JP2009193016A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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顕洋 杉野
Yoshiaki Kawasaki
佳明 河崎
Mitsuaki Hirose
光章 廣瀬
Tomoharu Asano
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Abstract

【課題】静電潜像担持体が高い耐摩耗性を有し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間に亘って安定に行うことができ、メンテナンスフリーで画像形成を行えるトリクル現像方式の画像形成装置等の提供。
【解決手段】静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段とを有し、静電潜像担持体が、支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有する画像形成装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、高い耐摩耗性と長期にわたり電気特性の安定化を実現した静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することもある)を具備し、かつトナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容されるとともに、新しいキャリア又は現像剤が適宜に補給されて現像剤の入替えが行われる現像手段を備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法に関する。
複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機等の画像形成装置においては、静電潜像担持体である感光体上に担持されている静電潜像に対して現像剤を用いて可視像処理が行われる。可視像処理に用いられる現像剤の一つとして、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が知られている。
このような二成分現像剤を用いる場合には、可視像処理に用いられることで消費されたトナーを補給して現像剤濃度を一定に保つことが必要であるが、二成分現像剤はトナーが消費されると、現像剤濃度の変化を防止するために新規トナーが補給される一方、キャリアは概ね新規トナーの補給に拘わらず使用されることが多い。このため、キャリアの経時的な変化として、攪拌頻度の増加による劣化がある。キャリアの劣化には、キャリア自体の摩滅などによる疲労、帯電性を上げるために表面に形成されている被覆層の破損、更には、トナーが表面に融着してしまうトナーフィルミングなどがあり、これら劣化現象によりトナーの帯電能力を損ねることがある。そのため、従来は所定枚数の画像形成がなされた時点で静電潜像担持体の周囲に近接配置した各々の現像器を取外して内部の現像剤を交換し新規なキャリアと交換することによって再び良好な現像が行われるようなサービス業務がなされていた。そこで近時、キャリアの劣化を抑制するために、二成分現像剤を随時、補給するとともに、この補給によって過剰になった二成分現像剤を回収しながら画像形成を行うトリクル現像方法が提案された。
この方式においては、現像装置にトナーとキャリアとの混合剤(プレミックス現像剤と称されている)を補給する方式(特許文献1〜4参照)、現像装置にトナーとキャリアとを独立して補給し、現像槽内の余剰現像剤を回収する方式(特許文献5〜7参照)、更に、トナー消費量に対応したトナー補給、補給トナー量に対応したキャリアの補給及び現像剤の排出をそれぞれ制御する方式(特許文献8及び9参照)、キャリア補給部を複数の現像装置に対して共通化した方式(特許文献10及び11参照)、現像手段と異なる箇所に配置されているトナー及びキャリアをその混合比を調合して現像槽内に供給する方式(特許文献12及び13参照)、などがある。
これによって、サービス業務としての現像剤の交換を必要とせず、長期間メンテナンスフリーな画像形成装置が構成できると考えられた。
ところで、キャリアが感光体に付着する、いわゆるキャリア付着という現象があるが、キャリア付着が発生すると、感光体に付着したキャリアはクリーニング手段及び転写手段等の感光体に接触している手段によって感光体表面に押し付けられる。また、キャリアがクリーニング手段としてのクリーニングブレードエッジなどに滞留すると、感光体表面を引っ掻くように作用し、感光体のキズや感光層の摩耗を引き起こす。そのため、一般的に、キャリアを製造する際には、電気的特性だけでなく、キャリア付着を抑制する目的も含めて、その質量平均粒子径、体積固有抵抗、磁化などの物性を好適な範囲になるように製造されている。しかし、上記物性値はあくまでキャリア粒子全体の平均値であり、いずれもある程度の幅をもっている。従って、たとえ平均的な物性値が好適な範囲であっても、キャリア付着しやすい粒子、例えば、粒子径が小さいものや体積固有抵抗が小さいものが製造段階で一定の割合で存在している。
トリクル現像方式の画像形成装置では、画像形成によってトナーが消費されるとそれに応じて新しいキャリアが供給されるため、キャリア付着しやすい粒子も供給されることになる。また、そのような粒子は、キャリア付着によって現像器外に放出されるため、現像器に備わっている現像剤排出手段によって回収されにくく、感光体に付着した状態で感光体接触部材へ運ばれるため、接触部材への入力量が増加してしまう。ここで、キャリア付着しやすい粒子を低減するために、前述の物性値のバラツキを小さくする手段、例えば、微粉をカットした芯材を用いるなどの手段が考えられるが、製造コストの上昇を伴う。また、体積固有抵抗や磁化による粒子の選別は、技術的に非常に困難であり、採用するにはやはりコストの上昇などを伴うことになる。従って、トリクル現像方式の画像形成装置では、キャリア劣化が抑制されることによるキャリア交換サービス業務は必要なくなっても、感光層摩耗による感光体寿命が律速となり、感光体交換のメンテナンス作業が、より頻繁になることが懸念される。
そこで、トリクル現像方式の画像形成装置に高耐久な感光体を用いることが提案されている。高耐久感光体としては、無機感光体で高硬度なアモルファスシリコン感光体、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂からなる保護層を表面層に有する感光体(特許文献14参照)、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を表面に有する感光体(特許文献15及び16参照)、複数のポリオールとポリイソシアネートを架橋重合させたウレタン樹脂を保護層に有する感光体(特許文献17参照)、ラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した架橋層からなる表面層を有する感光体(特許文献18〜20参照)などがあり、例えばアモルファスシリコン感光体とトリクル現像方式を組み合わせた画像形成装置(特許文献21参照)、硬化性シリコーン樹脂を表面層に有する感光体との組み合わせ(特許文献22参照)、などが提案されている。
しかし、無機感光体であるアモルファスシリコン感光体は、キズや摩耗には高い耐久性を示すものの、有機感光体が有する(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、といった、多くの利点が損なわれることになる。具体的には、帯電特性に関しては、比誘電率が大きく、体積抵抗率が小さいため、帯電能が小さく、暗減衰特性が大きいことが上げられる。したがって、帯電電位を稼ぐことができず、残留電位、現像バイアス電位も考慮した画像形成時のコントラスト電位が小さく抑えられてしまう。コントラスト電位が小さいと、電圧現像では画像濃度が十分に取れず、また階調性再現にも不利になる。繰り返し帯電特性が低下する感光体では更に画像形成環境が悪化すると考えられ、帯電電位、コントラスト電位の安定化維持が大きな課題となってしまう。また、アモルファスシリコン感光体は、帯電時に光導電層のSiH膜が放電時のエネルギーによってSi−H、Si−Siの結合が切れて形成されたダングリングボンドにオゾンが作用して低抵抗物質のSiOx膜を形成するため、画像流れを起こしやすく、また、帯電時に生成されNOxが表面層に固着するため、同様に画像流れを起こしやすい。この画像流れは大気中の水分量によって大きく影響する。特にSiOx膜が形成された場合には50%RH程度の湿度でも画像流れが起こる。このため、画像流れを回避するために、感光体加熱用のヒータ(ドラムヒータ)のような感光体加熱手段が必要な場合が多いが、これは画像形成装置の大型化、複雑化を伴い、更に、省エネルギー、省資源化等、環境負荷に対しても好ましくない。
次に、コロイダルシリカ含有硬化性シリコーン樹脂、有機ケイ素変性正孔輸送性化合物を硬化性有機ケイ素系高分子中に結合させた樹脂層を表面に有する感光体は、繰返し電子写真特性や環境特性が不十分であり、カブリや画像ボケが発生しやすく、実用化のためには、ドラムヒーター等の機構を搭載するなどして画像ボケの発生を抑制する必要があり、装置の大型化、コストアップを招いている。また、トリクル現像方式との組み合わせに置いて要求される耐久性に対しては、耐摩耗性が不十分と言わざるを得ない。
また、ラジカル重合性化合物を硬化した硬化物からなる表面層を有し、弾性変位率が35%以上である感光体が知られている。しかし、本発明者らの鋭意検討の結果、トリクル現像方式の感光体摩耗では、従来の耐摩耗性の指標となっていた弾性仕事率では、耐摩耗性を予測することができないことがわかってきた。即ち、トリクル現像方式では、キャリア付着による引っ掻き要因が感光体摩耗の主要因となっていると考えられ、実際に感光体の周方向のキズが無数に発生する。しかも、この引っ掻き摩耗要因に対しては、弾性変位率があまりよい相関が見られず、したがって、トリクル現像方式における高耐久感光体の物性値としては、不適当である。
以上のようなことから、これら従来技術における高耐久な静電潜像担持体を、トリクル現像方式の画像形成装置に搭載した場合において、長期間安定に高画質な画像を形成でき、かつメンテナンスフリーである画像形成装置は未だ提供されていないのが現状である。
特公平2−21591号公報 特開平9−166912号公報 特開平9−218575号公報 特開平9−244376号公報 特開平9−204105号公報 特開平9−251235号公報 特開平9−269644号公報 特開平10−63074号公報 特開平10−63075号公報 特開平7−234575号公報 特開2001−194860号公報 特開平11−143196号公報 特開平11−272075号公報 特開平6−118681号公報 特開平9−124943号公報 特開平9−190004号公報 特開2004−117766号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2004−302450号公報 特開2007−233090号公報 特開2005−3838号公報
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、搭載された静電潜像担持体が高い耐摩耗性を有し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間に亘って安定に行うことができ、しかもほぼメンテナンスフリーで画像形成を行えるトリクル現像方式の画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、を少なくとも有し、前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、前記現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有することにより、前記課題を効果的に達成できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては以下の通りである。即ち、
<1> 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、
前記現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
<2> 硬化物が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化させてなる前記<1>に記載の画像形成装置である。
<3> 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである前記<2>に記載の画像形成装置である。
<4> 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下である前記<2>から<3>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<5> 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである前記<2>から<4>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<6> 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造である前記<2>から<5>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<7> 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(I)及び(II)で表される化合物の少なくとも1種である前記<2>から<6>のいずれかに記載の画像形成装置である。
ただし、前記一般式(I)及び(II)中、R10は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(ただし、R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す)、ハロゲン化カルボニル基、又はCONR1213(ただし、R12及びR13は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す)を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリーレン基を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基を表す。X10は、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、又はアルキレンオキシカルボニル基を表す。m及びnは、いずれも0〜3の整数を表す。
<8> 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも1種である前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成装置である。
ただし、前記一般式(III)中、o、p、及びqは、いずれも0又は1の整数を表す。Raは、水素原子又はメチル基を表す。Rb、及びRcは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基を表す。s、及びtは、いずれも0〜3の整数を表す。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記構造式で表される基を表す。
<9> 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合が、最表面層全量に対し35質量%〜65質量%である前記<2>から<8>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<10> 電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量が、最表面層全量に対し35質量%〜65質量%である前記<1>から<9>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<11> 最表面層の平均厚みが、4μm〜15μmである前記<1>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<12> 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する前記<1>から<11>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<13> トナーが、少なくともバインダー樹脂、着色剤、及び外添剤を含有してなり、該外添剤が、帯電量が−40μC/g〜−80μC/gで、疎水化度が60%以上の酸化チタンを含有する前記<1>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> 外添剤が疎水性シリカを含有し、該シリカと酸化チタンとの含有質量比(Si/Ti)が、1.0〜2.0である前記<13>に記載の画像形成装置である。
<15> トナーが、更に離型剤を含有する前記<13>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<16> トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる前記<1>から<15>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<17> トナーの体積平均粒径が、5μm〜9μmである前記<1>から<16>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<18> トナーの平均円形度が、0.93〜1.00である前記<1>から<17>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<19> キャリアが、芯材と該芯材の表面を被覆する被覆層とからなり、該キャリアの体積固有抵抗が7LogΩ・cm〜13LogΩ・cmである前記<1>から<18>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<20> キャリアの体積平均粒径が、30μm〜60μmである前記<1>から<19>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<21> 画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、転写手段、及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である前記<1>から<20>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<22> 画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する前記<1>から<21>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<23> 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、
前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、
