JP3539055B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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Description
使用されるデジタル電子写真に適した電子写真感光体に
関するものである。詳しくは、光減衰曲線において閾値
を有し、高表面電位から低表面電位へ遷移させる露光エ
ネルギー変化が小さい電子写真感光体(高γ値感光体)
に関するものである。なお、本発明において、「光減衰
曲線において閾値を有する」と言うことは以下のことを
意味するものとする。即ち光減衰曲線において、帯電直
後の初期電位をV0 (V)、残留電位として50μJ/
cm 2 の光を照射したときの表面電位をVr(V)とし
た時の両者の差をΔV(V0−Vr )とする。この時、
「95%表面電位」V95として、残留電位にΔVの95
%の値を加えた表面電位(V95=ΔV×0.95+V
r)をとり、「5%表面電位」V5 として、残留電位に
ΔVの5%の値を加えた表面電位(V5 =ΔV×0.0
5+Vr )をとり、V95、V5 を与える露光エネルギー
を、各々「95%露光エネルギー」E95、「5%露光エ
ネルギー」E5 として求め、E5 /E95の値が5以下で
あることを意味するものとする。
は、原稿像をアナログ的に描写することを主眼点におい
て開発されてきた。従って、入力光の明暗を忠実にトナ
ー像の明暗として再現するために、そこで用いられる感
光体としては、入力光量(の対数値)に対して線形に相
似する光電流が流れる特性を有することが求められてき
た。そのため、このような特性(低γ特性)を有する感
光剤を感光体の材料として選択することが原則的であっ
た。そのため、電子写真法の初期段階における単純な光
導電体に近いものからはじまり、セレン(Se)系のア
モルファス状態の感光層や、シリコン(Si)のアモル
ファス層や、Seのアモルファス層と類似すべく作られ
たZnOの結着層等が、感光体として使用されてきた。
さらに近年では、特に有機半導体を使用したいわゆる機
能分離型の感光層が感光体として使用されるまでに展開
してきている。ところが、近年、電子写真技術とコンピ
ュータ・通信が結合し、プリンターやファクシミリの方
式が電子写真記録方式に急激に移行し、また、通常のコ
ピーマシーンであっても、反転、切りとり、白抜き等の
画像処理を可能とする方式になりつつある。そのため、
電子写真の記録方式も、従来のPPC用アナログ記録形
式からデジタル記録形式への変更が望まれている。
光源としてArレーザー、He−Neレーザー等の気体
レーザーや半導体レーザー、液晶等のシャッターアレ
イ、LED、ELアレイ等がある。なかでも半導体レー
ザーは小型化、低コスト化が可能であることから現在の
主流となっており、半導体レーザーの発振波長である近
赤外域に高い感度を有する感光剤が必要となる。
基づく伝統的な電子写真法に用いられている感光体は、
低γ特性を有しており、その特性上、コンピューターの
データ出力用のプリンター、または画像をデジタル処理
するデジタルコピー等、入力されたデジタル光信号をデ
ジタル像として描写する必要がある電子写真には不向き
である。即ち、コンピューターや画像処理装置から当該
電子写真装置に達するまでの信号路におけるデジタル信
号の劣化や、書き込み用の光ビームを集光させ、また
は、原稿像を結像させるための光学系による収差までを
も、これらの感光剤を用いた感光体は忠実に描写してし
まい、本来のデジタル画像を再現し得ないからである。
従って、この分野に利用できる高感度でかつ高γ特性を
有するデジタル感光体の提供が強く渇望されている。
−169454号公報には、デジタル感光体の概念が開
示されている。しかしながら、このデジタル感光体に使
用できる材料に関しては、具体的に述べられていない。
本発明は、この現状に鑑みなされたもので、デジタル光
入力に対して優れた性能(高γ特性)を有すると共に、
繰り返し特性の優れた高寿命、高安定な感光体を提供す
