JP5251421B2 - タンデム型画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
しかし、クラウド現像方式により、カラー画像を形成する際には、静電潜像担持体上でのトナー飛散を抑えることが困難である。この欠点について、以下図を用いて説明する。
図12は、クラウド現像方式を用いた一般的な帯電・除電(露光)・現像プロセスを示すもので、主要部材を簡略して表している。この装置では、静電潜像担持体4上への画像形成は以下の手順で行われる。まず、図12中A方向に回転する静電潜像担持体4上は、帯電装置1aを用いて、例えば、トナーと同極性に一様帯電される。次にレーザー等の除電装置2aを用いて、画像部分を除電して潜像を形成する。その後、現像装置3a中のトナー供給部材により現像部に供給されたトナーは、トナークラウド発生用電極5aによりクラウド化され、静電潜像担持体4上の画像部分(除電された部分)に現像される。この工程を順次繰り返す(図12中添え字b→c→dの順)ことで、静電潜像担持体4上にはカラー画像が重畳形成される。
図13−aのトナー画像7上に次現像手段でトナー画像を形成する場合(例えばイエロートナー上にマゼンタトナーを重ねて赤色を形成する場合など)、既に形成されたトナー画像7を含んだ、静電潜像担持体上に帯電(負極性)が行われる。この際、トナー上にも負極性電荷が加えられ、トナー帯電量が増加する。このため、トナー間の静電反発力が増し、結果としてトナー画像7の一部は静電潜像担持体4上へ飛散し、地汚れとなる(図13−b)。この時、トナーが小粒径であればあるほどトナー1粒子あたりの帯電量が大きくなり、このトナー間の静電反発力は増加して静電潜像担持体上への飛散が多くなり、地汚れが顕著となる。また、図13−cのように、この帯電プロセスでトナー飛散が発生しない場合でも、続く除電プロセスにより、もともとトナーに保持されていた電荷まで除電されてしまい、静電吸着力が失われ、トナー飛散が発生する(図13−d)。この時、トナーが小粒径であればあるほど単位面積あたりのトナー量は多くなるため、静電吸着力が失われるトナー量が多くなり、よりトナー飛散が発生しやすくなる。
(1)トナー供給部材と静電潜像担持体間に両者に離間して設置されたトナークラウド発生用電極に直流電圧と交流電圧を重畳させて印加することにより、前記トナー供給部材により供給されたトナーに電位を与えて飛翔させ、前記トナー供給部材と対向する位置に離間配置された前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像手段と、前記静電潜像担持体とを画像形成に用いるトナー色毎に有し、かつ、各色に対応する現像手段で各静電潜像担持体上に形成されたトナー画像を順次重ねて転写する1次転写手段と、前記転写手段で転写されたトナー画像を記録部材上に一括転写する2次転写手段と、前記記録部材上のトナー画像を定着する定着手段とを備えたタンデム型画像形成装置であって、
前記トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、重量平均粒径が2〜7μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.0〜1.2であり、形状係数SF−1が110〜150の範囲にあり、形状係数SF−2が110〜150の範囲にあり、F=q*(Vc+Vpp/2√2)/dcの値が50≦F≦300を満たすことを特徴とするタンデム型画像形成装置。
(ただし、F算出式におけるqはトナーとキャリアを60秒間混合した後のトナー帯電量 [μC/g]、Vcはクラウド発生用電極に印加される直流電圧[V]、Vppはクラウド発生用電極に印加される交流電圧のピーク−ピーク値[V]、dcはクラウド発生用電極とトナー供給ローラの距離[μm]である。)
ここで言う接触帯電方式とは、静電潜像担持体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。一方の近接帯電方式とは、例えば帯電ローラが静電潜像担持体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、静電潜像担持体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。そして帯電装置には少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加することが好ましい。これにより、直流電圧のみを印加した場合に比べて、静電潜像担持体全長に渡って均一に帯電させることが可能となる。この帯電装置に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することと、後ほど説明する現像装置におけるトナーのクラウド化による相乗効果により、特にベタ画像などにおいて均一濃度の画像が得られる。
図9に接触式の帯電装置を用いた画像形成装置の一例の概略構成を示した。被帯電体である像担持体としての静電潜像担持体(感光体)は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この静電潜像担持体に接触させた帯電部材である帯電ローラは芯金とこの芯金の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させると供に、不図示の加圧手段によって静電潜像担持体に所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラは静電潜像担持体の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラは、直径9mmの芯金上に100000Ω・cm程度の中抵抗ゴム層を被膜して直径16mmに形成されている。
本発明で使われる帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシなど、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシを用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。また、ファーブラシを用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電器とする。
以後の現像工程を第一ステーション(図1中最上流ステーション)について説明する。トナー供給ローラ上のトナーは、直流電圧と交流電圧を重畳印加されたクラウド発生用電極5aとトナー供給ローラ間の電位差変動によりクラウド化される。クラウド化されたトナーは、クラウド発生用電極5a近傍に浮遊し、対向面に静電潜像担持体4a上の画像部潜像が接近すると、画像部電位とクラウド発生用電極電位との電位差によって、静電潜像担持体4aの画像部分に付着、画像形成が行われる。静電潜像担持体4a上に残ったトナーはクリーニング装置7aで除去される。
上記樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものでないことは当然である。
