JP4590344B2 - 静電潜像担持体及びそれを用いた画像形成装置、プロセスカートリッジ及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
しかし、前記コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂の表面層は耐摩耗特性は改善されるが、繰り返し使用時の電子写真特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、また、近年要求される高寿命感光体としての耐久性に対しては不十分である。
しかし、この感光体の樹脂層は、画像ボケが発生しやすく、実用化のためには、ドラムヒーター等の機構を搭載するなどして画像ボケの発生を抑制する必要があり、装置の大型化、コストアップを招いている。また、露光部の残留電位低減が不十分であり、帯電電位を抑えて作像する低電位現像プロセスにおいては、画像濃度の低下などが問題となる。
しかし、この提案の方法では、体積収縮に起因すると考えられる塗膜の亀裂が生じることがあり、特に、安価で取り扱いの容易な市販のコーティング剤との組み合わせでは、上記問題が発生する。また、露光部の残留電位に膜厚依存性があり、低電位現像プロセスにおける画像濃度低下が問題となる。また、電荷輸送性付与基の含有量を増加すると、塗膜強度が低下し、十分な耐久性が得られないことがある。更に、画像ボケを引き起こすことがあり、長期間繰り返して良好な画像が出力される電子写真感光体を安価にかつ容易に得ることは困難である。
この構成によって、耐摩耗性の向上、残留電位の低減はある程度達成されると思われるが、保護層に導電性粒子を含有させると、保護層の体積抵抗が低下してしまうため、高温高湿環境下での静電潜像流れに起因する画像ボケが発生しやすくなる。また、電荷輸送物質も三次元架橋を形成する構造単位であるため、保護層中に占める割合が多くなるほど、分子構造、特に水酸基の数や結合部位が耐摩耗性に及ぼす影響が大きくなり、場合によっては十分な耐摩耗性を発現できなくなることが考えられる。
この方法によれば、耐摩耗性が改善されかなり良好な結果を示す。しかし、保護層の下層(記録層)がポリカーボネートから構成される場合、保護層と下層の接着性が必ずしも十分とは云えず、静電潜像担持体の端部や、キャリアや紙粉によって生じる保護層表面に傷が発生すると、その傷の部分から保護層の剥離が起り、保護層が剥離した箇所は下の感光層がむき出し状態となる場合がある。感光層がむき出しになった箇所は、帯電特性、光減衰特性が剥離していない箇所とは異なるため、色ムラなどの異常画像となりやすい。
前記静電潜像担持体の最表面層が、下記一般式(1)で表される電荷輸送性ポリオールと、イソシアネート化合物との架橋結合により形成された架橋性樹脂を含有することを特徴とする静電潜像担持体である。
このため、残留官能基などによる電子写真特性への悪影響が回避され、耐摩耗性が高く電子写真特性の良好な静電潜像担持体を得ることができる。
前記静電潜像担持体が、前記何れかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置に係るものである。
前記静電潜像担持体が、前記何れかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法に係るものである。
本発明に係る画像形成装置によれば、上記静電潜像担持体を備えているので、高品質現像行うことができ、長期間にわたって安定した画像形成を行うことができる。画像形成要素を複数備えたタンデム型の画像形成装置、あるいはトナー像を記録媒体に一括で二次転写する画像形成装置とすれば、高品位のフルカラー画像形成が可能である。
本発明に係る画像形成方法によれば、長期間にわたって、カブリや、画像ボケ、色ムラ、画像濃度低下などがなく安定した画像が形成される。
本発明に係るプロセスカートリッジによれば、メンテナンス性の向上、装置の小型化を図ることができる。
また、一般式(1)のYにおける炭素数2〜6の置換又は無置換のアルコキシ基としては、上記炭素数2〜6の置換又は無置換のアルキル基を有するアルコキシ基を表し、その具体例としては、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブチルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
電子供与性を有する分子構造としては、正孔輸送化合物があり、例えば、トリフェニルアミン誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。
電子受容性を有する分子構造としては、電子輸送化合物があり、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどが挙げられる。
特に、窒素原子を分子構造中に含む(例えば、トリアリールアミン構造)正孔輸送化合物は電荷輸送能が良好であり、好ましく用いられる。
この理由に関しては、2つの水酸基が隣接した炭素原子と結合している構造の場合、それらがともにイソシアネートと架橋すると、2つのポリウレタン結合が隣接した炭素原子(炭素−炭素結合)で結合した構造となる。このような結合である場合、後述のように反応性電荷輸送化合物の電荷輸送機能を担う分子構造が直接主鎖に組み込まれず、ペンダント型にぶら下がった構造を形成することになる。このため、反応性電荷輸送物質に対する立体ひずみはほとんど起こらないといえる。また、ポリウレタン鎖の主鎖に含まれる炭素数が最も少ない構成となるため、網目構造がより密に形成され、耐摩耗性が向上すると考えられるのである。従って、電荷輸送能の低下はほとんど起こらずに、良好な電子写真特性を保持しつつ、耐摩耗性の向上を達成することができると考えられる。
また、炭素数1〜4の置換又は無置換のオキシアルキレン基としては、上記置換又は無置換のアルキレン基のオキシアルキレン基等が挙げられる。その置換基も同様である。
即ち、上記一般式(2)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)は、水酸基が結合している隣接した炭素原子が分子末端に位置しており、これら2つの水酸基にとっては、立体障害の最も少ないコンフォメーションで存在することができる。そのため、両水酸基とも非常に反応しやすい状態であるといえる。従って、架橋反応後に未反応のまま残存する水酸基は非常に少なくなると考えられ、このことから、架橋密度の高い塗膜を形成しやすく、残留官能基による電子写真特性への悪影響も非常に小さくなり、耐摩耗性が高く電子写真特性の良好な静電潜像担持体を得ることができると考えられる。
一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)においてY又はRと結合しないA1、A2、A3、R1、R2、Ar2 、Ar4、Ar5、R4、R5、R6、R7、A4、A5、A7、A8の置換又は無置換のアラルキル基としては、ベンジル基等が挙げられる。
一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)においてY又はRと結合しないA1、A2、A3、R1、R2、Ar2 、Ar4、Ar5、R4、R5、R6、R7、A4、A5、A7、A8の置換又は無置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。その置換基として、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
また一般式(3)、(4)、(5)、(6)、(7)においてY又はRと結合するアリレン基、アラルキレン基もしくはアルキレン基は、上記アリール基、アラルキル基もしくはアルキル基の2価基が挙げられる。その置換基も同様である。
更に、一般式(3)においてY又はRと結合するA1、A2、A3としては、スチルベニリデン基、α−フェニルスチルベニリデン基が挙げられる。
一般式(7)のA6における置換又は無置換のアリレン基としては、上記フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、トリフェニレニル基等のアリール基の2価基が挙げられる。
前記2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した炭素数2〜6の置換又は無置換のアルキル基もしくはアルコキシ基を有する電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送性物質)と、イソシアネート化合物との架橋結合により形成された架橋性樹脂は、ウレタン結合を形成する一種のポリウレタン樹脂である。
ポリウレタン樹脂は、多官能のイソシアネート化合物とポリオール化合物が架橋することで三次元網目構造を形成するため、耐摩耗性が高いバインダー樹脂として好適に用いられる。しかしながら、ポリオール化合物として反応性電荷輸送物質(電荷輸送性ポリオール)を用いる場合、その構造によっては前述の三次元網目構造の形成に不利な場合が発生する。例えば、本発明の電荷輸送性ポリオールとは異なる構造の反応性電荷輸送物質として、下記表1及び表2に示すような反応性基である水酸基を1つしか持たない反応性電荷輸送物質が挙げられる。
