JP2007147914A - 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高耐久性を有しかつ長期間に亘り画像劣化を抑制し高画質化を実現した画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】本実施形態の画像形成装置は、表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを光エネルギー照射手段によって照射して硬化した架橋表面層を有する電子写真感光体において、該架橋表面層と感光層との間に接着層を設けている。これにより、剥離摩耗を抑制し、高耐久性を有し、かつ長期間に亘り高画質化を実現する電子写真感光体が達成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、高耐久性を有し、かつ、長期間に亘り高画質化を実現した電子写真感光体を有する画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。さらに、トナーを電子写真感光体を有する画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジと共に使用することで、長期間繰り返し使用してもクリーニング不良などを発生することなく、良好な画像が出力できる画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。また、それらの長寿命、高性能感光体を使用した画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体(OPC:Organic Photo Conductor)は、良好な性能、様々な利点から、無機感光体にかわり、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ及びこれらの複合機に多く用いられている。その理由としては、例えば、光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、材料の選択範囲の広さ、製造の容易さ、低コスト、無毒性、等が挙げられる。
最近、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、さらには、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり、感光体の高耐久化が切望されるようになってきた。有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子とを主成分としているため、一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合には、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点を有している。加えて、高画質化の要求からトナー粒子の小粒径化に伴い、クリーニング性を上げる目的でクリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされており、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。この様な感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では、感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。
感光体の高耐久化には、前述の摩耗量を低減することが第一の課題である。感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(例えば、特許文献1参照。)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(例えば、特許文献2参照。)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(例えば、特許文献3参照。)等が挙げられる。これらの技術の内、(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いことや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇して、画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。
また、高分子型電荷輸送物質は材料の重合、精製が難しく、高純度なものが得にくいため、材料間の電気的特性が安定しにくい。更に、塗工液が高粘度となる等の製造上の問題を起こす場合もある。上記(3)の無機フィラーを分散させたものは、通常の低分子電荷輸送物質を不活性高分子に分散させた感光体に比べて高い耐摩耗性が発揮されるが、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。また、感光体表面の無機フィラーとバインター樹脂との凹凸が大きい場合には、クリーニング不良が発生してしまい、トナーフィルミングや画像流れの原因となることがある。これら前記(1)、(2)、(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
更に、前記(1)の電気特性を改良するために、導電性フィラーを含有させた保護層の技術が特許文献4に記載されている。この感光体は、繰り返し使用による残留電位の上昇は抑えられるものの、保護層の抵抗が低くなることから高湿環境での解像度低下や画像流れが発生しやすいという傾向がある。
これらに換わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送剤、及びバインダー樹脂を含有させて硬化させた電荷輸送層を設けることが知られており(例えば、特許文献5参照。)、このバインダー樹脂には、炭素−炭素二重結合を有し、上記電荷輸送剤に対して反応性を有するものと、上記二重結合を有せず反応性を有しないものが含まれる。
この感光体は、耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合においては、バインダー樹脂と、上記モノマーと電荷輸送剤との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、架橋表面層中で相分離が生じて、局部的に耐摩耗性の低い部分ができてしまい、これが感光体表面の傷やトナー外添剤及び紙粉の固着が発生する原因となる場合がある。この固着がさらに進行するとトナーフィルミングをもたらし、光透過の不均一性から画像部の白抜けが発生する恐れがある。
また、この場合バインダー樹脂がモノマーの硬化を妨げるほか、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、この2官能性モノマーでは官能基数が少なく充分な架橋密度が得られず、これらのことから耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、上記モノマーおよび上記したバインダー樹脂に含有される官能基数の低さから、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とはいえないものであった。
また、同一分子内に二つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(例えば、特許文献6参照。)。この感光層は、架橋結合密度を高められるため、高い硬度を有するが、嵩高い正孔輸送性化合物が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため、硬化物中に歪みが生じ、硬化反応が不均一になりやすい。このため、外部応力に対する復元力が局部的に低下し、長期間の繰り返し使用にあたっては、キャリア付着などの応力によりクラックや傷が発生しやすい場合がある。
一方、上記課題を解決するため、同一分子内に一つだけの連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層も知られている(例えば、特許文献7参照)。この感光層は、連鎖重合性官能基を一つにすることで硬化物中の歪みを抑制しているが、硬化させたときの内部応力を十分低減させることはできず、摩耗が進むに従って硬化膜が剥離し、充分な耐久性が得られない。
また、感光体にトナーがフィルミングするという課題が広く知られている。このフィルミング現象に関連するトナーの要因としては、トナーに含まれるワックスが影響し、特に、表面ワックス量を規定して感光体へのフィルミングを防止するという技術が知られている。例えば、特許文献8では、トナーが結着樹脂、着色剤及びワックスを含有してなり、トナー表面のワックス露出量が15乃至40重量%であり、さらに、ワックス量をYとした時に、トナー表面のワックス露出量X(重量%)との関係が、40<X×Y<240である静電潜像現像剤が開示されている。
また、特許文献9では、未定着画像を作成し、その未定着画像を23℃、60%RH環境下においてヘキサン中に浸漬させた場合のワックスの溶出量をC(N)、該トナーにより作製した未定着画像を100℃で2分加熱した後、23℃、60%RH環境下においてヘキサン中に浸漬させた場合のワックスの溶出量をC(H)とした場合、1.10≦C(H)/C(N)≦5.00の関係が成り立つ非磁性一成分接触現像用トナーが開示されている。また、特許文献10では、結着樹脂が結晶性ポリエステル(樹脂A)と非晶質ポリエステル及び/又は非晶質ポリエステルポリアミド(樹脂B)とを主成分とする結着樹脂を含有し、トナー表面の高温オフセット向上のためのワックス露出量が15〜40重量%である電子写真用トナーが開示されている。
また、特許文献11〜15では、トナーの表面ワックス量が、感光体へのフィルミングに影響するため、トナーの表面ワックス量を適宜規定している。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特開2002−6526号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2004−302451号公報 特開2003−131416号公報 特開2003−207925号公報 特開2003−270852号公報 特開平8−82952号公報 特開平8−194329号公報 特開平10−207116号公報 特開2003−57983号公報 特開2001−194823号公報
本発明の課題は、耐剥離摩耗性が高く均一な高弾性を有し、且つ、電気的特性が良好な表面感光層を用いることにより、高耐久性を有しかつ長期間にわたり画像劣化を抑制し高画質化を実現した電子写真感光体を有する画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、以下の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジによって前記の目的が達成できることを発見した。
すなわち、請求項1に記載の発明は、電子写真感光体に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、電子写真感光体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、電子写真感光体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とを有する画像形成装置であって、電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層及び少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段によって硬化させた表面層を順次積層した層構成で、感光層と表面層の間に接着層を介しており、現像装置で使用されるトナーは、トナーバインダーが重縮合ポリエステル樹脂からなり、ポリエステル樹脂が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であることを特徴とする。
Ti(X)m(OH)n ・・・(I)
O=Ti(X)p(OR)q ・・・(II)
〔式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。〕
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、接着層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、バインダー樹脂とを含有した接着層前駆体を硬化されたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、接着層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、さらに、バインダー樹脂とを含有する接着層前駆体を硬化したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2乃至3に記載の画像形成装置において、バインダー樹脂が、少なくとも感光層に含有されるバインダー樹脂であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4に記載の画像形成装置において、バインダー樹脂が、少なくともポリカーボネートであることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5に記載の画像形成装置において、接着層の膜厚は、0.05μm以上、5μm以下であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6に記載の画像形成装置において、トナーバインダーは、一般式(I)もしくは(II)中のXが、ジアルカノールアミンもしくはトリアルカノールアミンの1個のOH基のHを除いた残基であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7記載の画像形成装置において、トナーバインダーは、一般式中のmまたはpが2以上であり、Xがすべて同一の基であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8記載の画像形成装置において、トナーバインダーは、ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(c)で変性されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9記載の画像形成装置において、トナーは、トナーバインダー(A)と着色剤(B)とを含有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10記載の画像形成装置において、トナーは、さらに、離型剤(C)、荷電制御剤(D)、および流動化剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有することを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1乃至11に記載の画像形成装置において、電子写真感光体は複数であり、画像形成装置はタンデム型であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1乃至12に記載の画像形成装置において、画像形成装置が、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した後、中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、カラー画像を記録材上に一括して二次転写することを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、電子写真感光体に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を書き込む露光工程と、電子写真感光体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像工程と、電子写真感光体表面の可視像を記録部材に転写する転写工程と、記録部材上の可視像を定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層及び少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段によって硬化させた表面層を順次積層した層構成で、感光層と表面層の間に接着層を介しており、現像工程で使用されるトナーは、トナーバインダーが重縮合ポリエステル樹脂からなり、ポリエステル樹脂が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であることを特徴とする。
