JP2014178424A - 電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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稔博 石田
Takafumi Iwamoto
貴文 岩本
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哲也 利根
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Abstract

【課題】長期の使用によるブレード摩耗を抑制し、クリーニング性を確保することで、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥の少ない、長期に亘って優れた画像品質を維持する電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部とを含有し、
前記表面保護層の表面近傍部に前記金属酸化物微粒子の凝集体が偏在しており、
前記表面保護層の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凸部の平均径が5μm以下であり、前記凹凸構造の平均最大凹凸高さが20nm以上110nm以下である電子写真感光体。
【選択図】図8

Description

本発明は、電子写真感光体、並びに前記電子写真感光体を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
近年、オフィスの省スペース化、ビジネスオポチュニティの拡大等の観点から、画像形成装置に対して、高速化、小型化、カラー化、特に高画質化、易メンテナンス性などが望まれている。これらは、電子写真感光体の電気特性の向上、耐久性の向上等が関係しており、解決すべき問題として位置付けられている。
易メンテナンス性の向上の観点からは、電子写真感光体の交換頻度の低減が挙げられる。これは、電子写真感光体由来の画像欠陥を、長期に亘って可能な限り少なくすることであり、電子写真感光体の長寿命化に他ならない。また、長期に亘る出力画像の高画質化にも関連する。電子写真感光体における上記問題を解決するために、長期間使用時における電子写真感光体由来の画像欠陥を低減することが試みられており、電子写真感光体の長寿命化に関する開発が数多く報告されている。電子写真感光体の長寿命化を達成するためには、画像形成時に電子写真感光体が受ける種々のハザードに対する耐久性を向上させる必要がある。ここで、ハザードとは、機械的ハザード及び化学的ハザードの二種類に大別される。
前記化学的ハザードの例としては、電子写真感光体に静電ストレスが負荷されて生じる静電ハザードや、電子写真感光体の表面を帯電して電荷を付与する際に生じる酸性ガス、アルカリ性ガス等によるハザードなどが挙げられる。
一方、前記機械的ハザードの一例として、電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段(所謂ブレードクリーニング)に由来するハザードが知られている。ブレードクリーニングとは、感光体上にクリーニングブレード等の弾性部材を当接させることにより、強制的に電子写真感光体上からトナーを除去する手段であり、省スペースで大きなトナー除去能力を有する。そのため、画像形成装置の小型化には有効な手段として知られているが、このようなクリーニング方式では、電子写真感光体に直接クリーニングブレード等の弾性部材を当接して摺擦させているため、電子写真感光体への機械的ストレスが非常に大きく、電子写真感光体の表面が摩耗しやすいという問題がある。特に近年、電子写真感光体(以下、「感光体」とも称する)には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染の影響が少ない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの理由により、無機感光体に対して有利な点が多い。しかし、有機感光体は、無機感光体と比べて、機械的ハザードに弱く、機械的耐久性に劣る。そこで、高硬度保護層を積層することにより電子写真感光体の摩耗を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
導電性支持体上に凝集率:N(%)が10<N≦70の範囲にある有機微粒子を含有する層を有する電子写真感光体を用いることで、電子写真感光体の耐久性を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、当該技術においては、有機微粒子を用いているので、長期に亘って優れた画像品質を維持できるような十分な耐久性が得られているとはいえない。
金属酸化物が含有された表面保護層を設けることで電子写真感光体の耐久性を向上させる技術も知られているが、金属酸化物が均一に分布しており、金属酸化物が表面に大きく露出しておらず、樹脂部分の摩耗が進みフィラーがとれてしまうことで、表面保護層全体の摩耗が進行しやすいという問題があった。また金属酸化物が表面に大きく露出していないため、表面は平滑性が高く、クリーニングブレードとの接触面積も大きく、感光体とクリーニングブレード間での摩擦力も高くなり、電子写真感光体、クリーニングブレードともに摩耗が進行しやすくなり、異常画像が発生しやすいという問題があった(例えば、特許文献7、8参照)。
したがって、長期の使用によるブレード摩耗を抑制し、クリーニング性を確保することで、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥の少ない、長期に亘って優れた画像品質を維持する電子写真感光体、並びに該電子写真感光体を用いた画像形成装置、及びプロセスカートリッジの開発が強く求められているのが現状である。
本発明は、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、長期の使用によるブレード摩耗を抑制し、クリーニング性を確保することで、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥の少ない、長期に亘って優れた画像品質を維持する電子写真感光体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部とを含有し、
前記表面保護層の表面近傍部に前記金属酸化物微粒子の凝集体が偏在しており、
前記表面保護層の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凸部の平均径が5μm以下であり、前記凹凸構造の平均最大凹凸高さが20nm以上110nm以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決でき、長期の使用によるブレード摩耗を抑制し、クリーニング性を確保することで、画像形成装置の出力画質に関わる欠陥の少ない、長期に亘って優れた画像品質を維持する電子写真感光体を提供することができる。
図1は、本発明の電子写真感光体の表面保護層の表面構造を示す模式図である。 図2は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図3は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図5は、本発明の電子写真感光体の層構成の一例を示す概略図である。 図6は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図7は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図8は、本発明の電子写真感光体の表面保護層断面観察図である。 図9は、本発明の実施例1及び比較例6の電子写真感光体の表面保護層の表面の断面曲線を分子間力顕微鏡で測定した結果を示す図である。 図10は、本発明の画像形成装置に用いるクリーニングブレードの摩耗幅の測定箇所を示した模式図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記表面保護層は、本発明で規定する表面保護層である。前記導電性支持体、前記感光層、及び前記その他の層については、従来と同様のものを適用することができる。
<表面保護層>
前記表面保護層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部とを含有してなり、更に必要に応じて分散剤及びその他の成分を含有してなる。前記表面保護層の表面近傍部に前記金属酸化物微粒子の凝集体が偏在しており、前記表面保護層の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凸部の平均径が5μm以下であり、前記凹凸構造の平均最大凹凸高さが20nm以上110nm以下である。
<<バインダー樹脂>>
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
機械強度の観点から、前記バインダー樹脂は、重合性化合物を重合することにより形成される硬化樹脂が好ましく、重合性官能基数が3個以上である重合性化合物を重合することにより形成される硬化樹脂がより好ましい。前記重合性官能基数が3個以上である重合性化合物を重合することで、3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度で、高弾性な表面保護層が得られ、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。
−硬化樹脂−
前記硬化樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アミノ樹脂などが挙げられる。耐摩耗性に特に優れている点において、重合性官能基数が3個以上であるアクリル重合性化合物から形成されるUV硬化型アクリル樹脂が好ましい。
−−アクリル樹脂−−
前記アクリル樹脂とは、アクリル重合性化合物とラジカル重合開始剤とを混合し架橋したものであり、合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知のアクリル重合性化合物と公知のラジカル重合開始剤とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記アクリル重合性化合物における重合性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、架橋反応性の点で、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基などが好ましい。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面保護層強度及び製膜性の点で、2個以上が好ましい。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数が2個である化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記アクリル重合性化合物の重合性官能基数が3個以上である化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル重合性化合物と組み合わせて使用するラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、過酸化物系開始剤、熱重合開始剤;アセトフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物等の光重合開始剤;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、光重合開始剤が好ましい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤及び前記ケタール系光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどが挙げられる。
前記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどが挙げられる。
