JP2010049058A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間にわたり安定し、メンテナンスフリーに行うことができる電子写真方式(特に、トリクル現像方式)画像形成装置を提供する。
【解決手段】潜像担持体と、帯電手段と、潜像形成手段と、二成分系現像剤で現像する現像手段を有する画像形成装置において、静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、特定の構造式を有する少なくとも1種の3級アミンを含有し、かつ前記帯電手段が、ゼオライトと抵抗制御剤とバインダー樹脂を含む組成物により被覆されてなる帯電グリッドを有するコロナ発生器とする。
【選択図】図6

Description

本発明は高い耐摩耗性と長期にわたり電気特性の安定化を実現した電子写真感光体と、特に負コロナを発生するコロナ帯電器を搭載した画像形成装置に関する。
一般に電子写真装置は、一様に帯電された感光体上に画像データにより変調された書込光を照射して、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像の形成された感光体に現像部によりトナーを供給してトナー画像を感光体上に形成して現像する。画像形成装置はこの感光体上のトナー画像を転写部で転写紙(記録紙、或いは中間転写体)に転写した後、定着部で転写紙上に転写したトナーを加熱・加圧して定着させ、感光体表面に残留したトナーをクリーニング部でクリーニングブレードにより掻き取る等の方法により回収する。以上のような画像形成プロセスが取られる。ここで被帯電体である感光体を帯電する手段の一つとしてコロナ帯電器が挙げられ、広く用いられている。
コロナ放電は、不均一な電界中で行われる局所的な空気の絶縁破壊によって生じる持続的な放電である。一般には、微小径のワイヤをアルミなどのシールドケース中に張り、そのシールドケースの一部を削除したような構造をしており、その削除された領域からコロナイオンが放出される構成となっている。コロナワイヤに印加する電圧を増加していくと、ワイヤの周囲に局所的な強い電場が形成され、部分的な空気の絶縁破壊が起こり、放電が持続する。これがコロナ放電である。
コロナ放電の放電形態は、印加電圧の極性により大きく左右される。正コロナ放電の場合は、コロナワイヤ面に均一な放電が形成される。負コロナ放電の場合は、ストリーマ放電が点在する形の放電形態となる。正コロナ放電は帯電の均一性がかなり良いが、負コロナでは放電ムラが発生するため、正コロナより劣る。また、放電による発生するオゾンの量は負コロナのほうが正コロナよりも一桁程度多く、環境に対する負荷も大きい。
ここで、コロナ帯電器とその特徴を簡単に説明する。
(1)コロトロン型コロナ帯電器
コロトロン型コロナ帯電器とそれを用いた帯電法の構成を図1(a)に示す。コロトロン型コロナ帯電器は直径50〜100umのタングステンワイヤを1cm程度離して金属でシールドした構成である。開口面を被帯電体に対向して配置した状態で、コロナワイヤに5〜10kVの高電圧を印加し、これによって発生した正または負イオンを被帯電体表面に移動させて帯電する。図2(a)に示すようにコロトロン型コロナ帯電器は一定量の電荷発生を行うので、被帯電体表面を均一に一定電位に帯電することは必ずしも得意ではない。一定電荷を記録紙に与えることを目的とする転写用の帯電器としては特に有効である。
(2)スコロトロン型コロナ帯電器
スコロトロン型コロナ帯電器は、被帯電体表面の帯電電位のムラを少なくするために考案されたものである。図1(b)に示すようにコロトロンの開口面に数本のワイヤ或いはメッシュをグリッド電極として配置した構成である。このスコロトロン型帯電器の開口面を被帯電体に対向させ、グリッド電極にバイアス電圧を印加する。
スコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性を図2(b)に示す。スコロトロン型コロナ帯電器の特徴は帯電時間が長くなってもグリッド電極に印加された電圧によって帯電電位が規制され、表面電位が飽和することである。この飽和値はグリッド印加電圧により制御できる。スコロトロン型コロナ帯電器は、コロトロン型に比べて構造が複雑で帯電効率も劣るが、帯電電位の均一性に優れ、広く使用される。電子写真方式の画像形成装置におけるグリッド電極は帯電グリッドと呼ばれる。
[放電生成物が引き起こす課題]
<環境への影響>
負のコロナ放電を行うコロナ帯電器を用いた場合、放電により空気中の物質が反応し放電生成物と呼ばれる物質が生成されることが知られている。その中には酸素が酸化されたオゾン(O3)や、オゾンによって窒素が酸化された一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2)等の窒素酸化物(NOx)が含まれている。オゾンは0.1ppm程度で臭気を感じ、呼吸器系に悪影響を与える物質である。窒素酸化物はその中でも二酸化窒素(NO2)が人の呼吸器に悪影響を与えるため、環境基準で一時間値の一日平均値が0.04〜0.06ppm以下と定められているのに加え、窒素酸化物は紫外線による光化学反応で光化学オキシダント(Ox)という物質に変化し、この物質も0.06ppm以下と環境基準が定められている。放電によるそれぞれの発生量はオゾンが数10ppm、窒素酸化物が数ppmであり、現状コピー機においては活性炭等のフィルターを用いて機外への排出量を削減している。
<印刷品質に関わる影響>
(コロナ帯電器直下濃度ムラ)
コロナ帯電器から発生する放電生成物により起こる課題としてはまず長時間放電後の放置によるコロナ帯電器直下濃度ムラがある。これは作像動作中の放電時に発生し、コロナ帯電器の内壁に付着した放電生成物が、装置が停止している間に徐々に被帯電体を汚染し、コロナ帯電器直下部とそれ以外の部分での表面電位に差が生じ、結果として画像濃度ムラが発生するという課題である。この課題は20%RH程度の低湿環境下でより顕著に発生し、常温常湿環境下に置かれることで次第に回復する。被帯電体表面が放電生成物と可逆的に反応し、静電容量が増大または抵抗が低下しているために電位差が生じることが確認されている。いずれの感光体においても発生が確認されているが、特に保護層として表面に架橋性の硬化膜を設けた感光体での発生が顕著である。
図3(a)はコロナ帯電器直下濃度ムラが生じた場合の画像の様子を示す図であり、図3(b)は該画像に対応する感光体表面電位を示す図である。
(画像流れ[画像ボケ])
複写機などの電子写真法を使用した画像形成装置では、放電を伴う帯電方式を使用している限り、大なり小なり画像流れ(又は像流れ、画像ボケなど)による解像度低下が生じる。画像流れは紙粉付着や使用環境にも依存するが、主たる要因は放電生成物であり、画像流れから解放されるためにはオゾン、NOx等を排出しない帯電方法の発明(注入帯電法でも画像流れ有り)を行わない限り現在では不可能に近い。前記要因で起こる画像流れは原因物質を必要最小限に研磨したり、研磨できない場合には加熱することによって改善する事が出来るが、感光体の寿命の低下、電力やスペース、制御手段などが課題となる。被帯電体表面を積極的に削ることで画像ボケの発生を抑制されることから、像流れの抑制には表面に付着した放電生成物を除去する必要があるが、近年開発が進められている高耐久被帯電体では磨耗量が少ないため、原因物質の除去が困難である。
画像流れを改善するためには状況に応じた手を打つ必要が有るが、それには画像流れの状況を把握して、適切な手段を行う事によって解決を図る事が重要である。
放電生成物は最初点状(しみ状)に付着し、次第に全面に拡張してゆく。付着しても初期には画像流れは起こらないが、除去されないと次第に付着面積が広がり、感光体表面には吸湿性の低抵抗層が形成される。画像流れ(又は画像ボケ)現象は画像形成中の電荷が感光体表面もしくはその近傍で拡散して正常な静電潜像が形成されず、エッジが不鮮明でぼやけた画像になる現象である。すなわち、静電潜像が形成される際に、感光体表層又は層中に低抵抗層が有るとその領域で電荷の歪みが生じ、静電潜像が乱される事によって起こる現象である。図4に画像流れ現象を説明する模式図を示す。
感光体表層にマイナス帯電後、画像露光を行うと電荷発生層中で正孔−電子対が形成され、電子(−)は導電性支持体側へ、正孔(+)は表層のマイナス電荷に向かって移動するが、移動の途中で低抵抗層が有ると正孔は表面層まで直進せず横方向にリークするか、表層が低抵抗化している場合には自由表面上で横方向へ移動する。したがって、電荷の拡散、散逸が起こり正常な静電潜像が形成され難くなる。抵抗値の変化が少ないほど電荷の移動が抑えられる為、解像度低下は小さい。抵抗値の変化が大きく、体積抵抗率が1012(Ω・cm)以下になると解像度が崩れ明らかな画像流れとなり、最終的には全く画像を消失する。この時電位的には矩形波の電位パターンとならず、なまった電位パターンとなり、帯電々位の低下、画像部電位の上昇が起こり、コントラスト電位の低い電位パターンを示す。これらの現象は時間経過と共に悪くなり、また湿度の上昇と共に悪化傾向にある。
すなわち、高解像度画像を形成するためには、少なくとも感光体の体積抵抗率は1013(Ω・cm)オーダー以上、表面抵抗率は1015(Ω・cm)オーダー以上であることが必要である。
(雨だれ状ムラ)
コロナ放電を行うスコロトロン帯電器を用いた画像形成装置では、出力画像に図5に示すような雨だれ状のムラが発生することがある(ハーフトーン中の薄い縦線が雨だれ状ムラである)。これは帯電器による感光体の帯電において、小さな範囲で帯電量に大きなムラが存在することによるものである。このムラが生じるのは例えば帯電ワイヤに付着したトナーやその添加剤であるシリカや放電生成物の局部的な付着による放電不良や、帯電グリッドに同様の電気抵抗の高い物質が付着し、放電され発生した電荷がグリッドを流れずに感光体への移動量が増加した、または静電容量が高くなった帯電グリッド自体が帯電し、帯電グリッドに印加した電圧以上に感光体表面電位が局所的に上がってしまうことが考えられる。
(コロナ帯電器直下の課題)
機外に排出する放電生成物を削減するには排出までの経路にフィルター等に担持させた形態で効果を発揮するが、放電生成物により最も汚染されるのはコロナ帯電器直下にある被帯電体であり、コロナ帯電器と被帯電体間は安定した帯電が行われるために1〜2mm程度の一定間隔を設けて固定されていることが多い。そのため放電生成物による被帯電体の汚染を抑制するためには放電後コロナ帯電器と被帯電体間に遮蔽物を入れる、またはコロナ帯電器および被帯電体を移動させるといった複雑な機構が必要である。しかしながら、このようなメカ的機構を設けることは、画像形成装置の大型化、複雑化の要因となり、コストアップやメンテナンス性の低下を招くことになる。
そのため、前記のような複雑な機構を用いずにコロナ帯電器で発生する窒素酸化物による被帯電体表面の変質を抑制する、様々な検討がされてきた。
特許文献1ではコロナ帯電器のSUS材質の帯電グリッドにグラファイト粒子、ニッケル粒子、アルミニウム化合物粒子と有機樹脂バインダーを含有する導電性塗料を塗布したもので構成され、制御電極の放電生成物による腐食を抑止し、生成された放電生成物を導電性皮膜が吸収することで被帯電体の汚染を抑制している。皮膜中の微粒子が放電生成物を吸収する作用を利用しているが、吸収可能な量は粒子の吸着サイトの数で決まってしまうため、経時での使用においては吸着サイトが埋もれるのが早く、効果が薄れてしまうことが予想される。
本発明では放電生成物の削減に主にゼオライトを用いているが、同様な例としては特許文献2ではコロナ帯電器に開口部を設け、そこに設置した微細に区画された連通開口にオゾン吸着粒子層を形成することによりオゾンの拡散を抑制している。オゾン吸着粒子にはゼオライトおよび活性炭が用いられている。この発明によるとオゾンの拡散を抑制することは可能であるが、被帯電体側に拡散するオゾンによる被帯電体汚染は抑制できないため、画像に影響する課題は効果が期待できない。
また、特許文献3では被帯電体表面に付着した放電生成物を吸着する生成物除去手段に加え、被帯電体表面に放電生成物を付着させ難くする生成物付着防止手段と、被帯電体表面に付着した放電生成物が低抵抗化するのを防止する低抵抗化防止手段と、被帯電体表面近傍での放電生成物の発生量を少なくする生成物発生防止手段のうちの少なくとも1つを設けた構成となっており、ゼオライト等の吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器の間に配置させる例もあるが、もう1つ別の放電生成物吸着手段を被帯電体に接触させることが必須となっており、複数の部材が必要となる。また、吸着剤を被帯電体とコロナ帯電器との間に配置させると被帯電体の帯電が不安定となることが予想される。
ところで、電子写真方式を利用した画像形成装置においては、感光体として有機光導電性物質を含む有機感光体が最も広く用いられている。前記有機感光体は、可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発し易いこと、環境汚染のない材料を選択できること、製造コストが安いこと、等が他の感光体に対して有利な点である。しかし、前記有機感光体は、機械的強度が弱く、長期間使用することで感光層が摩耗し、該感光層が一定量削り取られると、感光体の電気特性が変化して、適正な作像プロセスを行えなくなるという問題がある。この感光体の摩擦は、前記作像プロセスにおいて、感光体と他の作像部である現像手段や転写手段等の接触する部位の全てにおいて発生する。
このため、感光層の摩耗を低減することにより感光体寿命を向上させることが検討されており、種々の提案がなされている。
例えば、特許文献4の請求項に寄れば、感光体の表面保護層として、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂を用いることが提案されている。しかし、前記コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層は耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、また、近年要求される高寿命感光体としての耐久性に対しては不十分である。
また、特許文献5及び特許文献6の請求項に寄れば、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を表面に有する感光体が提案されている。しかし、この感光体の樹脂層は、画像ボケが発生しやすく、実用化のためには、ドラムヒーター等の機構を搭載するなどして画像ボケの発生を抑制する必要があり、装置の大型化、コストアップを招いている。また、露光部の残留電位低減が不十分であり、帯電電位を抑えて作像する低電位現像プロセスにおいては、画像濃度の低下などが問題となる。
また、特許文献7の請求項に寄れば、電荷輸送性付与基を有する硬化性シロキサン樹脂を三次元網目構造状に硬化させる方法が提案されている。しかし、この提案の方法では、体積収縮に起因すると考えられる塗膜の亀裂が生じることがあり、特に、安価で取り扱いの容易な市販のコーティング剤との組み合わせでは、上記問題が発生する。また、露光部の残留電位に膜厚依存性があり、低電位現像プロセスにおける画像濃度低下が問題となる。また、電荷輸送性付与基の含有量を増加すると、塗膜強度が低下し、十分な耐久性が得られないことがある。更に、画像ボケを引き起こすことがあり、長期間繰り返し、良好な画像が出力される電子写真感光体を、安価にかつ容易に得ることは困難である。
また、特許文献8の請求項に寄れば、水酸基を少なくとも1つ有する電荷輸送物質と三次元に架橋された樹脂及び導電性粒子を含有する保護層を有する感光体が提案されている。この構成にすることによって、耐摩耗性の向上、残留電位の低減はある程度達成されると思われるが、単純に保護層に導電性粒子を含有させただけでは、保護層の体積抵抗が低下してしまうため、高温高湿環境下での静電潜像流れに起因する画像ボケが発生しやすくなる。また、電荷輸送物質も三次元架橋を形成する構造単位であるため、保護層中に占める割合が多くなるほど、分子構造、特に水酸基の数や結合部位が耐摩耗性に及ぼす影響が大きくなり、場合によっては十分な耐摩耗性を発現できなくなることが考えられる。
また、本発明者らの従前の検討において、特定の構造を有する反応性電荷輸送物質とイソシアネート化合物を加熱架橋して得られる電荷輸送性ウレタン樹脂層を最表層とした電子写真感光体は、残留電位の低減を達成しつつ、耐摩耗性が著しく向上することがわかってきたが、このような構成の電子写真感光体は、表面がオゾンやNOxのような酸化性ガスに暴露されると、静電潜像が流れ、画像ボケが発生してしまうことがわかった。この画像ボケは、デジタル方式の画像形成装置において、微細なドットで形成されるハーフトーン画像の濃度の低下を引き起こし、異常画像となってしまう。
ここで、非接触方式のコロナ帯電器は、ローラー帯電器や、磁気ブラシを用いたブラシ帯電方式のような接触方式の帯電手段に比べて、感光体の摩耗に対しての負荷が小さく、感光体の長寿命化が期待できる。
ところが、コロナ帯電器は、前述の通りオゾンや窒素酸化物の発生量が多く、感光体表面の低抵抗化への影響が大きい。しかも、該電荷輸送性ウレタン樹脂層を最表層とした耐摩耗性の高い電子写真感光体を用いると、表面が研磨されることによる表面低抵抗化物質の除去がなかなか行われず、画像ボケなどの異常画像が特に顕著に発生してしまい、実用化は困難であった。
また、特許文献9の請求項に寄れば、スコロトロン帯電器における帯電グリッドが、有機チタネートの十縮合物で被覆された帯電器が提案されている。これは、低温低湿環境下、グリッドに窒素酸化物やアンモニウム塩が付着することによって引き起こされる誘電率低下などによる体積抵抗変化がもたらす画像濃度ムラには効果があるが、表面が低抵抗化して起る静電潜像流れ、画像ボケに対しての効果は十分とは言えない。
特開2005−227470号公報 実開昭62−089660号公報 特開2003−43894号公報 特開平6−118681号公報 特開平9−124943号公報 特開平9−190004号公報 特開2000−171990号公報 特開2003−186223号公報 特開2007−225770号公報
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、電子写真方式(特に、トリクル現像方式)の画像形成装置において、搭載された静電潜像担持体(特に、有機感光体)が高い耐摩耗性を有することで優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間にわたり安定し、しかもほぼメンテナンスフリーに行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下の〔1〕〜〔27〕に記載する発明によって上記課題が解決されることを見出し本発明に至った。以下、本発明について具体的に説明する。
〔1〕:上記課題は、静電潜像を担持するための潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像に対してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤により現像してトナー像化するための現像手段を有する画像形成装置において、
前記潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有する静電潜像担持体であって、前記静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、下記一般式(I)で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを含有しており、
かつ前記帯電手段が、絶縁性の端部とその間に支持されているコロナ放電に用いられる少なくとも1本の細い導電性のワイヤ電極と、自身に印加される電圧により静電潜像担持体の表面電位を規制可能な帯電グリッドを有するコロナ発生器であって、該帯電グリッドがゼオライトと抵抗制御剤とバインダー樹脂を含む組成物により被覆されてなることを特徴とする画像形成装置により解決される。
[式(I)中、R1、R2は置換又は無置換のアルキル基であり、R1、R2は同一であっても異なってもよい。また、R3は少なくとも水酸基を1つ以上有するアルキル基またはアリール基を表す。]
〔2〕:上記〔1〕に記載の画像形成装置において、前記静電潜像担持体が、感光層上に保護層を有し、該保護層が最表面層であることを特徴とする。
〔3〕:上記〔1〕又は〔2〕に記載の画像形成装置において、前記静電潜像担持体の最表面層が導電性微粒子を含有し、該導電性微粒子が、次式、MxSbyOz(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される少なくとも1種の導電性微粒子であることを特徴とする。
〔4〕:上記〔3〕に記載の画像形成装置において、前記MxSbyOz(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子が、アンチモン酸亜鉛(ZnSb26)を含むことを特徴とする。
〔5〕:上記〔1〕乃至〔4〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記イソシアネート化合物が、芳香環を有し、かつ少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有することを特徴とする。
〔6〕:上記〔5〕に記載の画像形成装置において、前記芳香環を有するイソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物とポリオールとのアダクト型であることを特徴とする。
〔7〕:上記〔1〕乃至〔6〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記イソシアネート化合物のNCO%が3〜50であることを特徴とする。
