JPH09281718A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH09281718A
JPH09281718A JP8810396A JP8810396A JPH09281718A JP H09281718 A JPH09281718 A JP H09281718A JP 8810396 A JP8810396 A JP 8810396A JP 8810396 A JP8810396 A JP 8810396A JP H09281718 A JPH09281718 A JP H09281718A
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豊史 大橋
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昌義 矢部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デジタル光入力に対して優れた性能(高γ特
性)を有すると共に繰り返し特性に優れた電子写真感光
体を提供する。 【解決手段】 チタニルフタロシアニンを結着樹脂中に
分散してなる感光層を導電性基体上に設けた電子写真感
光体において、結着樹脂をポリカーボネート樹脂と酸価
が1〜50mgKOH/gの樹脂の混合物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真において
使用されるデジタル電子写真に適した電子写真感光体に
関するものである。詳しくは、光減衰曲線において閾値
を有し、高表面電位から低表面電位へ遷移させる露光エ
ネルギー変化が小さい電子写真感光体(高γ値感光体)
に関するものである。なお、本発明において、「光減衰
曲線において閾値を有する」と言うことは以下のことを
意味するものとする。即ち光減衰曲線において、帯電直
後の初期電位をV0 (V)、残留電位として50μJ/
cm 2 の光を照射したときの表面電位をVr(V)とし
た時の両者の差をΔV(V0−Vr )とする。この時、
「95%表面電位」V95として、残留電位にΔVの95
%の値を加えた表面電位(V95=ΔV×0.95+V
r)をとり、「5%表面電位」V5 として、残留電位に
ΔVの5%の値を加えた表面電位(V5 =ΔV×0.0
5+Vr )をとり、V95、V5 を与える露光エネルギー
を、各々「95%露光エネルギー」E95、「5%露光エ
ネルギー」E5 として求め、E5 /E95の値が5以下で
あることを意味するものとする。
【0002】
【従来の技術】カールソン法をはじめとする電子写真法
は、原稿像をアナログ的に描写することを主眼点におい
て開発されてきた。従って、入力光の明暗を忠実にトナ
ー像の明暗として再現するために、そこで用いられる感
光体としては、入力光量(の対数値)に対して線形に相
似する光電流が流れる特性を有することが求められてき
た。そのため、このような特性(低γ特性)を有する感
光剤を感光体の材料として選択することが原則的であっ
た。そのため、電子写真法の初期段階における単純な光
導電体に近いものからはじまり、セレン(Se)系のア
モルファス状態の感光層や、シリコン(Si)のアモル
ファス層や、Seのアモルファス層と類似すべく作られ
たZnOの結着層等が、感光体として使用されてきた。
さらに近年では、特に有機半導体を使用したいわゆる機
能分離型の感光層が感光体として使用されるまでに展開
してきている。ところが、近年、電子写真技術とコンピ
ュータ・通信が結合し、プリンターやファクシミリの方
式が電子写真記録方式に急激に移行し、また、通常のコ
ピーマシーンであっても、反転、切りとり、白抜き等の
画像処理を可能とする方式になりつつある。そのため、
電子写真の記録方式も、従来のPPC用アナログ記録形
式からデジタル記録形式への変更が望まれている。
【0003】また、デジタル記録方式で使用される入力
光源としてArレーザー、He−Neレーザー等の気体
レーザーや半導体レーザー、液晶等のシャッターアレ
イ、LED、ELアレイ等がある。なかでも半導体レー
ザーは小型化、低コスト化が可能であることから現在の
主流となっており、半導体レーザーの発振波長である近
赤外域に高い感度を有する感光剤が必要となる。
【0004】さらに、前記したように、アナログ概念に
基づく伝統的な電子写真法に用いられている感光体は、
低γ特性を有しており、その特性上、コンピューターの
データ出力用のプリンター、または画像をデジタル処理
するデジタルコピー等、入力されたデジタル光信号をデ
ジタル像として描写する必要がある電子写真には不向き
である。即ち、コンピューターや画像処理装置から当該
電子写真装置に達するまでの信号路におけるデジタル信
号の劣化や、書き込み用の光ビームを集光させ、また
は、原稿像を結像させるための光学系による収差までを
も、これらの感光剤を用いた感光体は忠実に描写してし
まい、本来のデジタル画像を再現し得ないからである。
従って、この分野に利用できる高感度でかつ高γ特性を
有するデジタル感光体の提供が強く渇望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした中、特開平1
−169454号公報には、デジタル感光体の概念が開
示されている。しかしながら、このデジタル感光体に使
用できる材料に関しては、具体的に述べられていない。
本発明は、この現状に鑑みなされたもので、デジタル光
入力に対して優れた性能(高γ特性)を有すると共に、
繰り返し特性の優れた高寿命、高安定な感光体を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、チタニルフタ
ロシアニンをポリカーボネート樹脂と酸価度が1〜50
mgKOH/gの樹脂の混合物に分散させた感光体が、
デジタル光入力に対して優れた性能(高γ特性)を有す
ると共に、繰り返し特性の優れた高寿命、高安定なデジ