前記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤は単独で使用してもよく、光重合促進剤と併用してもよい。前記光重合促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記熱重合開始剤としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン等の過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤などが挙げられる。
前記ラジカル重合開始剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アクリル重合性化合物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましい。
−−フェノール樹脂−−
前記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、潜像維持性に優れ、酸触媒等の開始剤を必須とするノボラック樹脂と比較して、前記開始剤を用いることなく架橋反応させることができる点で、レゾール樹脂が好ましい。
前記フェノール系架橋重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチロール基を単位構造中に1個乃至複数個有するフェノール誘導体を加熱して架橋することにより合成されたものが好ましい。
前記フェノール樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチロール基を単位構造中に1個乃至複数個有するフェノール誘導体を加熱して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記メチロール基を単位構造中に1個乃至複数個有するフェノール誘導体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェノール類モノマーのジメチロール化合物、フェノール類モノマーのトリメチロール化合物、フェノール類ダイマー等の高分子体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール類モノマーのジメチロール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジヒドロキシメチル−4−メチルフェノール、2,4−ジヒドロキシメチル−6−メチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−3,4−ジメチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2,3−ジメチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、4−シクロヘキシル−2,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2−シクロヘキシル−4,6−ジヒドロキシメチルフェノール、2,6−ジヒドロキシメチル−4−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−エチルフェノール、4,6−ジヒドロキシメチル−2−イソプロピルフェノール、6−シクロヘキシル−2,4−ジヒドロキシメチル−3−メチルフェノールなどが挙げられる。
前記フェノール類モノマーのトリメチロール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノールなどが挙げられる。
−−ウレタン樹脂−−
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エステル系ウレタン樹脂、エーテル系ウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知のポリオール化合物と公知のイソシアネート化合物とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面強度及び製膜性に優れる点で、2官能以上のポリオール化合物が好ましい。
前記2官能以上のポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等のジオール化合物;多価脂肪族アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表面保護層強度及び製膜性に優れる点で、2官能以上のイソシアネート化合物が好ましい。
前記2官能以上のイソシアネート化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、HDIイソシアヌレート体、HDIビウレット体、XDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIトリメチロールプロパンアダクト体、IPDIイソシアヌレート体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記イソシアネート化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリオール化合物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましく、OH価及びNCO価に基づき適量を配合することが好ましい。
−−エポキシ樹脂−−
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エポキシ樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分子中に2個以上のエポキシ環を有するエポキシ環含有化合物と硬化剤とを混合し、加熱、光照射等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記エポキシ環含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱酸発生剤、光酸発生剤などが挙げられ、具体的には、脂肪族アミン化合物、脂環族アミン化合物、芳香族アミン化合物、変性アミン化合物、ポリアミドアミン、イミダゾール、ポリメルカプタン、酸無水物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記エポキシ環含有化合物100質量部に対し、0.5質量部〜20質量部が好ましく、1質量部〜10質量部がより好ましい。
−−シリコーン樹脂−−
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ビニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フロロアルキル変性シリコーンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、珪素原子に1つ以上の加水分解性基を有する反応性有機珪素化合物を単独又は縮合触媒と混合し、加熱等のエネルギーを付与して架橋することにより合成する方法が好ましい。
前記反応性有機珪素化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面保護層強度に優れる点で、珪素原子に2つ以上の加水分解性基が結合している構造を有する反応性有機珪素化合物が好ましい。前記加水分解性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基などが挙げられる。
前記縮合触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、縮合反応に接触的に作用する触媒、縮合反応の反応平衡を生成系に移動させる働きをする触媒などが挙げられ、具体的には、有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸、チオシアン酸等のアルカリ金属塩;水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート等の有機アミン塩;スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等のスズ有機酸塩などが挙げられる。
前記縮合触媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記反応性有機珪素化合物100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部が好ましく、1質量部〜10質量部がより好ましい。
−−アミノ樹脂−−
前記アミノ樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニリン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ樹脂としては、特に制限はなく、市販品を使用してもよく、適宜合成したものを使用してもよい。前記合成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アミノ基を含む化合物とホルムアルデヒドとを混合し、加熱、重縮合することにより合成する方法が好ましい。
−バインダー樹脂を構成するモノマーの粘度−
前記バインダー樹脂を構成するモノマーの粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃での粘度が1,000mPa・s以上であることが好ましく、5,000mPa・s以上であることがより好ましい。前記バインダー樹脂を構成するモノマーの25℃での粘度が1,000mPa・s以上の場合、表面保護層塗工液を塗布した直後に金属酸化物微粒子が表面保護層の表面で凝集することで形成される凹凸構造が表面張力によって平滑化されにくく、表面保護層が表面で凹凸構造をとること、及び表面保護層の表面が所望の平均最大凹凸高さをとることが容易になる。
前記バインダー樹脂を構成するモノマーの粘度の測定は循環水等により25℃にモノマー温度を保持した状態で、回転粘度計(例えば、TVE−35H、東機産業株式会社製)を用いて測定することができる。
<<金属酸化物微粒子>>
前記金属酸化物微粒子としては、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子の中でも、平均一次粒子径が30nm以上40nm以下のものがより好ましい。前記平均一次粒子径が20nmより小さい場合には、前記表面保護層において前記金属酸化物微粒子の凝集が起こりすぎるため、前記表面保護層の表面の凹凸が極端に大きくなり、トナーがすり抜けやすくなることで画像形成の異常を生じる。また前記平均一次粒子径が50nmより大きくなると凝集体を形成せず、前記表面保護層の表面で凹凸構造を形成することができないため、感光体の表面が平滑になり、ブレードとの摩擦力が増加することで、クリーニング性が悪化し、異常画像が発生する。
前記金属酸化物微粒子の平均一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い50,000倍以上で観察した金属酸化物粒子の長軸と短軸の平均値を算出し、前記平均値の粒子10個の平均値を導出することで求めることができる。
前記金属酸化物微粒子の含有量としては、バインダー樹脂100質量部に対して30質量部以上200質量部以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部以上150質量部以下であることが好ましい。前記含有量が30質量部より少ないと、前記表面保護層の表面で金属酸化物微粒子の凝集体が形成されにくく、結果として長期にわたりクリーニング性が維持できない。また、前記含有量が200質量部より多いと、塗工時にスプレーの詰まりが生じて安定した塗工ができない可能性や、分散剤による前記電子感光体の電気特性への悪影響が生じてしまう可能性がある。
前記金属酸化物微粒子の表面保護層中への分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面保護層用塗工液の調製に関して一般に用いられる分散方法である、ボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー等を用いて分散液を作成する方法や、超音波分散などが挙げられる。
