JP2014026149A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表面保護層を用いた電子写真感光体において、現状では不十分な高耐久性とブレード摩耗の抑制、十分なクリーニング性を得ることができる電子写真感光体を提供することを目的とする。
【解決手段】導電性支持体上に、少なくとも感光層、表面保護層とを有する電子写真感光体において、該表面保護層に無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図4

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、ダイレクトデジタル製版機等に応用される電子写真感光体、プロセスカートリッジ、及び電子写真装置に関する。
近年、電子写真感光体(以下、単に感光体ともいう)には有機感光体が広く用いられている。有機感光体は可視光から赤外光まで各種露光光源に対応した材料が開発しやすいこと、環境汚染の影響が少ない材料を選択できること、製造コストが安いことなどの理由により、無機感光体に対して有利な点が多い。無機感光体に対して不利な点としては、機械的耐久性に劣ることが挙げられる。資源の有効利用という点から、機械的耐久性が十分あり、長寿命であることが好ましい。それに対し、有機感光体の機械的耐久性を高める目的で表面保護層を設ける技術が数多く開示されている。また、このような表面保護層にクリーニングブレードの摩耗を抑制したり、クリーニング性を向上させたりする機能を付与する技術も数多く開示されている。
特許文献1(特許3975835号公報)には、画像品質を向上させ、且つ環境依存性を低減できる高耐久の電子写真感光体を提供すること、更に、トナーのクリーニング性能がよく、画像ボケの出ないすぐれた電子写真感光体を提供すること、更に高湿環境でも鮮明な画像を得ることが出来る電子写真感光体を提供すること、該電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供することを目的として「導電性支持体上に凝集率:N(%)が10<N≦70の範囲にある有機微粒子を含有する層を有することを特徴とする電子写真感光体」が開示されている。
特許文献1記載の電子写真感光体ではフィラー種が有機微粒子である。また上記凝集率の範囲を外れると長期間高品質な画像を維持できないことがわかっている。また、特許文献1で規定している凝集率の範囲においては、孤立粒子が存在していることを示しており、孤立粒子がほとんど存在していない場合はN≒100となり範囲を外れる。
しかし、これまで示されている技術においてもクリーニング性は十分確保されておらず、またブレード摩耗によるクリーニング性の劣化などまだまだ課題は多い。
本発明は、表面保護層を有する電子写真感光体において、現状では不十分な高耐久性とブレード摩耗の抑制、十分なクリーニング性を得ることができる電子写真感光体を提供することを目的とする。
従来、クリーニングブレードとの摩擦力低減のために表面保護層に各種微粒子を添加する際は、添加する微粒子は表面保護層中に均一に分散させることに注力されていた。しかし、本発明者らが鋭意検討を行った結果、添加された微粒子を表面保護層中で意図的に凝集させることによりクリーニング性、ブレード摩耗の低減に有効な表面保護層を得ることができることを見出し、本発明に至った。
即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
(1)導電性支持体上に、少なくとも感光層と、表面保護層とを有する電子写真感光体において、
該表面保護層が無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、
無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在する
ことを特徴とする電子写真感光体。
(2)前記表面保護層に用いる無機微粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする前記(1)記載の電子写真感光体。
(3)前記表面保護層中における前記無機微粒子の占める割合が30質量%以上60質量%以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の電子写真感光体。
(4)前記表面保護層のバインダー樹脂が重合性化合物を重合させることにより形成される硬化樹脂であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体、並びに帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
本発明は、表面保護層に無機微粒子を添加し、その凝集状態を制御することで、ブレード摩耗を抑制し、クリーニング性を確保することができ、長期繰り返し使用しても高画質を安定に出力可能な電子写真感光体を提供することができる。
本発明における電子写真感光体の構成例を示す断面図である。 本発明における画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明におけるプロセスカートリッジの一例を示す図である。 実施例4における電子写真感光体の断面観察投影図である。 実施例4における電子写真感光体の断面観察投影図のコントラスト・明るさを調節し、微粒子凝集体とバインダー樹脂部分に分離した図である。 比較例6における電子写真感光体の断面観察投影図である。 比較例6における電子写真感光体の断面観察投影図のコントラスト・明るさを調節し、微粒子凝集体とバインダー樹脂部分に分離した図である。
本発明の実施の形態を説明する。本発明は、「導電性支持体上に感光層および表面保護層を設けてなる電子写真感光体」に際して、以下の特徴を有する。
即ち、「導電性支持体上に、少なくとも感光層と、表面保護層とを有する電子写真感光体において、
該表面保護層が無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、
無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在する」ことを特徴とする。
電子写真感光体の表面保護層中に所定の大きさの無機微粒子凝集体を添加し、微小領域における表面保護層の硬度・弾性仕事率の分布を持たせることでクリーニングブレードの挙動を安定させ、ブレード摩耗を抑制し良好なクリーニング性を維持することができ、長期にわたり高品質な画像を出力することができる。
