JP3473142B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
使用される光入力に対してデジタル的に反応する電子写
真感光体に関するものである。
は、原稿像をアナログ的に描写することを主眼点におい
て開発されてきた。従って、入力光の明暗を忠実にトナ
ー像の明暗として再現するために、そこで用いられる感
光体としては、入力光量(の対数値)に対して線形に相
似する光電流が流れる特性を有することが求められてき
た。そのため、このような特性(低γ特性)を有する感
光剤を感光体の材料として選択することが原則的であっ
た。
単純な光導電体に近いものからはじまり、セレン(S
e)系のアモルファス層や、シリコン(Si)のアモル
ファス層や、Se系のアモルファス層と相似すべく作ら
れた酸化亜鉛(ZnO)の結着層等が、感光体として使
用されてきた。更に近年では、特に有機半導体を使用し
たいわゆる機能分離型の感光体が使用されるまでに展開
してきている。ところが、近年、電子写真技術とコンピ
ュータ技術が結合し、プリンタやファクシミリ記録の方
式が電子写真記録方式に急激に移行し、また、通常のコ
ピーマシーンであっても、反転、切取り、白抜き等の画
像処理を可能とする方式になりつつある。そのため、電
子写真の記録方式も、従来のPPC用アナログ記録形式
からデジタル記録形式への変更が望まれている。
念に基づく伝統的な電子写真法に用いられる感光体用の
感光剤は、低γ特性を有しており、その特性上、コンピ
ュータのデータ出力用のプリンタ、または画像をデジタ
ル処理するデジタルコピー等、入力されたデジタル光信
号をデジタル像として描写する必要がある電子写真には
不向きである。すなわち、コンピュータや画像処理装置
から当該電子写真装置に達するまでの信号路におけるデ
ジタル信号の劣化や、書き込み用の光ビームを集光さ
せ、または、原稿像を結像させるための光学系による収
差までをも、これらの感光剤を用いた感光体は忠実に描
写してしまい、本来のデジタル画像を再現し得ないから
である。
有する感光体の提供が強く渇望されている。
−169454号公報には、デジタル光入力用感光体の
概念が開示されている。しかしながら、このデジタル光
入力感光体に使用できる材料に関しては、具体的に述べ
られていない。また、特開平3−37662号公報に
は、チタニルフタロシアニンを感光層材料として用いる
機能分離型の感光体が記載されている。しかしながら、
ここで開示されているチタニルフタロシアニンであって
も、γ特性があまり高くない点、残留電位が高い点か
ら、上記デジタル光入力用感光体として使用するために
は特性が不十分である。
もので、デジタル光入力に対して優れた性能を有すると
共に、繰り返し特性の優れた高寿命、高安定な電子写真
感光体を提供することを課題とする。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶型を
有するチタニルオキシフタロシアニンを硬化型フッ素樹
脂からなる結着剤中に分散させた感光層を導電性基体上
に設けた電子写真感光体が、デジタル光入力に対して優
れた性能を有すると共に、繰り返し特性の優れた高寿
命、高安定なものであることを見出し、本発明を完成さ
せた。
剤中に分散させた感光層を導電性基体上に設けた電子写
真感光体において、前記結着剤が硬化型フッ素樹脂から
なり、前記フタロシアニンが、X線回折スペクトルにお
いてブラック角(2θ±0.2°)9.5°、24.1
°、27.3°に回折ピークを示し、この内ブラック角
27.3°の回折ピークの強度が最も強い回折スペクト
ルを与える結晶型を有するチタニルオキシフタロシアニ
ンからなることを特徴とする、デジタル光入力電子写真
感光体である。以下、本発明を詳細に説明する。
化型フッ素樹脂からなる結着剤中に分散させた感光層を
導電性基体上に設けた構成をとる。本発明の電子写真感
光体において結着剤を構成する硬化型フッ素樹脂は、フ
ッ素原子及び後述する硬化剤と反応性を有する官能基を
有する樹脂であって、一般的には、フッ素原子を有する
エチレン性不飽和単量体とフッ素原子を有しないエチレ
ン性不飽和単量体との共重合体が用いられる。
体としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、モノクロロ
トリフルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジフルオ
ロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエ
チレン、ビニリデンクロロフルオライド、ヘキサフルオ
ロプロペン、3,3,3,2−テトラフルオロプロペ
ン、トリフルオロフルオロメチルエチレン、2−フルオ
ロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタ
フルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3−トリ