<<分散剤>>
前記分散剤を前記金属酸化物微粒子の分散液を調製する際に用いることで前記凝集体の形成を促進することができる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカルボン酸系分散剤(例えば、DISPERBYK(登録商標)−P104,DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、ポリエーテルリン酸系分散剤(例えば、HIPLAAD ED151、楠本化成株式会社製)、ポリエーテルエステル系分散剤(例えば、HIPLAAD ED118,HIPLAAD ED350、楠本化成株式会社製)や、各種ブロック共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記分散剤を、使用する金属酸化物微粒子、使用する溶媒種などに基づき適宜選択して、適量を添加することで、前記金属酸化物微粒子の沈降がみられない金属酸化物微粒子分散液が得られる。
前記分散剤の添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記金属酸化物微粒子に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、15質量%以上30質量%以下が更に好ましい。前記添加量が10質量%以上であると、前記金属酸化物微粒子は、表面保護層の表面で凝集構造をより形成し易くなる。前記添加量が5質量%未満であると、金属酸化物微粒子の凝集が促進され、表面保護層の表面の凹凸高さが大きくなり過ぎることがあり、50質量%を超えると、金属酸化物微粒子の凝縮が低減し表面保護層の表面の凹凸高さが小さくなり過ぎることがある。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、電荷輸送性化合物、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤などが挙げられる。
−界面活性剤−
前記金属酸化物微粒子を前記表面保護層中に良好に分散させる場合、界面活性剤を用いてもよい。前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、金属酸化物微粒子の粒子径等の目的に応じて適宜選択することができるが、金属酸化物微粒子の全量に対して、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、前記金属酸化物微粒子の分散効果が得られないことがあり、30質量%を超えると、残留電位の著しい上昇を引き起こす等の不具合を生じることがある。
−電荷輸送性化合物−
前記電荷輸送性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾール等の正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質;電子吸引性芳香族環(縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基等)などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記バインダー樹脂として、前記架橋樹脂を用いる場合には、前記架橋樹脂に対して反応性を有する官能基、例えば、水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を有する電荷輸送性化合物を用いてもよい。
前記電荷輸送性化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電荷輸送性化合物の劣化による電子写真感光体特性の低下の影響を小さくすることができる点で、前記バインダー樹脂100質量部に対して、20質量部以下が好ましい。
前記電荷輸送性化合物の表面保護層における含有量を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X線光電子分光法(XPS)、エネルギー分散型X線分光法(EDX)、波長分散型X線分析装置(WDX)等の元素分析により測定する方法、試薬により染色された染色量に基づき測定する方法、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定する方法などが挙げられる。これらの中でも、定量が簡便であり汎用性が高い点で、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により測定された各ピーク強度の比をもとに作成した検量線に基づき定量することが好ましい。
前記検量線としては、例えば、前記電荷輸送性化合物を既知量配合して前記表面保護層を作製し、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を前記FT−IRにより測定し、得られた各振動ピーク強度の比に基づき作成する。前記検量線の精度を高めるために、2水準〜5水準の配合量で作製した表面保護層を作製し、前記FT−IRにより測定して得られた振動ピーク強度をもとに検量線を作成してもよい。前記振動ピーク強度としては、前記電荷輸送性化合物に特徴的な振動ピークの強度(ピーク高さ又はピーク面積)を用いることが好ましく、反応性に乏しく膜中の配合比が既知である、カルボニル由来の振動ピーク強度を用いることがより好ましい。
−可塑剤−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記可塑剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜20質量部がより好ましい。
−レベリング剤−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマー;などが挙げられる。前記レベリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.001質量部〜5質量部が好ましい。
−酸化防止剤−
前記酸化防止剤としては、特に制限はなく、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、ヒンダードアミン類などが挙げられる。前記酸化防止剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、0.5質量部〜20質量部がより好ましい。
<<表面保護層の形成方法>>
前記表面保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記バインダー樹脂、前記金属酸化物微粒子を含んでなり、更に必要に応じて、前記分散剤、前記その他の成分を含んでなる表面保護層塗工液を、電子写真感光体における感光層の表面に塗工した後、UV照射や加熱乾燥を行い、硬化することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする表面保護層の膜厚等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法などが挙げられる。
前記塗工液は、常温で固体又は比較的高粘性液体であることから、溶媒に溶解して作製することが好ましい。前記溶媒としては、前記表面保護層を構成する上述した成分を溶解乃至分散させることができる溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
表面保護層のバインダーに硬化性樹脂を選択した場合、塗工後に外部からエネルギーを与え硬化させる。このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線等があり、用いる樹脂によって選択される。これら外部エネルギーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい
加熱する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は前記導電性支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が、100℃未満であると、反応が遅く、完全に硬化反応が終了しない恐れがあり、また、前記表面保護層中に残留する溶媒が多くなりやすく、電子写真感光体特性に影響を与えることがあり、170℃を超えると、硬化反応が不均一に進行し前記表面保護層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する恐れがあり、また、前記表面保護層に隣接する感光層中の低分子量成分が、前記表面保護層に移行しやすくなる恐れがある。
前記バインダー樹脂として、光硬化性樹脂を用いる場合には、硬化に使用するエネルギー線を照射できるランプを用いる。前記ランプとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、低圧、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、無電極放電ランプなどが挙げられる。照射するエネルギー線の照射光量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50mW/cm以上、1,000mW/cm以下が好ましい。前記照射光量が1,000mW/cmより大きい場合は、反応の進行が不均一となり、表面保護層の表面に局部的な皺が発生したり、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる恐れがある。また、急激な硬化により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。前記照射光量が50mW/cm未満だと、硬化反応に時間を要する。
前記放射線としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子線が挙げられる。
前記表面保護層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5μm以上7μm以下が好ましく、2μm以上5μm以下がより好ましい。前記表面保護層の厚みを1.5μm以上7μm以下とすることで、優れた電子写真感光体表面が得られ、且つ非常に高い耐摩耗性が達成される。
<<金属酸化物微粒子の凝集体>>
前記金属酸化物微粒子の凝集体(以下、単に「凝集体」とも称する)については、電子顕微鏡にて金属酸化物微粒子の一次粒子の大きさと比較して大きい物を凝集体とみなすことができる。前記表面保護層を、電子顕微鏡を用いて断面観察すると、表面近傍部に前記凝集体の偏在が観察される。表面近傍部とは、前記表面保護層の表面から、1μm以内の深さの部分を意味する。
前記表面近傍部は、金属酸化物微粒子の凝集体により凹凸構造を形成する。前記凹凸構造における凸部は、金属物酸化物微粒子の存在が表面観察により識別できる部分であり、分子間力顕微鏡による15μm幅の表面粗さ測定において、測定長さの平均高さを0nmとした際に、10nmを超える正の高さを示す部分を指す。また前記凹凸構造における凹部とは、金属酸化物儀粒子の存在が表面観察により識別されない部分であり、分子間力顕微鏡による15μm幅の表面粗さ測定において、測定長さの平均高さを0nmとした際に、10nmを超える負の高さを示す部分を指す。また、凸部の平均径とは、分子間力顕微鏡による15μm幅の表面粗さ測定において、測定長さの平均高さを0nmとした際に、10nmを超える正の高さを示す凸部の幅(長さ)を、測定長さに存在する全ての凸部について導出した平均の長さを指す。
前記測定に使用する分子間力顕微鏡としては、例えば、分子間力プローブ顕微鏡システムMFP−3D−SA−J(株式会社アサイラムテクノロジー製)などが挙げられる。
−金属酸化物微粒子凝集体の形成、大きさの制御−
前記凝集体の形成及び大きさの制御は、表面保護層塗工液に含まれる金属酸化物微粒子の一次粒子径、バインダー樹脂に対する金属酸化物微粒子の量を適宜選択することで可能であり、必要に応じて表面保護層塗工液に分散剤を適量添加することや、バインダー樹脂を構成するモノマーの粘度、表面保護層塗工液の塗工方法を適宜選択することでも可能である。