〔8〕:上記〔1〕乃至〔7〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記最表面層における反応性電荷輸送性物質の含有量が5〜45wt%であることを特徴とする。
〔9〕:上記〔1〕乃至〔8〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記最表面層の形成に用いられる反応性電荷輸送性物質が、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含み、該ラジカル重合性化合物の成分割合が、架橋表面層全量に対して35〜65重量%であることを特徴とする。
〔10〕:上記〔1〕乃至〔9〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質が、下記一般式(1)で表される分子構造を有することを特徴とする。
[式(1)中、nは、1〜4の整数を表し、nが1のときYは少なくとも2つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、nが2以上のとき、Yは水酸基であるか、または少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、Xは電荷輸送性化合物基を表す。前記アルキル基又はアルコキシ基は水酸基以外の置換基を有していてもよい。]
〔11〕:上記〔10〕に記載の画像形成装置において、前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質において、電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(2)で表される分子構造を有することを特徴とする。
[式(2)中、Ar1〜Ar3は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一であっても異なっていてもよい。Arはアリーレン基を表す。また、前記一般式(1)中のY基の数nは、式(2)中のAr1〜Ar3のアリーレン基の数と、前記Ar3を置換基とする炭素原子が有する結合の手(遊離価)の合計と同一であり、少なくともAr1〜Ar3及び前記Ar3を置換基とする炭素原子のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
〔12〕:上記〔10〕に記載の画像形成装置において、前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質において、電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(3)で表される分子構造を有することを特徴とする。
[式(3)中、Ar1〜Ar4は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(1)中のY基の数nは、前記Ar1〜Ar4のアリーレン基の合計の数と同一であり、少なくともAr1〜Ar4のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3及びAr4を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
〔13〕:上記〔10〕乃至〔12〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質が、少なくとも隣接する2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した構造を有することを特徴とする。
〔14〕:上記〔13〕に記載の画像形成装置において、前記少なくとも隣接する2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した構造を有する反応性電荷輸送物質が、下記一般式(4)で表される分子構造を有することを特徴とする。
[式(4)中、Rは炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を表し、Xは電荷輸送性化合物基を表す。また、nは1〜4の整数を表す。]
〔15〕:上記〔1〕乃至〔14〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記最表面層が、電荷輸送性化合物基を有しないポリオール化合物を少なくとも1種類含有し、該ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂を含有することを特徴とする。
〔16〕:上記〔15〕に記載の画像形成装置において、前記ポリオール化合物の少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合(分子量/水酸基数;以下OH当量と称する)が150未満であることを特徴とする。
〔17〕:上記〔1〕乃至〔16〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤が、活性炭であることを特徴とする。
〔18〕:上記〔1〕乃至〔16〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤が、金属酸化物であることを特徴とする。
〔19〕:上記〔18〕に記載の画像形成装置において、前記金属酸化物が、アンチモン酸亜鉛であることを特徴とする。
〔20〕:上記〔1〕乃至〔19〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のバインダー樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
〔21〕:上記〔20〕に記載の画像形成装置において、前記バインダー樹脂が、アルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする。
〔22〕:上記〔1〕乃至〔21〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のゼオライトの含有率が、20〜70wt%の範囲であることを特徴とする。
〔23〕:上記〔1〕乃至〔22〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤の含有率が、20〜50wt%の範囲であることを特徴とする。
〔24〕:上記請求項〔1〕乃至〔23〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のバインダー樹脂の含有率が、10〜60wt%の範囲であることを特徴とする。
〔25〕:上記〔1〕乃至〔24〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成可能に構成されたことを特徴とする。
〔26〕:上記〔1〕乃至〔25〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型の構成とされたことを特徴とする。
〔27〕:上記〔1〕乃至〔26〕のいずれかに記載の画像形成装置において、前記画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する構成とされたことを特徴とする。
本発明によると、支持体上に少なくとも感光層を有する静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、前記一般式(I)で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを含有した、耐摩耗性に非常に優れ、かつ酸化性ガスによる異常画像の発生も抑えられた潜像担持体、いわゆる有機感光体を搭載するとともに、帯電手段として、ゼオライトと抵抗制御剤とバインダー樹脂を保持する帯電グリッドを有するコロナ発生器を配備することにより、有機感光体の耐久性を飛躍的に向上させ、かつ高温高湿環境下における感光体表面の低抵抗化に起因する画像ボケのような異常画像の発生が抑えられ、良好な画像を長期間安定して、出力することができる画像形成装置を提供することができる。
前述のように本発明における画像形成装置は、静電潜像を担持するための潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像に対してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤により現像してトナー像化するための現像手段を有する画像形成装置において、
前記潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有する静電潜像担持体であって、前記静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、下記一般式(I)で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを含有しており、
かつ前記帯電手段が、絶縁性の端部とその間に支持されているコロナ放電に用いられる少なくとも1本の細い導電性のワイヤ電極と、自身に印加される電圧により静電潜像担持体の表面電位を規制可能な帯電グリッドを有するコロナ発生器であって、該帯電グリッドがゼオライトと抵抗制御剤とバインダー樹脂を含む組成物により被覆されてなることを特徴とするものである。
[式(I)中、R1、R2は置換又は無置換のアルキル基であり、R1、R2は同一であっても異なってもよい。また、R3は少なくとも水酸基を1つ以上有するアルキル基またはアリール基を表す。]
本発明に用いられる静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有してなり、保護層、中間層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
以下、静電潜像担持体について詳細に説明する。
(静電潜像担持体)
前記静電潜像担持体は、第一の形態では、支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
また、前記静電潜像担持体は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
前記単層型感光層では、最表面層としては感光層、又は該感光層上に形成された保護層が該当する。前記積層型感光層では、最表面層としては、電荷輸送層、又は該電荷輸送層上に形成された保護層が該当する。
ここで、図8は、本発明の静電潜像担持体の模式断面図であり、支持体201上に感光層202を設けた構成のものである。また、図9、図10、図11、図12、及び図13は、各々本発明の他の静電潜像担持体の層構成例を示すものであり、図9は図8の感光層202上に保護層206を設けたものである。図10は、感光層が電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204より構成される機能分離型タイプのものである。図11は、図10の電荷輸送層204上に保護層206を設けたもの)を示す模式断面図である。図12は、図11の支持体201と、機能分離型タイプの感光層の電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204の間に下引き層205を入れたものである。図13は、図12の下引き層205と電荷発生層203との間に中間層207を設けたタイプのものである。なお、本発明の静電潜像担持体は、支持体201上に感光層202を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
<最表面層>
前記最表面層は、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、前記一般式(I)で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを含有してなる。
該3級アミンを含有することによって、最表面層の酸化性ガスの影響を大幅に低減することができ、耐ガス性が著しく向上する。
その理由としては明確には解明していないが、以下のような作用であると考えている。すなわち、反応性電荷輸送物質は、使用条件により生じるオゾンやNOxなどの酸化性ガスが吸着しやすく、場合によっては、最表面の低抵抗化を招き、静電潜像流れによる画像ボケ等の問題を引き起こす可能性がある。この酸化性ガスによって引き起こされる課題を解決するために、前記一般式で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種類を含有させることが効果的である。該化合物の構造内に含まれる3級アミン骨格が酸化性ガスに対して有効なラジカル物質生成抑制を行っているものと推測される。また、アミノ基の3つの置換基のうち、1つがアリール基である場合、添加に伴う残留電位上昇等の電気的な特性劣化が小さい。その理由については、現時点では明らかになっていないが、おそらく、それ自身が少なからず電荷輸送能力を有しており、電荷担体のトラップとしての副作用が小さいためではないかと考えている。さらに、該アミン化合物が有する水酸基がアルコール性水酸基である場合、前記酸化性ガスの影響をより低減することから、より好ましい。
前記3級アミン一般式の説明にある、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、及びウンデカニル基などが挙げられる。また、置換基を有するアルキル基の置換基としては、前述のアルキル基の具体例で挙げたもの、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、またはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、芳香族炭化水素基、及びピロリジン、ピペリジン、ピペラジンなどの複素環の基などが挙げられる。
また、前期静電潜像担時体の最表層が導電性微粒子を含有し、該導電性微粒子が、次式、MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される少なくとも1種であること、好ましくはアンチモン酸亜鉛(ZnSb26)であることも、本発明の好適な態様である。
前記導電性微粒子は、単純に最表面層の電気抵抗(以降、「抵抗)と略称する)調整のために含有させるのではなく、反応性電荷輸送物質による電荷輸送を補助する目的で含有させるものである。したがって、その種類、含有量は、反応性電荷輸送物質の種類や含有量と密接に関係しており、保護層の体積抵抗値のみで測ることは難しく、反応性電荷輸送物質のガス暴露に対する許容量とそのときの残留電位上昇度、それに対する導電性微粒子の含有量はその都度最適な設計をする必要がある。しかしながら、導電性微粒子を含有させることで、残留電位上昇を大幅に低減することができる。
導電性粒子としては、金属、金属酸化物及びカーボンブラック等が挙げられるが、特に次式、MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される少なくとも1種の金属酸化物を含むものが好ましく、前記金属元素Mとしては、Zn、In、Sn、Ti、Zrなどが挙げられ、Zn、Inが特に好ましい。
前記x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。前記導電性微粒子がZnSbの場合には、1:1.6〜2.4:5〜7である。前記導電性微粒子がInSbの場合には、1:0.02〜1.25:1.55〜4.63である。
金属としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀及びステンレスなど、またはこれらの金属を樹脂粒子の表面に蒸着したものなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。
前記MSb(ただし、Mは金属元素を表す。x、y、及びzは各元素のモル比を表す)で表される導電性微粒子としては、例えば、特許第3221132号公報に開示されているアンチモン酸亜鉛(ZnSb26)、特許第3198494号公報に開示されているアンチモン酸インジウム(InSbO4)、などが挙げられる。
前記アンチモン酸亜鉛としては、例えば、導電性ゾル(セルナックスシリーズ、日産化学工業社製)として上市されており、コロイド状に溶媒に分散された状態で容易に入手可能である。また、粉体として入手される導電性微粒子を分散する方法としては、既存の分散方法を用いることができるが、例えば、マイクロフルイダイザー(MFI社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)、などの高速液衝突分散方法が好適である。
ここで、一般的に、静電潜像担持体の最表面層に導電性微粒子を含有させると、該最表面層のバルク抵抗が小さくなり、表面の静電荷保持に対しては不利に働き、その結果、酸化性ガスによる画像ボケにも不利に働くことが懸念される。そのため、導電性微粒子の含有量は、残留電位を低減しつつ、画像ボケを引き起こさないために、含有できる量は限られてくる。しかし、前記MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子は、露光部の残留電位低減効果を発現しつつ、画像ボケを抑制するという効果を発揮するため、含有できる量の許容幅が非常に大きくなり、残留電位を低減するために非常に好ましい材料であると言える。
前記MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子が、残留電位低減効果を発現しつつ、画像ボケを抑制する効果を発揮する理由は明確ではないが、該導電性微粒子は、イオン伝導のメカニズムではなく、電子伝導のメカニズムによって電荷移動が行われる物質であるために、酸化性ガスの影響を受けにくいことが考えられる。また、含有量当たりの残留電位低減効果が高いために、わずかな含有量でも大きな露光部電位低減効果が得られるため、最表面層のバルク抵抗をあまり下げることなく、所望の露光部電位に到達できることなどが、非常に効果的に作用していると考えられる。
これらの導電性微粒子は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記導電性微粒子の体積平均粒径は、0.01〜1μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。体積平均粒径が0.01μm未満であると、最表面層中に含まれる導電性微粒子の粒子間距離が小さくなり、表面の静電荷保持に対して不利になることがある。また、塗工液中で凝集して、粒径の不均一な二次粒子を形成しやすくなり、結果として、より大きな粒子として層中に局在化し、非露光部の帯電電位低下による異常画像、即ち露光部現像方式(ネガポジ方式)では、粒状地肌汚れとなり、非露光部現像方式(ポジポジ方式)では、白斑点の異常画像となってしまうことがある。一方、前記導電性微粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、塗膜に対する導電性微粒子が大きすぎて、表面のレベリングが不十分となってしまうことがあり、電子写真感光体の表面粗さが大きくなり、例えば、ブレードクリーニング方式でのブレードの電子写真感光体表面への追従性が低下し、トナーのすり抜けによるクリーニング不良が発生してしまうことがある。特に、ブレードクリーニング性が比較的困難な球形トナーのクリーニングに対して、非常に不利になる。また、大きな粒子が保護層中に局在化することに起因する異常画像を、引き起こす可能性がある。
導電性粒子は必要に応じて公知の材料や手段により表面処理を行ってもよい。
前記導電性微粒子の前記最表面層における含有量は、0.5〜65質量%が好ましく、5〜45質量%がより好ましい。前記含有量が0.5質量%未満であると、残留電位低減効果が不十分になったり、耐摩耗性向上の効果が発現しないことがあり、65質量%を超えると、最表面層のバルク抵抗が低くなりすぎて、画像ボケが発生してしまったり、塗膜が脆くなってしまい、耐摩耗性が低下してしまうことがある。
前記静電潜像担持体の最表面層には、MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子以外の微粒子を含有してもよい。
前記微粒子としては、例えば、フッ素樹脂微粒子(例えば、ポリテトラフルオロエチレン等)、シリコ−ン樹脂微粒子、グアナミンホルムアルデヒド樹脂微粒子、等の有機樹脂微粒子;銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末;シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物;フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物;チタン酸カリウム、窒化硼素等の無機微粒子;などが挙げられる。これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化スズは、電子写真感光体の電気特性への影響が少なく、耐摩耗性を著しく向上させることができるため、特に好ましい。
前記微粒子を併用する場合、MSb(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子の最表面層における含有量は、微粒子全量に対し10〜100質量%が好ましい。前記導電性微粒子の含有量が10質量%より少ないと、導電性微粒子による残留電位低減効果、画像ボケ抑制効果が不十分となってしまう場合がある。
また、前記イソシアネート化合物が芳香環を有し、かつ少なくとも2つ以上、好ましくは3つ以上のイソシアネート基を有することも本発明の好適な態様である。