前記表面保護層に用いる無機微粒子としては、平均粒子径10nm以上100nm以下の無機微粒子を用いた場合、硬度・弾性仕事率の分布が微小化するためクリーニングブレード挙動が安定する。上記平均粒子径は、一次粒子径の平均値である。
前記無機微粒子の表面保護層中に占める割合が30質量%以上60質量%以下であることで硬度・弾性仕事率の分布が微小化するためクリーニングブレード挙動が安定する。
前記保護層のバインダー樹脂として、重合性化合物を重合させることにより形成される硬化樹脂を用いることで無機微粒子凝集体部分と樹脂部分の硬度の差が小さくなりよりクリーニングブレードの挙動が安定する。
(ブレード摩耗抑制とクリーニング性向上の要因)
本発明においてクリーニングブレードの摩耗が抑制されクリーニング性が長期にわたって良好である要因は詳しくは不明であるが、表面保護層中に無機微粒子凝集体の存在する箇所、存在しない箇所において硬度・弾性仕事率の差が生じ、これによりクリーニングブレードのスティック・スリップ振動が最適化され、結果としてクリーニングブレードの摩耗が抑制され、長期にわたり良好なクリーニング性が維持されたと思われる。
次に、本発明に用いる電子写真感光体について説明する。
図1は、表面保護層が設けられた感光体の断面模式図である。図1に示される感光体は、導電性基体31上に感光層32を設け、最表面に表面保護層33が設けられたものである。感光層32は、電荷発生層321、電荷輸送層322の機能分離型積層構造であってよい。また、下引き層34があっても良い。
(基材、感光層(電荷発生層、電荷輸送層)、下引き層)
導電性基体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えばアルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、銀、金、白金、鉄などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの酸化物を、蒸着又はスパッタリングによりフィルム状又は円筒状のプラスチック、紙などに被覆したもの、或いはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板、及び、それらを、Drawing Ironing法、Impact Ironing法、Extruded Ironing法、Extruded Drawing法、切削法等の工法により素管化後、切削、超仕上げ、研磨などにより表面処理した管などを使用することができる。
本発明における感光層32としては、電荷発生層321と電荷輸送層322を順次積層させた積層型感光層が好適である。
積層型感光体における各層のうち、はじめに、電荷発生層321について説明する。電荷発生層321は、積層型感光層の一部を指し、露光によって電荷を発生する機能をもつ。この層は含有される化合物のうち、電荷発生物質を主成分とする。電荷発生層321は必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
無機系材料としては、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物や、アモルファス・シリコンなどが挙げられる。アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子又はハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子などをドープしたものが好ましく用いられる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることが出来、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。
このうち、金属フタロシアニン、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料およびペリレン系顔料は電荷発生の量子効率が軒並み高く、本発明に用いる材料として好適である。
これらの電荷発生物質は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層321に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、ポリアリレート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。このうちポリビニルブチラールが使用されることが多く、有用である。
これらのバインダー樹脂は、単独でも2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷発生層321を形成する方法としては、大きく分けて真空薄膜作製法と溶液分散系からのキャスティング法がある。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD(化学気相成長)法などがあり、上述した無機系材料や有機系材料からなる層が良好に形成できる。
また、キャスティング法によって電荷発生層321を設けるには、上述した無機系又は有機系電荷発生物質を、必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノンなどの溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミルなどにより分散し、分散液を適度に希釈して塗布すればよい。
このうちの溶媒として、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。
塗布は、浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などにより行うことが出来る。
以上のようにして設けられる電荷発生層321の膜厚は0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
次に、電荷輸送層322について説明する。
電荷輸送層322は、電荷発生層で生成した電荷を注入、輸送し、帯電によって設けられた感光体の表面電荷を中和する機能を担う積層型感光層の一部を構成するものである。
該電荷輸送層322の主成分は、電荷輸送成分とこれを結着するバインダー成分である。電荷輸送層322は、電荷輸送成分とバインダー成分を主成分とする混合物ないし共重合体を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形成出来る。
塗工方法としては浸漬法、スプレー塗工法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が採用される。