ることを目的とするものである。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、フタロシアニ
ンとポリカーボネート樹脂を分散させた感光体中にカル
ボキシル基を有する化合物を含有させた感光体が、デジ
タル光入力に対して優れた性能(高γ特性)を有すると
共に、繰り返し特性の優れた高寿命、高安定なデジタル
感光体であることを見出し、本発明を完成させた。
ンを結着樹脂中に分散してなる感光層を導電性基体上に
設けた電子写真感光体において、結着樹脂としてポリカ
ーボネート樹脂を用い、感光層中にカルボキシル基を有
する化合物を含有することを特徴とする電子写真感光体
である。特には光減衰曲線において閾値を有し、高表面
電位から低表面電位へ遷移させる露光エネルギー変化が
小さい電子写真感光体(高γ値感光体)である。
れているが、本発明で用いられるチタニルフタロシアニ
ンとしては特に限られず、例えば、アモルファス形、通
常、CuKα線を用いたX線回折スペクトルにおいてブ
ラッグ角(2θ±0.2°)7.6°、25.3°、2
8.6°に主たるピークを有するα形、通常、ブラッグ
角(2θ±0.2°)9.3°、13.3°、26.3
°に主たるピークを有するβ形、通常、ブラッグ角(2
θ±0.2°)7.0°、15.6°、23.4°、2
5.5°に主たるピークを有するc形、通常、ブラッグ
角(2θ±0.2°)9.5°、24.1°、27.3
°にピークを示し、このうち27.3°の回折ピークの
強度が最も強い結晶形等が挙げられる。その中でもアモ
ルファス形、β形及びブラッグ角(2θ±0.2°)
9.5°、24.1°、27.3°にピークを示し、こ
のうち27.3°の回折ピークの強度が最も強い結晶形
が好ましく、更にX線回折スペクトルにおいてブラッグ
角(2θ±0.2°)9.5°、24.1°、27.3
°に通常、ピークを示し、このうち27.3°の回折ピ
ークの強度が最も強い結晶形のチタニルフタロシアニン
が最も好ましい。
ーザー及びトーマスの「フタロシアニン化合物」(MO
SER and THOMAS,“Phthalocy
anine Compounds”)の公知方法等、い
ずれの方法によっても良い。例えば、o−フタロニトリ
ルと四塩化チタンを加熱融解またはα−クロロナフタレ
ンなどの有機溶媒の存在下で加熱する方法、1,3−ジ
イミノイソインドリンとテトラブトキシチタンをN−メ
チルピロリドンなどの有機溶媒で加熱する方法により収
率良く得られる。このように合成したチタニルフタロシ
アニンには塩素置換体フタロシアニンが含有されていて
も良い。また、上記記載の27.3°の回折ピークの強
度が最も強いチタニルフタロシアニンの製造法として
は、例えば、チタニルフタロシアニンを機械的に摩砕
し、水と有機溶剤を加えて処理する、特開平2−289
658号記載の方法等により製造できるが、この方法に
限定されるものではなく、例えば他の製造方法により製
造可能であっても、結晶学的に同じ結晶形に属するもの
であれば包含するものである。
式に示される構造を持つものなら特に制限はない。
残基を表わし、nは自然数を表わす。本発明で用いられ
るポリカーボネート樹脂の製造法としては、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物と炭酸誘導体とのエステル交換により重
合する方法(エステル交換法、溶融重合法)と芳香族ジ
ヒドロキシ化合物とホスゲンとを脱酸剤の存在下溶液中
あるいは界面にて重合する方法(ホスゲン法)、環状オ
リゴカーボネートの開環重合による方法等がある。
をホスゲン法(界面重合法)により製造する方法は、有
機溶剤として、塩化メチレン、トルエン、キシレンが使
用され、脱酸剤としてアルカリ水溶液が用いられ、ジヒ
ドロキシ化合物のアルカリ水溶液に有機溶剤を共存さ
せ、その中にホスゲンを吹き込むことによって重合を行
う。ホスゲンは通常20%程度過剰に吹き込む。また、
重合反応を促進させるために第三級アミンや第四級アン
モニウム、ホスホニウム塩等を加えても良い。反応温度