前記少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂は、ウレタン結合を形成する一種のポリウレタン樹脂である。ポリウレタン樹脂は、多官能のイソシアネート化合物とポリオール化合物が架橋することで三次元網目構造を形成するため、耐摩耗性が高いバインダー樹脂として好適に用いられる。しかしながら、ポリオール化合物として反応性電荷輸送物質を用いる場合、少なくともそれに対するイソシアネート化合物が相当量必要となるため、イソシアネート化合物の特徴が静電潜像担持体の電子写真特性に大きく影響を与えることになる。発明者らの検討の結果、イソシアネート化合物がHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)に代表されるような芳香環を持たない、イソシアネート化合物(脂肪族系イソシアネート)を用いた場合、低速もしくは短期的な電子写真特性は実用上問題の無いものであったが、高速かつ長期にわたって連続的に電子写真プロセス(帯電、露光、現像、転写、除電を繰り返すプロセス)を行うと、露光部電位の上昇が発生し、やがて画像濃度低下等の異常画像を発生させてしまうことがわかった。
これは、ドラム形状の静電潜像担持体単体試験装置による、連続静電疲労付加評価によってあきらかになる。前述の脂肪族系イソシアネート化合物を用いた静電潜像担持体は、所定の条件で静電疲労付加を120分与えた直後の露光部残留電位が著しく上昇してしまうことが明らかになっており、そのままでは高速機への展開は困難であった。
それに対して、芳香環を有するイソシアネート化合物(芳香族系イソシアネート)を用いることで、上記静電疲労付加直後の露光部残留電位の上昇を大幅に低減することができた。この理由については、明確にはわかっていないが、以下のような効果があるのではないかと考えられる。
すなわち、ポリウレタン樹脂は、理論上、水酸基とイソシアネート基が同数存在することで、過不足無く架橋する。したがって、水酸基を有する反応性電荷輸送性物質を用いる場合、少なくとも、その水酸基の数と同等のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が必要になる。ここで、例えば、反応性電荷輸送性物質を樹脂全体の25wt%含有させることを考えた場合、該反応性電荷輸送性物質のOH当量(分子量を分子内の水酸基数で除した値)とイソシアネート化合物のNCO%にもよるが、少なくとも同量程度のイソシアネート化合物が必要になる。すなわち、イソシアネート化合物も25wt%含まれることになる。このとき、脂肪族系イソシアネート化合物を用いた場合、保護層中に占めるイソシアネート化合物は、π電子はほとんど存在せず、電荷輸送に寄与することはほとんど無いと考えられるため、バルクとしての電荷輸送能は低いと考えられる。そのため、電子写真プロセスを繰り返す静電疲労付加を連続的に与えると、上記電荷輸送能の低さによって電荷移動が阻害され、残留電位として蓄積されると考えられる。
なお、NCO%とは、イソシアネート化合物1分子あたりのNCO基が占める割合を重量%で表したもので、NCO%=[NCO基の化学式量]×[NCO基の数]/[イソシアネート化合物の分子量]×100で算出される。
これに対して、芳香族系イソシアネート化合物は、イソシアネート化合物が芳香環を有しており、π電子を多数有する。π電子は電荷輸送性化合物がその広がりによって電荷輸送能を発揮していることからもわかるとおり、電荷輸送性に大きく影響すると考えられる。芳香族系イソシアネート化合物を有する本発明の最表層は、樹脂膜中のπ電子密度が非常に多くなっていると考えられる。そして、このπ電子密度が高いことが膜中の電荷輸送性を高め、残留電位の蓄積を抑制していると考えられるのである。
ところで、イソシアネート化合物が、イソシアネート基を1つしか有しない場合、イソシアネート化合物はポリオールに対してペンダント型に結合した末端部位となる。ポリウレタン樹脂として網目構造となるには、別途多官能のポリイソシアネート化合物を含有させる必要が生じてしまうが、該多官能ポリイソシアネート化合物が脂肪族系イソシアネートであると、樹脂膜中のπ電子密度が低下してしまい、電荷輸送能が低下してしまう。したがって、本発明のイソシアネート化合物は芳香環を有し、かつ分子中に2つ以上のイソシアネート基を有していることが好ましい。また、3つ以上のイソシアネート基を有することによって三次元網目構造を形成するため、耐摩耗性が高いバインダー樹脂となり、より好適に用いられる。
また、前記芳香環を有するイソシアネート化合物の持つイソシアネート基が、アルキル基を介して芳香環に結合していることも本発明の好適な態様である。
さらに、前記芳香環を有するイソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物とポリオールとのアダクト型であることも本発明の好適な態様である。
芳香環は共役二重結合によってほぼ平面の立体構造を有しており、分子のコンフォメーションの自由度が小さい。そのため、三次元網目構造を形成する際に、水酸基に対して架橋反応が可能な距離に接近する動きが制限されると考えられる。その結果、水酸基とイソシアネート基が架橋できないまま残存する可能性が高く、架橋密度の低下、未反応官能基に起因する静電的副作用等によって、感光体の耐摩耗性、静電特性が低下してしまうことが考えられる。それに対して、芳香環を有するイソシアネート化合物の持つイソシアネート基がアルキル基を介して芳香環に結合した構造をしている場合、アルキル基はσ結合で自由に回転できることから、分子のコンフォメーションの自由度が高く動きの制限が小さいため、前記不具合が発生しにくく、架橋構造を形成しやすいと考えられる。また、ジイソシアネート化合物とポリオールとのアダクト型である場合も同様に、ポリオール部分で分子のコンフォメーションの自由度が高いため、架橋構造を形成しやすいと考えられ、耐摩耗性、静電特性に優れた感光体となると考えられるのである。
なお、一般的に芳香族イソシアネート化合物と称される物質は、芳香環に直接イソシアネート基が結合している化合物の総称として使われるが、本発明における芳香族系イソシアネート化合物は、分子中に芳香環を有していればよく、前述のように芳香環とイソシアネート基の間にアルキル基を有する物質も含まれる。
本発明の芳香族系イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及びその重合体であるポリメリックMDI、キシレンジイソシアネート(XDI)などがあり、また、TDIやMDI、XDIとトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト型が挙げられる。
このような芳香族系イソシアネートとしては市販品を用いることができる。例えば、三井武田ケミカル社製のコスモネートTシリーズ、コスモネートMシリーズ、コスモネートND、タケネート500及びそのアダクト型であるタケネートD-110N、トリレンジイソシアネートのアダクト型である大日本インキ化学工業社製のバーノックD750、日本ポリウレタン工業社製のコロネートL等が挙げられる。これらの中でも、キシレンジイソシアネートやキシレンジイソシアネートのアダクト型は、芳香環とイソシアネート基がメチレン基で結合した構造を有していることから、前述のような理由で架橋構造を形成しやすく、好ましく用いられる。
また、前記芳香環を有するイソシアネート化合物のNCO%が3〜50であることも本発明の好適な態様であり、より好ましくは10%〜40%である。
NCO%が大きいほど形成される架橋点が多くなる、すなわち架橋密度が高くなるため、耐摩耗性が向上することが考えられる。NCO%が3より小さいと、水酸基/イソシアネート基を当量とした場合のポリオールに対するイソシアネート化合物の含有量が相対的に大きくなってしまい、架橋密度が低下し、耐摩耗性が不十分となってしまう可能性がある。またNCO%が50より大きい場合、イソシアネート化合物の反応性が高くなりすぎて、塗工液中で反応が進んでしまうなどして、塗工液の寿命が短くなり、製造工程でのハンドリングの悪化や、有機廃液の増加といった環境負荷を招くおそれがある。
さらに、本発明には、芳香族系イソシアネート化合物と併用して、脂肪族系ポリイソシアネート化合物を用いてもよい。脂肪族系ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなどの鎖状イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート、イソシアヌレート類、前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの、あるいはイソシアネート化合物からなるトリマー(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートトリマー等)などが挙げられる。
さらに、トリメチロールプロパンと、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等)あるいは脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート等)のアダクトなども好ましく用いられる。トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートからなるアダクトの例を下記構造式(a)に示す。
このような芳香族系ポリイソシアネートと併用する脂肪族系ポリイソシアネートとしては市販品を用いることができる。例えば、上記トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートからなるアダクトとしてスミジュールHT(住化バイエルン社製)が挙げられる。
また、ポリイソシアネートとしては、電荷発生性分子骨格を有するポリイソシアネートあるいは電荷輸送性分子骨格を有するポリイソシアネートなども用いられる。
(水酸基を有する反応性電荷輸送性物質)
次に、本発明に好適に用いられる水酸基を有する反応性電荷輸送物質について説明する。
前記最表面層は、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質と芳香環を有するイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂を含有し、該反応性電荷輸送物質が下記一般式(1)で表される分子構造を有してなることは本発明の好適な態様である。
[式(1)中、nは、1〜4の整数を表し、nが1のときYは少なくとも2つの水酸基を有する炭素数1〜6の有機基であり、nが2以上のとき、Yは水酸基であるか、または少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜50までの有機基であり、Xは電荷輸送性化合物基を表す。前記有機基は水酸基以外の置換基を有していてもよい。]
上記式(1)において、有機基が、炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であるものが更に好ましい。すなわち、前記式(1)中、nは、1〜4の整数を表し、nが1のときYは少なくとも2つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、nが2以上のとき、Yは水酸基であるか、または少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、Xは電荷輸送性化合物基を表す。前記アルキル基又はアルコキシ基は水酸基以外の置換基を有していてもよい。
前記した反応性電荷輸送物質の一般式(1)において、電荷輸送性化合物基Xがジアリールアミノ基(−NAr1、Ar2)を有することが好ましい。ただし、ジアリールアミノ基:−NAr1、Ar2において、Ar1〜Ar2は、それぞれ独立して、置換又は無置換の芳香族基を表す。
また、前記反応性電荷輸送物質(1)において、電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(II)、(III)、および(IV)で表される分子構造を有することが本発明の好適な態様である。
前記電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(II)で表されるジアリールアミノ基(−NAr1、Ar2)の分子構造を有することが好ましい本発明の態様の1つである。
[式(II)中、Ar1〜Ar2は前記同様の基であり、Ar3は、Ar1〜Ar2と同様の置換又は無置換の芳香族基を表し、Ar1〜Ar3の少なくとも1つは前記Y基と結合する手を有する。この結合の手の数は前記式(1)中のY基の数nと同一である。]
また前記電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(III)で表されるジアリールアミノ基(−NAr1、Ar2)の分子構造を有することが好ましい本発明の態様の1つである。
[式(III)中、Ar1〜Ar2は前記同様の基であり、ArはAr1〜Ar2と同様の基であり、Ar1〜Ar3はそれぞれ独立して、置換又は無置換の芳香族基を表し、Arは置換又は無置換のアリーレン基を表し、R1は水素原子またはAr4を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。また、Ar1〜Ar3及びR1の少なくともいずれか1つが、前記一般式(1)中の置換基Yを有する(R1が水素原子の場合、置換基YをこのR1が有する場合には単結合となる)。なおこれらAr1〜Ar3及びR1(R1がアルキル基の場合か単結合の場合)が有する結合の手の数の合計量は、前記式(1)中のY基のn数と同一である。]
前記式(III)中の基R1が水素基である場合には下記一般式(2)で表される分子構造を有する。
[式(2)中、Ar1〜Ar3は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一であっても異なっていてもよい。Arはアリーレン基を表す。また、前記一般式(1)中のY基の数nは、式(2)中のAr1〜Ar3のアリーレン基の数と、前記Ar3を置換基とする炭素原子が有する結合の手(遊離価)の合計と同一であり、少なくともAr1〜Ar3及び前記Ar3を置換基とする炭素原子のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
また前記式(III)において基R1が水素原子でない場合には下記一般式(3)で表される分子構造を有する。
[式(3)中、Ar1〜Ar4は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(1)中のY基の数nは、前記Ar1〜Ar4のアリーレン基の合計の数と同一であり、少なくともAr1〜Ar4のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3及びAr4を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
また前記電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(IV)で表されるジアリールアミノ基(−NAr1、Ar2)の分子構造を有することが好ましい本発明の態様の1つである。
[式(IV)中、Ar〜Arは置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、Ar5〜Ar6はそれぞれ前記Ar〜Arと同様の基であり、これらは同一でも異なってもよく、Arは置換又は無置換のアリーレン基を表す。前記一般式(1)中のY基の数nは、前記Ar1、Ar2、Ar5、Ar6で示されるアリーレン基の合計の数と同一であり、少なくともAr1、Ar2、Ar5、Ar6のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。]
また、前記反応性電荷輸送物質(1)が、少なくとも隣接する2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した構造である下記一般式(4)で表される分子構造を有することも本発明の好適な態様の一つである。
[式(4)中、Rは炭素数1〜50の2価の有機基を表し、nは1〜4の整数を表す。また式中Xは前記したとおりである。]
式(4)において、2価の有機基Rとして、より好ましくは、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を挙げることができる。すなわち、前記式(4)中、Rは炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を表し、Xは電荷輸送性化合物基を表す。また、nは1〜4の整数を表す。
また、前記反応性電荷輸送物質(1)としてその式中の[Y]nが、下記一般式(6)で表される分子構造を有することが好ましい。
[式(6)中、Zは単結合または炭素数1〜50の有機基を表し、nは2〜4の整数を表す。なおZが有機基である場合には前記式(4)中のRと同じ意味である。]
前記した少なくとも2以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋樹脂は、ウレタン結合を形成してなるポリウレタン樹脂である。このポリウレタン樹脂は、多官能のイソシアネート化合物とポリオール化合物とが架橋反応して三次元網目構造を形成するため、耐摩耗性が高いバインダー樹脂として好適に用いられる。このようなポリオール化合物として反応性電荷輸送物質を用いる場合、その構造によって三次元網目構造の形成に不利な場合が発生する可能性がある。
例えば、本発明で使用される反応性電荷輸送性物質以外の構造を有する電荷輸送物質を用いた場合について考えると、電荷輸送化合物基が樹脂骨格の末端にぶら下がるペンダント構造となる。このような構造は、電荷輸送化合物基内などにポリオール成分がなければ末端分子となり、高分子構造を形成できず、樹脂層を形成することは不可能である。このため、このようなペンダント型構造は三次元網目構造を形成できず、ポリウレタンの三次元網目構造形成が阻害され、その結果、耐摩耗性は大幅に劣化してしまう。その対策として反応性電荷輸送物質含有量を低減し、ポリウレタン樹脂成分を増加すると、最表層の電荷移動性が低下し、光感度の低下、残留電位の上昇などの不具合が発生する可能性が大となる。すなわち、最表層の耐摩耗性と電気特性がトレードオフの関係になってしまう。
次に、本発明で好ましく使用される反応性電荷輸送性物質である、少なくとも2個の水酸基を有する電荷輸送性物質について説明する。本発明で使用される電荷輸送性物質は、前記した一般式(1):[Y]−Xで表される。このような一般式(1)で表される化合物のうち、Y基は、少なくとも隣接する炭素原子に2つの水酸基を有しているか、または直接乃至炭素数1〜50の有機基を介してX基と結合している電荷輸送性物質である。Y基が、少なくとも隣接する炭素原子に2つの水酸基を有している場合のより好ましい電荷輸送性物質としては、前記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。また直接乃至炭素数1〜50の有機基を介して一般式(1)中のX基と結合している好ましい電荷輸送性物質としては、前記一般式(6)で表される化合物が挙げられる。特にこれら一般式(4)および(6)中のX基は、前記一般式(II)、(III)、(IV)特に(2)、(3)で示されるX基であることが好ましい。
また、本発明ではこのようなX基を有する電荷輸送性物質は、少なくとも2個の水酸基を有しており、この水酸基は以下の2種類のいずれかであることが好ましい。
第1のものとしては、隣接する2つの炭素原子に水酸基を有するものを挙げることができる。特に前記第1のものとして、前記一般式(1)において、Y基が、前記一般式(4)で表される基を挙げることができる。
また第2のものとしては、前記一般式(1)において、Y基が、前記一般式(6)で表される基を挙げることができる。
これらの組み合わせにおいて、前記一般式(II)、(III)、(2)、(3)、(IV)におけるAr〜Ar6は、それぞれ独立して置換又は無置換の芳香族基(アリール基)を表す。ただし、Ar〜Ar6がY基と結合している場合には、これら置換又は無置換の芳香族基は2価の芳香族基(アリーレン基)が挙げられる。
具体的には、無置換の芳香族基としては、フェニル基、フェノキシフェニル基(o−、mまたはp−フェノキシフェニル基)、ビフェニル基、フェニルアルキレンフェニル基((アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンテン基(シクロペンテン基)、ヘキシレン基(シクロヘキシレン基)など)たとえば、フェニルエチルフェニル基(−φ(CH−φ−:φはC基)フェニルシクロヘキシレンフェニルフェニル基)、フェニルアルコキシレンフェニル基((アルコキシレン基としてはメトキシレン基(−CHO−)、エトキシレン基(−(CHO−)、プロポキシレン基(−CHCH(CH)O−)、ブトキシレン基など)たとえばフェニルエトキシフェニル基)、ターフェニル基、ナフタレン基、ピレン基などを挙げることができる。
また置換芳香族基の置換基としては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのC〜C10程度のアルキル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基などのC〜C10程度のアルキル基)、アルコキシアルキル基、ハロゲン(フッ素基、塩素基、臭素基、沃素基など)基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ、これら置換基から選択される1置換〜4置換のフェニル基、フェノキシフェニル基、ビフェニル基などを置換芳香族基として挙げることができる。
これら前記一般式(II)、(III)、(2)、(3)および(IV)で表されるX基には、前記式(1)で示されるY基をn個有している。このようなY基は隣接する2つの炭素原子に水酸基を有している基であるか、または前記式(6)で示される基である。前記隣接する2つの炭素原子に水酸基を有している基は、前記式(4)で示される基である。