<<凹凸構造>>
前記表面保護層の表面には前記凹凸構造が存在する。
前記凹凸構造における凹部と凸部はそれぞれ、前述のように、分子間力顕微鏡による15μm幅の表面粗さ測定において、負の高さが10nmを超える箇所、及び正の高さが10nmを超える箇所である。
前記凹凸構造の凸部において、前記凝集体が偏在している。
ここで、凝集体が偏在しているとは、表面又は断面の電子顕微鏡観察において、表面近傍部に複数の粒子が凝集して存在する部分と、存在しない部分がある状態を表す。
金属酸化物微粒子として、バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm〜50nmである金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部を用いることで、前記表面保護層の表面に前記凹凸構造が形成される。表面保護層塗工液への特定の分散剤の添加、及びスプレー塗工法が、表面近傍部における前記凝集体サイズを増加させ、凸部を形成させるために好ましい。
−金属酸化物微粒子凝集体、凹凸構造の観察、凹凸構造の測定方法−
前記凝集体、前記凹凸構造の観察は、例えば、以下の方法で行える。即ち、電子写真感光体断片に導電性付与のために白金パラジウムをコートし、表面保護のため白金カーボンによりコートし、観察サンプルを作製する。前記観察サンプルを収束イオンビームを用いて断面加工を行い、ショットキーサーマル型電界放射銃走査電子顕微鏡(以下サーマルFE−SEM)、加速電圧0.8kV、20,000倍で撮影して観察する。前記サーマルFE−SEMとしては、例えば、ULTRA55(カールツァイス社製)などが挙げられる。
前記凸部の平均径の測定は、例えば、分子間力顕微鏡を用いて、電子写真感光体の断面の任意の位置を15μmの幅で表面形状を測定し、断面曲線における全ての凸部の幅を測定し平均値を算出することで求めることができる。前記凸部の幅(長さ)は前述のように、分子間力顕微鏡による15μm幅の表面粗さ測定において、測定長さの平均高さを0nmとした際に、10nmを超える正の高さを示す凸部の長さのことを指す。また、同じ表面形状の測定から、15μm幅に凹部の存在の有無を確認できる。任意の15μmの幅での最大凸高さと、最小凹高さの和より、最大凹凸高さを求めることができる(図1)。4箇所の前記最大凹凸高さの平均値を平均最大凹凸高さとする。
−凹凸構造における凸部の平均径及び平均最大凹凸高さ−
前記凸部の平均径としては、5μm以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上5μm以下が好ましく、2μm以上3.5μm以下がよりに好ましい。凸部の平均径が5μmより大きい場合、微小領域で凹凸構造が形成されないため、感光体とクリーニングブレードとの接触面積が低下せず、感光体とクリーニングブレードの摩耗が増加してしまう。
15μm幅の領域における最大凸部と最小凹部の高さの和(最大凹凸高さ)の平均値(平均最大凹凸高さ)は、20nm以上110nm以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30nm以上60nm以下であることが好ましく、35nm以上55nm以下であることがより好ましい。前記平均最大凹凸高さが20nmより小さい場合は感光体とクリーニングブレードの接触面積低下の効果が小さくなり、前記平均最大凹凸高さが110nmより大きい場合は、トナー自体がすり抜けやすくなってしまい、異常画像の発生を起こしやすくなる。
<感光層>
前記感光層としては、積層型感光層であってもよく、単層型感光層であってもよい。
<<単層型感光層>>
前記単層型感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する層である。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及び結着樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−電荷発生物質−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷発生物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、5質量部〜40質量部が好ましい。
−電荷輸送物質−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の物質などが挙げられる。前記電荷輸送物質の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
−結着樹脂−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の結着樹脂などが挙げられる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する積層型感光層で用いられるものと同様の低分子電荷輸送物質、同様の溶媒、同様のレベリング剤、上述の酸化防止剤などが挙げられる。
−単層型感光層の形成方法−
前記単層型感光層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電荷発生物質、電荷輸送物質、結着樹脂、その他の成分等を分散機を用いて適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘキサン等)に溶解乃至分散して得られた塗工液を、塗布乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記塗工液を塗工する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコートなどが挙げられる。また、必要に応じて、可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加してもよい。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜25μmが好ましい。
<<積層型感光層>>
前記積層型感光層は、電荷発生機能及び電荷輸送機能をそれぞれ独立した層が担うため、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に有する。なお、前記電荷発生層、及び前記電荷輸送層は、従来公知のものを使用することができる。
前記積層型感光層において、前記電荷発生層と前記電荷輸送層との積層順としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、多くの電荷発生材料は化学的安定性に乏しく、電子写真作像プロセスにおける帯電器周辺での放電生成物のような酸性ガスにさらされると電荷発生効率の低下などを引き起こす。このため、前記電荷発生層の上に前記電荷輸送層を積層することが好ましい。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。
−−電荷発生物質−−
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機系材料、有機系材料などが挙げられる。
−−−無機系材料−−−
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス−セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス−シリコン(例えば、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子等でターミネートしたもの;ホウ素原子、リン原子等をドープしたものなどが好適)などが挙げられる。
−−−有機系材料−−−
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料;アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂としては、上述の結着樹脂の他に、電荷輸送機能を有する電荷輸送性高分子材料を含んでもよく、例えば、アリールアミン骨格、ベンジジン骨格、ヒドラゾン骨格、カルバゾール骨格、スチルベン骨格、ピラゾリン骨格等を有する、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、ポリシラン骨格を有する高分子材料などを用いることができる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低分子電荷輸送物質、溶媒、レベリング剤などが挙げられ、上述の酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−低分子電荷輸送物質−−−
前記低分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質などが挙げられる。
前記電子輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正孔輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−電荷発生層の形成方法−−
前記電荷発生層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷発生物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記導電性支持体上に塗布して乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。なお、前記塗工液は、キャスティング法などにより塗布することができる。
前記電荷発生層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ、露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ、電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質を含み、結着樹脂を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−−電荷輸送物質−−
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電子輸送物質、正孔輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
前記電荷輸送物質の電荷輸送層全量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が、20質量%未満であると、電荷輸送層の電荷輸送性が小さくなることにより所望の光減衰特性が得られないことがあり、80質量%を超えると、画像形成工程から感光体が受ける各種ハザードによって必要以上に摩耗することがある。一方、前記電荷輸送物質の電荷輸送層における含有量が、前記より好ましい範囲内であると、所望の光減衰性が得られるとともに、使用によっても摩耗量が少ない電子写真感光体を得ることができる点で有利である。
−−−電子輸送物質−−−
前記電子輸送物質(電子受容性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−正孔輸送物質−−−
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−高分子電荷輸送物質−−−
前記高分子電荷輸送物質は、後述する結着樹脂の機能と電荷輸送物質の機能を併せ持つ材料である。
前記高分子電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルバゾール環を有する重合体、ヒドラゾン構造を有する重合体、ポリシリレン重合体、トリアリールアミン構造を有する重合体(例えば、特許第3852812号公報、特許第3990499号公報等に記載のトリアリールアミン構造を有する重合体等)、電子供与性基を有する重合体、その他の重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、摩耗耐久性や製膜性の点で、後述する結着樹脂と併用してもよい。
