JP3535617B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP3535617B2 JP20458095A JP20458095A JP3535617B2 JP 3535617 B2 JP3535617 B2 JP 3535617B2 JP 20458095 A JP20458095 A JP 20458095A JP 20458095 A JP20458095 A JP 20458095A JP 3535617 B2 JP3535617 B2 JP 3535617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真業界にお
いて使用される光入力に対してデジタル的に反応する電
子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カールソン法をはじめとする電子写真法
は、原稿像をアナログ的に描写することを主眼点におい
て開発されてきた。従って、入力光の明暗を忠実にトナ
ー像の明暗として再現するために、そこで用いられる感
光体としては、入力光量(の対数値)に対して線形に相
似する光電流が流れる特性を有することが求められてき
た。そのため、このような特性(低γ特性)を有する感
光剤を感光体の材料として選択することが原則的であっ
た。
【0003】そのため、電子写真法の初期段階における
単純な光導電体に近いものからはじまり、セレン(S
e)系のアモルファス層や、シリコン(Si)のアモル
ファス層や、Se系のアモルファス層と類似すべく作ら
れた酸化亜鉛(ZnO)の結着層等が、感光体として使
用されてきた。更に近年では、特に有機半導体を使用し
たいわゆる機能分離型の感光体が使用されるまでに展開
してきている。ところが、近年、電子写真技術とコンピ
ュータ技術が結合し、プリンタやファクシミリ記録の方
式が電子写真記録方式に急激に移行し、また、通常のコ
ピーマシーンであっても、反転、切取り、白抜き等の画
像処理を可能とする方式になりつつある。そのため、電
子写真の記録方式も、従来のPPC用アナログ記録形式
からデジタル記録形式への変更が望まれている。
【0004】しかしながら、前記した様に、アナログ概
念に基づく伝統的な電子写真法に用いられる感光体用の
感光剤は、低γ特性を有しており、その特性上、コンピ
ュータのデータ出力用のプリンタ、または画像をデジタ
ル処理するデジタルコピー等、入力されたデジタル光信
号をデジタル像として描写する必要がある電子写真には
不向きである。すなわち、コンピュータや画像処理装置
から当該電子写真装置に達するまでの信号路におけるデ
ジタル信号の劣化や、書き込み用の光ビームを集光さ
せ、または、原稿像を結像させるための光学系による収
差までをも、これらの感光剤を用いた感光体は忠実に描
写してしまい、本来のデジタル画像を再現し得ないから
である。
【0005】従って、この分野に利用できる高γ特性を
有する感光体の提供が強く渇望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした中、特開平1
−169454号公報には、デジタル光入力用感光体の
概念が開示されている。しかしながら、このデジタル光
入力感光体に使用できる材料に関しては、具体的に述べ
られていない。
【0007】また、特開平3−37662号公報には、
チタニルフタロシアニンを感光層材料として用いる機能
分離型の感光体が記載されている。しかしながら、ここ
で開示されているチタニルフタロシアニンであっても、
γ特性があまり高くない点、残留電位が高い点から、上
記デジタル光入力用感光体として使用するためには特性
が不十分である。
【0008】本発明は、このような現状に鑑みなされた
もので、デジタル光入力に対して優れた性能を有すると
共に、繰り返し特性の優れた高寿命、高安定な電子写真
感光体を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、チタニルフタロ
シアニンと水素フタロシアニンを特定の割合で配合して
得られるフタロシアニン混晶体を硬化型フッ素樹脂から
なる結着剤中に分散させた感光層を導電性基体上に設け
た電子写真感光体が、デジタル光入力に対して優れた性
能を有すると共に、繰り返し特性の優れた高寿命、高安
定なものであることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち本発明は、フタロシアニン混晶体
を結着剤中に分散させた感光層を導電性基体上に設けた
電子写真感光体において、前記結着剤が硬化型フッ素樹
脂からなり、前記フタロシアニン混晶体が、チタニルフ
タロシアニンと水素フタロシアニンから構成され、X線
回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±0.2゜)
6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7゜、26.