図10に示す定着装置は、誘導加熱手段(6)の電磁誘導により加熱される加熱ローラ(1)と、加熱ローラ(1)と平行に配置された定着ローラ(2)(対向回転体)と、加熱ローラ(1)と定着ローラ(2)とに張り渡され、加熱ローラ(1)により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)(3)と、ベルト(3)を介して定着ローラ(2)に圧接されるとともにベルト(3)に対して順方向に回転する加圧ローラ(4)(加圧回転体)とから構成されている。
このような定着装置によれば、以下のような効果を得ることができる。すなわち、通常の定着手段では、連続通紙した場合、紙に定着熱を奪われるため、狙いの定着温度に対して温度の落ち込み(変動)が顕著になってしまう。しかしながら、定着手段を電磁誘導により加熱される構成とすることで、急速な昇温が可能であるため紙によって奪われた分の定着熱を即座に補うことが可能となり、連続通紙した場合の定着温度の落ち込み(変動)を小さくできる。ベタ画像のような高付着量画像が連続通紙された場合、トナーのクラウド化により均一現像された未定着画像が一定の温度で定着されることになるため、その相乗効果によりページ内ではもちろん、ページ間でも濃度バラツキのない均一濃度の画像が得られる。
内層から表層に向かって下記4層となる。
・基体(樹脂層:ポリイミド(PI)樹脂など)
・発熱層(導電材料として、Ni,Ag,SUS等):(3a)
・中間層(弾性層で均一定着を狙う):(3b)
・表層(離型層)(フッ素樹脂材料で、離型効果とオイルレスを狙う):(3c)
離型層(3c)の厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。また、離型層(3c)の厚さが300μmよりも大きい場合には、ベルト(3)の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに加えて、トナー定着工程においてベルト表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナーの凝集効果が得られず、ベルトの離型性が低下してトナーがベルトに付着する、いわゆるホットオフセットが発生する。
励磁コイル(7)の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア(9)が、励磁コイルコア支持部材(10)に固定されて励磁コイル(7)に近接配置されている。
本発明におけるトナーは、重量平均粒径が2〜7μmであることが好ましい。このような粒径を有するトナーとすることにより、現像装置内でトナーが攪拌により均一帯電しやすくなり、弱・逆帯電トナーが発生しにくくなるため、クラウド化されたトナーが飛散することなく静電潜像担持体の画像部分に付着することができる。更に、ドットを忠実に再現できるため高解像で高画質の画像が得られ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に色再現性に優れた高画質の画像が得られる。本発明における範囲よりも重量平均粒径が大きい場合、現像装置内でトナーが攪拌により均一帯電しにくくなり、弱・逆帯電トナーが発生しやすくなるため、この弱・逆帯電トナーがクラウド化された際に飛散して地汚れを引き起こしやすくなる。さらに、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなる場合が多い。逆に、重量平均粒径が本発明の範囲よりも小さいトナーは、実質的に作製が困難である。なお、上記弱・逆帯電トナーとは、帯電量が0に近く、ほとんど帯電していないトナーを弱帯電トナーと呼び、本来、帯電すべきとは反対の極性(−に帯電すべきトナーであれば+)に帯電しているトナーを逆帯電トナーと呼んでいる。
トナーの重量平均粒径(D4)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明におけるトナーは、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.0〜1.2であることが好ましい。このような粒径及び粒径分布を有するトナーとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。
また、D4/Dnが1.2を超えると、上記範囲の重量平均粒径を有していても帯電量分布が広くなって弱・逆帯電トナーが発生し、トナー飛散による地汚れが発生する可能性がある。更に、解像力も低下するため好ましくない。
トナーの形状係数SF−1は110〜150、形状係数SF−2は110〜150の範囲にあることが好ましい。図6、7は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100/4π) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)で倍率1000倍のトナーの写真を撮り、スキャナで読み取って画像データ化する。これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)を用いて、画像データを二値化し、少なくとも500個以上のトナー粒子について解析を行うことで測定した。
本発明におけるトナーは、下記式(3)で求められるFの値が、50≦F≦300であることが好ましい。
F=q*(Vc+Vpp/2√2)/dc ・・・式(3)
(式中、qはトナーとキャリアを60秒間混合した後のトナー帯電量 [μC/g]、Vcはクラウド発生用電極に印加される交流電圧[V]、Vppはクラウド発生用電極に印加される交流電圧のピーク−ピーク値[V]、dcはクラウド発生用電極とトナー供給ローラの距離[μm]である。)
なお、上記式(3)は、一般的に定義されている、帯電した物体が電界中に存在する場合に電界から受ける力;F=qEと、電位差Vの2点間の距離dにおける電界の強さ;E=V/dの関係にもとづき、クラウド発生用電極に印加される直流電圧によってトナー供給部材に供給されたトナーが受けるクーロン力と、クラウド発生用電極に重畳される交流電圧によってトナー供給部材に供給されたトナーが受けるクーロン力の総和として導き出されたものである。
Fの値が50〜300であることで、トナーが飛翔してクラウド現象が適正に発生する。本発明における範囲よりもFの値が小さい場合、トナーの飛翔が起こらずクラウド現象は発生しない。一方、本発明における範囲よりもFの値が大きい場合、トナーの飛翔が激しくなりトナー飛散を誘発する。
常温常湿下、トナー濃度7%の条件下で、トナーとキャリアを60秒間混合した後に、目開き635メッシュをセットした測定用ゲージに入れ、30秒間ブローオフし、飛散した粉体の電荷量Q(μC)と質量M(g)を測定し、該電荷量Q(μC)と質量M(g)から、帯電量Q/M(μC/g)を求める。トナー帯電量の極性は、+(プラス)/−(マイナス)のいずれでも良い。
本発明におけるトナーには、少なくとも一次平均粒径が80〜500nmの外添剤が外添されることが好ましく、これにより十分な現像装置内での攪拌などにより外添剤がトナーの表面に埋まり込むことによって発生する帯電量及びトナー現像性の変化といった問題を改善することができる。外添剤の一次平均粒径が80nmよりも小さい場合には、トナーの表面に埋まりやすく、初期的には問題ないが、長期の攪拌などによってトナーの表面に外添剤が埋まるなどの現象が発生する場合があり、この場合に静電潜像担持体とトナー間または、中間転写ベルトとトナー間の付着力低減効果が得られなくなり、転写性が悪化し、均一転写が得られない恐れがある。また、500nmよりも大きい場合には、トナーの流動性が悪くなり、均一転写性を阻害する場合がある。