前記式(4)において、Rは炭素数1〜50の2価の有機基であり、nは1〜4の整数である。ここで、Rとして、より好ましくは、炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、又はアルコキシ基である。
上記炭素数1〜50の2価の有機基としては、より具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンテン基、ヘキシレン基などの炭素数1〜50のアルキレン基、メトキシレン基、エトキシレン基、プロポキシレン基、ブトキシレン基、ペントキシレン基、ヘキソキシレン基などの炭素数1〜50の2価のアルコキシレン基、炭素数1〜50の2価のアルキレンカルボニルオキシ基などを挙げることができる。これらは、1種単独(たとえばメチレンオキシ基)で、または1種類で複数あるいは2種以上の複数種から、適宜選択することができる。例えば、1種類で複数の例としては、メチレンオキシプロポキシレン基など、2種以上の複数種の例としては、2価のアルコキシアルキレン基(たとえばメトキシエチレン基)、アルコキシアルキレンカルボニルオキシ基(メトキシペンテンカルボニルオキシ基など)などを挙げることができる。
このような前記一般式(II)、(III)、(2)、(3)および(IV)から選択されるX基と、前記式(4)または(6)から選択されるY基とからなる前記式(1)で表される電荷輸送性物質として、より具体的には、以下の例示No.1〜52に示されるX基を有する化合物を挙げることができる。
化16〜化21には、前記式(1)において、X基が前記式(II)で表され、Y基が前記式(4)で表される化合物の例;前記式(1)において、X基が前記式(II)で表され、Y基が前記式(6)で表される化合物の例;前記式(1)において、X基が前記式(III)で表され、Y基が前記式(4)で表される化合物の例;前記式(1)において、X基が前記式(III)で表され、Y基が前記式(6)で表される化合物の例;前記式(1)において、X基が前記式(IV)で表され、Y基が前記式(4)で表される化合物の例;前記式(1)において、X基が前記式(IV)で表され、Y基が前記式(6)で表される化合物のうち代表的なものの例を示している。
これらの反応性電荷輸送物質は、多官能のイソシアネート化合物との反応によって網目構造を形成するため、水酸基が1つしか存在しない反応性電荷輸送物質を用いたポリウレタン樹脂膜よりも大幅に耐摩耗性が向上する。これらの反応性電荷輸送性物質を用いた場合には、電荷輸送化合物基はポリウレタン鎖の主鎖として組み込まれてしまうことになる。
本発明では、より好ましい反応性電荷輸送性物質として、以下の例示No.53〜134に示されるX基を有する化合物を挙げることができる。
本発明では特定の反応性電荷輸送物質を用いると、上記不具合の発生が少なく、かつ高い耐摩耗性を達成することができる。これは、以下のような理由と考えられる。すなわち、本発明で使用される反応性電荷輸送物質(1)は、少なくとも水酸基を2個有するアルキレン基又は2価のアルコキシ基と電荷輸送化合物基が結合した構造を有しており、ポリウレタン鎖に2個以上の架橋点を有しながらペンダント型に結合すると考えられる。従って、ポリウレタン鎖の二次構造の影響を受けにくく、電荷輸送性化合物基に立体的なひずみが生じにくい構造になっているため、電荷移動が低下しにくく、感度低下や残留電位上昇を抑え、かつ高い耐摩耗性を達成していると考えられる。
また、本発明ではさらに好ましい反応性電荷輸送物質として、以下の例示No.163〜217に示されるX基を有する化合物を挙げることができる。
本発明の画像形成装置に搭載される潜像担持体には、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂が含まれ、上記した反応性電荷輸送性物質を用いると、前述の不具合の発生が少なく、かつ高い耐摩耗性を達成できる。これは、以下の理由が挙げられる。
すなわち、架橋性樹脂の形成に用いられる反応性電荷輸送性物質が、例えば、少なくとも水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基が2個以上電荷輸送性化合物基と結合した構造を有しており、ポリウレタン鎖に2以上の架橋点を有しながら主鎖に組み込まれる。
ここで、水酸基は炭素数1〜6のアルキレン基又はアルコキシレン基を介して電荷輸送性化合物基と結合しているため、電荷輸送化合物基とウレタン結合との間に炭素数2〜6のアルキレン基又はアルコキシレン基が存在する構造となる。炭素数1〜6のアルキレン基又はアルコキシレン基は、炭素鎖のコンフォメーションの自由度が非常に高いため、主鎖に組み込まれても、得られたポリウレタン鎖の二次構造の影響を受けにくく、電荷輸送化合物基に立体的なひずみが生じにくいため、電荷移動性の低下が生じにくく、感度低下や残留電位上昇を抑え、かつ高い耐摩耗性を達成していると考えられる。
本発明では前記反応性電荷輸送物質(1)において、電荷輸送性化合物基Xが前記一般式(II)、(III)、(2)、(3)および(IV)で表される分子構造を有することによって、よりいっそう残留電位の抑制が達成される。これは、本発明において、ウレタン結合形成時の立体的なひずみが生じにくいため、電荷輸送性化合物構造由来の電荷輸送性が発揮できる。
例えば、前記一般式(2)のスチルベン系化合物、一般式(3)のαフェニルスチルベン系化合物基は、水酸基を有していない非反応性電荷輸送物質として非常に良好な電荷輸送能を有しているため、水酸基を2つ有するアルキル基、アルコキシ基を導入した反応性電荷輸送物質の構造となっても、同様に非常に良好な電荷輸送能を発揮するものと考えられる。
また、本発明において好適に用いられる隣接した2つの炭素原子にそれぞれ水酸基を有する反応性電荷輸送物質は、より耐摩耗性が向上することがわかった。これについては、以下のような理由が考えられる。
すなわち、2つの水酸基が隣接した炭素原子と結合していることから、それらがともにイソシアネートと架橋すると、2つのポリウレタン結合が炭素−炭素結合でつながった構造となる。そこに電荷輸送化合物基がペンダント型にぶら下がった構造を形成するので、反応性電荷輸送物質に対する立体ひずみはほとんど起こらず、また、ポリウレタン鎖の主鎖に含まれる炭素数が最も少ない構成となり、網目構造がより密に形成され、耐摩耗性が向上するために、電荷輸送能の低下はほとんど起こらずに、良好な電子写真特性を保持しつつ、耐摩耗性の向上を達成することができると考えられる。
さらに、本発明に置いて好適に用いられる、前記構造式(4)の電荷輸送物質は、さらに良好な耐摩耗性を発揮するがその理由として以下のように考えられる。前記構造式(4)の電荷輸送物質は、水酸基が結合している隣接した炭素原子が分子末端に位置している。すなわち、これら2つの水酸基にとっては、立体障害の最も少ないコンフォメーションで存在することができるため、両水酸基とも非常に反応しやすい状態であるといえる。従って、架橋反応後に未反応のまま残存する水酸基は非常に少なくなると考えられ、このことから、架橋密度の高い塗膜を形成しやすく、残留官能基による電子写真特性への悪影響も非常に小さくなり、耐摩耗性が高く電子写真特性の良好な静電潜像担時体を得ることができると思われる。
本発明の最表層には必要に応じてポリオール化合物を含有することができる。該ポリオールとしては、官能基数が2以上であればよく、ジオールや3価以上のポリオールが用いられる。下記にポリオールを例示するが、本発明に用いられるポリオールはこれに限定されるものではない。
ジオールとしては、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
3価以上のポリオールとしては、多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
好ましく用いられるものとしてトリメチロールプロパン、あるいは、ヒドロキシエチル基が導入されたスチレン−アクリル共重合体下記構造式(I)で示されるポリオールが挙げられる(例えば、式中、l=28、m=42、n=30(数平均分子量1000以上、重量平均分子量約31000))。このようなポリオールの例として、例えば、下記構造式(b)で示される[スチレン/メチルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート];スチレン−アクリル共重合体LZR−170(藤倉化成社製)が挙げられる。
また、ポリエーテル骨格を有するポリオール、ポリエステル骨格を有するポリオール、アクリル骨格を有するポリオール、エポキシ骨格を有するポリオール、ポリカーボネート、骨格を有するポリオール、電荷発生性分子骨格を有するポリオールあるいは電荷輸送性分子骨格を有するポリオールなども用いられる。
本発明においては、各種ポリオールを組み合せて複数で用いることができる。
この場合、複数のポリオールの少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合(分子量/水酸基数=OH当量)が30以上150未満であることが好ましく、40以上120未満であることがさらに好ましい。
OH当量が30以上150未満のポリオールを組み合せることにより、耐摩耗性の高い最表面層を形成することができる。すなわち、OH当量の小さいポリオールの含有量を大きくすると、架橋密度が増加して、よりきめの細かい三次元網目構造を形成して耐摩耗性が向上すると考えられる。
ここで、上記OH当量が30以上150未満であるポリオールの含有量は、複数のポリオール全量に対して質量比で10〜90%であることが好ましい。
30以上150未満であるポリオールの含有量が10%より小さいと、耐摩耗性向上効果があまり発揮されない。また、90%よりも大きいと、架橋密度が高くなるために、保護層の耐摩耗性は高くなるが、官能基の数が多くなるために反応性も高くなり、塗工液とした場合の貯蔵安定性が低下して寿命が短くなってしまう。そのため、製造工程での不具合が発生しやすく、大量の有機廃液を発生させてしまう恐れがある。また、架橋点が多くなることから、架橋時の体積収縮が大きくなり、塗膜の割れやハジキによる欠陥が発生してしまう場合がある。
また、前記複数のポリオールの少なくとも1種類が、OH当量150以上1500未満のポリオールであることが好ましい。
複数のポリオールの少なくとも1種類を、OH当量が150以上1500未満のポリオールとすると、成膜性が良好でかつ形成された最表面層は高い耐摩耗性を有し、しかも最表面層形成用塗工液とした場合の貯蔵安定性が高く非常に良好な保存性を示す。
この理由としては、上記規定されたOH当量を有するポリオールは、分子量が比較的大きいため、塗工液に適度な粘性を持たせ、OH当量の小さいポリオールやポリイソシアネート、本発明に用いられる反応性電荷輸送物質の均一な混合状態を保持し、ウェット状態の塗膜のレベリング性、均一性が向上するためと考えられる。
最表層中における反応性電荷輸送性物質の含有量は5〜45wt%であることが好ましく、10〜35wt%であることがより好ましい。
5wt%よりも少ないと、導電性微粒子を含有した本発明の形態においても、電荷輸送能が不十分となり、残留電位が上昇してしまうことがあり、45wt%よりも多い場合、酸化性ガスに暴露されると画像濃度の低下が著しく、不具合が発生する場合があった。たとえば、コロトロンやスコロトロン帯電方式を用いた画像形成装置や、ブルーヒーターを使用している室内に設置された画像形成装置のように、装置内の酸化性ガス濃度が高くなりやすい場合、正常な画像を形成できなくなってしまうという現象が発生することが懸念される。さらに、本発明の画像形成装置のようにトリクル現像方式では、ほぼメンテナンスフリーに長期間使用されるため、帯電器などの交換間隔も長くなる。一般的に帯電器特にコロトロンやスコロトロン帯電方式では、長期間使用された帯電器の方が異常画像を引き起こしやすいことが知られており、本発明のように酸化性ガスに耐性がある静電潜像担時体が非常に有効である。
また、最表層には、さらに必要に応じて、平滑性、化学的安定性を向上させる目的で、種々の添加剤を加えても構わない。
最表層は、例えば、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて前記感光層上に形成される。これらの中でも、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が特に好ましい。
本発明の最表層の厚みは、0.5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは、1〜40μmであり、さらに好ましくは2〜20μmである。
0.5μmより薄いと、摩耗による消失や傷などに対する余裕度が小さすぎて、十分な耐久性を確保できないことが多い。一方、50μmよりも厚いと、残留電位の上昇などの不具合を発生させてしまう場合がある。従って、摩耗や傷に対する余裕度の確保と残留電位の発生が少なくなるような好適な膜厚で最表層を形成する必要がある。
[感光層]
次に、本発明の静電潜像担持体を構成する積層形感光層(複層型感光層)および単層型感光層について説明する。
<複層型感光層>
複層型感光層は、支持体上に電荷発生層CGL)と電荷輸送層(CTL)が、通常この順に積層されて形成される。
〔電荷発生層〕
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含有し、バインダー樹脂やさらに必要に応じてその他の成分を含んでなる。
電荷発生物質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料と有機系材料とのいずれかを用いることができる。
無機系材料としては限定するものではないが、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、などが挙げられる。
前記有機系材料としては限定するものではないが、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンまたはトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンまたはナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
電荷発生層のバインダー樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料または有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
電荷発生層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造することができる。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
電荷発生層の厚みに応じて、電子写真特性、特に光感度が変化し、一般的に厚みが厚いほど光感度が高くなる。従って、前記電荷発生層の厚みは、要求される画像形成装置の仕様(スペック)に応じて好適な範囲に設定することが好ましく、電子写真方式の感光体として要求される感度を得るためには、通常、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
〔電荷輸送層〕
本発明に置いては、電荷輸送層が最表層の場合は、前述のとおり、少なくとも感光層を有する静電潜像担持体において、前記静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂、及び導電性微粒子を含有してなる。
しかしながら、最表面層が電荷輸送層上に形成された保護層となるような構成の場合、電荷輸送層の耐摩耗性は低くても構わない。電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動性が良いことが要求される。
正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、さらには例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
電荷輸送層のバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
電荷輸送層は、上記電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成することができる。電荷輸送層には、さらに必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
電荷輸送層の厚みは、5〜100μmが好ましく、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、5〜30μmがより好ましい。
次に、単層型感光層について説明する。
<単層型感光層>
単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、バインダー樹脂、さらに必要に応じてその他の成分を含んでなる。
キャスティング法により単層感光層を設ける場合、かかる単層感光層は、例えば、少なくとも、電荷発生物質と、熱硬化性バインダー樹脂と、架橋性官能基を有する電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成することができる。また、かかる単層感光層には、必要により可塑剤を添加することもできる。
前記単層型感光層の厚みは、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。前記膜厚が5μm未満であると帯電性が低下することがあり、100μmを超えると感度の低下をもたらすことがある。
[支持体]
本発明の電潜像担持体における支持体は、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持体としては、導電体または導電処理をした絶縁体が好適であり、例えば、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属、またはそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属、あるいはIn23、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの;樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙などが挙げられる。
支持体の形状、大きさとしては特に制約はなく、板状、ドラム状あるいはベルト状のいずれのものも使用できる。ベルト状の支持体を用いると、内部に駆動ローラ、従動ローラを設ける必要があるなど装置が複雑化したり、大型化する反面、レイアウトの自由度が増すなどのメリットがある。しかし、保護層を形成する場合は、保護層の可撓性が不足して、表面にクラックとよばれる亀裂が入る可能性があり、それが原因で粒状の地肌汚れが発生することが考えられる。このため、支持体としては剛性の高いドラム状のものが好適である。
支持体と前記感光層との間には、必要に応じて下引き層を設けてもよい。下引き層は、接着性の向上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良、残留電位の低減などを目的として設けられる。
下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて慣用される塗工法によって形成することができる。
なお、下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層、Al23を陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作製法により設けたものなどを用いることもできる。
下引き層の厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
本発明の静電潜像担持体、いわゆる感光体においては、必要に応じて前記支持体上に、接着性、電荷ブロッキング性を向上させるために中間層を設けてもよい。中間層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に溶剤を含む溶液を用いて感光層を塗布形成することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
中間層の樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段とを少なくとも有し、転写手段、定着手段、クリーニング手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程とを少なくとも含み、転写工程、定着工程、クリーニング工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型であることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
本発明の画像形成装置に用いられる前記帯電手段としては、絶縁性の端部とその間に支持されているコロナ放電に用いられる少なくとも1本以上の細い導電性のワイヤ電極と、自身に印加される電圧により被帯電体の表面電位を規制可能な帯電グリッドを有するコロナ発生器、いわゆるスコロトロン型コロナ帯電器が用いられる。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
[コロナ帯電器の帯電グリッド]
<帯電グリッド基材>
コロナ帯電器の制御電極である帯電グリッドの基材としては従来使用されているものを用いることができる。帯電グリッドの材質としては、電極として機能するため導電体である金属が用いられる。電極としての機能としては金属であるアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属のほとんどが使用できるが、帯電器はコロナ放電により発生するオゾンやNOx等に曝露されるため、耐蝕性の高い金属が好ましく、クロムやニッケルを含んだステンレス等が用いられている。形状としてはコロナ放電で発生した電荷を感光体上へ移動させ、かつ制御電極としての機能を有する必要性から金属薄板にパンチング、エッチング等により開口部を設けたもの、または金属ワイヤを並べたものが通常用いられる。