2゜、27.2゜にピークを有し、かつ6.8゜のピー
ク強度に対する27.2゜のピーク強度の比が1以上で
あるフタロシアニン混晶体からなることを特徴とする電
子写真感光体である。
【0011】上記本発明の電子写真感光体においては、
フタロシアニン混晶体と共に感光層を構成する結着剤と
して硬化型フッ素樹脂が用いられるが、この様な硬化型
フッ素樹脂としてはヒドロキシル基、カルボキシル基、
アミノ基及びグリシジル基からなる群から選ばれる1種
以上を有する硬化型フッ素樹脂が挙げられる。また、上
記硬化型フッ素樹脂は、本発明の電子写真感光体の感光
層中で硬化状態であってもよく、あるいは未硬化状態で
あってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。 <1>結着剤 本発明の電子写真感光体は、フタロシアニン混晶体を硬
化型フッ素樹脂からなる結着剤中に分散させた感光層を
導電性基体上に設けた構成をとる。
【0013】本発明の電子写真感光体において結着剤を
構成する硬化型フッ素樹脂は、フッ素原子及び後述する
硬化剤と反応性を有する官能基、例えば、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基を有する
樹脂であって、フッ素原子を有するエチレン性不飽和単
量体とフッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量体と
の共重合体が用いられる。
【0014】フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量
体としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエ
チレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、モノクロロ
トリフルオロエチレン、1−クロロ−2,2−ジフルオ
ロエチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエ
チレン、ビニリデンクロロフルオライド、ヘキサフルオ
ロプロペン、3,3,3,2−テトラフルオロプロペ
ン、トリフルオロフルオロメチルエチレン、2−フルオ
ロプロペン、2−クロロ−1,1,3,3,3−ペンタ
フルオロプロペン、1,1,2−トリクロロ−3−トリ
フルオロプロペン、パーフルオロ−1−ブテン、パーフ
ルオロ−1−ペンテン、パーフルオロブチルエチレン、
パーフルオロ−1−ヘプテン、パーフルオロ−1−ノネ
ン、パーフルオロヘキシルエチレン、パーフルオロオク
チルエチレン、パーフルオロデシルエチレン、パーフル
オロドデシルエチレン等の含フッ素オレフィン、トリフ
ルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロブチル
(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メ
タ)アクリレート、ヘプタデカフルオロノニル(メタ)
アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アク
リレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート、
アルキルビニルエーテルの水素原子の一部または全部が
フッ素原子で置換されているフッ化アルキルビニルエー
テル、脂肪酸ビニルエステルの水素原子の一部または全
部がフッ素原子で置換されているフッ化脂肪酸ビニルエ
ステルが挙げられ、この様なフッ素原子を有するエチレ
ン性不飽和単量体の1種または2種以上を硬化型フッ素
樹脂の原料とすることができる。
【0015】また、上記フッ素原子を有するエチレン性
不飽和単量体と共重合して硬化型フッ素樹脂(共重合
体)をつくるフッ素原子を有しないエチレン性不飽和単
量体としては、硬化剤との反応性を有する官能基、例え
ば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、グリ
シジル基を有するエチレン性不飽和単量体、具体的に
は、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシア
ルキルアリルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタアク
リル酸、グリシジルアリルエーテル、グリシジルビニル
エーテルを挙げることができる。更に、この様なフッ素
原子を有しないエチレン性不飽和単量体としては、上記
単量体の他に、硬化剤との反応性を有する官能基を共重
合体に導入することができ、且つ、物理的性質を調整す
る目的で共重合体に導入することができるエチレン性不
飽和単量体、例えば、上記官能基を有しないビニルエー
テル類、アリルエーテル類、ビニルエステル類、アリル
エステル類、オレフィンを挙げることができる。
【0016】本発明の硬化型フッ素樹脂の原料として
は、上記フッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量体
の1種または2種以上が各種目的に応じて選択され用い
られる。また、本発明に用いる硬化型フッ素樹脂の原料
として、物理的性質を調製する目的で共重合体に導入す
ることができるフッ素樹脂を有しないエチレン性不飽和
単量体を用いてもよい。
【0017】本発明に用いる硬化型フッ素樹脂は、原料
