JP2003149849A - 電子写真感光体、電子写真方法及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真方法及び電子写真装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高耐久性を有し、かつ残留電位上昇、あるい
は画像ボケの発生による画質劣化を抑制し、長期間の繰
り返し使用に対しても高画質画像が安定に得られる電子
写真感光体を提供し、また、それらの感光体を用いるこ
とにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷あるい
は感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、さらに
繰り返し使用においても高画質画像が安定に得られる電
子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真装置用プロ
セスカートリッジを提供すること。 【解決手段】 導電性支持体上に少なくとも一層もしく
は複数層の感光層を設けてなる電子写真感光体におい
て、該電子写真感光体の最表面に形成される層に少なく
ともフィラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物を含有することを特徴
とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高耐久性を有し、
かつ高画質化を実現した電子写真感光体、及び、この電
子写真感光体の製造に有用な保護層形成用塗工液に関す
る。また、本発明は、それらの感光体を使用した電子写
真方法、電子写真装置、電子写真用プロセスカートリッ
ジに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真方式を用いた情報処理シ
ステム機の発展には目覚ましいものがある。特に、情報
をデジタル信号に変換して光によって情報記録を行なう
レーザープリンターやデジタル複写機は、そのプリント
品質、信頼性において向上が著しい。さらに、それらは
高速化技術との融合によりフルカラー印刷が可能なレー
ザープリンターあるいはデジタル複写機へと応用されて
きている。そのような背景から、要求される感光体の機
能としては、高画質化と高耐久化を両立させることが特
に重要な課題となっている。
【0003】これらの電子写真方式のレーザープリンタ
ーやデジタル複写機等に使用される電子写真感光体とし
ては、有機系の感光材料を用いたものが、コスト、生産
性及び無公害性等の理由から一般に広く応用されてい
る。有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ
ール(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−T
NF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表さ
れる電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダー樹脂
に代表される顔料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸
送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体など
が知られている。
【0004】機能分離型の感光体における静電潜像形成
のメカニズムは、感光体を帯電した後光照射すると、光
は電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質に
より吸収され電荷を生成する。それによって発生した電
荷が電荷発生層及び電荷輸送層の界面で電荷輸送層に注
入され、さらに電界によって電荷輸送層中を移動し、感
光体の表面電荷を中和することにより静電潜像を形成す
るものである。
【0005】しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用
によって膜削れが発生しやすく、この感光層の膜削れが
進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、地肌
汚れの増加、画像濃度低下等の画質劣化が促進される傾
向が強く、従来から感光体の耐摩耗性が大きな課題とし
て挙げられていた。さらに、近年では電子写真装置の高
速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によっ
て、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となってい
る。
【0006】感光体の高耐久化を実現する方法として
は、感光体の最表面に保護層を設け、その保護層に潤滑
性を付与したり、硬化させたり、フィラーを含有させる
方法が広く知られている。特に、保護層にフィラーを含
有させる方法は、感光体の耐摩耗性に対して有効な方法
の一つである。しかし、電気絶縁性の高いフィラーを含
有させた場合には、抵抗が高くなり、残留電位の上昇が
顕著に見られる。これらの残留電位上昇は、フィラーが
含有されていることによって引き起こされる抵抗の増加
や電荷トラップサイトの増加による影響が大きい。一
方、導電性フィラーを用いた場合には、抵抗が低下し、
残留電位上昇の影響は比較的小さいが、画像の輪郭がぼ
やける、所謂画像ボケが発生し、画像品質への影響が強
く現れる。
【0007】従来技術では、比較的残留電位の影響が少
ない導電性フィラーを用い、それによって発生する画像
ボケに対しては、感光体を加熱することによって除湿を
行なうためのドラムヒーターを搭載する手段が用いられ
ている。感光体を加熱することによって画像ボケの発生
は抑制できるものの、ドラムヒーターを搭載するには感
光体の径が大きくなければならないため、電子写真装置
の小型化に伴って、現在主流となりつつある小径感光体
には適用できず、本来特に高耐久化が要求されている小
径感光体については高耐久化が実現されていなかった。
さらに、ドラムヒーターの搭載によって装置の大型化が
避けられない上に、装置の使用の有無に関係なく絶えず
ヒーターを稼働させておく必要があるため消費電力が著
しく増加し、さらに装置の立ち上げ時には多くの時間を
要する等、多くの課題を残しているのが実情であった。
【0008】一方、絶縁性の高いフィラーを用いた場合
に多く見られる残留電位の増加は、電子写真装置内では
明部電位が高いことにつながり、画像濃度や階調性の低
下を招くことになる。それを補うためには暗部電位を高
くする必要があるが、暗部電位を高くすると電界強度が
高くなり、地肌汚れ等の画像欠陥を生じさせるだけでな
く、感光体の寿命をも低下させることにつながる。
【0009】従来技術において、残留電位上昇を抑制さ
せる方法としては、保護層を光導電層とする方法が知ら
れている(特公昭44−834号公報、特公昭43−1
6198号公報、特公昭49−10258号公報等記
載)。しかし、保護層での光の吸収によって感光層へ到
達する光量が減少するため、感光体の感度が低下する問
題が生じ、その効果はわずかであった。
【0010】それに対し、フィラーとして含有される金
属あるいは金属酸化物の平均粒径を0.3μm以下にす
ることによって、保護層が実質的に透明となり、残留電
位蓄積を抑制する方法も知られている(特開昭57−3
0846号公報等記載)。しかし、この方法は残留電位
の増加を抑制する効果は認められる場合はあるものの、
その効果は不十分であり、課題を解決するには至ってい
ないのが実情である。それは、フィラーを含有させた場
合に引き起こされる残留電位の増加は、電荷発生効率よ
りもフィラーの含有によって増加した電荷トラップの影
響の方が大きいことによる。さらに、フィラーの平均粒
径が0.3μm以上であってもフィラー種やその分散性
を高めることによって膜の透明性を維持することは可能
であるし、平均粒径が0.3μm以下であってもフィラ
ー種あるいはフィラーの凝集状態によっては膜の透明性
は低下することになる。
【0011】また、保護層にフィラーとともに電荷輸送
物質を含有させる方法により、機械的強度を備えつつ、
残留電位の増加を抑制させる方法も知られている(特開
平4−281461号公報記載)。この保護層への電荷
輸送物質の添加は、電荷の移動度を向上させるのに効果
を発揮し、残留電位を減少させるのに有効な方法であ
る。しかし、フィラーが含有されたことによって引き起
こされた残留電位の著しい増加は、フィラーの存在に起
因する抵抗の増加あるいは電荷トラップサイトの増加に
よるとすると、電荷の移動度を向上させて残留電位上昇
を抑制させるには限界がある。従って、この方法だけで
は要求される耐久性を満足させるに至っていないのが実
情であった。
【0012】残留電位上昇を抑制する別の手段として
は、保護層中にルイス酸等を添加する方法(特開昭53
−133444号公報記載)、保護層に有機プロトン酸
を添加する方法(特開昭55−157748号公報記
載)、電子受容性物質を含有させる方法(特開平2−4
275号公報記載)等が開示されている。これらの方法
は、保護層/電荷輸送層界面での電荷の注入性を向上さ
せ、また保護層に低抵抗部分が形成されることにより、
電荷が表面にまで到達しやすくなることに起因している
と考えられている。しかし、これらの方法は、残留電位
の低減効果が認められる場合はあるものの、本発明にお
けるフィラーを含有させた高耐久感光体においては、残
留電位の発生原因が異なるため課題の解決には至ってい
ない。さらに、本発明の構成においては、これらの有機
酸を添加した場合には、フィラーの分散性の向上は実現
されず、また画像ボケの影響も増加する等、多くの副作
用が確認されている。
【0013】また、酸価が5(mgKOH/g)以下の
ワックスを含有させる方法(特開2000−66434
号公報記載)は、フィラーを含有したときの添加効果に
ついて一切言及されていない上に、酸価が5(mgKO
H/g)以下のワックスの添加は、フィラーを含有した
表面層を有する本発明の構成においてはまったく効果が
得られていない。
【0014】感光層の上部に、酸価が30〜260mg
KOH/g樹脂のグラフト共重合体からなる被膜を形成
する方法(特許第2884812号公報記載)は、残留
電荷の蓄積が起こりにくいという効果を有しているが、
本来の目的は感光体表面の潤滑性及び離型性の向上にあ
り、フィラーを含有させた場合の高画質化及び高耐久化
を目的とした本発明とは目的が異なっている。さらに、
表面層がグラフト共重合体からなる被膜であって、主と
してフィラー及びバインダー樹脂からなる膜に酸価が1
0〜700(mgKOH/g)の有機化合物を少量添加
した本発明とは、その構成及び効果が大きく異なるもの
である。
【0015】また、感光層がチタニルフタロシアニン及
びポリカーボネート樹脂と酸価が1〜50mgKOH/
gの樹脂を混合させて含有する方法(特開平9−281
718号記載)は、単層感光体における高γ特性化を目
的としており、フィラーを含有させた表面層を有する感
光体の課題を解決した本発明とは、目的、構成及び効果
が大きく異なるものである。
【0016】一方、画質に大きく影響するオゾンやNO
xによる画像ボケに対しては、酸化防止剤の添加が有効
であることが知られており、特にヒンダードフェノール
誘導体とヒンダードアミン誘導体から選ばれる少なくと
も一種の酸化防止剤を含有させることによって画像ボケ
を抑制する方法(特開平8−292585号公報等)が
開示されている。この方法は、オゾンやNOx等の活性
ガスによる画像ボケに対しては有効であることが知られ
ているが、残留電位上昇が認められ、特に最表面を形成
する層にフィラーを添加した場合にはその影響が顕著に
増大し、画像ボケを抑制する以前に、初期状態より画質
劣化が見られていた。従って、フィラーを含有させた保
護層を有する感光体においては残留電位の影響が大き
く、高画質化に対し十分な効果が得られていないのが実
情であった。
【0017】このように、フィラーを含有させた保護層
を有する電子写真感光体は公知であり、また残留電位を
低減させるために酸を添加する方法も知られているが、
フィラーを含有させたことによる著しい残留電位上昇を
抑制することを目的とした有効な改良方法はいまだ見出
されていないのが実情であって、高耐久化及び高画質化
を両立させる上で最も重要な課題として残されていた。
【0018】さらに、高耐久化のためにフィラーを含有
させた電子写真感光体において、高画質化を実現するた
めには、前述の画像ボケの発生や残留電位上昇を抑制さ
せるだけでなく、電荷が膜中のフィラーによって進行を
妨げられることなく、感光体の表面まで電荷が直線的に
到達させることも重要である。それには膜中のフィラー
の分散性が大きく影響する。フィラーが凝集した状態で
は、感光層よりフィラーが含有されている最表面層へと
注入された電荷が表面へ移動する際、フィラーによって
進行が妨げられやすくなり、結果的にトナーにより形成
されたドットが散った状態となって解像度が大きく低下
する。
【0019】また、フィラーを含有した層を最表面に設
けた場合に、フィラーによって書き込み光が散乱され光
透過性が低下する場合も、同様に解像度に大きな悪影響
を与えることになるが、この光透過性に与える影響もま
たフィラーの分散性と密接に関係している。さらに、フ
ィラーの分散性は耐摩耗性に対しても大きく影響し、フ
ィラーが強い凝集を起こし、分散性に乏しい状態ではフ
ィラーの脱離によって耐摩耗性が低下しやすくなるだけ
でなく、偏摩耗が起こりやすくなり、要求される耐久性
が得られないことになる。
【0020】従って、高耐久化のためにフィラーを含有
させた層を最表面に形成した電子写真感光体において、
同時に高画質化を実現するためには、残留電位上昇や画
像ボケの発生を抑制させるだけでなく、電荷発生層より
も表面側に形成される層に含有されるフィラーの分散性
を高めることが重要であり、そのためにはフィラーの脱
凝集を実現し、分散性を高めた塗工液を調製することが
重要である。
【0021】しかし、それらをすべて同時に解決できる
有効な手段は見出されておらず、高耐久化のために感光
体の最表面に形成される層にフィラーを含有させた場
合、画像ボケや残留電位上昇の影響が強く現れ、高画質
化に対する課題が今もなお残されているのが実情であっ
た。さらに、それらの影響を軽減させるために、ドラム
ヒーターを搭載する必要があることから、最も耐久性が
必要とされる小径感光体の高耐久化が実現されておら
ず、それに伴い装置の小型化や消費電力の低減に対して
も大きな障害となっているのが実情であった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高耐久性を有し、かつ残留電位上昇、あるいは画像
ボケの発生による画質劣化を抑制し、長期間の繰り返し
使用に対しても高画質画像が安定に得られる電子写真感
光体を提供することにある。また、それらの感光体を用
いることにより、感光体の交換が不要で、かつ高速印刷
あるいは感光体の小径化に伴う装置の小型化を実現し、
さらに繰り返し使用においても高画質画像が安定に得ら
れる電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写真装置
用プロセスカートリッジを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】前述のとおり、電子写真
感光体の高耐久化を実現するために、感光体の最表面に
形成される層にフィラーを含有させることが有効である
ことは知られており、それによって耐摩耗性の向上は実
現されるが、残留電位の上昇や画像ボケの発生等、画質
劣化を引き起こす副作用を有する。本発明者らは、鋭意
検討を重ねた結果、最表面に形成される層に絶縁性の高
いフィラーを含有させることによって画像ボケの発生を
抑制し、それによって引き起こされる残留電位上昇に対
しては、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機
化合物を含有させることにより抑制できることを見出し
た。また、同時にフィラーの分散性を高めたことによっ
て高画質化が実現された。本発明はこれらの知見に基づ
いてなされたものである。
【0024】本発明の構成において、残留電位の低減が
可能となった要因としては、酸価が10〜700(mg
KOH/g)の有機化合物を添加したことにある。残留
電位上昇の原因は、主に添加したフィラーによるもので
あり、特に極性基を多く含む親水性の金属酸化物はその
傾向が強く、また絶縁性の高いフィラーほどその傾向は
より強くなる。酸価が10〜700(mgKOH/g)
の有機化合物を添加することによって、著しい残留電位
上昇を抑制できたのは、それによって抵抗が低減された
ことが一つの要因として挙げられるが、この化合物が親
水基を有する湿潤分散剤であることにより、電荷トラッ
プサイトとなるフィラー表面の極性基にこれらが吸着さ
れることによって、著しい残留電位上昇を回避すること
が可能となったと考えられる。
【0025】本発明における酸価が10〜700(mg
KOH/g)の有機化合物の添加効果は、前記の残留電
位の低減だけに留まらず、同時にフィラーの分散性を向
上させる効果をも併せ持っている。特に、フィラーが親
水性の金属酸化物の場合にはその効果は特に大きく、こ
れによってフィラー含有層での光散乱による書き込み光
の透過率低下やそれに伴う画像濃度ムラの発生を防止す
ることによって、さらなる高画質化が実現できる。ま
た、トナーによって形成されるドット再現性が向上する
ことも高画質化に対して非常に有効である。さらに、耐
摩耗性の向上や偏摩耗の抑制、塗膜欠陥の発生防止、塗
工分散液の長寿命化及びそれに伴う感光体の品質安定性
の向上等、多方面に渡る多くの効果を併せ持っている。
【0026】従って、本発明によれば、高画質化又はこ
れと高耐久性の両立を可能とし、繰り返し使用において
も高画質画像が安定して得られる電子写真感光体、この
電子写真感光体の製造に用いられる最表面層形成用塗工
液、また、繰り返し使用においても高画質画像が安定し
て得られる電子写真方法、電子写真装置、並びに電子写
真装置用プロセスカートリッジが提供される。
【0027】即ち、上記課題は、本発明の(1)「導電
性支持体上に少なくとも一層もしくは複数層の感光層を
設けてなる電子写真感光体において、該電子写真感光体
の最表面に形成される層に少なくともフィラー、バイン
ダー樹脂及び酸価が10〜700(mgKOH/g)の
有機化合物を含有することを特徴とする電子写真感光
体」、(2)「前記酸価が10〜700(mgKOH/
g)の有機化合物が、分子構造中に少なくとも一つの親
水基を有することを特徴とする前記第(1)項に記載の
電子写真感光体」、(3)「前記酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物の親水基が、カルボキ
シル基であることを特徴とする前記第(2)項に記載の
電子写真感光体」、(4)「前記酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物の親水基が、少なくと
も分子構造の末端部に結合されてなることを特徴とする
前記第(2)項または第(3)項に記載の電子写真感光
体」、(5)「前記酸価が10〜700(mgKOH/
g)の有機化合物が、不飽和ポリカルボン酸タイプの湿
潤分散剤であることを特徴とする前記第(3)項または
第(4)項に記載の電子写真感光体」、(6)「前記酸
価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の分
子量が、300〜30000の範囲内であることを特徴
とする前記第(1)項乃至第(5)項の何れか1に記載
の電子写真感光体」、(7)「前記酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物の含有量をA、前記酸
価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物の酸
価をB、前記フィラーの含有量をCとしたときに、A、
B及びCとの間に下記の関係式を満たすことを特徴とす
る前記第(1)項乃至第(6)項の何れか1に記載の電
子写真感光体;
【0028】
【数2】0.1 ≦ (A×B/C) ≦ 20」、
(8)「前記フィラーが、少なくとも一種の無機顔料で
あることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項の
何れか1に記載の電子写真感光体」、(9)「前記無機
顔料が、少なくとも一種の金属酸化物であることを特徴
とする前記第(8)項に記載の電子写真感光体」、(1
0)「前記金属酸化物が、1010Ω・cm以上の比抵
抗を有することを特徴とする前記第(9)項に記載の電
子写真感光体」、(11)「前記金属酸化物の等電点に
おけるpHが、5以上を示すことを特徴とする前記第
(9)項または第(10)項に記載の電子写真感光
体」、(12)「前記フィラーが、少なくとも一種の表
面処理剤で表面処理を施していることを特徴とする前記
第(8)項乃至第(11)項の何れか1に記載の電子写
真感光体」、(13)「前記表面処理剤が、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤の何
れかから選択される少なくとも一種であることを特徴と
する前記第(12)項に記載の電子写真感光体」、(1
4)「前記表面処理剤の処理量が、フィラーに対して2
重量%〜30重量%であることを特徴とする前記第(1
2)項または第(13)項に記載の電子写真感光体」、
(15)「前記フィラーの平均一次粒径が、0.01μ
m〜0.9μmの範囲内であることを特徴とする前記第
(1)項乃至第(14)項の何れか1に記載の電子写真
感光体」、(16)「前記フィラーの含有量が、該感光
体の最表面に形成される層に含有される全固形分量に対
し、0.1重量%〜50重量%の範囲内であることを特
徴とする前記第(1)項乃至第(15)項の何れか1に
記載の電子写真感光体」、(17)「前記バインダー樹
脂が、ポリカーボネート、ポリアリレートより選択され
る少なくとも一種を含有していることを特徴とする前記
第(1)項乃至第(16)項の何れか1に記載の電子写
真感光体」、(18)「前記バインダー樹脂が、高分子
電荷輸送物質であることを特徴とする前記第(1)項乃
至第(16)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、
(19)「前記電子写真感光体の感光層上に、さらに最
表面層として保護層を形成した感光体において、該保護
層に少なくとも一種の電荷輸送物質を含有することを特
徴とする前記第(1)項乃至第(18)項の何れか1に
記載の電子写真感光体」、(20)「前記保護層に含有
される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルが、それよ
りも導電性支持体側に形成される感光層に含有される電
荷輸送物質のイオン化ポテンシャルを超えないことを特
徴とする前記第(19)項に記載の電子写真感光体」、
(21)「前記感光体の最表面を形成する層に、酸化防
止剤を含有することを特徴とする前記第(1)項乃至第
(20)項の何れか1に記載の電子写真感光体」、(2
2)「前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノール構造と
ヒンダードアミン構造の両構造を有する化合物であるこ
とを特徴とする前記第(21)項に記載の電子写真感光
体」、(23)「前記ヒンダードフェノール構造とヒン
ダードアミン構造の両構造を有する化合物が、下記構造
式で表わされる化合物であることを特徴とする前記第
(22)項に記載の電子写真感光体;
【0029】
【化2】 」、(24)「前記酸価防止剤の含有量が、前記フィラ
ーに対して0.1重量%〜20重量%の範囲内であり、
かつ前記酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機
化合物のフィラーに対する含有量よりも多いことを特徴
とする前記第(21)項乃至第(23)項の何れか1に
記載の電子写真感光体」により達成される。
【0030】また、上記課題は、本発明の(25)「前
記第(1)項乃至第(24)項の何れか1に記載された
電子写真感光体の最表面層を形成するための塗工液にお
いて、使用される有機溶剤が少なくとも2種の混合溶剤
であることを特徴とする電子写真感光体の最表面層形成
用塗工液」、(26)「前記塗工液の分散過程におい
て、分散手段としてボールミルを使用することを特徴と
する前記第(25)項に記載の電子写真感光体の最表面
層形成用塗工液」、(27)「前記分散過程において使
用されるメディアの材質が、アルミナであることを特徴