今回用いた制御電極用の基材としては、厚さ0.1mm、長さ285mm、幅40mmのSUS304製板を用い、開口部長さ250mm、幅36mm部分に0.1mmの格子を45度の角度で0.5mm間隔で配したものを用いた。後述の実施例で用いた帯電グリッドの外観形状を図7に示す。
<帯電グリッド塗工膜について>
(ゼオライト)
本発明では放電生成物除去にゼオライトを利用している。ゼオライトは水晶のような結晶で、主にアルミニウムとケイ素から構成されている。結晶は非常に小さく、目視では形や大きさを見ることはできない。拡大して見ると、細孔と呼ばれる孔が多く存在することが確認できる。この独自の構造を持つゼオライトは、今まで自然界に40種類以上発見されている。
吸着・分解機能に代表されるゼオライトの特徴をさらに活かすため、工業的に作られたものを合成ゼオライトと呼ぶ。合成ゼオライトは、能力が高く天然ゼオライトにはない種類のものが多数存在するが、コストが高いことが欠点である。
第3のゼオライトとして登場したのが人工ゼオライトである。石炭灰などの廃棄物と考えられていた物質を処理することで、地球と人類に有益なゼオライトに変える。しかも低コストであるため、現在、大きな注目を集めている材料である。
・吸着機能
ゼオライトは様々なものを吸着する働きがあり、そのメカニズムは脱臭剤や乾燥剤と類似している。この機能を活かすことで、有害物質の吸着や悪臭の除去が可能である。
・陽イオン交換機能
ゼオライトは天然ゼオライトの約2〜3倍という高い陽イオン交換機能を持っており、この機能を活かすことで、酸性を中和する土壌改良や汚水・排水中のアンモニウムイオンの除去などが可能である。
・触媒機能
ゼオライトには触媒としての機能があり、この機能を利用して、窒素酸化物(NOx)の分解等が研究されている。
本発明に用いられるゼオライトの種類は問わないが、ゼオライトは結晶形と陽イオンの種類により細孔の大きさが変化するため吸着できる分子が異なる。そのため目的物質により結晶形と陽イオン種を選択すると効果的な除去が可能である。結晶形にはA型・X型・Y型・L型・モルデナイト型・フェリエライト型・ZSM−5型・ベータ型などがあり、陽イオン種にはカリウム・ナトリウム・カルシウム・アンモニウム・水素などがある。また、ゼオライトを構成するアルミニウムとケイ素の比率により吸着能や触媒能は変化し、最適な比率とすることで目的物質の除去が効率的に行うことができる。
(バインダー樹脂)
ゼオライトを帯電グリッドに保持する目的でバインダー樹脂を用いる。バインダー樹脂は天然樹脂、合成樹脂を問わず使用でき、合成樹脂の例では、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。塗工膜は放電に対する耐久性とバインダー樹脂での密着性が求められるが、ゼオライト表面を覆うことによる放電生成物除去効果の阻害が起こらない範囲のバインダー樹脂比が望ましい。そのため、熱による重合反応で網目構造を形成する熱硬化性樹脂が少ないバインダー樹脂比で密着性が良いため好ましい。また、場合により2種類のバインダー樹脂を用いることもできる。
バインダー樹脂がゼオライトを覆ってしまうことによる放電生成物除去機能の低下が起きないとされるバインダー比は通常10wt%程度とされていたが、評価によりバインダー樹脂比が30wt%付近でも放電生成物除去機能は低下しておらず、密着性との両立が可能であることが確認されている。
(導電剤)
ワイヤ又は金属板の加工品からなる帯電グリッド基材は本来導電性を有するが、ゼオライトとバインダー樹脂に覆われるため電気抵抗が大きくなり、表面電位制御の役割を果たさない。そのため導電性を付与させる目的で、導電剤をバインダー樹脂中に分散させている。ここで導電剤にはグラファイト、ニッケル、銅、銀等の金属微粒子の類やアンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ、アンチモン酸亜鉛等の金属酸化物の類や活性炭といった導電性の粒子を用いることができる。帯電グリッドは使用中常に放電下に置かれるため、用いる材料は放電に対する耐久性が求められ、グラファイトやニッケル等の金属、および酸化スズ、アンチモン酸亜鉛のような非ドーピング型金属酸化物が経時使用および環境変動に対して安定しており好ましい。また、導電剤は含有率が少ないほど、他の機能である膜の密着性や放電生成物除去機能を阻害しないため、粒子自体の導電性は高く、粒径は小さいほうが好ましい。本発明では粒径0.01mm〜15mmの範囲の導電性微粒子を使用した。また導電性を示すバインダー樹脂も導電剤として用いることができる。場合により2種類の導電剤を用いることもできる。
<帯電グリッドへの塗工法>
塗工液はまずバインダー樹脂を溶媒に対して比率5〜10wt%程度となるように作成し、攪拌している中にゼオライト粒子および導電剤を加えることにより作成した。スプレー塗工の際には塗工液固形分濃度は30wt%以下とした。
作成した液を帯電グリッドへ塗工する方法としては、ディッピング方式、ローラ塗工、電気泳動電着法等があるが、今回最も塗工ムラの少ないスプレー方式を用いた。帯電グリッドを長軸方向両端からテンションを張り直径30mmの円筒状の基盤の長手方向に設置し、円筒を周方向に170rpmの速度で回転させているところを水平方向にスプレーを10mm/sec.の速度で走査させることにより塗工を行った。両面を塗工するために3mm程度基盤から浮かせて帯電グリッドを設置した。スプレー塗工後乾燥機によって130℃で30分加熱し、乾燥することで膜を固定した。
塗工は表裏を片面ずつ行ない、片面の塗工が済み10分放置させた後反対面を塗工した。塗工膜厚は30μmとした。
また、帯電グリッドの基材がワイヤである場合には、ワイヤの周囲に均一な塗膜を形成する。
前記では導電剤を含む塗膜形成材料を用いて塗膜を形成したが、バインダー樹脂とゼオライトからなる塗膜形成材料を用いて塗膜を形成した後に導電剤を後から塗布するか打ち込むことによって塗膜を形成してもよい。
〔露光工程及び露光手段〕
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
〔現像工程及び現像手段〕
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有することが好ましい。
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としてはトナーとキャリアとからなる二成分現像剤が用いられる。
<トナー>
前記トナーは、少なくともバインダー樹脂、着色剤、及び外添剤を含有してなり、好ましくは離型剤、帯電制御剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。前記含有量が0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。その中でも、シリカ、酸化チタンの2種を用いる場合には、トナーに対して添加剤の埋没を抑制する効果と、トナーの帯電を安定させる効果とが特に大きく発揮される。
本発明においては、帯電量が−40μC/g〜−80μC/gで、疎水化度が60%以上の酸化チタンを含有することが、キャリアを含有したプレミックス現像剤において、優れた流動性や凝集体がないか少ないトナーを得るために、極めて重要である。
また、前記外添剤が疎水性シリカを含有し、該シリカと酸化チタンとの含有質量比(Si/Ti)が、1.0〜2.0であることが好ましい。疎水性酸化チタンは、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性が悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子だけでは、この副作用が大きくなることが考えられる。従って、該シリカと酸化チタンを併用し、かつ前述の含有質量比とすることで、帯電立上り特性の悪化を抑制しつつ、環境安定性、画像濃度安定性を確保することができるのである。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
疎水性酸化チタン粒子としては、有機珪素化合物で表面処理した酸化チタン粒子を用いることができる。有機珪素化合物としては、シランカップリング剤、シリコーンオイルが挙げられるが、これらの中でも、シランカップリング剤が本発明の疎水性酸化チタン粒子を得るのに適している。
前記シランカップリング剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、オルガノアシルオキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノシラン、オルガノシラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプも使用することもできる。この中で、好適にはオルガノアルコキシシラン及びオルガノアシルオキシシランがより好適に用いられ、疎水化度50〜80%の疎水性酸化チタン粒子を有利に得ることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[トナーの製造方法]
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。
〈混練・粉砕法〉
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
〈重合法〉
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して製造する方法が好適であり、具体的には、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と、着色剤と、離型剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させた、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
本発明で用いられるトナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.93〜1.000が好ましく、0.940〜0.99がより好ましい。
前記平均円形度が、0.930未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
ここで、前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。例えば東亜医用電子社(株)製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10ー3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上、159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬株式会社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(SMT社製、UH−50)で20kHz,50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4,000〜8,000個/10−3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上、159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜9μmが好ましい。一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。なお、体積平均粒子径(Dv)の測定は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「「コールターカウンターTAII」」を用いてアパーチャー径100μmで測定した体積平均粒子径(Dv)の値により自動的に測定される。
前記質量平均粒径が、5μm未満であると、転写性やクリーニング性が悪くなり、それが原因の異常画像を引き起こしたり、キャリアの表面にトナーが融着しやすく、プレミックストナー中のキャリア寿命を短くしてしまうことがあり、9μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.00〜1.10がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」などを用いて測定することができる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
〔現像剤〕
前記現像剤は、前記トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が好ましく用いられる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記キャリアの体積固有抵抗は7Log(Ω・cm)〜13Log(Ω・cm)であることが好ましい。前記体積固有抵抗が、7Log(Ω・cm)未満であると、キャリア付着を生じ易い。さらに、本発明の画像形成装置はトリクル現像方式であるため、トナーの消費量に従って、プレミックストナー中に含まれるキャリア粒子も補給される。キャリア粒子の固有抵抗にはある程度の幅があり、固有抵抗7Log(Ω・cm)以下の粒子の含有量も多くなってしまう。そのため、キャリア付着する粒子が増え、感光体摩耗の要因となってしまう。また、13Log(Ω・cm)を超えると、エッジ効果が大きくザラツキ感が大きい画像となってしまう。文字コピーでは特に大きな問題はないが、カラーコピーであると、絵をコピーした場合、上記の不具合が生じる。また、現像時にキャリアの穂がかたくなり、スジ・ムラが生じ易くなる場合がある。
また、前記キャリアの体積平均粒径は、30μm〜60μmであることが好ましく、さらに好ましくは40〜55μmがよい。30μm未満であると、前記体積平均粒径が30μm未満であると、被覆層の形成時に造粒し易く、かたまり状のキャリアが多量に出来てしまい、製造時のトラブルが生じる。また、現像スリーブからキャリア飛散が著しくなる。
さらに、本発明の画像形成装置はトリクル現像方式であるため、トナーの消費量に従って、プレミックストナー中に含まれるキャリア粒子も補給される。キャリア粒子の粒径にはある程度の幅があり、平均粒子径が30μm未満のキャリアは、さらに粒径の小さいキャリア粒子も含んでいることになり、これらは、キャリア付着を起こしやすく、感光体摩耗の要因となってしまう。また、60μmを超えると、ベタ均一性が悪く、ベタ部にキャリアの引っかき傷が生じる場合がある。また、絵の原稿をコピーした場合、画像の先端部(コピー紙の排紙方向に対して)エッジ効果が生じる、ドット再現性がよくない、ザラツキ感がよくない等の画像品質の低下が見られることがある。
前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部が好ましい。
〔転写工程及び転写手段〕
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
〔定着工程及び定着手段〕
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着部材としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置としては、前記静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。
ここで、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図6を参照して、画像形成装置全体の構成及び動作について説明する。
図6中1は、画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された本発明の静電潜像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像部(現像装置)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
27は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、28は中間転写ベルト27上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する第2転写バイアスローラ、29は中間転写ベルト27上の未転写トナーを回収する中間転写ベルトクリーニング部、30は4色カラーのトナー像が転写された記録媒体Pを搬送する搬送ベルト、32Y、32M、32C、32BKは各現像部23Y、23M、23C、23BKに各色のトナーを補給するトナー補給部、47Y、47M、47C、47BKは各現像部23Y、23M、23C、23BKに新たにキャリアを補給するキャリア補給部、51は原稿Dを原稿読込部55に搬送する原稿搬送部、55は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部(スキャナ)、61は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、66は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング部25が、一体化されたものである。各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成が行われる。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図6中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部55は、コンタクトガラス53上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。更に、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示である。)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、図6の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電部22との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。
帯電器としては、前述のスコロトロン型コロナ帯電器が用いられる。
その後、帯電された感光体ドラム21表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。
書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、ミラー6〜8で反射された後に、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー3により、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、ミラー9〜11で反射された後に、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、ミラー12〜14で反射された後に、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム12表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、ミラー15で反射された後に、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
静電潜像担持体への書き込みは、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21表面は、それぞれ、現像部23Y、23M、23C、23BKとの対向位置に達する。そして、各現像部23Y、23M、23C、23BKから感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、クリーニング部25との対向位置に達する。そして、クリーニング部25で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、第2転写バイアスローラ28位置の記録媒体Pは、給紙部61から搬送ガイド63、レジストローラ64等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された記録媒体Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト30により、定着部66に導かれる。定着部66では、加熱ローラ67と加圧ローラ68とのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
−反応性電荷輸送物質の調製例−
次に、後述する本発明に係る静電潜像担持体の作製において保護層を形成するために用いる電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)は、例えば、特許公報第3540056号等に開示された合成法によって得ることができる。
以下に、具体的な合成法を示す
[電荷輸送性ポリオール(CTP−2)の合成例]
〔4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチルの合成〕
4−メトキシベンジルクロリドと亜リン酸トリエチルを150℃で5時間反応させた。その後、減圧蒸留により、過剰な亜リン酸トリエチルと副生物のエチルクロリドを留去し、4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。