前記現像工程が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを現像手段の外部に排出する排出手段とを有する現像手段により行われることを特徴とする画像形成方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、搭載された静電潜像担持体が高い耐摩耗性を有し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間にわたり安定に、しかもほぼメンテナンスフリーに行うことができるトリクル現像方式の画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段とを少なくとも有し、転写手段、定着手段、クリーニング手段、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。なお、帯電手段と、露光手段とを合わせて静電潜像形成手段と称することもある。
本発明の画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程とを少なくとも含み、転写工程、定着工程、クリーニング工程、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含んでなる。なお、帯電工程と、露光工程とを合わせて静電潜像形成工程と称することもある。
前記画像形成装置は、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、転写手段、及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型であることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体は、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmである。
前記静電潜像担持体は、第一の形態では、支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、架橋表面層、中間層、その他の層を有してなる。
また、前記静電潜像担持体は、第二の形態では、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、架橋表面層、下引き層、その他の層を有してなる。なお、前記第二形態では、電荷発生層、及び電荷輸送層は逆に積層しても構わない。
前記単層型感光層では、最表面層としては感光層、又は該感光層上に形成された架橋表面層が該当する。前記積層型感光層では、最表面層としては、電荷輸送層、又は該電荷輸送層上に形成された架橋表面層が該当する。
ここで、図1は、本発明の静電潜像担持体の一例を示す模式断面図であり、支持体201上に感光層202を設けた構成のものである。また、図2、図3、図4及び図5は、各々本発明の他の静電潜像担持体の層構成例を示すものであり、図2は、図1の感光層上に架橋表面層206を設けたものである。図3は、感光層が電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204より構成される機能分離型タイプのものである。図4は、支持体201と、機能分離型タイプの感光層の電荷発生層(CGL)203と、電荷輸送層(CTL)204の間に下引き層205を入れたものである。図5は、電荷輸送層204の上に架橋表面層206を積層したタイプのものである。なお、本発明の静電潜像担持体は、支持体201上に感光層202を少なくとも有していれば、上記のその他の層、及び感光層のタイプは任意に組み合わされていても構わない。
−最表面層−
前記最表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmである。これにより、トリクル現像方式で懸念されるキャリア付着由来の引っ掻き摩耗、摺擦キズに対する高耐久性を有し、かつ長期間にわたり高画質化を実現できる静電潜像担持体が得られる。
本発明の静電潜像担持体においては、その最表面層がラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用いて、3次元の網目構造を形成することにより、架橋度が非常に高い高硬度の架橋表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。このとき、ラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有する化合物)としては、少なくとも一方は3官能以上のラジカル重合性官能基を有している必要がある。例えば、2官能以下のラジカル重合性組成物だけでは、すべての官能基が架橋したとしても、鎖状高分子となり、網目構造は形成されないことになり、耐摩耗性の飛躍的な向上は期待できない。
また、架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。また、本発明の架橋表面層の塗工液は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。
その表面層に3官能以上のラジカル重合性モノマーを用いることにより、3次元の網目構造が発達し、架橋度が非常に高い高硬度表面層が得られ、高い耐摩耗性が達成される。これに対し、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーのみを用いた場合は、架橋表面層中の架橋結合が希薄となり飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。架橋表面層に高分子材料が含有されている場合、3次元網目構造の発達が阻害され架橋度の低下が起こり、本発明に比べ充分な耐摩耗性が得られない。更に、含有される高分子材料とラジカル重合性組成物(ラジカル重合性モノマーや電荷輸送性構造を有する化合物)の反応より生じた硬化物との相溶性が悪く、相分離から局部的な摩耗が生じ、表面の傷となって現れる。また、本発明の架橋表面層の塗工液は1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有しており、これが上記3官能以上のラジカル重合性モノマー硬化時に架橋結合中に取り込まれる。これに対し、官能基を有しない低分子電荷輸送物質を架橋表面層中に含有させた場合、その相溶性の低さから低分子電荷輸送物質の析出や白濁現象が起こり、架橋表面層の機械的強度も低下する。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるが、電荷輸送性構造が非常に嵩高いため硬化樹脂中に歪みが発生し架橋表面層の内部応力が高くなり、キャリア付着等でクラックや傷の発生が頻発する。
更に、本発明の感光体は良好な電気的特性を有し、このため長期間にわたり高画質化が実現される。これは1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化したことに起因する。上記のように官能基を有しない電荷輸送物質は析出、白濁現象が起こり、感度の低下、残留電位の上昇など繰り返し使用における劣化が著しい。2官能以上の電荷輸送性化合物を主成分として用いた場合は複数の結合で架橋構造中に固定されるため、電荷輸送時の中間体構造(カチオンラジカル)が安定して保てず、電荷のトラップによる感度の低下、残留電位の上昇が起こる。これらの電気的特性の劣化は、画像濃度低下、文字の細り等の画像として現れる。
本発明の感光体においては、前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmのときに、先に示した効果が充分に発揮される。好ましくは、160N/mm〜200N/mmのときに、その効果がより顕著である。前記ユニバーサル硬度が150N/mm未満であると、感光体表面に付着したキャリアが接触部材に押しつけられたような場合に、感光体表面により深くめり込んでしまい、その状態で接触部材で摺擦されることで、より深く感光体表面の樹脂層を引っ掻くことになり、深いキズや、摩耗量増加の要因となってしまう。一方、前記ユニバーサル硬度が、250N/mmを超えると、最表面層は堅いが脆くなってしまう。このような表面に硬度の高いキャリアが押しつけられた状態で摺擦されると、めり込む深さは小さいが、極微小に最表面層を破砕しながら表面を摺擦することになる。そのため、めり込んだ深さ、幅以上に最表面層表面を引っ掻き、破壊してしまうことになり、より感光体摩耗を助長してしまうと考えられる。
ここで、前記ユニバーサル硬度は、例えばダイヤモンド圧子を用いた微小表面硬度計の負荷−除荷試験により測定される。図6に示すように、圧子がサンプルに接触した点aから一定負荷速度で圧子を押し込み(負荷過程)、設定荷重に達したときの最大変位bで一定時間静止し、更に一定除荷速度で圧子を引き上げ(除荷過程)、最終的に圧子に荷重がかからなくなった点を塑性変位cとする。前記ユニバーサル硬度は、下記数式に示すように試験力をその試験荷重で生じた押し込み深さから計算された圧子の表面積で除した比率で表される。
HU(ユニバーサル硬度)=試験力F(N)/押し込み深さから求められる圧子の表面積S(mm
前記ユニバーサル硬度の測定は、一定の温度及び湿度下で行われ、本発明で弾性仕事率とは、およそ温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で行われた上記試験の測定値を示す。
本発明では、表面皮膜物性試験機(フィッシャーインストルメンツ H−100(フィッシャーインストルメンツ社製)に、ビッカース圧子を用いて測定を行っているが、これと同等の性能を有するいかなる装置で測定された値でもよい。測定においては本発明の架橋表面層を有する感光体をアルミニウムシリンダ上に作製したものを用いた。ユニバーサル硬度は基板のバネ特性の影響を受けるため、基板としては剛直な金属版、スライドガラスなどが適当である。更に、最表面層の下層(例えば、電荷輸送層、電荷発生層など)の硬度や弾性の要素も影響するため、これらの影響を減らすように最大変位が架橋表面層厚みの1/8になるように規定加重を調整した。最表面層のみを単独で基板上に作製すると、下層成分の混入、下層との接着性が変わり、必ずしも感光体の最表面層を正確に再現できないため、好ましくない。前記最表面層におけるユニバーサル硬度は、さまざまな条件が相互に関係しているため、一定のユニバーサル硬度を得るための方向性は一様でないが、(1)最表面層用塗工液に含有される組成物、それらの含有割合、(2)塗工液の希釈溶媒、固形分濃度、(3)塗工方法、(4)硬化手段、条件、(5)下層の溶解性、などによって影響を受けることがわかっている。
次に、前記最表面層に用いられる電荷輸送性を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しておらず、かつラジカル重合性官能基を3個以上有するモノマーを指す。このラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。
これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば以下の式で表される官能基が挙げられる。
ただし、前記式1中、Yは、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアラルキル基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR基(Rは、水素原子、置換又は無置換のメチル基、エチル基等のアルキル基、置換又は無置換のベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基、又はCONR(R及びRは、水素原子、置換又は無置換のメチル基、エチル基等のアルキル基、置換又は無置換のベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換又は無置換のフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。)、また、Xは上記式1のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。ただし、Y及びXの少なくとも何れか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX1,X2,Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用であり、3個以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3個以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3個以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上の具体的なラジカル重合性モノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、最表面層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が好ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋表面層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、HPA、EO、PO等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。また、最表面層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、最表面層全量に対し35質量%〜65質量%が好ましい。前記モノマー成分の割合が35質量%未満であると、最表面層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。一方、65質量%を超えると、電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なることがある。
本発明に用いられる1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物としては、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、かつラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマーで示したものが挙げられる。これらの中でも、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に好ましい。また、前記電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が効果が高い点で好ましい。更に、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
ただし、前記一般式(I)及び(II)中、R10は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(ただし、R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す)、ハロゲン化カルボニル基、又はCONR1213(ただし、R12及びR13は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す)を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリーレン基を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基を表す。X10は、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、又はアルキレンオキシカルボニル基を表す。m及びnは、いずれも0〜3の整数を表す。
以下に、前記一般式(I)及び(II)における置換基の具体例を示す。
前記一般式(I)及び(II)において、R10の置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等により置換されていてもよい。R10の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
Ar、及びArは置換もしくは無置換のアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
前記一般式(I)及び(II)において、Ar及びArで表されるアリール基は、例えば、以下に示すような置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる
(2)炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基は、更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)であり、Rは上記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
(4)アリールオキシ基であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)下記一般式で表される基である。
ただし、前記式中、R及びRは、各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、又はアリール基を表す。アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。R及びRは共同で環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基、などが挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基、又はアルキレンジチオ基等が挙げられる。
(8)置換基を有していてもよいスチリル基、置換基を有していてもよいβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等が挙げられる。
前記Ar及びArで表されるアリーレン基としては、前記Ar及びArで表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記ビニレン基としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
ただし、前記一般式中、Rは、水素原子、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、又はアリール基(前記Ar及びArで表されるアリール基と同じ)を表す。aは1又は2を表す。bは1〜3を表す。
前記一般式(I)及び(II)において、前記Zは、置換もしくは未置換のアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキレンエーテル2価基、又は置換基を有していてもよいアルキレンオキシカルボニル2価基を表す。
前記置換もしくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル基の2価基が挙げられる。
前記置換基を有していてもよいアルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
