JP2004029489A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質化と高耐久性を両立でき、長期間繰り返し使用しても濃度ムラが生じない画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成装置は、感光体と、感光体の膜厚変化によって帯電電位が変化する帯電手段と、光書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行う画像処理手段とを有する画像形成装置であって、光書き込みが、200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて、ビーム径35μm以下のレーザービーム光で行われ、かつ、感光体が導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有し、さらに電荷輸送層上に、電荷輸送物質及びフィラーを含有し書き込み光に対する透過率が90%以上である保護層を有し、該電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることを特徴とする。また、感光体の膜厚変化に依存せず帯電電位が一定の帯電手段を備える場合にも、同様の装置が提供できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電複写機、レーザープリンター等の電子写真プロセスを用いる画像形成装置、特にトナー像を記録シート(紙等)へ定着するいわゆる定着行程を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4を用いて、以下に従来用いられている、電子写真プロセスを用いる画像形成装置の概略を説明する。図4中、感光体ドラム1は導体の表面に感光体を塗布することによって形成され、矢印方向に回転する。一般に画像形成装置では次のような手順で画像の形成を行う。
1 帯電手段2では、感光体の表面を所望の電位に帯電する。
2 露光手段3では、感光体を露光して、所望の画像に対応する静電潜像を感光体上に形成する。
3 現像手段4では、露光手段によってつくられた静電潜像を、トナーによって現像し感光体上にトナー像を形成する。
4 転写手段5は、感光体上のトナー像を不図示の搬送手段によって搬送される紙等の記録シート6上に転写する。
5 クリーニング手段7は、転写手段で記録シート上に転写されず感光体上に残ったトナーを清掃する。
6 転写手段によって、トナー像を転写された記録シートは定着手段8へ搬送される。定着手段8では、トナーは加熱され、記録シート上に定着される。
7 感光体ドラムは図1中の矢印方向に回転するため、上記の1〜6の工程を繰り返すことによって記録シート上に所望の画像が形成されていく。
【0003】
上記1〜7の工程のうち、1の帯電手段について説明する。電子写真プロセスでの帯電装置としては、コロナ放電を利用して感光体の帯電を行うコロナ帯電装置が従来から使用されている。図5は、そのようなコロナ帯電装置の一例の概略図である。ワイヤの材質は、図5の例ではタングステンであり、ワイヤは線径60μmである。ワイヤは図5ような位置(ケース中央)に感光体ドラムの軸方向に張設され、−7kV程度の高電圧が印加されている。このワイヤは帯電ケースで覆われている。ケースの材質は、酸化されにくいステンレス鋼である。また、ワイヤと感光体との間には、グリッドが張設されており、−0.6kV程度の電圧が印加される。グリッドは板厚0.1mmのステンレス鋼板をメッシュ状に切り取ったものである。
【0004】
図5のコロナ帯電装置では、感光体の帯電は次のように行われる。張設されたワイヤの近傍では、強電界が形成され空気の絶縁破壊が起こり、イオンが発生する。このイオンの一部は、ワイヤと感光体との間の電界によって移動し、感光体表面が帯電される。感光体の帯電は、表面電位がグリッドに印加した電位にほぼ等しくなるまで続くため、感光体の表面電位は、グリッドに印加する電位によって制御することが可能である。
【0005】
帯電手段として、ワイヤを使用したコロナ帯電装置以外のコロナ帯電装置としては、鋸歯状電極を放電電極として使用しているものがある(特開平8−20210、特開平6−301286号公報)。図6は、この鋸歯状電極を用いたコロナ帯電装置の一例の概略図である。鋸歯状電極は図7のような形状であって、材質は板厚0.1mmのステンレス鋼板、頂点のピッチは3mmである。この鋸歯状電極は図6のように支持部材に固定され、電源によって−5kVの高電圧が印加される。鋸歯状電極を使用したコロナ帯電装置でも、ワイヤを使用したコロナ帯電装置と同様に、材質がステンレス鋼の帯電ケースで覆われており、鋸歯状電極と感光体との間にはグリッドが配置されている。鋸歯状電極を使用したコロナ帯電装置での感光体の帯電も、ワイヤを使用した場合と同じであり、鋸歯状電極の頂点付近でコロナ放電がおこる。このほかのコロナ帯電装置としては、放電電極が針状(ピン状)の電極であるものが考案されている。
【0006】
鋸歯状電極を使用したコロナ帯電装置では、ワイヤを使用した場合にくらべて、小型、低オゾン発生の利点をもつ。鋸歯状電極では、コロナ放電が方向性(帯電ケース側へ向かうイオンの流れが、グリッド側(感光体側)へ向かうイオンの流れにくらべて小さくなる)をもって起こるため、帯電装置の幅(帯電ケースの感光体側の開口幅)を小さくすることができる。このことは、画像形成装置全体の小型化を実現するために重要である。また、コロナ放電が方向性を持つため、感光体の帯電の効率が上がり、コロナ帯電装置に流れる電流を小さくすることができ、この結果、オゾンの発生量が少なくなる。
【0007】
画像形成装置の帯電装置としては、これらのコロナ帯電装置ほかに、いわゆる接触帯電装置がある。この接触帯電装置は、コロナ帯電装置で問題であった、
1、発生するオゾンが多い
2、印加電圧が大きい(5〜7kV)
等を改善することができる。このため、低速、中速の電子写真方式の画像形成装置での帯電装置として広く用いられている。
【0008】
接触帯電装置は、被帯電体である感光体(以下、単に感光体と略す)に、帯電手段を接触させ、この帯電手段に電圧を印加することによって感光体の帯電を行う。図8は、従来の接触帯電装置の一例であり、その断面図を表している。帯電手段2はローラ形状で直径5〜20mm、長さ約300mmであり、弾性層2aを導体2bの上に形成してある。感光体ドラムは直径30〜80mm、長さ約300mmであり、感光体1aを導体1b上に形成してある。帯電手段は回転する感光体ドラムに対して接触し、従動回転する。帯電手段の弾性層は、抵抗率が10〜10Ω・cmの材料から構成される。また、帯電手段の表面(弾性層の表面)には、膜厚が10〜20μmm程度の表面保護層が形成されている場合もある。帯電手段には、電源9によって電圧を印加し、感光体の帯電を行う。印加電圧は、直流で−1.5〜−2.0kVである。このような構成により、接触帯電装置では感光体を−500〜−800Vに均一に帯電することができる。
【0009】
上記の工程1〜7のうち、次に露光手段2について説明する。電子写真プロセスを用いる画像形成装置での露光手段は、いわゆるLD(レーザーダイオード)を出力画像に対応させて光変調を行う。このLDから発光されたレーザー光は、コリメートレンズ、アパーチャー、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、f−θレンズを介して、感光体上に結像するようになっている。ポリゴンミラーは、回転する多面鏡であり、この回転によってレーザー光が感光体上を走査するようになっている。このため、感光体を露光して、所望の画像に対応する静電潜像を感光体上に形成することができる。
【0010】
ところで、電子写真プロセスを用いる画像形成装置の感光体としては、いわゆる有機感光体(OPC)が主流となっている。この有機感光体では、導電性基体上にいわゆる電荷発生層、電荷輸送層を積層した積層タイプが主流となっている。しかし、有機系の感光体は、繰り返し使用によって膜削れが発生しやすく、感光層の膜削れが進むと、感光体の帯電電位の低下や光感度の劣化、感光体表面のキズ等による地汚れ、画像濃度低下あるいは画質劣化が促進される傾向が強く、従来から感光体の耐摩耗性が大きな課題として挙げられていた。さらに、近年では電子写真装置の高速化あるいは装置の小型化に伴う感光体の小径化によって、感光体の高耐久化がより一層重要な課題となっている。したがって、有機系の電子写真感光体においては、特に高画質化と高耐久化を両立させることが最重要課題として挙げられている。
【0011】
このような高画質化と高耐久化を両立させるための従来技術として、次のようなものが挙げられる。
特開平8−286407号公報
この発明では、感光体の表面層中に粒径0.05〜1μmで体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上の無機粒子を含有し、さらにこのような感光体に対して露光スポット径80μm以下で露光を行うことが特徴である。このような組み合わせにより、繰り返し使用を行った場合においても感光体の膜厚減耗がないうえに、クリーニング不良の発生もなく安定した画像が得られるようになる。さらに、露光スポット径を小さくした場合に特有に発生し、感光体の表面が劣化した際に発生する画像ニジミ等の不良が発生しないとしている。
【0012】
特開平9−319164号公報
この発明では、コントラスト電位をVc(V)、初期帯電電位をVo(V)、レーザービーム径をSμmとしたとき、これらが一定の条件、
Vc/Vo≦0.92・log(S)−0.018・L−0.29
を満たすことが特徴である。このようにすることにより、電荷輸送層の膜厚が従来並みの厚さを有する場合であっても、潜像劣化を抑えて解像度を高くし、高密度で高精細な画像を再現することが可能であるとしている。
【0013】
特開平11−95462号公報
この発明では、感光体の電荷輸送層が、
R1m−M−(OR2)n (M=Si、Al、Ti、Zr)
で示される化合物の少なくとも1種類以上の反応生成物を含有することを特徴とする。このようにすることにより、繰り返し帯電、露光による連続画像形成に際して磨耗や傷等よる膜削れが少なく、優れた耐久性を有するため、感光層を薄膜化でき、この結果、優れた階調性再現性を有する高画像品位の出力が得られる電子写真感光体が可能になるとしている。
【0014】
特開平6−138672号公報(特許3227230号公報)
この発明では、帯電部材に直流電圧のみを印加して感光体の帯電を行う電子写真装置において、画像形成領域の電荷輸送層の最大膜厚と最小膜厚との差が1.0μm以下であり、特定の構造式で示される化合物を電荷発生層が含有することが特徴である。感光体を上記のような構成にすることによって、従来では解決することができなかった、▲1▼帯電の不均一性、▲2▼感光体の絶縁破壊、といった問題を解決することができるとしている。