前記高分子電荷輸送物質の電荷輸送層全質量における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記高分子電荷輸送物質と前記結着樹脂とを併用する場合、40質量%〜90質量%が好ましく、50質量%〜80質量%がより好ましい。
−−結着樹脂−−
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
−−その他の成分−−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶媒、可塑剤、レベリング剤などが挙げられ、上述した酸化防止剤を含んでもよい。
前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を良好に溶解する溶媒が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
−−−可塑剤−−−
前記可塑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般樹脂の可塑剤などが挙げられる。
−−−レベリング剤−−−
前記レベリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー乃至オリゴマーなどが挙げられる。
−−電荷輸送層の形成方法−−
前記電荷輸送層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記電荷輸送物質及び前記結着樹脂を前記溶媒等の前記その他の成分に溶解乃至分散して得られた塗工液を、前記電荷発生層上に塗布して加熱乃至乾燥することにより形成する方法などが挙げられる。
前記電荷輸送層形成の際に用いる前記塗工液の塗工方法としては、特に制限はなく、塗工液の粘性、所望とする電荷輸送層の厚み等の目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などが挙げられる。
前記電荷輸送層は、電子写真特性や膜粘性の観点から、何らかの手段を用いて加熱を行い、前記溶媒を前記電荷輸送層中から取り除く必要がある。
前記加熱する方法としては、例えば、空気、窒素等の気体、蒸気、各種熱媒体、赤外線、電磁波等の熱エネルギーを塗工面側又は支持体側から加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱する際の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜170℃が好ましい。前記温度が100℃未満であると、膜中の有機溶媒を十分取り除くことができず、電子写真特性の低下や摩耗耐久性低下が生じることがある。一方、前記温度が170℃を超えると、表面にゆず肌状の欠陥や亀裂の発生、隣接層との界面で剥離の発生などが生じるだけでなく、感光層中の揮発性成分が外部に霧散した場合、所望の電気特性が得られなくなることがある。
前記電荷輸送層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、解像度乃至応答性の点から、50μm以下が好ましく、45μm以下がより好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)により異なるが、5μm以上が好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下引き層、中間層などが挙げられる。
−下引き層−
前記下引き層は、前記導電性支持体と前記感光層との間に設けることができる。
前記下引き層は、樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤、微粉末顔料、カップリング剤等のその他の成分を含む。
前記下引き層に含まれる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、前記樹脂の上に感光層を溶媒で塗布する点で、一般の有機溶媒に対して耐溶媒性の高い樹脂が好ましい。
前記下引き層に含まれる微粉末顔料としては、モアレ防止、残留電位の低減等を図ることができる顔料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物などが挙げられる。
前記下引き層に含まれるカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤などが挙げられる。
前記下引き層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、単層であってもよく、2層以上の積層であってもよい。
前記下引き層の形成方法としては、特に制限はなく、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができ、例えば、Alを陽極酸化して形成する方法、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物;SiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物;を真空薄膜作製法にて形成する方法などが挙げられる。
前記下引き層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm〜5μmが好ましい。
−中間層−
前記中間層は、前記電荷輸送層と前記表面保護層との間に、前記表面保護層への電荷輸送層成分の混入を抑える又は両層間の接着性を改善することを目的として設けることができる。
前記中間層は、結着樹脂を含み、更に必要に応じて上述の酸化防止剤等のその他の成分を含む。中間層用塗工液としては、表面保護層用塗工液に対し不溶性又は難溶性であるものが好ましい。
前記中間層に含まれる結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
前記中間層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記感光層と同様の適当な溶媒及び塗工法を用いて形成する方法などが挙げられる。
前記中間層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05μm〜2μmが好ましい。
<導電性支持体>
前記導電性支持体としては、体積抵抗値が1×1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスベルト(エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト等)を用いてもよい。
前記導電性支持体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属(アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等)又は金属酸化物(酸化スズ、酸化インジウム等)を蒸着又はスパッタリングして、支持体(フィルム状、円筒状等のプラスチック、紙等)を被覆することにより形成する方法;金属(アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等)の板を押出し、引抜き等を行い、表面処理(素管化後、切削、超仕上げ、研摩等)を施して形成する方法などが挙げられる。
前記導電性支持体は、前記導電性支持体上に導電性層を設けてもよい。
前記導電性層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性粉体及び結着樹脂を、必要に応じて溶媒に分散乃至溶解して得られた塗工液を前記導電性支持体上に塗布することにより形成する方法、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブを用いて形成する方法などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素微粒子;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記導電性層に用いる結着樹脂として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、具体的には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
[電子写真感光体の実施形態]
以下では、本発明の電子写真感光体の実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図2を用いて説明する。
図2は、単層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、単層型感光層26及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図3を用いて説明する。
図3は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図4を用いて説明する。
図4は、図3の構成を有する電子写真感光体に、更に中間層を設けた構成を有する。
図4は、導電性支持体21上に、下引き層22、電荷発生層23、電荷輸送層24、及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る電子写真感光体の層構成について、図5を用いて説明する。
図5は、積層型感光層を有する構成であり、導電性支持体21上に、電荷輸送層24、電荷発生層23、及び表面保護層25を順次積層した電子写真感光体の層構成を示した図である。なお、電荷発生層23及び電荷輸送層24が感光層に該当する。
(画像形成装置)
前記画像形成装置は、電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の手段を有してなる。前記画像形成装置において使用する電子写真感光体が、上述の本発明の電子写真感光体である。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
<帯電手段>
前記帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器(電子写真感光体表面と帯電器との間に100μm以下の空隙を有する近接方式の非接触帯電器を含む)などが挙げられる。
<露光手段>
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられ、前記露光器における光源としては、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの高輝度が確保できる光源などが挙げられる。なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段>
前記現像手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。前記現像器としては、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。前記現像器内では、例えば、前記トナーと外添剤とが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記トナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電子写真感光体とクリーニングブレードの磨耗を抑制できる点で、トナーに外添剤が添着されているものが好ましく、前記外添剤の一次粒子径が、前記電子写真感光体表面保護層の表面の平均最大凹凸高さより小さいものがより好ましい。
前記外添剤としては、特に制限はなく、流動性や現像性、帯電性を補助する目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。これらの中でも、無機微粒子が好ましい。
前記無機微粒子としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。