〔4−メトキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンの合成〕
等モルの4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチルと4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンズアルデヒドをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、水冷下撹拌しながらtert-ブトキシカリウムを少しづつ添加した。室温で5時間撹拌後、水を添加し、酸性にして析出した目的物の粗収物を得た。更に、シリカゲルによるカラムクロマトグラフにより精製して目的物の4−メトキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンを得た。
〔4−ヒドロキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンの合成〕
得られた4−メトキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンと二倍当量のナトリウムエタンチオラートとをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、130℃で5時間反応させた。その後、冷却して水に開け、塩酸で中和し、酢酸エチルで目的物を抽出した。抽出液を水洗、乾燥、溶媒留去して粗収物を得た。更に、シリカゲルによるカラムクロマトグラフにより精製して、下記構造式(CTP−1)に示す、目的物の4−ヒドロキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンを得た。
〔1、2−ジヒドロキシ−3−[4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン−4−イルオキシ]プロパンの合成〕
かき混ぜ装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、4−ヒドロキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン11.75g、グリシジルメタクリレート4.35g、トルエン8mlを入れ、90℃に昇温した後、トリエチルアミン0.16gを加え、95℃で8時間加熱撹拌した。その後、トルエン16ml、10%水酸化ナトリウム水溶液20mlを加え、更に95℃で8時間加熱撹拌した。
反応終了後、酢酸エチルで希釈し、酸洗浄後水洗してから溶媒を留去して粗収物19gを得た。更に、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ(溶媒:酢酸エチル)により、下記構造式(CTP−2)に示す、目的物1、2−ジヒドロキシ−3−[4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン−4−イルオキシ]プロパン(OH当量232.80)を得た(収量9.85g、黄色結晶、融点127〜128.7℃)。また、IR測定データを図3(IRデータNo.1)に示す。
上記のように、メトキシ基を有するトリフェニルアミン誘導体を合成し、その後は上記と同様の反応経路で他の1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ基を有する電荷輸送性ポリオールについても合成することができる。
上記反応経路において、水酸基を有する電荷輸送物質とグリシジルメタクリレートを反応させた後、アルカリ加水分解を経ることで、1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ基を導入することができるので、電荷輸送性と耐摩耗性のバランスを図りながら水酸基数を任意に決定することができる。なお、水酸基を有する電荷輸送物質の水酸基数は分子構造の設計により任意(理論的には無限)に増やすことが可能である。本発明においては、1,2−ジヒドロキシプロピルオキシ基は、1〜4とするのが好ましい。
[電荷輸送性ポリオール(CTP−4)の合成例]
先ず、(CTP−3)を合成する。
すなわち、目的化合物の構造に必要な誘導体を用い、上記の合成例と同様の反応経路により、下記構造式(CTP−3)に示すヒドロキシαフェニルスチルベン誘導体({4-[2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-ビニル]-フェニル}-ジ-p-トルイル-アミン)を合成する。
上記アミン(CTP−3)33.9gと炭酸カリウム35gを撹拌装置の付いた反応容器に入れ、DMAc120mlとニトロベンゼン3mlを加えて溶解させた。次いで、2-ブロモエタノール70.5gを滴下注入し100℃で18時間反応させた。その後、室温まで冷却し、不溶物を除き、トルエンで希釈した。その後、トルエン溶液を食塩水及び水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水した。その後、濾過してトルエンを留去し目的物の粗収物39.6gを得た。その後、シリカゲルを充填したカラムを用いジクロロメタン/酢酸エチル(20/1〜3/1)の混合溶媒を展開溶媒としたカラムクロマトにより精製し、さらにトルエン/シクロヘキサン(2/1)の混合溶媒にて二回再結晶精製し、下記構造式(CTP−4)の目的物(2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール)(OH当量:285.86)を得た(収量22.3g、黄色結晶、融点は、178.5〜179.0℃)。
上記のように、水酸基を有する電荷輸送物質と2−ブロモエタノールを反応させることで、2ヒドロキシエトキシ基を導入することができる。上記反応に置いて、ブロモアルコールの炭素数を制御することで、任意の炭素数のヒドロキシルアルコキシ基を導入することができ、電荷輸送性と耐摩耗性のバランスを図りながら水酸基数を任意に決定することができる。
[p−ジエチルアミノフェネチルアルコールの合成例]
p−アミノフェネチルアルコール9.6g(70mmol)、炭酸カリウム38.7g(280mmol)、及びモノクロロベンゼン100mlを四ツ口フラスコ中、アルゴン雰囲気下、120℃で加熱撹拌した。ここへヨウ化エチル32.8g(210mmol)を5時間かけて滴下し、滴下後更に5時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタンで希釈し、3回水洗した。このジクロロメタン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、トルエン/酢酸エチル(2/1)混合溶媒を溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p−ジエチルアミノフェネチルアルコール12.1g(収率:89質量%)を合成した。
上記のように、水酸基を有する1級または2級アミンとハロゲン化アルキルを反応させることで、容易に所望の3級アミンを得ることができる。
〔静電潜像担持体1の作製〕
以下の手順で静電潜像担持体1を作製した。
〈下引き層の形成〉
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)15質量部、及びメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)10質量部を、メチルエチルケトン150質量部に溶解した。これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL、石原産業社製)90質量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
次に、得られた下引層用塗工液を直径60mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法により塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
〈電荷発生層の形成〉
次に、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL、UCC社製)4質量部をシクロヘキサノン150質量部に溶解した。これに下記構造式(A)で表されるビスアゾ顔料10質量部を加え、ボールミルで48時間分散した後、シクロヘキサノン210質量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5質量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈し、電荷発生層用塗工液を調製した。
得られた電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
〈電荷輸送層の形成〉
次に、テトラヒドロフラン100質量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10質量部、シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業社製)0.002質量部、及び下記構造式(B)で表される電荷輸送物質7質量部を加えて溶解し、電荷輸送層用塗工液を調製した。
得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗工法により塗工し、110℃にて20分間乾燥し、厚み22μmの電荷輸送層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]20質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔前記構造式(CTP−4)〕20質量部、p-ジエチルアミノフェネチルアルコール5質量部をシクロヘキサノン50質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にトリレンジイソシアネートのポリオールアダクト体[コロネートL:NCO%=13%、固形分75%;日本ポリウレタン工業社製]38質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚8μmの保護層(最表面層)を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体1を作製した。
〔静電潜像担持体2の作製〕
静電潜像担持体1と同様にして、電荷輸送層まで形成した後、次の条件で保護層(最表面層)を形成した。
<保護層の形成>
テトラヒドロフラン100質量部に、アンチモン酸亜鉛ゾル(商品名;セルナックスCX−Z210、日産化学工業社製、固形分20質量%、体積平均粒径0.04μm)16質量部を添加し、10分間の超音波照射を実施して分散処理し、分散液Iを調製した。
次に、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]21質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔前記構造式(CTP−4)〕20質量部、p-ジエチルアミノフェネチルアルコール5.3重量部をシクロヘキサノン51質量部、及びテトラヒドロフラン80質量部に溶解し、更にヘキサメチレンジイソシアネートのポリオールアダクト体[スミジュールHT:NCO%=13%、固形分75%;住化バイエルン社製]39質量部を溶解し、前述した分散液Iに加え、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚8μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体2を作製した。
〔静電潜像担持体3の作製〕
静電潜像担持体1と同様にして、電荷輸送層まで形成した後、次の条件で保護層(最表面層)を形成した。
<保護層の形成>
テトラヒドロフラン100質量部に、アンチモン酸亜鉛ゾル(商品名;セルナックスCX−Z210、日産化学工業社製、固形分20質量%、体積平均粒径0.04μm)17質量部を添加し、10分間の超音波照射を実施して分散処理し、分散液IIを調製した。
次に、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]27.5質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔構造式(CTP−4)〕20質量部、p-ジエチルアミノフェネチルアルコール5.7重量部をシクロヘキサノン55質量部、及びテトラヒドロフラン90質量部に溶解し、更にトリレンジイソシアネートのポリオールアダクト体[コロネートL:NCO%=13%、固形分75%;日本ポリウレタン工業社製]42質量部を溶解し、前述の分散液IIに加え、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚8μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体3を作製した。
〔静電潜像担持体4の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、ベンジルメチルエタノールアミン(アルドリッチ社製)を用い、さらにポリオール(LZR−170)を16質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔前記構造式(CTP−4)〕を23.6質量部、イソシアネート(コロネートL)を43質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体4を作製した。
〔静電潜像担持体5の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、4−ジエチルアミノフェノール(アルドリッチ社製)を用い、さらにポリオール(LZR−170)を16質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔前記構造式(CTP−4)〕を23.6質量部、イソシアネート(コロネートL)を43質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体5を作製した。
〔静電潜像担持体6の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、p-ジベンジルアミノフェネチルアルコールを用い、さらにポリオール(LZR−170)を22質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔前記構造式(CTP−4)〕を23.6質量部、イソシアネート(コロネートL)を40質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体6を作製した。
〔静電潜像担持体7の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を23質量部、2-(4-{2-[4-(ジ-p-トルイル-アミノ)フェニル-]-1-[4-(2-ヒドロキシ-エトキシ)-フェニル]-ビニル}-フェノキシ)-エタノール〔構造式(CTP−4)〕の代わりに、{4-[2,2-ビス-(4-ヒドロキシフェニル)-ビニル]-フェニル}-ジ-p-トルイル-アミン〔前記構造式(CTP−3)〕20質量部、イソシアネート(コロネートL)を44質量部としたを加えた以外は、静電潜像担持体3と同様にして静電潜像担持体7を作製した。
〔静電潜像担持体8の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を32質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−5)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を40質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体8を作製した。
〔静電潜像担持体9の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を7.5質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−6)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を53質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体9を作製した。
〔静電潜像担持体10の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を22質量部、CTP−4の代わりに前記構造式(CTP−2)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を45質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体10を作製した。
〔静電潜像担持体11の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を20質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−7)の電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を46質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体11を作製した。
〔静電潜像担持体12の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を27質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−8)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を42質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体12を作製した。
〔静電潜像担持体13の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を29質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−9)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を41質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体13を作製した。
〔静電潜像担持体14の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を12質量部、CTP−4の代わりに下記構造式(CTP−10)で示される電荷輸送物質を20質量部、イソシアネート(コロネートL)を50質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体14を作製した。
〔静電潜像担持体15の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を66質量部、CTP−4を6質量部、イソシアネート(コロネートL)を39質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体15を作製した。
〔静電潜像担持体16の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を74質量部、CTP−4を2.5質量部、イソシアネート(コロネートL)を39質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体16を作製した。
〔静電潜像担持体17の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を12質量部、CTP−4を26質量部、イソシアネート(コロネートL)を42質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体17を作製した。
〔静電潜像担持体18の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を0.1質量部、CTP−4を33質量部、イソシアネート(コロネートL)を44質量部とし、アンチモン酸亜鉛を加えなかった以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体18を作製した。
〔静電潜像担持体19の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を59質量部、イソシアネートとしてキシレンジイソシアネート[タケネート500:NCO%=45%;三井武田ケミカル社製]を22質量部、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールを7.2質量部、とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体19を作製した。
〔静電潜像担持体20の作製〕
静電潜像担持体19の作製において、ポリオール(LZR−170)を62質量部、イソシアネートとして、トリレンジイソシアネート[コスモネートT-80:NCO%=48%;三井武田ケミカル社製]を21質量部とした以外は静電潜像担持体19と同様にして、静電潜像担持体20を作製した。
〔静電潜像担持体21の作製〕