タル感光体であることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち本発明は、チタニルフタロシアニ
ンを結着樹脂中に分散してなる感光層を導電性基体上に
設けた電子写真感光体において、結着樹脂がポリカーボ
ネート樹脂と酸価度が1〜50mgKOH/gの樹脂の
混合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
特には光減衰曲線において閾値を有し、高表面電位から
低表面電位へ遷移させる露光エネルギー変化が小さい電
子写真感光体(高γ値感光体)である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (1)チタニルフタロシアニン チタニルフタロシアニンはこれまで様々な結晶形が知ら
れているが、本発明で用いられるチタニルフタロシアニ
ンとしては特に限られず、例えば、アモルファス形、通
常、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいてブ
ラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、25.3°、2
8.6°に主たるピークを有するα形、通常、ブラッグ
角(2θ±0.2°)9.3°、13.3°、26.3
°に主たるピークを有するβ形、通常、ブラッグ角(2
θ±0.2°)7.0°、15.6°、23.4°、2
5.5°に主たるピークを有するc形、通常、ブラッグ
角(2θ±0.2°)9.5°、24.1°、27.3
°にピークを示し、このうち27.3°の回折ピークの
強度が最も強い結晶形等が挙げられる。その中でもアモ
ルファス形、β形及びブラッグ角(2θ±0.2°)
9.5°、24.1°、27.3°にピークを示し、こ
のうち27.3°の回折ピークの強度が最も強い結晶形
が好ましく、更にX線回折スペクトルにおいてブラッグ
角(2θ±0.2°)9.5°、24.1°、27.3
°に、通常、ピークを示し、このうち27.3°の回折
ピークの強度が最も強い結晶形のチタニルフタロシアニ
ンが最も好ましい。
【0009】チタニルフタロシアニンの合成方法は、モ
ーザー及びトーマスの「フタロシアニン化合物」(MO
SER and THOMAS,“Phthalocy
anine Compounds”)の公知方法等、い
ずれの方法によっても良い。例えば、o−フタロニトリ
ルと四塩化チタンを加熱融解またはα−クロロナフタレ
ンなどの有機溶媒の存在下で加熱する方法、1,3−ジ
イミノイソインドリンとテトラブトキシチタンをN−メ
チルピロリドンなどの有機溶媒で加熱する方法により収
率良く得られる。このように合成したチタニルフタロシ
アニンには塩素置換体フタロシアニンが含有されていて
も良い。また、上記記載の27.3°の回折ピークの強
度が最も強いチタニルフタロシアニンの製造法として
は、例えば、チタニルフタロシアニンを機械的に摩砕
し、水と有機溶剤を加えて処理する、特開平2−289
658号記載の方法等により製造できるが、この方法に
限定されるものではなく、例えば他の製造方法により製
造可能であっても、結晶学的に同じ結晶形に属するもの
であれば包含するものである。
【0010】(2)ポリカーボネート樹脂 本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、下記一般
式に示される構造を持つものなら特に制限はない。
【0011】
【化1】
【0012】なお、上記一般式においてRは2価の有機
残基を表わし、nは自然数を表わす。本発明で用いられ
るポリカーボネート樹脂の製造法としては、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸誘導体とのエステル交換により重
合する方法(エステル交換法、溶融重合法)と芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とホスゲンとを脱酸剤の存在下溶液中
あるいは界面にて重合する方法(ホスゲン法)、環状オ
リゴカーボネートの開環重合による方法等がある。
【0013】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
をホスゲン法(界面重合法)により製造する方法は、有
機溶剤として、塩化メチレン、トルエン、キシレンが使
用され、脱酸剤としてアルカリ水溶液が用いられ、ジヒ
ドロキシ化合物のアルカリ水溶液に有機溶剤を共存さ
せ、その中にホスゲンを吹き込むことによって重合を行
う。ホスゲンは通常20%程度過剰に吹き込む。また、
重合反応を促進させるために第三級アミンや第四級アン
モニウム、ホスホニウム塩等を加えても良い。反応温度
は、0〜50℃であり、好ましくは10〜30℃であ
る。反応時間は温度、触媒等の条件によって変化する
が、30分〜5時間である。
【0014】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
をエステル交換法により製造する方法は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸の芳香族エステルとを塩基触媒存在
下溶融重合する。エステル交換の触媒としては、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、酸化亜鉛等の塩基性金属酸
化物、各種金属の炭酸塩、酢酸塩、水素化物、第四級ア
ンモニウム塩、ホスホニウム塩等の塩基性金属塩が用い
られる。重合温度は、200〜350℃の間で徐々に減
圧にすることによって重合させる。最終的には1mmH
g以下の高減圧とし反応を終了させる。反応時間は温
度、触媒等の条件によって変化するが、2〜5時間であ
る。また、重合中は、分解、架橋等の異常反応を抑制す
るため一般に、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行