また、本発明におけるトナーは、従来に比べてより小粒径で球形に近い形状のため、クリーニングに対しては不利である。そのため、一次平均粒径80〜500nmの大粒径外添剤の添加量を多くすることで、ブレードエッジ部にダム層を形成し、トナーのすり抜けを抑制する効果を狙っている。
上記大粒径の外添剤としては、シリカ及び酸化チタンから選択される少なくとも1種の無機微粒子が好ましい。
本発明で用いられるトナーの母体着色粒子は、少なくとも結着樹脂、有彩色の着色剤、離型剤とからなり、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の製造方法があるが、これらの製造方法に限るものではない。本発明で用いられるトナーは、高画質高精細の画像を出力させるべく、小粒径で球形に近いトナーであることが好ましい。このようなトナーの製造方法としては、粉砕法により得られた母体トナーをサーフュージョンシステム等により球形化する方法、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。以下、これらのトナー製造方法、及び該製造方法において用いる材料、添加剤等について説明する。
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化し、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去してトナー粒子を得る。重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。水系媒体中に、トナー組成物からなる油相を界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。
トナー粒子に官能基を導入するには、懸濁重合法で用いた官能基を有する単量体との共重合体や、ポリエステル樹脂の場合には酸の単量体として酸基の官能基を3以上有するものを用いたり、得られたポリエステル樹脂の末端の水酸基をさらに複数の酸基を有する化合物によりエステル化することによって得ることができる。また、後に述べる水系媒体中での分散安定剤として、酸基を有する界面活性剤や極性高分子、有機、無機樹脂微粒子を用い、トナー粒子表面に残存させ酸基を導入することができる。酸基としてはカルボキシル基、スルホン基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられる。
粉砕系の一例としては、少なくとも結着剤樹脂、帯電制御剤および着色剤を含む原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、着色剤の分散性を向上させるために着色剤をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合工程が終了したら、次いで混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。トナーを混練する具体的な装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えばブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2〜7μmに粒度調整される。次いで、外添剤のトナー粒子へ外添が行われるが、トナー粒子と外添剤を、ミキサー類を用い混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー粒子表面に被覆される。
この粉砕系トナーでは、公知の結着樹脂を用いることができるが、顔料の分散性を良好にし、より広い色再現域の画像を得る観点からポリエステル樹脂を用いることが好ましい。さらに、結着樹脂である結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルと、離型剤からなるで、広い定着温度幅を確保することができる。また、光沢性を損なわないためには、やはり離型剤の分散性を良好にすることでホットオフセットを防止することができる。
粉砕・分級法によるトナーはそのままでは不定形で、粉砕処理方法にもよるが、円形度は0.930〜0.950であり、円形度0.960〜0.998となることはないが、次に述べるような機械的な球形化処理や、加熱処理により、円形度を高めることが可能であり、円形度0.960〜0.998の球形トナーを得ることができる。円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。
例えば、特開平09−085741号公報に記載されているようにターボミル(ターボ工業社製)を用いた方法や、クリプトロン(川崎重工社製)、Q型ミキサー(三井鉱山社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、メカノフィュージョン装置(ホソカワミクロン社製等)で連続処理することにより、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
〔加熱処理(乾式)〕
例えば、サーフュージョンシステム(日本ニューマチック工業社製)を用いて、100〜300℃の熱風でトナー粒子表面を半溶融させることにより、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
〔加熱処理(湿式)〕
粉砕法によって得られたトナーをトナーが可塑性を持つような温度(200℃程度)の高温液体中に浸漬することによって、粉砕トナーの形状を球形化することが可能である。
本発明に係るトナーはバインダー樹脂として変性ポリエステル(i)を含むことが好ましい。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素基を有する化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
変性ポリエステル(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得られるウレア変性ポリエステルなどが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらに多価イソシアネート化合物(PIC)と反応させたものなどが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコール性水酸基である。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。
2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
なお、多価アルコール化合物(PO)、及び多価カルボン酸(PC)としては、上記例示されたものの他、重縮合により活性水素基を有するポリエステルを形成できるものであれば、他のものを使用することも可能である。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダー樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。