静電潜像担持体19の作製において、ポリオール(LZR−170)を56質量部、イソシアネートとして、ナフタレンジイソシアネート[コスモネートND:NCO%=40%;三井武田ケミカル社製]を7.2質量部とした以外は静電潜像担持体19と同様にして、静電潜像担持体21を作製した。
〔静電潜像担持体22の作製〕
静電潜像担持体19の作製において、ポリオール(LZR−170)を47質量部、イソシアネートとして、ポリメリックMDI[コスモネートM-100:NCO%=30%;三井武田ケミカル社製]を29質量部とした以外は実施例19と同様にして、静電潜像担持体22を作製した。
〔静電潜像担持体23の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)の代わりにトリメチロールプロパン(OH当量:45)を7質量部、イソシアネート(コロネートL)を53質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体23を作製した。
〔静電潜像担持体24の作製〕
静電潜像担持体23の作製において、トリメチロールプロパンを6質量部、イソシアネート(コロネートL)を49質量部、アンチモン酸亜鉛の代わりに、酸化スズコロイド(商品名;サンコロイドHIT301M1、日産化学工業社製、固形分30質量%、体積平均粒径0.01μm)を24質量部とした以外は静電潜像担持体23と同様にして、静電潜像担持体24を作製した。
〔静電潜像担持体25の作製〕
静電潜像担持体23の作製において、トリメチロールプロパンを7質量部、イソシアネート(コロネートL)を53質量部、アンチモン酸亜鉛の代わりに、導電性酸化チタン微粒子(商品名;ET-500W、石原産業社製、体積平均粒径0.25μm)を3.5質量部とした以外は静電潜像担持体23と同様にして、静電潜像担持体25を作製した。
〔静電潜像担持体26の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、アンチモン酸亜鉛ゾルの代わりに特開平7−144917号公報の実施例2に開示されている方法に基づき、アンチモン酸インジウムのメタノールゾル(固形分18質量%、体積平均粒径 0.026μm)を作製し、アンチモン酸亜鉛ゾルの代わりに20質量部添加した以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体26を作製した。
〔静電潜像担持体27の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールを加えず、さらにポリオール(LZR−170)を46質量部、イソシアネート(コロネートL)を39質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体27を作製した。
〔静電潜像担持体28の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、ベンジルエタノールアミン(アルドリッチ社製)を用い、さらにポリオール(LZR−170)を11質量部、イソシアネート(コロネートL)を50質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体28を作製した。
〔静電潜像担持体29の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、ジベンジルアミン(アルドリッチ社製)を用い、さらにポリオール(LZR−170)を28質量部、イソシアネート(コロネートL)を42質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体29を作製した。
〔静電潜像担持体30の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、p-ジエチルアミノフェネチルアルコールの代わりに、N−ベンジル−N−エチルアニリン(アルドリッチ社製)を用い、さらにポリオール(LZR−170)を38質量部、イソシアネート(コロネートL)を36質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体30を作製した。
〔静電潜像担持体31の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を34質量部、イソシアネート(コロネートL)を38質量部、CTP−4のかわりに、下記構造式(CTP−11)に示される電荷輸送物質を20質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体31を作製した。
〔静電潜像担持体32の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、ポリオール(LZR−170)を34質量部、イソシアネート(コロネートL)を38質量部、CTP−4のかわりに、下記構造式(CTP−1)で示される電荷輸送物質を20質量部とした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体32を作製した。
〔帯電グリッド1の作製〕
以下に示す材料を用いて塗工液を作成した。ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比は5/3/2とし、液の固形分濃度は30wt%となるよう調整した。
〈塗工液〉
ゼオライト:β型ゼオライト(980HOA 東ソー製)
導電剤:アンチモン酸亜鉛(セルナックス CX-Z210IP日産化学工業製)
バインダー樹脂:アルキド樹脂(ベッコゾール;1307-60-EL、大日本インキ化学工業製)/メラミン樹脂(スーパーベッカミン;G-821-60、大日本インキ化学工業製);[アルキド樹脂/メラミン樹脂=3/2(重量比)]
分散媒:2−ブタノン
上記塗工液をコロナ帯電器の帯電グリッドにスプレーにより塗工し、帯電グリッド1を作製した。
(トナー製造例1)
−ポリオール樹脂1の合成−
撹拌装置、温度計、N2導入口、及び冷却管を備えたセパラブルフラスコ内に、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量1000)1000g、テレフタル酸50g、安息香酸10g、及びキシレン300gを加えた。N2雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させ、ポリオール樹脂1を合成した。
得られたポリオール樹脂1の数平均分子量2,800、質量平均分子量16,500、ガラス転移温度(Tg)61℃であった。
−トナーの作製−
次に、下記処方のトナー材料を、ヘンシェルミキサー(三井三池株式会社製)を用いて混合した後、ロール表面を60℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行った。その後、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕機(I−2式ミル、日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機、日本ニューマチック工業株式会社製)を行い、トナー母体粒子1を作製した。
〈トナー処方〉
バインダー樹脂:ポリオール樹脂1…100質量部
着色剤:シアン顔料(銅フタロシアニン)…5質量部
帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント化学工業株式会社製)…2質量部
得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン株式会社製)1.2質量部、及び酸化チタン(JMT−150IB、テイカ株式会社製、帯電量:−45μC/g、疎水化度:67%)0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー1を作製した。
得られたトナー1について、以下のようにして測定したトナーの体積平均粒径は7.0μm、平均円形度は0.92であった。
<トナーの体積平均粒径(Dv)の測定>
トナーの体積平均粒径(Dv)は、コールターカウンター法により測定することができる。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの質量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。また、(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
<トナーの平均円形度の測定>
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10-3cm3の水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(和光純薬株式会社製、コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz、50W/10cm3の条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10-3cm3(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06μm〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
(実施例1〜26および比較例1〜6)
実施例1〜26として、上記で得られた静電潜像担時体1〜26を用い、また、比較例1〜6として、上記で得られた静電潜像担時体27〜32を用いて、以下の通紙試験、劣化加速試験を実施した。
<耐摩耗性、通紙試験の評価>
27℃80%RH環境下、静電潜像担持体をプロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザーを用いた株式会社リコー製imagio Neo C600改造機(スコロトロン型コロナ帯電器を全ステーションに搭載し、該コロナ帯電器の帯電グリッドには、前記帯電グリッド1を用いた。また、トナーとして前記トナー1を用いた。)を用い、初期暗部電位を−800Vに設定した。その後、A4サイズ5万枚の通紙試験を実施した。通紙試験に用いた原稿画像は、画像上のトナー被覆面積率が各色20%となるような全面ハーフトーン画像を用いた。通紙試験の後、装置の電源を切り、16時間放置した。放置後、再度装置の電源を入れ、全面ハーフトーン画像出力により、コロナ帯電器直下の画像流れの発生有無ならびに、その他異常画像の発生の有無を確認した。なお、評価は下記基準により行った。
◎・・・コロナ帯電器直下画像ボケ発生せず
○・・・コロナ帯電器直下画像ボケが発生するが、許容レベル
△・・・コロナ帯電器直下画像ボケがわかる程度に発生し、許容できないレベル
×・・・コロナ帯電器直下画像ボケがくっきり発生し、許容できないレベル
さらに、5万枚複写後のコロナ帯電器直下以外の画像、及び5万枚複写後の膜厚減少量を測定した。膜厚減少量は、該通紙試験前後の感光層の厚みを渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて1cm間隔に30点測定し、その平均値を算出し、両者の平均値の差を膜厚減少量とした。
<劣化加速試験及び劣化加速試験後の露光部電位の評価>
上記で得られた各静電潜像担持体を、特開2002−139958公報に開示されている感光体劣化加速試験装置を用いて、表面電位-800V、ドラム通過電流−35μA、試験時間4時間の劣化加速試験を施した後、現像スリーブ部に表面電位計(トレック社製 モデル344)のプローブが設置されるように改造した現像ユニットを搭載した上記画像形成装置に搭載し、さらに、非露光部電位(VD)が−800Vになるように帯電器の電圧を調節した後、1200dpi全面ベタ画像相当の書き込みを行った時の現像スリーブ部での表面電位を測定して、露光部電位の残留電位を評価した。
以上の評価結果を下記表1に示す。
実施例1〜26の結果から、本発明の静電潜像担持体とコロナ帯電器を用いた画像形成装置は、良好な画像特性、高い耐摩耗性、良好な静電特性を示すことが確認できた。いくつかの評価では、試験後わずかな異常画像が見られたが、実使用上問題ないレベルであった。これに対して、本発明の要件を満たさない静電潜像担持体を用いた比較例1〜6では、本発明の要件を満たすコロナ帯電器を用いても、顕著な画像ボケが発生したり、耐摩耗性が不十分となることが確認できた。
〔静電潜像担持体33の作製〕
静電潜像担持体3の作製において、円筒状アルミニウム基体の直径を100mmのものとした以外は静電潜像担持体3と同様にして、静電潜像担持体33を作製した。
〔帯電グリッド2の作製〕
導電剤として活性炭(RP−20 クラレケミカル製)を用いた以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド2を作製した。
〔帯電グリッド3の作製〕
導電剤として酸化スズ(S2000三菱マテリアル製)を用いた以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド3を作製した。
〔帯電グリッド4の作製〕
バインダーにメラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60 大日本インキ化学工業製)のみを用いた以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド4を作製した。
〔帯電グリッド5の作製〕
バインダーにビスフェノールZ型ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製)のみを用いた以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド5を作製した。
〔帯電グリッド6の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を7/2/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド6を作製した。
〔帯電グリッド7の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を5/2/3とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド7を作製した。
〔帯電グリッド8の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を2/2/6とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド8を作製した。
〔帯電グリッド9の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を5/4/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド9を作製した。
〔帯電グリッド10の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を4/5/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド10を作製した。
〔帯電グリッド11の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を8/1/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド11を作製した。
〔帯電グリッド12の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を1/5/4とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド12を作製した。
〔帯電グリッド13の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を3/6/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド13を作製した。
〔帯電グリッド14の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を2.5/1/6.5とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド14を作製した。
〔帯電グリッド15の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を8.5/1/0.5とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド15を作製した。
〔帯電グリッド16の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を8.5/1/0.5とし、バインダー樹脂をメラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60 大日本インキ化学工業製)とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド16を作製した。
〔帯電グリッド17の作製〕
ゼオライト/導電剤/バインダー樹脂の重量比を8.5/1/0.5とし、バインダー樹脂をポリスチレン樹脂(WAKO製)とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド17を作製した。
〔帯電グリッド18の作製〕
帯電グリッドには何も塗工していないコロナ帯電器を用いた以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド18を作製した。
〔帯電グリッド19の作製〕
塗工液に導電剤を含まず、ゼオライト/バインダー樹脂の重量比を9/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド19を作製した。
〔帯電グリッド20の作製〕
塗工液に導電剤を含まず、ゼオライト/バインダー樹脂の重量比を8/2とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド20を作製した。
〔帯電グリッド21の作製〕
塗工液に導電剤を含まず、ゼオライト/バインダー樹脂の重量比を1/9とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド21を作製した。
〔帯電グリッド22の作製〕
塗工液にゼオライトを含まず、導電剤/バインダー樹脂の重量比を9/1とした以外は帯電グリッド1の作製と同様にして、帯電グリッド22を作製した。
(実施例27〜43および比較例7〜11)
実施例27〜43として、上記で得られた帯電グリッド1〜17を用い、比較例7〜11として、上記で得られた帯電グリッド18〜22を用いて、以下のコロナ帯電器の評価、および出力画像の評価を実施した。
[コロナ帯電器の評価方法]
(1)膜密着性評価
帯電グリッドに塗工された膜の密着度合いが実使用に耐えられるかを、力を入れて強く擦ったときと指を乗せる程度の負荷で塗工面をウエスで10回拭いたときの剥がれの程度で評価した。また耐久性評価として200時間コロナ帯電器を放電させた後にも同様に評価を行った。以下の評価基準(それぞれの記号の程度を示す)により評価を行った。
〈評価基準〉
◎:強く擦ってもウエスに付着せず
○:強く擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる
△:普通に擦ると微量にウエスに付着するが実使用に耐えられる
×:普通に擦ると多量にウエスに付着し、実使用に耐えられない
(2)帯電制御性評価
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたImagio Neo 1050proに取り付けた。帯電ワイヤに一定電流が流れるように電圧を印加することでコロナ放電を行い、帯電グリッドに−900Vを印加した際の被帯電体である感光体の表面電位を測定した。その後中間調(ハーフトーン)画像を出力し、局所的な帯電不良時に発生する雨だれ状のムラの有無を確認した。以下の評価基準(それぞれの記号の程度を示す)により評価を行った。
〈評価基準〉
◎:雨だれ状ムラは発生せず
○:雨だれ状ムラは若干発生するが、許容レベル
×:雨だれ状ムラ発生
(3)放電生成物除去機能評価
帯電グリッドを10℃15%RH環境下に置いたImagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電器を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。再度機械の電源を入れコロナ帯電器直下部の被帯電体表面電位の落ち込み量を測定および中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の濃度ムラの発生有無を確認した。以下の評価基準(それぞれの記号の程度を示す)により評価を行った。
〈評価基準〉
◎:コロナ帯電器直下濃度ムラ発生せず
○:コロナ帯電器直下濃度ムラが発生するが、許容レベル
△:コロナ帯電器直下濃度ムラがわかる程度に発生し、許容できないレベル
×:コロナ帯電器直下濃度ムラがくっきり発生し、許容できないレベル
(4)放電生成物除去機能評価
帯電グリッドを27℃80%RH環境下に置いたImagio Neo 1050proに取り付けた。作像動作を行うことでコロナ帯電器を3時間放電後機械の電源を切り15時間放置した。再度機械の電源を入れ、中間調(ハーフトーン)画像出力によりコロナ帯電器直下の画像ボケの発生有無を確認した。以下の評価基準(それぞれの記号の程度を示す)により評価を行った。
〈評価基準〉
◎:コロナ帯電器直下画像ボケ発生せず
○:コロナ帯電器直下画像ボケが発生するが、許容レベル
△:コロナ帯電器直下画像ボケがわかる程度に発生し、許容できないレベル
×:コロナ帯電器直下画像ボケがくっきり発生し、許容できないレベル