として上述した各種フッ素原子を有するエチレン性不飽
和単量体、フッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量
体を用いるが、これらのうちでも、フッ素原子を有する
エチレン性不飽和単量体としてフルオロオレフィンを、
かつフッ素原子を有しないエチレン性不飽和単量体とし
てビニルエーテル類、ビニルエステル類を用いたものが
好ましく、更に、フッ素原子を有しないエチレン性不飽
和単量体としてヒドロキシル基を有するビニルエーテル
類、ビニルエステル類を用いたものがより好ましい。ま
た、この様な原料を用いて得られる硬化型フッ素樹脂に
ついては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基
及びグリシジル基から選ばれる1種以上を有する硬化型
フッ素樹脂が本発明においては好ましく用いられる。
【0018】本発明に用いる硬化型フッ素樹脂におい
て、上記フッ素原子を有するエチレン性不飽和単量体成
分の共重合体総量に占める割合としては、25〜75モ
ル%であることが好ましく、40〜60モル%であるこ
とがより好ましい。
【0019】この様な硬化型フッ素樹脂は、上記各単量
体を原料として用い、通常の重合方法で共重合させるこ
とにより容易に得られるが、市販品、例えば、セントラ
ル硝子(株)「セフラルコート」、旭硝子(株)「ルミ
フロン」等もあるので、本発明にはこれらの市販品の硬
化型フッ素樹脂を用いることも可能である。
【0020】この様にして得られる上記硬化型フッ素樹
脂は、硬化剤との反応により、以下に述べるフタロシア
ニン混晶体を分散した状態で架橋硬化して感光層を形成
するが、硬化剤を添加せずに硬化型フッ素樹脂のみを未
硬化状態で用いてこれにフタロシアニン混晶体を分散し
た感光層とすることも可能である。 <2>フタロシアニン混晶体 本発明の電子写真感光体の感光層に用いられるフタロシ
アニン混晶体は、水素フタロシアニン(無金属フタロシ
アニン)及びチタニルフタロシアニンを主成分として構
成される。
【0021】上記水素フタロシアニン及びチタニルフタ
ロシアニンの合成は、モーザー及びトーマスの「フタロ
シアニン化合物」(MOSER and THOMAS, "Phthalocianin
e Compounds")に公知の合成方法に従って行うこともで
きるし、他の何れの合成方法によってもよい。
【0022】例えば、チタニルフタロシアニンの場合、
o−フタロニトリルと四塩化チタンを加熱融解または、
α−クロロナフタレンなどの有機溶媒の存在下で加熱す
る方法、1,3−ジイミノイソインドリンとテトラブト
キシチタンをN−メチルピロリドンなどの有機溶媒で加
熱する方法により収率よく得られる。水素フタロシアニ
ンの場合は、上記方法で金属化合物を用いないで合成す
る。また、この様に合成されたフタロシアニン系化合物
には、外側のベンゼン環の水素原子が塩素等に置換され
た塩素置換体フタロシアニン等が含有されていてもよ
い。
【0023】本発明に用いるフタロシアニン混晶体の組
成は、チタニルフタロシアニンと水素フタロシアニンの
各々のモル分率が95〜40%と5〜60%であること
が好ましいが、より好ましくは95〜50%と5〜50
%、更に好ましくは95〜60%と5〜40%、特に好
ましくは90〜60%と10〜40%である。チタニル
フタロシアニンのモル分率が多すぎるとγ特性が低くな
ることがあり、少なすぎると帯電特性が低下し実用に即
さないことがある。
【0024】フタロシアニン混晶体の製造法としては、
例えば、チタニルフタロシアニンと水素フタロシアニ
ンを酸に溶解させ、水と有機溶剤混合液で析出させる方
法、あるいは上記酸溶液をアルコールで析出させる方
法、チタニルフタロシアニンと水素フタロシアニンを
上記同様酸に溶解させ水中で析出させたウェットペース
トを有機溶剤で処理する方法、また、チタニルフタロ
シアニン(または水素フタロシアニン)存在下で水素フ
タロシアニン(またはチタニルフタロシアニン)を合成
しそれを水の存在下で有機溶剤で処理する方法等が好ま
しく挙げられる。
【0025】上記、、の方法で用いられる酸とし
ては、硫酸、リン酸等の無機酸あるいはメタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、フルオロ酢酸、クロロ酢酸等の
有機酸が挙げられるが、これらのうちでも、硫酸、メタ
ンスルホン酸、フルオロ酢酸が好ましく、更に、硫酸、
メタンスルホン酸がより好ましく挙げられる。
【0026】用いる酸の量としては、原料となるチタニ
ルフタロシアニン及び水素フタロシアニンを溶解する量
であれば特に限定はないが、原料のフタロシアニン系化
合物の合計量1gに対して好ましくは10〜1000g
が好ましく、更に50〜500gがより好ましい。ま
た、溶解時の反応系の温度としては、−20〜80℃が
好ましく、更に−10〜30℃が好ましい。溶解温度が
80℃を越えるとと原料のフタロシアニン系化合物の分
解がおこることがあり、−20℃より低いと溶解性が悪
くなることがある。
【0027】の方法で用いられるアルコールとして
は、炭素数1〜8の脂肪族アルコール、炭素数5〜8の
脂環式アルコール、フェノール等の芳香族アルコール等
が挙げられる。このうち、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノール、ペンタノール、シクロペンタ