は、0〜50℃であり、好ましくは10〜30℃であ
る。反応時間は温度、触媒等の条件によって変化する
が、30分〜5時間である。
をエステル交換法により製造する方法は、芳香族ジヒド
ロキシ化合物と炭酸の芳香族エステルとを塩基触媒存在
下溶融重合する。エステル交換の触媒としては、アルカ
リ金属、アルカリ土類金属、酸化亜鉛等の塩基性金属酸
化物、各種金属の炭酸塩、酢酸塩、水素化物、第四級ア
ンモニウム塩、ホスホニウム塩等の塩基性金属塩が用い
られる。重合温度は、200〜350℃の間で徐々に減
圧にすることによって重合させる。最終的には1mmH
g以下の高減圧とし反応を終了させる。反応時間は温
度、触媒等の条件によって変化するが、2〜5時間であ
る。また、重合中は、分解、架橋等の異常反応を抑制す
るため窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うべきで
ある。
ーボネート樹脂は、数平均分子量は3000〜5000
00が好ましく、更に10000〜200000のもの
が好ましい。また、ガラス転移温度については20〜3
00℃、更に好ましくは50〜250℃である。この様
なポリカーボネート樹脂は、上記各単量体を上記の方法
で重合させても良いが、市販品を用いることもできる。
市販品の例としては、三菱ガス化学(株)製の「ユーピ
ロン」(特にZ−200)、バイエルジャパン(株)製
の「APEC」等が挙げられる。なお、本発明において
結着樹脂は実質ポリカーボネート樹脂のみ用いることが
好ましいが、場合によっては、他の樹脂を混合してもよ
い。
ル基を含有していれば特に制限はないが、炭素数6〜3
0の芳香族カルボン酸化合物、又は、炭素数6〜20の
脂肪族カルボン酸化合物が好ましい。更に炭素数6〜2
5の芳香族カルボン酸化合物、炭素数6〜15の脂肪族
カルボン酸化合物が好ましい。上記、カルボン酸化合物
のなかでも、ハロゲン原子またはニトロ基、エステル基
等の電子吸引基が置換基として含有されていることが更
に好ましい。これらカルボン酸化合物は例えば、芳香族
系では、安息香酸、フッ化安息香酸、塩化安息香酸、臭
化安息香酸(これらハロゲン原子数は1〜5)、トリフ
ルオロメチル安息香酸、トリクロロメチル安息香酸、ニ
トロ安息香酸(ニトロ基数1〜5)、アミノ安息香酸
(アミノ基数1〜5)、メチル安息香酸(メチル基数1
〜5)、t−ブチル安息香酸(t−ブチル基数1〜
3)、メトキシ安息香酸(メトキシ基数1〜3)、ソデ
ィウム−ハイドロキシ−クロロフタレート、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンカルボン酸、
ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルカルボン酸、ビフ
ェニルジカルボン酸、アントラセンカルボン酸、アント
ラセンジカルボン酸、フェニル酢酸、フルオロフェニル
酢酸、クロロフェニル酢酸、メチルフェニル酢酸、メト
キシフェニル酢酸、ケイヒ酸、ヒドロキシケイヒ酸等が
挙げられる。
キサン酸、オクタン酸、シクロヘキサンピロピオン酸、
ノナン酸、トリメチルヘキサン酸、デカン酸、エイコサ
ン酸、ヘプタンジカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、
オクタンジカルボン酸、シクロヘキサンピロピオン酸、
ノナンジカルボン酸、トリメチルヘキサン酸、デカンジ
カルボン酸、エイコサンジカルボン酸等が挙げられる。
上記カルボキシル基を有する化合物の添加率は、チタニ
ルフタロシアニンと結着樹脂であるポリカーボネートの
総重量に対して0.001〜20wt%、好ましくは
0.001〜10wt%、更に好ましくは0.001〜
5wt%である。
ニンと上述のカルボキシル基を有する化合物を上述のポ
リカーボネート樹脂中に分散させた感光層を導電性基体
上に設けることにより得られる。すなわち、チタニルフ
タロシアニンとカルボキシル基を有する化合物とポリカ
ーボネート樹脂を溶剤等とともに、ボールミル、アトラ
