JP2004177607A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー Download PDF

Info

Publication number
JP2004177607A
JP2004177607A JP2002342727A JP2002342727A JP2004177607A JP 2004177607 A JP2004177607 A JP 2004177607A JP 2002342727 A JP2002342727 A JP 2002342727A JP 2002342727 A JP2002342727 A JP 2002342727A JP 2004177607 A JP2004177607 A JP 2004177607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image developing
developing toner
resin composition
electrostatic charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002342727A
Other languages
English (en)
Inventor
Shusuke Tate
秀典 舘
Shinji Moriyama
伸二 森山
Yoshihiro Fukushima
善弘 福嶋
Hidetsugu Morimoto
英嗣 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2002342727A priority Critical patent/JP2004177607A/ja
Publication of JP2004177607A publication Critical patent/JP2004177607A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】耐久性及び耐環境性に優れ、高温高湿下での高速連続印刷においても安定した画質を維持することができる静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナーであって、前記結着樹脂がチタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物を含有してなり、前記着色剤が2種類以上の金属の複合酸化物である静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、必要な物を必要な時に必要な部数だけ印刷するオンデマンド印刷として、電子写真方式のレーザービームプリンタの使用が注目されている。このオンデマンド印刷は、印刷コストの低減、印刷物の無在庫化、納期の短縮化といったメリットを備えており、従来のオフセット印刷に変わるものとして注目されている。最近では、電子写真方式の特徴を生かして、高速化が進み、トナーにも高速現像化に耐えうる強い耐久性が要望されているが、従来からあるトナーは耐久性や耐環境性が十分でなくフィルミングやブロッキング等が問題である。
【0003】
そこで、フィルミングに対する解決策として、
▲1▼ ポリエステルを含有し、外添されたチタン化合物の付着力を規定したトナー(特許文献1)、
▲2▼ シリカの付着力を規定したトナー(特許文献2)
等が報告されている。
【0004】
一方、ブロッキングに対する解決策としては、
▲1▼ ポリエステル樹脂及びビニル系重合単体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂の混合物とアゾ系鉄化合物からなるトナー(特許文献3)、
▲2▼ カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂の混合物と4級アンモニウム塩含有共重合体からなるトナー(特許文献4)
等が報告されている。
が紹介されている。
【0005】
上記トナーは、フィルミングやブロッキングに対してはそれなりに効果が得られているものの、高温高湿下での高速連続印刷においては、より一層の改善が求められる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−267357号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開2000−310876号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開2002−82480号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2002−23417号公報(請求項1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐久性及び耐環境性に優れ、高温高湿下での高速連続印刷においても安定した画質を維持することができる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高速印字や高温高湿下でのフィルミングやブロッキングの発生が、結着樹脂としてチタン化合物を触媒として用いて得られた縮重合系樹脂と着色剤として2種類以上の金属の複合酸化物とを組み合わせることにより、前記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナーであって、前記結着樹脂がチタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物を含有してなり、前記着色剤が2種類以上の金属の複合酸化物である静電荷像現像用トナーに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の静電荷像現像用トナーは、着色剤として2種類以上の金属の複合酸化物を含有している点に特徴を有する。通常、トナー製造時の溶融混練では、内添剤の分散性の観点からより強い剪断力が必要とされる。しかしながら、本発明における複合酸化物と結着樹脂としてチタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物の併用により、トナーの耐久性がより一層高まる。複合酸化物と樹脂組成物の併用によりこのような効果が得られることの原因は不明なるも、溶融混練時に両者が相互作用を起こし、一部で架橋反応が進行するため、樹脂組成物の分子鎖切断等によるガラス転移点の低下が生じず、耐環境性も悪化することもないためと推定される。