このような構造は、他のポリオール成分を併用しなければもはや高分子構造を形成できず、強靭な樹脂層を形成することは難しい。そこで、必然的に多官能性のポリオール化合物とともに用いることになるが、前述のとおり、表1及び表2に示す反応性電荷輸送物質を用いることによってペンダント型構造を含有することが避けられずポリウレタンの三次元網目構造の形成を阻害することになる。その結果、耐摩耗性は大幅に劣化してしまうことが考えられる。その対策として反応性電荷輸送物質の含有量を低減し、他のポリオール成分を増加すると、最表層の電荷移動性が低下し、光感度の低下、残留電位の上昇などの不具合が発生してしまう。即ち、最表層の耐摩耗性と電気特性がトレードオフの関係になってしまうという問題がある。
即ち、本発明の反応性電荷輸送物質D3−1は、2つの炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した炭素数2〜6の置換又は無置換のアルキル基もしくはアルコキシ基と、電荷輸送性分子構造を含んでなる1〜4価の炭化水素結合を主とする有機残基が結合した構造を有しており、ポリウレタン鎖に2つ以上の架橋点を有しながらペンダント型に結合するため、電荷輸送性を担う分子構造それ自体が複数のポリウレタン結合の主鎖に組み込まれることがない。
従って、ポリウレタン鎖の二次構造の影響を受けにくく、電荷輸送性を担う分子構造に立体的なひずみが生じ難くなっている。そのため、電荷移動性の低下が抑制され、感度低下や残留電位上昇を抑え、かつ高い耐摩耗性を達成していると考えられる。
これについては、以下のような理由が考えられる。即ち、本発明の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)を用いた場合、ウレタン結合形成時の立体的なひずみが生じにくいため、電荷輸送化合物構造由来の電荷輸送性が発揮できる。そして、スチルベン系、α−フェニルスチルベン系は元々の化合物それ自体が非常に良好な電荷輸送能を有しているため、D3−2〜D3−6に示す水酸基を2〜4個有するアルキル基、アルコキシ基を導入した電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)構造としても同様に非常に良好な電荷輸送能を発揮するものと考えられる。
ここで、本発明の静電潜像担持体の形態と最表面層との関係について説明する。
静電潜像担持体の第一形態としては、支持体上に単層型感光層(以下、単に「感光体」と表現することがある。)を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなるものが挙げられる。
また、前記静電潜像担持体の第二形態としては、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなるものが挙げられる。なお、第二形態では、電荷発生層と電荷輸送層が逆に積層された構成でも構わない。
上記単層型感光層における最表面層としては、感光層、又は該感光層上に形成された保護層が該当する。また、上記積層型感光層における最表面層としては、電荷輸送層、又は該電荷輸送層上に形成された保護層が該当する。なお、電荷発生層と電荷輸送層が逆に積層された構成の場合には、電荷発生層上に形成された保護層が該当する。
図1は、本発明における静電潜像担持体の構成例を示す模式断面図であり、支持体201上に単層型感光層(感光層)202を設けた構成のものである。また、図2の模式断面図は、図1の感光層202上に保護層206を設けた別の構成例を示す。
図3、図4、及び図5は、各々本発明における他の静電潜像担持体の層構成例を示すものであり、図3は、本発明における静電潜像担持体の他の構成例を示す模式断面図であり、支持体201上に積層型感光層(感光層)202である電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204が設けられた機能分離型タイプのものである。図4は、図3の構成において支持体201と、電荷発生層(CGL)203の間に下引き層205を設けたものである。図5は、図4の構成において電荷輸送層204の上に保護層206を積層したタイプのものである。図6は、図5の構成において下引き層205と電荷発生層203との間に中間層207を設けたタイプのものである。なお、本発明の静電潜像担持体は、支持体201上に感光層202を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
このような分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールとしては、官能基数が2以上であればよく、ジオールや3価以上のポリオールが用いられる。下記にポリオールを例示するが、本発明に用いられるポリオールはこれに限定されるものではない。
好ましく用いられるものとしてトリメチロールプロパン、あるいは、ヒドロキシエチル基が導入されたスチレン−アクリル共重合体、例えば、下記構造式(I)で示されるポリオールが挙げられる(例えば、式中、l=28、m=42、n=30(数平均分子量1000以上、重量平均分子量約31000))。このようなポリオールの例として、例えば、スチレン−アクリル共重合体LZR−170(藤倉化成社製)が挙げられる。
この場合、複数のポリオールの少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合(分子量/水酸基数=OH当量)が30以上150未満であることが好ましく、40以上、120未満であることが更に好ましい。
OH当量が30以上、150未満のポリオールを組み合せることにより、耐摩耗性の高い最表面層を形成することができる。即ち、OH当量の小さいポリオールの含有量を大きくすると、架橋密度が増加して、よりきめの細かい三次元網目構造を形成して耐摩耗性が向上する。
30以上、150未満であるポリオールの含有量が10%より小さいと、耐摩耗性向上効果があまり発揮されない。また、90%よりも大きいと、架橋密度が高くなるために、保護層の耐摩耗性は高くなるが、官能基の数が多くなるために反応性も高くなり、塗工液とした場合の貯蔵安定性が低下して寿命が短くなってしまう。そのため、製造工程での不具合が発生しやすく、大量の有機廃液を発生させてしまう恐れがある。また、架橋点が多くなることから、架橋時の体積収縮が大きくなり、塗膜の割れやハジキによる欠陥が発生してしまう場合がある。
複数のポリオールの少なくとも1種類を、OH当量が150以上、1500未満のポリオールとすると、成膜性が良好でかつ形成された最表面層は高い耐摩耗性を有し、しかも最表面層形成用塗工液とした場合の貯蔵安定性が高く非常に良好な保存性を示す。
この理由としては、上記規定されたOH当量を有するポリオールは、分子量が比較的大きいため、塗工液に適度な粘性を持たせ、OH当量の小さいポリオールやポリイソシアネート、本発明に用いられる反応性電荷輸送物質の均一な混合状態を保持し、ウェット状態の塗膜のレベリング性、均一性が向上するためと考えられる。
更に、トリメチロールプロパンと、脂肪族ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート等)あるいは脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート等)のアダクトなどが好ましく用いられる。
このように好ましく用いられる少なくとも1分子中にNCO基を3個以上有しているイソシアネート化合物の例として、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートからなるアダクトを下記構造式(II)に示す。
また、ポリイソシアネートとしては、電荷発生性分子骨格を有するポリイソシアネートあるいは電荷輸送性分子骨格を有するポリイソシアネートなども用いられる。
電荷輸送物質からなる成分(D)が1/10未満であると、電荷輸送能が不十分となり、残留電位が上昇してしまうことがあり、一方、成分(D)が15/10を超えると、バインダー樹脂成分が少なくなり過ぎて、架橋反応による三次元網目構造の形成が阻害され、耐摩耗性が低下してしまうことがある。
最表面面層は、例えば、浸漬塗工、スプレー塗工、ブレード塗工、ナイフ塗工等の常法の塗工方法を用いて前記感光層上に形成される。これらの中でも、量産性、塗膜品質などの面から浸漬塗工、スプレー塗工が特に好ましい。
0.5μmより薄いと、摩耗による消失や傷などに対する余裕度が小さすぎて、十分な耐久性を確保できないことが多い。一方、50μmよりも厚いと、残留電位の上昇などの不具合を発生させてしまう場合がある。従って、摩耗や傷に対する余裕度の確保と残留電位の発生が少なくなるような好適な膜厚で最表面層を形成する必要がある。
次に、本発明の静電潜像担持体を構成する積層型感光層および単層型感光層について説明する。
<積層層型感光層>
積層型感光層は、支持体上に電荷発生層CGL)と電荷輸送層(CTL)が、通常この順に積層されて形成される。
電荷発生層が最表面層となる場合、電荷発生層は少なくとも前述の本発明に係る電荷輸送性ポリオールと、イソシアネート化合物との架橋結合により形成される架橋性樹脂(バインダー樹脂)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
最表面層とならない場合、電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含有し、バインダー樹脂や更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。電荷発生物質としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、無機系材料と有機系材料との何れかを用いることができる。