【0015】
特開平7−175230号公報(特許03001761号号公報)
この発明では、感光層の表面層に一次粒径0.3μm以下の導電性金属粉体又はフッ素系樹脂を含有している感光体上に、レーザビームを用いて静電潜像を形成する画像形成装置において、基本画素単位の面積をSとし、前記感光体面上レーザビーム面積をS’とするとき、S’/S<1/2であることを特徴としている。このようにすることで、ハイライト部の再現性のよい画像形成装置を提供できるとしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
一般に電子写真方式を用いる画像形成装置では、現像電界が高い空間周波数まで追従するようにするために、感光体膜厚を小さく(薄く)する必要があることが知られている(電子写真技術の基礎と応用:コロナ社p.150〜151)。しかしながら、従来技術(特開平11−95462号公報等)においても指摘されているように、感光体膜厚を小さくした場合には、クリーニングによる磨耗や傷等に対する耐久性が悪化し、また、帯電工程、露光工程を繰り返し経た場合の劣化が加速されるという問題がある。従来の積層型有機感光体では、電荷輸送層の結着樹脂としてポリカーボネートが一般的に使用されているが、これらの問題点によって、電荷輸送層の膜厚は20〜30μm程度に設定されていることが一般的である。
【0017】
しかしながら、この場合には、特に200lpi以上の線数によって中間調処理された画像データの書き込みを行うと、階調性が悪く、写真画像のような階調表現が必要な画像に対しては、満足の行く画像が得られていなかった。また、電子写真方式の画像形成装置では、上述したように転写残トナーを感光体から除去することを目的として弾性ブレードが感光体に当接されている。このとき感光体が弾性ブレードによって摺擦されるために、長期間の使用によって感光体が削られ、次第に膜厚が小さくなるといった問題が発生する。これが感光体の膜削れである。上記のように感光体の膜厚を初期状態から小さくした場合、例えば初期状態で膜厚20μmの感光体を使用した場合には、この感光体の膜削れによって、画像形成装置の使用中においては次第に膜厚が小さくなるため、感光体が絶縁破壊をおこしてしまうといった問題が以前から指摘されている。
【0018】
また、本発明は、初期のみならず長期間の使用によっても、出力画像に濃度差が発生しない画像形成装置の実現を提案するものである。つまり、従来では長期間の使用において感光体に偏磨耗が発生し濃度差の原因となっていたが、本発明ではこのような偏磨耗が原因と予想される濃度差の発生しない画像形成装置の実現を目的とする。これに対して、例えば、特開平6−138672号公報に記載の技術は初期状態での感光体の膜厚差(塗布ムラ)を技術課題としたものであり、技術課題の点から見ても本発明とは異なっている。
【0019】
そこで、本発明の目的は、高耐久性と高画質化の両立が可能な画像形成装置であり、かつ、繰り返し使用したときも高画質画像を安定に得られる、出力画像の濃度差の生じない画像形成装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の構成用件を満足することにより、目的とする画像形成装置を提供できることを見出した。
すなわち、本発明の第1の態様によれば、少なくとも、感光体と、感光体の膜厚変化によって帯電電位が変化する帯電手段と、感光体に対して光書き込みを行い静電潜像を形成する光書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行う画像処理手段とを有する画像形成装置であって、前記書き込み手段による光書き込みが、入力画像に対して200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて、ビーム径35μm以下のレーザービーム光で行われ、かつ、前記感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、さらに該電荷輸送層上に電荷輸送物質及びフィラーを含有し書き込み光に対する透過率が90%以上である保護層を有し、該電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0021】
さらに、本発明の第2の態様では、少なくとも、感光体と、感光体の膜厚変化に依存せず帯電電位が一定である帯電手段と、感光体に対して光書き込みを行い静電潜像を形成する光書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行う画像処理手段とを有する画像形成装置において、前記書き込み手段によって光書き込みが、入力画像に対して200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて、ビーム径35μm以下のレーザービーム光で行われ、かつ、前記感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、さらに該電荷輸送層上に電荷輸送物質及びフィラーを含有し書き込み光に対する透過率が90%以上である保護層を有し、該電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0022】
本発明を完成するまでに、本発明者らは、以下のような実験又は考察を行った。本発明者らの行った実験によれば、30μm程度の電荷輸送層を有する感光体を使用した場合には、200lpi以上の線数によって中間調処理が施された画像データの書き込みを行い画像を出力すると、階調性が悪く、写真画像のような階調表現が必要な画像に対しては満足のいく画像が得られないという問題が発生した。一方で、中間調処理を200lpi未満にした場合には、階調性は確保されるものの、ディザのテクスチャが目視で知覚され、きめの細かい画像が得られないという問題がある。さらに、階調性の悪い条件、すなわちこの場合は200lpi以上の中間調処理を施した場合では、いわゆるバンディングが発生しやすく、ノイズの多い画像しか得られないという問題を併せ持つことも明らかになった。
【0023】
さらに、本発明者らの実験によって、およそ20μm膜厚の、薄膜化した感光体を使用した場合には、いわゆる感光体の膜削れによる影響がより大きくなってしまうことが明らかになった。この他にも、上記発明が解決しようとする課題の欄で述べた膜削れは、均一に発生するわけではなく、感光体の周方向や軸方向において偏った状態で膜削れが発生(偏磨耗)することが分かった。つまり、長期間にわたって使用した場合、初期的には感光体膜厚を均一(一定)にしても、時間とともに感光体の膜厚は不均一になる。この感光体が偏磨耗を起こす理由としては、感光体の周方向の偏磨耗は感光体ドラムの偏心等によってブレードの当接圧が感光体の周方向で異なること、感光体ドラム軸方向の偏磨耗はブレード支持部材の変形(にげ)等による、やはりブレード当接圧の不均一さ、がそれぞれの原因であると考えられる。
【0024】
感光体に上記のような理由によって膜厚差が生じた場合には、画像形成装置システム全体としては、次のような問題が発生することが、発明者の実験では明らかになった。感光体の膜厚差が発生した場合には、帯電手段での感光体の帯電電位が変化するといった問題が起こる。このような帯電電位の感光体膜厚依存性は、スコロトロンや直流電圧を印加する接触帯電方式等を用いた、感光体の膜厚変化によって帯電電位が変化する帯電手段では、特別な帯電電位を制御する機構を持たない限りは、帯電電位が感光体の膜厚に依存して変化してしまう。このような帯電電位の変化は、露光手段によって書き込み後、現像手段によって現像を行うと、得られる出力画像に濃度差が発生してしまうことの原因となる。つまり、本来同一濃度となるべきパッチが、感光体の膜厚に応じて異なる濃度になってしまうのである。この主として直流電圧を利用した、感光体の膜厚変化に応じて帯電電位が変化する方式の帯電手段の場合の問題を解決する手段が、本発明の第1の態様である。
【0025】
一方、感光体の膜厚差が生じた場合には、例えば、交流重畳電圧を印加した接触帯電方式、接触AC帯電ローラ方式等の感光体の膜厚変化に依存せず帯電電位が一定である帯電手段によって、たとえ帯電電位を一定の電圧にすることができたとしても、感光体の膜厚によって決まる静電容量が異なるため感光体上の電荷量には、やはり差が生じてしまう。この結果、露光手段によって光書き込みを行った場合には、感光体の感度特性が異なるという結果を引き起こし、露光後の電位が異なってしまう。このため、やはり、本来同一濃度となるべきパッチが、感光体の膜厚によって異なる濃度になってしまうのである。この、主として交流電圧を利用した、感光体の帯電電位が一定の帯電手段の場合の問題を解決する手段が、本発明の第2の態様である。
【0026】
本発明では、第1及び第2の態様の双方において、電荷輸送層の上にさらに表面保護層を配置することによって、電荷輸送層の薄膜化を達成している。このことと、中間調処理の線数、レーザービーム径、感光体保護層の透過率、電荷輸送層及び保護層の膜厚、の他の条件を満たすことにより、上述のような200lpi以上の高線数での中間調処理を施した画像においても、階調性が悪化して、十分な画質が得られないという問題が発生しない画像形成装置が提供できる。このことは、後述する実施例で具体的に示す通りである。また、本発明での表面保護層の構成は、従来技術(特開平8−286470、特開平9−319164、特開平11−95462、特開平7−175230号公報)のいずれの方法とも異なり、独自のものである。
【0027】
保護層の材料や製造方法については後述するが、保護層は電荷輸送層と合わせて、解像度の点から、本発明では20μm以下とする。保護層膜厚が極度に薄い場合には、膜の均一性が低下したり、十分な耐摩耗性が得られない場合があり、膜厚が極度に厚い場合には、残留電位上昇の影響が増大したり、光透過率の低下により解像度やドット再現性の低下を引き起こす場合がある。
【0028】
さらに本発明では、電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることに加えて、感光体画像領域全面での最大膜厚箇所と最小膜厚箇所とでの膜厚差が、第1の態様である帯電手段が感光体の膜厚変化によって帯電電位が変化する帯電手段(例えば接触DC帯電ローラ方式、スコロトロン)である場合は1.5μm以下、第2の態様である帯電手段が感光体の膜厚変化に依存せず帯電電位が一定である帯電手段(例えば接触AC帯電ローラ方式)である場合は3.5μm以下であることが好ましい。このことにより、得られる画像は、上記の階調製の改善に加えて、明度差も改善される。