【0011】
本発明における、チタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物は、触媒として反応活性の高いチタン化合物の存在下、縮重合系樹脂の原料モノマーを縮重合させて得られる。
【0012】
縮重合系樹脂組成物におけるチタン化合物触媒の含有量は、0.005〜4重量%が好ましく、0.05〜3重量%がより好ましく、0.1〜2重量%が特に好ましい。
【0013】
縮重合系樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられるが、これらの中では、定着性、帯電性及び耐久性の観点から、ポリエステルが好ましい。
【0014】
従って、本発明における縮重合系樹脂組成物は、チタン化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、チタン化合物触媒を含有したポリエステル樹脂組成物が好ましい。
【0015】
本発明におけるチタン化合物触媒としては、縮重合系樹脂の縮重合反応の触媒として作用するものであれば特に限定されないが、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましく、式(I):
Ti(X)(Y) (I)
(式中、Xは総炭素数1〜28の置換アミノ基、Yは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基、好ましくはアルコキシ基、n及びmは1〜3の整数であり、nとmの和は4である)
で表されるチタン化合物及び式(II):
Ti(Z) (II)
(Zは総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基、好ましくはアルコキシ基であり、4種のZは同一でも異なっていてもよい)で表されるチタン化合物が特に好ましい。チタン化合物はそれぞれ単独で用いられていても、混合して用いられていてもよい。
【0016】
式(I)において、Xで表される置換アミノ基の総炭素数は、2〜10が好ましく、4〜8がより好ましく、6が特に好ましい。なお、本発明における置換アミノ基とは、チタン原子と直接結合することのできる窒素原子を有する基であり、水酸基を有していてもよいアルキルアミノ基等が挙げられるが、4級カチオン基もアミノ基に含まれ、好ましくは4級カチオン基である。かかるアミノ基は、例えばハロゲン化チタンをアミン化合物と反応させることにより生成させることができ、かかるアミン化合物としてはモノアルカノールアミン化合物、ジアルカノールアミン化合物、トリアルカノールアミン化合物等のアルカノールアミン化合物、トリアルキルアミン等のアルキルアミン化合物等が挙げられ、これらの中ではアルカノールアミンが好ましく、トリアルカノールアミンがより好ましい。
【0017】
また、Yで表される基の総炭素数は、1〜6が好ましく、2〜5がより好ましい。
【0018】
さらに、本発明の効果の観点から、Xで表される基がYで表される基よりも総炭素数が多いことが好ましく、その総炭素数の差は、好ましくは1〜6、より好ましくは2〜4である。
【0019】
式(I)で表されるチタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C10N)(CO)〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C11O)〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(OHC16O)〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(C1837O)〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C14N)(CO)〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C14N)(CO)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手可能である。
【0020】
式(II)において、Zで表される基の総炭素数は、8〜28が好ましく、12〜24がより好ましく、16〜20が特に好ましい。
【0021】
なお、式(I)及び式(II)において、Yで表される基及びZで表される基は、水酸基、ハロゲン等の置換基を有していてもよいが、無置換又は水酸基を置換基とするものが好ましく、無置換のものがより好ましい。
【0022】
また、Zで表される4種の基は、同一でも異なっていてもよいが、反応活性及び耐加水分解性の観点から、全て同一の基であるのが好ましい。
【0023】
式(II)で表されるチタン化合物の具体例としては、テトラ−n−ブチルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(CO)〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C17O)〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C17O)(OHC16O)〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)(C17O)〕等で挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましく、これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることもできるが、ニッソー社等の市販品としても入手可能である。
【0024】
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等の、式(III):
【0025】
【化1】
Figure 2004177607
【0026】