Ti(X)m(OH)n ・・・(I)
O=Ti(X)p(OR)q ・・・(II)
〔式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。〕
請求項15に記載の発明は、請求項14記載の画像形成方法において、接着層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、バインダー樹脂とを含有した接着層前駆体を硬化されたことを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項14記載の画像形成方法において、接着層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、さらに、バインダー樹脂とを含有する接着層前駆体を硬化したことを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項15乃至16に記載の画像形成方法において、バインダー樹脂が、少なくとも感光層に含有されるバインダー樹脂であることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15乃至17に記載の画像形成方法において、バインダー樹脂が、少なくともポリカーボネートであることを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項14乃至18に記載の画像形成方法において、接着層の膜厚は、0.05μm以上、5μm以下であることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項14乃至19に記載の画像形成方法において、トナーバインダーは、一般式(I)もしくは(II)中のXが、ジアルカノールアミンもしくはトリアルカノールアミンの1個のOH基のHを除いた残基であることを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、請求項14乃至20記載の画像形成方法において、トナーバインダーは、一般式中のmまたはpが2以上であり、Xがすべて同一の基であることを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、請求項14乃至21記載の画像形成方法において、トナーバインダーは、ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(c)で変性されていることを特徴とする。
請求項23に記載の発明は、請求項14乃至22記載の画像形成方法において、トナーは、トナーバインダー(A)と着色剤(B)とを含有することを特徴とする。
請求項24に記載の発明は、請求項14乃至23記載の画像形成方法において、トナーは、さらに、離型剤(C)、荷電制御剤(D)、および流動化剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項14乃至24に記載の画像形成方法において、電子写真感光体は複数であり、画像形成方法はタンデム型であることを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項14乃至25に記載の画像形成方法において、画像形成方法にて、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した後、中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成方法であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、カラー画像を記録材上に一括して二次転写することを特徴とする。
さらに、請求項27に記載の発明は、請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置における構成部材を適宜組み合わせて着脱自在に一体化してなる画像形成装置用のプロセスカートリッジであることを特徴とする。
このように、本発明の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジは、耐剥離摩耗性が高く均一な高弾性を有し、且つ電気的特性が良好な表面感光層を用いることにより、高耐久性を有しかつ長期間にわたりトナーフィルミングによる画像劣化を抑制し高画質化を実現した電子写真感光体を提供することができる。
以下に、本実施形態の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
本実施形態は、表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを光エネルギー照射手段によって照射して硬化した架橋表面層を有する電子写真感光体において、該架橋表面層と感光層との間に接着層を設けることで、剥離摩耗を抑制し、高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現する電子写真感光体が達成される。
この理由としては、以下の要因が考えられる。
架橋表面層と、感光層の間に接着性を向上させる手段を設けなかった場合、3次元網目構造の発達によって収縮が発生し、内部応力が非常に大きくなる。その結果、摩耗が架橋表面層内部にまで達すると、亀裂が発生し、架橋表面層が感光層から剥離し、一気に摩耗が進むことになる。
そこで、本実施形態に使用される感光体は、架橋表面層を設けて耐摩耗性を向上させるとともに、表面の高硬度化によって低下した接着強度を、接着層を設けることにより接着性を向上させることが可能となる。
接着層は、電荷輸送層で用いられるバインダー樹脂と架橋表面層で用いられるラジカル重合性モノマー、さらに、必要に応じて1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物を混合させた塗工液を電荷輸送層上に塗布し、さらに続けて架橋表面層用塗工液を塗布し、光エネルギー照射手段によって同時に硬化させて、電荷輸送層と架橋表面層を結合させる働きを示している。
その一方で、本実施形態に適用される感光体の長期的な使用により、接着層に含まれる樹脂が接着層だけにとどまらず、表面層のほうにマイグレート(浸出)し、表面にトナーがフィルミングしやすい傾向がみられた。本発明者らによる検討の結果、トナー表面近傍におけるワックスの存在量(ワックス量/(ワックス量+樹脂量))を0.5〜10重量%とすると、トナーが感光体の表面を削り難くなり、かつ、フィルミングを防止することができることが判明した。
なお、ここで述べたトナー表面近傍とは、トナー表面から0.3μmの範囲内であり、この範囲内にあるということは、トナー表面に露出・非露出のいずれであってもよい。ワックスの存在量を10重量%以下にすることによって、トナーの感光体表面へのフィルミングを有効に防止することができる。ワックスの存在量が10重量%を越えると、本実施形態で使用される感光体の表面にトナーが付着し、異常画像が発生しやすくなってしまう。
また一方、トナー表面近傍におけるワックスの存在量が0.5重量%より少ない場合には、トナーが本感光体の表面を削る効果が強まる可能性がある。これは、感光体の長期的な使用により、接着層に含まれる樹脂が接着層だけにとどまらず、表面層のほうにマイグレートした場合に顕著である。また、オイルレス定着においてトナーがオフセットする場合があり、これは好ましくない。
以下、本実施形態で使用される感光体の最表面層塗布液の構成材料について説明する。
本実施形態に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとは、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、且つ、ラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基としては、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基が挙げられる。
1−置換エチレン官能基としては、例えば、以下の式(III)で表わされる官能基が挙げられる。
CH2=CH−X1− ・・・式(III)
(ただし、式中、X1は、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、または−S−基を表す。)
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミノ基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
また、1,1−置換エチレン官能基としては、例えば、以下の式(IV)で表わされる官能基が挙げられる。
CH2=C(Y)−X2− ・・・式(IV)
(ただし、式(IV)中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、または−CONR1213(R12およびR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、または置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表わし、互いに同一または異なっていてもよい。)、また、X2は上記式(III)のX1と同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表わす。ただし、Y,X2の少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。)
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1,X2,Yについての置換基にさらに置換される置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば、水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
すなわち、本実施形態において使用される上記ラジカル重合性モノマーとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性と略す。)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性と略す。)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性と略す。)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは単独で、又は、2種類以上を併用してもよい。
また、本実施形態に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋表面層中に緻密な架橋結合を形成するために、官能基の割合(分子量/官能基数)は250以下が望ましい。官能基割合が250より大きい場合、架橋表面層は柔らかく、耐摩耗性が幾分低下するため、上記で例示したモノマー等中、EO、PO、カプロラクトン等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋表面層全量に対し20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%であり、実質的には塗工液固形分中の3官能以上のラジカル重合性モノマーの割合に依存する。モノマー成分が20重量%未満では架橋表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べて飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80重量%を超えると電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本実施形態に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つ、1個のラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、上記した式(III)又は式(IV)で示される官能基が挙げられる。さらに具体的には、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。また、電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高く、中でも下記一般式(V)又は(VI)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 2007147914
Figure 2007147914
なお、上記一般式(V)、(VI)中、R1は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR7(R7は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR89(R8及びR9は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基又は置換基を有してもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表わし、Ar1、Ar2は置換もしくは未置換のアリーレン基を表わし、同一であっても異なってもよい。また、Ar3、Ar4は置換もしくは未置換のアリール基を表わし、同一であっても異なってもよい。また、Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
さらに、Zは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。m、nは0〜3の整数を表わす。
以下に、一般式(V)、(VI)の具体例を示す。
前記一般式(V)、(VI)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。
1の置換基のうち、特に好ましいものは、水素原子、メチル基である。
置換もしくは未置換のAr3、Ar4はアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基は例えば以下に示すような置換基を有してもよい。
(1)例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)また、アルキル基、好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)また、アルコキシ基(−OR2)であり、R2は、(2)で定義したアルキル基を表わす。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)また、アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)また、アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基であり、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)また、以下の化学式で表されるものが挙げられる。
Figure 2007147914
なお、式中、R3及びR4は各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、またはアリール基を表わす。アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらはC1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R3及びR4は共同で環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)また、メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)また、置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