【0029】
後述する実施例で具体的に示すように、本発明の第1の態様である、直流電圧を印加した帯電方式の場合には、初期の状態で感光体画像領域全面での最大膜厚箇所と最小膜厚箇所とでの膜厚差(以下、単に膜厚差と称する)が1.5μm以下であれば、明度差で測定できる出力画像の濃度変化は小さく、膜厚差のこの範囲が出力画像の安定性を保証することが分かった。本発明の装置では、大量の通紙を行った後でも、偏磨耗が抑えられるため膜厚差の増大は比較的少なく出力画像の明度差もそれほど大きくはならない。
【0030】
直流電圧を印加した接触帯電方式又はスコロトロンを使用する画像形成装置では、感光体の膜厚に依存して帯電電位が変化するといった特徴がある。実際には、発明者らの行った実験では、感光体膜厚の変化1μmにつき10V程度変化するという結果を得ている。10Vの帯電電位の変化は、画像濃度を一定にするといった点では非常に影響が大きく、この結果として出力画像に濃度差が発生する。そのため、帯電手段として直流電圧を印加した接触帯電方式を使用する画像形成装置では、上記の条件に加えてさらに膜厚差が1.5μm以下であることが、長期の使用にわたって出力画像の明度を一定にするという観点から、重要である。
【0031】
一方、帯電装置が交流重畳電圧を印加した接触帯電装置の場合には、後述する実施例で具体的に示すように、初期の状態で感光体の膜厚差が3.5μm以下であれば、明度差で測定できる出力画像の濃度変化は小さく、この膜厚差範囲が出力画像の安定性を確実にすることが分かった。この膜厚差範囲であれば、大量の通紙を行った後でも膜厚差の増大は比較的少なく、出力画像の明度差もそれほど大きくはならない。しかしながら、上記のような保護層の透過率等の条件を満たしていない場合には、濃度変化を防ぐために感光体の膜厚差を感光体ドラムの画像出力範囲の全面に亘って1.5μm以下にコントロールしなければならず、感光体ドラムの製造という点では感光体製造上のネックとなり、歩留まりの悪化を引き起こし、コストアップの要因となってしまう。したがって、本発明の第2の態様においては、上記の条件に加えて膜厚差を3.5〜1.5μm程度に抑える方法が、長期の使用においても出力画像の明度安定性を保証するコストの点からみて優れている。
【0032】
帯電手段として交流重畳電圧を印加した接触帯電装置を使用した場合には、直流電圧を印加した帯電装置やスコロトロンを使用した場合に比べて、感光体の膜厚差の許容範囲が広いことが分かる。これは、直流電圧を印加した接触帯電装置やスコロトロンでは帯電電位が変化するのに対して、交流重畳電圧を印加した帯電装置では帯電電位は感光体の膜厚に依存せず一定であることが、この違いの理由である。交流重畳電圧を印加した帯電手段を使用した場合においても、出力画像の明度は変化する。このときの明度を変化させてしまう要因は、感光体の膜厚の変化によって、感光体の静電容量が変化し感光体上に蓄積される電荷量が変化するためである。書き込みによって電荷発生層で発生するフォトキャリアの量は、感光体上に蓄積される電荷量にはほとんど関係しないため、露光後の電位の下がり方が、感光体の膜厚によって変わってしまう。このことは、露光エネルギーの点からみると、感光体の感度が変化していると見ることもできる。このことが、帯電手段の方式によって、出力画像の明度を一定に保証する感光体膜厚の変化の許容範囲の違いが起こることの原因である。
【0033】
使用する帯電手段の方式によって感光体膜厚の許容範囲が異なる理由は上述のとおりである。したがって、例えば直流電圧印加方式の接触帯電装置やスコロトロンを使用した場合においても、制御装置などを用いて感光体の帯電電位を一定(感光体膜厚に依存せず)にすることができれば、比較的感光体の膜厚差に対して許容範囲の広い条件を提示することができる。
【0034】
膜厚差をこのようにする製造方法に関して、一般的に用いられている浸漬塗工法を用いて説明する。浸漬塗工法はその名前の通り、感光体材料の塗布液を収容した容器(浸漬塗布槽)と感光体基体とを相対移動させて感光体基体を塗布液中に浸漬させたのち引上げることで、感光体基体上に塗布液を塗工する方法である。通常はさらに、引上げた感光体基体を静止させて自然乾燥(指触乾燥)し、その後オーブン等で完全に乾燥させることにより感光体が作製される。そして、電子写真感光体を短時間で製造するため、塗布液の溶媒としては、通常、速乾性の溶媒が用いられる。これにより、塗布液の乾燥速度を速めて短時間で固化を行なうことができるが、浸漬後、引上げから指触乾燥するまでの間、周囲の微弱な空気流でも、それにより発生した溶媒蒸気の流れが、形成される感光層に厚さムラを与えることになってしまう。
【0035】
通常はこのような厚さムラを低減させるために、溶媒の蒸気密度をコントロールしたり、周囲の風の流れを一定にしたり、塗布液の固形分濃度高くして、ゆっくりとした速度で引き上げる等の方法を取っている。このような方法を取ることで、膜厚差を3.5μm以下とすることが可能となる。さらに、特開平2001−194814号公報記載の方法のように、周囲の影響や気流の適正化のために、感光体基体の回りにフードを設置する方法をとることで、膜厚差を1.5μm以下とすることが可能である。
【0036】
またスプレー塗工の場合は、スプレー時の気流、液の吐出量や、スプレーガンと感光体基体間の距離、スプレーガンの送り速度(感光体基体長手方向の送り速度)及び感光体基体の回転速度の均一性により、感光層の均一性(膜厚差)が変化し、一般的に気流の乱れがなく、スプレーガンと感光体基体間の距離、液吐出量、スプレーガンの送り速度、感光体基体の回転速度が一定かつ、均一であれば、膜厚差の少ない感光層を与えることが可能である。逆にこれらの条件を変えることで膜厚差を変えることが可能である。
【0037】
また、上記帯電手段により、電荷輸送層及び保護層に印加される電界の最大電界強度は−30V/μmであることが好ましい。この値より小さい場合(絶対値において)には、感光体の繰り返しの使用において電荷輸送層が静電的に非可逆的な変化を起こし、局所的な絶縁破壊を起こす可能性が小さくなるからである。逆にこの値を上回る場合には、電荷輸送層が局所的に絶縁破壊を起こし、出力画像においては地肌かぶりが極端に多くなってしまうためである。
【0038】
以下、本発明の画像形成装置に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図2は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが積層された構成をとっている。さらに、その上にフィラー及び電荷輸送物質を含有する保護層39が形成される構成からなる。図3は、図2において導電性支持体31と電荷発生層35の間に中間層(下引き層)33を設けた構成となっている。
【0039】
図2及び3中、導電性支持体31としては、次のようなものが用いられる。すなわち、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板及びそれらを、押し出し、引き抜き等の工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理した管等を使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
【0040】
この他、上記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体等があげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエン等に分散して塗布することにより設けることができる。
【0041】
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)等の素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
【0042】
次に電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層であり、電荷発生物質や結着樹脂等を適当な溶剤に分散ないし溶解し、これを導電性支持体上あるいは下引き層上に塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生層35には、公知の電荷発生物質をすべて用いることが可能であり、その代表として、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、銅フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、インジゴ顔料、ピロロピロール顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクエアリウム顔料等、公知の材料が挙げられ、これらは好適に用いられる。また、これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
【0043】
電荷発生層35は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波等を用いて分散し、これを導電性支持体上に塗布し、乾燥することにより形成される。
【0044】
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
【0045】
電荷発生物質を分散させるための溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。
【0046】
電荷発生層35は、電荷発生物質、溶剤及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていてもよい。
【0047】
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。
【0048】
電荷輸送層37は、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑材等を添加することが可能である。
【0049】
電荷輸送層形成に用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン等が用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができる。
【0050】
電荷輸送物質は、正孔輸送物質と電子輸送物質とに分類される。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
【0051】
電荷輸送物質のうち、正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、又は2種以上混合して用いられる。