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyは正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族多価アルコールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1−6ヘキサンジオール、1,4−ブテンジオール、1,6−シクロヘキサンジオール、1,6−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環式多価アルコール等が挙げられる。
【0027】
アルコール成分のなかでも、帯電性及び耐久性の観点から、脂肪族多価アルコールが好ましく、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール等の炭素数2〜6の脂肪族多価アルコールがより好ましい。脂肪族多価アルコールのアルコール成分中の含有量は、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
【0028】
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
【0029】
なお、アルコール成分及びカルボン酸成分には、前記した2価以上のアルコール及びカルボン酸化合物に加えて、分子量、極性、粉砕性等を調整するために、ヘキサノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の1価のアルコール及び酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の1価のカルボン酸化合物が、各成分に含有されていてもよい。
【0030】
アルコール成分とカルボン酸成分の縮重合は、チタン化合物の存在下、アルコ例えば、不活性ガス雰囲気中にて180〜250℃の温度で、要すれば減圧下で行うことができる。
【0031】
本発明のトナーには、チタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物以外の、縮重合系樹脂やスチレン−アクリル樹脂等の付加重合系樹脂が結着樹脂として含有されていてもよいが、チタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。なかでも、チタン化合物触媒を含有したポリエステル樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましい。
【0032】
本発明における複合酸化物を構成する金属は、トナーの帯電特性の観点から、Fe(鉄)、Mg(マグネシウム)、Sc(スカンジウム)、Ti(チタン)、バナジウム(V)、Cr(クロム)、Co(コバルト)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、及びSi(シリカ)からなる群より選ばれるのが好ましく、Fe(鉄)と、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)及びSi(ケイ素)からなる群より選ばれた少なくとも1種であるのがより好ましい。なお、Mn(マンガン)とCu(銅)は顔料の体積固有抵抗の観点から含有しないか、含有するとしても極少量であるのが好ましい。複合酸化物における金属の組成比は特に限定されない。
【0033】
複合酸化物の平均粒径は、隠蔽力及び樹脂内での分散性の観点から、2nm〜1μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましく、5nm〜200nmが特に好ましい。
【0034】
複合酸化物の飽和磁化は、現像特性と転写性の観点から、796kA/m(10Oe)の磁場を印加した時に、0.1〜80Am/kgであることが好ましく、10〜70Am/kgがより好ましく、20〜60Am/kgが特に好ましい。
【0035】
複合酸化物の製造方法としては、主酸化物を芯粒子とし、その表面に他の酸化物を付着させる方法(特開2000―10344号公報)、数種の酸化物を焼成して複合酸化物にする方法(特開平9―25126号公報)等が挙げられるが、特に限定されない。
【0036】
本発明において好適な複合酸化物の市販品としては、「ダイピロキサイドブラックNo.1」、「ダイピロキサイドブラックNo.2」(以上、大日精化工業社製)、「ETB−100」(チタン工業社製)、「HSB−605」、「K−002」、「K−009」、「K−010」、「K−011」等のKシリーズ(戸田工業社製)、「MC−7」、「MC−8」「MC−12」、「MC−13」、「MC−14」、「MC−15」等のMCシリーズ(三井金属鉱業社製)等が挙げられる。
【0037】
複合酸化物の含有量は、トナーの黒色度及び帯電性の観点から、トナー中、好ましくは1〜40重量%、より好ましくは2.5〜30重量%、特に好ましくは4〜25重量%である。
【0038】
なお、本発明のトナーには、着色剤として前記複合酸化物以外の公知の着色剤が適宜含有されていてもよいが、カーボンブラックは含有されていないのが好ましい。
【0039】
さらに、本発明のトナーには、離型剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0040】
離型剤としては、カルナウバワックス、モンタン系エステルワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス又はライスワックスエステルワックス等のエステルワックスが好ましく、カルナウバワックスがより好ましい。これらのエステルワックスは、酸価を有しており、融点が70〜90℃と低いために低温定着にも有効である。
【0041】
エステルワックスの酸価は、分散性と環境特性の観点から1〜10mgKOH/gが好ましく、1〜6mgKOH/gがより好ましい。
【0042】
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部が特に好ましい。
【0043】
本発明のトナーは、混練粉砕法により得られる粉砕トナーであるのが好ましい。具体的には、結着樹脂、着色剤、離型剤等の原料をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。トナーの表面には、さらに、疎水性シリカ等の流動性向上剤等が外添剤として添加されていてもよい。
【0044】