うべきである。
【0015】本発明に使用されるポリカーボネート樹脂
は、数平均分子量は3000〜500000が好まし
く、更に10000〜200000のものが好ましい。
また、ガラス転移温度については20〜300℃、更に
好ましくは50〜250℃である。この様なポリカーボ
ネート樹脂は、上記各単量体を上記の方法で重合させて
も良いが、市販品を用いることもできる。市販品の例と
しては、三菱ガス化学(株)の「ユーピロン」(特にZ
−200)、バイエルジャパン(株)の「APEC」等
が挙げられる。
【0016】(3)特定の酸価度を有する樹脂 本発明の酸価度が1〜50mgKOH/gの樹脂は、酸
価度が当該範囲内であれば特に限定されない。好ましい
例としては重合活性モノマーとカルボキシル基を分子中
に有する重合活性モノマー(以下、「含カルボン酸重合
活性モノマー」と略す。)の共重合体が挙げられる。以
下、この例について説明する。
【0017】上記重合活性モノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ペ
ンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等の炭素数2〜
8の炭化水素系モノマー類及び塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化エチ
レン、三フッ化クロロエチレン、クロロプレン等の上記
炭化水素系モノマーのハロゲン化物類、ギ酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブチル酸ビニル、ヘキ
シル酸ビニル、オクチル酸ビニル等のビニルエステル類
及びそのハロゲン化物類、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピ
ル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペ
ンチル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アク
リル酸エステル類及びそのハロゲン化物類、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテ
ル、オクチルビニルエーテル等のビニルエーテル類及び
そのハロゲン化物類、メチルアリルエーテル、エチルア
リルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリル
エーテル、オクチルアリルエーテル等のアリルエーテル
類及びそのハロゲン化物類、アクリロニトリル、フマロ
ニトリル、メチルブチロニトリル等のニトリル類及びそ
のハロゲン化物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチ
ル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル等のマ
レイン酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、
メチルスチレン、等の芳香族感化水素系類及びクロロス
チレン、クロロメチルスチレン等のハロゲン化芳香族感
化水素系類が挙げられる。これらの中で好ましくは、エ
チレン、プロピレン、ブテン等の炭化水素系モノマー類
及び塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、三フッ化エチレン等のハロゲン化炭化水
素系モノマー類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブ
チル酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル類、スチレン、α−メチルスチレン、メ
チルスチレン、等の芳香族感化水素系類及びクロロスチ
レン、クロロメチルスチレン等のハロゲン化芳香族感化
水素系類であり、さらに好ましいのは酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ブチル酸ビニル等のビニルエステル
類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル等の(メタ)アクリル酸エステル類である。
【0018】含カルボン酸重合活性モノマーとしては、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、スチレンカルボン酸等が挙げられる。これらの中で
好ましくは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸であり、
さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸である。重合活
性モノマーと含カルボン酸重合活性モノマーの共重合
は、通常ラジカル重合で行うがイオン重合でもよい。仕
込み比は、得られる共重合体の酸価度が1〜50mgK
OH/gとなるよう調整する。用いる重合活性モノマー
及び含カルボン酸重合活性モノマーにより、その反応速
度、共重合性比、カルボン酸含有率が異なるが、おおむ
ね重合活性モノマーに対し含カルボン酸重合活性モノマ
ーを0.数モル%〜十数モル%を目安とする。
【0019】ラジカル重合においては溶液でも懸濁でも
よい。溶液重合の場合、上記重合活性モノマーを溶解さ
せる溶媒、例えば、トルエン、キシレン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、N,N−ジメチルフォルムアミド
等を用い、ラジカル開始剤を添加して行うことができ
る。懸濁重合の場合は、上記重合活性モノマーと含カル
ボン酸重合活性モノマーの混合溶液にラジカル開始剤を
添加し、それを多量の水に注ぎ懸濁させて行うことがで
きる。