前記Ar1、Ar2で表わされるアリーレン基としては、前記Ar3、Ar4で表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表わす。
置換もしくは無置換のアルキレン基としては、C1〜C12、好ましくはC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基にはさらに、フッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のシクロアルキレン基としては、C5〜C7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、C1〜C4のアルキル基、C1〜C4のアルコキシ基を有していても良い。具体的には、シクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表わし、アルキレンエーテル基アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
ビニレン基は、以下の化学式で表される。
Figure 2007147914
なお、式中、R5は水素、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar3、Ar4で表わされるアリール基と同じ)、aは1または2、bは1〜3を表わす。
前記Zは置換もしくは未置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表わす。
また、置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
また、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
さらに、アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
また、本実施形態の1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物として、更に好ましくは、下記一般式(VII)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 2007147914
なお、式中、添え字o、p、qはそれぞれ0又は1の整数を表し、Raは水素原子、メチル基を表わし、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表わし、複数の場合は異なっても良い。s、tは0〜3の整数を表わす。また、Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、さらに下記の化学式を表す。
Figure 2007147914
上記一般式(VII)で表わされる化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
本実施形態で用いる上記一般式(V)及び(VI)特に(VII)の1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
本実施形態で使用される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
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Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
また、本実施形態に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は架橋表面層全量に対して20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。この成分が20重量%未満では、架橋表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れる。また、80重量%を超えると、電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招くことになり高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30〜70重量%の範囲が最も好ましい。
本実施形態の表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段によって硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋表面層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
また、2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールA−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したものなどが挙げられ、さらには、特公平5−60503号公報や特公平6−45770号公報に記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。但し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100重量部に対し50重量部以下、好ましくは30重量部以下に制限される。
また、本実施形態の表面層は少なくとも電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために重合開始剤を使用してもよい。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
更に、本実施形態の塗工液には、必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20重量%以下、好ましくは10%以下に抑えられる。
また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3重量%以下が適当である。
本実施形態の架橋表面層は、少なくとも電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液は、ラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。
このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独または2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
本実施形態では、感光層と架橋表面層の接着強度を向上させるため、接着層を設けている。次にここで、接着層に用いられる材料構成について説明する。
本実施形態の接着層では、架橋表面層と電荷輸送層の接着性を向上させるため、ラジカル重合性モノマーとバインダー樹脂を含有させている。また、電気特性を向上させるために、必要に応じて電荷輸送構造を有する1官能のラジカル重合化合物を含有させることができる。ここで用いるラジカル重合性モノマーは、架橋表面層で使用される3官能以上のラジカル重合性モノマーのみならず、1官能、2官能のラジカル重合性モノマーを用いることも可能である。
また、電荷輸送構造を有する1官能のラジカル重合化合物としては、架橋表面層で用いられるものが使用可能である。
バインダー樹脂は、電荷輸送層に用いられるものが使用可能であり、具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
本実施形態においては、接着層用塗工液(接着層前駆体)を塗布し、さらに架橋表面層用塗工液を塗布後、外部からエネルギーを与えて接着層と架橋表面層を同時に硬化させ、接着層と架橋表面層を形成するものである。このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線があるが、その中でも光エネルギー照射手段が好ましい。光のエネルギーとしては主に、紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましく、50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、架橋表面層の荒れが激しくなる。そのほかに放射線のエネルギーとして電子線を用いるものが挙げられるが、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから光のエネルギーを用いたものが有用である。
本実施形態における電子写真感光体の作製方法の一例を挙げる。まず、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した接着層用塗工液をスプレー等により塗布する。さらに続けて、架橋表面層用塗工液をスプレー等で塗布し、その後、光エネルギー照射手段によって接着層と架橋表面層を同時に硬化させる。硬化終了後は、残留溶媒低減のため100〜150℃で10〜30分加熱して、本実施形態の感光体を得る。
以下、本実施形態の感光体を、その層構造に従い説明する。
<電子写真感光体の層構造について>
本実施形態に用いられる電子写真感光体を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の電子写真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体31上に、電荷発生機能と電荷輸送機能とを同時に有する感光層32が設けられた単層構造の感光体である。なお、感光層32上には接着層33が設けられており、さらに接着層33の上層には、架橋表面層34が設けられている。
また、図2は、図1に示した構成のうち導電性支持体31上の感光層32に当たる層が、電荷発生機能を有する電荷発生層35と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層36とが積層された積層構造の感光体として構成されている。
<導電性支持体について>
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本実施形態の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテトラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として良好に用いることができる。
<感光層について>
次に感光層について説明する。感光層は、上述したように、積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて述べる。
<感光層が積層構造(電荷発生層と電荷輸送層からなるもの)>
(電荷発生層)
電荷発生層35は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコン等が挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。そのなかで特にフタロシアニン類が有用に用いられ、中でもチタニルフタロシアニン、そのなかでも、少なくともCu−Kα線に対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.6°±0.2°、24.0°±0.2°および27.2°±0.2°にある結晶型を有するチタニルフタロシアニンは高感度材料として特に有効である。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層35に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、電荷発生層35のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料やポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前者の具体的な例としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
また、後者の具体例としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層35には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。
電荷発生層35に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
正孔輸送物質としては、以下に表わされる電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
また、電荷発生層35を形成する方法には、真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
(電荷輸送層)
電荷輸送層36は電荷輸送機能を有する層である。電荷輸送層36は、電荷輸送機能を有する電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に本実施形態のラジカル重合性組成物とバインダー樹脂を含有する接着層用塗工液とラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層用塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させる。
電荷輸送物質としては、前記電荷発生層35で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。但し、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
電荷輸送層36の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層35と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。また、電荷輸送層36の形成には電荷発生層35と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
電荷輸送層36に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
電荷輸送層36に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、結着樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
また、電荷輸送層36の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
積層構造の場合、電荷輸送層36上に本実施形態のラジカル重合性組成物とバインダー樹脂を含有する接着層用塗工液をスプレー等で塗布し、さらに続けてラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、光エネルギー照射手段により硬化し、接着層33及び架橋表面層34を形成する。このとき、接着層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmである。0.05μmより薄いと十分な接着効果が得られず、一方5μmより厚いと電気特性が悪くなる。また架橋表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性のバラツキが生じ、一方20μm以上だと電気特性が悪くなる。
<感光層が単層のもの>
単層構造の感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本実施形態の電荷輸送性構造を有する架橋表面層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の感光層として有用に用いられる。上記の電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層35、電荷輸送層36において既に述べたものと同様のものが使用できる。結着樹脂としては、先に電荷輸送層36の項で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層35で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。かかる感光層32の膜厚は、5〜30μm程度が適当であり、好ましくは10〜25μm程度が適当である。