(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピーク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000、さらに好ましくは2000〜5000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は1〜5が好ましく、より好ましくは2〜4である。ワックスに高酸価ワックスを使用するため、バインダーは低酸価バインダーが帯電や高体積抵抗につながるので二成分系現像剤に用いるトナーにはマッチしやすい。
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
また、バインダー樹脂、着色剤とともにワックスを含有させることもできる。本発明で用いるワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明のトナーは、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、四級アンモニウム塩(フッ素変性四級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。
具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明における外添剤の重要な事項については先述したとおりであるが、以下では一般的に考慮されねばならない事項について述べる。得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子や疎水化処理無機微粒子等を用いることができる。それらは、条件を満たせば公知のものすべてが使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化スズ、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。特に好適な外添剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル、メタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル等が使用できる。
(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常0〜300重量部、好ましくは0〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
このうち好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。例えばビニル系樹脂としては、ビニル系モノマーを単独重合また共重合したポリマーで、例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸−アクリル酸エステル重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂が挙げられる。樹脂微粒子の平均粒径は5〜200nm、好ましくは20〜300nmである。また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋反応又は伸長反応の少なくともいずれかの反応を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
(キャリアの特性評価方法)
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、式(4)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} …(4)
式(4)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD) …(5)
式(5)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
本発明において、粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計モデルHRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:8〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
本発明におけるキャリアは、粒子径15〜45μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、該感光層の表面層に少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段で硬化した架橋表面層を有することが好ましい。これにより、耐摩耗性及び耐傷性が高く、転写特性に優れ、かつ長期間にわたり高画質化を実現することができる。
本発明における架橋表面層に、3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いており、これにより3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度架橋表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。
(電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマー)
本発明に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
なお、これらX2、X3、Y4についての置換基にさらに置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
すなわち、本発明において使用する上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは、単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
前記一般式(1)、(2)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていても良い。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフ
ェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
置換もしくは未置換のアルキレン基としは、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、前記Xのアルキレンエーテル基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル基としては、カプロラクトン変性基が挙げられる。
硬化終了後は、残留溶媒低減のため100〜150℃で10分〜30分加熱して、本発明に用いられる感光体を得る。
<電子写真感光体の層構造について>
本発明に用いられる電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図14は、本発明における電子写真感光体(静電潜像担持体)を表わす断面図であり、導電性支持体上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層が設けられた単層構造の感光体である。架橋表面層が感光層全体の場合を示したのが図14−Aであり、架橋表面層が感光層の表面部分である場合を示したのが図14−Bである。