とする前記第(26)項に記載の電子写真感光体の最表
面層形成用塗工液」により達成される。
【0031】また、上記課題は、本発明の(28)「前
記感光体の最表面に形成される層が、前記第(25)項
乃至第(27)項の何れか1に記載の最表面層形成用塗
工液を用いてスプレー塗工によって形成されたものであ
ることを特徴とする前記第(1)項乃至第(24)項の
何れか1に記載の電子写真感光体」、(29)「前記感
光体の最表面に形成される層が、前記最表面層形成用塗
工液のスプレー噴霧を少なくとも2回以上重ねて行なう
ことによって形成されたものであることを特徴とする前
記第(28)項に記載の電子写真感光体」により達成さ
れる。
【0032】また、上記課題は、本発明の(30)「電
子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露光、現像、転
写が繰り返し行なわれる電子写真方法において、該電子
写真感光体として前記第(1)項乃至第(24)項、第
(28)項、第(29)項の何れか1に記載の電子写真
感光体が用いられることを特徴とする電子写真方法」、
(31)「電子写真感光体に、少なくとも帯電、画像露
光、現像、転写を繰り返し行ない、かつ画像露光の際に
はLDあるいはLED等によって感光体上に静電潜像の
書き込みが行なわれる、所謂デジタル方式の電子写真方
法において、該電子写真感光体として前記第(1)項乃
至第(24)項、第(28)項、第(29)項の何れか
1に記載の電子写真感光体が用いられることを特徴とす
る電子写真方法」により達成される。
【0033】また、上記課題は、本発明の(32)「少
なくとも帯電手段、画像露光手段、現像手段、転写手段
および電子写真感光体を具備してなる電子写真装置であ
って、該電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(2
4)項、第(28)項、第(29)項の何れか1に記載
の電子写真感光体であることを特徴とする電子写真装
置」、(33)「少なくとも帯電手段、画像露光手段、
現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備し、該
画像露光手段にLDあるいはLED等を使用することに
よって該電子写真感光体上に静電潜像の書き込みが行な
われる、所謂デジタル方式の電子写真装置であって、該
電子写真感光体が前記第(1)項乃至第(24)項、第
(28)項、第(29)項の何れか1に記載の電子写真
感光体であることを特徴とする電子写真装置」、(3
4)「前記感光体を具備してなる前記第(32)項また
は第(33)項に記載の電子写真装置において、該電子
写真装置の帯電手段としてローラー状の帯電部材を用い
ることを特徴とする前記第(32)項または第(33)
項に記載の電子写真装置」、(35)「前記ローラー状
の帯電部材を帯電手段として用いた電子写真装置におい
て、該帯電部材と感光体とが画像形成領域において非接
触であることを特徴とする前記第(34)項に記載の電
子写真装置」、(36)「前記ローラー状の帯電部材を
帯電手段として用いた電子写真装置において、直流成分
に交流成分を重畳し感光体に帯電を与えることを特徴と
する前記第(34)項または第(35)項に記載の電子
写真装置」、(37)「前記電子写真装置において、該
感光体表面に潤滑性物質を付着させる手段を有すること
を特徴とする前記第(32)項乃至第(36)項の何れ
か1に記載の電子写真装置」、(38)「前記電子写真
装置において、感光体上に形成された静電潜像を現像す
る際に用いられるトナーに、少なくとも一種の潤滑性物
質が含有されたトナーを用いて現像することにより、感
光体表面に該潤滑性物質を付着させることを特徴とする
前記第(37)項に記載の電子写真装置」、(39)
「前記電子写真装置において、潤滑性物質を外部より感
光体表面に接触させることによって、感光体表面に該潤
滑性物質を付着させることを特徴とする前記第(37)
項に記載の電子写真装置」、(40)「前記電子写真装
置において、少なくとも一種の潤滑性物質がステアリン
酸亜鉛もしくはフッ素含有化合物であることを特徴とす
る前記第(37)項乃至第(39)項の何れか1に記載
の電子写真装置」、(41)「前記電子写真装置が、感
光体上に形成された静電潜像にトナーを現像した後、そ
れらを直接紙に転写する前に、中間転写体もしくは中間
転写ベルト上にトナー像を形成した後に紙に転写するこ
とによって、該電子写真感光体と紙とが直接接触しない
ことを特徴とする前記第(32)項乃至第(40)項の
何れか1に記載の電子写真装置」、(42)「前記電子
写真装置が、少なくともシアン、マゼンタ、イエロー、
ブラックの各色のトナーを保持する現像部に対応した複
数の電子写真感光体を具備し、並列処理によるフルカラ
ー印刷が可能な、いわゆるタンデム方式による電子写真
装置であることを特徴とする前記第(32)項乃至第
(41)項の何れか1に記載の電子写真装置」により達
成される。
【0034】さらにまた、上記課題は、本発明の(4
3)「少なくとも電子写真感光体を具備してなる電子写
真装置用プロセスカートリッジにおいて、該電子写真感
光体が前記第(1)項乃至第(24)項、第(28)
項、第(29)項の何れか1に記載の電子写真感光体で
あることを特徴とする電子写真装置用プロセスカートリ
ッジ」、(44)「前記プロセスカートリッジを備えた
電子写真装置であって、かつ前記第(34)項乃至第
(42)項の何れか1に記載の少なくとも一つの手段を
備えていることを特徴とする前記第(43)項に記載の
電子写真装置用プロセスカートリッジ」により達成され
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。先に指摘したように、電子写真感光体の最表面を
形成する層にフィラーが含有された高耐久性を有する電
子写真感光体は、副作用として残留電位上昇、画像ボケ
の発生、解像度の低下等、画質への影響が避けられず、
高耐久化と高画質化を両立させることは困難とされてき
た。これは、画像ボケの発生を抑制するには最表面層の
抵抗が高い方が、残留電位上昇を抑制するには抵抗が低
い方が適していることから、双方でトレードオフの関係
になっていることが問題の解決を困難にしている。
【0036】しかし、本発明によって、耐摩耗性の向上
と同時に、残留電位上昇の抑制を実現し、さらにフィラ
ー分散性の向上を実現できたことにより、高耐久化及び
高画質化を両立することが可能となった。前述のとお
り、耐摩耗性の向上を目的として感光体の最表面層にフ
ィラーを含有させた場合に顕著に見られる残留電位上昇
は、主にフィラー表面に有する極性基やフィラーの抵抗
が影響している。本発明における、酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物の添加によって抵抗が
低減されたことがその一因として挙げられるが、上記酸
価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が、
特に親水基(カルボキシル基等)を有する湿潤分散剤で
あることによって、その効果を飛躍的に高めることが可
能となる。
【0037】すなわち、本発明における酸価を有する有
機化合物の添加は、フィラーの添加によって著しく上昇
した残留電位の低減に効果を示すものであり、フィラー
が含有されない系においては何ら効果は見られない。特
に、ポリカルボン酸の使用により非常に高い効果が認め
られる。この発現機構は、ポリカルボン酸がフィラーの
表面に吸着することによって高い効果が得られていると
考えられ、それは分散性の向上に対しても相乗効果が得
られるものである。ポリカルボン酸化合物は、一般的な
有機酸に比べてこれらの効果が極めて高く、特に有効か
つ有用である。低抵抗(導電性)フィラーあるいはより
酸性を示すフィラーを用いた場合には、画像ボケの影響
が顕著に増加するが、残留電位上昇の影響が少ないこと
から、従来はこのようなフィラーが主に用いられてお
り、それによって画像ボケに対し大きな課題を残してい
た。これに対して本発明においては、比較的比抵抗が高
く、またより塩基性を示すフィラーを用いることによっ
て画像ボケの影響を抑制し、それによって生じた残留電
位の上昇をこれらのポリカルボン酸化合物の添加によっ
て低減できたことにより、残留電位が低く画像ボケも発
生しにくい感光体が得られたことも重要な効果の一つと
なっている。これらのことから、本発明においては、フ
ィラーとポリカルボン酸との組合せにおいて初めて効果
が発揮され、フィラーの添加によって引き起こされる残
留電位上昇及び画像ボケの発生を抑制し、かつフィラー
の添加による画質低下を分散性向上によって抑制できる
ものであり、これらの効果は非常に高く、また多岐に渡
っており、高耐久性と高画質化が両立できる。
【0038】フィラーを含有する最表面層を形成する上
で、耐摩耗性を向上させ、画像ボケを抑制させ、かつ良
好な塗膜品質を得るためには、フィラーの中でも金属酸
化物、特に絶縁性の高い金属酸化物を用いることが好ま
しいが、これらの金属酸化物は表面に極性基を有するこ
とから残留電位上昇の影響が大きかった。従って、従来
は導電性の金属酸化物を用いて、それによって引き起こ
される画像ボケに対してはドラムヒーター等に頼らざる
を得なかった。しかし、本発明における酸価が10〜7
00(mgKOH/g)の有機化合物、特にその中でも
分子構造中に親水基(カルボキシル基等)を含有する湿
潤分散剤は、親水性の金属酸化物に対して親和性を高め
ることが可能であり、特に電荷トラップサイトであるフ
ィラー表面の極性基にこれらが吸着されることによっ
て、効率的に、また飛躍的に残留電位の低減を実現する
ことが可能となる。
【0039】これらの方法によって低減された残留電位
は、長期の繰り返し使用後においてもその上昇が著しく
抑制されており、高耐久化に対して非常に有効である。
また、残留電位の低減化、すなわち明部電位の低減化に
よって暗部電位を低く設定することが可能となることに
より、電界強度の影響が軽減され異常画像の発生が抑制
されることにより、高耐久化に対してはより有効とな
る。さらに、オゾンやNOxによる画像ボケの抑制等を
目的として添加される酸化防止剤等の添加剤は、残留電
位上昇の影響が避けられなかったが、本構成によって残
留電位の影響が大幅に抑制されたことにより、画像ボケ
等の対策に対しても余裕度が向上し、さらなる高耐久化
に対する設計が可能となる。
【0040】前記酸価が10〜700(mgKOH/
g)の有機化合物の添加は、フィラーへの吸着性を有す
るが故にフィラーの分散性を向上させる効果をも併せ持
っている。フィラーの凝集は、有機溶媒やバインダー樹
脂等との親和性が低い親水性の無機フィラー、特に金属
酸化物の方が起こり易いが、耐摩耗性や光散乱性あるい
は塗膜品質の点から金属酸化物の方が有利である場合が
多い。そこで、本発明において見出された酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物、特に親水基
(カルボキシル基等)を分子構造中に有する湿潤分散剤
を添加することによって、これらの無機フィラーと有機
溶剤やバインダー樹脂等との親和性を高めることが可能
となり、結果的にフィラーの分散性を大幅に高める効果
を有する。
【0041】フィラーの分散性を向上させるためには、
フィラーへの濡れ性を向上させ、さらにその安定性を向
上させることが重要である。本発明における酸価が10
〜700(mgKOH/g)の有機化合物、その中でも
親水基(カルボキシル基等)を有する湿潤分散剤を添加
することによって、この親水基がフィラー表面に有する
極性基に吸着し、かつ前記湿潤分散剤の疎水基の部分が
バインダー樹脂と親和性を保持することにより、フィラ
ーへの濡れ性が向上し分散性の著しい向上が実現され
る。また、それによってフィラーの凝集だけでなく沈降
を抑制する効果も得られ、塗工分散液の長寿命化が実現
される。
【0042】さらに、フィラーの中でも酸性よりも塩基
性を示すフィラーを用いた場合には、酸価が10〜70
0(mgKOH/g)の有機化合物との吸着性がさらに
高まり、分散安定化が著しく向上する傾向が見られる。
特に、本発明の構成では、等電点(ゼータ電位がゼロを
示す)におけるpHが5以上を示す金属酸化物におい
て、分散性に対し著しい効果が見られ、また残留電位の
低減効果に対してもより高くなる傾向があることから、
これらの金属酸化物と組み合わせて使用することがより
好ましい。加えて、酸性フィラーよりも塩基性フィラー
の方が、画像ボケに対して有利であることから、本発明
による酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化
合物とより塩基性を示すフィラーとの組合せによって、
フィラー分散性及び残留電位に対して効果が高まるだけ
でなく、画像ボケに対しても抑制効果が高まり、高画質
化に対して相乗効果が得られることになる。
【0043】フィラーの分散性が向上したことによっ
て、フィラーを含有する最表面層に注入された電荷が表
面まで到達しやすくなるため、トナーにより形成される
ドット再現性がより忠実となり高解像度の画像を得るこ
とが可能となる。一方、フィラーが極度な凝集状態にあ
る場合には、電荷はフィラーによって進行が妨げられ、
電荷移動の直進性が低下することによって解像度が低下
することにつながる。
【0044】さらに、フィラーの分散性の向上によっ
て、書き込み光の散乱を防止することが可能であり、最
表面層の光透過性の向上やそれに伴う画像濃度ムラの抑
制等、高画質化に与える効果が多い上に、耐摩耗性の向
上や偏摩耗の抑制、塗膜欠陥の抑制等の多くの利点を有
する。また、光透過性が高いことにより、書き込み光が
短波長の場合により有利であり、さらに可視光レーザー
等の使用によってより一層の高画質化が実現できる可能
性を持っている。加えて、フィラーが経時で凝集するこ
となく、高安定かつ長寿命な最表面層形成用塗工液を得
ることができ、それを用いることにより、高耐久化と高
画質化を両立する電子写真感光体を長期に渡って安定に
製造することが可能となる。
【0045】これより、本発明に用いられる電子写真感
光体を図面に沿って説明する。図1は、本発明の電子写
真感光体を表わす断面図であり、導電性支持体(31)
上に、電荷発生物質および電荷輸送物質を主成分とする
感光層(33)が設けられている。最表面を形成する感
光層には電荷発生物質及び電荷輸送物質の他に少なくと
もフィラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物が含有されてなる。フ
ィラーは感光層全体に均一に含有されていても、最表面
近傍にその濃度を高めた濃度勾配を持たせてもよい。
【0046】図2は、導電性支持体(31)上に、電荷
発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸
送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層され
た構成をとっている。最表面を形成する電荷輸送層に
は、電荷輸送物質の他に少なくともフィラー、バインダ
ー樹脂及び酸価が10〜700(mgKOH/g)の有
機化合物が含有されてなる。フィラーは電荷輸送層全体
に均一に含有されていても、最表面近傍にその濃度を高
めた濃度勾配を持たせてもよい。
【0047】図3は、導電性支持体(31)上に、電荷
発生物質および電荷輸送物質を主成分とする感光層(3
3)が設けられ、更に感光層(33)上に保護層(3
9)が設けられてなる。この場合、保護層(39)には
少なくともフィラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物が含有されてな
る。
【0048】図4は、導電性支持体(31)上に、電荷
発生物質を主成分とする電荷発生層(35)と、電荷輸
送物質を主成分とする電荷輸送層(37)とが積層され
た構成をとっており、更に電荷輸送層(37)上に保護
層(39)が設けられてなる。この場合、保護層(3
9)には少なくともフィラー、バインダー樹脂及び酸価
が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が含有
されてなる。
【0049】図5は、導電性支持体(31)上に、電荷
輸送物質を主成分とする電荷輸送層(37)と、電荷発
生物質を主成分とする電荷発生層(35)とが積層され
た構成をとっており、更に電荷発生層(35)上に保護
層(39)が設けられてなる。この場合、保護層(3
9)には少なくともフィラー、バインダー樹脂及び酸価
が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物が含有
されてなる。
【0050】導電性支持体(31)としては、体積抵抗
1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、
白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属
酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム
状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、
あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケ
ル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引
き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩な
どの表面処理した管などを使用することができる。ま
た、特開昭52−36016号公報に開示されたエンド
レスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導
電性支持体(31)として用いることができる。
【0051】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
なバインダー樹脂に分散して塗工したものについても、
本発明の導電性支持体(31)として用いることができ
る。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセ
チレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニ
クロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸
化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられ
る。また、同時に用いられるバインダー樹脂には、ポリ
スチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸
共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカ
ーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂
などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙
げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体
とバインダー樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエ
ンなどに分散して塗布することにより設けることができ
る。
【0052】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、ポリテト
ラフロロエチレン系フッ素樹脂などの素材に前記導電性
粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設
けてなるものも、本発明の導電性支持体(31)として
良好に用いることができる。
【0053】次に感光層について説明する。感光層は単
層であっても複数の感光層が積層されていてもよいが、
先ず電荷発生層(35)と電荷輸送層(37)で構成さ
れる積層の場合から説明する。
【0054】電荷発生層(35)は、電荷発生物質を主
成分とする層である。電荷発生層(35)には、公知の
電荷発生物質を用いることが可能であり、その代表とし
て、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔
料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料、チタニルフタロシア
ニン、銅フタロシアニン、バナジルフタロシアニン、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニ
ン等のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノ
ン系顔料、インジゴ顔料、ピロロピロール顔料、アント
ラキノン顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環
化合物、スクエアリウム顔料、等が挙げられ有効に用い
られる。これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合
してもよい。
【0055】必要に応じて電荷発生層(35)に用いら
れるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シ
リコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステ
ル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリア
ミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が
挙げられる。バインダー樹脂の量は、電荷発生物質10
0重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜3
00重量部が適当である。
【0056】電荷発生層(35)は、電荷発生物質を必
要に応じてバインダー樹脂とともに適当な溶剤中にボー
ルミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用い
て分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより形成される。バインダー樹脂の添加は、分散前
あるいは分散後どちらでも構わない。
【0057】ここで用いられる溶剤としては、イソプロ
パノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、
トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特
にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良
好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合
して用いてもよい。
【0058】電荷発生層(35)の形成用塗工液は、電
荷発生物質、溶媒及びバインダー樹脂を主成分とする
が、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコ
ーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
【0059】塗工液の塗工法としては、浸漬塗工法、ス
プレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナー
コート、リングコート等の方法を用いることができる。
電荷発生層(35)の膜厚は、0.01〜5μm程度が
適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0060】電荷輸送層(37)は、電荷輸送物質およ
びバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、こ
れを塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要
により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、
酸化防止剤、滑剤等を添加することも可能であり有用で
ある。
【0061】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0062】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチル
ベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙
げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以
上混合して用いられる。
【0063】バインダー樹脂としては、ポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネー
ト、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリ
ビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニル
トルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウ
レタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可
塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも
特にポリカーボネート、ポリアリレートが有効に用いら
れる。
【0064】電荷輸送物質の含有量は、バインダー樹脂
100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは
40〜150重量部が適当である。また、電荷輸送層の
膜厚は解像度や応答性の点から、25μm以下とするこ
とが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム
(特に帯電電位等)により異なるが、少なくとも5μm
以上が好ましい。
【0065】ここで用いられる溶剤としては、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、
モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノ
ン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。
これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても
良い。
【0066】次に感光層が単層構成(33)の場合につ
いて述べる。感光層は、前述の電荷発生物質、電荷輸送
物質、バインダー樹脂等を適当な溶剤に溶解ないし分散
し、これを導電性支持体上に塗工及び乾燥することによ
って形成される。電荷発生物質及び電荷輸送物質は、前
述の電荷発生層(35)及び電荷輸送層(37)で挙げ
た材料を使用することが可能である。また、バインダー
樹脂としては、前述の電荷輸送層(37)で挙げた樹脂
の他に、電荷発生層(35)で挙げた樹脂を混合して用
いてもよい。また、バインダー樹脂として高分子電荷輸
送物質も良好に使用できる。バインダー樹脂100重量
部に対する電荷発生物質の量は、5〜40重量部が好ま
しく、さらに好ましくは10〜30重量部であり、電荷
輸送物質の量は0〜190重量部が好ましく、さらに好
ましくは50〜150重量部である。感光層は、電荷発
生物質、バインダー樹脂を電荷輸送物質とともにテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタン、シクロヘ
キサノン、トルエン、メチルエチルケトン、アセトン等
の溶剤に溶解ないし分散し、これを浸漬塗工法やスプレ
ーコート、ビードコート、リングコートなどで塗工して
形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤、
酸化防止剤、滑剤等の各種添加剤を添加することもでき
る。感光層(33)の膜厚は5〜25μm程度が適当で
ある。
【0067】前述の電荷輸送層もしくは感光層が感光体
の最表面を形成する場合には、電荷輸送層もしくは感光
層にさらにフィラー及び酸価が10〜700(mgKO
H/g)の有機化合物が含有されてなる。また、前述の
電荷輸送層もしくは感光層の上に最表面層として新たに
保護層を設ける場合には、保護層に少なくともフィラ
ー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700(mgKO
H/g)の有機化合物が含有されてなる。
【0068】感光体の耐摩耗性を向上させる目的で添加
されるフィラー材料には、有機性フィラー及び無機性フ
ィラーがある。有機性フィラー材料としては、ポリテト
ラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末、シリコー
ン樹脂粉末、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機性フ
ィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジ
ウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化
チタン、アルミナ、ジルコニア、酸化インジウム、酸化
アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモ
ンをドープした酸化錫、錫をドープした酸化インジウム
等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化
アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒
化硼素などの無機材料が挙げられる。これらのフィラー
の中で、フィラー硬度や光散乱性の点から無機材料、特
に金属酸化物を用いることが耐摩耗性あるいは高画質化
に対し有利である。さらに、金属酸化物の使用は塗膜品
質に対しても有利である。塗膜品質は画像品質や耐摩耗
性に大きく影響するため、良好な塗膜を得ることは高耐
久化及び高画質化に対し有効となる。
【0069】さらに、画像ボケが発生しにくいフィラー
としては、電気絶縁性が高いフィラーの方が好ましい。
導電性フィラーを感光体の最表面に含有させた場合に
は、表面の抵抗が低下することによって電荷の横移動が
起こり、画像ボケが発生しやすくなる。特に、フィラー
の比抵抗が1010Ω・cm以上であることが解像度の
点から好ましく、このようなフィラーとしては、アルミ
ナ、ジルコニア、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。
一方、フィラーの比抵抗が1010Ω・cm以下の導電
性フィラーもしくは比抵抗が比較的低いフィラーとして
は、酸化錫、酸化亜鉛、酸価インジウム、酸価アンチモ
ン、アンチモンをドープした酸化錫、錫をドープした酸
化インジウム等が挙げられ、本発明においては画像ボケ
が発生しやすくなることから、好ましくない傾向にあ
る。但し、フィラーが同じ材質であっても、フィラーの
比抵抗は異なる場合があるため、フィラーの種類によっ
て完全に分類されるものではなく、フィラーの比抵抗に
よって決めることが重要である。また、これらのフィラ
ーを2種以上混合して用いることも可能であり、それに
よって表面の抵抗を制御することも可能である。
【0070】また、本発明の構成要件の一つであるフィ
ラーのpHも解像度やフィラーの分散性に大きく影響す
る。その理由の一つとしては、フィラー、特に金属酸化
物は製造時に塩酸等が残存することが考えられる。その
残存量が多い場合には、画像ボケの発生は避けられず、
またそれは残存量によってはフィラーの分散性にも影響
を及ぼす場合がある。
【0071】もう一つの理由としては、フィラー、特に
金属酸化物の表面における帯電性の違いによるものであ
る。通常、液体中に分散している粒子はプラスあるいは
マイナスに帯電しており、それを電気的に中性に保とう
として反対の電荷を持つイオンが集まり、そこで電気二
重層が形成されることによって粒子の分散状態は安定化
している。粒子から遠ざかるに従いその電位(ゼータ電
位)は徐々に低くなり、粒子から十分に離れて電気的に
中性である領域の電位はゼロとなる。従って、ゼータ電
位の絶対値の増加によって粒子の反発力が高くなること
によって安定性は高くなり、ゼロに近づくに従い凝集し
やすく不安定になる。一方、系のpH値によってゼータ
電位は大きく変動し、あるpH値において電位はゼロと
なり等電点を持つことになる。従って、系の等電点から
できるだけ遠ざけて、ゼータ電位の絶対値を高めること
によって分散系の安定化が図られることになる。
【0072】本発明の構成においては、フィラーとして
は前述の等電点におけるpHが、少なくとも5以上を示
すものが画像ボケ抑制の点から好ましく、より塩基性を
示すフィラーであるほどその効果が高くなる傾向がある
ことが確認された。等電点におけるpHが高い塩基性を
示すフィラーは、系が酸性であった方がゼータ電位はよ
り高くなることにより、分散性及びその安定性は向上す
ることになる。従って、本発明においては、等電点にお
けるpHが5以上を示すフィラーと酸価が10〜700
(mgKOH/g)の湿潤分散剤とを組み合わせること
により、フィラーへの吸着力がより一層高まり、分散性
及びその安定性を著しく高める効果があったと考えられ
る。
【0073】つまり、本発明によって見いだされた酸価
が10〜700(mgKOH/g)の有機化合物、特に
その中でも親水基(カルボキシル基等)を有する湿潤分
散剤は、前述のとおりフィラーに吸着してフィラーへの
濡れ性を向上させる効果を有するが、特に等電点におけ
るpHが5以上を示す塩基性の金属酸化物をフィラーと
して使用することによって、その安定性をより一層高め
ることが可能となった。さらに、塩基性フィラーの使用
は画像ボケに対して優位性を持っていることから、同時
に高画質化に対してもより一層高い効果を有することに
なる。
【0074】等電点におけるpHが5以上を示す金属酸
化物としては、前述のフィラーの中でも酸化チタン、ジ
ルコニア、アルミナ等が挙げられ、特に酸化チタン<ジ
ルコニア<アルミナの順に塩基性が高くなることから、
アルミナを用いることがより好ましい。さらに、光透過
性が高く、熱安定性が高い上に、耐摩耗性に優れた六方
細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩
耗性の向上、塗膜品質、光透過性等の点から特に有効に
使用することができる。また、本発明においては、フィ
ラーを2種以上混合して使用することが可能である。そ
の場合、等電点におけるpHが5以上のフィラーを単独
で使用することはもちろん、pHが5以下のフィラーと
pHが5以上のフィラーとを2種類以上を混合して用い
ることも可能である。なお、pHが5以下の酸性を示す
フィラーとしてはシリカ等が挙げられる。
【0075】さらに、これらのフィラーは少なくとも一
種の表面処理剤で表面処理を施すことが可能であり、そ
うすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィ
ラーの分散性の低下は、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥
の発生、さらには耐摩耗性の低下及び偏摩耗の増加をも
引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大
きな問題に発展する可能性がある。
【0076】表面処理剤としては、従来用いられている
表面処理剤すべてを使用することができるが、前述のフ
ィラーの比抵抗や等電点におけるpHを維持できる表面
処理剤が好ましい。前述のフィラーの等電点におけるp
Hは、これらの表面処理によって変化させることができ
る。すなわち、酸性処理剤で処理したフィラーは酸性側
に、塩基性処理剤で処理したフィラーは塩基性側に等電
点が移動するため、本発明の構成においては、表面処理
剤についてもより塩基性を示す処理剤を用いることが、
フィラーの分散性や画像ボケ抑制の点から好ましい。例
えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カ
ップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等
は特に有効に使用することができる。また、Al23
TiO2、ZrO2、シリコーン、ステアリン酸アルミニ
ウム等、あるいはそれらの混合処理もフィラーの分散性
及び画像ボケの点から好ましく用いられる。シランカッ
プリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなる
が、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合
処理を施すことによりその影響を軽減できる場合があ
る。また、フィラーの等電点におけるpHが5以下の酸
性を示しても、表面処理剤に上記の塩基性処理剤を使用
することによって、本発明における効果を得ることも可
能である。
【0077】表面処理量については、用いるフィラーの
平均一次粒径によって異なるが、2重量%〜30重量%
が適しており、3重量%〜20重量%がより好ましい。
表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が
得られず、また多すぎると残留電位上昇の影響が増加す
る場合がある。
【0078】フィラーの平均一次粒径は、0.01〜
0.9μmであることが光透過性や耐摩耗性の点から好
ましく、0.1〜0.5μmがより好ましい。フィラー
の平均一次粒径がこれよりも小さい場合には、フィラー
の凝集や耐摩耗性の低下等が起こりやすくなり、これよ
りも大きい場合にはフィラーの沈降性が促進されたり、
画質劣化あるいは異常画像が発生したりする場合もあ
る。
【0079】また、フィラーの添加量としては、フィラ
ーが含有される層に含まれる全固形分に対して、0.1
重量%〜50重量%が好ましく、より好ましくは5重量
%〜30重量%である。フィラーの添加量がこれよりも
少ないと、要求される耐摩耗性が得られず、またフィラ
ーの添加量がこれよりも多い場合には、残留電位の増
加、画像ボケの発生、解像度の低下等、画質劣化の影響
が増大する傾向がある。さらに、フィラーの含有量が多
すぎる場合には、フィラー間の相互作用が増大し分散性
を悪化させる傾向が見られたり、フィラーが脱離しやす
くなって耐摩耗性が逆に低下したりする場合がある。
【0080】これらのフィラーが含有されることによっ
て、高耐久化が実現されるが、残留電位上昇の影響が増
加することになる。この残留電位上昇を抑制するために
は、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合
物を添加させることによって実現される。酸価とは、樹
脂1g中に含まれるカルボキシル基を中和するのに必要
な水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。なお、
本発明における酸価が10〜700(mgKOH/g)
の有機化合物は、不揮発分100%のものであっても、
予め有機溶剤等に溶解されたものであってもよい。
【0081】これらの酸価が10〜700(mgKOH
/g)の有機化合物としては、一般に知られている有機
脂肪酸や高酸価樹脂あるいは共重合体等、酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物であればすべて
使用することができる。例えば、ラウリン酸、ステアリ
ン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、アジピン酸、オレイン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、サリチル酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等の
飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸等の如
何なるカルボン酸をも使用することが可能である。しか
し、この場合、残留電位低減効果は認められるものの、
場合によって分散安定性が不十分であったり、画像ボケ
が発生しやすくなったりする場合が見られることがあ
る。一方、飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル、末
端カルボン酸不飽和ポリエステル、またはアクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アク
リル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−無水マレイン酸等、飽和もしくは不飽和の炭
化水素を基本骨格とし少なくとも一つ以上のカルボキシ
ル基が結合されたポリマーやオリゴマーあるいはコポリ
マーはすべて含まれ、残留電位上昇を抑制する効果だけ
でなく、フィラーの分散性を向上させる効果が高いこと
から、有効に用いられる。
【0082】つまり、残留電位を低減させ、同時にフィ
ラーの分散性及びその安定性をより高めるためには、疎
水基である炭化水素に親水基を一つ以上含む酸価が10
〜700(mgKOH/g)の有機化合物、特にこれら
の湿潤分散剤の添加が特に有効である。残留電位の低減
は、これらの化合物が酸価を有することと、フィラーへ
の吸着性にあると考えられる。フィラーの添加による残
留電位の上昇は、フィラー表面の極性基が電荷トラップ
サイトになることによって起こると考えられ、このフィ
ラーの極性基にこれらの湿潤分散剤の親水基(カルボキ
シル基等)が吸着しやすく、それによって残留電位の低
減効果が高まるものと考えられる。一方、フィラーの分
散性を向上させるためには、フィラーとバインダー樹脂
との双方に親和性を持たせて濡れ性を高め、かつフィラ
ー間の相互作用を減少させ安定性を高めることが必要で
ある。上記の構造を有する湿潤分散剤は、一つの分子中
に親水基と疎水基を併せ持つ界面活性剤的な構造、つま
り、親水基がフィラー表面の電荷トラップサイトでもあ
る極性基に吸着し、疎水基がバインダー樹脂等と親和性
を保持されることにより、フィラーへの濡れ性が向上す
る。さらに、フィラーに吸着した上記の分子は、電気的
反発あるいは立体障害を生じさせ、フィラー同士の接触
を防止することにより、分散の安定化が向上することに
なる。このように、フィラーへの濡れ性を向上させる湿
潤剤の効果と、フィラーの安定性を向上させる分散剤の
効果のどちらかが欠けると、分散性が不十分であった
り、分散効率が低下したり、分散してもすぐに凝集を引
き起こしたりすることになるため、双方の効果を併せ持
つことが分散性向上に対し特に有効となる。上記構造を
有することによって、フィラーへの濡れ性と分散安定性
の双方の効果を得ることが可能なこれらの添加剤を、湿
潤分散剤として定義する。これらの湿潤分散剤は、フィ
ラーへの吸着性が優れている上、立体障害が得られやす
い構造であることから分散安定性にも優れており、特に
有効に用いることができる。
【0083】一般に親水基としては、−SONa、−
COOK、−COONa、−COO−、−COOH、−
OH、−O−、−CHCHO−、第4級アンモニウ
ム塩基等が挙げられるが、本発明においては湿潤分散剤
の親水基が特にカルボキシル基−COOHであることに
よって、高い分散性を有する上に感光体の静電特性や画
質に悪影響を与えないことから特に有効に用いられる。
カルボキシル基等の親水基は、炭化水素等の疎水性を有
する有機分子構造中に一つ有することによって十分に効
果が得られるが、その中でも多数のカルボキシル基を有
するポリカルボン酸はアニオン性が高くなることによっ
てフィラーの分散安定性が増すとともに、分散効率が著
しく向上する傾向が見られる。また、ポリカルボン酸の
場合にはカルボキシル基同士で親和性が生ずることによ
って、フィラーの沈降を抑制する効果が得られる場合が
ある。さらに、カルボキシル基等の親水基は、少なくと
も分子の末端に有することによって、フィラーと吸着し
やすくなることから、本構成においてはより好ましい。
それらが分子の末端に結合されていることにより、フィ
ラーの沈降抑制効果が高まる場合も見られる。このよう
なポリカルボン酸タイプの湿潤分散剤としては、BYK
ケミー社の「BYK−P104」、あるいはそれと類似
の構造を有する化合物が挙げられ、特に好適に用いるこ
とができる。加えて、このように上記湿潤分散剤のフィ
ラーへの吸着性を高めることは、フィラーの分散性や残
留電位に与える効果だけでなく、耐摩耗性に対しても有
効である。それは、フィラーとバインダー樹脂とは前述
のとおり親和性が低いので接着力が小さく、フィラーが
脱離し易い傾向があった。上記湿潤分散剤の添加によっ
て、フィラーとバインダー樹脂との親和性を高めること
によって、フィラーの脱離を抑制することにつながり、
さらなる耐摩耗性の向上が実現されることになる。
【0084】前述の酸価が10〜700(mgKOH/
g)の有機化合物、特にそれらの湿潤分散剤の分子量と
しては、数平均分子量で300〜30000のオリゴマ
ーあるいはポリマーが好ましく、より好ましくは400
〜10000である。これよりも分子量が小さいとフィ
ラーに吸着した場合の立体障害が小さくなり、フィラー
間の相互作用が増大することにより分散性やその安定性
が低下する傾向がある。一方、これよりも分子量が大き
くなった場合には、湿潤性や吸着性が劣ってくる傾向が
あり、分子量が非常に大きい場合には一つのポリマーに
複数のフィラーが吸着することになり、それによって逆
に凝集を引き起こす傾向が見られる。
【0085】有機化合物の酸価としては、10〜700
mgKOH/gが好ましいが、より好ましくは30〜4
00mgKOH/gである。酸価が必要以上に高いと抵
抗が下がりすぎて画像ボケの影響が大きくなり、酸価が
低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位
の低減効果が不十分となる。酸価が10〜700mgK
OH/gの有機化合物の酸価は、その添加量とのバラン
スにより決めることが必要である。同じ添加量でも酸価
が高ければ残留電位低減効果が高いというわけではな
く、その効果はこれら酸価が10〜700mgKOH/
gの有機化合物のフィラーへの吸着性にも大きく関係し
ている。
【0086】これらの酸価が10〜700(mgKOH
/g)の有機化合物の含有量は、その酸価とフィラーの
含有量によって決められる。すなわち、前記酸価が10
〜700(mgKOH/g)の有機化合物の含有量をA
(g)、前記酸価が10〜700(mgKOH/g)の
有機化合物の酸価をB(mgKOH/g)、前記フィラ
ーの含有量をC(g)としたときに、A、B及びCとの
間に下記の関係式を満たすことが好ましいが、必要最小
量に設定することがより好ましい。
【0087】
【数3】0.1≦ (A×B/C) ≦ 20 の好ましい範囲としては、0.8≦(A×B/C)≦1
5、より好ましい範囲としては、1.5≦(A×B/
C)≦8である。添加量を必要以上に多くすると逆に分
散不良を引き起こしたり、画像ボケの影響が強く現れる
場合があり、添加量が少なすぎると分散不良や残留電位
低減効果が不十分となる場合がある。
【0088】保護層に含有されるバインダー樹脂には、
電荷輸送層37で用いられるバインダー樹脂をすべて使
用することが可能であるが、バインダー樹脂によっても
フィラー分散性が影響されるため、分散性に悪影響を与
えないことが重要である。前述の等電点が塩基性を示す
フィラーに対しては、酸性のバインダー樹脂を用いた方
が、また等電点が酸性を示すフィラーに対しては、塩基
性のバインダー樹脂を用いたほうがフィラーの分散性が
向上する傾向が見られる。さらに、同じフィラーが含有
されていてもバインダー樹脂によって耐摩耗性が大きく
影響される場合がある。このように、バインダー樹脂は
フィラー分散性、残留電位、耐摩耗性、解像度等に大き
な影響を及ぼす。
【0089】使用可能なバインダー樹脂の一例として
は、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、アクリル酸やメタクリル酸を用いた各種共重合
体、スチレンアクリル共重合体、ポリアリレート、ポリ
アクリレート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ABS樹
脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリエーテルスル
ホン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリメチルベンテ
ン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリス
ルホン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポ
リウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の
樹脂あるいは共重合体等が挙げられ、熱硬化性樹脂ある
いは光硬化性樹脂も好適に用いられる。これらのバイン
ダー樹脂の中でもポリカーボネート、ポリアリレートが
特に有効に使用することができる。また、バインダー樹
脂として高分子電荷輸送物質を用いることも可能であ
り、高耐久化及び高画質化に対し有効である。高分子電
荷輸送物質に関しては後に説明を加える。
【0090】保護層(39)には、さらに電荷輸送物質
を含有させることが可能であり有用である。保護層への
電荷輸送物質の添加によって保護層への電荷注入性及び
電荷輸送性が向上し、残留電位の上昇や感度劣化を抑制
することが可能となる。ここで用いられる電荷輸送物質
については、前述の電荷輸送層(37)で挙げた材料を
すべて使用することが可能であり有用である。その際、
保護層中に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシ
ャル(Ip)が、それよりも導電性支持体側に形成され
る感光層中に含有される電荷輸送物質の(Ip)と同じ
か、より小さくなるような構成にすることによって、保
護層への電荷注入性がさらに向上することにより、残留
電位上昇や感度劣化をさらに低減できる効果を有する。
なお、イオン化ポテンシャル(Ip)は、分光学的に求
める方法、電気化学的に求める方法等、種々の方法を用
いて測定することができる。
【0091】保護層には、前述のとおりバインダー樹脂
としての機能と電荷輸送物質としての機能を持った高分
子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電
荷輸送物質から構成される保護層は、耐摩耗性に優れ高
画質化に対しても有効である。本発明においては、高分
子電荷輸送物質は主としてバインダー樹脂として使用さ
れるが、前述の各種バインダー樹脂や低分子電荷輸送物
質を混合して用いることも可能である。高分子電荷輸送
物質としては、公知の材料が使用できるが、特に、トリ
アリールアミン構造を主鎖および/または側鎖に含むポ
リカーボネートが良好に用いられる。中でも、下記式
(I)〜(X)で表わされる高分子電荷輸送物質が良好
に用いられる。
【0092】
【化3】 [式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立して置換もしく
は無置換のアルキル基又はハロゲン原子、R4は水素原
子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R5、R 6は置
換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ
独立して0〜4の整数、k、jは組成(モル分率)を表
し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9の数を表し、nは
繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは
脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、または下記一般
式で表わされる2価基を表す。
【0093】
【化4】 (式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置
換のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1
〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、
−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−
CO−O−Z−O−CO−(Zは脂肪族の2価基を表
す)または、
【0094】
【化5】 (aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R
103、R104は置換または無置換のアルキル基又はアリー
ル基を表す)を表す。ここで、R101とR102、R10 3
104は、それぞれ同一でも異なってもよい。]
【0095】
【化6】 (式中、R7、R8は置換もしくは無置換のアリール基、
Ar1、Ar2、Ar3は同一又は異なるアリレン基を表
す。X、k、jおよびnは、一般式(I)の場合と同じ
である。)
【0096】
【化7】 (式中、R9、R10は置換もしくは無置換のアリール
基、Ar4、Ar5、Ar6は同一又は異なるアリレン基
を表す。X、k、jおよびnは、一般式(I)の場合と
同じである。)
【0097】
【化8】 (式中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール
基、Ar7、Ar8、Ar9は同一又は異なるアリレン基
を表し、pは1〜5の整数を表す。X、k、jおよびn
は、一般式(I)の場合と同じである。)
【0098】
【化9】 (式中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール
基、Ar10、Ar11、Ar 12は同一又は異なるアリレン
基、X1、X2は置換もしくは無置換のエチレン基、又は
置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、jお
よびnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0099】
【化10】 (式中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換
のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一
又は異なるアリレン基、Y1、Y2、Y3は単結合、置換
もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換の
シクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレン
エーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同
一であっても異なってもよい。X、k、jおよびnは、
一般式(I)の場合と同じである。)
【0100】
【化11】 (式中、R19、R20は水素原子、置換もしくは無置換の
アリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよ
い。Ar17、Ar18、Ar19は同一又は異なるアリレン
基を表す。X、k、jおよびnは、一般式(I)の場合
と同じである。)
【0101】
【化12】 (式中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar
20、Ar21、Ar22、Ar23は同一又は異なるアリレン
基を表す。X、k、jおよびnは、一般式(I)の場合
と同じである。)
【0102】
【化13】 (式中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換
のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar
28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、jおよ
びnは、一般式(I)の場合と同じである。)
【0103】
【化14】 (式中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール
基、Ar29、Ar30、Ar 31は同一又は異なるアリレン
基を表す。X、k、jおよびnは、一般式(I)の場合
と同じである。)
【0104】以下、これらトリアリールアミン構造を主
鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートの具体例の幾
つかを以下に示すが、本発明はこれら具体例に限定され
るものではない。
【0105】
【化15】
【0106】
【化16】
【0107】
【化17】
【0108】
【化18】
【0109】
【化19】
【0110】
【化20】
【0111】
【化21】
【0112】
【化22】
【0113】
【化23】
【0114】
【化24】
【0115】
【化25】
【0116】
【化26】
【0117】
【化27】
【0118】
【化28】
【0119】
【化29】
【0120】
【化30】
【0121】
【化31】
【0122】
【化32】
【0123】
【化33】
【0124】
【化34】
【0125】
【化35】
【0126】
【化36】
【0127】
【化37】
【0128】
【化38】
【0129】
【化39】
【0130】
【化40】
【0131】
【化41】
【0132】
【化42】
【0133】
【化43】
【0134】
【化44】
【0135】
【化45】
【0136】
【化46】
【0137】
【化47】
【0138】
【化48】
【0139】これら主鎖及び/又は側鎖にトリアリール
アミン構造を有している高分子電荷輸送物質は単重合
体、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合
体の形態で重合される。そして、これら高分子電荷輸送
物質はバインダー樹脂としての役割を持つことから被膜
形成能を有していることが必要である。そのため、分子
量は、GPCによる測定において、ポリスチレン換算分
子量Mwとして1万〜50万が適当で、好ましくは5万
〜40万である。
【0140】これら高分子電荷輸送物質は、特開平8−
269183号公報、特開平9−71642号公報、特
開平9−104746号公報、特開平9−272735
号公報、特開平11−29634号公報、特開平9−2
35367号公報、特開平9−87376号公報、特開
平9−110976号公報、特開平9−268226号
公報、特開平9−221544号公報、特開平9−22
7669号公報、特開平9−157378号公報、特開
平9−302084号公報、特開平9−302085号
公報、特開2000−26590号公報に開示されてい
る。
【0141】本発明における保護層の膜厚は、0.1〜
10μm程度が適当であり、好ましくは2〜6μmであ
る。膜厚が極度に薄い場合には十分な耐久性が得られな
い場合があり、膜厚が極度に厚い場合には残留電位上昇
の影響が増大したり、解像度が幾分低下したりする場合
がある。保護層(39)中には各種可塑剤やレベリング
剤、滑剤等を添加してもよく、それらを混合して添加し
てもよい。
【0142】さらに、本発明においては、感光体の最表
面に形成される層に酸化防止剤を含有することも可能で
あり有用である。本発明において含有される酸化防止剤
には、フェノール系化合物類、ヒンダードフェノール系
化合物類、ヒンダードアミン系化合物類、パラフェニレ
ンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、
有機リン化合物類、ベンゾフェノン類、サルシレート
類、ベンゾトリアゾール類、クエンチャー(金属錯塩
系)等、従来公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等の添加剤がすべて含まれる。これらの酸化防止剤の
中でも、長期間の繰り返し使用によるオゾンやNOx等
の活性ガスから感光体の劣化を抑制し、画像安定性を高
める上で効果が大きなものとしては、特にヒンダードフ
ェノール構造とヒンダードアミン構造の両構造を有する
化合物が有用であることが知られている。
【0143】ヒンダードフェノール構造とは、フェノー
ル性水酸基の両オルト位に嵩高い原子団が存在する構造
を示す。一方、ヒンダードアミン構造とは、アミノ窒素
原子近傍に嵩高い原子団が存在する構造を示し、芳香族
アミンや脂肪族アミン系物質もこれに該当するが、より
好ましくは2,2,6,6−テトラメチルピペリジン構
造を含んでいる化合物である。これらの両構造を有する
化合物の作用機構の詳細は明らかではないが、嵩高い原
子団が存在することにより立体障害が高められたことに
よって、アミノ窒素原子やフェノール性水酸基の熱振動
を抑制し、ラジカル状態の安定性が高められたことによ
って外部からの活性ガスの影響を食い止めることができ
たものと推定される。
【0144】ヒンダードフェノール構造とヒンダードア
ミン構造の両構造を有する化合物としては、種々のもの
が挙げられるが、中でも下記構造式で表わされる1−
[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメ
チルピリジンは特にオゾンやNOxガスによる解像度低
下に対し有効かつ有用である。特に、本発明において
は、感光体の最表面にフィラーが添加されているが、オ
ゾンあるいはNOxガス雰囲気下においては、これらの
活性ガス成分がフィラーに吸着しやすくなるため、画像
ボケの影響がフィラーのない場合に比べて、やや増加す
る傾向が見られていた。しかし、ヒンダードフェノール
構造及びヒンダードアミン構造の両構造を有する上記の
酸化防止剤をフィラーとともに添加することによって、
それによる画像ボケの影響を抑制することが可能となっ
た。従って、本発明においては、これらの酸化防止剤を
組み合わせて用いることによって、さらなる高画質化が
実現されることになる。
【0145】
【化49】
【0146】また、ヒンダードフェノール構造とヒンダ
ードアミン構造の両構造を有する化合物の含有量は、含
有されるフィラーに対して、0.1重量%〜20重量%
の範囲内であることが好ましく、1重量%〜15重量%
がより好ましい。ヒンダードフェノール構造とヒンダー
ドアミン構造の両構造を有する化合物の含有量が、この
範囲よりも少なくなると長期繰り返し使用により付着す
るコロナ生成物やオゾン等の活性ガスによる劣化を抑制
する効果が低下し、この範囲を上回ると耐摩耗性が低下
したり、残留電位上昇の影響が増加したりする場合があ
る。また、ヒンダードフェノール構造とヒンダードアミ
ン構造の両構造を有する化合物の含有量は、酸価が10
〜700(mgKOH/g)の有機化合物の含有量より
も多い方が好ましい。酸価が10〜700(mgKOH
/g)の有機化合物の含有量よりもヒンダードフェノー
ル構造とヒンダードアミン構造の両構造を有する化合物
の含有量を多くすることにより、コロナ生成物やオゾン
などの活性ガスによる劣化を抑制する効果をより高める
ことが可能となる。
【0147】前述のフィラー材料は、少なくとも有機溶
剤及び酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化
合物とともに、ボールミル、アトライター、サンドミ
ル、シェイカー、超音波などの従来方法を用いて分散す
ることができる。この中でも、フィラーと酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物との接触効率を
高くすることができ、外界からの不純物の混入が少ない
ボールミルによる分散が分散性の点からより好ましい。
分散液の作製に用いられる溶剤としては、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノ
クロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、
メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層(3
7)で使用されるすべての溶剤を使用することができ
る。但し、フィラーの分散時には粘度が高い溶剤の使用
が好ましいが、塗工時には揮発性が高い溶剤の使用が好
ましい。これらの条件を満たす溶剤がない場合には、各
々の物性を有する溶剤を2種以上混合させて使用するこ
とが可能であり、フィラーの分散性やその安定性、塗膜
品質等に対して非常に有効となる。
【0148】使用されるメディアの材質については、従
来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ、ガラ
ス等すべてのメディアを使用することができるが、フィ
ラーの分散性及び残留電位低減効果の点から特にアルミ
ナを使用することがより好ましい。ジルコニアなどのメ
ディアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの
混入によって残留電位が著しく増加する。さらに、その
摩耗粉の混入によって分散性が大きく低下し、フィラー
の沈降性が促進される。一方、メディアにアルミナを使
用した場合には、分散時にメディアは摩耗されるもの
の、摩耗量は大幅に低減できる上に、混入した摩耗粉が
残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が
混入しても分散性に対して悪影響が少ない。従って、分
散に使用するメディアにはアルミナを使用することがよ
り好ましく、フィラーにアルミナを用いた場合にはその
効果は非常に大きい。
【0149】酸価が10〜700(mgKOH/g)の
有機化合物は、バインダー樹脂と混合する以前にフィラ
ー及び有機溶剤とともに分散を行なうことによって、塗
工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を
抑制し、フィラーの分散性が著しく向上することからよ
り好ましい。一方、バインダー樹脂や電荷輸送物質ある
いは酸化防止剤等は、分散前に添加することも可能では
あるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られ
る。従って、それらが有機溶剤に溶解された状態で、フ
ィラー、有機溶剤及び酸価が10〜700(mgKOH
/g)の有機化合物で既に分散したミルベースに混合さ
せることが好ましい。
【0150】以上のようにして得られた塗工液の塗工法
としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコー
ト、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、
従来の塗工方法を用いることができる。その中でも図1
や図2に示されたフィラーが含有される感光層や電荷輸
送層を塗工する場合には、浸漬塗工法やリング塗工法、
スプレー塗工法が適している。この場合、感光層あるい
は電荷輸送層全体にフィラーを含有させることができる
が、感光層や電荷輸送層の最表面側が最もフィラー濃度
が高く、導電性支持体側が低くなるようにフィラーの濃
度傾斜を設けたり、電荷輸送層を複数層にして、導電性
支持体側から最表面側に向かって、フィラー濃度を順次
高くしてフィラーの濃度傾斜を設けたりする構成にする
こともできる。
【0151】一方、図3〜図5に示される保護層にフィ
ラーが含有される場合には、上記塗工法の中でもスプレ
ー塗工法が最も好ましい。それによって膜厚制御もしや
すく、フィラーの分散性を良好に維持することが可能と
なり、さらに塗膜品質についても優位性がある。また、
保護層の必要膜厚を一度で塗工して保護層を形成するこ
とも可能であるが、2回以上重ねて塗工して保護層を形
成する方法が膜中におけるフィラーの均一性の面からよ
り好ましい。そうすることによって、残留電位の低減、
解像度の向上、及び耐摩耗性の向上に対しより一層の効
果が得られる場合がある。加えて、塗膜品質の向上や塗
膜欠陥の発生を抑制する効果も有する。
【0152】本発明の感光体においては、導電性支持体
(31)と感光層との間に下引き層を設けることができ
る。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これら
の樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考える
と、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂である
ことが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニル
アルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の
水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロ
ン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン
樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等
が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電
位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示で
きる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
【0153】これらの下引き層は、前述の感光層の如く
適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、
チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用
することもできる。この他、本発明の下引き層には、A
23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレ
ン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO
2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設
けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のもの
を用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが
適当である。
【0154】本発明の感光体において、下引き層と感光
層との間あるいは感光層と保護層との間に中間層を設け
ることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹
脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリア
ミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブ
チラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ルなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述の
ごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中
間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0155】本発明においては、耐環境性の改善のた
め、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目
的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中
間層等の少なくとも1層ないし各層に、酸化防止剤、可
塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質および
レベリング剤を添加することができる。これらの化合物
の代表的な材料を以下に記す。
【0156】各層に添加できる酸化防止剤として、例え
ば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもので
はない。
【0157】(a)フェノール系化合物 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒ
ドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エ
チルフェノール、n−オクタデシル−3−(4’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノ−ル)、2,2’−メチレン−ビス−(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−
t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ
−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]ク
リコールエステル、トコフェロール類など。