前記BET法による比表面積としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m/g〜500m/gが好ましい。
前記無機微粒子のトナー粒子に対する添加量としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2質量%がより好ましい。
前記高分子系微粒子としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナ
イロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
前記外添剤は、表面処理剤により、表面処理を行うことで、疎水性を上げ、高湿度下においても外添剤自身の劣化を防止することができる。
前記表面処理剤としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
<転写手段>
前記転写手段は、前記可視像を記録媒体に転写する手段であるが、前記電子写真感光体表面から記録媒体に可視像を直接転写する方法と、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する方法がある。いずれの態様も良好に使用することができるが、高画質化に際して転写による悪影響が大きいような場合には、転写回数が少ない前者(直接転写)の方法が好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
−定着手段−
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好ましく、前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせなどが挙げられ、前記加熱加圧手段における加熱としては、通常80℃〜200℃が好ましい。前記定着としては、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
−除電手段−
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
[画像形成装置の実施形態]
以下では、本発明の画像形成装置の実施形態について説明する。
図6は、本発明の画像形成装置を説明するための概略図であり、電子写真感光体1の周りに、帯電手段3、露光手段5、現像手段6、転写手段10などが配置される。
まず、図6に示す帯電手段3により、電子写真感光体1が平均的に帯電される。帯電手段3としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラー帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
次に、図6に示す露光手段5により、均一に帯電された電子写真感光体1上に静電潜像が形成される。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、図6に示す現像手段6により、電子写真感光体1上に形成された静電潜像が可視化される。この現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法などが挙げられる。電子写真感光体1に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、図6に示す転写手段10により、電子写真感光体1上で可視化されたトナー像が記録媒体9上に転写される。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。転写手段10としては、転写チャージャ、バイアスローラー等を用いる静電転写方式;粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式;磁気転写方式などが利用可能である。
更に必要に応じて、図6に示す記録媒体9を電子写真感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12を用いてもよい。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。また、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするために、ファーブラシ14、クリーニングブレード15等のクリーニング手段が用いられ、クリーニングをより効率的に行うためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他のクリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。また、電子写真感光体1上の潜像が取り除くために除電手段2を用いてもよい。除電手段2としては、除電ランプ、除電チャージャなどが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段の少なくともいずれかの手段を有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。本発明のプロセスカートリッジにおいて使用する電子写真感光体は、上述した本発明の電子写真感光体である。
前記プロセスカートリッジとは、図7に示すように、電子写真感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段(不図示)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。図7のプロセスカートリッジによる画像形成工程について示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段106により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、全て質量部を表す。
(電子写真感光体の製造)
<実施例1>
直径φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、平均厚み3.5μmの下引き層、平均厚み0.2μmの電荷発生層、及び平均厚み23μmの電荷輸送層を形成した。各層の塗工後に指触乾燥をした後、下引き層は130℃、電荷発生層は95℃、電荷輸送層は120℃で各々20分間乾燥を行った。
〔下引き層用塗工液〕
・ アルキッド樹脂 ・・・ 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、DIC株式会社製)
・ メラミン樹脂 ・・・ 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、DIC株式会社製)
・ 酸化チタン ・・・ 40部
(CR−EL、石原産業株式会社製)
・ メチルエチルケトン ・・・ 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
・ 下記構造式(1)のビスアゾ顔料 ・・・ 2.5部
・ ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) ・・・ 0.5部
・ シクロヘキサノン ・・・ 200部
・ メチルエチルケトン ・・・ 80部
〔電荷輸送層用塗工液〕
・ ビスフェノールZポリカーボネート ・・・ 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・ 下記構造式(2)の電荷輸送性化合物 ・・・ 7部
・ テトラヒドロフラン ・・・ 100部
・ 1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 ・・・ 1部
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)
〔表面保護層の塗工プロセス〕
下記組成の表面保護層用塗工液を前記導電性支持体、下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順で有する積層体上に、スプレー塗工法にて、前記積層体の長手方向にスプレー装置を移動させながら、電荷輸送層上に2回吹き付け塗工することで、平均厚み3.5μmの表面保護層を成膜した。成膜後、積層体を回転させながら5分間放置した。
〔表面保護層用塗工液1〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:1,000mPa・s、KAYARAD(登録商標) DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ(酸化アルミニウム)微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK(登録商標)−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア(登録商標)184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
−表面保護層塗工液の調製−
上記組成の表面保護層塗工液1は、アルミナ微粒子、微粒子分散剤、及びテトラヒドロフランの一部を、事前に4時間ボールミル分散機を用いることでミリングし、固形分が10%の微粒子分散液を作製した後、6官能のラジカル重合性化合物、残りのテトラヒドロフラン、及び光重合開始剤を混合することで調製した。
〔紫外線照射及び乾燥プロセス〕
前記表面保護層を成膜した積層体を回転させながら、メタルハライドランプを用いて、照度500mW/cm、照射時間20秒間の条件で光照射を行うことで表面保護層を架橋させた後に、130℃、30分間の条件で乾燥させて電子写真感光体1(OPC1)を得た。
<実施例2>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液2に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体2(OPC2)を得た。
〔表面保護層用塗工液2〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<実施例3>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液3に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体3(OPC3)を得た。
〔表面保護層用塗工液3〕
・ 3官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:100mPa・s、TMPTA、東京化成工業株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<実施例4>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液4に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体4(OPC4)を得た。
〔表面保護層用塗工液4〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ 酸化チタン微粒子(平均一次粒子径:20nm、TTO−51(A)、石原産業株式会社製) ・・・ 70部
・ 微粒子分散剤 (HIPLAAD ED118、楠本化成株式会社製) ・・・ 14部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1,700部
<実施例5>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液5に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体5(OPC5)を得た。
〔表面保護層用塗工液5〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ 酸化亜鉛微粒子(平均一次粒子径:34nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 70部