電荷輸送層322の膜厚は、実用上、必要とされる感度と帯電能を確保する都合、15〜40μm程度が適当であり、好ましくは15〜30μm程度、解像力が要求される場合、25μm以下が適当である。
電荷輸送層322の上層には、表面保護層33が積層されているため、この構成における電荷輸送層322の膜厚は、実使用上の膜削れを考慮した電荷輸送層の厚膜化の設計が不要であり、薄膜化も可能となる。
電荷輸送層322塗工液を調製する際に使用できる分散溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブなどのエーテル類、トルエン、キシレンなどの芳香族類、クロロベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類等を挙げることができる。
このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。
これらの溶媒は単独としてまたは混合して用いることができる。
電荷輸送層322のバインダー成分として用いることのできる高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリビニル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
このうち、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネートは電荷輸送成分のバインダー成分として用いる場合、電荷移動特性が良好な性能を示すものが多く、有用である。
また、電荷輸送層322は、この上層に表面保護層が積層されるため、電荷輸送層322は従来型の電荷輸送層に対する機械強度の必要性が要求されない。
このため、ポリスチレンなど、透明性が高いものの機械強度が多少低い材料で従来技術では適用が難しいとされた材料も、電荷輸送層322のバインダー成分として有効に利用することができる。
これらの高分子化合物は単独又は2種以上の混合物として、或いはそれらの原料モノマー2種以上からなる共重合体として、更には、電荷輸送物質と共重合化して用いることができる。
電荷輸送材料には、正孔輸送材料と電子輸送材料とがある。
電子輸送材料としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性材料が挙げられる。
正孔輸送材料としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−ガルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラジン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。
これらの電荷輸送材料は単独、または2種以上混合して用いられる。
電荷輸送材料の添加量としてはバインダー樹脂100質量部に対し、190質量部以下が好ましく、50質量部〜150質量部がより好ましい。
また、必要により、電荷輸送層322には、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することもできる。
これらの化合物は単独または2種以上の混合物として用いることができる。
低分子化合物およびレベリング剤を併用すると感度劣化を来すケースが多い。
このため、これらの使用量は概して、電荷輸送層に含まれる樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部、好ましくは、0.1〜10質量部、レベリング剤の使用量は、0.001〜0.1質量部程度が適当である。
また、本発明の画像形成装置に用いられる感光体には、導電性基体31と感光層32との間に適宜下引き層34を設けることも出来る。
下引き層34は、一般に樹脂を主成分とするものが用いられるが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン、等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。
また、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を、下引き層中のフィラーとして加えることによって、さらに安定した帯電性を保持することができる。
これらの下引き層は、適当な溶媒、塗工法を用いて形成することが出来、膜厚としては0〜10μm、好ましくは0.2〜6μmが適当である。
(表面保護層)
次に、表面保護層33について説明する。
本発明においては、
表面保護層に無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在することによりクリーニングブレードの摩耗を抑制し、クリーニング性が向上することで長期にわたり異常画像の抑制が可能となる。
クリーニングブレードの摩耗が抑制され、またクリーニング性が向上した詳細なメカニズムは不明であるが、無機微粒子凝集体の存在により表面保護層の表面に硬度の微細な分布が生じ、これによりクリーニングブレードのスティック・スリップ振動が抑制されブレード挙動が安定化したためと考えられる。
(無機微粒子・無機微粒子凝集体の大きさの評価方法)
無機微粒子凝集体の大きさは例えば電子顕微鏡により表面保護層の断面観察した投影図を画像処理し、得られた断面観察投影図に対して画像処理ソフトを用い、表面保護層領域を抽出、コントラスト・明るさを調節し、無機微粒子・無機微粒子凝集体部分、バインダー樹脂部分に分離し、それぞれの無機微粒子・無機微粒子凝集体の面積を求める。
無機微粒子および無機微粒子凝集体が表面保護層に一様に存在していることから、無機微粒子および凝集体の存在は膜中で一様な確率となると考え、無機微粒子の体積は断面観察における無機微粒子の面積を奥(手前)方向に積分することで求めることができる。即ち、無機微粒子および無機微粒子凝集体の体積は、断面観察によって得られた無機微粒子および無機微粒子凝集体の面積と一次比例の関係にある。
このことから、本発明では無機微粒子・無機微粒子凝集体の体積の割合は断面観察から得た面積の割合と同じであると考え、断面観察において得られた面積の割合から求める。
無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子の全体積に対する割合は、電子顕微鏡で観測された無機微粒子の一次粒子の10倍以上の面積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子の全面積に対する割合から求める。無機微粒子の一次粒子の10倍以上の面積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子の全面積に対する割合は、単一無機微粒子10個の平均面積を、無機微粒子の一次粒子の断面観察における面積とし、その10倍以上の面積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子全面積に対する割合を求める。