【0020】ラジカル開始剤としては、一般のラジカル
重合に用いられるものを用いることができるが、ベンゾ
イルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有
機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物、過酸化水素、過硫酸カリウム等の無機過酸化物等が
挙げられる。重合温度、重合時間は用いる開始剤によっ
て異なるが、重合温度としては、20〜150℃が好ま
しく、更に50〜120℃が好ましい。重合時間は、1
〜30時間が好ましく、更に3〜20時間が好ましい。
【0021】共重合体の単離は、溶液重合では、重合液
をエーテル、ヘキサン等の貧溶媒に注ぎ再沈澱させる方
法、懸濁重合では、濾別或いは遠心分離により単離する
ことができる。共重合体の酸価度は1〜50mgKOH
/g、好ましくは1〜45mgKOH/g、更に好まし
くは1〜40mgKOH/gである。
【0022】共重合体の数平均分子量は、3000〜5
00000が好ましく、更に5000〜300000が
好ましい。この様な酸価度を有する樹脂は、上記各重合
活性モノマーを上記の方法で重合させても良いが、市販
品を用いることもできる。市販品の例としては、三菱レ
ーヨン(株)の「BRレジン」、セントラル硝子(株)
の「セフラルコート」、旭硝子(株)の「サイラーコー
ト」等が挙げられる。
【0023】上記酸価度を有す樹脂の添加率は、結着樹
脂であるポリカーボネート樹脂の重量に対して5〜30
wt%、好ましくは5〜25wt%、更に好ましくは5
〜20wt%である。30wt%以上でも高ガンマ性は
示すが、繰り返し特性に若干の特性低下が見られる場合
が有る。
【0024】(4)電子写真感光体 本発明の電子写真感光体は、上述のチタニルフタロシア
ニンを上述のポリカーボネート樹脂と酸価度を有する樹
脂中に分散させた感光層を導電性基体上に設けることに
より得られる。すなわち、上述の方法で製造されたチタ
ニルフタロシアニン、ポリカーボネート樹脂と酸価度を
有する樹脂の混合物を溶剤等とともに、ボールミル、ア
トライター等の混練分散機で均一に分散させ、導電性基
体上に塗布して、単層の感光層を形成させればよい。
【0025】すなわち、このチタニルフタロシアニンと
ポリカーボネート樹脂と酸価度を有する樹脂の混合物
を、混合物樹脂のチタニルフタロシアニンに対する重量
比を1〜10程度にして溶剤とともに混合する。そし
て、混合されたチタニルフタロシアニンと混合物樹脂と
を、通常電子写真感光体に用いられるアルミニウム等の
金属、もしくは、導電処理した紙、プラスティックなど
の導電性基体上に塗布し、感光層を形成させる。
【0026】塗布液に使用する溶剤は、上記を混合物樹
脂を溶解し、かつ性能を阻害するフタロシアニンの結晶
が成長しないものから選択することが好ましく、この様
な性質を有する溶剤として、例えば、トルエン、キシレ
ン、ミネラルスピリット等の炭化水素類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルブチルケトン、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライ
ム、ジグライム、アニソール等のエーテル類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、シク
ロヘキサノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等を挙げるこ
とができる。これらの溶剤については、1種を単独であ
るいは2種以上を混合して用いることができる。
【0027】塗布方法としては、必要ならば上記混合物
にトルエン、シクロヘキサノン等の溶剤を加えて粘度を
調整し、エアードクターコーター、プレートコーター、
ディップコーター、リングコーター、ロッドコーター、
リバースコーター、スプレーコーター、ホットコータ
ー、スクイーズコーター、グラビアコーター等の塗布方
式で被膜形成を行う。塗布後、光導電性層として十分な
帯電電位が付与されるようになるまで乾燥を行う。乾燥
は室温における予備乾燥後、30〜300℃の温度で1
分〜24時間の範囲で行う。
【0028】本発明による上記のような手段に従って製
造された電子写真感光体(以下、本発明の感光体とす
る)は、通常、樹脂/光導電性材料が重量比で1以上で
ある。従って、例えば、樹脂/光導電材料の重量比が
0.2である酸化亜鉛を用いた従来の感光体の場合に比
べ、樹脂量が多い。よって、被膜の物理的強度があり、
可撓性に富む感光体を実現することができる。
【0029】さらに、感光体の諸特性を改善する目的
で、導電性基体と感光層との間に下引き層、感光層上に
オーバーコート層を設けることも可能である。また、安
定性等を改善する目的で酸化防止剤等の添加剤を加える
こともできる。この様にして得られる感光層の膜厚は5
〜50μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲が
更に好ましい。
【0030】以上のようにして製造された本発明の感光
体は、導電性基体との接着性が大きく、耐湿性が良好で
あり、経時変化が少なく、毒性上の問題が少なく、製造
が容易であり、安価である等の実用上優れた特徴を有す
るものである。上記のようにして得た本発明の感光体
は、通常、正帯で用いられ、従来の感光体の場合に比
し、特異的な光電流の流れ方をするためデジタル光入力
用感光体として用いることができる。
【0031】すなわち、従来の感光体は、上述したよう
に、入力光量(の対数値)に対して線形に対応した量の
光電流が流れるのに対して、本発明の感光体は、ある入
力光量までは光電流が流れず、或いはごく小量であり、
その光量を越えた直後から急激に光電流が流れ出すとい
う光減衰曲線において閾値を有するものである(図4参
照)。
【0032】デジタル記録は、画像階調をドット面積に