イター等の混練分散機で均一に分散させ、導電性基体上
に塗布して、単層の感光層を形成させればよい。
カーボネート樹脂とを、ポリカーボネート樹脂のフタロ
シアニンに対する重量比を1〜10程度にし、それらの
重量に対しカルボン酸化合物を0.001〜20wt%
を加え、溶剤とともに混合する。そして、混合された分
散液を通常電子写真感光体に用いられるアルミニウム等
の金属、もしくは、導電処理した紙、プラスティックな
どの導電性基体上に塗布し、感光層を形成させる。
ボネート樹脂を溶解し、かつ性能を阻害するチタニルフ
タロシアニンの結晶が成長しないものから選択すること
が好ましく、この様な性質を有する溶剤として、例え
ば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジクロロメタ
ン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、モノグライム、ジグライム、アニソール等の
エーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブ
チルセルソルブ、シクロヘキサノール等のアルコール
類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等
のアミド類等を挙げることができる。これらの溶剤につ
いては、1種を単独であるいは2種以上を混合して用い
ることができる。塗布方法としては、必要ならば上記混
合物にトルエン、シクロヘキサノン等の溶剤を加えて粘
度を調整し、エアードクターコーター、プレートコータ
ー、ディップコーター、リングコーター、ロッドコータ
ー、リバースコーター、スプレーコーター、ホットコー
ター、スクイーズコーター、グラビアコーター等の塗布
方式で被膜形成を行う。塗布後、光導電性層として十分
な帯電電位が付与されるようになるまで乾燥を行う。乾
燥は室温における予備乾燥後、30〜300℃の温度で
1分〜24時間の範囲で行う。
造された電子写真感光体(以下、本発明の感光体とす
る)は、通常、樹脂/光導電性材料が重量比で1以上で
ある。従って、例えば、樹脂/光導電材料の重量比が
0.2である酸化亜鉛を用いた従来の感光体の場合に比
べ、樹脂量が多い。よって、被膜の物理的強度があり、
可撓性に富む感光体を実現することができる。
で、導電性基体と感光層との間に下引き層、感光層上に
オーバーコート層を設けることも可能である。また、安
定性等を改善する目的で酸化防止剤等の添加剤を加える
こともできる。この様にして得られる感光層の膜厚は5
〜50μmの範囲が好ましく、10〜30μmの範囲が
更に好ましい。
体は、導電性基体との接着性が大きく、耐湿性が良好で
あり、経時変化が少なく、毒性上の問題が少なく、製造
が容易であり、安価である等の実用上優れた特徴を有す
るものである。上記のようにして得た本発明の感光体
は、通常、正帯電で用いられ、従来の感光体の場合に比
し、特異的な光電流の流れ方をするためデジタル光入力
用感光体として用いることができる。
に、入力光量(の対数値)に対して線形に対応した量の
光電流が流れるのに対して、本発明の感光体は、ある入
力光量までは光電流が流れず、或いはごく小量であり、
その光量を越えた直後から急激に光電流が流れ出すとい
う光減衰曲線において閾値を有するものである(図4参
照)。
よって表現するため、この記録方式に使用される感光体
の光感度特性は上記のものが好ましい。なぜなら、レー
ザースポットを光学系で正確に変調したとしても、スポ
ットそのものの光量の分布やハローは原理的に避けられ
ない。従って、光エネルギー(入力光量)の変化を段階
的にひろう従来の感光体では光量変化によってドットパ
ターンが変化し、ノイズとしてカブリの原因になる。従
って、本発明の感光体は、デジタル光入力用感光体に有
利な感光体である。
シチタン51gをα−クロロナフタレン300ml中で
210℃にて5時間反応後、150℃で熱濾過し、α−
クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の