なお、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
電荷輸送層は、帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動性がよいことが要求される。
しかしながら、電荷輸送層上に保護層が形成されて電荷輸送層が最表面層とならない構成の場合、電荷輸送層の耐摩耗性は低くても構わないので、本発明に係る電荷輸送性ポリオールとイソシアネート化合物との架橋性樹脂(バインダー樹脂)を電荷輸送層に必ずしも含む必要はない。
電荷輸送層に含有する電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質、高分子電荷輸送物質などが挙げられる。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
<単層型感光層>
感光層が最表面層となる場合、電荷発生層は少なくとも前述の本発明に係る電荷輸送性ポリオールと、イソシアネート化合物との架橋結合により形成される架橋性樹脂(バインダー樹脂)を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
しかしながら、感光層上に保護層が形成されて感光層が最表面層とならない場合、感光層の耐摩耗性は低くても構わないので、本発明に係る電荷輸送性ポリオールとイソシアネート化合物との架橋性樹脂(バインダー樹脂)を必ずしも含む必要はない。
感光層が最表面層とならない場合、感光層は、電荷発生物質、上述の正孔輸送物質や電子輸送物質あるいは高分子電荷輸送物質などの電荷輸送物質、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
本発明の電潜像担持体における支持体は、導電性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
支持体としては、導電体又は導電処理をした絶縁体が好適であり、例えば、Al、Ni、Fe、Cu、Au等の金属、又はそれらの合金;ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性基体上にAl、Ag、Au等の金属、あるいはIn2O3、SnO2等の導電材料の薄膜を形成したもの;樹脂中にカーボンブラック、グラファイト、Al、Cu、Ni等の金属粉、導電性ガラス粉などを均一に分散させ、樹脂に導電性を付与した樹脂基体、導電処理をした紙などが挙げられる。
下引き層の厚みは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、該静電潜像担持体が、前記何れかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする。
クリーニング手段としては、例えば、静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するように構成するものが好ましく用いられる。
上記静電潜像形成工程は、帯電された静電潜像担持体上に露光により静電潜像を形成する工程であり、静電潜像担持体として本発明の静電潜像担持体が用いられる。静電潜像形成手段は、帯電器と露光器とを有する。
帯電は、例えば、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。用いられる帯電器としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、ローラ端部にギャップテープ等のギャップを付与する手段を設け、該ギャップテープを介して静電潜像担持体に非接触に近接配置された帯電器などが挙げられる。
露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
現像工程は、露光により形成された静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。なお、ここでいう「トナー」は、後述するトナー及び現像剤を含む。
即ち、可視像の形成は現像手段により行われ、静電潜像をトナーあるいは現像剤を用いて現像することにより行うことができる。
現像手段としては、トナーあるいは現像剤を用いて現像することができる限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナーあるいは現像剤を収容し、静電潜像に該トナーあるいは現像剤を接触又は非接触で付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
なお、現像器に収容させる現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程である。転写工程としては、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
即ち、現像手段において、複数の静電潜像担持体上にそれぞれ単色複数色のカラートナー画像を形成し、転写手段において、該形成されたカラートナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせて一次転写を行い、得られた一次転写画像を記録媒体上に一括して二次転写するように構成するのが好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例として転写ベルト等が好適に挙げられる。
(1)ヤング率(引張弾性率)の高い材料を単層ベルトとして用いたもの:ヤング率の高い材料としては、PC(ポリカーボネート)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PCのブレンド材料、ETFE/PATのブレンド材料、PC/PATのブレンド材料、カーボンブラック分散の熱硬化性ポリイミドなどが挙げられる。これらヤング率の高い単層ベルトは画像形成時の応力に対する変形量が少なく、特にカラー画像形成時にレジズレを生じにくいとの利点を有している。
(2)上記ヤング率の高いベルトを基層とし、その外周上に表面層又は中間層を付与した2〜3層構成のベルト:2〜3層構成のベルトは単層ベルトの硬さに起因し発生するライン画像の中抜けを防止し得る性能を有している。
(3)ゴム及びエラストマーを用いたヤング率の比較的低いベルト:これらのベルトは、その柔らかさによりライン画像の中抜けが殆ど生じない利点を有している。また、ベルトの幅を駆動ロール及び張架ロールより大きくし、ロールより突出したベルト耳部の弾力性を利用して蛇行を防止するので、リブや蛇行防止装置を必要とせず低コストを実現できる。
即ち、樹脂ベルトを用いたカラー画像の転写の場合には以下の課題がある。
カラー画像は通常4色の着色トナーで形成され、1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されており、トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、二次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過することで圧力を受けてトナー同士の凝集力が高くなるため、文字の中抜けやベタ部画像のエッジ抜けの現象が発生しやすくなる。樹脂ベルトは硬度が高くトナー層に応じて変形しないため、トナー層を圧縮させやすく文字の中抜け現象が発生しやすくなる。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物などが挙げられる。導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。なお、導電剤は、これらに限定されるものではない。
例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を用い、これに、表面エネルギーを小さくするとともに潤滑性を高める材料(例えば、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等)の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上、又は粒径が異なるものを組み合せて分散して使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
弾性ベルトの伸びを防止する方法として、伸びの少ない芯体樹脂層にゴム層を形成する方法、芯体層に伸びを防止する材料を入れる方法等があるが、特定の製法に限定されるものではない。
弾性層の厚さは、弾性層の硬度にもよるが、厚すぎると表面の伸縮が大きくなり表層に亀裂の発生しやすくなる。また、伸縮量が大きくなることから画像に伸び縮みが大きくなること等から厚すぎる(およそ1mm以上)ことは好ましくない。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置により定着させる工程であり、例えば、転写された可視像がカラーである場合には、各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一括して同時に行ってもよい。
加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合せなどが挙げられる。加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて前記定着工程及び定着手段とともに、あるいはこれらに代えて、公知の光定着器を用いてもよい。