よって表現するため、この記録方式に使用される感光体
の光感度特性は上記のものが好ましい。なぜなら、レー
ザースポットを光学系で正確に変調したとしても、スポ
ットそのものの光量の分布やハローは原理的に避けられ
ない。従って、光エネルギー(入力光量)の変化を段階
的にひろう従来の感光体では光量変化によってドットパ
ターンが変化し、ノイズとしてカブリの原因になる。従
って、本発明の感光体は、デジタル光入力用感光体に有
利な感光体である。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 〈チタニルフタロシアニンの製造例〉 製造例1 1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキ
シチタン51gをα−クロロナフタレン300ml中で
210℃にて5時間反応後、150℃で熱濾過し、α−
クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の
順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで
洗浄、乾燥して51gのチタニルフタロシアニンを得
た。このチタニルフタロシアニンのX線図を図1に示
す。ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、13.2
°、26.2°にピークを有するβ形チタニルフタロシ
アニンである。
【0034】製造例2 製造例1で製造したチタニルフタロシアニン4gを硫酸
400gに0℃で溶解し、この酸溶液を0℃に冷却した
水4Lに滴下した。滴下終了後1時間攪拌し、濾過した
後、水で濾液が中性となるまで洗浄してチタニルフタロ
シアニン3.1gを得た。このチタニルフタロシアニン
のX線図を図2に示す。特に鋭いピークを有さないアモ
ルファス形である。
【0035】製造例3 製造例1で製造したチタニルフタロシアニン6gとガラ
スビーズ50gを100mlのポリビンに入れ、ペイン
トシェーカー(レッドデビル社製)で40時間摩砕し
た。その後、メタノールでチタニルフタロシアニンをガ
ラスビーズから分離し、得られたチタニルフタロシアニ
ンを水100mlで洗浄した。このチタニルフタロシア
ニンウエットケーキを水100mlとジクロロベンゼン
10mlの混合溶液に加え1時間攪拌し、濾過後、メタ
ノールで洗浄し、チタニルフタロシアニン4.3gを得
た。このチタニルフタロシアニンのX線図を図3に示
す。ブラッグ角(2θ±0.2°)9.5°、24.1
°、27.3°にピークを有し、このうち27.3°の
回折ピークの強度が最も強い。
【0036】〈ポリカーボネート樹脂の製造例〉 製造例4 攪拌装置、還流冷却器、温度計、ガス導入管、pH電
極、滴下ロートを備えた2Lフラスコを窒素置換した
後、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロ
ヘキサン(147.4g、0.55モル)、亜硫酸水素
ナトリウム(0.11g)、水酸化ナトリウム水溶液
(NaOH:55g、1.38モル、水:600m
l)、塩化メチレン(400ml)を入れた。反応温度
を23〜27℃に保ち、激しく攪拌しながらホスゲンを
反応溶液のpHが7に下がるまで吹き込んだ。反応に要
する時間は約2時間であった。約70gのホスゲンが使
用された。次に水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:3
0g、水:30ml)、塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム(4.8g)を加え、25〜35℃で1時間激し
く攪拌した。反応終了後、水相から有機相を分離し、有
機相を水(500ml)で3回洗浄した。更に2%HC
l水溶液(500ml)、水(500ml)で洗浄し
た。洗浄後、メタノール中に投入し、濾別後、減圧下1
00℃で10時間乾燥させた。
【0037】製造例5 製造例4の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)とビスフェノールA
(62.5g、0.275モル)に変え、製造例4と同
様に重合した。
【0038】製造例6 製造例4の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)とビスフェノールF
(55g、0.275モル)に変え、製造例4と同様に
重合した。
【0039】製造例7 製造例4の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン(170.5g、0.275モ
ル)とビスフェノールA(62.5g、0.275モ
ル)に変え、製造例4と同様に重合した。
【0040】製造例8 製造例4の1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)と1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−フェニル−エタン(79.8
g、0.275モル)に変え、製造例4と同様に重合し
た。
【0041】〈酸価度を有する樹脂の製造例〉 製造例9 酢酸ビニル31g、メタアクリル酸3.5g(酢酸ビニ
ル/メタアクリル酸モル比:9/1)、過酸化ラウロイ
ル1.6gをトルエン40mlに溶解させ、80℃、5
時間重合した。その後、反応混合物を2Lのエーテル中
に注ぎ、共重合体を析出させた。得られた共重合体をジ
メチルホルムアミド50mlに再溶解させ、2Lのエー
テルで再沈殿し、80℃、12時間真空乾燥した。収量
24gで共重合体を得た。滴定法により酸価度をもとめ
たところ35.4mgKOH/gであり、GPCによる
数平均分子量(ポリスチレン換算、移動層:テトラヒド
ロフラン)は2.5万であった。
【0042】製造例10 メタアクリル酸メチル37.1g、メタアクリル酸3.