単層構造の場合、感光層32上に本実施形態のラジカル重合性組成物とバインダー樹脂を含有する接着層用塗工液をスプレー等で塗布し、さらに続けてラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、光エネルギー照射手段により硬化し、接着層及び架橋表面層を形成する。このとき、接着層の膜厚は0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1μmである。0.05μmより薄いと十分な接着効果が得られず、一方5μmより厚いと電気特性が悪くなる。また架橋表面層の膜厚は、1〜20μm、好ましくは2〜10μmである。1μmより薄いと膜厚ムラによって耐久性のバラツキが生じ、一方20μm以上だと電気特性が悪くなる。
単層構造の感光層中に含有される電荷発生物質は感光層全量に対し1〜30重量%が好ましく、感光層の下層部分に含有される結着樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量部が良好に用いられる。
<下引き層について>
本実施形態の感光体においては、導電性支持体31と感光層32との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本実施形態の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、本発明の下引き層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
<各層への酸化防止剤の添加について>
また、本実施形態においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面架橋層、感光層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
本実施形態に用いることができる酸化防止剤として、下記のものが挙げられる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
(有機硫黄化合物類)
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
また、本実施形態における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
以下、本実施形態の画像形成装置に用いられるトナーについて説明する。
本実施形態に用いられるトナーにおいて、チタン含有触媒(a)は、下記一般式(I)または(II)で表される化合物であり、2種以上を併用してもよい。
Ti(X)m(OH)n ・・・(I)
O=Ti(X)p(OR)q ・・・(II)
上記一般式(I)および(II)において、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除いた残基であり、窒素原子の数、すなわち、1級、2級、および3級アミノ基の合計数は、通常1〜2個、好ましくは1個である。上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、および、N−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、および、テトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下するためオリゴマー成分が増え、トナーのブロッキング性悪化の原因になる。
また上記式(I)、(II)において、Xとして好ましいものは、ジアルカノールアミン(とくにジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(とくにトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−へキシル基、n−オクチル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。これらRのうち好ましくは、H、およびエーテル結合を含まない炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは、H、エチル基、およびイソプロピル基である。式(I)中、mは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。nは0〜3の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。mとnの和は4である。式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
本発明における、上記チタン含有触媒(a)のうち、一般式(I)で表されるものとしては、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノプロパノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−メチルジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−ブチルジエタノールアミネート)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
一般式(II)で表されるものの具体例としては、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(ジエタノールアミネート)、チタニルビス(モノエタノールアミネート)、チタニルヒドロキシエタノールアミネート、チタニルヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニルエトキシトリエタノールアミネート、チタニルイソプロポキシトリエタノールアミネート、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、これらの重縮合物、およびこれらの併用であり、さらに好ましくは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、その重縮合物、とくにチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)である。
これらのチタン含有触媒(a)は、例えば市販されているチタニウムジアルコキシビス(アルコールアミネート;Dupont株式会社製など)を、水(または水性媒体)存在下で70〜90℃にて反応させることで安定的に得ることができる。
本実施形態のトナーバインダーを構成する重縮合ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物であるポリエステル樹脂(AX)、(AX)にさらにポリエポキシド(C)などを反応させて得られる変性ポリエステル樹脂(AY)などが挙げられる。(AX)、(AY)などは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて混合物として使用してもよい。
ポリオールとしては、ジオール(g)および3価以上のポリオール(h)が挙げられ、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(i)および3価以上のポリカルボン酸(j)が挙げられ、それぞれ1種単独で、または2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂(AX)および(AY)としては、以下のものなどが挙げられ、これらのものを併用することもできる。
(AX1):(g)および(i)を用いた線状のポリエステル樹脂
(AX2):(g)および(i)とともに(h)および/または(j)を用いた非線状のポリエステル樹脂
(AY1):(AX2)に(c)を反応させた変性ポリエステル樹脂
ジオール(g)としては、水酸基価180〜1900(mgKOH/g、以下同様)のものが好ましい。具体的には、炭素数2〜36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プチレングリコールおよび1,6−ヘキサンジオールなど);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロビレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリプチレングリコールなど);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびプチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールSなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物およびこれらの併用であり、特に好ましいものは、ビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物、炭素数2〜4のアルキレングリコールおよびこれらの2種以上の併用である。
なお、上記および以下において水酸基価および酸価は、JIS K 0070に規定の方法で測定される。
3価以上(3〜8価またはそれ以上)のポリオール(h)としては、水酸基価150〜1900のものが好ましい。具体的には、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオールおよびその分子内もしくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、およびジペンタエリスリトール;糖類およびその誘導体、例えば庶糖およびメチルグルコシド;など);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数1〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、POおよびBOなど)付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラックなど:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物(付加モル数2〜30)であり、とくに好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキシド付加物である。
ジカルボン酸(i)としては、酸価180〜1250(mgKOH/g、以下同様)のものが好ましい。具体的には、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、およびセバシン酸など)およびアルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸など);炭素数4〜36の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、およびメサコン酸など);炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケンジカルボン酸、および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。なお、(i)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上(3〜6価またはそれ以上)のポリカルボン酸(j)としては、酸価150〜1250mgのものが好ましい。具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など);不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルバーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、とくに好ましいものはトリメリット酸、およびピロメリット酸である。なお、3価以上のポリカルボン酸(j)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
また、(g)、(h)、(i)および(j)とともに炭素数4〜20の脂肪族または芳香族ヒドロキシカルボン酸(k)、炭素数6〜12のラクトン(l)を共重合することもできる。
ヒドロキシカルボン酸(k)としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。ラクトン(l)としては、カプロラクトンなどが挙げられる。
ポリエポキシド(c)としては、ポリグリシジルエーテル〔エチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、フェノールノボラック(平均重合度3〜60)グリシジルエーテル化物など〕;ジエンオキサイド(ペンタジエンジオキサイド、ヘキサジエンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの中で好ましくは、ポリグリシジルエーテルであり、さらに好ましくは、エチレングリコールジグリシジルエーテルおよびビスフェノールAジグリシジルエーテルである。(c)の1分子当たりのエポキシ基数は、好ましくは2〜8、さらに好ましくは2〜6、とくに好ましくは2〜4である。
(c)のエポキシ当量は、好ましくは50〜500である。下限は、さらに好ましく70、とくに好ましくは80であり、上限は、さらに好ましく300、とくに好ましくは200である。エポキシ基数とエポキシ当量が上記範囲内であると、現像性と定着性が共に良好である。上述の1分子当たりのエポキシ基数およびエポキシ当量の範囲を同時に満たせばさらに好ましい。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。また使用するポリオールとポリカルボン酸の種類は、最終的に調整されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が45〜85℃となるよう分子量調整も考慮して選択される。
トナーバインダーは、フルカラー用、モノクロ用で各々異なる物性が求められており、ポリエステル樹脂の設計も異なる。
即ち、フルカラー用には高光沢画像が求められるため、低粘性のバインダーとする必要があるが、モノクロ用の場合では、光沢は特に必要なく、ホットオフセット性が重視されるため高弾性のバインダーとする必要がある。
フルカラー複写機等に有用である高光沢画像を得る場合は、(AX1)、(AX2)、(AY1)およびこれらの混合物が好ましい。この場合、低粘性であることが好ましいことから、これらのポリエステル樹脂を構成する(h)および/または(j)の比率は、(h)と(j)のモル数の和が(g)〜(j)のモル数の合計に対して、好ましくは0〜20モル%、さらに好ましくは0〜15モル%、とくに0〜10モル%である。
モノクロ複写機等に有用である高い耐ホットオフセット性を得る場合は、(AX2)、(AY1)およびこれらの混合物が好ましい。この場合、高弾性であることが好ましいことから、これのポリエステル樹脂としては、(h)と(j)を両方用いたものが特に好ましい。(h)および(j)の比率は、(h)と(j)のモル数の和が(g)〜(j)のモル数の合計に対して、好ましくは0.1〜40モル%、さらに好ましくは0.5〜25モル%、とくに1〜20モル%である。
フルカラー用ポリエステル樹脂の場合、複素粘性率(η*)が100Pa・Sとなる温度(TE)は、好ましくは90〜170℃、さらに好ましくは100〜165℃、特に105〜150℃である。170℃以下で十分な光沢が得られ、90℃以上で耐熱保存安定性が良好となる。
TEは、例えば、樹脂をラボブラストミルを用いて130℃、70rpmで30分間溶融混練した後のブロックを、市販の動的粘弾性測定装置を用いて、樹脂温度を変化させながら複素粘性率(η*)を測定することで求められる。
また、フルカラー用ポリエステル樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、光沢度の観点から、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
なお、上記および以下において%は、とくに断りのない限り、重量%を意味する。