上記方法にて無機微粒子の一次粒子の体積と比較して大きい体積を有する物を凝集体として取り扱う。また、断面観察において無機微粒子として認識される領域が1ピクセルでもつながっている部分があると、一見離れているように見えても同一の凝集体としてカウントする。
これらをもとに断面観察より表面保護層中の無機微粒子及び無機微粒子凝集体の体積を求め、一次粒子の10倍以上の体積を有している凝集体の体積分率を算出した。
本発明ではクリーニングブレードの摩耗低減とクリーニング性の向上のためには全無機微粒子のうち一次粒子の10倍以上の体積を有している無機微粒子凝集体が、体積分率にして無機微粒子の65vol%以上存在する。好ましくは全無機微粒子のうち体積分率にして80vol%以上存在する。
無機微粒子の一次粒子の平均粒子径は電子顕微鏡で観測された単一無機微粒子10個の長径と短径の平均値を平均した値とする。
(凝集体の形成・大きさの制御)
通常微粒子の分散液を作製すると、微粒子同士のファンデルワールス力、もしくは静電気力により凝集体を形成することが知られている。本発明では適切な無機粒子の粒径、添加量を選定することに加えて、適切な分散剤を適量使用すること、また適切な分散プロセスを選定することで目的とする大きさの凝集体が得られる。
(無機微粒子)
本発明において用いられる微粒子は、無機微粒子である。詳しい理由は不明ではあるが無機微粒子は凝集体を形成しやすく、クリーニング性の向上に寄与し、また、有機微粒子と比較して粒子としての硬度が高いため、長期にわたりクリーニング性が維持されると思われる。無機微粒子の具体的な物質としては例えば、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズ及びアンチモンをドープした酸化ジルコニウム等の金属酸化物などが挙げられる。これらは単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合しても、固溶体や融着の形にしても良い。
無機微粒子の粒径、含有量は凝集体の大きさおよび成膜性、感光体特性など影響をあたえるため所定の範囲にあることが望ましい。
無機微粒子の平均粒子径は塗工液の安定性からや分散剤の添加による感光体電気特性への影響を鑑み10nm以上、100nm以下が好ましい。より好ましくは20nm以上50nm以下である。これは微粒子の粒径が10nmより小さい場合には微粒子の分散のために多量の微粒子分散剤が必要となり感光体の電気特性に悪影響を与えるためであり、微粒子粒径が100nmより大きくなると微粒子凝集体がスプレー塗工時詰まり引き起こし、安定した表面保護層が得られないためである。
また、無機微粒子の含有量についても塗工液の安定性、分散剤の量、凝集状態を鑑みた場合、無機微粒子の含有量は表面保護層の質量分率にして15質量%以上70質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは30質量%以上60質量%以下である。これは、15質量%より含有量が少ないと凝集体の形成されにくく、結果として長期にわたりクリーニング性が維持しにくいためである。また70質量%よりも含有量が多いと塗工時にスプレーの詰まりが生じ安定した塗工ができないばかりか、分散剤による感光体の電気特性への悪影響が生じてしまうため微粒子添加量は上記範囲である。
(分散剤)
微粒子分散液を調製するにあたり微粒子分散剤を用いることができる。微粒子分散剤の種類としては例えば、ポリカルボン酸系(例えばBYK-P105,220Sビックケミー・ジャパン社製)やポリエーテルリン酸系(例えばHIPLAAD ED151 楠本化成社製)、ポリエーテルエステル系(例えばHIPLAAD ED118、ED350)、各種ブロック共重合体など非常に多岐にわたる。何れにしても使用する微粒子、溶媒種などを元に選定した上で適量添加することで沈降などのない良好な微粒子分散液が得られる。また、微粒子分散剤は単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
微粒子分散剤種によって表面保護層中での凝集状態が変化する要因としては、例えば微粒子分散剤の構成物質のファンデルワールス力もしくは静電気的な作用や、微粒子分散剤と微粒子、バインダー樹脂の親和性などが影響していることなどが考えられる。
(無機微粒子分散方法)
無機微粒子の表面層中への分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する表面層用塗工液中で一般に用いられる分散方法などが挙げられる。前記分散方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ボールミル、サンドミル、KDミル、3本ロールミル、圧力式ホモジナイザー、超音波分散などが挙げられる。
(表面保護層バインダー樹脂)
表面保護層33に使用されるバインダー樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、機械強度の観点から表面保護層は重合性化合物を重合することにより形成されることが望ましい。機械的耐久性の観点から重合性官能基の数は分子内に3つ以上有している重合性化合物が好ましく用いられる。つまり3官能以上の重合性化合物を重合することで3次元の網目構造が発達し、架橋密度が非常に高い高硬度且つ高弾性な表面保護層が得られ、高い耐摩耗性、耐傷性が達成される。膜厚は1μm以上、7μm以下の膜厚を設けることで優れた感光体表面が得られ、且つ非常に高い耐摩耗性が達成され、より好ましくは2μm以上、5μm以下が適当である。
硬化樹脂の種類としては、アミノ樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。そのうち、特に3官能以上のラジカル重合性モノマーを含有するUV硬化型アクリル樹脂は耐摩耗性に特に優れており、良好に使用できる。