導電性支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
<感光層が積層構成のもの>
(電荷発生層)
電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層で、本発明における電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷輸送層として有用に用いられる。架橋表面層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋表面層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明におけるラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー及び電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物;以下同じ)とフィラーを含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなる。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明における電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層上に塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋表面層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を本架橋表面層用塗工液に加えてもよい。このとき、架橋表面層の膜厚は、10〜30μm、好ましくは10〜25μmである。10μmより薄いと充分な帯電電位が維持できず、30μmより厚いと硬化時の体積収縮により導電性基体または下引き層との剥離が生じやすくなる。
本発明における感光体においては、架橋表面層が感光層の表面部分となる場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する最表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と架橋表面層の接着性を向上させることも可能である。
本発明における感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、架橋表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。
融点:64.0〜66.0℃
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。
融点:117.5〜119.0℃
トナー色の設置順番に制限はないが、本実施例では、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順とした。
本発明の効果を検証するために、評価用画像出力機として、リコー社製の画像形成装置(Imagio MP C4500)を母体として帯電ローラはそのまま(交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのも変更なし)で現像部にクラウド発生用電極を配置した改造機1と、帯電ローラを非接触型から接触型にして交番電圧を重畳しない直流電圧のみを印加するようにし、現像部にクラウド発生用電極を配置した改造機2を用い600dpi出力にて、評価画像の出力と画質評価を行った。
また、比較用評価機として、通常のImagio MP C4500量産機を用いた。表3にこれらの事を整理して示した。
以下に評価に用いたトナーの具体的な作製例を示す。
−トナーa−
〜有機微粒子エマルションの合成〜
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業社製)11部、メタクリル酸166部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7):三洋化成工業社製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
N,N,N,−トリメチル−[3−(4−ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド製品名フタージェント310(ネオス社製)10部、メタノール297部を容器に入れ、50℃に加熱し透明になるまで攪拌する。得られたフッ素系活性剤メタノール溶液を、攪拌しているイオン交換水693部に滴下し、滴下終了後50℃で30分攪拌して、[フッ素系活性剤水溶液1]を得た。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
水1200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ社製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
水1200部、C.I.ピグメントイエロー180(PV Fast Yellow HG(クラリアント))650部、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ2]を得た。
水1200部、C.I.ピグメントブルー15:3(Lionol Blue FG−7351(東洋インキ))540部、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ3]を得た。
水1200部、C.I.ピグメントレッド122 Hostaperm Pink E (クラリント))540部、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ4]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナバWAX10O部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
(5):[濾過ケーキ1]630部、イオン交換水2928部を容器に入れ、スリーワンモータ(新東科学社製)で攪拌(回転数:400rpmで5分)して30℃に加熱する。回転数・温度を保ちながら[フッ素系活性剤水溶液1]11部を滴下する。滴下終了後60分間攪拌し、濾過を行い[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ1]を得た。
[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。そして、目開き75μmメッシュで篩い、トナーを得た。このトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをして[トナーa_Bk]を作製した。