5g(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル比:
9/1)、過酸化ラウロイル0.8gをトルエン40m
lに溶解させ、80℃、5時間重合した。その後、反応
混合物を2Lのエーテル中に注ぎ、共重合体を析出させ
た。得られた共重合体をジメチルホルムアミド50ml
に再溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿し、80℃、1
2時間真空乾燥した。収量26gで共重合体を得た。酸
価度は38.1mgKOH/gで、数平均分子量は4.
3万であった。
【0043】製造例11 メタアクリル酸メチル26.5g、メタアクリル酸2.
45g(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル
比:9/1)、過酸化ラウロイル0.082gをトルエ
ン100mlに溶解させ、70℃、10時間重合した。
その後、反応混合物を2Lのエーテル中に注ぎ、共重合
体を析出させた。得られた共重合体をジメチルホルムア
ミド50mlに再溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿
し、80℃、12時間真空乾燥した。収量16.5gで
共重合体を得た。酸価度は40.3mgKOH/gで、
数平均分子量は14万であった。
【0044】製造例12 メタアクリル酸メチル53g、メタアクリル酸4.9g
(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル比:9/
1)、過酸化ラウロイル0.082gをトルエン100
mlに溶解させ、70℃、10時間重合した。その後、
反応混合物を3Lのエーテル中に注ぎ、共重合体を析出
させた。得られた共重合体をジメチルホルムアミド10
0mlに再溶解させ、4Lのエーテルで再沈殿し、80
℃、12時間真空乾燥した。収量37gで共重合体を得
た。酸価度は35.9mgKOH/gで、数平均分子量
は30万であった。
【0045】製造例13 メタアクリル酸メチル40.8g、メタアクリル酸0.
34g(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル
比:9.9/0.1)、過酸化ラウロイル0.8gをト
ルエン40mlに溶解させ、80℃、5時間重合した。
その後、反応混合物を2Lのエーテル中に注ぎ、共重合
体を析出させた。得られた共重合体をジメチルホルムア
ミド50mlに再溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿
し、80℃、12時間真空乾燥した。収量21gで共重
合体を得た。酸価度は4.3mgKOH/gで、数平均
分子量は3.5万であった。
【0046】製造例14 メタアクリル酸メチル53g、メタアクリル酸2.3g
(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル比:9.