前記1官能の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物としては、更に、下記一般式(III)で表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、前記一般式(III)中、o、p、及びqは、いずれも0又は1の整数を表す。Raは、水素原子又はメチル基を表す。Rb、及びRcは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基を表す。s、及びtは、いずれも0〜3の整数を表す。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記構造式で表される基を表す。
前記一般式(I)、(II)、及び(III)で表される1官能性の電荷輸送構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性化合物との重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の表面層とされた場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造を採りうるものと推測される。
前記1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を以下に示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
<ラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性構造を有する化合物の合成例>
本発明におけるラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報記載の方法にて合成される。また、下記にこの一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式B)の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式A)113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式Bの白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点:64.0〜66.0℃
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(例示化合物No.54)
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式B)82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分間かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。
このようにして例示化合物No.54の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点:117.5〜119.0℃
また、本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、最表面層の電荷輸送性能を付与するために重要で、この成分は最表面層全量に対し35質量%〜65質量%がより好ましい。前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量が、35質量%未満であると、最表面層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れることがあり、65質量%を超えると、電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されないことがある。
前記最表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、これ以外に塗工時の粘度調整、最表面層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらのラジカル重合性モノマー、オリゴマーとしては、公知のものが利用できる。
前記1官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
前記2官能のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性ビスフェノールFジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレートなどのフッ素原子を置換したもの、特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチルなどのポリシロキサン基を有するビニルモノマー、アクリレート及びメタクリレートが挙げられる。
前記ラジカル重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーが挙げられる。ただし、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このためこれらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100質量部に対し50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
前記最表面層は、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化したものであるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるために最表面層中に重合開始剤を使用してもよい。
前記重合開始剤としては、熱重合開始剤又は光重合開始剤を用いることができる。
前記熱重合開始剤としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
前記光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系又はケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。また、光重合促進効果を有するものを単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましい。
更に、最表面層塗工液は必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能であり、可塑剤としてはジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能で、その使用量は塗工液の総固形分に対し20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。また、レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが利用でき、その使用量は塗工液の総固形分に対し3質量%以下が適当である。
前記最表面層は、少なくとも電荷輸送構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有する塗工液を塗布、硬化することにより形成される。かかる塗工液はラジカル重合性モノマーが液体である場合、これに他の成分を溶解して塗布することも可能であるが、必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピルエーテルなどのエーテル系、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ系などが挙げられる。これらの溶媒は単独又は2種以上を混合して用いてもよい。溶媒による希釈率は組成物の溶解性、塗工法、目的とする膜厚により変わり、任意である。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記最表面層塗工液を塗布後、外部から光エネルギーを与え硬化させ、最表面層を形成するものである。光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。また、ラジカル重合による架橋反応は温度によってその反応性が大きく影響を受け、光照射時の感光体の表面温度は20℃以上170℃以下に維持することが好ましい。感光体表面の温度制御手段は、前述の温度範囲を維持できれば何れの方法でもよいが、熱媒体を用いて温度を制御する方法が好ましい。
前記最表面層形成材料を用いた場合において、塗工方法について例示すると、例えば、塗工液として、3つのアクリロイルオキシ基を有するアクリレートモノマーと、一つのアクリロイルオキシ基を有するトリアリールアミン化合物を使用する場合、これらの使用割合は7:3から3:7であり、また、重合開始剤をこれらアクリレート化合物全量に対し3質量%〜20質量%添加し、更に上記のように導電性微粒子、溶媒を加えて塗工液を調製する。例えば、最表面層の下層となる電荷輸送層において、電荷輸送物質としてトリアリールアミン系ドナー、及びバインダー樹脂として、ポリカーボネートを使用し、架橋表面層をスプレー塗工により形成する場合、上記塗工液の溶媒としては、テトラヒドロフラン、2−ブタノン、酢酸エチル等が好ましく、その使用割合は、アクリレート化合物全量に対し3倍量〜10倍量である。
硬化し、作製された最表面層は、有機溶媒に対して、不溶であることが好ましい。硬化が充分でない膜は、有機溶媒に対して、可溶であり、かつ架橋密度が低いため、機械的耐久性も低くなる。
次いで、例えば、アルミシリンダー等の支持体上に、下引き層、電荷発生層、上記電荷輸送層を順次積層した感光体上に、上記調製した塗工液をスプレー等により塗布、指触乾燥を経て、光照射して硬化させる。
UV照射の場合、メタルハライドランプ等を用いるが、照度は50mW/cm以上、1000mW/cm以下が好ましく、例えば700mW/cmのUV光を照射する場合、例えば硬化に際し、ドラムを回転して全ての面を均一に2分程度照射する。このとき熱媒体等を用いて、表面温度が高くなりすぎないように制御する。
硬化終了後は、残留溶媒低減のため100℃〜150℃で10分間〜30分間加熱して、感光体を得る。
前記最表面層の平均厚みは、4μm〜15μmが好ましく、6μm〜12μmがより好ましい。前記平均厚みが、4μm未満であると、耐摩耗性が高いとはいえ、摩耗しろが少なく、耐久寿命が短くなってしまったり、打痕やキズによって下層が露出しやすく、その部分だけが著しく摩耗して、異常画像を発生させてしまうことがあり、15μmを超えると、残留電位の上昇を引き起こしてしまうことがある。
本発明に用いられる静電潜像担持体のユニバーサル硬度は、上記のように、用いる架橋性モノマー種、電荷輸送性モノマー種、それらの混合比という材料に由来するだけでなく、架橋工程におけるUV光の照度、波長の種類、照射時間、照射時の基体温度(冷却条件等)等の様々な要因の影響を受けて変化する。従って、前記最表面層のユニバーサル硬度に制御するには、材料ごとに製造工程も詳細に検討する必要がある。
次に、本発明の静電潜像担持体を構成する複層型感光層及び単層型感光層について説明する。
<複層型感光層>
複層型感光層は、支持体上に電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)が、通常この順に積層されて形成される。
〔電荷発生層〕
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含有し、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、無機系材料及び有機系材料のいずれかを用いることができる。
前記無機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、などが挙げられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン又はトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン又はナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として、上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とが大きく挙げられる。
前者の方法としては、グロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜作製法は、上述した無機系材料又は有機系材料を良好に形成することができる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層形成用塗工液を用いて、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート法などの慣用されている方法を用いて行うことができる。
前記電荷発生層形成用塗工液に用いられる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、沸点が40℃〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好ましい。
前記電荷発生層形成用塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造することができる。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法や、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷発生層の厚みに応じて、電子写真特性、特に光感度が変化し、一般的に厚みが厚いほど光感度が高くなる。従って、前記電荷発生層の厚みは、要求される画像形成装置の仕様(スペック)に応じて好適な範囲に設定することが好ましく、電子写真方式の感光体として要求される感度を得るためには、通常、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
〔電荷輸送層〕
本発明においては、電荷輸送層が最表面層の場合は、前述のとおり、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した硬化物からなり、該最表面層(電荷輸送層)のユニバーサル硬度が150〜250N/mmである。
しかし、最表面層が電荷輸送層上に形成された架橋表面層となるような構成の場合、電荷輸送層の耐摩耗性は低くても構わない。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動性がよいことが要求される。
前記電荷輸送層は、電荷輸送物質及びバインダー樹脂を主成分とする。電荷輸送物質としては、正孔輸送物質、電子輸送物質等の低分子型の電荷輸送物質が用いられ、更に必要に応じて高分子電荷輸送物質を添加することもできる。
前記正孔輸送物質(電子供与性物質)としては、例えば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、高分子電荷輸送物質としては、以下のような構造を有するものが挙げられる。
(a)カルバゾール環を有する重合体
例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物等が例示される。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体
例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物等が例示される。
(c)ポリシリレン重合体
例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物等が例示される。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体
例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物等が例示される。
(e)その他の重合体
例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物等が例示される。
また、高分子電荷輸送物質としては、上記以外にも例えば、トリアリールアミン構造を有するポリカーボネート樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリウレタン樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエステル樹脂、トリアリールアミン構造を有するポリエーテル樹脂、などが挙げられる。前記高分子電荷輸送物質としては、例えば、特開昭64−1728号公報、特開昭64−13061号公報、特開昭64−19049号公報、特開平4−11627号公報、特開平4−225014号公報、特開平4−230767号公報、特開平4−320420号公報、特開平5−232727号公報、特開平7−56374号公報、特開平9−127713号公報、特開平9−222740号公報、特開平9−265197号公報、特開平9−211877号公報、特開平9−304956号公報、等に記載の化合物が挙げられる。
また、電子供与性基を有する重合体としては、上記重合体だけでなく、公知の単量体との共重合体、ブロック重合体、グラフト重合体、スターポリマー、更には例えば、特開平3−109406号公報に開示されているような電子供与性基を有する架橋重合体などを用いることもできる。
前記電荷輸送層のバインダー樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記電荷輸送層は、上記電荷輸送物質及びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成することができる。電荷輸送層には、更に必要に応じて、前記電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等などの添加剤を適量添加することもできる。
前記電荷輸送層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、近年の高画質化の要求から、電荷輸送層を薄膜化することが図られており、1200dpi以上の高画質化を達成するためには、5μm〜30μmがより好ましい。
<単層型感光層>
前記単層型感光層は、該感光層が最表面層の場合は、前述のとおり、少なくとも電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を硬化した硬化物からなり、該最表面層(感光層)のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmである。
しかし、最表面層が感光層上に形成された架橋表面層となるような構成の場合、感光層の耐摩耗性は低くても構わなく、この場合、感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
キャスティング法により単層感光層を設ける場合、該単層感光層は、例えば、少なくとも、電荷発生物質と、熱硬化性バインダー樹脂と、架橋性官能基を有する電荷輸送物質を適当な溶剤に溶解乃至分散し、これを塗布し、乾燥することにより形成することができる。また、かかる単層感光層には、必要により可塑剤を添加することもできる。