同様に、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ2]に変更して[トナーa_Y]を作製した。また、同様に、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ3]に変更して[トナーa_C]を作製した。さらに、同様に、[マスターバッチ1]を[マスターバッチ4]に変更して[トナーa_M]を作製した。
[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]において、〜乳化⇒脱溶剤〜の工程を以下のように変更した以外は[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]と同様にして[トナーb_Bk]、[トナーb_Y]、[トナーb_C]、[トナーb_M]を作製した。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で6,500rpmで3分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数16,000rpmで35分間混合し[乳化スラリー2]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー2]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー2]を得た。
トナーc構成材料
結着樹脂…ポリオール樹脂(1/2流出開始温度118℃) 98部
離型剤…カルナバワックス 2部
着色剤 ブラッククトナー用…カーボンブラック 5部
イエロートナー用…ベンズイミダゾロン系イエロー顔料
(C.I.Pigment Yellow180) 4部
マゼンタトナー用…キナクリドン系マゼンタ顔料
(C.I.Pigment Red122) 6部
シアントナー用…銅フタロシアニンブルー顔料
(C.I.Pigment Blue15) 3部
帯電制御剤…サリチル酸誘導体亜鉛塩 3部
上記トナー構成材料を各色毎にブレンダーで十分混合した後、100〜110℃に加熱した2軸押し出し機で溶融混練した。混練物を放冷後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて各色母体着色粒子cを得た。
各色母体着色粒子cをサーフュージョン(日本ニューマチック社製)を用いて、温度300℃、熱風風量1000l/min、供給風量100l/min、回転数600rpmに設定した装置内を通して、各色トナーを得た。
このトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをして[トナーc_Bk]、[トナーc_Y]、[トナーc_C]、[トナーc_M]を作製した。
[トナーc_Bk] 、[トナーc_Y]、[トナーc_C]、[トナーc_M]において、サーフュージョンによる球形化処理を行わなかった以外は[トナーc_Bk] 、[トナーc_Y]、[トナーc_C]、[トナーc_M]と同様にして[トナーd_Bk]、[トナーd_Y]、[トナーd_C]、[トナーd_M]を作製した。
[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]において、〜乳化⇒脱溶剤〜の工程を以下のように変更して、得られたトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径80nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)4.8部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]と同様にして[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]を作製した。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,500rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで30分間混合し[乳化スラリー3]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー3]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、40℃で9時間熟成を行い、[分散スラリー3]を得た。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径490nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーf_Bk]、[トナーf_Y]、[トナーf_C]、[トナーf_M]を作製した。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径490nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)4.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーg_Bk]、[トナーg_Y]、[トナーg_C]、[トナーg_M]を作製した。
トナーh構成材料
結着樹脂…ポリエステル樹脂(1/2流出開始温度106℃) 98部
離型剤…カルナバワックス 3部
着色剤、帯電制御剤…トナーcと同様
上記トナー構成材料を各色毎にブレンダーで十分混合した後、100〜110℃に加熱した2軸押し出し機で溶融混練した。混練物を放冷後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて各色母体着色粒子hを得た。
さらに、各色母体着色粒子hを100部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをして[トナーh_Bk]、[トナーh_Y]、[トナーh_C]、[トナーh_M]を作製した。
[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]において、〜乳化⇒脱溶剤〜の工程と、〜洗浄⇒フッ素活性剤処理⇒乾燥⇒風篩〜の工程を以下のように変更した以外は[トナーa_Bk]、[トナーa_Y]、[トナーa_C]、[トナーa_M]と同様にして[トナーi_Bk]、[トナーi_Y]、[トナーi_C]、[トナーi_M]を作製した。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化社製)で5,800rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで30分間混合し[乳化スラリー4]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー4]を投入し、35℃で6時間脱溶剤した後、45℃で9時間熟成を行い、[分散スラリー4]を得た。
[分散スラリー4]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ2]を得た。
(5):[濾過ケーキ2]630部、イオン交換水2928部を容器に入れ、スリーワンモータ(新東科学社製)で攪拌(回転数:400rpmで5分)して30℃に加熱する。回転数・温度を保ちながら[フッ素系活性剤水溶液2]11部を滴下する。滴下終了後60分間攪拌し、濾過を行い[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ2]を得た。