3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキシ変性(以後EO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキシ変性(以後PO変性)トリアクリレート、トリメチロールプロパンカプロラクトン変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンアルキレン変性トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、グリセロールエピクロロヒドリン変性(以後ECH変性)トリアクリレート、グリセロールEO変性トリアクリレート、グリセロールPO変性トリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル化ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、リン酸EO変性トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられ、これらは単独又は2種類以上を併用しても差し支えない。
(表面保護層溶媒、開始剤、硬化方法)
表面保護層(33)の塗工溶媒に使用できる分散溶媒は、アルコール類、ケトン類、エーテル類、芳香族化合物類、ハロゲン化合物類、エステル類等である。
このうち、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノンは、クロロベンゼンやジクロロメタン、トルエンおよびキシレンと比較して環境負荷の程度が低いため好ましい。
本発明においては、必要に応じてこの硬化反応を効率よく進行させるために重合開始剤を含有させてもよい。
熱重合開始剤としては、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシ)プロパンなどの過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸などのアゾ系開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、などのアセトフェノン系またはケタール系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、などのベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼン、などのベンゾフェノン系光重合開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、などのチオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤としては、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物、が挙げられる。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。
例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤の含有量は、重合性官能基を有する総含有物100質量部に対し、0.1質量部〜40質量部が好ましく、0.5質量部〜20質量部がより好ましい。
(電荷輸送剤について)
本発明においては、必要に応じて表面保護層に電荷輸送性向上のため電荷輸送物質を含有させてもよい。
前記電荷輸送物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造を有する公知の正孔輸送物質、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基、ニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有する公知の電子輸送物質が挙げられる。また、電荷輸送性構造を有しない樹脂として架橋重合性化合物を用いる場合には、架橋重合性化合物に対して反応性を有する官能基、例えば水酸基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を有する電荷輸送材料を用いても良い。前記正孔輸送物質または電子輸送物質は、単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
電荷輸送物質の含有量としては、表面保護層において所望の電荷輸送特性がえられればよく、樹脂成分100質量部に対して20〜150質量部が好ましく、より好ましくは、50〜100質量部である。
また、必要により適当な酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤などの低分子化合物およびレベリング剤を添加することも出来る。
これらの化合物は、単独または2種以上の混合物として用いることが出来る。
低分子化合物の使用量は、樹脂成分100質量部に対して0.1〜50質量部、好ましくは、0.1〜20質量部、レベリング剤の使用量は、樹脂成分100質量部に対して0.001〜5質量部程度が適当である。
このような表面保護層33の形成方法として、浸漬法、スプレー塗工法、ロールコータ法、グラビア塗工法、ノズルコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
表面保護層33のバインダーに硬化樹脂を選択した場合塗工後に外部からエネルギーを与え硬化させる。
このとき用いられる外部エネルギーとしては熱、光、放射線等があり、用いる樹脂によって選択される。
熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行なわれる。
加熱温度は100℃以上、170℃以下が好ましい。100℃未満では反応速度が遅く、完全に硬化反応が終了しない。一方170℃より高温では硬化反応が不均一に進行し表面保護層中に大きな歪みや多数の未反応残基、反応停止末端が発生する。
硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。
光のエネルギーとしては主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。
照射光量は50mW/cm2以上、1000mW/cm2以下が好ましい。50mW/cm2未満では硬化反応に時間を要する。一方1000mW/cm2より強いと反応の進行が不均一となり、表面保護層33表面に局部的な皺が発生、多数の未反応残基、反応停止末端が生ずる。
また、急激な硬化により内部応力が大きくなり、クラックや膜剥がれの原因となる。
放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。
これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用である。
<<画像形成装置の構成について>>
次に、図面を用いて本発明の電子写真方法、並びに、画像形成装置を詳しく説明する。