ノール、シクロヘキサノールが好ましく、更にメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘ
キサノールがより好ましく用いられる。
【0028】、、の方法でフタロシアニン系化合
物の酸溶液からフタロシアニン混晶体を析出させるため
に用いられる水と有機溶剤の混合液、アルコール、また
は水の量は、フタロシアニン系化合物酸溶液に対して5
〜100倍量であることが好ましく、更に5〜20倍量
であることがより好ましい。酸溶液に対する析出溶媒の
量が、5倍より少ないと発熱の制御が困難であり、10
0倍より多いと量の増加に伴い操作性が悪くなることが
ある。また、この場合の析出温度は、−20〜80℃が
好ましく、更に−10〜40℃がより好ましい。
【0029】、、の方法で用いられる有機溶剤と
しては、比誘電率20以下のものが用いられる。比誘電
率が20を越える有機溶剤を用いると、極性が高すぎる
ため性能を阻害する結晶が成長するようになり、目的の
混晶体を得ることができなくなる。比誘電率20以下の
有機溶剤としては、例えば、以下の有機溶剤を挙げるこ
とができる。なお、各化合物名の後の括弧内には、その
化合物の20℃における比誘電率を示す。
【0030】すなわち、炭素数4〜12、好ましくは炭
素数5〜8の脂肪族炭化水素類(1.7〜2.0)、炭
素数4〜12、好ましくは炭素数5〜8の脂環式炭化水
素類(2.0〜2.5)、ベンゼン(2.3)、トルエ
ン(2.4)、キシレン(2.3〜2.7)、エチルベ
ンゼン(2.6)等の芳香族炭化水素類、クロロペンタ
ン(6.6)、塩化ブチル(7.4)、塩化プロピル
(7.7)、テトラクロロエタン(2.3)、ジクロロ
エタン(10.7)、四塩化炭素(2.2)、クロロホ
ルム(4.8)、塩化メチレン(7.8)、臭化ブチル
(7.1)、臭化プロピル(8.1)、臭化エチル
(9.4)、臭化メチル(9.8)等のハロゲン化脂肪
族炭化水素類、クロロベンゼン(5.7)、ジクロロベ
ンゼン(2.4〜9.9)、ブロモベンゼン(5.
4)、ジブロモベンゼン(2.6〜7.4)等のハロゲ
ン化芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン(18.
5)、ペンタノン(15.4)、ヘキサノン(16.
4)、メチルシクロヘキサノン(14.0)、シクロヘ
キサノン(18.3)、ジプロピルケトン(12.6)
等のケトン類、ジブチルエーテル(3.1)、ジヘキシ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
(16.0)、エチレングリコールジメチルエーテル
(5.5)、テトラヒドロフラン(7.4)、ジオキサ
ン(2.2)等のエーテル類、酢酸メチル(6.7)、
酢酸エチル(6.0)、酢酸プロピル(6.0)、酢酸
ブチル(5.0)、プロピオン酸メチル(5.5)、プ
ロピオン酸エチル(5.6)、プロピオン酸プロピル、
プロピオン酸ブチル(4.8)、シュウ酸ジエチル
(1.8)、マロン酸ジエチル(7.9)等のエステル
類、エチルアミン(7.0)、ジプロピルアミン(3.
1)、ブチルアミン(4.9)、ジブチルアミン(3.
0)、ペンチルアミン、エチルヘキシルアミン、シクロ
ヘキシルアミン(4.7)、ジシクロヘキシルアミン、
アニリン(7.1)、トルイジン(5.0〜6.3)、
ピペリジン(5.8)、ピリジン(12.3)、モルフ
ォリン(7.4)等のアミン類等が挙げられる。
【0031】上記有機溶媒のうち、本発明においては、
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テ
トラヒドロフラン、ジプロピルケトン、エチルアミン、
酢酸エチル等が好ましく用いられ、さらに、トルエン、
クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタン、
テトラヒドロフラン、エチルアミン等がより好ましく用
いられる。
【0032】の方法で用いる水と上記有機溶剤との混
合液における水の配合割合であるが、混合液全量に対し
て5〜90重量%であることが好ましく、更に、20〜
80重量%であることがより好ましい。
【0033】、の方法における有機溶剤処理は、一
般的な撹拌装置を用いて行われる他、ホモミキサー、ペ
イントミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライタ
ー、ディスパイザー、超音波分散器等を用いても行うこ
とができる。また、処理時間は、1分〜120時間、好
ましくは5分〜50時間、更に好ましくは10分〜24
時間の範囲とすれば、得られるフタロシアニン混晶体の
γ特性をより向上させ、かつ感光体の残留電位を低下さ
せることができる。
【0034】上記〜の何れかの方法で得られたフタ
ロシアニン混晶体は、反応液中より濾過により取り出さ
れ乾燥されることで、単離され、本発明の電子写真感光
体の感光層の原料となる。あるいは、上記反応液からフ
タロシアニン混晶体を単離させず溶媒置換等を行い、乾
燥工程を経ずに感光層用のコーティング液とすることも
可能である。
【0035】また、本発明に用いるフタロシアニン混晶
体は、X線回折スペクトルにおいてブラッグ角(2θ±
0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.0゜、24.7
゜、26.2゜、27.2゜にピークを有し、かつ6.