除電手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体に対し、除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。好適な除電手段として、例えば、除電ランプ等が挙げられる。
クリーニング手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することがでる。
好適なクリーニング手段としては、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が挙げられる。
潤滑性付与剤としては金属石鹸が好適であり、金属石鹸がステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図7の画像形成装置は、本発明の静電潜像担持体(感光体)を搭載した画像形成装置であり、ドラム状の感光体10、除電ランプ2、帯電チャージャ3、イレーサ4、画像露光部5、現像ユニット6、転写前チャージャ7、レジストローラ8、転写チャージャ110、分離チャージャ111、分離爪112、クリーニング前チャージャ113、クリーニングブラシ114、クリーニングブレード115などから構成されている。
また、近接配置された帯電ローラは、直流電圧の印可だけでは放電が不安定になり、画像濃度ムラなどに繋がるため、直流電圧に交流電圧を重畳印可することが望ましい。
クリーニングブレード115は、硬度(JIS−A)が65〜85度の範囲が好ましい。また、厚さが0.8〜3.0mmで、突き出し量が3〜15mmの範囲にあることが好ましい。その他の条件として当接圧、当接角度、食い込み量等は適宜決定することができる。
しかし、本発明の感光体は、保護層の耐摩耗性が著しく高いため、表面に当接するクリーニング手段を有する画像形成装置においても、安定して良好な画像を出力することができる。
この不具合に対しては、感光体表面に潤滑性付与剤塗布手段を備えて潤滑性付与剤を塗布することによって、クリーニングブレードに対する電子写真感光体表面の摩擦係数を長期間にわたって低減することができ、問題を解消することができる。
図8において、潤滑性付与剤116を棒状にした固形物をクリーニングブラシ114に押し当てており、該クリーニングブラシ114が回転する際に潤滑性付与剤を掻き取り、ブラシに付着した潤滑性付与剤が感光体表面に塗布される仕組みとなっている。
潤滑性付与剤は固形である必要はなく、液体や粉体、半練り状でも、感光体表面に塗布することができ、電子写真特性を満たすものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
図9による画像形成プロセスでは、感光体122が本発明の前記静電潜像担持体であり、感光体122は駆動ローラ123により駆動され、帯電チャージャ220による帯電、像露光光源121による像露光、現像(図示せず)、転写チャージャ帯電器125を用いる転写、クリーニングブラシ126によるクリーニング、除電光源127による除電が繰返し行われる。
即ち、感光体156は図中反時計回りに回転駆動されながら、その表面がコロトロンやスコロトロンなどを用いる帯電チャージャ153によって一様帯電せしめられた後、図示しないレーザ光学装置から発せられるレーザ光Lの走査を受けて静電潜像を担持する。この走査はフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報に基づいてなされるため、感光体ドラム156上にはイエロー、マゼンタ、シアン又はブラックという単色用の静電潜像が形成される。
また、回収されたトナーは、リサイクル手段によって再度現像器内に導くこともできる。図12では、クリーニングユニットによって回収されたトナーを、搬送スクリュー79及びリサイクル経路80によって現像器61に導くことでリサイクルを達成している。
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段と、本発明の前記静電潜像担持体とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してもよい。
現像手段としては、本発明の前記トナー又は現像剤を収容する現像剤収容器と、現像剤収容器内に収容されたトナー又は現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを少なくとも有し、更に担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
<トナー>
本発明の画像形成装置で用いるトナーとしては、材料、製法などについて特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕分級法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。
また便宜上、活性水素基含有化合物を(AC)、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を(PC)と略すことがある。
後述のようにトナーとしては、少なくとも活性水素基含有化合物(AC)及び該(AC)と反応可能な重合体(PC)を含むトナー原料を有機溶媒中で調整した油相を水相中で乳化又は分散し、(AC)と(PC)の反応後に脱溶剤して造粒したものが好ましく用いられる。
前記接着性基材は、紙等の記録媒体に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物及び該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを少なくとも含み、更に公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。
また、低温定着性と耐熱保存性との両立を図る観点からは、前記(TG’−Tη)は0〜100℃が好ましく、10〜90℃がより好ましく、20〜80℃が更に好ましい。
ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかにウレタン結合を含んでいてもよく、この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。前記ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物、
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物、
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物。
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、該イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、前記アミン類(B)が好適である。
例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物が特に好ましい。
アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、等が挙げられる。
このような反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができる。例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点でポリエステル樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はDICと少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
これらは、1種単独でも使用することができ、2種以上を併用してもよい。
即ち、先ず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業株式会社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂等が例として挙げられる。特に、未変性ポリエステル樹脂(変性されていないポリエステル樹脂)が好ましい。未変性ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、1.0〜50.0mgKOH/gが好ましく、1.0〜45.0mgKOH/gがより好ましく、15.0〜45.0mgKOH/gが更に好ましい。一般に前記トナーに酸価をもたせることによって負帯電性となり易くなる。
未変性ポリエステル樹脂(PE)の混合質量比が、95を超えると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがあり、20未満であると、光沢性が悪化することがある。
トナー材料(原料)として用いられる着色剤としては、特に制限はなく公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。
着色剤を例示すれば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起り、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