本発明のトナーは、非磁性一成分現像剤として、又はキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。
【0045】
本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合、キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマイト、フェライト、銅−亜鉛−マグネシウムフェライト、マンガンフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では鉄粉、マグネタイト、フェライト、銅−亜鉛−マグネシウムフェライト及びマンガンフェライトが好ましい。
【0046】
キャリアの表面は、キャリア汚染低減の観点から、樹脂で被覆されているのが好ましい。トナーが正帯電性である場合には、帯電性及び表面エネルギーの観点から、フッ素樹脂及びシリコーン樹脂が好ましい。
【0047】
また、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、79.6kA/m(1Oe)の磁場を印加した時に、100Am/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am/kg以上が好ましい。従って、キャリアの飽和磁化は、40〜100Am/kgが好ましく、50〜90Am/kgがより好ましい。
【0048】
トナーとキャリアとを混合して得られる二成分現像剤において、トナーとキャリアの重量比(トナー/キャリア)は、0.5/100〜8/100が好ましく、1/100〜6/100がより好ましい。
【0049】
本発明のトナーは、高速連続印刷においても安定した画質を維持することができるため、線速が370mm/sec以上、好ましくは500mm/sec以上、2000mm/sec以下の印刷機にも好適に用いることができる。ここで、線速とは印刷機のプロセススピードをいい、定着部の紙送り速度により決定される。
【0050】
【実施例】
〔軟化点〕
ASTM D36−86の方法により測定する。
【0051】
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
【0052】
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0053】
〔飽和磁化〕
(1) 外径7mm、高さ5mmの蓋付プラスティックケースに試料をタッピングしながら充填し、プラスティックケースの重量と試料を充填したプラスティックケースの重量の差から、試料の質量を求める。
(2) 理研電子(株)の磁気特性測定装置「BHV−50H」(V.S.MAGNETOMETER)のサンプルホルダーに試料を充填したプラスティックケースをセットし、バイブレーション機能を使用して、プラスティックケースを加振しながら、試料として複合酸化物を用いる場合は796kA/m、キャリアを用いる場合は79.6kA/mの磁場を印加して飽和磁化を測定する。得られた値は充填されたキャリアの質量を考慮し、単位質量当たりの飽和磁化に換算する。
【0054】
樹脂組成物の製造例(樹脂組成物A、a)
表1に示す原料モノマー及び触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四ッ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃にて攪拌して、反応水が出なくなった時点で減圧反応を行い、所望の軟化点となるまで反応を続けて、樹脂組成物を得た。
【0055】
樹脂組成物の製造例(樹脂組成物B、C、D、b)
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及び触媒を、窒素導入管、精留塔のついた脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃まで昇温し、反応率が90%に達するまで反応させた後に、200℃まで冷却した。さらに、表1に示す無水トリメリット酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂組成物を得た。なお、反応率とは、反応水量(モル)/理論生成水量(モル)×100の値をいう。
【0056】
【表1】
Figure 2004177607
【0057】
キャリア製造例
ヘマタイトに、マグネシウムの含有量が3.0重量%になるように酸化マグネシウムを配合し、得られた混合物100重量部に、バインダー(ポリビニルアルコール)1.5重量部及び分散剤0.5重量部を添加し、スラリー濃度が50%になるように水を加えた。これを三井鉱山(株)製のアトライターで1時間湿式粉砕混合し、スラリーを調製した。
【0058】
スラリーを、スプレードライヤーで造粒乾燥し、次に、電気炉で窒素雰囲気下、約1500℃で焼成し、振動篩で分級を行い、キャリアのコア材を得た。
【0059】
得られたコア材1000重量部に対し、フッ素樹脂「HYLAR301F」(アウジモント社製)6.5重量部とアクリル樹脂「ダイヤナールBR−80」(三菱レイヨン(株)製)3.5重量部にメチルエチルケトンを加え、被覆樹脂溶液を調整した。この樹脂溶液を流動コーティング装置を用いて、前記コア材にスプレーコートした。その後、流動層にて、100℃で60分間の熱処理を行い、平均粒径110μmのキャリアAを得た。キャリアAの飽和磁化は52.5Am/kgであった。
【0060】
実施例1〜7及び比較例1〜4
表2に示す樹脂組成物100重量部、着色剤8重量部及び荷電制御剤、及び「カルナバワックス No.1」(加藤洋行社製)1重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、2軸押出機で溶融混練し、冷却後、通常の粉砕、分級工程を行い、粉体を得た。得られた粉体100重量部の表面に、疎水性シリカ「HVK2150」(クラリアント社製)0.4重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合付着させ、体積平均粒子径10.2μmのトナーを得た。。
【0061】
【表2】
Figure 2004177607
【0062】
試験例1
トナー39重量部と、キャリアA 1261重量部とをナウターミキサーで混合し、二成分現像剤を得た。
【0063】