前記単層型感光層の厚みは、5μm〜100μmが好ましく、5μm〜50μmがより好ましい。前記厚みが、5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると、感度の低下をもたらすことがある。
<支持体>
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板又はそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。また、厚み50μm〜150μmのニッケル箔でもよく、或いは厚み50μm〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったものでもよい。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、或いは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、導電性支持体として良好に用いることができる。
−下引き層−
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて下引き層を設けてもよい。下引き層は、接着性の向上、モアレなどの防止、上層の塗工性改良、残留電位の低減などを目的として設けられる。
前記下引き層は一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。これらの下引き層は、適当な溶媒を用いて慣用される塗工法によって形成することができる。
前記下引き層としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えば、ゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層、Alを陽極酸化にて設けたもの、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法により設けたものなどを用いることもできる。
前記下引き層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記静電潜像担持体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記感光層、前記架橋表面層、前記電荷輸送層、前記電荷発生層、前記下引き層、前記中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
−帯電工程及び帯電手段−
前記帯電工程は、静電潜像担持体表面を帯電させる工程であり、前記帯電手段により行われる。
前記帯電手段としては、前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加して一様に帯電させることができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、静電潜像担持体と非接触で帯電させる非接触方式の帯電手段が用いられる。
前記非接触の帯電手段としては、例えば、コロナ放電を利用した非接触帯電器及び針電極デバイス、固体放電素子;電子写真感光体に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。これらの中でも、コロナ放電が特に好ましい。
前記コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを電子写真感光体の表面に与える非接触な帯電方法であり、電子写真感光体に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。
前記コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。
前記スコロトロン帯電器は、前記コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は電子写真感光体表面から1.0mm〜2.0mm離れた位置に設けられている。
−露光工程及び露光手段−
前記露光は、例えば、前記露光手段を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。前記アナログ光学系は、原稿を光学系により直接静電潜像担持上に投影する光学系であり、前記デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して静電潜像担持体を露光し作像する光学系である。
前記露光手段としては、前記帯電手段により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有することが好ましい
前記現像手段は、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該電子写真感光体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としてはトナーとキャリアとからなる二成分現像剤が用いられる。
<トナー>
前記トナーは、少なくともバインダー樹脂、着色剤、及び外添剤を含有してなり、好ましくは離型剤、帯電制御剤を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
−バインダー樹脂−
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリクロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタリン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/アクリロニトリル/インデン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルブチルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトン、等が挙げられる。前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等が挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等が挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミド等が挙げられる。前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミド等が挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトン等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等が挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックス等が挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60〜90℃が特に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。
前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料;スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、前記トナーの各成分と共に前記有機溶剤に直接、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。その中でも、シリカ、酸化チタンの2種を用いる場合には、トナーに対して添加剤の埋没を抑制する効果と、トナーの帯電を安定させる効果とが特に大きく発揮される。
本発明においては、帯電量が−40μC/g〜−80μC/gで、疎水化度が60%以上の酸化チタンを含有することが、キャリアを含有したプレミックス現像剤において、優れた流動性や凝集体がないか少ないトナーを得るために、極めて重要である。
また、前記外添剤が疎水性シリカを含有し、該シリカと酸化チタンとの含有質量比(Si/Ti)が、1.0〜2.0であることが好ましい。疎水性酸化チタンは、環境安定性、画像濃度安定性に優れている反面、帯電立ち上がり特性が悪化傾向にあることより、酸化チタン微粒子だけでは、この副作用が大きくなることが考えられる。従って、該シリカと酸化チタンを併用し、かつ前述の含有質量比とすることで、帯電立上り特性の悪化を抑制しつつ、環境安定性、画像濃度安定性を確保することができるのである。
前記外添剤の添加量は、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記疎水性酸化チタン粒子としては、有機珪素化合物で表面処理した酸化チタン粒子を用いることができる。前記有機珪素化合物としては、シランカップリング剤、シリコーンオイルが挙げられるが、これらの中でも、シランカップリング剤が本発明の疎水性酸化チタン粒子を得るのに適している。
前記シランカップリング剤としては、例えば、オルガノアルコキシシラン、オルガノアシルオキシシラン、オルガノクロロシラン、オルガノシラン、オルガノシラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプも使用することもできる。これらの中でも、オルガノアルコキシシラン、オルガノアシルオキシシランが特に好適に用いられ、疎水化度が50%〜80%の疎水性酸化チタン粒子を有利に得ることができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子としては、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−トナーの製造方法−
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、従来公知のトナーの製造方法の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、混練・粉砕法、重合法、溶解懸濁法、噴霧造粒法等が挙げられる。
−−混練・粉砕法−−
前記混練・粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー材料を溶融混練し、得られた混練物を粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
次いで、外添剤のトナー母体粒子への外添が行われる。トナー母体粒子と外添剤とをミキサーを用い、混合及び攪拌することにより外添剤が解砕されながらトナー母体粒子表面に被覆される。この時、無機微粒子や樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固にトナー母体粒子に付着させることが耐久性の点で重要である。
−−重合法−−
前記重合法によるトナーの製造方法としては、例えば、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して製造する方法が好適であり、具体的には、有機溶媒中に少なくともウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂と、着色剤と、離型剤を含むトナー材料溶解乃至分散させる。そして、この溶解乃至分散物を水系媒体中に分散し、重付加反応させ、この分散液の溶媒を除去し、洗浄して得られる。
前記ウレア又はウレタン結合し得る変性されたポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させた、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーなどが挙げられる。そして、このポリエステルプレポリマーとアミン類等との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られる変性ポリエステル樹脂は、低温定着性を維持しながらホットオフセット性を向上させることができる。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)としては、例えば脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、2.5/1〜1.5/1が更に好ましい。
前記イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、1個以上が好ましく、平均1.5〜3個がより好ましく、平均1.8〜2.5個が更に好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーと反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
前記2価アミン化合物(B1)としては、例えば芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコール(B3)としては、例えばエタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタン(B4)としては、例えばアミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸(B5)としては、例えばアミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)の中でも、B1及びB1と少量のB2の混合物が特に好ましい。
前記アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、1/2〜2/1が好ましく、1.5/1〜1/1.5がより好ましく、1.2/1〜1/1.2が更に好ましい。
上記のような重合法によるトナーの製造方法によれば、小粒径かつ球形状トナーを環境負荷少なく、低コストで作製することができる。
本発明で用いられるトナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、例えば、0.93〜1.000が好ましく、0.940〜0.99がより好ましい。
前記平均円形度が、0.930未満であると、球形から離れた不定形の形状のトナーとなり、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
ここで、前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。例えば東亜医用電子株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上、159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(好ましくは和光純薬株式会社製コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(SMT社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4,000〜8,000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上、159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み約200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出する。
約1分間で、1,200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、0.06〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上、159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜9μmが好ましい。一般的には、トナーの粒子径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得るために有利であると言われているが、逆に転写性やクリーニング性に対しては不利である。また、本発明の範囲よりも体積平均粒子径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、一成分現像剤として用いた場合には、現像ローラーへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の部材へのトナーの融着を発生させやすくなる。また、これらの現象は微粉の含有率が本発明の範囲より多いトナーにおいても同様である。
逆に、トナーの粒子径が本発明の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる場合が多い。
前記体積平均粒径が、5μm未満であると、転写性やクリーニング性が悪くなり、それが原因の異常画像を引き起こしたり、キャリアの表面にトナーが融着しやすく、プレミックストナー中のキャリア寿命を短くしてしまうことがあり、9μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなることがある。
ここで、前記体積平均粒子径(Dv)の測定は、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「「コールターカウンターTAII」」を用いてアパーチャー径100μmで測定した体積平均粒子径(Dv)の値により自動的に測定される。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.00〜1.10がより好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)が、1.25を超えると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、また、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーが薄層化し、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがあり、また、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記体積平均粒径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、例えば、コールターエレクトロニクス社製の粒度測定器「コールターカウンターTAII」などを用いて測定することができる。
前記トナーの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー及びイエロートナーから選択される少なくとも1種とすることができ、各色のトナーは前記着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができるが、カラートナーであるのが好ましい。
〔現像剤〕
前記現像剤は、前記トナーとキャリアとからなる二成分現像剤が用いられる。
−キャリア−
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー(フッ化三重(多重)共重合体)、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が特に好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができ、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、該導電粉としては、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の平均粒子径としては、1μm以下が好ましい。前記平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