[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ2]を循風乾燥機にて50℃で46時間乾燥した。そして、目開き90μmメッシュで篩い、トナーを得た。
[トナーi_Bk]、[トナーi_Y]、[トナーi_C]、[トナーi_M]において、〜洗浄⇒フッ素活性剤処理⇒乾燥⇒風篩〜の工程を以下のように変更した以外は[トナーi_Bk]、[トナーi_Y]、[トナーi_C]、[トナーi_M]と同様にして[トナーj_Bk]、[トナーj_Y]、[トナーj_C]、[トナーj_M]を作製した。
[分散スラリー4]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ3]を得た。
(5):[濾過ケーキ3]630部、イオン交換水2928部を容器に入れ、スリーワンモータ(新東科学社製)で攪拌(回転数:400rpmで5分)して30℃に加熱する。回転数・温度を保ちながら[フッ素系活性剤水溶液3]11部を滴下する。滴下終了後60分間攪拌し、濾過を行い[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ3]を得た。
[フッ素系活性剤処理後濾過ケーキ3]を循風乾燥機にて55℃で40時間乾燥した。そして、目開き75μmメッシュで篩い、トナーを得た。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径60nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーk_Bk]、[トナーk_Y]、[トナーk_C]、[トナーk_M]を作製した。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径100nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)5.1部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーl_Bk]、[トナーl_Y]、[トナーl_C]、[トナーl_M]を作製した。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部と平均粒径510nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)0.6部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーm_Bk]、[トナーm_Y]、[トナーm_C]、[トナーm_M]を作製した。
[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]において、得られたトナー100重量部に対して、平均粒径15nmのシリカ微粉体(ヘキサメチルジシラザン処理)を1.0部と平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部をヘンシェルミキサーで混合してからフルイがけをした以外は[トナーe_Bk]、[トナーe_Y]、[トナーe_C]、[トナーe_M]と同様にして[トナーn_Bk]、[トナーn_Y]、[トナーn_C]、[トナーn_M]を作製した。
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例を示す。
−キャリアAの作製−
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)]7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
キャリアAにおいて、芯材の焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]の平均粒径を20μmに変更した以外は、キャリアAと同様にして重量平均粒径20μmのキャリアBを得た。
キャリアAにおいて、芯材の焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]の平均粒径を50μmに変更した以外は、キャリアAと同様にして重量平均粒径50μmのキャリアCを得た。
次に、評価に用いた静電潜像担持体の具体的な作製例について説明する。本発明で用いる静電潜像担持体は、これらの例に限定されるものではない。
Al製支持体(外径30mmφ)に、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
(CR−EL:石原産業)
メチルエチルケトン 50部
下記構造のビスアゾ顔料 2.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
ビスフェノールZ型ポリカーボネート 10部
下記構造の低分子電荷輸送物質 10部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 0.2部
(KF50、信越化学工業製)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 8部
KAYARAD DPHA(日本化薬製)
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー 2部
KAYARAD DPCA120(日本化薬製)
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物 10部
(例示化合物No.55)
光重合開始剤 1部
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)
テトラヒドロフラン 80部
静電潜像担持体iにおいて1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の例示化合物No.55に変えて、2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の例示化合物No.180を用いた以外は静電潜像担持体iと同様に静電潜像担持体iiを作製した。
静電潜像担持体iにおいて1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の例示化合物No.55に変えて、3官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の例示化合物No.379を用いた以外は静電潜像担持体iと同様に静電潜像担持体iiiを作製した。
静電潜像担持体iにおいて架橋表面層を設けなかったこと以外は静電潜像担持体iと同様に静電潜像担持体ivを作製した。
(チリ、ドット欠陥、色ズレ評価)
評価画像として、図4に記載の600dpiの1by3ドットパターンをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、青(シアン+マゼンタ)、緑(イエロー+シアン)、赤(イエロー+マゼンタ)、三色ブラック(イエロー+シアン+マゼンタ)の順で各々記録紙搬送方向に2cm、記録紙搬送方向と垂直方向に15cmの大きさ(図5参照)で、1,000枚連続印字したものから100枚を選び、各色ドット画像を1枚辺り各10個ずつルーペで観察し、限度見本を用いて比較評価を行い、微小ドットの画質ランクを総合評価した。