順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで
洗浄、乾燥して51gのチタニルフタロシアニンを得
た。このチタニルフタロシアニンのX線図を図1に示
す。ブラッグ角(2θ±0.2°)9.3°、13.2
°、26.2°にピークを有するβ形チタニルフタロシ
アニンである。
400gに0℃で溶解し、この酸溶液を0℃に冷却した
水4Lに滴下した。滴下終了後1時間攪拌し、濾過した
後、水で濾液が中性となるまで洗浄してチタニルフタロ
シアニン3.1gを得た。このチタニルフタロシアニン
のX線図を図2に示す。特に鋭いピークを有さないアモ
ルファス形である。
スビーズ50gを100mlのポリビンに入れ、ペイン
トシェーカー(レッドデビル社製)で40時間摩砕し
た。その後、メタノールでチタニルフタロシアニンをガ
ラスビーズから分離し、得られたチタニルフタロシアニ
ンを水100mlで洗浄した。このチタニルフタロシア
ニンウエットケーキを水100mlとジクロロベンゼン
10mlの混合溶液に加え1時間攪拌し、濾過後、メタ
ノールで洗浄し、チタニルフタロシアニン4.3gを得
た。このチタニルフタロシアニンのX線図を図3に示
す。ブラッグ角(2θ±0.2°)9.5°、24.1
°、27.3°にピークを有し、このうち27.3°の
回折ピークの強度が最も強い。
極、滴下ロートを備えた2Lフラスコを窒素置換した
後、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロ
ヘキサン(147.4g、0.55モル)、亜硫酸水素
ナトリウム(0.11g)、水酸化ナトリウム水溶液
(NaOH:55g、1.38モル、水:600m
l)、塩化メチレン(400ml)を入れた。反応温度
を23〜27℃に保ち、激しく攪拌しながらホスゲンを
反応溶液のpHが7に下がるまで吹き込んだ。反応に要
する時間は約2時間であった。約70gのホスゲンが使
用された。次に水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:3
0g、水:30ml)、塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウム(4.8g)を加え、25〜35℃で1時間激し
く攪拌した。反応終了後、水相から有機相を分離し、有
機相を水(500ml)で3回洗浄した。更に2%HC
l水溶液(500ml)、水(500ml)で洗浄し
た。洗浄後、メタノール中に投入し、濾別後、減圧下1
00℃で10時間乾燥させた。
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)とビスフェノールA
(62.5g、0.275モル)に変え、製造例4と同
様に重合した。
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)とビスフェノールF
(55g、0.275モル)に変え、製造例4と同様に
重合した。
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−ト
リメチルシクロヘキサン(170.5g、0.275モ
ル)とビスフェノールA(62.5g、0.275モ
ル)に変え、製造例4と同様に重合した。
シクロヘキサン(147.4g、0.55モル)を1,
1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン
(73.7g、0.275モル)、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−フェニル−エタン(79.8
g、0.275モル)に変え、製造例4と同様に重合し
た。次に、各製造例で得られたチタニルフタロシアニン
及びポリカーボネート樹脂並びにカルボキシル基を含有
する化合物を用いた本発明の電子写真感光体の実施例を
説明する。
と安息香酸0.0125g(1wt%)を、製造例4で
得られたポリカーボネート樹脂1.0g、トルエン6.