前記樹脂層は、例えば、前記シリコーン樹脂等を溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、該塗布溶液を前記芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。前記塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
前記焼付としては、特に制限はなく、外部加熱方式であってもよいし、内部加熱方式であってもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
前記樹脂層の前記キャリアにおける量としては、0.01〜5.0質量%が好ましい。前記量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記キャリアの体積固有抵抗は7LogΩ・cm〜13LogΩ・cmであることが好ましい。前記体積固有抵抗が、7LogΩ・cm未満であると、キャリア付着を生じ易い。更に、本発明の画像形成装置はトリクル現像方式であるため、トナーの消費量に従って、プレミックストナー中に含まれるキャリア粒子も補給される。キャリア粒子の固有抵抗にはある程度の幅があり、固有抵抗7[Log(Ω・cm)]以下の粒子の含有量も多くなってしまう。そのため、キャリア付着する粒子が増え、感光体摩耗の要因となってしまう。また、13LogΩ・cmを超えると、エッジ効果が大きくザラツキ感が大きい画像となってしまう。文字コピーでは特に大きな問題はないが、カラーコピーであると、絵をコピーした場合、上記の不具合が生じる。また、現像時にキャリアの穂がかたくなり、スジ・ムラが生じ易くなる場合がある。
また、前記キャリアの体積平均粒径は、30μm〜60μmであることが好ましく、40μm〜55μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、30μm未満であると、被覆層の形成時に造粒し易く、かたまり状のキャリアが多量に出来てしまい、製造時のトラブルが生じる。また、現像スリーブからキャリア飛散が著しくなる。更に、本発明の画像形成装置はトリクル現像方式であるため、トナーの消費量に従って、プレミックストナー中に含まれるキャリア粒子も補給される。キャリア粒子の粒径にはある程度の幅があり、平均粒子径が30μm未満のキャリアは、更に粒径の小さいキャリア粒子も含んでいることになり、これらは、キャリア付着を起こしやすく、感光体摩耗の要因となってしまう。
一方、前記体積平均粒径が、60μmを超えると、ベタ均一性が悪く、ベタ部にキャリアの引っかき傷が生じる場合がある。また、絵の原稿をコピーした場合、画像の先端部(コピー紙の排紙方向に対して)エッジ効果が生じる、ドット再現性がよくない、ザラツキ感がよくない等の画像品質の低下が見られることがある。
前記キャリアの該二成分現像剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、90質量%〜98質量%が好ましく、93質量%〜97質量%がより好ましい。
前記二成分系現像剤のトナーとキャリアの混合割合は、一般にキャリア100質量部に対しトナー1質量部〜10.0質量部が好ましい。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着部材と該定着部材を加熱する熱源とを有するものが用いられる。
前記定着部材としては、例えば、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せ、などが挙げられるが、ウォームアップ時間を短縮することができ、省エネルギー化の実現の点で、また、定着可能幅の拡大の点で、熱容量が小さい無端状ベルトとローラとの組合せであるのが好ましい。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。なお、クリーニング手段を用いることなく、摺擦部材で残留トナーの電荷を揃え、現像ローラで回収する方法を採用することもできる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明の画像形成装置としては、前記静電潜像担持体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。
ここで、本発明の画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図7を参照して、画像形成装置全体の構成及び動作について説明する。
図7中1は、画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、21は各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにそれぞれ収容された本発明の静電潜像担持体としての感光体ドラム、22は感光体ドラム21上を帯電する帯電部、23Y、23M、23C、23BKは感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する現像部(現像装置)、24は感光体ドラム21上に形成されたトナー像を中間転写ベルト27に転写する転写バイアスローラ、25は感光体ドラム21上の未転写トナーを回収するクリーニング部を示す。
27は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、28は中間転写ベルト27上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する第2転写バイアスローラ、29は中間転写ベルト27上の未転写トナーを回収する中間転写ベルトクリーニング部、30は4色カラーのトナー像が転写された記録媒体Pを搬送する搬送ベルト、32Y、32M、32C、32BKは各現像部23Y、23M、23C、23BKに各色のトナーを補給するトナー補給部、47Y、47M、47C、47BKは各現像部23Y、23M、23C、23BKに新たにキャリアを補給するキャリア補給部、51は原稿Dを原稿読込部55に搬送する原稿搬送部、55は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部(スキャナ)、61は転写紙等の記録媒体Pが収納される給紙部、66は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着部を示す。
ここで、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、感光体ドラム21、帯電部22、クリーニング部25が、一体化されたものである。各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成が行われる。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部51の搬送ローラによって、原稿台から図7中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部55のコンタクトガラス53上に載置される。そして、原稿読込部55で、コンタクトガラス53上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部55は、コンタクトガラス53上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。更に、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部(不図示)で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、図7の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電部22との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。
帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、ローラ端部にギャップテープ等のギャップを付与する手段を設け、該ギャップテープを介して静電潜像担持体に非接触に近接配置された帯電器などが挙げられる。
帯電部材の形状としてはローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等、どのような形態をとってもよく、電子写真装置の仕様や形態に合わせて選択可能である。磁気ブラシの場合には、例えば、Zn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成して帯電部材とする。あるいは、ブラシの場合には、例えば、ファーブラシの材質として、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることにより帯電部材とする。
また、接触式の帯電器、あるいはギャップを付与する手段によって非接触に近接配置される帯電器を用いることが、帯電器からのオゾン発生を低減した画像形成装置とすることができる点から好ましい。特に、帯電器が静電潜像担持体に接触又は非接触状態で配置され、直流及び交流電圧の重畳印加により静電潜像担持体表面を帯電するように構成されるものが好ましい。
中でも、帯電器が、静電潜像担持体にギャップを付与する手段を介して非接触に近接配置された帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものであれば、帯電ムラが低減されたり、帯電ローラの汚れに起因する帯電不良などに対する余裕度が大きく、メンテナンスフリーで用いることができるという大きなメリットがあり、特に好ましい。
その後、帯電された感光体ドラム21表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する。書込み部2において、光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応して射出される。レーザ光は、ポリゴンミラー3に入射して反射した後に、レンズ4、5を透過する。レンズ4、5を透過した後のレーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
イエロー成分に対応したレーザ光は、ミラー6〜8で反射された後に、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラー3により、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電部22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、ミラー9〜11で反射された後に、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、ミラー12〜14で反射された後に、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム12表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、ミラー15で反射された後に、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
静電潜像担持体への書き込みは、例えば、露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21表面は、それぞれ、現像部23Y、23M、23C、23BKとの対向位置に達する。そして、各現像部23Y、23M、23C、23BKから感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、中間転写ベルト27との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト27の内周面に当接するように転写バイアスローラ24が設置されている。そして、転写バイアスローラ24の位置で、中間転写ベルト27上に、感光体ドラム21上に形成された各色の画像が、順次重ねて転写される(第1転写工程である)。
そして、第1転写工程後の感光体ドラム21表面は、それぞれ、クリーニング部25との対向位置に達する。そして、クリーニング部25で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である)。
その後、感光体ドラム21表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト27表面は、図6中の矢印方向に走行して、第2転写バイアスローラ28の位置に達する。そして、第2転写バイアスローラ28の位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト27上のフルカラーの画像が2次転写される(第2転写工程である)。
その後、中間転写ベルト27表面は、中間転写ベルトクリーニング部29の位置に達する。そして、中間転写ベルト27上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部29に回収されて、中間転写ベルト27上の一連の転写プロセスが完了する。
ここで、第2転写バイアスローラ28位置の記録媒体Pは、給紙部61から搬送ガイド63、レジストローラ64等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部61から、給紙ローラ62により給送された記録媒体Pが、搬送ガイド63を通過した後に、レジストローラ64に導かれる。レジストローラ64に達した記録媒体Pは、中間転写ベルト27上のトナー像とタイミングを合わせて、第2転写バイアスローラ28の位置に向けて搬送される。
その後、フルカラー画像が転写された記録媒体Pは、搬送ベルト30により、定着部66に導かれる。定着部66では、加熱ローラ67と加圧ローラ68とのニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラ69によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図8及び図9を用いて、画像形成装置の作像部について詳述する。
図8は作像部を示す断面図であり、図9はその現像装置を示す長手方向(図8の紙面垂直方向である)の断面図である。
装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーTの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジ及び現像装置及びトナー補給部における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を省略して図示する。
図8に示すように、プロセスカートリッジ20には、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電部22と、クリーニング部25とが、ケース26に一体的に収納されている。クリーニング部25には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。
現像装置23は、主として、感光体ドラム21に対向する現像剤担持体としての現像ローラ23aと、現像ローラ23aに対向する第1搬送部材としての第1搬送スクリュー23bと、仕切部材23eを介して第1搬送スクリュー23bに対向する第2搬送部材としての第2搬送スクリュー23cと、現像ローラ23aに対向する現像剤担持体としてのドクターブレード23dと、現像装置23内に収容された現像剤Gの一部を現像装置23外に排出する現像剤排出手段23kとで構成される。
また、現像装置23には、仕切部材23eで隔絶された第1現像剤収容部23gと第2現像剤収容部23hとが設けられている。図9を参照して、第1現像剤収容部23gと第2現像剤収容部23hとは長手方向両端部(仕切部材23eが介在しない範囲である)で連通して、現像剤の循環経路を形成している。第1現像剤収容部23gには、現像ローラ23a、第1搬送スクリュー23b、ドクターブレード23d、等が配設されている。第2現像剤収容部23hには、第2搬送スクリュー23c、磁気センサ40、等が配設されている。また、図8を参照して、現像ローラ23aと感光体ドラム21との対向位置(第1対向位置)と、現像ローラ23aとドクターブレード23dとの対向位置(第2対向位置)と、の間には現像ローラ23a上に担持された現像剤を覆うカバー部材23mが配設されている。
図9を参照して、現像ローラ23aは、内部に固設されてローラ周面に磁極を形成するマグネット23a1と、アルミニウム等の非磁性材料からなりマグネット23a1の周囲を回転するスリーブ23a2と、で構成される。マグネット23a1によって現像ローラ23a(スリーブ23a2)上に複数の磁極(主極、搬送極、汲み上げ極、剤切り極等である。)が形成される。
現像ローラ23a(スリーブ23a2)は、装置本体1に設置された不図示の駆動モータに連結されていて、駆動モータによって回転駆動される。また、図示は省略するが、現像ローラ23aと、第1搬送スクリュー23b及び第2搬送スクリュー23cとは、ギア列によって駆動連結されている。これにより、現像ローラ23aが駆動モータによって回転駆動されるのにともない、それに従動して第1搬送スクリュー23b及び第2搬送スクリュー23cも回転駆動される。
なお、第1搬送スクリュー23b及び第2搬送スクリュー23cは、主として軸部とスクリュー部(一条スクリューである)とで構成されている。
現像装置23内には、トナーTとキャリアCとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
本実施の形態におけるトナーT(現像剤G中のトナーとトナー補給部32内のトナーとである)は、樹脂及び着色剤からなるトナー母体粒子や添加剤を含有する。トナーTの粒径は、5μm〜9μmになっている。
また、本実施の形態におけるトナーTは、単量体を使用して乳化重合、懸濁重合等の重合反応によって合成する方法や、樹脂自体を熱等によって熔融し噴霧して微粒子化する方法や、水中等へ分散することによって所定の粒子サイズにして得られる母体粒子に添加剤をヘンシェルミキサー等で混合付着させる方法によって製造することができる。
また、現像剤G中のキャリアCは、磁性を有する芯材粒子に被覆層が形成されたものである。キャリアCの粒径は、30μm〜60μmになっている。
先に述べた作像プロセスを、現像工程を中心にして更に詳しく説明する。
現像ローラ23aは、図8中の矢印方向に回転している。現像装置23内の現像剤Gは、図9に示すように、間に仕切部材23eを介在するように配設された第1搬送スクリュー23b及び第2搬送スクリュー23cの矢印方向の回転によって、トナー補給部32からトナー補給口23fを介して補給されたトナーT(補給トナー)とともに混合撹拌されながら長手方向に循環する(図9中の破線矢印方向の循環である)。第1搬送スクリュー23b(第1搬送部材)は現像剤Gを図9中の右側に搬送して、第2搬送スクリュー23c(第2搬送部材)は現像剤Gを図9中の左側(第1搬送スクリュー023bの搬送方向とは逆の方向である)に搬送する。