THF不溶分およびTHF可溶分は以下の方法で得られる。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間攪拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。なお、後述する分子量の測定には、このろ液をTHF可溶分として使用する。
モノクロ用ポリエステル樹脂の場合、耐ホットオフセット性の観点から、ポリエステル樹脂の貯蔵弾性率(G’)が6000Paとなる温度(TG)は、好ましくは130〜230℃、さらに好ましくは140〜230℃、とくに150〜230℃である。
前記TGは、例えば、樹脂をラボブラストミルを用いて130℃、70rpmで30分間溶融混練後のブロックを、市販の動的粘弾性測定装置を用いて、樹脂温度を変化させながら貯蔵弾性率(G’)を測定することで求められる。
低温定着性および耐熱保存安定性の観点から、モノクロ用ポリエステル樹脂の複素粘性率(η*)が1000Pa・Sとなる温度(TE)は、好ましくは80〜140℃、さらに好ましくは90〜135℃、とくに105〜130℃である。
モノクロ用ポリエステル樹脂は、THF不溶分を2〜70%含有していることが好ましく、さらに好ましくは5〜60%、とくに10〜50%である。THF不溶分が2%を以上で耐ホットオフセット性が良好になり、70%以下で良好な低温定着性が得られる。
ポリエステル樹脂のピークトップ分子量(Mp)はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは1000〜30000、さらに好ましくは1500〜25000、とくに1800〜20000である。Mpが1000以上で、耐熱保存安定性および粉体流動性が良好となり、30000以下でトナーの粉砕性が向上し、生産性が良好となる。
また、本実施形態のポリエステル樹脂からなるトナーバインダー(A)を用いてトナーとしたときの、トナー中の分子量1500以下の成分の比率は、1.8%以下が好ましく、さらに好ましくは1.3%以下、特に好ましくは1.1%以下である。分子量1500以下の成分の比率が1.8%以下になることで、保存安定性がより良好となる。
上記および以下において、ポリエステル樹脂またはトナーの、Mp、Mn、および分子量1500以下の成分の比率は、THF可溶分についてGPCを用いて以下の条件で測定される。
装置 : 東ソー製 HCL−8120
カラム : TSKgelGMHXL(2本)
TSKgelmultiporeHXL−M(1本)
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF溶液
溶液注入量: 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリスチレン
なお、得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量を、ピークトップ分子量(Mp)と称する。さらに分子量1500で分割したときのピーク面積の比率で低分子量物の存在比を評価する。
ポリエステル樹脂の酸価はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは0.1〜60、さらに好ましくは0.2〜50、特に好ましくは0.5〜40である。酸価が0.1〜60の範囲では、帯電性が良好である。
ポリエステル樹脂の水酸基価はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは1〜70、さらに好ましくは3〜60、特に好ましくは5〜55である。酸価が1〜70の範囲では、環境安定性が良好である。
ポリエステル樹脂のTg(ガラス転移点)はモノクロ用、フルカラー用いずれの場合も、好ましくは40〜90℃、さらに好ましくは50〜80℃、特に好ましくは55〜75℃である。Tgが40℃〜90℃の範囲では耐熱保存安定性と低温定着性が良好である。
なお、上記および以下においてポリエステル樹脂のTgは、セイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いてASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本実施形態においてトナーバインダー(A)として用いるポリエステル樹脂は、通常のポリエステルの製造法と同様にして製造することができる。例えば、不活性ガス(窒素ガス等)雰囲気中で、チタン含有触媒(a)の存在下、反応温度が好ましくは150〜280℃、さらに好ましくは160〜250℃、特に好ましくは170〜240℃で反応させることにより行うことができる。また反応時間は、重縮合反応を確実に行う観点から、好ましくは30分以上、とくに2〜40時間である。反応末期の反応速度を向上させるために減圧する(例えば1〜50mmHg)ことも有効である。
(a)の添加量としては、重合活性などの観点から、得られる重合体の重量に対して、好ましくは0.0001〜0.8%、さらに好ましくは0.0002〜0.6%、特に好ましくは0.0015〜0.55%である。
また、(a)の触媒効果を損なわない範囲で他のエステル化触媒を併用することもできる。他のエステル化触媒の例としては、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、(a)以外のチタン含有触媒(例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタニルカリウム、およびテレフタル酸チタン)、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、ゲルマニウム含有触媒、アルカリ(土類)金属触媒(例えばアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のカルボン酸塩:酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、および安息香酸カリウムなど)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの他の触蝶の添加量としては、得られる重合体に対して、0〜0.6%が好ましい。0.6%以内とすることで、ポリエステル樹脂の着色が少なくなり、カラー用のトナーに用いるのに好ましい。添加された全触媒中の(a)の含有率は、50〜100%が好ましい。
線状のポリエステル樹脂(AX1)の製造方法としては、例えば、得られる重合体の重量に対して0.0001〜0.8%の触蝶(a)と、必要により他の触媒の存在下、ジオール(g)、およびジカルボン酸(i)を、180℃〜260℃に加熱し、常圧および/または減圧条件で脱水縮合させて、(AX1)を得る方法が挙げられる。
非線状のポリエステル樹脂(AX2)の製造方法としては、例えば、得られる重合体の重量に対して0.0001〜0.8%の触媒(a)と、必要により他の触媒の存在下、ジオール(g)、ジカルボン酸(i)、および3価以上のポリオール(h)を、180℃〜260℃に加熱し、常圧および/または減圧条件で脱水縮合させた後、さらに3価以上のポリカルボン酸(j)を反応させて、(AX2)を得る方法が挙げられる。(j)を、(g)、(i)および(h)と同時に反応させることもできる。
変性ポリエステル樹脂(AY1)の製造方法としては、ポリエステル樹脂(AX2)にポリエポキシド(c)を加え、180℃〜260℃でポリエステルの分子伸長反応を行うことで、(AY1)を得る方法が挙げられる。
(c)と反応させる(AX2)の酸価は、好ましくは1〜60、さらに好ましくは5〜50である。酸価が1以上であると、(c)が未反応で残存して樹脂の性能に悪影響を及ぼす恐れがなく、60以下であると、樹脂の熱安定性が良好である。
また、(AY1)を得るのに用いる(c)の量は、低温定着性および耐ホットオフセット性の観点から、(AX2)に対して、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜5%である。
また、本実施形態のトナーバインダー(A)中に、上記重縮合ポリエステル樹脂以外に、必要により、他の樹脂などを含有させることもできる。
他の樹脂としては、スチレン系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000〜200万である。
トナーバインダー(A)における他の樹脂の含有量は、好ましくは0〜40%、さらに好ましくは0〜30%、とくに好ましくは0〜20%である。
ポリエステル樹脂を2種以上併用する場合、および少なくとも1種のポリエステル樹脂と他の樹脂を混合する場合、予め粉体混合または溶融混合してもよいし、トナー化時に混合してもよい。
溶融混合する場合の温度は、好ましくは80〜180℃、さらに好ましくは100〜170℃、とくに好ましくは120〜160℃である。
混合温度が低すぎると充分に混合できず、不均一となることがある。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合温度が高すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合時間は、好ましくは10秒〜30分、さらに好ましくは20秒〜10分、特に好ましくは30秒〜5分である。2種以上のポリエステル樹脂を混合する場合、混合時間が長すぎると、エステル交換反応による平均化などが起こるため、トナーバインダーとして必要な樹脂物性が維持できなくなる場合がある。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽などのバッチ式混合装置、および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で、かつ、短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンテイニアスニーダー、3本ロールなどが挙げられる。これらのうちエクストルーダーおよびコンテイニアスニーダーが好ましい。
粉体混合する場合は、通常の混合条件および混合装置で混合することができる。
粉体混合する場合の混合条件としては、混合温度は、好ましくは0〜80℃、さらに好ましくは10〜60℃である。混合時間は、好ましくは3分以上、さらに好ましくは5〜60分である。混合装置としては、へンシェルミキサー、ナウターミキサー、およびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはへンシェルミキサーである。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、本実施形態のトナーバインダー(A)と着色剤(B)から構成され、必要に応じて離型剤(C)、荷電制御剤(D)、および流動化剤(E)等、種々の添加剤を含有する。
トナー中の(A)の含有量は、着色剤として染料または顔料を使用する場合は、好ましくは70〜98%、さらに好ましくは74〜96%である。また、磁性粉を使用する場合は、好ましくは20〜85%、さらに好ましくは35〜65%である。
着色剤(B)としては公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイトおよび鉄黒等が挙げられる。
トナー中の着色剤(B)の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは2〜15%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
離型剤(C)としては、カルナウバワックス(C1)、フィッシャートロプシュワックス(C2)、パラフィンワックス(C3)、およびポリオレフインワックス(C4)などが挙げられる。
(C1)としては、天然カルナウバワックス、および脱遊離脂肪酸型カルナウバワックスが挙げられる。
(C2)としては、石油系フィッシャートロプシュワックス(シューマン・サゾール社製パラフリントH1、パラフリントH1N4およびパラフリントC105など)、天然ガス系フィッシャートロプシュワックス(シェルMDS社製FT100など)、およびこれらフィッシャートロプシュワックスを分別結晶化などの方法で精製したもの[日本精蝋(株)製MDP−7000、MDP−7010など]などが挙げられる。
(C3)としては、石油ワックス系のパラフィンワックス[日本精蝋(株)製パラフィンワックスHNP−5、HNP−9、HNP−11など]などが挙げられる。
(C4)としては、ポリエチレンワックス[三洋化成工業(株)製サンワックス171P、サンワックスLEL400Pなど]、およびポリプロピレンワックス[三洋化成工業(株)製ビスコール550P、ビスコール660Pなど]などが挙げられる。
これらのワックスの内、カルナウバワックス、およびフィッシャートロプシュワックスが好ましく、カルナウバワックス、および石油系フィッシャートロプシュワックスがさらに好ましい。これらのワックスを離型剤として使用することで、トナーとした場合の低温定着性が優れる。
トナー中の(C)の含有量は、好ましくは0〜10%であり、さらに好ましくは1〜7%である。
荷電制御剤(D)としては、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、合金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、およびハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
トナー中の(D)の含有量は、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは0.01〜4%である。
流動化剤(E)としては、コロイグルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、および炭酸カルシウム粉末等、公知のものが挙げられる。
トナー中の(E)の含有量は好ましくは0〜5%である。
本トナーの製造法としては、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等があるが、これらに限るものではない。本実施形態のトナーは、高画質高精細の画像を出力させるべく、小粒径で球形に近いトナーであることが好ましい。このようなトナーの製造法としては、水系媒体中で油相を乳化、懸濁又は凝集させトナー母体粒子を形成させる、懸濁重合法、乳化重合法、ポリマー懸濁法等がある。以下、これらのトナー製造法、及び該製造法において用いる材料、添加剤等について説明する。
(懸濁重合法)
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で乳化法によって乳化分散する。このときに、離型剤を分散させる撹拌速度、温度等の条件によって離型剤粒径を制御する。その後、重合反応を行い粒子化した後に、本実施形態におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えば良い。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
重合性単量体として、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
(乳化重合凝集法)
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途、着色剤、粒径を制御した離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後に、無機微粒子の湿式処理を行えば良い。ラテックスとして懸濁重合法に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
(ポリマー懸濁法)
本実施形態に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。トナー組成物の油相には、樹脂、プレポリマー、顔料等の着色剤、粒径を制御した離型剤、帯電制御剤等を揮発性溶剤に溶解又は分散する。水系媒体中に、トナー組成物からなる油相を界面活性剤、固体分散剤等の存在下で分散させ、プレポリマーの反応を行わせて粒子化する。その後に後述する無機微粒子の湿式処理を行えば良い。
(乾式粉砕法)
粉砕系の一例としては、少なくとも結着剤樹脂、帯電制御剤および着色剤を含む原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、着色剤の分散性を向上させるために着色剤をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