【0052】
電荷輸送層の結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性又は熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0053】
また、本発明の装置においては、電荷輸送層の膜厚は保護層と合わせて、解像度の点から、20μm以下とする。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)によって異なるが、5μm以上が好ましい。
【0054】
上記電荷輸送層37の上に、耐久性の向上を目的としてフィラー、電荷輸送物質、さらに結着樹脂等を適当な溶媒に分散あるいは溶解し、塗布及び乾燥を行うことによって、保護層39が形成される。
【0055】
保護層には、耐摩耗性を向上させる目的でフィラー材料が添加される。フィラーを含有する保護層の書き込み光に対する透過率は、本発明の装置では90%以上である。90%以上であれば画質に影響することはないが、90%未満である場合、書き込みドットの潜像での再現性が低下し画質が低下する。なお、保護層の書き込み光に対する透過率は、保護層が剥離可能な場合は剥離した膜を、剥離不可能な場合は、PET等の透明性の高いフィルム上に保護層を塗工した塗膜を、積分球を用いた分光光度計にて透過率を測定することにより求めることができる。
【0056】
フィラーの屈折率は1.0〜2.0であることが好ましく、これついても同様であり屈折率が1.0未満及び2.0より大きい場合は、保護層の透過率が低下し、したがって書き込みドットの潜像での再現性が低下し画質が低下する。フィラーの屈折率は、例えば屈折率の値を少しずつ変化できる液体中に粒子を浸し、粒子界面が不明確になる液の屈折率から求めることができる。液体の屈折率はアッベの屈折率計等により求めることができる。
【0057】
フィラーは有機フィラー及び無機フィラーとに分類され、有機フィラー材料としては、ポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂微粒子、シリコーン樹脂微粒子、a−カーボン粉末等が挙げられ、無機フィラー材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウム等の金属粉末、シリカ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをドープした酸化スズ、スズをドープした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化スズ、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素等の無機材料が挙げられる。これらのフィラーの中で、フィラーの硬度の点から無機材料を用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。
【0058】
画像ボケが発生しにくいフィラーとしては、電気絶縁性が高いフィラーが好ましく、フィラーの水分散液のpHが5以上を示すものが特に有効であり、酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等が特に有効に使用できる。また、フィラーについては単独で使用することはもちろん、2種類以上混合したりして用いることも可能である。
【0059】
pHの測定法としては、フィラーを水中に分散させそのpHを測定するものであるが、具体的にはJIS K 5101/24 に則って実施した。フィラー水分散液のpHは、フィラー製造方法に依っても変わり、例えば、製造時のpHコントロール、最終的なフィラー洗浄時の水のpHに依っても変化するが、本発明に示すようにpHが5以上を示すものが特に有効である。
【0060】
以上に記載した要件によりこれらのフィラーの中でも高い絶縁性を有し、熱安定性が高い上に、耐摩耗性が高い六方細密構造であるα型アルミナは、画像ボケの抑制や耐摩耗性の向上の点から特に有用である。
【0061】
フィラーの平均一次粒径は、0.01〜0.5μmであることが、保護層の光透過率や耐摩耗性の点から好ましい。フィラーの平均一次粒径が0.01μm未満の場合は、凝集、分散性の低下等から耐摩耗性の低下を引き起こし、0.5μmを上回る場合には、フィラーの沈降性が促進されたり、それを用いて作製した感光体によって得られる画像に異常画像が発生したりする可能性がある。
【0062】
また、これらのフィラーは少なくとも一種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下や偏摩耗の増加をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤をすべて使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸又はステアリン酸アルミニウム等の金属塩等、あるいはこれらの混合処理や、Al、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による単独処理は、特に高温高湿時において画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、2〜30wt%が適しており、3〜20wt%がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の上昇を引き起こす。また、上記フィラーの絶縁性が低く画像ボケが発生しやすい場合であっても、これらの表面処理によって絶縁性を高め、画像ボケの影響を低減することも可能である。
【0063】
これらのフィラーが含有されることによって、高耐久化の実現と同時に、高温高湿時の画像ボケを抑制することが可能となるが、残留電位上昇の影響が増加することになる。この残留電位上昇を抑制するためには、構造中にカルボキシル基を有する有機化合物を分散剤として添加することにより、フィラーの分散性の向上と電荷トラップサイトを低減することが可能となる。また、残留電位を低減させる上では、分散剤が10〜400mgKOH/gの酸価を有することも重要な役割を果たしており、これらの中でもポリカルボン酸誘導体が特に有効に使用できる。なお、酸価とは、1g中に含まれる遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義される。また、分散剤と酸価を有する材料とは各々別の材料によって機能させることも可能である。例えば、分散剤の酸価が10〜400mgKOH/gの範囲でなくとも、酸価が10〜400mgKOH/gの樹脂や添加剤等を混合させることによっても十分に機能を果たすことができ、一例としては、一般に知られている有機脂肪酸や高酸価樹脂等を混合することも可能である。
【0064】
上記の分散剤は、公知の分散剤を使用することが可能であるが、これらの分散剤の酸価としては、10〜400mgKOH/gが好ましく、より好ましくは30〜200mgKOH/gが適している。特にカルボキシル基をポリマーあるいはコポリマー中に少なくとも一つ含む構造を有する有機化合物が好ましい。酸価が必要以上に高いと画像ボケの影響が現れることがあり、酸価が低すぎると添加量を多くする必要が生じる上、残留電位の低減効果が不十分となる。分散剤の酸価は、その添加量とのバランスにより決めることが必要である。分散剤の酸価は残留電位低減効果に直接影響するものではなく、用いる分散剤の構造、分子量あるいはフィラーの種類や分散性によって影響される。場合によっては、これらの材料と有機脂肪酸等とを混合させることによって、残留電位の低減効果が高まることがある。また、保護層と電荷輸送層との界面付近は残留電位に与える影響が大きいことから、本発明における保護層においては、表面側よりも保護層/感光層の界面付近により酸価が高い材料を含有させることも可能であり、残留電位上昇の抑制において有用である。
【0065】
分散剤としては、分散性の面からはポリカルボン酸誘導体がより好ましい。分散剤におけるカルボン酸部位は酸価を与えるとともに、分散性を高める重要な役割を果たしている。親水性の無機フィラーは有機溶剤や結着樹脂との親和性が低く、そのままでは上手く分散されない場合が多い。しかし、本発明における上記分散剤は、カルボン酸部位では無機フィラーとの親和性が高く、その他のポリマー部位では結着樹脂や有機溶剤との親和性が高いため、分散剤を介して無機フィラーと有機溶剤や結着樹脂等との親和性を高めることが可能となる。これによって、フィラーの分散性を大幅に高めることが可能となる。さらに、上記分散剤は一つのカルボキシル基を有するものであっても効果は認められるが、より多くのカルボキシル基を有するポリカルボン酸誘導体の方が、フィラーの分散性の向上や残留電位の低減等において有効である。その場合、分散剤とフィラーとの親和性がより高まるだけでなく、分散剤同士においても親和性が持てることにより、フィラーの分散性を向上させると同時に、その効果を持続させ、フィラーの沈降性を抑制する効果を得ることが可能となる。
【0066】
上記分散剤の添加量としては、用いる分散剤の酸価によって下記の関係式を満たすことが好ましい。
0.1≦(分散剤の添加量×分散剤の酸価)
/(フィラーの添加量)≦20
さらには、この関係式を満たすだけではなく必要最小量に設定することがより好ましい。添加量を必要以上に多くすると、画像ボケの影響が現れることがあり、添加量が少なすぎると分散性の向上や残留電位の低減効果が十分に発揮されなくなり、異常画像の発生を引き起こすことになる。
【0067】
保護層に含有される結着樹脂には、前述の電荷輸送層37に用いられる結着樹脂をすべて使用することが可能であるが、結着樹脂によってもフィラー分散性が影響されるため、フィラー分散性に悪影響を与えないことが重要である。また、酸価を有する樹脂は、残留電位を低減させる上でも有用であり、結着樹脂としてすべてに、あるいは他の結着樹脂と混合させて一部に添加して使用することが可能である。使用可能な樹脂の一例としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル酸やメタクリル酸を用いた各種共重合体、スチレンアクリル共重合体、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂あるいは共重合体等が挙げられる。また、これらの材料は2種以上混合して用いることが可能である。
【0068】
また、結着樹脂は画像ボケに対しても大きな影響を与え、耐NOx性あるいは耐オゾン性の高い結着樹脂を使用することは、画像ボケを抑制するだけでなく、耐摩耗性をも向上させる効果を有し、高画質化を経時で維持するのに非常に有効である。それらの結着樹脂としてはポリマーアロイも有効に使用することが可能であり、少なくともポリエチレンテレフタレートとのポリマーアロイは画像ボケ抑制効果が高く有用である。