なお、本実施の形態1において、トナー補給口23fは、第2搬送スクリュー23cによる現像剤の循環経路(搬送経路)の上流側(図9中の右側である)の上方に配設されている。また、トナー補給口23fに隣接するように、回収した離脱トナーを現像装置23内に供給するための供給口23pが設置されている(図10をも参照できる。)。
循環経路にて摩擦帯電してキャリアCに吸着したトナーTは、キャリアCとともに現像ローラ23a上に担持される。現像ローラ23a上に担持された現像剤Gは、その後にドクターブレード23dの位置(第2対向位置)に達する。そして、現像ローラ23a上の現像剤Gは、ドクターブレード23dの位置で適量に調整される。このとき、ドクターブレード23dと現像ローラ23aとのギャップで現像剤Gが摩擦されて、トナーTが更に帯電することになる。その後、現像ローラ23a上の現像剤Gは、感光体ドラム21との対向位置(第1対向位置であって、現像領域である)に達する。
その後、現像領域において、現像剤G中のトナーTが、感光体ドラム21表面に形成された静電潜像に付着する。詳しくは、レーザ光Lが照射された画像部の潜像電位(露光電位)と、現像ローラ23aに印加された現像バイアスとの、電位差(現像ポテンシャル)によって形成される電界によって、トナーTが潜像に付着する。
その後、現像工程にて感光体ドラム21に付着したトナーTは、そのほとんどが中間転写ベルト27上に転写される。そして、感光体ドラム21上に残存した未転写のトナーTが、クリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bによってクリーニング部25内に回収される。
ここで、装置本体1に設けられたトナー補給部32は、交換可能に構成されたトナーカートリッジ33と、トナーカートリッジ33から排出された新品トナー(補給トナー)Tを現像装置23に導くトナー補給経路34と、で構成されている。本発明の画像形成装置はトリクル現像方式であるので、補給に用いられる新品トナーは、一定の割合であらかじめトナーとキャリアを混合させたプレミックストナーが用いられる。トナーカートリッジ33内には、新品のプレミックストナーT(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれかである。)が収容されている。
図10を参照して、トナー補給経路34には、エアポンプ35(粉体ポンプ)が設置されている(ただし、図10ではキャリアの一部を現像装置23階に排出する排出手段23kと排出した現像剤を回収する回収装置は省略している)。エアポンプ35が駆動されることで、トナーカートリッジ33内の補給トナーが、フレキシブルで耐トナー性に優れたチューブからなるトナー補給経路34を移動して、トナー補給口23fを介して現像装置23内に補給されることになる。なお、トナー補給経路34のチューブは、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコーン等のゴム材料やポリエチレン、ナイロン等の樹脂材料で形成されている。
また、トナーカートリッジ33には、エアポンプ36を介してトナーカートリッジ33の底部と上部とに連通するエア供給経路36a、36bが設けられている。そして、エアポンプ36を駆動することで、トナーカートリッジ33に空気が供給されて、トナーカートリッジ33内のトナーの凝集が抑止される。なお、エア供給経路36a、36bのチューブは、ポリウレタン、ニトリル、EPDM、シリコーン等のゴム材料やポリエチレン、ナイロン等の樹脂材料で形成され、その内径が2mm〜7mmになるように形成されている。
なお、トナーカートリッジ33内のトナーTは、現像装置23内のトナーTの消費にともない、トナー補給口23fから現像装置23内に適宜に補給されるものである。現像装置23内のトナーTの消費は、現像装置23の第2搬送スクリュー23cの下方に設置された磁気センサ40(トナー濃度検知手段)や、感光体ドラム21に対向するフォトセンサ(不図示)によって検出される。そして、磁気センサ40やフォトセンサの検知結果が狙いのトナー濃度(現像剤G中のトナーTの割合である)の範囲に対応する出力値になるように、トナー補給部32からトナー補給口23fを介して現像装置23にトナーが補給される。
現像装置23に補給するトナー補給量の調整は、トナー補給経路34内に配置したエアポンプ35の駆動時間を制御することによっておこなわれる。なお、トナー補給経路34における搬送手段としては、上述したポンプ機構の他に、スクリュー機構を用いることもできる。
一方、第2現像剤収容部23hにおける壁面の上端近傍であってトナー補給口23fの下流側には、現像剤排出手段としての現像剤排出口23kが設けられている。そして、キャリア補給部47から現像装置23内に新品キャリアCが補給されて現像装置23内の現像剤量が所定量を超えると、過剰になった現像剤Gが現像剤排出口23kから現像装置23外に排出される。現像剤排出口23kから排出された現像剤Gは、現像剤回収経路43を経由して現像剤回収部44まで搬送される。
このように、新品キャリアCの補給にともない現像剤の剤面(高さ)が上昇して、現像剤排出口23kの高さを超えた現像剤Gが現像装置23外に排出されるので、現像装置23内の現像剤量は常に一定に保たれることになる。
なお、本実施の形態では、現像装置23から現像剤を排出する現像剤排出手段としてオーバーフロー法を用いたが、現像剤排出口23kに開閉自在なシャッタを設けて、シャッタの開閉によって現像剤の排出を行うこともできる。
図11には、新品トナー補給手段32とキャリア補給手段47を別に設けたトリクル方式の現像装置23を示している。詳しくは、第2現像剤収容部23hの上方には、トナー補給部32(トナー補給手段)とは別に、キャリア補給手段としてのキャリア補給部47が設けられている。キャリア補給部47は、交換可能に構成されたキャリアカートリッジ48と、キャリアカートリッジ48から排出された新品キャリアCをトナー補給口23f(補給口)を介して現像装置23に導くキャリア補給経路49と、で構成されている。キャリアカートリッジ48内には、新品キャリアCが収容されている。そして、所定のタイミングで、キャリア補給部47から現像装置23内に適宜にキャリアが補給されることになる。
図示を省略しているが、現像装置23に補給するキャリア補給量の調整は、キャリア補給経路49内に配置したエアポンプの駆動時間を制御することによって行われる。なお、キャリア補給経路49における搬送手段としては、上述したポンプ機構の他に、スクリュー機構を用いることもできる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法においては、搭載された静電潜像担持体が高い耐摩耗性を有し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間に亘って安定に行うことができ、しかもほぼメンテナンスフリーで画像形成を行えるトリクル現像方式に好適なものである。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(静電潜像担持体の製造例1)
<静電潜像担持体1の作製>
アルミニウム(Al)製支持体(外径60mm)に、130℃で20分間乾燥後の厚みが3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
−下引き層用塗工液−
・アルキッド樹脂(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン(CR−EL、石原産業株式会社製)・・・40質量部
・メチルエチルケトン・・・50質量部
この下引き層上に下記構造のビスアゾ顔料を含む電荷発生層塗工液に浸漬塗工し、130℃にて20分間加熱乾燥させ、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷発生層用塗工液−
・下記構造式で表されるビスアゾ顔料・・・2.5質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン・・・200質量部
・メチルエチルケトン・・・80質量部
この電荷発生層上に下記の電荷輸送層用塗工液を用いて、浸積塗工し、135℃で20分間加熱乾燥させ、厚み22μmの電荷輸送層とした。
−電荷輸送層用塗工液−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート・・・10質量部
・下記構造式で表される低分子電荷輸送物質・・・10質量部
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
・1質量%のシリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)・・・0.2質量部
この電荷輸送層上に下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:700mW/cm、照射時間:60秒の条件で光照射を行い、更に130℃で20分間乾燥を加え、厚み8μmの表面架橋層を設けた。以上により、静電潜像担持体1を作製した。
−架橋表面層塗工液−
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート、KAYARAD TMPTA、日本化薬株式会社製、分子量:296、官能基数:3官能、分子量/官能基数=99)・・・10質量部
・下記構造式で表される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(例示化合物No.54)・・・10質量部
・光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
・テトラヒドロフラン・・・100質量部
(静電潜像担持体の製造例2)
−静電潜像担持体2の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを、下記のモノマーに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体2を作製した。
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、SR−355、化薬サートマー株式会社製、分子量:466、官能基数:4官能、分子量/官能基数=117)・・・10質量部
(静電潜像担持体の製造例3)
−静電潜像担持体3の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを、下記の2種混合モノマーに、光重合開始剤を下記化合物に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体3を作製した。
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(ペンタエリスリトールテトラアクリレート、SR−295、化薬サートマー株式会社製、分子量:352、官能基数:4官能、分子量/官能基数=88)・・・6質量部
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、KAYARAD D−330、日本化薬株式会社製、分子量:584、官能基数:3官能、分子量/官能基数=195)・・・4質量部
・光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、イルガキュア651、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)・・・1質量部
(静電潜像担持体の製造例4)
−静電潜像担持体4の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記の2種混合モノマーに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体4を作製した。
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製、分子量:536、官能基数:5.5官能、分子量/官能基数=97)・・・6質量部
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、KAYARAD D−330、日本化薬株式会社製、分子量:584、官能基数:3官能、分子量/官能基数=195)・・・4質量部
(静電潜像担持体の製造例5)
−静電潜像担持体5の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを下記のモノマーに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体5を作製した。
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−60、日本化薬株式会社製、分子量:1263、官能基数:6官能、分子量/官能基数=211)・・・10質量部
(静電潜像担持体の製造例6)
−静電潜像担持体6の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを、下記のモノマーに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体6を作製した。
・電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー(ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、KAYARAD DPCA−120、日本化薬株式会社製、分子量:1947、官能基数:6官能、分子量/官能基数=325)・・・10質量部
(静電潜像担持体の製造例7)
−静電潜像担持体7の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される例示化合物No.1を10質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体7を作製した。
(静電潜像担持体の製造例8)
−静電潜像担持体8の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される例示化合物No.53を10質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体8を作製した。
(静電潜像担持体の製造例9)
−静電潜像担持体9の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される例示化合物No.127を10質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体9を作製した。
(静電潜像担持体の製造例10)
−静電潜像担持体10の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される例示化合物No.94を10質量部に変え、光重合開始剤を下記熱重合開始剤に変え、電荷輸送層上に同様に塗工後、送風型オーブンを用い70℃で30分間加熱し、更に150℃で1時間加熱し、厚み8μmの架橋表面層を設けた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体10を作製した。
・熱重合開始剤〔2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパン、パーカドックス12−EB20、化薬アクゾ株式会社製〕・・・1質量部
(静電潜像担持体の製造例11)
−静電潜像担持体11の作製−
静電潜像担持体の製造例10の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される例示化合物No.138を10質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例10と同様にして、静電潜像担持体11を作製した。
(静電潜像担持体の製造例12)
−静電潜像担持体12の作製−
静電潜像担持体の製造例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を6質量部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を14質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例2と同様にして、静電潜像担持体12を作製した。
(静電潜像担持体の製造例13)
−静電潜像担持体13の作製−
静電潜像担持体の製造例2の架橋表面層用塗工液に含有される電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を14質量部、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を6質量部に換えた以外は、静電潜像担持体の製造例2と同様にして、静電潜像担持体13を作製した。
(静電潜像担持体の製造例14)
−静電潜像担持体14の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層の平均厚みを3μmに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体14を作製した。
(静電潜像担持体の製造例15)
−静電潜像担持体15の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層の平均厚みを18μmに変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体15を作製した。
(静電潜像担持体の製造例16)
−静電潜像担持体16の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を、下記構造式で表される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物10質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体16を作製した。
・下記構造式で表される2官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10質量部
(静電潜像担持体の比較製造例1)
−静電潜像担持体17の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液の組成物である電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有させず、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物量を20質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体17を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例2)
−静電潜像担持体18の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液の組成物である1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有させず、電荷輸送性構造を有さない3官能以上のラジカル重合性モノマー量を20質量部に変えた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体18を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例3)