フルオロプロペン、パーフルオロ−1−ブテン、パーフ
ルオロ−1−ペンテン、パーフルオロブチルエチレン、
パーフルオロ−1−ヘプテン、パーフルオロ−1−ノネ
ン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオク
チルエチレン、パーフルオロデシルエチレン、パーフル
オロドデシルエチレン等の含フッ素オレフィン、トリフ
ルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヘキサクロロブチル(メ
タ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)ア
クリレート、ヘプタデカフルオロノニル(メタ)アクリ
レート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレー
ト等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート、アルキ
ルビニルエーテルの水素原子の一部または全部がフッ素
原子で置換されているフッ化アルキルビニルエーテル、
脂肪酸ビニルエステルの水素原子の一部または全部がフ
ッ素原子で置換されているフッ化脂肪酸ビニルエステル
等が挙げられ、この様なフッ素原子を有するエチレン性
不飽和単量体の1種または2種以上を硬化型フッ素樹脂
の原料とすることができる。
不飽和単量体と共重合して硬化型フッ素樹脂(共重合
体)をつくるフッ素原子を有しないエチレン性不飽和単
量体としては、硬化剤との反応性を有する官能基、例え
ば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、グリ
シジル基等を有するエチレン性不飽和単量体、例えば、
ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキ
ルアリルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタアクリル
酸、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニルエー
テル等を挙げることができる。更に、この様なフッ素原
子を有しないエチレン性不飽和単量体としては、上記単
量体の他に、硬化剤との反応性を有する官能基を共重合
体に導入することができ、且つ、物理的性質を調整する
目的で共重合体に導入することができるエチレン性不飽
和単量体、例えば、上記官能基を有しないビニルエーテ
ル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリルエ
ステル類、オレフィン等を挙げることができる。
は、上記フッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量体
の1種または2種以上が各種目的に応じて選択され用い
られる。また、本発明に用いる硬化型フッ素樹脂の原料
として、物理的性質を調製する目的で共重合体に導入す
ることができるフッ素樹脂を有しないエチレン性不飽和
単量体を用いてもよい。
として上述した各種フッ素原子を有するエチレン性不飽
和単量体、フッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量
体を用いるが、これらのうちでも、フッ素原子を有する
エチレン性不飽和単量体としてフルオロオレフィンを、
かつフッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量体とし
てビニルエーテル類、ビニルエステル類を用いたものが
好ましく、更に、フッ素原子を有しないエチレン性不飽
和単量体としてヒドロキシル基を有するビニルエーテル
類、ビニルエステル類を用いたものがより好ましい。
て、上記フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体成
分の共重合体総量に占める割合としては、25〜75モ
ル%であることが好ましく、40〜60モル%であるこ
とがより好ましい。この様な硬化型フッ素樹脂は、上記
各単量体を原料として用い、通常の重合方法で共重合さ
せることにより容易に得られるが、市販品、例えば、セ
ントラル硝子(株)「セフラルコート」、旭硝子(株)
「ルミフロン」等もあるので、本発明にはこれらの市販
品の硬化型フッ素樹脂を用いることも可能である。
脂は、硬化剤との反応により、以下に述べる特定のフタ
ロシアニンを分散した状態で架橋硬化して、本発明の電
子写真感光体の感光層となる。
オキシフタロシアニンとしては、例えば、下記
0から1までの数を表わす。)で示されるものが挙げら
れる。前記一般式において、Xが塩素原子でnが0から
0.5までのものが好ましい。本発明の用いるチタニル
オキシフタロシアニンは、例えば、1,2−ジシアノベ
ンゼン(オルソフタロジニトリル)とチタン化合物から
例えば下記(1)または(2)に示す反応式にしたがっ
て容易に合成することができる。