【0069】
本発明の装置に用いる感光体の保護層では、残留電位を低下させるために少なくとも1種の電荷輸送物質を含有させる。保護層に含有される電荷輸送物質には、前述の電荷発生層上に形成される電荷輸送層37に含まれる電荷輸送物質をすべて使用することが可能であるが、保護層に含有される電荷輸送物質と電荷輸送層に含有される電荷輸送物質とが各々異なるものであってもよい。その場合、電荷輸送層に含有される電荷輸送物質よりも保護層に含有される電荷輸送物質の方に低いイオン化ポテンシャルを持たせることによって、電荷輸送層/保護層界面における電荷の注入性を向上させることが可能となり、残留電位の低減に非常に有効である。すなわち、保護層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpと、前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpとの間に下記の関係
(保護層に含有される電荷輸送物質のIp)
≦ (電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のIp)
が成り立つことが好ましい。なお、イオン化ポテンシャルは、分光学的に求める方法、電気化学的に求める方法等、種々の方法を用いて測定することができる。
【0070】
さらに、保護層は、保護層に含有される電荷輸送物質の濃度が保護層の最表面領域において最も低くなるように濃度変化を与えることにより、残留電位に大きな影響を与えずにNOxやオゾンガスによる画質劣化の影響を軽減することが可能となる。特に、保護層/感光層の界面より保護層の最表面側に向かうに従い、連続的に電荷輸送物質の濃度が低くなる濃度勾配を与えることは、残留電位上昇を抑制させる上でより好ましい。これらの画質劣化は、電荷輸送物質を分解、変質されることが原因の一つとして考えられており、保護層内に含有される電荷輸送物質の濃度を少なくすることによってその影響を軽減することが可能である。
【0071】
また、保護層には電荷輸送物質としての機能と結着樹脂としての機能を持った高分子電荷輸送物質も良好に使用される。これらの高分子電荷輸送物質から構成される電荷輸送層は耐摩耗性に優れたものである。高分子電荷輸送物質としては公知の材料が使用できるが、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂及びポリエステル系樹脂のいずれか、又はそれらの2種以上の混合物が有用である。特に、トリアリールアミン構造を主鎖及び/又は側鎖に含むポリカーボネートが良好に用いられる。中でも、(I)〜(X)式で表される高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。これらを以下に例示し、具体例を示す。
【0072】
【化1】
(I)式
Figure 2004029489
式(I)中、R、R、Rはそれぞれ独立して置換もしくは無置換のアルキル基又はハロゲン原子、Rは水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基、R及びRは置換もしくは無置換のアリール基、o、p、qはそれぞれ独立して0〜4の整数、k、jは組成を表し、0.1≦k≦1、0≦j≦0.9、nは繰り返し単位数を表し5〜5000の整数である。Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、又は下記一般式で表される2価基を表す。
【0073】
【化2】
Figure 2004029489
上記式中、R101、R102は各々独立して置換もしくは無置換のアルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表す。l、mは0〜4の整数、Yは単結合、炭素原子数1〜12の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、−CO−O−Z−O−CO−(式中Zは脂肪族の2価基を表す。)
【0074】
【化3】
又は、(I)式中Xは、
Figure 2004029489
(式中、aは1〜20の整数、bは1〜2000の整数、R103、R104は置換又は無置換のアルキル基又はアリール基を表す。)を表す。ここで、R101とR102、R103とR104は、それぞれ同一でも異なってもよい。
【0075】
【化4】
(II)式
Figure 2004029489
式(II)中、R及びRは置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0076】
【化5】
(III)式
Figure 2004029489
式(III)中、R及びR10は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0077】
【化6】
(IV)式
Figure 2004029489
式(IV)中、R11、R12は置換もしくは無置換のアリール基、Ar、Ar、Arは同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0078】
【化7】
(V)式
Figure 2004029489
式(V)中、R13、R14は置換もしくは無置換のアリール基、Ar10、Ar11、Ar12は同一あるいは異なるアリレン基、X、Xは置換もしくは無置換のエチレン基、又は置換もしくは無置換のビニレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0079】
【化8】
(VI)式
Figure 2004029489
式(VI)中、R15、R16、R17、R18は置換もしくは無置換のアリール基、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16は同一あるいは異なるアリレン基、Y、Y、Yは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表し同一であっても異なってもよい。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0080】
【化9】
(VII)式
Figure 2004029489
式中、R19、R20 は水素原子、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R19とR20は環を形成していてもよい。Ar17、Ar18、Ar19は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0081】
【化10】
(VIII)式
Figure 2004029489
式(VIII)中、R21は置換もしくは無置換のアリール基、Ar20、Ar21、Ar22、Ar23は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0082】
【化11】
(IX)式
Figure 2004029489
式(IX)中、R22、R23、R24、R25は置換もしくは無置換のアリール基、Ar24、Ar25、Ar26、Ar27、Ar28は同一又は異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0083】
【化12】
(X)式
Figure 2004029489
式(X)中、R26、R27は置換もしくは無置換のアリール基、Ar29、Ar30、Ar31は同一あるいは異なるアリレン基を表す。X、k、j及びnは、(I)式の場合と同じである。
【0084】
前記フィラー材料は、少なくとも有機溶剤、さらに必要であれば分散剤とともにボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などの従来方法を用いて分散することができる。使用されるメディアの材質については、従来使用されているジルコニア、アルミナ、メノウ等すべてのメディアを使用することができるが、フィラーの分散性及び残留電位低減効果の点からアルミナを使用することがより好ましく、耐摩耗性に優れたα型アルミナが特に好ましい。ジルコニアは分散時のメディアの摩耗量が大きく、それらの混入によって残留電位が著しく増加するだけでなく、その摩耗粉の混入によって分散性が低下し、フィラーの沈降性が大幅に低下する。一方、メディアにアルミナを使用した場合には、分散時のメディアの摩耗量は低く抑えられる上に、混入した摩耗粉が残留電位に与える影響が非常に小さい。また、摩耗粉が混入しても分散性に対する影響が他のメディアに比べて少ない。したがって、分散に使用するメディアにはアルミナを使用することがより好ましい。また、分散剤は、塗工液中のフィラーの凝集、さらにはフィラーの沈降性を抑制し、フィラーの分散性が著しく向上させることから、フィラーや有機溶剤とともに分散前より添加することが好ましい。一方、結着樹脂や電荷輸送物質は、分散前に添加することも可能であるが、その場合分散性が若干低下する場合が見られる。したがって、結着樹脂や電荷輸送物質は、有機溶剤に溶解された状態で分散後に添加することが好ましい。
【0085】
以上のようにして得られた分散液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等、従来の塗工方法を用いることができるが、比較的薄い膜を均一に、かつフィラー分散性の良好な膜を形成するためにはスプレー塗工が最も適している。保護層全体の膜厚としては、1〜10μm、好ましくは2〜6μmが適当である。
【0086】
本発明の感光体においては、導電性支持体31と電荷発生層35との間に中間層(下引き層)33を設けることができる。中間層33は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの下引き層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。更に本発明の下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。さらに、各種分散剤を添加することも可能である。この他、本発明の下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。下引き層の膜厚は0〜5μmが適当である。
【0087】
また、本発明の感光体においては、感光層(電荷発生層及び電荷輸送層)と保護層との間に中間層を設けることも可能である。中間層には、一般に結着樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
【0088】