−静電潜像担持体19の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液の組成物である1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を含有させず、この換わりに下記構造式で表される低分子電荷輸送物質(D−2)10質量部を含有させた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体19を作製した。
・低分子電荷輸送材料(D−2)・・・10質量部
(静電潜像担持体の比較製造例4)
−静電潜像担持体20の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層用塗工液に含有される希釈溶媒(テトラヒドロフラン:100質量部)を、ジクロロメタン45質量部に変更し、リングコーターを用いて架橋表面層を塗布し、形成した以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体20を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例5)
−静電潜像担持体21の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層における硬化条件を、静電潜像担持体の製造例1と同様な光源を用い照射強度200mW/cm、照射時間:120秒の条件に換え、厚み8μmの架橋表面層を設けた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体21を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例6)
−静電潜像担持体22の作製−
静電潜像担持体の製造例1の架橋表面層における硬化条件を、実施例1と同様な光源を用い照射強度700mW/cm、照射時間:30秒の条件に換え、厚み8μmの架橋表面層を設けた以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体22を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例7)
−静電潜像担持体23の作製−
静電潜像担持体の製造例8の架橋表面層における硬化条件を、70℃で3時間加熱し、厚み8μmの架橋表面層を設けた以外は、静電潜像担持体の製造例8と同様にして、静電潜像担持体23を作製した。
(静電潜像担持体の比較製造例8)
−静電潜像担持体24の作製−
静電潜像担持体の製造例1における架橋表面層を設けず、電荷輸送層の厚みを22μmとした以外は、静電潜像担持体の製造例1と同様にして、静電潜像担持体24を作製した。
(トナー製造例1)
−ポリオール樹脂1の合成−
撹拌装置、温度計、N導入口、及び冷却管を備えたセパラブルフラスコ内に、低分子ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量1000)1000g、テレフタル酸50g、安息香酸10g、及びキシレン300gを加えた。N雰囲気下で70〜100℃まで昇温して、塩化リチウムを0.183g加え、更に160℃まで昇温し減圧下でキシレンを留去し、180℃の反応温度で6〜9時間重合させ、ポリオール樹脂1を合成した。
得られたポリオール樹脂1の数平均分子量2,800、質量平均分子量16,500、ガラス転移温度(Tg)61℃であった。
−トナーの作製−
次に、下記処方のトナー材料を、ヘンシェルミキサー(三井三池株式会社製)を用いて混合した後、ロール表面を60℃に設定した2本ロールにより30分間混練を行った。その後、圧延冷却、粗粉砕後、ジェットミル方式の粉砕機(I−2式ミル、日本ニューマチック工業社製)と旋回流による風力分級(DS分級機、日本ニューマチック工業株式会社製)を行い、トナー母体粒子1を作製した。
−トナー処方−
・バインダー樹脂:ポリオール樹脂1・・・100質量部
・着色剤:シアン顔料(銅フタロシアニン)・・・5質量部
・帯電制御剤:ボントロンE−84(オリエント化学工業株式会社製)・・・2質量部
得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン株式会社製)1.2質量部、及び酸化チタン(JMT−150IB、テイカ株式会社製、帯電量:−45μC/g、疎水化度:67%)0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー1を作製した。
ここで、酸化チタンの帯電量及び疎水化度は、以下のようにして測定した。
<酸化チタン帯電量>
酸化チタンの帯電量は、キャリア(パウダーテック社製、ノンコートフェライト;F−150)96g、酸化チタン0.4gを計量し、100mlのポリプロピレン製容器に入れ、回転ローラに横置きし、100rpmで、15分間回転混合する。混合した試料0.2gをブローオフ電量測定装置を用いて測定した。測定値から次式により算出した。
帯電量(μc/g)=−Q(A+B)/XA
ただし、Xは混合試料の質量(g)、Aは測定試料の質量(g)、Bはキャリアの質量(g)、Qは測定値(C)を表す。
<酸化チタン疎水化度>
酸化チタンの疎水化度は、200mlビーカーに、酸化チタン0.03gを計り取り、食用青色1号で染色したイオン交換70mlを加え、マグネチックスターラーで、300rpmで攪拌しながら、ビュレットによりメタノールを約2.5ml/分の速度で滴下する。液の透過率を測定し、メタノール濃度と透過率のグラフを作製し、透過率が最小になる時のメタノール濃度を測定した。
得られたトナー1について、以下のようにして測定したトナーの体積平均粒径は7.0μm、平均円形度は0.92であった。
<トナーの体積平均粒径(Dv)の測定>
トナーの体積平均粒径(Dv)は、コールターカウンター法により測定することができる。コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)があげられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径、個数平均粒径を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。また、(Dv/Dn)は上記の値より自動的に算出した。
<トナーの平均円形度の測定>
平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用して測定することができる。フロー式粒子像分析装置(Flow Particle Image Analyzer)を使用した測定方法に関して以下に説明する。
トナー、トナー粒子及び外添剤のフロー式粒子像分析装置による測定は、例えば、東亜医用電子株式会社製フロー式粒子像分析装置FPIA−2000を用いて測定することができる。
測定は、フィルターを通して微細なごみを取り除き、その結果として10−3cmの水中に測定範囲(例えば、円相当径0.60μm以上159.21μm未満)の粒子数が20個以下の水10ml中にノニオン系界面活性剤(和光純薬株式会社製、コンタミノンN)を数滴加え、更に、測定試料を5mg加え、超音波分散器(STM社製、UH−50)で20kHz,50W/10cmの条件で1分間分散処理を行い、更に、合計5分間の分散処理を行い測定試料の粒子濃度が4000〜8000個/10−3cm(測定円相当径範囲の粒子を対象として)の試料分散液を用いて、0.60μm以上159.21μm未満の円相当径を有する粒子の粒度分布を測定する。
試料分散液は、フラットで偏平な透明フローセル(厚み200μm)の流路(流れ方向に沿って広がっている)を通過させる。フローセルの厚みに対して交差して通過する光路を形成するために、ストロボとCCDカメラが、フローセルに対して、相互に反対側に位置するように装着される。試料分散液が流れている間に、ストロボ光がフローセルを流れている粒子の画像を得るために1/30秒間隔で照射され、その結果、それぞれの粒子は、フローセルに平行一定範囲を有する2次元画像として撮影される。それぞれの粒子の2次元画像の面積から、同一の面積を有する円の直径を円相当径として算出した。
約1分間で、1200個以上の粒子の円相当径を測定することができ、円相当径分布に基づく数及び規定された円相当径を有する粒子の割合(個数%)を測定できる。結果(頻度%及び累積%)は、表1に示す通り、0.06μm〜400μmの範囲を226チャンネル(1オクターブに対し30チャンネルに分割)に分割して得ることができる。実際の測定では、円相当径が0.60μm以上159.21μm未満の範囲で粒子の測定を行う。
(キャリア製造例1)
下記組成をホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50質量%)・・・1500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度:40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1500質量部
・酸化チタン粒子(体積平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×10Ω・cm)・・・500重量部
・トルエン・・・6000質量部
次に、芯材として体積平均粒径が52μmのマグネタイト粉を用い、上記被覆層形成用溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工株式会社製)により、被覆層の厚みが0.15μmになるようにコーター内温度40℃で塗布し、乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて180℃で1時間放置して焼成し、冷却後、マグネタイトコート粉バルクを、目開き90μmの篩を用いて解砕して、キャリア1を作製した。
得られたキャリア1について、以下のようにして測定した体積固有抵抗は13.0[LogΩ・cm]であった。また、以下のようにして測定したキャリア1の体積平均粒径は52μmであった。
<キャリアの体積平均粒径>
キャリアの体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社)のSRAタイプを使用し、0.7μm以上、200μm以下のレンジ設定で測定した。
<体積固有抵抗>
体積固有抵抗は、キャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1000Vを印加し、30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した値を体積抵抗率に変換した値を求めた。
<二成分現像剤製造例1>
「トナー1」7質量部と、「キャリア1」93質量部をターブラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、トナー濃度7質量%の二成分現像剤(以下、「現像剤1」という)を作製した。
<プレミックストナー製造例1>
「トナー1」90質量部と、「キャリア1」10質量部を混合して、トナー濃度90質量%のプレミックストナー(以下、「プレミックストナー1」という)を作製した。
(実施例1〜16及び比較例1〜6)
次に、静電潜像担持体の製造例1〜16及び比較製造例1〜8の各静電潜像担持体1〜24を用いて、A4サイズ10万枚の通紙試験を実施した。まず、前記静電潜像担持体をプロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として655nmの半導体レーザーを用いた株式会社リコー製imagio Neo C600改造機(各色の現像ユニットに現像剤供給機構と現像剤排出機構とを設け、トリクル現像方式にて動作するように改造し、現像剤として「現像剤1」を、補給トナーとして「プレミックストナー1」)を用い、初期暗部電位を−700Vに設定した。その後、通紙試験を開始し、初期と10万枚複写後の暗部及び露光部電位、及び10万枚複写後の膜厚減少量を測定し、画像評価を行った。結果を表3に示す。なお、各試験とも10万枚複写終了まで現像剤の交換は行わなかった。なお、初期から画像不良が著しい感光体は通紙試験を中止した。
<ユニバーサル硬度の測定>
各静電潜像担持体のユニバーサル硬度は、表面皮膜物性試験機(フィッシャーインストルメンツ社製、フィッシャースコープH−100)を用い、対面角136°のビッカース四角錐ダイヤモンド圧子を用い、負荷−静止−除荷サイクルで変位−加重曲線を測定した。このとき、最大変位を架橋表面層の1/8になるように設定加重を決定し、負荷、除荷速度を0.0145gf/sec、最大変位の静止時間を5秒とした。
このユニバーサル硬度測定は、温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で測定した。
<膜厚減少量の測定>
膜厚減少量は、通紙試験前と通紙試験後の感光層の厚みを渦電流式膜厚計(フィッシャースコープMMS、フィッシャー社製)を用いて、長手方向に1cm間隔で測定した膜厚のそれぞれの平均値の差より算出した。
*比較例1は、表面層が硬化していなかったため、通紙評価を中止した。
表3の結果より、実施例1〜16で用いられた架橋表面層を有する静電潜像担持体は、耐摩耗性が高くかつ良好な電気的特性を有している。いくつかの例では、試験後にわずかに異常画像が見られたが、実使用上問題ない程度のものであった。
これに対し、比較例4〜7で用いた静電潜像担持体では、架橋表面層成分組成や硬化条件により架橋表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmの範囲に入っておらず、全体又は局部的な摩耗が激しく、感光体表面のスジ状の深いキズが見られ、それに由来すると思われるスジ状の地肌汚れやスジ状に画像がかすれるなどの画像不良が発生した。
また、比較例2は、表面のキズも比較的浅く、膜厚摩耗量も小さいが、電荷輸送性成分が含まれていないことに起因すると思われる露光部電位の上昇が著しく、出力画像も画像濃度が低くなってしまった。
また、比較例3は、低分子電荷輸送物質の相溶性が悪く、露光部電位の低下が不十分となってしまったために、画像濃度が低くなってしまったと考えられる。
また、比較例8は、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた感光体であるが、ユニバーサル硬度の値は高いが、耐摩耗性は低く、耐久性に劣っている。これは、トリクル現像方式とはいえ、化学的、電気的な要因による摩耗要因も存在し、本発明に用いられる感光体と比較すると、それらに対する耐久性が著しく低いためであると考えられる。
また、実施例1の通紙試験において、未使用のキャリアと10万枚の通紙試験を実施した後、現像装置内に残存している現像剤から取り出したキャリアの帯電量及び体積抵抗率を測定し、その差から帯電低下量、抵抗変化量を算出したところ、帯電低下量は3.6μc/g、抵抗変化量は1.0LogΩ・cmであり、トリクル現像方式によって、現像剤交換のメンテナンス作業をすることなく、キャリアの特性が保持されていることが確認できた。
ここで、前記帯電低下量とは、初期のキャリア93質量%に対しトナー7質量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法(東芝ケミカル株式会社製、TB−200)にて測定した帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記方法と同様の方法で測定した帯電量(Q2)を差し引いた量を意味する。目標値は10.0μc/g以内である。
また、前記抵抗変化量とは、初期のキャリアを抵抗計測平行電極の電極間(ギャップ2mm)に投入し、DC1,000Vを印加して30sec後の抵抗値をハイレジスト計で計測した。得られた値を体積抵抗率に変換した値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量のことを意味する。目標値は絶対値で3.0〔Log(Ω・cm)〕以内である。
(トナー製造例2)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.1質量部、酸化チタン(JMT−150IB、テイカ社製、帯電量−78μC/g、疎水化度68%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー2を作製した。
(トナー製造例3)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.2質量部、酸化チタン(SMT−150AI、テイカ社製、帯電量−35μC/g、疎水化度65%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー3を作製した。
(トナー製造例4)
トナー製造例1で得られた「トナー母体粒子1」100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン社製)を1.2質量部、酸化チタン(MT−150AFM、テイカ社製、帯電量−30μC/g、疎水化度30%)を0.9質量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー4を作製した。
(トナー製造例5)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽内に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、イソフタル酸276質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32質量部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。
次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188質量部と2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマー(P1)を得た。
次いで、プレポリマー(P1)267質量部とイソホロンジアミン14質量部を50℃で2時間反応させ、質量平均分子量64,000のウレア変性ポリエステル(U1)を得た。
上記と同様にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724質量部、テレフタル酸276質量部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5,000の変性されていないポリエステル(E1)を得た。
ウレア変性ポリエステル(U1)200質量部と変性されていないポリエステル(E1)800質量部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2,000質量部に溶解し、混合して、結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液を得た。
一部減圧乾燥し、結着樹脂(B1)を単離した。ガラス転移温度(Tg)は62℃であった。
(ポリエステル樹脂の合成例A)
・テレフタル酸・・・60質量部
・ドデセニル無水コハク酸・・・25質量部
・無水トリメリット酸・・・15質量部
・ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド・・・70質量部
・ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド・・・50質量部