図2は、本発明の電子写真プロセス、及び画像形成装置を説明するための概略図であり、下記のような例も本発明の範疇に属するものである。
感光体(10)は図2中の矢印の方向に回転し、感光体(10)の周りには、帯電部材(帯電手段)(11)、画像露光部材(露光手段)(12)、現像部材(現像手段)(13)、転写部材(転写手段)(16)、クリーニング部材(17)、除電部材(18)等が配置される。クリーニング部材(17)や除電部材(18)が省略されることもある。
画像形成装置の動作は基本的に以下のようになる。帯電部材(11)により、感光体(10)表面に対してほぼ均一に帯電が施される。続いて、画像露光部材(12)により、入力信号に対応した画像光書き込みが行われ、静電潜像が形成される。次に、現像部材(13)により、この静電潜像に現像が行われ、感光体表面にトナー像が形成される。形成されたトナー像は、搬送ローラ(14)により転写部位に送られた転写紙(15)に、転写部材により、トナー像が転写される。このトナー像は、図示しない定着装置により転写紙上に定着される。転写紙に転写されなかった一部のトナーは、クリーニング部材(17)によりクリーニングされる。ついで、感光体上に残存する電荷は、除電部材(18)により除電が行われ、次のサイクルに移行する。
図2に示すように、感光体(10)はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。帯電部材(11)、転写部材(16)には、コロトロン、スコロトロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ)のほか、ローラ状の帯電部材あるいはブラシ状の帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能である。
一方、画像露光部材(12)、除電部材(18)等の光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。これらの中でも半導体レーザー(LD)や発光ダイオード(LED)が主に用いられる。
所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
光源等は、光照射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体(10)に光が照射される。但し、除電工程における感光体(10)への露光は、感光体(10)に与える疲労の影響が大きく、特に帯電低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。
したがって、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング工程において逆バイアスを印加することによっても除電することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面から有効な場合がある。
電子写真感光体(10)に正(負)帯電を施し、画像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
現像部材(13)により、感光体(10)上に現像されたトナーは、転写紙(15)に転写されるが、すべてが転写されるわけではなく、感光体(10)上に残存するトナーも生ずる。このようなトナーは、クリーニング部材(17)により、感光体(10)から除去される。
このクリーニング部材は、クリーニングブレードあるいはクリーニングブラシ等公知のものが用いられる。また、両者が併用されることもある。トナー転写性が悪いと、感光体上の未転写トナーが多く、クリーニング部材の耐久性が悪化する傾向にある。よってトナー転写性向上も必須である。トナー転写性が上がると、廃トナーを減らし、トナーを有効に使用することも可能となる。
以上に示すような画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装置内に組み込まれてもよい。
前記プロセスカートリッジとは、図3に示すように、感光体(10)を内蔵し、他に帯電部材(11)、画像露光部材(12)、現像部材(13)、転写部材(16)、クリーニング部材(17)、及び除電部材を含んだ1つの装置(部品)である。
上記記載の本発明の特徴について、以下の実施例にて詳細に解説する。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<電子写真感光体の作製>
アルミニウムシリンダ上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液および電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布し、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み23μmの電荷輸送層を形成した。
続けて、前記電荷輸送層上に、下記組成の表面保護層塗工液1を用いて、スプレー塗工によって塗布し、厚み3.5μmの表面保護層を形成した。なお、各層の塗工後に指触乾燥をした後、下引き層は130℃、電荷発生層は95℃、電荷輸送層および表面保護層は120℃で各々20分乾燥を行っている。なお、表面保護層塗工液1においては微粒子と微粒子分散剤は塗工溶媒の一部を用い事前に4時間ボールミル分散機を用いてミリングを行い固形分が10%の微粒子分散液を作製した後、バインダー樹脂、溶媒、微粒子分散液を混合することで調製している。
−下引き層塗工液−
・アルキッド樹脂
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)
・・・6質量部
・メラミン樹脂
(スーパーベッカミンG−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)
・・・4質量部
・酸化チタン ・・・40質量部
・メチルエチルケトン ・・・50質量部
−電荷発生層塗工液−
・下記構造式で表されるビスアゾ顔料 ・・・2.5質量部
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製) ・・・0.5質量部
・シクロヘキサノン ・・・200質量部
・メチルエチルケトン ・・・80質量部
−電荷輸送層塗工液−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質 ・・・7質量部
・テトラヒドロフラン ・・・100質量部
・1質量%のシリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製) ・・・1質量部