5/0.5)、過酸化ラウロイル0.082gをトルエ
ン100mlに溶解させ、70℃、10時間重合した。
その後、反応混合物を3Lのエーテル中に注ぎ、共重合
体を析出させた。得られた共重合体をジメチルホルムア
ミド50mlに再溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿
し、80℃、12時間真空乾燥した。収量17gで共重
合体を得た。酸価度は20.2mgKOH/gで、数平
均分子量は35万であった。
【0047】製造例15 メタアクリル酸メチル53g、マレイン酸3.3g(メ
タアクリル酸メチル/マレイン酸モル比:9/1)、過
酸化ラウロイル0.082gをトルエン100mlに溶
解させ、70℃、10時間重合した。その後、反応混合
物を3Lのエーテル中に注ぎ、共重合体を析出させた。
得られた共重合体をジメチルホルムアミド50mlに再
溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿し、80℃、12時
間真空乾燥した。収量26gで共重合体を得た。酸価度
は37.8mgKOH/gで、数平均分子量は21万で
あった。
【0048】製造例16 スチレン53.5g、メタアクリル酸4.9g(スチレ
ン/メタアクリル酸モル比:9/1)、過酸化ラウロイ
ル0.082gをトルエン100mlに溶解させ、70
℃、10時間重合した。その後、反応混合物を3Lのエ
ーテル中に注ぎ、共重合体を析出させた。得られた共重
合体をジメチルホルムアミド100mlに再溶解させ、
4Lのエーテルで再沈殿し、80℃、12時間真空乾燥
した。収量22gで共重合体を得た。酸価度は25.4
mgKOH/gで、数平均分子量は26万であった。
【0049】〈比較製造例〉以下、本発明の各実施例に
よる酸価度を有する樹脂を評価するために用いる比較例
としての下記樹脂の製造法を説明する。 比較製造例1 比較製造例1はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸
の共重合体でなく、メタアクリル酸メチルの単独重合体
である点のみ、製造例10と相違する。この比較製造例
1ではメタアクリル酸メチル37.1g、過酸化ラウロ
イル0.8gをトルエン40mlに溶解させ、80℃、
5時間重合した。その後、反応混合物を2Lのエーテル
中に注ぎ、重合体を析出させた。得られた重合体をジメ
チルホルムアミド50mlに再溶解させ、2Lのエーテ
ルで再沈殿し、80℃、12時間真空乾燥した。収量3
2gで重合体を得た。酸価度は0mgKOH/gで、数
平均分子量は2.8万であった。
【0050】比較製造例2 比較製造例2はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸
の仕込み比において、メタアクリル酸量が多い点のみ、
製造例10と相違する。この比較製造例2ではメタアク
リル酸メチル33g、メタアクリル酸6.9g(メタア
クリル酸メチル/メタアクリル酸モル比:8/2)、過
酸化ラウロイル0.8gをトルエン40mlに溶解さ
せ、80℃、5時間重合した。その後、反応混合物を2
Lのエーテル中に注ぎ、共重合体を析出させた。得られ
た共重合体をジメチルホルムアミド50mlに再溶解さ
せ、2Lのエーテルで再沈殿し、80℃、12時間真空
乾燥した。収量20gで共重合体を得た。酸価度は72
mgKOH/gで、数平均分子量は3.3万であった。
【0051】比較製造例3 比較製造例3はメタアクリル酸メチルとメタアクリル酸
の仕込み比において、メタアクリル酸量が更に多い点の
み、製造例10と相違する。この比較製造例3ではメタ
アクリル酸メチル20.6g、メタアクリル酸17.2
g(メタアクリル酸メチル/メタアクリル酸モル比:5
/5)、過酸化ラウロイル0.8gをトルエン40ml
に溶解させ、80℃、5時間重合した。その後、反応混
合物を2Lのエーテル中に注ぎ、共重合体を析出させ
た。得られた共重合体をジメチルホルムアミド50ml
に再溶解させ、2Lのエーテルで再沈殿し、80℃、1
2時間真空乾燥した。収量19gで共重合体を得た。酸
価度は215.6mgKOH/gで、数平均分子量は
3.1万であった。
【0052】次に、得られたチタニルフタロシアニン、
ポリカーボネート樹脂、酸価度を有する樹脂を用いた本
発明の電子写真感光体の実施例を説明する。 実施例1 製造例1で得られたβ形チタニルフタロシアニン0.2
5gを、製造例4で得られたポリカーボネート樹脂0.