タンのハロゲン化物を、不活性溶剤中で加熱し反応させ
る。チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタ
ン等を用いることができる。不活性溶媒としては、トリ
クロロベンゼン、α−クロロナフタレン、β−クロロナ
フタレン、α−メチルナフタレン、メトキシナフタレ
ン、ジフェニルエーテル、ジフェニルメタン、ジフェニ
ルエタン、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジ
エチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレン
グリコールジアルキルエーテル等の反応に不活性な高沸
点有機溶剤が好ましい。反応温度は、通常150〜30
0℃、特に180〜250℃が好ましい。反応後生成し
たジクロロチタニウムフタロシアニンを濾別し、反応に
用いた溶剤で洗浄し、反応時に生成した不純物や未反応
の原料を除く。
ルアルコール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル等のエーテル類等の不活性溶剤で洗浄
し、反応に用いた溶剤を除去する。次いで得られたジク
ロロチタニウムフタロシアニンは加水分解することによ
りチタニルオキシフタロシアニンとなる。次いで得られ
たチタニルオキシフタロシアニンを、例えば特開平2−
215866、2−198453号公報で開示している
機械的摩砕処理を行うことにより目的の結晶型を得るこ
とができる。また、本発明で使用される結晶型チタニル
オキシフタロシアニンは、上記の製造方法により製造さ
れる結晶型チタニルオキシフタロシアニンのみに限定さ
れるものではなく、例えば他の結晶型チタニルオキシフ
タロシアニンからも適当な処理により製造可能であっ
て、いかなる製造方法により製造されるチタニルオキシ
フタロシアニンであっても、そのX線回折スペクトルに
おいて、ブラック角(2θ±0.2°)9.5°、2
4.1°および27.3°に主たる回折ピークを示し、
この内ブラック角27.3°の回折ピークの強度が最も
強い回折スペクトルを与える結晶型を示し、図1にX線
回折スペクトルを示した結晶型と結晶学的に同じ結晶型
に属する限り包含するものである。
ロシアニンを硬化型フッ素樹脂からなる結着剤中に分散
させた状態の感光層を設けることにより得られる。上記
導電性基体としては、金属板、金属ドラム、または導電
ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物もしくはア
ルミニウム、パラジウム、金等の金属よりなる導電性薄
層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段により、紙、プラ
スチック、フィルムなどの基体に設けたものが用いられ
る。
分散した硬化型フッ素樹脂からなる感光層を設ける方法
としては、上記方法で製造されたフタロシアニンと硬化
型フッ素樹脂とを溶剤に溶解し、硬化剤、必要により使
用する添加剤、例えば、触媒、酸化防止剤等を加えて、
均一に分散させて得られる感光層塗布液を導電性基体上
に塗布、乾燥、硬化する方法等を挙げることができる。
アニンと硬化型フッ素樹脂との混合割合は、重量比で
5:95〜50:50であり、好ましくは10:90〜
40:60である。このように電子写真感光体におい
て、感光層中のフタロシアニン(光導電性材料)に対す
る硬化型フッ素樹脂(結着剤)の配合割合を重量比で1
以上とすることにより、従来の感光層、例えば、光導電
性材料として酸化亜鉛を用いた感光層の場合の光導電性
材料(酸化亜鉛)に対する結着剤樹脂の重量比が0.2
であるのに比べ、感光層中の結着剤樹脂の割合が多く、
従って、被膜の物理的強度があり、可撓性に富む電子写
真感光体とすることができる。
ッ素樹脂を溶解し、かつ性能を阻害するフタロシアニン
の結晶が成長しないものから選択することが好ましく、
この様な性質を有する溶剤として、例えば、トルエン、
キシレン、ミネラルスピリット等の炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジ
クロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグライ
ム、ジグライム、アニソール等のエーテル類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、シク
ロヘキサノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等を挙げるこ
とができる。これらの溶剤については、1種を単独であ
るいは2種以上を混合して用いることができる。
びフタロシアニンと共に用いられる硬化剤は、硬化型フ
ッ素樹脂を架橋硬化させるために配合されるが、この様
な硬化剤としては、例えば、メラミン樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、ポリイソシアネー