【0158】(b)パラフェニレンジアミン類 N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレ
ンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−
フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p
−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’
−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0159】(c)ハイドロキノン類 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジ
ドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノ
ン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t
−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オ
クタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0160】(d)有機硫黄化合物類 ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステ
アリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデ
シル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0161】(e)有機燐化合物類 トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリク
レジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキ
シ)ホスフィンなど。
【0162】各層に添加できる可塑剤として、例えば下
記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0163】(a)リン酸エステル系可塑剤 リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリ
オクチル、リン酸オクチルジフェニル、リン酸トリクロ
ルエチル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリブチ
ル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェ
ニルなど。
【0164】(b)フタル酸エステル系可塑剤 フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソ
ブチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタ
ル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソオクチ
ル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジノニル、フ
タル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸
ジウンデシル、フタル酸ジトリデシル、フタル酸ジシク
ロヘキシル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ブチル
ラウリル、フタル酸メチルオレイル、フタル酸オクチル
デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなど。
【0165】(c)芳香族カルボン酸エステル系可塑剤 トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリ−n
−オクチル、オキシ安息香酸オクチルなど。
【0166】(d)脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤 アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、ア
ジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−
オクチル、アジピン酸−n−オクチル−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジカプリル、アゼラ
イン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジメチル、
セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸
ジ−n−オクチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、セバシン酸ジ−2−エトキシエチル、コハク酸ジオ
クチル、コハク酸ジイソデシル、テトラヒドロフタル酸
ジオクチル、テトラヒドロフタル酸ジ−n−オクチルな
ど。
【0167】(e)脂肪酸エステル誘導体 オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステ
ル、アセチルリシノール酸メチル、ペンタエリスリトー
ルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサエステル、
トリアセチン、トリブチリンなど。
【0168】(f)オキシ酸エステル系可塑剤 アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブ
チル、ブチルフタリルブチルグリコレート、アセチルク
エン酸トリブチルなど。
【0169】(g)エポキシ可塑剤 エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシステ
アリン酸ブチル、エポキシステアリン酸デシル、エポキ
システアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ベンジ
ル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキ
シヘキサヒドロフタル酸ジデシルなど。
【0170】(h)二価アルコールエステル系可塑剤 ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレング
リコールジ−2−エチルブチラートなど。
【0171】(i)含塩素可塑剤 塩素化パラフィン、塩素化ジフェニル、塩素化脂肪酸メ
チル、メトキシ塩素化脂肪酸メチルなど。
【0172】(j)ポリエステル系可塑剤 ポリプロピレンアジペート、ポリプロピレンセバケー
ト、ポリエステル、アセチル化ポリエステルなど。
【0173】(k)スルホン酸誘導体 p−トルエンスルホンアミド、o−トルエンスルホンア
ミド、p−トルエンスルホンエチルアミド、o−トルエ
ンスルホンエチルアミド、トルエンスルホン−N−エチ
ルアミド、p−トルエンスルホン−N−シクロヘキシル
アミドなど。
【0174】(l)クエン酸誘導体 クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、ク
エン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセ
チルクエン酸トリ−2−エチルヘキシル、アセチルクエ
ン酸−n−オクチルデシルなど。
【0175】(m)その他 ターフェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ、2
−ニトロジフェニル、ジノニルナフタリン、アビエチン
酸メチルなど。
【0176】各層に添加できる滑剤としては、例えば下
記のものが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。
【0177】(a)炭化水素系化合物 流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワック
ス、低重合ポリエチレンなど。
【0178】(b)脂肪酸系化合物 ラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘン酸など。
【0179】(c)脂肪酸アミド系化合物 ステアリルアミド、パルミチルアミド、オレインアミ
ド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステア
ロアミドなど。
【0180】(d)エステル系化合物 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステルなど。
【0181】(e)アルコール系化合物 セチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセロール
など。
【0182】(f)金属石けん ステアリン酸鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン
酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸マグネシウムなど。
【0183】(g)天然ワックス カルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、鯨ロウ、イ
ボタロウ、モンタンロウなど。
【0184】(h)その他 シリコーン化合物、フッ素化合物など。
【0185】各層に添加できる紫外線吸収剤として、例
えば下記のものが挙げられるがこれらに限定されるもの
ではない。
【0186】(a)ベンゾフェノン系 2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2’,4−トリヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ4−メトキシベン
ゾフェノンなど。
【0187】(b)サルシレート系 フェニルサルシレート、2,4ジ−t−ブチルフェニル
3,5−ジ−t−ブチル4ヒドロキシベンゾエートな
ど。
【0188】(c)ベンゾトリアゾール系 (2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、(2’−ヒドロキシ5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、(2’−ヒドロキシ3'−ターシ
ャリブチル5’−メチルフェニル)5−クロロベンゾト
リアゾールなど。
【0189】(d)シアノアクリレート系 エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレー
ト、メチル2−カルボメトキシ3(パラメトキシ)アク
リレートなど。
【0190】(e)クエンチャー(金属錯塩系) ニッケル(2,2’チオビス(4−t−オクチル)フェ
ノレート)ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジ
チオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカルバメー
ト、コバルトジシクロヘキシルジチオホスフェートな
ど。
【0191】(f)HALS(ヒンダードアミン) ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、
8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オ
クチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4,5〕ウンデ
カン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなど。
【0192】次に図面を用いて本発明の電子写真方法な
らびに電子写真装置を詳しく説明する。
【0193】図6は、本発明の電子写真プロセス及び電
子写真装置を説明するための概略図であり、下記のよう
な例も本発明の範疇に属するものである。図6におい
て、感光体(1)は図1〜図5に示したように、少なく
とも感光層が設けられ、最表面を形成する層に少なくと
もフィラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物を含有してなる。感光
体(1)はドラム状の形状を示しているが、シート状、
エンドレスベルト状のものであっても良い。帯電チャー
ジャー(3)、転写前チャージャー(7)、転写チャー
ジャー(10)、分離チャージャー(11)、クリーニ
ング前チャージャー(13)には、コロトロン、スコロ
トロン、固体帯電器(ソリッド・ステート・チャージャ
ー)のほか、ローラー状の帯電部材あるいはブラシ状の
帯電部材等が用いられ、公知の手段がすべて使用可能で
ある。
【0194】帯電部材は、コロナ帯電等の非接触帯電方
式やローラーあるいはブラシを用いた帯電部材による接
触帯電方式が一般的であり、本発明においてはいずれも
有効に使用することが可能である。特に、帯電ローラー
は、コロトロンやスコロトロン等に比べてオゾンの発生
量を大幅に低減することが可能であり、感光体の繰り返
し使用時における安定性や画質劣化防止に有効である。
しかし、感光体と帯電ローラーとが接触していることに
より、繰り返し使用によって帯電ローラーが汚染され、
それが感光体に影響を及ぼし異常画像の発生や耐摩耗性
の低下等を助長する原因となっていた。特に、本発明に
よる耐摩耗性の高い感光体を用いる場合、表面の摩耗に
よるリフェイスがしにくいことから、帯電ローラーの汚
染を軽減させる必要があった。そこで、本発明において
は、帯電ローラーを感光体に対して画像形成領域におい
て非接触とすることによって、汚染物質が帯電ローラー
に付着しにくく、あるいは除去しやすくなり、それらの
影響を軽減することが可能となった。この場合、感光体
と帯電ローラーとのギャップは小さい方が好ましく、8
0μm以下、より好ましくは50μm以下である。しか
し、帯電ローラーを非接触とすることによって、放電が
不均一になり、感光体の帯電が不安定になる場合があ
る。本発明においては、直流成分に交流成分を重畳させ
ることによって帯電の安定性を維持し、これによりオゾ
ンの影響、帯電ローラーの汚染の影響及び帯電性の影響
を同時に軽減することが可能となり、耐摩耗性の高い感
光体と組み合わせて使用することにより、さらなる高耐
久化及び高画質化が実現される。
【0195】転写手段には、一般に前述の帯電器を使用
することができるが、図6に示されるように転写チャー
ジャーと分離チャージャーを併用したものが効果的であ
る。また、このような転写手段を用いて、感光体からト
ナー像を紙に直接転写されるが、本発明においては感光
体上のトナー像を一度中間転写体に転写し、その後中間
転写体から紙に転写する中間転写方式であることが感光
体の高耐久化あるいは高画質化においてより好ましい。
本発明における高耐久性を有する感光体は、前述のとお
り耐摩耗性が高い故にリフェイスしにくく、感光体表面
に付着した汚染物質を除去しにくい傾向がある。感光体
表面に付着する汚染物質の中でも帯電によって生成する
放電物質やトナー中に含まれる外添剤等は、湿度の影響
を拾いやすく異常画像の原因となっているが、このよう
な異常画像の原因物質には、紙粉もその一つであり、そ
れらが感光体に付着することによって、異常画像が発生
しやすくなるだけでなく、耐摩耗性を低下させたり、偏
摩耗を引き起こしたりする傾向が見られる。従って、上
記の理由により感光体と紙とが直接接触しない構成であ
ることが高画質化の点からより好ましい。また、中間転
写方式は、フルカラー印刷が可能な電子写真装置に特に
有効であり、複数のトナー像を一度中間転写体上に形成
した後に紙に一度に転写することによって、色ズレの防
止の制御もしやすく高画質化に対しても有効である。し
かし、中間転写方式は、一枚のフルカラー画像を得るの
に4回のスキャンが必要となるため、感光体の耐久性が
大きな問題となっていた。本発明における感光体は、高
耐久性を有するだけでなく、ドラムヒーターなしでも画
像ボケが発生しにくいことから中間転写方式の電子写真
装置に組み合わせて用いることが容易であり、特に有効
かつ有用である。中間転写体には、ドラム状やベルト状
など種々の材質あるいは形状のものがあるが、本発明に
おいては従来公知である中間転写体のいずれも使用する
ことが可能であり、感光体の高耐久化あるいは高画質化
に対し有効かつ有用である。
【0196】画像露光部(5)、除電ランプ(2)等の
光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンラン
プ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LE
D)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセ
ンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。
そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャ
ープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外
カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フ
ィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルター
を用いることもできる。
【0197】光源等は、図6に示される工程の他に光照
射を併用した転写工程、除電工程、クリーニング工程、
あるいは前露光などの工程を設けることにより、感光体
に光が照射される。但し、除電工程における感光体への
露光は、感光体に与える疲労の影響が大きく、特に帯電
低下や残留電位の上昇を引き起こす場合がある。従っ
て、露光による除電ではなく、帯電工程やクリーニング
工程において逆バイアスを印可することによっても除電
することが可能な場合もあり、感光体の高耐久化の面か
らより好ましい。
【0198】現像ユニット(6)により感光体(1)上
に現像されたトナーは、転写紙(9)に転写されるが、
すべてが転写されるわけではなく、感光体(1)上に残
存するトナーも生ずる。このようなトナーは、ファーブ
ラシ(14)あるいはブレード(15)により、感光体
より除去される。このクリーニング工程は、クリーニン
グブラシだけで行なわれたり、ブレードと併用して行な
われることもあり、クリーニングブラシにはファーブラ
シ、マグファーブラシを始めとする公知のものが用いら
れる。
【0199】クリーニングは、前述のとおり転写後に感
光体上に残ったトナー等を除く工程であるが、上記のブ
レードあるいはブラシ等によって感光体が繰り返し擦ら
れることにより、感光体の摩耗が促進されたり、傷が入
ったりすることによって異常画像が発生することがあ
る。また、クリーニング不良によって感光体の表面が汚
染されたりすると異常画像の発生の原因となるだけでな
く、感光体の寿命を大幅に低減させることにつながる。
特に、耐摩耗性の向上のためにフィラーを含有させた層
を最表面に形成された感光体の場合には、感光体表面に
付着した汚染物質が除去されにくいことから、フィルミ
ングや異常画像の発生を助長することになる。従って、
感光体のクリーニング性を高めることは感光体の高耐久
化及び高画質化に対し非常に有効である。
【0200】感光体のクリーニング性を高める手段とし
ては、感光体表面の摩擦係数を低減させる方法が知られ
ている。感光体表面の摩擦係数を低減させる方法として
は、各種の潤滑性物質を感光体表面に含有させる方法
と、外部より感光体表面に潤滑性物質を供給させる方法
とに分類される。前者はエンジン廻りのレイアウトの自
由度が高いため、小径感光体には有利であるが、繰り返
し使用によって摩擦係数は顕著に増加するため、その持
続性に課題が残されている。一方、後者は潤滑性物質を
供給する部品を備える必要があるが、摩擦係数の安定性
は高いことから感光体の高耐久化に対しては有効であ
る。その中で、潤滑性物質を現像剤に含有させることに
よって現像時に感光体に付着させる方法は、エンジン廻
りのレイアウトにも制約を受けずに、感光体表面の摩擦
係数低減効果の持続性も高いため、感光体の高耐久化及
び高画質化に対しては非常に有効な手段である。これら
の潤滑性物質としては、シリコーンオイル、フッ素オイ
ル等の潤滑性液体、PTFE、PFA、PVDF等の各
種フッ素含有樹脂、シリコーン樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、シリコングリース、フッ素グリース、パラフィン
ワックス、脂肪酸エステル類、ステアリン酸亜鉛等の脂
肪酸金属塩、黒鉛、二硫化モリブデン等の潤滑性液体や
固体、粉末等が挙げられるが、特に現像剤に混合させる
場合には粉末状である必要があり、特にステアリン酸亜
鉛は悪影響が少なく、極めて有効に使用することができ
る。ステアリン酸亜鉛粉末をトナーに含有させる場合に
は、それらのバランスやトナーに与える影響を考慮する
必要があり、トナーに対して0.01〜0.5重量%が
好ましく、0.1〜0.3重量%がより好ましい。
【0201】電子写真感光体に正(負)帯電を施し、画
像露光を行なうと、感光体表面上には正(負)の静電潜
像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微
粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正
(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られ
る。かかる現像手段には、公知の方法が適用されるし、
また、除電手段にも公知の方法が用いられる。
【0202】本発明による感光体は、高い耐摩耗性を有
するが故に小径感光体に適用でき、また繰り返し使用に
よる摩耗変動量を少なくすることが可能となる。従っ
て、上記の感光体がより有効に用いられる電子写真装置
あるいはその方式としては、複数色のトナーに対応した
各々の現像部に対して、対応した複数の感光体を具備
し、それによって並列処理を行なう、いわゆるタンデム
方式の電子写真装置に極めて有効に使用される。上記タ
ンデム方式の電子写真装置は、フルカラー印刷に必要と
されるイエロー(C)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(K)の少なくとも4色のトナー及び
それらを保持する現像部を配置し、さらにそれらに対応
した少なくとも4本の感光体を具備することによって、
従来のフルカラー印刷が可能な電子写真装置に比べ極め
て高速なフルカラー印刷を可能としている。
【0203】図7にタンデム方式の一例として概略図を
示すが、これに限定されるものではない。図7におい
て、符号(71C),(71M),(71Y),(71
K)はドラム状の感光体であり、この感光体(71
C),(71M),(71Y),(71K)は図中の矢
印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電部
材(72C),(72M),(72Y),(72K)、
現像部材(74C),(74M),(74Y),(74
K)、クリーニング部材(75C),(75M),(7
5Y),(75K)が配置されている。帯電部材(72
C),(72M),(72Y),(72K)は、感光体
表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部
材である。この帯電部材(72C),(72M),(7
2Y),(72K)と現像部材(74C),(74
M),(74Y),(74K)の間の感光体表面に露光
部材(図示せず)からのレーザー光(73C),(73
M),(73Y),(73K)が照射され、感光体(7
1C),(71M),(71Y),(71K)に静電潜
像が形成されるようになっている。そして、このような
感光体(71C),(71M),(71Y),(71
K)を中心とした4つの画像形成要素(76C),(7
6M),(76Y),(76K)が、転写材搬送手段で
ある転写搬送ベルト(80)に沿って並置されている。
転写搬送ベルト(80)は各画像形成ユニット(76
C),(76M),(76Y),(76K)の現像部材
(74C),(74M),(74Y),(74K)とク
リーニング部材(75C),(75M),(75Y),
(75K)の間で感光体(71C),(71M),(7
1Y),(71K)に当接しており、転写搬送ベルト
(80)の感光体側の裏側に当たる面(裏面)には転写