本発明における地肌汚れΔIDの測定は、潜像担持体上のトナー残をフィルムで採取し、採取前のフィルムのIDと採取後のIDの測定差を3点測定し、平均値を算出した。
具体的には、フルカラーモードで5%画像面積の画像チャートを、20,000枚出力した後、白紙画像を現像中に停止させ、現像後の各色潜像担持体上のトナー残をフィルムで採取し、未転写(未採取)のフィルムの画像濃度との差を938スペクトロデンシトメータ(X−Rite社製)を用い、観察用光源D50、視野角2°にて3点測定し、平均値を地肌部の汚れ濃度ΔID値とした。
地汚れランクは5段階で、ΔIDが0〜0.003を5、0.004〜0.006を4、0.007〜0.009を3、0.01〜0.012を2、0.013以上を1とした。
(ベタ均一性)
A3全ベタ画像を出力し、A3用紙の4隅4ヶ所と中央1ヶ所の画像濃度を測定し、次式によりベタ均一性を算出し、下記基準によりランクをつけた。
ベタ均一性=(画像濃度最大値−画像濃度最小値)×100(%)
画像濃度は日本電色工業株式会社製のグロスメーターを用いて、入射角度60°の条件で計測した。
5ヶ所画像濃度の平均値
ランク5:15%未満
ランク4:15〜30%
ランク3:31〜50%
ランク2:51〜70%
ランク1:71%以上
1a〜1d 各コロナ放電装置
2a〜2d 各露光装置
3a〜3d 各現像装置
4a〜4d 各静電潜像担持体
5a〜5d 各クラウド発生電極
6a〜6d 各電圧供給装置
7a〜7d 各クリーニング装置
8a〜8d 各一次転写ローラ
9 中間転写ベルト
10 二次転写対向ローラ
11 二次転写ローラ
12 定着装置
13 記録紙
(図2について)
3−1 トナー供給ローラ
3−2 現像スリーブ
3−4 スクリュー
3−5 パドル
3−6 トナー
(図3について)
3−1a トナー供給ローラ
4a 静電潜像担持体
5a クラウド発生電極
(図10について)
1 加熱ローラ
2 定着ローラ
2a 芯金
2b 弾性部材
3 耐熱性ベルト(トナー加熱媒体)
3a 発熱層
3b 中間層
3c 表層(離型層)
4 加圧ローラ
4a 芯金
4b 弾性部材
5 温度センサ
6 誘導加熱手段
7 励磁コイル
8 コイルガイド板
9 励磁コイルコア
(図12について)
1a〜1d 各帯電装置
2a〜2d 各除電装置
3a〜3d 現像装置
4 静電潜像担持体
5a〜5d トナークラウド発生用電極
(図13について)
4 静電潜像担持体
6 帯電工程により形成された負電荷の分布
7 トナー画像
Claims (11)
- トナー供給部材と静電潜像担持体間に両者に離間して設置されたトナークラウド発生用電極に直流電圧と交流電圧を重畳させて印加することにより、前記トナー供給部材により供給されたトナーに電位を与えて飛翔させ、前記トナー供給部材と対向する位置に離間配置された前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像する現像手段と、前記静電潜像担持体とを画像形成に用いるトナー色毎に有し、かつ、各色に対応する現像手段で各静電潜像担持体上に形成されたトナー画像を順次重ねて転写する1次転写手段と、前記転写手段で転写されたトナー画像を記録部材上に一括転写する2次転写手段と、前記記録部材上のトナー画像を定着する定着手段とを備えたタンデム型画像形成装置であって、
前記トナーは、少なくとも、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、重量平均粒径が2〜7μmで、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)が1.0〜1.2であり、形状係数SF−1が110〜150の範囲にあり、形状係数SF−2が110〜150の範囲にあり、F=q*(Vc+Vpp/2√2)/dcの値が50≦F≦300を満たすことを特徴とするタンデム型画像形成装置。
(ただし、F算出式におけるqはトナーとキャリアを60秒間混合した後のトナー帯電量 [μC/g]、Vcはクラウド発生用電極に印加される直流電圧[V]、Vppはクラウド発生用電極に印加される交流電圧のピーク−ピーク値[V]、dcはクラウド発生用電極とトナー供給ローラの距離[μm]である。) - 前記トナーは、外添剤として、少なくとも、一次平均粒径が80〜500nmの無機微粒子をトナー100重量部に対して0.5〜5重量部含むことを特徴とする請求項1に記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記無機微粒子は、シリカ及び酸化チタンから選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記トナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤とを有機溶媒中に溶解又は分散させたトナー材料液を、水系媒体中で架橋反応又は伸長反応の少なくとも1つの反応をさせて得られることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記現像手段で使用されるキャリアは、重量平均粒径が15〜45μmの範囲であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成するための帯電手段には、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成するための帯電手段は、ローラ状で静電潜像担持体に近接非接触配置された帯電部材を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。
- 前記静電潜像担持体は、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、
該感光層の表面に少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とが光エネルギーで硬化された架橋表面層を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。 - 前記定着手段は、磁性金属から構成され、電磁誘導により加熱される加熱ローラと、前記加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、前記加熱ローラと前記定着ローラとに張り渡され、前記加熱ローラにより加熱されるとともに、前記両ローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体と、前記トナー加熱媒体を介して前記定着ローラに圧接されるとともに、前記トナー加熱媒体に対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置を用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- 請求項1ないし9のいずれかに記載のタンデム型画像形成装置における少なくとも静電潜像担持体と現像手段とを着脱自在に一体化してなることを特徴とする画像形成装置用プロセスカートリッジ。
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