ト、グリオキザール等の活性基を2つ以上有する化合物
が挙げられる。塗布液中への硬化剤の配合量は、硬化条
件、硬化剤の官能基の量、種類により異なるが、一般に
硬化剤の官能基と硬化型フッ素樹脂の官能基がモル比
(硬化剤官能基/硬化型フッ素樹脂官能基)で0〜5の
範囲で用いられる。
を投入し、ボールミル、アトライター、ホモミキサー、
サンドミル、ペイントミキサー、ディスパーザー、超音
波分散器等の混練分散機を用いて、硬化型フッ素樹脂、
硬化剤を溶解、フタロシアニンを分散させることで行わ
れる。得られた感光層塗布液は、導電性基体上に、浸漬
コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナー
コーティング法、ビートコーティング法、ワイヤーバー
コーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコ
ーティング法、カーテンコーティング法等の各種コーテ
ィング法を用いて塗布される。
後、加熱により乾燥硬化する方法が好ましい。加熱によ
る乾燥硬化は、30〜300℃の温度で1分〜6時間の
範囲で、静止または送風下で行うことができる。この処
理はまた、不活性ガス中、または真空中で行うこともで
きる。この様にして得られる感光層の膜厚は、5〜50
μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がさらに
好ましい。
様にして得られる導電性基体上に直接、感光層を積層し
た構造の電子写真感光体の他に、導電性基体、感光層間
の接着性の改良やキャリア注入を阻止する目的で、ポリ
アミド樹脂、ポリビニルアルコール、セルロースなどの
有機高分子や、酸化アルミニウム等からなる下引き層を
導電性基体と感光層の間に有する電子写真感光体、物理
的、化学的に感光層表面を保護する目的で、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、シ
リコン樹脂等からなる保護層を感光層表面に有する電子
写真感光体、上記下引き層、保護層の両者を有する電子
写真感光体等であってもよい。
感光体は、従来の電子写真感光体に比べ、特異的な光電
流の流れ方をするため、デジタル光入力用感光体として
用いることができる。すなわち、従来の感光体は、上述
したように、入力光量(の対数値)に対して線形に対応
した量の光電流が流れるのに対して、本発明の感光体
は、ある入力光量までは光電流が流れず、あるいは流れ
ても極く少量であり、前記ある入力光量を越えた直後か
ら急激に光電流が流れ出す。これは、画像階調をドット
面積によって表現するようなデジタル記録方式の電子写
真感光体に要求される光感度特性と一致するものであ
る。
確に変調したとしても、高度な収差補正をしない限り、
光学系は必然的に収差を伴う。従って、光学系のスポッ
トそのものに光量の分布が生じること、及びハローが生
じること等は、原理的に避けられない。
化を段階的にひろう従来の電子写真感光体では光量変化
によってドットパターンの濃度が変化し、また、わずか
なスポットのにじみによってもドットパターンの外縁が
変化する。以上のドットパターンの変化が、ノイズとし
てカブリの原因になるのである。本発明の特定のフタロ
シアニンを用いた電子写真感光体は、この様なドットパ
ターンの変化をキャンセルすることができるので、有効
なデジタル光入力感光体である。
電子写真感光体は、感光層と導電性基体との接着性が大
きく、耐湿性が良好であり、経時変化が少なく、毒性上
の問題も少なく、製造が容易であり、安価である等の実
用上優れた特徴を有するものである。
めに、本発明に用いるフタロシアニンの製造例を説明す
る。
リル97.5gをα−クロロナフタレン750ml中に
加え、次に窒素雰囲気下で四塩化チタン22mlを滴下
する。滴下後昇温し、撹はんしながら200〜220℃
で3時間反応させた後、放冷し、100〜130℃で熱
時濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン2
00mlで洗浄した。更に200mlのN−メチルピロ
リドンで熱懸洗処理(100℃、1時間)を3回行っ
た。続いてメタノール300mlで室温にて懸洗しさら
にメタノール500mlで1時間熱懸洗を3回行った。
この様にして得られたチタニルオキシフタロシアニンの
X線回折スペクトルは、ブラック角(2θ±0.2°)
7.6°、10.2°、12.6°、13.2°、1
5.2°、16.2°、18.4°、22.5°、2
4.2°、25.4°及び28.7°に主たる回折ピー
クを示し、この7.6°の回折ピークの強度が最も強
い。
ロシアニンをサンドグラインドミルにて20時間磨砕処
理を行い、続いて水400ml、オルソジクロロベンゼ
ン40mlの懸濁液中に入れ、60℃で1時間加熱処理
を行った。この様にして得られたオキシチタニウムフタ
ロシアニンのX線回折スペクトルを図1に示す。図1か
ら明らかのように、ブラック角(2θ±0.2°)9.