・ 微粒子分散剤 (HIPLAAD ED350、楠本化成株式会社製) ・・・ 14部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1,700部
<実施例6>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液6に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体6(OPC6)を得た。
〔表面保護層用塗工液6〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ 酸化亜鉛微粒子(平均一次粒子径:50nm、MT−600B、テイカ株式会社製) ・・・ 70部
・ 微粒子分散剤 (HIPLAAD ED118、楠本化成株式会社製) ・・・ 14部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 1,700部
<実施例7>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液7に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体7(OPC7)を得た。
〔表面保護層用塗工液7〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 30部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 4.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<実施例8>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液8に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体8(OPC8)を得た。
〔表面保護層用塗工液8〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 50部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 7.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<実施例9>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液9に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体9(OPC9)を得た。
〔表面保護層用塗工液9〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 150部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 22.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<実施例10>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液10に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体10(OPC10)を得た。
〔表面保護層用塗工液10〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 200部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 30部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例1>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液11に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体11(OPC11)を得た。
〔表面保護層用塗工液11〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:1,000mPa・s、KAYARAD(登録商標) DPCA−120、日本化薬株式会社製)
・ シリコーン樹脂微粒子(平均一次粒子径:500nm、トスパール105、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例2>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液12に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体12(OPC12)を得た。
〔表面保護層用塗工液12〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ 酸化チタン微粒子(平均一次粒子径:10nm、MT−01、テイカ株式会社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (HIPLAAD ED118、楠本化成株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例3>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液13に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体13(OPC13)を得た。
〔表面保護層用塗工液13〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ 酸化チタン微粒子(平均一次粒子径:70nm、PT−401M、石原産業株式会社製) ・・・ 100部
・ 微粒子分散剤 (HIPLAAD ED118、楠本化成株式会社製) ・・・ 15部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例4>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液14に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体14(OPC14)を得た。
〔表面保護層用塗工液14〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 10部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例5>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液15に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体15(OPC15)を得た。
〔表面保護層用塗工液15〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 250部
・ 微粒子分散剤 (DISPERBYK−220S、ビックケミー・ジャパン株式会社製) ・・・ 37.5部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
<比較例6>
実施例1で用いた表面保護層用塗工液1を下記表面保護層用塗工液16に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体16(OPC16)を得た。
〔表面保護層用塗工液16〕
・ 6官能のラジカル重合性化合物 ・・・ 100部
(25℃での粘度:5,500mPa・s、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製)
・ アルミナ微粒子(平均一次粒子径:31nm、シーアイ化成株式会社製) ・・・ 100部
・ 光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン) ・・・ 5部
(イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)
・ テトラヒドロフラン ・・・ 2,100部
製造された電子写真感光体(OPC1〜OPC16)に用いた各表面保護層用塗工液組成の概要を表1に示す。
(現像剤の製造)
<製造例1>
−トナー母体粒子の作製−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させた後、反応槽中に無水トリメリット酸44部を添加し、常圧下、180℃で2時間反応させて、未変性ポリエステル樹脂を合成した。
得られた未変性ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2,500、質量平均分子量が26,000、ガラス転移温度が43℃、酸価が25mgKOH/gであった。
水1,200部、カーボンブラックPrintex35(エボニック デクサ ジャパン株式会社製;DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)540部及び未変性ポリエステル樹脂1,200部を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、未変性ポリエステル樹脂378部、カルナバワックス110部、サリチル酸金属錯体E−84(オリエント化学工業株式会社製)22部及び酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下、80℃まで昇温し、80℃で5時間保持した後、1時間かけて30℃まで冷却した。次に、反応容器中に、先に得られたマスターバッチ500部及び酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して原料溶解液を得た。
得られた原料溶解液1,324部を反応容器に移し、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス株式会社製)を用いて、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填し、送液速度が1kg/時、ディスク周速度が6m/秒の条件で3パスして、カルナバワックスを分散させ、ワックス分散液を得た。
次に、得られたワックス分散液に未変性ポリエステル樹脂の65質量%酢酸エチル溶液1,324部を添加した。上記と同様の条件でウルトラビスコミルを用いて1パスして得られた分散液200部に、少なくとも一部にベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性した層状無機鉱物モンモリロナイト(クレイトンAPA、サザンクレイプロダクツ社製)3部を添加し、T.K.ホモディスパー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、30分間攪拌し、トナー材料の分散液を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルスズオキシド2部を仕込み、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10mHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステル樹脂を合成した。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、得られた中間体ポリエステル樹脂410部、イソホロンジイソシアネート89部及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃で5時間反応させて、プレポリマーを合成した。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170部及びメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。