8゜におけるピーク強度に対する27.2゜におけるピ
ーク強度の比が1以上であり、この比はより好ましくは
1以上30以下、更に好ましくは1以上20以下がよ
い。X線回折スペクトルにおいて6.8゜ピーク強度に
対する27.2゜ピーク強度の比が大きすぎる様なフタ
ロシアニン混晶体ではγ特性が低く、この比が1より小
さい様なフタロシアニン混晶体では帯電特性が低く実用
に即さないことがある。
【0036】ここで、本発明におけるX線回折スペクト
ルは粉末法により測定し、その測定条件は以下の通りで
ある。 ターゲット : Cu Kα線 発散スリット : 1゜ 散乱スリット : 1゜ 受光スリット : 0.2mm ステップ角度 : 0.06゜ 計数時間 : 1秒 <3>電子写真感光体 本発明の電子写真感光体は、導電性基体上に、上記フタ
ロシアニン混晶体を硬化型フッ素樹脂からなる結着剤中
に分散させた状態の感光層を設けることにより得られ
る。通常は、上記フタロシアニン混晶体を実質的唯一の
光導電材料として感光層中に分散させる。
【0037】上記導電性基体としては、金属板、金属ド
ラム、または導電ポリマー、酸化インジウム等の導電性
化合物もしくはアルミニウム、パラジウム、金等の金属
よりなる導電性薄層を塗布、蒸着、ラミネート等の手段
により、紙、プラスチック、フィルムなどの基体に設け
たものが用いられる。
【0038】この様な導電性基体上にフタロシアニン混
晶体の分散した硬化型フッ素樹脂からなる感光層を設け
る方法としては、上記方法で製造されたフタロシアニン
混晶体と硬化型フッ素樹脂樹脂とを溶剤に溶解し、硬化
型フッ素樹脂を硬化状態で用いる場合には硬化剤の存在
下、あるいは硬化型フッ素樹脂を未硬化状態で用いる場
合には硬化剤を添加せずに、必要により使用する添加
剤、例えば、触媒、酸化防止剤等を加えて、均一に分散
させて得られる感光層塗布液を導電性基体上に塗布、乾
燥し、必要に応じて硬化する方法等を挙げることができ
る。
【0039】上記感光層塗布液に配合される、フタロシ
アニン混晶体と硬化型フッ素樹脂との混合割合は、重量
比で5:95〜50:50であり、好ましくは10:9
0〜40:60である。このように電子写真感光体にお
いて、感光層中のフタロシアニン混晶体(光導電性材
料)に対する硬化型フッ素樹脂(結着剤)の配合割合を
重量比で1以上とすることにより、従来の感光層、例え
ば、光導電性材料として酸化亜鉛を用いた感光層の場合
の光導電性材料(酸化亜鉛)に対する結着剤樹脂の重量
比が0.2であるのに比べ、感光層中の結着剤樹脂の割
合が多く、従って、被膜の物理的強度があり、可撓性に
富む電子写真感光体とすることができる。
【0040】感光層塗布液に使用する溶剤は、硬化型フ
ッ素樹脂を溶解し、かつ性能を阻害するフタロシアニン
混晶体の結晶が成長しないものから選択することが好ま
しく、この様な性質を有する溶剤として、例えば、トル
エン、キシレン、ミネラルスピリット等の炭化水素類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン
化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノ
グライム、ジグライム、アニソール等のエーテル類、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、シクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、セロソルブアセテー
ト、ブチルセロソルブアセテート等のエステル類、ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類
等を挙げることができる。これらの溶剤については、1
種を単独であるいは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0041】また、感光層塗布液に硬化型フッ素樹脂及
びフタロシアニン混晶体と共に必要に応じて添加される
硬化剤は、硬化型フッ素樹脂を架橋硬化させるために配
合されるが、この様な硬化剤としては、メラミン樹脂
ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル樹脂、ポリイ
ソシアネート、グリオキザール等の活性基を2つ以上有
する化合物が挙げられる。硬化剤を用いる場合の塗布液
中への硬化剤の配合量は、硬化条件、硬化剤の官能基の
量、種類により異なるが、一般に硬化剤の官能基が硬化
型フッ素樹脂の官能基と等量または過剰となるように用
いられる。
【0042】感光層塗布液の調整は、溶剤に上記各成分
を投入し、ボールミル、アトライター、ホモミキサー、
サンドミル、ペイントミキサー、ディスパーザー、超音
波分散器等の混練分散機を用いて、硬化型フッ素樹脂、
必要に応じて添加される硬化剤、添加剤を溶解、フタロ
シアニン混晶体を分散させることで行われる。
【0043】得られた感光層塗布液は、導電性基体上
に、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ス