本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層、保護層、中間層等の各層に従来公知の酸化防止剤、可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、低分子電荷輸送物質及びレベリング剤を添加することができる。
【0089】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
【0090】
[実施例1]
本発明の実施例1の画像形成装置の概略を、図1を用いて、以下、1〜7の画像形成の手順に沿って説明する。
1 図1において、感光体ドラム1はアルミニウム等の導体の表面に、感光体を膜厚20μm(FR層(表面保護層5μm、電荷輸送層15μm)、電荷発生層0.2μm、下引き層3.5μmの積層型OPCである。)で塗布することによって形成され、図4中の矢印方向に回転する。感光体ドラムの直径は60mmであり、周速は230mm/sである。
【0091】
2 帯電手段2は、いわゆる接触ローラ帯電装置であり、芯金上にいわゆる中抵抗の導電性をもつ厚み3mmの弾性層が形成された構成の帯電ローラに、電源によって−1.21kVの直流電圧を印加し、感光体を均一に−550Vに帯電する。
【0092】
3 露光手段3は、帯電手段で均一に帯電された感光体の表面に、目的の画像に対応した光を照射することによって、静電潜像を形成する。露光手段の光源はレーザーダイオードであり、ポリゴンミラーによって、感光体上をレーザービームで照射しながら走査していく。いわゆるビーム径は、下記で詳しく説明するように主走査方向35μm、副走査方向35μmである。
【0093】
4 現像手段は、いわゆる2成分現像装置であり、トナー(体積平均粒径6.8μm)とキャリア(粒径50μm)をトナー濃度5.0%に混合した現像剤が現像容器内には収納されている。現像装置では、この現像剤を現像スリーブによって、感光体−現像スリーブ対向部へと搬送する。感光体−現像スリーブ間の距離、いわゆる現像ギャップは0.3mmである。現像スリーブには電源により−400Vの直流電圧が印加されているため、感光体上の静電潜像の対応してトナーが感光体上に付着する。いわゆる反転現像である。また、現像スリーブの周速は460mm/sであり、いわゆる周速比は2.0である。
【0094】
5 転写手段5は、現像手段で現像されたトナー像を不図示の給紙手段から搬送された記録シート6上に転写する。図4の転写手段は転写ベルトと電源とからなり、電源から転写ベルトに電圧を印加する。印加する電圧は定電流制御とし、30μAである。
【0095】
6 クリーニング手段7は弾性体から形成されるブレードによって構成され、感光体上の残留トナー像(いわゆる転写残トナー)のクリーニングを行う。
【0096】
7 転写手段によっての記録シート(紙等)上に転写されたトナー像は、定着手段に搬送され、定着手段で加熱加圧することによって、トナー像が記録紙シート上に定着され、画像形成装置機外へと排出され、出力画像となる。
上述の1〜7の工程を繰り返すことによって、所望の画像を記録シート上に形成することが可能になる。
【0097】
図9は図1に示した画像形成装置の書き込みユニットである。図1に示した装置では、波長780nmの4つのLD(レーザーダイオード)をもつ4ch(4チャンネル)タイプのLDアレイを搭載している。LDからのレーザー光は、コリメートレンズ12、NDフィルタ13、アパーチャー14、シリンドリカルレンズ15を介して、ポリゴンミラー16へと照射される。実施例1ではポリゴンミラー16は、6面タイプであり、27165rpmの回転数で回転している。ポリゴンミラー16で反射されたレーザー光は、折り返しミラー18、19、f−θレンズ17、20を介して、感光体面21上で結像するようになっている。後述する実施例では、レーザービームの感光体上でのいわゆるビーム径は、35μm(主走査方向)×35μm(副走査方向)になるように調整されている。図1の装置ではf−θレンズはプラスチックを成形加工したプラスチックレンズであり、いわゆるAC面によってレンズ形状の設計がなされており、この結果、35μm(主走査方向)×35μm(副走査方向)という極めて細いビーム径を実現している。また、レーザー光はポリゴンミラーが回転することによって、感光体上を走査する。実施例1では、解像度1200dpiの画像形成装置であり、1pixcelの大きさは、21.3μm×21.3μmである。実施例1では、1pixcelあたりを16.9nsの時間で移動しながら、感光体にレーザービームを照射していく。このとき、いわゆる画素クロックは59.2MHzであり、59.2MHzの周波数でLDを光変調することを意味している。
【0098】
また、実施例1では、上述のようにレーザー光がポリゴンミラーの回転によって、感光体上を走査するが、非画像領域にレーザー光が位置するときには、図9に図示された同期検知板に、レーザー光が入射するようになっている。この同期検知板は、レーザービームの入射によって基準信号が発生するような機構を有し、この基準信号に基づいて、画像書き出し位置のタイミング、いわゆる画素クロックを形成するクロック信号のリセットを行うようになっている。これにより、感光体上の所定の位置に、光変調をなされたレーザー光を入射することができるようになっている。
【0099】
また、実施例1では、1pixcelあたり4階調の階調表現が可能な、いわゆる4値書きこみを行うことができるように、LDのパルス幅を4段階で変化させてこのような多値書きこみを行っている。
【0100】
以下に実施例1に使用する感光体の具体例を示す。部はすべて重量部である。なお、電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpは、表面分析装置(理研計器製、AC−1)にて測定した。
【0101】
(感光体仕様)
直径60mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液及び電荷輸送層塗工液を、浸漬塗工によって順次塗布、乾燥し、膜厚3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、15μmの電荷輸送層を形成した。
【0102】
(下引き層塗工液)
二酸化チタン粉末                     400部
メラミン樹脂                        65部
アルキッド樹脂                      120部
2−ブタノン                       400部
【0103】
(電荷発生層用塗工液)Y型オキソチタニウムフタロシアニン顔料            2部
ポリビニルブチラール(積水化学製、エスレックBM−2)  1.0部
テトラヒドロフラン                     50部
【0104】
(電荷輸送層塗工液)
ポリカーボネート(帝人化成製、Zポリカ)          10部
下記構造式(2)の電荷輸送物質(Ip:5.4eV)      6部
【化13】
Figure 2004029489
テトラヒドロフラン                    100部
【0105】
上記電荷輸送層上にさらに下記組成の保護層塗工液1を用いて、スプレー塗工によって保護層を塗工し、全膜厚が5μmの保護層を形成し、電子写真感光体を作製した。
Figure 2004029489
【0106】
(画質評価方法)
画質評価は、画質の重要項目である階調性を測定するという方法で行った。階調性の評価は、線数を変えて中間調処理をほどこしたパッチ(17段)を出力し、このパッチの明度(L*)を測定する。中間調処理としては、いわゆる線数を150、200、240lpiの3水準で画像を出力した。また、明度(L*)の測定には、分光濃度測色計(X−Rite製938)を使用した。階調性の数値化は、入力(データ上の面積率)に対する、17段のパッチを測色してもとめた明度値の直線性から、いわゆるR^2(一次式近似での自己相関係数の2乗)を計算するという方法で行った。R^2の値は、上述の入力データと明度(L*)との関係が直線的ならば図10に示す1.0に近い値になり、直線からずれるにしたがって図11に示す小さな値になる。また、発明者らは自然画像などの高い階調性が要求される画像の主観的評価を行うことによって、R^2の値が0.98以上であることを優れた階調性の条件とした。また、R^2の値は、いわゆる低線数画像のほうが大きくなる傾向がある。しかしながら、線数が200lpi以下の場合には、いわゆるディザのテクスチャが認識できるようになってしまい、自然画像などにおいては不自然な印象をあたえる結果、画質劣化の要因となってしまう。このことから、発明者は、中間調処理の線数を200線以上で階調性R^2の値0.98以上であれば高画質であると判断した。
【0107】
発明者らは、上記感光体を用い、実験機は、リコー製MF4570を1200dpi2bit書き込みに改造したものを使用し、上記手段により画像を出力し画質評価を行った。また、ビーム径はPHOTON製ビームスキャン、OPC膜厚はフィッシャースコープ製膜厚計でそれぞれ測定したものである。
【0108】
[実施例2〜8、比較例1〜12]
実施例1において、感光体の電荷輸送層膜厚、保護層の透過率(処方は後述する)、露光時の書き込みドット系、書き込み密度を以下の表1のように変えた他は実施例1と同様にして画像出力・画質評価を行った。
【0109】
【表1】
Figure 2004029489
【0110】
Figure 2004029489
【0111】
Figure 2004029489
【0112】
画質の評価結果を以下の表2に示す。表2は、ビーム径、電荷輸送層及び保護層の膜厚、保護層透過率及び中間調処理の線数の組み合わせにおける、階調性を測定した結果である。この結果からから分かるように、階調性の優れた画像を形成にするためには、本発明に規定するビーム径、電荷輸送層及び保護層の膜厚、保護層透過率及び中間調処理の線数を特定の組み合わせで用いる必要があることが分かる。
【0113】
【表2】
Figure 2004029489
【0114】
[比較例13]
実施例1において、フィラーであるアルミナを保護層塗工液に無添加とした以外は、すべて実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
【0115】
[実施例9]
実施例1において、保護層塗工液に含有される不飽和ポリカルボン酸ポリマーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー
(BYKケミー製、酸価:130mgKOH/g)  0.06部
【0116】
[実施例10]