バイアスを印加するための転写ブラシ(81C),(8
1M),(81Y),(81K)が配置されている。
【0204】上記のタンデム方式による電子写真装置
は、複数のトナー像を一度に転写できるため高速フルカ
ラー印刷が実現される。しかし、感光体が少なくとも4
本を必要とすることから、装置の大型化が避けられず、
また使用されるトナー量によっては、各々の感光体の摩
耗量に差が生じ、それによって色の再現性が低下した
り、異常画像が発生したりするなど多くの課題を有して
いた。それに対し、本発明による感光体は、高い耐摩耗
性を有し、かつ画像ボケ抑制のためにドラムヒーターを
必要としないことから、小径感光体でも適用が可能とな
り、さらに複数の感光体における摩耗量の差を非常に小
さくできたことにより、膜厚変動による感度劣化や異常
画像の発生が抑制でき、結果として色再現性が向上し、
複数の感光体によって得られるフルカラー画像の高画質
化が実現されることになる。また、本発明における感光
体は、ドラムヒーターがなくても画像ボケの発生を抑制
できたことから、特に小径感光体に適用できたことによ
り、装置の小型化が実現され、タンデム方式の電子写真
装置であるにも関わらず、従来の高速モノクロプリンタ
ーと大差ない大きさでありながら、高速フルカラー印刷
を可能とする電子写真装置を得ることが可能となった。
さらに、本発明においては、上記タンデム方式と前述の
中間転写方式とを組み合わせることによって、感光体の
更なる高耐久化及び高画質化が実現され、それによって
原稿に忠実な色再現が長期に渡って可能な電子写真装置
が得られることから、タンデム方式と中間転写方式とを
組み合わせた電子写真装置に本発明による感光体を適用
させることが可能であり有効である。
【0205】図8には、本発明による電子写真プロセス
の別の例を示す。感光体(21)は少なくとも感光層を
有し、さらに最表面を形成する層には、少なくともフィ
ラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700(mgK
OH/g)の有機化合物を含有してなる。上記感光体
(21)は、駆動ローラー(22a),(22b)によ
り駆動され、帯電器(23)による帯電、光源(24)
による像露光、現像ユニット(29)による現像、帯電
器(25)を用いる転写、光源(26)によるクリーニ
ング前露光、ブラシ(27)によるクリーニング、光源
(28)による除電が繰返し行なわれる。図8において
は、感光体(21)(勿論この場合は支持体が透光性で
ある)に支持体側よりクリーニング前露光の光照射が行
なわれる。
【0206】以上の図示した電子写真プロセスは、本発
明における実施形態を例示するものであって、もちろん
他の実施形態でも可能である。例えば、図8において支
持体側よりクリーニング前露光を行っているが、これは
感光層側から行なってもよいし、また、像露光、除電光
の照射を支持体側から行なってもよい。一方、光照射工
程は、像露光、クリーニング前露光、除電露光が図示さ
れているが、他に転写前露光、像露光のプレ露光、およ
びその他公知の光照射工程を設けて、感光体に光照射を
行なうこともできる。
【0207】以上に示すような画像形成手段は、複写装
置、ファクシミリ、プリンター内に固定して組み込まれ
ていてもよいが、プロセスカートリッジの形でそれら装
置内に組み込まれてもよい。プロセスカートリッジと
は、感光体を内蔵し、他に帯電手段、露光手段、現像手
段、転写手段、クリーニング手段、除電手段を含んだ1
つの装置(部品)である。プロセスカートリッジの形状
等は多く挙げられるが、一般的な例として、図9に示す
ものが挙げられる。感光体(16)は図1〜図5に示さ
れる、導電性支持体上に少なくとも感光層を有し、かつ
最表面を形成する層に少なくともフィラー、バインダー
樹脂及び酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機
化合物を含有してなる。
【0208】
【実施例】以下、本発明について実施例を挙げて説明す
るが、本発明がこれら実施例により制約を受けるもので
はない。なお、部はすべて重量部である。
【0209】(保護層形成用塗工液調製例1)下記フィ
ラー、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化
合物、有機溶媒を、アルミナボールを用いたボールミル
によって12時間分散した後、これに下記バインダー樹
脂及び電荷輸送物質を有機溶媒に溶解した溶液として加
え混合分散することにより、下記組成の保護層形成用塗
工液1を作製した。
【0210】 (保護層形成用塗工液1) α−アルミナ(平均一次粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上 、pH8〜9、「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 3部 ポリエステル樹脂(酸価約35mgKOH/g) 0.6部 シクロヘキサノン 80部 テトラヒドロフラン 220部 ポリカーボネート樹脂(Zポリカ、帝人化成製) 6部 下記構造式で表わされる電荷輸送物質(Ip約5.4eV *2) 4部
【0211】
【化50】
【0212】(保護層形成用塗工液2)上記調製例1に
おいて、ポリエステル樹脂を下記のアクリル樹脂に変更
し、さらに添加量を下記のとおりに変更した以外は、す
べて上記調製例1と同様にして保護層形成用塗工液2を
作製した。 アクリル樹脂(酸価約65mgKOH/g、「ダイヤナールBR-605」 三菱レイヨン製) 0.3部
【0213】(保護層形成用塗工液調製例3)上記調製
例2において、アクリル樹脂を下記のスチレンアクリル
樹脂に変更し、さらに添加量を下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例2と同様にして保護層形成用
塗工液3を作製した。 スチレンアクリル樹脂(酸価約200mgKOH/g、「FB-1522」 三菱レイヨン製) 0.2部
【0214】(保護層形成用塗工液調製例4)上記調製
例3において、スチレンアクリル樹脂を下記のアクリル
酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体に変更し
た以外は、すべて上記調製例3と同様にして保護層形成
用塗工液4を作製した。 アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 (酸価約130mgKOH/g) 0.2部
【0215】(保護層形成用塗工液調製例5)上記調製
例3において、スチレンアクリル樹脂を下記のメタクリ
ル酸/ブチルメタクリレート共重合体に変更した以外
は、すべて上記調製例3と同様にして保護層形成用塗工
液5を作製した。 メタクリル酸/ブチルメタクリレート共重合体(酸価約95mgKOH/ g) 0.2部
【0216】(保護層形成用塗工液調製例6)上記調製
例3において、スチレンアクリル樹脂を下記のモノカル
ボン酸化合物に変更し、さらにその添加量を下記のとお
りに変更した以外は、すべて上記調製例3と同様にして
保護層形成用塗工液6を作製した。 末端カルボン酸エステル化合物(酸価約160mgKOH/g、 固形分約25%) 0.12部
【0217】(保護層形成用塗工液調製例7)上記調製
例6において、モノカルボン酸誘導体を下記の湿潤分散
剤に変更し、さらにその添加量を下記のとおりに変更し
た以外は、すべて上記調製例6と同様にして保護層形成
用塗工液7を作製した。 湿潤分散剤(酸基を含む共重合体、酸価約129mgKOH/g、 固形分90%以上、「Disperbyk-111」BYKケミー製) 0.03部
【0218】(保護層形成用塗工液調製例8)上記調製
例7において、フィラーを下記のとおりに変更した以外
は、すべて上記調製例7と同様にして保護層形成用塗工
液8を作製した。 酸化チタン(平均一次粒径約0.3μm、「CR-97」石原産業製) 3部
【0219】(保護層形成用塗工液調製例9)上記調製
例7において、湿潤分散剤を下記の湿潤分散剤に変更
し、さらにその添加量を下記のとおり変更した以外は、
すべて上記調製例7と同様にして保護層形成用塗工液9
を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマーとポリシロキサン共重合体 溶液、酸価約150mgKOH/g、固形分約50%、「BYK-P104S」 BYKケミー製) 0.06部
【0220】(保護層形成用塗工液調製例10)上記調
製例9において、湿潤分散剤を下記の湿潤分散剤に変更
した以外は、すべて上記調製例9と同様にして保護層形
成用塗工液10を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、「BYK-P104」 BYKケミー製) 0.06部
【0221】(保護層形成用塗工液調製例11)上記調
製例10において、湿潤分散剤を下記の湿潤分散剤に変
更し、その添加量を下記のとおりに変更した以外は、す
べて上記調製例10と同様にして保護層形成用塗工液1
1を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、酸価約365mg KOH/g、固形分約98%、「BYK-P105」BYKケミー製) 0.03部
【0222】(保護層形成用塗工液調製例12)上記調
製例10において、湿潤分散剤の添加量を下記のとおり
に変更した以外は、すべて上記調製例10と同様にして
保護層形成用塗工液12を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価約180mg KOH/g、固形分約50%、「BYK-P104」BYKケミー製) 0.01部
【0223】(保護層形成用塗工液調製例13)上記調
製例10において、湿潤分散剤の添加量を下記のとおり
変更した以外は、すべて上記調製例10と同様にして保
護層形成用塗工液13を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、酸価約180mg KOH/g、固形分約50%、「BYK-P104」BYKケミー製) 0.2部
【0224】(保護層形成用塗工液調製例14)上記調
製例10において、フィラーを下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成
用塗工液14を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.2μm、「AKP-50」住友化学工業製) 3部
【0225】(保護層形成用塗工液調製例15)上記調
製例10において、フィラーを下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成
用塗工液15を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.9μm、「スミコランダムAA-07」 住友化学工業製) 3部
【0226】(保護層形成用塗工液調製例16)上記調
製例10において、フィラー及びその添加量を下記のと
おりに変更した以外は、すべて上記調製例10と同様に
して保護層形成用塗工液16を作製した。 δ−アルミナ(平均一次粒径約0.013μm、pH8〜9、 「Aluminium Oxide C」日本アエロジル製) 2部
【0227】(保護層形成用塗工液調製例17)上記調
製例10において、フィラーを下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成
用塗工液17を作製した。 酸化チタン(平均一次粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、 pH6〜7、「CR-97」石原産業製) 3部
【0228】(保護層形成用塗工液調製例18)上記調
製例10において、フィラーを下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成
用塗工液18を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、「AA-03」住友化学工業製) 3部
【0229】(保護層形成用塗工液調製例19)上記調
製例10において、フィラーを下記のとおりに変更した
以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成
用塗工液19を作製した。 ステアリン酸アルミ処理を施した酸化チタン (平均一次粒径約0.03μm、「MT150HD」テイカ製) 3部
【0230】(保護層形成用塗工液調製例20)上記調
製例10において、フィラー及びその添加量を下記のと
おりに変更した以外は、すべて上記調製例10と同様に
して保護層形成用塗工液20を作製した。 シランカップリング処理を施した酸化チタン (平均一次粒径約0.015μm、「MT100SA」テイカ製) 2部
【0231】(保護層形成用塗工液調製例21)上記調
製例10において、フィラーの添加量を下記のとおりに
変更した以外は、すべて上記調製例10と同様にして保
護層形成用塗工液21を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.3μm、「スミコランダムAA-03」 住友化学工業製) 10部
【0232】(保護層形成用塗工液調製例22)上記調
製例10において、電荷輸送物質を下記のとおりに変更
した以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護層
形成用塗工液22を作製した。 下記構造式の電荷輸送物質(Ip5.5eV *2) 4部
【0233】
【化51】
【0234】(保護層形成用塗工液調製例23)上記調
製例10において、バインダー樹脂及びその添加量を下
記のとおりに変更し、電荷輸送物質を無添加とした以外
は、すべて上記調製例10と同様にして保護層形成用塗
工液23を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送物質 (重量平均分子量15万、Ip5.4eV *2) 9部
【0235】
【化52】
【0236】(保護層形成用塗工液調製例24)上記調
製例10において、溶媒にテトラヒドロフランのみを使
用した以外は、すべて上記調製例10と同様にして保護
層形成用塗工液24を作製した。 テトラヒドロフラン 300部
【0237】(保護層形成用塗工液調製例25)上記調
製例10において、ボールミルによる分散に用いたアル
ミナボールをジルコニアボールに変更した以外は、すべ
て上記調製例10と同様にして保護層形成用塗工液25
を作製した。
【0238】(保護層形成用塗工液調製例26)上記調
製例10において、ボールミルによる分散をシェイカー
による分散に変更した以外は、すべて上記調製例10と
同様にして保護層形成用塗工液26を作製した。
【0239】(比較例のための保護層形成用塗工液例
1)上記調製例10において、湿潤分散剤を無添加とし
た以外は、すべて上記調製例10と同様にして比較の保
護層形成用塗工液1を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0部
【0240】(比較例のための保護層形成用塗工液例
2)比較例のための保護層形成用塗工液1において、フ
ィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例
のための保護層形成用塗工液1と同様にして比較の保護
層形成用塗工液2を作製した。 酸化チタン(平均一次粒径約0.3μm、「CR-97」石原産業製) 3部
【0241】(比較例のための保護層形成用塗工液例
3)比較例のための保護層形成用塗工液1において、フ
ィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例
のための保護層形成用塗工液1と同様にして比較の保護
層形成用塗工液3を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、「AA-03」住友化学工業製) 3部
【0242】(比較例のための保護層形成用塗工液例
4)比較例のための保護層形成用塗工液1において、フ
ィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例
のための保護層形成用塗工液1と同様にして比較の保護
層形成用塗工液4を作製した。 シランカップリング処理を施した酸化チタン (平均一次粒径約0.015μm、「MT100SA」テイカ製) 2部
【0243】(比較例のための保護層形成用塗工液例
5)比較例のための保護層形成用塗工液1において、フ
ィラーの添加量を下記のとおりに変更した以外は、すべ
て比較例のための保護層形成用塗工液1と同様にして比
較の保護層形成用塗工液5を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.3μm、 「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 1部
【0244】(比較例のための保護層形成用塗工液例
6)上記調製例2において、ポリエステル樹脂を下記の
とおりに変更した以外は、すべて上記調製例2と同様に
して比較の保護層形成用塗工液2を作製した。 ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g) 0.6部
【0245】(比較例のための保護層形成用塗工液例
7)比較例のための保護層形成用塗工液6において、ポ
リエステル樹脂の添加量を下記のとおりに変更した以外
は、すべて比較例のための保護層形成用塗工液6と同様
にして比較の保護層形成用塗工液7を作製した。 ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g) 1.2部
【0246】(比較例のための保護層形成用塗工液例
8)比較例のための保護層形成用塗工液6において、フ
ィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例
のための保護層形成用塗工液6と同様にして比較の保護
層形成用塗工液8を作製した。 δ−アルミナ(平均一次粒径約0.013μm、 「Aluminium Oxide C」日本アエロジル製) 2部
【0247】(比較例のための保護層形成用塗工液例
9)比較例のための保護層形成用塗工液6において、フ
ィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例
のための保護層形成用塗工液6と同様にして比較の保護
層形成用塗工液9を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、「AA-03」住友化学工業製) 3部
【0248】(比較例のための保護層形成用塗工液例1
0)比較例のための保護層形成用塗工液6において、ポ
リエステル樹脂を下記の湿潤分散剤に変更し、その添加
量を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例のた
めの保護層形成用塗工液6と同様にして比較の保護層形
成用塗工液10を作製した。 湿潤分散剤(顔料に親和性を持つ共重合体溶液、酸価0(mgKOH/g)、 固形分約40%、「Disperbyk-103」BYKケミー製) 0.06部
【0249】以上の保護層形成用塗工液を観察した結果
は表1のとおりであり、添加剤とあるのは酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物である。
【0250】
【表1】 *1 塗工液の平均粒径は、堀場製作所社製CAPA5
00にて計測した。 *2 電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpは、膜
にした状態で理研計器社製AC−1にて測定した。 *3 フィラー沈降性の評価基準は、分散後一日静置さ
せた場合の沈降性として下記のとおりとした。 ◎:フィラーの沈降なし ○:沈降したフィラーが多少認められる。 △:沈降したフィラーが認められ、液の上澄み部分が透
明。 ×:フィラーのほとんどが沈降し、液全体が透明。 *4 フィラーのpHは、ゼータ電位から等電点におけ
るpH値を記載した。ゼータ電位の測定は、大塚電子
(株)製レーザーゼータ電位計にて測定した。
【0251】表1の評価結果より、酸価が10〜700
(mgKOH/g)を示す添加剤を加えることによっ
て、塗工液の平均粒径が小さくなると同時に、フィラー
の沈降抑制効果が得られ、保護層形成用塗工液のフィラ
ー分散性が向上していることがわかった。さらに、それ
らの湿潤分散剤を用いることによって、更なる分散性の
向上が実現されると同時に、その安定性をも高めること
が可能となることがわかった。一方、これらの添加剤を
無添加とした場合や添加しても酸価が10(mgKOH
/g)以下の添加剤を添加した場合には、平均粒径の著
しい増加とフィラー沈降性が悪化していることが確認さ
れ、フィラーが凝集し分散性が顕著に低下していること
が明らかである。
【0252】(実施例1)アルミニウムシリンダー上に
下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および
電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工により順次塗布、乾燥し
て、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、
23μmの電荷輸送層を形成した。
【0253】 (下引き層塗工液) 二酸化チタン粉末 400部 メラミン樹脂 65部 アルキッド樹脂 120部 2−ブタノン 400部
【0254】 (電荷発生層塗工液) ポリビニルブチラール 5部 下記構造式のビスアゾ顔料 12部
【0255】
【化53】 2−ブタノン 200部 シクロヘキサノン 400部
【0256】 (電荷輸送層塗工液) ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製) 10部 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.4eV) 10部
【0257】
【化54】 テトラヒドロフラン 100部
【0258】続いて、電荷輸送層上に下記組成の保護層
をスプレー塗工によって約4μmの保護層を形成し、電
子写真感光体1を作製した。
【0259】 (保護層塗工液) α−アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上 、pH8〜9、「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 3部 ポリエステル樹脂(酸価約35mgKOH/g) 0.8部 下記構造式の電荷輸送物質 4部
【0260】
【化55】 ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成社製) 6部 テトラヒドロフラン 220部 シクロヘキサノン 80部
【0261】(実施例2)実施例1において、保護層に
含有されるポリエステル樹脂及びその添加量を、下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体2を作製した。 ポリエステル樹脂(酸価約50mgKOH/g) 0.6部
【0262】(実施例3)実施例1において、保護層に
含有されるポリエステル樹脂及びその添加量を、下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体3を作製した。 アクリル樹脂(酸価約65mgKOH/g、「ダイヤナールBR-605」 三菱レイヨン製) 0.5部
【0263】(実施例4)実施例1において、保護層に
含有されるポリエステル樹脂及びその添加量を、下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体4を作製した。 アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体 (酸価約100mgKOH/g) 0.3部
【0264】(実施例5)実施例1において、保護層に
含有されるポリエステル樹脂及びその添加量を、下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体5を作製した。 末端カルボン酸エステル化合物(酸価約160mgKOH/g、 固形分約25%) 0.12部
【0265】(実施例6)実施例1において、保護層に
含有されるポリエステル樹脂及びその添加量を、下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にし