−表面保護層塗工液1−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質 ・・・10質量部
・アルミナ微粒子 平均粒子径115nm
(AKP−G015、住友化学社製) ・・・7質量部
・微粒子分散剤
(DISPER BYK―P105、ビックケミージャパン社製)
・・・0.7質量部
・テトラヒドロフラン ・・・240質量部
(実施例2)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液2に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液2−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・アルミナ微粒子スラリー 平均粒子径31nm
(固形分15%、テトラヒドロフラン溶媒、シーアイ化成社製)・・・20質量部
・テトラヒドロフラン ・・・103質量部
(実施例3)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液3に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液3−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・酸化亜鉛微粒子 平均粒子径34nm(シーアイ化成社製) ・・・4.5質量部
・微粒子分散剤
(DISPER BYK 220S、ビックケミージャパン社製)
・・・0.45質量部
・テトラヒドロフラン ・・・380質量部
(実施例4)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液4に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液4−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・酸化亜鉛微粒子 平均粒子径34nm(シーアイ化成社製) ・・・18質量部
・微粒子分散剤
(DISPER BYK 220S、ビックケミージャパン社製)
・・・1.8質量部
・テトラヒドロフラン ・・・380質量部
(実施例5)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液5に変更し、表面保護層塗工液5を用いてスプレー塗工した後、メタルハライドランプを用い照射強度:500mW/cm2、照射時間:40秒の条件で光照射を行い、更に130℃で30分間乾燥した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液5−
・3官能のラジカル重合性化合物
(TMPTA、東京化成株式会社製) ・・・10質量部
・ナノアルミナ微粒子 平均粒子径31nm(シーアイ化成社製) ・・・5質量部
・微粒子分散剤(HIPLAAD ED118、楠本化成社製) ・・・0.5質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・170質量部
(実施例6)
表面保護層塗工液5を以下の表面保護層塗工液6に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液6−
・3官能のラジカル重合性化合物
(TMPTA、東京化成株式会社製) ・・・10質量部
・酸化チタン微粒子 平均粒子径20nm
(TTO−51(A)、石原産業株式会社製) ・・・7質量部
・微粒子分散剤(HIPLAAD ED350、楠本化成社製) ・・・0.7質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・170質量部
(実施例7)
表面保護層塗工液5を以下の表面保護層塗工液7に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液7−
・6官能のラジカル重合性化合物
ジペンタエリスリトールカプロラクトン変性ヘキサアクリレート
(KAYARAD DPCA―120、日本化薬株式会社製) ・・・10質量部
・酸化亜鉛微粒子 平均粒子径34nm(シーアイ化成社製) ・・・10質量部
・微粒子分散剤
(DISPER BYK 220S、ビックケミージャパン社製)
・・・1.5質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・210質量部
(実施例8)
表面保護層塗工液5を以下の表面保護層塗工液8に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液8−
・6官能のラジカル重合性化合物
(KAYARAD DPHA、日本化薬株式会社製) ・・・10質量部
・酸化チタン微粒子 平均粒子径20nm
(TTO−51(A)、石原産業株式会社製) ・・・15質量部
・微粒子分散剤(HIPLAAD ED118、楠本化成社製) ・・・1.5質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・257質量部
(比較例1)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液9に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液9−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・有機微粒子/シリコーン樹脂微粒子 平均粒子径200nm
・・・5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・180質量部
(比較例2)
表面保護層塗工液1を以下の表面保護層塗工液10に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液10−
・ビスフェノールZ型ポリカーボネート
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製) ・・・10質量部
・ナノアルミナ微粒子 平均粒子径31nm(シーアイ化成社製) ・・・5質量部
・微粒子分散剤(BYK―P105、ビックケミージャパン社製)・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・112質量部
(比較例3)
表面保護層塗工液5を以下の表面保護層塗工液11に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液11−
