く問題ないレベル、
B:50万枚までの時点で感光体上にトナーのすり抜けが一部見られるが、出力画像は良好であり、実用上問題ないレベル、
C:50万枚以前にトナーすり抜けにより、出力画像上にスジ状の明らかな画像不良の発生が認められる(実用上問題あり)。
(2)耐摩耗性
上記耐久試験前後における導電性支持体上の積層構造(中間層、電荷発生層、電荷輸送層および保護層)の厚さを測定し、上記耐久試験による当該積層構造の減耗量を求め、100krot(10万回転)あたりの減耗量(μm)を表すα値を求め、耐摩耗性を評価した。当該α値が0.2μm以下であれば、本発明においては基準を満たすレベルと言える。
上記積層構造の減耗量は、保護層の減耗量と一致する。積層構造の膜厚は、積層構造の均一膜厚部分からランダムに選ばれる10カ所での測定値の平均値である。当該正規そう構造の膜厚は、渦電流方式の膜厚測定器(商品名:「EDDY560C」、HELMUT FISCHER GMBTE CO社製)を用いて測定した。なお、上記「均一膜厚部分」とは、上記積層構造中の各層の作製における塗布液(塗料の)塗布の先端部および後端部の膜厚変動部分を除く部分であり、当該膜厚変動部分は、感光体の軸方向における上記積層構造の膜厚プロフィールを作製することにより特定される。
感光体1〜17の上記評価の結果を表2に示す。
Figure 2018060061
表2から明らかなように、感光体1〜13は、いずれも、クリーニング性および耐摩耗性のいずれにおいても実用上問題のない結果が得られた。
これに対して、感光体14〜17は、いずれも、クリーニング性が不十分であり、またα値も高かった。これは、保護層中に残存する重合開始剤またはそれに由来する成分が耐久使用に伴って保護層から経時的ににじみ出し、感光体とクリーニングブレードとの摩擦力を増加させ、感光体の駆動トルクを上昇させ、その結果、保護層が摩耗し易くなるとともに、保護層に対するクリーニングブレードの良好な当接状態が維持されにくくなり、クリーニング性が低下したため、と考えられる。
本発明によれば、有機感光体を用いる電子写真方式の画像形成において、感光体が長期にわたって安定したクリーニング性および耐摩耗性を有することから、感光体の安定した回転駆動が長期にわたって実現され、高品質の画像を長期にわたって安定して形成することが可能である。よって、本発明によれば、電子写真方式の画像形成装置におけるさらなる高性能化およびさらなる普及が期待される。
1 導電性支持体
2 中間層
3 感光層
4 保護層
5 電荷発生層
6 電荷輸送層
10 発熱ベルト
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着装置
62 定着ローラー
63 加圧ローラー
100 画像形成装置
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナ
112a CCDセンサー
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿
S 用紙

Claims (4)

  1. 導電性支持体と、前記導電性支持体上に配置される感光層と、前記感光層上に配置される保護層と、を有する電子写真感光体において、
    前記保護層は、ラジカル重合性官能基を有するラジカル重合性モノマーと、ラジカル重合性官能基を有する金属酸化物微粒子と、カンファーキノンまたはその誘導体とを含有する組成物のラジカル反応による一体の硬化物で構成されている、電子写真感光体。
  2. 前記組成物は、三級アミン化合物をさらに含有する、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記保護層は、電荷輸送剤をさらに含有する、請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面の転写残トナーを除去するためのクリーニング装置と、を有し、
    前記クリーニング装置は、前記電子写真感光体の表面に当接する弾性部材を有する、
    画像形成装置。
JP2016197374A 2016-10-05 2016-10-05 電子写真感光体および画像形成装置 Pending JP2018060061A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016197374A JP2018060061A (ja) 2016-10-05 2016-10-05 電子写真感光体および画像形成装置
US15/724,806 US20180095404A1 (en) 2016-10-05 2017-10-04 Electrophotographic photoconductor and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016197374A JP2018060061A (ja) 2016-10-05 2016-10-05 電子写真感光体および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018060061A true JP2018060061A (ja) 2018-04-12

Family

ID=61758684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016197374A Pending JP2018060061A (ja) 2016-10-05 2016-10-05 電子写真感光体および画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20180095404A1 (ja)
JP (1) JP2018060061A (ja)