て、電子写真感光体6を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、「BYK-P104」 BYKケミー製) 0.03部
【0266】(実施例7)実施例6において、保護層に
含有される湿潤分散剤及びその添加量を、下記のとおり
に変更した以外は、すべて実施例6と同様にして、電子
写真感光体7を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.06部
【0267】(実施例8)実施例6において、保護層に
含有される湿潤分散剤の添加量を下記のとおりに変更し
た以外は、すべて実施例6と同様にして、電子写真感光
体8を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.09部
【0268】(実施例9)実施例6において、保護層に
含有される湿潤分散剤及びその添加量を、下記のとおり
に変更した以外は、すべて実施例6と同様にして、電子
写真感光体9を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、 酸価約365mgKOH/g、固形分約98%、 「BYK-P105」BYKケミー製) 0.01部
【0269】(実施例10)実施例9において、保護層
に含有される湿潤分散剤の添加量を、下記のとおりに変
更した以外は、すべて実施例9と同様にして、電子写真
感光体10を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、 酸価約365mgKOH/g、固形分約98%、 「BYK-P105」BYKケミー製) 0.03部
【0270】(実施例11)実施例9において、保護層
に含有される湿潤分散剤の添加量を、下記のとおりに変
更した以外は、すべて実施例9と同様にして、電子写真
感光体11を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー、 酸価約365mgKOH/g、固形分約98%、 「BYK-P105」BYKケミー製) 0.2部
【0271】(実施例12)実施例7において、保護層
に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体12
を作製した。 酸化チタン(平均一次粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、 pH6〜7、「CR-97」石原産業製) 3部
【0272】(実施例13)実施例7において、保護層
に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体13
を作製した。 α−アルミナ (平均一次粒径約0.2μm、「AKP-50」住友化学工業製) 3部
【0273】(実施例14)実施例7において、保護層
に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体14
を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.9μm、 「スミコランダムAA-07」住友化学工業製) 3部
【0274】(実施例15)実施例7において、保護層
に含有されるフィラー及びその添加量を、下記のとおり
に変更した以外は、すべて実施例7と同様にして、電子
写真感光体15を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、処理量5重量%、 「AA-03」住友化学工業製) 2.5部
【0275】(実施例16)実施例7において、保護層
に含有されるフィラー及びその添加量を、下記のとおり
に変更した以外は、すべて実施例7と同様にして、電子
写真感光体16を作製した。 シランカップリング処理を施した酸化チタン (平均一次粒径約0.015μm、処理量20重量%、 「MT100SA」テイカ製) 2部
【0276】(実施例17)実施例7において、保護層
に含有されるフィラー及びその添加量を、下記のとおり
に変更した以外は、すべて実施例7と同様にして、電子
写真感光体17を作製した。 シリカ(平均一次粒径0.1μm、比抵抗1010Ω・cm以上、 pH2〜3、「KMPX100」信越シリコーン製) 2部
【0277】(実施例18)実施例7において、保護層
に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体18
を作製した。 酸化錫(平均一次粒径0.15μm、比抵抗1010Ω・cm以下、 pH4〜5、「S−1」三菱金属製) 3部
【0278】(実施例19)実施例7において、保護層
に含有されるフィラーの添加量を、下記のとおりに変更
した以外は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感
光体19を作製した。アルミナ(平均一次粒径:0.3
μm、「スミコランダムAA-03」 住友化学工業製)
10部
【0279】(実施例20)実施例7において、保護層
に含有される電荷輸送物質を下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体20
を作製した。 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.3eV) 4部
【0280】
【化56】
【0281】(実施例21)実施例7において、保護層
に含有される電荷輸送物質を下記の材料に変更した以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体21
を作製した。 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.5eV) 4部
【0282】
【化57】
【0283】(実施例22)実施例8において、保護層
に含有される電荷輸送物質を無添加とした以外は、すべ
て実施例8と同様にして、電子写真感光体22を作製し
た。 下記構造式の電荷輸送物質 0部
【0284】
【化58】
【0285】(実施例23)実施例22において、保護
層に含有される湿潤分散剤の添加量を下記のとおりに変
更した以外は、すべて実施例22と同様にして、電子写
真感光体23を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.2部
【0286】(実施例24)実施例7において、保護層
に含有されるバインダー樹脂を下記のとおりに変更した
以外は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体
24を作製した。 ポリアリレート樹脂(UポリマーU6000、ユニチカ製) 10部
【0287】(実施例25)実施例7において、保護層
に含有されるバインダー樹脂及びその添加量を下記のと
おりに変更し、かつ電荷輸送物質を無添加とした以外
は、すべて実施例7と同様にして、電子写真感光体25
を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送物質 (重量平均分子量15万、Ip:5.4eV) 20部
【0288】
【化59】
【0289】(実施例26)実施例8において、保護層
にさらに下記構造式の酸化防止剤を添加した以外は、す
べて実施例8と同様にして、電子写真感光体26を作製
した。 下記構造式の酸化防止剤 0.24部
【0290】
【化60】
【0291】(実施例27)実施例26において、保護
層に含有される酸化防止剤を下記構造式の酸化防止剤に
変更し、さらにその添加量を下記のとおりに変更した以
外は、すべて実施例26と同様にして、電子写真感光体
27を作製した。 下記構造式の酸化防止剤 0.22部
【0292】
【化61】
【0293】(実施例28)実施例26において、保護
層に含有される酸化防止剤の添加量を下記のとおりに変
更した以外は、すべて実施例25と同様にして、電子写
真感光体28を作製した。 下記構造式の酸化防止剤 0.08部
【0294】
【化62】
【0295】(実施例29)実施例1において、電荷発
生層塗工液、電荷輸送層塗工液及び保護層塗工液を下記
のものに変更し、約0.2μmの電荷発生層、約20μ
mの電荷輸送層、約5μmの保護層を形成した以外は、
すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体29を作
製した。
【0296】 (電荷発生層塗工液) 図10に示すXDスペクトルを有するチタニルフタロシアニン 8部 ポリビニルブチラール 5部 2−ブタノン 400部
【0297】 (電荷輸送層塗工液) ポリカーボネート(Cポリカ、帝人化成製) 10部 下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0298】
【化63】 トルエン 70部
【0299】 (保護層塗工液) α−アルミナ(平均一次粒径約0.2μm、「AKP-50」住友化学工業製) 3部 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.06部 ポリカーボネート(Cポリカ、帝人化成社製) 6部 下記構造式の電荷輸送物質 4部
【0300】
【化64】 テトラヒドロフラン 250部 シクロヘキサノン 50部
【0301】(実施例30)実施例29において、保護
層に含有される湿潤分散剤及びその添加量を、下記のと
おりに変更した以外は、すべて実施例29と同様にし
て、電子写真感光体30を作製した。 末端カルボン酸エステル化合物 (酸価約160mgKOH/g、固形分約25%) 0.12部
【0302】(実施例31)実施例29において、保護
層に含有される湿潤分散剤の添加量を、下記のとおりに
変更した以外は、すべて実施例29と同様にして、電子
写真感光体31を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.1部
【0303】(実施例32)実施例29において、保護
層に含有されるフィラー及びその添加量を、下記のとお
りに変更した以外は、すべて実施例29と同様にして、
電子写真感光体32を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、比抵抗1010Ω・cm 以上、pH8〜9、「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 1部
【0304】(実施例33)実施例29において、保護
層に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以
外は、すべて実施例29と同様にして、電子写真感光体
33を作製した。 酸化チタン(平均一次粒径約0.3μm、比抵抗1010Ω・cm以上、 pH6〜7、「CR-97」石原産業製) 3部
【0305】(実施例34)実施例29において、保護
層に含有されるフィラーを、下記のとおりに変更した以
外は、すべて実施例29と同様にして、電子写真感光体
34を作製した。球形シリコーン微粒子(平均一次粒径
約0.5μm、 「トスパール105」東芝シリコーン製)
3部
【0306】(実施例35)実施例29において、保護
層に含有されるバインダー樹脂及びその添加量を下記の
とおりに変更し、かつ電荷輸送物質を無添加とした以外
は、すべて実施例29と同様にして、電子写真感光体3
5を作製した。 下記構造式の高分子電荷輸送物質(重量平均分子量15万、 Ip:5.4eV) 20部
【0307】
【化65】
【0308】(実施例36)実施例29において、保護
層にさらに下記構造式の酸化防止剤を添加した以外は、
すべて実施例29と同様にして、電子写真感光体36を
作製した。 下記構造式の酸化防止剤 0.24部
【0309】
【化66】
【0310】(実施例37)実施例29と同様にして、
下引き層及び電荷発生層を形成した後、下記組成の電荷
輸送層を形成し、保護層は形成せずに電子写真感光体3
7を作製した。電荷輸送層の膜厚は約25μmとした。
【0311】 (電荷輸送層塗工液) ポリカーボネート(Zポリカ、帝人化成製) 10部 下記構造式の電荷輸送物質 8部
【0312】
【化67】 α−アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、「スミコランダムAA-03」 住友化学工業製) 1.5部 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.04部 テトラヒドロフラン 80部 シクロヘキサノン 15部
【0313】(比較例1)実施例1において、ポリエス
テル樹脂を下記のとおりに変更した以外は、すべて実施
例1と同様にして比較の電子写真感光体1を作製した。 ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g) 0.6部
【0314】(比較例2)比較例1において、ポリエス
テル樹脂の添加量を下記のとおりに変更した以外は、す
べて比較例1と同様にして比較の比較の電子写真感光体
2を作製した。 ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g) 1.2部
【0315】(比較例3)比較例1において、フィラー
を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例1と同
様にして比較の電子写真感光体3を作製した。 δ−アルミナ(平均一次粒径約0.013μm、 「Aluminium Oxide C」日本アエロジル製) 2部
【0316】(比較例4)比較例1において、フィラー
を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例1と同
様にして比較の電子写真感光体4を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、「AA-03」住友化学工業製) 3部
【0317】(比較例5)実施例7において、湿潤分散
剤を無添加とした以外は、すべて実施例7と同様にして
比較の電子写真感光体5を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0部
【0318】(比較例6)比較例5において、フィラー
を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例5と同
様にして比較の電子写真感光体6を作製した。酸化チタ
ン(平均一次粒径約0.3μm、「CR-97」石原産業
製) 3部
【0319】(比較例7)比較例5において、フィラー
を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例5と同
様にして比較の電子写真感光体7を作製した。 チタネートカップリング処理を施したα−アルミナ (平均一次粒径約0.3μm、「AA-03」住友化学工業製) 3部
【0320】(比較例8)比較例5において、フィラー
を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較例5と同
様にして比較の電子写真感光体8を作製した。 シランカップリング処理を施した酸化チタン (平均一次粒径約0.015μm、「MT100SA」テイカ製) 2部
【0321】(比較例9)比較例5において、フィラー
の添加量を下記のとおりに変更した以外は、すべて比較
例5と同様にして比較の電子写真感光体9を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径約0.3μm、「スミコランダムAA-03」 住友化学工業製) 1部
【0322】(比較例10)比較例5において、保護層
に含有される電荷輸送物質を無添加とした以外は、すべ
て比較例5と同様にして比較の電子写真感光体10を作
製した。 下記構造式の電荷輸送物質 0部
【0323】
【化68】
【0324】(比較例11)実施例7において、湿潤分
散剤を下記の湿潤分散剤に変更し、その添加量を下記の
とおりに変更した以外は、すべて実施例7と同様にして
比較の電子写真感光体11を作製した。 湿潤分散剤(顔料に親和性を持つ共重合体溶液、酸価0(mgKOH/g)、 固形分約40%、「Disperbyk-103」BYKケミー製) 0.06部
【0325】(比較例12)比較例11において、湿潤
分散剤の添加量を下記のとおりに変更した以外は、すべ
て比較例11と同様にして比較の電子写真感光体12を
作製した。 湿潤分散剤(顔料に親和性を持つ共重合体溶液、酸価0(mgKOH/g)、 固形分約40%、「Disperbyk-103」BYKケミー製) 0.12部
【0326】(比較例13)実施例37において、湿潤
分散剤を無添加とした以外は、すべて実施例37と同様
にして、比較の電子写真感光体13を作製した。 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0部
【0327】(比較例14)実施例37において、湿潤
分散剤を下記のポリエステル樹脂に変更し、さらにその
添加量を下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例
37と同様にして、比較の電子写真感光体14を作製し
た。 ポリエステル樹脂(酸価7mgKOH/g) 0.6部
【0328】(比較例15)実施例37において、フィ
ラーを無添加とした以外は、すべて実施例37と同様に
して比較の電子写真感光体15を作製した。 α−アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、 「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 0部
【0329】以上のようにして作製された実施例1〜3
7の電子写真感光体1〜37及び比較例1〜15の電子
写真感光体1〜15を、電子写真プロセス用カートリッ
ジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、帯
電ローラー及び画像露光光源を655nmの半導体レー
ザーを用いたリコー製imagioMF2200改造機
にて、連続してトータル1万枚の印刷を行ない、その際
初期及び1万枚印刷後における明部電位の測定並びに画
像評価を行なった。また、初期及び1万枚印刷後におけ
る膜厚差より摩耗量の評価を行なった。また、1万枚印
刷後においても良好な画像が得られた感光体について
は、さらに連続して4万枚の印刷を行ない、トータル5
万枚の印刷後における画像評価を行なった。これらの結
果を表2に示す。
【0330】
【表2】 *5 画像品質の評価基準は、下記のとおりとした。 ◎:画質劣化がほとんど認められず、良好な画像と判断
できるレベル。 ○:画質劣化が若干認められるが、特に問題ないレベ
ル。 △:明らかに画質劣化が認められるレベル。 ×:顕著な画質劣化が認められ、画像の判別が困難なレ
ベル。
【0331】表2の評価結果より、最表面を形成する層
にフィラーが含有された感光体において、酸価が10〜
700(mgKOH/g)の有機化合物を添加すること
によって、明部電位を大幅に低減することが可能となっ
た。また、それによって初期だけでなく1万枚印刷後に
おいても明部電位の上昇が少なく、高画質画像が安定に
得られることが確認された。また、それと同時に摩耗量
についても抑制することが可能となり、耐摩耗性が大幅
に向上していることが確認された。但し、フィラーとし
て酸性フィラーを用いたり、酸性処理剤で処理したフィ
ラーを用いたりした場合には、解像度が低下する傾向が
確認され、少なくともpHが5以上のフィラーと組み合
わせることによって、それらの影響を回避できることが
確認された。また、導電性フィラーを用いた場合には、
初期から画質への影響が現れており、画像ボケの影響が
非常に大きいことが確認された。さらに、フィラーの含
有量を著しく増加させた場合においても、解像度が低下
する傾向があることが確認された。また、保護層に電荷
輸送物質を含有させないと、残留電位上昇の影響が増加
することが確認された。しかし、電荷輸送物質が無添加
でも酸価が10〜700(mgKOH/g)の有機化合
物の添加量を増加することによって、その傾向を軽減さ
せることが可能であることが確認された。
【0332】一方、これらのフィラーを含有した感光体
において、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有
機化合物が無添加の場合や酸価が10(mgKOH/
g)以下の有機化合物を添加した場合には、明部電位が
初期から非常に高く、著しい画像濃度の低下を引き起こ
しており、初期画像から画像の判別が困難な状態にあっ
た。さらに、これらの感光体は、摩耗量が著しく増加し
ており、耐摩耗性に対しても乏しいことが確認された。
1万枚の印刷後において良好な画質を維持していた感光
体は、少なくとも5万枚の印刷後においても良好な画質
を維持できることが確認され、これらの感光体は高耐久
性を有していることが明らかにされた。最表面層にフィ
ラーが含有されていない感光体は、初期においては明部
電位が低く、良好な画像が得られており、さらに少なく
とも1万枚の印刷に対しては耐えうるものの、5万枚印
刷後では摩耗変動量が非常に大きく、耐久性に乏しいこ
とが確認された。
【0333】(実施例38〜実施例68)5万枚印刷後
において、良好な画像が得られた感光体については、続
けてNOxガス曝露による加速劣化試験を実施した。感
光体は、約20ppmのNOxガス雰囲気下に24時間
放置した後に画像評価を行なった。画像評価には、前記
のリコー製imagioMF2200改造機を使用し
た。これらの結果を表3に示す。
【0334】
【表3】 *6 画像品質の評価基準は、下記のとおりとした。 ◎:画質劣化がほとんど認められず、良好な画像と判断
できるレベル。 ○:画質劣化が若干認められるが、特に問題ないレベ
ル。 △:明らかに画質劣化が認められるレベル。 ×:顕著な画質劣化が認められ、画像の判別が困難なレ
ベル。
【0335】表3の結果より、NOxガス雰囲気下に曝
露する加速劣化試験を行なうことにより、解像度が低下
する傾向が認められた。しかし、ヒンダードフェノール
構造とヒンダードアミン構造の両構造を有する酸化防止
剤を添加することによって、それらの影響を回避できる
ことが確認された。また、添加する酸価が10〜700
(mgKOH/g)の有機化合物の種類やバインダー樹
脂の種類によっても、その影響を抑制できる傾向が認め
られた。加えて、電荷輸送物質を無添加にすることによ
っても、解像度低下の影響が抑制されることが確認され
た。
【0336】(実施例70)実施例26において得られ
た電子写真感光体26を、電子写真プロセス用カートリ
ッジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、
帯電ローラー及び画像露光光源を655nmの半導体レ
ーザーを用いたリコー製imagioMF2200改造
機にて連続してトータル10万枚の印刷を行ない、その
際初期及び10万枚印刷後の画像及び明部電位、摩耗量
について評価を行なった。結果を表4に示す。
【0337】(実施例71)実施例26において得られ
た電子写真感光体26を、電子写真プロセス用カートリ
ッジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、
帯電ローラー及び画像露光光源を655nmの半導体レ
ーザーを用いたリコー製imagioMF2200改造
機にて連続してトータル10万枚の印刷を行ない、その
際初期及び10万枚印刷後の画像及び明部電位、摩耗量
について評価を行なった。用いた帯電ローラーには非画
像領域に厚さ50μmのポリテトラフロロエチレン系フ
ッ素樹脂テープを巻き付け、感光体の画像領域には帯電
ローラーと直接接触しない形状とした。結果を表4に示
す。
【0338】(実施例72)実施例26において得られ
た電子写真感光体26を、電子写真プロセス用カートリ
ッジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、
帯電ローラー及び画像露光光源を655nmの半導体レ
ーザーを用いたリコー製imagioMF2200改造
機にて連続してトータル10万枚の印刷を行ない、その
際初期及び10万枚印刷後の画像及び明部電位、摩耗量
について評価を行なった。用いた帯電ローラーには非画
像領域に、厚さ50μmのポリテトラフロロエチレン系
フッ素樹脂テープを巻き付け、感光体の画像領域には帯
電ローラーと直接接触しない形状とし、さらに帯電ロー
ラーにAC(2kHz,1.8kVpp)+DC(−7
50V)を印加した。結果を表4に示す。
【0339】(実施例73)実施例26において得られ
た電子写真感光体26を、電子写真プロセス用カートリ
ッジ(ただし、クリーニング前露光はなし)に装着し、
帯電ローラー及び画像露光光源を655nmの半導体レ