得られた現像剤を反転現像方式の印刷機「Infoprint4000ISl」(日本アイ・ビー・エム株式会社製、線速:1066mm/sec、解像度:240dpi、現像機のマグネットロール数:3本)に現像剤を実装し、印字率8%のプリントパターンを11×18インチの連続紙を用いて、表3、4に示す温度、相対湿度の条件下で、連続印刷を行った。連続印刷において、トナーが感光体にフィルミングした結果、印刷された黒ベタ部に白斑が生じた枚数を感光体汚染の発生枚数とし、また、以下の方法に従って、25万枚、50万枚、72.5万枚、100万枚印刷時点における帯電量、画像濃度及び画質を測定又は評価した。結果を表3、4に示す。なお、感光体汚染が発生した時点で連続印刷は中止した。
【0064】
〔帯電量〕
q/mメーター(エッピング社製)を用いて測定する。Q/Mメーター付属のセルに規定量の現像剤を投入し、目開き32μmのふるい(ステンレス製、綾織、線径:0.0035mm)を通してトナーのみを90秒間吸引する。そのとき発生するキャリア上の電圧変化をモニターし、〔90秒後の総電気量(μC)/ 吸引されたトナー量(g)〕の値を帯電量(μC/g)とする。併せて、100万枚印刷後の帯電量変動を、下記の評価基準に従って評価する。
【0065】
〔帯電量変動の評価基準〕
測定した帯電量の最大値(max)と最小値(min)の差が、
◎: 1.5μC/g未満
○: 1.5μC/g以上、3μC/g未満
△: 3μC/g以上、4.5μC/g未満
×: 4.5μC/g以上
【0066】
〔画質〕
ベタ画像の均一性及びカブリを目視により観察し、以下の評価基準に従って、評価する。
【0067】
(評価基準)
◎:ベタ部が均一であり、カブリも全くない。
○:わずかにベタ部に濃淡が確認される、あるいは、カブリが確認される。
△:ベタ部に濃淡が確認され、部分的にはカブリも目立つが実使用は可能である。
×:ベタ部の濃淡が目視で容易に確認され、カブリも白地一面に確認される。
【0068】
試験例2
トナー20gを100ml容のポリカップに入れ、50℃の恒温槽で4日間放置し、その後のトナーの状態を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、耐ブロッキング性を評価した。結果を表3、4に示す。
【0069】
〔評価基準〕
◎:凝集物はなく、サラサラしている。
○:多少の凝集物はみられるが、容易に崩れる。
△:凝集物はみられるが、容器を振れば崩れる。
×:凝集物を掴むことができ、容易には崩れない。
【0070】
【表3】
Figure 2004177607
【0071】
【表4】
Figure 2004177607
【0072】
以上の結果より、チタン化合物を触媒として得られた樹脂組成物を結着樹脂として含有した実施例1〜7のトナーは、高温高湿下での耐ブロッキング性に優れ、環境にかかわらず、耐刷による帯電量の変動やフィルミングの発生がみられるず、安定した画質を維持できることが分かる。これに対し、錫触媒を用いて得られた樹脂組成物を含有した比較例1、2のトナーや、カーボンブラックを含有した比較例3、4のトナーは、耐ブロッキング性が欠けており、環境の変化や連続印刷に対応できていない。
【0073】
【発明の効果】
本発明の静電荷像現像用トナーは、高温高湿下での耐ブロッキング性に優れ、環境にかかわらず、高温高湿下での高速連続印刷においても安定した画質を維持することができる。

Claims (4)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナーであって、前記結着樹脂がチタン化合物触媒を含有した縮重合系樹脂組成物を含有してなり、前記着色剤が2種類以上の金属の複合酸化物である静電荷像現像用トナー。
  2. 縮重合系樹脂組成物がポリエステル樹脂組成物である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 複合酸化物を構成する金属が、Fe(鉄)と、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Mg(マグネシウム)及びSi(ケイ素)からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 線速が370mm/sec以上の印刷機に用いられる請求項1〜3いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
JP2002342727A 2002-11-26 2002-11-26 静電荷像現像用トナー Pending JP2004177607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002342727A JP2004177607A (ja) 2002-11-26 2002-11-26 静電荷像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002342727A JP2004177607A (ja) 2002-11-26 2002-11-26 静電荷像現像用トナー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004177607A true JP2004177607A (ja) 2004-06-24

Family

ID=32704707

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002342727A Pending JP2004177607A (ja) 2002-11-26 2002-11-26 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004177607A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007148301A (ja) * 2005-11-02 2007-06-14 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー並びに現像剤及び画像形成方法
JP2007147914A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