機械的に混合する混合工程は、回転させる羽による通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよく、特に制限はない。以上の混合工程が終了したら、次いで、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。トナーを混練する具体的な装置としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出し機、東芝機械社製TEM型2軸押出し機、KCK社製2軸押出し機、池貝鉄工社製PCM型2軸押出し機、栗本鉄工所社製KEX型2軸押出し機や、連続式の1軸混練機、例えば、ブッス社製コ・ニーダ等が好適に用いられる。以上により得られた溶融混練物は冷却した後粉砕されるが、粉砕は、例えば、ハンマーミルやロートプレックス等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式の微粉砕機などを使用することができる。粉砕は、平均粒径が3〜15μmになるように行うのが望ましい。さらに、粉砕物は風力式分級機等により、2.5〜20μmに粒度調整される。次いで、外添剤のトナー粒子へ外添が行われるが、トナー粒子と外添剤とをミキサー類を用いて混合・攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー粒子表面に被覆される。
本実施形態によれば、少なくとも複数の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、転写手段を有するタンデム型画像形成装置、画像形成方法が提供される。これによって、1ドラム型画像形成装置にくらべて、非常に高速で良好なフルカラー画像を得ることができる。
また、本実施形態によれば、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した後、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括で二次転写することで、色ズレを抑えた良好な画像が提供される。さらに中間転写体を介するレイアウトによって、画像形成装置内のレイアウトの自由度が向上し、装置の小型化、メンテナンス性の向上などが達成される。
<画像形成方法及び装置>
次に、図面に基づいて本実施形態の画像形成装置及び画像形成方法を詳しく説明する。
本実施形態の画像形成装置及び画像形成方法とは、すなわち、平滑な電荷輸送性表面架橋層を有する本実施形態の感光体を用い、例えば、少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、画像保持体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成装置及び画像形成方法のことである。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
図3は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略図である。
本実施形態の画像形成装置は、感光体1と、除電ランプ2と、帯電チャージャ3と、イレーサ4と、画像露光部5と、現像ユニット6と、転写前チャージャ7と、レジストローラ8と、ローラ転写体9と、転写チャージャ10と、分離チャージャ11と、分離爪12と、クリーニング前チャージャ13と、ファーブラシ14と、クリーニングブレード15とを備えている。
感光体1を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
特に、本実施形態の構成は、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解する様な帯電手段を用いた場合に有効である。ここで言う接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。一方の近接帯電方式とは、例えば帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、空隙は10〜200μm、好ましくは10〜100μmの範囲が適当である。
次に、均一に帯電された感光体1上に静電潜像を形成するために、画像露光部5が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体1上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット6が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られる。また、正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体9上に転写するために転写チャージャ10が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体9を感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ14、クリーニングブレード15が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行うために、クリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ2、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
本実施形態は、このような画像形成手段に本実施形態に係る電子写真感光体を用いる画像形成装置及び画像形成方法である。
この画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形態でそれら装置内に組み込まれ、着脱自在としたものであってもよい。ここで、本実施形態のプロセスカートリッジの一例を図4に示す。
本実施形態における画像形成装置用プロセスカートリッジとは、感光体101を内蔵し、他に帯電装置102、現像装置104、転写装置106、クリーニング装置107、除電装置(図示せず)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図4に例示される装置による画像形成プロセスについて説明すると、感光体101は、図4中の矢印方向に回転しながら、帯電装置102による帯電、露光装置(図示せず)からの露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置104でトナー現像され、該トナー現像は転写装置106により、転写体105に転写されて、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング装置107によりクリーニングされ、さらに除電装置(図示せず)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
このように本実施形態は、平滑な電荷輸送性表面架橋層を有する感光体と帯電、現像、転写、クリーニング、除電手段のうち少なくとも一つを有する画像形成装置用プロセスカートリッジを提供することも可能である。
以下、本実施形態の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを、実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本実施形態は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に指定のないかぎり重量部を表すものとする。
(感光体の作製)
まず、評価に用いた感光体の作製例を具体的に説明する。本実施形態で用いる感光体は、これらの例に限定されるものではない。
<1官能の電荷輸送性構造を有する化合物の合成例>
本実施形態における1官能の電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば、特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(i)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中に、トリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。なお、融点:64.0〜66.0℃である。
Figure 2007147914
Figure 2007147914
Figure 2007147914
(ii)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(前記例示化合物No.54)
上記(i)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。この様にして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。なお、融点:117.5〜119.0℃である。
Figure 2007147914
次に、電荷発生物質に用いるチタニルフタロシアニン顔料の具体的な合成例を述べる。
(合成例1)
1,3−ジイミノイソインドリン292gとスルホラン2000mlを混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204gを滴下する。滴下終了後、徐々に180℃まで昇温し、反応温度を170℃〜180℃の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。粗チタニルフタロシアニンを20倍量の濃硫酸に溶解し、100倍量の氷水に撹拌しながら滴下し、析出した結晶をろ過し、次いで洗浄液が中性になるまで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウェットケーキを得た。このウェットケーキを、洗浄液からxxイオンが検出できなくなるまで、イオン交換水で徹底的に洗浄した。
得られたウェットケーキ20gを1,2−ジクロロエタン200gに投入し、4時間撹拌を行なった。これにメタノール1000gを追加して、1時間撹拌を行った後、濾過を行い、乾燥して、チタニルフタロシアニン粉末を得た(これを顔料1と称する)。
得られたチタニルフタロシアニン顔料についてのX線回折スペクトルを以下に示す条件で測定した。
X線管球 Cu
電圧 40kV
電流 20mA
走査速度 1°/分
走査範囲 3°〜40°
時定数 2秒
合成例1により得られたチタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルを図5に示す。得られたチタニルフタロシアニン顔料はブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.6°±0.2°、24.0°±0.2°および27.2°±0.2°にある結晶形を有していることが分かる。
次に、感光体の作成例を具体的に示す。
感光体1
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、3.5μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の接着層用塗工液と架橋表面層用塗工液を続けてスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:120秒の条件で光照射を行い、更に130℃で20分乾燥を加え、0.5μmの接着層と4μmの表面架橋層を設け、本発明の電子写真感光体を得た。
〔下引き層用塗工液〕
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業製)
酸化チタン 40部
メチルエチルケトン 50部
〔電荷発生層用塗工液〕
下記構造式Cのビスアゾ顔料 2.5部
ポリビニルブチラール(XYHL、UCC製) 0.5部
シクロヘキサノン 200部
メチルエチルケトン 80部
Figure 2007147914
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050、帝人化成製)
下記構造式Dの低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液 1部
(KF50−100CS、信越化学工業製)
Figure 2007147914
〔接着層用塗工液〕
ポリアリレート(Uポリマー:U−100、ユニチカ株式会社製) 1部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 9部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 10部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 10部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
ここで得られた感光体を[感光体1]とする。
感光体2
感光体1において、下記組成の接着層用塗工液に変えた以外は感光体1と同様に作製した。
〔接着層用塗工液〕
ポリアリレート(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 3部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 7部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
ここで得られた感光体を[感光体2]とする。
感光体3
感光体1において、下記組成の接着層用塗工液に変えた以外は感光体1と同様に作製した。
〔接着層用塗工液〕
ポリアリレート(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 5部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 5部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
ここで得られた感光体を[感光体3]とする。
感光体4
感光体1において、下記組成の接着層用塗工液に変えた以外は感光体1と同様に作製した。
〔接着層用塗工液〕
ポリアリレート(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 7部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 5部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
ここで得られた感光体を[感光体4]とする。
感光体5
感光体1において、下記組成の接着層用塗工液に変えた以外は感光体1と同様に作製した。
〔接着層用塗工液〕
ポリアリレート(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 9部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート(KAYARAD TMPTA、日本化薬製:分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99) 1部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
ここで得られた感光体を[感光体5]とする。
感光体6
φ30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、塗布、乾燥することにより、1.5μmの下引き層、0.3μmの電荷発生層、23μmの電荷輸送層を形成した。この電荷輸送層上に下記組成の接着層用塗工液と架橋表面層用塗工液を続けてスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:500mW/cm2、照射時間:120秒の条件で光照射を行い、更に130℃で20分乾燥を加え、0.03μmの接着層と4μmの表面架橋層を設け、本実施形態の電子写真感光体を得た。
〔下引き層塗工液〕
酸化チタン 40部
アルコール可溶性ポリアミド樹脂 32部
メタノール 400部
イソプロパノール 160部