上記(2)、(3)および(4)の評価には静電潜像担持体33を用いた。その結果を下記表2に示す。
実施例27〜43の評価結果から、本発明のコロナ帯電器を用いた画像形成装置は、帯電グリッドの良好な膜密着性と、帯電制御機能、放電生成物除去機能を有しているため、初期から放電試験後も、雨だれ状ムラ、帯電器直下濃度ムラ、画像流れの発生が少なく、良好な画像を出力できることが確認できた。いくつかの評価では、わずかに異常画像が見られたが、実使用上問題ないレベルであった。
これに対して、比較例7〜11では、帯電性御機能や放電生成物除去機能が不足し、雨だれ状ムラ、帯電器直下濃度ムラ、画像流れといった、コロナ帯電器を用いた画像形成装置における高耐久感光体使用時の課題が達成できていないことが確認できた。
(トナー製造例2)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.1質量部、酸化チタン(JMT−150IB、テイカ社製、帯電量−78μC/g、疎水化度68%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー2を作製した。
(トナー製造例3)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.2質量部、酸化チタン(SMT−150AI、テイカ社製、帯電量−35μC/g、疎水化度65%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー3を作製した。
(トナー製造例4)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.2質量部、酸化チタン(MT−150AFM、テイカ社製、帯電量−30μC/g、疎水化度30%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー4を作製した。
(トナー製造例5)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸276質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32質量部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次に、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いで、プレポリマー(P1)267質量部とイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、質量平均分子量64,000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、テレフタル酸276質量部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5,000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(U1)200質量部と変性されていないポリエステル(E1)800質量部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2,000質量部に溶解し、混合して、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は62℃であった。
(ポリエステル樹脂の合成例A)
・テレフタル酸・・・60質量部
・ドデセニル無水コハク酸・・・25質量部
・無水トリメリット酸・・・15質量部
・ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド・・・70質量部
・ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド・・・50質量部
上記組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させポリエステルA得た。このポリエステルAのピーク分子量は4,200であり、ガラス転移温度(Tg)は59.4℃であった。
(マスターバッチの製造例)
・顔料としてC.I.Pigment Yellow155:40質量部
・結着樹脂としてポリエステル樹脂A: 60質量部
・水: 30質量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで直径1mmの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を作製した。
ビーカー内に前記結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液240質量部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20質量部、マスターバッチ(M1)8質量部を入れ、60℃でTK式ホモミキサーにて12,000rpmで攪拌し、均一に溶解し、分散させて、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10質量%懸濁液(日本化学工業株式会社製、スーパタイト10)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ、均一に溶解した。
次いで、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12,000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料液を投入し、10分間攪拌した。
次いで、この混合液を攪拌棒、及び温度計を備えたコルベン内に移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、「トナー母体粒子2」を作製した。
得られた「トナー母体粒子2」100質量部に疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン株式会社製)を1.0質量部、帯電量:−45μC/g、疎水化度:67%の酸化チタン(JMT−150IB、テイカ株式会社製)を1.0質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、トナー5を作製した。
(トナー製造例6)
トナー製造例5で製造したウレア変性ポリエステル樹脂(U1)850質量部と、変性されていないポリエステル樹脂(E1)150質量部とを酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000質量部に溶解し、混合させて結着樹脂(B2)の酢酸エチル/MEK(1/1)溶液を得た。これの一部を減圧乾燥して結着樹脂(B2)を単離した。
次いで、トナー製造例5で用いた結着樹脂(B1)に代えて結着樹脂(B2)を用いた以外は、トナー製造例5と同様にして、トナー6を作製した。
次に、得られたトナー2〜6の体積平均粒径、及び平均円形度をトナー1と同様にして測定した。結果を下記表3に示す。
(実施例34〜38)
上記作製したトナー2〜6を用いた以外は、実施例3と同様にして、通紙試験を行い、画像濃度、画像精細性を評価した。
<画像精細性>
画像精細性は、文字画像部の再現性によって評価した。評価方法は、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性を画像により評価した。その結果を下記表4に示す。
実施例43〜47の評価結果から、本発明の静電潜像担持体(感光体)とコロナ帯電器を備えた画像形成装置、及び前記トナーを用いれば、27℃、80%RHという高温高湿環境下の通紙試験後においても、潜像形成、ならびにトナー像形成が非常にシャープで高精細な画像が得られ、かつ感光体の耐久性も良好であることが確認できた。
すなわち、本発明の画像形成装置は、搭載された静電潜像担持体が高い耐摩耗性と酸化性ガスに対する高い耐性を有し、さらにコロナ帯電器の帯電グリッドがゼオライト、抵抗制御剤を含有しているため、高い帯電制御性、放電生成物除去性を有しており、これによって、低温低湿環境下の帯電器直下濃度ムラや、高温高湿下の画像ボケを抑制し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間に亘って安定に行うことができるフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く適用することができる。
背景技術においてコロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の構成を説明するための模式図である。 背景技術においてコロトロン型コロナ帯電器及びスコロトロン型コロナ帯電器の帯電特性の例を示す図である 背景技術においてコロナ帯電器の直下濃度ムラを説明するための図である。 背景技術において画像流れ現象を説明するための模式図である。 背景技術において雨だれ状ムラを説明するための模式図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明に係る帯電グリッドの構造の一例を示す図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の一例(支持体201上に感光層202を設けた構成のもの)を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の他の例(図8の感光層202上に保護層206を設けたもの)を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の更に他の例(機能分離型タイプ)を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の別の例(図10の電荷輸送層204上に保護層206を設けたもの)を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成のまた別の例(図11の支持体と電荷発生層間に下引き層205を入れたもの)を示す模式断面図である。 本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の更に別の例(図12の下引き層と電荷発生層との間に中間層207を設けた)を示す模式断面図である。
符号の説明
(図6の符号)
1 画像形成装置本体
2 書き込み部
3 ポリゴンミラー
4、5 レンズ
6〜15 ミラー
20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ
21 静電潜像担持体(感光体)
22 帯電部
23Y、23M、23C、23BK 現像部(現像装置)
24 転写バイアスローラ
25 クリーニング部
27 中間転写ベルト
28 第2転写バイアスローラ
29 中間転写ベルトクリーニング部
30 搬送ベルト
32Y、32M、32C、32BK トナー補給部
47Y、47M、47C、47BK キャリア補給部
51 原稿搬送部
53 コンタクトガラス
55 原稿読込部
61 給紙部
66 定着部
P 記録媒体
D 原稿
(図7の符号)
1 帯電器
2 ケーシング
3 エンドブロック(絶縁性)
4 エンドブロック(絶縁性)
6 帯電グリッド
8 グリッドを張るための爪
9 グリッドバイアス印加電極
9a グリッドを張るための爪(バイアス印加電極とグリッドとを導通させている)
(図8〜13の符号)
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 保護層
207 中間層

Claims (27)

  1. 静電潜像を担持するための潜像担持体と、
    該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
    該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
    該静電潜像に対してトナーとキャリアとを含む二成分系現像剤により現像してトナー像化するための現像手段を有する画像形成装置において、
    前記潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも感光層を有する静電潜像担持体であって、前記静電潜像担持体の最表面層が、少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂と、下記一般式(I)で表される3級アミンから選ばれる少なくとも1種のアミンを含有しており、
    かつ前記帯電手段が、絶縁性の端部とその間に支持されているコロナ放電に用いられる少なくとも1本の細い導電性のワイヤ電極と、自身に印加される電圧により静電潜像担持体の表面電位を規制可能な帯電グリッドを有するコロナ発生器であって、該帯電グリッドがゼオライトと抵抗制御剤とバインダー樹脂を含む組成物により被覆されてなることを特徴とする画像形成装置。
    [式(I)中、R1、R2は置換又は無置換のアルキル基であり、R1、R2は同一であっても異なってもよい。また、R3は少なくとも水酸基を1つ以上有するアルキル基またはアリール基を表す。]
  2. 前記静電潜像担持体が、感光層上に保護層を有し、該保護層が最表面層であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記静電潜像担持体の最表面層が導電性微粒子を含有し、該導電性微粒子が、次式、MxSbyOz(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される少なくとも1種の導電性微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記MxSbyOz(ただし、Mは、金属元素を表す。x、y、及びzは、各元素のモル比を表す。)で表される導電性微粒子が、アンチモン酸亜鉛(ZnSb26)を含むことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記イソシアネート化合物が、芳香環を有し、かつ少なくとも2つ以上のイソシアネート基を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記芳香環を有するイソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物とポリオールとのアダクト型であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記イソシアネート化合物のNCO%が3〜50であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記最表面層における反応性電荷輸送性物質の含有量が5〜45wt%であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記最表面層の形成に用いられる反応性電荷輸送性物質が、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含み、該ラジカル重合性化合物の成分割合が、架橋表面層全量に対して35〜65重量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記少なくとも2つ以上の水酸基を有する反応性電荷輸送性物質が、下記一般式(1)で表される分子構造を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
    [式(1)中、nは、1〜4の整数を表し、nが1のときYは少なくとも2つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、nが2以上のとき、Yは水酸基であるか、または少なくとも1つの水酸基を有する炭素数1〜6のアルキル基、又はアルコキシ基であり、Xは電荷輸送性化合物基を表す。前記アルキル基又はアルコキシ基は水酸基以外の置換基を有していてもよい。]
  11. 前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質において、電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(2)で表される分子構造を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
    [式(2)中、Ar1〜Ar3は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一であっても異なっていてもよい。Arはアリーレン基を表す。また、前記一般式(1)中のY基の数nは、式(2)中のAr1〜Ar3のアリーレン基の数と、前記Ar3を置換基とする炭素原子が有する結合の手(遊離価)の合計と同一であり、少なくともAr1〜Ar3及び前記Ar3を置換基とする炭素原子のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
  12. 前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質において、電荷輸送性化合物基Xが下記一般式(3)で表される分子構造を有することを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
    [式(3)中、Ar1〜Ar4は置換又は無置換のアリール基またはアリーレン基を表し、これらは同一でも異なっていてもよく、Arはアリーレン基を表す。前記一般式(1)中のY基の数nは、前記Ar1〜Ar4のアリーレン基の合計の数と同一であり、少なくともAr1〜Ar4のいずれか1つが、前記一般式(1)中のY基を有する。ただし前記Arは前記Ar3及びAr4を置換基とする炭素原子の隣の不飽和炭素原子と結合している基である。]
  13. 前記一般式(1)で表される反応性電荷輸送物質が、少なくとも隣接する2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した構造を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 前記少なくとも隣接する2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した構造を有する反応性電荷輸送物質が、下記一般式(4)で表される分子構造を有することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
    [式(4)中、Rは炭素数1〜4の置換又は無置換のアルキル基、又はアルコキシ基を表し、Xは電荷輸送性化合物基を表す。また、nは1〜4の整数を表す。]
  15. 前記最表面層が、電荷輸送性化合物基を有しないポリオール化合物を少なくとも1種類含有し、該ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを架橋して形成される架橋性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 前記ポリオール化合物の少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合(分子量/水酸基数;以下OH当量と称する)が150未満であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤が、活性炭であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. 前記金属酸化物が、アンチモン酸亜鉛であることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
  20. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のバインダー樹脂が、熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成装置。
  21. 前記バインダー樹脂が、アルキド・メラミン樹脂であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
  22. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のゼオライトの含有率が、20〜70wt%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中の抵抗制御剤の含有率が、20〜50wt%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の画像形成装置。
  24. 前記帯電グリッドに被覆されている組成物中のバインダー樹脂の含有率が、10〜60wt%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに記載の画像形成装置。
  25. 前記画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至24のいずれかに記載の画像形成装置。
  26. 前記画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、及び転写手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型の構成とされたことを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載の画像形成装置。
  27. 前記画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する構成とされたことを特徴とする請求項1乃至26のいずれかに記載の画像形成装置。
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