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6286003A (ja) * 1985-10-11 1987-04-20 Tokuyama Soda Co Ltd 光重合用の複合組成物
JPH01116553A (ja) * 1987-10-29 1989-05-09 Mita Ind Co Ltd 電子写真用有機感光体
JPH04291348A (ja) * 1991-03-20 1992-10-15 Teijin Chem Ltd 電子写真感光体
JPH0588399A (ja) * 1991-03-13 1993-04-09 Canon Inc 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置、装置ユニツトおよびフアクシミリ
JP2003073218A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Gc Corp 歯科用接着性組成物
JP2005266513A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2007293247A (ja) * 2006-03-29 2007-11-08 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2010049058A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010175800A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2013007814A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
JP2015072425A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成方法
JP2015114454A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 コニカミノルタ株式会社 有機感光体、画像形成装置および画像形成方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0680909B2 (ja) * 1985-07-04 1994-10-12 ティーディーケイ株式会社 半導体装置用放熱板
DE69208121T2 (de) * 1991-03-13 1996-07-04 Canon Kk Elektrofotografisches, fotoempfindliches Element, elektrofotografischer Apparat, Geräteeinheit und diese enthaltende Faksimilemaschine
US20060210908A1 (en) * 2005-03-17 2006-09-21 Kazuhiko Umemura Image forming method, image forming apparatus, and process cartridge
US7972756B2 (en) * 2007-12-20 2011-07-05 Xerox Corporation Ketal containing photoconductors
US9639010B2 (en) * 2013-10-04 2017-05-02 Konica Minolta, Inc. Electrophotographic photoreceptor, manufacturing method of electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus and image-forming method

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6286003A (ja) * 1985-10-11 1987-04-20 Tokuyama Soda Co Ltd 光重合用の複合組成物
JPH01116553A (ja) * 1987-10-29 1989-05-09 Mita Ind Co Ltd 電子写真用有機感光体
JPH0588399A (ja) * 1991-03-13 1993-04-09 Canon Inc 電子写真感光体、それを用いた電子写真装置、装置ユニツトおよびフアクシミリ
JPH04291348A (ja) * 1991-03-20 1992-10-15 Teijin Chem Ltd 電子写真感光体
JP2003073218A (ja) * 2001-08-30 2003-03-12 Gc Corp 歯科用接着性組成物
JP2005266513A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、それを用いた画像形成方法、画像形成装置及び画像形成装置用プロセスカートリッジ
JP2007293247A (ja) * 2006-03-29 2007-11-08 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体、並びに画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2010049058A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2010175800A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体と画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2013007814A (ja) * 2011-06-23 2013-01-10 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体及び画像形成装置、画像形成方法
JP2015072425A (ja) * 2013-10-04 2015-04-16 コニカミノルタ株式会社 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成方法
JP2015114454A (ja) * 2013-12-11 2015-06-22 コニカミノルタ株式会社 有機感光体、画像形成装置および画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20180095404A1 (en) 2018-04-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5664538B2 (ja) 電子写真感光体
JP4630806B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2007086522A (ja) 電子写真感光体並びに該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5545071B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2011154067A (ja) 静電潜像現像用有機感光体と画像形成方法
JP5464025B2 (ja) 有機感光体及び画像形成装置
JP5838625B2 (ja) 画像形成装置
JP2005062300A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP5968585B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP5584974B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5900451B2 (ja) 電子写真感光体、画像形成装置および画像形成方法
JP2007192905A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP6451294B2 (ja) 電子写真感光体およびそれを備えた画像形成装置
US10073365B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, method of producing electrophotographic photoreceptor, and apparatus of forming electrophotographic image
JP6060706B2 (ja) 有機感光体および画像形成装置
JP2012078620A (ja) 電子写真感光体
JP2020042098A (ja) 電子写真感光体、ならびにこれを用いた電子写真画像形成方法および電子写真像形成装置
JP5644051B2 (ja) 有機感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5772217B2 (ja) 電子写真感光体
JP2012098500A (ja) 電子写真感光体
JP4143200B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP2018060061A (ja) 電子写真感光体および画像形成装置
JP2004093802A (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP2006010816A (ja) 電子写真感光体、電子写真装置及び電子写真感光体の製造方法
JP6631267B2 (ja) 電子写真感光体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190625

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190708

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200526

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200717

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200908