〔電荷発生層塗工液〕
合成例1で合成したチタニルフタロシアニン粉末 4部
ポリビニルブチラール 2部
メチルエチルケトン 150部
〔電荷輸送層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成製) 10部
低分子電荷輸送物質(D−1) 7部
テトラヒドロフラン 100部
1%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業製) 1部
Figure 2007147914
〔接着層用塗工液〕
ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成製) 5部
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製:分子量:536、官能基数:5.5官能、分子量/官能基数=97) 5部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.105) 5部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 0.5部
テトラヒドロフラン 400部
〔架橋表面層用塗工液〕
電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製 分子量:536、官能基数:5.5官能、分子量/官能基数=97) 10部
1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.105) 10部
光重合開始剤:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) 1部
テトラヒドロフラン 100部
ここで得られた感光体を[感光体6]とする。
感光体7
感光体6において、接着層の膜厚を0.06μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体7]とする。
感光体8
感光体6において、接着層の膜厚を0.09μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体8]とする。
感光体9
感光体6において、接着層の膜厚を0.12μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体9]とする。
感光体10
感光体6において、接着層の膜厚を0.20μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体10]とする。
感光体11
感光体6において、接着層の膜厚を0.50μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体11]とする。
感光体12
感光体6において、接着層の膜厚を0.80μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体12]とする。
感光体13
感光体6において、接着層の膜厚を1.2μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体13]とする。
感光体14
感光体6において、接着層の膜厚を4μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体14]とする。
感光体15
感光体6において、接着層の膜厚を7μmにした以外は感光体6と同様にして作製した。ここで得られた感光体を[感光体15]とする。
比較感光体1
感光体1において、電荷輸送層上に架橋表面層用塗工液のみをスプレー塗工した以外は感光体1と同様に作製した。ここで得られた感光体を[比較感光体1]とする。
(トナーの作製)
次に、評価に用いたトナーの作製例を具体的に説明する。本実施形態で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。なお、本文中の軟化点は、以下の方法で測定される。
〔軟化点の測定方法〕
フローテスターを用いて、下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とする。
装置 :島津(株)製 フローテスター CTF−500D
荷重 :20kgf/cm2
ダイ :1mmΦ−1mm
昇温速度:6℃/min
試料量 :1.0g
〔トナーバインダーTB1の作製〕
・チタン含有触媒(a)の合成
冷却管、撹拝機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。
以降の作成トナーについても同様の合成法にて、それぞれ本実施形態に用いるチタン含有触媒(a)を得ることができる。
・線状ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのPO2モル付加物430部、ビスフェノールAのPO3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−1)を得た。
(AX1−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは60℃、Mnは6940、Mpは19100であった。分子量1500以下の成分の比率は1.2%であった。
・非線状ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのEO2モル付加物350部、ビスフェノールAのPO3モル付加物326部、テレフタル酸278部、無水フタル酸40部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸62部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂(AX2−1)を得た。
(AX2−1)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は35、水酸基価は17、Tgは69℃、Mnは3920、Mpは11200であった。分子量1500以下の成分の比率は0.9%であった。
・トナーバインダーの合成
(AX1−1)400部と(AX2−1)600部をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー[TB1]を得た。
〔トナーバインダーTB2の作製〕
・線状ポリエステル樹脂の合成
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代える以外は〔TB1の作製〕の(AX1−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX1−2)を得た。
(AX1−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は10、Tgは60℃、Mnは6820、Mpは20180であった。分子量1500以下の成分の比率は1.1%であった。
・非線状ポリエステル樹脂の合成
重縮合触媒をチタニルビス(トリエタノールアミネート)に代える以外は〔TB1の作製〕の(AX2−1)と同様に反応させ、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂(AX2−2)を得た。
(AX2−2)はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は33、水酸基価は14、Tgは70℃、Mnは4200、Mpは11800であった。分子量1500以下の成分の比率は0.8%であった。
・トナーバインダーの合成
ポリエステル(AX1−2)500部とポリエステル(AX2−2)500部をヘンシェルミキサーにて5分間粉体混合して本発明のトナーバインダー用樹脂[TB2]を得た。
〔比較トナーバインダーCTB1の作製〕
・比較用線状ポリエステル樹脂の合成
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代えた以外は〔TB1の作製〕の(AX1−1)と同様に反応させた。触媒失活のために反応が途中で停止してしまい、生成水が留出しなくなる問題が生じたため、反応途中でチタンテトライソプロポキシド2部を4回追加し、比較用線状ポリエステル樹脂(CAX1−1)を得た。
(CAX1−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は7、水酸基価は12、Tgは58℃、Mnは6220、Mpは18900であった。分子量1500以下の成分の比率は2.2%であった。
・比較用非線状ポリエステル樹脂の合成
重縮合触媒をチタンテトライソプロポキシドに代える以外は〔TB1の作製〕の(AX2−1)と同様に反応させた。常圧下で16時間、減圧下で8時間反応させた。反応速度が遅かったため、反応途中でチタンテトラプロポキシド2部を3回追加し、比較用非線状ポリエステル樹脂(CAX2−1)を得た。
(CAX2−1)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は34、水酸基価は16、Tgは68℃、Mnは3420、Mpは12100であった。分子量1500以下の成分の比率は2.1%であった。
・比較トナーバインダーの合成
(CAX1−1)400部と(CAX2−1)600部をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して比較トナーバインダー[CTB1]を得た。[CTB1]は強い紫褐色をした樹脂であった。
〔トナーバインダーTB3の作製〕
・変性ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物549部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物20部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物133部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のエチレンオキシド5モル付加物10部、テレフタル酸252部、イソフタル酸19部、無水トリメリット酸10部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで無水トリメリット酸50部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧化で反応させ軟化点が105℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル20部を加え、軟化点150℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕して変性ポリエステル樹脂(AY1−1)を得た。
(AY1−1)の酸価は52、水酸基価は16、Tgは73℃、Mnは1860、Mpは6550、THF不溶分は32%、分子量1500以下の成分の比率は1.0%であり、これをトナーバインダー[TB3]として使用した。
〔比較トナーバインダーCTB2の作製〕
・比較用変性ポリエステル樹脂の合成
重縮合触媒をチタンテトラブトキシドに代える以外は〔TB3の作製〕と同様に反応させて比較用変性ポリエステル樹脂(CAY1−2)を得た。
(CAY1−2)の軟化点は150℃、酸価は53、水酸基価は17、Tgは71℃、Mnは1660、Mpは6340、THF不溶分は34%、分子量1500以下の成分の比率は3.1%であり、これをトナーバインダー[CTB2]として使用した。
〔トナーバインダーTB4の作製〕
・非線状ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物132部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物371部、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物20部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のプロピレンオキシド5モル付加物125部、テレフタル酸201部、無水マレイン酸25部、ジメチルテレフタル酸エステル35部及び縮合触媒としてチタニルビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し非線状ポリエステル樹脂(AX2−3)を得た。
非線状ポリエステル樹脂(AX2−3)の軟化点は144℃、酸価は30、水酸基価は16、Tgは59℃、Mnは1410、Mpは4110、THF不溶分は27%、分子量1500以下の成分の比率は1.0%であり、これをトナーバインダー[TB4]として使用した。
〔トナーバインダーTB5の作製〕
・非線状ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物410部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物270部、テレフタル酸110部、イソフタル酸125部、無水マレイン酸15部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸25部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後粉砕し非線状ポリエステル樹脂(AX2−4)を得た。
(AX2−4)は、THF不溶分を含有しておらず、その酸価は18、水酸基価は37、Tgは62℃、Mnは2130、Mnは5350であった。分子量1500以下の成分の比率は1.3%であった。
・変性ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拝機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物317部、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物57部、ビスフェノールAプロピレンオキシド3モル付加物298部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のプロピレンオキシド5モル付加物75部、イソフタル酸30部、テレフタル酸157部、無水マレイン酸27部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)2部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、次いで無水トリメリット酸68部を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧化で反応させ軟化点が120℃になった時点で、ビスフェノールAジグリシジルエーテル25部を加え、軟化点155℃で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し変性ポリエステル樹脂(AY1−2)を得た。
(AY1−2)の酸価は11、水酸基価は27、Tgは60℃、Mnは3020、Mpは6030、THF不溶分は35%であった。分子量1500以下の成分の比率は1.1%であった。
[トナーバインダーの合成]
(AX2−4)500部と(AY1−2)500部をコンテイニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を、スチールベルト冷却機を使用して、4分間で30℃まで冷却後粉砕して本発明のトナーバインダー[TB5]を得た。
〔マスターバッチMB1の作製〕
トナーバインダーTB1 40部
イエロー顔料[C.I. Pigment yellow 128] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ[MB1]を得た。
〔マスターバッチMB2の作製〕
トナーバインダーTB2 40部
イエロー顔料[C.I. Pigment yellow 128] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ[MB2]を得た。
〔比較マスターバッチCMB1の作製〕
トナーバインダーCTB1 40部
イエロー顔料[C.I. Pigment yellow 128] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、比較マスターバッチ[CMB1]を得た。