5°、24.1°および27.3°に回折ピークを示
し、この内ブラック角27.3°の回折ピークの強度が
最も強い回折スペクトルを与えていることがわかる。ま
た、比較のために以下のチタニルオキシフタロシアニン
を製造した。
上記で得られたチタニルオキシフタロシアニン10gを
0℃に冷却した硫酸210g中に加え、引き続き0℃、
1時間撹拌した。チタニルフタロシアニンが完全に溶解
したことを確認した後、これを0℃に冷却した水120
0ml中に投入し、水で洗浄した。洗浄水の中性を確認
した後、これを室温で2時間撹拌した。さらにメタノー
ルで洗浄し、濾過後、60℃で乾燥して、9.3gのチ
タニルオキシフタロシアニン結晶体を得た。
回折スペクトルを図2に示す。ブラック角(2θ±0.
2°)7.0°、16.5°、23.9°、28.4°
にピークを有するが9.5°、27.3°に回折ピーク
を有さず、本発明のフタロシアニンとは異なる。次に、
製造例で得られたフタロシアニンを感光剤として用いた
本発明の電子写真感光体の実施例を説明する。
g、硬化型フッ素樹脂(セフラルコートA−202B、
セントラル硝子(株)製)6.4g、メラミン(ニカラ
ックMW−30、(株)三和ケミカル製)0.8g、ト
ルエン20.0g、ガラスビーズ(直径2mm)24g
と共に硝子容器中に密閉し、ペイントシェーカーによ
り、4時間分散させ、分散後ガラスビーズを分離し感光
体塗布液を得た。この感光体塗布液を厚さ90μmの脱
脂したアルミシート上にワイヤーバー法により塗布し、
室温で予備乾燥後、オーブン中で100℃、1hrその
後200℃10分の乾燥硬化処理を行うことにより膜厚
16.2μmの電子写真感光体を得た。
変更し、メラミン0.8gをイソシアネート(コロネー
トHX、日本ポリウレタン工業(株)製)0.7gに換
え、触媒としてジブチルチンジラウレート0.1mgを
加え同様の処理により感光体塗布液を得た。この塗布液
を厚さ90μmの脱脂したアルミシート上にワイヤーバ
ー法により塗布し、室温で予備乾燥後、オーブン中で1
00℃、1時間の加熱硬化処理を行い、膜厚15.9μ
mの電子写真感光体を得た。
2BからルミフロンLF100(旭硝子(株)製)に換
え、同様の方法により膜厚16.0μmの電子写真感光
体を得た。
2BからルミフロンLF400(旭硝子(株)製)に換
え、同様の方法により膜厚15.9μmの電子写真感光
体を得た。
0gに変更し、メラミン(ニカラックMW−30、
(株)三和ケミカル製)を除き、他は同一の方法で塗布
し、室温で予備乾燥後、オーブン中で80℃、20時間
の乾燥処理を行い、膜厚16.3μmの電子写真感光体
を得た。
g、ポリエステル樹脂(アルマテックスP645、三井
東圧化学(株)製)5.0g、メラミン樹脂(ユーバン
20HS、三井東圧化学(株)製)1.4g、トルエン
20.0g、ガラスビーズ(直径2mm)24gと共に
硝子容器中に密閉し、実施例1と同様の方法で分散、塗
布し、室温で予備乾燥後、オーブン中で200℃3時間
の乾燥、硬化を行い膜厚15.8μmの電子写真感光体
を得た。
較例チタニルオキシフタロシアニンを用い同様の方法で
膜厚15.7μmの電子写真感光体を得た。
得られた各実施例及び各比較例の電子写真感光体につい
て、光感度特性及び繰り返し特性を感光体評価装置(シ
ンシア−55、ジェンテック社製)を用いて評価した。
電させ、これに光強度が異なった780nmの単色光を
照射し、各光強度に対する光減衰時間曲線(照射時間に
対する表面電位の特性曲線)を各々測定し、その曲線か
ら得られた一定時間照射(ここでは0.075秒)後に
おける表面電位を、各々光エネルギーに対してプロット
した。これをγカーブと称する。
できる光エネルギーのうち最大の光エネルギーをE
1 (γカーブにおける立ち下がり点の光エネルギー)、
表面電位を残留電位程度(約30V)までに低下させる
ことのできる光エネルギーのうち最小の光エネルギーを
E2 (γカーブにおける立ち上がり点の光エネルギー)
とし、E2 /E1 の値を以下の評価基準でデジタル記録
可能の目途とした。
が小さい程、光感度がよく電子写真感光体として優れて
いるといえる。
(+6.0kV)、露光(780nm、20μJ/c
m2 )、一帯電(−5.3kV)、イレース光(2