反応容器中に、先に得られたトナー材料の分散液749部、先に得られたプレポリマー115部、及び得られたケチミン化合物2.9部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて5,000rpmで1分間混合して、油相混合液を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683部、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400rpmで15分間撹拌し、乳濁液を得た。乳濁液を加熱して、75℃まで昇温して5時間反応させた。次に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を添加し、75℃で5時間熟成して、樹脂粒子分散液を調製した。
次に、水990部、得られた樹脂粒子分散液83部、48.5質量%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、カルボキシメチルセルロースナトリウムの1質量%水溶液(セロゲンBS−H−3、第一工業製薬株式会社製)135部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、水系媒体を得た。
得られた水系媒体1,200部に、先に得られた油相混合液867部を加え、TK式ホモミキサーを用いて、13,000rpmで20分間混合して、分散液(乳化スラリー)を調製した。
更に、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、得られた乳化スラリーを仕込み、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、分散スラリーを得た。
続いて、分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
得られた濾過ケーキに10質量%塩酸を加えて、pHを2.8に調整し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。
さらに、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、最終濾過ケーキを得た。
得られた最終濾過ケーキを、循風乾燥機を用いて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
−外添剤の添着−
得られたトナー母体粒子100部に対し、平均一次粒子径20nmの疎水性シリカ(HDK(登録商標)H2000、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)1.5部を添加し、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製)にて周速33m/sの条件の下、3分間混合した。混合後の粉体を目開き38μmのメッシュに通過させ、粗大粉を取り除き疎水性微粉末を外添したトナー1を作製した。
<製造例2>
製造例1において、外添剤の添着に用いる疎水性シリカに平均一次粒子径140nm(UFP−30H、電気化学工業株式会社製)を用いた以外は同様にして、トナー2を作製した。
(金属酸化物微粒子凝集体の観察)
電子写真感光体表面における金属酸化物微粒子凝集体の観察のため、電子写真感光体の断片に導電性付与のために白金パラジウムでコートし、表面保護のため更に白金カーボンでコートして、観察サンプルを作製した。サンプルを収束イオンビームを用いて断面加工を行い、ショットキーサーマル型電界放射銃走査電子顕微鏡(以下サーマルFE−SEM)にて観察を行った。サーマルFE−SEMとしてULTRA55(カールツァイス社製)を用いた。
加速電圧0.8kV、20,000倍で撮影し、表面近傍部(感光体の表面保護層の表面から深さ1μmの部分)における凝集体の偏在、表面の凹凸構造の形成を確認した(図8参照)。
また、分子間力顕微鏡(分子間力プローブ顕微鏡システム、MFP−3D−SA−J、株式会社アサイラムテクノロジー製)を用いて、ドラム断片の15μm幅の領域で表面形状を測定した(図9参照)。任意の15μm幅の断面曲線における凸部について、全ての凸部の凸の幅を測定し平均値を算出することで、凝集体平均径(凸部平均径)を求めた。同じ表面部分の測定から、15μm幅の領域のなかに存在する凹部の数を測定した。
任意の15μm幅の領域に存在する凸部の最大凸高さと凹部の最小凹高さを測定し、その和を最大凹凸高さとして求めた。更に任意の15μm幅の領域3箇所の断面曲線について同様に形状測定を実施し、合計4箇所の全ての測定結果の平均値(平均最大凹凸高さ)を形状データとして算出した。結果を表2に表す。
分析装置: 分子間力プローブ顕微鏡システム MFP−3D−SA(株式会社アサイラムテクノロジー製)
・ カンチレバー: OMCL−AC240TS (Si プローブ,共振周波数70kHz(Typ.),ばね定数1.8N/m(Typ.)、オリンパス株式会社製)
・ 測定モード: ACモード(Tapping モード)
測定条件
加振周波数: 75.093 kHz
Scan Rate: 0.5 Hz
Scan Points: 256×256
・測定エリア:15μm×15μm
(画像評価試験)
電子写真感光体(OPC1〜OPC16)、及びトナー(トナー1、トナー2)を以下表2の組合せで電子写真用プロセスカートリッジに搭載し、imagio Neo270(株式会社リコー製)で5万枚の通紙試験を行い、画像評価によりクリーニング性を確認した。結果を表2に示す。
(ブレード摩耗試験)
画像評価試験において用いた各クリーニングブレードについて、図10に示すように、ブレード先端面側から観た摩耗幅を、マイクロスコープ(VHX−100、株式会社キーエンス製)を用い測定した。結果を表2に示す。
本発明においては、表面保護層の表面近傍部に高硬度の金属酸化物微粒子凝集体が偏在することで、凸部が表面に形成されるため、感光体表面の機械的な耐久性を大きく向上している。更に凹部を有することにより、微小領域中に凹凸が形成されている。それにより、感光体とクリーニングブレードの接触面積が小さくなり、摩擦力が低減し、感光体とクリーニングブレードの摩耗が抑制され、クリーニング性が確保されることで、長期にわたり良好な画像形成が維持される。
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1> 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部とを含有し、
前記表面保護層の表面近傍部に前記金属酸化物微粒子の凝集体が偏在しており、
前記表面保護層の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凸部の平均径が5μm以下であり、前記凹凸構造の平均最大凹凸高さが20nm以上110nm以下であることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 凹凸構造の凸部が15μm幅の領域に少なくとも1つ存在する前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> 表面保護層が分散剤を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<4> バインダー樹脂を構成するモノマーの25℃での粘度が1,000mPa・s以上である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<5> 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有する画像形成装置であって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置である。
<6> 現像手段は、電子写真感光体の表面保護層の表面の平均最大凹凸高さより小さい一次粒子径のトナー外添剤を含む前記<5>に記載の画像形成装置である。
<7> 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段の少なくともいずれかの手段を有するプロセスカートリッジであって、
前記電子写真感光体が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<8> 現像手段を有し、前記現像手段は、電子写真感光体の表面保護層の表面の平均最大凹凸高さより小さい一次粒子径のトナー外添剤を含む前記<7>に記載のプロセスカートリッジである。
1 電子写真感光体
2 除電手段
3 帯電手段
5 露光手段
6 現像手段
7 転写前チャージャ
8 搬送ローラ
9 記録媒体
10 転写手段
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
21 導電性支持体
22 下引き層
23 電荷発生層
24 電荷輸送層
25 表面保護層
26 単層型感光層
101 電子写真感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
106 転写手段
107 クリーニング手段
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
622 弾性ブレード
特開平05−181299号公報 特開2002−006526号公報 特開2002−082465号公報 特開2000−284514号公報 特開2001−194813号公報 特許第3975835号公報 特開2009−186968号公報 特開2009−282166号公報

Claims (8)

  1. 導電性支持体と、前記導電性支持体上に、少なくとも感光層及び表面保護層をこの順に有する電子写真感光体であって、前記表面保護層は、バインダー樹脂と、前記バインダー樹脂100質量部に対して、平均一次粒子径が20nm以上50nm以下である金属酸化物微粒子30質量部〜200質量部とを含有し、
    前記表面保護層の表面近傍部に前記金属酸化物微粒子の凝集体が偏在しており、
    前記表面保護層の表面は凹凸構造を有し、前記凹凸構造における凸部の平均径が5μm以下であり、前記凹凸構造の平均最大凹凸高さが20nm以上110nm以下であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 凹凸構造の凸部が15μm幅の領域に少なくとも1つ存在する請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 表面保護層が分散剤を含有する請求項1から2のいずれかに記載の電子写真感光体。
  4. バインダー樹脂を構成するモノマーの25℃での粘度が1,000mPa・s以上である請求項1から3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 電子写真感光体、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、及び前記可視像を記録媒体に転写する転写手段を少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 現像手段は、電子写真感光体の表面保護層の表面の平均最大凹凸高さより小さい一次粒子径のトナー外添剤を含む請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 電子写真感光体と、前記電子写真感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された前記電子写真感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び電子写真感光体上に残留するトナーを除去するためのクリーニング手段の少なくともいずれかの手段を有するプロセスカートリッジであって、
    前記電子写真感光体が、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 現像手段を有し、前記現像手段は、電子写真感光体の表面保護層の表面の平均最大凹凸高さより小さい一次粒子径のトナー外添剤を含む請求項7に記載のプロセスカートリッジ。
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