実施例1において、保護層塗工液に含有される不飽和ポリカルボン酸ポリマーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
不飽和ポリカルボン酸ポリマー
(BYKケミー製、酸価:365mgKOH/g)  0.03部
【0117】
[実施例11]
実施例1において、保護層塗工液に含有される不飽和ポリカルボン酸ポリマーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
アクリル酸/ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体
(酸価:130mgKOH/g)          0.10部
【0118】
[実施例12]
実施例1において、保護層塗工液に含有されるフィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
アルミナ(平均粒径:0.15μm pH:5.3)    3.0部
【0119】
[実施例13]
実施例1において、保護層塗工液に含有されるフィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
アルミナ(平均粒径:0.45μm pH:5.7)    3.0部
【0120】
[実施例14]
実施例1において、保護層塗工液に含有されるフィラーを下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
チタネートカップリング処理アルミナ(処理量3%)   3.0部
【0121】
[実施例15]
実施例1において、保護層塗工液に含有される電荷輸送物質を、下記構造式(3)の電荷輸送物質(Ip:5.3eV)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
【化14】
Figure 2004029489
【0122】
[実施例16]
実施例1において、保護層塗工液に含有される電荷輸送物質を、下記構造式(4)の電荷輸送物質(Ip:5.5eV)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
【化15】
Figure 2004029489
【0123】
[実施例17]
実施例1において、保護層塗工液に含有される電荷輸送物質及び結着樹脂を下記の材料に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
下記構造式の高分子電荷輸送物質(Ip:5.4eV)   15部
【化16】
Figure 2004029489
【0124】
[実施例18]
実施例1において、保護層塗工液に含有される結着樹脂を下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
ポリアリレート樹脂(ユニチカ製、Uポリマー/PET) 7.0部
【0125】
[実施例19]
実施例1において、保護層塗工液に含有される結着樹脂を下記のとおりに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製・評価した。
ポリカーボネート(帝人化成製、Cポリカ)       7.0部
【0126】
以上のように作製した比較例13、実施例9〜19の電子写真感光体、及び前述の実施例1、比較例3で用いた電子写真感光体につき、リコー製MF4570によりランニング評価を及び先に示した実験機:リコー製MF4570を1200dpi2bit書き込みに改造したものを使用し画像評価を行った。なおビーム径は35μm、書き込み密度は1200dpi、中間調処理としては、いわゆる線数を200lpiの水準で画像を出力した。上記手段により画像を出力し画質評価を行った。
【0127】
また、評価の手順としては、最初に実験機により画像を出力し画質評価を行い、次にリコー製MF3570にて明部電位(VD=−800Vに設定)の測定及び1to2にて計2万枚の印刷を行った後の明部電位の測定、さらに再度実験機により画像を出力し画質評価を行った。また初期及び10万枚印刷後での膜厚差より摩耗量の評価に付いても行った。また、階調性以外の画質に関しては画像品質の項目に記した。その結果を表3に示す。
【0128】
【表3】
Figure 2004029489
【0129】
[実施例20〜30及び比較例14]
上記実施例9〜19とそれぞれ同じ処方で電荷輸送層+保護層の膜厚差(0.5〜4.0μm)を意図的に変化させた感光体を試作して、画像だし実験を行った。このとき感光体の膜厚差は次のようにして定義した。感光体ドラムの円筒方向には10mm間隔で19箇所(先述の膜厚計を使用して測定)、また感光体軸方向には10mm間隔で31箇所、膜厚を測定する。この589点の中から最大値と最小値を導出して、膜厚差=最大値−最小値 として計算してある。
【0130】
電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚の、感光体画像領域全面での最大膜厚箇所と最小膜厚箇所とでの膜厚差は、電荷輸送層の塗工条件を変更することで変化させた。具体的には、塗工液の固形分濃度を低くし、引き上げ速度を大きくすることで、比較例に示すような膜厚差4μm以上の感光体を得ることができる。また、固形分濃度を高くし引き上げ速度を小さくすることで膜厚差2〜4μmの感光体を得ることができる。さらに膜厚差1.5μm以下の感光体は、特開平2001−194814号公報に記載の製造方法により作製した。
【0131】
保護層については、スプレーの塗工条件を、気流の乱れがないように気流設計した塗工室内で、スプレーガンと感光体基体間の距離、液吐出量、スプレーガンの送り速度、感光体基体の回転速度が一定かつ、均一であるようにして、ほとんど膜厚差の発生しない条件で塗工した。
【0132】
このようにして製作した感光体ドラムを先述の実験機(imagioMF45770改造機)に搭載して画像だし評価を行った。このときの出力画像は、明度50となるようなパターンを全面に形成して紙出力を行い、感光体ドラム1周分に相当する領域を縦横10mm間隔で明度測定して評価した。(この明度測定にもやはりX―Rite製のX−Rite938を使用した。)明度50のパターンを選択した理由としては、感光体膜厚の変化などで画像濃度の変化が、もっとも出現しやすいのが中濃度領域であり、その代表として明度50のパターンを使用した。出力画像の明度測定もはやり、589点について行い平均値からのズレ量が明度差5以上となる測定点が得られた場合に、その条件は許容範囲外であると考えた。
【0133】
このような、出力画像の明度均一性の評価を初期状態及び10万枚の通紙後において行った。次にその実験結果を示す。
後掲の表4は、帯電手段として直流電圧を印加した接触帯電方式の場合の結果である。表4に記載のデータは、実施例20として、先述の実施例9の処方で初期の膜厚差が0.5μm〜4.5μmまでの5水準を振った感光体を作製し、出力画像の明度差を記録する、その後そのすべての感光体について10万枚の通紙を行い、感光体の膜厚差及び出力画像の明度差を初期状態のときと同じ手順で測定する。このようにして得られた結果が表4に記載されている。このような評価実験を実施例9〜19及び比較例13の感光体作製処方について(それぞれ実施例20〜30及び比較例14)行い、表4の結果を得た。表4から初期の状態で感光体の膜厚差が1.5μm以下であれば、出力画像の明度差は5以下となり、この範囲が出力画像の安定性を保証する条件であることが分かる。しかしながら、10万枚の通紙を行った後では、実施例20〜30の感光体では、膜厚差の増大は比較的少なく出力画像の明度差もそれほど大きくはならない。これに対して、比較例14のようなフィラーを含有する保護層のない構成の感光体では、膜削れによる偏磨耗が発生し、出力画像の明度差が許容できない範囲にまで増大してしまう。
【0134】
直流電圧を印加した接触帯電方式を使用する画像形成装置では、感光体の膜厚に依存して帯電電位が変化するといった特徴がある。上述のように発明者らの行った実験では、感光体膜厚の変化1μmにつき帯電電位は10V程度変化するが、この大きさの変化は、画像濃度を一定にする観点からは非常に影響が大きく、結果として出力画像に濃度差が発生する。表4の結果から、この帯電方式の装置では、長期の使用にわたって出力画像の明度を一定にするという観点から、さらに1.5μm以下の膜厚差が有効であることが分かる。
【0135】
【表4】
Figure 2004029489
【0136】
[実施例31〜41及び比較例15]
後掲の表5に結果を示した実施例31〜41及び比較例15は、帯電装置としてスコロトロンを使用した以外は、実施例20〜30及び比較例14と同様の試験の結果である。表5も上記表4と同じ構成になっている。帯電装置がスコロトロンの場合、表5の結果から初期の状態で感光体の膜厚差が1.5μm以下であれば、出力画像の明度差は5以下となり、この範囲が出力画像の安定性を保証する条件であることが分かる。また10万枚の通紙を行った後では、実施例31〜41の構成の感光体では、膜厚差の増大は比較的少なく出力画像の明度差もそれほど大きくはならない。しかしながらこれに対して、比較例15のようなフィラーを含有する保護層のない構成の感光体では、膜削れによる偏磨耗が発生している。したがって、さらに出力画像の明度差を許容できる範囲に収めるためには、感光体の膜厚差が初期状態において0.5μm以下であることが望ましい。
【0137】
しかしながら、感光体の膜厚差を感光体ドラムの画像形成領域の全面にわたって0.5μm以下にコントロールすることは、感光体ドラムの製造という点ではあまり現実的ではない。このような、感光体ドラムの製造という観点まで含めた場合には、感光体を保護層のある構成にして膜厚差を1.5μm程度に抑えることが、長期の使用においても出力画像の明度安定性を保証する最も望ましい方法であると考えられる。
【0138】
【表5】
Figure 2004029489
【0139】
[実施例42〜52及び比較例16]
後掲の表6に結果を示した実施例42〜52及び比較例16は、帯電装置として交流重畳電圧を印加した接触帯電装置を使用した以外は、実施例20〜30及び比較例14と同様の試験の結果である。表6も表4と同じ構成になっている。帯電装置が交流重畳電圧を印加した接触帯電装置の場合、表6の結果から初期の状態で感光体の膜厚差が3.5μm以下であれば、出力画像の明度差は5以下となり、この範囲が出力画像の安定性を保証する好ましい条件であることが分かる。また、10万枚の通紙を行った後では、実施例42〜52の構成の感光体では、膜厚差の増大は比較的少なく出力画像の明度差もそれほど大きくはならない。しかしながらこれに対して、比較例16のようなフィラーを含有した保護層のない構成の感光体では、膜削れによる偏磨耗が発生している。したがって、出力画像の明度差を許容できる範囲に収めるためには、感光体の膜厚差が初期状態において1.5μm以下であることが望ましい。