上記組成物を、温度計、攪拌器、コンデンサー、及び窒素ガス導入管を備えた容量1Lの4つ口丸底フラスコ内に入れ、このフラスコをマントルヒーターにセットし、窒素ガス導入管より窒素ガスを導入してフラスコ内を不活性雰囲気下に保った状態で昇温し、次いで0.05gのジブチルスズオキシドを加えて温度を200℃に保って反応させポリエステルA得た。このポリエステルAのピーク分子量は4,200であり、ガラス転移温度(Tg)は59.4℃であった。
(マスターバッチの製造例)
・顔料としてC.I.Pigment Yellow155・・・40質量部
・結着樹脂としてポリエステル樹脂A・・・60質量部
・水・・・30質量部
上記原材料をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ−ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで直径1mmの大きさに粉砕し、マスターバッチ(M1)を作製した。
ビーカー内に前記結着樹脂(B1)の酢酸エチル/MEK溶液240質量部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(融点81℃、溶融粘度25cps)20質量部、マスターバッチ(M1)8質量部を入れ、60℃にてTK式ホモミキサーにて12,000rpmで攪拌し、均一に溶解し、分散させて、トナー材料液を用意した。
ビーカー内にイオン交換水706質量部、ハイドロキシアパタイト10質量%懸濁液(日本化学工業株式会社製、スーパタイト10)294質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部を入れ、均一に溶解した。
次いで、60℃に昇温し、TK式ホモミキサーにて12,000rpmに攪拌しながら、上記トナー材料液を投入し、10分間攪拌した。
次いで、この混合液を攪拌棒、及び温度計を備えたコルベン内に移し、98℃まで昇温して溶剤を除去し、濾別、洗浄、乾燥した後、風力分級し、「トナー母体粒子2」を作製した。
得られた「トナー母体粒子2」100質量部に疎水性シリカ(HDK2000H、クラリアントジャパン株式会社製)を1.0質量部、帯電量:−45μC/g、疎水化度:67%の酸化チタン(JMT−150IB、テイカ株式会社製)を1.0質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、トナー5を作製した。
(トナー製造例6)
トナー製造例5で製造したウレア変性ポリエステル樹脂(U1)850質量部と、変性されていないポリエステル樹脂(E1)150質量部とを酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000質量部に溶解し、混合させて結着樹脂(B2)の酢酸エチル/MEK(1/1)溶液を得た。これの一部を減圧乾燥して結着樹脂(B2)を単離した。
次いで、トナー製造例5で用いた結着樹脂(B1)に代えて結着樹脂(B2)を用いた以外は、トナー製造例5と同様にして、トナー6を作製した。
次に、得られたトナー2〜6の体積平均粒径、及び平均円形度をトナー1と同様にして測定した。結果を表4に示す。
(キャリア製造例2)
キャリア製造例1において、下記組成の被覆層形成用溶液を用いた以外は、キャリア製造例1と同様にして、「キャリア2」を作製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50質量%)・・・1500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度:40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1500質量部
・カーボンブラック(BP−2000、キャボット社製)・・・1000質量部
・トルエン・・・6000質量部
(キャリア製造例3)
下記組成をホモミキサーで10分間分散して、被覆層形成用溶液を調製した。
−被覆層形成用溶液の組成−
・アクリル樹脂溶液(固形分濃度:50質量%)・・・1500質量部
・グアナミン溶液(固形分濃度:70質量%)・・・450質量部
・酸性触媒(固形分濃度:40質量%)・・・9質量部
・アルミナ粒子(体積平均粒径:0.35μm、体積固有抵抗:1.0×1014Ω・cm)・・・1500質量部
・酸化チタン粒子(体積平均粒径:0.015μm、体積固有抵抗:1.0×10Ω・cm)・・・500質量部
・トルエン・・・6000質量部
次に、芯材として体積平均粒径が35μmのマグネタイト粉を用い、上記被覆層形成用溶液を芯材表面にスピラコーター(岡田精工株式会社製)によりコーター内温度40℃で塗布し乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中にて180℃で1時間放置して焼成した。冷却後、マグネタイトコート粉バルクを、目開き90μmの篩を用いて解砕して、「キャリア3」を作製した。
得られたキャリア2〜3の体積平均粒径及び体積固有抵抗をキャリア1と同様にして測定した。結果を表5に示す。
(実施例17〜23)
次に、上記作製したトナー1〜6及びキャリア1〜3を、表6に示すように組み合わせて二成分現像剤を作製し、静電潜像担持体6を用いて、上記と同様の通紙試験を行い、10万枚複写後の膜厚減少量の測定、画像評価、及び画像精細性の評価を行った。結果を表6に示す。
(比較例9〜15)
上記作製したトナー1〜6及びキャリア1〜3を、表6に示すように組み合わせて二成分現像剤を作製し、静電潜像担持体20を用いて、上記と同様の通紙試験を行い、10万枚複写後の膜厚減少量の測定、画像評価、及び画像精細性の評価を行った。結果を表6に示す。
<画像精細性>
画像精細性は、文字画像部の再現性によって評価した。評価方法は、画像面積5%の文字チャート(1文字の大きさが2mm×2mm程度)を出力し、その文字再現性を画像により評価した。
表6の結果から、実施例17〜23では、ユニバーサル硬度が150〜250N/mmである架橋表面層を有する静電潜像担持体6と、様々なトナー、キャリアを組み合わせた現像剤を用いた場合でも、高い耐摩耗性を示した。なお、いくつかの例では、試験後にわずかに異常画像が見られたが、実使用上問題ない程度のものであった。
これに対して、静電潜像担時体20を用いた比較例9〜15では、キャリア付着しやすい体積固有抵抗の小さいキャリアや小粒径キャリア、平均円形度が高くクリーニング性が低いトナーとの組み合わせにおいて、耐摩耗性が不十分であるために、筋状の異常画像が発生したり、最表層の一部が剥離して、それに起因する画像濃度ムラが発生するなどの不具合が生じてしまった。
したがってトリクル現像システムにおいて、ユニバーサル硬度が150〜250N/mmである架橋表面層を有する静電潜像担持体6を用いることで、トナー、キャリア設計に対する許容幅が広がり、高画質、高耐久なトナー、キャリア設計が容易となることが分かった。
(実施例24)
−静電潜像担持体25の作製−
下記構造式で表されるビスアゾ顔料0.4質量部をメチルエチルケトン40質量部とともにボールミルで24時間分散し、分散液(25−1)を調製した。
次に、テトラヒドロフラン60質量部に、下記構造式で表される電荷輸送物質5質量部、下記構造式で表される電子輸送物質5重量部、ビスフェノールZ型ポリカーボネート10質量部、及びシリコーンオイル(KF−50、信越化学工業株式会社製)0.002質量部を溶解した溶液(25−2)を分散液(25−1)に加え、単層感光層用塗工液を作製した。
ただし、t−Buは、ターシャリーブチル基を示す。
得られた単層感光層用塗工液を外径60mmの円筒状アルミニウム基体に浸漬塗工法により塗工し、130℃で20分間乾燥して、厚み25μmの感光層を形成した。
ここに、静電潜像担時体の製造例1の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、メタルハライドランプ:160W/cm、照射距離:120mm、照射強度:700mW/cm、照射時間:60秒の条件で光照射を行い、更に130℃で20分間乾燥を加え、厚み8μmの表面架橋層を設けた。以上により、静電潜像担持体25を作製した。このときのユニバーサル硬度は220N/mmであった。
これを用いて、実施例1と同様の試験を行ったところ、初期露光部電位120(−V)、10万枚出力後の露光部電位220(−V)、膜厚減少量は1.1μmであり、出力された画像も良好であった。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法は、搭載された静電潜像担持体が高い耐摩耗性を有し、優れた耐久性と高品質な画像形成を長期間に亘って安定に行うことができ、しかもほぼメンテナンスフリーで画像形成を行えるので、トリクル現像方式のフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス等に幅広く適用することができる。
図1は、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の一例を示す模式断面図である。 図2は、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 図3は、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 図4は、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 図5は、本発明の画像形成装置に用いられる静電潜像担持体の層構成の他の一例を示す模式断面図である。 図6は、ユニバーサル硬度試験における荷重と侵入深さとの関係を示すグラフである。 図7は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図8は、本発明の画像形成装置の作像部の一例を示す概略図である。 図9は、本発明の画像形成装置の作像部の他の一例を示す概略図である。 図10は、本発明の画像形成装置に用いられる現像装置の一例を示す図である。 図11は、本発明の画像形成装置に用いられるトリクル方式の現像装置の一例を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体
2 書き込み部
3 ポリゴンミラー
4、5 レンズ
6、7、8、9、10、11 ミラー
20Y、20M、20C、20B プロセスカートリッジ
21 静電潜像担持体(感光体)
22 帯電部
23Y、23M、23C、23B 現像部(現像装置)
24 転写バイアスローラ
25 クリーニング部
26 ケース
27 中間転写ベルト
28 第2転写バイアスローラ
29 中間転写ベルトクリーニング部
30 搬送ベルト
32Y、32M、32C、32B トナー補給部
47Y、47M、47C、47K キャリア補給部
51 原稿搬送部
53 コンタクトガラス
55 原稿読込部
61 給紙部
66 定着部
201 支持体
202 感光層
203 電荷発生層
204 電荷輸送層
205 下引き層
206 架橋表面層
P 記録媒体
D 原稿

Claims (23)

  1. 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、を少なくとも有する画像形成装置において、
    前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、
    前記現像手段が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを該現像手段の外部に排出する排出手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 硬化物が、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とを硬化させてなる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の少なくともいずれかである請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーにおける官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)が、250以下である請求項2から3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである請求項2から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の電荷輸送構造が、トリアリールアミン構造である請求項2から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(I)及び(II)で表される化合物の少なくとも1種である請求項2から6のいずれかに記載の画像形成装置。
    ただし、前記一般式(I)及び(II)中、R10は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換若しくは無置換のアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR11(ただし、R11は、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す)、ハロゲン化カルボニル基、又はCONR1213(ただし、R12及びR13は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基を示す)を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリーレン基を表す。Ar及びArは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、置換又は無置換のアリール基を表す。X10は、単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、又はビニレン基を表す。Zは、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、又はアルキレンオキシカルボニル基を表す。m及びnは、いずれも0〜3の整数を表す。
  8. 1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物が、下記一般式(III)で表される化合物の少なくとも1種である請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
    ただし、前記一般式(III)中、o、p、及びqは、いずれも0又は1の整数を表す。Raは、水素原子又はメチル基を表す。Rb、及びRcは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基を表す。s、及びtは、いずれも0〜3の整数を表す。Zaは、単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記構造式で表される基を表す。
  9. 電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合が、最表面層全量に対し35質量%〜65質量%である請求項2から8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量が、最表面層全量に対し35質量%〜65質量%である請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 最表面層の平均厚みが、4μm〜15μmである請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
  12. 画像形成装置が、複数色のトナーを順次重ね合わせてカラー画像を形成する請求項1から11のいずれかに記載の画像形成装置。
  13. トナーが、少なくともバインダー樹脂、着色剤、及び外添剤を含有してなり、該外添剤が、帯電量が−40μC/g〜−80μC/gで、疎水化度が60%以上の酸化チタンを含有する請求項1から12のいずれかに記載の画像形成装置。
  14. 外添剤が疎水性シリカを含有し、該シリカと酸化チタンとの含有質量比(Si/Ti)が、1.0〜2.0である請求項13に記載の画像形成装置。
  15. トナーが、更に離型剤を含有する請求項13から14のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. トナーが、少なくとも活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを含むトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させてトナー溶液を調製した後、該トナー溶液を水系媒体中に乳化乃至分散させて分散液を調製し、該水系媒体中で、前記活性水素基含有化合物と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を粒子状に生成させ、前記有機溶剤を除去して得られる請求項1から15のいずれかに記載の画像形成装置。
  17. トナーの体積平均粒径が、5μm〜9μmである請求項1から16のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. トナーの平均円形度が、0.93〜1.00である請求項1から17のいずれかに記載の画像形成装置。
  19. キャリアが、芯材と該芯材の表面を被覆する被覆層とからなり、該キャリアの体積固有抵抗が7LogΩ・cm〜13LogΩ・cmである請求項1から18のいずれかに記載の画像形成装置。
  20. キャリアの体積平均粒径が、30μm〜60μmである請求項1から19のいずれかに記載の画像形成装置。
  21. 画像形成装置が、少なくとも静電潜像担持体、帯電手段、現像手段、転写手段、及び定着手段を有する画像形成要素を複数備えたタンデム型である請求項1から20のいずれかに記載の画像形成装置。
  22. 画像形成装置が、静電潜像担持体上に形成されたトナー像が一次転写される中間転写体と、該中間転写体上に担持されたトナー像を記録媒体に二次転写する転写手段とを備えてなり、複数色のトナー画像を中間転写体上に順次重ね合わせてカラー画像を形成し、該カラー画像を記録媒体上に一括で二次転写する請求項1から21のいずれかに記載の画像形成装置。
  23. 静電潜像担持体表面を帯電させる帯電工程と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光工程と、前記静電潜像をトナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、
    前記静電潜像担持体が、支持体と、該支持体上に少なくとも最表面層を有してなり、該最表面層が少なくとも電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーと、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物との硬化物からなり、かつ前記最表面層のユニバーサル硬度が150N/mm〜250N/mmであり、
    前記現像工程が、キャリア及び二成分現像剤のいずれかを現像手段の内部に供給する供給手段と、前記現像手段に収容されたキャリア及び二成分現像剤のいずれかを現像手段の外部に排出する排出手段とを有する現像手段により行われることを特徴とする画像形成方法。
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