00lux、タングステンランプ)の繰り返しで行い、
+帯電直後の表面電位V0 を各繰り返し回数毎に測定
し、V0 が10%以上変動するまでの回数Nを記録し
た。上記評価の結果を表1に示す。
子写真感光体のE2 /E1 が5よりはるかに大きくアナ
ログ記録にしか適さないのに対し、本発明の実施例で得
られた電子写真感光体は、E2 /E1 の値が上記デジタ
ル記録可能な範囲であり、デジタル光入力用感光体とし
て使用可能である。また、繰り返し特性についても、比
較例の電子写真感光体に比べ、実施例の電子写真感光体
が数倍以上優れている。
脂により結着し、薄層化した感光層を有する本発明の電
子写真感光体は、繰り返し安定性に優れる。また、本発
明の電子写真感光体は、光入力に対して特異な光電力の
流れ方を示すことができる。すなわち、光電流の(ある
閾値に対する)大小に従ってデジタル的に光電流を流
す。従って、デジタル記録形式の電子写真に使用するデ
ジタル光入力感光体として適している。
がアナログ光であっても、それをA/D変換してデジタ
ル信号として出力することができる。従って、従来のP
PC(アナログ光入力)用感光体としてもエッジのシャ
ープな高画質画像を実現できるものである。
折スペクトルを示す図
X線回折スペクトルを示す図
Claims (3)
- 【請求項1】 フタロシアニンを結着剤中に分散させた
感光層を導電性基体上に設けた電子写真感光体におい
て、前記結着剤が硬化型フッ素樹脂からなり、前記フタ
ロシアニンがX線回折スペクトルにおいてブラック角
(2θ±0.2°)9.5°、24.1°、27.3°
に回折ピークを示し、この内ブラック角27.3°の回
折ピークの強度が最も強い回折スペクトルを与える結晶
型を有するチタニルオキシフタロシアニンからなること
を特徴とする、デジタル光入力電子写真感光体。 - 【請求項2】 感光層の含有する硬化型フッ素樹脂とフ
タロシアニンの重量比が、50:50〜95:5である
ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 10000回繰り返し露光後の帯電直後
の表面電位と、繰り返し露光前の帯電直後の表面電位の
差が、繰り返し露光前の帯電直後の表面電位に対して、
10%未満であることを特徴とする、請求項1または請
求項2に記載の電子写真感光体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32067294A JP3473142B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP32067294A JP3473142B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 電子写真感光体 |
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JPH08179529A JPH08179529A (ja) | 1996-07-12 |
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Family Applications (1)
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JP32067294A Expired - Fee Related JP3473142B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 電子写真感光体 |
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JP (1) | JP3473142B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-22 JP JP32067294A patent/JP3473142B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08179529A (ja) | 1996-07-12 |
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