ピンナーコーティング法、ビートコーティング法、ワイ
ヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ロ
ーラーコーティング法、カーテンコーティング法等の各
種コーティング法を用いて塗布される。
【0044】乾燥及び硬化は、室温における予備乾燥
後、加熱により乾燥硬化する方法が好ましい。加熱によ
る乾燥硬化は、30〜300℃の温度で1分〜6時間の
範囲で、静止または送風下で行うことができる。この処
理はまた、不活性ガス中、または真空中で行うこともで
きる。この様にして得られる感光層の膜厚は、5〜50
μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲がさらに
好ましい。
【0045】また、本発明の電子写真感光体は、上記の
様にして得られる導電性基体上に直接、一層の感光層を
積層した構造の電子写真感光体の他に、導電性基体、感
光層間の接着性の改良やキャリア注入を阻止する目的
で、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール、セルロー
スなどの有機高分子や、酸化アルミニウム等からなる下
引き層を導電性基体と感光層の間に有する電子写真感光
体、物理的、化学的に感光層表面を保護する目的で、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素
樹脂、シリコン樹脂等からなる保護層を感光層表面に有
する電子写真感光体、上記下引き層、保護層の両者を有
する電子写真感光体等であってもよい。
【0046】上記の様にして得られる本発明の電子写真
感光体は、従来の電子写真感光体に比べ、特異的な光電
流の流れ方をするため、デジタル光入力用感光体として
用いることができる。
【0047】すなわち、従来の感光体は、上述したよう
に、入力光量(の対数値)に対して線形に対応した量の
光電流が流れるのに対して、本発明の感光体は、ある入
力光量までは光電流が流れず、あるいは流れても極く少
量であり、前記ある入力光量を越えた直後から急激に光
電流が流れ出す。これは、画像階調をドット面積によっ
て表現するようなデジタル記録方式の電子写真感光体に
要求される光感度特性と一致するものである。
【0048】なぜなら、レーザースポットを光学系で正
確に変調したとしても、高度な収差補正をしない限り、
光学系は必然的に収差を伴う。従って、光学系のスポッ
トそのものに光量の分布が生じること、及びハローが生
じること等は、原理的に避けられない。
【0049】そのため、光エネルギー(入力光量)の変
化を段階的にひろう従来の電子写真感光体では光量変化
によってドットパターンの濃度が変化し、また、わずか
なスポットのにじみによってもドットパターンの外縁が
変化する。以上のドットパターンの変化が、ノイズとし
てカブリの原因になるのである。本発明のフタロシアニ
ン混晶体を用いた電子写真感光体は、この様なドットパ
ターンの変化をキャンセルすることができるので、有効
なデジタル光入力感光体である。
【0050】また、上記の様にして製造される本発明の
電子写真感光体は、通常、正に帯電して使用され、感光
層と導電性基体との接着性が大きく、耐湿性が良好であ
り、経時変化が少なく、毒性上の問題も少なく、製造が
容易であり、安価である等の実用上優れた特徴を有する
ものである。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。はじ
めに、本発明に用いるフタロシアニン混晶体の製造例を
説明する。
【0052】
【製造例】
(チタニルフタロシアニンの製造)1,3−ジイミノイ
ソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα
−クロロナフタレン300mL中で210℃にて5時間
反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド
(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、
メタノールで洗浄、乾燥して51gのチタニルフタロシ
アニンを得た。 (水素フタロシアニンの製造)1,3−ジイミノイソイ
ンドリン58gをα−クロロナフタレン300mL中で
210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、D
MFの順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノ
ールで洗浄、乾燥して42gの水素フタロシアニンを得
た。
【0053】この様にして得られたチタニルフタロシア
ニン及び水素フタロシアニンを原料として以下のフタロ
シアニン混晶体を製造した。 (製造例フタロシアニン混晶体)チタニルフタロシアニ
ンのモル分率が80%となるように、上記で得られたチ
タニルフタロシアニン4gと水素フタロシアニン0.9
gとを0℃に冷却した硫酸400g中に加え、引き続き
0℃、1時間撹拌した。前記2種類のフタロシアニン系