9g、製造例9で得られた酸価度35.4mgKOHを
有する樹脂0.1g、トルエン6.5g、ガラスビーズ
(直径2mm)12gとともにガラス容器中に密閉し、
ペイントシェーカー(レッドデビル社製)により4時間
分散させ、分散後ガラスビーズを分離し感光体塗布液を
得た。この感光体塗布液を厚さ90μmの脱脂したアル
ミシート上にワイヤーバー法により塗布し、室温で予備
乾燥後、オーブン中で100℃、1時間の乾燥処理を行
い、感光体を得た。この時感光層の膜厚は、18μmで
あった。
【0053】実施例2〜20 下記第1表に示されるチタニルフタロシアニン(TiO
Pc)0.25g、酸価度を有する樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂(PCR)を用い、実施例1と同様な方法で感
光体を得た。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】実施例21 製造例3で得られたチタニルフタロシアニン0.25g
を、製造例7で得られたポリカーボネート樹脂0.9
g、「セフラルコート・A202B」(セントラル硝子
製、酸価度:3mgKOH/g)0.1g、トルエン
6.5g、ガラスビーズ(直径2mm)12gとともに
ガラス容器中に密閉し、ペイントシェーカー(レッドデ
ビル社製)により4時間分散させ、分散後ガラスビーズ
を分離し感光体塗布液を得た。この感光体塗布液を厚さ
90μmの脱脂したアルミシート上にワイヤーバー法に
より塗布し、室温で予備乾燥後、オーブン中で100
℃、1時間の乾燥処理を行い、感光体を得た。感光層の
厚さは18μmであった。
【0057】実施例22 実施例21でポリカーボネート樹脂を0.8g、「セフ
ラルコート・A202B」(セントラル硝子製、酸価
度:3mgKOH/g)を0.2gに変えた他は同様に
行い、感光体を得た。
【0058】以下、本発明の各実施例による酸価度を有
する樹脂を評価するために用いる比較例を説明する。 比較例1 製造例1で得られたチタニルフタロシアニン0.25g
を、製造例4で得られたポリカーボネート樹脂1.0
g、トルエン6.5g、ガラスビーズ(直径2mm)1
2gとともにガラス容器中に密閉し、ペイントシェーカ
ー(レッドデビル社製)により4時間分散させ、分散後
ガラスビーズを分離し感光体塗布液を得た。この感光体
塗布液を厚さ90μmの脱脂したアルミシート上にワイ
ヤーバー法により塗布し、室温で予備乾燥後、オーブン
中で100℃、1時間の乾燥処理を行い、感光体を得
た。感光層膜厚は18μmであった。
【0059】比較例2〜11 下記第2表に示されるチタニルフタロシアニン(TiO
Pc)0.25g、酸価度を有する樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂(PCR)を用い、比較例1と同様な方法で感
光体を得た。
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】〈電子写真感光体の評価〉上記で得られた
各実施例及び各比較例の感光体について、光感度特性を
感光体評価装置(シンシア−55、ジェンテック社製)
を用いて評価した。まず、+6.0KVの電圧でコロナ
帯電させ、光強度が異なった780nmの単色光をコロ
ナ帯電させた感光体に各々照射し、各光強度に対する光
減衰時間曲線(照射時間に対する表面電位の特性曲線)
を各々測定した。そして、その曲線から得られた一定時
間照射(ここでは0.075秒)後における表面電位
を、各々光エネルギーに対してプロットした。これを光
減衰曲線と称し、一例を図4に示す。
【0063】表面電位を帯電直後の初期電位V0 とほぼ
同じ程度(95%表面電位)に維持できる光エネルギー
をE95(光減衰曲線における立ち下がり点の光エネルギ
ー)、表面電位を50μJ/cm2 照射後の残留電位V
r 程度(5%表面電位)までに低下させることのできる
光エネルギーをE5 (光減衰曲線における立ち上がり点
の光エネルギー)とし、E5 /E95の値を以下の評価基
準でデジタル記録可能の目途とした。
【0064】 0 < E5 /E95 ≦ 5 : デジタル記録可能 5 < E95/E5 : アナログ記録 また、0<E5 /E95≦5であるもののうち、E95が小
さいほど光感度がよく、電子写真感光体として優れてい
るといえる。評価結果を第3表に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】なお、比較例7は表面電位の光減衰がほぼ
見られず、V0 以外の値は測定できなかった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のチタニル
フタロシアニンをポリカーボネート樹脂と酸価度が1〜
50mgKOH/gである樹脂に分散させてなる感光体
は、光入力に対し特異な光電力の流れ方、すなわち、ア
ナログ光であってもデジタル光であってもデジタル信号
として出力できるものである。従って、デジタル記録形
式の電子写真に使用できると共に、従来のPPC(アナ
ログ光入力)用感光体に使用してもエッジのシャープな
高画質画像を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得たチタニルフタロシアニンのX線
【図2】製造例2で得たチタニルフタロシアニンのX線
【図3】製造例3で得たチタニルフタロシアニンのX線
【図4】光減衰曲線の一例を示す図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタニルフタロシアニンを結着樹脂中に
    分散してなる感光層を導電性基体上に設けた電子写真感
    光体において、結着樹脂がポリカーボネート樹脂と酸価
    が1〜50mgKOH/gの樹脂の混合物であることを
    特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 上記電子写真感光体が、その光減衰曲線
    において閾値を有し、デジタル光入力用であることを特
    徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 上記酸価が1〜50mgKOH/gの樹
    脂の量がポリカートネート樹脂に対し5〜30wt%で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真
    感光体。
  4. 【請求項4】 上記チタニルフタロシアニンが、X線回
    折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
    9.5°、24.1°及び27.3°にピークを示し、
    このうち27.3°の回折ピークの強度が最も強いチタ
    ニルフタロシアニンである請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の電子写真感光体。
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