・3官能のラジカル重合性化合物
(TMPTA、東京化成株式会社製) ・・・10質量部
・有機微粒子/シリコーン樹脂微粒子 平均粒子径200nm
・・・10質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・180質量部
(比較例4)
表面保護層塗工液5を以下の表面保護層塗工液12に変更した以外は実施例5と同様に電子写真感光体を作製した。
−表面保護層塗工液12−
・3官能のラジカル重合性化合物
(TMPTA、東京化成株式会社製) ・・・10質量部
・ナノアルミナ微粒子 平均粒子径31nm(シーアイ化成社製) ・・・5質量部
・微粒子分散剤
(DISPER BYK−180、ビックケミージャパン社製)
・・・0.5質量部
・光重合開始剤
(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、イルガキュア184、
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) ・・・0.5質量部
・テトラヒドロフラン ・・・170質量部
<フィラー観察>
(無機微粒子凝集体の大きさの計算方法)
フィラー観察方法としては、ドラム断片に導電性付与のために白金パラジウムをコートし、表面保護のため白金カーボンによりコートし、観察サンプルを作製した。サンプルを収束イオンビームを用いて断面加工を行い、ショットキーサーマル型電界放射銃走査電子顕微鏡(以下サーマルFE−SEM)にて観察を行った。サーマルFE−SEMとしてULTRA55(カールツァイス社製)を用いた。
加速電圧0.8kV、20000倍で撮影した投影図を画像管理ソフトMicrosoft Office Picture Manager にて表面保護層を抽出し、コントラストを最大化し、無機微粒子凝集体部分とバインダー樹脂部分とに分離する。その後、画像解析ソフトLMeye(レーザーテック社製)を用い、二値化処理により無機微粒子凝集体の個数およびそれぞれの無機微粒子凝集体の面積を算出した。また、無機微粒子一次粒子の面積は微粒子単体を観察した際の10個の平均面積を用いた。これらをもとに断面観察より得られる無機微粒子の一次粒子の10倍以上の面積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子の全面積に対する割合を求め、これを無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積を有している無機微粒子凝集体の無機微粒子の全体積に対する割合とした。
なお、表3記載の凝集体の体積分率の値は同一ドラムより得た複数ドラム片より計5箇所の膜厚方向に対して垂直方向に幅5μmにおいて算出した平均の値である。
図4に実施例5における保護層の断面観察投影図を、図5に前記投影図のコントラスト・明るさを調節し、微粒子凝集体部分とバインダー樹脂部分に分離した図を示す。図5における断面観察投影図視野内の膜厚方向に対して垂直方向に幅5μmにおける無機微粒子および無機微粒子凝集体体積をまとめたものを表2に示す。
また、図6に比較例4における保護層の断面観察投影図を、図7に前記投影図のコントラスト・明るさを調節し、微粒子凝集体部分とバインダー樹脂部分に分離した図を示す。
<実機試験>
上記電子写真感光体を使用し、通紙試験前後のクリーニングブレード摩耗量評価・画像評価を行った。実機にはリコー製imagio Neo270を用いた。
電子写真用プロセスカートリッジに前記電子写真感光体を装着し、5万枚の実機通紙試験(A4、NBSリコー製MyPaper)前後にクリーニングブレード摩耗量評価、画像評価を下記のランクに基づき行った。
(クリーニングブレード摩耗量評価、画像評価)
通紙終了後に評価画像を出力した後クリーニングブレードを取り出し、光学顕微鏡にてクリーニングブレードの摩耗の程度および画像を評価した。
4:初期のブレードと比較しほとんど摩耗が見られず、クリーニング性も良好で
異常画像は見られない
3:クリーニングブレードが若干摩耗しているものの十分なクリーニング性があり
異常画像は見られない
2:クリーニングブレードが摩耗しており、画像に筋状の異常画像が少量みられる。
1:クリーニングブレードが大きく摩耗しており画像に筋状の異常画像が多数みられ
る。
なお、ランク3以上は実用上問題のない水準である。
表3から、導電性支持体上に、少なくとも感光層、表面保護層とを有する電子写真感光体において、該表面保護層に無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在することによりクリーニングブレードの摩耗が抑制され高品質な出力画像が長期にわたって維持することが可能であることは明らかである。
本発明の電子写真感光体を用いた電子写真方法、電子写真装置、及びプロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有していることが分かった。
10 感光体
11 帯電部材
12 画像露光部材
13 現像部材
14 搬送ローラ
15 転写紙
16 転写部材
17 クリーニング部材
18 除電部材
31 導電性支持体
32 感光層
34 下引き層
321 電荷発生層
322 電荷輸送層
33 表面保護層
特許第3975835号公報

Claims (6)

  1. 導電性支持体上に、少なくとも感光層と、表面保護層とを有する電子写真感光体において、
    該表面保護層が無機微粒子からなる無機微粒子凝集体を有し、
    無機微粒子の一次粒子の10倍以上の体積である無機微粒子凝集体が無機微粒子の全体積に対して65vol%以上存在する
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記表面保護層に用いる無機微粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面保護層中における前記無機微粒子の占める割合が30質量%以上60質量%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記表面保護層のバインダー樹脂が重合性化合物を重合させることにより形成される硬化樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、並びに帯電手段、現像手段、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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