【0140】
しかしながら、感光体の膜厚差を感光体ドラムの画像出力範囲の全面に亘って1.5μm以下にコントロールすることは、感光体ドラムの製造という点では感光体製造上のネックとなり、歩留まりの悪化を引き起こし、コストアップの要因となってしまう。このような、感光体ドラムの製造という観点まで含めた場合には、さらに膜厚差を3.5μm〜1.5μm程度に抑える方法が、長期の使用においても出力画像の明度安定性を保証する、コストの点からみて優れた方法であると考えられる。
【0141】
下記の表6と上記表4や表5を比較すると、帯電手段として交流重畳電圧を印加した接触帯電装置を使用した場合には、直流電圧を印加した帯電装置やスコロトロンを使用した場合に比べて、感光体の膜厚差の許容範囲が広いことが分かる。先に詳述したように、直流電圧を印加した接触帯電装置やスコロトロンでは帯電電位が変化するのに対して、交流重畳電圧を印加した帯電装置では帯電電位は感光体の膜厚に依存せず一定であり、このことにより、感光体の膜厚の変化によって、感光体の静電容量が変化し感光体上に蓄積される電荷量が変化するためである。
【0142】
したがって、例えば直流電圧印加方式の接触帯電装置やスコロトロンを使用した場合においても、制御装置などを用いて感光体の帯電電位を一定(感光体膜厚に依存せず)にすることができれば、表6のように比較的感光体の膜厚差に対して許容範囲の広い条件を提示することができる。
【0143】
【表6】
Figure 2004029489
【0144】
【発明の効果】
【0145】
本発明の画像形成装置によれば、中間調処理の線数、レーザービーム径、電荷輸送層及び保護層の膜厚及び保護層透過率の適切な組み合わせによって、階調性R^2の値が0.98以上を確保することができる高画質な画像が得られることが明らかになった。
【0146】
さらに保護層がフィラー、分散剤及び電荷輸送物質、結着樹脂を含有したものである感光体を用いた場合、残留電位の上昇を抑制すると同時に、画像ムラの発生や階調性の低下等の画質劣化を抑制し、さらに偏摩耗や異常摩耗をも抑制することが可能となり、高耐久化と高画質化の両立を実現する画像形成装置を提供することが可能となった。
【0147】
また、帯電手段として、直流電圧を印加した接触帯電装置やスコロトロンを使用して、感光体の膜厚差を1.5μm以下であるようにするすることにより、長期にわたって使用した場合においても、▲1▼ 偏磨耗による感光体の膜厚差、▲2▼ ▲1▼による帯電電位の変化、▲3▼ ▲2▼による出力画像の明度の変化、の影響が抑制できる。すなわち、出力画像の明度を変化させることなく一定に保つことができるので、長期に亘って一定明度の出力画像を実現することができる。
【0148】
また、帯電手段として、交流重畳電圧を印加した接触帯電装置を使用して、上記作製の感光体の膜厚差を3.5μm以下であるようにすることにより、長期に亘って使用した場合においても、▲1▼ 偏磨耗による感光体の膜厚差、▲2▼ ▲1▼による帯電電位の変化、▲3▼ ▲2▼による出力画像の明度の変化、の影響が抑制できる。すなわち、出力画像の明度を変化させることなく一定に保つことができるので、長期に亘って一定明度の出力画像を実現することができる。特に、この帯電手段の場合は、感光体の膜厚許容差が比較的ゆるく、感光体ドラム製造上の歩留まりがよく、コストアップの要因がないといった特徴を持つ画像形成装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る画像形成装置の概略断面図である。
【図2】本発明に用いる感光体の断面図である。
【図3】本発明に用いる別の感光体の断面図である。
【図4】従来の画像形成装置の概略断面図である。
【図5】ワイヤ型のコロナ帯電装置を模式的に示した図である。
【図6】鋸刃状電極のコロナ帯電装置を模式的に示した図である。
【図7】鋸刃状電極を模式的に示した拡大図である。
【図8】接触帯電装置を模式的に示した図である。
【図9】実施例1に係る画像形成装置の書き込みユニットを模式的に示した図である。
【図10】階調性がよい例の明度と入力データのグラフである。
【図11】階調性が悪い例の明度と入力データのグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
1a 感光体
1b 導体
2 帯電手段(帯電装置)
2a 弾性層
2b 導体
3 露光手段
4 現像手段
5 転写手段
6 記録シート
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 電源
11 4チャンネルレーザーダイオード
12 コリメートレンズ
13 NDフィルタ
14 アパーチャー
15 シリンドリカルレンズ
16 ポリゴンミラー
17 f−θレンズ1
18 折り返しミラー1
19 折り返しミラー2
20 f−θレンズ2
21 感光体面
22 同期検知板
31 導電性支持体
33 中間層(下引き層)
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 保護層

Claims (17)

  1. 少なくとも、感光体と、感光体の膜厚変化によって帯電電位が変化する帯電手段と、感光体に対して光書き込みを行い静電潜像を形成する光書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行う画像処理手段とを有する画像形成装置であって、前記書き込み手段による光書き込みが、入力画像に対して200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて、ビーム径35μm以下のレーザービーム光で行われ、かつ、前記感光体が導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、さらに該電荷輸送層上に、電荷輸送物質及びフィラーを含有し書き込み光に対する透過率が90%以上である保護層を有し、該電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記感光体の、画像領域全面での最大膜厚箇所と最小膜厚箇所との膜厚差が1.5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 少なくとも、感光体と、感光体の膜厚変化に依存せず帯電電位が一定である帯電手段と、感光体に対して光書き込みを行い静電潜像を形成する光書き込み手段と、入力画像に対して中間調処理を行う画像処理手段とを有する画像形成装置において、前記書き込み手段によって光書き込みが、入力画像に対して200lpi以上の線数によって中間調処理を施された画像データに基づいて、ビーム径35μm以下のレーザービーム光で行われ、かつ、前記感光体が、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有し、さらに該電荷輸送層上に電荷輸送物質及びフィラーを含有し書き込み光に対する透過率が90%以上である保護層を有し、該電荷輸送層及び保護層を合わせた膜厚が20μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記感光体の、画像領域全面での最大膜厚箇所と最小膜厚箇所との膜厚差が3.5μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記保護層がさらに結着樹脂を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記フィラーの屈折率が1.0〜2.0であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記フィラーが、少なくとも1種の無機材料であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記無機材料が、金属酸化物であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記無機材料の水分散液のpHが5以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記フィラーの平均一次粒径が、0.01μm〜0.5μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記保護層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpと、前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のイオン化ポテンシャルIpとの間に下記の関係
    (保護層に含有される電荷輸送物質のIp)
    ≦ (電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のIp)
    が成り立つことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  12. 前記保護層に含有される電荷輸送物質として、高分子電荷輸送物質が少なくとも一部に含有されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  13. 前記保護層に含有される結着樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂及びポリエステル系樹脂のいずれか、又はそれらの2種以上の混合物であることを特徴とする請求項5〜12のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  14. 前記結着樹脂の酸価が10〜400mgKOH/gであることを特徴とする請求項5〜13のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  15. 前記保護層がさらに分散剤を含有し、該分散剤が、酸価が10〜400mgKOH/gの有機化合物であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  16. 前記分散剤がポリカルボン酸誘導体であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記帯電手段により、電荷輸送層及び保護層に印加される最大電界強度が−30V/μmであることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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