5g、ガラスビーズ(直径2mm)12gとともにガラ
ス容器中に密閉し、ペイントシェーカー(レッドデビル
社製)により4時間分散させ、分散後ガラスビーズを分
離し感光体塗布液を得た。この感光体塗布液を厚さ90
μmの脱脂したアルミニウムシート上にワイヤーバー法
により塗布し、室温で予備乾燥後、オーブン中で100
℃、1時間の乾燥処理を行い、感光層膜厚が18μmの
感光体を得た。
Pc)0.25g、カルボン酸化合物、ポリカーボネー
ト樹脂(PCR)1.0gを用い、実施例1と同様な方
法で感光体を得た。
ル基含有化合物を評価するために用いる比較例を説明す
る。 比較例1 製造例1で得られたチタニルフタロシアニン0.25g
を、製造例4で得られたポリカーボネート樹脂1.0
g、トルエン6.5g、ガラスビーズ(直径2mm)1
2gとともにガラス容器中に密閉し、ペイントシェーカ
ー(レッドデビル社製)により4時間分散させ、分散後
ガラスビーズを分離し感光体塗布液を得た。この感光体
塗布液を厚さ90μmの脱脂したアルミシート上にワイ
ヤーバー法により塗布し、室温で予備乾燥後、オーブン
中で100℃、1時間の乾燥処理を行い、感光層膜厚1
8μmの感光体を得た。
Pc)0.25g、ポリカーボネート樹脂(PCR)
1.0gを用い、カルボキシル基含有化合物を用いず、
比較例1と同様な方法で感光体を得た。なお、比較例9
ではカルボキシル基を有する化合物の代りにエステル化
合物を用いた。
各実施例及び各比較例の感光体について、光感度特性を
感光体評価装置(シンシア−55、ジェンテック社製)
を用いて評価した。まず、+6.0KVの電圧でコロナ
帯電させ、光強度が異なった780nmの単色光をコロ
ナ帯電させた感光体に各々照射し、各光強度に対する光
減衰時間曲線(照射時間に対する表面電位の特性曲線)
を各々測定した。そして、その曲線から得られた一定時
間照射(ここでは0.075秒)後における表面電位
を、各々光エネルギーに対してプロットした。これを光
減衰曲線と称し、一例を図4に示す。
同じ程度(95%表面電位)に維持できる光エネルギー
をE95(光減衰曲線における立ち下がり点の光エネルギ
ー)、表面電位を50μJ/cm2 照射後の残留電位V
r 程度(5%表面電位)までに低下させることのできる
光エネルギーをE5 (光減衰曲線における立ち上がり点
の光エネルギー)とし、E5 /E95の値を以下の評価基
準でデジタル記録可能の目途とした。
さいほど光感度がよく、電子写真感光体として優れてい
るといえる。評価結果を第3表に示す。
フタロシアニン、カルボキシル基を有する化合物をポリ
カーボネート樹脂に分散させてなる感光体は、光入力に
対し特異な光電力の流れ方、すなわち、アナログ光であ
ってもデジタル光であってもデジタル信号として出力で
きるものである。従って、デジタル記録形式の電子写真
に使用できると共に、従来のPPC(アナログ光入力)
用感光体に使用してもエッジのシャープな高画質画像を
実現できるものである。
図
図
図
Claims (4)
- 【請求項1】 チタニルフタロシアニンを結着樹脂中に
分散してなる感光層を導電性基体上に設けた電子写真感
光体において、前記感光体はその光減衰曲線において閾
値を有するデジタル光入力用であり、かつ結着樹脂とし
てポリカーボネート樹脂を用い、感光層中にカルボキシ
ル基を有する化合物を含有することを特徴とする電子写
真感光体。 - 【請求項2】 上記カルボキシル基を有する化合物が、
炭素数6〜30の芳香族カルボン酸化合物、又は、炭素
数6〜20の脂肪族カルボン酸化合物であることを特徴
とする請求項1に記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 上記カルボキシル基を有する化合物の含
有量が、感光体中全固形分に対して0.001〜20w
t%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電
子写真感光体。 - 【請求項4】 上記チタニルフタロシアニンが、X線回
折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
9.5°、24.1°及び27.3°にピークを示し、
このうち27.3°の回折ピークの強度が最も強い結晶
形のチタニルフタロシアニンであることを特徴とする請
求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08810496A JP3539055B2 (ja) | 1996-04-10 | 1996-04-10 | 電子写真感光体 |
US08/833,520 US5804346A (en) | 1996-04-10 | 1997-04-07 | Electrophotographic photoreceptor |
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