化合物が完全に溶解したことを確認した後、0℃に冷却
した水800mL/トルエン800mL混合液中に添加
した。室温で2時間撹拌後、析出したフタロシアニン混
晶体を混合液より濾別し、メタノール、水の順で洗浄し
た。洗浄水の中性を確認した後、洗浄水よりフタロシア
ニン混晶体を濾別し、乾燥して、4.4gのフタロシア
ニン混晶体を得た。
【0054】この混晶体のX線回折スペクトルを図1に
示す。ブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4
゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜
にピークを有し、かつ6.8゜におけるピーク強度に対
する27.2゜におけるピーク強度の比が5.2である
本発明のフタロシアニン混晶体であることがわかる。 <X線回折測定条件> 機種 : 日本電子 JDX−3500 ターゲット : Cu Kα線 管電圧 : 40kV 管電流 : 200mA 発散スリット : 1゜ 散乱スリット : 1゜ 受光スリット : 0.2mm ステップ角度 : 0.06゜ 計数時間 : 1秒 以下、X線回折測定はすべて同一条件で実施した。
【0055】また、比較のために以下のチタニルフタロ
シアニン結晶体及び比較例フタロシアニン混晶体を製造
した。 (チタニルフタロシアニン結晶体)上記で得られたチタ
ニルフタロシアニン10gを0℃に冷却した硫酸210
g中に加え、引き続き0℃、1時間撹拌した。チタニル
フタロシアニンが完全に溶解したしたことを確認した
後、これを0℃に冷却した水1200mL中に投入し、
水で洗浄した。洗浄水の中性を確認した後、析出したウ
ェットペーストをジクロロエタン1000mL中に添加
した。これを室温で2時間撹拌した後、メタノールで洗
浄し、濾過後、60℃で乾燥して、9.3gのチタニル
フタロシアニン結晶体を得た。
【0056】このチタニルフタロシアニン結晶体のX線
回折スペクトルを図2に示す。ブラッグ角(2θ±0.
2゜)7.3゜、14.9゜、27.2゜にピークを有
するが、6.8゜、24.7゜、26.2゜にはピーク
を有さず、本発明のフタロシアニン混晶体とは異なる。 (比較例フタロシアニン混晶体)チタニルフタロシアニ
ンのモル分率が20%となるように、上記で得られたチ
タニルフタロシアニン1.0gと水素フタロシアニン
4.0gを原料として用いた以外は、上記チタニルフタ
ロシアニンのモル分率が80%のフタロシアニン混晶体
と全く同様の処理を行い、4.3gのフタロシアニン混
晶体を得た。この混晶体のX線回折スペクトルを図3に
示す。ブラッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4
゜、15.0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜
にピークを有するが、6.8゜におけるピーク強度に対
する27.2゜におけるピーク強度の比は0.5であり
本発明のフタロシアニン混晶体とは異なる。なお、得ら
れたチタニルフタロシアニンのモル分率が20%のフタ
ロシアニン混晶体を以下、比較例フタロシアニン混晶体
という。
【0057】次に、製造例で得られたフタロシアニン混
晶体を感光剤として用いた本発明の電子写真感光体の実
施例を説明する。
【0058】
【実施例1〜6】表1に示す成分を直径2mmの硝子ビ
ーズと共に硝子容器中に密閉し、ペイントミキサーによ
り、4時間分散させて感光体塗布液を得た。
【0059】
【表1】
【0060】上記で得られた感光体塗液を厚さ90μm
の脱脂したアルミシート上に、ワイヤーバー法により塗
布し、室温にて予備乾燥後、オーブン中で100℃、1
時間の乾燥を行い、その後、実施例1〜5においては、
200℃、10分の加熱硬化により電子写真感光体を得
た。なお、実施例6においては、上記200℃、10分
間の加熱硬化を行わずに電子写真感光体を得た。
【0061】また、表1に示す様に、結着剤として本発
明の硬化型フッ素樹脂の替わりにポリエステル樹脂を用
いた感光体塗布液、上記で得られたチタニルフタロシア
ニン結晶体、あるいは比較例フタロシアニン混晶体を用
いた感光体塗布液を用いた以外は全て上記実施例と同様
に処理して、比較例の電子写真感光体を得た。
【0062】なお、比較例1、3、5(本発明の硬化型
フッ素樹脂の替わりにポリエステル樹脂を用いた感光体
塗布液を用いた比較例)については、乾燥、加熱硬化の
条件が、室温で予備乾燥後、オーブン中で200℃、3
時間の加熱硬化であった。
【0063】この様にして得られた実施例、比較例の電
子写真感光体の膜厚を測定した。結果を表1の最下欄に
示す。 <本発明の電子写真感光体の評価>上記で得られた各実
施例及び各比較例の電子写真感光体について、光感度特
性及び繰り返し特性を感光体評価装置(シンシアー5
5、ジェンテック社製)を用いて評価した。 (1)感光体特性 上記各電子写真感光体を+6.0kVの電圧でコロナ帯
電させ、これに光強度が異なった780nmの単色光を