〔マスターバッチMB3の作製〕
トナーバインダーTB3 40部
キナクリドン系マゼンタ顔料[C.I. Pigment Red 122] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ[MB3]を得た。
〔比較マスターバッチCMB2の作製〕
トナーバインダーCTB2 40部
キナクリドン系マゼンタ顔料[C.I. Pigment Red 122] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、比較マスターバッチ[CMB2]を得た。
〔マスターバッチMB4の作製〕
トナーバインダーTB4 40部
銅フタロシアニン系シアン顔料[C.I. Pigment Blue 15:3] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザーで1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ[MB4]を得た。
〔マスターバッチMB5の作製〕
トナーバインダーTB5 40部
カーボン系ブラック顔料[#44・三菱化学会社製] 60部
水 30部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混錬を行い、パルベライザ−で1mmφの大きさに粉砕し、マスターバッチ[MB5]を得た。
トナーA
トナーバインダーTB1 100部
マスターバッチMB1 12部
カルナウバワックス 5部
サリチル酸亜鉛塩 2部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて十分に混合した後、2軸押出し機により混練物温度120℃で溶融混練した。混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が7.0μmの粒度分布に分級して母体粒子を得た。そして、この母体粒子100部に対して疎水性シリカH−2000(疎水化度70%、BET比表面積140m2/g):クラリアント社製)を1.2重量部、酸化チタンMT−150A(疎水化度65%、BET比表面積65m2/g:テイカ社製)を0.6重量部の割合で添加し、これらをヘンシェルミキサーにより周速40m/secの条件で60秒間混合処理した後、目開き90μmの篩でふるい、[トナーA]を得た。
トナーB
トナーAにおいて、トナーバインダーをTB2に、マスターバッチをMB2に変えた以外はトナーAと同様にして[トナーB]を得た。
比較トナーC
トナーAにおいて、トナーバインダーをCTB1に、マスターバッチをCMB1に変えた以外はトナーAと同様にして[比較トナーC]を得た。
トナーD
トナーAにおいて、トナーバインダーをTB3に、マスターバッチをMB3に変え、更に体積平均粒径が0.1μmの概略球形のシリカを1.0重量部添加した以外はトナーAと同様にして[トナーD]を得た。
比較トナーE
トナーDにおいて、トナーバインダーをCTB2に、マスターバッチをCMB2に変えた以外はトナーDと同様にして[比較トナーE]を得た。
トナーF
トナーDにおいて、トナーバインダーをTB4に、マスターバッチをMB4に変えた以外はトナーDと同様にして[トナーF]を得た。
トナーG
トナーDにおいて、トナーバインダーをTB5に、マスターバッチをMB5に変えた以外はトナーDと同様にして[トナーG]を得た。
(キャリアの作製)
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本実施形態で用いるキャリアは、これら以下に述べる例に限定されるものではない。
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコン樹脂溶液[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 65.0部
アミノシラン[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)] 1.0部
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
上記をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2348.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
(2成分現像剤の作製)
上記トナーA〜Gと上記平均粒径35μmのフェライトキャリアとを用い、キャリア100重量部に対しトナー7重量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤を作製した。
(評価方法)
このようにして得られた2成分現像剤と、電子写真感光体をフルカラー複合機 Imagio NeoC 600(リコー社製)を改造してチューニングした評価機にセットして、A4サイズ、画像面積率5%となるテスト画像を出力するランニング試験を行った。
[摩耗量測定]
ランニング5万枚、10万枚終了後にそれぞれ感光体を取り出し、ランニング試験前後の感光層の膜厚の差から、摩耗量を測定した。膜厚測定は、渦電流式膜厚計フィッシャースコープMMS(フィッシャー製)を用いた。
[フィルミング性]
ランニング5万枚、10万枚終了後にそれぞれ感光体を取り出し、感光体に付着した付着成分量を目視により評価した。全く付着がなく良好なものを◎、わずかに曇りの痕跡が観察されるものを○、曇りのスジが確認できるものを△、曇り面積が多いものを×として評価した。
[クリーニング性]
ランニング5万枚、10万枚終了後にそれぞれ感光体を取り出し、クリーニングブレードを通過した感光体上の転写残トナーを日東電工(株)のプリンタックC(厚さ25μm)で採取し白紙に貼付け、938スペクトロデンシトメータ(X−Rite社製)を用い、観察用光源D50、視野角2°にてIDを10点測定して平均値を算出し、ブランクとの差が0.005以下を◎、0.006〜0.010を○、0.011〜0.015を△、0.016以上を×として評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
Figure 2007147914
このように、本発明の画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジは、耐剥離摩耗性が高く均一な高弾性を有し、且つ電気的特性が良好な表面感光層を用いることにより、高耐久性を有しかつ長期間にわたりトナーフィルミングによる画像劣化を抑制し高画質化を実現した電子写真感光体を提供することができる。
さらに、トナーとこの感光体を有する画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジとを共に使用することで、長期間繰り返し使用してもクリーニング不良などを発生することなく、良好な画像が出力できる画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本実施形態の電子写真感光体の断面図の一例である。 本実施形態の電子写真感光体の断面図の一例である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本実施形態の画像形成装置用プロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 本実施形態のチタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトルであり、縦軸はX線強度であり、横軸は反射角度(2θ)を表す。
符号の説明
1,101 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写紙
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
32 感光層
33 接着層
34 架橋表面層
35 電荷発生層
36 電荷輸送層
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 転写体
106 転写装置
107 クリーニング装置

Claims (27)

  1. 電子写真感光体に均一に帯電を施す帯電装置と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を書き込む露光装置と、電子写真感光体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置と、電子写真感光体表面の可視像を記録部材に転写する転写装置と、記録部材上の可視像を定着させる定着装置とを有する画像形成装置であって、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層及び少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段によって硬化させた表面層を順次積層した層構成で、該感光層と該表面層の間に接着層を介しており、
    前記現像装置で使用されるトナーは、トナーバインダーが重縮合ポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であることを特徴とする画像形成装置。
    Ti(X)m(OH)n ・・・(I)
    O=Ti(X)p(OR)q ・・・(II)
    〔式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。〕
  2. 前記接着層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、バインダー樹脂とを含有した接着層前駆体を硬化されたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記接着層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、さらに、バインダー樹脂とを含有する接着層前駆体を硬化したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記バインダー樹脂が、少なくとも感光層に含有されるバインダー樹脂であることを特徴とする請求項2乃至3に記載の画像形成装置。
  5. 前記バインダー樹脂が、少なくともポリカーボネートであることを特徴とする請求項2乃至4に記載の画像形成装置。
  6. 前記接着層の膜厚は、0.05μm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形成装置。
  7. 前記トナーバインダーは、前記一般式(I)もしくは(II)中のXが、ジアルカノールアミンもしくはトリアルカノールアミンの1個のOH基のHを除いた残基であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の画像形成装置。
  8. 前記トナーバインダーは、前記一般式中のmまたはpが2以上であり、Xがすべて同一の基であることを特徴とする請求項1乃至7記載の画像形成装置。
  9. 前記トナーバインダーは、前記ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(c)で変性されていることを特徴とする請求項1乃至8記載の画像形成装置。
  10. 前記トナーは、トナーバインダー(A)と着色剤(B)とを含有することを特徴とする請求項1乃至9記載の画像形成装置。
  11. 前記トナーは、さらに、離型剤(C)、荷電制御剤(D)、および流動化剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有することを特徴とする請求項1乃至10記載の画像形成装置。
  12. 前記電子写真感光体は複数であり、前記画像形成装置はタンデム型であることを特徴とする請求項1乃至11に記載の画像形成装置。
  13. 前記画像形成装置が、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した後、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成装置であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括して二次転写することを特徴とする請求項1乃至12に記載の画像形成装置。
  14. 電子写真感光体に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を書き込む露光工程と、電子写真感光体表面に形成された静電潜像を可視像化する現像工程と、電子写真感光体表面の可視像を記録部材に転写する転写工程と、記録部材上の可視像を定着させる定着工程とを有する画像形成方法であって、
    前記電子写真感光体は、導電性支持体上に少なくとも感光層及び少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を光エネルギー照射手段によって硬化させた表面層を順次積層した層構成で、該感光層と該表面層の間に接着層を介しており、
    前記現像工程で使用されるトナーは、トナーバインダーが重縮合ポリエステル樹脂からなり、該ポリエステル樹脂が、下記一般式(I)または(II)で表される少なくとも1種のチタン含有触媒(a)の存在下に形成されてなる樹脂であることを特徴とする画像形成方法。
    Ti(X)m(OH)n ・・・(I)
    O=Ti(X)p(OR)q ・・・(II)
    〔式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。〕
  15. 前記接着層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、バインダー樹脂とを含有した接着層前駆体を硬化されたことを特徴とする請求項14記載の画像形成方法。
  16. 前記接着層が、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と、さらに、バインダー樹脂とを含有する接着層前駆体を硬化したことを特徴とする請求項14記載の画像形成方法。
  17. 前記バインダー樹脂が、少なくとも感光層に含有されるバインダー樹脂であることを特徴とする請求項15乃至16に記載の画像形成方法。
  18. 前記バインダー樹脂が、少なくともポリカーボネートであることを特徴とする請求項15乃至17に記載の画像形成方法。
  19. 前記接着層の膜厚は、0.05μm以上、5μm以下であることを特徴とする請求項14乃至18に記載の画像形成方法。
  20. 前記トナーバインダーは、前記一般式(I)もしくは(II)中のXが、ジアルカノールアミンもしくはトリアルカノールアミンの1個のOH基のHを除いた残基であることを特徴とする請求項14乃至19に記載の画像形成方法。
  21. 前記トナーバインダーは、前記一般式中のmまたはpが2以上であり、Xがすべて同一の基である請求項14乃至20記載の画像形成方法。
  22. 前記トナーバインダーは、前記ポリエステル樹脂の少なくとも一部がポリエポキシド(c)で変性されている請求項14乃至21記載の画像形成方法。
  23. 前記トナーは、トナーバインダー(A)と着色剤(B)とを含有することを特徴とする請求項14乃至22記載の画像形成方法。
  24. 前記トナーは、さらに、離型剤(C)、荷電制御剤(D)、および流動化剤(E)から選ばれる1種以上の添加剤を含有することを特徴とする請求項14乃至23記載の画像形成方法。
  25. 前記電子写真感光体は複数であり、前記画像形成方法はタンデム型であることを特徴とする請求項14乃至24に記載の画像形成方法。
  26. 前記画像形成方法にて、電子写真感光体上に現像されたトナー画像を中間転写体上に一次転写した後、該中間転写体上のトナー画像を記録材上に二次転写する中間転写手段を有する画像形成方法であって、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録材上に一括して二次転写することを特徴とする請求項14乃至25に記載の画像形成方法。
  27. 請求項1乃至13のいずれかに記載の画像形成装置における構成部材を適宜組み合わせて着脱自在に一体化してなることを特徴とする画像形成装置用のプロセスカートリッジ。
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