用いられる樹脂としては、特に制限はなく目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他の成分としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。例えば、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料等がその他の成分として挙げられる。
前記ワックス類としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなり過ぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成しうる樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。このような樹脂微粒子は、熱可塑性樹脂であってもよいし熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられるが、これらの中でもビニル系樹脂が特に好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも微細な球状の樹脂粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
少なくとも2つの不飽和基を持つ単量体としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業株式会社製)、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジオールアクリレートなどが例として挙げられる。
樹脂微粒子の水性分散液の調製方法としては、例えば、(1)前記ビニル樹脂の場合、ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法から選択される何れかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法、(2)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法、(3)前記ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の場合、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、(4)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(5)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、該樹脂微粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(6)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次に溶剤を除去して樹脂粒子を得た後、該樹脂粒子を適当な分散剤存在下、水中に分散させる方法、(7)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法、(8)予め重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により調製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法などが好適に挙げられる。
上記トナー溶液の調製は、前記トナー材料を前記有機溶剤に溶解させることにより行われる。用いられる有機溶剤としては、トナー材料を溶解あるいは分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
有機溶剤は、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、等が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記トナー材料100質量部に対し、40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部が更に好ましい。
前記分散液の調製は、前記トナー溶液を水系媒体中に分散させることにより行うことができる。トナー溶液を水系媒体中に分散させると、水系媒体中にトナー溶液からなる分散体(油滴)が形成される。
水系媒体としては、特に制限はなく公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、該水と混和可能な溶剤、これらの混合物などが挙げられるが、これらの中でも、水が特に好ましい。
水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
分散の方法としては特に制限はなく、公知の分散機等を用いて適宜選択することができる。分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速剪断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。これらの中でも、前記分散体(油滴)の粒径を2〜20μmに制御することができる点で、高速剪断式分散機が好ましい。
接着性基材を粒子状に生成させてトナーを造粒する方法においては、例えば、水系媒体相の調製、前記トナー溶液の調製、前記分散液の調製、前記水系媒体の添加、その他(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)の合成、前記活性水素基含有化合物の合成等)を行う。
分散剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が例として挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するものが好適に挙げられる。該フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。該フルオロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子株式会社製);フローラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M株式会社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業株式会社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ化学工業株式会社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等が挙げられる。
高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クローライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。
前記ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
分散安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能なもの等が挙げられる。分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することができる。
即ち、トナーの体積平均粒径(Dv)としては、3〜8μmが好ましく、4〜7μmがより好ましく、5〜6μmが更に好ましい。ここで、体積平均粒径は、Dv=〔(Σ(nD3)/Σn)1/3(式中、nは粒子個数、Dは粒子径である)と定義される。
体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.25以下であると、トナーの粒度分布が比較的シャープであり、定着性が向上するが、1.00未満であると、二成分現像剤では現像器における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、1.20を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
平均円形度が0.930未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、一方、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生したり、あるいは感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記SF−1が100の場合にはトナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。前記SF−1の値が180を超えるとクリーニング性は向上するが、球形形状が大きくはずれるために、帯電量分布が広くなり地かぶりが多くなり画像品位が低下する。また、移動における空気の抵抗で、電界による現像及び転写が電気力線に忠実でなくなるために、細線間にトナーが現像され画像均一性が低下し、画像品位が低下することがある。
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満であると、真球形状から離れるため、ドット再現性および転写効率が劣り、高品位な画像が得られなくなってしまう場合がある。一方、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナーのような高転写率は得られなくなってしまうことが考えられる。特に、(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナーの流動性を向上させることができる。