照射し、各光強度に対する光減衰時間曲線(照射時間に
対する表面電位の特性曲線)を各々測定し、その曲線か
ら得られた一定時間照射(ここでは0.075秒)後に
おける表面電位を、各々光エネルギーに対してプロット
した。これをγカーブと称する。
【0064】表面電位を初期帯電とほぼ同じ程度に維持
できる光エネルギーのうち最大の光エネルギーをE
1(γカーブにおける立ち下がり点の光エネルギー)、
表面電位を残留電位程度(約30V)までに低下させる
ことのできる光エネルギーのうち最小の光エネルギーを
2(γカーブにおける立ち上がり点の光エネルギー)
とし、E2/E1の値を以下の評価基準でデジタル記録可
能の目途とした。
【0065】 0 < E2/E1 < 5 : デジタル記録可能 5 < E2/E1 : アナログ記録 また、0<E2/E1<5であるもののうちでも、E1
小さい程、光感度がよく電子写真感光体として優れてい
るといえる。 (2)繰り返し特性 評価プロセスは、各電子写真感光体について、+帯電
(+6.0kV)、露光(780nm、20μJ/c
2)、−帯電(−5.3kV)、イレース光(2
00lux、タングステンランプ)の繰り返しで行い、
+帯電直後の表面電位V0を各繰り返し回数毎に測定
し、V0が10%以上変動するまでの回数Nを記録し
た。
【0066】上記評価の結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】この結果から明らかなように、比較例の電
子写真感光体のE2/E1が5より遥かに大きくアナログ
記録にしか適さないのに対し、本発明の実施例で得られ
た電子写真感光体は、E2/E1の値が上記デジタル記録
可能な範囲であり、デジタル光入力用感光体として使用
可能である。また、繰り返し特性についても、比較例の
電子写真感光体に比べ、実施例の電子写真感光体が数倍
以上優れている。
【0069】
【発明の効果】フタロシアニン混晶体を硬化型フッ素樹
脂により結着し、薄層化した感光層を有する本発明の電
子写真感光体は、繰り返し安定性に優れる。
【0070】また、本発明の電子写真感光体は、光入力
に対して特異な光電力の流れ方を示すことができる。す
なわち、光電流の(ある閾値に対する)大小に従ってデ
ジタル的に光電流を流す。従って、デジタル記録形式の
電子写真に使用するデジタル光入力感光体として適して
いる。
【0071】なお、本発明の電子写真感光体は、入力光
がアナログ光であっても、それをA/D変換してデジタ
ル信号として出力することができる。従って、従来のP
PC(アナログ光入力)用感光体としてもエッジのシャ
ープな高画質画像を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例フタロシアニン混晶体のX線回折スペ
クトルを示す図。
【図2】 チタニルフタロシアニン結晶体のX線回折ス
ペクトルを示す図。
【図3】 比較例フタロシアニン混晶体のX線回折スペ
クトルを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 慎一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社 横浜総合研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−201461(JP,A) 特開 昭60−20970(JP,A) 特開 昭59−188655(JP,A) 特開 平5−313387(JP,A) 特開 平5−197183(JP,A) 特開 平5−11471(JP,A) 特開 平2−250061(JP,A) 特開 平2−170166(JP,A) 特開 平2−84661(JP,A) 特開 平2−70763(JP,A) 特開 平1−142658(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フタロシアニン混晶体を結着剤中に分散
    させた感光層を導電性基体上に設けた電子写真感光体に
    おいて、前記結着剤が硬化型フッ素樹脂からなり、前記
    フタロシアニン混晶体がチタニルフタロシアニンと水素
    フタロシアニンから構成され、チタニルフタロシアニン
    と水素フタロシアニンの各々のモル分率が95〜40%
    と5〜60%であり、X線回折スペクトルにおいてブラ
    ッグ角(2θ±0.2゜)6.8゜、7.4゜、15.
    0゜、24.7゜、26.2゜、27.2゜にピークを
    有し、かつ6.8゜のピーク強度に対する27.2゜の
    ピーク強度の比が1以上30以下であるフタロシアニン
    混晶体からなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記硬化型フッ素樹脂が、硬化状態又は
    未硬化状態であることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真感光体。
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