WO2007105737A1 (ja) * 2006-03-14 2007-09-20 Ricoh Company, Ltd. 静電荷像現像用トナー及びそれを用いた画像形成装置
WO2007108052A1 (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Sanyo Chemical Industries, Ltd. トナーバインダー及びトナー
JP2008015271A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Kao Corp 電子写真トナー用結着樹脂
JP2008070665A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法及びこれに含まれるプロセスカートリッジ
CN100507727C (zh) * 2004-09-22 2009-07-01 佳能株式会社 调色剂
JP2013033176A (ja) * 2011-08-03 2013-02-14 Kao Corp 正帯電性トナー

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100507727C (zh) * 2004-09-22 2009-07-01 佳能株式会社 调色剂
JP2007148301A (ja) * 2005-11-02 2007-06-14 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用トナー並びに現像剤及び画像形成方法
JP4680049B2 (ja) * 2005-11-02 2011-05-11 株式会社リコー 静電荷像現像用トナー並びに現像剤及び画像形成方法
JP2007147914A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法及びプロセスカートリッジ
WO2007105737A1 (ja) * 2006-03-14 2007-09-20 Ricoh Company, Ltd. 静電荷像現像用トナー及びそれを用いた画像形成装置
US7718339B2 (en) 2006-03-14 2010-05-18 Ricoh Company, Ltd. Electrostatic image developing toner and image forming apparatus using the same
WO2007108052A1 (ja) * 2006-03-16 2007-09-27 Sanyo Chemical Industries, Ltd. トナーバインダー及びトナー
US7862972B2 (en) 2006-03-16 2011-01-04 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Toner binder and toner
JP2008015271A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Kao Corp 電子写真トナー用結着樹脂
JP2008070665A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Ricoh Co Ltd 画像形成装置、画像形成方法及びこれに含まれるプロセスカートリッジ
JP4712655B2 (ja) * 2006-09-14 2011-06-29 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成方法及びこれに含まれるプロセスカートリッジ
JP2013033176A (ja) * 2011-08-03 2013-02-14 Kao Corp 正帯電性トナー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4520336B2 (ja) 画像形成方法
JP5084799B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4343709B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP3194396B2 (ja) 静電荷像現像用負帯電性トナー及びそれを用いた二成分系乾式現像剤
JP2008249886A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2004226847A (ja) 正帯電性トナー
JP2004177607A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4813346B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4451160B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4136668B2 (ja) 画像形成用トナー、トナー容器および画像形成方法
JP3983134B2 (ja) グリーントナー
JP5406548B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3874276B2 (ja) トナーの製造方法
JP3854189B2 (ja) トナー
US6835518B2 (en) Toner for electrostatic image development
JP4116534B2 (ja) 磁性トナー
JP2004280085A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4044379B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2004020908A (ja) カラートナー
JP2004070005A (ja) レッドトナー
JP5106162B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP4488505B2 (ja) トナーの製造方法
JP2004226904A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH0685092B2 (ja) 電子写真用トナ−
JP3936321B2 (ja) トナー