現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、現像方式や仕様に合うように調整(キャリア等の選択などを含む)するためにその他の成分を含有してなるものである。
現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
芯材の材料としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。
このような材料としては、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
平均粒径(体積平均粒径(DS0))が、10μm未満であると、キャリア粒子の分布において、微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
前記焼付としては特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
樹脂層の量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1〜10.0質量部である。
先ず、後述する実施例及び比較例の静電潜像担持体の評価において用いるトナーを下記により製造した。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸276質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた。次に、10〜15mmHgの減圧で5時間反応させた後、160℃まで冷却した。これに32質量部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシネート188質量部と2時間反応を行いイソシアネート含有プレポリマー(1)を得た。
この一部を減圧乾燥し、トナーバインダー樹脂(1)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は62℃、酸価は10であった。
電解水溶液として、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製し、該電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分分散処理を行う。別のビーカーに電解水溶液100〜200mlを入れ、その中に前記サンプル分散液粒子を所定の濃度になるように加えて懸濁液を作製した。得られた粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し解析する光学的検知帯の手法を用いた。この値はフロー式粒子像分析装置(FPIA−1000、東亜医用電子社製)により平均円形度を測定した。
上記トナーの製造例1において製造したウレア変性ポリエステル樹脂(1)850質量部と、変性されていないポリエステル樹脂(a)150質量部とを酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000質量部に溶解して混合させてトナーバインダー樹脂(2)の酢酸エチル/MEK(1/1)溶液を得た。これの一部を減圧乾燥してトナーバインダー樹脂(2)を単離した。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物343質量部、イソフタル酸166質量部及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応した。次いで、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後80℃まで冷却し、トルエン中にてトルエンジイソシアネート14質量部を入れ110℃で5時間反応を行った。
上記反応後に脱溶剤し、重量平均分子量98000のウレタン変性ポリエステル樹脂を得た。
一方、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物363質量部、イソフタル酸166質量部を製造例1と同様に重縮合し、変性されていないポリエステル樹脂を得た。
上記ウレタン変性ポリエステル樹脂350質量部と変性されていないポリエステル樹脂650質量部をトルエンに溶解、混合後、脱溶剤し、トナーバインダー樹脂(3)を合成した。
得られたトナー粒子100質量部に疎水性シリカ1.0質量部と、疎水性酸化チタン0.5質量部をヘンシェルミキサーにて混合して製造例3のトナーを製造した。得られたトナーについて、製造例1と同様にして平均円形度を測定したところ0.934であった。
下記構造式(CTP−1)の合成を以下の手順により合成した。
4−メトキシベンジルクロリドと亜リン酸トリエチルを150℃で5時間反応させた。その後、減圧蒸留により、過剰な亜リン酸トリエチルと副生物のエチルクロリドを留去し、4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。
等モルの4−メトキシベンジルホスホン酸ジエチルと4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンズアルデヒドをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、水冷下撹拌しながらtert-ブトキシカリウムを少しずつ添加した。室温で5時間撹拌後、水を添加し、酸性にして析出した目的物の粗収物を得た。更に、シリカゲルによるカラムクロマトグラフにより精製して目的物の4−メトキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンを得た。
得られた4−メトキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンと二倍当量のナトリウムエタンチオラートとをN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、130℃で5時間反応させた。その後、冷却して水に開け、塩酸で中和し、酢酸エチルで目的物を抽出した。抽出液を水洗、乾燥、溶媒留去して粗収物を得た。更に、シリカゲルによるカラムクロマトグラフにより精製して目的物の4−ヒドロキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベンを得た。
かき混ぜ装置、温度計、冷却管、滴下漏斗をつけた反応容器に、4−ヒドロキシ−4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン11.75g、グリシジルメタクリレート4.35g、トルエン8mlを入れ、90℃に昇温した後、トリエチルアミン0.16gを加え、95℃で8時間加熱撹拌した。その後、トルエン16ml、10%水酸化ナトリウム水溶液20mlを加え、更に95℃で8時間加熱撹拌した。
反応終了後、酢酸エチルで希釈し、酸洗浄後水洗してから溶媒を留去して粗収物19gを得た。更に、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ(溶媒:酢酸エチル)により
上記構造式(CTP−1)の目的物1、2−ジヒドロキシ−3−[4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン−4−イルオキシ]プロパンを得た。(収量9.85g、黄色結晶、融点127〜128.7℃、IR測定データを図4(IRデータNo.1)に示す。
上記反応経路において、水酸基を有する電荷輸送物質とグリシジルメタクリレートを反応させた後、アルカリ加水分解を経ることで、1,2−ジヒドロキシプロピル基を導入することができ、電荷輸送性と耐摩耗性のバランスを図りながら水酸基数を任意に決定することができる。なお、水酸基を有する電荷輸送物質の水酸基数は分子構造の設計により任意(理論的には無限)に増やすことが可能である。本発明においては、1,2−ジヒドロキシプロピル基は、1〜4とするのが好ましい。
上記構造式(CTP−1)の合成例と同様の反応経路により、ヒドロキシビフェニリル誘導体を合成した後、これとグリシジルメタクリレートを反応させ、アルカリ加水分解を経て下記構造式(CTP−2)を合成し、CTP−1と同様にしてCTP−2を同定した。
上記構造式(CTP−1)の合成例と同様の反応経路により、ヒドロキシαフェニルスチルベン誘導体を合成した後、これとグリシジルメタクリレートを反応させ、アルカリ加水分解を経て下記構造式(CTP−3)を合成し、CTP−1と同様にしてCTP−3を同定した。
上記構造式(CTP−1)の合成例と同様の反応経路により、ヒドロキシジスチリルアミン誘導体を合成した後、これとグリシジルメタクリレートを反応させ、アルカリ加水分解を経て下記構造式(CTP−4)を合成し、CTP−1と同様にしてCTP−4を同定した。
上記構造式(CTP−3)及び(CTP4)の合成例と同様の反応経路により、ヒドロキシル基がそれぞれ3個及び4個導入された誘導体を合成した後、これとグリシジルメタクリレートを反応させ、アルカリ加水分解を経て下記構造式(CTP−5)及び(CTP−6)を合成し、CTP−1と同様にしてCTP−5及びCTP−6を同定した。
〔静電潜像担持体1の作製〕
以下の手順で静電潜像担持体1を作製した。
〈下引き層の形成〉