ーザーを用いたリコー製imagioMF2200改造
機にて連続してトータル10万枚の印刷を行ない、その
際初期及び10万枚印刷後の画像及び明部電位、摩耗量
について評価を行なった。用いた帯電ローラーには非画
像形成領域に、厚さ50μmのポリテトラフロロエチレ
ン系フッ素樹脂テープを巻き付け、感光体の画像領域に
直接接触しない形状とし、帯電ローラーにAC(2kH
z,1.8kVpp)+DC(−750V)を印加し
た。また、現像剤にはステアリン酸亜鉛をトナー100
重量部に対して0.1重量部添加して使用した。結果を
表4に示す。
【0340】
【表4】
【0341】表4の結果より、10万枚の印刷を行なう
と、帯電ローラーの汚染により地肌汚れやスジ状の画像
欠陥が発生しやすくなる傾向が見られたが、帯電ローラ
ーを感光体と接触させないことによって、それらの影響
を軽減することが可能になった。しかし、ハーフトーン
画像において若干画像濃度ムラが発生した。そこで、帯
電ローラーにACを重畳させることによって、それらの
影響を抑制することが可能となった。一方、ACを重畳
することによって感光体の摩耗量が増加する傾向が認め
られたが、現像剤にステアリン酸亜鉛粉末を添加するこ
とによって、良好な画質を維持しつつ耐摩耗性を向上さ
せることが可能となった。
【0342】(実施例74)実施例26において得られ
た電子写真感光体26を、帯電ローラー及び画像露光光
源を655nmの半導体レーザーを用いたタンデム方式
によるリコー製フルカラーレーザープリンター試作改造
機に搭載し、連続してトータル10万枚のフルカラー印
刷を行ない、その際初期及び10万枚印刷後の画像につ
いて評価を行なった。用いた帯電ローラーには非画像形
成領域に、厚さ50μmのポリテトラフロロエチレン系
フッ素樹脂テープを巻き付け、感光体の画像領域に直接
接触しない形状とし、帯電ローラーにAC(2kHz,
1.8kVpp)+DC(−750V)を印加した。ま
た、現像剤にはステアリン酸亜鉛をトナー100重量部
に対して0.1重量部添加して使用した。これらの結果
を表5に示す。
【0343】(比較例16)比較例15において得られ
た比較の電子写真感光体15を、帯電ローラー及び画像
露光光源を655nmの半導体レーザーを用いたタンデ
ム方式によるリコー製フルカラーレーザープリンター試
作改造機に搭載し、連続してトータル10万枚のフルカ
ラー印刷を行ない、その際初期及び10万枚印刷後の画
像について評価を行なった。用いた帯電ローラーには非
画像形成領域に、厚さ50μmのポリテトラフロロエチ
レン系フッ素樹脂テープを巻き付け、感光体の画像領域
に直接接触しない形状とし、帯電ローラーにAC(2k
Hz,1.8kVpp)+DC(−750V)を印加し
た。また、現像剤にはステアリン酸亜鉛をトナー100
重量部に対して0.1重量部添加して使用した。これら
の結果を表5に示す。
【0344】(実施例75)ニッケルシームレスベルト
上に下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、お
よび電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工により順次塗布、乾
燥して、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生
層、22μmの電荷輸送層を形成した。
【0345】 (下引き層塗工液) 二酸化チタン粉末 400部 メラミン樹脂 65部 アルキッド樹脂 120部 2−ブタノン 400部
【0346】 (電荷発生層塗工液) ポリビニルブチラール 2部 下記構造式のトリスアゾ顔料 6部
【0347】
【化69】 2−ブタノン 120部 シクロヘキサノン 240部
【0348】 (電荷輸送層塗工液) ポリカーボネート(Aポリカ、帝人化成社製) 10部 下記構造式の電荷輸送物質(Ip:5.4eV) 7部
【0349】
【化70】 テトラヒドロフラン 100部
【0350】続いて、電荷輸送層上に下記組成の保護層
をスプレー塗工によって約5μmの保護層を形成し、電
子写真感光体38を作製した。
【0351】 (保護層塗工液) α−アルミナ(平均一次粒径:0.3μm、 「スミコランダムAA-03」住友化学工業製) 2部 湿潤分散剤(不飽和ポリカルボン酸ポリマー溶液、 酸価約180mgKOH/g、固形分約50%、 「BYK-P104」BYKケミー製) 0.06部 下記構造式の電荷輸送物質 4部
【0352】
【化71】 ポリカーボネート(Aポリカ、帝人化成社製) 6部 テトラヒドロフラン 220部 シクロヘキサノン 80部
【0353】(比較例17)実施例75において、電荷
輸送層の膜厚を27μmとし、保護層を形成しなかった
以外は、すべて実施例75と同様にして、比較の電子写
真感光体16を作製した。
【0354】得られた電子写真感光体38及び比較の電
子写真感光体16を、画像露光光源が780nmの半導
体レーザーを用いた中間転写方式であるリコー製IPS
iOcolor5000改造機に搭載し、連続してトー
タル2.5万枚のフルカラー印刷を行ない、その際初期
及び2.5万枚印刷後の画像について評価を行なった。
それらの結果を表5に示す。
【0355】
【表5】
【0356】表5の結果より、タンデム方式のフルカラ
ープリンターにおいて、本発明の電子写真感光体を用い
た場合には、10万枚のフルカラー印刷に対しても色再
現性に優れ、良好な画像を得ることが可能であったが、
最表面にフィラーを含有していない電子写真感光体を用
いた場合には、地肌汚れが発生し、また感度劣化による
色再現性の低下も見られ、著しい画質劣化が認められ
た。また、中間転写方式のフルカラープリンターにおい
て、本発明の電子写真感光体を用いた場合には、2.5
万枚のフルカラー印刷に対しても良好な画像を維持する
ことが可能であったが、最表面を形成する層にフィラー
が含有されていない電子写真感光体を用いた場合には、
地肌汚れが目立ち、また解像度の低下が認められ、画質
劣化を引き起こすことが確認された。
【0357】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明によれば、高耐久化のために感光体の
最表面層にフィラーを含有させ、それによって顕著に起
こる残留電位上昇に対しては、酸価が10〜700(m
gKOH/g)の有機化合物、特にそれらの湿潤分散剤
を含有させることによって回避できることを見いだし
た。また、酸価が10〜700(mgKOH/g)の有
機化合物、中でもそれらの湿潤分散剤の添加効果は、残
留電位上昇の回避だけに留まらず、フィラーの分散性を
向上させ、同時にフィラーの沈降抑制効果が得られたこ
とにより、最表面層における光散乱性の抑制、耐摩耗性
の向上、偏摩耗の抑制等、高画質化及び高耐久化に対し
て一度に向上させることが可能となり、これによって高
耐久化と高画質化を両立する電子写真感光体が実現され
た。さらに、塗膜欠陥発生の防止効果が得られる上に、
塗工液の長寿命化が実現されたことにより、高耐久性を
有し、かつ高解像度の画像が得られる感光体を長期に渡
って安定に製造することが可能となった。また、これま
で残留電位の影響が大きくて使用できなかった塩基性フ
ィラーを使いこなすことが可能となったことにより、画
像ボケの発生をも抑制する効果が得られ、これによって
ドラムヒーターを必要としなくとも、高画質画像が長期
に渡って安定に得られ、また感光体の交換も不要な高耐
久性を有する電子写真方法並びに電子写真装置が提供さ
れるという極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる電子写真感光体の層構成を
表わした図である。
【図2】本発明に用いられる別の電子写真感光体の層構
成を表わした図である。
【図3】本発明に用いられる別の電子写真感光体の層構
成を表わした図である。
【図4】本発明に用いられる別の電子写真感光体の層構
成を表わした図である。
【図5】本発明に用いられる別の電子写真感光体の層構
成を表わした図である。
【図6】本発明の電子写真プロセス及び電子写真装置を
説明するための図である。
【図7】本発明の別の電子写真をプロセス及び電子写真
装置を説明するための図である。
【図8】本発明の別の電子写真をプロセス及び電子写真
装置を説明するための図である。
【図9】本発明の電子写真装置用プロセスカートリッジ
を説明するための図である。
【図10】実施例18で用いたチタニルフタロシアニン
のXDスペクトルを表わした図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 除電ランプ 3 帯電チャージャー 5 画像露光部 6 現像ユニット 7 転写前チャージャー 8 レジストローラ 9 転写紙 10 転写チャージャー 11 分離チャージャー 12 分離爪 13 クリーニング前チャージャー 14 ファーブラシ 15 ブレード 16 感光体 17 帯電チャージャ 18 クリーニングブラシ 19 画像露光部 20 現像ローラ 21 感光体 22a 駆動ローラー 22b 駆動ローラー 23 帯電チャージャ 24 像露光源 25 転写チャージャ 26 クリーニング前露光 27 クリーニングブラシ 28 除電光源 29 現像ユニット 31 導電性支持体 33 単層感光層 35 電荷発生層 37 電荷輸送層 39 保護層 71C 感光体 71M 感光体 71Y 感光体 71K 感光体 72C 帯電部材 72M 帯電部材 72Y 帯電部材 72K 帯電部材 73C レーザー光 73M レーザー光 73Y レーザー光 73K レーザー光 74C 現像部材 74M 現像部材 74Y 現像部材 74K 現像部材 75C クリーニング部材 75M クリーニング部材 75Y クリーニング部材 75K クリーニング部材 76C 画像形成要素(画像形成ユニット) 76M 画像形成要素(画像形成ユニット) 76Y 画像形成要素(画像形成ユニット) 76K 画像形成要素(画像形成ユニット) 77 転写(記録)紙 78 給紙コロ 79 レジストローラ 80 転写搬送ベルト 81C 転写ブラシ 81M 転写ブラシ 81Y 転写ブラシ 81K 転写ブラシ 82 定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 372 G03G 9/08 372 9/09 361 (72)発明者 田村 宏 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 新美 達也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 松山 彰彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 栗本 鋭司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 紙 英利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA08 AA21 CA11 CA21 CA25 2H068 AA03 AA04 BA57 BA60 BB25 BB27 CA33 CA37 EA13 EA14 EA17 FA27 FB07 FB08 FB13 FC01 FC05 FC08 FC11

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に少なくとも一層もしく
    は複数層の感光層を設けてなる電子写真感光体におい
    て、該電子写真感光体の最表面に形成される層に少なく
    ともフィラー、バインダー樹脂及び酸価が10〜700
    (mgKOH/g)の有機化合物を含有することを特徴
    とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物が、分子構造中に少なくとも一つの親
    水基を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写
    真感光体。
  3. 【請求項3】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物の親水基が、カルボキシル基であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物の親水基が、少なくとも分子構造の末
    端部に結合されてなることを特徴とする請求項2または
    3に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物が、不飽和ポリカルボン酸タイプの湿
    潤分散剤であることを特徴とする請求項3または4に記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物の分子量が、300〜30000の範
    囲内であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1
    に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記酸価が10〜700(mgKOH/
    g)の有機化合物の含有量をA、前記酸価が10〜70
    0(mgKOH/g)の有機化合物の酸価をB、前記フ
    ィラーの含有量をCとしたときに、A、B及びCとの間
    に下記の関係式を満たすことを特徴とする請求項1乃至
    6の何れか1に記載の電子写真感光体。 【数1】0.1 ≦ (A×B/C) ≦ 20
  8. 【請求項8】 前記フィラーが、少なくとも一種の無機
    顔料であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1
    に記載の電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記無機顔料が、少なくとも一種の金属
    酸化物であることを特徴とする請求項8に記載の電子写
    真感光体。
  10. 【請求項10】 前記金属酸化物が、1010Ω・cm
    以上の比抵抗を有することを特徴とする請求項9に記載
    の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 前記金属酸化物の等電点におけるpH
    が、5以上を示すことを特徴とする請求項9または10
    に記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 前記フィラーが、少なくとも一種の表
    面処理剤で表面処理を施していることを特徴とする請求
    項8乃至11の何れか1に記載の電子写真感光体。
  13. 【請求項13】 前記表面処理剤が、チタネート系カッ
    プリング剤、アルミニウム系カップリング剤の何れかか
    ら選択される少なくとも一種であることを特徴とする請
    求項12に記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 前記表面処理剤の処理量が、フィラー
    に対して2重量%〜30重量%であることを特徴とする
    請求項12または13に記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 前記フィラーの平均一次粒径が、0.
    01μm〜0.9μmの範囲内であることを特徴とする
    請求項1乃至14の何れか1に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 前記フィラーの含有量が、該感光体の
    最表面に形成される層に含有される全固形分量に対し、
    0.1重量%〜50重量%の範囲内であることを特徴と
    する請求項1乃至15の何れか1に記載の電子写真感光
    体。
  17. 【請求項17】 前記バインダー樹脂が、ポリカーボネ
    ート、ポリアリレートより選択される少なくとも一種を
    含有していることを特徴とする請求項1乃至16の何れ
    か1に記載の電子写真感光体。
  18. 【請求項18】 前記バインダー樹脂が、高分子電荷輸
    送物質であることを特徴とする請求項1乃至16の何れ
    か1に記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 前記電子写真感光体の感光層上に、さ
    らに最表面層として保護層を形成した感光体において、
    該保護層に少なくとも一種の電荷輸送物質を含有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至18の何れか1に記載の電
    子写真感光体。
  20. 【請求項20】 前記保護層に含有される電荷輸送物質
    のイオン化ポテンシャルが、それよりも導電性支持体側
    に形成される感光層に含有される電荷輸送物質のイオン
    化ポテンシャルを超えないことを特徴とする請求項19
    に記載の電子写真感光体。
  21. 【請求項21】 前記感光体の最表面を形成する層に、
    酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至2
    0の何れか1に記載の電子写真感光体。
  22. 【請求項22】 前記酸化防止剤が、ヒンダードフェノ
    ール構造とヒンダードアミン構造の両構造を有する化合
    物であることを特徴とする請求項21に記載の電子写真
    感光体。
  23. 【請求項23】 前記ヒンダードフェノール構造とヒン
    ダードアミン構造の両構造を有する化合物が、下記構造
    式で表わされる化合物であることを特徴とする請求項2
    2に記載の電子写真感光体。 【化1】
  24. 【請求項24】 前記酸価防止剤の含有量が、前記フィ
    ラーに対して0.1重量%〜20重量%の範囲内であ
    り、かつ前記酸価が10〜700(mgKOH/g)の
    有機化合物のフィラーに対する含有量よりも多いことを
    特徴とする請求項21乃至23の何れか1に記載の電子
    写真感光体。
  25. 【請求項25】 請求項1乃至24の何れか1に記載さ
    れた電子写真感光体の最表面層を形成するための塗工液
    において、使用される有機溶剤が少なくとも2種の混合
    溶剤であることを特徴とする電子写真感光体の最表面層
    形成用塗工液。
  26. 【請求項26】 前記塗工液の分散過程において、分散
    手段としてボールミルを使用することを特徴とする請求
    項25に記載の電子写真感光体の最表面層形成用塗工
    液。
  27. 【請求項27】 前記分散過程において使用されるメデ
    ィアの材質が、アルミナであることを特徴とする請求項
    26に記載の電子写真感光体の最表面層形成用塗工液。
  28. 【請求項28】 前記感光体の最表面に形成される層
    が、請求項25乃至27の何れか1に記載の最表面層形
    成用塗工液を用いてスプレー塗工によって形成されたも
    のであることを特徴とする請求項1乃至24の何れか1
    に記載の電子写真感光体。
  29. 【請求項29】 前記感光体の最表面に形成される層
    が、前記最表面層形成用塗工液のスプレー噴霧を少なく
    とも2回以上重ねて行なうことによって形成されたもの
    であることを特徴とする請求項28に記載の電子写真感
    光体。
  30. 【請求項30】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写が繰り返し行なわれる電子写真方
    法において、該電子写真感光体として請求項1乃至2
    4、28、29の何れか1に記載の電子写真感光体が用
    いられることを特徴とする電子写真方法。
  31. 【請求項31】 電子写真感光体に、少なくとも帯電、
    画像露光、現像、転写を繰り返し行ない、かつ画像露光
    の際にはLDあるいはLED等によって感光体上に静電
    潜像の書き込みが行なわれる、所謂デジタル方式の電子
    写真方法において、該電子写真感光体として請求項1乃
    至24、28、29の何れか1に記載の電子写真感光体
    が用いられることを特徴とする電子写真方法。
  32. 【請求項32】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備してな
    る電子写真装置であって、該電子写真感光体が請求項1
    乃至24、28、29の何れか1に記載の電子写真感光
    体であることを特徴とする電子写真装置。
  33. 【請求項33】 少なくとも帯電手段、画像露光手段、
    現像手段、転写手段および電子写真感光体を具備し、該
    画像露光手段にLDあるいはLED等を使用することに
    よって該電子写真感光体上に静電潜像の書き込みが行な
    われる、所謂デジタル方式の電子写真装置であって、該
    電子写真感光体が請求項1乃至24、28、29の何れ
    か1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電
    子写真装置。
  34. 【請求項34】 前記感光体を具備してなる請求項32
    または33に記載の電子写真装置において、該電子写真
    装置の帯電手段としてローラー状の帯電部材を用いるこ
    とを特徴とする請求項32または33に記載の電子写真
    装置。
  35. 【請求項35】 前記ローラー状の帯電部材を帯電手段
    として用いた電子写真装置において、該帯電部材と感光
    体とが画像形成領域において非接触であることを特徴と
    する請求項34に記載の電子写真装置。
  36. 【請求項36】 前記ローラー状の帯電部材を帯電手段
    として用いた電子写真装置において、直流成分に交流成
    分を重畳し感光体に帯電を与えることを特徴とする請求
    項34または35に記載の電子写真装置。
  37. 【請求項37】 前記電子写真装置において、該感光体
    表面に潤滑性物質を付着させる手段を有することを特徴
    とする請求項32乃至36の何れか1に記載の電子写真
    装置。
  38. 【請求項38】 前記電子写真装置において、感光体上
    に形成された静電潜像を現像する際に用いられるトナー
    に、少なくとも一種の潤滑性物質が含有されたトナーを
    用いて現像することにより、感光体表面に該潤滑性物質
    を付着させることを特徴とする請求項37に記載の電子
    写真装置。
  39. 【請求項39】 前記電子写真装置において、潤滑性物
    質を外部より感光体表面に接触させることによって、感
    光体表面に該潤滑性物質を付着させることを特徴とする
    請求項37に記載の電子写真装置。
  40. 【請求項40】 前記電子写真装置において、少なくと
    も一種の潤滑性物質がステアリン酸亜鉛もしくはフッ素
    含有化合物であることを特徴とする請求項37乃至39
    の何れか1に記載の電子写真装置。
  41. 【請求項41】 前記電子写真装置が、感光体上に形成
    された静電潜像にトナーを現像した後、それらを直接紙
    に転写する前に、中間転写体もしくは中間転写ベルト上
    にトナー像を形成した後に紙に転写することによって、
    該電子写真感光体と紙とが直接接触しないことを特徴と
    する請求項32乃至40の何れか1に記載の電子写真装
    置。
  42. 【請求項42】 前記電子写真装置が、少なくともシア
    ン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のトナーを保
    持する現像部に対応した複数の電子写真感光体を具備
    し、並列処理によるフルカラー印刷が可能な、いわゆる
    タンデム方式による電子写真装置であることを特徴とす
    る請求項32乃至41の何れか1に記載の電子写真装
    置。
  43. 【請求項43】 少なくとも電子写真感光体を具備して
    なる電子写真装置用プロセスカートリッジにおいて、該
    電子写真感光体が請求項1乃至24、28、29の何れ
    か1に記載の電子写真感光体であることを特徴とする電
    子写真装置用プロセスカートリッジ。
  44. 【請求項44】 前記プロセスカートリッジを備えた電
    子写真装置であって、かつ請求項34乃至42の何れか
    1に記載の少なくとも一つの手段を備えていることを特
    徴とする請求項43に記載の電子写真装置用プロセスカ
    ートリッジ。
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