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50、大日本インキ化学工業社製)15質量部、及びメラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業社製)10質量部を、メチルエチルケトン150質量部に溶解した。これに酸化チタン粉末(タイペールCR−EL、石原産業社製)90質量部を加え、ボールミルで12時間分散し、下引層用塗工液を作製した。
次に、得られた下引層用塗工液を直径30mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法により塗工し、130℃にて20分間乾燥して、厚み3.5μmの下引き層を形成した。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(XYHL、UCC社製)4質量部をシクロヘキサノン150質量部に溶解した。これに下記構造式(A)で表されるビスアゾ顔料10質量部を加え、ボールミルで48時間分散した後、シクロヘキサノン210質量部を加えて3時間分散を行った。これを容器に取り出し固形分が1.5質量%となるようにシクロヘキサノンで稀釈し、電荷発生層用塗工液を調製した。
次に、テトラヒドロフラン100質量部に、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂10質量部、シリコーンオイル(KF−50、信越化学工業社製)0.002質量部、及び下記構造式(B)で表される電荷輸送物質7質量部を加えて溶解し、電荷輸送層用塗工液を調製した。
次に、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]22質量部、前記合成の1、2−ジヒドロキシ−3−[4’−(ジ−p−トリルアミノ)スチルベン−4−イルオキシ]プロパン〔構造式(CTP−1)〕30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]46質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体1を作製した。
〔静電潜像担持体2の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]24質量部、前記構造式(CTP−2)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]44質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体2を作製した。
〔静電潜像担持体3の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]4質量部、前記構造式(CTP−3)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]55質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体3を作製した。
〔静電潜像担持体4の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]25質量部、前記構造式(CTP−4)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]50質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体4を作製した。
〔静電潜像担持体5の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]10質量部、前記構造式(CTP−5)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]75質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体5を作製した。
〔静電潜像担持体6の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]14質量部、前記構造式(CTP−6)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン100質量部、及びテトラヒドロフラン200質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]73質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体6を作製した。
〔静電潜像担持体7の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]47質量部、前記構造式(CTP−5)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)20質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]65質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体7を作製した。
〔静電潜像担持体8の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]90質量部、前記構造式(CTP−5)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)12質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]58質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体8を作製した。
〔静電潜像担持体9の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]12質量部、前記構造式(CTP−2)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)40質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]53質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体9を作製した。
〔静電潜像担持体10の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
前記構造式(CTP−2)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)50質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]46質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体10を作製した。
〔静電潜像担持体11の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール8質量部、前記構造式(CTP−1)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)20質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]78質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体11を作製した。
〔静電潜像担持体12の作製〕
下引き層の形成、電荷発生層の形成、電荷輸送層の形成までは実施例1と同様にして各層を形成した後、下記のように保護層を形成した。
〈保護層の形成〉
2−エチル−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール5質量部、前記構造式(CTP−6)の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質)30質量部をシクロヘキサノン130質量部、及びテトラヒドロフラン450質量部に溶解し、更にポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]30質量部を溶解し、保護層形成用塗工液を作製した。
得られた保護層形成用塗工液を、前記電荷輸送層上にスプレー塗工法により塗布し、150℃30分間加熱して膜厚5μmの保護層を形成した。
以上により、アルミニウム基体上に下引き層、電荷発生層、電荷輸送層、保護層を順に形成した静電潜像担持体12を作製した。
〔静電潜像担持体(比較1)の作製〕
実施例1における保護層中の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質:CTP−1)を下記構造式(RTP−1)で示される電荷輸送物質に変え、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]とポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]の量をそれぞれ40質量部、36質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の静電潜像担持体(比較1)を作製した。
〔静電潜像担持体(比較2)の作製〕
実施例1における保護層中の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質:CTP−1)を下記構造式(RTP−2)で示される電荷輸送物質に変え、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]とポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]の量をそれぞれ4.5質量部、78質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の静電潜像担持体(比較2)を作製した。
〔静電潜像担持体(比較3)の作製〕
実施例1における保護層中の電荷輸送性ポリオール(反応性電荷輸送物質:CTP−1)を下記構造式(RTP−3)で示される電荷輸送物質に変え、ポリオール[スチレン、メチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートからなるスチレン−アクリル共重合体LZR−170(OH当量約367)、(固形分41質量%):藤倉化成社製]とポリイソシアネート[スミジュールHT(固形分75質量%):住化バイエルン社製]の量をそれぞれ26質量部、44質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の静電潜像担持体(比較3)を作製した。
上記で得られた各静電潜像担持体及び製造例1のトナーを、フルカラープリンター(IPSiO CX8200:株式会社リコー製)の改造機[(1)クリーニングブレード当接圧を3倍にして感光体の摩耗に対して負荷を加えた。(2)ステアリン酸亜鉛を溶融、固化したマルスバーをクリーニングブラシにばねで押し当てるように当接させ、クリーニングブラシを介して感光体表面にステアリン酸亜鉛を塗布する機構を設けた。]に搭載した。
上記改造プリンターを用いて、非露光部電位(VD)が−700Vになるように帯電器の電圧を調節した後、波長660nmのレーザ露光によって、1200dpi相当、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を6万枚行い、該ランニング試験前後の感光層の厚みを渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて測定し、両者の差から摩耗量を測定した。なお、保護層の一部に剥離が発生した静電潜像担持体については、未剥離部分を測定して摩耗量を算出した。
上記改造プリンターに、現像スリーブ部に表面電位計(トレック社製 モデル344)のプローブが設置されるように改造した現像ユニットを搭載し、非露光部電位(VD)が−600Vになるように帯電器の電圧を調節した後、1200dpi全面ベタ画像相当の書き込みを行った時の現像スリーブ部での表面電位を測定して、露光部電位の残留電位を評価した。
前記ランニング試験後のフォントサイズ2ポイント文字(約0.5mm角のサイズ)の画像品質について、評価を行った。
なお、画像品質評価基準は下記による。
○:良好
△:像流れ等がわずかに見られるが実用レベル
×:像流れやかすれがひどく実用レベルにない
上記実施例1〜12は製造例1のトナーを用いた場合のものであるが、前記製造例2のトナー及び製造例3のトナーを使用し、それぞれ実施例1〜12と同様に作製した静電潜像担持体を用いて、保護層接着性の評価、感光体の摩耗量の測定、画像品質、感光体表面電位(VL)の測定を実施した評価結果も同様に良好であった。
更に、ステアリン酸亜鉛を溶融固化したマルスバーの代わりに、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムを用いたマルスバーや、カルナウバワックスを溶融固化したワックスバーを用いたランニング試験の結果も、同様に良好であった。
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 記録媒体(転写紙)
10 感光体(感光体ドラム)
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
52 分離ローラ
53 給紙路
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置(クリーニングユニット)
64 除電器
68 攪拌スクリュー
72 マグネットローラー
76 ブラシクリーナー
75 クリーニングブレード
80 リサイクル経路
101 感光体
102 帯電器
103 露光器
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 搬送ローラ
110 転写チャージャ
111 分離チャージャ
112 分離爪
113 クリーニング前チャージャ
114 クリーニングブラシ
115 クリーニングブレード
116 潤滑性付与剤
117 クリーニングユニット
120 タンデム型現像器
121 像露光光源
122 感光体
123 駆動ローラ
125 転写チャージャ帯電器
126 クリーニングブラシ
127 除電光源
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
200 給紙テーブル
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 保護層
207 中間層
210 画像定着装置
220 帯電チャージャ
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (25)
- 前記イソシアネート化合物が、少なくとも1分子中にNCO基を3個以上有していることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像担持体。
- 前記最表面層が、前記一般式(2)で表される電荷輸送性ポリオールのほかに、分子中に電荷輸送性分子構造を含まないポリオールを少なくとも1種類含有し、該両ポリオールとイソシアネート化合物との架橋結合により形成された架橋性樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電潜像担持体。
- 前記分子中に電荷輸送性の構造を含まないポリオール化合物の少なくとも1種類は、水酸基数に対する分子量の割合(OH当量)が30以上、150未満であることを特徴とする請求項8に記載の静電潜像担持体。
- 前記感光層の上層に保護層を有し、該保護層が最表面層であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像担持体。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1〜10のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記静電潜像担持体表面に当接し、該静電潜像担持体表面に残留するトナーを除去するクリーニング手段を有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像形成手段が、帯電器と露光器を有し、該帯電器が静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段によって非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体の表面に潤滑性付与剤を塗布する潤滑性付与剤塗布手段を有することを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記潤滑性付与剤が、金属石鹸であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
- 前記金属石鹸が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
- 前記トナーが、少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するものであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られるものであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記トナーの平均円形度が、0.93〜1.00であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記現像手段によって複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成するように構成されたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型であることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 前記画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写するようにされたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、
前記静電潜像担持体が、請求項1〜10のいずれかに記載の静電潜像担持体であることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像形成手段、露光手段、現像手段、転写手段、及びクリーニング手段の少なくとも1つと、請求項1〜10のいずれかに記載の静電潜像担持体とを具備してなることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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